以下、本発明の各実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する各実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、各実施形態の中で説明されている諸要素およびその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。
本発明の各実施形態に係る磁気治療具は、身体の所定部位に沿うように形状を変化させることが可能であるとともに、その形状を変化させたときの形状保持が可能な磁気治療具である。ここで、「形状保持が可能」とは、所定の応力を加えて物体の形状を変化させ当該応力を解除した後、その変化させた形状を維持若しくは元に戻るまでの過程の任意の形状を維持し、完全に元の形状には戻らないことを意味する。
この磁気治療具は、細長い形状の第一ゴム状弾性体と、第一ゴム状弾性体の長手方向に沿って配設されており、主としてポリカーボネートよりも形状保持能力の高い合成樹脂でなる形状保持用の芯材と、身体に磁力を及ぼすように第一ゴム状弾性体に含まれる磁性材と、を備える。以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る磁気治療具の外観斜視図(1A)および当該斜視図におけるA−A線断面図(1B)をそれぞれ示す。図2は、第1実施形態に係る磁気治療具の分解斜視図を示す。
第1実施形態に係る磁気治療具1は、細長い形状の第一ゴム状弾性体10と、当該第一ゴム状弾性体10の長手方向に沿って埋設されており、ポリカーボネート(PC)よりも形状保持能力の高い合成樹脂材でなる形状保持用の芯材20と、身体に磁力を及ぼすように第一ゴム状弾性体に含まれる磁性材30と、を備える。なお、上記「埋設」は、「配設」の一例にすぎず、芯材20は、第一ゴム状弾性体10の長手方向に沿って埋設されずに、第一ゴム状弾性体10の表面に貼り付けられていても良い。これは、以後の各実施形態でも同様である。
この実施形態における磁性材30は、磁粉31および固形磁石32の2種類である。また、第一ゴム状弾性体10は、磁粉31を分散させた磁粉入り第二ゴム状弾性体11と、固形磁石32の一部が露出するように当該固形磁石32が埋設され、磁粉入り第二ゴム状弾性体11の長手方向に沿って一体化されている第三ゴム状弾性体12と、を有する。芯材20は、好ましくは磁粉入り第二ゴム状弾性体11と同等の長さを有する棒状の樹脂であって、磁粉入り第二ゴム状弾性体11の長手方向に沿って埋設されている。
なお、この実施形態において、芯材20は、磁粉入り第二ゴム状弾性体11に埋設されているが、磁粉入り第二ゴム状弾性体11および第三ゴム状弾性体12の少なくとも一方に埋設されていれば足りる。すなわち、第三ゴム状弾性体12に芯材20が埋設されていても良く、あるいは磁粉入り第二ゴム状弾性体11および第三ゴム状弾性体12の両方に芯材20が埋設されていても良い。これは、磁粉入り第二ゴム状弾性体11と第三ゴム状弾性体12とが一体化された構成を有する後述の実施形態においても同様である。
第一ゴム状弾性体10、第二ゴム状弾性体11および第三ゴム状弾性体12の内の少なくともいずれか1つのゴム状弾性体を形成する好適な材料として、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ニトリルゴム(NBR)あるいはスチレンブタジエンゴム(SBR)等の熱硬化性エラストマー;ウレタン系、エステル系、スチレン系、オレフィン系、ブタジエン系、フッ素系等の熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの複合物等を例示できる。前記例示の材料の中では、特にシリコーンゴムが好ましい。耐熱性および耐寒性に優れ、かつ肌への悪影響が比較的小さいからである。
また、磁粉入り第二ゴム状弾性体11の周方向に沿った表面には、磁粉31の存在しない表層13が形成されている。表層13は、磁粉入り第二ゴム状弾性体11の内部に分散されている磁粉31が外部に出ないようにするためのものであり、磁粉保護層としての機能を有する。表層13の厚みt1は、好ましくは0.25mm以上である。表層13は、磁粉入り第二ゴム状弾性体11を備える後述の実施形態に係る磁気治療具においても同様に形成可能である。
固形磁石32は、好ましくは、鍔部32aと頭部32bを有する円盤状をなすフェライト系磁石、コバルト系磁石、希土類(サマリウム等)系磁石あるいはこれらの複合系磁石である。また、磁粉31としては、上記磁石の構成材料を微細化した微粉末を用いることができる。固形磁石32は、好ましくは、複数個(例えば6個とする)用いられる。複数個の固形磁石32は、この実施形態では、第三ゴム状弾性体12の長手方向に沿って一列に配列されている。
なお、複数個の固形磁石32の配列方法は、複数個の固形磁石32を1本の直線上に並べるものでも良く、また、複数列に配置されるものでも良い。これは、固形磁石32を備える他の実施形態においても同様である。また、第1実施形態においては、固形磁石32の個数は6個であるが、6個に限られず、5個以下あるいは7個以上でも良い。これらの点は、後述する他の実施形態の内、固形磁石32を用いる実施形態においても同様である。
続いて、芯材20について説明する。芯材20は、上述したように、主としてPCよりも形状保持能力の高い合成樹脂でなる。当該合成樹脂としては、スチレン・ブタジエンブロック共重合体あるいは高密度ポリエチレンを例示できる。高密度ポリエチレンは、エチレンがほとんど分岐を持たずに直鎖状に結合した結晶性のポリエチレンであって密度910kg/m3以上(JIS K6748)のものをいう。なお、スチレン・ブタジエンブロック共重合体および高密度ポリエチレン(以下、高密度ポリエチレンの延伸体で説明)の形状保持能力については後述する。
芯材20は、磁粉入り第二ゴム状弾性体11の長手方向に沿って、一方の端部11aから他方の端部11bまでの領域に埋設されている。第1実施形態および後述する他の実施形態において、芯材20は、スチレン・ブタジエンブロック共重合体を主とする棒状部材である。
第三ゴム状弾性体12には、磁粉入り第二ゴム状弾性体11における一方の端部11aの端面および他方の端部11bの端面をそれぞれ覆うことができる端面被覆部15a,15bが形成されている。磁粉入り第二ゴム状弾性体11における一方の端部11aの端面および他方の端部11bの端面は、それぞれ端面被覆部15a,15bによって覆われている。その結果、芯材20が磁粉入り第二ゴム状弾性体11から抜け出るのを防止できる。また、磁粉入り第二ゴム状弾性体11における一方の端部11aの端面および他方の端部11bの端面が表に露出しないので、磁気治療具1は美観上においても優れたものになる。
このような構成の磁気治療具1は、種々の製造方法によって製造することができ、例えば、次に例示する各工程を経て製造することができる。
磁粉入り第二ゴム状弾性体11および芯材20をそれぞれ押出し成形によって製造する。なお、押出し成形によって製造された磁粉入り第二ゴム状弾性体11には、中心軸に沿って芯材20を挿入させるための芯材挿入孔11cが形成される。続いて、前記工程によって製造された芯材20を、同じく前記工程によって製造された磁粉入り第二ゴム状弾性体11の芯材挿入孔11cに挿入する。これにより、芯材20が埋設された磁粉入り第二ゴム状弾性体11が完成する。なお、芯材20を第二ゴム状弾性体11の芯材挿入孔11cに挿入する方法に代えて、芯材20と第二ゴム状弾性体11とを共押し出し成形して一体成形する方法を採用しても良い。次に、芯材20が埋設された磁粉入り第二ゴム状弾性体11(芯材埋設磁粉入りゴム状弾性体と称する)を金型内の所定位置にセットする。
図3は、第1実施形態に係る磁気治療具を製造するための金型の内の下金型の一部の横断面図を模式的に示す。
図3に示すように、下金型50の内部底面51には、ピン52が突設されている。ピン52は、固形磁石32を支持するためのものである。下金型50に固形磁石32を設置する際、固形磁石32は、好ましくはピン52で支持した状態で配置される。固形磁石32の底部に、ピン52を挿入するための凹部(図示せず)を設けても良い。このように、固形磁石32をピン52で支持した状態で金型内に設置することによって、固形磁石32は下金型50の内部底面51から離間した状態になる。なお、ピン52の数は、1個の固形磁石32に対して1本に限らず、2本あるいは3本以上としても良い。
次に、下金型50に図示しない上金型を装着してなる金型内に第三ゴム状弾性体12用の硬化性ゴム組成物を流し込む。このとき、金型内に流し込まれた硬化性ゴム組成物は、当該金型内において、芯材埋設磁粉入りゴム状弾性体の長手方向に沿って、一方の端部11aの端面および他方の端部11bの端面をそれぞれ覆うように流れ込む。これにより、第三ゴム状弾性体12には、芯材埋設磁粉入りゴム状弾性体における一方の端部11aの端面および他方の端部11bの端面をそれぞれ覆う端面被覆部15a,15bが形成される。金型内に、第三ゴム状弾性体12用の硬化性ゴム組成物が流し込まれ、射出成形が行われる。なお、射出成形に代えて、トランスファー成形や圧縮成形を行っても良い(以後の実施形態において行う射出成形も同様である)。その後、上金型を取り外して、下金型50から、第三ゴム状弾性体12と芯材埋設磁粉入りゴム状弾性体とが一体化された成形体を取り出す。その後、矯正用の治具を用いて形状を整えるための形状矯正を行っても良い。
固形磁石32をその一部が露出するように第三ゴム状弾性体12中に埋設する方法として、ピン52を用いて固形磁石32を保持せずに、次のような方法で実現しても良い。まず、液状の硬化性ゴム組成物を下金型50の内部底面51から所定高さまで流し込む。この状態で硬化性ゴム組成物を一次成形する。次に、金型を開いて、固形磁石32を一次成形したゴム状弾性体上に配置する。次に、再び金型を締めて、金型内の固形磁石32の大部分を埋設可能な高さまで硬化性ゴム組成物を流し込む。この状態で二次成形を行い、固形磁石32を埋設した状態の第三ゴム状弾性体12を製造する。かかる方法でも、固形磁石32が第三ゴム状弾性体12の底部から浮いた状態の構造を有する磁気治療具1を製造できる。また、別の方法として、固形磁石32の頭部32bを上金型の窪みに嵌めて固定し、固形磁石32の頭部32b以外を第三ゴム状弾性体12で被覆可能な状態として、金型内に硬化性ゴム組成物を流し込んでも良い。
芯材埋設磁粉入りゴム状弾性体と第三ゴム状弾性体12との接着性、および第三ゴム状弾性体12と固形磁石32との接着性を向上させるために、例えば、第三ゴム状弾性体12用の硬化性ゴム組成物中にシランカップリング剤を混ぜ込んでおくことが好ましい。または、芯材埋設磁粉入りゴム状弾性体の第三ゴム状弾性体12との接合面11d(図3を参照)および固形磁石32の第三ゴム状弾性体12との接合面32cに、それぞれ、シランカップリング剤を塗布するようにしても良い。さらに、シランカップリング剤を硬化性ゴム組成物中に混ぜ込むことと、各接合面11d,32cにシランカップリング剤を塗布することを組み合わせても良い。
このようにして得られた磁気治療具1では、芯材20が磁粉入り第二ゴム状弾性体11に埋設されている。また、固形磁石32は、その一部を露出させるように第三ゴム状弾性体12に埋設されている。より具体的には、固形磁石32は、鍔部32aが第三ゴム状弾性体12の内部に埋設され、鍔部32aよりも上部の頭部32bが第三ゴム状弾性体12の表面からわずかに露出している。このため、固形磁石32は、第三ゴム状弾性体12から容易に抜けない。
なお、磁気治療具1の長さ方向両端にアダプタを取り付けて、磁気治療具1を長くしても良い。アダプタは、好ましくは、当該両端と着脱自在な構成を有する。アダプタを磁気治療具1に装着した場合には、頸部の太い成人男性用に、またアダプタを磁気治療具1から取り外した場合には、頸部の細い子供用若しくは女性用に、それぞれ使用できるようにするのが好ましい。
次に、磁気治療具1の形状保持特性を評価するための評価試験について説明する。評価試験は、磁気治療具1の所定位置を折り曲げ位置として設定し、当該折り曲げ位置で磁気治療具1を90度に折り曲げて1分間放置した後に解放し、解放後5分経過したときの戻り角度θを測定することによって行われる。
図4は、第1実施形態に係る磁気治療具の形状保持特性を評価するための評価試験の手順を示す。図4(a)〜図4(c)は評価試験の手順としての第1ステップ〜第3ステップを示す。なお、図4(a)は評価試験に用いる磁気治療具1の平面図であり、図4(b)および図4(c)は、図4(a)の磁気治療具1をy軸に沿って矢印y方向に見た側面図である。この評価試験に用いる磁気治療具1の基本構成は、第1実施形態に係る磁気治療具1と同様であり、磁粉入り第二ゴム状弾性体11と、固形磁石32を含む第三ゴム状弾性体12とが一体化された構成となっている。
図4(a)に示すように、磁気治療具1における一方の端部からL1(L1=50mm)の位置が折り曲げ位置P1として設定される(第1ステップ)。次に、図4(b)に示すように、当該磁気治療具1における一方の端部から折り曲げ位置P1までの間の部位が当該折り曲げ位置P1で90度折り曲げられる(第2ステップ)。次に、90度折り曲げた状態を1分間保持した後に解放し、図4(c)に示すように、解放後5分経過しときの戻り角度θが測定される(第3ステップ)。なお、磁気治療具1の厚みt2は5mmである。
図5は、図4に示す評価試験の手順に沿って行った評価試験結果を示す。なお、図5は、磁粉入り第二ゴム状弾性体11のみの場合、すなわち、磁粉入り第二ゴム状弾性体11に芯材20が埋設されていない場合(サンプル1とする)と、3mmの径φを有する1本のポリカーボネート製の芯材20を磁粉入り第二ゴム状弾性体11に埋設した場合(サンプル2とする)と、断面形状が一辺3mmの正方形のスチレン・ブタジエンブロック共重合体製の芯材20を磁粉入り第二ゴム状弾性体11に埋設した場合(サンプル3とする)と、3mmの径φを有する1本のスチレン・ブタジエンブロック共重合体製の芯材20を磁粉入り第二ゴム状弾性体11に埋設した場合(サンプル4とする)と、2.8mmの径φを有する1本の高密度ポリエチレン延伸体製の芯材20を磁粉入り第二ゴム状弾性体11に埋設した場合(サンプル5とする)に対して、それぞれ、図4(a)〜図4(c)に示す各ステップの手順で評価試験を行ったときの結果を示す。なお、この評価試験では、図4(c)で示す第3ステップで測定した戻り角度θが小さいほど形状保持特性に優れている。
図5に示すように、サンプル1では、戻り角度は90度であった。これは、90度折り曲げても元の状態に戻ってしまうこと、すなわち「形状保持機能なし」を意味する。サンプル2の戻り角度は85度であった。これは、90度折り曲げても、殆ど元の状態に戻ってしまうということを意味する。なお、サンプル2では、ポリカーボネートが折れてしまう場合もあった。また、サンプル3の戻り角度は5度であった。これは、90度折り曲げた場合、5度しか戻らないということ、すなわち、形状保持機能が高いことを意味する。
サンプル4の戻り角度は10度であった。これは、90度折り曲げた場合、10度しか戻らないということを意味する。サンプル4は、サンプル3に比べると、形状保持機能にやや劣るものの高い形状保持機能を有する。サンプル5の戻り角度は40度であった。これは、90度折り曲げた場合、40度戻ってしまうということを意味する。サンプル5は、サンプル3およびサンプル4に比べて形状保持機能に劣るが、ある程度高い形状保持機能を有する。
以上の評価試験結果から、PCより形状保持機能に優れるサンプルは、サンプル3、サンプル4およびサンプル5であるが、サンプル3およびサンプル4は特に形状保持機能が高い。このことから、芯材20としては、スチレン・ブタジエンブロック共重合体を用いることが特に好ましい。なお、芯材20として、高密度ポリエチレン延伸体を用いた場合であっても、スチレン・ブタジエンブロック共重合体に次ぐ高い形状保持機能が得られる。このため、磁気治療具1の種類や用途によっては、芯材20として高密度ポリエチレン延伸体を用いても良い。
図6は、第1実施形態に係る磁気治療具の使用例を示す。図6は、磁気治療具1を、身体の頸部60に装着した場合が示されている。磁気治療具1は、上述の評価試験に用いたサンプル4とほぼ同様の構成を有する。なお、磁気治療具1の長さ方向両端には、本体と着脱自在なアダプタ61,61が取り付けられている。また、アダプタ61に用いる材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の如何なる種類の樹脂; SUS、アルミニウム、鉄、ニッケル、亜鉛、それらの合金等の如何なる種類の金属; アルミナ、窒化ケイ素等の如何なる種類のセラミックスをも挙げることができる。磁気治療具1を頸部60に装着する際には、例えば、磁気治療具1において一列に並んだ固形磁石32が頸部60の後ろ側に位置するように磁気治療具1を頸部60の周方向に沿わせて湾曲させるように折り曲げて装着する。
以上説明した磁気治療具1によれば、下記に示すような効果が得られる。すなわち、磁気治療具1を例えば図6に示すように頸部60に装着する際は、磁気治療具1を湾曲させるように折り曲げるだけの操作でよく、係止部と被係止部などを係合させるといった操作が不要である。また、磁気治療具1を図6に示すように装着した後、当該装着した状態を保持できる。このとき、磁気治療具1は、弾性力によって装着状態を保持するものではないため、頸部60に圧迫感を与えることがない。
また、磁気治療具1は、自由に折り曲げることができるため、装着部位(例えば頸部など)の太ささや表面形状などに個人差があっても、装着部位にフィットした状態(肌に接触した状態)で装着できることから、磁気効果もより高いものとなる。図6に示すように装着されている磁気治療具1を取り外す際には、磁気治療具1を広げるように操作すればよく、係止部と被係止部の係合を解除するといった操作は不要である。
また、芯材20としては、金属ではなく合成樹脂(例えば、スチレン・ブタジエンブロック共重合体からなる合成樹脂)を用いているため、磁気治療具1は、軽量であり、長時間快適に装着し続けることができる。また、芯材20を合成樹脂で形成すると、磁気治療具1の低コスト化を図ることができると共に、芯材20の錆びをも防止できる。
また、第三ゴム状弾性体12には、芯材埋設磁粉入りゴム状弾性体11における一方の端部11aの端面および他方の端部11bの端面をそれぞれ覆うための端面被覆部15a,15bが形成されている。このため、芯材20が磁粉入り第二ゴム状弾性体11から抜け出たり、磁粉31が一方の端部11aの端面および他方の端部11bの端面からこぼれたりすることを防止できる。また、磁粉入り第二ゴム状弾性体11における一方の端部11aの端面および他方の端部11bの端面が露出しないことから、美観上において優れた磁気治療具1を提供できる。
なお、図6においては、磁気治療具1の長さは、頸部60をほぼ一周するように装着可能とする長さとしたが、これに限られるものではなく、例えば、頸部60を2/3周程度だけ装着可能とする長さとしても良い。また、磁気治療具1の長さは、その両端部を頸部60の前部で交差させたり重複させたりすることができるような長さであっても良い。さらに、前述のようなアダプタの着脱によって磁気治療具1の長さを調整できるようにしても良い。これは、後述する他の実施形態に係る磁気治療具においても同様である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る磁気治療具について説明する。なお、第2実施形態において、前述の第1実施形態と共通する構成については、同一の文言および/または符号を付し、その説明を第1実施形態における説明に代え、重複した説明を省略する。
図7は、第2実施形態に係る磁気治療具の外観斜視図(7A)および当該斜視図におけるA−A線断面図(7B)をそれぞれ示す。第2実施形態に係る磁気治療具2は、先に説明した磁気治療具1(図1参照)と比べて、磁粉入り第二ゴム状弾性体11を備えず、かつ芯材20が第三ゴム状弾性体12に埋設されている点で相違し、それ以外の構成を同一とする。
磁気治療具2において、磁性材30は、固形磁石32のみである。第一ゴム状弾性体10は、固形磁石32を、その一部が露出するように埋設されている第三ゴム状弾性体12を有する。第三ゴム状弾性体12において、芯材20は、第三ゴム状弾性体12の長手方向に沿って埋設されている。
このような構成を有する磁気治療具2は、種々の製造方法によって製造することができる。例えば、先に説明した磁気治療具1の製造工程とほぼ同様の工程によって製造することができる。磁気治療具2を製造する最初の工程では、第三ゴム状弾性体12および芯材20を好ましくは押出し成形によって製造する。第三ゴム状弾性体12は、その中心軸に沿って芯材20を挿入させるための芯材挿入孔12cを備える。次に、芯材20を第三ゴム状弾性体12の芯材挿入孔12cに挿入する。これにより、芯材20が埋設された第三ゴム状弾性体12(芯材埋設第三ゴム状弾性体12A」が完成する。次に、芯材埋設第三ゴム状弾性体12Aを、図3と同様の下金型50内の所定位置にセットする。次に、磁気治療具1と同様、固形磁石32を、下金型50に突設されているピン52上に配置する。次に、下金型50に上金型を装着した金型内に、芯材埋設第三ゴム状弾性体12Aを形成するための硬化性ゴム組成物を流し込む。次に、上記の射出成形を行った後に金型を開くと、固形磁石32の一部が露出した状態で埋設された固形磁石埋設第三ゴム状弾性体12Bと、芯材埋設第三ゴム状弾性体12Aとが一体化した磁気治療具2が完成する。なお、この実施形態では、芯材埋設第三ゴム状弾性体12Aの両端部12a,12bは、固形磁石埋設第三ゴム状弾性体12Bの端面被覆部15a,15bによって覆われる。
磁気治療具2を製造する場合、芯材埋設第三ゴム状弾性体12Aと、固形磁石埋設第三ゴム状弾性体12Bとの接着性、および固形磁石埋設第三ゴム状弾性体12Bと固形磁石32との接着性を向上させるために、硬化性ゴム組成物中にシランカップリング剤を混ぜ、あるいは固形磁石埋設第三ゴム状弾性体12Bの接合面12dあるいは固形磁石32の接合面32cにシランカップリング剤を塗布しても良い。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る磁気治療具について説明する。なお、第3実施形態において、前述の各実施形態と共通する構成については、同一の文言および/または符号を付し、その説明を前述の各実施形態における説明に代え、重複した説明を省略する。
図8は、第3実施形態に係る磁気治療具の外観斜視図(8A)および当該斜視図におけるA−A線断面図(8B)をそれぞれ示す。第3実施形態に係る磁気治療具3は、先に説明した磁気治療具2(図7参照)と比べて、第三ゴム状弾性体12に代えて磁粉入り第二ゴム状弾性体11を備える点で相違し、それ以外の構成を同一とする。
磁気治療具3において、磁性材30は、磁粉31および固形磁石32である。第一ゴム状弾性体10は、磁粉31を分散した磁粉入り第二ゴム状弾性体11を有する。磁粉入り第二ゴム状弾性体11には、固形磁石32がその一部を露出するように埋設されている。また、芯材20は、磁粉入り第二ゴム状弾性体11の長手方向に沿って埋設されている。
このような構成を有する磁気治療具3も、また、前述の磁気治療具2と同様の工程を経て製造可能である。最初の工程では、磁粉入り第二ゴム状弾性体11および芯材20が押し出し成形によって製造される。磁粉入り第二ゴム状弾性体11は、その中心軸に沿って芯材20を挿入させるための芯材挿入孔11cを備える。次に、芯材20を、第三ゴム状弾性体12の芯材挿入孔12cに挿入する。下金型50(図3を参照)に、芯材20を芯材挿入孔11c内に挿入した状態の芯材埋設第二ゴム状弾性体11Aがセットされる。次に、下金型50のピン52上に固形磁石32を配置する。下金型50に上金型を装着した金型内に、磁粉入りの硬化性ゴム組成物を流し込んで射出成形を行う。次に、金型を開くと、固形磁石32の一部が露出した状態で埋設された固形磁石埋設磁粉入り第二ゴム状弾性体11Bと、芯材埋設磁粉入り第二ゴム状弾性体11Aとが一体化した磁気治療具3が完成する。シランカップリング剤の混合あるいは塗布については、前述の各実施形態における方法と同様である。また、ピン52を用いずに、2段階で磁粉入り硬化性ゴム組成物を流し込んで、固形磁石32を下金型50の内部底面51から浮かせて第二ゴム状弾性体中に埋設できる点も前述の各実施形態と同様である。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る磁気治療具について説明する。なお、第4実施形態において、前述の第1実施形態と共通する構成については、同一の文言および/または符号を付し、その説明を前述の各実施形態における説明に代え、重複した説明を省略する。
図9は、第4実施形態に係る磁気治療具の外観斜視図(9A)および当該斜視図におけるA−A線断面図(9B)をそれぞれ示す。第4実施形態に係る磁気治療具4は、先に説明した磁気治療具1(図1参照)と比べて、固形磁石32を備えていない点で相違し、それ以外の構成を同一とする。
図9に示す磁気治療具4において、磁性材30は、磁粉31のみである。第一ゴム状弾性体10は、磁粉31をゴム状弾性体中に分散した状態の磁粉入り第二ゴム状弾性体11と、磁粉入り第二ゴム状弾性体11とその長手方向に沿って一体化されている第三ゴム状弾性体12と、を有する。磁粉入り第二ゴム状弾性体11は、その長手方向に沿って芯材20を埋設した構成を有する。
磁気治療具4を製造する際には、先に説明した磁気治療具1を製造する場合とほぼ同様の工程を実施すれば良い。ただし、磁気治療具4は固形磁石32を備えていないため、下金型50内に、固形磁石32を支持するためのピン52(図3参照)は不要である。芯材20を埋設した状態の磁粉入り第二ゴム状弾性体11を製造後、同弾性体11を下金型50内の所定位置に設置して、下金型50に上金型を装着した金型内に第三ゴム状弾性体12用の硬化性ゴム組成物を流し込んで射出成形を行う。最後に金型を開くと、第三ゴム状弾性体12と、芯材20を挿入した状態の磁粉入り第二ゴム状弾性体11とが一体化した磁気治療具4が完成する。当該磁気治療具4は、固形磁石32を備えないため、固形磁石32を備える他の実施形態と比較して柔軟性に富むため多様な形状にしやすく、頸部への密着性に優れる。
なお、磁気治療具1と同様に、第三ゴム状弾性体12には、芯材埋設磁粉入り第二ゴム状弾性体11における一方の端部11aの端面および他方の端部11bの端面をそれぞれ覆う端面被覆部15a,15bが形成される。また、シランカップリング剤の混合または塗布に関しては、前述の各実施形態と同様である。
磁気治療具4は、先に説明した磁気治療具1と同様に使用することができる(図6参照)。また、磁気治療具4は、磁気治療具1で得られる効果に加えて、固形磁石32が存在しない分だけ、より軽量化が図れる。このため、磁気治療具4は、長時間使用する場合に適したものとなると共に、より低コスト化にて製造可能である。また、磁気治療具4は、固形磁石32が存在しない分だけ製造工程数を少なくすることができるため、歩留まりの向上およびそれに伴う低コスト化をも図ることができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態に係る磁気治療具について説明する。なお、第5実施形態において、前述の各実施形態と共通する構成については、同一の文言および/または符号を付し、その説明を前述の各実施形態における説明に代え、重複した説明を省略する。
図10は、第5実施形態に係る磁気治療具の外観斜視図(10A)および当該斜視図におけるA−A線断面図(10B)をそれぞれ示す。第5実施形態に係る磁気治療具5は、先に説明した磁気治療具3(図8を参照)と比べて、固形磁石32を備えていない点で相違し、それ以外の構成を同様の構成とする。
磁気治療具5において、磁性材30は、磁粉31のみである。第一ゴム状弾性体10は、磁粉31を分散させた磁粉入り第二ゴム状弾性体11を有する。芯材20は、磁粉入り第二ゴム状弾性体11の長手方向に沿って埋設されている。
このような構成を有する磁気治療具5は、種々の製造方法によって製造することができる。磁気治療具5は、先に説明した磁気治療具1の製造工程より簡易な工程を経て製造することができる。最初に、芯材挿入孔を形成した磁粉入り第二ゴム状弾性体11を押し出し成形にて製造すると共に、芯材20を別途、製造する。次に、磁粉入り第二ゴム状弾性体11の芯材挿入孔内に芯材20を挿入し、磁気治療具5を完成する。
磁気治療具5も、先に説明した磁気治療具1と同様に使用することができる(図6参照)。また、磁気治療具5は、磁気治療具1で得られる効果に加えて、固形磁石32が存在しないので、さらに軽量であって、かつ低コストにて製造できる。加えて、磁気治療具5は、固形磁石32を備えないため、固形磁石32を備える他の実施形態と比較して柔軟性に富むため多様な形状にしやすく、頸部への密着性に優れる。また、磁気治療具5は、固形磁石32が存在しない分だけ製造工程数を少なくできる。これは、歩留まりの向上および低コスト化につながる。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態に係る磁気治療具について説明する。なお、第6実施形態において、前述の各実施形態と共通する構成については、同一の文言および/または符号を付し、その説明を前述の各実施形態における説明に代え、重複した説明を省略する。
図11は、第6実施形態に係る磁気治療具の第三ゴム状弾性体を除去した状態の斜視図(11A)、当該磁気治療具の固形磁石のない部分Xで幅方向に切断したときの断面図(11B)および当該磁気治療具を固形磁石の位置Yで幅方向に切断したときの断面図(11C)をそれぞれ示す。
第6実施形態に係る磁気治療具6は、第1実施形態に係る磁気治療具1(図1参照)と比べて、芯材20を第三ゴム状弾性体12の内部にまで延出させ、その延出させた部分にて固形磁石32を固定させている点で相違し、それ以外の構成を同一とする。
図11(11C)に示すように、磁気治療具6において、磁粉入り第二ゴム状弾性体11中の芯材20は、第三ゴム状弾性体12中に延出させた固形磁石固定板63と連成されている。芯材20と固形磁石固定板63とを連成した連成体65は、好ましくは同一部材によって構成されている。連成体65は、平面視にて略T字形状を有する。連成体65の材料は、PCよりも形状保持能力の高い合成樹脂、好適には、主として、スチレン・ブタジエンブロック共重合体あるいは高密度ポリエチレンの延伸体であることが好ましい。
固形磁石固定板63は、図11(11A,11C)に示すように、全体として薄い長方体を成す平板である。固形磁石固定板63は、その一方の面(表側の面と称しても良い)に、固形磁石32の固定位置を決めるための位置決め部70を備える。ここでは、固形磁石32は、固形磁石固定板63の長手方向に沿って一列に6個固定される。このため、位置決め部70は、固形磁石固定板63の長手方向に沿って一列に6箇所設けられている。位置決め部70は、第三ゴム状弾性体12における固形磁石32の位置を決めることができる形態であれば、如何なる形態を有するものでも良い。この実施形態では、各位置決め部70は、固形磁石32の頭部32bと鍔部32aとの境界にある段差部分の周囲4箇所を掛止可能な4つの爪部64を備える。
爪部64は、図11(11C)に示すように、フック状の爪である。固形磁石32を固形磁石固定板63の表側から爪部64に対し押し込むと、爪部64は、外方向に開くように変形し、固形磁石32の鍔部32aを通過可能になる。その後、爪部64は、頭部32bと鍔部32aとの間の段差部分に掛かる。これにより、固形磁石32は、固形磁石固定板63に固定される。フック状の爪は、1箇所の位置決め部70につき1個以上備えられていればよい。ここでは、爪部64は、固形磁石32の周囲に等間隔で4本立設される爪を備えるが、2本、3本、あるいはさらに安定して固形磁石32を固形磁石固定板63上に固定可能なように、5本以上の爪を備えるものでも良い。また、1枚の固形磁石固定板63に複数個の固形磁石32を全て固定する他、複数枚の固形磁石固定板63にそれぞれ1以上の固形磁石32を固定しても良い。固形磁石32の個数と固形磁石固定板63の枚数については、特段、制約はない。
固形磁石固定板63は、図11(11A)に示すように、第三ゴム状弾性体12を成形するための金型(さらに具体的には下金型50)と固形磁石固定板63とを結合するための金型結合部の一例として、ピン挿入孔71,71を備える。この実施形態では、金型結合部は、下金型50の内部底面51から上方に突出するピン52,52(図3を参照)に挿入可能なピン挿入孔71,71であるが、金型と固形磁石固定板63とを結合することができれば如何なる形態を有していても良い。例えば、下金型50側に挿入孔が設けられている場合には、金型結合部は、固形磁石固定板63から突出した部分であって、上記挿入孔に挿入可能なピンとすることもできる。
このように、芯材20と固形磁石固定板63とを有する連成体65を備えた磁気治療具6は、例えば、以下のような手順にて製造できる。磁粉入り第二ゴム状弾性体11および連成体65をそれぞれ押出し成形によって製造する。なお、押出し成形によって製造された磁粉入り第二ゴム状弾性体11には、中心軸に沿って芯材20を挿入させるための芯材挿入孔11cが形成される点は、第1実施形態と同様である。続いて、連成体65の芯材20の部分を磁粉入り第二ゴム状弾性体11の芯材挿入孔11cに挿入する。これにより、芯材20が埋設された磁粉入り第二ゴム状弾性体11が完成する。次に、固形磁石32を固形磁石固定板63上に固定する。次に、磁粉入り第二ゴム状弾性体11と連成体65と固形磁石32とのユニットを金型内の所定位置にセットする。当該セット時において、下金型50のピン52,52を固形磁石固定板63のピン挿入孔71,71に差し込む。これにより、金型内の各固形磁石32の上下左右の位置が高精度に決まる。続いて、下金型50に上金型を装着してなる金型内に第三ゴム状弾性体12用の硬化性ゴム組成物を流し込み、射出成形を行う。その後、上金型を取り外して、下金型50から成形体を取り出す。その後、矯正用の治具を用いて形状を整えるための形状矯正を行っても良い。固形磁石32は、固形磁石固定板63に固定されているため、射出成形時に金型内で移動しない。この結果、複数の固形磁石32の間隔、各頭部32bの突出高さ、各固形磁石32の水平度を高精度に保持した磁気治療具6を製造できる。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能となるものである。例えば、下記に示すような変形実施も可能である。
上記各実施形態においては、芯材20の本数は1本とした場合を例示したが、芯材20の本数は、1本に限られるものではなく、例えば2本以上としても良い。芯材20の径や一辺の長さは、上記実施形態においては、3mmまたは2.8mmとした場合を例示したが、芯材20の径や一辺の長さもこれに限られずに、適宜、設定可能である。
上記各実施形態においては、磁気治療具1〜6は頸部60に装着可能なものであるが(図6を参照)、種々の長さに製造することにより、頸部60以外の部位(例えば、手首や足首など)にも装着可能となる。上記各実施形態においては、芯材20の主な材料としては、スチレン・ブタジエンブロック共重合体あるいは高密度ポリエチレンの延伸体を用いているが、PCよりも形状保持力の高い樹脂であれば採用できる。また、芯材20をスチレン・ブタジエンブロック共重合体あるいは高密度ポリエチレン延伸体にて構成する場合、芯材20は、主として(50質量%以上を意味する)スチレン・ブタジエンブロック共重合体あるいは高密度ポリエチレン延伸体にて構成されていれば足り、スチレン・ブタジエンブロック共重合体のみ、あるいは高密度ポリエチレン延伸体のみで構成されていることを要しない。ただし、芯材20は、スチレン・ブタジエンブロック共重合体(あるいは高密度ポリエチレン延伸体)50質量%以上で構成されるのが好ましく、60質量%以上で構成されるのがさらに好ましく、70質量%以上で構成されるのが最も好ましい。さらに、ポリスチレンまたはポリブタジエンを配合して芯材20の弾性や靭性を調整することもできる。
また、磁気治療具1は、芯材20を磁粉入り第二ゴム状弾性体11に埋設し、固形磁石32を第三ゴム状弾性体12に埋設する形態を有するが、この逆の構成、すなわち、芯材20を第三ゴム状弾性体12に埋設し、固形磁石32を磁粉入り第二ゴム状弾性体11に埋設するようにしても良い。また、固形磁石32の頭部32bは、必ずしも外部に露出していなくとも良い。
磁気治療具1〜6の変形例として、芯材20を第一ゴム状弾性体10の長さ方向に埋設する構成であって、かつ磁性材30を備える限り、磁粉31の有無、固形磁石32の有無、表層13の有無は問わない。このため、第一ゴム状弾性体10は、磁粉入り第二ゴム状弾性体11のみ、第三ゴム状弾性体12のみ、磁粉入り第二ゴム状弾性体11と第三ゴム状弾性体12との一体化物のいずれでも良い。芯材20は、磁粉入り第二ゴム状弾性体11および第三ゴム状弾性体12のいずれに存在していても良い。