JP2018178300A - 紡績糸の摩擦試験機 - Google Patents

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Abstract

【課題】摩擦曲面に擦れることなく紡績糸に張力を付与し、正確な測定試験を実施する摩擦試験機の提供。【解決手段】摩擦試験機1は、紡績糸の試験部位の一部が掛けられる摩擦曲面4を有する糸掛け体3と、糸掛け体3に掛けられた紡績糸の試験部位の他部に接触可能な張力付与部材25,26と、切り替え手段20と、を有する。切り替え手段20は、張力付与部材25,26が試験部位への張力付与を解放する第1状態と、張力付与部材25,26が試験部位に張力を付与する第2状態とを切り替えることができ、紡績糸が糸掛け体3に擦れることなく、紡績糸に所定の張力を与えることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、紡績糸の摩擦試験機に関する。
糸の種類として、一般的なリング精紡機によって製造される紡績糸の他に、空気精紡機によって製造される紡績糸が知られている。この紡績糸は、繊維束を繊維の巻き付けによって結束させたものである。巻き付き繊維が芯繊維にしっかりと巻き付かず糸構造が不安定な状態であると、弱糸や抜け糸が発生する。そこで、紡績糸の巻き付き強さを高い信頼性で評価するために、特許文献1の紡績糸の摩擦試験機が知られている。
特許文献1の試験機は、摩擦曲面を有する糸掛け体と、糸掛け体に掛けられる紡績糸の一端を固定するクランプと、摩擦試験中に紡績糸に対して張力を付与するためのおもりを備えている。摩擦試験とは、上記クランプに固定された紡績糸のもう一端を手で把持し、紡績糸を糸掛け体の上を転がすように往復運動させ、糸切れが起った際の往復回数を記録し、評価する試験である。
特開2010-168708
特許文献1に記載の紡績糸の摩擦試験機は、紡績糸に所定の張力を与えるために以下の工程を実施している。まずオペレータは試験開始前に、フレームに支えられている状態のおもりに下から紡績糸をかけ、紡績糸の一端を糸掛け体上の指定の位置で手によって把持し、他方をクランプで固定する。次に紡績糸を所定の長さだけ引っ張り、おもりを上昇させ、紡績糸に張力を与える(特許文献1 図5参照)。しかしながら、この工程には紡績糸を引っ張る際に、測定前であるのにも関わらず糸掛け体に紡績糸が擦れるという問題を含んでいた。
本発明は以上のことに鑑みてなされたものであり、目的は紡績糸の巻き付き強さを正確に評価できる技術の提供である。
次に、この課題を解決するための手段を説明する。
本発明に係る紡績糸の摩擦試験機は、紡績糸の試験部位の一部が掛けられる摩擦曲面を有する糸掛け体と、前記糸掛け体に掛けられた紡績糸の試験部位の他部に接触可能な張力付与部材と、前記張力付与部材が前記試験部位への張力付与を解放する第1状態と前記張力付与部材が前記試験部位に張力を付与する第2状態とを切り替える、切り替え手段と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、張力付与部材が紡績糸に張力を付与していない状態から張力を付与する状態に、切り替え手段によって切り替えることができる。これにより、紡績糸に張力を与えるために摩擦曲面上で紡績糸を引っ張ることなく、紡績糸に所定の張力を与えることができるので、試験前に紡績糸が摩擦曲面で擦れることを防ぐことができ、正確な評価試験が可能となる。
また、本発明に係る紡績糸の摩擦試験機では、前記張力付与部材は上下に位置変位可能なおもりであって、前記切り替え手段は前記おもりを上方位置で支持する第1位置と、前記おもりが自重で下方位置に落下することを許可する第2位置で変位可能な支持部材と、前記支持部材を前記第1位置に位置させる前記第1状態と前記支持部材を第2位置に移動させる前記第2状態との切り替えを行う、操作部をさらに含む、ことを特徴とする。
このような構成によれば、張力付与部材は紡績糸に自重がかからない第1状態と、紡績糸に自重がかかり張力を付与する第2状態とを、支持部材の位置を操作部によって切り替えることにより実現している。これにより、オペレータは操作部を操作するだけで、自在に第1状態と第2状態を切り替えることができ、試験前に紡績糸が摩擦曲面に擦れることなく張力を与えることができる。
また、本発明に係る紡績糸の摩擦試験機では、前記切り替え手段は前記支持部材の駆動部を有し、前記駆動部の駆動を制御する制御部をさらに含む、ことを特徴とする。
支持部材の駆動を制御部によって制御することで、自動で紡績糸に張力を与えることが出来る。
また、本発明に係る紡績糸の摩擦試験機は、前記第1状態が初期状態であり、前記操作部は、前記第1状態から前記第2状態へ切り替える信号を前記制御部に発信する、ことを特徴とする紡績糸の摩擦試験機
これにより、摩擦試験を開始させる前に操作部を操作することによって、支持部材は駆動部によって第1位置から第2位置へと切り替わり、自動で紡績糸に張力を与えることができる。
また、本発明にかかる紡績糸の摩擦試験機では、前記操作部は、前記第2状態から前記第1状態へ復帰させるための信号を前記制御部に発信する、ことを特徴とする。
この構成より、たとえば測定を途中で停止させるときや測定終了時、さらに糸切れが起った時に、オペレータは操作部を操作するだけで、紡績糸にかかる張力を解放し、張力付与部材を初期状態に復帰させることが可能である。
また、本発明に係る紡績糸の摩擦試験機は、前記試験部位の糸切れを検知する糸切れセンサをさらに含み、前記制御部は、糸切れセンサからの信号が入力されたときに、前記第1状態になるように前記駆動部を制御する、ことを特徴とする。
この構成により、たとえば測定中に紡績糸が糸切れを起こした際、張力付与部材は自動で測定前の初期状態に復帰し、オペレータの作業が減る。
また、本発明に係る紡績糸の摩擦試験機は、前記試験部位を前記糸掛け体の前記摩擦曲面上で繰り返し揺動させる揺動装置を備え、前記揺動装置は、前記試験部位の一端を把持するクランプ部と、前記クランプ部を往復させる第2の駆動部と、を有する、ことを特徴とする。
この構成により、オペレータが揺動作業を行うことなく測定が可能である。したがって、オペレータによる揺動速度や糸端の把持方法によるバラつきがなくなり、より正確に紡績糸の評価を行うことができる。
また、本発明に係る紡績糸の摩擦試験機では、前記制御部は、前記第2の駆動部も制御し、前記第1状態から第2状態へ切り替えた後に、前記第2の駆動部を動作開始させる、ことを特徴とする。
これにより、オペレータは摩擦試験機に紡績糸を準備した後、操作部を一度操作すれば、紡績糸に張力が付与され、自動的に揺動試験が開始される。
本発明に係る紡績糸の摩擦試験機は、前記クランプの揺動回数を計数し、規定回数を計測したときに信号を出力するカウンタを備え、前記制御部は、前記カウンタからの信号または前記糸切れセンサからの信号が入力されたときに、前記第1状態になるように前記駆動部を制御する、ことを特徴とする。
これにより、測定試験中に糸切れが起こった場合あるいは糸切れせず試験が終了した場合に、摩擦試験機は揺動を停止し、自動的に第1状態に復帰する。つまり、オペレータによって動作を開始した後は、オペレータによる作業を必要とすることなく摩擦試験を終えることができる。
紡績糸の摩擦試験機の斜視図である。 紡績糸の摩擦試験機の正面図である。 おもり昇降装置(第1状態)の正面図である。 おもり昇降装置(第2状態)の正面図である。 揺動装置の斜視図である。
本発明に係る紡績糸の摩擦試験機について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る紡績糸の摩擦試験機の全体的な構成を示す斜視図である。図2は、摩擦試験機の正面図である。図1および図2に示すように、本実施形態の紡績糸の摩擦試験機1(以下試験機1)は、おもり昇降装置2、摩擦曲面4を有する糸掛け体3、揺動装置5、制御部6、表示部7、操作部8、ガイド9,10,12、第1クランプ11、カッター13、パッケージホルダ16、支持台17およびケーシング19を備えている。
本実施形態の試験機1は、支持台17に取り付けられている。支持台17上において、左側から、おもり昇降装置2、糸掛け体3および揺動装置5がこの順で位置し、支持台17の右側面にはカウンタ6aを有する制御部6が取り付けられている。支持台17の左側面にはパッケージPを固定するためのパッケージホルダ16が備え付けられており、支持台17の脚には移動をスムーズに行うためにキャスタ18が設けられている。糸掛け体3は、半円柱体で奥行き方向に長く、上面に糸を擦るための摩擦曲面4を有しており、摩擦曲面4には他の部分よりも摩擦係数の高い布生地が採用されている。また、糸掛け体3の正面手前側にはモニターを有する表示部7とその右側に操作部8が設けられ、操作部8はONボタン8aとOFFボタン8bを含む。加えて、操作部8のさらに右下にカッター13が設けられている。
パッケージホルダ16の上方にはフック型の第1ガイド9が設けられ、第1ガイド9はブラケット14によって支持されている。ブラケット14は長方形の板状部材で、その一端に第1ガイド9を備え、他端は支持台17に回転可能に取り付けられている。また、おもり昇降装置2の上部には左から順に、第2ガイド10、第1クランプ11、第3ガイド12がケーシング19の上部から露出するように備え付けられている。なお、第2ガイド10及び第3ガイド12は同一の形状をしている。また、第1クランプ11はクランプレバー15に接続されており、クランプレバー15を操作することによって第1クランプ11が開閉する。
続いて、図3および図4を用いておもり昇降装置2を説明する。おもり昇降装置2は、第1モータ21、扇状のカム22、磁気センサ23、支持部材24、アーム25、おもり26、糸切れセンサ27及びフレーム28を含み、いずれの部材もフレーム28に固定されている。
第1モータ21はモータ軸21aが図3の紙面に対して垂直になるように設置されており、モータ軸21aは扇状カム22に接続されている。支持部材24はコロ24aと折曲面24bを有しており、アーム25は被検出片25aを有している。支持部材24およびアーム25はいずれも、図3の紙面に対して垂直な方向に延びる軸Aにそれぞれ回転可能に固定されている。さらに支持部材24は、不図示のばねによって、常時軸Aを中心に時計回りに回転する方向に力が働いている。アーム25は、その遊端部におもり26を備えており、おもり26は2つの大径部と1つの小径部を有するつづみ状である。以上の部品は、図3に示すように扇状カム22の外周の円弧領域にコロ24aが接触している場合、支持部材24は扇状カム22によって支えられ、アーム25は折曲面24bによってほぼ水平になるように支持される。
一方、図4に示すように第1モータ21によって扇状カム22が時計回りに回転した場合、コロ24aが扇の円弧から外れる。支持部材24は不図示のばねの作用により、時計回りに回転し、コロ24aが扇状カム22の中心部に接触した状態で保持される。これによりアーム25は支えを失い、軸Aを中心に時計回りに回転し、折曲面24bに支えられる位置まで下がる。同時にアーム25が下に落ちることで、被検出片25aが糸切れセンサ27の検出可能領域を遮り、検出可能となる。また、扇状カム22の位置を把握するための手段として、カム表面に磁石22aを設け、それを検知する磁気センサ23がフレーム28に設けられている。
以上のように、本実施形態における切り替え手段20は操作部8、第1モータ21、扇型カム22、磁気センサ22および支持部材24を有し、張力付与部材はアーム25およびおもり26を有している。
次に図5を用いて揺動装置5を説明する。揺動装置5は、第2モータ51、駆動伝達機構52、内スライド部材53、外スライド部材54、引っ張りばねS、第2クランプ55、湾曲壁56、フリーローラ57、ストッパ58および初期位置センサ59を含む。
第2モータ51は、そのモータ軸が図5の紙面に対し垂直になるように設けられている。駆動伝達機構52は、小径プーリ52A、大径プーリ52Bおよびベルト52Cを含み、小径プーリ52Aが第2モータ51のモータ軸から動力を受ける。
内スライド部材53と外スライド部材54はいずれも、1枚の板金の両側を90度折り曲げた折り曲げ板金であり、互いに重なった状態で組み合わされている。両スライド部材53および54はそれぞれの重なり合う端部に耳53aおよび耳54aを設けており、両方の耳53aおよび54aには引っ張りばねSが掛け渡され、互いに引き寄せられている。一方、内スライド部材53の離反側の端部は大径プーリ52に接続され、ベルト52Cおよび小径プーリ52Aを介して第2モータからの駆動を受ける。外スライド部材54の離反側の端部には、糸を把持する第2クランプ55と、湾曲壁に接触し回転するフリーローラ57と取り付けられている。
湾曲壁56は円弧の形をした板金部材である。ストッパ58はスライド部材53,54が図5に示す待機位置からさらに左側へ移動しないための突起物である。初期位置センサ59は、反射式の光学センサであって、スライド部材53,54が待機位置にいるかどうかを検知する。
駆動伝達機構52を介して第2モータからの駆動を受けるスライド部材53,54は、大径プーリ52の中心を支点に揺動し、往復運動をする。しかし湾曲壁の円弧の中心は大径プーリ52の中心ではないため、大径プーリ52の中心から湾曲壁までの距離は常に変動する。その一方で、耳53aおよび54a同士を引き寄せる方向に力を加える引っ張りばねSの働きで、外スライド部材54に設けられたフリーローラ57は常に湾曲壁の内側に押し当てられている。そのため、大径プーリ52の中心からフリーローラ57までの距離が湾曲壁に合わせて伸縮するようになり、スライド部材53,54の往復運動を可能にしている。
次に、試験機1による糸Yの摩擦試験の手順について説明する。ここで、おもり26を設けたアーム25が、第1位置の支持部材24によって支えられている状態を第1状態(図3)とし、第1位置とはコロ24aが扇状カム22の外周の円弧領域に接触している時の位置とする。また、アーム25が支持部材24に支えられていない、つまり支持部材24が第2位置となりアーム25が自重により自由落下できる状態を第2状態(図4)とし、第2位置とは扇状カム22の回転によりコロ24aが円弧から外れた時、具体的には扇状カム22の半径領域に接触した位置と定義する。
摩擦試験の開始前は、試験機1は第1状態で待機している。オペレータは、糸Yが巻回されたパッケージPを準備し、図2に示すように、パッケージホルダ16に装着する。次いで、オペレータは、パッケージPから糸Yを引き出し、第1ガイド9、第2ガイド10、第1クランプ11のクランプ部、第3ガイド12、おもり26の下方、糸掛け体3の上方、第2クランプ55のクランプ部にこの順番で通した後、第1クランプ11および第2クランプ55でクランプする。なお、第1ガイド9は、パッケージPの真上に位置しているため、糸YはパッケージPの真上から解舒される。このため、糸Yが解舒時にケーシング19に接触して極所的に擦れることが防止され、摩擦試験前に糸Yにダメージを与えることがない。
本実施形態の試験機1では、第1クランプ11と第2クランプ12で両端がクランプされた部分の糸Yが摩擦試験部位であり、試験部位ではできるだけ糸Yを弛ませないように留意する。さらに、おもり26の下方に糸を通すとき、糸Yによっておもり26が持ち上がらない程度の張力で糸をおもり26に接触させる点に留意する。この2つの留意事項を満たすように糸掛けを行うことで、試験開始前に糸Yの試験部位に作用する張力がほぼ一定値に規定される。
摩擦試験は、オペレータが操作部8のONボタン8aを押すことで開始される。ONボタン8aから信号を受信した制御部6は、おもり昇降装置2を第1状態から第2状態へと切り替える。具体的には、第1状態では扇状カム22は、図3に示すように磁気センサ23が磁石22aを検知する位置にあり、支持部材24が第1位置でアーム25を支持している。制御部6は、ONボタン8aからの信号を受信すると、第1モータ21を駆動して扇状カム22を図3において時計周りに回転させ、図4のように扇状カム22の半径領域が、不図示のばねによって回転する支持部材24を第2位置で支える。すると、アーム25およびおもり26が自由状態となり、試験機1は第1状態から第2状態へと切り替わる。この際、アーム25およびおもり26によって糸Yに張力が与えられる。
続いて制御部6は、揺動装置5の第2モータ51を制御し、第2クランプ55を湾曲壁56に沿って所定距離を規定回数、例えば10回往復させる。まず制御部6は、図5において第2モータ51のモータ軸を反時計周りに駆動させる。これより、駆動伝達機構52を介し、第2クランプ55を備えたスライド部材53,54が図5に示す位置(以下「初期位置」と呼ぶ)から右に揺動する。さらに、第2モータ51がステッピングモータであることから、制御部6はスライド部材53,54を伸縮させながら湾曲壁56の右端で停止するようにパルス制御を行う。次に制御部6は、図5において第2モータ51のモータ軸を時計回りに駆動させ、スライド部材53,54を伸縮させながら初期位置に移動させる。制御部6は、以上の一連の往復動作を規定回数、例えば10回行った後で、第2モータ21の動作を停止させる。なお、スライド部材53,54は概ね1秒で1回往復する。
光学センサである初期位置センサ59は、スライド部材53,54を検知する度にカウンタ6aに信号を送る。カウンタ6aは受信した信号の回数をカウントし、制御部6は表示部7に糸Yの試験部位の摩擦試験回数を表示させる。カウンタ6aは、信号のカウントが10回になると、摩擦試験の終了を表す停止信号を制御部6に送信する。
糸Yの試験部位で糸切れが生じることなく、第2クランプが10回の往復動作を終えると、つまり制御部6がカウンタ6aから停止信号を受信すると、おもり昇降装置2を第2状態から第1状態に復帰させる。具体的には、制御部6は図4において第1モータ21を時計周りに駆動させ、図3のように磁気センサ23が磁石22aを検知したところで第1モータ21を停止させる。
ここで、仮に揺動装置5の往復動作中に糸Yの試験部位が切れた場合、摩擦試験機1は糸Yが切れた時点の往復回数を表示部7に表示し、試験は終了する。詳しくは、糸Yが試験部位で切れると、糸Yによって支えられていたアーム25およびおもり26が、支持を失い自重により下がる。すると、糸切れセンサ27が、アーム25に設けられた被検出片25aを検知し制御部6に信号を送信する。信号を受信した制御部は、カウンタ6aでの計測を停止させ、第2モータ51を制御して揺動装置5を初期位置に停止させる。その際、スライド部材53,54停止時の初期位置センサ59の信号はカウンタ6aで計測されない。さらに制御部6は、糸切れセンサ27からの信号を受信して所定時間後に、例えば1秒後に、第1モータ21を駆動しておもり昇降装置2を第1状態に復帰させる。
なお、摩擦試験機1は、オペレータによる操作により試験を途中で中止することができる。オペレータによってOFFボタン8bが押されると、OFFボタン8bは制御部6に信号を発信し、信号を受信した制御部6は、カウンタ6aを停止させるとともに、おもり昇降装置2を第2状態から第1状態へと切り替え、揺動装置5を初期位置に戻す。
以上の動作により、摩擦試験は、10回の往復動作に対し何回往復することができるかを測定し、オペレータは試験後に表示部8に示された往復回数を記録する。複数のパッケージにおいて、それぞれ複数回の試験を行い、測定結果を解析する。例えば、4つのパッケージにおいてパッケージあたり10回の摩擦試験を行い、合計40回の試験結果に対し重み付け処理を施し、そのスコアによって紡績糸の評価をつける。なお、同一パッケージで試験を繰り返す際は、試験部位から次の試験部位までは1m以上開けることに留意する。
[効果]
本実施形態では、張力付与部材であるアーム25およびおもり26の状態を、切り替え手段20によって切り替えることで、糸Yを摩擦曲面で引っ張ることなく糸Yに張力を与えることができる。
具体的には、アーム25およびおもり26(張力付与部材)は回転可能に固定され、遊端部が上下に移動可能であり、支持部材24はアーム25およびおもり26を上方で支持する第1位置と、下方で支持する第2位置の間を移動することができる。支持部材の第1位置および第2位置の切り替えは、操作部8によって行われる。この構成によりオペレータは、アーム25およびおもり26が糸Yに自重がかからない第1状態と、糸Yに自重がかかり張力を付与する第2状態とを、操作部8によって切り替えることができ、試験前に紡績糸が摩擦曲面に擦れることなく張力を与えることができる。
また、支持部材24は第1モータ21によって駆動され、第1モータ21は制御部6によって制御される。こうすることで、自動で糸Yに張力を与えることができる。
また、本実施形態ではオペレータがONボタン8aを押すと、制御部6に第1状態から第2状態へ切り替える信号を発信し、制御部6はそれを実行する。これにより、オペレータは第1状態時に糸掛けを行い、その後ONボタン8aを押し第2状態に切り替えることで、アーム25およびおもり26は、支持部材24による支持を失い糸Yによって支えられる、つまり糸Yに張力を与えることができる。
また、本実施形態で試験機1は操作部としてOFFボタン8bを有している。この構成より、たとえば測定を途中で停止させるとき、オペレータはOFFボタン8bを押すことで、紡績糸にかかる張力を解放し、アーム25およびおもり26を第1状態に復帰させることが可能である。
さらに、本実施形態はアーム25が糸Yによる支えを失い落下した際の、つまりアーム25が第2位置の支持部材24に支えられる際の、被検出片25aが検出領域を覆う位置に、糸切れセンサ27を設けている。糸切れセンサ27は被検出片25aを検出すると制御部6へ信号を送信し、制御部6はアーム25およびおもり26を第1状態へと復帰させる。この構成により、たとえば測定中に紡績糸が糸切れを起こした際、アーム25およびおもり26を自動で測定前の初期状態に復帰し、オペレータの復帰作業が不要になる。
本実施形態では、糸Yの試験部位を糸掛け体3の摩擦曲面4上で繰り返し揺動させる揺動装置5を有している。第2クランプ55(クランプ部)にて糸Yの一端を把持し、第2モータ51(第2の駆動部)によって揺動させる。この構成により、オペレータが手で糸Yの揺動運動を行うことなく測定が可能であり、オペレータの作業負担が軽減される。
揺動装置5の第2モータ51も、第1モータ21と同じく制御部6によって制御される。そこで制御部6はアーム25およびおもり26を第1状態から第2状態へ切り替えた後に、第2クランプ55を揺動させる。また、制御部6は、揺動回数が規定回数に達すると信号を発信するカウンタ6aを有し、制御部6はカウンタ6aからの信号または糸切れセンサ27からの信号を受けるとアーム25およびおもり26を第2状態に切り替える。この構成により本実施形態の試験機1は、糸掛け後から試験終了までの一連の動作を自動で行うことができ、揺動速度や糸端の把持方法によるバラつきがなくなり、より正確な評価試験を可能としている。
[他の実施形態]
本実施形態では張力付与部材をアーム25およびおもり26としたが、アーム25とおもり26は一つの部材で構成されてもよい。また、切り替え手段20は、第1モータ21、扇状カム22、支持部材24および操作部8によって構成されるとしたが、この構成に限定されない。支持部材24の駆動は、扇状カム22を介して行っていたが、扇状カム22は必須の構成ではなく、直接第1モータ21のモータ軸21aを支持部材24に接続してもよい。さらに、支持部材24に電動モータを接続せずに、操作部としてレバー等を設け、オペレータにより手動で支持部材24の位置を切り替えてもよい。
また、本実施形態では第1モータ21および第2モータ51にステッピングモータを採用していたが、これに限定せずサーボモータやシリンダなど、その他公知の駆動源であってもよい。
また、本実施形態では、揺動装置として、第2クランプ55を揺動させるために2つの部材から成るスライド部材53,54を採用したが、1つの部材でもよく、3つの部材から構成されてもよい。またその際、第2クランプの揺動経路は円弧ではなく、楕円の弧の一部でもよい。
1 摩擦試験機
3 糸掛け体
4 摩擦曲面
5 揺動装置
6 制御部
6a カウンタ
8a ONボタン(操作部)
8b OFFボタン(操作部)
20 切り替え手段
21 第1モータ(駆動部)
24 支持部材
25 アーム(張力付与部材)
26 おもり(張力付与部材)
27 糸切れセンサ
51 第2モータ(第2の駆動部)
55 第2クランプ(クランプ部)

Claims (9)

  1. 紡績糸の試験部位の一部が掛けられる摩擦曲面を有する糸掛け体と、
    前記糸掛け体に掛けられた紡績糸の試験部位の他部に接触可能な張力付与部材と、
    前記張力付与部材が前記試験部位への張力付与を解放する第1状態と前記張力付与部材が前記試験部位に張力を付与する第2状態とを切り替える、切り替え手段と、を含むことを特徴とする紡績糸の摩擦試験機。
  2. 請求項1に記載の紡績糸の摩擦試験機であって、
    前記張力付与部材は、上下に位置変位可能なおもりであって、
    前記切り替え手段は、
    前記おもりを上方位置で支持する第1位置と、前記おもりが自重で下方位置に落下することを許可する第2位置で変位可能な支持部材と、
    前記支持部材を前記第1位置に位置させる前記第1状態と前記支持部材を第2位置に移動させる前記第2状態との切り替えを行う、操作部をさらに含む、ことを特徴とする紡績糸の摩擦試験機。
  3. 請求項2に記載の紡績糸の摩擦試験機であって、
    前記切り替え手段は前記支持部材の駆動部を有し、
    前記駆動部の駆動を制御する制御部をさらに含む、ことを特徴とする紡績糸の摩擦試験機。
  4. 請求項3に記載の紡績糸の摩擦試験機であって、
    前記第1状態が初期状態であり、
    前記操作部は、前記第1状態から前記第2状態へ切り替える信号を前記制御部に発信する、ことを特徴とする紡績糸の摩擦試験機。
  5. 請求項3または4に記載の紡績糸の摩擦試験機であって、
    前記操作部は、前記第2状態から前記第1状態へ復帰させるための信号を前記制御部に発信する、ことを特徴とする紡績糸の摩擦試験機。
  6. 請求項3から5のいずれかに記載の紡績糸の摩擦試験機であって、
    前記試験部位の糸切れを検知する糸切れセンサをさらに含み、
    前記制御部は、糸切れセンサからの信号が入力されたときに、前記第1状態になるように前記駆動部を制御する、ことを特徴とする紡績糸の摩擦試験機。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の紡績糸の摩擦試験機であって、
    前記試験部位を前記糸掛け体の前記摩擦曲面上で繰り返し揺動させる揺動装置を備え、
    前記揺動装置は、前記試験部位の一端を把持するクランプ部と、前記クランプ部を往復させる第2の駆動部と、を有する、ことを特徴とする紡績糸の摩擦試験機。
  8. 請求項7に記載の紡績糸の摩擦試験機であって、
    前記制御部は、前記第2の駆動部も制御し、前記第1状態から第2状態へ切り替えた後に、前記第2の駆動部を動作開始させる、ことを特徴とする紡績糸の摩擦試験機。
  9. 請求項7または8に記載の紡績糸の摩擦試験機であって、
    前記クランプの揺動回数を計数し、規定回数を計測したときに信号を出力するカウンタを備え、
    前記制御部は、前記カウンタからの信号または前記糸切れセンサからの信号が入力されたときに、前記第1状態になるように前記駆動部を制御する、ことを特徴とする紡績糸の摩擦試験機。
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