JP2018177622A - 無機質硬化体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、マイクロ波による養生であっても発泡させることなく早期に無機質硬化性組成物を硬化させて無機質硬化体を作製できる無機質硬化体の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の無機質硬化体の製造方法は、アルカリシリカ溶液と、このアルカリシリカ溶液との反応により無機質硬化体を生成する活性フィラーとを混合して無機質硬化性組成物を調製する調製工程と、マイクロ波で前記無機質硬化性組成物を養生する養生工程とを含む。前記活性フィラーは、高炉スラグを含む。【選択図】なし
Description
本発明は、無機質硬化体の製造方法に関し、詳細には、建築用、土木用等、各種セメント系部材の代替用途に好適な無機質硬化体の製造方法に関する。
従来から、外壁材等のセメント系部材では、その製造のしやすさから、セメントを主要材料として用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、環境保全の観点から、二酸化炭素の排出量を削減する方法が注目されている。そこで、特許文献1のようなセメントを製造する際に二酸化炭素の排出は避けられないため、セメントの代替材料を用いて二酸化炭素の排出量を削減することが検討されている。例えば非特許文献1では、フライアッシュと、水酸化ナトリウム水溶液と、ケイ酸ナトリウム水溶液との混合物である無機質硬化性組成物に、マイクロ波養生を施した後、更に熱養生を施すことで、緻密で高強度な無機質硬化体を得ることが提案されている。
しかし、非特許文献1の無機質硬化性組成物では、ケイ酸ナトリウムと反応できる成分としてフライアッシュのみが使用されているため、このような無機質硬化性組成物から無機質硬化体が作製されるまで時間を要する。そこで、無機質硬化性組成物の養生硬化時間を短縮するためにマイクロ波の出力エネルギーを大きくすると、無機質硬化性組成物中の水分がマイクロ波により発熱、気化して発泡しやすくなる。このため、非特許文献1の無機質硬化性組成物をマイクロ波で養生硬化させる際には、その消費エネルギーが大きくなると共に、無機質硬化性組成物中の水分から発泡してしまう可能性がある。結果として、得られる硬化体は多孔質に形成される可能性がある。
SUJITRA ONUTAI:Development of Geopolymer Materials Sourced with Fly Ash andIndustrial Waste(飛灰や産業廃棄物を用いたジオポリマー材料の開発),長岡技術科学大学博士論文,2016.8
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、マイクロ波による養生であっても発泡させることなく早期に無機質硬化性組成物を硬化させて無機質硬化体を作製できる無機質硬化体の製造方法を提供することである。
本発明に係る無機質硬化体の製造方法は、アルカリシリカ溶液と、このアルカリシリカ溶液との反応により無機質硬化体を生成する活性フィラーとを混合して無機質硬化性組成物を調製する調製工程と、マイクロ波で前記無機質硬化性組成物を養生する養生工程とを含み、前記活性フィラーは、高炉スラグを含む。
本発明に係る無機質硬化体の製造方法では、前記活性フィラーは、フライアッシュをさらに含んでもよく、下記式(1)で表される前記高炉スラグと前記フライアッシュとの割合が、0.1以上であってもよく、
割合=BS/(BS+FA)・・・(1)
ここで、BSは前記高炉スラグの重量であり、FAは前記フライアッシュの重量であってもよい。
割合=BS/(BS+FA)・・・(1)
ここで、BSは前記高炉スラグの重量であり、FAは前記フライアッシュの重量であってもよい。
本発明に係る無機質硬化体の製造方法では、前記マイクロ波は、出力エネルギーが200W以上であってもよい。
本発明によれば、マイクロ波による養生であっても発泡させることなく早期に無機質硬化性組成物を硬化させて無機質硬化体を作製できる。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
本実施形態に係る無機質硬化体の製造方法は、無機質硬化性組成物を調製する調製工程と、マイクロ波で無機質硬化性組成物を養生する養生工程とを含む。
無機質硬化性組成物は、アルカリシリカ溶液と、活性フィラーとを混合して調製される。そして、活性フィラーは、アルカリシリカ溶液との反応により無機質硬化体を生成できるものであり、高炉スラグを含む。このような無機質硬化性組成物は高炉スラグを含むため、養生工程の際に、マイクロ波で養生硬化させても発泡させることなく早期に無機質硬化性組成物を硬化させて無機質硬化体を作製できる。
アルカリシリカ溶液は、アルカリケイ酸塩を含む水溶液である。調製工程の前段階で、アルカリケイ酸塩が乾燥状態の化合物である場合、予めアルカリケイ酸塩と水とを混合してアルカリシリカ溶液を調製できる。そして、このアルカリシリカ溶液と活性フィラーとを混合して無機質硬化性組成物を調製することができる。また、アルカリシリカ溶液の調製時に、アルカリケイ酸塩と水とを十分に混合させることで、アルカリケイ酸塩は水に溶解できる。このようにアルカリケイ酸塩を水に溶解させた溶液は、一般的に水ガラスとして知られており、水酸基を有するケイ酸を含むことができる。また、水ガラスはアルカリ性を示す。このため、無機質硬化性組成物がアルカリシリカ溶液を含むことで、無機質硬化性組成物はアルカリ環境に変化する。これにより、活性フィラーに含まれる一部の金属元素が無機質硬化性組成物中に溶出し、溶出した金属元素が金属水酸化物に形成される。また、活性フィラー中の一部の非晶質二酸化珪素が無機質硬化性組成物中に溶出し、溶出した二酸化珪素がケイ酸に形成される。このように形成されたケイ酸及びアルカリシリカ溶液中のケイ酸と、金属水酸化物との脱水縮合反応を、養生工程のマイクロ波で促進させることができる。これにより、養生工程の際、マイクロ波で養生硬化させても発泡させることなく早期に無機質硬化性組成物を硬化させることができる。
活性フィラーは、アルカリ環境下で金属水酸化物になる金属元素を含有する化合物であって、3価の金属元素を含む非晶質物質である。このため、活性フィラーは、高炉スラグ以外に、フライアッシュ及びメタカオリンのうち少なくとも1種の化合物を更に含んでもよい。特に、活性フィラーはフライアッシュを更に含むことが好ましい。この場合、無機質硬化性組成物の硬化速度を大きくすることができる。これにより、養生工程の際、無機質硬化性組成物中の水分がマイクロ波で発熱して気化することで発泡する前に無機質硬化性組成物を養生硬化させることができる。このため、養生工程の際の発泡を更に抑制することができる。活性フィラーに含まれる3価の金属元素として、例えばアルミニウムが挙げられる。これに限定されず、本製造方法で得られる効果に影響しなければ、活性フィラーは、アルミニウム以外の3価の金属元素を含有して無機質硬化性組成物中に溶出してもよい。
活性フィラーが高炉スラグとフライアッシュとを含む場合、高炉スラグとフライアッシュとの割合は、下記式(1)で表され、0.1以上であるとよい。この割合を0.1以上にすることで、無機質硬化性組成物が高炉スラグを含まない場合よりも硬化速度を大きくできるため、養生工程に要する期間を大幅に(例えば、半分以下に)短縮できる。このようにして養生工程の期間を短縮することで、マイクロ波により発熱した水分から発泡しにくくさせると共に養生工程の消費エネルギーを削減することができる。上記の割合の上限は、特に限定されないが、例えば0.5以下にすることができる。
割合=BS/(BS+FA)・・・(1)
式(1)中、BSは高炉スラグの重量であり、FAはフライアッシュの重量である。
式(1)中、BSは高炉スラグの重量であり、FAはフライアッシュの重量である。
アルカリケイ酸塩は、珪素を主要元素として含有するケイ酸と、アルカリ金属とを含有する化合物であるとよい。アルカリケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリウムが挙げられる。
アルカリシリカ溶液は、アルカリ水酸化物を含んでもよい。この場合、無機質硬化性組成物のアルカリ環境を維持させることができる。このため、アルカリシリカ溶液を無機質硬化性組成物中で中和させにくくすることができる。さらに、アルカリ水酸化物によるアルカリ環境下で金属元素及び非晶質二酸化珪素を活性フィラーから溶出させやすくできるため、活性フィラーを由来とするケイ酸及び金属水酸化物が形成され易くなる。これにより、無機質硬化性組成物を養生工程のマイクロ波で早期に養生硬化させると共に、発泡を抑制して無機質硬化体を作製することができる。本実施形態のアルカリ水酸化物は、一般的に苛性アルカリとして呼ばれることもある。アルカリ水酸化物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。また、アルカリシリカ溶液は、アルカリ水酸化物の代わりに、アルカリ水溶液を含んでもよい。アルカリ水溶液として、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液が挙げられる。
また、アルカリシリカ溶液は、アルカリケイ酸塩として水ガラスを含んでもよい。この場合、無機質硬化性組成物中の活性フィラーから金属元素及び非晶質二酸化珪素を溶出させることができるため、活性フィラーを由来とする金属水酸化物及びケイ酸を形成させることができる。これにより、養生工程のマイクロ波で無機質硬化性組成物を早期に養生硬化させると共に発泡を抑制して無機質硬化体を作製することができる。水ガラスとして、例えば、ケイ酸ナトリウム水溶液、ケイ酸カリウム水溶液が挙げられる。
また、調製工程の際、無機質硬化性組成物の利便性等に合わせて流動性を調節するために水を更に配合してもよい。
無機質硬化性組成物を調製する際、無機質硬化性組成物は均一に混錬されることが好ましい。無機質硬化性組成物を混錬するにあたって、例えばバッチ式のミキサーや、連続式のミキサーによる混錬方法を採用することができる。
また、無機質硬化性組成物の用途に応じて、任意の混和材が配合されてもよい。混和材としては、例えば、軽量化材、骨材、強化繊維が挙げられ、混和材の含有量は無機質硬化性組成物の用途に応じて適宜調節することができる。さらに、任意の添加剤が配合されてもよく、添加剤としては、例えば、増粘剤、着色剤が挙げられる。添加剤の量は、無機質硬化性組成物の用途に応じて適宜調節することができ、例えば、無機質硬化性組成物の固形分重量割合で、0重量%〜2.0重量%の範囲内にすることができる。
軽量化材としては、例えば、パーライト、シラスバルーン等の無機発泡体や、発泡ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン発泡体、アクリロニトリル系発泡体等の有機発泡体が挙げられる。
骨材としては、例えば、マイカ、シリカ、珪石粉、岩粉、珪砂、砕石が挙げられる。骨材がマイカである場合、その粒子形状が鱗片状である。このため、マイカが、充填材として機能して、無機質硬化性組成物の硬化収縮を低減させることに寄与するとも考えられる。
強化繊維として、例えば、パルプ繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、カーボン繊維、麻、鉱物繊維、金属繊維が挙げられる。無機質硬化性組成物が強化繊維を含有する場合、強化繊維が無機質硬化性組成物の硬化収縮を低減すると共に、無機質硬化体の強度を向上させることが期待される。
増粘剤としては、例えば、メチルセルロースやヒドロキシメチルセルロースやカルボキシメチルセルロースが挙げられる。
着色剤としては、例えば、鉄黒、カーボンブラック、酸化クロムが挙げられる。
なお、本製造方法の効果に影響しなければ、調製工程で消石灰、セメント等を更に配合させて無機質硬化性組成物を調製することもできる。
本製造方法は、無機質硬化性組成物を型枠内に充填する充填工程を含むことができる。この場合、養生工程で無機質硬化性組成物を養生硬化させて、型枠の内形状に応じた外形状を無機質硬化体に付与することができる。
本製造方法では、調製工程、或いは充填工程の後、マイクロ波で養生工程を行い、無機質硬化性組成物を養生硬化させる。これにより、養生工程の時間を短縮することができ、且つ得られる無機質硬化体に強度を付与できる。
このような無機質硬化体は、アルカリシリカ溶液及び活性フィラーを由来とするケイ酸を、アルミニウム等の3価金属元素で架橋された構造、具体的には、アルミニウム元素を中心にして、4つのケイ酸基が付加したものを主な構造として有する。このため、無機質硬化体は、アルミニウム等の3価金属元素を含有するケイ酸ポリマーを含むものである。また、上記の構造は、ケイ酸と金属水酸化物とが養生工程のマイクロ波の出力エネルギーを吸収し、吸収された出力エネルギーからこれらの化合物で脱水縮合反応を生じさせることで形成される。
一方、無機質硬化体と外観が似ている硬化物として、例えばセメント系硬化体が挙げられる。このセメント系硬化体は、セメント系組成物の硬化物である。セメント系組成物を硬化させる際には、セメント系組成物中のセメント粒子からカルシウム・シリケート等のクリンカー成分が溶出する。そして、溶出したクリンカー成分が水和すると共に、隣り合うセメント粒子の間を充填するようにして析出することで、セメント系硬化体が形成される。このようなセメント系硬化体を形成する際、セメント系組成物は、常温で硬化するものの、マイクロ波による養生工程では、水和反応に必要な水分が気化して発散してしまうため、硬化不良が生じる。また、セメント系硬化体は、カルシウム元素を中心にして、2つのケイ酸基が付加したものを主な構造として有する。
このように、水和反応により硬化するセメント系組成物にはマイクロ波による養生工程の適用が困難であるのに対し、無機質硬化性組成物は脱水縮合反応により硬化するため、マイクロ波による養生を利用することにより、養生に要する時間の短縮が可能である。
本実施形態のマイクロ波は、その出力エネルギーにより無機質硬化性組成物中の水分を発熱させることで、ケイ酸と金属水酸化物との脱水縮合反応を促進させる共に無機質硬化性組成物を早期に養生硬化させることができる。このため、養生工程に要する期間を短縮すると共に、得られる無機質硬化体に十分な硬度を付与することができる。さらに養生工程の期間を短縮することで、発熱した水分から発泡しにくくさせると共に養生工程の消費エネルギーを削減することができる。マイクロ波の出力エネルギーは200W以上であることが好ましく、250W以上であることがより好ましい。また、出力エネルギーの上限は、特に限定されないが、例えば500W以下にすることができる。
養生工程で養生硬化させた無機質硬化体は、その硬度が40以上であるとよい。無機質硬化体の硬度が40以上であることで、充填工程及び養生工程を経て作製された無機質硬化体を型枠から容易に脱版させることができ、さらには脱版後の形状を維持させることができる。このため、硬度の下限を40とすることで、無機質硬化体を型枠から脱版可能と判定できる。すなわち、40で示される硬度が、無機質硬化体を型枠から脱版可能と判定するための基準硬度となる。ここで、養生工程で養生硬化させた無機質硬化体の硬度は、例えばJIS K 6253に準拠したタイプDデュロメータで測定された値である。タイプDデュロメータとしては、例えばアスカー硬度計D型(高分子計器株式会社製)が挙げられる。
また、型枠内で形成された無機質硬化体は、養生工程後、型枠から脱版されなくてもよい。
本製造方法は、養生工程で作製された無機質硬化体を、自然養生、水蒸気養生、乾燥養生等で更に養生硬化させる再養生工程を含むことができる。この場合、養生工程で未反応のケイ酸と金属水酸化物とで更に脱水縮合反応を生じさせることができるため、養生工程の無機質硬化体よりも更に硬さを向上させた無機質硬化体を作製することができる。再養生工程の条件は特に限定されないが、例えば養生工程で得られた無機質硬化体を、水蒸気環境、又は乾燥環境の下で、60〜130℃の加熱処理を施すことができる。また、自然養生の場合、養生工程の無機質硬化体を、室外、或いは常温の室内に静置させて再養生を施すことができる。
本製造方法で製造される無機質硬化体は、建築用、土木用等、各種セメント系部材の代替用途に適した部材であることが好ましい。特に無機質硬化体が建築用途で使用される場合、無機質硬化体は、OAフロア材等の床板材や外壁材に適した部材になり得る。また、無機質硬化体が型枠と一体に形成されている場合、この無機質硬化体はOAフロア材として利用できる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
なお、具体例として挙げられている下記成分を用いて、無機質硬化性組成物を調製した。
・高炉スラグ:日鉄住金スラグ製品株式会社製;
・フライアッシュ:株式会社テクノ中部製;
・苛性アルカリ:大阪珪酸曹達株式会社製;
・アルカリケイ酸塩:大阪珪酸曹達株式会社製。
なお、具体例として挙げられている下記成分を用いて、無機質硬化性組成物を調製した。
・高炉スラグ:日鉄住金スラグ製品株式会社製;
・フライアッシュ:株式会社テクノ中部製;
・苛性アルカリ:大阪珪酸曹達株式会社製;
・アルカリケイ酸塩:大阪珪酸曹達株式会社製。
<実施例1>
まず、10重量部の高炉スラグと90重量部のフライアッシュとを混合して活性フィラーを作製した。また、アルカリケイ酸塩の固形分割合が35重量%になるようにして苛性アルカリおよびアルカリケイ酸塩を含む水溶液A(アルカリシリカ溶液)を作製した。次に、70重量部の活性フィラーと、30重量部の水溶液Aとを容器内に投入した。そして、これらの成分を混合して無機質硬化性組成物を調製した。この無機質硬化性組成物を3つの型枠(幅50mm×奥行き80mm×深さ10mm)内に充填した。次に型枠内に無機質硬化性組成物を充填した状態のもの3つを、同時に、250Wのマイクロ波で1分間養生硬化させ、その後、1分間養生硬化された無機質硬化性組成物の硬度をアスカー硬度計D型(高分子計器株式会社製)で測定した。この作業を硬度が40以上になるまで繰り返して無機質硬化体を作製した。
まず、10重量部の高炉スラグと90重量部のフライアッシュとを混合して活性フィラーを作製した。また、アルカリケイ酸塩の固形分割合が35重量%になるようにして苛性アルカリおよびアルカリケイ酸塩を含む水溶液A(アルカリシリカ溶液)を作製した。次に、70重量部の活性フィラーと、30重量部の水溶液Aとを容器内に投入した。そして、これらの成分を混合して無機質硬化性組成物を調製した。この無機質硬化性組成物を3つの型枠(幅50mm×奥行き80mm×深さ10mm)内に充填した。次に型枠内に無機質硬化性組成物を充填した状態のもの3つを、同時に、250Wのマイクロ波で1分間養生硬化させ、その後、1分間養生硬化された無機質硬化性組成物の硬度をアスカー硬度計D型(高分子計器株式会社製)で測定した。この作業を硬度が40以上になるまで繰り返して無機質硬化体を作製した。
<実施例2>
活性フィラーを30重量部の高炉スラグと70重量部のフライアッシュとした以外は、実施例1と同様の手順で、無機質硬化体を作製した。
活性フィラーを30重量部の高炉スラグと70重量部のフライアッシュとした以外は、実施例1と同様の手順で、無機質硬化体を作製した。
<実施例3>
活性フィラーを50重量部の高炉スラグと50重量部のフライアッシュとした以外は、実施例1と同様の手順で、無機質硬化体を作製した。
活性フィラーを50重量部の高炉スラグと50重量部のフライアッシュとした以外は、実施例1と同様の手順で、無機質硬化体を作製した。
<比較例1>
活性フィラーを100重量部のフライアッシュとした以外は、実施例1と同様の手順で、無機質硬化体を作製した。
活性フィラーを100重量部のフライアッシュとした以外は、実施例1と同様の手順で、無機質硬化体を作製した。
[評価]
(養生時間と硬度との関係)
各実施例及び比較例の無機質硬化性組成物を型枠内に充填させたものを、上記の通り、3つずつ用意し、これらの無機質硬化性組成物を250Wのマイクロ波で1分間養生硬化させる毎に、アスカー硬度計D型で硬度を測定した。そして、各実施例及び比較例において、1分間養生硬化させる毎に測定され硬度から平均値を算出した。このようにして算出された平均値と、硬度が40以上になるまでマイクロ波で養生硬化させた時間の合計(養生時間)との関係を図1に示す。
(養生時間と硬度との関係)
各実施例及び比較例の無機質硬化性組成物を型枠内に充填させたものを、上記の通り、3つずつ用意し、これらの無機質硬化性組成物を250Wのマイクロ波で1分間養生硬化させる毎に、アスカー硬度計D型で硬度を測定した。そして、各実施例及び比較例において、1分間養生硬化させる毎に測定され硬度から平均値を算出した。このようにして算出された平均値と、硬度が40以上になるまでマイクロ波で養生硬化させた時間の合計(養生時間)との関係を図1に示す。
(養生時間と、高炉スラグ及びフライアッシュの割合との関係)
図1の結果から、各実施例及び比較例の無機質硬化性組成物の硬度が40になるまでの養生時間を算出した。この養生時間は、各実施例及び比較例において、硬化開始以降の複数の点に対して作成された近似直線から算出された。このようにして算出された養生時間と、高炉スラグ及びフライアッシュの割合との関係を図2に示す。また、高炉スラグ及びフライアッシュの割合は、下記式(1)で表される。
割合=BS/(BS+FA)・・・(1)
式(1)中、BSは高炉スラグの重量であり、FAはフライアッシュの重量である。
図1の結果から、各実施例及び比較例の無機質硬化性組成物の硬度が40になるまでの養生時間を算出した。この養生時間は、各実施例及び比較例において、硬化開始以降の複数の点に対して作成された近似直線から算出された。このようにして算出された養生時間と、高炉スラグ及びフライアッシュの割合との関係を図2に示す。また、高炉スラグ及びフライアッシュの割合は、下記式(1)で表される。
割合=BS/(BS+FA)・・・(1)
式(1)中、BSは高炉スラグの重量であり、FAはフライアッシュの重量である。
(発泡の有無)
上記で得られた各実施例及び比較例の無機質硬化体において、その表面にマイクロ波養生による発泡しているか否かを目視で確認した。その結果、実施例1−3では発泡が確認されなかったが、比較例1では発泡が確認された。
上記で得られた各実施例及び比較例の無機質硬化体において、その表面にマイクロ波養生による発泡しているか否かを目視で確認した。その結果、実施例1−3では発泡が確認されなかったが、比較例1では発泡が確認された。
Claims (3)
- アルカリシリカ溶液と、このアルカリシリカ溶液との反応により無機質硬化体を生成する活性フィラーとを混合して無機質硬化性組成物を調製する調製工程と、
マイクロ波で前記無機質硬化性組成物を養生する養生工程とを含み、
前記活性フィラーは、高炉スラグを含む、
無機質硬化体の製造方法。 - 前記活性フィラーは、フライアッシュをさらに含み、
下記式(1)で表される前記高炉スラグと前記フライアッシュとの割合が、0.1以上である、請求項1に記載の無機質硬化体の製造方法;
割合=BS/(BS+FA)・・・(1)
ここで、BSは前記高炉スラグの重量であり、FAは前記フライアッシュの重量である。 - 前記マイクロ波は、出力エネルギーが200W以上である、
請求項1又は2に記載の無機質硬化体の製造方法。
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WO2021160939A1 (en) * | 2020-02-13 | 2021-08-19 | Fatec Oy | Method for handling of ash of burned municipal waste, a product formed with said method and use of said product |
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