以下、図面を参照して、本発明の一実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図36は、本発明の第1の実施の形態に係る遊技機を示す図である。
まず、構成を説明する。図1〜5に示すように、遊技機1は、いわゆるパチスロ機である。遊技機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークン等の他、遊技者に付与された又は付与される、遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技可能なものであるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
なお、以後の説明において、遊技機1から遊技者に向かう側(方向)を遊技機1の前側(前方向)と称し、前側とは逆側を後側(後方向、奥行方向)と称し、遊技者から見て右側及び左側を遊技機1の右側(右方向)及び左側(左方向)とそれぞれ称する。また、前側及び後側を含む方向は、前後方向又は厚み方向と称し、右側及び左側を含む方向は、左右方向又は幅方向と称する。前後方向(厚み方向)及び左右方向(幅方向)に直交する方向を上下方向又は高さ方向と称する。
図1及び図2に示すように、遊技機1の外観は、矩形箱状の筐体2により構成されている。筐体2は、遊技機本体として前面側に矩形状の開口を有する金属製のキャビネットGと、キャビネットGの前面上部に配置された上ドア機構UDと、キャビネットGの前面下部に配置された下ドア機構DDとを有している。
また、キャビネットGの上面壁G4には、左右方向に関して所定間隔隔てて、上下方向に貫通する2つの開口G41が形成されている。そして、この2つの開口G41それぞれを塞ぐように木製の板部材G42が上面壁G4に取り付けられている。
図3に示すように、上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、キャビネットGの開口の形状及び大きさに対応するように形成されている。上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、キャビネットGにおける開口の上部及び下部を閉塞可能に設けられている。上ドア機構UDは、上側表示窓UD1を中央部に有している。上側表示窓UD1には、光を透過する透明パネルUD11が設けられている。
下ドア機構DDには、上部の略中央部に、矩形状の開口部として形成されたメイン表示窓DD4が設けられている。メイン表示窓DD4の裏面側には、キャビネットGの内部側から取り付けられたリールユニットRUが装着されている。さらに、リールユニットRUの背面には、主制御基板MSが取り付けられている。
リールユニットRUは、複数種類の図柄が各々の外周面に描かれた3個のリールRL(左リール),RC(中リール),RR(右リール)を主体に構成されている。これらのリールRL,RC,RRは、それぞれが縦方向に一定の速度で回転できるように並列状態(横一列)に配設される。リールRL,RC,RRは、メイン表示窓DD4を通じて、各リールRL,RC,RRの動作や各リールRL,RC,RR上に描かれている図柄が視認可能となる。
メイン表示窓DD4には、その表面部に、矩形状のアクリル板等からなる透明パネルDD41が取り付け固定されており、遊技者等がリールユニットRUに触れることができないようになっている。メイン表示窓DD4の下方には、略水平面の第1,第2,第3台座部DD2a,DD2b,DD2cが形成されている。メイン表示窓DD4の右側に位置する第1台座部DD2aには、メダルを投入するためのメダル投入口DD5が設けられている。メダル投入口DD5は、遊技者によりメダルが投入される開口である。メダル投入口DD5から投入されたメダルは、クレジットされるか又はゲームに賭けられる。
メイン表示窓DD4の左側に位置する第2台座部DD2bには、クレジットされているメダルを賭けるための、有効ライン設定手段としての最大BETボタンDD8(MAXBETボタンともいう)が設けられている。最大BETボタンDD8が押されると、メダルの投入枚数として「3」が選択される。
メイン表示窓DD4の前面側に位置する第3台座部DD2cには、液晶表示装置DD20が設けられている。液晶表示装置DD20は、液晶表示パネル(液晶パネル)のパネル面にタッチ式の位置入力装置としてのタッチセンサが配されてなる、いわゆるタッチパネルとなっている。なお、タッチセンサとしては、例えば、人体の一部(指先等)や静電ペン等の接触を検知して、その検知信号を出力する静電容量方式のものであってもよく、又は、ペン先等の堅い物質の接触を検知して、その検知信号を出力する方式のもの、あるいは、その他の方式のものや構造のもの(インセル構造等)であってもよい。
液晶表示装置DD20は、SUI(スマート・ユーザ・インターフェイス)として機能するもので、その表示画面上に、例えば、遊技の進行に伴って遊技回数等の遊技情報が表示されるとともに、遊技者による選択又は入力を求めるためのメッセージや入力キー等が表示される。
なお、液晶表示装置DD20においては、その表示画面上に、例えば、遊技の進行に伴って、遊技に関する演出に応じた内容(演出情報)を表示することも可能である。また、液晶表示装置DD20としては、例えば、演出役物としての機能を有するアタッチメントや、専用のアタッチメントとして、ジョグダイヤル又はプッシュボタン等を装着できるようにしてもよい。また、液晶表示装置DD20は、その機能を、後述する表示ユニットA等に振り分けることにより、省略することもできる。
最大BETボタンDD8の前面側には、遊技者の操作によりリールRL,RC,RRを回転駆動させるとともに、メイン表示窓DD4内で図柄の変動表示を開始させるスタートレバーDD6が設けられている。スタートレバーDD6は、所定の角度範囲で傾動自在に取り付けられる。
スタートレバーDD6の右側で、液晶表示装置DD20の前面側には、遊技者の押下操作(停止操作)により3個のリールRL,RC,RRの回転をそれぞれ停止させるための3個のストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rが設けられている。
最大BETボタンDD8の左側には、C/PボタンDD13が設けられている。C/PボタンDD13は、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるものである。このC/PボタンDD13の切り換えにより払出しが選択されている状態(非クレジット状態)においては、下ドア機構DDの下部側のコインガードプレート部に設けたメダル払出口DD14(キャンセルシュート)からメダルが払出され、払出されたメダルは、メダル受け部DD15に溜められる。
スタートレバーDD6、及び、ストップボタンDD7L,DD7C,DD7Rの下部側には、腰部パネルDD18(腰部導光板)が配置されている。腰部パネルDD18は、アクリル板等を使用した化粧用パネルとして構成される。腰部パネルDD18には、遊技機1の機種を表す名称や種々の模様等が印刷により描かれている。
また、メダル払出口DD14の左側にはスピーカDD25Lが、右側にはスピーカDD25Rが、それぞれ設けられている。スピーカDD25L,DD25Rは、遊技者に遊技に関する種々の情報を声や音楽等の音により報知する。また、メイン表示窓DD4の左側及び右側には、第1サブ表示装置DD19L及び第2サブ表示装置DD19Rがそれぞれ配置されている。これらのサブ表示装置DD19L,DD19Rは、例えば入賞成立時のメダルの払出枚数やクレジットされている残メダル枚数を表示する。通常は、遊技機1にクレジットされるメダルの最大枚数は50枚であるため、50以下のクレジット枚数が表示される。なお、最大枚数の50枚のメダルがクレジシットされている状態では、投入されたメダルはそのままメダル払出口DD14より払出される。また、サブ表示装置DD19L,DD19Rは、タッチパネルを前面に備えていてもよい。
図4に示すように、キャビネットG内は、中間支持板G1により上部空間と下部空間とに仕切られている。すなわち、中間支持板G1は、キャビネットG内を上部空間と下部空間とに仕切る仕切板として機能している。上部空間は、キャビネットG内の上ドア機構UDの後側となる空間であり、表示ユニットA等が収容される。また、下部空間は、キャビネットG内の下ドア機構DDの後側となる空間であり、リールユニットRUや、遊技機1全体の動作を司る主制御基板MS等が収容される。
(表示ユニットA)
図5に示すように、表示ユニットAは、キャビネットG内の中間支持板G1上に交換可能に載置される。表示ユニットAは、映像(画像)表示用の照射光を出射する照射ユニットBと、照射ユニットBからの照射光が照射されることにより映像を出現させるスクリーン装置Cとを有したいわゆるプロジェクションマッピング装置である。
ここで、プロジェクションマッピング装置は、構造物や自然物等の立体物の表面に映像を投影するためのものであって、例えば、後述のスクリーンである役物に対して、その位置(投影距離や角度等)や形状に基づいて生成される、演出情報に応じた映像を投影することにより、高度で、かつ迫力のある演出を可能とする。
表示ユニットAは、前方に開口が形成された筐体A1を有する。この筐体A1は、照射ユニットBの上部を形成するプロジェクタカバーB1、及び、スクリーン装置Cのスクリーン筐体C10(図12、図13等参照)とで構成されている。詳細は後述するが、スクリーン筐体C10は、底板C1、右側板C2、左側板C3、及び背板C4を有した箱方形状をなしている。プロジェクタカバーB1は、スクリーン筐体C10の上面に交換可能に取り付けられる。
(表示ユニットA:照射ユニットB)
図6に示すように、照射ユニットBは、照射光を前方に出射するプロジェクタ装置B2と、プロジェクタ装置B2の前方に配置され、プロジェクタ装置B2からの照射光を斜め下後方に配置されたスクリーン装置Cの方向に反射するミラー機構B3と、プロジェクタ装置B2及びミラー機構B3を収容したプロジェクタカバーB1とを有している。
(表示ユニットA:照射ユニットB:プロジェクタ装置B2)
プロジェクタ装置B2は、ケースB22によって外装されつつプロジェクタカバーB1に取り付けられ、キャビネットG内の後部に配置されている。プロジェクタ装置B2は、水平配置された平板状の上側台座B220及び下側台座B221を介してプロジェクタカバーB1に取り付けられている。ケースB22は、その上面全体が開口されている。これにより、下側台座B221の下面には、ケースB22に収容されたレンズユニットB21や光学機構B24(図21参照)が位置する。レンズユニットB21は、光学機構B24の複数のLED光源240R,240G,240B(図33参照)から出射してDMD241(Digital Micromirror Device:図33参照)で反射した照射光を、レンズ等を介して前方のミラー機構B3に向けて出射するように配置されている。このプロジェクタ装置B2の詳細については、図21〜33を用いて後述する。
(表示ユニットA:照射ユニットB:ミラー機構B3)
図6及び図7に示すように、プロジェクタ装置B2の前方(照射光の出射方向)には、ミラー機構B3が配置されている。ミラー機構B3は、ミラーホルダB31により光学ミラーB32を保持している。このミラー機構B3は、プロジェクタカバーB1におけるリフレクタ保持部B11の内側面に設けられている。リフレクタ保持部B11は、プロジェクタカバーB1の前面中央部に形成されており、上ドア機構UDを開いたときに前側に露出するように配置されている。なお、ミラー機構B3は、リフレクタ保持部B11に対してその間隔が調整可能に取り付けられている。これにより、プロジェクタ装置B2から出射した照射光の進行方向に対する光学ミラーB32の反射角度を微調整することができる。
(表示ユニットA:照射ユニットB:プロジェクタカバーB1)
図7に示すように、プロジェクタ装置B2及びミラー機構B3は、プロジェクタカバーB1に収容されている。なお、プロジェクタ装置B2の下面B2aは、その前部に、後方から前方に向けて上方に傾斜する傾斜面B2a1を有している。図8に示すように、プロジェクタカバーB1は、水平配置された上壁部B12と、上壁部B12の前側に配置されたリフレクタ保持部B11と、上壁部B12の左右方向において左右対称に配置された側壁部B13,B13とを有している。上壁部B12は、前部がキャビネットGよりも前方に突出している(図5参照)。上壁部B12の前部の中央部には、リフレクタ保持部B11が前方に突出した形態に形成されており、突出により形成された空間部に上述のミラー機構B3が角度調整可能に保持されている。
また、側壁部B13,B13は、下端部から左右水平方向に突出した突出部B131を有している。突出部B131は、前部側の第1突出部B131aと、後部側の第2突出部B131bとを有している。第1突出部B131aは、プロジェクタカバーB1がキャビネットGに装着されたときに、キャビネットGの開口部に対応するように位置する。各側壁部B13,B13から突出した第1突出部B131aの先端同士の左右方向に沿う距離は、キャビネットGの開口部の左右方向に関する幅よりも僅かに短い距離に設定されている。一方、第2突出部B131bは、プロジェクタカバーB1がキャビネットGに装着されたときに、キャビネットGの開口部から後方の空間部に対応するように位置する。各側壁部B13,B13から突出した第2突出部B131bの先端同士の左右方向に沿う距離は、キャビネットGの空間部の幅よりも僅かに短い距離に設定されている。すなわち、各側壁部B13,B13は、第1突出部B131aの先端同士の左右方向に沿う距離よりも、第2突出部B131bの先端同士の左右方向に沿う距離が広くなるように形成されている。これにより、プロジェクタカバーB1は、キャビネットGにおける内部空間の大部分を覆うことが可能になっている。
また、第2突出部B131bの先端部には、上下方向に貫通するネジ穴B131Cが形成されている。プロジェクタカバーB1を右側板C2及び左側板C3(図5参照)に対して固定する際には、ネジ穴B131Cを介して右側板C2及び左側板C3のそれぞれにネジがねじ込まれる。また、各側壁部B13,B13の下端部から水平方向に突出部B131が突出することにより、プロジェクタカバーB1の両側端部には、この突出部B131と側壁部B13とで、その前端から凹部B132が後方に向けて連続して形成されている。
図9に示すように、表示ユニットAをキャビネットGに装着したときに、この凹部B132とキャビネットGとで空間BSが画定される。また、プロジェクタカバーB1の上壁部B12及び側壁部B13の形状は、各側壁部B13の下端部と、この下端部から突出した第2突出部B131bの先端部との距離が、第2突出部B131bの後方部よりも前方部の方が大きくなるように構成されている(図8参照)。これにより、空間BSの前方空間は後方空間に比べて大きな空間となる。また、表示ユニットAをキャビネットGに装着したときにおいて、キャビネットGの上面壁G4に形成された開口G41と、空間BSの前方空間とは、上面視において少なくとも一部が重なる。この空間BSは、島設備に遊技機1を設置固定するための作業空間として利用される。
(表示ユニットA:照射ユニットB:多孔板B15)
図10に示すように、プロジェクタカバーB1の下面側には、複数の孔B151を有した多孔板B15が設けられている。多孔板B15は、金属(例えば、ステンレス、鉄、鋼、アルミ等)製の板に打ち抜き加工を施すことにより複数の孔を開けたパンチングメタルである。複数の孔B151は、多孔板B15の全面において略均等に分散して形成されている。多孔板B15は、多孔板B15の全面において空気を流通可能にしており、プロジェクタ装置B2の下側から上側あるいは上側から下側への空気の流動を可能にしている。孔B151のサイズ及び個数は、外部からプロジェクタカバーB1内を目視できない程度に設定されている。孔B151は、丸、四角、六角形等の形状に形成されており、孔径は、3〜5mm程度となっている。
多孔板B15は、プロジェクタカバーB1の第1突出部B131a及び第2突出部B131bを下側位置から覆うように形成されている。多孔板B15は、前部側の上側部B15aと、中部側の傾斜部B15bと、後部側の下側部B15cとを有している。上側部B15aは、水平配置されている。傾斜部B15bは、上側部B15aの後辺から斜め下後方に曲折するように形成されている。下側部B15cは、傾斜部B15bの後辺から水平方向に曲折するように形成されている。
多孔板B15の上側部B15aは、プロジェクタカバーB1の側壁部B13,B13に取り付けられている。これにより、多孔板B15は、プロジェクタカバーB1の前部を上側部B15aで下側から覆い、プロジェクタカバーB1の中部から後部にかけて傾斜部B15b及び下側部B15cで下側から覆うように配置されている。また、傾斜部B15bは、上面視において、プロジェクタ装置B2の下面B2aにおける傾斜面B2a1を囲むように配置されている。そして、図7に示すように、傾斜部B15bの傾斜角度(水平面に対する傾斜角度)は、傾斜面B2a1の傾斜角度と略同じにされている。多孔板B15の下方には、スクリーン装置Cにおけるフロントスクリーン機構E1が配置されている。
フロントスクリーン機構E1は、照射光による映像の出現を禁止する待機姿勢となる上側に配置されたフロント待機位置と、照射光による映像の出現を許可する露出姿勢となる下側に配置されたフロント露出位置との間を回動可能にされており、待機姿勢におけるフロントスクリーン機構E1は、多孔板B15の傾斜部B15bに略平行に近接した傾斜姿勢にされている。一方、フロントスクリーン機構E1が露出姿勢となったときには、多孔板B15の下方に大きな空間部が出現し、この空間部に存在する空気が流動抵抗のない状態で多孔板B15に到達し、複数の孔B151を通過することによって、スクリーン装置C内への空気の流入を容易にして冷却効果を高めることを可能にしている。
また、多孔板B15は、プロジェクタカバーB1の下面を覆うように設けられることによって、例えば図11に示すように、前側に位置した遊技者の目線位置がスクリーン装置Cの上下方向及び左右方向の中心部の水平線上に存在し、この目線位置から照射ユニットBを見上げる状態になったとしても、多孔板B15により照射ユニットBの内部を目視されないようにしている。
(表示ユニットA:スクリーン装置C)
図12に示すように、上記のように構成された照射ユニットBは、スクリーン装置Cの上面にネジ締結により連結されている。例えば、上述したように、プロジェクタカバーB1の突出部B131に形成されたネジ穴B131Cを介して、スクリーン装置Cの右側板C2及び左側板C3それぞれの上面にネジがねじ込まれている。これにより、表示ユニットAは、照射ユニットBとスクリーン装置Cとをユニット化して一体的に取り扱うことが可能になっている。
(表示ユニットA:スクリーン装置C:スクリーン機構)
スクリーン筐体C10の内部には、照射ユニットBからの照射光の照射により映像を出現させる複数のスクリーン機構が照射対象を切替え可能に設けられている。具体的には、図13に示すように、複数のスクリーン機構としては、固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、及びリールスクリーン機構F1が設けられている。固定スクリーン機構D、フロントスクリーン機構E1、及びリールスクリーン機構F1それぞれの投影面は、映像表現を多様化するために、互いに異なる形状をなしている。また、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1は、プロジェクタ装置B2やミラー機構B3に対して相対的に位置が変位する可動式のスクリーンであり、それぞれ、フロントスクリーン駆動機構E2及びリールスクリーン駆動機構F2(図20参照)により駆動される。なお、フロントスクリーン機構E1とリールスクリーン機構F1とでは、フロントスクリーン機構E1の方が大型で重くなっている。このため、フロントスクリーン機構E1を駆動させる際には、リールスクリーン機構F1を駆動させる際よりも大きな駆動力を要する。
(表示ユニットA:スクリーン装置C:スクリーン筐体C10)
スクリーン装置Cは、上述したように、箱形形状のスクリーン筐体C10を有している。図13に示すように、スクリーン筐体C10は、水平配置された底板C1と、底板C1の右端部に立設された右側板C2と、底板C1の左端部に立設された左側板C3と、底板C1の後端部に立設された背板C4とを有している。これにより、底板C1に対して右側板C2と左側板C3と背板C4とがネジ締結により連結されることによって、遊技者が位置する前面側と、照射ユニットBが位置する上面側とが開放された箱形形状のスクリーン筐体C10が形成されている。
底板C1、右側板C2、左側板C3、及び背板C4は、それぞれが別個に所定形状に成型されており、固定スクリーン機構D等の所定の機能部品が位置決め配置可能にされている。これにより、スクリーン装置Cのユニット全体として共通化を図れない場合でも、底板C1、右側板C2、左側板C3、及び背板C4の板部材単位で共通化することが可能になっている。また、板部材毎の部分的な交換が可能であるため、遊技機1の機種毎に容易に仕様変更することが可能になっている。
(表示ユニットA:スクリーン装置C:スクリーン筐体C10:底板C1)
スクリーン筐体C10の底板C1は、上面視が長方形の平板形状に形成されている。底板C1の上面は、中央部に配置された中央載置部C11と、中央載置部C11を中心として左右方向に配置された右載置部C12及び左載置部C13とを有している。これらの載置部C11,C12,C13は、凹状に形成されている。中央載置部C11は、固定スクリーン機構Dの下端部が嵌合されることによって、固定スクリーン機構Dを位置決め可能に載置している。右載置部C12は、右可動体ベースC5の下端部が嵌合されことによって、右可動体ベースC5を位置決め可能に載置している。左載置部C13は、左可動体ベースC6の下端部が嵌合されことによって、左可動体ベースC6を位置決め可能に載置している。なお、右可動体ベースC5及び左可動体ベースC6それぞれの、左右方向内側の側面には、模様が凹凸により立体的に形成されている。すなわち、右可動体ベースC5及び左可動体ベースC6は、装飾部材としても機能する。以上のように、底板C1には、固定スクリーン機構D、右可動体ベースC5及び左可動体ベースC6が位置決め配置可能にされている。
また、底板C1の前部C14は、下方に曲折することによって、先端部が底板C1の下面よりも下方に位置されている。前部C14には、複数の貫通穴C141が形成されている。前部C14は、表示ユニットAがキャビネットGの中間支持板G1(図5参照)に載置されながら組み込まれる際に、中間支持板G1の前面に当接することによって、キャビネットG内の後方への位置決めを行うことを可能にしている。そして、表示ユニットAは、前部C14の貫通穴C141を介してキャビネットGの前面にネジ締結されることによって、キャビネットGの前面側からの表示ユニットAの組み込み作業及び据え付け作業を行うことが可能になっている。
(表示ユニットA:スクリーン装置C:スクリーン筐体C10:右側板C2、左側板C3)
図13及び図14に示すように、スクリーン筐体C10の右側板C2及び左側板C3は、操作用開口部C21,C31を有している。操作用開口部C21,C31は、取っ手として形成されており、操作用開口部C21,C31に手を引っかけることによって表示ユニットAを持ち運ぶことができるようになっている。操作用開口部C21,C31は、フロントスクリーン駆動機構E2のクランクギアE21,E21の側方に配置されている。作用開口部C21,C31は、水平方向に長手方向を一致させた長方形状に形成されている。操作用開口部C21,C31の開口面積は、クランクギアE21,E21を外部から人手により操作することができる程度に設定されている。
これにより、表示ユニットAをキャビネットGに組み込んだ後に、待機位置のフロントスクリーン機構E1を手動で移動させる場合は、先ず、上ドア機構UDが開放されたキャビネットGの前面側から表示ユニットAを取り出す。具体的には、キャビネットGの前面側に位置した作業者がキャビネットGに対する表示ユニットAのネジ締結を解除してネジを取り外す。そして、キャビネットG内に手を伸ばして表示ユニットAの操作用開口部C21,C31を両手で把持し、表示ユニットAをキャビネットG外に取り出す。この後、取り外した表示ユニットAの一方の操作用開口部C21からスクリーン装置C内に手を伸ばし、操作用開口部C21から水平方向に見えるクランクギアE21を回転させることによって、ロック状態のフロントスクリーン機構E1を待機位置から容易に移動させることができる。待機位置からの移動によりロック状態が解除されると、フロントスクリーン機構E1を所望の位置に素早く回動させることができる。
なお、上ドア機構UDを開けた状態で、キャビネットGの開口の前方から、キャビネットGの側面壁G2とスクリーン装置Cの右側板C2との間のスペース内に手を伸ばし、操作用開口部C21からクランクギアE21を操作することによって、クランクギアE21を回転させることができる。この場合には、表示ユニットAをキャビネットG外に取り外さなくても、フロントスクリーン機構E1のロック状態を解除することができる。
また、右側板C2には、モータ収容部C22が形成されている。このモータ収容部C22により、リールスクリーン駆動機構F2(図20参照)の駆動モータF24が位置決め配置される。また、右側板C2及び左側板C3それぞれには、フロントスクリーン駆動機構E2におけるクランクギアE21のギア軸E21aを回動自在に支持する第1支持部C23、及び、フロントスクリーン駆動機構E2における中間ギアE23のギア軸となるシャフト部材E3を回転自在に支持する第2支持部C24が形成されている。以上のように、フロントスクリーン駆動機構E2及びリールスクリーン駆動機構F2は、右側板C2及び左側板C3により位置決め配置される。なお、フロントスクリーン駆動機構E2の右フロントスクリーン駆動機構E2Bと、リールスクリーン駆動機構F2とは、左右方向に関して、右可動体ベースC5と右側板C2との間に配置される。また、左フロントスクリーン駆動機構E2Aは、左右方向に関して、左可動体ベースC6と左側板C3との間に配置される。
(表示ユニットA:スクリーン装置C:スクリーン筐体C10:背板C4)
図15に示すように、スクリーン筐体C10の背板C4は、平板状に形成されており、その背面の下部には、中継基板CKを位置決め配置するための凹部COが形成されている。中継基板CKは、表示ユニットAにおける各種機能部品(例えば、プロジェクタ装置B2等)と、表示ユニットA以外の各種機能部品(後述するサブ制御装置SS等)との配線(不図示)を中継するための中継基板である。
背板C4には、操作用開口部C41が形成されている。操作用開口部C41は、右側下部に配置されており、フロントスクリーン駆動機構E2の中間ギアE23に対向されている。操作用開口部C41は、中間ギアE23を手動で操作可能なサイズに形成されている。これにより、表示ユニットAをキャビネットGに組み込んだ後に、待機位置のフロントスクリーン機構E1を手動で移動させる場合は、先ず、表示ユニットAをキャビネットGから取り外す。この後、操作用開口部C41からスクリーン装置C内に手を伸ばし、操作用開口部C41から水平方向に見える中間ギアE23を回転させることによって、ロック状態のフロントスクリーン機構E1を待機位置から容易に移動させることができる。
また、背板C4は、右側板C2及び左側板C3それぞれの後方端よりも前方に配置されている。これにより、表示ユニットAをキャビネットGの中間支持板G1に載置した際には、キャビネットGの背面壁G3、並びに、スクリーン装置Cの右側板C2、左側板C3及び背板C4により空間GSが画定されることになる。すなわち、背面壁G3と背板C4との間には隙間が確保される。これにより、中継基板CKを背板C4の背面に設けたとしても、この空間GSにより中継基板CKがキャビネットGの背面壁G3に干渉することを防止することができる。
また、中間支持板G1における、空間GSに面する位置には、貫通穴G11が形成されている(図5参照)。この貫通穴G11は、その開口が、上面視において中継基板CKを囲むように形成されている。そして、中継基板CKは、キャビネットGの下部空間に収容される機器(後述するサブ制御装置SS等)からの配線が接続されるコネクタCK1を、貫通穴G11に臨ませるように配設している。これにより、表示ユニットAの中継基板CKと、キャビネットGの下部空間に収容される機器との電気的な接続は、下部空間に収容される機器からの配線を、貫通穴G11に挿通させてコネクタCK1に接続することで行うことが可能となる。
このように中継基板CKは、スクリーン装置Cの外側に配置されることによって、配線作業が容易化されているとともに、スクリーン装置C内に中継基板CK用の設置スペースを確保することを不要にし、スクリーン装置C内の設計の自由度を拡大させている。また、中継基板CKから発生する熱を、キャビネットGの背面壁G3に形成された通気穴G3a(図2参照)を介して機外に排出することが容易となる。
また、キャビネットGの上部空間に配置される中継基板CKと、キャビネットGの下部空間に収容された機器とを接続する配線は、中間支持板G1の後方部に形成された貫通穴G11を通ることになるため、キャビネットG内の各種機器の後方に配線を配することが容易となる。その結果として、配線の取り回しの自由度を高めることができる。
なお、中継基板CKは、キャビネットG内の後方部に配置されることになるため、中継基板CKに対して光が届きにくく、その結果、中継基板CKのコネクタCK1への配線の接続作業が困難となる場合もあり得る。そこで、キャビネットGの下部空間に収容された機器からの配線の中継基板CKへの接続を容易にするために、中継基板CKのコネクタCK1が、貫通穴G11を通って中間支持板G1よりも下方に突出するように構成されていてもよい。また、コネクタCK1の色を、光の反射率が高い色(例えば、白色)にしていてもよい。
以上説明したように、固定スクリーン機構D、右可動体ベースC5及び左可動体ベースC6は、底板C1に位置決め配置されている。リールスクリーン駆動機構F2の駆動モータF24は、右側板C2に位置決め配置され、フロントスクリーン駆動機構E2のギア軸E21a、及びシャフト部材E3は、右側板C2及び左側板C3に位置決め配置されている。そして、中継基板CKは、背板C4に対して位置決め配置されている。以上のように、固定スクリーン機構D、スクリーン駆動機構F2,E2、及び中継基板CKは、それぞれ、底板C1、側板C2,C3、背板C4のうちの一つの板に位置決め配置されており、且つ互いに異なる板に位置決め配置されている。したがって、表示ユニットA全体では、遊技機1の機種間で共通化が図れない場合でも、板単位では、機種間で共通化を図ることができる。その結果として、機種毎にそれぞれ表示ユニットを製造する場合と比べて、安価に表示ユニットを製造することが可能となる。
また、スクリーン筐体C10の各板C1〜C4は、ネジ締結により連結されているため、ネジを緩めることで、各板C1〜C4同士の連結を解除することができる。つまり、スクリーン筐体C10は、各板C1〜C4を交換可能に組み立てられている。これにより、表示ユニットの機能部品を板単位で交換することが可能となるため、表示ユニットAの交換対象外の機能部品を再利用しつつ、表示ユニットAの仕様を変更することが可能となる。
また、図13及び図20に示すように、右可動体ベースC5は、右フロントスクリーン駆動機構E2B及びリールスクリーン駆動機構F2より左内側に配置される。また、左可動体ベースC6は、左フロントスクリーン駆動機構E2Aよりも右内側に配置される。その結果として、装飾部材である、右可動体ベースC5及び左可動体ベースC6により、これら駆動機構E2,F2を遊技者から目視し難くすることができる。その結果、遊技機1の美観を向上させることができる。また、底板C1には、右可動体ベースC5及び左可動体ベースC6を配置するための凹部が形成されているため、これらを容易に底板C1に位置決め配置することが可能となる。
(表示ユニットA:スクリーン装置C:スクリーン位置関係)
図16に示すように、固定スクリーン機構Dは、照射光の照射方向に存在する固定露出位置に固定状態で設けられている。図17に示すように、フロントスクリーン機構E1は、フロント露出位置とフロント待機位置との間を回動可能に設けられている。固定露出位置とフロント露出位置との位置関係は、フロント露出位置が照射光の照射方向であって且つ固定露出位置よりも前方に存在するように設定されている。これにより、フロントスクリーン機構E1がフロント露出位置に移動した場合は、フロントスクリーン機構E1が固定スクリーン機構Dを前方から覆い隠した状態にすることによって、照射光による映像をフロントスクリーン機構E1だけに出現可能にしている。フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置に移動した場合は、固定スクリーン機構Dを露出させることによって、照射光による映像を固定スクリーン機構Dに出現可能にしている。つまり、フロントスクリーン機構E1がフロント露出位置に配置されると、フロントスクリーン機構E1がプロジェクタ装置B2の投影対象となる。これに対して、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置に配置されると、固定スクリーン機構Dがプロジェクタ装置B2の投影対象となる。
図18に示すように、リールスクリーン機構F1は、リール露出位置とリール待機位置との間を回動可能に設けられている。リール露出位置と固定露出位置との位置関係は、リール露出位置が照射光の照射方向であって且つ固定露出位置よりも前方に存在するように設定されている。これにより、リールスクリーン機構F1がリール露出位置に移動した場合は、リールスクリーン機構F1が固定スクリーン機構Dを前方から覆い隠した状態にすることによって、照射光による映像をリールスクリーン機構F1だけに出現可能にしている。リールスクリーン機構F1がリール待機位置に移動した場合は、固定スクリーン機構Dを露出させることによって、照射光による映像を固定スクリーン機構Dに出現可能にしている。つまり、リールスクリーン機構F1がリール露出位置に配置されると、リールスクリーン機構F1がプロジェクタ装置B2の投影対象となる。これに対して、リールスクリーン機構F1がフロント待機位置に配置されると、固定スクリーン機構Dがプロジェクタ装置B2の投影対象となる。
(表示ユニットA:スクリーン装置C:固定スクリーン機構D)
図13及び図14に示すように、固定スクリーン機構Dは、スクリーン筐体C10の底板C1上にネジ締結により固定されている。固定スクリーン機構Dは、正面反射部D1、右面反射部D2、左面反射部D3、及び下面反射部D4を有している。これらの反射部D1〜D4の反射面は、照射ユニットBからの照射光が投影される投影面であり、照射ユニットBからの照射光の光軸に対してそれぞれ異なる角度に設定されている。
なお、固定スクリーン機構Dは、照射光の光軸に対して複数の異なる角度の反射面を有する構成であれば、例えば2面や3面、5面の反射部を有してもよいし、あるいは、光軸に対して連続的に異なる角度となる、曲率中心点が前面側に位置する湾曲状や円弧状の反射面の反射部を備えていてもよい。
上記の正面反射部D1は、反射面が前側の遊技者に対して対向配置されており、固定スクリーン機構Dの前方上部に配置された照射ユニットBからの反射光の大部分を前方に反射するように設定されている。右面反射部D2及び左面反射部D3は、正面反射部D1の右辺部及び左辺部に接合されており、正面反射部D1を中心として左右対称に配置されている。右面反射部D2及び左面反射部D3は、正面反射部D1における左右方向の幅よりも前端部間の幅が拡大するように配置されている。これにより、右面反射部D2及び左面反射部D3は、反射面に対する照射光の反射方向が正面反射部D1方向に向かい易くなることによって、照射光による映像を出現させながら照射光の一部を正面反射部D1方向に反射するようになっている。また、下面反射部D4についても、反射面に対する照射光の反射方向が正面反射部D1方向に向かい易くなることによって、照射光による映像を出現させながら照射光の一部を正面反射部D1方向に反射するようになっている。
上記の固定スクリーン機構Dは、反射面の明度がフロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の各反射面の明度よりも低く設定されている。すなわち、固定スクリーン機構Dは、照射光が反射面を反射する光量が、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の反射面を反射する光量よりも少なくされている。これにより、固定スクリーン機構Dは、反射部D1〜D4の乱反射による光の混合による白ぼけが防止されている。なお、固定スクリーン機構Dは、正面反射部D1の明度よりも他の反射部D2,D3,D4の明度が低くされていてもよい。この場合には、他の反射部D2,D3,D4における照射光の正面反射部D1への反射を低減できるため、正面反射部D1において映像を強く出現させながら白ぼけを低減することができる。
なお、明度としては、L* a* b* 表色系(L* a* b* 色空間)やL* u* v* 表色系(L* u* v* 色空間)におけるBrightnessを採用することができるが、白を基準として、その他の色を相対値で表すことができるのであれば、どのように定義することも可能である。
固定スクリーン機構Dの反射面の明度と、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の反射面の明度とは、固定スクリーン機構Dの反射面の明度が、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の反射面の明度よりも低ければ特に限定されない。例えば、固定スクリーン機構Dの反射面の明度を、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の反射面の明度よりも、5〜25%(又は10〜20%)程度低い値とすればよい。
固定スクリーン機構Dの反射面の明度を、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の反射面の明度よりも低くするためには、固定スクリーン機構Dの基材に塗布する塗料の色を、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の基材に塗布する塗料の色よりも、黒くすればよい。例えば、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の基材に塗布する塗料として白色のものを使用し、固定スクリーン機構Dの基材に塗布する塗料としては、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の基材に塗布する塗料に対して黒色顔料が添加されたものを使用すればよい。
このような塗料において、白色顔料(例えば、酸化チタン)と黒色顔料(例えば、カーボンブラック)との割合を異ならせることによって、スクリーン機構の反射面の明度を変化させることができる。例えば、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の基材に塗布する塗料には、白色顔料と黒色顔料とのうち白色顔料のみが含まれ、固定スクリーン機構Dの基材に塗布する塗料には、白色顔料と黒色顔料の双方が含まれるようにしてもよい。また、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の基材に塗布する塗料よりも、固定スクリーン機構Dに塗布する塗料の方が、白色顔料に対する黒色顔料の割合が(例えば、5〜25%(又は10〜20%)程度)高くなるようにしてもよい。なお、これらのスクリーン機構の基材に塗布する塗料としては、従来公知のスクリーン用塗料を適宜採用することができ、スクリーンの型(例えば、拡散型や反射型)に応じて調整することができる。
なお、固定スクリーン機構Dの基材に塗布する塗料に黒色顔料を含ませるのではなく、固定スクリーン機構Dの基材を成形する前に、当該基材の材料となる樹脂中に黒色顔料を分散させることにより、基材自体に色を付け、基材自体の明度を低くしてもよい。
また、光の乱反射を防止するという観点からは、周囲壁(底板C1、右側板C2、左側板C3、及び、背板C4)等、スクリーン筐体C10を構成する部材やスクリーン筐体C10の内部に配置された他の部材(スクリーン以外の部材)の明度も低くすることが望ましい。それらの部材の明度は、固定スクリーン機構Dの反射面の明度よりも低いことが望ましく、例えば、周囲壁については、スクリーンとして映像が投影されることを考慮する必要がないため、明度は低ければ低いほど望ましい。すなわち、周囲壁の色は、黒に近いほど望ましい。
(表示ユニットA:スクリーン装置C:フロントスクリーン機構E1)
図19に示すように、フロントスクリーン機構E1は、投影面E11aを全面に有した長方形状のフロントスクリーン部材E11と、第1模様面E12a等の模様を両面に有したフロントスクリーン支持台E12とを有している。フロントスクリーン部材E11は、薄板状の平面パネルにスクリーン塗料を塗布することにより形成されている。これにより、フロントスクリーン部材E11は、投影面E11aが平坦状に形成されている。
一方、フロントスクリーン支持台E12は、フロントスクリーン部材E11を保持する保持凹部E121を有している。保持凹部E121は、フロントスクリーン部材E11の投影面E11aに対して僅かに拡大した状態で相似する開口形状を有しており、フロントスクリーン部材E11全体を収容している。また、保持凹部E121は、深さが深部と浅部との2段階に設定されている。浅部は、フロントスクリーン支持台E12の周縁部に形成された段部E121aと、中心部を通過する短手方向の両端にかけて直線状に形成された段部E121bとで実現されている。
これにより、保持凹部E121に収容されたフロントスクリーン部材E11は、周縁部の段部E121aと中心部を通過する直線状の段部E121bとに当接及び支持され、残りの深部部分から離隔された状態にされている。この結果、深部部分におけるフロントスクリーン支持台E12の変形が、フロントスクリーン部材E11を変形させて投影面E11aに歪みを引き起こすことが防止されている。
また、フロントスクリーン支持台E12は、投影面E11aの周囲の一部領域に第1模様面E12aを有している。第1模様面E12aは、フロントスクリーン機構E1がフロント露出位置に位置されたときに、前方の遊技者から目視可能にされている。さらに、フロントスクリーン支持台E12は、第1模様面E12aとは反対側の面全体に第2模様面E12bを有している。第2模様面E12bは、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置に位置されたときに、前方の遊技者から目視可能にされている。これらの第1模様面E12a及び第2模様面E12bは、例えば遊技の演出に関連した模様が凹凸により立体的に形成されている。
上記のように構成されたフロントスクリーン部材E11とフロントスクリーン支持台E12とは、別個に形成された後に、接着剤で接着されることにより一体化されている。これにより、フロントスクリーン機構E1は、フロントスクリーン支持台E12に模様等を形成する際の成形収縮等によりひけが発生することがあっても、このひけがフロントスクリーン部材E11から機械的に分離した状態で発生するため、フロントスクリーン部材E11における投影面E11aのひけによる歪みの発生を防止することが可能になっている。
なお、フロントスクリーン部材E11とフロントスクリーン支持台E12との固着方法としては、接着剤での接着に限らず、ネジ締結等の任意の方法を採用することができる。
フロントスクリーン部材E11を構成する平面パネル、及び、フロントスクリーン支持台E12は、それぞれ射出成形により作製される。フロントスクリーン部材E11を構成する平面パネル、及び、フロントスクリーン支持台E12の材料としては、射出成形を行った場合にひけが発生し得る熱可塑性樹脂(例えば、ABS樹脂等)を適宜採用することができる。
(表示ユニットA:スクリーン装置C:フロントスクリーン駆動機構E2)
上記のフロントスクリーン機構E1は、フロントスクリーン駆動機構E2の駆動力により回動可能にされている。図13及び図14に示すように、フロントスクリーン駆動機構E2は、フロントスクリーン機構E1の左端部下面に連結された左フロントスクリーン駆動機構E2Aと、フロントスクリーン機構E1の右端部下面に連結された右フロントスクリーン駆動機構E2Bとを有している。
図17に示すように、フロントスクリーン機構E1は、フロント待機位置に配置されたとき(待機姿勢のとき)において、後方の端部から前方の端部に向けて上り傾斜となるように、構成されている。このフロントスクリーン機構E1の傾斜は、多孔板B15の傾斜部B15b、及び、プロジェクタ装置B2の下面B2aにおける傾斜面B2a1と略平行である。
以上のように、フロント待機位置に配置されたときにフロントスクリーン機構E1の姿勢を、その後方の端部から前方の端部に向けて上り傾斜となる傾斜姿勢にすることで、水平面と平行な姿勢とした場合と比べて、照射ユニットBにより照射された照射光がフロントスクリーン機構E1により妨げられることを抑制することができる。これにより、フロント待機位置に配置されたときのフロントスクリーン機構E1の上下方向位置を、固定スクリーン機構Dに対して近づけることができる。その結果として、表示ユニットAの限られたスペース内においても、フロントスクリーン機構E1を大型化することができる。加えて、上述したように、プロジェクタ装置B2の下面B2aは、傾斜面B2a1を有しているため、フロント待機位置に配置されたときのフロントスクリーン機構E1の上下方向位置を、プロジェクタ装置B2に対して近づけることができる。その結果として、フロントスクリーン機構E1をさらに大型化することができる。
図14に示すように、右フロントスクリーン駆動機構E2Bは、クランク部材E22とクランクギアE21と中間ギアE23とモータ軸ギアE24と駆動モータE25とを有している。右フロントスクリーン駆動機構E2Bにおけるクランク部材E22は、その上端部(一端部)が、フロントスクリーン機構E1の右端部背面において、フロント露出位置に配置されたとき(露出姿勢のとき)に上部となる位置に連結されている。
クランク部材E22は、中間位置において、右可動体ベースC5(図13参照)に回動自在に軸支されている。これにより、クランク部材E22は、中間位置を回動中心として上端部及び下端部(他端部)を回動可能にしている。なお、この中間位置は、フロントスクリーン機構E1の回動中心軸と一致する。
なお、上述したように、フロントスクリーン機構E1の回動中心軸は、フロント露出位置に配置されたフロントスクリーン機構E1の中心位置よりも上方に配置されている。また、クランク部材E22は、その上端部(一端部)が、フロントスクリーン機構E1の右端部背面において、フロント露出位置に配置されたとき(露出姿勢のとき)に上部となる位置に連結されている。以上の構成により、フロントスクリーン機構E1における、フロント待機位置とフロント露出位置との間の動作範囲を小さくすることができるため、フロントスクリーン機構E1を大型化することが可能となる。
クランク部材E22の下側領域には、図示しないスライド溝が形成されている。スライド溝は、側面視U字形状となるように形成されている。このスライド溝には、スライド部材E26(図14参照)が移動自在に係合されている。すなわち、スライド部材E26は、常時、スライド溝に当接状態にされている。このスライド部材E26は、クランクギアE21の偏心位置に回転自在に軸支されている。クランクギアE21のギア軸E21aは、図13に示すように、右可動体ベースC5、及び右側板C2の第1支持部C23に回転自在に軸支されている。クランクギアE21のギア軸E21aは、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢又は露出姿勢である場合において、ギア軸E21aと偏心位置とを結ぶ線分が、クランク部材E22の中間位置とスライド部材E26の中心点とを結ぶ線分に対して直交する関係を有するように設定されている。
これにより、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢又は露出姿勢である場合においては、クランク部材E22の下側領域を回動させる方向に力が働いても、この力の全成分の付与方向にギア軸E21aが存在し、固定端として作用するため、スライド部材E26が移動することはない。この結果、クランク部材E22の中間位置とクランクギアE21のギア軸E21aとを固定端とし、スライド部材E26を自由端とする0自由度の三節リンクによるトラス構造が形成されるため、フロントスクリーン機構E1を手で押した場合でも、クランク部材E22及びクランクギアE21が強固なブレーキとして作用することによって、フロントスクリーン機構E1が動くことはない。
上記のクランクギアE21には、中間ギアE23が噛合されている。この中間ギアE23は、右可動体ベースC5、及び右側板C2の第2支持部C24に回動自在に軸支されている。この中間ギアE23には、モータ軸ギアE24が噛合されている。モータ軸ギアE24は、駆動モータE25の駆動軸が接続されている。これにより、右フロントスクリーン駆動機構E2Bは、駆動モータE25の回転駆動力をモータ軸ギアE24及び中間ギアE23を介してクランクギアE21に伝達可能にされている。
ここで、クランクギアE21に付与された回転駆動力の全成分は、スライド部材E26の旋回軌跡の接線方向に一致する。また、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢又は露出姿勢である場合において、ギア軸E21aとスライド部材E26の偏心位置とを結ぶ線分が、クランク部材E22の中間位置とスライド部材E26の中心点とを結ぶ線分に対して直交する関係を有するように設定されているため、旋回軌跡の接線方向がクランク部材E22のスライド溝に平行となっている。これにより、フロントスクリーン機構E1が待機姿勢又は露出姿勢である場合において、クランクギアE21に回転駆動力が付与されると、クランクギアE21が容易に回転を開始する。
クランクギアE21に回転駆動力が付与された場合は、偏心位置に設けられたスライド部材E26がスライド溝に沿って移動自在にされているため、クランク部材E22の中間位置とクランクギアE21のギア軸E21aとを固定端とし、スライド部材E26をスライド溝に沿って移動自在の自由端にした1自由度の二節リンクが形成される。そして、スライド部材E26が回動すると、このスライド部材E26がスライド溝に沿って摺動することでクランク部材E22が中間位置を支点として回動し、クランク部材E22の上側領域を回動させることになる。この結果、フロントスクリーン機構E1がフロント待機位置及びフロント露出位置間を移動することになる。
本実施の形態において、駆動モータE25は、ステッピングモータであり、中継基板CK及びサブ中継装置SNを介してサブ制御装置SSに電気的に接続されており(図34参照)、このサブ制御装置SSにより駆動制御される。なお、駆動モータE25は、中継基板CKを介して主制御基板MSに接続され、主制御基板MSにより駆動制御されるものとしてもよい。
また、フロントスクリーン機構E1の移動速度は、待機姿勢又は露出姿勢にある停止状態の0から徐々に加速し、待機姿勢及び露出姿勢間の中間姿勢において最大速度となった後、徐々に減速し、露出姿勢又は待機姿勢になったときに再び停止状態の0になる。これにより、クランクギアE21の角加速度が小さな状態(慣性モーメント)で回動を開始及び停止させることができるため、クランクギアE21に必要なトルクを小さくすることが可能になり、結果として駆動機構(中間ギアE23、モータ軸ギアE24、駆動モータE25)の過負荷による故障や消耗を低減することが可能になっている。
上記のように構成された右フロントスクリーン駆動機構E2Bは、モータ軸ギアE24と駆動モータE25とを除いて、左フロントスクリーン駆動機構E2Aと同一構成とされている。そして、左フロントスクリーン駆動機構E2Aと右フロントスクリーン駆動機構E2Bとは、左右対称に配置されている。左フロントスクリーン駆動機構E2Aの中間ギアE23と右フロントスクリーン駆動機構E2Bの中間ギアE23とは、シャフト部材E3を介して連結されている(図13参照)。
以上の構成において、駆動モータE25が駆動されると、モータ軸ギアE24が回動される。このモータ軸ギアE24の回動に伴い、左フロントスクリーン駆動機構E2A及び右フロントスクリーン駆動機構E2Bそれぞれの中間ギアE23,E23、及びシャフト部材E3が一体となって回動する。そして、この中間ギアE23,E23の回動に連動して、クランクギアE21,E21が回動されることで、フロントスクリーン機構E1が回動中心軸周りに回動して、フロント待機位置とフロント露出位置との間を移動することになる。
以上のように、左フロントスクリーン駆動機構E2A及び右フロントスクリーン駆動機構E2Bそれぞれの中間ギアE23,E23をシャフト部材E3により連結することで、駆動モータE25の回転駆動力を、2つのクランク部材E22に均等に伝達することが可能となる。したがって、これら中間ギアE23,E23がシャフト部材E3により連結されていない場合と比べて、2つのクランク部材E22の一方に、駆動負荷が集中することを防止することができる。また、駆動モータE25は、固定スクリーン機構Dの右方に配置された右フロントスクリーン駆動機構E2Bに設けられているため、固定スクリーン機構Dの配置を阻害することがない。
加えて、シャフト部材E3を、フロントスクリーン機構E1の回動軸として用いていない。このため、シャフト部材E3の配置の自由度が高まり、シャフト部材E3を固定スクリーン機構D等の別役物の配置を阻害しないように配置させることが可能となる。その結果として、フロントスクリーン機構E1の回動範囲や大きさを所望の程度に維持しつつ、別役物の配置の自由度を高めることができる。
また、シャフト部材E3が固定スクリーン機構Dよりも後方に配置されるため、固定スクリーン機構Dに投影される光がシャフト部材E3により阻害されることはない。また、フロントスクリーン機構E1の回動中心軸は、固定スクリーン機構Dの後端位置よりも前方に配置されているため、固定スクリーン機構Dの後端位置よりも後方に配置されている場合と比べて、フロントスクリーン機構E1と回動中心軸との間の長さ(クランク部材E22の長さ)を短くすることができる。このため、キャビネットG内のスペースが限られており表示ユニットAを大型化することができないときでも、フロントスクリーン機構E1の大きさを所望の程度に維持することができる。
(表示ユニットA:スクリーン装置C:リールスクリーン機構F1)
図18に示すように、リールスクリーン機構F1は、湾曲形状の平板からなる。リールスクリーン機構F1は、回動方向に近似した形状に湾曲された、側面視円弧状の形状をなしている。リールスクリーン機構F1の表面は、周縁部に模様が形成されていると共に、周縁部の内周領域が投影面F1aとされている。この投影面F1aは、リールスクリーン機構F1がリール露出位置に配置されたときに、プロジェクタ装置B2からの光の照射方向上流側に凸となる円弧面である。また、リールスクリーン機構F1における、回動中心側である裏面には、模様が形成されている。この裏面の模様は、リールスクリーン機構F1がリール待機位置に位置されたときに、前方の遊技者から目視可能にされている。
リールスクリーン機構F1は、リールスクリーン駆動機構F2の駆動力により、リール待機位置とリール露出位置との間で回動可能にされている。そして、リールスクリーン機構F1がリール露出位置に位置されたときに、その投影面F1aは、照射光の照射により映像を出現可能になっている。
(表示ユニットA:スクリーン装置C:リールスクリーン駆動機構F2)
図20に示すように、リールスクリーン駆動機構F2は、2つのアーム部材F21(右側図示されず)、円弧状ギアF22、モータ軸ギアF23、及び駆動モータF24を有している。2つのアーム部材F21は、その一端部がリールスクリーン機構F1の右端部背面及び左端部背面それぞれに連結されている。また、2つのアーム部材F21の他端部の外側面には、左右方向外側に向けて突出する支持軸F21a(左側図示されず)が形成されている。これら支持軸F21aは、右可動体ベースC5及び左可動体ベースC6にそれぞれ回動自在に支持されている。これにより、2つのアーム部材F21は、支持軸F21aを回動中心として回動可能となる。なお、これら支持軸F21aは、リールスクリーン機構F1の回動中心軸と一致する。
円弧状ギアF22は、右側に配置される支持軸F21aの先端部に固定されている。この円弧状ギアF22には、モータ軸ギアF23が噛合されている。モータ軸ギアF23には、駆動モータF24の駆動軸が接続されている。本実施の形態において、駆動モータF24は、ステッピングモータであり、中継基板CK及びサブ中継装置SNを介してサブ制御装置SSに電気的に接続されており(図34参照)、このサブ制御装置SSにより駆動制御される。なお、駆動モータF24は、中継基板CKを介して主制御基板MSに接続され、主制御基板MSにより駆動制御されるものとしてもよい。
以上の構成において、サブ制御装置SSによる制御の下、駆動モータF24が駆動すると、モータ軸ギアF23が回動する。このモータ軸ギアF23の回動に伴い、円弧状ギアF22が回動する。そして、この円弧状ギアF22の回動に連動して、アーム部材F21が回動されることで、リールスクリーン機構F1が回動中心軸周りに回動して、リール待機位置とリール露出位置との間を動作することになる。
(表示ユニットA:スクリーン装置C:センサ機構CS)
上述したように、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1それぞれの動作範囲は、互いに一部が重複している(図17及び図18参照)。また、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1は、それぞれ異なる駆動機構E2,F2により駆動される。つまり、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1それぞれの駆動は、連動(同期)していない。このためスクリーン機構E1,F1同士の干渉(接触)を防ぐには、スクリーン機構E1,F1それぞれの位置を把握しておく必要がある。そこで、本実施の形態において、サブ制御装置SS(図34参照)は、フロント待機位置を原点位置として、この原点位置からの駆動モータE25のステップ数に基づいて、フロントスクリーン機構E1の位置を把握している。同様にして、リール待機位置を原点位置として、この原点位置からの駆動モータF24のステップ数に基づいて、リールスクリーン機構F1の位置を把握している。
しかしながら、フロントスクリーン機構E1やリールスクリーン機構F1の動作が正常に行われていない場合や、電源遮断中に手動でフロントスクリーン機構E1やリールスクリーン機構F1が動かされてしまった場合、サブ制御装置SSは、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1の正確な位置を把握することができない。このような状況でフロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1を動作させると、これらが干渉し合う可能性がある。
そこで、本実施の形態において、スクリーン装置Cは、フロントスクリーン機構E1及びリールスクリーン機構F1それぞれの位置を検出するための図示しないセンサ機構を備えている。そして、サブ制御装置SSは、センサ機構からの検出結果に基づき、これらスクリーン機構E1,F1を原点位置(待機位置)に復帰させる復帰動作を実行する。
例えば、上述したように、フロント待機位置及びリール待機位置それぞれは、スクリーン機構E1,F1の動作範囲における重複範囲に配置されているため、フロントスクリーン機構E1がフロント露出位置に配置されているときには、リールスクリーン機構F1がリール露出位置に配置されない。このため、センサ機構が、フロントスクリーンがフロント露出位置に存在することを検出している場合には、リールスクリーン機構F1がリール露出位置に存在しないことを示している。
(スクリーンの表面加工)
次に、スクリーンの表面加工について説明する。固定スクリーン機構Dの正面反射部D1、右面反射部D2、左面反射部D3、及び下面反射部D4、フロントスクリーン部材E11の投影面E11a、並びにリールスクリーン機構F1の投影面F1aといった投影対象のスクリーン等には、適度な性能を実現するためにシボ加工が施される。シボ加工は、表面にシボ(しわ模様)が形成される加工のことである。投影対象のスクリーン等は、シボ加工がされている金型を用いて成型され、これによって投影対象のスクリーン等の表面にしわ模様が形成される。このような表面のしわ模様によって、光源の映り込みを効果的に防止でき、さらに、良好な投射映像の映りを実現することができる。
シボ加工には、「梨地」と呼ばれる模様が含まれ、本実施の形態においては、例えば、平均深さが25μm〜30μm程度で、抜け勾配が3%以上である梨地のパターン(梨地No.5)が好ましい。
また、スクリーン等の表面加工としては、適度な性能を実現するために2層塗装が施される。2層塗装は、特性の異なる塗料がそれぞれ上下に(2層に)塗装されることを意味する。例えば、下塗りには、高反射性を有する高輝度塗料(例えば、金属調塗料の「超高輝度シルバー」である2P−600シルバー)を用い、上塗りには、艶消し塗料(例えば、「艶消し白」であるHG−650白)を用いることができる。また、HG−650白に、5%程度の艶消し剤(シリカ)を添加するようにもできる。
このような塗装において、上塗りの膜厚は、例えば、22〜23μmであり、下塗りの膜厚は、例えば、1μm前後である。このような塗装により、グロス60°での光沢度は、4〜5となる。
なお、2P−600シルバーは、アルミ顔料に蒸着アルミを使用し、塗膜中のアルミ顔料の重量濃度(PWC)が20〜30%と、一般シルバーの塗料より高く設定されており、より高い光沢値(反射性能)を示す。また、HG−650白の組成は、樹脂が20〜30%、酸化チタンが30〜40%、艶消し剤であるシリカが5〜10%、添加剤が0.5〜2%、及び溶剤が30〜40%である。
この他、上塗り塗料として、HG−650白に艶消し剤として様々な平均粒径を持つガラス系又は樹脂系のビーズを所定割合だけ添加した塗料や、当該ビーズに加えてシリカを添加した塗料を用いることもできる。また、HG−650Fクリヤーや、HG−650Fクリヤーに艶消し剤として様々な平均粒径を持つビーズを所定割合だけ添加した塗料を用いることもできる。膜厚についても、例えば、16〜23μmまでといったように、様々に調整可能である。なお、HG−650Fクリヤーの組成は、樹脂が20〜30%、艶消し剤であるシリカが2〜5%、添加剤が0.5〜2%、及び溶剤が60〜70%である。
また、他の下塗り塗料として、HG−650白や、HG−650白に艶消し剤として様々な平均粒径を持つガラス系又は樹脂系のビーズを所定割合だけ添加した塗料を用いることもできる。また、膜厚についても、例えば、1〜21μmまでといったように、様々に調整可能である。
上述のように、投影対象のスクリーン等をシボ加工によって形成したり、2層塗装を施したりすることにより、光源の映り込みを効果的に防止することができ、さらに良好な投射映像の映りを実現することができる。また、シボ加工がされたスクリーンや役物等に対して、上述した2層塗装を施すこともできる。また、投影対象となるスクリーン等の素材は、例えば黒色又は白色のABS樹脂や透明のポリカーボネート樹脂であるが、これらに限られるものではない。
(表示ユニットA:照射ユニットB:プロジェクタ装置B2の電気的及び光学的構成)
図21に示すように、プロジェクタ装置B2は、電気的な構成要素として、プロジェクタ制御基板B23、光学機構B24、及び中継基板CKを備えている。プロジェクタ装置B2には、中継基板CKを介して後述するサブ制御装置SS(図34参照)が接続される。サブ制御装置SSは、スクリーンや役物の演出動作に応じて、プロジェクタ制御基板B23を制御し、光学機構B24を介して、スクリーンや役物に照射光を投影することにより、視覚的な演出として映像を表示する。また、表示ユニットAの組み立て工程等においては、プロジェクタ装置B2の中継基板CKに調整用PC(パーソナルコンピュータ)1000が接続される。この調整用PC(パーソナルコンピュータ)1000は、プロジェクタ装置B2により投影される照射光の位置調整やピント初期設定を行うために用いられる(詳細については後述する)。なお、本実施の形態においては、プロジェクタ装置B2の調整機器として調整用PC1000を採用しているが、プロジェクタ装置B2の調整機器としては、調整用プログラム(アプリケーションソフト)がインストールされたタブレットPCやいわゆるスマートフォン、あるいは専用の端末装置であってもよい。
プロジェクタ制御基板B23は、制御LSI881、EEPROM(登録商標)882、DLP(登録商標)制御回路883及びLEDドライバ884を備える。図33に示すように、光学機構B24は、レンズユニットB21の周辺に配置される構成要素として、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色光を発するLED光源240R,240G,240B、DMD241、レンズユニットB21の投射レンズ210についてフォーカス調整を行うためのフォーカス機構242等を備える。
制御LSI881は、サブ制御装置SSの指令に基づいて、照射光を投影するようにDLP制御回路883を制御する。制御LSI881は、サブ制御装置SSの指令に基づいて、フォーカス機構242を制御して投射レンズ210を光軸方向に移動させることにより、照射光の投影に際してフォーカス調整を行う。EEPROM882には、制御LSI881による制御プログラムやプロジェクタ装置B2の設定・調整に関わるデータが記憶されている。
プロジェクタ装置B2のDLPシステムは、主として、DLP制御回路883、LEDドライバ884、並びに光学機構B24のLED光源240R,240G,240B及びDMD241により構成される。
DMD241は、半導体チップの主面上に、表示解像度に応じたピクセル相当のミラーを集積したものである。DMD241は、各ミラーの直下にあるメモリー素子の静電界作用により、主面に対して各ミラーが対角線に沿う軸周りに+10°又は−10°傾くように構成されたものである。このような構成により、DMD241の各ミラーは、ON状態(所定方向に光を反射する状態)とOFF状態(所定方向外に光を反射する状態)とに切り換えられる。すなわち、DMD241の各ミラーは、ON状態のとき、LED光源240R,240G,240Bから図示しないダイクロイックミラー等を介して入射した光を、再びダイクロイックミラー等を介してレンズユニットB21へと導く一方、OFF状態のとき、LED光源240R,240G,240Bからダイクロイックミラー等を介して入射した光をレンズユニットB21以外の方向に向けて反射する。
DLP制御回路883は、LED光源240R,240G,240Bを駆動するLEDドライバ884を制御し、LED光源240R,240G,240BからのRGB各色の光を図示しないダイクロイックミラー等を介して時分割方式でDMD241に入射させる。このとき、DLP制御回路883は、投影する映像に応じて、どのタイミングでどのピクセルに対応したミラーをON状態又はOFF状態とするか、すなわち、RGB各色の光のうちどの色の光をどのタイミングで所定方向に反射させるかを判定し、DMD241の各ミラーのON・OFF状態を制御する。
このようなDLP制御回路883の制御により、DMD241で所定方向に反射した光は、レンズユニットB21へと進み、投射レンズ210を透過することでミラー機構B3に入射し、最終的にミラー機構B3で反射することによって投影対象へと導かれる。これにより、投影対象となるスクリーンや役物に対して照射光が投影され、演出に応じた映像が形成される。
本実施の形態において、プロジェクタ装置B2は、いわゆるDLPプロジェクタとして構成される。また、プロジェクタ装置B2は、ミラー機構B3によって照射光を折り返すことにより投影対象までの投影距離を稼ぐとともに、例えばコントラスト比を1000:1とすることによって、照射光の投影距離をできるだけ短くするようにしている。これにより、プロジェクタ装置B2を備えた表示ユニットAは、より安価かつ小型に構成されるとともに、遊技機1のキャビネットGにおける限られたスペースに対して容易に搭載される。
(表示ユニットA:照射ユニットB:プロジェクタ装置B2の機械的構成)
図22及び図23に示すように、プロジェクタ装置B2は、外装となる構成要素として、ケースB22、レンズユニットカバーB222、アンダーカバーB223、上側台座B220、及び下側台座B221を有する。ケースB22の前部開口B22kには、レンズユニットカバーB222が取り付けられる。ケースB22の下面には、アンダーカバーB223が覆うように配置される。アンダーカバーB223は、ステーB223aを介して下側台座B221に支持されるとともに、ケースB22の下面適部にも固定される。プロジェクタ装置B2は、上側台座B220及び下側台座B221を介してプロジェクタカバーB1の上壁部B12(図8参照)の下面に取り付けられる。本実施の形態では、上壁部B12の下面に上側台座B220が固定されるとともに、ケースB22の上面開口を覆うようにその上端部に対して下側台座B221が取り付けられ、上側台座B220の下面に下側台座B221が連結される。このようなプロジェクタ装置B2の取り付け調整手順については後述する。
図23、図24、及び図33に示すように、プロジェクタ装置B2は、内部の構成要素として、レンズユニットB21、LED光源240R,240G,240Bを搭載したLED基板240Ra,240Ga,240Ba、DMD241を搭載したDMD基板241a、複数のヒートシンク243R,243G,243B,243D、吸気用ファン244A,244B、排気用ファン245、及びプロジェクタ制御基板B23を有する。ケースB22には、レンズユニットカバーB222でレンズユニットB21の投射レンズ210が覆われつつレンズユニットB21が収容されるとともに、LED基板240Ra,240Ga,240Ba、DMD基板241a、複数のヒートシンク243R,243G,243B,243D、吸気用ファン244A,244B、排気用ファン245が収容される。プロジェクタ制御基板B23は、ケースB22の下面に固定される。
レンズユニットB21は、図示しないダイクロイックミラーや反射板等を収容する光学ケースB21a、投射レンズ210を含むレンズ群210A、レンズ群210Aを保持しつつ光学ケースB21aの前部に設けられるレンズホルダB21b、及びレンズホルダB21bの一部を光軸方向(前後方向)に移動可能とするように光学ケースB21aの前部右側に設けられるフォーカス機構242を有する。光学ケースB21aには、LED光源240R,240G,240BやDMD241を外部から内部へと臨ませる開口が設けられている。レンズホルダB21bは、後側部分が光学ケースB21aの前部に固定される一方、この後側部分に対して前側部分がフォーカス機構242によって前後方向(光軸方向)に相対移動させられ、前側部分に投射レンズ210が保持されている。レンズホルダB21bの前側部分及び投射レンズ210は、レンズユニットカバーB222に覆われる。レンズユニットカバーB222には、投射レンズ210からの照射光を透過する透光面B222aが設けられており、投射レンズ210から出射した光は、透光面B222aを透過してミラー機構B3へと進む。
LED基板240Raは、ケースB22内において、光学ケースB21aの後部右側に隣接するように配置され、光学ケースB21aの内部にLED光源240Rを臨ませている。LED基板240Gaは、ケースB22内において、光学ケースB21aの後部奥側に隣接するように配置され、光学ケースB21aの内部にLED光源240Gを臨ませている。LED基板240Baは、ケースB22内において、光学ケースB21aの後部左側に隣接するように配置され、光学ケースB21aの内部にLED光源240Bを臨ませている。DMD基板241aは、ケースB22内において、光学ケースB21aの左側面に隣接するように配置され、光学ケースB21aの内部にDMD241を臨ませている。ここで、本実施の形態において、LED光源240R,240G,240B、及びDMD241の発熱特性としては、LED光源240G及びLED光源240Bが相対的に高い傾向を示す一方、LED光源240R及びDMD241が相対的に低い傾向を示すようになっている。
図24(a)に示すように、レンズホルダB21bの右側には、フォーカス機構242が配置され、レンズホルダB21bの前部には、投射レンズ210が配置される。レンズホルダB21bの前部は、フォーカス機構242によって投射レンズ210の光軸方向に移動可能とされる。フォーカス機構242は、その詳細について省略するが、ステッピングモータ、リードスクリュー、キャリッジ等を備え、レンズホルダB21bの前部を光軸方向に移動可能に構成されている。
すなわち、投射レンズ210は、レンズホルダB21bの前部と一体になってフォーカス機構242により移動可能とされ、図24(a)に示すように、光軸方向に沿って後側から前側に向かって、又は、前側から後側に向かって移動する。
図24(a)に示すように、LED光源240R,240G,240Bからの光は、図示しないコリメータやダイクロイックミラー等を介してDMD241に達し、このDMD241で反射した後、ダイクロイックミラー等でレンズ群210Aへと導かれ、最終的に投射レンズ210を通って出射する。
投射レンズ210は、上述の通り、光軸方向に移動するよう構成される。その結果、フォーカス調整が行われ、移動により位置を変えたスクリーンや役物に対して、ピントの合った鮮明な映像が映し出される。
このようなプロジェクタ装置B2は、サブ制御装置SSから演出等の映像に係る映像データが送信され、スクリーンや役物に映像を投影するようにサブ制御装置SSによって制御される。一方、サブ制御装置SSは、スクリーン駆動機構E2,F2を制御することにより、スクリーン機構E1,F1を演出内容に応じて移動させる。
ここで、サブ制御装置SSは、演出によるスクリーン機構E1,F1の移動に応じてプロジェクタ装置B2を制御し、移動したスクリーン機構E1,F1の投影面E11a,F1aや固定スクリーン機構Dの投影面に、映像が鮮明に投影されるようにフォーカス調整を行う。
ヒートシンク243Rは、ケースB22内の右側に配置され、LED基板240Raの背面に部分的に接触している。ヒートシンク243Gは、ケースB22内の後側に配置され、LED基板240Gaの背面に部分的に接触している。ヒートシンク243Bは、ケースB22内の中央に配置され、LED基板240Baの背面に部分的に接触している。
ヒートシンク243Dは、ケースB22内の左側に配置され、DMD基板241aの背面に部分的に接触している。ここで、本実施の形態において、ヒートシンク243R,243G,243B,243Dのフィン外形サイズとしては、ヒートシンク243R及びヒートシンク243Gが相対的に大きい一方、ヒートシンク243B及びヒートシンク243Dが相対的に小さくなっている。これらのヒートシンク243R,243G,243B,243Dは、LED基板240Ra,240Ga,240Ba及びDMD基板241aそれぞれにおいて発生した熱を空気中に放散することにより、光学特性を大きく変化させるまで光学素子や基板の温度を上昇させないように効率よく放熱する。放熱部材であるヒートシンク243R,243G,243B,243Dは、放熱効果を高めるために導熱性の高いアルミニウム素材が用いられ、空気との接触面積を大きくするために複数の放熱フィンを有している。
吸気用ファン244Aは、ケースB22の右側前部の背面に近接するように配置され、ヒートシンク243Rに近接している。吸気用ファン244Bは、ケースB22の左側部の背面に近接するように配置され、ヒートシンク243Dに近接している。排気用ファン245は、ケースB22の後部の背面に近接するように配置され、ヒートシンク243Gに近接している。
ここで、図31及び図32に示すように、吸気用ファン244Aが近接するケースB22の右側前部には、吸気口B22Aが設けられており、吸気口B22Aに対向してヒートシンク243Rが近接するケースB22の右側後部には、排気口B22Eが設けられている。吸気用ファン244Bが近接するケースB22の左側部の一部には、吸気口B22Bが設けられており、この吸気口B22Bと並ぶようにケースB22の左側部の他の部分には、ケースB22内の空きスペースSを通じて3つのヒートシンク243G,243B,243Dまで空気が達するように吸気口B22Cが設けられている。排気用ファン245が近接するケースB22の後部には、排気口B22Dが設けられている。
すなわち、図33に示すように、プロジェクタ装置B2のケースB22内においては、吸気口B22Aから吸気用ファン244Aによって強制的に吸気された後、ヒートシンク243Rから熱を奪いつつ排気口B22Eから排気される空気の流れとして空気流路P1が形成される。また、ケースB22内においては、吸気口B22Bから吸気用ファン244Bによって強制的に吸気された後、ヒートシンク243D、ヒートシンク243B、及びヒートシンク243Gから熱を奪いつつ排気口B22Dから排気用ファン45によって強制的に排気される空気の流れとして空気流路P2が形成される。さらに、ケースB22内においては、吸気口B22Cから吸気された後、主としてヒートシンク243Gやヒートシンク243Bから熱を奪いつつ排気口B22Dから排気用ファン45によって強制的に排気される空気の流れとして空気流路P3が形成される。
プロジェクタ制御基板B23は、アンダーカバーB223で覆われつつケースB22の下面に取り付けられる。プロジェクタ制御基板B23には、制御LSI881、EEPROM882、DLP制御回路883、及びLEDドライバ884等が搭載されている。プロジェクタ制御基板B23は、ケースB22内に配置されたLED基板240Ra,240Ga,240Ba及びDMD基板241a、さらにフォーカス機構242と電気的に接続される。
(表示ユニットA:照射ユニットB:プロジェクタ装置B2の位置・姿勢調整)
図25〜27に示すように、上側台座B220は、プロジェクタカバーB1の上壁部B12(図6及び図8参照)に固定される板金部材であり、矩形状の本体部2200、本体部2200の左右両側を下方及び外方に折り曲げることで形成され、本体部2200と段差を有して左右両側に延出する左端部2201a及び右端部2201b、並びに本体部2200の後側から後方へと部分的に延出する後端部2202を有する。本体部2200及び後端部2202には、下側台座B221を連結するための3つの連結孔2200Aが設けられている。これら3つの連結孔2200Aは、本体部2200に沿う平面内(水平面内)において同一直線上に位置しないように配置されている。左端部2201a及び右端部2201bのそれぞれには、上壁部B12の下面にネジ締結によって固定するための複数の角孔2201cが設けられている。本実施の形態において、角孔2201cは、左端部2201a及び右端部2201bのそれぞれに3つずつ配置され、前後方向に等間隔に設けられている。角孔2201cの縦横内径寸法は、これに挿入して締結される取付ネジT(図28参照)のネジ軸径よりも大きくなっている。
下側台座B221は、上側台座B220の本体部2200及び後端部2202に概ね対応する板金部材である。下側台座B221には、3つの連結孔2200Aに対応して上向きに突出するように3つの連結ネジ部2210が一体形成されている。これら3つの連結ネジ部2210も、下側台座B221に沿う平面内(水平面内)において同一直線上に位置しないように配置されている。下側台座B221は、連結ネジ部2210のそれぞれにコイルバネ2211を外嵌しつつ連結ネジ部2210の先端を連結孔2200Aに挿通し、本体部2200や後端部2202との間にコイルバネ2886を挟んだ状態としつつ、上側台座B220の上面側から連結ネジ部2210の先端にワッシャー2212を介してナット2213を締結することにより、上側台座B220の下面に懸架された状態で連結される。また、図23に示すように、下側台座B221には、ケースB22をネジ止めするための複数のネジ孔2214、及びステーB223aをネジ止めするための複数のネジ孔2215が設けられている。下側台座B221は、ケースB22やステーB223aを介してアンダーカバーB223を支持した状態で上側台座B220の下面に連結される。
すなわち、図23及び図25〜27に示すように、上側台座B220と下側台座B221とは、3箇所の連結部R1,R2,R3のそれぞれにおいて互いの間隔を調整可能に連結される。連結部R1,R2,R3のそれぞれは、上側台座B220の連結孔2200A、並びに下側台座B221の連結ネジ部2210、コイルバネ2211、ワッシャー2212、及びナット2213により構成される。
このような上側台座B220及び下側台座B221を用いることにより、プロジェクタ装置B2は、プロジェクタカバーB1の上壁部B12に対して位置決め調整かつ光軸調整可能に取り付けられる。
図28は、プロジェクタカバーB1の上壁部B12に対する上側台座B220の取付形態を示したものである。図28(a)の下図は、上側台座B220の角孔2201cに対して取付ネジTが挿入・締結された状態を示す図であり、図28(a)の上図は、図28(a)の下図に示すB−B'線に沿う断面図である。なお、図28は、上側台座B220の左端部2201aに形成された角孔2201cの周辺を示すが、左端部2201a及び右端部2201bにおけるその余の角孔2201cの周辺も同様である。
図28(a)に示すように、角孔2201cには、下方から取付ネジTが挿入されるとともに、角孔2201cのほぼ中央に取付ネジTが配置される。取付ネジTは、上壁部B12の上面及び左端部2201aの下面に添うように配置されたワッシャーWを介して、上壁部B12の上面側に位置するナットNと螺結される。これにより、上側台座B220の左端部2201aは、プロジェクタカバーB1の上壁部B12に対してネジ止めにより取り付けられる。上側台座B220の右端部2201bも、プロジェクタカバーB1の上壁部B12に対して同様のネジ止めにより取り付けられる。
ここで、図28(a)において符号Aで示す斜線部分は、取付ネジTのネジ軸と角孔2201cとの間に形成される隙間である。図28(a)では、取付ネジTのネジ軸が、角孔2201cのほぼ中央に配置され固定されている。このとき、取付ネジTのネジ軸は、符号Aの斜線部分の範囲(調整範囲)のなかで移動可能となる。すなわち、取付ネジTの角孔2201cに対する相対位置を、角孔2201cの開口範囲内において微調整することにより、上側台座B220の左端部2201aをプロジェクタカバーB1の上壁部B12に対して位置決め調整することができる。同様に、上側台座B220の右端部2201bも、プロジェクタカバーB1の上壁部B12に対して位置決め調整することができる。
図28(b)は、図28(a)に対して上側台座B220の左端部2201aを矢印Eの方向にずらした状態を示している。図28(b)の上図は、図28(b)の下図に示すD−D'線に沿う断面図である。この図28(b)に示す状態では、取付ネジTのネジ軸が角孔2201cの開口範囲内において相対的に左寄りに偏位さられ、符号Cに示す斜線部分の範囲(調整範囲)のなかで移動可能になっている。
このように、上側台座B220は、角孔2201cの開口範囲となる所定の調整範囲のなかで位置決め調整されつつ、プロジェクタカバーB1の上壁部B12に対して取り付けられる。すなわち、プロジェクタ装置B2は、上側台座B220の左端部2201a及び右端部2201bに設けられた複数の角孔2201cにより、上壁部B12に対する取り付け位置が左右方向及び前後方向に調整される。これにより、プロジェクタ装置B2から照射される光の方向は、基準方向として、左右方向に垂直で前後方向に一致するように容易に調整される。
図29は、上側台座B220に対する下側台座B221の連結構造を示したものである。図29は、連結部R2において、連結孔2200A、連結ネジ部2210、コイルバネ2211、ワッシャー2212、及びナット2213により、下側台座B221が上側台座B220に連結されている状態を示す断面図である。なお、図29は、1箇所の連結部R2を示すが、その余の連結部R1,R3も同様である。
下側台座B221の連結ネジ部2210は、上側台座B220の本体部2200の下面側から連結孔2200Aに挿入され、本体部2200の上面側に配置されたワッシャー2212を介してナット2213に螺結される。連結ネジ部2210には、コイルバネ2211が外嵌されており、このコイルバネ2211は、連結孔2200Aの周縁部において本体部2200の下面と下側台座B221の上面との間に狭持される。このようなコイルバネ2211により、上側台座B220と下側台座B221との連結部R2付近の部分は、互いに離反する方向(上下方向)に付勢されるので、連結ネジ部2210とナット2213との螺合部分における緩み防止が図られる。
このような連結部R2においては、ナット2213を締め付ける方向あるいは緩める方向に適宜回すことにより、コイルバネ2211で付勢されつつも上側台座B220と下側台座B221との間隔が変化させられる。具体的には、ナット2213を締め付ける方向に回すと、連結R2における上側台座B220と下側台座B221との間隔が狭められることとなる。このとき、上側台座B220は、図29において図示しない上壁部B12に固定されている。そのため、下側台座B221の連結部R2付近の部分は、ナット2213を適宜締め付けることで上側台座B220に対して近づく方向に変位し、より上位へと高さ位置が調整されることとなる。一方、ナット2213を緩める方向に回すと、連結R2における上側台座B220と下側台座B221との間隔が拡大されることとなる。すなわち、下側台座B221の連結部R2付近の部分は、ナット2213を適宜緩めることで上側台座B220に対して遠ざかる方向に変位し、より下位へと高さ位置が調整されることとなる。
他の連結部R1,R3においても、上記と同様にナット2213の締め付け量を適宜調整することにより、下側台座B221の連結部R1,R3付近の高さ位置を容易に調整することができる。このような連結部R1,R2,R3は、上側台座B220や下側台座B221に沿う平面内(水平面内)において同一直線上に位置しないように、具体的には互いに結んだ線が三角形をなすように配置されている。すなわち、下側台座B221は、3箇所の連結部R1,R2,R3のそれぞれにおいてナット2213の締め付け量により高さ位置を微調整することができるので、下側台座B221の姿勢を、前後方向、左右方向、及び上下方向のいずれ方向に対しても3次元空間内における傾き具合を調整することができる。
このような下側台座B221の姿勢調整は、下側台座B221に支持されたプロジェクタ装置B2からスクリーン等に対して光を照射しながら行われる。その際、スクリーン等には、照射光により映像が投影され、その映像を確認しながら下側台座B221の姿勢が調整される。これにより、プロジェクタ装置B2から照射される光の光軸方向は、スクリーン等の表面に適切な表示態様で映像が映し出されるように調整される。すなわち、光軸方向については、下側台座B221の姿勢調整により、映像の表示態様としていわゆる台形ひずみ等が生じないように前もって調整することができる。
図30に示すように、光軸方向の調整等は、プロジェクタ装置B2に接続された調整用PC1000を用いて行われる。上側台座B220及び下側台座B221を介して上壁部B12に取り付けられたプロジェクタ装置B2は、工場での検査時等において、光軸方向の調整のほか、スクリーン等に対する表示映像のチェックが行われ、映像を投影表示するために必要な各種の調整が実施される。調整用PC1000は、調整作業に際して一時的にプロジェクタ装置B2の中継基板CKに接続される(図21参照)。調整用PC1000を操作すると、調整用PC1000から送信される所定のコマンドにより、プロジェクタ装置B2における照射光の投影位置やフォーカス調整等に関する光学パラメータが変更される。このようにして適切に調整された投影位置や光学パラメータは、水平方向及び垂直方向の調整値データとして、プロジェクタ装置B2のEEPROM882に記憶される(図21参照)。EEPROM882に記憶された水平方向及び垂直方向の調整値データは、工場出荷後の搬送等のためにプロジェクタ装置B2への電源供給が行われず、遊技機1が遊技場に設置された場合でも、そのまま使用することができる。
図28〜30を参照して上述したことから明らかなように、プロジェクタ装置B2は、主に上側台座B220の上壁部B12に対する取り付け位置に応じて左右方向及び前後方向に位置決めされるとともに、下側台座B221の3次元空間内における姿勢に応じて光軸方向が調整される。
なお、本実施の形態においては、上側台座B220と下側台座B221とを互いに連結するための連結部を3箇所に設けたが、少なくとも3箇所が同一直線上にないという条件を満たせば、4箇所以上に連結部を設けるようにしてもよい。また、本実施の形態では、上側台座B220に連結孔2200Aを設けるとともに、下側台座B221に連結ネジ部2210を設けているが、これらの連結孔や連結ネジ部を上下反対に設けてもよい。連結ネジ部は、本実施の形態のように台座と一体に形成されたものに限らず、一方の台座に対して固定可能なものであればよい。例えば、連結ネジ部としては、下側台座を貫通して固定されるボルトでもよい。
(表示ユニットA:照射ユニットB:プロジェクタ装置B2の吸排気構造)
図31〜33に示すように、プロジェクタ装置B2のケースB22には、3つの吸気口B22A,B22B,B22Cが設けられているとともに、2つの排気口B22D,B22Eが設けられている。3つの吸気口B22A,B22B,B22Cのうち、2つの吸気口B22A,B22Bには、吸気用ファン244A,244Bが設けられる一方、1つの吸気口B22Cには、吸気用ファンが設けられない。また、2つの排気口B22D,B22Eのうち、一方の排気口B22Dには、排気用ファン245が設けられる一方、他方の排気口B22Eには、排気用ファンが設けられない。
吸気口B22Aにおいては、吸気用ファン244AによってケースB22内に強制的に空気が取り入れられ、この空気の流れが空気流路P1としてヒートシンク243Rを通ることでヒートシンク243Rから熱を奪う。その後、空気流路P1は、ヒートシンク243Rから排気口B22Eへと直線的に流れ、排気口B22EからケースB22外へと自然に排出(排熱)される。
吸気口B22Bにおいても、吸気用ファン244BによってケースB22内に強制的に空気が取り入れられる。この空気の流れは、空気流路P2として空きスペースSの一部を通りつつ複数のヒートシンク243D,243B,243Gを通ることにより、これら複数のヒートシンク243D,243B,243Gから熱を奪う。その後、空気流路P2は、排気用ファン245に引き込まれることで排気口B22Dの方へと曲がるように流れ、排気口B22DからケースB22外へと強制的に排出(排熱)される。
吸気口B22Cにおいては、主として排気用ファン245の引き込み力によってケースB22内に半強制的に空気が取り入れられる。この空気の流れは、空気流路P3として空きスペースSの相当部分を通りつつ主にヒートシンク243B,243Gを通ることにより、これら複数のヒートシンク243B,243Gから熱を奪う。その後、空気流路P3も、排気用ファン245に引き込まれることで排気口B22Dの方へと曲がるように流れ、空気流路P2と合流しつつ排気口B22DからケースB22外へと強制的に排出(排熱)される。この吸気用ファン244A,244B及び排気用ファン245は、プロジェクタ装置B2の冷却装置として機能する。
本実施の形態においては、先述したように、LED光源240G,240Bが相対的に高い発熱特性を示す一方、LED光源240R及びDMD241が相対的に低い発熱特性を示す。発熱特性が高いLED光源240G,240Bが搭載されたLED基板240Ga,240Baは、複数の空気流路P2,P3が通るヒートシンク243G,243Bに熱的に接触している。
ここで、複数の空気流路P2,P3は、別々の吸気口B22B,B22Cから流入しつつも一の排気口B22Dで合流し、この排気口B22Dを共通通気口として排気口B22Dから流出するようになっている。これにより、複数の空気流路P2,P3は、合流しつつ強制的に排出されることでスムーズな流れとなり、複数のヒートシンク243G,243Bに対しても効率よく熱を奪い取って冷却することができる。
また、複数の空気流路P2,P3は、排気用ファン245によって効率よく強制的に排出されるので、プロジェクタ装置B2内のLED光源240G,240BやDMD241といった複数の光学素子による熱だまりを効果的に解消することができ、レンズ等の光学部品の過熱を防ぐことができる。
さらに、一の排気口B22Dに通じる2つの空気流路P2,P3によってそれより多い3つのヒートシンク243D,243B,243Gが冷却されるので、これらのヒートシンク243D,243B,243Gに対応して設けられたDMD241やLED光源240B,240Gといった複数の光学素子をより効率よく冷却することができる。
なお、本実施の形態では、2つの空気流路P2,P3が一の排気口245で合流するようになっているが、例えば空気流路P1も排気口245にて合流させることにより、3つ以上の空気流路をまとめて一の排気口から排出させるようにしてもよい。
(キャビネットG)
図34に示すように、キャビネットGの上部空間には、表示ユニットAが設けられている。また、キャビネットGの下部空間の底部には、電源装置DE及びホッパ機構HPが設けられており、電源装置DE及びホッパ機構HPの背面側(キャビネットGの背面壁G3側)に、サブ制御装置SSが設けられている。すなわち、ホッパ機構HPは、サブ制御装置SSよりも手前側に配置されている。ホッパ機構HPとサブ制御装置SSとの間には、板金BKが設置されている。また、サブ制御装置SSと中間支持板G1との間には、サブ中継装置SNが設けられている。ホッパ機構HPの上方には、外部から金属製のメダルが補給されるメダル補給機構MH(補給口に相当)が設けられており、メダル補給機構MHから、ホッパ機構HPにメダルが投下される。
本実施の形態において、板金BKは、サブ制御装置SSとは当接していない。なお、板金BKは、サブ制御装置SSの底部に直接取り付けられていてもよい。また、中間支持板G1の下面に着脱自在に取り付けられた薄板状のサブ中継装置SNと、キャビネットGの背面壁G3に着脱自在に取り付けられた薄板状のサブ制御装置SSとは、側面視でL字を逆さまにしたような状態で配置されている。
上記構成によれば、サブ制御装置SSとホッパ機構HPとの間に板金BKを設けているため、例え、メダルがホッパ機構HPに投下されサブ制御装置SS側へ飛び出したとしても、板金BKによってメダルがサブ制御装置SSに物理的に接触することを防止することができる。また、サブ制御装置SSとホッパ機構HPとの間に板金BKを設けているため、ホッパ機構HPにおける金属製のメダル同士の接触による輻射(電磁場)の影響も板金BKによって防止することができる。また、サブ制御装置SSは、キャビネットGの下部空間の奥側に設けられ、背面壁G3と板金BKによって挟み込まれているため、サブ制御装置SSは、板金BKを外さなければ、キャビネットGから外すことができない。これにより、サブ制御装置SSに対するセキュリティ性を高めている。
(下ドア機構DD:下部扉ロック機構G51)
図35に示すように、下部扉ロック機構G51は、下ドア機構DDの裏面壁における右端部に固定された被係止部G511と、キャビネットGの右端部に固定された係止部G512と、シリンダー錠G513とを有している。
被係止部G511は、凹形状をした枠G511cの両端に亘って形成された棒状の、2つの被係止棒G511a,G511bを上部及び下部に有している。
係止部G512は、長尺の筒G5122と、筒G5122の中を上下方向に摺動自在に配置された長尺の係止板G5121を有している。
係止板G5121は、被係止棒G511a,G511bに係止する爪形状をした爪部G5121a,G5121bを有している。爪部G5121a,G5121bは、係止板G5121の摺動に伴い、筒G5122の中を上下方向に摺動することにより、筒G5122に設けられた開口部G5122a,G5122bに挿入された被係止棒G511a,G511bに対して係止したり、係止が解除されたりする。また、係止板G5121は、上方向に付勢されるバネを有している。
爪部G5121a,G5121bは、係止板G5121が下ドア機構DDをロックする高さ位置であるときに被係止棒G511a,G511bに対して係止する一方、係止板G5121が下ドア機構DDをロックする高さ位置からロックを解除する高さ位置に下降されたときに、被係止棒G511a,G511bに対する係止が解除されるように設定されている。また、爪部G5121a,G5121bは、先端面が斜め下方向に傾斜されており、被係止棒G511a,G511bとの当接により押し下げられるようになっている。
係止部G512は、図示しないが、中部において引下げ部を有している。引下げ部は、シリンダー錠G513に鍵が挿入され、回転されるのに伴い、係止板G5121を下方に引き下げ可能にしている。これにより、係止板G5121の引き下げに従って下降することによって、爪部G5121a,G5121bと被係止棒G511a,G511bとの係止が解除可能にされている。
(上ドア機構DU:上部扉ロック機構G52)
上部扉ロック機構G52は、図35に示すように、上ドア機構DUの裏面壁における右端部に固定された被係止部G521と、キャビネットGの右端部に固定された係止部G522とを有している。
被係止部G521は、凹形状をした枠G521cの両端に亘って形成された棒状の、2つの被係止棒G521a,G521bを上部及び下部に有している。
係止部G522は、長尺の筒G5222と、筒G5222の中を上下方向に摺動自在に配置された長尺の係止板G5221を有している。
係止板G5221は、被係止棒G521a,G521bに係止する爪形状をした爪部G5221a,G5221bを有している。爪部G5221a,G5221bは、係止板G5221の摺動に伴い、筒G5222の中を上下方向に摺動することにより、筒G5222に設けられた開口部G5222a,G5222bに挿入された被係止棒G521a,G521bに対して係止したり、係止が解除されたりする。
爪部G5221a,G5221bは、係止板G5221が上ドア機構DUをロックする高さ位置であるときに被係止棒G521a,G521bに対して係止する一方、係止板G5221が上ドア機構DUをロックする高さ位置からロックを解除する高さ位置に下降されたときに、被係止棒G521a,G521bに対する係止が解除されるように設定されている。また、爪部G5221a,G5221bは、先端面が斜め下方向に傾斜されており、被係止棒G521a,G521bとの当接により押し下げられるようになっている。
係止部G522の筒G5222には、上ドア機構DUの下方に開口部(図示略)が形成されており、係止板G5221に設けられた突起部(図示略)が、開口部を介してキャビネットGの内部側に突出している。この突起部を下方に引き下げることにより、係止板G5221が下降し、これに伴い爪部G5221a,G5221bと被係止棒G521a,G521bとの係止が解除可能にされている。
ここで、突起部は、上方にスライドされ、係止板G5221が上ドア機構DUをロックする高さ位置である状態のときに、下ドア機構DDの上部に当接するように配置される。
上記構成によれば、下ドア機構DDが閉まった状態では、下ドア機構DDの上部が突起部に物理的に干渉することにより、係止板G5221が摺動するのを制止し、爪部G5221a,G5221bと被係止棒G521a,G521bとの係止を解除できないようにすることができ、上ドア機構DUの開放をできないように施錠することが可能となる。
一方、下ドア機構DDが開いた状態では、下ドア機構DDの上部の突起部に対する物理的な干渉が解除されるため、係止板G5221が筒G5222の中を摺動可能となり、爪部G5221a,G5221bの被係止棒G521a,G521bに対する係止が解除され、上ドア機構DUのキャビネットGに対する施錠を解除することができる。
これにより、上ドア機構DUの施錠を解除するには、先に、下部扉ロック機構G51によって下ドア機構DDの施錠解除操作が必要となる。すなわち、上ドア機構DUを開けるには、下部扉ロック機構G51に対して施錠解除操作を行い、下ドア機構DDを開けた後、上部扉ロック機構G52に対する施錠解除操作が必要とされるので、キャビネットGの上部空間に対するセキュリティを高めることができる。また、キャビネットGの上部空間に対しては、キャビネットGの下部空間よりもセキュリティを高めることができ、キャビネットGの下部空間に対しては、キャビネットGの上部空間に比べて、スムーズにアクセスができる場所にすることができる。
また、下ドア機構DDの施錠を解除するためには、鍵によってシリンダー錠G513を開錠する必要がある。遊技機1の管理者にとって、鍵は、コンパクトで持ち運びに適しているため、管理し易いという利点がある。
また、係止板G5221の摺動により、爪部G5221a,G5221bが、被係止棒G521a,G521bに引っ掛かったり、引っ掛かりが解除されたりする。これにより、係止板G5221の摺動に連動させた、上ドア機構DUのキャビネットGの上部空間に対する施錠が可能となる。
また、上部扉ロック機構G52は、軸支された端部とは反対側の端部に設けられ、上ドア機構DUが開閉される側に配置されるため、上部扉ロック機構G52を開錠するために、下ドア機構DDを大きく開けなくて済む。これにより、上ドア機構DUを開錠するために、不必要にキャビネットGの下部空間を、外部に晒さずに済み、セキュリティ性を高めることができる。
なお、本実施の形態において、下ドア機構DDとキャビネットGとの間には、下ドア機構DDが閉まる方向に所定のトルクがかかるワンウェイヒンジを採用している。これにより、下ドア機構DDを閉める際には、トルクがかかり、急激な負荷をかけずに静かに下ドア機構DDをキャビネットGに対して閉めることができる。これにより、下ドア機構DDによって物理的に干渉される突出部B131に対しては、急激な負荷がかかることを防止することができる。
(下部扉DD1、リールユニットRU、及び、主制御基板MSの関係性)
図36に示すように、遊技機1の下ドア機構DDは、下部扉DD1と、リールユニットRUと、主制MSとを含む構成である。
下部扉DD1は、キャビネットG(筐体に相当)に対して開閉自在に設けられている。図36に示すように、リールユニットRUは、下部扉DD1の背面側(キャビネットGの内部側(下部空間側))に、着脱可能に設けられている。主制御基板MSは、リールユニットRUの背面側(キャビネットGの内部側(下部空間側))に、着脱可能に設けられている。
なお、主制御基板MSは、スタートレバーDD6、及び、ストップボタンDD7L,DD7C,DD7R等(図3参照)により出力された指令信号に基づいて、リールユニットRUのリールRL,RC,RRの回転を停止させることにより、リールRL,RC,RRに配された図柄を停止表示させる。
上記のような、下部扉DD1、リールユニットRU、及び、主制御基板MSの位置的関係性によって、下部扉DD1、リールユニットRU、及び、主制御基板MSを一体化することにより、遊技機1の組み立て・部品交換・分解する際の作業を容易に行うことができる。
また、主制御基板MSは、遊技を制御する重要な構成であり、不正な取り外しを防止する対策が必要であるが、主制御基板MSは、リールユニットRUと一体化されているため、その取り外しを困難にすることができる。
また、主制御基板MSは、下部扉DD1の内部側に設けられたリールユニットRUの背面に設けられている。これにより、主制御基板MSは、下部扉DD1及びリールユニットRUの厚み分だけ、下部扉DD1から遠いキャビネットGの奥側に配置することができる。このため、下部扉DD1と主制御基板MSとの間に物理的な距離を確保することができ、例え下部扉DD1の隙間から不正侵入された場合であっても、主制御基板MSへの到達が困難になり、セキュリティ性を向上させることができる。
また、下部扉DD1、リールユニットRU、及び、主制御基板MSは、一体化されているため、遊技機1の仕様を変更する場合、下部扉DD1の外装の変更、リールユニットRUのリールの図柄の変更、及び、遊技内容の変更を、まとめて行うことができる。
以上、本発明の実施の形態に係る遊技機1について説明した。上述した実施の形態に係る遊技機1は、基本的に、以下の特徴及び作用効果を有することを付記として開示する。
[付記A−1]
照射光により映像を投影する投影装置(例えば、プロジェクタ装置B2)と、前記投影装置により投影された映像を表示可能な複数の投影面(例えば、反射部D1〜D4の反射面、投影面E11a、投影面F1a)と、前記複数の投影面のうち少なくとも一の投影面を可動投影面(例えば、投影面E11a、投影面F1a)として変位させる駆動機構(例えば、フロントスクリーン駆動機構E2、リールスクリーン駆動機構F2)と、前記投影装置の上方に位置する上壁(例えば、上壁部B12)と、を備え、前記複数の投影面は、表面加工が施され、前記駆動機構は、前記投影装置に対して前記可動投影面を相対的に変位させるように構成されており、前記投影装置と前記上壁との間には、上側台座(例えば、上側台座B220)及び下側台座(例えば、下側台座B221)が設けられ、前記上側台座は、前記上壁に対して面内位置を調整可能に取り付けられるとともに、前記下側台座は、前記投影装置を支持しつつ、前記上側台座に対して3箇所以上で間隔を調整可能に取り付けられることを特徴とする。
このような構成によれば、プロジェクタ装置B2に対して可動部位となる投影面E11a及び投影面F1aを相対的に変位させつつ、当該投影面E11a,F1aや反射部D1〜D4の反射面といった複数のスクリーン面に対して映像を投影させることにより、これらのスクリーン面において立体的かつ動的に映像が表示されるので、スクリーン面における立体的な視覚効果や動的な視覚効果を高めることができる。
また、プロジェクタ装置B2は、上壁部B12に対する上側台座B220の面内位置を適宜調整することにより、この上側台座B220を介して上壁部B12の適正な位置に取り付けられるとともに、そうして上壁部B12に位置決めされた上側台座B220に対して下側台座B221の上下間隔を3箇所以上の連結部R1,R2,R3で適宜調整することにより、この下側台座B221を介して支持される姿勢が適正となるように取り付けられる。したがって、プロジェクタ装置B2の面内配置位置及び空間内姿勢を上側台座B220及び下側台座B221を用いて簡単に調整することができ、ひいては映像視覚効果の高い高品位な映像を複数の投影面に映し出すことができる。
[付記A−2]
前記上側台座及び前記下側台座は、同一直線上にない3箇所以上の複数の連結部(例えば、連結部R1,R2,R3)で互いに連結され、前記複数の連結部のそれぞれには、前記上側台座及び前記下側台座のうちの一方から突出するとともに他方を貫通してネジ締結される連結ネジ部(例えば、連結ネジ部2210)と、前記連結ネジ部に外嵌されるとともに前記上側台座と前記下側台座との間に配置されるコイルバネ(例えば、コイルバネ2211)と、が設けられることを特徴とする。
このような構成によれば、上側台座B220と下側台座B221とは、同一直線上にない3以上の連結部R1,R2,R3における互いの間隔が、連結ネジ部2210のネジ締結量を加減するだけで個別に調整可能とされるとともに、コイルバネ2211の弾性付勢力により調整後の間隔が一定に保たれるので、空間内の互いに直交する前後方向、左右方向、上下方向の3軸方向に対してプロジェクタ装置B2の各姿勢を微調整することができ、例えば上下方向、左右方向、前後方向のいずれの方向にもプロジェクタ装置B2を適正な姿勢で保持することができる。
[付記A−3]
前記投影装置、前記複数の投影面、前記駆動機構、及び前記上壁は、遊技機の適部(例えば、キャビネットG内の上部空間)に対して着脱自在な表示ユニット(例えば、表示ユニットA)として一体化されていることを特徴とする。
このような構成によれば、例えば遊技機本体となるキャビネットGに装着する前の表示ユニットA単位で、複数のスクリーン面に対するプロジェクタ装置B2の位置や姿勢を、上側台座B220及び下側台座B221を介して調整するだけでよいので、その調整作業をより簡単に行うことができるとともに、遊技機1自体の組み立て作業とは別に行うことができ、遊技機1の組み立て作業を効率的に行うことができる。
[付記B−1]
照射光により映像を投影するための複数の光学素子(例えば、LED光源240R,240G,240B、DMD241)を有する投影装置(例えば、プロジェクタ装置B2)と、前記投影装置により投影された映像を表示可能な複数の投影面(例えば、反射部D1〜D4の反射面、投影面E11a、投影面F1a)と、前記複数の投影面のうち少なくとも一の投影面を可動投影面(例えば、投影面E11a、投影面F1a)として変位させる駆動機構(例えば、フロントスクリーン駆動機構E2、リールスクリーン駆動機構F2)と、を備え、前記駆動機構は、前記投影装置に対して前記可動投影面を相対的に変位させるように構成されており、前記投影装置は、複数の通気口(例えば、吸気口B22A,B22B,B22C、排気口B22D,B22E)と、前記複数の通気口のいずれかに付設される複数の冷却装置(例えば、吸気用ファン244A,244B、排気用ファン245)と、前記複数の光学素子で発生した熱を放散させるための複数の放熱部材(例えば、ヒートシンク243R,243G,243B,243D)と、を有し、前記複数の通気口における一の通気口(例えば、吸気口B22A,B22B,B22C)から前記複数の放熱部材のうち少なくとも一の放熱部材を通って他の通気口(例えば、排気口B22D,B22E)へと至る空気流路(例えば、空気流路P1,P2,P3)が複数形成され、前記複数の空気流路のうち少なくとも2つの空気流路(例えば、空気流路P2,P3)は、前記複数の通気口のうちいずれか一の通気口(例えば、排気口B22D)を共通通気口としてこれに通じていることを特徴とする。
このような構成によれば、プロジェクタ装置B2に対して可動部位となる投影面E11a及び投影面F1aを相対的に変位させつつ、当該投影面E11a,F1aや反射部D1〜D4の反射面といった複数のスクリーン面に対して映像を投影させることにより、これらのスクリーン面において立体的かつ動的に映像が表示されるので、スクリーン面における立体的な視覚効果や動的な視覚効果を高めることができる。
また、プロジェクタ装置B2においては、吸気口B22A,B22Bや排気口B22Dに付設される吸気用ファン244A,244B及び排気用ファン245と、LED光源240R,240G,240BやDMD241といった複数の光学素子に対応する複数のヒートシンク243R,243G,243B,243Dとが設けられるとともに、吸気口B22A,B22B,B22Cからヒートシンク243R,243G,243B,243Dを通って排気口B22D,B22Eへと至る複数の空気流路P1,P2,P3が形成され、そのうち2つの空気流路P2,P3が一の共通通気口となる排気口B22Dに通じ、この排気口B22Dから排出されるようになっている。
これにより、少なくとも2つの空気流路P2,P3が排気口B22Dを通じて合流することで空気の流れがスムーズとなり、光学素子で発生した熱がヒートシンク243G,243B,243Dから空気流路P2,P3を通じて排気口B22Dの外部へと効率よく運び去られるので、相対的に発熱特性が高いLED光源240G,240Bであっても効率よく冷却することができ、ひいてはレンズ等といった他の光学部品への熱的な影響を低減することができる。したがって、遊技機1によれば、光学素子や光学部品の過熱を効果的に防ぐことで光学素子や光学部品の過熱による損耗を低減することができ、ひいては映像視覚効果の高い高品位な映像を長期間に渡って映し出すことができる。
[付記B−2]
前記複数の冷却装置はファンであって、当該複数の冷却装置には、排気用ファン(例えば、排気用ファン245)が含まれ、前記排気用ファンは、前記共通通気口に付設されることを特徴とする。
このような構成によれば、複数の空気流路P2,P3が共通通気口となる排気口B22にて合流することによっても、排気用ファン245によって効率よく排気(排熱)されるので、プロジェクタ装置B2内の複数の光学素子による熱だまりを効果的に解消することができる。
[付記B−3]
前記共通通気口に通じる少なくとも一の前記空気流路(例えば、空気流路P2)は、前記複数の放熱部材のうち少なくとも2つの放熱部材(例えば、ヒートシンク243D,243B,243G)を通るように形成されることを特徴とする。
このような構成によれば、共通通気口の排気口B22Dに通じる複数の空気流路P2,P3によってそれより多い数のヒートシンク243D,243B,243Gが冷却されるので、複数のヒートシンク243D,243B,243Gに対応するDMD241やLED光源240B,240Gといった複数の光学素子をより効率よく冷却することができる。
[付記B−4]
前記投影装置、前記複数の投影面、及び前記駆動機構は、遊技機の適部(例えば、キャビネットG内の上部空間)に対して着脱自在な表示ユニット(例えば、表示ユニットA)として一体化されていることを特徴とする。
このような構成によれば、遊技機本体となるキャビネットGに装着する前の表示ユニットA単位で、複数のスクリーン面に対するプロジェクタ装置B2の位置や姿勢を調整するだけでよいので、その調整作業をより簡単に行うことができるとともに、遊技機1自体の組み立て作業とは別に行うことができ、遊技機1の組み立て作業を効率的に行うことができる。
(第2の実施の形態)
図37〜図68は、本発明の第2の実施の形態に係る遊技機を示す図である。
まず、構成を説明する。
図37に示すように、表示ユニット161は、図5に示すキャビネットG内の中間支持板G1上に交換可能に載置される。表示ユニット161は、画像表示用の照射光を出射する照射ユニット162と、照射ユニット162からの照射光が照射されることにより、画像を出現させるスクリーン装置163と、スクリーン装置163に設置され、遊技に関する画像を表示する液晶表示装置164とを備えている。
液晶表示装置164には、静止画と動画とを含む画像が表示され、後述するスクリーン174には、静止画と動画とを含む映像が表示される。本実施の形態において、説明の便宜上、液晶表示装置164及びスクリーン174に表示される像の名称を「画像」に統一して説明を行う。
照射ユニット162は、プロジェクタカバー165を備えており、図38に示すように、プロジェクタカバー165内には、遊技に関する画像を投影するプロジェクタ装置B2と、プロジェクタ装置B2から投影される画像を後述するスクリーンに反射するミラー機構166とが収容されている。プロジェクタ装置B2は、第1の実施の形態のプロジェクタ装置B2と同一の構成を有し、本発明の投影装置を構成する。
図37に示すように、プロジェクタカバー165は、上板165Aと、上板165Aの幅方向両側から下方に延びる一対の側板165B、165Cと、上板165Aの前部から前方に傾斜するようにして下方に延びるリフレクタ保持部165Dとを備えている。
図38に示すように、ミラー機構166は、プロジェクタ装置B2の前方(照射光の出射方向)に設置されている。ミラー機構166は、プロジェクタ装置B2からの照射光を反射する光学ミラー166Aと、光学ミラー166Aをプロジェクタカバー165に支持するミラーホルダ166Bとを備えている。
ミラー機構166は、プロジェクタカバー165におけるリフレクタ保持部165Dの内側面に設けられている。リフレクタ保持部165Dは、プロジェクタカバー165の幅方向中央部に形成されており、上ドア機構UDを開いたときに前側に露出される。
なお、ミラー機構166は、リフレクタ保持部165Dに対してその間隔が調整可能に取り付けられている。これにより、プロジェクタ装置B2から出射した照射光の進行方向に対する光学ミラー166Aの反射角度を微調整することが可能となる。
図37に示すように、スクリーン装置163は、スクリーン装置本体170を備えており、スクリーン装置本体170は、底板171と、底板171の幅方向の両側から上方に延びる一対の側板172、173とを備えている。スクリーン装置本体170は、プロジェクタカバー165を取付けた状態で、遊技機1のキャビネットG(図5参照)の内部に収容されるようになっている。本実施の形態のプロジェクタカバー165及びスクリーン装置本体170は、本発明の筐体を構成する。
スクリーン装置163は、スクリーン174及び液晶表示装置164を備えている。液晶表示装置164は、遊技に関する画像を表示する表示画面164Aを備えている。本実施の形態の液晶表示装置164は、本発明の第1の画像表示装置及び画像表示装置を構成し、スクリーン174は、本発明の第2の画像表示装置及びスクリーンを構成する。
液晶表示装置164は、スクリーン装置本体170の後部に設置されており、スクリーン174は、液晶表示装置164の前方に設置されている。側板173と側板172とは、スクリーン174及び液晶表示装置164の幅方向において互いに対向している。液晶表示装置164及びスクリーン174は、側板172と側板173との間に設置されている。
液晶表示装置164とスクリーン174との位置関係を表現する場合には、スクリーン174に対して液晶表示装置164を奥側又は後方といい、液晶表示装置164に対してスクリーン174を前方又は手前側と表現する。
図39に示すように、液晶表示装置164の幅方向の両側の前面は、側板172、173の後端面172a、173aに当接しており、液晶表示装置164は、スクリーン装置本体170の後壁を構成している。側板172、173には後端面172a、173aの幅方向外方から後方に突出する突出部172b、173bが形成されており、液晶表示装置164の幅方向の両端は、突出部172b、173bに当接している。これにより、液晶表示装置164が幅方向に位置決めされている。
図37に示すように、スクリーン装置163は、液晶表示装置164をスクリーン装置本体170に取付けるブラケット175を備えている。
図39及び図40に示すように、ブラケット175は、液晶表示装置164の後面(背面)に沿って横方向(幅方向)に延び、液晶表示装置164の後面を支持する直線部175Aと、直線部175Aの両端から前方に屈曲され、図示しないねじ等の締結部材により側板172、173の外側面に固定される固定片175B、175Cとを備えている。
ブラケット175は、板金によって形成されている。なお、ブラケット175は、板金に限らず、一定の剛性を有するものであれば、樹脂等で形成されてもよい。
これにより、液晶表示装置164は、ブラケット175によって後方から側板172、173の後端面172a、173aに押し付けられるようにして側板172、173に固定される。
また、液晶表示装置164の幅方向の両端が突出部172b、173bに当接しているので、液晶表示装置164が横方向にずれてしまうことを防止できる。本実施の形態のブラケット175は、本発明の取付け部材を構成する。直線部175Aは、本発明の後面支持部を構成し、固定片175B、175Cは、本発明の固定部を構成する。
図41に示すように、スクリーン174は、光を透過可能な矩形かつ板状の透光性部材から構成されており、矩形の保持フレーム176に保持されている。図42に示すように、保持フレーム176には周方向に沿って断面四角形状の溝部176Aが形成されている。
図42において、スクリーン174の外周面は、保持フレーム176の前面に接触している。スクリーン174の外周部には、周方向にわたって保持フレーム176側に折り曲げられた折り曲げ部174Aが形成されている。
折り曲げ部174Aは、溝部176Aに挿入されており、溝部176Aの内周面に当接している。これにより、スクリーン174が保持フレーム176に保持される。
保持フレーム176の幅方向の両端には、上下方向に沿ってねじ穴176aが形成されている(図41参照)。なお、スクリーン174は、その外周面においてねじ等の締結部材によって保持フレーム176に締結されてもよいし、その外周面において接着剤等により保持フレーム176に固定されてもよい。
図41に示すように、スクリーン174には、例えば、印刷によって所定の大きさを有する白色の点状(ドット状)の反射部174Bが複数施されている。これら反射部174Bは、スクリーン174に対して一定の間隔で均一に形成されている。
これにより、スクリーン174は、光を反射する反射部174Bが占める領域(反射領域)と、反射部174B以外の光を透過する領域(以下、視認領域174Cという)とによって構成される。
なお、図41(b)は、図41(a)中、丸で囲んだ部分Xを拡大した図である。本実施の形態では、反射領域が、プロジェクタ装置B2によって前方から照射される照射光を前方に反射する。
本実施の形態においては、スクリーン174の面積に対して反射領域が占める割合(占有率)が任意の割合(例えば、35%)となるように、反射部174Bの面積、間隔や数等が設定されている。
スクリーン174に投影される画像を遊技者に明瞭に視認させたい場合には、反射領域が占める割合を高くし、逆にスクリーン174に投影される画像を薄くし後方の液晶表示装置164の画像を遊技者に明瞭に視認させたい場合には、反射領域が占める割合を低くする。
前方からスクリーン174に光が入射すると、点状の反射部174Bにより入射光が所定の比で反射され、視認領域174Cが光を透過する。図38において、液晶表示装置164からスクリーン174を通して前方に透過される光路169を示す。
視認領域174Cは、液晶表示装置164の画像を前方から視認可能な本発明の視認領域を構成する。
反射部174Bは、印刷ではなく、マスキングを用いた塗装等、他の方法によって施されてもよい。なお、図42では、説明の便宜上、反射部174Bをスクリーン174に対して大きく形成しているが、実際には、反射部174Bの大きさは、ミリ単位又はミクロン単位であり、反射部174Bの設置間隔(ピッチ)もミリ単位又はミクロン単位で等間隔である。
図39、図43に示すように、側板172、173は、平面視が三角形状のガイド部172A、173Aを有する。ガイド部172A、173Aは、側板172、173の内周面に設けられており、ガイド部172A、173Aの互いに対向する面には後端から先端に向かって左外方及び右外方に傾斜する傾斜面172t、173tが形成されている。
ガイド部172A、173Aの後端面172c、173cは、左右方向に平面状に形成されており、保持フレーム176の幅方向両端部の前面に当接している。
図38に示すように、ガイド部172Aの後端面172cは、上方から下方に向かって前方に傾斜している。ガイド部173Aの後端面173cについては、図38には図示していないが、ガイド部172Aの後端面172cと同様、上方から下方に向かって前方に傾斜している。
図37に示すように、底板171の上面には、傾斜部171Aが形成されている。図38に示すように、傾斜部171Aは、前方から後方に向かって上方に傾斜する傾斜面171tを有する。保持フレーム176の下端部は、傾斜部171Aの後端面171aに当接している(図38参照)。
図38及び図39に示すように、保持フレーム176は、ガイド部172A、173Aの後端面172c、173cと、傾斜部171Aの後端面171aとに当接した状態で、幅方向の両端に形成されているねじ穴176a(図41参照)に図示しないねじを通してガイド部172A、173Aにねじ止めされる。
これにより、スクリーン174は、上端から下端に向けて前側に傾斜した状態で側板172、173及び底板171に固定される。
本実施の形態の側板172は、本発明の第1の側壁を構成し、側板173は、本発明の第2の側壁を構成し、底板171は、本発明の底壁を構成する。ガイド部172Aは、本発明の第1の支持部を構成し、ガイド部173Aは、本発明の第2の支持部を構成し、傾斜部171Aは、本発明の第3の支持部を構成する。
図44に示すように、底板171の傾斜部171A及び側板172、173のガイド部172A、173Aには、それぞれ溝部171d、172d、173dが形成されている。
溝部171d、172d、173dは、それぞれスクリーン174の表示領域174D(図45参照)の外端174pからスクリーン174の前方に向かって延び、かつ、スクリーン174の中心部Oから外側、すなわち、左右及び下方に離れるように傾斜している。
スクリーン174の表示領域174D(図45参照)とは、スクリーン174のうち画像が投影される領域を指し、図45中、クロスハッチングで示す領域である。
図43に示すように、溝部172d、173d、171dには、板状の表示板177、178、179が嵌められるようにして取付けられている。これにより、表示板177、178、179は、スクリーン174の表示領域174Dの外端174pからスクリーン174の前方に向かって延び、かつ、スクリーン174の中心部Oから外側、すなわち、左右及び下方に離れるように傾斜するように位置決めされる。
表示板177、178、179は、プロジェクタ装置B2から照射されスクリーン174に向けて投影される画像の投影可能領域の限界まで配置されるように、幅、高さ、奥行き、面積等が設定されている。
これにより、表示板177、178、179にまで、プロジェクタ装置B2の画像が投影される。このように、本実施の形態では、プロジェクタ装置B2から照射されスクリーン174に向けて投影される画像の投影領域をスクリーン174以外の部分にまで拡大させることができる。
表示板177、178、179の後端は、スクリーン174まで延びており、表示板177、178、179の後端面とスクリーン174の前面との間には前後方向の隙間が形成されないようになっている。
これにより、スクリーン174に投影される画像と、表示板177、178、179に投影される画像とが、切れ間なく連続して表示される。本実施の形態の表示板177、178、179は、本発明の画像表示部を構成する。
図45に、プロジェクタ装置B2から照射され、光学ミラー166Aで反射されてスクリーン174に向かって投影される画像の投影領域168を示す。
図45に示すように、投影領域168は、スクリーン174の表示領域174D(図中、クロスハッチングで示す領域)と表示板177、178、179の全面(図中、斜線で示す領域)とからなる。
なお、図38及び図45における光路167は、プロジェクタ装置B2から照射され、光学ミラー166Aで反射され投影領域168に向かう映像光の外縁を表している。
[遊技機1の電気的構成]
次に、遊技機1の電気的構成について、図46を参照して説明する。図46は、遊技機1の電気的構成を示すブロック図である。
図46に示すように、遊技機1は、キャビネットGに配設された主制御基板71と、下ドア機構DDに配設された副制御基板72とを有している。主制御基板71には、リール中継端子板51と、設定用鍵型スイッチ52と、キャビネット側中継基板53と、ドア中継端子板54と、電源装置44の電源基板44bとが電気的に接続されている。
リール中継端子板51は、各リールRL、RC、RRのリール本体の内側に配設されている。このリール中継端子板51は、各リールRL、RC、RRのストップボタンDD7L、DD7C、DD7Rに電気的に接続されており、主制御基板71からストップボタンDD7L、DD7C、DD7Rに出力される信号を中継する。
ステッピングモータ51L、51C、51Rは、所定の開始条件の成立、すなわちスタートレバーDD6が遊技者により操作されたこと(開始操作)に基づき、各リールRL、RC、RRを回転させることにより図柄を変動させる。ステッピングモータ51L、51C、51Rは、図柄変動手段を構成する。設定用鍵型スイッチ52は、遊技機1の設定を変更する際又は遊技機1の設定を確認する際に使用する。
キャビネット側中継基板53には、外部集中端子板56と、ホッパ機構HPと、メダル補助収納庫スイッチ57とが電気的に接続されている。このキャビネット側中継基板53は、主制御基板71から外部集中端子板56、ホッパ機構HP、メダル補助収納庫スイッチ57に出力される信号を中継する。つまり、外部集中端子板56、ホッパ機構HP及びメダル補助収納庫スイッチ57は、キャビネット側中継基板53を介して主制御基板71に接続されている。
外部集中端子板56は、キャビネットGに取り付けられており、メダル投入信号、メダル払出信号、外部信号1〜4及びセキュリティ信号等の信号を遊技機1の外部へ出力するために設けられている。
メダル補助収納庫スイッチ57は、図示しないメダル補助収納庫を貫通している。このメダル補助収納庫スイッチ57は、メダル補助収納庫がメダルで満杯になっているか否かを検出する。
電源装置44の電源基板44bには、電源スイッチ44aが接続されている。この電源スイッチ44aは、遊技機1に必要な電源を供給するときにONにする。
ドア中継端子板54には、メダル投入口DD5に繋がって下ドア機構DDの裏側に配置されたメダルセレクタ(図示せず)に配置されたメダルセンサ46、ドア開閉監視スイッチ61、BETスイッチ62、精算スイッチ63、スタートスイッチ64、ストップスイッチ基板65、遊技動作表示基板66及び副中継基板69が接続されている。
メダルセンサ46、ドア開閉監視スイッチ61、BETスイッチ62、精算スイッチ63、スタートスイッチ64、ストップスイッチ基板65、遊技動作表示基板66及び副中継基板69は、ドア中継端子板54を介して主制御基板71に接続されている。
メダルセンサ46は、メダルが図示しないセレクタ内を通過したことを検出して、その検出結果を主制御基板71に出力する。ドア開閉監視スイッチ61は、上ドア機構UD及び下ドア機構DDの開閉を報知するためのセキュリティ信号を遊技機1の外部へ出力する。
BETスイッチ62は、MAXベットボタンDD8及び1ベットボタンが遊技者により押されたことを検出して、その検出結果を主制御基板71に出力する。
精算スイッチ63は、精算ボタンが遊技者により押されたことを検出して、その検出結果を主制御基板71に出力する。スタートスイッチ64は、スタートレバーDD6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出して、その検出結果を主制御基板71に出力する。
ストップスイッチ基板65は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLED等により表示するための回路を構成する基板である。このストップスイッチ基板65には、3つのリールRL、RC、RRに対応するストップスイッチ17Sが設けられている。ストップスイッチ17Sは、リールRL、RC、RRの回転を停止させるための停止操作、すなわち各ストップボタンDD7L、DD7C、DD7Rが遊技者により押されたことを検出する各ストップボタンDD7L、DD7C、DD7Rに対応するストップスイッチ17Sは、停止操作検出手段を構成する。
遊技動作表示基板66は、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリールRL、RC、RRが回動可能なとき及び再遊技を行うときに、投入されたメダルの枚数を7セグ表示器28に表示させるための基板である。この遊技動作表示基板66には、7セグ表示器28とLED70が接続されている。LED70は、例えば、遊技の開始を表示するマークや再遊技を行うマーク等を点灯させる。
副中継基板69は、副制御基板72と主制御基板71とを接続する配線を中継する。また、副中継基板69は、副制御基板72と副制御基板72の周辺に配設された複数の基板とを接続する配線を中継する。すなわち、副中継基板69には、副制御基板72と、サウンドI/O基板81と、LED基板82と、24hドア開閉監視ユニット74と、タッチセンサ201bと、プロジェクタ装置B2と、操作ボタン271とが電気的に接続されている。タッチセンサ201bは、タッチパネルからなる液晶表示装置DD20(図3参照)に設けられている。
副制御基板72は、ドア中継端子板54と副中継基板69を介して主制御基板71に主制御基板71から副制御基板72に一方方向にシリアル通信で接続されている。また、副制御基板72は、副中継基板69を介して、サウンドI/O基板81と、LED基板82と、24hドア開閉監視ユニット74と、タッチセンサ201bと、プロジェクタ装置B2と271とに電気的に接続されている。
サウンドI/O基板81は、スピーカDD25L、DD25Rへの音声の出力を行う。LED基板82は、副制御回路101(図48参照)の制御により実行される演出に応じて、LED群75に含まれるLEDを発光させて、点滅パターンを表示する。
LED群75は、リールRL、RC、RRのそれぞれに描かれた図柄列を照射するために配置され複数のフルカラーLEDで構成されたリールバックランプ(図示せず)及び装飾LED23a、23b等も含む。
24hドア開閉監視ユニット74は、下ドア機構DDのフレームに下ドア機構DDの開閉を検出するためのセンサ(図示せず)が取付けられ、センサの状態に基づいて(例えば、センサがオン状態であれば閉、オフ状態であれば開)、下ドア機構DDの開閉の履歴を保存する。
また、24hドア開閉監視ユニット74は、下ドア機構DDが開放されたときに、表示ユニット161及び画像表示装置201aにエラー表示を行うために下ドア機構DDが開放された旨の信号を副制御基板72(副制御回路101)に出力する。
なお、遊技機1のドア開閉構造上、必ず下ドア機構DDを開放しないと、上ドア機構UDを開放できないように、下ドア機構DDが閉鎖された状態で上ドア機構UDをロックしているため、ドアの開閉を検出するセンサを取り付けていない。
このように、24hドア開閉監視ユニット74は、遊技機1の副制御回路101でエラーにより検出し、ホッパ機構HPの異常を検出するセンサ(図示せず)及びメダルセンサ46は、主制御回路91によりエラーを検出するエラー検出手段を構成する。
副制御基板72には、ロムカートリッジ基板76と、画像中継基板77とが接続されている。ロムカートリッジ基板76は、サブCPU102により実行される制御プログラムと、演出用の画像(画像)、音声、光(LED群75)及び通信のデータを管理するための基板である。
画像中継基板77は、副制御基板72からプロジェクタ装置B2及び液晶表示装置164に送信される画像信号をプロジェクタ装置B2及び液晶表示装置164の信号規格に合わせて変換して中継する基板である。なお、図示はしていないが、画像中継基板77には、タッチパネルからなる液晶表示装置DD20(図3参照)も接続されている。
<主制御回路>
次に、主制御基板71により構成される主制御回路91について、図47を参照して説明する。図47は、遊技機1の主制御回路91の構成例を示すブロック図である。
図47に示すように、主制御部としての主制御回路91は、主制御基板71上に設置されたマイクロコンピュータ92を主たる構成要素とし、遊技の進行を制御するものである。マイクロコンピュータ92は、メインCPU93、メインROM94及びメインRAM95により構成される。
メインROM94には、メインCPU93により実行される制御プログラム、データテーブル、副制御回路101に対して各種制御指令(コマンド信号)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM95には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU93には、クロックパルス発生回路96及び乱数発生器98が接続されている。クロックパルス発生回路96は、クロックパルスを発生する。メインCPU93は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器98は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。
メインCPU93は、リールRL、RC、RRのそれぞれに設けられたリールインデックス(図示せず)を検出することで各リールRL、RC、RRのステッピングモータ51L、51C、51Rに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU93は、各リールRL、RC、RRの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
なお、リールインデックスとは、リールが一回転したことを示す情報である。このリールインデックスは、例えば、発光部及び受光部を有するフォトセンサと、各リールRL、RC、RRの所定の位置に設けられ、各リールRL、RC、RRの回転により発光部と受光部との間に介在される検知片を備えたリール位置検出部(図示せず)により検出する。
ここで、各リールRL、RC、RRの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータ51L、51C、51Rに対して出力されたパルスの数は、メインRAM95に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1つ分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM95に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リールRL、RC、RRに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出部(図示せず)によってリールインデックスが検出されると所定値(例えば、0)にクリアされる。
つまり、本実施の形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リールRL、RC、RRの各図柄の位置は、それぞれのリールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
本実施の形態では、基本的に滑り駒数の最大数を図柄4個分に定めている。したがって、左ストップボタンDD7Lが押されたときに表示窓4の中段にある左リールRLの図柄と、その4個先の図柄までの範囲内にある各図柄が、表示窓4の中段に停止可能な図柄となる。
<副制御回路>
次に、副制御基板72により構成される副制御回路101について、図48を参照して説明する。図48は、遊技機1の副制御回路101の構成例を示すブロック図である。
図48に示すように、副制御部としての副制御回路101は、主制御回路91と電気的に接続されており、主制御回路91から送信されるコマンド信号に基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行うとともに、プロジェクタ装置B2、LED群75、スピーカDD25L、DD25R等の周辺装置の制御を行うものである。副制御回路101は、基本的に、サブCPU102、サブRAM103、レンダリングプロセッサ104、フレームバッファとしても機能するVRAM105及びドライバ106を含んで構成されている。
サブCPU102は、主制御回路91から送信されたコマンド信号に応じて、ロムカートリッジ基板76に記憶されている制御プログラムに従い、画像(映像)、音及び光の出力の制御を行う。ロムカートリッジ基板76は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU102が実行する制御プログラムが記憶される。例えば、制御プログラムには、主制御回路91との通信を制御するための主基板通信タスク(図示せず)や、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための主基板通信タスクから実行される演出内容決定処理が含まれる。なお、演出内容決定処理を実行するサブCPU102は、演出決定手段及び演出実行手段を構成する。
また、制御プログラムには、演出内容決定処理で決定された演出内容に基づいて表示ユニット161、液晶表示装置164及び液晶表示装置DD20による画像の表示を主として制御するメインタスク、LED群75等の光源による光の出力を制御するLED制御タスク、スピーカDD25L、DD25Rによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、画像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域が含まれている。また、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータ、可動役物の動作に関する役物データを記憶する記憶領域等が含まれている。
サブRAM103は、演出内容決定処理で決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路91から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域やメインCPU93から送信される遊技状態、内部当籤役等、及び、液晶表示装置164や液晶表示装置DD20で表示される遊技情報を格納するバックアップ格納領域が設けられている。
すなわち、液晶表示装置164や液晶表示装置DD20で表示される遊技情報は、遊技機1の電源がオフ状態であってもバックアップ電源(図示せず)により格納された遊技情報が維持される。
サブCPU102、レンダリングプロセッサ104、VRAM105及びドライバ106は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って画像を作成し、作成した画像を表示ユニット161や液晶表示装置164、液晶表示装置DD20に表示させる。
本実施の形態のサブCPU102、レンダリングプロセッサ104、VRAM105及びドライバ106は、本発明の表示演出実行手段を構成する。プロジェクタ装置B2からスクリーン174に投影される画像のぼかし処理及び液晶表示装置164に表示される画像のぼかし処理を実施する。
ぼかし処理としては、液晶表示装置164に表示される画像を明瞭に表示した状態で、スクリーン174に表示される画像をぼかす処理や、スクリーン174に表示される画像を明瞭に表示した状態で、液晶表示装置164に表示される画像をぼかす処理が実行される。すなわち、液晶表示装置164及びスクリーン174のいずれか一方に表示される画像をぼかして表示する。
ここで、明瞭な画像とは、遊技者が画像を明確に認識できる画像のことであり、例えば、ある任意の対象画像とその背景画像との境界が明瞭となるように対象画像の輪郭をくっきり表示させた画像である。
一方、ぼかし処理の施された画像とは、遊技者が画像を明確に認識することが困難な画像のことであり、例えば、ある任意の対象画像とその背景画像との境界が不明確となるように対象画像の輪郭をぼんやり表示させた画像である。
ぼしか処理としては、例えば、液晶表示装置164においては、注目画素の色を周辺画素の色を用いて平滑化する処理や、画素を間引いて画質を粗くする間引き処理等、種々の処理を用いることができる。
また、スクリーン174においては、ぼしか処理として、プロジェクタ装置B2によってスクリーン174に投影される画像の焦点をずらす処理等が実行される。ぼかし処理は、これらの処理に限定されるものではなく、画像をぼかすための公知の処理を実行可能である。
また、サブCPU102は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカDD25L、DD25Rにより出力させる。また、サブCPU102は、演出内容により指定されたランプデータに従ってLED群75の点灯及び消灯を制御する。
次に、以上のように構成された本実施の形態に係る遊技機1における、表示ユニット161の作用について説明する。
図38に示すように、プロジェクタ装置B2から画像表示用の照射光が照射されると、その照射光は光学ミラー166Aで反射され投影領域168(図45参照)に向かう。光学ミラー166Aで反射された照射光は、スクリーン174及びスクリーン174の周囲に設置された表示板177、178、179に投影される。
このとき、スクリーン174の後方に配置された液晶表示装置164においても、画像を表示することができる。ここで、図41(b)に示すように、スクリーン174が反射部174Bと視認領域174Cとで構成されているため、液晶表示装置164に表示される画像は、スクリーン174の視認領域174Cを通して前方から視認できる一方で、プロジェクタ装置B2からスクリーン174に投影された画像は、スクリーン174の反射部174Bで前方に反射されることで視認される。
このように、本実施の形態の表示ユニット161においては、液晶表示装置164に表示された画像とスクリーン174に投影された画像とを重畳して表示させることが可能となる。
上述のように構成された表示ユニット161においては、液晶表示装置164に表示された画像とスクリーン174に投影された画像とを重畳して表示させることができる点を利用して、以下に説明するぼかし処理を行うことができる。
(表示ユニット161において実行されるぼかし処理)
本実施の形態の遊技機1において、サブCPU102は、液晶表示装置164及びスクリーン174のいずれか一方に表示される画像に対して、液晶表示装置164及びスクリーン174のいずれか他方に表示される画像をぼかすぼかし処理を実行する。
例えば、図49(a)に示すように、液晶表示装置164に表示される画像X1をぼかし、スクリーン174に表示される画像X2をぼかさずに明瞭に表示し、画像X1、X2を重ね合わせると、ぼかした画像X1よりも明瞭な画像X2に遊技者の焦点を合わせることができ、奥行きのある画像を容易に表示することが可能となる。
逆に、図49(c)に示すように、液晶表示装置164に表示される画像X3をぼかさずに明瞭に表示し、スクリーン174に表示される画像X4をぼかして表示し、画像X3、X4を重ね合わせると、ぼかした画像X4よりも明瞭な画像X3に遊技者の焦点を合わせることができ、奥行きのある画像を容易に表示することが可能となる。
さらに、液晶表示装置164に表示される画像を明瞭に表示した状態から徐々にぼかして表示する状態に移行させ、ぼかして表示した状態から徐々に明瞭に表示する状態に移行させることもできる。
さらに、スクリーン174に表示される画像を明瞭に表示した状態から徐々にぼかして表示する状態に移行させ、ぼかして表示した状態から徐々に明瞭に表示する状態に移行させることもできる。
これにより、液晶表示装置164及びスクリーン174によって、図49(a)に示す状態と図49(c)に示す状態とを交互に切り替えるよう処理することも可能である。
例えば、液晶表示装置164に表示される画像を明瞭に表示した状態から徐々にぼかして表示する状態に移行させるときと、スクリーン174に表示される画像をぼかして表示した状態から徐々に明瞭に表示する状態に移行させるときにおける中間段階の画像X5、X6において(図49(b)参照)、遊技者による錯覚を生じさせることが可能となる。
このように、手前側の画像と奥側の画像のぼかしの度合いを変化させることにより、進出色や後退色等の色、あるいは遊技者の中心視野の位置に応じて前後方向の画像の誤認等の錯覚を遊技者に生じさせることが可能となる。
前後方向の誤認等の錯覚とは、例えば、実際は手前のスクリーン174に表示される画像が、奥側の液晶表示装置164に表示される画像と誤認されることや、実際は奥側の液晶表示装置164に表示される画像が、手前のスクリーン174に表示される画像と誤認されるような錯覚を遊技者に生じさせることである。この結果、視覚効果のより一層高い画像を表示でき、遊技の興趣をより効果的に向上できる。
(ぼかし処理を用いた表示演出)
次に、図50〜図54を参照して、上述したぼかし処理を用いた表示演出の例について説明する。本実施の形態では、表示演出として、ルーレット演出1〜3、及びボタン操作を伴う表示演出の4種類を例に説明する。
<ルーレット演出1>
図50は、表示ユニット161が実行するルーレット演出の第1の例である。
図50に示すように、本実施の形態のサブCPU102、レンダリングプロセッサ104、VRAM105及びドライバ106(図46参照)は、液晶表示装置164に特定の演出画像261(本実施の形態では、「〇」を示す画像)を明瞭に表示する表示態様とぼかして表示する表示態様とを繰り返して実行し、スクリーン174に演出画像261と異なる演出画像262(本実施の形態では、「×」を示す画像)を明瞭に表示する表示態様とぼかして表示する表示態様とを繰り返して実行する。
さらに、サブCPU102、レンダリングプロセッサ104、VRAM105及びドライバ106は、演出画像261をぼかして表示する表示態様から明瞭に表示する表示態様に切換えるタイミングで、演出画像262を明瞭に表示する表示態様からぼかして表示する表示態様に切換え、演出画像261を明瞭に表示した表示態様からぼかして表示する表示態様に切換えるタイミングで演出画像262をぼかして表示する表示態様から明瞭に表示する表示態様に切換え、最終的に演出画像261または演出画像262のいずれか一方を表示するルーレット演出を実行する。本実施の形態の演出画像261は、本発明の第1の画像を構成し、演出画像262は、本発明の第2の画像を構成する。
具体的には、図50に示すように、液晶表示装置164に表示される演出画像261としては、「○」が用いられ、スクリーン174に表示(投影)される演出画像262としては、「×」が用いられる。これら演出画像としては、任意の画像を用いることができる。
ルーレット演出としては、STEP1において、液晶表示装置164に明瞭な「○」の演出画像261と、「○が止まれば当たり。ルーレットスタート!」という文言が表示され、プロジェクタ装置B2によりスクリーン174に明瞭な「×」の演出画像262が投影される。
これにより、遊技者は、明瞭な「○」と明瞭な「×」とが一部重なった演出画像261、262と、「○が止まれば当たり。ルーレットスタート!」という文言を視認可能となる。STEP1では、演出画像261、262によって、これからルーレット演出が開始されることが通知される。
次いで、STEP2において、ぼかし処理の施された演出画像261が液晶表示装置164に表示され、液晶表示装置164にぼかし処理の施された演出画像261が表示されるタイミングでスクリーン174に明瞭な演出画像262が表示される。これにより、遊技者は、ぼかされた「○」と明瞭な「×」が一部重なった演出画像261、262とを視認可能となる。
次いで、STEP3において、液晶表示装置164に明瞭な演出画像261が表示され、液晶表示装置164に明瞭な演出画像261が表示されるタイミングでスクリーン174にぼかさし処理の施された演出画像262が表示される。これにより、遊技者は、明瞭な「○」とぼかされた「×」とが一部重なった演出画像261、262を視認可能となる。
次いで、STEP2とSTEP3とを交互に繰り返し、「○」と「×」の演出画像261、262が交互にぼかされて(あるいは明瞭に)表示される演出を実行する。なお、STEP2とSTEP3とを交互に繰り返す場合には、「○」と「×」の演出画像261、262が切換る速度を変えてもよい。例えば、「○」と「×」の演出画像261、262が切換る速度が徐々に速くなる、あるいは遅くなる、あるいは、最初は演出画像261、262の切換え速度が速いがその後に徐々に遅くなるようにしてもよい。
また、「○」と「×」の演出画像261、262のぼかし度合いを変えることにより、当たりの期待度に差を持たせてもよい。例えば、「×」の演出画像262のぼかし度合いを高くして、「○」の演出画像261を際立たせるようにしてもよい。
次いで、STEP4において、演出画像261、262が最終的に停止する手前(いわゆる、あおり)において、液晶表示装置164にぼかし処理の施された演出画像261が表示され、液晶表示装置164にぼかし処理の施された演出画像261が表示されるタイミングでスクリーン174にぼかし処理の施された演出画像262が表示される。これにより、遊技者は、ぼかされた「○」と「×」とが一部重なった演出画像261、262を視認可能となる。
次いで、STEP5において、当たりであれば、液晶表示装置164に明瞭な「○」の演出画像261が表示され、液晶表示装置164に明瞭な演出画像261が表示されるタイミングでスクリーン174に「当たり!」という文言と、演出画像262の変動が停止されたことを意味する背景画像263とが表示される。これにより、遊技者は、明瞭な「○」の演出画像262と、背景画像263と、「当たり!」という文言とが重なった画像を視認可能となる。
また、STEP4からSTEP5に移行するまでに、「×」の演出画像262のぼかし度合いを徐々に大きくしてスクリーン174から「×」の演出画像262をフェードアウトさせ、液晶表示装置164に表示される「○」の演出画像261を際立たせる。なお、演出画像をフェードアウトさせる場合には、透明度を表わすアルファ値を徐々に高める処理(100%に近づけていく処理)を実行すればよい。
このように、ルーレット演出1を実行する遊技機1によれば、液晶表示装置164に特定の演出画像261を明瞭に表示する表示態様とぼかして表示する表示態様とを繰り返して実行し、スクリーン174に演出画像261と異なる演出画像262を明瞭に表示する表示態様とぼかして表示する表示態様とを繰り返して実行する。
さらに、演出画像261をぼかして表示する表示態様から明瞭に表示する表示態様に切換えるタイミングで、演出画像262を明瞭に表示する表示態様からぼかして表示する表示態様に切換え、演出画像261を明瞭に表示した表示態様からぼかして表示する表示態様に切換えるタイミングで演出画像262をぼかして表示する表示態様から明瞭に表示する表示態様に切換える。
これにより、演出画像261と演出画像261とを交互に明瞭に表示する表示演出等を行う場合に、手前側に表示される明瞭な演出画像262又はぼかした演出画像262と、奥側に表示されるぼかした演出画像261又は明瞭な演出画像261とによって奥行き感を感じさせる斬新な表示演出を実行することができる。この結果、視覚効果のより高い画像を容易に表示して、遊技の興趣をより効果的に向上できる。
また、ルーレット演出1を実行する遊技機1によれば、演出画像261、262を明瞭に表示する表示態様とぼかして表示する表示態様とを繰り返し、最終的に演出画像261、262のいずれか一方を表示するので、演出画像261が遊技者にとって有利な当たり遊技状態を表わす画像であれば、遊技者は、最後まで期待を持ちながら演出画像261、262の変動に注視でき、遊技の興趣をより効果的に向上できる。
なお、図50に示すように、上述したルーレット演出の第1の例では、遊技者からは演出画像261と演出画像262とが一部重なった状態で視認されるように、液晶表示装置164における演出画像261の表示位置、及びスクリーン174における演出画像262の表示位置が設定されているが、演出画像261と演出画像262とが離隔した状態を遊技者に視認させるように、液晶表示装置164における演出画像261の表示位置、及びスクリーン174における演出画像262の表示位置を設定してもよい。また、演出画像261、262は、左右に並んで表示されているが、上下方向または斜め方向に並んで表示されてもよい。
<ルーレット演出2>
図51は、表示ユニット161が実行するルーレット演出の第2の例である。
図51に示すように、本実施の形態のサブCPU102、レンダリングプロセッサ104、VRAM105及びドライバ106(図46参照)は、液晶表示装置164に、ぼかして表示する異なる演出画像を繰り返して表示し、スクリーン174に、明瞭に表示する異なる演出画像を繰り返して表示し、液晶表示装置164の演出画像が切換えられるタイミングで、スクリーン174の演出画像を切換え、最終的にスクリーン174に表示可能な異なる演出画像のうち、いずれかの演出画像を表示する。
具体的には、図51に示すように、液晶表示装置164に表示される異なる演出画像265A〜265Cとしては、一部が重なった「○×」、「○」、「×」が用いられ、これらは全てぼかし処理が施されている。これら演出画像としては、任意の画像を用いることができる。
また、スクリーン174に表示(投影)される異なる演出画像266A〜266Cとしては、一部が重なった「○×」、「○」、「×」が用いられ、これらは全て明瞭に表示されるようになっている。これら演出画像としては、任意の画像を用いることができる。
ルーレット演出としては、STEP1において、液晶表示装置164にぼかして表示された「○×」の演出画像265Aと、「スクリーンに○が浮かべば当たり。ルーレットスタート!」という文言とが表示される。このとき、スクリーン174には、プロジェクタ装置B2から画像が投影されていない。
これにより、遊技者は、ぼかして表示された「○×」の演出画像265Aと、「スクリーンに○が浮かべば当たり。ルーレットスタート!」という文言を視認可能となる。STEP1では、演出画像265Aと上記文言の表示により、これからルーレット演出が開始されることが通知される。
次いで、STEP2において、ぼかし処理の施された「×」の演出画像265Cが液晶表示装置164に表示され、液晶表示装置164にぼかし処理の施された演出画像265Cが表示されるタイミングでスクリーン174に明瞭な「○」の演出画像266Bが表示される。これにより、遊技者は、スクリーン174に表示される明瞭な「○」とぼかされた「×」が一部重なった演出画像265C、266Bを視認可能となる。
次いで、STEP3において、液晶表示装置164にぼかし処理の施された「○」の演出画像265Bが表示され、液晶表示装置164にぼかし処理の施された演出画像265Bが表示されるタイミングでスクリーン174に明瞭な「×」の演出画像266Cが表示される。これにより、遊技者は、明瞭な「×」とぼかされた「○」とが一部重なった演出画像265B、266Cを視認可能となる。
次いで、STEP2とSTEP3とを交互に繰り返し、「○」と「×」の画像が交互にぼかされて(あるいは明瞭に)表示される演出を実行する。なお、STEP2とSTEP3とを交互に繰り返す場合には、「○」と「×」の画像が切換る速度、すなわち演出画像265Bと演出画像265Cとが切換る速度、及び演出画像266Bと演出画像266Cとが切換る速度を変えてもよい。例えば、「○」と「×」の画像が切換る速度が徐々に速くなる、あるいは遅くなる、あるいは、最初は「○」と「×」の画像の切換え速度が速いがその後に徐々に遅くなるようにしてもよい。
また、「○」と「×」の画像のぼかし度合いを変えることにより、当たりの期待度に差を持たせてもよい。例えば、「×」の画像のぼかし度合いを高くして、「○」の画像を際立たせるようにしてもよい。
次いで、STEP4において、演出画像266B、266Cのいずれかが最終的に停止する手前(いわゆる、あおり)において、液晶表示装置164にぼかし処理の施された「○×」の演出画像265Aが表示され、液晶表示装置164にぼかし処理の施された演出画像265Aが表示されるタイミングでスクリーン174に明瞭な「○×」の演出画像266Aが表示される。これにより、遊技者は、ぼかされた「○×」と明瞭な「○×」とが一部重なった演出画像265A、266Aを視認可能となる。
次いで、STEP5において、ルーレット演出の結果がハズレであれば、液晶表示装置164に背景画像267と「残念・・」という文言が表示され、液晶表示装置164に背景画像267が表示されるタイミングでスクリーン174に明瞭な「×」の演出画像266Cが表示される。これにより、遊技者は、演出画像265B、265C、266B、266Cの変動が停止されたことを意味する背景画像267と、「残念・・」という文言と、明瞭な「×」の演出画像266Cとを視認可能となる。
また、STEP4からSTEP5に移行するまでに、「○」の演出画像266Bのぼかし度合いを徐々に大きくしてスクリーン174から「○」の演出画像266Bをフェードアウトさせ、スクリーン174に表示される「×」の演出画像266Cを際立たせる。なお、演出画像をフェードアウトさせる場合には、透明度を表わすアルファ値を徐々に高める処理(100%に近づけていく処理)を実行すればよい。
このように、ルーレット演出2を実行する遊技機1によれば、液晶表示装置164に、異なる演出画像265B、265Cを繰り返しぼかして表示し、スクリーン174に、異なる演出画像266B、266Cを繰り返し明瞭に表示し、演出画像265B、265Cが切換えられるタイミングで、演出画像266B、266Cを切換え、最終的に演出画像266B、266Cのいずれか一方を表示する。
これにより、ぼかし処理の施された演出画像265B、265Cと明瞭な演出画像266B、266Cとを重ねて表示する表示演出を行う場合に、手前側に表示される明瞭な演出画像266B、266Cと、奥側に表示されるぼかした演出画像265B、265Cとによって奥行き感を感じさせる斬新なルーレット演出を実行することができる。この結果、視覚効果のより高い画像を容易に表示して、遊技の興趣をより効果的に向上できる。
また、ルーレット演出2を実行する遊技機1によれば、スクリーン174に、異なる演出画像266B、266Cを繰り返し明瞭に表示させた後、最終的に異なる演出画像の266B、266Cの中から1つの演出画像(ルーレット演出2の例では、演出画像266C)を明瞭に表示する。
これにより、明瞭に表示される異なる演出画像266B、266Cが遊技者にとって有利な当たり遊技状態を表わす演出画像266Bを含んでいるので、遊技者は、最後まで期待を持ちながら明瞭に表示される演出画像266B、266Cの変動に注視でき、遊技の興趣をより効果的に向上できる。
なお、図51に示すように、上述したルーレット演出の第2の例では、例えば、STEP2において、遊技者からは演出画像265Cと演出画像266Bとが一部重なった状態で視認されるように、液晶表示装置164における演出画像265Cの表示位置、及びスクリーン174における演出画像266Bの表示位置が設定されているが、演出画像265Cと演出画像266Bとが離隔した状態を遊技者に視認させるように、液晶表示装置164における演出画像265Cの表示位置、及びスクリーン174における演出画像266Bの表示位置を設定してもよい。
STEP3においても、同様に、演出画像265Bと演出画像266Cとが離隔した状態を遊技者に視認させるように、液晶表示装置164における演出画像265Bの表示位置、及びスクリーン174における演出画像266Cの表示位置を設定してもよい。また、演出画像265B、265C、266B、266Cが左右に並んで表示されているが、上下方向または斜め方向に並んで表示されてもよい。
また、ルーレット演出2を実行する遊技機1では、液晶表示装置164に表示される演出画像265A、265B、265Cをぼかした画像とし、スクリーン174に表示される演出画像266A、266B、266Cを明瞭な画像としたが、これとは逆に、液晶表示装置164に表示される演出画像265A、265B、265Cを明瞭な画像とし、スクリーン174に表示される演出画像266A、266B、266Cをぼかした画像としてもよい。
<ルーレット演出3>
図52及び図53は、表示ユニット161が実行するルーレット演出の第3の例である。
図51に示すように、本実施の形態のサブCPU102、レンダリングプロセッサ104、VRAM105及びドライバ106(図46参照)は、液晶表示装置164とスクリーン174とに表示される演出画像281、282、283、284の疑似的な回転を表現可能なように、演出画像281、282、283、284の位置とぼかし度合を変更する。
このルーレット演出3の例では、疑似的な回転として、図53に示すように、「〇」の画像と「×」の画像とが仮想的な回転中心軸O1回りに回転する例について説明する。なお、回転中心軸O1は、図53に示すような上下方向だけでなく、左右方向や斜め方向に設定されてもよい。
具体的には、図52に示すように、液晶表示装置164に表示される画像としては、「○」の演出画像281と「×」の演出画像282とが用いられる。スクリーン174に表示(投影)される画像としては、「○」の演出画像283と「×」の演出画像284とが用いられる。これら演出画像としては、任意の画像を用いることができる。
ルーレット演出としては、STEP1において、液晶表示装置164にぼかして表示された「×」の演出画像282と、「スクリーンに○が止まれば当たり。ルーレットスタート!」という文言とが表示され、スクリーン174には明瞭な「○」の演出画像283が表示される。
これにより、遊技者は、ぼかして表示された「×」の演出画像282と「スクリーンに○が止まれば当たり。ルーレットスタート!」という文言と、明瞭な「○」の演出画像283とを視認可能となる。STEP1では、演出画像282、283と上記文言の表示により、これからルーレット演出が開始されることが通知される。
次いで、STEP2では、液晶表示装置164において、ぼかし処理の施された「×」の演出画像282がSTEP1の位置から矢印Aで示すように右側に移動することにより、ぼかし処理の施された「×」の演出画像282に加えてぼかし処理の施された「○」の演出画像281が表示される。なお、STEP2、STEP4において示される矢印A〜Dは、演出画像の移動方向を表わすものであり、実際に液晶表示装置164やスクリーン174に表示されるものではない。
このとき、スクリーン174においては、明瞭な「○」の演出画像283がSTEP1の位置から矢印Bに示すように左側に移動しつつ、そのぼかし度合いが徐々に高くなるように表示される。また、明瞭な「○」の演出画像283が左側に移動するのに伴い、明瞭な「○」の演出画像283に加えてぼかし処理の施された「×」の演出画像284が表示される。
また、STEP2では、液晶表示装置164に表示される「○」の演出画像281及び「×」の演出画像282と、スクリーン174に表示される「○」の演出画像283及び「×」の演出画像284とが、前後方向に重なる位置に表示される。これにより、遊技者は、ぼかされた「○」の演出画像281、283と、ぼかされた「×」の演出画像282、284とを視認可能となる。
次いで、STEP3では、液晶表示装置164において、ぼかされた「○」の演出画像281のみを表示する。このとき、スクリーン174において、明瞭な「×」の演出画像284のみを表示する。これにより、遊技者は、ぼかされた「○」の演出画像281と、明瞭な「×」の演出画像284とを視認可能となり、「×」の演出画像が遊技機1の奥側から手前側に移動したように錯覚する。
次いで、STEP4では、液晶表示装置164において、ぼかし処理の施された「○」の演出画像281がSTEP3の位置から矢印Cで示すように右側に移動するように表示される。このとき、スクリーン174においては、明瞭な「×」の演出画像284がSTEP3の位置から矢印Dで示すように左側に移動するように表示される。これにより、液晶表示装置164に表示される「○」の演出画像281と、スクリーン174に表示される「×」の演出画像284とが、前後方向に重なる位置に表示される。
この結果、遊技者は、ぼかされた「○」の演出画像281と明瞭な「×」の演出画像284とが重なった状態、具体的には遊技者から見てぼかされた「○」の演出画像281の手前に明瞭な「×」の演出画像284が重なった状態を視認可能となる。
上述したSTEP2〜STEP4を繰り返すことにより、図53に示すように、「〇」の画像と「×」の画像とが仮想的な回転中心軸O1回りに回転するような表示態様を遊技者に視認させることができる。
なお、STEP2〜STEP4を繰り返すにあたっては、図52に示したSTEP2〜STEP4の次のSTEP2〜STEP4では、「〇」の画像と「×」の画像とが逆となる。つまり、次回のSTEP2〜STEP4では、図52におけるSTEP3、STEP4に図示した明瞭な「×」の表示画像284の位置に明瞭な「○」の演出画像283が表示され、ぼかされた「○」の演出画像281の位置にぼかされた「×」の演出画像282が表示される。
STEP2〜STEP4が繰り返された後、STEP5において、ルーレット演出の結果がハズレであった場合には、液晶表示装置164に「残念・・・」という文言と背景画像285とが表示され、スクリーン174に明瞭な「×」の演出画像284が表示される。これにより、遊技者は、演出画像281、282、283、284の変動が停止されたことを意味する背景画像285と、「残念・・・」という文言と、明瞭な「×」の演出画像284とを視認可能となる。
このように、ルーレット演出3を実行する遊技機1によれば、液晶表示装置164とスクリーン174とに表示される演出画像281、282、283、284の疑似的な回転を表現可能なように、演出画像281、282、283、284の位置とぼかし度合を変更する。
これにより、奥側の液晶表示装置164に表示される演出画像281、282と手前側のスクリーン174に表示される演出画像283、284とが擬似的に回転するよう斬新なルーレット演出を実行することができる。この結果、視覚効果のより高い画像を容易に表示して、遊技の興趣をより効果的に向上できる。
<ボタン操作を伴う表示演出>
図54は、表示ユニット161が実行するボタン操作を伴う表示演出の一例である。
図54に示すように、本実施の形態のサブCPU102、レンダリングプロセッサ104、VRAM105及びドライバ106(図46参照)は、遊技者によって操作される操作ボタン271の操作に連動してスクリーン174に表示(投影)される画像の表示態様を変更可能となっている。本実施の形態の操作ボタン271は、本発明の操作手段を構成する。
具体的には、スクリーン174には、本実施の形態のサブCPU102、レンダリングプロセッサ104、VRAM105及びドライバ106によって、液晶表示装置164に表示される画像(本実施の形態では、後述する演出画像272)を前方から視認し難いように遮蔽する遮蔽画像(本実施の形態では、後述する演出画像273)が表示可能に構成されている。
また、本実施の形態のサブCPU102、レンダリングプロセッサ104、VRAM105及びドライバ106は、操作ボタン271の操作に連動して、液晶表示装置164に表示される演出画像272を前方から視認可能となるようにスクリーン174に表示(投影)されている演出画像273をぼかしていく表示演出を行うようになっている。
図54に示すように、液晶表示装置164に表示される演出画像272としては、「CHANCE表示」が用いられ、スクリーン174に表示される演出画像273としては、モヤ(靄)の画像が用いられる。さらに、表示板179に遊技に関する演出画像が表示される。
操作ボタン271は、副中継基板69を介して副制御基板72に電気的に接続されている。操作ボタン271は、例えば遊技に係る演出において遊技者により押下されるもので、上述のスクリーン174に表示される演出画像273をぼかしていく演出時に利用されたりする。なお、操作ボタン271は、前述した演出以外の演出時や演出発生時にも押下可能とされる。
次に、ボタン操作を伴う表示演出について、STEP1から順を追って説明する。図54に示すように、演出開始時のSTEP1においては、液晶表示装置164には画像を表示させず、スクリーン174に明瞭なモヤの演出画像273を表示する。このとき、表示板179には、これから操作ボタン271を用いて行う演出のルール説明を表す画像として「連打でモヤを消せ」という文言の表示を行う。
STEP1では、モヤの演出画像273が後方の「CHANCE表示」を前方から視認し難いように遮蔽するぼかし度合いに設定される。ここでは、例えば、モヤの演出画像273のアルファ値を0%とする。
これにより、遊技者には、明瞭なモヤの演出画像273Aと、「連打でモヤを消せ」という文言を視認させることができる。
STEP1において、演出画像273とルール説明を表す画像とによってボタン操作を伴う演出が開始されることが通知された後、STEP2において、遊技者によって操作ボタン271の連打が開始されると、液晶表示装置164にぼかされた「CHANCE表示」の演出画像272が表示される。
このとき、スクリーン174に表示されているモヤの演出画像273は、遊技者による操作ボタン271の連打に連動して、例えばアルファ値が0%から徐々に高められることで徐々にぼかされる。
さらに、表示板179に「連打!残り時間」という文言と、時間の経過を表すメータ画像274が表示される。
STEP2の状態から遊技者が操作ボタン271をさらに連打すると、STEP3に示すように、液晶表示装置164に「CHANCE表示」の演出画像272が徐々に明瞭となるように表示され、スクリーン174に表示されるモヤの演出画像273のぼかし度合い(例えば、アルファ値)を徐々に高めていく。
演出画像のぼかし度合いを高めていく方法としては、透明度を表わすアルファ値を徐々に高める処理(100%に近づけていく)を実行することの他、例えば徐々に画像が透明となるアニメーションを複数フレーム設け、アニメーションが透明となるようにフレーム数を進める処理を用いることができる。
また、STEP3において、液晶表示装置164に「いい調子だ!」という文言と、遊技者にとって有利な遊技状態となることを示唆するキャラクタの演出画像275が表示され、表示板179に「連打!」という文言と、時間が経過するにつれて残時間が減少していくメータ画像274とが表示される。
これにより、遊技者からは、「CHANCE表示」の演出画像272がモヤの演出画像273の奥に薄らと見えるようになるとともに、キャラクタの演出画像275及び「いい調子だ!」という文言が視認される。
操作ボタン271を操作するために予め設定された時間内にモヤの演出画像273が消える程度までぼかされた場合(例えば、演出画像273のアルファ値が100%になる)には、ボタン操作を伴う表示演出が成功したものとして、STEP4に示すように、液晶表示装置164に「CHANCE表示」の演出画像272が明瞭に表示される。さらに、スクリーン174にモヤの演出画像273が表示されずに、表示板179に「成功!チャンス!」という文言が表示される。
これにより、遊技者は、明瞭な「CHANCE表示」の演出画像272と、表示板179に表示された「成功!チャンス!」という文言を視認可能となる。このSTEP4でボタン操作を伴う演出を終了してもよいが、遊技者の興趣を向上させるために、次のSTEP5を実施するのが好ましい。
STEP5においては、液晶表示装置164にSTEP4よりもぼかし度合の低い「CHANCE表示」の演出画像272(例えば、STEP3でぼかされた演出画像272)を表示し、スクリーン174に「HI」という文字を強調した演出画像276を表示し、さらに表示板179に「ハイチャンス!」という文言を表示する。
これにより、遊技者は、ぼかし度合の低い「CHANCE表示」の演出画像272と、「HI」という文字が強調された演出画像276とを視認可能となる。このとき、「CHANCE表示」の演出画像272よりも手前側に表示されている「HI」の演出画像276が明瞭に表示されているので、「HI」の演出画像276を遊技者に注目させることができる。
このように、STEP1〜STEP5で、遊技者に注目させる画像を、手前側のモヤの演出画像273から奥側の「CHANCE表示」の演出画像272に、さらに奥側の「CHANCE表示」の演出画像272から手前側の「HI」の演出画像276に遷移させることで、より奥行き感のある演出が可能となる。
このように、ボタン操作を伴う表示演出を実行する遊技機1によれば、スクリーン174に、液晶表示装置164に表示される画像を前方から視認し難いように遮蔽するモヤの演出画像273を表示可能に構成され、遊技者による操作ボタン271による操作に連動して、液晶表示装置164に表示される「CHANCE表示」の演出画像272を前方から徐々に視認可能となるようにスクリーン174に表示(投影)されている演出画像273を徐々にぼかしていく表示演出を行う。
これにより、操作ボタン271に連動して手前側のスクリーン174に表示される画像が徐々にぼかされて奥側の液晶表示装置164に表示される画像が前方から徐々に視認可能となる。このため、手前側に表示されるぼかした画像と奥側に表示される画像とによって奥行き感を感じさせる斬新な演出を実行することができる。この結果、視覚効果のより高い画像を容易に表示して、遊技の興趣をより効果的に向上できる。
<ステップアップ演出>
次に、図55〜図68を参照して、液晶表示装置164及びスクリーン174の少なくともいずれかを用いたステップアップ演出について説明する。演出のステップアップのタイミングとしては、例えばリール停止操作のための各ストップボタンを押下したタイミング等が挙げられる。
まず、液晶表示装置164及びスクリーン174を用いた画像の表示パターン(遊技者により視認される視認パターン)として、第1の視認パターン〜第9の視認パターンについて説明する。後述するステップアップ演出では、これら視認パターンを遷移させる。
(第1の視認パターンに示すように、第1の視認パターンでは、液晶表示装置164にのみ画像が表示され、遊技者からは奥側の液晶表示装置164に表示された画像が視認される。
(第2の視認パターン)
図56に示すように、第2の視認パターンでは、スクリーン174にのみ画像が表示され、遊技者からは手前側のスクリーン174に表示された画像が視認される。
(第3の視認パターン)
図57に示すように、第3の視認パターンでは、液晶表示装置164及びスクリーン174の両方に画像が表示され、遊技者からは奥側の液晶表示装置164に表示された画像と手前側のスクリーン174に表示された画像とが重畳した画像が視認される。
(第4の視認パターン)
図58に示すように、第4の視認パターンでは、液晶表示装置164にのみ画像が表示されていた状態からスクリーン174にのみ画像が表示された状態に移行することにより、遊技者からは奥側の画像が手前側のスクリーン174に浮き出てきたかのように視認される。
(第5の視認パターン)
図59に示すように、第5の視認パターンでは、スクリーン174にのみ画像が表示されていた状態から液晶表示装置164にのみ画像が表示された状態に移行することにより、遊技者からは手前側のスクリーン174に表示された画像が奥側に向かって遠退くように視認される。
(第6の視認パターン)
図60に示すように、第6の視認パターンでは、液晶表示装置164にのみ画像が表示されていた状態から液晶表示装置164及びスクリーン174に画像が表示された状態に移行することにより、遊技者からは奥側の画像が手前側の画像に重畳されつつスクリーン174に浮き出てきたかのように視認される。
(第7の視認パターン)
図61に示すように、第7の視認パターンでは、スクリーン174にのみ画像が表示されていた状態から液晶表示装置164及びスクリーン174に画像が表示された状態に移行することにより、遊技者からは奥側の画像が手前側の画像に重畳されつつスクリーン174に浮き出てきたかのように視認される。ただし、第7の視認パターンでは、画像がスクリーン174に浮き出る距離が第6の視認パターンよりも短いような錯覚を生じさせる。
(第8の視認パターン)
図62に示すように、第8の視認パターンでは、液晶表示装置164及びスクリーン174に画像が表示されていた状態から液晶表示装置164にのみ画像が表示された状態に移行することにより、遊技者からは奥側の液晶表示装置164に表示された画像と手前側のスクリーン174に表示された画像とが重畳した画像が奥側に向かって遠退くように視認される。
(第9の視認パターン)
図63に示すように、第7の視認パターンでは、液晶表示装置164及びスクリーン174に画像が表示されていた状態からスクリーン174にのみ画像が表示された状態に移行することにより、遊技者からは奥側の液晶表示装置164に表示された画像と手前側のスクリーン174に表示された画像とが重畳した画像が奥側に向かって遠退くように視認される。ただし、第9の視認パターンでは、画像が奥側に向かって遠退く距離が第8の視認パターンよりも短いような錯覚を生じさせる。
以下において、上述した各視認パターンの略称として、第1の視認パターンは「E」、第2の視認パターンは「S」、第3の視認パターンは「W」、第4の視認パターンは「ES」、第5の視認パターンは「SE」、第6の視認パターンは「EW」、第7の視認パターンは「SW」、第8の視認パターンは「WE」、第9の視認パターンは「WS」を用いる。
図64は、上述の各視認パターンが定義されたテーブルであり、ロムカートリッジ基板76(図48参照)に予め記憶されている。この図64に示すテーブルでは、上述の第1〜第9の視認パターンがそれぞれ表示パターン1〜9として登録されている。
また、このテーブルにおいては、表示パターン1〜3は、液晶表示装置164又はスクリーン174のいずれかのみに画像が表示されるパターンのため「変化なし」として登録されている。
また、表示パターン4〜5は、液晶表示装置164及びスクリーン174において画像が表示又は非表示となるよう変更されるパターンのため、「変化あり」として登録されている。
図65は、図64の「変化なし」の表示パターン1〜3のみを用いてステップアップ演出を行う場合のステップアップ演出テーブルである。このステップアップ演出テーブルでは、演出番号と段階とによって上述の表示パターン1〜3のいずれかが選択されるようになっている。
例えば、ステップアップ演出の演出番号として「P003」が選択された場合には、段階1で表示パターン1(視認パターンE)、段階2で表示パターン3(視認パターンW)が選択される。
したがって、遊技者は、段階1で液晶表示装置164のみに表示された画像を視認し、その後、段階2に進むと、液晶表示装置164の画像とスクリーン174の画像とが重畳した画像を視認する。
なお、ステップアップ演出では、段階が1から3に進むごとに、遊技者に有利な遊技状態の期待度が高くなる。図65の例では、演出番号が「001」から「009」に向かうほど、段階3に移行するようになっており、期待度も高くなるように設定されている。
ここでいう「期待度」は、遊技者に有利な遊技状態に移行している、又は移行することが確定するような遊技であることを示唆する指標である。したがって、有利な遊技状態に移行している、又は移行することが確定するような遊技の場合には、期待度の高い演出番号が選択されやすくなっている。
なお、「期待度」を期待感の指標としてもよい。例えば、期待度の高い演出番号ほど、その後に高期待度の演出へ発展し易い、または内部的に有利な状態である可能性が高まるというゲーム性にしてもよい。
内部的に有利な状態とは、例えば、パチスロ機の場合は、出球率が遊技者にとって有利な高設定であることや、ボーナス成立やAT(アシストタイム)当籤の期待が高いチャンス役が成立していること、遊技者にとって有利な停止操作を報知する機能(ナビ)が発生する状態やその前兆状態であること等が挙げられる。
パチンコ遊技機の場合には、内部的に大当たりの発生率が高い状態であることや、電チュー開放抽選が優遇される電サポ状態であること、小当たりが発生し易い状態であること、大当たり中であれば、大入賞口の開放時間が長い、開放回数が多い、遊技球が通過することで確変状態となる特定領域への通過が期待できる開放パターンが存在する等、有利な大当たり種別に当籤していること等が挙げられる。
図66は、図64の「変化なし」の表示パターン1〜3に加えて「変化あり」の表示パターン4〜9を用いてステップアップ演出を行う場合のステップアップ演出テーブルである。このステップアップ演出テーブルでは、演出番号と段階とによって上述の表示パターン1〜3のいずれかが選択されるようになっている。
例えば、ステップアップ演出の演出番号として「Q023」が選択された場合には、段階1で表示パターン1(視認パターンE)、段階2で表示パターン7(視認パターンSW)、段階3で表示パターン9(視認パターンWS)が選択される。
したがって、遊技者は、段階1で液晶表示装置164のみに表示された画像を視認し、その後、段階2に進むと、奥側の画像が手前側の画像に重畳されつつスクリーン174に浮き出てきたかのように画像を視認し、その後、段階3に進むと、奥側の画像と手前側の画像とが重畳した画像を奥側に向かって遠退くように視認する。
なお、演出番号「Q018」では、段階2で表示パターン5(視認パターンSE)が選択され、その後、段階3で表示パターン4(視認パターンES)が選択されるようになっている。
この場合、段階2で最終的に液晶表示装置164に画像が表示されているので、次の段階3では、液晶表示装置164に画像が表示される表示パターン4又は6を選択可能なため、段階3の表示パターンとして表示パターン4(視認パターンES)を選択することは可能である。
しかしながら、ステップアップ演出では、表示パターンの格下げはない。したがって、演出番号「Q018」では、段階2から段階3に進んだときに表示パターン5から表示パターン4に格下げになる。よって、演出番号として演出番号「Q018」が選択された場合には、ステップアップ演出が段階2で終了する。
図67は、画像の表示対象が液晶表示装置164とスクリーン174との間で切換る回数(遷移回数)に応じて、期待度が異なるステップアップ演出を行う場合のステップアップ演出テーブルである。
このステップアップ演出テーブルでは、画像の表示対象が液晶表示装置164とスクリーン174との間で切換る回数(遷移回数)が多いほど、期待度が高くなるようになっている。例えば、このステップアップ演出テーブルでは、演出番号「R007」が最も期待度が高く、遷移回数も4回で最も多い。
図68は、ステップアップ演出の一例を示す図である。本実施の形態の遊技機1では、ステップアップ演出として、図68に示すステップアップ演出を実行してもよい。
図68においては、矢印で示す方向にステップが進んでいく。また、図68中においては、ステップ1〜ステップ3の各ステップで表示される画像を「SU1」〜「SU3」とした。
このステップアップ演出は、液晶表示装置164に表示された画像がスクリーン174に移動した場合にステップ成功となり、次のステップに進む演出であり、ステップが進むほど期待度が高まる演出である。
なお、実際には、液晶表示装置164に表示された画像を消し、スクリーン174に画像を表示させることで、液晶表示装置164に表示された画像がスクリーン174に移動してくるような錯覚を生じさせる演出である。
図68に示すように、このステップアップ演出では、ステップが成功するたびに、成功したステップの画像をスクリーン174に表示させている。これにより、現状、どの段階までステップが成功しているかを遊技者に容易に把握させることができる。
また、ステップが成功したか失敗したかを遊技者に視認させるために、液晶表示装置164にステップが成功したか失敗したかを表す文言を表示させるようになっている。このステップアップ演出は、ステップ3で失敗した例を示している。
以上のように、本実施の形態の遊技機1は、遊技に関する画像を表示可能な液晶表示装置164と、プロジェクタ装置B2によって前方から投影される画像を表示可能なスクリーン174とを備えている。スクリーン174は、液晶表示装置164の画像を前方から視認可能な視認領域174Cと、プロジェクタ装置B2によって前方から照射される照射光を前方に反射する反射領域とを備えており、反射領域が視認領域174Cに対して等間隔で設置された複数の点状の反射部174Bによって構成されている。
これにより、プロジェクタ装置B2によって前方から投影される画像を反射部174Bで前方に反射させることができ、遊技機1の前方で遊技を行っている遊技者は、スクリーン174に表示される画像を視認可能となる。
また、反射部174Bが施されていない視認領域174Cを通してスクリーン174の後方に設置された液晶表示装置164の光を前方に透過させることができる。これにより、遊技者は、液晶表示装置164に表示される画像を視認可能となる。
このため、遊技者は、手前に設置されたスクリーン174を通して奥側に設置された液晶表示装置164に表示される画像を視認することができ、奥側の画像と後側の画像との奥行き(遠近感)を出す表示が可能となる。
例えば、液晶表示装置164に表示される画像を背景画像とし、スクリーン174に表示される画像を人物画像とした場合には、人物が背景に対して浮いたような画像を表示することが可能となる。この結果、視覚効果の高い画像を表示でき、遊技の興趣を向上できる。
また、スクリーン174によれば、視認領域174Cが液晶表示装置164から照射される光を透過させることが可能であるので、スクリーン174の面積に対して反射部174Bが占める割合(占有率)を調整することにより、反射率を容易に変更することができる。
例えば、反射部174Bの占有率が低くなる程、スクリーン174の反射領域の面積が低減してスクリーン174に投影される画像が薄く(不鮮明に)視認される。一方、反射部174Bの占有率が高くなる程、スクリーン174の反射面の面積が増大してスクリーン174に投影される画像が鮮明に視認される。これにより、奥行きのある画像をより効果的に表示することができる。
なお、反射部174Bは、光の反射率が比較的高い色であれば、白色に限定されるものではなく、例えば灰色等で形成されてもよい。この場合には、反射部174Bが白色である場合に比べて、透過画像と反射画像の明暗が低くなり、液晶表示装置164及びスクリーン174に表示される画像を全体として暗い画像にすることができる。このため、高輝度で投影されるプロジェクション画像特有のまぶしさが抑えられ、目が疲れにくいという効果がある。また、投影される画像の明るさが抑えられるため、液晶表示装置164の画像がより鮮明に見えるという効果がある。
また、反射部174Bは、ドット状に限らず、例えば多角形状であってもよいし、格子状に形成されてもよい。また、スクリーン174を製造する場合に、スクリーン174に印刷される反射部の版を作製すれば、低コストで均一の品質を有するスクリーン174を量産することが可能となる。
また、本実施の形態の遊技機1は、筐体を構成するスクリーン装置本体170と、スクリーン装置本体170に取付けられ、遊技に関する画像を表示可能な液晶表示装置164と、液晶表示装置164の前方に位置してスクリーン装置本体170に取付けられ、遊技に関する画像を表示可能なスクリーン174とを備えており、液晶表示装置164によってスクリーン装置本体170の後壁が構成されている。
これにより、スクリーン装置本体170に専用の後壁を設けることを不要にして、スクリーン装置本体170が大型化することや部品点数が増大することを防止しつつ、液晶表示装置164とスクリーン174との間の距離を大きくすることができる。このため、液晶表示装置164とスクリーン174に表示される画像を重ね合わせて奥行きのある画像をより効果的に表示できる。
また、液晶表示装置164とスクリーン174との間の距離が近い場合は、スクリーン174への投影光が液晶表示装置164の表示画面164Aに届いてしまい、表示画面164Aが明るく照らされて表示画面164Aに表示される画像が見えづらくなるという問題もある。液晶表示装置164とスクリーン174との間の距離を適切に確保することでこのような問題も解決できる。
なお、本実施の形態において、液晶表示装置164で後壁を構成しており、ここまでその効果を述べたが、例えば、スクリーン装置本体170の奥行きに余裕があり、液晶表示装置164とスクリーン174との間の距離を十分に確保できる場合において、液晶表示装置164の後方に別体で後壁を設けたり、後壁を表示ユニット161の他の壁部と一体成形で作製する等して液晶表示装置164の後に壁部を設ける構成とすることも可能である。この場合は、表示ユニット161をキャビネットGに取付ける製造工程において、液晶表示装置164の背面側が傷付きにくいというメリットがある。
これに加えて、液晶表示装置164とスクリーン174との間の距離を大きくしても、スクリーン装置本体170に専用の後壁を設けた場合に比べてスクリーン装置本体170の前後方向長さを短くでき、結果的に表示ユニット161のキャビネットG内での占有スペースを小さくでき、キャビネットG内での部品配置の設計自由度を高めることができる。
また、本実施の形態の遊技機1は、プロジェクタ装置B2によって前方から投影される画像が投影される表示板177、178、179を有し、表示板177、178、179は、スクリーン174の表示領域174Dの外端174pからスクリーン174の前方に向かって延び、かつ、スクリーン174の中心部Oから外側に離れるように傾斜している。
これにより、スクリーン174の表示領域174Dに表示される画像の周囲に、表示板177、178、179に表示される画像を投影することができる。
また、表示板177、178、179には、スクリーン174の前方からスクリーン174の中心部Oに向かうように傾斜する傾斜面に沿った画像を表示することができるので、手前側の画像と奥側の画像によって表示される奥行きのある画像を、表示板177、178、179に表示される画像によってさらに奥行きのある画像として表示することができる。このため、視覚効果のより一層高い画像を表示でき、遊技の興趣をより効果的に向上できる。
また、本実施の形態の遊技機1は、スクリーン装置本体170が、スクリーン174の表示領域174Dの外端174pからスクリーン174の前方に向かって延び、かつ、スクリーン174の中心部Oから外側に離れるように傾斜する溝部172d、173d、171bを有し、溝部172d、173d、171bに表示板177、178、179が設けられている。
これにより、溝部172d、173d、171bの傾斜面に沿って表示板177、178、179を設置することができる。このため、表示板177、178、179を、スクリーン174の表示領域174Dの外端174pからスクリーン174の前方に向かって傾斜して延び、かつ、スクリーン174の中心部Oから外側に離れるように傾斜した状態に容易に位置決めして設置できる。
そして、スクリーン174の表示領域174Dに表示される画像の周囲に、表示板177、178、179に表示される画像を投影することができ、この画像を、スクリーン174の前方からスクリーン174の中心部Oに向かうように傾斜する傾斜面に沿った画像として表示することができる。
このため、奥側の画像と手前側の画像によって表示される奥行きのある画像を、表示板177、178、179に表示される画像によってさらに奥行きのある画像として表示することができる。この結果、視覚効果のより一層高い画像を表示でき、遊技の興趣をより効果的に向上できる。
また、本実施の形態の遊技機1は、スクリーン装置本体170が、側板172と、スクリーン174の幅方向において側板172に対向する側板173と、側板172、173の下端部に取付けられた底板171とを有する。
側板172は、スクリーン174の幅方向一端部を支持するガイド部172Aを有し、側板173は、スクリーン174の幅方向他端部を支持するガイド部173Aを有し、底板171は、スクリーン174の下端部を支持する傾斜部171Aを有する。
底板171及び側板172、173に表示板177、178、179が設けられており、表示板177、178、179は、スクリーン174の表示領域174Dの外端174pからスクリーン174の前方に向かって延び、かつ、スクリーン174の中心部Oから外側に離れるように傾斜している。また、表示板177、178、179の後端は、スクリーン174まで延びている。
これにより、スクリーン174に投影される画像の周囲に、表示板177、178、179に投影される画像を連続させることができる。このため、奥側の画像と手前側の画像によって表示される奥行きのある画像を、表示板177、178、179に表示される画像によってさらに奥行きのある画像として表示することができる。これに加えて、スクリーン174に投影される画像と表示板177、178、179に投影される画像を連続させることで、視覚効果のより一層高い画像を表示でき、遊技の興趣をより効果的に向上できる。
なお、本実施の形態のスクリーン174は、透光性部材に反射部174Bを印刷したものから構成されているが、光が透過しない部材に光を透過する穴や透光性部材を一定の間隔で均一に設けたスクリーンから構成してもよく、これに限定されるものでもない。
また、本実施の形態では、手前側の画像表示装置としてスクリーン174を採用しているが、スクリーン174に代えて光透過型の液晶表示装置(いわゆる、透過液晶装置)を手前側の画像表示装置としてもよい。この場合であっても、手前側の透過液晶装置を通して奥側の液晶表示装置164の画像を視認することができるので、視覚効果のより高い画像を表示でき、遊技の興趣を向上できる。
また、本実施の形態では、図42に示すように、反射部174Bがスクリーン174の前面側に印刷されているが、スクリーン174の背面側に印刷されていてもよい。反射部174Bがスクリーン174の背面側に印刷されている場合には、例えばメンテナンスによりスクリーン174の前面を磨く場合等に、印刷が剥がれたり、擦れたりすることがなく、耐久性に優れる。
また、本実施の形態では、光を透過可能なスクリーン174がスクリーン装置本体170に固定されている例について説明したが、これに限らず、光を透過可能なスクリーン174を第1の実施の形態におけるフロントスクリーン機構E1のように変動可能なスクリーンに適用してもよい。
(第3の実施の形態)
図69、図70は、第3の実施の形態に係る遊技機を示す図である。なお、以下においては、第2の実施の形態と同一の構成には同一の番号を付して説明を省略する。
図69、図70に示すように、本実施の形態の保持フレーム176には、プロジェクタ装置B2から照射される画像が投影されるスクリーンとしてマジックミラー180が取付けられている。
マジックミラー180は、ガラス板、アクリル板等の透光性を有する透光性部材181と、透光性部材181の表面(前面)に設けられ、光を透過及び反射させる反射膜182とを備えている。
透光性部材181の外周部には、周方向に亙って保持フレーム176側に折り曲げられた折り曲げ部181Aが形成されている。折り曲げ部181Aは、保持フレーム176の溝部176Aに挿入されており、溝部176Aの内周面に当接している。これにより、マジックミラー180が保持フレーム176に保持される。
反射膜182は、例えば、透光性部材181の表面に錫や銀のメッキや蒸着が施されることにより形成されている。マジックミラー180の反射率は、反射膜182の厚みを調整することにより任意の反射率に設定することができる。
例えば、反射膜182を厚く形成すると、反射光が増大しマジックミラー180の反射率が増大する。一方、反射膜182を薄く形成すると、透過光が増大しマジックミラー180の反射率が減少する。
ここで、遊技者側からマジックミラー180に向かう光は、反射膜182の厚みに応じた反射率で反射する一方で、反射膜182の厚みに応じた透過率でマジックミラー180を透過する。同時に、液晶表示装置164からマジックミラー180に向かう光は、上記と同様の反射率及び透過率で反射及び透過する。
この結果、遊技者に対しては、遊技者側からマジックミラー180で反射された光と、液晶表示装置164側からマジックミラー180を透過した光とを視認させることができる。すなわち、遊技者は、プロジェクタ装置B2からマジックミラー180に投影された画像と、マジックミラー180を透過した液晶表示装置164に表示される画像とを視認可能となる。
マジックミラー180としては、透過率と反射率とが等しく調整された、いわゆるハーフミラーを用いてもよい。また、マジックミラー180の透過率及び反射率は、液晶表示装置164の仕様や遊技機の設置空間に応じて任意の透過率及び反射率に設定可能である。
例えば、遊技機の設置空間が明るい場合には、マジックミラー180の透過率を高く(反射率を低く)して、液晶表示装置164に表示される画像が視認困難とならないようにする。
また逆に、遊技機の設置空間が暗い場合には、マジックミラー180の透過率を低く(反射率を高く)して、マジックミラー180に投影される画像が視認困難とならないようにする。
以上のように、本実施の形態の遊技機1は、スクリーンとしてマジックミラー180が設けられるので、プロジェクタ装置B2によって前方から投影される画像をマジックミラー180で前方に反射させることができる。これにより、遊技機1の前方で遊技を行っている遊技者は、マジックミラー180に表示される画像を視認可能となる。
また、マジックミラー180によって後方の液晶表示装置164の光を前方に透過させることができるので、遊技者は、液晶表示装置164に表示される画像を、マジックミラー180を通して視認可能となる。
このため、遊技者は、手前に設置されたマジックミラー180を通して奥側に設置された液晶表示装置164に表示される画像を視認することができ、奥側の画像と手前側の画像との奥行き(遠近感)を出す表示が可能となる。
例えば、液晶表示装置164に表示される画像を背景画像とし、マジックミラー180に投影される画像を人物画像とした場合には、人物が背景に対して浮いたような画像を表示することが可能となる。この結果、視覚効果の高い画像を表示でき、遊技の興趣を向上できる。
また、マジックミラー180の透過率と反射率との割合を調整し、透過率に対して反射率を低くすることによりマジックミラー180に投影される画像を薄く視認させることや、透過率に対して反射率を高くすることによりマジックミラー180に投影される画像を鮮明に視認させることが可能となる。これにより、奥行きのある画像をより効果的に表示することができる。
一方、本実施の形態の遊技機1は、液晶表示装置164及びマジックミラー180のいずれか一方に表示される画像に対して、液晶表示装置164及びマジックミラー180のいずれか他方に表示される画像をぼかすぼかし処理が実行される。この処理は、図49と同一の処理が実行されるので、詳細な説明は、省略する。
これにより、マジックミラー180を用いて手前側の画像と奥側の画像のぼかしの度合いを変化させることにより、進出色や後退色等の色、あるいは遊技者の中心視野の位置に応じて前後方向の誤認等の錯覚を遊技者に生じさせることが可能となり、視覚効果のより一層高い画像を表示でき、遊技の興趣をより効果的に向上できる。
(第4の実施の形態)
図71は、第4の実施の形態に係る遊技機を示す図である。なお、以下においては、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同一の構成には同一の番号を付して説明を省略する。図71において、キャビネットGには照射ユニットBが設置されている。
図71に示すように、キャビネットGの後方にはプロジェクタ装置B2が設置されており、プロジェクタ装置B2は、プロテクタ装置保持部材219に保持されている。プロテクタ装置保持部材219は、連結部材212によってキャビネットGに取付けられている。
照射ユニットBは、プロジェクタカバー213を備えている。プロジェクタカバー213は、キャビネットGの内部に設置されており、プロジェクタカバー213は、リフレクタ保持部213Aを有する。リフレクタ保持部213Aには光学ミラー166Aを含んだミラー機構166が取付けられている。光学ミラー166Aは、プロジェクタ装置B2から照射された光を前方に反射する。
キャビネットGには、スクリーン215、216が収容されており、スクリーン215、216は、プロジェクタ装置B2の前方において前後方向に並んで設置されている。スクリーン215、216は、例えば、透光性を有するガラス板、アクリル板、樹脂製フィルムを主たる素材として、全面に亘って均等な厚みを有するように形成されている。
スクリーン215、216は、背面側から照射された光を前面側に透過しつつ前面側で拡散させることにより、背面側に投影された画像を前面側から視認可能とする、いわゆるリアスクリーンである。
スクリーン215、216は、非投影時に乳白色、半透明、あるいはグレー色を呈し、投影時に後方から照射される光を拡散する。これにより、遊技者は、前方から画像を視認可能となっている。
本実施の形態のスクリーン215は、本発明のスクリーン及び第1の画像表示装置を構成し、スクリーン216は、本発明のスクリーン及び第2の画像表示装置を構成する。
図71に示すように、スクリーン215、216は、プロジェクタ装置B2から照射される光路217内(図中、斜線で示す領域)において前後方向に重畳するように設置されている。スクリーン215は、プロジェクタ装置B2から照射される光路217のうち、スクリーン216に向かう照射光の光路が遮られることのない位置に設置されている。したがって、本実施の形態では、プロジェクタ装置B2は、スクリーン215、216の両方に対して画像を投影可能である。
また、前方のスクリーン216は、後方のスクリーン215に投影される画像が前方から視認可能なような透過性を有する、例えば透明度の高いものから構成される。
プロジェクタ装置B2から投影される画像としては、例えば、スクリーン215に投影される画像領域において背景画像が、スクリーン216に投影される画像領域においてキャラクタ画像やエフェクト画像となるような画像が生成される。
以上のように、本実施の形態の遊技機1は、プロジェクタ装置B2の前方において前後方向に並んで設置され、プロジェクタ装置B2によって後方から投影される画像を視認可能なスクリーン215、216を備えており、後方に設置されたスクリーン215に表示される画像を前方に設置されたスクリーン216を通して前方から視認可能となっている。
これにより、遊技者は、手前に設置されたスクリーン216を通して奥側に設置されたスクリーン215に表示される画像を視認することができ、奥側の画像と手前側の画像との奥行き(遠近感)を出す表示が可能となる。
例えば、人物が背景に対して浮いたような画像を表示することが可能となる。この結果、視覚効果の高い画像を表示でき、遊技の興趣を向上できる。
一方、本実施の形態の遊技機1は、スクリーン215、216のいずれか一方に表示される画像に対して、スクリーン215、216のいずれか他方に表示される画像をぼかすぼかし処理が実行される。この処理は、図49と同一の処理が実行されるので、詳細な説明は、省略する。
また、本実施の形態の遊技機1は、スクリーン215、216を用いて手前側の画像と奥側の画像のぼかしの度合いを変化させることにより、進出色や後退色等の色、あるいは遊技者の中心視野の位置に応じて前後方向の誤認等の錯覚を遊技者に生じさせることが可能となり、視覚効果のより一層高い画像を表示でき、遊技の興趣をより効果的に向上できる。
なお、スクリーン215、216としては、網戸のような繊維シートを備えた構成であってもよい。この場合には、後方から繊維シートに照射される光を繊維によって拡散させ、前方からスクリーンに表示される画像を視認できる。スクリーン215、216は、後方から照射される光を前方に透過させることで、前方の遊技者が画像を視認できるものであれば、これに限定されるものではない。また、スクリーン215、216は、前後方向に並んで2つ設けられているが、前後方向に並んで3つ以上設けられてもよい。
上述の通り説明した上記第1の実施の形態〜第4の実施の形態は、パチスロ機に限定されるものではなく、パチンコ遊技機に適用されてもよい。
(第5の実施の形態)
図72、図73は、第5の実施の形態に係る遊技機を示す図であり、プロジェクタ装置B2は、第1の実施の形態と同一の構成を有する。本実施の形態は、上述の第4の実施の形態で説明したリアスクリーンの構成をパチンコ遊技機に適用した例である。
図72に示すように、本実施の形態の遊技機551は、遊技媒体としての遊技球が透明な遊技盤552の遊技領域を転動流下することによって遊技を行うことが可能なパチンコ遊技機である。
遊技機551は、遊技球が転動流下可能な遊技盤552と、遊技盤552の背面側に設けられたスクリーン553、554(図73参照)が着脱可能に設けられる本体枠555と、本体枠555の前方(遊技者と対向する側)において本体枠555により回動可能に支持された前枠556と、本体枠555の後方(遊技機の奥行き方向で後方)に設けられたスクリーン553、554、571、572と、スクリーン553、554、571、572を所定位置に保持する保持枠557とを含んで構成されている。本体枠555と保持枠557とは、別体であっても一体であってもよい。
前枠556には、トップ飾り558、右側装飾部材559、左側装飾部材560、透光部材ユニット561、貯留手段562、遊技球を発射するために遊技者によって操作される発射ハンドル563等が設けられている。
本実施の形態のスクリーン571、572は、本発明のスクリーン及び第1の画像表示装置を構成し、スクリーン553、554は、本発明のスクリーン及び第2の画像表示装置を構成する。
遊技機551は、本体枠555に形成された前枠開口部555Aの上側に設けられるトップ飾り558と、前枠開口部555Aの左右に設けられ、発光表示態様を変化させることが可能な右側装飾部材559及び左側装飾部材560とを備えており、遊技機551は、これらトップ飾り558、右側装飾部材559及び左側装飾部材560によって美観を向上できる。
右側装飾部材559及び左側装飾部材560の内方には、図示しないサブ制御基板によって制御される図示しない発光手段、例えば、LED等が設けられている。この場合、発光手段から発せられた光を右側装飾部材559及び左側装飾部材560に照射すると、右側装飾部材559及び左側装飾部材560から美観に優れた、例えば放射光や拡散光等を発生させることができる。これにより、光による表示態様に変化を与えることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
特に、本実施の形態では、右側装飾部材559及び左側装飾部材560と後述する貯留手段562の前面湾曲装飾部材に、赤色レンズ部材を採用し、そのレンズ部材の内面(裏面)は、シボ加工等の表面仕上げが施されている。これにより、LEDからの光が乱反射して面発光させることができ、光による演出効果を向上させて興趣の向上を図ることができる。
本体枠555には、上記前枠開口部555Aに対向した所定位置に、前枠開口部555Aと略同形状を成した図示しない本体枠開口部が設けられており、本体枠555は、遊技盤552と、遊技盤552の背面側に備えられるスクリーン553、554、571、572とを備えて構成されている。
貯留手段562は、前枠556の軸支側の側部、すなわち、左側装飾部材560と一体で前方に向けて膨出状に備えられている。貯留手段562は、遊技球を貯留する貯留域564と、貯留域564から下方に連続して設けられ、遊技球が通過可能な球通路565と、球通路565を通過する遊技球を遊技機551の外部(例えば、ドル箱と称される貯留箱等)に排出可能な排出口566と、貯留手段562を転動する遊技球が視認可能な装飾部材237とを含んで構成されている。
貯留域564は、左側装飾部材560と一体で前方に向けて突出して設けられており、貯留域564は、上面が開放され、かつ遊技球を貯留可能な所定深さの長尺皿状に形成した球貯留部568を有する。
球貯留部568には、上方に設けられた球タンク、又は遊技機551を設置する島設備等から流下してくる遊技球が導入可能である。装飾部材237は、厚肉の透明ドーム状に形成されたレンズ部材で、貯留手段562の側面領域にて、該貯留手段562の内方を流れる遊技球が視認可能なように設けられている。
遊技機551にはキャラクタや演出等に対応した所定形状の装飾部材569が設けられており、この装飾部材569は、例えば、遊技盤552に遊技球を発射する図示しない発射装置の前方に設けられている。これにより、遊技者は、装飾部材569に遮られて発射装置を直視できないようにしている。
図示は省略するが、装飾部材569に透光性を付与し、かつその内面にシボ加工等の表面処理を施すとともに、発光手段を備えるように構成するものとしてもよい。さらに、例えば、遊技球の発射タイミングに合わせて装飾部材569を発光装飾させることにより、遊技の興趣を向上させるようにすることも可能である。
貯留手段562の側面、すなわち、貯留手段562に向かって右側の側面(発射ハンドル563に対向する側の側面)の所定箇所には、不正な方法で出球を獲得する、いわゆるゴト行為を防止するため、CMOSカメラやCCDカメラ等の不正行為防止装置575が設けられている。本実施の形態では、遊技盤552の方向に向けて画像を撮影可能なようにカメラの向きが設定されている。
貯留手段562には球貯留部568に貯留された遊技球を球通路565及び排出口566を介して遊技機551の外部に排出する場合に操作される球抜き取り装置585が設けられている。
図73に示すように、プロジェクタ装置B2は、スクリーン553、554に合わせてそれぞれ1台ずつ設置されている。上方に設置されたプロジェクタ装置B2は、支持フレーム581によって水平姿勢を保つように保持枠557に取付けられており、スクリーン553に向かって後方から遊技に関する画像を投影する。
下方に設置されたプロジェクタ装置B2は、支持フレーム582によって傾くようにして保持枠557に取付けられており、光学ミラー573を通してスクリーン554に向かって後方から遊技に関する画像を投影する。
光学ミラー573は、ミラーホルダ573Aに保持され、保持枠557に傾くようにして設置されており、下方に設置されたプロジェクタ装置B2から照射される光を前方のスクリーン554に反射させる。
スクリーン553、554は、上下方向に並んで設置されており、スクリーン553、554にはそれぞれプロジェクタ装置B2によって後方から遊技に関する画像が投影される。
スクリーン553の後方には、スクリーン553と前後方向に並ぶようにしてスクリーン571が設置されており、スクリーン571には上方に設置されたプロジェクタ装置B2によって後方から遊技に関する画像が投影される。
スクリーン571は、プロジェクタ装置B2からスクリーン553に照射された光路583の下方に位置するように設置されており、取付け部材571Aによって本体枠555に固定されている。これにより、プロジェクタ装置B2からスクリーン553に映像が照射光として投影されるときに、照射光がスクリーン571によって遮られることがない。
スクリーン554の後方には、スクリーン554と前後方向に並ぶようにしてスクリーン572が設置されており、スクリーン572には下方に設置されたプロジェクタ装置B2によって後方から遊技に関する画像が投影される。
スクリーン572は、プロジェクタ装置B2からスクリーン554に照射された光路584の下方に位置するように設置されており、取付け部材572Aによって本体枠555に固定されている。これにより、プロジェクタ装置B2からスクリーン554に映像が照射光として投影されるときに、照射光がスクリーン572によって遮られることがない。
スクリーン553、554、571、572は、透光性を有するガラス板、アクリル板、樹脂製フィルムを主たる素材として、全面に亘って均等な厚みを有するように形成されており、投影時に後方から照射される光を拡散する。これにより、遊技者は、前方から画像を視認可能となっている。
このように、本実施の形態のスクリーン553、554、571、572は、第4の実施の形態と同様に構成される、リアスクリーンである。また、前方のスクリーン553、554は、後方のスクリーン571、572に投影される画像が前方から視認可能なような透過性を有する、例えば透明度の高いものから構成される。
以上のように、本実施の形態の遊技機551は、上方のプロジェクタ装置B2の前方において前後方向に並んで設置され、プロジェクタ装置B2によって後方から投影される画像を前方から視認可能なスクリーン553、571を備えており、後方に設置されたスクリーン571に表示される画像を前方に設置されたスクリーン553を通して前方から視認可能である。
これにより、遊技者は、手前に設置されたスクリーン553を通して奥側に設置されたスクリーン571に表示される画像を視認することができ、奥側の画像と手前側の画像との奥行き(遠近感)を出す表示が可能となる。
さらに、下方のプロジェクタ装置B2の前方において前後方向に並んで設置され、プロジェクタ装置B2によって後方から投影される画像を前方から視認可能なスクリーン554、572を備えており、後方に設置されたスクリーン572に表示される画像を前方に設置されたスクリーン554を通して前方から視認可能である。
これにより、遊技者は、手前に設置されたスクリーン554を通して奥側に設置されたスクリーン572に表示される画像を視認することができ、奥側の画像と手前側の画像との奥行き(遠近感)を出す表示が可能となる。
スクリーン553、571と、スクリーン554、572とのそれぞれに表示される画像の例としては、第4の実施の形態と同様である。したがって、ここでは説明を省略する。
なお、スクリーン553、554、571、572としては、第4の実施の形態と同様、網戸のような繊維シートを備えた構成であってもよい。
また、本実施の形態の遊技機551においては、スクリーンが、上方に設置された一対のスクリーン553、571と、下方に設置された一対のスクリーン554、572とによって構成され、2台のプロジェクタ装置B2が設けられているが、プロジェクタ装置B2を1台設け、上方のスクリーン553、571及び下方のスクリーン554、572のいずれか一方が設けられた構成としてもよい。
また、スクリーンは、上下2段ではなく、上下に3段以上に並んで設けられてもよい。さらに、スクリーン553、554、571、572は、前後方向に並んで2つ設けられているが、前後方向に並んでそれぞれ3つ以上設けられてもよい。
本実施の形態の遊技機551は、いわゆる封入式のパチンコ遊技機であってもよい。
封入式のパチンコ遊技機に本発明を適用する場合、図72に示すように、貯留域564の上方に図示しない蓋部を設ける。蓋部としては、例えば、非透明のドーム状に形成され、貯留手段562の球貯留部568の上方開放領域を覆うように設けられる。
なお、蓋部が透明部材若しくは半透明部材で構成することも可能である。また、蓋部が、透明部材若しくは半透明部材で構成されている場合、図示はしないが、蓋部よりも内方に発光手段を備え、球貯留部568内を転動する遊技球に対して下方や側方等から光を照射し、球貯留部568内や遊技球を発光させる演出をすることも可能である。
あるいは、蓋部の内面等に所定の反射加工処理を施すことも可能である。なお、蓋部の形態は、ドーム形状に限定されるものではない。また、封入式のパチンコ遊技機の場合、遊技球は循環使用されるため、球通路565及び排出口566は不要である。すなわち、貯留域564から直接発射装置に遊技球が循環使用される。なお、本実施の形態の遊技機551は、上述の第4の実施の形態で説明したリアスクリーンの構成をパチンコ遊技機に適用しているが、図74に示すように、パチスロ機に適用してもよい。
図74に示すように、パチスロ機からなる遊技機990は、キャビネット991を備えており、キャビネット991の前面にはスタートレバー992、メダル受け部993及び図示しないストップボタン、最大BETボタン等、パチスロ機の遊技に必要な部品が設置されている。
キャビネット991の前面にはスクリーン994が設けられている。スクリーン994の上部にはスクリーン995が設けられており、スクリーン994とスクリーン995とは上下方向に並んでいる。上方のスクリーン995の後方にはスクリーン996が設けられている。
スクリーン994〜996は、透光性を有するガラス板、アクリル板、樹脂製フィルムを主たる素材として、全面に亘って均等な厚みを有するように形成されており、投影時に後方から照射される光を拡散する。これにより、遊技者は、前方から画像を視認可能となっている。
このように、スクリーン994〜996は、第4の実施の形態と同様に構成されるリアスクリーンである。前方のスクリーン995は、後方のスクリーン996に投影される画像が前方から視認可能なような透過性を有する、例えば透明度の高いものから構成される。
スクリーン994〜996の後方にはプロジェクタ装置B2が設けられており、プロジェクタ装置B2は、図示しない保持部材によってキャビネット991に固定されている。プロジェクタ装置B2は、後方からスクリーン994〜996に向かって画像を照射光として投影する。
プロジェクタ装置B2は、スクリーン994〜996に投影される照射光の光路994A〜996Aが互いに干渉することなく、それぞれのスクリーン994〜996に投影されるように設置されている。
特に、スクリーン996は、スクリーン995に投影される照射光を遮らない位置に設定されている。スクリーン994は、後方にスクリーン等の画像表示装置がないので、スクリーン995よりも透過度の低い、例えば白色のスクリーンで構成されている。これにより、スクリーン994に投影される画像が明るく表示される。
本実施の形態のスクリーン996は、本発明のスクリーン及び第1の画像表示装置を構成し、スクリーン995は、本発明のスクリーン及び第2の画像表示装置を構成する。
以上のように、本実施の形態の遊技機990は、プロジェクタ装置B2の前方において前後方向に並んで設置され、プロジェクタ装置B2によって後方から投影される画像を前方から視認可能なスクリーン995、996と、スクリーン995の下方に設置され、プロジェクタ装置B2によって後方から画像が投影される画像を前方から視認可能なスクリーン994とを有する。
これにより、遊技者は、手前に設置されたスクリーン995を通して奥側に設置されたスクリーン996に表示される画像を視認することができ、奥側の画像と手前側の画像との奥行き(遠近感)を出す表示が可能となる。
なお、スクリーン994〜996としては、第4の実施の形態と同様、網戸のような繊維シートを備えた構成であってもよい。
また、本実施の形態の遊技機990に設けられた表示ユニットは、プロジェクタ装置B2からスクリーン994〜996に直接投影する直接投影タイプから構成されているが、これに限定されるものではない。
例えば、プロジェクタ装置B2の照射光を光学ミラーで反射させてスクリーン994〜996に投影する構成としてもよい。また、遊技機990において、別体のスクリーン994、995が上下方向に並んで設置されているが、スクリーン994、995を一体に構成してもよい。この場合、一体のスクリーンの上部(スクリーン994に相当する部分)と下部(スクリーン995に相当する部分)とでスクリーンの透明度を代えてもよい。例えば、一体のスクリーンの上部を透明度の高い構成とし、下部を透明度の低い構成とすることにより、上部では後方のスクリーン996を視認可能とし、下部では後方を視認困難として明るい画像を表示できる。
(第6の実施の形態)
図75〜図88は、第6の実施の形態に係る遊技機を示す図であり、プロジェクタ装置B2は、第1の実施の形態と同一の構成を有する。本実施の形態は、スクリーン及び液晶表示装置をパチンコ遊技機に適用した例である。
<パチンコ遊技機の構造>
まず、図75〜図77に示すように、遊技機311は、遊技盤312と、本体313と、本体313に対して開閉自在に取付けられたベースドア314と、ベースドア314に対して開閉自在に取付けられたガラスドア315と、皿ユニット316と、発射装置317と、払出装置318と、基板ユニット319とを備える。
[本体]
本体313は、長方形状の開口313aを有する枠状部材で構成される(図77参照)。この本体313は、例えば、木材等の材料により形成される。本実施の形態に係る遊技機311は、本体313を介して島設備(図示略)に取付けられている。
[ベースドア]
ベースドア314は、本体313の外形形状と略等しい長方形の外形形状を有する板状部材で構成される。ベースドア314は、本体313の前方(パチンコ遊技機の正面側)に配置されており、本体枠ヒンジ313bを介して本体313に回動可能に支持されている。すなわち、ベースドア314を本体313の一方(本実施の形態では正面から見て左方)の側辺端部に設けられた本体枠ヒンジ313bを軸にして回動させることにより、本体313の開口313aが開閉される。ベースドア314には、図77に示すように、四角形状の開口314aが設けられる。この開口314aは、ベースドア314の略中央部から上側の領域にわたって形成され、該領域の大部分を占有する大きさで形成される。
ベースドア314には、遊技盤312と、液晶表示装置320と、皿ユニット316と、発射装置317と、払出装置318と、基板ユニット319とが取付けられる。
遊技盤312は、板形状の樹脂部材で構成されており、遊技盤312は、後述するガラスドア315の保護ガラス331の後方に位置し、ベースドア314の開口314aを覆うように配置される。
遊技盤312の前面(遊技機311の正面側の表面)には、発射装置317から発射された遊技球が転動する遊技領域312aが形成される。この遊技領域312aは、ガイドレール321(具体的には後述の図78に示す外レール321a)に囲まれた領域であり、その外周形状は略円状である。さらに、遊技領域312aには、複数の遊技釘361(一部図示略)が打ちこまれている。なお、遊技盤312(遊技領域312a)の構成については、図78等を参照して後述する。
液晶表示装置320は、遊技盤312の背面側(遊技機311の正面側とは反対側)に取付けられる。液晶表示装置320は、画像を表示する表示領域320aを有する。表示領域320aは、遊技盤312(遊技領域312a)の表面の一部の領域を占めるような大きさに設定されている。表示領域320aは、電源オフの状態で画像を表示しない場合、一様に黒色あるいは灰色の画面を形成する。
なお、表示領域320aの大きさは、遊技盤312(遊技領域312a)の表面全体を占めるような大きさに設定されていてもよい。表示領域320aには、演出用の識別図柄(例えば数字を示す画像)、演出画像(例えばキャラクタや背景を示す画像)、装飾用画像(例えば装飾図柄を示す画像)等の各種画像が表示される。遊技者は、遊技盤312を介して液晶表示装置320の表示領域320aに表示された各種画像を視認することができる。
以下においては、液晶表示装置320の液晶駆動によって表示領域320aに表示される画像を液晶画像という場合がある。
なお、本実施の形態では、液晶表示装置320を用いているが、本発明はこれに限定されず、表示装置としては、例えば、プラズマディスプレイ、プロジェクションディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等を適用してもよい。
皿ユニット316は、遊技盤312の下方に配置される。皿ユニット316は、上皿323と、その下方に配置された下皿324とを有する。上皿323及び下皿324には、図75及び図77に示すように、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための払出口323a及び供給口324aがそれぞれ形成される。所定の払出条件が成立した場合には、払出口323a及び供給口324aから遊技球が排出され、それぞれ、上皿323及び下皿324に貯留される。また、上皿323に貯留された遊技球は、発射装置317によって遊技領域312aに発射される。
図75において、皿ユニット316には、演出ボタン325が設けられる。この演出ボタン325は、上皿323上に取付けられる。本実施の形態の遊技機311は、演出ボタン325を用いて所定の操作演出を行う機能を有し、所定の操作演出を行う場合には、液晶表示装置320の表示領域320aに、演出ボタン325の操作を促す画像が表示される。また、遊技に伴う画像の表示とは別に、遊技履歴や個人の遊技データを表示させるためのメニュー画面を操作するための選択ボタン326や選択した内容を確定させる決定ボタン327を備えている。
発射装置317は、ベースドア314の前面において、右下の領域(右下角部付近)に配置される。発射装置317は、遊技者によって操作可能な発射ハンドル329を備え、発射ハンドル329は、回動可能に支持される。
図75〜図77には示さないが、発射装置317には、遊技球の発射動作を制御するソレノイドアクチュエータ(発射駆動装置)が設けられる。また、図75〜図77には示さないが、発射ハンドル329の周縁部には、タッチセンサが設けられ、発射ハンドル329の内部には、発射ボリュームが設けられる。発射ボリュームは、発射ハンドル329の回動量に応じて抵抗値を変化させ、ソレノイドアクチュエータに供給する電力を変化させる。
なお、本実施の形態において、発射操作の制御にあっては、主制御回路370(図82参照)に接続されている払出・発射制御回路380(図82参照)が行う。発射装置317の内部には、発射ハンドル329を、常時、反時計回り方向に弾性的に付勢するためのバネ部材(図示略)が設けられている。遊技者は、このバネ部材の弾性に抗して発射ハンドル329を時計回り方向に回動操作することにより遊技球を発射させる。また、遊技者が遊技を中断して発射ハンドル329から手を離すと、発射ハンドル329は、バネ部材の弾性によって開始時点位置に戻される。これにより、遊技球の発射が停止される。
本実施の形態の遊技機311では、遊技者の手が発射ハンドル329のタッチセンサに接触すると、タッチセンサは検知信号を出力する。これにより、遊技者が発射ハンドル329を握持したことが検知され、ソレノイドアクチュエータによる遊技球の発射が可能になる。そして、遊技者が発射ハンドル329を把持して時計回り(遊技者側から見て右回り)の方向へ回動操作すると、発射ハンドル329の回動角度に応じて発射ボリュームの抵抗値が変化し、その抵抗値に対応する電力がソレノイドアクチュエータに供給される。その結果、上皿323に貯留された遊技球が順次発射され、発射された遊技球は、ガイドレール321(図78参照)に沿って案内されつつ遊技盤312の遊技領域312aに放出される。
払出装置318及び基板ユニット319は、ベースドア314の背面側に配置される。払出装置318には、図示しない貯留ユニットから遊技球が供給される。払出装置318は、貯留ユニットから供給された遊技球の中から、払出条件の成立に基づいて、所定個数の遊技球を上皿323又は下皿324に払い出す。基板ユニット319は、各種制御基板を有する。各種制御基板には、後述する主制御回路370や副制御回路371(図82参照)等が設けられる。
[ガラスドア]
図77において、ガラスドア315は、表面が略四角形状の板状部材で構成される。また、ガラスドア315は、遊技盤312の前面側に配置され、遊技盤312を覆う大きさを有する。ガラスドア315の上部(上端部付近)には、一対のスピーカ328が配置される。ガラスドア315の前面において、スピーカ328と対向する上部領域には、スピーカカバー330が設けられる。
図75において、ガラスドア315の中央部において、遊技盤312の遊技領域312aと対向する領域には、少なくとも遊技領域312aを露出させるような大きさの開口315aが形成される。この開口315aは、光透過性を有する保護ガラス331が取付けられる。これにより、ガラスドア315の開口315aが塞がれる。したがって、ガラスドア315をベースドア314に対して閉じると、保護ガラス331は、遊技盤312の少なくとも遊技領域312aに対面するように配置される。
また、ガラスドア315の前面における上部領域には、上部装飾ユニット332が設けられている。上部装飾ユニット332は、遊技機311の前方に突出するように配置されている。上部装飾ユニット332の内部は、空洞に形成されており、この空洞には、照射ユニットB(図79参照)が収容される。なお、照射ユニットBの構成は、第1の実施の形態と同一であり、照射ユニットBは、図79に示すように、プロジェクタカバーB1、プロジェクタ装置B2及び光学ミラーB3を備えている。
図76に示すように、ガラスドア315の背面側には、フレーム部材315bが設けられており、スピーカ328及び照射ユニットBは、フレーム部材315bの上部に取付けられる。
上部装飾ユニット332には、右側及び左側にそれぞれスピーカカバー330が設けられている。スピーカカバー330は、メッシュ状の開口として形成されている。スピーカカバー330は、スピーカ328の前方を覆っており、スピーカ328から発生した音は、スピーカカバー330を通じて外部に放出される。
[遊技盤]
次に、遊技盤312の構成について、図78を参照して説明する。図78は、遊技盤312の構成を示す正面図である。
遊技盤312の前面には、図78に示すように、ガイドレール321と、球通過検出器(ゲート)333と、第1の始動口334と、第2の始動口335と、普通電動役物336とが設けられる。また、遊技盤312の前面には、一般入賞口337、338と、第1の大入賞口339と、第2の大入賞口340と、アウト口341と、複数の遊技釘361とが設けられる。さらに、遊技盤312の前面において、その略中央に配置された液晶表示装置320の表示領域320aの上部には、特別図柄表示装置342と、普通図柄表示装置343と、普通図柄保留表示装置344と、第1の特別図柄保留表示装置345と、第2の特別図柄保留表示装置346とが設けられる。
遊技盤312の前面において、遊技領域312aの周縁近傍の各部には、発光可能な複数の装飾部材347A、347B、347Cが設けられる。遊技盤312の前面において、遊技者側から見て、表示領域320aの下部にあって第1の始動口334の左側には、遊技盤312(遊技領域312a)に設けられた開口312bを通じてリール役物348が視認可能に設けられる。さらに、遊技者側から見て、遊技盤312の背面における上部領域の右側には、剣を模した可動役物349が表示領域320aと重なる位置まで動作可能に設けられる。
なお、図78には示さないが、遊技盤312の前面には、演出用7セグカウンタも設けられる。演出用7セグカウンタは、二桁の数字や2つの英字を表示可能な表示カウンタで構成される。また、本実施の形態では、特別図柄の停止表示の結果が「大当り」である場合に点灯する報知LED(Light Emitting Diode)や、大当り遊技中のラウンド数を表示するラウンド数表示LED等を設けてもよい。
[遊技領域の各種構成部材]
ガイドレール321は、遊技領域312aを区画する円弧状に延在した外レール321aと、この外レール321aの内側(内周側)に配置された、円弧状に延在した内レール321bとで構成される。遊技領域312aは、外レール321aの内側に形成される。外レール321a及び内レール321bは、遊技者側から見て、遊技領域312aの左側端部付近において互いに対向するように配置され、これにより、外レール321aと内レール321bとの間に、発射装置317によって発射された遊技球を遊技領域312aの上部へ案内するガイド経路321cが形成される。
また、遊技領域312aの左側上部に位置する内レール321bの先端部には、内レール321bの先端部と、それと対向する外レール321aの一部とにより、球放出口321dが形成される。そして、内レール321bの先端部には、球放出口321dを塞ぐようにして、球戻り防止片350が設けられる。この球戻り防止片350は、球放出口321dから遊技領域312aに放出された遊技球が、再び球放出口321dを通過してガイド経路321cに進入することを防止する。
ところで、近年、ゴト防止や遊技機の故障を早期に把握するため、遊技に用いられた球数と大当たりや小当たり等役物の作動により払出された球数、普通入賞口への入賞により払出された球数、アウト口に入った球数や、それらの値から算出されるベース値(発射球数に対する払出球数の割合)をより主制御回路370において、正確に把握すべきとの課題がある。
ここで、遊技者が発射ボリュームを弱く設定した場合(発射ハンドル329を開始時点位置からそれほど回さなかった場合)は、発射装置317による発射力が弱く、発射された遊技球が遊技領域312aに到達せずに、発射装置317に戻ってしまう場合がある。このため、発射装置317から発射された球数をカウントするだけでは戻ってしまう遊技球を二重にカウントしてしまうおそれがあるため、遊技に用いられた球数を正確に把握することが困難である。
そこで、遊技領域312aへ打ち出された球数を正確に把握するために、内レール321bの先端部周辺に遊技球検出センサ(不図示)を設け、球戻り防止片350を通過して、遊技領域312aに打ち出された球数をカウント可能な構成としてもよい。
遊技球検出センサの設置箇所としては、遊技領域312aに打ち出された直後の遊技球、又は遊技領域312aに打ち出される直前であって、ここまで到達すれば遊技球が戻る可能性の略ない位置を通過した遊技球を検出できる位置であればよく、内レール321bの先端部でも、球戻り防止片350自体に取り付けてもよく、外レール321aに取り付けてもよい。
また、当該遊技球検出センサは、遊技盤312そのものに取り付けてもよく、また複数設けられていてもよい。本体313に、遊技領域312aに発射された遊技球を検出するセンサも併せて設けてもよい。
払出された球数は、後述の賞球ケースユニット381に備えられた第1の計数スイッチ389a及び第2の計数スイッチ389bによって検出された球数を、遊技者に実際に払出された球数として把握してもよいし、主制御回路370や払出・発射制御回路380で払出を行うべきコマンドが実行された賞球数をそのまま払出された球数として把握してもよい。
大当たり確率が低確率状態(非確変状態)であり、かつ、非時短状態で遊技領域312aに発射された球数を「A」と、払出された球数を「B」とした場合、上記ベース値(%)は、B÷A×100で求めることが可能となる。
例えば、20000発が遊技領域312aに発射され、10000発が払出された場合のベース値は、10000発÷20000発×100=50%となる。
求められたベース値を、ホール管理者等が確認できるように、主制御回路370を搭載した基板に4桁以上の7セグメントを配置して、ベース値を確認できるようにすることが望ましい。
なお、発射球数が少ない場合は、サンプル数が少なく統計的な信頼度が低いため、当該ベース値の7セグメントによる表示を発射球数が多いときと異なる表示態様として、参考値である旨を把握できるようにするとよい。
例えば、ホール設置から遊技領域312aに発射された球数が18000発等所定の規定数まではベース値の表示を点滅とし、それ以降は点灯とするとよい。さらに、後述の外部端子板384によりベース値の情報を外部信号としてホール側の遊技機管理用コンピュータに出力する構成とすると、さらにホール管理者による遊技機の状態把握が容易となるため望ましい。
球放出口321dから放出された遊技球は、遊技領域312aの上部から下部に向かって流下する。この際、遊技球は、複数の遊技釘361、第1の始動口334、第2の始動口335等の遊技領域312aに設けられた各種部材に衝突して、その進行方向を変えながら遊技領域312aの上部から下部に向かって流下する。
遊技領域312aの略中央には、液晶表示装置320の表示領域320aが設けられる。この表示領域320aの上端には、障害物320bが設けられる。障害物320bを設けることにより、遊技球は、遊技領域312a内の表示領域320aと重なる領域上を通過しない。
球通過検出器333は、遊技者側から見て、表示領域320aの右側端部付近に配置される。球通過検出器333には、通過する遊技球を検出するための通過球センサ333a(図82参照)が設けられる。また、球通過検出器333を遊技球が通過することにより、「当り」か否かの抽選が行われ、この該抽選の結果に基づいて普通図柄の変動表示が開始される。
第1の始動口334は、表示領域320aの下方に配置され、第2の始動口335は、第1の始動口334の下方に配置される。第1の始動口334及び第2の始動口335は、遊技球を受け入れ可能な部材で構成される。以下、遊技球が第1の始動口334又は第2の始動口335に入ること又は流入し通過することを「入賞」という。
そして、遊技球が第1の始動口334又は第2の始動口335に入賞すると、第1の所定数(例えば3個)の遊技球が払い出される。また、第1の始動口334に遊技球が入球することにより、「大当り」及び「小当り」のいずれかであるか否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。さらに、第2の始動口335に遊技球が入球することにより、「大当り」及び「小当り」のいずれかであるか否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。
第1の始動口334には、第1の始動口334に入賞した遊技球を検出するための第1の始動口入賞球センサ334a(図82参照)が設けられる。また、第2の始動口335には、これに入賞した遊技球を検出するための第2の始動口入賞球センサ335a(図82参照)が設けられる。なお、第1の始動口334及び第2の始動口335に入賞した遊技球は、遊技盤312に設けられたアウト口341を通過して遊技球の回収部に搬送される。
普通電動役物336は、第2の始動口335に設けられる。普通電動役物336は、第2の始動口335の両側に回動可能に取付けられた一対の羽根部材と、一対の羽根部材を駆動させる普通電動役物ソレノイド336a(図82参照)とを有する。この普通電動役物336は、普通電動役物ソレノイド336aにより駆動され、一対の羽根部材を拡げて第2の始動口335に遊技球を入賞し易くする開放状態、及び、一対の羽根部材を閉じて第2の始動口335に遊技球を入賞不可能にする閉鎖状態の一方の状態を発生させる。なお、本実施の形態では、普通電動役物336が閉鎖状態である場合、一対の羽根部材の開口形態を、入賞不可能にする形態でなく、遊技球の入賞が困難になるような形態にしてもよい。
一般入賞口337、338は、遊技領域下部付近に配置される。一般入賞口337、338は、遊技球を受け入れ可能な部材で構成される。以下では、遊技球が一般入賞口337、338に入ること又は流入して通過することもまた、「入賞」という。一般入賞口337、338に遊技球が入賞すると、第2の所定数(例えば10個)の遊技球が払い出される。一般入賞口337、338には、これに入賞した遊技球を検出するための一般入賞球センサ337a、338a(図82参照)が設けられる。
第1の大入賞口339及び第2の大入賞口340は、球通過検出器333の下方で、かつ、第1の始動口334と一般入賞口338との間に配置される。そして、第1の大入賞口339及び第2の大入賞口340は、遊技球の流路に沿って上下方向に配置され、第1の大入賞口339は、第2の大入賞口340の上方に配置される。第1の大入賞口339及び第2の大入賞口340は、ともに、いわゆるアタッカー式の開閉装置であり、開閉可能なシャッタ339a及び340aと、シャッタを駆動させる第1の大入賞口ソレノイド339b及び第2の大入賞口ソレノイド340b(図82参照)とを有する。
第1の大入賞口339及び第2の大入賞口340のそれぞれは、対応するシャッタが開いている状態(開放状態)のときに遊技球を受け入れ、シャッタが閉じている状態(閉鎖状態)のときには遊技球を受け入れない。以下では、遊技球が第1の大入賞口339又は第2の大入賞口340に入ること又は流入し通過することもまた、「入賞」という。第1の大入賞口339に遊技球が入賞すると、第3の所定数球(本実施の形態では15個)の遊技球が払い出される。一方、第2の大入賞口340に遊技球が入賞すると、第4の所定数球(本実施の形態では15個)の遊技球が払い出される。
また、第1の大入賞口339には、第1の大入賞口339に入賞した遊技球を計数するためのカウントセンサ339c(図82参照)が設けられる。さらに、第2の大入賞口340には、第2の大入賞口340に入賞した遊技球を計数するためのカウントセンサ340c(図82参照)が設けられる。
アウト口341は、遊技領域312aの最下部に設けられる。このアウト口341は、第1の始動口334、第2の始動口335、一般入賞口337、338、第1の大入賞口339及び第2の大入賞口340のいずれにも入賞しなかった遊技球を受け入れる。
本実施の形態の遊技領域312aにおける各種構成部材の配置を図78に示すような配置にすると、遊技者により遊技領域312aの右側の領域に遊技球が打ち込まれた場合(右打ちされた場合)、遊技釘361等により遊技球が第2の始動口335に誘導される。この場合、第1の始動口334に入賞する可能性はほとんどなくなる。なお、本実施の形態では、第2の始動口335に入賞した方が、第1の始動口334に入賞した場合より、遊技者にとって有利な抽選を受け易くなる。それゆえ、第2の始動口335への入賞が比較的容易になるいわゆる時短遊技状態では、右打ちを行うことにより、第2の始動口335への入賞の可能性が高まり相対的に有価価値が得やすい状態となる。
[特別図柄表示装置]
特別図柄表示装置342は、図78に示すように、液晶表示装置320の表示領域320aの上部の略中央に配置される。
特別図柄表示装置342は特別図柄ゲームにおいて、特別図柄を可変表示(変動表示及び停止表示)する表示装置である。本実施の形態では、図78に示すように、特別図柄を数字や記号等からなる図柄で表示する装置により特別図柄表示装置342を構成する。なお、本発明はこれに限定されず、特別図柄表示装置342を、例えば、複数のLEDにより構成してもよい。この場合には、複数のLEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを特別図柄として表す。
特別図柄表示装置342は、遊技球が第1の始動口334又は第2の始動口335に入賞したこと(特別図柄始動入賞)を契機に、特別図柄の変動表示を行う。そして、特別図柄表示装置342は、所定時間、特別図柄の変動表示を行った後、特別図柄の停止表示を行う。以下では、遊技球が第1の始動口334に入賞したときに、特別図柄表示装置342において変動表示される特別図柄を、第1の特別図柄という。また、遊技球が第2の始動口335に入賞したときに、特別図柄表示装置342において変動表示される特別図柄を、第2の特別図柄という。
特別図柄表示装置342において、停止表示された第1の特別図柄又は第2の特別図柄が特定の態様(「大当り」の態様)である場合には、遊技状態が、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である大当り遊技状態に移行する。すなわち、特別図柄表示装置342において、第1の特別図柄又は第2の特別図柄が大当り遊技状態に移行する態様で停止表示されることが、「大当り」である。
大当り遊技状態では、第1の大入賞口339又は第2の大入賞口340が開放状態になる。具体的に、本実施の形態では、遊技球が第1の始動口334に入賞し、特別図柄表示装置342において第1の特別図柄が特定の態様で停止表示された場合には、第1の大入賞口339が開放状態となる。一方、遊技球が第2の始動口335に入賞し、特別図柄表示装置342において第2の特別図柄が特定の態様で停止表示された場合には、第2の大入賞口340が開放状態となる。
第1の大入賞口339及び第2の大入賞口340それぞれの開放状態は、遊技球が所定個数入賞するまで、又は、一定期間(例えば28sec)が経過するまで維持される。そして、各大入賞口の開放状態の経過期間が、このいずれかの条件を満たすと、開放状態であった大入賞口が閉鎖状態になる。
第1の大入賞口339又は第2の大入賞口340が遊技球を受け入れやすい状態(開放状態)となっている遊技をラウンドゲームという。ラウンドゲーム間は、大入賞口が閉鎖状態となる。また、ラウンドゲームは、1ラウンド、2ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、1回目のラウンドゲームを第1ラウンド、2回目のラウンドゲームを第2ラウンドと称する。
なお、特別図柄表示装置342において、停止表示された特別図柄が特定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、転落抽選に当選した場合を除き遊技状態は移行しない。すなわち、特別図柄ゲームは、特別図柄表示装置342により、特別図柄が変動表示され、その後、特別図柄が停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームである。
また、本実施の形態の遊技機311で第1の特別図柄又は第2の特別図柄の変動表示中に遊技球が第1の始動口334に入賞した場合、この入賞に対応する第1の特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。そして、現在、変動表示中の第1の特別図柄又は第2の特別図柄が停止表示されると、保留されていた第1の特別図柄の変動表示が開始される。本実施の形態では、保留される第1の特別図柄の可変表示の数(いわゆる、「保留個数(保留球の個数)」)を、最大4回(個)に規定する。
さらに、本実施の形態では、第1の特別図柄又は第2の特別図柄の変動表示中に遊技球が第2の始動口335に入賞した場合、該入賞に対応する第2の特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。そして、現在、変動表示中の第1の特別図柄又は第2の特別図柄が停止表示されると、保留されていた第2の特別図柄の変動表示が開始される。本実施の形態では、保留される第2の特別図柄の可変表示の数(保留個数)を、最大4回(個)に規定する。したがって、本実施の形態では、特別図柄の可変表示の保留個数は、合わせて最大8個となる。
また、本実施の形態では、第1の特別図柄の保留球及び第2の特別図柄の保留球が混在した場合、一方の特別図柄の変動表示を、他方の特別図柄の変動表示よりも優先的に実行する。なお、本発明はこれに限定されず、第1の特別図柄の保留球及び第2の特別図柄の保留球が混在した場合、保留された順番に特別図柄の変動表示を実行するようにしてもよい。
[普通図柄表示装置]
普通図柄表示装置343は、図78に示すように、液晶表示装置320の表示領域320aの上部の略中央に配置される。そして、本実施の形態では、普通図柄表示装置343は、遊技者側から見て、特別図柄表示装置342の右側に配置される。
普通図柄表示装置343は、普通図柄ゲームにおいて、普通図柄を可変表示(変動表示及び停止表示)する表示装置である。本実施の形態では、図78に示すように、普通図柄表示装置343を、上下方向に配列された2つのLED(普通図柄表示LED)により構成する。そして、普通図柄表示装置343では、各普通図柄表示LEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを普通図柄として表す。
普通図柄表示装置343は、遊技球が球通過検出器333を通過したことを契機に、2つの普通図柄表示LEDを交互に点灯・消灯して、普通図柄の変動表示を行う。そして、普通図柄表示装置343は、所定時間、普通図柄の変動表示を行った後、普通図柄の停止表示を行う。
普通図柄表示装置343において、停止表示された普通図柄が所定の態様(「当り」の態様)である場合には、普通電動役物336が所定の期間だけ閉鎖状態から開放状態になる。
一方、停止表示された普通図柄が所定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、普通電動役物336は閉鎖状態を維持する。すなわち、普通図柄ゲームは、普通図柄表示装置343により、普通図柄が変動表示されて、その後、普通図柄が停止表示され、その結果に応じて普通電動役物336が動作するゲームである。
なお、普通図柄の変動表示中に遊技球が球通過検出器333を通過した場合には、普通図柄の可変表示が保留される。そして、現在、変動表示中の普通図柄が停止表示されると、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。本実施の形態では、保留される普通図柄の可変表示の数(すなわち、「保留個数」)を、最大4回(個)に規定する。
[普通図柄保留表示装置]
普通図柄保留表示装置344は、図78に示すように、液晶表示装置320の表示領域320aの上部の略中央に配置される。そして、本実施の形態では、普通図柄保留表示装置344は、普通図柄表示装置343の下方に配置される。
普通図柄保留表示装置344は、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する装置である。本実施の形態では、図78に示すように、普通図柄保留表示装置344を、左右方向に配列された4つのLED(普通図柄保留表示LED)により構成する。そして、普通図柄保留表示装置344では、各普通図柄保留表示LEDの点灯・消灯により、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する。
具体的には、普通図柄の可変表示の保留個数が1個である場合、遊技者側から見て、最も左側に位置する普通図柄保留表示LED(左から1つ目の普通図柄保留表示LED)が点灯し、その他の普通図柄保留表示LEDが消灯する。普通図柄の可変表示の保留個数が2個の場合には、左から1つ目及び2つ目の普通図柄保留表示LEDが点灯し、その他の普通図柄保留表示LEDが消灯する。普通図柄の可変表示の保留個数が3個の場合は、左から1つ目〜3つ目の普通図柄保留表示LEDが点灯し、その他の普通図柄保留表示LEDが消灯する。そして、普通図柄の可変表示の保留個数が4個の場合には、全ての普通図柄保留表示LEDが点灯する。
[第1の特別図柄保留表示装置]
第1の特別図柄保留表示装置345は、図78に示すように、液晶表示装置320の表示領域320aの上部において、遊技者側から見て、特別図柄表示装置342の左側に配置される。
第1の特別図柄保留表示装置345は、左右方向に配列された4つのLED(第1の特別図柄保留表示LED)を有する。なお、第1の特別図柄保留表示装置345の表示態様は、普通図柄保留表示装置344の表示態様と同様である。すなわち、第1の特別図柄の可変表示が保留されている場合には、遊技者側から見て、最も左側に位置する第1の特別図柄保留表示LEDから保留個数目までの第1の特別図柄保留表示LEDが点灯する。
[第2の特別図柄保留表示装置]
第2の特別図柄保留表示装置346は、図78に示すように、液晶表示装置320の表示領域320aの上部において、遊技者側から見て、特別図柄表示装置342の左側にあって特別図柄表示装置342と第1の特別図柄保留表示装置345との間に配置される。
第2の特別図柄保留表示装置346は、左右方向に配列された4つのLED(第2の特別図柄保留表示LED)を有する。なお、第2の特別図柄保留表示装置346の表示態様は、普通図柄保留表示装置344の表示態様と同様である。すなわち、第2の特別図柄の可変表示が保留されている場合には、遊技者側から見て、最も左側に位置する第2の特別図柄保留表示LEDから保留個数目までの第2の特別図柄保留表示LEDが点灯する。
[液晶表示装置]
液晶表示装置320は、その表示領域320aにおいて各種の演出画像(液晶画像)を表示する。具体的に、本実施の形態では、特別図柄表示装置342に表示される特別図柄と関連する演出画像が表示領域320aに表示される。この際、例えば、特別図柄表示装置342において特別図柄が変動表示中であるときには、特定の場合を除いて、例えば演出画像として、1〜8までの数字や各種文字等からなる複数の演出用識別図柄(装飾図柄)が表示領域320aに変動表示可能である。そして、特別図柄表示装置342において特別図柄が停止表示されると、表示領域320aにも、特別図柄に対応する複数の装飾図柄(後述の大当り図柄等)が停止表示される。
なお、本実施の形態の遊技機311にあっては、後述するように液晶表示装置320の前方にスクリーン174が設けられ、スクリーン174に演出画像として、1〜8までの数字や各種文字等からなる複数の演出用識別図柄(装飾図柄)を変動表示可能である。
そして、特別図柄表示装置342において停止表示された特別図柄が特定の態様である(停止表示の結果が「大当り」である)場合には、「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出画像が表示領域320aに表示される。「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出としては、例えば、まず、停止表示された複数の装飾図柄が特定の態様(例えば、同一の装飾図柄が所定の方向に沿って並ぶ態様)となり、その後、「大当り」を報知する画像を表示するような演出が挙げられる。
[装飾部材]
装飾部材347A、347B、347Cは、それぞれ透光性を有するカバー部材(図示略)と、カバー部材の背面側に設けられたLED(図示略)とを有し、カバー部材を通してLEDの光を遊技盤312(遊技領域312a)の前方に向けて放出する。装飾部材347Aは、遊技者側から見て、表示領域320aの右側に設けられる。装飾部材347Bは、遊技者側から見て、表示領域320aの左側にあって装飾部材347Aよりも若干下方に設けられる。2つの装飾部材347Cは、遊技者側から見て、表示領域320aの下側にあって第2の始動口335の左右両側に設けられる。装飾部材347A、347B、347CのLEDは、ランプ・LED群391(図82参照)に属し、演出として、発光や点滅、消灯、あるいは輝度が増減変化するように制御される。これにより、装飾部材347A、347B、347Cは、光の演出効果を向上させる。
[可動役物]
図78に示すように、可動役物349は、待機状態(非動作状態)において遊技者側から見て隠れるように全体が上部装飾ユニット332の背面側に位置し、出現状態においては、一部(剣部分)が表示領域320aの一部と重なる位置(図78の実線の位置)へと移動するように構成されている。
これにより、可動役物349は、表示領域320aに表示された演出画像と被るように所定の演出動作を行う。可動役物349は、剣部分を構成する装飾部349Aと、装飾部349Aを駆動するための駆動部349Bとを有して構成される。上部装飾ユニット332を取り付けられた状態で、可動役物349が上部装飾ユニット332よって実際には視認し得ない。駆動部349Bは、駆動ギヤ351Bと、駆動ギヤ351Bを両方向に回転させるためのモータ351Aとを有する。駆動ギヤ351Bは、装飾部349Aの基部に形成された従動ギヤ349aと噛み合っており、モータ351Aが回転すると、駆動ギヤ351Bが従動ギヤ349aを回転させることにより、装飾部349Aを可動する。
プロジェクタ装置B2は、プロジェクタカバーB1の上部の内側面に取り付けられる。プロジェクタ装置B2は、取り付け姿勢や角度を任意に調整可能に取り付けられる。図80に示すように、プロジェクタ装置B2は、図示しない光源から映像をなすように出射された照射光を前方の光学ミラーB3に向けて出射する。
光学ミラーB3は、プロジェクタカバーB1の前部の内側面に取り付けられる。光学ミラーB3は、取り付け姿勢や角度を任意に調整可能に取り付けられる。図80に示すように、光学ミラーB3は、プロジェクタ装置B2からの照射光を表示領域320aや遊技領域312aに向けて反射する。
図80(A)に示すように、プロジェクタ装置B2から出射して光学ミラーB3で反射した照射光は、最上部の装飾部材347A、中央部の装飾部材347B、及び最下部の装飾部材347Cに達する。プロジェクタ装置B2から装飾部材347Aへと進む照射光の投射距離をLa、プロジェクタ装置B2から装飾部材347Bへと進む照射光の投射距離をLb、プロジェクタ装置B2から装飾部材347Cへと進む照射光の投射距離をLcとすると、La<Lb<Lcとなる。
また、プロジェクタ装置B2から装飾部材347Aへと進む照射光の垂直軸Yに対する投射角度をθ1、プロジェクタ装置B2から装飾部材347Bへと進む照射光の垂直軸Yに対する投射角度をθ2、及びプロジェクタ装置B2から装飾部材347Cへと進む照射光の垂直軸Yに対する投射角度をθ3とすると、θ3<θ2<θ1となっている。
また、図80(B)に示すように、プロジェクタ装置B2から装飾部材347Aへと進む照射光の光軸Zに対する投射角度をα、プロジェクタ装置B2から装飾部材347Bへと進む照射光の光軸Zに対する投射角度をβ、及びプロジェクタ装置B2から装飾部材347Cへと進む照射光の光軸Zに対する投射角度をγとすると、α≒β<γとなっている。
プロジェクタ装置B2からの照射光は、投射距離が長くなるほど遊技盤312の前面(概ね鉛直面)に対する入射角が大きくなり、同じ光度でも見かけ上の照射面積が大きくなるので、輝度が低下する傾向となる。これにより、照射光の輝度は、投射距離La、Lb、Lcのみについて考慮すると、最上部の装飾部材347A、中央部の装飾部材347B、及び最下部の装飾部材347Cの順に照射光の輝度が大きい傾向となる。
また、プロジェクタ装置B2からの照射光は、垂直軸Yに対する投射角度や光軸Zに対する投射角度が大きくなることによっても見かけ上の照射面積が大きくなるので、輝度が低下する傾向となる。これにより、照射光の輝度は、投射角度θ1〜θ3、α,β,γについて総合的に考慮すると、例えば、最上部の装飾部材347A、中央部の装飾部材347B、及び最下部の装飾部材347Cの順に照射光の輝度が大きい傾向となる。
図81に示すように、液晶表示装置320の前方には第2の実施の形態と同一の構成を有するスクリーン174が設けられており、スクリーン174と液晶表示装置320との間には遊技機311の前後方向に一定の隙間が形成されている。
これにより、スクリーン174を通して後方の液晶表示装置320に表示される画像が視認可能でかつ、前方から投影される画像をスクリーン174に表示(投影)可能となる。本実施の形態の液晶表示装置320は、本発明の第1の画像表示装置を構成し、スクリーン174は、本発明の第2の画像表示装置を構成する。
[遊技機の電気的構成]
次に、図82を参照しながら、本実施の形態の遊技機311が備える各種回路の構成について説明する。なお、図82は、遊技機311の回路構成を示すブロック図である。
遊技機311は、図82に示すように、主に遊技動作の制御を行う主制御回路370と、払出・発射制御回路380と、遊技の進行に応じた演出の制御を行う副制御回路371(演出制御手段)とを有する。
[主制御回路]
主制御回路370は、ワンチップマイコン372と、クロック発生回路373と、初期リセット回路374とを備える。なお、上述のように、本実施の形態では、第1の始動口334又は第2の始動口335の入賞時に特別図柄の抽選処理を行うが、この処理は、主制御回路370により制御される。すなわち、主制御回路370は、遊技状態を遊技者にとって有利な状態に移行させるか否かの抽選処理を行う手段(抽選手段)も兼ねる。
ワンチップマイコン372は、メインCPU375と、メインROM376と、メインRAM377と、シリアル通信部378とにより構成される。なお、メインCPU375、メインROM376、メインRAM377及びシリアル通信部378は、それぞれ別個に設けられていてもよい。
また、本実施の形態では、主制御回路370の基板にメインROM376を内蔵する構成を説明するが、本発明はこれに限定されない。例えば、主制御回路370の基板に、メインROM376を搭載したROM基板を接続してもよい。さらに、本実施の形態では、主制御回路370内の各種回路は、一体的に形成されていてもよいし、別体として形成されていてもよい。また、メインROM376は、遊技機に設置される構成でなくてもよく、遊技機と通信可能となるような構成であってもよい。
ワンチップマイコン372には、クロック発生回路373及び初期リセット回路374が接続される。メインROM376には、メインCPU375により遊技機311の動作を制御するための各種プログラムや、各種データテーブル等が記憶されている。
メインCPU375は、メインROM376に記憶されたプログラムに従って、各種処理を実行する。メインRAM377は、メインCPU375が各種処理を実行する際の一時記憶領域として作用し、メインCPU375が各種処理に必要となる種々のフラグや変数の値が記憶される。なお、本実施の形態では、メインCPU375の一時記憶領域としてメインRAM377を用いるが、本発明はこれに限定されず、読み書き可能な記憶媒体であれば任意の記録媒体を一時記憶領域として用いることができる。
クロック発生回路373は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2msec)でクロックパルスを発生する。初期リセット回路374は、電源投入時にリセット信号を生成する。そして、シリアル通信部378は、副制御回路371に対してコマンドを供給する。
また、主制御回路370には、図82に示すように、主制御回路370から送られた出力信号に応じて動作する各種の装置が接続される。
具体的に、主制御回路370には、I/Oポート379を介して特別図柄表示装置342、普通図柄表示装置343、普通図柄保留表示装置344、第1の特別図柄保留表示装置345及び第2の特別図柄保留表示装置346が接続される。これらの各装置は、主制御回路370から送られた出力信号に基づいて所定の動作を行う。例えば、主制御回路370から特別図柄表示装置342に所定の出力信号が送信されると、特別図柄表示装置342は、その出力信号に基づいて、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の動作制御を行う。
また、主制御回路370には、普通電動役物ソレノイド336a、第1の大入賞口ソレノイド339b及び第2の大入賞口ソレノイド340bが接続される。そして、主制御回路370は、普通電動役物ソレノイド336aを駆動制御して、普通電動役物336の一対の羽根部材を開放状態又は閉鎖状態にする。また、主制御回路370は、第1の大入賞口ソレノイド339b及び第2の大入賞口ソレノイド340bをそれぞれ駆動制御して、第1の大入賞口339及び第2の大入賞口340を開放状態又は閉鎖状態にする。
さらに、主制御回路370には、図82に示すように、各種センサに接続され、各種センサの出力信号を受信する。具体的に、主制御回路370には、カウントセンサ339c,340c、一般入賞球センサ337a、338a、通過球センサ333a、第1の始動口入賞球センサ334a、第2の始動口入賞球センサ335a等が接続される。
カウントセンサ339cは、第1の大入賞口339に入賞した遊技球を計数し、その結果を示す所定の出力信号を主制御回路370に出力する。カウントセンサ340cは、第2の大入賞口340に入賞した遊技球を計数し、その結果を示す所定の出力信号を主制御回路370に出力する。一般入賞球センサ337aは、一般入賞口337に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路370に出力し、一般入賞球センサ338aは、一般入賞口338に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路370に出力する。
また、通過球センサ333aは、遊技球が球通過検出器333を通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路370に出力する。第1の始動口入賞球センサ334aは、遊技球が第1の始動口334に入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路370に出力する。第2の始動口入賞球センサ335aは、遊技球が第2の始動口335に入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路370に出力する。また、主制御回路370には、図示しないバックアップクリアスイッチが接続されており、このバックアップクリアスイッチは、電断時等にバックアップデータが遊技店の管理者等の操作に応じてクリアされた場合に、所定の検知信号を主制御回路370及び払出・発射制御回路380に出力する。
さらに、主制御回路370には、払出・発射制御回路380が接続される。なお、払出・発射制御回路380及びそれに接続された各種周辺装置の内容については、後で詳述する。
[払出・発射制御回路及びその周辺装置]
払出・発射制御回路380は、賞球ケースユニット381、払出状態報知表示装置382、下皿満タンスイッチ383、発射装置317、外部端子板384及びカードユニット385に接続される。また、外部端子板384は、データ表示器386に接続され、カードユニット385は、貸し出し用操作部387に接続される。
払出・発射制御回路380は、主制御回路370から送信される各種コマンド等に基づいて、これらの周辺装置に対して信号等を入出力し、各周辺装置の動作制御を行う。例えば、払出・発射制御回路380は、主制御回路370から送信される賞球制御コマンド、カードユニット385から送信される後述の貸し球制御信号を受信し、賞球ケースユニット381に対して所定の信号を送信する。これにより、賞球ケースユニット381は、遊技球を払い出す。
賞球ケースユニット381は、遊技球の払出を行う装置であり、第1の15球担保スイッチ388a、第2の15球担保スイッチ388b、第1の計数スイッチ389a、第2の計数スイッチ389b及び払出モータ390を有する。なお、賞球ケースユニット381に含まれるこれらの構成部は、それぞれ払出・発射制御回路380に接続される。
また、図示しないが、賞球ケースユニット381の内部には、2つの球供給通路が設けられる。そして、第1の15球担保スイッチ388aは、一方の球供給通路に補給された遊技球を検出し、その検出結果を示す所定の出力信号を払出・発射制御回路380に出力する。また、第2の15球担保スイッチ388bは、他方の球供給通路に補給された遊技球を検出し、その検出結果を示す所定の出力信号を払出・発射制御回路380に出力する。
図示しないが、賞球ケースユニット381の内部には、2つの払出通路が設けられる。そして、第1の計数スイッチ389aは、一方の払出通路に払出された遊技球を検出し、その検出結果を示す所定の出力信号を払出・発射制御回路380に出力する。また、第2の計数スイッチ389bは、他方の払出通路に払出された遊技球を検出し、その検出結果を示す所定の出力信号を払出・発射制御回路380に出力する。
払出モータ390は、ステッピングモータで構成され、払出・発射制御回路380から入力された制御信号に応じて駆動される。払出モータ390は、賞球ケースユニット381内に設けられた図示しないスプロケット(回転部材)を回転駆動する。そして、このスプロケットの回転動作により、各球供給路に蓄積された遊技球が1球ずつ、対応する払出通路に移動する。
払出状態報知表示装置382は、遊技球の払出に関して異常が発生した場合に、その異常の種別を報知するための装置であり、7セグメントディスプレイにより構成される。払出状態報知表示装置382は、遊技店(遊技場)の管理者のみが視認可能となるような位置に取り付けられ、例えば、遊技機311の裏面の所定箇所に取り付けられる。
下皿満タンスイッチ383は、下皿324に貯留された遊技球が満タンになった場合に、これを検知し、その検知結果を払出・発射制御回路380に出力する。
なお、払出・発射制御回路380は、下皿満タンスイッチ383から下皿満タン状態であることを示す信号が入力されると、下皿満タン状態である旨を払出状態報知表示装置382を用いて報知するとともに、主制御回路370に下皿満タン状態であることを示す信号を出力する。その後、主制御回路370から副制御回路371に演出制御コマンドが送信されると、副制御回路371は、例えばスピーカ328、ランプ・LED群391、液晶表示装置320等を用いて下皿324が満タン状態であることを報知する。
発射装置317は、上皿323に貯留された遊技球を遊技領域312aに発射する際に遊技者に回動操作可能な発射ハンドル329を有する。払出・発射制御回路380は、発射ハンドル329が遊技者によって把持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときに、その回動角度に応じて発射装置317のソレノイドアクチュエータ(不図示)に電力を供給する。これにより、発射装置317は、遊技球を発射する。なお、発射装置317の駆動手段としては、ソレノイドアクチュエータの代わりにモータを用いてもよい。
外部端子板384は、遊技店内の全てのパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータにデータ送信するために用いられる。データ表示器386は、例えば遊技機311の上部に遊技店の付帯設備として設置され、ホール係員を呼び出す機能や当り回数を表示する機能を有する。
貸し出し用操作部387は、遊技者に操作されると、カードユニット385に遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する。カードユニット385は、貸し出し用操作部387から出力される遊技球の貸し出しを要求する信号に基づいて、賞球ケースユニット381を介して払出される遊技球の数(貸し球数)を決定する。そして、カードユニット385は、貸し出し用操作部387から遊技球の貸し出しを要求する信号を受信すると、決定された貸し球数の情報を含む貸し球制御信号を払出・発射制御回路380に送信する。
[副制御回路]
副制御回路371は、主制御回路370から供給される各種のコマンドに応じて、各種の制御を行うものであり、サブCPU392、プログラムROM393、ワークRAM394、コマンド入力ポート395、リアルタイムクロック(以下、「RTC:Real−TimeClock」という)396、表示制御回路397、音声制御回路398、ランプ制御回路399、演出動作制御回路400、及びプロジェクタ制御回路401を有する。表示制御回路397には、液晶表示装置320が接続されている。音声制御回路398には、スピーカ328が接続されている。ランプ制御回路399には、ランプ・LED群391が接続されている。演出動作制御回路400には、役物演出装置としてリール役物348及び可動役物349等が接続されている。プロジェクタ制御回路401には、プロジェクタ装置B2が接続されている。
サブCPU392は、プログラムROM393に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。液晶表示装置320は、表示手段として機能する。特に、サブCPU392は、主制御回路370から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路371全体の制御を行う。
プログラムROM393は、サブCPU392が主として各種演出を制御するためのプログラムや各種のテーブルを記憶している。
ワークRAM394は、サブCPU392の一時記憶領域として種々のデータ(フラグ、カウンタ、タイマ、及び変数の値等)を記憶するものである。
コマンド入力ポート395は、主制御回路370のメインCPU375から送信された各種コマンドを受信し、サブCPU392へと伝えるものである。
RTC396は、現在の日付を示す日付信号や現在の時刻を示す時刻信号をサブCPU392に入力する。RTC396は、通常、遊技機本体に電源が供給されているときには遊技機本体からの電源によって動作し、遊技機本体の電源が切られているときには、電源基板(図示略)に搭載されたバックアップ電源から供給される電源によって動作する。これにより、RTC396は、遊技機本体の電源が切られている場合であっても現在の日時を計時することができる。なお、RTC396は、副制御回路上に設けた電池によって動作するようにしてもよい。また、RTC396に代わるものとしては、バックアップRAMとしての機能を有するワークRAMに設けたカウンタを、所定時間ごと(例えば2ms毎)にカウントアップすることによって時間を計時する手段として用いてもよい。
表示制御回路397は、サブCPU392から供給されるデータに応じて、液晶表示装置320における表示制御を行うためのものであり、例えば画像データプロセッサ(VDP)と、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROMと、画像データを一時記憶するフレームバッファと、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータとから構成されている。なお、表示制御回路397の構成は、あくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
表示制御回路397は、サブCPU392から供給される画像表示命令に応じて、液晶表示装置320の表示領域320aに表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。画像データとしては、例えば装飾図柄画像データ、背景画像データ、各種演出用画像データ、各種不正報知画像データ等が含まれる。
また、表示制御回路397は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータ(図示略)に供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングで、この画像信号を液晶表示装置320に供給する。液晶表示装置320の表示領域320aには、D/Aコンバータからの画像信号に基づいて液晶画像が表示される。
音声制御回路398は、スピーカ328から発生させる音声等に関する制御を行うためのものであり、例えば音声等に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(AMP)を含んでいる。なお、音声制御回路398の構成も、あくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
音源ICは、スピーカ328から発生させる音声の制御を行うものであり、サブCPU392から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択することができる。
また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号を増幅器に供給する。なお、この増幅器は、音声信号を増幅させ、スピーカ328から音声を発生させる。
ランプ制御回路399は、装飾部材347A、347B、347CのLED等を含むランプ・LED群391の制御を行うためのものであり、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターンが記憶されている装飾データROM等から構成されている。なお、ランプ制御回路399の構成も、あくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
演出動作制御回路400は、例えば、大当り遊技状態において、操作の有効期間中に演出ボタン23の操作等によって可動役物349を作動させる等の演出動作を制御する。
プロジェクタ制御回路401は、プロジェクタ装置B2のLED制御やフォーカス制御、画像処理等を行うためのものである。
プロジェクタ装置B2には、中継基板CK(図83参照)を介して副制御回路371が接続される。副制御回路371は、リール役物348や可動役物349等の演出動作に応じて、プロジェクタ制御回路401を制御し、光学機構B24を介して遊技盤312の前面に向けて照射光を投影することにより、視覚的な演出として映像を表示する。
図83に示すように、プロジェクタ装置B2は、電気的な構成要素として、プロジェクタ制御回路401、光学機構B24、及び中継基板CKを備えている。
プロジェクタ装置B2には、中継基板CKを介して副制御回路371が接続される。副制御回路371は、リール役物348や可動役物349等の演出動作に応じて、プロジェクタ制御回路401を制御し、光学機構B24を介して遊技盤312の前面に向けて照射光を投影することにより、視覚的な演出として映像を表示する。
光学機構B24は、レンズユニット(図示略)の周辺に配置される構成要素として、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色光を発するLED光源、DMD、レンズユニットの投射レンズについてフォーカス調整を行うためのフォーカス機構(図示略)等を備える。
プロジェクタ制御回路401は、制御LSI410、EEPROM(登録商標)411、DLP(登録商標)制御回路412、及びLEDドライバ413を備える。
制御LSI410は、副制御回路371の指令に基づいて、照射光を投影するようにDLP制御回路412を制御する。制御LSI410は、副制御回路371の指令に基づいて、フォーカス機構を制御して投射レンズ(図示略)を光軸方向に移動させることにより、照射光の投影に際してフォーカス調整を行う。EEPROM411には、制御LSI410による制御プログラムやプロジェクタ装置B2の設定・調整に関わるデータが記憶されている。
プロジェクタ装置B2のDLPシステムは、主として、DLP制御回路412、LEDドライバ、並びに光学機構B24のLED光源及びDMDにより構成される。
DLP制御回路412の制御により、DMDで所定方向に反射した光は、レンズユニット(図示略)へと進み、投射レンズ(図示略)を透過することで光学ミラーB3に入射し、最終的に光学ミラーB3で反射することによって遊技盤312の前面へと導かれる。これにより、投影対象となる遊技盤312、リール役物348、可動役物349等に対して照射光が投影され、演出に応じた映像が形成される。
本実施の形態において、プロジェクタ装置B2は、いわゆるDLPプロジェクタとして構成される。また、プロジェクタ装置B2は、光学ミラーB3によって照射光を折り返すことにより投影対象までの投射距離を稼ぐとともに、例えばコントラスト比を1000:1とすることによって、照射光の投射距離をできるだけ短くするようにしている。これにより、プロジェクタ装置B2を備えた照射ユニットBは、より安価かつ小型に構成されるとともに、上部装飾ユニット332の内部における限られたスペースに対して容易に収容される。
[制御回路の通信動作]
次に、図84を参照して主制御回路370、副制御回路371、音声・ランプ制御回路398、399、表示制御回路397、及びプロジェクタ制御回路401間の通信動作について説明する。なお、音声・ランプ制御回路398、399は、音声制御回路398とランプ制御回路399とを単にまとめて記載しただけのものであるが、実際にこれらの回路が一体に形成されていてもよい。
図84に示すように、主制御回路370は、副制御回路371に対して各種コマンドを供給する。副制御回路371は、主制御回路370からの各種コマンドを受信し、そのコマンドに応じた演出の種別を選択し、選択した演出に基づき、各演出デバイス(例えば装飾部材347A、347B、347C、役物演出装置としてのリール役物348や可動役物349、液晶表示装置320やプロジェクタ装置B2等)の制御データを選択し、各演出デバイスに送信する制御データをワークRAM394の所定領域にセットする。
副制御回路371は、各演出デバイスに対する制御データに基づき、役物演出装置348、349の動作を制御する。また、副制御回路371は、ランプ・LED群391を制御するためのランプリクエストや、スピーカ328を駆動制御するためのサウンドリクエストを音声・ランプ制御回路398、399に送信するとともに、液晶表示装置320を制御するための描画リクエストや、プロジェクタ装置B2を制御するための描画リクエストをプロジェクタ制御回路401に送信する。
これにより、役物演出装置348、349の動作が副制御回路371のサブCPU392により制御され、ランプ・LED群391の発光動作がランプ制御回路399により制御され、スピーカ328のサウンド出力動作が音声・ランプ制御回路398により制御され、液晶表示装置320の画像表示動作が表示制御回路397により制御され、プロジェクタ装置B2の映像出力動作がプロジェクタ制御回路401により制御される。
本実施の形態の副制御回路371は、プロジェクタ装置B2からスクリーン174に投影される画像のぼかし処理及び液晶表示装置320に表示される画像のぼかし処理を実施する。
ぼかし処理としては、液晶表示装置320に表示される画像を明瞭に表示した状態で、スクリーン174に表示される画像をぼかす処理や、スクリーン174に表示される画像を明瞭に表示した状態で、液晶表示装置320に表示される画像をぼかす処理が実行される。すなわち、液晶表示装置320及びスクリーン174のいずれか一方に表示される画像をぼかして表示する。
また、副制御回路371は、第2の実施の形態と同様に、ルーレット演出、ボタン操作を伴う表示演出及びステップアップ演出を実行するようになっており、本発明の表示演出実行手段を構成する。
以上のように構成された本実施の形態の照射ユニットBを備えた遊技機311において、プロジェクタ装置B2から画像表示用の照射光が照射されると、その照射光は光学ミラーB3で反射され、遊技盤312の前方からスクリーン174を含んだ遊技盤312の投影領域(投影領域は、図81の光路420の範囲)に向かい、遊技盤312及びスクリーン174に投影される。
このとき、スクリーン174の後方に配置された液晶表示装置320においても、画像が表示される。液晶表示装置320に表示される画像としては、例えば、背景画像が表示される。一方、プロジェクタ装置B2から遊技盤312及びスクリーン174には、例えば、図85に示すような変動図柄が投影される。この変動図柄は、変動中のある瞬間にスクリーン174の上側の遊技領域312aにおいて、例えば「6」の画像421が表示され、変動中のある瞬間にスクリーン174の下側の遊技領域312aにおいて、「3、2」の画像422が表示される。
また、変動中のある瞬間においてスクリーン174に「5、4」の画像423が表示される。スクリーン174に表示される画像423は、スクリーン174の後方の液晶表示装置320に表示された背景画像に重なる。
これにより、遊技者は、手前に設置されたスクリーン174を通して奥側に設置された液晶表示装置320に表示される画像を視認することができ、奥側の画像と手前側の画像との奥行き(遠近感)を出す表示が可能となる。
一方、本実施の形態の遊技機311は、スクリーン174及び液晶表示装置320のいずれか一方に表示される画像を明瞭に表示し、スクリーン174及び液晶表示装置320のいずれか他方に表示される画像をぼかすぼかし処理が実行される。この処理は、図49と同一の処理が実行されるので、詳細な説明は、省略する。
また、本実施の形態の遊技機1は、スクリーン174及び液晶表示装置320を用いて手前側の画像と奥側の画像のぼかしの度合いを変化させることにより、進出色や後退色等の色、あるいは遊技者の中心視野の位置に応じて前後方向の誤認等の錯覚を遊技者に生じさせることが可能となり、視覚効果のより一層高い画像を表示でき、遊技の興趣をより効果的に向上できる。
また、剣を模した可動役物349が表示領域320aと重なる位置(図78の実線の位置)まで動作したときに、スクリーン174や液晶表示装置320に表示される画像のいずれか一方あるいは両方をぼかすことにより、可動役物349と後方のスクリーン174や液晶表示装置320との奥行き感をより一層感じさせることができる。
なお、本実施の形態の遊技機311は、スクリーン174を用いているが、スクリーン174に代えて第3の実施の形態のマジックミラー180を用いてもよい。また、スクリーン174は、上下方向に延在するように遊技機311に設置されているが、光学ミラーB3に向くように、すなわち、上側が液晶表示装置320側に位置し、下側が上側に対して保護ガラス331側に位置するように傾斜した状態で設置されてもよい。
なお、本実施の形態の遊技機311において、プロジェクタ装置B2が、照射光を光学ミラーB3で反射してスクリーン174に投影しているが、これに限定されるものではない。例えば、図86に示すように、光学ミラーB3を廃止し、プロジェクタ装置B2から照射された映像をスクリーン174に直接投影する直接投影タイプとして構成してもよい(第1の変形例)。
また、本実施の形態の遊技機311において、図87に示すように、遊技領域431aを有する透明な遊技盤431をスクリーンとして利用してもよい(第2の変形例)。
図87に示すように、遊技盤431の前方上部には直接投影タイプのプロジェクタ装置B2が設けられており、遊技盤431にはプロジェクタ装置B2から映像が直接投影される。遊技盤431の背面(液晶表示装置320側)には、第2の実施の形態のスクリーン174と同様、例えば印刷によって所定の大きさを有する白色の点状(ドット状)の反射部431bが複数施されている。これら反射部431bは、遊技盤431に対して一定の間隔で均一に形成されている。反射部431bの構成は、第2の実施の形態の反射部174Bと同一であるため、詳細な説明を省略する。
これにより、遊技盤431は、光を反射する反射部431bが占める領域(反射領域)と、反射部以外の光を透過する視認領域とによって構成される。この場合、液晶表示装置320が本発明の第1の画像表示装置を構成し、遊技盤431が本発明の第2の画像表示装置を構成する。
このように構成しても、遊技者は、手前に設置された透明な遊技盤431を通して奥側に設置された液晶表示装置320に表示される画像を視認することができ、奥側の画像と手前側の画像との奥行き(遠近感)を出す表示が可能となる。
なお、図87では、説明の便宜上、反射部431bを遊技盤431に対して大きく形成しているが、実際には、反射部431bの大きさは、ミリ単位又はミクロン単位であり、反射部431bの設置間隔(ピッチ)もミリ単位又はミクロン単位で等間隔である。
なお、点状の反射部431bに代えて、点状の反射部が印刷された透明フィルムを遊技盤431の背面に貼り付けてもよい。遊技盤431の背面に点状の反射部431bを印刷することや、反射フィルムを貼り付けることにより、遊技領域431aを転動する遊技球によって遊技盤431が擦れることや、反射部431bや反射フィルムが剥がれることを防止できる。
また、本実施の形態の遊技機311において、図88に示すように、透明な遊技盤431の前方に直接照射タイプのプロジェクタ装置B2を設け、遊技盤431の背面に第2の実施の形態と同一のスクリーン174を設けてもよい(第3の変形例)。この場合には、スクリーン174が第2の画像表示装置を構成する。スクリーン174は、図88に示すように遊技盤431の背面に近接するように設けてもよいし、遊技盤431から液晶表示装置320側に間隔をあけて配置してもよい。
このように構成しても、遊技者は、手前に設置されたスクリーン174を通して奥側に設置された液晶表示装置320に表示される画像を視認することができ、奥側の画像と手前側の画像との奥行き(遠近感)を出す表示が可能となる。なお、スクリーン174に代えて、第3の実施の形態と同一のマジックミラー180を用いてもよい。
また、本実施の形態の遊技機331は、いわゆる封入式のパチンコ遊技機であってもよい。
<のめりこみ防止表示>
次に、のめり込み防止表示について説明する。
パチスロ機、パチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技者が過度に遊技にのめり込んでしまう場合があり、遊技機としても遊技者に適度な遊技を楽しむべき旨を伝える必要がある。例えば、図89に示すように「のめり込みに注意しましょう パチンコ・パチスロは、適度に楽しむ遊びです」等の注意表示を表示することが望ましい。
なお、図89に示す「のめり込みに注意しましょう パチンコ・パチスロは、適度に楽しむ遊びです」という注意の喚起を促す表示を、以下、ロゴ301という。
ロゴ301は、上述の第1の実施の形態〜第6の実施の形態において、液晶表示装置やスクリーンまたはマジックミラー等の表示装置に表示される。以下においては、液晶表示装置164とスクリーン174とを用いてロゴ301を表示する例について説明する。
液晶表示装置164とスクリーン174とを用いてロゴ301を表示する手法としては、以下の第1のロゴ表示態様〜第14のロゴ表示態様がある。
ロゴ301を表示する時間は、少なくとも3秒以上であり、ロゴ301が表示されている間は、パチスロ機、パチンコ遊技機において遊技が進行しないように遊技に関する操作を無効化するロックを掛ける、あるいは、メニューボタンを押下してもメニュー画面に移行しない処理が実行される。なお、ロゴ301が表示されている間において、ウェイト、キャンセル等の処理は、任意である。ただし、この場合であっても、ロゴ301の表示は少なくとも3秒以上確保される。
また、ロゴ301の文字のフォント、色、表示態様等は、任意であり、特に限定されるものではない。また、ロゴ301の大きさは、特に限定されるものではないが、ロゴ301の大きさが変更された場合であっても、ロゴ301の縦横比は変わらないことが好ましい。
[第1のロゴ表示態様]
ロゴ301を表示する直前まで液晶表示装置164とスクリーン174とに演出画像を表示していた場合に、ロゴ301を表示するタイミングとなったら、ロゴ301を液晶表示装置164に表示し、ロゴ301の表示中にはスクリーン174に画像を表示(投影)しない。
[第2のロゴ表示態様]
ロゴ301を表示する直前まで液晶表示装置164とスクリーン174とに演出画像を表示していた場合に、ロゴ301を表示するタイミングとなったら、ロゴ301をスクリーン174に表示し、ロゴ301の表示中には液晶表示装置164に画像を表示しない。
[第3のロゴ表示態様]
ロゴ301を表示する直前まで液晶表示装置164及びスクリーン174のいずれか一方に演出画像を表示していた場合に、ロゴ301を表示するタイミングとなったら、演出画像を表示していた液晶表示装置164及びスクリーン174のいずれか一方にロゴ301を表示し、液晶表示装置164及びスクリーン174のいずれか他方にロゴ301を表示しない。
例えば、液晶表示装置164に演出画像を表示していた場合に、ロゴ301を表示するタイミングとなったら、液晶表示装置164にロゴ301を表示する。これにより、演出画像が表示された液晶表示装置164に遊技者の視線を引きつけることができる。
[第4のロゴ表示態様]
ロゴ301を表示する直前まで液晶表示装置164及びスクリーン174のいずれか一方に演出画像を表示していた場合に、ロゴ301を表示するタイミングとなったら、演出画像を表示していなかった液晶表示装置164及びスクリーン174のいずれか他方にロゴ301を表示し、演出画像を表示していた液晶表示装置164及びスクリーン174のいずれか一方にロゴ301を表示しない。
例えば、液晶表示装置164に演出画像を表示していた場合に、ロゴ301を表示するタイミングとなったら、スクリーン174にロゴ301を表示する。これにより、演出画像からロゴ301への表示の切替えが液晶表示装置164からスクリーン174となるので、遊技者に対して注意の喚起を容易に促すことが可能となる。
[第5のロゴ表示態様]
ロゴ301を表示するタイミングとなったら、最初に液晶表示装置164にロゴ301を3秒以上表示した後、液晶表示装置164がロゴ301の表示を終了するタイミングでスクリーン174がロゴ301を表示して、そのロゴ301の表示を3秒以上継続した後、ロゴ301の表示を終了する。
[第6のロゴ表示態様]
ロゴ301を表示するタイミングとなったら、最初にスクリーン174にロゴ301を3秒以上表示した後、スクリーン174がロゴ301の表示を終了するタイミングで液晶表示装置164がロゴ301を表示して、そのロゴ301の表示を3秒以上継続した後、ロゴ301の表示を終了する。
[第7のロゴ表示態様]
ロゴ301を表示するタイミングとなったら、最初に液晶表示装置164にロゴ301を3秒以上表示した後、液晶表示装置164にロゴ301を表示したままスクリーン174にロゴ301を表示して、液晶表示装置164とスクリーン174との両方においてロゴ301の表示を3秒以上継続した後、ロゴ301の表示を終了する。
[第8のロゴ表示態様]
ロゴ301を表示するタイミングとなったら、最初にスクリーン174にロゴ301を3秒以上表示した後、スクリーン174にロゴ301を表示したまま液晶表示装置164にロゴ301を表示して、液晶表示装置164とスクリーン174との両方においてロゴ301の表示を3秒以上継続した後、ロゴ301の表示を終了する。
[第9のロゴ表示態様]
例えば、ボーナス等の特別遊技状態に移行し、特別遊技状態が終了したら、液晶表示装置164に特別遊技状態が終了したことを表わす終了画面を表示し、この終了画面を表示するタイミングでスクリーン174にロゴ301を表示する。この場合、画像のぼかし処理は、行わない。
[第10のロゴ表示態様]
例えば、ボーナス等の特別遊技状態に移行し、特別遊技状態が終了したら、液晶表示装置164に特別遊技状態が終了したことを表わす終了画面を表示し、この終了画面を表示した後にスクリーン174にロゴ301を表示する。また、逆に、特別遊技状態の終了後、スクリーン174にロゴ301を表示し、その後に液晶表示装置164に終了画面を表示してもよい。なお、ロゴ301の表示後において特別遊技状態が終了したことを表わす終了画面をぼかしてロゴ301と重ねて表示してもよい。
[第11のロゴ表示態様]
例えば、ボーナス等の特別遊技状態に移行し、特別遊技状態が終了したら、スクリーン174に特別遊技状態が終了したことを表わす終了画面を表示し、この終了画面を表示するタイミングで液晶表示装置164にロゴ301を表示する。この場合、画像のぼかし処理は、行わない。
[第12のロゴ表示態様]
例えば、ボーナス等の特別遊技状態に移行し、特別遊技状態が終了したら、スクリーン174に特別遊技状態が終了したことを表わす終了画面を表示し、この終了画面を表示した後に液晶表示装置164にロゴ301を表示する。また、逆に、特別遊技状態の終了後、液晶表示装置164にロゴ301を表示し、その後にスクリーン174に終了画面を表示してもよい。なお、ロゴ301の表示後において特別遊技状態が終了したことを表わす終了画面をぼかしてロゴ301と重ねて表示してもよい。
[第13のロゴ表示態様]
例えば、ボーナス等の特別遊技状態に移行し、特別遊技状態が終了したら、液晶表示装置164に特別遊技状態が終了したことを表わす終了画面とロゴ301とを表示する。このとき、特別遊技状態が終了したことを表わす終了画面とロゴ301との表示タイミングは、任意である。
次に、液晶表示装置164に終了画面とロゴ301とを表示した状態で、液晶表示装置164においてロゴ301をぼかして表示するとともに、スクリーン174に明瞭なロゴ301を表示する。これにより、ロゴ301が浮かび上がるような表示が可能となる。
[第14のロゴ表示態様]
例えば、ボーナス等の特別遊技状態に移行し、特別遊技状態が終了したら、スクリーン174に特別遊技状態が終了したことを表わす終了画面とロゴ301とを表示する。このとき、特別遊技状態が終了したことを表わす終了画面とロゴ301との表示タイミングは、任意である。
次に、スクリーン174に終了画面とロゴ301とを表示した状態で、スクリーン174においてロゴ301をぼかして表示するとともに、液晶表示装置164に明瞭なロゴ301を表示する。これにより、ロゴ301が手前側から奥側に移動したような表示が可能となる。
この場合、液晶表示装置164に明瞭なロゴ301を表示した後にスクリーン174に表示されていたロゴ301を消すことで、液晶表示装置164に表示されるロゴ301を確実に視認できるようにするのが好ましい。このとき、スクリーン174に表示されていたロゴ301だけを消してもよいし、スクリーン174に投影される画像全体を消してもよい。
なお、上述した第1のロゴ表示態様〜第14のロゴ表示態様において、ロゴ301が表示されるタイミング、液晶表示装置164からスクリーン174にロゴ301が擬似的に移動するぼかし処理が実施されるタイミング、あるいはスクリーン174から液晶表示装置164にロゴ301が擬似的に移動するぼかし処理が実施されるタイミングで、効果音を鳴らしたり、装飾部材を点灯あるいは点滅させることにより、遊技者に注意を喚起してもよい。
また、注意を喚起する表示としては、遊技に対するのめり込みを防止するロゴ301に限るものではない。例えば、会員カードの取り忘れがないようにと注意を喚起する表示や、置き引きに注意するようにと注意を喚起する表示等のように、遊技者向けのメッセージの表示を第1のロゴ表示態様〜第14のロゴ表示態様と同様の態様で実施してもよい。あるいは、遊技中のエラーが発生した場合のエラー表示を第1のロゴ表示態様〜第14のロゴ表示態様と同様の態様で実施してもよい。
次に、ロゴ301を表示する条件について説明する。ロゴ301を表示する条件としては、例えば、以下の第1のロゴ表示条件〜第4のロゴ表示条件がある。
[第1のロゴ表示条件]
遊技が行われていない状態で一定時間経過した遊技待機時(いわゆるデモ画面、遊技者待ち画面)にロゴ301を表示する。
[第2のロゴ表示条件]
パチスロ機において、ボーナスゲームの終了時や、ART(アシストリプレイタイム)、RT(リプレイタイム)等のメダルが増加する状態が終了した際の終了画面にロゴ301を表示する。なお、RTとは、特定遊技数の間、リプレイ確率が通常時より高くなる機能である。
[第3のロゴ表示条件]
パチスロ機において、ボーナス(BB(ビッグボーナス)、RB(レギュラーボーナス)、MB(ミドルボーナス)等の枚数が50枚を超える場合の終了画面でロゴ301を表示する。この場合には、ロゴ301を必ず表示させることが好ましい。ただし、50枚以下のボーナス終了画面ではロゴ301を表示しなくてもよい。
[第4のロゴ表示条件]
パチスロ機において、ART、RT等の一連のメダル増加区間(途中でボーナスを挟んだ場合も含む)の場合にメダルの純増枚数が300枚を超える場合にロゴ301を表示する。この場合には、ロゴ301を必ず表示させることが好ましい。ただし、純増枚数が300枚以下であれば、ロゴ301を表示しなくてもよい。
なお、パチンコ遊技機の場合には、例えば、大当たりの終了後や、確変遊技状態の終了後、または、時短遊技状態の終了後にロゴ301を表示する。
また、ボーナスゲームの終了後には第5のロゴ表示態様でロゴ301を表示し、ART終了後は、第7のロゴ表示態様でロゴ301を表示する等、状況に応じて異なる表示態様でロゴ301を表示してもよい。あるいは、遊技が退屈になることで遊技者の注目が低下することを抑制するために、抽選によってロゴ表示態様を決定する態様としてもよく、メニューボタン等を操作することで、遊技者によってロゴ表示態様を自由に選択できる態様としてもよい。
また、ロゴ301の表示時間が3秒以上確保されたら、その後はロゴ301を消してもよいし、表示した状態を維持してもよく、表示されている場合には遊技が再開されたら、消してもよい。例えば、ボーナス終了画面で3秒経過前に最大BETボタンDD8やスタートレバーDD6が操作されたら、通常画面に切替わるが、その場合にはロゴ301の表示を開始してから3秒経過するまでは、ロゴ301を消さない(通常画面とロゴ301とを表示)。
また、ロゴ301は、遊技者に認識され易い位置に表示される。例えば、本実施の形態の表示ユニット161は、図3において、上側表示窓UD11の後方に設置されるので、遊技者に認識され易い位置でロゴ301を表示可能である。このように、ロゴ301は、液晶表示装置164やスクリーン174が配置される、筐体2(図1参照)の上下方向の中央よりも上側に表示されることが好ましい。
また、例えば、上側表示窓UD11に表示機能がなく、腰部パネルDD18(図3参照)の位置のみに表示機能がある遊技機の場合には、表示ユニット161を腰部パネルDD18の後方に設置し、腰部パネルDD18の位置でロゴ301を表示してもよい。また、パチンコ遊技機にあっても、遊技者に認識され易い位置でロゴ301を表示させることが望ましい。
以上、遊技機を対象として説明を行ったが、本発明及び本発明の趣旨を逸脱しない種々の変形例は遊技機以外の例えば、カジノ用スロットマシン、カジノ用のアミューズメント機器、ゲームセンター用のゲーム機等についても適用可能である。
<発明の要旨>
特許文献(特開平6−35066号公報)に記載の遊技機にあっては、プロジェクタから投影される画像は、常に定位置にある物体の表面を投影面として表示されるだけに過ぎないので、立体的な視覚効果や動的な視覚効果等の画像の視覚効果を高め難く、遊技の興趣を高めるには改善の余地がある。
(1)上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、遊技に関する画像を表示可能な第1の画像表示装置(液晶表示装置164)と、前記第1の画像表示装置の前方に設置され、遊技に関する画像を表示可能な第2の画像表示装置(スクリーン174)と、を備え、前記第2の画像表示装置が、前記第1の画像表示装置に表示される画像を前方から視認可能な透過性を有し、前記第1の画像表示装置及び前記第2の画像表示装置のいずれか一方に表示される画像に対して、前記第1の画像表示装置及び前記第2の画像表示装置のいずれか他方に表示される画像をぼかすぼかし処理が実行されることを特徴とする。
この構成により、遊技機の奥側に設置された第1の画像表示装置に表示される画像をぼかし、遊技機の手前側にある第2の画像表示装置に表示される画像を明瞭(ぼかさずに)に表示し、あるいは、遊技機の奥側に設置された第1の画像表示装置に表示される画像を明瞭に表示することにより、2つの画像を重ね合わせることで、ぼかした画像よりも明瞭な画像に遊技者の焦点を合わせることができ、奥行きのある画像を容易に表示することが可能となる。
また、奥側の画像と手前側の画像のぼかしの度合いを変化させることにより、進出色や後退色等の色、あるいは遊技者の中心視野の位置に応じて前後方向の誤認等の錯覚を遊技者に生じさせることが可能となる。この結果、視覚効果の高い画像を容易に表示して、遊技の興趣を向上できる。
(2)上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、遊技に関する画像を表示可能な第1の画像表示装置(液晶表示装置164)と、前記第1の画像表示装置の前方に設置され、遊技に関する画像を表示可能な第2の画像表示装置(スクリーン174)と、前記第1の画像表示装置に第1の画像(演出画像261)を明瞭に表示する表示態様とぼかして表示する表示態様とを繰り返して実行し、前記第2の画像表示装置に前記第1の画像と異なる第2の画像(演出画像262)を明瞭に表示する表示態様とぼかして表示する表示態様とを繰り返して実行する表示演出実行手段(サブCPU102、レンダリングプロセッサ104、VRAM105及びドライバ106)と、を備え、前記第2の画像表示装置が、前記第1の画像表示装置に表示される画像を前方から視認可能な透過性を有し、前記表示演出実行手段は、前記第1の画像をぼかして表示する表示態様から明瞭に表示する表示態様に切換えるタイミングで、前記第2の画像を明瞭に表示する表示態様からぼかして表示する表示態様に切換え、前記第1の画像を明瞭に表示した表示態様からぼかして表示する表示態様に切換えるタイミングで、前記第2の画像をぼかして表示する表示態様から明瞭に表示する表示態様に切換えることを特徴とする。
この構成により、遊技機の手前側に設置された第2の画像表示装置を通して奥側に設置された第1の画像表示装置に表示される画像を視認することができる。これにより、手前側の画像と奥側の画像との間に奥行きを出す表示が可能となり、例えば、遊技者は、奥側の画像を背景として手前側の画像が浮いたような画像の視認が可能となる。この結果、視覚効果の高い画像を表示でき、遊技の興趣を向上できる。
また、第1の画像をぼかして表示する表示態様から明瞭に表示する表示態様に切換えるタイミングで、第2の画像を明瞭に表示する表示態様からぼかして表示する表示態様に切換え、第1の画像を明瞭に表示した表示態様からぼかして表示する表示態様に切換えるタイミングで、第2の画像をぼかして表示する表示態様から明瞭に表示する表示態様に切換えて表示する。
これにより、例えば、第1の画像と第2の画像とを交互に明瞭に表示する表示演出等を行う場合に、手前側に表示される明瞭な画像又はぼかした画像と、奥側に表示されるぼかした画像又は明瞭な画像によって奥行き感を感じさせる斬新な表示演出等を実行することができる。この結果、視覚効果のより高い画像を容易に表示して、遊技の興趣をより効果的に向上できる。
また、本発明の遊技機において、前記表示演出実行手段は、前記第1の画像及び前記第2の画像を明瞭に表示する表示態様とぼかして表示する表示態様とを繰り返し、最終的に第1の画像または第2の画像のいずれか一方を表示するようにしてもよい。
この構成により、例えば、第1の画像が遊技者にとって有利な遊技状態を表わす画像等であれば、遊技者は、最後まで期待を持ちながら第1の画像と第2の画像の変動に注視でき、遊技の興趣をより効果的に向上できる。
(3)上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、遊技に関する画像を表示可能な第1の画像表示装置(液晶表示装置164)と、前記第1の画像表示装置の前方に設置され、遊技に関する画像を表示可能な第2の画像表示装置(スクリーン174)と、前記第1の画像表示装置及び前記第2の画像表示装置のいずれか一方に、異なる画像(演出画像265B、265C)を繰り返しぼかして表示し、前記第1の画像表示装置及び前記第2の画像表示装置のいずれか他方に、異なる画像(演出画像266B、266C)を繰り返し明瞭に表示する表示演出実行手段(サブCPU102、レンダリングプロセッサ104、VRAM105及びドライバ106)と、を備え、前記第2の画像表示装置が、前記第1の画像表示装置に表示される画像を前方から視認可能な透過性を有し、前記表示演出実行手段は、ぼかして表示される前記異なる画像間で表示が切換えられるタイミングで、明瞭に表示される前記異なる画像間で表示を切換えることを特徴とする。
この構成により、遊技機の手前側に設置された第2の画像表示装置を通して奥側に設置された第1の画像表示装置に表示される画像を視認することができる。これにより、手前側の画像と奥側の画像との間に奥行きを出す表示が可能となり、例えば、遊技者は、奥側の画像を背景として手前側の画像が浮いたような画像の視認が可能となる。この結果、視覚効果の高い画像を表示でき、遊技の興趣を向上できる。
また、第1の画像表示装置及び第2の画像表示装置のいずれか一方に、異なる画像を繰り返しぼかして表示し、第1の画像表示装置及び第2の画像表示装置のいずれか他方に、異なる画像を繰り返し明瞭に表示し、ぼかして表示される異なる画像間で表示が切換えられるタイミングで、明瞭に表示される異なる画像間で表示を切換える。
これにより、例えば、明瞭な画像とぼかした画像とを重ねて表示する表示演出等を行う場合に、手前側に表示される明瞭な画像と、奥側に表示されるぼかした画像とによって奥行き感を感じさせる斬新な表示演出等を実行することができる。この結果、視覚効果のより高い画像を容易に表示して、遊技の興趣をより効果的に向上できる。
また、本発明の遊技機おいて、前記表示演出実行手段は、前記第1の画像表示装置及び前記第2の画像表示装置のいずれか他方に、異なる画像を繰り返し明瞭に表示させた後、最終的に異なる画像の中から1つの画像を明瞭に表示してもよい。
この構成により、例えば、明瞭に表示される異なる画像が、遊技者にとって有利な遊技状態を表わす画像を含んでいれば、遊技者は、最後まで期待を持ちながら明瞭に表示される異なる画像の変動に注視でき、遊技の興趣をより効果的に向上できる。
(4)上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、遊技に関する画像を表示可能な第1の画像表示装置(液晶表示装置164)と、前記第1の画像表示装置の前方に設置され、遊技に関する画像を表示可能であって前記第1の画像表示装置に表示される画像を前方から視認可能な透過性を有する第2の画像表示装置(スクリーン174)と、前記第2の画像表示装置に、前記第1の画像表示装置に表示される画像を前方から視認し難いように遮蔽する遮蔽画像(演出画像273A)を表示可能な表示演出実行手段(サブCPU102、レンダリングプロセッサ104、VRAM105及びドライバ106)と、遊技者によって操作される操作手段(操作ボタン271)と、を備え、前記表示演出実行手段は、前記操作手段の操作に連動して、前記第1の画像表示装置に表示される画像を前方から視認可能となるように前記遮蔽画像を徐々にぼかしていくことを特徴とする。
この構成により、遊技機の手前側に設置された第2の画像表示装置を通して奥側に設置された第1の画像表示装置に表示される画像を視認することができる。これにより、手前側の画像と奥側の画像との間に奥行きを出す表示が可能となり、例えば、遊技者は、奥側の画像を背景として手前側の画像が浮いたような画像の視認が可能となる。この結果、視覚効果の高い画像を表示でき、遊技の興趣を向上できる。
また、第2の画像表示装置に、第1の画像表示装置に表示される画像を前方から視認し難いように遮蔽する遮蔽画像を表示し、遊技者による操作手段の操作に連動して、第1の画像表示装置に表示される画像が前方から視認可能となるように遮蔽画像を徐々にぼかしていくよう構成される。
これにより、操作手段の操作に連動して手前側の第2の画像表示装置に表示される遮蔽画像が徐々にぼかされて奥側の第1の画像表示装置に表示される画像が前方から徐々に視認可能となる。このため、手前側に表示されるぼかした画像と奥側に表示される画像とによって奥行き感を感じさせる斬新な演出を実行することができる。この結果、視覚効果のより高い画像を容易に表示して、遊技の興趣をより効果的に向上できる。
(5)上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、遊技に関する画像を表示可能な第1の画像表示装置(液晶表示装置164)と、前記第1の画像表示装置の前方に設置され、遊技に関する画像を表示可能な第2の画像表示装置(スクリーン174)と、前記第1の画像表示装置と前記第2の画像表示装置とに表示されるそれぞれの画像(演出画像281、282、283、284)の位置とぼかし度合とを変更可能な表示演出実行手段と、を備え、前記第2の画像表示装置が、前記第1の画像表示装置に表示される画像を前方から視認可能な透過性を有し、前記表示演出実行手段は、前記第1の画像表示装置に表示される画像と前記第2の画像表示装置に表示される画像との疑似的な回転を表現可能なように、画像の位置とぼかし度合とを変更する。
この構成により、遊技機の手前側に設置された第2の画像表示装置を通して奥側に設置された第1の画像表示装置に表示される画像を視認することができる。これにより、手前側の画像と奥側の画像との間に奥行きを出す表示が可能となり、例えば、遊技者は、奥側の画像を背景として手前側の画像が浮いたような画像の視認が可能となる。この結果、視覚効果の高い画像を表示でき、遊技の興趣を向上できる。
また、第1の画像表示装置に表示される画像と第2の画像表示装置に表示される画像との疑似的な回転を表現可能なように画像の位置とぼかし度合とを変更するので、例えば、奥側の第1の画像表示装置に表示される画像と手前側の第2の画像表示装置に表示される画像とが擬似的に回転するような斬新な表示演出等を実行することができる。この結果、視覚効果のより高い画像を容易に表示して、遊技の興趣をより効果的に向上できる。
(6)上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、遊技に関する画像を表示可能な画像表示装置(液晶表示装置164)と、照射光により遊技に関する画像を投影する投影装置(プロジェクタ装置B2)と、前記画像表示装置の前方に設置され、前記投影装置によって前方から画像が投影されるスクリーン(174)と、を備え、前記スクリーンが、前記画像表示装置の画像を前方から視認可能な視認領域(174C)と、前記投影装置によって前方から照射される照射光を前方に反射する反射領域(反射部174Bが施されている領域)とを備えており、前記反射領域は、前記スクリーンに対して一定の間隔で均一に形成された複数の反射部(174B)を有することを特徴とする。
この構成により、遊技機の手前に設置されたスクリーンを通して奥側に設置された画像表示装置に表示される画像を視認することができる。これにより、奥側の画像と手前側の画像との奥行き(遠近感)を出す表示が可能となり、例えば、遊技者は、奥側の画像を背景として手前側の画像が浮いたような画像の視認が可能となる。この結果、視覚効果の高い画像を表示でき、遊技の興趣を向上できる。
また、スクリーンが、画像表示装置の画像を前方から視認可能な視認領域と、投影装置によって前方から照射される照射光を前方に反射する反射領域とを備えており、反射領域が、スクリーンに対して一定の間隔で均一に形成された複数の反射部を有する。視認領域は、液晶表示画像から照射される光を透過させることが可能であるので、スクリーンの面積に対して反射領域が占める割合を調整することにより、反射率を容易に変更することができる。これにより、奥行きのある画像をより効果的に表示することができる。
(7)上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、遊技機内部に収容される筐体(プロジェクタカバー165、スクリーン装置本体170)と、前記筐体に取付けられ、遊技に関する画像を表示可能な第1の画像表示装置(画像表示装置)と、前記第1の画像表示装置の前方に位置して前記筐体に取付けられ、遊技に関する画像を表示可能な第2の画像表示装置(スクリーン174)と、を備え、前記第2の画像表示装置が、前記第1の画像表示装置に表示される画像を前方から視認可能な透過性を有し、前記第1の画像表示装置によって前記筐体の後壁が構成されることを特徴とする。
この構成により、遊技機の手前に設置された第2の画像表示装置を通して奥側に設置された第1の画像表示装置に表示される画像を視認することができる。これにより、手前側の画像に対して奥側の画像の奥行き(遠近感)を出す表示が可能となり、例えば、遊技者は、奥側の画像を背景として手前側の画像が浮いたような視覚効果を与えることが可能となる。この結果、視覚効果の高い画像を表示でき、遊技の興趣を向上できる。
また、第1の画像表示装置によって筐体の後壁を構成するので、筐体に専用の後壁を設けることを不要にして、筐体が大型化することや筐体の部品点数が増大することを防止しつつ、第1の画像表示装置と第2の画像表示装置との間の距離を大きくすることができる。
これにより、第1の画像表示装置と第2の画像表示装置に表示される画像を重ね合わせて奥行きのある画像をより効果的に表示できる。
これに加えて、第1の画像表示装置と第2の画像表示装置との間の距離を大きくしても、筐体に専用の後壁を設けた場合に比べて筐体の前後方向長さを短くでき、結果的に第1の画像表示装置及び第2の画像表示装置の筐体内での占有スペースを小さくでき、筐体内において部品配置の設計自由度を高めることができる。
(8)上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、遊技に関する画像を表示可能な画像表示装置(液晶表示装置164)と、照射光により遊技に関する画像を投影する投影装置(プロジェクタ装置B2)と、前記画像表示装置の前方に設置され、前記投影装置によって前方から画像が投影されるスクリーン(174)と、を備え、前記スクリーンが、前記画像表示装置に表示される画像を前方から視認可能な透過性を有し、前記スクリーンの前方には、前記投影装置によって前方から画像が投影される画像表示部(反射板177、178、179)が設けられており、前記画像表示部は、前記スクリーンの表示領域(174D)の外端(174p)から前記スクリーンの前方に向かって延び、かつ、前記スクリーンの中心部(O)から外側に離れるように傾斜することを特徴とする。
この構成により、遊技機の手前に設置されたスクリーンを通して奥側に設置された画像表示装置に表示される画像を視認することができる。これにより、奥側の画像と手前側の画像との間に奥行きを出す表示が可能となり、例えば、遊技者は、奥側の画像を背景として手前側の画像が浮いたような画像の視認が可能となる。この結果、視覚効果の高い画像を表示でき、遊技の興趣を向上できる。
また、画像表示部が、スクリーンの表示領域の外端からスクリーンの前方に向かって延び、かつ、スクリーンの中心部から外側に離れるように傾斜するので、スクリーンの表示領域に表示される画像の周囲に、画像表示部に表示される画像が投影されることができる。
画像表示部には、スクリーンの前方からスクリーンの中心部に向かうように傾斜する傾斜面に沿った画像が表示されるので、手前側の画像と奥側の画像によって表示される奥行きのある画像を、画像表示部に表示される画像によってさらに奥行きのある画像として表示することができる。このため、視覚効果のより一層高い画像を表示でき、遊技の興趣をより効果的に向上できる。
(9)上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、筐体(プロジェクタカバー165、スクリーン装置本体170)と、前記筐体に取付けられ、遊技に関する画像を表示可能な第1の画像表示装置(液晶表示装置164)と、前記第1の画像表示装置の前面に位置して前記筐体に取付けられ、遊技に関する画像を表示可能な第2の画像表示装置(スクリーン174)と、前記第1の画像表示装置を前記筐体に取付ける取付け部材(ブラケット175)と、を備え、前記第2の画像表示装置が、前記第1の画像表示装置に表示される画像を前方から視認可能な透過性を有し、前記取付け部材は、前記第1の画像表示装置の後面に沿って延び、前記第1の画像表示装置の後面を支持する後面支持部(直線部175A)と、前記後面支持部の延びる方向の両側に設けられ、前記筐体に固定される一対の固定部(固定片175B、175C)とを備え、前記第1の画像表示装置によって前記筐体の後壁が構成されていることを特徴とする。
この構成により、遊技機の手前に設置された第1の画像表示装置を通して奥側に設置された画像表示装置に表示される画像を視認することができる。これにより、奥側の画像と手前側の画像との奥行きを出す表示が可能となり、例えば、遊技者は、奥側の画像を背景として手前側の画像が浮いたような画像の視認が可能となる。この結果、視覚効果の高い画像を表示でき、遊技の興趣を向上できる。
また、第1の画像表示装置によって筐体の後壁を構成するので、筐体に専用の後壁を設けることを不要にして、筐体が大型化することや筐体の部品点数が増大することを防止しつつ、第1の画像表示装置と第2の画像表示装置との距離を大きくすることができる。
これにより、第1の画像表示装置と第2の画像表示装置に表示される画像を重ね合わせて奥行きのある画像をより効果的に表示できる。
また、第1の画像表示装置と第2の画像表示装置との距離を大きくしても、筐体に専用の後壁を設けた場合に比べて筐体の前後方向長さを短くでき、第1の画像表示装置及び第2の画像表示装置の筐体内での占有スペースを小さくでき、筐体内において部品配置の設計自由度を高めることができる。
さらに、第1の画像表示装置を筐体に取付ける取付け部材が、第1の画像表示装置の後面を支持する後面支持部と、後面支持部の延びる方向の両側に設けられ、筐体に固定される一対の固定部とを備えるので、第1の画像表示装置を簡易な部材によって筐体に取付けることができ、後壁として構成することができる。
(10)上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、筐体(プロジェクタカバー165、スクリーン装置本体170)と、前記筐体に取付けられ、遊技に関する画像を表示可能な画像表示装置(液晶表示装置164)と、前記筐体に取付けられ、照射光により遊技に関する画像を投影する投影装置(プロジェクタ装置B2)と、前記画像表示装置の前方に位置するように前記筐体に取付けられ、前記投影装置によって前方から画像が投影されるスクリーン(スクリーン174)と、を備え、前記スクリーンが、前記画像表示装置に表示される画像を前方から視認可能な透過性を有し、前記スクリーンの前方には、前記投影装置によって前方から画像が投影される板状の画像表示部(表示板177、178、179)が設けられており、前記筐体は、前記スクリーンの表示領域(174D)の外端(174p)から前記スクリーンの前方に向かって延び、かつ、前記スクリーンの中心部(O)から外側に離れるように傾斜する溝部(171b、172c、173c)を有し、前記溝部に前記画像表示部が設けられていることを特徴とする。
この構成により、遊技機の手前に設置されたスクリーンを通して奥側に設置された画像表示装置に表示される画像を視認することができる。これにより、奥側の画像と手前側の画像との奥行きを出す表示が可能となり、例えば、遊技者は、奥側の画像を背景として手前側の画像が浮いたような画像の視認が可能となる。この結果、視覚効果の高い画像を表示でき、遊技の興趣を向上できる。
また、筐体が、スクリーンの表示領域の外端からスクリーンの前方に向かって延び、かつ、スクリーンの中心部から外側に離れるように傾斜する溝部を有し、溝部に板状の画像表示部が設けられている。
これにより、溝部の傾斜面に沿って画像表示部を設置することができ、画像表示部を、スクリーンの表示領域の外端からスクリーンの前方に向かって傾斜して延び、かつ、スクリーンの中心部から外側に離れるように傾斜した状態で位置決めして設置できる。
そして、スクリーンの表示領域に表示される画像の周囲に、画像表示部に表示される画像を投影することができ、この画像を、スクリーンの前方からスクリーンの中心部に向かうように傾斜する傾斜面に沿った画像として表示することができる。
このため、奥側の画像と手前側の画像によって表示される奥行きのある画像を、画像表示部に表示される画像によってさらに奥行きのある画像として表示することができる。この結果、視覚効果のより一層高い画像を表示でき、遊技の興趣をより効果的に向上できる。
(11)上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、筐体(プロジェクタカバー165、スクリーン装置本体170)と、前記筐体に設けられ、遊技に関する画像を表示可能な画像表示装置(液晶表示装置164)と、前記筐体に設けられ、照射光により遊技に関する画像を投影する投影装置(プロジェクタ装置B2)と、前記画像表示装置の前方に位置するように前記筐体に取付けられ、前記投影装置によって前方から画像が投影されるスクリーン(174)と、を備え、前記スクリーンが、前記画像表示装置に表示される画像を前方から視認可能な透過性を有し、前記筐体は、第1の側壁(側板172)と、前記スクリーンの幅方向において前記第1の側壁に対向する第2の側壁(側板173)と、前記第1の側壁と前記第2の側壁の下端部に取付けられた底壁(底板171)とを有し、前記第1の側壁は、前記スクリーンの幅方向一端部を支持する第1の支持部(ガイド部172A)を有し、前記第2の側壁は、前記スクリーンの幅方向他端部を支持する第2の支持部(ガイド部173A)を有し、前記底壁は、前記スクリーンの下端部を支持する第3の支持部(傾斜部171A)を有し、前記第1の支持部、前記第2の支持部及び前記第3の支持部に、前記投影装置によって前方から画像が投影される画像表示部(表示板177、178、179)が設けられており、前記画像表示部は、前記スクリーンの表示領域(17C)の外端(174p)から前記スクリーンの前方に向かって延び、かつ、前記スクリーンの中心部(O)から外側に離れるように傾斜しており、前記画像表示部の後端が前記スクリーンまで延びていることを特徴とする。
この構成により、遊技機の手前側に設置されたスクリーンを通して奥側に設置された画像表示装置に表示される画像を視認することができる。これにより、奥側の画像と手前側の画像との奥行きを出す表示が可能となり、例えば、遊技者は、奥側の画像を背景として手前側の画像が浮いたような画像の視認が可能となる。この結果、視覚効果の高い画像を表示でき、遊技の興趣を向上できる。
また、第1の側壁、第2の側壁及び底壁の第1の支持部〜第3の支持部によってスクリーンを支持するとともに、第1の側壁、第2の側壁及び底壁に投影装置から投影される画像が投影される画像表示部を設け、画像表示部の後端をスクリーンまで延ばしているので、スクリーンに投影される画像の周囲に画像表示部に投影される画像を連続させることができる。
画像表示部は、スクリーンの表示領域の外端からスクリーンの前方に向かって延び、かつ、スクリーンの中心部から外側に離れるように傾斜しているので、画像表示部に投影される画像を、スクリーンの前方からスクリーンの中心部に向かうように傾斜する傾斜面に沿って表示することができる。
このため、奥側の画像と手前側の画像によって表示される奥行きのある画像を、画像表示部に表示される画像によってさらに奥行きのある画像として表示することができることに加えて、スクリーンに投影される画像と画像表示部に投影される画像を連続させることで、視覚効果のより一層高い画像を表示でき、遊技の興趣をより効果的に向上できる。
(12)上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、遊技に関する画像を表示可能な画像表示装置(液晶表示装置164)と、照射光により遊技に関する画像を投影する投影装置(プロジェクタ装置B2)と、前記画像表示装置の前方に設置され、前記投影装置によって前方から画像が投影されるスクリーン(マジックミラー180)と、を備え、前記スクリーンがマジックミラーから構成されていることを特徴とする。
この構成により、遊技機の手前に設置されたスクリーンを通して奥側に設置された画像表示装置に表示される画像を視認することができる。これにより、奥側の画像と手前側の画像との奥行き(遠近感)を出す表示が可能となり、例えば、遊技者は、奥側の画像を背景として手前側の画像が浮いたような画像の視認が可能となる。この結果、視覚効果の高い画像を表示でき、遊技の興趣を向上できる。
また、スクリーンがマジックミラーからなるので、マジックミラーの反射率と透過率との比率を調整することにより、透過率を容易に変更することができる。これにより、奥行きのある画像をより効果的に表示することができる。
(13)上記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、照射光により遊技に関する画像を投影する投影装置(プロジェクタ装置B2)と、前記投影装置の前方において前後方向に並んで設置され、前記投影装置によって後方から投影される画像を前方から視認可能な複数のスクリーン(553、554、571、572)とを備え、後方に設置されたスクリーン(571、572)に表示される画像を前方に設置されたスクリーン(553、554)を通して前方から視認可能なように、前記前方に設置されたスクリーンが透過性を有することを特徴とする。
この構成により、手前に設置されたスクリーンを通して奥側に設置されたスクリーンに表示される画像を視認することができる。これにより、奥側の画像と後側の画像との奥行きを出す表示が可能となり、視覚効果の高い画像を表示でき、遊技の興趣を向上できる。