JP2018177944A - 蓄熱カプセルとその製造方法およびそれを配合した壁材 - Google Patents

蓄熱カプセルとその製造方法およびそれを配合した壁材 Download PDF

Info

Publication number
JP2018177944A
JP2018177944A JP2017078878A JP2017078878A JP2018177944A JP 2018177944 A JP2018177944 A JP 2018177944A JP 2017078878 A JP2017078878 A JP 2017078878A JP 2017078878 A JP2017078878 A JP 2017078878A JP 2018177944 A JP2018177944 A JP 2018177944A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pcm
heat storage
storage capsule
shirasu
shirasu balloon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017078878A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6967264B2 (ja
Inventor
千恵子 近藤
Chieko Kondo
千恵子 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TAKACHIHO KK
Takachiho Corp
Original Assignee
TAKACHIHO KK
Takachiho Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TAKACHIHO KK, Takachiho Corp filed Critical TAKACHIHO KK
Priority to JP2017078878A priority Critical patent/JP6967264B2/ja
Publication of JP2018177944A publication Critical patent/JP2018177944A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6967264B2 publication Critical patent/JP6967264B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Building Environments (AREA)

Abstract

【課題】取扱い時等における外部からの負荷や、無機塩潜熱蓄熱材(PCM)の相変化に伴う膨張・収縮等による破損を抑制し、かつPCMの潮解性を防止する蓄熱カプセルを提供する。【解決手段】蓄熱カプセル10は、シラスで形成される有孔中空材(シラスバルーン)と、シラスバルーンに含まれ、固体と液体との聞の相変化により吸熱と放熱とが可能なPCMと、PCMを担持したシラスバルーンの周りに被覆され、無水硫酸ナトリウム等の非水溶性皮膜を形成する粉末で被覆する下地処理を行った後、エポキシ、シリコーン等の樹脂のコーティングを少なくとも1層形成し、PCMをカプセル化して、潮解性を防止した潜熱蓄熱カプセルおよびそれを配合した壁材を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、無機塩潜熱蓄熱材料(PCM)を用いた蓄熱カプセルに関する。
近年、建材などの建築分野等において、固体と液体との問の相変化により吸熱と放熱とを行うPCMによる蓄熱放熱機能を応用したものが注目されている。特許文献1には、PCMを合成樹脂でマイクロカプセル化したものが記載されている。
PCMとしては様々なものがあるが、無機系と有機系について、相転移温度域ごとに様々な材料が知られている。
この中で、生活環境温度(25℃〜30℃)での畜放熱効果が期待できるものの代表として、塩化カルシウム6水和物やパラフィンなどがあり、商品化されて実用に供するものもある。
特開2001−348566号公報
しかしながら、パラフィンは難燃性に欠けるため、住宅用建材としての用途には難点がある。一方、塩化カルシウム6水和物は難燃性に問題はないが、潮解性を有しており、環境大気から水分を吸収して水溶液となり、蓄熱性が減少または消失してしまう。
上記の欠点を補うため、PCMを合成樹脂でマイクロカプセル化した蓄熱カプセルが提案されている。ところが、合成樹脂のみでカプセル化された蓄熱カプセルは、カプセル殻の強度が低いことから、取扱い時等における外部からの負荷や、PCMの相変化に伴う膨張・収縮等によりカプセルが破損するおそれがある。
そこで、上記無機塩系PCMをシラスバルーンに担持させ、相変化による体積変化や、外力付加への耐久力を増加させたPCM担持シラスバルーンを形成し、合成樹脂でこのPCM担持シラスバルーンを被覆してカプセル化することを試みた。
ところが、PCM担持シラスバルーンの孔部に露出した無機塩系PCMまたはシラスバルーン外殻に担持された無機塩系PCMが潮解性のために水分を吸収することで、その部位の合成樹脂は十分な硬化が行われず、完全に被覆されず、外気に曝露される部分が生じる。
このため、潮解性を有する無機塩PCMのカプセル化には依然として潮解性による性能劣化の問題があった。
本発明の目的は、これらに鑑み、取扱い時等における外部からの負荷や、PCMの相変化に伴う膨張・収縮等による破損を抑制するとともに、潮解性を有する無機塩系潜熱蓄熱体の潮解性を防止し、信頼性の高い蓄熱カプセルを提供することにある。
本発明に係る蓄熱カプセルは、シラスで形成される有孔中空材(シラスバルーン)と、前記シラスバルーンに担持され、固体と液体との間の相変化により吸熱と放熱とが可能なPCMと、前記PCMが担持されたPCM担持シラスバルーンを被覆した非水溶性皮膜を形成する材料からなる下地層、および、その外側を被覆する少なくとも1層の合成樹脂で形成されるシール層とを備えることを特徴とする。
前記非水溶性皮膜を形成する材料は、無水硫酸ナトリウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム水和物から選択される少なくとも1種の無機材料を含むことを特徴とする。
本発明に係る蓄熱カプセルにおいて、前記PCMは、無機水和塩を含むことを特徴とする。
本発明に係る蓄熱カプセルにおいて、前記PCMは、無機水和塩として塩化カルシウム6水和物を含むことを特徴とする。
本発明に係る蓄熱カプセルにおいて、前記少なくとも1層のシール層は、各々アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂またはシリコーン樹脂を含む合成樹脂の少なくとも1種類で形成されていて、層ごとに同じ、および/または異なる材料を用いることができることを特徴とする。
本発明に係る蓄熱カプセルにおいて、前記PCMは、前記シラスバルーンに15.5%wt以上担持されることを特徴とする。
本発明に係る蓄熱カプセルの製造方法は、シラス粉末を焼成して発泡させることにより、有孔中空材を形成するシラスバルーン形成工程と、前記シラスバルーンに、固体と液体との間の相変化により吸熱と放熱とが可能なPCMを融解させて担持させ、PCM担持シラスバルーンを作成する担持工程と、少なくとも前記PCM担持シラスバルーンに非水溶性皮膜を形成する材料をまぶして下地層を形成する下地層形成工程と、前記下地層の上に、1層以上の合成樹脂でシール層を形成するシール層形成工程を備えることを特徴とする。
本発明に係る蓄熱カプセルの製造方法は、前記シラスバルーン形成工程において、前記シラス粉末の粒径は、63μmオーバー(JIS標準ふるい235メッシュを透過しないもの)で且つ250μmアンダー(JIS標準ふるい60メッシュを透過したもの)であることを特徴とする。
本発明に係る蓄熱カプセルの製造方法は、前記シラスバルーン形成工程において、焼成後に水中で浮沈分離して、浮水するシラスバルーンを選別することを含むことを特徴とする。
本発明に係る蓄熱カプセルの製造方法は、前記シラスバルーン形成工程において、焼成後にふるい分けをして、粒径が150μmオーバーのシラスバルーンを選別することを含むことを特徴とする。
本発明に係る蓄熱カプセルの製造方法は、シラスバルーンと液体状態のPCMの混錬によりシラスバルーンにPCMを担持させた後、PCMの融点以下に冷却してPCMを固体状態にしてPCM担持シラスバルーンを含むことを特徴とする。
本発明に係る蓄熱カプセルの製造方法は、シラスバルーンと液体状態のPCMを減圧環境下で混合し、シラスバルーンにPCMを担持させた後、PCMの融点以下に冷却してPCMを固体状態にしてPCM担持シラスバルーンとすることもできる。
本発明に係る蓄熱カプセルの製造方法は、シラスバルーンと液体状態のPCMを減圧環境下で混合し、シラスバルーンにPCMを担持させた後、大気圧で一定時間放置し、PCMの融点以下に冷却してPCMを固体状態にしてPCM担持シラスバルーンとすることもできる。
上記構成によれば、PCMが、シラスで形成されるシラスバルーンに担持されており、シラスは強度特性に優れていることから、取扱い時等における外部からの負荷や、PCMの相変化に伴う膨張・収縮等による蓄熱カプセルの破損を抑制することが可能となる。
さらに、上記構成によれば、潮解性を有するPCMを効果的に封じ込め、蓄熱効果の消失または減衰を抑制することが可能となる。
本発明の実施の形態において、蓄熱カプセルの構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態において、他の蓄熱カプセルの構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態において、蓄熱カプセルの製造方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態において、中空材形成装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態において、担持工程を説明するための図である。 本発明の実施の形態において、シール層形成工程を説明するための図である。 本発明の実施の形態において、蓄熱カプセルを備える壁材の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態において、浮水した有孔シラスバルーンの顕微鏡写真である。 室内曝露による潮解性試験での外観変化経緯を示す写真である。 本発明の実施の形態において、PCM担持シラスバルーンカプセルの畜放熱特性測定結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態において、簡易特性試験ボックスの概略図である。 本発明の実施の形態において、畜放熱特性試験結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態において、PCM担持シラスバルーンカプセルの温度特性を測定する装置の模式断面図である。 本発明の実施の形態における、モデルルームの概略図である。 本発明の実施の形態において、モデルルーム実験による畜放熱効果を表すグラフである。 本発明の実施例、比較例および参考例のサンプルの諸元をまとめた表である。
以下に本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
(本発明のカプセルの構造)
図1は、蓄熱カプセル10の構成を示す断面図である。蓄熱カプセル10は、少なくとも1つの孔部12aを有するシラスバルーン12と、PCM(無機塩潜熱蓄熱材)14と、下地層15と、シール層16と、を備えている。PCM14はバルーン内部の他にバルーン殻の外部に担持した状態も存在するが、図1では、簡単のため、バルーン内部にPCMが担持された状態のみを示してある。
シラスバルーン12は、中空状に形成され有孔部を有するシラスからなり、少なくとも1つの孔部12aを有し、外殻および内側の空洞にPCM14を担持する機能を有している。また、シラスバルーン12は、シラスで形成されていることから、消臭機能、調湿機能、防音機能等を有している。シラスバルーン12は、例えば、シラスを発泡させた有孔シラスバルーン等である。
(シラスの説明)
まず、シラスについて説明する。シラスは、シラス台地を形成しているものである。シラス台地は、日本国の鹿児島県から宮崎県南部にかけて最大150mの厚さになっている。シラス台地は、大量の火砕流として一気に堆積したものであるので、他の土と混ざることなく厚い地層を形成している。シラスは、マグマの状態から超高温で焼成された高純度の無機質セラミック物質で構成されている。シラスは、火山ガラスを主成分とし、非晶質成分を60質量%から80質量%含む多孔質のものである
シラスの化学組成は、質量比で、65%から73%のSiOと、12%から18%のAlと、1%から3%のFeと、2%から4%のCaOと、3%から4%のNaOと、2%から3%のKOと、1%以下のMgOと、1%以下のTiOと、2%から5%の強熱減量(水分等)と、から構成されている。このように、シラスは、主成分がSiOからなり、多くの非晶質成分を含んでいる。
シラスバルーン12の粒径については、PCM14をより多く保持するために150μm以上とするとよい。シラスバルーン12の表面には、PCM14を含有するために、少なくとも1つの小孔12aが形成されている。小孔12aは、液状のPCM14を含有可能な大きさで形成されている。小孔12aの大きさについては、例えば、20μm以下とするとよい。
(PCM担持バルーンの説明)
PCM14は、シラスバルーン12に担持されており、固体と液体との相変化により、吸熱と放熱とを行う機能を有している。PCM14は、シラスバルーン12の内側の空洞およびバルーン外殻表面に担持されている。PCM14には、無機水和塩や有機化合物等の一般的な市販品を用いることが可能である。無機水和塩としては、塩化カルシウム6水和物(CaCl・6HO、融点約29℃)、硫酸ナトリウム10水和物(NaSO・10HO、融点約32℃)等を用いることができる。有機化合物としては、オクタデカン(C1838、融点約28℃)等のパラフィン類を用いることができる。
無機水和塩は、金属材料に対して腐食性を有しているが、シラスが塩類に対して耐食性を有しているので、シラスバルーン12を腐食することはない。
PCM14は、シラスバルーン12に15.5%以上100%以下で担持されるようにするとよい。PCM14が、シラスバルーン12により少なく担持されている場合には、蓄熱カプセル10の蓄熱放熱性能がより小さくなる。一方、PCM14が、シラスバルーン12により多く担持されている場合には、蓄熱カプセル10の蓄熱放熱性能がより大きくなる。また、PCM14が、シラスバルーン12に15.5%担持されていれば、蓄熱カプセル10の蓄熱放熱性能が得られると共に、軽量化が可能となる。PCM14は、シラスバルーン12に15.5%以上17.3%以下で担持されるようにしてもよい。PCM14がシラスバルーン12に17.3%より多く担持される場合には、PCM14の担持に要する時間が長くなり生産性が低下するからである。
建材等の建築分野に蓄熱カプセル10を用いる場合には、生活温度帯(約5℃から約35℃)で相変化が生じる塩化カルシウム6水和物等のPCMを用いるとよい。また、PCMには、不燃性である無機水和塩を用いることが好ましい。
一方、塩化カルシウム6水和物等のPCMは潮解性を有しているものが多く、環境大気の水分により潮解性して蓄熱性が低下または消失してしまうという問題があった。
塩化カルシウム6水和物等のPCMは前記シラスバルーン内部のみに担持させたとしても、孔部で露出しているため、ここから潮解が発生し、潮解性対策としては不十分であった。
このため、をエポキシ、シリコーン等の樹脂でコーティングし、カプセル化することが試みられている。
しかしながら、上記の樹脂によるコーティングでは、バルーン外殻および前記孔部に露出した塩化カルシウム6水和物等が潮解により吸水しているため、非親水性の樹脂との接着性が十分確保できず、封止が十分に行われないため、依然として潮解性対策としては不十分であった。
(潮解性対策下地層)
今回、発明者らは、樹脂コーティングの下地層15として、塩化カルシウム6水和物の潮解性より大きい吸水性を有する物質で、前記PCM担持シラスバルーンを被覆することで潮解性の抑制を図った。
一般的な吸水材としてシリカゲルがあるが、シリカゲルの吸水は物理吸着によるものであり、温度上昇等の外部刺激により水の脱離が起こり、塩化カルシウム6水和物等の潮解性物質は脱離した水により潮解を起こしてしまう欠点がある。
水と反応して安定な非水溶性または難水溶性物質に変化する材料としては、アルギン酸ナトリウム、焼石膏(硫酸カルシウム0.5水和物)、無水芒硝(無水硫酸ナトリウム)などがあり、空気中の二酸化炭素と反応して非水溶性または難水溶性物質に変化する材料としては消石灰などがある。
発明者らは、水を化学吸着する物質、すなわち、水と反応して安定な非水溶性物質に変化する吸湿材料として、本発明では、無水芒硝(無水硫酸ナトリウム)を用いて開発を行った。
PCM担持シラスバルーンをそれぞれで被覆し、しかる後に樹脂でコーティングしてシール層とし、カプセルを作成した。
(シール層(コーティング層))
シール層16は、PCM14を含むPCM担持シラスバルーン12の周りを被覆した下地層15を有するシラスバルーンの表面を被覆する合成樹脂で形成されている。シール層16は、PCM14を含むシラスバルーン12をシールする機能を有していて、PCM14を担持したシラスバルーン12がシール層16で被覆されていることにより、PCM14が融解したときに、液状のPCM14がPCM担持シラスバルーン12から遊離して漏出することが抑制される。
シール層16については、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂またはシリコーン樹脂等の合成樹脂で形成することが可能である。
シール層16の厚みは、粒度分布測定器を用いて測定した。シール層の厚みは、シール層形成前の含有バルーンの粒度分布の平均値とシール層形成後の粒度分布の平均値の差を2で除した値とした。分布がほぼ正規分布に近いのでこの方法は妥当である。
シール層16の厚みについては、例えば、5μmから50μmとすることができるが、用途により、この範囲に限定されるものではない。シール層16が薄い場合には、シール層16が破損して融解したPCM14がPCM担持シラスバルーン12から漏出されやすくなるからである。また、シール層16が厚い場合には、シール層16で断熱されることにより、蓄熱カプセル10の蓄熱放熱特性が低下し易くなるからである。
(他のカプセルの構成)
図2は、他の蓄熱カプセル20の構成を示す断面図である。蓄熱カプセル20は、PCM14を担持した複数個のシラスバルーン12が下地層処理層15で被覆された後シール層22で包埋されている。このように、蓄熱カプセルは、1個だけでなく複数個のPCM14を担持したPCM担持シラスバルーン12を備えるようにしてもよい。図2では図1と同様、バルーンの外殻に担持されたPCMは図示していない。
(蓄熱カプセルの作用)
次に、蓄熱カプセル10の作用について説明する。蓄熱カプセル10が、PCM14の融点まで加熱されると、PCM14が融解して固体から液体に相変化する。このとき蓄熱カプセル10は、外部から熱を吸収して蓄熱する。一方で、蓄熱カプセル10が、PCM14の凝固点まで冷却されると、PCM14が凝固して液体から固体に相変化する。このとき蓄熱カプセル10は、外部へ熱を放出して放熱する。このようにして蓄熱カプセル10は、外部に対して蓄熱や放熱を行うことができる。また、蓄熱カプセル10は、PCM14が、強度特性に優れたシラスで形成されたシラスバルーン12に含まれているので、取扱い時等における外部からの負荷や、PCM14の相変化に伴う膨張・収縮等による破損が抑制される。
(カプセルの製造工程)
次に、蓄熱カプセル10の製造方法について説明する。図3は、蓄熱カプセル10製造方法を示すフローチャー卜である。蓄熱カプセル10の製造方法は、シラスバルーン形成工程(有孔中空材形成工程;S10)と、含有工程(担持工程;S12)と、下地処理工程(S13)と、シール層形成工程(S14)と、を備えている。
(シラスバルーンの製造工程)
シラスバルーン形成工程(S10)は、シラス粉末を焼成して発泡させることにより、シラスバルーン12を形成する工程である。シラス粉末には、例えば、宮崎県産や鹿児島県産の南九州産のシラス等を用いることができる。シラス粉末には、例えば、250μmアンダーのシラス粉末を用いるとよく、63μmオーバー且つ250μmアンダーのシラス粉末を用いることが好ましい。シラス粉末の粒径が63μmより小さいと、焼成してもほとんど発泡しないものがあり、歩留りが低下するからである。シラス粉末の粒度調整については、ふるい分け等により可能である。例えば、原料のシラスについて、目開きが8mmのふるい等を使用して1次ふるい分けして分別し、更に、目開きが250μmのふるい等を使用して2次ふるい分けして分別すればよい。
シラス粉末の含水率は、株式会社ケット科学研究所の卓上型近赤外線分析計 KJT−270を用いて測定した。シラス粉末の含水率は例えば、0.8%から1.0%とするとよく、0.9%であることが好ましい。シラス粉末の含水率が小さいと、シラス粉末を焼成したときに発泡し難いからである。シラス粉末の含水率が大きいと、シラス粉末を焼成して発泡させたときに破裂し易くなるからである。シラス粉末の含水率については、シラス粉末を天日干あるいは乾燥機等で乾燥させて調製する。
次に、シラス粉末を焼成して発泡させることにより、シラスバルーン12を形成する。図4は、シラスバルーンを形成する中空材形成装置30の構成を示す図である。中空材形成装置30は、熱媒体流動層炉32と、原料ホッパ34と、燃焼ガス供給部36と、コンプレッサ38と、サイク口ン40a〜40cと、タンク42a〜42c、バグフィルタ44と、を備えている。熱媒体流動層炉32には、一般的な、シラスバルーン等を形成するための熱媒体流動層炉を用いることができる。熱媒体流動層炉32の熱媒体には、ムライト等が用いられる。燃料ガスには、プロパンガス等が用いられる。サイクロン40a〜40cでは、異なる平均粒径(例えば、平均粒径150μm、平均粒径112μm、平均粒径67μm)のシラスバルーン12を分級可能である。
まず、シラス粉末は、原料ホッパ34から投入される。シラス粉末は、燃焼ガスと空気とともに熱媒体流動層炉32に送られる。シラス粉末は、例えば、900℃から1100℃、保持時間1分間から60分間で焼成されて発泡させることにより、シラスバルーン12が形成される。好適には焼成温度1050℃で40分焼成すると90%以上の収率でシラスバルーン12が形成される。熱媒体流動層炉32から排出されたシラスバルーン12は、各サイクロン40a〜40cにより分級されて、各タンク42a〜42cに収容される。また、微小な粒子は、バグフィルタ44に補足される。
シラスバルーン12は、焼成後において、PCM14を含有するために粒径により選別されるとよい。シラスバルーン12の選別方法については、水中での浮沈分離法(湿式の比重分離法)や、ふるい分け法を用いることが可能である。
水中での浮沈分離法によりシラスバルーン12を選別する場合には、浮水したシラスバルーン12を使用し、沈降したものを除去することが好ましい。浮水したシラスバルーン12は、発泡の度合いが大きく、PCM14の担持に適しているからである。水中で沈降したものは、主に、発泡の度合いが小さいものや破片等からなり、PCM14の担持に適していないからである。
シラスバルーン12をふるい分け法で選別する場合には、シラスバルーン12の粒径が150μm以上となるようにふるい分けするとよい。粒径が150μmより小さいとPCMを担持したときに十分な含有比率が得られない。粒径が150μm以上のシラスバルーン12におけるPCM14の含有比率は、浮水したシラスバルーン12におけるPCM14の含有比率と略同じであるからである。また、ふるい分け法による選別は、振動ふるい等によりふるい分けすればよいので容易に選別することができる。更に、水中で、の浮沈分離法の場合には、選別したシラスバルーン12を乾燥する必要があるが、ふるい分けによる選別では、選別したシラスバルーン12を乾燥する必要がないので、生産性を向上させることができる。
(担持工程)
担持工程(S12)は、シラスバルーン12に、固体と液体との問の相変化により吸熱と放熱とが可能なPCM14を融解させて担持する工程である。
担持方法には、減圧環境下で圧力差を利用してバルーン殻内への担持を増進させる減圧法、大気圧環境および/または減圧環境下ミキサ等で攪拌混錬して担持させる混錬法等がある。本発明の実施例では混錬法を用いた(図5参照)。
混錬担持工程は、攪拌可能な容器50にシラスバルーンと融点以上に加熱して融解した液状PCMを投入する工程と、槽内をPCMの融点以上の温度に保ったまま回転速度を段階的および/または連続的に変化させながら攪拌混錬を行う工程と、所定の時間混錬した後、温度をPCMの融点以下にして、PCMが十分固化する時間で保持し、PCM担持シラスバルーンの塊状物を得る工程と、担持された部分的に塊状のPCM担持シラスバルーンを取り出してポリ袋等に入れて密封し、打撃等により粉砕し、粒状にする工程を含む。
(含有比率)
含有比率の測定は以下の方法で行った。
PCMを担持する前の原料シラスバルーンの質量と混錬で加えたPCMの質量から全体の質量に対してPCMの質量の割合を求めた。
PCM14の含有比率については、例えば、15.5%以上100%以下とするとよく、好適には15.5%以上17.3%以下とすることが可能である。PCM14の含有比率が15.5%以上であれば、蓄熱カプセル10は、蓄熱放熱性能を得られるからである。一方、PCM14の含有比率が17.3%より大きくなると、担持に要する時間が長くなり生産性が低下するからである。
(下地処理)
下地処理工程(S13)は、前記PCM担持バルーンの表面に下地処理材粉末をまぶしてPCM担持シラスバルーンを被覆し、下地処理されたPCM担持シラスバルーンを得る。図6は、本工程の概略模式図である。
シール層形成工程(S14)は、PCM14が担持され、下地処理されたシラスバルーン12の周りに、合成樹脂でシール層16を形成する工程である。図6は、シール層形成工程(S14)を説明するための図であり、下地処理材として無水硫酸ナトリウム(無水芒硝)を用いた例を下記に示す。
まず、PCM14が担持されたPCM担持シラスバルーン12を攪拌可能な容器56等に入れ(図6(a))、無水芒硝を投入して攪拌し、前記PCM14が担持されたPCM担持シラスバルーン12の表面に無主芒硝15のコーティング層を形成し、必要に応じて余分な無水芒硝を篩等により除去して、下地処理されたPCM担持シラスバルーンとする。
次に、図6(b)に示すように、下地処理されたPCM担持シラスバルーンを攪拌可能な容器に投入し、攪拌して、下地処理されたPCM担持シラスバルーンの周りに、液状の合成樹脂58をコーティングする。合成樹脂58には、アクリル樹脂、アルキル樹脂、エポキシ樹脂またはシリコーン樹脂等の市販品を用いることができる。次に、コーティングされた液状の合成樹脂58の層を室温または加温して硬化させる。このようにして、PCM14が担持されたPCM担持シラスバルーン12の周りに、合成樹脂でシール層16が形成される。
なお前記工程で、塩化カルシウム6水和物等の潮解性を有するPCM14を用いる場合には、潮解を抑制するために容器に乾燥剤等を配置するとよい。
前記工程で、図6(b)の工程を繰り返すことで合成樹脂層を多層形成することができる(図1の参照符号16a、16b参照)。
前記工程で、シリコーン樹脂でコーティングする場合は、樹脂コーティングの前に、下地処理された含有バルーン表面をシランカプリング剤等でプライマ処理を行ってもよい。
前記工程で、疎水性樹脂でコーティングする場合は、撥水剤による前処理を行ってもよい。
前記工程で、下地層形成は含有バルーンを無水芒硝と同時に容器に投入してもよく、順次投入してもよい。
前記工程で、コーティング層形成は、下地処理されたPCM担持シラスバルーンとコーティング剤を同時に容器に投入してもよく、順次投入してもよい。
(壁材の説明)
次に、蓄熱カプセル10を備えた壁材について説明する。図7(a)は、蓄熱カプセル10を備えた壁材62の構成を示す断面図である。壁材62は、構造体64の表面を覆うように設けられている。壁材62は、蓄熱カプセル10と、結合材と、粘土材と、スサ類とを所定量の水等で混練して、構造体64の表面に塗布することで形成される。結合材には、石膏ブラスター等を用いることができる。粘土材には、含水ケイ酸塩鉱物を組成に含む粘土を用いることができる。スサ類には、麻スサ等を用いることができる。壁材62は、更に、乾燥シラスと、シラスバルーンと、を含むことにより、調湿機能と、消臭機能と、断熱機能と、遮音機能とをより向上させることができる。なお、図7(b)に示すように、必要に応じて壁材62の両面を、構造体64で挟む、いわゆるサンドイッチ構造としてもよい。
(壁材の効果)
壁材62は、蓄熱カプセル10を備えていることから、温度調節機能を有している。より詳細には、壁材62の温度が上昇して蓄熱カプセル10に含まれるPCM14の融解温度に達すると、PCM14が固体から液体に相変化することにより熱を吸収して蓄熱する。これにより、壁材62の温度上昇が抑制される。また、壁材62の温度が下降してPCM14の凝固温度に達すると、PCM14が液体から固体に相変化することにより放熱する。これにより、壁材62の温度低下が抑制される。このように、蓄熱カプセル10を備えた壁材62によれば、部屋等の環境温度が変化する場合でも、温度変化を緩和して温度調節することが可能となる。
上記構成の蓄熱カプセルによれば、PCMがシラスで形成されるシラスバルーンに担持されているので、温度調節機能を有すると共に、取扱い時等における外部からの負荷や、PCMの相変化に伴う膨張・収縮等による蓄熱カプセルの破損を抑制することが可能となる。また、上記構成の蓄熱カプセルによれば、シラスバルーンがシラスで形成されていることから、温度調節機能に加えて、消臭機能、調湿機能、遮音機能等を備えることができる。
上記構成の蓄熱カプセルの製造方法によれば、シラスバルーンにPCMを担持し、無水硫酸ナトリウムで下地処理した後、合成樹脂でシール層を形成して製造することから、マイクロカプセル化して製造する場合よりも容易に製造可能であり、蓄熱カプセルの生産コストを低減することができる。
上記構成の壁材によれば、蓄熱カプセルを備えているので、温度調節機能に加えて、消臭機能、調湿機能、遮音機能等を備えることが可能となる。
本発明の蓄熱カプセルおよびそれを用いた壁材の実施例について説明する。
(原料のシラス)
原料のシラスには、高千穂シラス株式会社製のシラスを使用した。シラスの化学組成は、質量比で、67.8%のSiOと、15.1%のAlと、3.7%のNaOと、2.2%のCaOと、2.5%のFeと、2.2%のKOと、0.27%のTiOと、0.06%のMnOと、0.58%のMgOと、0.03%のPと、0.20%のSOと、0.001%未満のCl(塩化物イオン)と、2.7%の強熱減量と、から構成されている。
SiOについては、凝集質量吸光光度併用法により測定した。Al、Fe、TiO、CaO、MgO、NaO、KO、MnO、及びPについては、フッ化水素酸、硝酸、過塩素酸分解−ICP発光分析法により測定した。Clについては、環境庁告示第13号に準じた溶出を行い、検液をイオンクロマトグラフ法で測定した。強熱減量については、JIS R5202により測定した。
(シラスバルーンの形成)
まず、原料のシラスについて前処理を行った。シラスを1次ふるい分けして分別した。ふるいには、目開きが8mmのものを使用した。ふるいを通過した1次シラス粉末(8mmアンダーのシラス粉末)を天日干しで乾燥させた。乾燥させた1次シラス粉末を2次ふるい分けして分別した。ふるいには、目開きが250μmのものを使用した。ふるいを通過した2次シラス粉末(250μmアンダーのシラス粉末)を、3次ふるい分けして分別した。3次ふるい分けには、日開きが63μmのものを使用した。ふるいを通過した3次シラス粉末(63μmアンダーのシラス粉末)を除去し、ふるいに残留したシラス粉末を使用した。このように前処理したシラス粉末については、63μmオーバー且つ250μmアンダーの粒径となるように調整した。また、前処理したシラス粉末の含水率は、0.9%であった。
次に、前処理したシラス粉末(63μmオーバー且つ250μmアンダーのシラス粉末)を用いてシラスバルーンである有孔シラスバルーンを形成した。有孔シラスバルーンの形成には、図4に示すような中空材形成装置30を使用した。熱媒体流動層炉の熱媒体には、ムライトを使用した。有孔シラスバルーンについては、前処理したシラス粉末を1050℃で40分焼成することにより発泡させて形成した。
有孔シラスバルーンの粒度分布について、レーザー散乱・回折式粒度分布測定方法により測定を行い、体積基準により求めた。有孔シラスバルーンの粒度分布は、累積粒度分布の10%累積粒径(D10)が77.5μmで、あり、50%累積粒径(D50)が153.6μmであり、90%累積粒径(D90) が287.4μmであった。
次に、有孔シラスバルーンの選別を行った。有孔シラスバルーンの選別については、水中での浮沈分離法(湿式の比重分離法)と、ふるい分け法との2種類の選別方法により行った。まず、水中での浮沈分離法について説明する。水を溜めた容器に有孔シラスバルーンを投入して懸濁させることにより、浮水するものと、浮水しないものとに分け、浮水しない発泡の度合いが低いものを除去した。そして、浮水した有孔シラスバルーンを回収して乾燥させた。浮水した有孔シラスバルーンについて、走査式電子顕微鏡により観察を行った。図8は、浮水した有孔シラスバルーンのSEM観察結果を示す写真である。浮水した有孔シラスバルーンは、発泡の度合いが大きく、表面に小孔Aが形成されていた。
次に、ふるい分け法による選別方法について説明する。ふるい分け法による選別には、目聞きが150μmのふるいを使用した。そして、ふるいに残留した有孔シラスバルーン(150μmオーバーの有孔シラスバルーン)を採用し、ふるいを通過した有孔シラスバルーン(150μmアンダーの有孔シラスバルーン)を除去した。
(PCMの担持)
図5は、混錬担持工程(S12)を説明するための図である。
本発明によるPCMの担持は以下に記述する混錬法で行った。
PCM材料は、市販品の塩化カルシウム6水和物を基材として本発明者らが調製した潜熱蓄熱材であって、融点が25℃、融解潜熱が194KJ/Kgであり、液体状態の比重が1.55で熱伝導率が1.97KJ/mK、および固体状態の比重が1.73で熱伝導率が3.91KJ/mKである。
あらかじめ融点以上に加熱し、液体状態にしておいたPCM材料14とシラスバルーンとしての粒径150μm〜300μmのシラスバルーン12を温度50℃に設定した撹拌可能な容器50内に投入し、攪拌混錬して担持させる。
担持終了後、PCMの融点以下まで冷却してPCMを固体状態にし、取り出して粉砕し、ふるい分けして粒径1mmアンダー(JIS標準ふるい16メッシュを透過したもの)のPCM担持シラスシラスバルーンとする。
前述の混錬法で担持したPCM担持シラスバルーンのPCM含有比率はシラスバルーンとPCMの混錬比率から75質量%であった。
(下地処理)
下地処理工程(S13)は、前記含有バルーンの表面に下地処理材粉末をまぶしてPCM担持シラスバルーンを被覆し、下地処理された含有バルーンを得る。図6は、本工程の概略模式図である。
シール層形成工程(S14)は、PCM14が担持され、下地処理されたシラスバルーン12の周りに、合成樹脂でシール層16を形成する工程である。図6は、シール層形成工程(S14)を説明するための図である。
実施例では無水芒硝を使用した下地処理工程の例として、PCM14が担持されたPCM担持シラスバルーン12を攪拌可能な容器56に入れ、無水芒硝を投入して攪拌し(図6(a))、前記PCM14が担持されたシラスバルーン12の少なくとも孔部13に無主芒硝15の被覆層を形成し、必要に応じて余分な無水芒硝を除去して、下地処理されたPCM担持シラスバルーン11(図6(a)右図)とする。
前記工程で、余分な無水芒硝はふるい、振とう、ブロー等により除去することができる。
(シール層の形成)
次に、図6(b)に示すように、下地処理されたPCM担持シラスバルーンを攪拌可能な容器56に投入し、攪拌して、下地処理されたPCM担持シラスバルーンの周りに、液状の合成樹脂58をコーティングした。
合成樹脂58には、アクリル樹脂、アルキル樹脂、エポキシ樹脂またはシリコーン樹脂および/または放射線硬化型樹脂から選定される少なくとも1種の樹脂を用いることができる。これらは、当業者に周知されている市販品を用いることができる。
次に、コーティングされた液状の合成樹脂58の層を加温、および/または放射線照射等で硬化させる。このようにして、PCM14が担持されたPCM担持シラスバルーン12の周りに、合成樹脂でシール層16を形成し、図6(b)に示すような本発明の蓄熱カプセルを製造した。
潮解性試験に用いた各サンプル諸元を図16の表に示す
A1のサンプルは、下地層およびシール層なしのPCM担持シラスバルーンである。
A2のサンプルは、PCMを担持させたシラスバルーン(含有比率15.5 %)を下地処理なしにシリコーン樹脂による2層のシール層を形成した蓄熱カプセルである。
A3のサンプルは、PCMを担持させたシラスバルーン(含有比率15.5%)を芒硝による下地処理した後、その周りをシリコーン樹脂で2層のシール層を形成した蓄熱カプセルである。
なお前記工程で、塩化カルシウム6水和物等の潮解性を有するPCM14を用いる場合には、潮解を抑制するために容器60に乾燥剤等を配置するとよい。
前記工程で、図6(b)の工程を繰り返すことで合成樹脂層を多層形成することができる。
前記工程で、シリコーン樹脂でコーティングする場合は、樹脂コーティングの前に、下地処理された含有バルーン表面をシランカプリング剤等でプライマ処理を行ってもよい。
前記工程で、疎水性樹脂でコーティングする場合は、撥水剤による前処理を行ってもよい。
前記工程で、シール層として紫外線等の放射線で硬化させる樹脂を用いることもできる。
前記工程で、下地層形成はPCM担持シラスバルーンを無水芒硝と同時に容器に投入してもよく、順次投入してもよい。
前記工程で、コーティング層形成は、下地処理されたPCM担持シラスバルーンとコーティング剤を同時に容器に投入してもよく、順次投入してもよい。
(潮解性試験)
芒硝による下地処理の例として以下のサンプルについて、室内環境に曝露し、一定時間経過後の外観変化の観察を行った。
図9に外観変化の写真を示す。
図9の写真から、下地処理によるサンプルA3では72時間放置後も外観上潮解による水分吸収は認められず、下地処理なしの他のサンプルA1とA2ではコーティング層の有無にかかわらず吸着水分が水滴または溶液状となって出現している。
以上により、潮解性抑制に本発明の下地処理が有効であることがわかる。
(下地層の作用機序)
無水芒硝で下地処理することで潮解性が抑制される作用機序として、無水芒硝が塩化カルシウム6水和物より吸水性が大きく、無水芒硝の吸水が化学吸着によるものであり、非水溶性の硫酸カルシウムに変化したためだろうと推測される。
(PCM担持バルーンカプセルの畜放熱特性試験)
前述した潮解性が抑制された蓄熱カプセル資料(B3)と、シールなしPCM含侵シラスバルーン(B2)について、ウォーターバスによる畜放熱特性試験を行った。ウォーターバスの水温(B1)を温度基準とした。
本装置の模式断面図を図13に示す。
畜放熱特性試験方法について説明する。の中にサンプル86を入れ、白金測温抵抗体(PT100Ω)87bをサンプルと接触させた。ステンレスバット81に水82を入れシリコンラバーヒータ88を置いて熱源とした。サンプル86を入れたガラス容器83をステンレスバット81に入れて水に浸漬させて15℃から40℃までの温度制御を行い、サンプルの温度を測定した。温度制御については、水温を15℃から40℃まで6時間で昇温し、40℃で1時間保持した後に、シリコンラバーヒータ88の電源を切り冷却した。
図10は、PCM担持シラスバルーンカプセルの畜放熱特性試験結果を示すグラフである。図10のグラフでは、横軸に経過時間を取り、縦軸に各サンプルの温度を取り、各サンプル等の温度を実線や破線で表している。
(B1)、(B2)のサンプルについて、昇温中、昇温速度の低下が認められたことから吸熱が生じていることが明らかとなった。
この結果から、(B1)の資料は、カプセル化していない(B2)の潮解を起こす前のサンプルとほぼ同等の蓄熱放熱特性を備えていて、下地処理およびシール層形成処理を行っても畜放熱特性が維持されることが示された。
(簡易特性測定装置での畜放熱特性試験)
図11に今回用いた簡易特性測定装置の略図を示す。
簡易特性測定装置の槽70の内壁は底部を除く5面に断熱材が配設され、槽内に本発明の潜熱蓄熱材を配合した壁材サンプル72を4つの側面にセットしたキューブ71(壁材サンプルボックス)が配置される。槽の底部から熱源74により外気に相当する層内の空気を加熱し、室内温度に相当するキューブ71内の温度と外気温度に相当槽内の温度(キューブ71外の温度)を測定する。
壁材サンプル配合したPCM担持シラスバルーンは以下のとおりである。
D1.含有PCM(3:1)バルーン(1000g)に芒硝(350g)をまぶしたものに、シリコーンKE−4971(200g)を2回、コーティングしたもの(合計1750gPCM含有量750g約42.8%)。
D2.含有PCM(2:1)バルーンに芒硝(10:3.5)をまぶしたものに、シリコーンKE−4971(10:2.2)を2回コーティングしたもの(合計895g、PCM含有量333g:約37%)。
A、Bの各PCMコーティングバルーンを、高千穂(株)製の中霧島壁(SN−2)に30%配合した材料を使い210mm×210mmの石膏ボード4枚に塗り、養生乾燥後、サンプルホルダ(300mmキューブ)の4つの側面にそれぞれセットし、簡易加熱槽にて夏場の外気温を再現しキューブ内の畜放熱特性を調べた。
図12に、簡易温度特性測定装置での畜放熱特性の測定結果を示す。図12からわかるように外気温相当のボックス内温度に対して、室内温相当のキューブ内の温度上昇時間と温度下降時間の増加(温度変化抑制効果)、および最高到達温度の低下が観測された。
(モデルルームでの温度抑制効果)
前述した蓄熱カプセルを壁材としてモデルルームに施工し、室内の温度抑制効果を測定した。
モデルルームの諸元と実装態様を以下に示す。
図14にモデルルームの概略図を示す。
モデルルームは1棟に8帖(約13m2)、高さ約2.7mの洋室を吹抜け87およびキャットウォーク88を挟んでA室81およびB室82の2室が設けられている。A室81には南側と西側に窓83A、北側に扉84Aと引き戸85Aが設けられ、B室82には、南側と西側に窓83B、北側に扉84Bと引き戸85Bが設けられていて、図中矢印の方向Nは「北」を指す。
A室81には本発明の蓄熱カプセルを配合した内壁を実装し、B室82には蓄熱カプセルを配合ない内壁を実装した。A室に実装した壁材に配合されたPCMの質量は約18.3Kgである。
温度センサ86Aおよび86Bは、各々A室およびB室の南側の壁面にセットし、温度差を測定した。
モデルルームでの配合壁施工
用いた蓄熱カプセルは、前述の実施例A3と同じものを用いた
東側PCM配合壁施工
東面(7.9m)より、一面一面仕上げる方法で施工開始
湿らしこすり
PCM配合壁10Kgに対して、スノーテックス6.3Lにて攪拌、攪拌後1分〜2分で水分を吸込み固まった所を繰り返しコテ板に乗せて施工
一本引き扉の所を除き、約10Kgを2袋使用予定の所を1袋で塗り切った
南面より東面で塗った2倍の厚みで塗る
南面2.5袋、西面3袋、北面2袋の合計8.5袋(85Kg)使用
PCM配合壁(50%と配合)120Kgを予定したが85Kgで施工完了
用いたPCM(3:1配合)含有バルーンは、85Kg/2=42.5Kg、その中のPCM量は、42.5×0.43=18.27Kg。
モデルルームでの温度抑制効果結果
図15は本発明の蓄熱カプセルを配合した壁材を施工した部屋と本発明の蓄熱カプセルを配合しない壁材を施工した部屋の壁表面近傍の温度上昇および下降特性を表す。図中、実線は本発明の蓄熱カプセルを配合した壁材を施工したA室、破線は本発明の蓄熱カプセルを配合しない壁材を施工したB室、のものである。
図15に示すように、本発明の蓄熱カプセルを実装した部屋では、非含有シラスバルーンを実装した部屋に比べて、最高温度で約2℃低くなり、最高温度までの上昇時間が約1時間延長された。
なお、上述した蓄熱カプセルは、シラスで形成される有孔中空体と、前記シラスバルーンの中空部および/または外殻に担持され、固体と液体との問の相変化により吸熱と放熱とが可能な潜熱蓄熱材料と、前記PCMを担持したPCM担持シラスバルーンの周りに被覆され、吸水性を有する無機化合物粉末からなる下地処理層と、前記下地処理層を覆う合成樹脂で形成される少なくとも1層のシール層とを備える蓄熱カプセルの例である。
蓄熱カプセルでは、前記PCMは、たとえば、無機水和塩である。
蓄熱カプセルでは、前記PCMは、たとえば、塩化カルシウム6水和物で構成されている。
蓄熱カプセルでは、前記下地処理層は、たとえば、化学反応により非水溶性物質を生成する無機化合物で構成されている。
蓄熱カプセルでは、前記下地処理層は、たとえば、無水硫酸ナトリウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム水和物から選ばれる少なくとも1つの無機化合物で構成されている。
蓄熱カプセルでは、前記少なくとも1層のシール層は、たとえば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エボキシ樹脂またはシリコーン樹脂から選択される樹脂材で各々形成されている。
蓄熱カプセルでは、前記PCMは、たとえば、前記シラスバルーンに質量比率で15.5%以上複合担持されている。
また、上述した蓄熱カプセルの製造方法は、シラス粉末を焼成して発泡させることにより、シラスバルーンを形成するシラスバルーン形成工程と、前記シラスバルーン形成工程で形成されたシラスバルーンに、固体と液体との間の相変化により吸熱と放熱とが可能なPCMを融解させて担持させる担持工程と、前記担持工程後、前記PCMが含有されたPCM担持シラスバルーンの周りに、非水溶性または難水溶性の無機化合物粉末で被覆した下地処理層を形成する下地処理層形成工程と、前記下地処理層形成工程後、合成樹脂でシール層を形成するシール層形成工程と、を備える蓄熱カプセルの製造方法の例である。
蓄熱カプセルの製造方法では、前記シラスバルーン形成工程において、たとえば、前記シラス粉末の粒径を、63μmオーバー且つ250μmアンダーにしている。
蓄熱カプセルの製造方法では、前記シラスバルーン形成工程において、たとえば、焼成後に液体中で浮沈分離して、浮水するシラスバルーンを選別している。
蓄熱カプセルの製造方法では、前記シラスバルーン形成工程において、たとえば、焼成後にふるい分けをして、粒径が150μmオーバーのシラスバルーンを選別している。
蓄熱カプセルの製造方法では、前記担持工程において、たとえば、ゲ−ジ圧で−0.1MPaから−0.05MPaに減圧して担持している。
蓄熱カプセルの製造方法では、前記含有工程において、ゲ−ジ圧で−0.01MPaから−0.05MPaに減圧して担持させた後、一定時間大気圧雰囲気で保持している。
蓄熱カプセルの製造方法では、前記含有工程において、常圧下で溶融した前記PCMと前記シラスバルーンを容器内で混錬することにより、前記シラスバルーンにPCMを担持させている。
10,20 蓄熱カプセル
11 下地処理されたPCM担持シラスバルーン
12 シラスバルーン
14 PCM
15 下地処理層
16,22 シール層
30 中空材形成装置
32 熱媒体流動層炉
34 原料ホッパ
36 燃焼ガス供給部
38 コンブレッサ
40a,40b,40c サイクロン
42a,42b,42c タンク
44 バグフィルタ
50,56 ガラス容器
52 真空容器
58 合成樹脂
60 容器
62 壁材
64 構造体
70 簡易特性試験装置
71 壁材サンプルホルダ(キューブ)
72 壁材サンプル
73 断熱材
74 熱源
75 キューブ内温度センサ
81 A室
82 B室
83 窓
84 扉
85 引き戸
86A A室温度センサ
86B B室温度センサ
87 吹抜け
88 キャットウォーク
90 蓄熱材温度特性測定装置
91 ステンレスバット
92 水
93 ガラス容器
94 断熱材
95 試験管
96 蓄熱材料サンプル
97a 水温センサ
97b サンプル温度センサ
98 加熱板
99 水切り

Claims (15)

  1. 蓄熱カプセルであって、
    シラスで形成される有孔中空体と、
    前記シラスバルーンの中空部および/または外殻に担持され、固体と液体との問の相変化により吸熱と放熱とが可能な潜熱蓄熱材料と、
    前記PCMを担持したPCM担持シラスバルーンの周りに被覆され、吸水性を有する無機化合物粉末からなる下地処理層と、前記下地処理層を覆う合成樹脂で形成される少なくとも1層のシール層と、
    を備えることを特徴とする蓄熱カプセル。
  2. 請求項1に記載の蓄熱カプセルであって、
    前記PCMは、無機水和塩であることを特徴とする蓄熱カプセル。
  3. 請求項2に記載の蓄熱カプセルであって、
    前記PCMは、塩化カルシウム6水和物で、あることを特徴とする蓄熱カプセル。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の蓄熱カプセルであって、
    前記下地処理層は、化学反応により非水溶性物質を生成する無機化合物であることを特徴とする蓄熱カプセル。
  5. 請求項4に記載の蓄熱カプセルであって、
    前記下地処理層は、無水硫酸ナトリウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム水和物から選ばれる少なくとも1つの無機化合物であることを特徴とする蓄熱カプセル。
  6. 請求項1に記載の蓄熱カプセルであって、
    前記少なくとも1層のシール層は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エボキシ樹脂またはシリコーン樹脂から選択される樹脂材で各々形成されていることを特徴とする蓄熱カプセル。
  7. 請求項1から5のいずれか1つに記載の蓄熱カプセルであって、
    前記PCMは、前記シラスバルーンに質量比率で15.5%以上複合担持されていることを特徴とする蓄熱カプセル。
  8. 請求項1から7のいずれか1つに記載の蓄熱カプセルを配合したことを特徴とする壁材。
  9. 蓄熱カプセルの製造方法であって、
    シラス粉末を焼成して発泡させることにより、シラスバルーンを形成するシラスバルーン形成工程と、
    前記シラスバルーン形成工程で形成されたシラスバルーンに、固体と液体との間の相変化により吸熱と放熱とが可能なPCMを融解させて担持させる担持工程と、
    前記担持工程後、前記PCMが含有されたPCM担持シラスバルーンの周りに、非水溶性または難水溶性の無機化合物粉末で被覆した下地処理層を形成する下地処理層形成工程と、
    前記下地処理層形成工程後、合成樹脂でシール層を形成するシール層形成工程と、
    を備えることを特徴とする蓄熱カプセルの製造方法。
  10. 請求項9に記載の蓄熱カプセルの製造方法であって、
    前記シラスバルーン形成工程において、前記シラス粉末の粒径は、63μmオーバー且つ250μmアンダーであることを特徴とする蓄熱カプセルの製造方法。
  11. 請求項9又は10に記載の蓄熱カプセルの製造方法であって、
    前記シラスバルーン形成工程において、焼成後に液体中で浮沈分離して、浮水するシラスバルーンを選別することを特徴とする蓄熱カプセルの製造方法。
  12. 請求項9から11のいずれか1つに記載の蓄熱カプセルの製造方法であって、
    前記シラスバルーン形成工程において、焼成後にふるい分けをして、粒径が150μmオーバーのシラスバルーンを選別することを特徴とする蓄熱カプセルの製造方法。
  13. 請求項9から12のいずれか1つに記載の蓄熱カプセルの製造方法であって、
    前記担持工程において、ゲ−ジ圧で−0.1MPaから−0.05MPaに減圧して担持させることを特徴とする蓄熱カプセルの製造方法。
  14. 請求項9から13のいずれか1つに記載の蓄熱カプセルの製造方法であって、
    前記含有工程において、ゲ−ジ圧で−0.01MPaから−0.05MPaに減圧して担持させた後、一定時間大気圧雰囲気で保持することを特徴とする蓄熱カプセルの製造方法。
  15. 請求項9から12のいずれか1つに記載の蓄熱カプセルの製造方法であって、
    前記含有工程において、常圧下で溶融した前記PCMと前記シラスバルーンを容器内で混錬することにより、前記シラスバルーンにPCMを担持させることを特徴とする蓄熱カプセルの製造方法。
JP2017078878A 2017-04-12 2017-04-12 蓄熱カプセルとその製造方法およびそれを配合した壁材 Active JP6967264B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017078878A JP6967264B2 (ja) 2017-04-12 2017-04-12 蓄熱カプセルとその製造方法およびそれを配合した壁材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017078878A JP6967264B2 (ja) 2017-04-12 2017-04-12 蓄熱カプセルとその製造方法およびそれを配合した壁材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018177944A true JP2018177944A (ja) 2018-11-15
JP6967264B2 JP6967264B2 (ja) 2021-11-17

Family

ID=64281191

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017078878A Active JP6967264B2 (ja) 2017-04-12 2017-04-12 蓄熱カプセルとその製造方法およびそれを配合した壁材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6967264B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113136170A (zh) * 2020-01-20 2021-07-20 中国科学院青海盐湖研究所 基于原位沉淀二次包覆的水合盐-多孔材料复合物及其制备方法和应用
CN113308228A (zh) * 2021-04-13 2021-08-27 南京航空航天大学 一种多孔复合钙基颗粒及其制备方法和应用
CN113681684A (zh) * 2021-09-03 2021-11-23 福泉环保城发展有限公司 一种含有木质纤维素骨架封装的相变储能材料的石膏基保温墙板的制备方法
CN113796945A (zh) * 2021-10-29 2021-12-17 苏州海宇新辰医疗科技有限公司 一种冷冻消融管

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113136170A (zh) * 2020-01-20 2021-07-20 中国科学院青海盐湖研究所 基于原位沉淀二次包覆的水合盐-多孔材料复合物及其制备方法和应用
CN113308228A (zh) * 2021-04-13 2021-08-27 南京航空航天大学 一种多孔复合钙基颗粒及其制备方法和应用
CN113681684A (zh) * 2021-09-03 2021-11-23 福泉环保城发展有限公司 一种含有木质纤维素骨架封装的相变储能材料的石膏基保温墙板的制备方法
CN113796945A (zh) * 2021-10-29 2021-12-17 苏州海宇新辰医疗科技有限公司 一种冷冻消融管
CN113796945B (zh) * 2021-10-29 2023-08-18 苏州海宇新辰医疗科技有限公司 一种冷冻消融管

Also Published As

Publication number Publication date
JP6967264B2 (ja) 2021-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2018177944A (ja) 蓄熱カプセルとその製造方法およびそれを配合した壁材
Zhang et al. Effect of drying procedures on pore structure and phase evolution of alkali-activated cements
Li et al. Fabrication and stability of form-stable diatomite/paraffin phase change material composites
US9845974B2 (en) Salt coated with nanoparticles
US7704584B2 (en) Thermal insulation with thin phase change layer
Yu et al. Enhanced thermal properties of polyethylene glycol/modified rice husk ash eco-friendly form-stable phase change material via optimizing support pore structure
JPS6291448A (ja) 焼成中空セラミツク球体
US20160030914A1 (en) Granular material for absorption of harmful gases and process for production thereof
Degefu et al. The effect of activator ratio on the thermal and hygric properties of aerated geopolymers
Shishkin et al. Illite clay ceramic hollow sphere-obtaining and properties
JP2020521716A (ja) 建築材料産業向け絶縁性製品の製造のための複合粒子および絶縁材料を製造するための方法、ならびに対応する使用
Zari et al. Nanoclay and polymer-based nanocomposites: materials for energy efficiency
CA2409601A1 (en) Granular ceramic material with high porosity
Castellano et al. Assessment of humidity self-regulation functionality for ceramic tiles
KR20210101259A (ko) 팽창된 및 팽창 가능한 과립 물질
KR20170138449A (ko) 화학적 열 펌프의 재료
Lam et al. Microstructure and shrinkage behavior of autoclaved aerated con-crete (aac)-comparison of Vietnamese and Japanese aacs
ES2588836T3 (es) Formulación mineral que contiene cemento de sulfato-aluminato y perlita expandida de poro cerrado
US20180106508A1 (en) Salt Coated With Nanoparticles
JP5938706B2 (ja) 火山噴出物または火山噴出物発泡体を含有する機能性材料組成物及びその製造方法
JP6861212B2 (ja) 材料、その用途、及び材料の製造方法
JP4436209B2 (ja) 発泡シリカゲル及びその製造方法
Sharma Incorporation of phase change materials into cementitious systems
Wang et al. A novel capric-stearic acid/expanded perlite-based cementitious mortar for thermal energy storage
US20070281146A1 (en) Porous, heat-insulating shaped body, method for producing the shaped body and the use thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20191118

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20191118

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210316

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210513

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210928

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211018

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6967264

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250