<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図3及び図4はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図3では便宜上パチンコ機10における遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とにより構成されている。
図2に示すように、外枠11は長尺状のフレーム材を四辺に連結し構成されるものであって全体として矩形枠状をなすように形成されている。この外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備等に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図3及び図4参照)。
図3及び図4に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
(前扉枠14)
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上に鑑みれば、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部にはエラー等の不具合が発生した場合に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音やBGM等などが出力されるスピーカ部29が各々設けられている(図3参照)。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている(図2参照)。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能及び遊技球発射機構によって発射された遊技球のうち遊技領域PE(図3参照)に到達しなかった遊技球が遊技者に戻された場合に当該排出された遊技球を貯留する受け皿としての機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。なお、遊技球の発射速度は、遊技球発射ハンドル41の操作量(回動量)が大きくなるに従って速くなり、この操作量が遊技者により調整されて所定の量となった場合に遊技球が遊技領域PEへ到達することとなる。また、この操作量を遊技者が調整することで、後述する右ルートと左ルートへの遊技球の打ち分けが可能となる。
図3に示すように、前扉枠14の背面には、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有してなる。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。
次に、図5を参照して内枠13について詳細に説明する。図5は内枠13の正面図である。なお、図5においても図3と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
(内枠13)
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす内枠ベース体50を主体に構成されている。内枠ベース体50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、内枠ベース体50は外枠11の上枠部に寄せて配置され、外枠11の下枠部と内枠ベース体50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、内枠ベース体50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では内枠ベース体50が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と内枠ベース体50との間に相互干渉の防止等を目的として若干のクリアランスを設けてもよい。
内枠ベース体50の前面における回動基端側(図5の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72は軸部を有しており、それら軸部に前扉枠14に設けられた軸受け部が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
内枠ベース体50の回動先端側(図5の右側)には、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が配設されている。施錠装置75は内枠ベース体50の右端部(後述する縦フレーム部材)に沿うようにして上下に延びており、その長手方向(上下方向)に散在して配置された前扉用鉤部材76を有している。内枠ベース体50には前扉枠14の背面に設けられた鉤受け部材49(図3参照)内枠13の正面側に突出させるためのスリットが各前扉用鉤部材76にそれぞれ対応するようにして形成されている。それらスリットを通じて突出した前扉用鉤部材76が、前扉枠14に各前扉用鉤部材76に1対1で対応させて設けられた鉤受け部材49に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方側に延出する内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11に固定された鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
内枠ベース体50(施錠装置75)には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75の主要部分を構成する施錠ユニット(各鉤部材76,77や連動杆等)とは別体で設けられており、当該施錠ユニットと隣接して配置されている。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右(時計回り)に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り)に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように構成されている。
内枠ベース体50の中央部分には遊技盤ユニット80を収容する収容凹部51が形成されている。収容凹部は遊技盤ユニット80の外形に合わせて遊技機後方に窪んでおり、遊技盤ユニット80はこの収容凹部51に遊技機前方から嵌まった状態で手動式のロック機構によって固定されている。収容凹部51の底部には、略矩形状の窓孔52が形成されており、この窓孔52を通じて遊技盤ユニット80の背面構成(後述する背面ブロック80b)が内枠13の後方に突出している。なお、この窓孔52については、内枠ベース体50に装着された遊技盤ユニット80によってそのほぼ全域が遊技機前方から覆われた状態となっている。
(遊技盤ユニット80)
遊技盤ユニット80は、前面に遊技球が流下する遊技領域PEが形成され遊技領域形成体80aと、遊技領域形成体80aの背面側に設けられ、後述する各種遊技部品(例えば可変表示ユニット、制御装置、可動式の演出機構、発光可能な装飾部材等)がベース体251に搭載されてなる背面ブロック80bとが一体化されてなる。遊技領域形成体80aは透明な合成樹脂材料からなり、背面ブロック80bの前面部分が当該遊技領域形成体80aを通じて視認可能となっている。
既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技領域形成体80aの前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。
以下、図6及び図7に基づき遊技盤ユニット80(特に遊技領域形成体80aの遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図6は遊技盤ユニット80の正面図、図7は遊技盤ユニット80を後方から見た斜視図である。
遊技領域形成体80aには、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。図6に示すように、各開口には、一般入賞口81、可変入賞ユニット、作動口83a,83b、スルーゲート84等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、可変入賞ユニット及び作動口83a,83bに遊技球が入ると、それら遊技球が各入球部に対応して設けられた検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球(遊技球の払い出し)等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技領域形成体80aの最下部にはアウト口89が設けられており、各種入球部等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞ユニット(詳しくは後述する大入賞口)、作動口83a,83bへの遊技球の入球を「入賞」とも表現する。なお、図6においては説明の便宜上、可変入賞ユニットが配設された遊技領域PEの右下部分にドットハッチングを付与し、当該可変入賞ユニットの図示を省略している。
また、遊技領域形成体80aには、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘部材93が植設されているとともに、風車94等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘部材93や風車94等の各種構成によって遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
遊技領域形成体80aの中央には中央開口85が形成されており、この中央開口85を遊技領域形成体80aの背面側から覆うようにして透明な開口カバー86が取り付けられている。この中央開口85の背後には、背面ブロック80bに属する可変表示ユニット252等が位置しており、遊技機前方から当該中央開口85(開口カバー86)を通じて可変表示ユニット252等を視認可能となっている。
中央開口85の周辺に作動口83a,83bやスルーゲート84等が配設されている。作動口83a,83bは、可変表示ユニット252の下方に配設された上作動口83aと、上作動口83aの直下に配設された下作動口83bとによって構成されており、特に下作動口(抽選契機入球部)83bには、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物91が設けられている。電動役物91は、可動片と同可動片を駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、可動片の位置が駆動部によって変更されることにより、下作動口83bへの入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。
遊技領域PEにおいてこの下作動口83bよりも上流側(詳しくは可変表示ユニット252の側方)となる位置には上記スルーゲート84が配置されており、遊技球のスルーゲート84の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物91が所定時間だけ閉状態から開状態に切り替えられることとなる。
なお、上作動口83aへの入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口83bへの入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行されるが、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、例えば上作動口83aに対する下作動口83bの有利性を高める上では、上作動口83aに係る払出個数よりも下作動口83bに係る払出個数を多く設定することが好ましい。
詳細については後述するが、可変入賞ユニット(特別入球装置又は特別入球手段)には大入賞口が形成されているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉部材(開閉手段)としてのシャッタが設けられている。シャッタは、遊技球の入球が可能となる開状態(受入状態又は補助状態)と、同入球が不可となる閉状態(非受入状態又は非補助状態)とに切替可能となっている。また、同シャッタは、遊技領域形成体80aの背面側に設けられた可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においてはシャッタは閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に(大当たり:通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行結果となった場合に)開状態に切り替えられるようになっている。なお、可変入賞装置についてはシャッタが閉状態となっている場合には大入賞口への入球が困難となり、開状態となることで閉状態と比べて大入賞口への入球が容易となる構成としてもよい。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞ユニットの開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec又は0.6sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド又は2ラウンド)を上限としたシャッタの開放が繰り返されるように設定されている。
次に、可変表示ユニット252について補足説明する。可変表示ユニット252は、作動口83a,83bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置253を有している。図柄表示装置253は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御される。図柄表示装置253の表示画面253aにおいては、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりに当選した場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モード(特別遊技状態又は大当たり)に移行することとなる。なお、図柄表示装置253については必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
遊技領域形成体80aには、中央開口85を囲むようにしてセンターフレーム95が設けられている。センターフレーム95は、遊技領域形成体80a(詳しくは板体)に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技領域形成体80aの前面から起立した状態となることで当該センターフレーム95と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置253に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット252(詳しくはセンターフレーム95)を右側から迂回するルートと、左側から迂回するルートに大別されている。
センターフレーム95の下部を構成している枠部の上面には、遊技球が左右に転動可能なステージ部が形成されている。センターフレーム95の左右の左枠部に形成された流入口から流入した遊技球は、同じくセンターフレーム95に形成されたワープ通路を通じてステージ部上に排出される。ステージ部については、当該ステージ部に到達した遊技球が比較的上作動口83aへと流入しやすくなるように構成されており、このステージ部上での遊技球の動きに対する遊技者の注目度向上に貢献している。
ここで、本実施の形態においては上述したように透明な開口カバー86によって中央開口85を覆っており、ステージ部上に到達した遊技球が背面ブロック80b(可変表示ユニット252)側へ移動しないように規制されている。
またセンターフレーム95の下部を構成している枠部の前面には、第1保留ランプ部98a及び第2保留ランプ部98bが設けられている。左側の第1保留ランプ部98aは、上作動口83aに対応しており遊技球が上作動口83aを通過した回数は最大4回まで保留され第1保留ランプ部98aの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。右側の第2保留ランプ部98bは、下作動口83bに対応しており、遊技球が下作動口83bを通過した回数は最大4回まで保留され第2保留ランプ部98bの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
作動口83a,83bは、中央開口85(可変表示ユニット252)寄りとなる位置に配置されている。作動口83a,83bへの入賞をトリガとして特別遊技状態に移行し得るため、遊技者は作動口83a,83bに入賞するか否かに注目するとともに、特別遊技状態に移行するか否かを把握するため図柄表示装置253に注目するものと考えられる。作動口83a,83bを可変表示ユニット252寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット252周辺に集中させるための工夫である。
遊技領域形成体80aにおける右側の端部(後述する遊技盤ユニット80の回動先端部)には後述する誘導レール100とともに遊技領域PEを区画形成する遊技領域区画部材99が配設されている。遊技領域区画部材99には、主表示ユニット87や誘導レール100に沿って飛翔した遊技球が衝突するストッパ部材が配設されている。ストッパ部材は誘導レール100の先端付近に配置された緩衝部材であり、当該ストッパ部材に衝突した遊技球はその勢いが弱められた後、遊技領域PEを流下することとなる。つまり、ストッパ部材には衝突した遊技球の勢いを弱める減勢機能が付与されている。
ここで、主表示ユニット87について補足説明する。主表示ユニット87は遊技領域区画部材99に埋設されており、その一部がガラスユニット22と対向するように配置されている。この対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部が設けられている。主表示ユニット87については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部の表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示部は、上作動口83aへの入賞に基づいた抽選結果を表示する上作動口用表示部と、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する下作動口用表示部とを有してなる。上作動口用表示部では、上作動口83aへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口83aへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上作動口83aへの入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、上作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
下作動口用表示部では、下作動口83bへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口83bへの入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードへ移行される。
ここで、いずれかの作動口83a,83bへの入賞に基づいて、対応する作動口用表示部にて変動表示が開始され、抽選結果に対応する絵柄が停止表示された後、当該絵柄が停止表示されたまま所定の停止表示時間(停止表示期間又は確定表示期間)が経過するまで(確定表示が終了するまで)が遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口83a,83bへの入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止された後確定表示が終了するまでを遊技回の1回とすることも可能である。
また、主表示ユニット87の主表示部には上記両表示部以外に、スルーゲート84への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が併設されている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート84への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口83bに設けられた上記電動役物91が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット87の主表示部にはその保留個数を表示する保留数用表示部が設けられている。
以上詳述した主表示部については、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部の前方を遊技球が移動することが回避されているため、その視認性が担保されている。
再び図5を用いて内枠13の構成について説明すれば、内枠ベース体50における遊技盤ユニット80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。
(遊技球発射機構110)
遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が内枠ベース体50に固定されることで、同内枠ベース体50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技領域形成体80a側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112には断面略V字状の溝部が形成されており、その溝状部分に遊技球が嵌ることにより当該遊技球の前後位置が規定されるように構成されている。
発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技領域形成体80a側、詳しくは遊技領域形成体80aに装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域形成体80a(詳しくは板体の前面)に固定された遊技領域区画部材99とともに遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技領域形成体80aにおいて出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。つまり、遊技領域PEへと遊技球を届けるようにして遊技球を発射した場合には誘導通路103において外レール102に沿った領域が実質的に遊技球が通過する通過領域(通過経路)を構成し、内レール101に沿う領域については実質的に遊技球が通過しない領域となる。
同図5に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技領域形成体80aの下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技領域形成体80aの下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技領域形成体80aの下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路が配設されている。ファール球通路は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路内に入ることとなる。ファール球通路は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
遊技領域形成体80aの左端部には外レール102を側方から覆うようにしてレールカバー107が設けられている。遊技盤ユニット80については、製造時やメンテナンス作業時に単体で取り扱われることが多く、この際に外レール102が遊技台等に衝突し得る。レールカバー107はこのような事情に鑑みて搭載された部材であり、外レール102が上記要因等によって変形することを防止する保護機能が付与されている。
内枠ベース体50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には内枠ベース体50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、内枠ベース体50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
内枠ベース体50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124は本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢されており、前扉枠14が開放された場合には、この付勢力によって各開閉部材124が閉状態となることで、各通路122,123からの遊技球の脱落が回避されることとなる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路とが連通する。
次に、図7及び図8に基づき内枠13(内枠ベース体50及び遊技盤ユニット80)の背面構成について説明する。図8は内枠13の背面図である。
図8に示すように内枠ベース体50の背面における回動基端側(図8の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、内枠ベース体50の背面には、裏パックユニット15を閉じた状態で同内枠ベース体50に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
既に説明したように内枠ベース体50における収容凹部(遊技盤収容部)51の底部分には内枠ベース体50の厚さ方向に貫通し同内枠ベース体50の背面側に開放された窓孔52が形成されており、その窓孔52が収容凹部51に収容された遊技盤ユニット80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤ユニット80(背面ブロック80b)の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は窓孔52を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、遊技盤ユニット80の背面の構成について説明する。
既に説明したように遊技領域形成体80aの背面には、背面ブロック80bが取り付けられている。背面ブロック80bは、遊技領域形成体80a側に開放された略箱状のベース体251を有してなり、このベース体251が遊技領域形成体80aの背面に固定されることで、遊技領域形成体80aと背面ブロック80bとが一体化されている。
ベース体251の前面側は、可動式の演出機構や発光可能な装飾部材等の配置領域となっており、その背面側はそれら各種構成を制御する制御装置や上記可変表示ユニット252(図柄表示装置253)の配置領域となっている。
より具体的には、ベース体251の一部が内枠ベース体50の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置253(図6参照)と、その図柄表示装置253を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置253及び表示制御装置は前後方向(内枠ベース体50の厚さ方向)に図柄表示装置が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、ベース体251の背面部には、表示制御装置の後方に位置するようにして報知・演出制御装置140が搭載されている。
報知・演出制御装置140は、後述する主制御装置からの指示に従い音声の出力やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス141に収容されて構成されている。
報知・演出制御装置140の下方には、ベース体96を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤ユニット80(詳しくは背面ブロック80b)の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
ベース体251の前面部において遊技領域形成体80aの背面下部と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞ユニット82、作動口83a,83bの遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路(図示略)が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤ユニット80の下方に集合する構成となっている。つまり、ベース体251には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤ユニット80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤ユニット80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口89についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口89を介して排出通路内に導出される。
また、背面ブロック80bを構成するベース体251には、上述した各入球部用の検知センサとして、上記一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する一般入賞口用検知センサと、作動口83a,83bに入った遊技球を検知する作動口用検知センサとが装着されており、それら各種検知センサによって入賞検知機構が構成されている。これら各種検知センサは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各検知センサから検知情報(検知信号)が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図9及び図10に基づき裏パックユニット15について説明する。図9はパチンコ機10の背面図、図10は裏パックユニット15の正面図である。
図9に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パックユニット15の本体部としての裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は、透明性を有する合成樹脂により成形されており、図10に示すように払出機構部202等が取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有してなる。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット252を囲むのに十分な大きさを有する(図9参照)。
ベース部211には、外部出力端子板213が設けられている。外部出力端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータ)に対して各種信号が出力される。また、図10に示すように、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部が形成されており、固定レバー134が挿通部に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の側方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されている。電源・発射制御基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。具体的には、遊技球発射機構110を構成しているソレノイド111の駆動制御や球送装置113の駆動制御が実行される。
また、電源・発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。電源スイッチ247を操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。
ここで、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。一方、主制御装置162に設けられたRAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
これら各種スイッチについては、遊技機主部12(内枠13)を開放して内枠13の背面部を露出させることで遊技機正面側から操作可能となる。一方で、上記施錠装置75によって遊技機主部12の開放が規制されている状態では、遊技機正面側からそれら各種スイッチを操作することができない。つまり、上記各種スイッチについては遊技機主部12を閉じた状態では操作されにくくなっており、施錠装置75用のキーを所有していないもの(例えば不正行為者)による遊技機正面側からの操作を困難なものとしている。
以上詳述した第1の実施の形態においては、遊技盤ユニット80(遊技領域形成体80a)に配設された可変入賞ユニットに関する構成が特徴的なものとなっている。以下、図11〜図13を参照して、可変入賞ユニットに係る構成について補足説明する。図11は可変入賞ユニット及びその周辺構成を示す図6の部分拡大図(可変入賞ユニットの正面図)、図12(a)は図11のA−A線部分断面図、図12(b)は図12(a)のB−B線部分断面図、図12(c)は図12(a)のC−C線部分断面図、図13(a1)は図12(a)のD−D線部分断面図、図13(a2)は図13(a1)のステージを拡大して示す概略図、図13(b1)は図12(a)のE−E線部分断面図、図13(b2)は図13(b1)のステージを拡大して示す概略図、図13(c1)は図12(a)のF−F線部分断面図、図13(c2)は図13(c1)のステージを拡大して示す概略図である。なお、図11においては説明の便宜上、遊技領域形成体80aの前面から遊技機前方へ突出している部分にドットハッチングを付与し、遊技領域形成体80aの前面からの突出が抑えられている部分と区別している。
可変入賞ユニット82は遊技領域PEにおける右ルート上、詳しくは図11に示すように右ルートにてスルーゲート84よりも下流側となる位置に配設されており、右ルートを流下する遊技球はスルーゲート84を経て可変入賞ユニット82に到達する構成となっている。可変入賞ユニット82は、スルーゲート84の下方に位置し且つ上記大入賞口319及びシャッタ321を有する可変入賞装置310と、スルーゲート84及び可変入賞装置310の間に配設された案内ブロック300とが一体化されてなり、遊技領域形成体80aに形成された開口部に配置された状態で当該遊技領域形成体80aに固定されている(図12参照)。
案内ブロック300には、スルーゲート84を通過した遊技球を可変入賞装置310へ案内する案内通路301が形成されている。案内通路301は、複数の遊技球が同一箇所を同時に通過できないように通路幅等が制限されており、当該案内通路301を遊技球が通過する過程で遊技球を減速→加速させて、可変入賞装置310へ遊技球が移る際の移動速度が所定速度となるように移動速度を調整する機能、すなわち可変入賞装置310へ供給する遊技球の移動速度のばらつきを抑える機能を有している。
具体的には、案内通路301は、遊技領域形成体80aの前面側に突出する入口部分を構成し後方へ下り傾斜となるよう形成された上流部分305と、遊技領域形成体80aの上記開口部内にて縦に延びる中流部分306と、案内通路301の出口部分を構成し遊技領域PEの中央側へ下り傾斜となるように形成された下流部分307とからなり、上流部分305、中流部分306、下流部分307の境界部分がクランクとなるように構成されている。案内通路301へ流入した遊技球は、上流部分305から下流部分307へ移る際に減速された後、中流部分306に沿って落下する際に再加速する。
中流部分306と下流部分307との境界部分は上流部分305と中流部分306との境界部分とは異なり通路の向きが滑らかに変化している。このため、中流部分306における自由落下により加速した遊技球は、その勢いを維持したまま下流部分307を通過する。つまり、案内通路301から可変入賞装置310へ遊技球が移る際の移動速度は中流部分306及び下流部分307によって所定速度となるように規定されている。
また、下流部分307の通路幅は遊技球の直径寸法よりも僅かに大きい程度に抑えられており、当該下流部分307に到達した遊技球はその移動方向が所定方向となるように規定された状態で可変入賞装置310に移ることとなる。
可変入賞装置310は略箱状をなすハウジング311を有してなる。ハウジング311の内部領域には、上記大入賞口へ向かう遊技球の移動経路が形成されている。ハウジング311において内部領域を区画形成している右壁部313には、案内通路301の下流部分307(出口部分)に連通する流入口316が形成されている。案内通路301(下流部分307)から流出した遊技球は当該流入口316を通じてハウジング311の内部領域へ流入する。可変入賞装置310の内部領域へ流入した遊技球は、上記大入賞口へ入賞するものと、当該大入賞口へ入賞することなくそのまま可変入賞装置310から排出されるものとに分かれることとなる。
ここで、可変入賞装置310の内部構造について補足説明する。ハウジング311の奥壁部314には上記シャッタ用の挿通部が形成されている。シャッタ321は、遊技盤ユニット80の厚さ方向にスライド移動可能に保持されている。シャッタ321は、厚さ方向へスライド移動することで、挿通部を通じてハウジング311の内部領域へ突出する突出位置と、内部領域への突出が回避された退避位置とに切り替わる構成となっている。図示は省略するが、ハウジング311にはシャッタ321を駆動させる可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)が搭載されている。可変入賞駆動部は主制御装置162に接続されており、主制御装置162からの駆動信号に基づいて動作する。これによりシャッタ321の位置が突出位置/退避位置に切り替わる。
シャッタ321が突出位置に配置された状態(上記閉状態)では、当該シャッタ321によってハウジング311の内部領域が上側領域及び下側領域に仕切られている。下側領域への入口部分が上記大入賞口319となっている。大入賞口319は上方に開放されており、突出位置に配置されたシャッタ321によって上方から覆われている。これにより、上側領域から下側領域への遊技球の移動、すなわち大入賞口319への流入が規制されている。これに対してシャッタ321が退避位置に配置された状態(上記開状態)では、上側領域から下側領域への遊技球の移動規制が解除され、大入賞口319への流入が許容される。
シャッタ321は略板状をなしており、その板面が上下を向くように配置されている。シャッタ321の上面は、遊技球の直径寸法よりも大きな隙間寸法が確保されるようにしてハウジング311の天井部と対峙しており、上側領域の底面、すなわち遊技球が転動可能な転動面を構成している。上述した流入口316は右壁部313にてシャッタ321よりも上側となる部分、すなわち上側領域を形成している部分に位置しており、閉状態にて可変入賞装置310に案内された遊技球はシャッタ321上を移動(転動)することとなる。ハウジング311の前壁部315においてシャッタ321よりも上側となる部分には、遊技機前方に開放された開口(流出口317)が形成されている。シャッタ321上を転動した遊技球はこの流出口317を通じて可変入賞装置310から流出する構成となっている。
図12(a)に示すように、シャッタ321は案内通路301の下流部分307によって規定された遊技球の案内方向(上記所定方向)と同じ方向(横方向)に延びており、その全長(左壁部312と右壁部313との距離寸法)は遊技球の直径寸法の2倍よりも大きくなるように形成されている。具体的には横並びとなるようにして最大で5個の遊技球が同時に停留可能、全体では最大で10個の遊技球が同時に停留可能な大きさとなっている。
シャッタ321の上面は、横方向における中央部分と比較して左右の端部が僅かに高くなるように湾曲しており、中央部分が底部となるように構成されている(図12(b),(c)参照)。これにより、シャッタ321に案内された遊技球が左壁部312と右壁部313との間で左右に揺動可能なっている。つまり、シャッタ321の上面は遊技球が転動可能なステージとなっている。以下、シャッタ321の上面を「ステージ322」と称し、当該ステージ322の具体的構成について説明する。なお、上記流出口317についてはその横幅がステージ322の横幅と同等となっており、ステージ322上の遊技球は左右方向における何れの位置からも流出可能となっている。
図12(a)に示すように、ステージ322は、案内通路301による遊技球の案内方向(上記所定方向)と交差する方向に並ぶ2つのエリアにより構成されている。具体的には、案内通路301の延長上に位置する第1エリア331及び延長上から外れた第2エリア332によって構成されており、第1エリア331が奥側(奥壁部314側)且つ第2エリア332が手前側(上記流出口317)側となるように前後に並設されている。この並設方向における案内通路301の幅寸法(奥行寸法L)は、遊技球の直径寸法Dよりも大きく且つ遊技球の直径寸法Dの2倍よりも小さくなっている。
第1エリア331及び第2エリア332は左右全域にて前後に連通しており、第1エリア331〜第2エリア332間での遊技球の移動が許容されている。但し、図13(1)に示すように、ステージ322には第1エリア331が第2エリア332よりも高くなるように高低差が設けられており、第2エリア332から第1エリア331への移動は、第1エリア331から第2エリア332への移動に比べて困難となっている。これにより、ステージ322においては第1エリア331が上流部分、第2エリア332が下流部分となるように遊技球の流れが規定されている。
なお、第2エリア332から第1エリア331への遊技球の逆戻りを規制する機能を強化する上では第1エリア331と第2エリア332との境界部分に前者が上位且つ後者が下位となるような段差を形成してもよい。
図12に示すように、第1エリア331については奥壁部314から両エリア331,332の境界部分までの距離寸法が、遊技球の半径寸法よりも僅かに大きくなるように形成されており、左壁部312に近接している一部を除いてそのほぼ全域で前後の高低差が0となるように形成されている。案内通路301から第1エリア331に移った遊技球は、第1エリア331(詳しくは導入経路EL:遊技球の中心部分が通過する経路)上を移動する際に、遊技機前方へ曲がることが抑制され、導入経路ELに沿った移動しながら左壁部312に向かうこととなる。
第1エリア331にて左壁部312に近接している部分は第2エリア332側に下り傾斜となるように形成されている。導入経路ELに沿って移動することで左壁部312へ到達した遊技球は、この傾斜部分(ガイド部335)を経て第1エリア331に向かうこととなる。つまり、第1エリア331(導入経路EL)についてはガイド部335が最下流部分(終点)となっている。
因みに、案内通路301については導入経路ELに沿って移動する遊技球が左壁部312に到達可能となるようにして当該遊技球を加速させる構成となっている。つまり、上記所定速度は、ステージ322へ案内された遊技球が所定方向へ進んだ場合に第1エリア331の終点へ遊技球が到達し得る速度となるように規定されている。
図13(b),(c)に示すように、第2エリア332については奥行き方向における中間部分と比較して前後の各端部が高くなるようにして前後に湾曲しており、中間部分を底部として左右方向に延びる略樋状をなしている。第2エリア332に流入した遊技球は、前後方向への移動が抑えられた状態で、当該中間部分に沿って左右に揺動することとなる。
この中間部分(底部)によって第2エリア332における遊技球の揺動経路BL(詳しくは遊技球の中心部分が通過する経路)が規定されている。揺動経路BLについては、上記導入経路ELと平行となっており、平面視における導入経路ELとの距離寸法が遊技球の半径寸法と同等(詳しくは半径寸法よりも僅かに大きい)となるように構成されている。すなわち、平面視における揺動経路BLと奥壁部314との距離寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。
詳細については後述するが、本実施の形態においては、揺動経路BLに沿って遊技球が揺動している状況下にて後続の遊技球がステージ322に案内された場合には、揺動中の遊技球に対して後続の遊技球が衝突する構成となっている。奥壁部314や導入経路ELと揺動経路BLとの位置関係を上述の如く定めたのは、先行する遊技球と後続の遊技球との衝突が回避されることを抑制する工夫である。
なお、第2エリア332については、上記中間部分(揺動経路BL)が当該第2エリア332の後端部よりも前端部寄りとなるように偏倚しており、後側部分よりも前側部分の方が曲率が小さくなるように形成されている。これは、第1エリア331からガイド部335等を経由して第2エリア332へ移った遊技球が揺動経路BLを横切ってそのままステージ322から流出することを抑制する工夫である。
第2エリア332において横方向の中央には前後に延びる溝部336が形成されている(図12(a),(b)参照)。溝部336は、揺動経路BLと第2エリア332の前端部(流出口317)とを繋いでおり、図13(a2)に示すように、前方へ下り傾斜している。揺動経路BLに沿って左右に揺動している遊技球の移動速度が溝部336を横切ることができない程度に低下すると、当該遊技球は溝部336に沿う方向(遊技機前方)へ向きを変え、流出口317を通じてステージ322から離脱することとなる。
次に、図14及び図15の概略図を参照して、ステージ322における遊技球の動きについて説明する。
図14(a)に示すように、ステージ322に先行する遊技球が停留(滞留)していない状況下にて当該ステージ322に遊技球が案内されると、図14(a)→図14(b)に示すように、当該遊技球はステージ322の第1エリア331を導入経路EL(奥壁部314)に沿うようにして移動し、左壁部312に向かう。図14(b)→図14(c)に示すように、導入経路ELに沿って移動した遊技球が左壁部312に衝突すると、衝突によって減勢された当該遊技球は自重によってガイド部335の傾斜方向(前方)へと向かう。これにより、導入経路ELを完走した遊技球は、第1エリア331から第2エリア332へ移る。
図14(c)→図14(d)に示すように、第2エリア332に移った遊技球は、第2エリア332の揺動経路BLに沿って右壁部313へ向かい、以降は左壁部312と右壁部313との間を揺動する。揺動経路BLに沿って移動する遊技球は、揺動過程で徐々に勢いを失い、その振れ幅が小さくなる。揺動経路BLに沿って移動する移動速度が低下して溝部336を乗り越えることが困難になった遊技球は当該溝部336に捉まり、この溝部336に沿って遊技機前方へ移動する。これにより、ステージ322から離脱することとなる。なお、本実施の形態においては、上記ガイド部335を経由して遊技球が第1エリア331から第2エリア332に移るのに要する期間(第1エリア331を完走するの要する期間)は、遊技球の発射周期(0.6sec)よりも長くなっており、且つ遊技球が上記例示した流れによりステージ322(詳しくは第2エリア332)に停留(滞留)する停留期間(滞留期間)についても上記発射周期よりも長く(詳しくは凡そ30sec)となっている。
次に、第2エリア332を揺動している遊技球が自重によってステージ322から離脱する前、すなわち停留期間を経過する前に後続の遊技球がステージ322に案内された場合の遊技球の動きについて例示する。
図15(a)に示すように、ステージ322(詳しくは第2エリア332)に遊技球B1が停留している状況下にて後続の遊技球B2がステージ322に供給されると、図15(a)→図15(b)に示すように後続の遊技球B2が先行する遊技球B1に向かう。先行する遊技球B1が揺動経路BLに沿って移動している状態では、当該遊技球B1の一部が第1エリア331にはみ出している。また、後続の遊技球B2が導入経路ELに沿って移動いている状態では、当該遊技球B2の一部が第2エリア332側にはみ出している。このため、先行する遊技球B1と後続の遊技球B2とのすれ違いが回避されている。
図15(b)→図15(c)に示すように、先行する遊技球B1と後続の遊技球B2とが衝突すると、当該衝突によってそれら遊技球B1,B2の移動方向が変化することとなる。具体的には、各遊技球は移動方向(上記所定方向)に対して交差する方向にずれて衝突することにより、詳しくは先行する遊技球B1に対して後続の遊技球B2が流出口317とは反対側(奥側)からオフセット衝突することにより、先行する遊技球B1は揺動経路BLを外れて流出口317に向かい、後続の遊技球B2は奥壁部314に向かうこととなる。
図15(c)→図15(d)に示すように、先行する遊技球B1は流出口317を通じてステージ322から離脱し、後続の遊技球B2は奥壁部314から遊技機前方へ跳ね返って第2エリア332に移る。後続の遊技球B2が奥壁部314に衝突した際に、奥行き方向への勢いの一部が奥壁部314に吸収されることとなり、第2エリア332側へ跳ね返った後続の遊技球B2が第2エリア332を横切ってそのまま流出口317に向かうことを抑制している。
なお、本実施の形態においては、案内通路301から第1エリア331へ案内された遊技球の移動速度は、第2エリア332を揺動中の遊技球の移動速度よりも早くなっている。このような速度差の関係から、後続の遊技球B2については衝突後も左壁部312に向けた勢いが残りやすくなっている。
図15(d)→図15(e)に示すように、先行する遊技球B1を押しのけるようにして第1エリア331から第2エリア332に移った後続の遊技球B2は、そのままステージ322に停留し、次の遊技球B3の到着を待つこととなる。そして、右ルートに向けて遊技球が連続して(継続的に)発射されている状況下においては、停留している遊技球が随時入れ替わりながら、1の遊技球がステージ322上に停留した状態が維持される。
ここで、図16のタイミングチャートを参照して、遊技球の入れ替わりの流れについて補足説明する。ta0のタイミングではステージ322(第2エリア332)に遊技球B1が停留している。ta1のタイミングにて遊技球B2がステージ322に流入すると、直後のta2のタイミングにて遊技球B1,B2の衝突が発生する。これにより、ステージ322にて停留している遊技球(以下、停留対象という)が遊技球B1から遊技球B2に入れ替わる。
ta1のタイミング〜ta3のタイミングに示すように、遊技球の入れ替わり中はステージ322上の遊技球の数が一時的に2つに増加する。但し、衝突によって流出口317に向かう遊技球は第2エリア332を横切るようにして移動する。第2エリア332については上記所定方向(左右方向)の長さよりも、奥行き方向(前後方向)の長さの方が短くなっており、流出口317までの移動距離が短く抑えられることで、入れ替わりに要する所要期間の短縮が実現されている。因みに、遊技球B1,B2の衝突に際しては、案内方向に見た場合の両遊技球B1,B2の重なり量がおよそ1/2となる(図15(b)参照)。これは、先行する遊技球B1が流出口317に向かう際の移動距離を短くすることで上記所要期間の間延びを抑えつつ、当該遊技球B1の移動速度が過度に速くなることを抑制する工夫である。
ta3のタイミングにて先行する遊技球B1がステージ322から離脱すると、ステージ322(第2エリア332)上に停留している対象が、遊技球B1から遊技球B2に入れ替わりが完了する。その後、遊技球B2が停留している状況下にて、次の遊技球B3がステージ322上に案内されたta4のタイミングにて、ステージ322上の遊技球の数が再び2個に増加する。その直後のta5のタイミングにて停留中の遊技球B2に次の遊技球B3が衝突すると、続くta6のタイミングにて停留対象が遊技球B2から遊技球B3に入れ替わりが完了する。
なお、遊技球B3が単独で停留している停留期間中(ta6のタイミング〜ta9のタイミング)に後続の遊技球がステージ322に到達しなかった場合には、遊技球B3の勢いが徐々に弱くなり、ta9のタイミングにて溝部336→流出口317を通じてステージ322から離脱する。これにより、ステージ322に停留している遊技球の数が0となる。
ta0のタイミング〜ta9のタイミングにて可変入賞装置310が開放された場合には、その開放期間に関係なく少なくとも1個の遊技球が当該可変入賞装置310に入賞することとなる。詳細については後述するが、本実施の形態に示す可変入賞装置310の開閉実行モードには、高頻度入賞モードと当該高頻度入賞モードよりも可変入賞装置310が開状態に切り替わる期間が短い低頻度入賞モードとが設けられている。低頻度入賞モードにおいては、可変入賞装置310が開放される前のタイミングにて右ルート(可変入賞装置310)を狙って遊技球を発射し、ステージ322上に遊技球を停留させておくことで、当該可変入賞装置310が開放されるタイミングをシビアに見極めることなく、入賞を発生させることができる。これにより、遊技者が開閉実行モードへ移行したことによる恩恵を取りこぼす機会を減らすことが可能となっている。
(パチンコ機10の電気的構成)
次に、図17のブロックを参照してパチンコ機10の電気的構成について説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板401には、MPU402が搭載されている。MPU402は、当該MPU402により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM403と、そのROM403内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM404と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU402が有する機能の一部、例えば、ROM403の機能やRAM404の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU402には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU402の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板405、払出制御装置242及び各種検知センサなどが接続されている。停電監視基板405には電源・発射制御装置243が接続されており、MPU402には停電監視基板405を介して電力が供給される。
各種検知センサの一部として、一般入賞口81への入賞を検知する検知センサ391a、可変入賞装置310への入賞を検知する検知センサ391b、上作動口83aへの入賞を検知する検知センサ391c、下作動口83bへの入賞を検知する検知センサ391d、スルーゲート84への入賞を検知する検知センサ391eが接続されており、主制御装置162のMPU402において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU402では、上作動口83a及び下作動口83bへの入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート84への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU402の出力側には、停電監視基板405、払出制御装置242及び報知・演出制御装置140が接続されている。払出制御装置242には、例えば、上述した作動口83a,83b等の入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM403のコマンド情報記憶エリア425が参照される。そして、一般入賞口81への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置310への入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口83aへの入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口83bへの入賞を特定した場合には4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
報知・演出制御装置140には、主制御装置162から変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM403のコマンド情報記憶エリア425が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU402の出力側には、可変入賞装置310のシャッタ321を開閉動作させる可変入賞駆動部、下作動口83bの電動役物91を開閉動作させる電動役物駆動部及び主表示ユニット87が接続されている。主制御基板401には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU402は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては可変入賞装置310が開閉されるように、MPU402において可変入賞駆動部の駆動制御が実行される。また、電動役物91のサポート抽選に当選した場合には、電動役物91が開閉されるように、MPU402において電動役物駆動部の駆動制御が実行される。また、MPU402によって主表示ユニット87の主表示部の表示制御が実行される。
さらには、MPU402の出力側に外部出力端子板213が接続されており、この外部出力端子板213を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態等を把握することが可能となっている。
停電監視基板405は主制御基板401と電源・発射制御装置243とを中継しており、同停電監視基板405には電源・発射制御装置243から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する機能が付与されている。払出制御装置242は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板401や払出制御装置242等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置243は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
報知・演出制御装置140には、MPUが搭載された報知・演出制御基板が設けられている。MPUには、当該MPUにより実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROMと、そのROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAMと、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路等の各種回路等が内蔵されている。なお、MPUに対してROM及びRAMが1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。報知・演出制御装置140のMPUは、主制御装置162から入力された各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられたランプ部26〜28及びスピーカ部29を駆動制御するとともに、表示制御装置410を制御するものである。
表示制御装置410では、報知・演出制御装置140から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置253の表示制御を実行する。この場合に、報知・演出制御装置140では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置253における図柄の変動表示態様(例えばリーチ発生の有無及びリーチ演出の内容等)や図柄の停止表示態様(変動表示の終了に伴い最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類)を決定する。
(各種カウンタについて)
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU402は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、主表示ユニット87(主表示部)の表示の設定、図柄表示装置253の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図18の概略図に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置253が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示ユニット87の作動口用表示部及び図柄表示装置253における変動表示時間(変動表示期間)を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口83bの電動役物91を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM404の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ431に適宜格納される。RAM404には、上作動口用保留エリアRaと、下作動口用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア432が設けられている。そして、この保留球格納エリア432に、上作動口83a又は下作動口83bへの遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口83a又は下作動口83bに入賞したタイミングでRAM404の保留球格納エリア432に格納される。より詳しくは、上作動口83aに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の上作動口用保留エリアRaに格納され、下作動口83bに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の下作動口用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM403における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア421に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図19の概略図を用いて説明する。当否テーブルとしては、図19(a)の低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図19(b)の高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図19(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」及び「307」の2個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」及び「307」が大当たり結果に対応している。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図19(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「36」・・・「572」、「598」の21個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「36」・・・「572」、「598」が大当たり結果に対応している。因みに、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
なお、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となる。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。図20の概略図に示すように、これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置310の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の電動役物91によるサポートモードという3つの条件に差異が設けられている。
ここで、開閉実行モードにおける可変入賞装置310の開閉制御の態様(入賞モード)としては、可変入賞装置310への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、図21の概略図に示すように、高頻度入賞モードでは可変入賞装置310の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は可変入賞装置310への入賞個数が10個(所定個数)となるまで継続され、低頻度入賞モードでは可変入賞装置310の開放は0.6sec(低頻度時間)が経過するまで又は可変入賞装置310への入賞個数が10個(所定個数)となるまで継続される。
本パチンコ機10では、遊技球発射ハンドル41が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PEに向けて発射されるように遊技球発射機構110が駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり可変入賞装置310の開放時間は0.6secとなっている。つまり、低頻度入賞モードにて可変入賞装置310が開放されている時間は、遊技球の発射周期と同じ長さとなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは可変入賞装置310が開放されている期間中に遊技球の入賞が発生しにくくなっている。
なお、詳細については後述するが、本実施の形態における大当たり結果は15R大当たり結果と2R大当たり結果に大別される。15R大当たり結果においては、開閉実行モードの開始から終了までに、可変入賞装置310の開放が15回(高頻度用回数)行われるとともに、可変入賞装置310の開閉態様が高頻度入賞モードに設定される。2R大当たり結果においては、開閉実行モードの開始から終了までに、可変入賞装置310の開放が2回(低頻度用回数)行われるとともに、可変入賞装置310の開閉態様が低頻度入賞モードに設定される。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける可変入賞装置310の開閉回数、1回の開放に対する開放制限時間(又は開放制限期間)及び1回の開放に対する開放制限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入球部への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。但し、低頻度入賞モードにて可変入賞装置310への入賞が発生しなかった場合には、開閉実行モードに移行したにも関わらず本来得られるべき特典を得られなかったとの印象を遊技者に与える可能性がある。これは遊技意欲の低下を招く要因になる。このような事情に配慮した場合には、低頻度入賞モード対応の開閉実行モードにおいては、高頻度入賞モードとの差別化を図りつつ、実質的に入賞を発生させることができる構成とすることが好ましい。
下作動口83bの電動役物91におけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口83bの電動役物91が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物91が開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物91の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口83bへの入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口83bよりも上作動口83aへの入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口83aよりも下作動口83bへの入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口83bへの入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、回数、開放時間及び当選確率のうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成としてもよい。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が、上作動口83a又は下作動口83bに入賞したタイミングでRAM404の保留球格納エリア432に格納される。より詳しくは、上作動口83aに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の上作動口用保留エリアRaに格納され、下作動口83bに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の下作動口用保留エリアRbに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM403における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア422に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、15R通常大当たり結果、15R確変大当たり結果、2R通常大当たり結果、2R確変大当たり結果A,Bが設定されている。ここで、振分テーブルの内容について図20を用いて説明する。
15R通常大当たり結果は、開閉実行モード(高頻度入賞モード対応)終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。なお、終了基準回数が経過した後に、低頻度サポートモードに移行する。これに対して、15R確変大当たり結果は、開閉実行モード(高頻度入賞モード)終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる開閉実行モードに移行するまで継続する。
2R通常大当たり結果は、開閉実行モード(低頻度入賞モード対応)終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが低頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これに対して、2R確変大当たり結果Aは、開閉実行モード(低頻度入賞モード)終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが低頻度サポートモードとなる大当たり結果であり、2R確変大当たり結果Bは、開閉実行モード(低頻度入賞モード)終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。
ここで、上作動口用の振分テーブルにおいては、「0〜9」が15R通常大当たり結果に対応しており、「10〜19」が15R確変大当たり結果に対応しており、「20〜24」が2R通常大当たり結果に対応しており、「25〜29」が2R確変大当たり結果Aに対応している。一方、下作動口用の振分テーブルにおいては、「0〜14」が15R通常大当たり結果に対応しており、「15〜24」が15確変大当たり結果に対応しており、「25〜29」が2R確変大当たり結果Bに対応している。つまり、上作動口83aへの入球に基づいて大当たり結果となる場合と比較し、下作動口83bへの入球に基づいて大当たり結果となる場合の方が遊技者に有利となるように差別化されている。
再び図18を参照して説明すれば、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口83a又は下作動口83bに入賞したタイミングでRAM404の保留球格納エリア432に格納される。より詳しくは、上作動口83aに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の上作動口用保留エリアRaに格納され、下作動口83bに遊技球が入賞したタイミングでRAM404の下作動口用保留エリアRbに格納される。そして、ROM403のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。
但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU402では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置253(表示画面253a)を備え、遊技結果が開閉実行モード対応の遊技結果となった遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となり得る遊技機において、図柄表示装置253における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置253の表示画面253aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置253の表示画面253a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
表示画面253aにおける表示内容について更に詳しく説明すると、最初に右図柄列において図柄の変動表示が終了され、さらに左図柄列において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中図柄列にて図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、大当たり発生時には、リーチラインを形成している主図柄とともに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中図柄列における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面253aの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット87(主表示部)の上作動口用表示部及び下作動口用表示部における変動表示時間と、図柄表示装置253における図柄の変動表示時間とをMPU402において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、上作動口用表示部及び下作動口用表示部における変動表示の開始時及び図柄表示装置253による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート84に遊技球が入賞したタイミングでRAM404の電役保留エリア433に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって下作動口83bの電動役物91を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜190であれば、電動役物91を開放状態に制御し、C4=191〜250であれば、電動役物91を開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU402では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、上作動口用表示部及び下作動口用表示部における変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM403の変動表示時間テーブル記憶エリア423が用いられる。また、MPU402では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、上作動口用表示部及び下作動口用表示部における停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM403の停止結果テーブル記憶エリア424が用いられる。
(主制御装置162にて実行される各種処理について)
次に、主制御装置162内のMPU402にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU402では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理やNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
(タイマ割込み処理)
先ず、タイマ割込み処理について、図22のフローチャートを参照しながら説明する。本処理は主制御装置162のMPU402により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
先ず、ステップS101では各種スイッチや上記各種検知センサ391a〜391e等の読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種スイッチや各種検知センサ391a〜391e等の状態を読み込むとともに、当該スイッチの状態を判定して検出情報(例えば入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントするとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS104にて、作動口83a,83bへの入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、さらにステップS105にて、スルーゲート84への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
(作動口用の入賞処理)
ここで、作動口用の入賞処理について説明する。作動口用の入賞処理では、先ず遊技球が上作動口83aに入賞(始動入賞)したか否かを上作動口83a用の検知センサ391dの検知状態により判定する。遊技球が上作動口83aに入賞したと判定すると、払出制御装置242に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
その後、上作動口83aに遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく外部信号設定処理を行い、上作動口用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出して当該上作動口用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数をセットする(以下、上作動口用保留記憶数ともいう)。
このように変更となった始動保留記憶数に対応させて第1保留ランプ部98aの点灯させる処理を実行する。具体的には、第1保留ランプ部98aにおいて左右に並べて配置された4つのLEDのうち現時点での入賞数に対応する数のLEDを点灯させる処理を行う。例えば、今回の入賞によって保留数が「2」→「3」に加算された場合には、点灯済みの左側2つのLEDに追加して左側から3番目のLEDが点灯されることとなる。その後、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、遊技球が上作動口83aに入賞していないと判定した場合には、遊技球が下作動口83bに入賞(始動入賞)したか否かを下作動口83b用の検知センサ391eの検知状態により判定する。遊技球が下作動口83bに入賞したと判定すると、払出制御装置242に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
その後、下作動口83bに遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく外部信号設定処理を行い、下作動口用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出して当該下作動口用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数をセットする(以下、下作動口用保留記憶数ともいう)。
このように変更となった始動保留記憶数に対応させて第2保留ランプ部98bの点灯させる処理を実行する。具体的には、第2保留ランプ部98bにおいて左右に並べて配置された4つのLEDのうち現時点での入賞数に対応する数のLEDを点灯させる処理を行う。例えば、今回の入賞によって保留数が「2」→「3」に加算された場合には、点灯済みの左側2つのLEDに追加して左側から3番目のLEDが点灯されることとなる。その後、上述した情報取得処理と同様の処理を行い、本入賞処理を終了する。
本実施の形態においては、各保留ランプ部98a,98bは報知・演出制御装置140に接続されている。主制御装置162では作動口83a,83bへの入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である報知・演出制御装置140に認識させるべく保留コマンドの設定処理を実行する。保留コマンドには入賞先に係る情報等が付与されており、報知・演出制御装置140は主制御装置162から送信された保留コマンドに基づいて保留ランプ部98a,98bの発光制御を行う。
両作動口83a,83bのいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。なお、本作動口用の入賞処理にてセットした賞球コマンドは後述する通常処理の外部出力処理(ステップS201)にて払出制御装置242に対して送信され、保留コマンドは同外部出力処理にて報知・演出制御装置140に送信される。
(通常処理)
次に、通常処理の流れを図23のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、同通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置242に送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、保留コマンド、後述するシフト時コマンド等の各種コマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置140に対して送信する。また、RAM404の外部出力バッファに設定されている情報に応じて、外部出力端子板213に対する出力設定を行う。
続くステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM404の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、各遊技回の遊技を進行させるための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり等の当否判定及び振分判定を行うとともに、図柄表示装置253による図柄の変動表示の設定、主表示ユニット87における作動口用表示部などの表示制御などを行う。
その後、ステップS204では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS205では、下作動口83bに設けられた電動役物91を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、この電役サポート用処理では、RAM404の電役保留エリア433に格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物91を開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物91の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、主表示ユニット87におけるスルーゲート用表示部の表示制御を行う。
ここで、既に説明したとおり、電動役物91によるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この場合、RAM404に高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM404に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物91が開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物91の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM404に高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
続くステップS206では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、遊技球発射ハンドル41に対して発射操作が行われていることに基づき電源・発射制御装置243から出力される発射許可信号を入力していることを条件として、所定の発射期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
続くステップS207では、RAM404に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板405において停電の発生が確認され当該停電監視基板405からMPU402のNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされ、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS208にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS210では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。
ここで、ステップS201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS207にて、停電フラグがセットされていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS211以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS211では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS212にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS213にてRAM404のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
(遊技状態移行処理)
次に、ステップS204の遊技状態移行処理を図24〜図25のフローチャートを参照して説明する。
図24に示すように、遊技状態移行処理においては先ず、ステップS301にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS302に進み、1の遊技回の上作動口用表示部又は下作動口用表示部における絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了している場合には、より詳しくは変動表示が終了してから予め設定された停止表示期間(インターバル期間:確定表示期間)が経過している場合には、ステップS303に進み、今回の遊技回の遊技結果(上記当否抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に、15R通常フラグ(15R通常大当たり結果対応フラグ)、15R確変フラグ(15R確変大当たり結果対応フラグ)、2R通常フラグ(2R通常大当たり結果対応フラグ)、2R確変Aフラグ(2R確変大当たり結果A対応フラグ)、2R確変Bフラグ(2R確変大当たり結果B対応フラグ)の何れかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS304にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理により、ロック装置による可変入賞装置310(シャッタ321)の動作規制が解除され、開閉実行モードが終了するまで当該可変入賞装置310(シャッタ321)の開閉動作が許容されることとなる。
ステップS305では格納されている大当たり結果対応フラグが15R対応のものであるか否かを判定する。ステップS305にて肯定判定した場合には、ステップS306にてRAM404の各種カウンタエリアに設けられた開放数カウンタOCに「15」をセットし、続くステップS307にてRAM404の各種フラグ格納エリア435に高頻度入賞モードフラグをセットする。一方、ステップS305にて否定判定をした場合には、ステップS308にてRAM404の各種カウンタエリアに設けられた開放数カウンタOCに「2」をセットし、続くステップS309にてRAM404の各種フラグ格納エリア435に低頻度入賞モードフラグをセットする。なお、開放数カウンタOCは、可変入賞装置310が開放された回数を把握する手段として機能する。
ステップS307又はステップS309の処理を実行した後はステップS310に進み、オープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図23)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140及び表示制御装置410に送信される。報知・演出制御装置140では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置253における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は報知・演出制御装置140から表示制御装置410に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置410では、主制御装置162から受信したオープニングコマンドや報知・演出制御装置140から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示、例えば大当たりに対応する表示内容としてのキャラクタ等の動画表示、背景画像等の切り替えがなされるように図柄表示装置253の表示制御を実行する。ステップS310の処理を実行した後はステップS311にて外部信号設定処理を実行し、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS310の説明に戻り、当該ステップS301にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS312に進む。ステップS312では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS313にて大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理について、図25のフローチャートを参照しながら説明する。
(大入賞口開閉処理)
大入賞口開閉処理においては先ず、ステップS401にて可変入賞装置310の大入賞口319が開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞装置310の可変入賞駆動部の駆動状態に基づいてかかる判定を行う。大入賞口319が開放中でない場合には、ステップS402にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定する。ステップS402にて肯定判定をした場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS4022にて否定判定をした場合にはステップS403に進む。ステップS403では開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCは、大入賞口319の開放期間及び閉鎖期間(インターバル期間)を把握する際に参照されるカウンタであり、タイマ割込み処理(図22)が実行される度にその値が「1」づつ減算される。ステップS403にて否定判定をした場合には本大入賞口開閉処理を終了する。
開放数カウンタOCの値が「0」ではなく且つ開放タイマカウンタTCの値が「0」である場合には、ステップS404に進み、大入賞口の開放処理を実行する。具体的には、大入賞口319を開放すべく可変入賞駆動部を駆動状態とする。その後、可変入賞装置310(大入賞口319)対応の閉鎖条件の設定処理(開放時用設定処理)として、ステップS405〜S408の処理を実行する。
ステップS405では、高頻度入賞モードに対応しているか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に高頻度入賞モードフラグ及び低頻度入賞モードフラグのうち高頻度入賞モードフラグが格納されているか否かを判定する。ステップS405にて肯定判定をした場合にはステップS406に進み、開放タイマカウンタTCに「15000」(30secに相当)をセットする。一方、ステップS405にて否定判定をした場合、すなわちRAM404の各種フラグ格納エリア435に低頻度入賞モードフラグが格納されている場合には、ステップS407に進む。ステップS407では開放タイマカウンタTCに「300」(0.6secに相当)をセットする。
ステップS406又はステップS407の処理を実行した後は、ステップS408に進む。ステップS408では入賞カウンタPCに「10」をセットする。ステップS408の処理を実行した後は、ステップS409にて可変入賞装置310(大入賞口319)が開放されたことを示す開放コマンド設定して、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図22)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140においては、開放コマンドを受信したことに基づいて、開放に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS401の説明に戻り、当該ステップS401にて大入賞口319が開放中であると判定した場合にはステップS410に進み、開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCの値が「0」でない場合にはステップS411に進み、大入賞口に遊技球が入賞したか否かを可変入賞装置310に対応した検知センサ391bからの検知信号に基づいて判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
入賞が発生している場合には、ステップS412にて入賞コマンドの出力処理を実行する。入賞コマンドは払出制御装置242及び報知・演出制御装置140に出力される。払出制御装置242では当該入賞コマンドを受信したことに基づいて予め設定された数の遊技球を払い出す処理を行う。報知・演出制御装置140では、15R通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に対応する開閉実行モード中に入賞コマンドした場合には当該入賞を教示すべく例えば図柄表示装置253の表示画面253aにて実行される開閉実行モード中の演出(表示内容)を変化させる処理を行う。
ステップS412にてコマンドの出力処理を実行した後は、ステップS413に進む。ステップS413では入賞カウンタPCの値を1ディクリメントし、続くステップS414にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS414にて肯定判定をした場合、すなわち入賞カウンタPCの値が「0」である場合、又はステップS410にて肯定判定をした場合(すなわち開放タイマカウンタTCの値が「0」であると判定した場合)には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。この場合にはステップS415にて大入賞口319を閉鎖すべく可変入賞駆動部を非駆動状態とする。
続くステップS416では開放数カウンタOCの更新処理を実行する。具体的には、開放数カウンタOCの値が「0」でない場合には同開放数カウンタOCを1ディクリメントするとともに開放数カウンタOCの値が「0」である場合には同開放数カウンタOCの値を「0」のまま維持する。
その後、ステップS417では更新された開放数カウンタOCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS417にて否定判定をした場合にはステップS418に進み、開放タイマカウンタTCに「500」(1.0secに相当)をセットする。ステップS418の処理を実行した後は、ステップS419にて閉鎖コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図22)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、閉鎖コマンドを受信した場合に、当該閉鎖コマンドに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS417の説明に戻り、当該ステップS417にて、開放数カウンタOCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS420に進む。ステップS420では、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM404の各種カウンタエリア434に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM403に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。
その後、ステップS421にて、エンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図22)におけるステップS201にて、報知・演出制御装置140に送信される。
遊技状態移行処理(図24)の説明に戻り、ステップS313にて大入賞口開閉処理を実行した後に、ステップS314にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定し、ステップS315にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。開放数カウンタOCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、開放数カウンタOCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS316にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
開閉実行モード終了時の移行処理においては、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が15R確変大当たり結果であるか否かを判定する。具体的には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に15R確変フラグ(15R確変大当たり結果対応フラグ)が格納されているか否かを判定する。15R確変フラグが格納されている場合には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に高確率モードフラグをセットする。このようにしてセットされた高確率モードフラグに基づいて、その後の遊技回における当否抽選においては高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる。その後、RAM404の各種フラグ格納エリア435に高頻度サポートモードフラグをセットする。このようにしてセットされた高頻度サポートモードフラグに基づいて、その後の電役サポート処理においてはサポート抽選にて高頻度サポートモード用の当否テーブルが参照され、サポート抽選時の絵柄の変動表示時間が短縮され(詳しくは2.0secに設定され)、更には1度の開放により開放状態となる期間が延長される(詳しくは5.0secに設定される)。
今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が15R通常大当たり結果である場合には、RAM404の各種フラグ格納エリア435に高頻度サポートモードフラグをセットする。このようにしてセットされた高頻度サポートモードフラグに基づいて、その後の電役サポート処理においてはサポート抽選にて高頻度サポートモード用の当否テーブルが参照され、サポート抽選時の絵柄の変動表示時間が短縮され(詳しくは2.0secに設定され)、更には1度の開放により開放状態となる期間が延長される(詳しくは5.0secに設定される)。上述した確変大当たり結果の場合とは異なり、通常大当たり結果後に移行する高頻度サポートモードについてはサポート回数に上限が設定されており、RAM404の各種カウンタエリア434に格納されている遊技回数カウンタに「100」をセットする。これにより、開閉実行モード終了後に遊技回が100回行われるまで高頻度サポートモードが維持され、「100」に達したことを契機として高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行されることとなる。
今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が2R確変大当たり結果A,Bである場合にはRAM404の各種フラグ格納エリア435に高確率モードフラグをセットする。このようにしてセットされた高確率モードフラグに基づいて、その後の遊技回における当否抽選においては高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる。なお、2R確変大当たり結果Bである場合には高頻度サポートモードフラグが格納されるものの、2R確変大当たり結果Aである場合には高頻度サポートモードフラグが格納されない。つまり、2R確変大当たり結果Bである場合には電動役物91のサポート態様が高頻度サポートモードとなり、2R確変大当たり結果Aである場合には電動役物91のサポート態様については低頻度サポートモードとなる。
今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が2R確変大当たり結果Bである場合にはRAM404の各種フラグ格納エリア435に高確率モードフラグをセットする。このようにしてセットされた高確率モードフラグに基づいて、その後の遊技回における当否抽選においては高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる。その後、RAM404の各種フラグ格納エリア435に高頻度サポートモードフラグをセットする。このようにしてセットされた高頻度サポートモードフラグに基づいて、その後の電役サポート処理においてはサポート抽選にて高頻度サポートモード用の当否テーブルが参照され、サポート抽選時の絵柄の変動表示時間が短縮され(詳しくは2.0secに設定され)、更には1度の開放により開放状態となる期間が延長される(詳しくは5.0secに設定される)。
今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が2R通常大当たり結果である場合には、15R通常大当たり結果とは異なり開閉実行モード終了後に高頻度サポートモードに移行することはなく、電動役物91のサポート態様については低頻度サポートモードが継続されることとなる。また、抽選モードについても低確率モードへ移行する。
本実施の形態に示すパチンコ機10においては、持ち球の増加態様の異なる2つの開閉実行モード(高頻度入賞モード対応の特別遊技状態、低頻度入賞モード対応の特別遊技状態)が発生する構成となっており、これら2つの増加態様の組み合わせにより遊技者に有利な遊技状態(特別遊技状態や高頻度サポートモード対応の通常遊技状態)での遊技進行が単調になることを抑制している。ここで、図26を参照して、本パチンコ機10にて持ち球増加に係る遊技の流れについて補足説明する。図26は持ち球増加の様子を示す概略図である。
高頻度入賞モード対応の特別遊技状態では、ラウンド遊技中に実質的に10個の入球が発生し得る構成となっている。1個の入賞によって15個の遊技球の払い出しが行われるため、1度のラウンド遊技にておよそ150個の遊技球が払い出される。そして、1secのインターバル期間を経てこのラウンド遊技が15回繰り返されることとなるため、一度に大量の遊技球を獲得できるチャンスとなる。
これに対して、低頻度入賞モード対応の特別遊技状態では、入球数の上限については高頻度入賞モード対応の特別遊技状態と同様であるものの、大入賞口319の開放期間が0.6secとなっており、実質的に当該上限への到達が回避されている。
ここで、可変入賞装置310においては、右ルートへ遊技球を連続して(所定の発射周期で)発射している状況下では遊技球が入れ替わりながらステージ322上に停留する。より詳しくは、右ルートに遊技球を周期的に発射しているとしても、遊技球の動きがばらつくことで、遊技球の間隔に粗密の差が生じ得る。特に、本実施の形態に示すように、右ルートの少なくとも一部が遊技釘によって形成されている場合には(図6参照)、そのような疎密の差が生じやすい。この点、上述した可変入賞装置310においては、実質的に後続の遊技球が可変入賞装置310に到達するまで先行してステージ322に到達している遊技球は、当該ステージ322上にて停留を続ける。具体的には、ステージ322における停留期間については、上述した疎密の差に配慮して十分な長さが確保されているため、ステージ322上に遊技球が停留している状態が後続の遊技球の未達を契機に途切れることを回避している。このため、可変入賞装置310が閉状態から開状態に切り替わるタイミングで、それに合わせて少なくとも1個の遊技球が入球することとなり、その開放期間が遊技球の発射周期と同じ長さ(0.6sec)であっても、入球が発生することなくラウンド終了条件が成立することを抑制できる。つまり、遊技者は右ルートへ向けて遊技球を発射していれば、特別遊技状態における特典(賞球)を獲得できる。
また、主として低頻度サポートモード下にて発生する低頻度入賞モード対応の特別遊技状態(2R確変大当たり結果A又は2R通常大当たり結果対応の開閉実行モード)においては、主として高頻度サポートモード下にて発生する低頻度入賞モード対応の特別遊技状態(2R確変大当たり結果B対応の開閉実行モード)と比較して、開閉実行モードのオープニング期間及びエンディング期間が短くなっている。例えばオープニング期間について比較した場合には、低頻度サポートモード下にて発生する低頻度入賞モード対応の特別遊技状態におけるオープニング期間は、発射された遊技球が右ルートを流下して可変入賞装置310に到達するのに要する所要期間よりも長くなっているのに対して、高頻度サポートモード下にて発生する低頻度入賞モード対応の特別遊技状態におけるオープニング期間は、上記所要期間よりも短くなっている。
所要期間よりもオープニング期間を長くすれば、特別遊技状態への移行を確認してから遊技球を発射したとしても可変入賞装置310の開放に間に合う可能性があるものの、高頻度サポートモード対応の通常遊技状態→低頻度入賞モード対応の特別遊技状態(開閉実行モード)→高頻度サポートモード対応の通常遊技状態の一連の流れが遅くなる。ここで、高頻度サポートモード対応の通常遊技状態においては、右ルートへの遊技球の発射を継続的に行ったとしても、電動役物91によって下作動口83bへの入球がサポートされ、持ち球の減少を抑えながら遊技を行うことができる。故に、遊技球の発射の継続を促すことができる。このようにして遊技を行っている場合には、上記オープニング期間を短くしてもそれに起因して入球の機会が減ること回避でき、更にはオープニング期間が短くなるとで、高頻度サポートモード対応の通常遊技状態→低頻度入賞モード対応の特別遊技状態→高頻度サポートモード対応の通常遊技状態の流れを迅速化できる。これは、速やかに次の大当たり結果に繋げる上で有利となり、短い期間で持ち球を大きく増やすことが可能となる。
低頻度入賞モード対応の特別遊技状態へ移行する場合には、その契機となった遊技回にて大当たり結果に対応する図柄組み合わせが停止表示された後に特別遊技状態へ移行し、最初のラウンドが終了するまで(可変入賞装置310が閉状態に復帰するまで)の期間は、確定表示期間(2sec)、オープニング期間(1sec)及び開放期間(0.6sec)の和(3.6sec)となる。この期間中に発射され得る遊技球の数は6個であり、可変入賞装置310への1個の入賞によって払い出される遊技球の数は15個である。故に、大当たり結果に対応する図柄組み合わせが表示されてから遊技球を発射したとしても遊技者は持ち球を凡そ9個増やすことができる。また、高頻度サポートモード対応の通常遊技状態中は持ち球の減りが抑制されているため、図柄の変動表示中に遊技球の発射を継続していたとしても、持ち球がほとんど減らない。総じて、高頻度サポートモード対応の通常遊技状態においては、遊技球の発射操作を継続しさえしていれば、低頻度入賞モード対応の特別遊技状態を経由することにより持ち球が増えることとなる。
最初のラウンドが終了した後は、インターバル期間を経て次のラウンドが開始されることとなる。このインターバル期間については1secとなっており、当該次のラウンドにおける開放期間は0.6secである。つまり、次のラウンドにて閉鎖条件が成立するまでの猶予期間は1.6secとなる。ここで、インターバル期間中に可変入賞装置310に到達した遊技球は、ステージ322上に停留することとなる。つまり、インターバル期間中に可変入賞装置310に到達した遊技球は、そのまま可変入賞装置310を素通りするのではなく、上記次のラウンドにて可変入賞装置310へ入賞する。このような構成とすることで、当該次のラウンドにおいても少なくとも1個の入賞が発生する。これにより、遊技者は更に持ち球を増やすことができる。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果が期待できる。
高頻度入賞モード対応の特別遊技状態と、低頻度入賞モード対応の特別遊技状態とを設けることは、遊技の単調化を抑制する上で好ましい。特に、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差を大きく(明確に)することは遊技のメリハリを強化する上で有利である。ここで、各モードで開放期間に差を設けることにより入賞数に実質的な差を発生させることが可能であるが、開放期間が短い低頻度入賞モードにおいては高頻度入賞モードと比較して開放タイミングと遊技球の到達タイミングとのずれの影響が顕著になる。つまり、メリハリの強化等を目的として低頻度入賞モードにおける開放期間を短くした場合には、上記タイミングのずれによって入賞が発生することなく低頻度入賞モード対応のラウンド遊技が終了する可能性が高くなる。低頻度入賞モードであっても、可変入賞装置が開放される点については高頻度入賞モードと同様であり、低頻度入賞モードにて入球が発生することなく特別遊技状態が終了することは遊技者の遊技意欲を低下させる要因になると懸念される。これは、複数の入賞モードを併用することで遊技への注目度の向上を図る上で妨げになり得る。この点、本実施の形態においては、低頻度入賞モードにおいて入賞を発生させる上で上記タイミングのずれの影響を好適に緩和できる。すなわち、開放タイミングに対して遊技球の到達タイミングが多少ずれたとしても、入賞を発生させることができる。つまり、極めて短い開放期間となるように低頻度入賞モードが設定されている場合であっても、少なくとも1個の入賞が発生することとなる。これにより、遊技の多様化やメリハリの強化を行いつつも、それが遊技意欲の減退を招く要因になることを好適に回避できる。
そもそも、開放タイミングは可変入賞装置へ向けた遊技球の動きとは無関係に決定される。このため、開放タイミングに合わせて遊技球が到達できるか否かは不確定である。また、周期的に発射された遊技球であっても、可変入賞装置に到達する過程にて動きにばらつきが生じことで、遊技球の到達タイミングが上記周期の通りにはならない。このため、発射周期を考慮して開放期間を設定する上で、疎密の偏り等を配慮しようとすれば、開放期間を短くして高頻度入賞モードとの差を明確にするという考え方に逆行することとなる。この点、本実施の形態に示したように、遊技球を大入賞口319の上流位置にて停留させておき、停留している遊技球がシャッタ321の開放に伴って大入賞口319へ入賞する構成とすれば、上述したタイミング等のずれの影響を抑制できる。
上述した入賞補助を利用する上では、右ルートへ遊技球を継続して発射しさえすれば足り、遊技球の発射/非発射を細かく切り替えるといった複雑な操作が不要である。これは、遊技者の技量等によって補助を利用できないといった不都合の発生を抑制し、遊技者間の公平性の低下を好適に回避できる。
ここで、ステージ321に遊技球が停留している状況下にて後続の遊技球がステージ部に到達した場合には、先行している遊技球に入れ替わるようにして後続の遊技球が停留することとなる。ステージ321は、遊技球の流下が一時的に抑えられている箇所であり、遊技球の動きを目で追いやすい。このような箇所にて先行する遊技球と後続の遊技球との動きに関連性を与えて遊技球の動きを斬新なものとすることにより、遊技球の動きに対する注目度の向上を図ることができる。
ステージ321に先行する遊技球が停留している最中に当該ステージ321へ後続の遊技球が到達すると、先行する遊技球に対して後続の遊技球が衝突する。この衝突によって先行する遊技球を動かすことにより、遊技球の入れ替えを促すことができる。この衝突によって先行する遊技球が流出口317に向かうため、停留対象となる遊技球を速やかに入れ替えることができる。これにより、停留対象ではない遊技球がステージ321上に位置する期間、すなわち先行する遊技球と後続の遊技球との両者がステージ321上に位置する期間(重複期間)を短くすることが可能となる。これは、上記入賞補助が過度に作用することを抑制する上で好ましい。
停留中の遊技球との衝突後に、後続の遊技球の挙動が大きく乱れてしまうと、後続の遊技球がそのまま流出口317に向かう可能性が高くなる。これでは、停留対象の入れ替えが上手くなされない。この点、本実施の形態に示したように、後続の遊技球が衝突後に「球受け部」である奥壁部314へ当たる構成とすれば、後続の遊技球の勢いを弱めることができる。これにより、衝突直後に停留中の遊技球の数が0になることを好適に回避できる。
ステージ321は、奥行き寸法が遊技球の直径寸法の2倍よりも小さくなるように構成されている。これにより、先行する遊技球の通過領域と後続の遊技球の通過領域との重複を生じさせて、上記衝突が回避されることを抑制できる。
ステージ321を構成する第1エリア331(導入経路EL)及び第2エリア332(揺動経路BL)が平行となっている。この構成によれば、上記通過領域の重複範囲をステージ321の長手方向におけるぜ広域にて確保することができる。これにより、後続の遊技球がステージ321に到達するタイミングにばらつきが生じる場合であっても、先行する遊技球と後続の遊技球との衝突を好適に発生させることができる。
ステージ321の第2エリア332については、遊技球を完全に停止させるのではなく揺動させながら停留させる構成となっている。この構成によれば、遊技球の移動速度が極端に遅くなることを回避しつつ停留期間を稼ぐことができる。これは停留期間の長さへの製造誤差等の影響を抑え、上述した衝突→入替機能を担保する上で好ましい。
第1エリア331と第2エリア332とはステージ321の長手方向における全域にて連通しており、衝突発生によって後続の遊技球が第1エリア331から外れる動きをした場合にはそのまま第2エリア332に移ることが可能となっている。つまり、衝突後に第1エリア331を完走する必要がない。上述したように先行する遊技球と後続の遊技球との衝突によって遊技球の入れ替えを行う場合には、当該入れ替えを速やかに行うことにより、次の遊技球の到達→衝突→入れ替えに備えることができる。これにより、停留対象の入れ替わりが連続して発生する場合への対応を好適なものとすることができる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、可変入賞装置310のシャッタ321上に遊技球を停留させる構成としたが、本実施の形態においては遊技球を停留させる「停留部」又は「ステージ部」としてのステージがシャッタとは別に形成されていることを特徴の1つとしている。本実施の形態に示す可変入賞ユニット82Xは、可変入賞装置310Xと案内ブロック300とにより構成されているが、案内ブロック300については第1の実施の形態と同様であるため説明を省略し、以下、図27及び図28を参照して可変入賞装置310Xの構成を第1の実施の形態に示した可変入賞装置310との相違点を中心に説明する。図27は可変入賞ユニット82Xの横断面図、図28は可変入賞ユニット82Xの縦断面図である。
図27に示すように、可変入賞装置310Xのハウジング311Xには、ステージ330Xが形成されている。このステージ330Xには、上記第1の実施の形態に示したステージ322と同様に第1エリア331X及び第2エリア332Xにより構成されており、案内ブロック300の案内通路301を通じてステージ330Xに到達する遊技球が、第1エリア331Xに案内され、当該第1エリア331Xを通じて第2エリア332Xへ移動する。第1エリア331X及び第2エリア332Xは、前者が奥側(奥壁部314X側)、後者が手前側(流出口317X側)に位置するように前後に並設されている。ステージ330X上の遊技球の動きについては、第1の実施の形態に示したシャッタ321が閉状態となっている場合のステージ322上の遊技球の動きと同様であるため説明を省略する。
ハウジング311Xにてステージ330Xよりも下方となる部分には、遊技領域形成体80aの前面から遊技機前方に膨出する膨出部318Xが形成されている。この膨出部318Xの上部には、上方に開放された大入賞口319Xが形成されており、この大入賞口319Xを上方から覆うようにして開閉式のシャッタ321Xが配設されている。シャッタ321Xが遊技領域形成体80aの厚さ方向(前後方向)にスライド移動可能となっており、当該厚さ方向へスライド移動することで開状態及び閉状態に切り替わる点では上記第1の実施の形態と同様である。
ステージ330Xの流出口317Xから流出した遊技球については、大入賞口319Xに向けて落下する。シャッタ321Xが開状態となっている場合には大入賞口319Xに向けて落下する遊技球はそのまま大入賞口319Xに流入するものの、シャッタ321Xが閉状態となっている場合には大入賞口319Xに向けた遊技球の動きはシャッタ321Xによって遮られることとなる。
シャッタ321Xは、その上面322Xが遊技機中央側(作動口83b側)へ下り傾斜となるように形成されている。シャッタ321X上へ落下した遊技球については、シャッタ321X上を遊技機中央側へ向けて転動し、可変入賞ユニット82Xから離脱する。
ここで、流出口317Xを通じてステージ330Xから流出する遊技球については、後続の遊技球との衝突によって斜め前方へ向かう可能性がある。このような事情に配慮して、大入賞口319X及びシャッタ321Xについては、左端部が流出口317Xの左端部よりも左側に位置し且つ右端部が流出口317Xの右端部よりも右側に位置するように横幅が大きくなっている。このため、斜め前方へ弾かれた遊技球についても、大入賞口319X(シャッタ321X)へ向けて落下し、当該大入賞口319Xの迂回が回避されることとなる。
また、ステージ330X上の遊技球が後続の遊技球に弾かれて遊技機前方に向かう構成においては、遊技球が自重でステージ330Xから落下する場合と比較して、その勢いが大きくなる。本実施の形態に示す膨出部318Xにおいては、図28に示すように前側の壁部がステージ330Xよりも上方に延出している。これにより、ステージ330Xから流出した遊技球が大入賞口319X(シャッタ321X)を飛び越えるようにしてガラスパネル23へ向かうことを回避している。
次に、図29の概略図を参照して、本実施の形態における大入賞口319Xへの入賞の流れについて説明する。
図29(a)に示すように、シャッタ321Xが閉状態となっている場合には、右ルートへ発射された遊技球は、ステージ330Xを経てシャッタ321Xへと落下する。ステージ330Xにおいては、先行する遊技球B1が停留している状況下にて所定の停留期間を経過したこと又は後続の遊技球B2との衝突が発生したことに基づいて当該先行する遊技球B1がステージ330Xから流出することとなる。第1の実施の形態に示したように、右ルートへ向けた遊技球の発射が継続されている状況下においては、所定の停留期間が経過する前に後続の遊技球B2がステージ330Xへ到達する。このため、停留中の遊技球B1は上記2つの契機のうち専ら後者に基づいてステージ330Xから流出して大入賞口319Xに向かうこととなる。停留中の遊技球B1が大入賞口319Xに向かうタイミングは後続の遊技球に依存することとなるため、シャッタ321Xが開放されるタイミングにて後続の遊技球が先行する遊技球に衝突することを期待して遊技機が行われることとなる。
ここで、後続の遊技球B2がステージ330Xに到達した場合であっても、先行する遊技球B1と後続の遊技球B2との衝突が発生するタイミングについては若干のばらつきが生じる。具体的には、先行する遊技球B1は第2エリア332Xにて揺動しているため、当該第2エリア332Xにおけるどの位置に先行する遊技球B1が位置しているかによって衝突の発生タイミングがずれることとなる。このような構成においては、大入賞口319Xへの入賞に期待する遊技者は、先行する遊技球、後続の遊技球、シャッタ321Xの3者の動きに注目することとなり、遊技球の動きに対する遊技者の注目度の向上に寄与できる。
図29(b)に示すように、シャッタ321Xが開状態となっている場合についても、基本的な遊技球の動きについては同様である。シャッタ321Xが開状態となっている場合には、開放期間中に先行する遊技球B3がステージ330Xから流出することで、大入賞口319Xへの入賞が発生し得る。故に、大入賞口319Xへの入賞に期待する遊技者は、先行する遊技球及び後続の遊技球の動きに注目することとなり、遊技球の動きに対する遊技者の注目度の向上に寄与できる。
可変入賞装置(大入賞口)への入賞に基づいて遊技者に特典(例えば賞球)が付与されるタイプの遊技機においては、可変入賞装置への入賞発生の有無が当該可変入賞装置へ向かう遊技球自身の動きに依存していることが多い。この点、本実施の形態に示した可変入賞ユニット82Xにおいては、ステージ330Xに停留中の遊技球が後続の遊技球との衝突を契機として大入賞口319Xに向かうため、停留中の遊技球と後続の遊技球との両者に注目すると想定される。このように、遊技球同士の関係によって入賞の有無が左右される構成とすれば、今までにない斬新な遊技球の動きを実現し、遊技への注目度の向上に貢献できる。
<第3の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、特別遊技状態(開閉実行モード)に移行することで可変入賞装置310が開放される構成とした。本実施の形態において特別遊技状態における開放対象として複数の可変入賞装置を併用している点で第1の実施の形態と構成が相違している。以下、図30〜図32を参照して、本実施の形態における可変入賞装置及びそれに関連する構成について、上記第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。図30は可変入賞装置及びその周辺構成を示す遊技盤ユニットの部分拡大図、図31は高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの関係を示す概略図、図32(a)は遊技進行に関連する各期間を示す概略図、図32(b)は入賞パターンを示す概略図である。
図30に示すように、遊技領域PE(詳しくは右ルート)には第1可変入賞装置410Yが配設されており、この第1可変入賞装置410Yの下流側に第1の実施の形態に示した可変入賞ユニット82Yが配設されている。以下の説明では、可変入賞ユニット82Yを構成している可変入賞装置を「第2可変入賞装置310Y」と称する。
なお、第2可変入賞装置310Yは、第1の実施の形態に示した可変入賞装置310とはステージ322Yに繋がる流入口317Yの位置が左右逆になっている点、ステージ322Yにおける遊技球の停留期間(設定停留期間)の長さが相違している点を除いては構成が同一である。因みに、図30においては案内ブロック300の図示を省略している。
上流側に位置する第1可変入賞装置410Yは、遊技機前方に開放された大入賞口419Yと当該大入賞口419Yを開状態/閉状態に切替可能なシャッタ421Yとを有している。開状態となっている場合には、シャッタ421Yが遊技領域形成体80aの前面から前方へ(右ルートへ)突出し、当該シャッタ421Yによって右ルートの流路が寸断される。これにより、右ルートを流下する遊技球が大入賞口419Yへ案内され、第1可変入賞装置410Yよりも下流側への移動が不可となる。これに対して、閉状態となっている場合には、右ルートを流下する遊技球を大入賞口419Yの前方を通過(素通り)し、大入賞口419Yへの入賞が回避される。
右ルートは、第1可変入賞装置410Yの下流にて2股に分岐している。具体的には、下作動口83b(図4参照)に向かうルートと、可変入賞ユニット82に向かうルートとに分岐している。この分岐箇所には、遊技球を振り分ける振分機構435Yが配設されている。振分機構435Yは、可変入賞ユニット82へ遊技球を振り分ける第1振分状態と、下作動口83bへ遊技球を振り分ける第2振分状態とに切替可能となっており、遊技球を振り分ける度に第1振分状態/第2振分状態に交互に切り替わる構成となっている。つまり、可変入賞ユニット82への振分率及び下作動口83bへの振分率は共に1/2となっている(図30(b)参照)。
なお、本実施の形態に示す振分機構435Yについては、当該振分機構435Yを通過する遊技球の重さを利用して、第1振分状態/第2振分状態に切り替わる構成となっているが、振分機構435Yを第1振分状態/第2振分状態に切り替えることができるのであれば、その具体的構成については任意であり、例えばアクチュエータを用いて第1振分状態/第2振分状態の切り替えを行う構成としてもよい。
第1可変入賞装置410Yの下方には、当該第1可変入賞装置410Yを素通りした遊技球を回収する回収通路431Yが設けられており、回収通路431Yにより回収された遊技球が振分機構435Yを経て上記各ルートに振り分けられる。振分機構435Yにより可変入賞ユニット82側へ振り分けられた遊技球は、案内ブロックの案内通路を経由して、第2可変入賞装置310Yのステージ322Yへ案内される。
本実施の形態においては、特別遊技状態(開閉実行モード)における入賞モードとして低頻度入賞モード及び高頻度入賞モードが設定されている点で上記第1の実施の形態と同様となっているが、入賞モード毎に開放対象となる可変入賞装置が対応付けられている。具体的には、図31(a)に示すように、高頻度入賞モードにおいては上流側の第1可変入賞装置410Yが開放対象として設定され、低頻度入賞モードにおいては下流側の第2可変入賞装置310Yが開放対象として設定される構成となっている。
また、特別遊技状態においては、当該特別遊技状態の進行中に低頻度入賞モード/高頻度入賞モードの切り替えがなされる場合がある。具体的には、15R確変大当たり結果又は15通常大当たり結果となった場合には、第1ラウンド〜第14ラウンドと第15ラウンド(最終ラウンド)とで入賞モード及び開放対象が変化する。より詳しくは、第1ラウンド〜第14ラウンドにおいては第1可変入賞装置410Yが開放対象となり且つ入賞モードとして高頻度入賞モードが設定される。これに対して、第15ラウンドにおいては第2可変入賞装置310Yが開放対象となり且つ入賞モードとして低頻度入賞モードが設定される。つまり、第15ラウンドについては、入賞先が第1可変入賞装置410Yから第2可変入賞装置310Yに切り替わり、入賞モードについても高頻度入賞モードから低頻度入賞モードに切り替わることとなる。
低頻度入賞モードにおいては、入賞の上限数については同一であるものの、大入賞口の開放期間に明確な差が設定されている。具体的には、右ルートへ所定の発射周期(0.6sec)で遊技球を発射している場合には、入賞数が上限に達するまでに要する実質的な期間(実質開放期間)は6sec〜7secである。高頻度入賞モードにおいては最大開放期間が30secとなっており、実質開放期間よりも長い。このため、高頻度入賞モードにおける入賞数は上限数に達することとなる。これに対して、低頻度入賞モードにおいては最大開放期間が1.8secとなっており、実質開放期間よりも短い。このため、低頻度入賞モードにおける入賞数は上限数よりも少なくなる。以上の理由から、第15ラウンドにおいては、第1ラウンド〜第14ラウンドと比較して、得られる特典が少なくなる。
第14ラウンドが終了すると、第1可変入賞装置410Yへの入賞が回避され、右ルートに発射された遊技球は回収通路431Yを経由して振分機構435Yに向かう。これにより、右ルートへ発射された遊技球は下作動口83bへ向かうものと第2可変入賞装置310Yへ向かうものとに分かれる。
本実施の形態における第2可変入賞装置310Yは、ステージ322Yにて遊技球が停留する停留期間、具体的には後続の遊技球との衝突によって強制的に排出されない場合を想定した停留期間(設定停留期間)が上述した第1可変入賞装置410Yの実質開放期間よりも短くなっている(図32(a)参照)。詳しくは、停留期間として4sec〜5secが設定されている。
ここで、回収通路431Yの通過に要する所要期間は0.6secとなっており、振分機構435Yからステージ322Yに移動するまでの所要期間は0.4secとなっている。つまり、第1可変入賞装置410Yを素通りした遊技球が第2可変入賞装置310Yに到達するまでの所要期間は1secとなっている。この所要期間に上記停留期間を加味しても、例えば第14ラウンド開始前のインターバル期間中又はそれ以前に第1可変入賞装置410Yを素通りしてステージ322に到達した遊技球については、第15ラウンドの開始タイミング、すなわち第14ラウンドの終了に伴って第2可変入賞装置310Yへ向かう遊技球がステージ322に到達するタイミングまでに当該ステージ322から離脱する。つまり、第14ラウンド終了後にステージ322に遊技球が到達する時点では先行して停留している遊技球が存在せず、第2可変入賞装置310Yへの入賞は、第1可変入賞装置410Yが閉状態となった後に当該第1可変入賞装置410Yを通過した遊技球に限定されている。
以下、図32(b)を参照して、第15ラウンドにおける第2可変入賞装置310Yへの入賞発生の流れについて説明する。この流れは振分機構435Yの状態によって2つに大別される。具体的には、振分機構435Yが上記第1振分状態となっている場合のパターン1と、振分機構435Yが第2振分状態となっている場合のパターン2とに大別される。何れのパターンであっても、第2可変入賞装置310Yへの入賞数は同一となる。
先ずパターン1について説明する。第14ラウンドが終了したta0のタイミングにおいては、ステージ322Y上に遊技球が存在しない。その直後のta1のタイミングよりも前に振分機構435Yに到達した遊技球は、第2可変入賞装置310Yへ振り分けられる。この遊技球については、0.4sec後にステージ322へ到達する。このタイミングではシャッタ321Yが閉状態に維持されており、ステージ322Yに案内された遊技球は当該ステージ322Yにて一時的に停留することとなる。なお、振分機構435Yは、第2可変入賞装置310Y側へ遊技球の振り分けに伴い第1振分状態から第2振分状態に切り替わる。
ta0のタイミングから所定のインターバル期間(1sec)が経過したタイミングでは、シャッタ321Yが閉状態から開状態に切り替わる。これにより、ステージ322に停留していた遊技球が大入賞口319へと落下する。これにより、1つ目の入賞が発生する。
シャッタ321Yが開状態に切り替わった直後、例えばta1のタイミングから0.6secが経過したta2のタイミングでは、次の遊技球が振分機構435Yに到達する。このタイミングでは振分機構435Yは第2振分状態となっている。故に、この遊技球については下作動口83bへ振り分けられ、第2可変入賞装置310Y側への移動が回避される。なお、振分機構435Yは、下作動口83b側への遊技球の振り分けに伴い第2振分状態から第1振分状態に切り替わる。
ta2のタイミングの後のta3のタイミング、例えばta0のタイミングから1.8secを経過したタイミングにて次の遊技球が振分機構435Yに到達すると、この遊技球については第2可変入賞装置310Yへ振り分けられることとなる。遊技球を第2可変入賞装置310Y側へ振り分けることで、振分機構435Yは第1振分状態から第2振分状態に切り替わる。
第2可変入賞装置310Y側へ振り分けられた遊技球は、ta3のタイミングから0.4secを経過したタイミングにてステージ322Yへ到達する。このタイミングではシャッタ321Yが開状態に維持されているため、当該遊技球はそのまま大入賞口319へ流入することとなる。これにより、2つ目の入賞が発生する。
ta3のタイミングの後のta4のタイミング、例えばta0のタイミングから2.4secを経過したタイミングにて次の遊技球が振分機構435Yに到達すると、この遊技球については下作動口83bへ振り分けられ、ステージ322Yへの移動が回避される。遊技球を下作動口83b側へ振り分けることで、振分機構435Yは第2振分状態から第2振分状態に切り替わる。
ta4のタイミングから0.4secを経過したタイミング、すなわち第2可変入賞装置310Yの開放から開放期間(1.8sec)を経過したタイミングでは、シャッタ321Yが開状態から閉状態に切り替わる。これにより、以降の第2可変入賞装置310Yへの入賞が回避されることとなる。
以上例示したパターン1においては、多くの場合には第15ラウンドにおける第2可変入賞装置310Yへの入賞数が「2」となる。
次にパターン2について説明する。第14ラウンドが終了した後のta1のタイミング、例えばta0のタイミングから0.6secが経過したタイミングにて振分機構435Yに到達した遊技球は、下作動口83bへ振り分けられ、ステージ322Yへの移動が回避される。遊技球を下作動口83b側へ振り分けることで、振分機構435Yが第2振分状態から第1振分状態に切り替わる。
ta0のタイミングから所定のインターバル期間(1sec)が経過したタイミングでは、シャッタ321Yが閉状態から開状態に切り替わる。パターン2においては、第1可変入賞装置410Yが閉状態となった直後に振分機構435Yを経由して、ステージ322Yに遊技球が到達する場合に、少なくとも1secが経過することとなる。つまり、パターン1とは異なり、ステージ322Y上に遊技球が停留していない状況下にてシャッタ321Yが開状態に切り替わることとなる。
シャッタ321Yが開状態に切り替わった後のta2のタイミング、例えばta0のタイミングから1.2secが経過したta2のタイミングにて次の遊技球が振分機構435Yに到達すると、この遊技球については第2可変入賞装置310Yへ振り分けられることとなる。遊技球を第2可変入賞装置310Y側へ振り分けることで、振分機構435Yは第1振分状態から第2振分状態に切り替わる。
第2可変入賞装置310Y側へ振り分けられた遊技球については、0.4sec後に大入賞口319へ到達する。このタイミングではシャッタ321Yが開状態に維持されている。このため、ステージ322Yに案内された遊技球は、そのまま大入賞口319へ流入することとなる。これにより、1つ目の入賞が発生する。
ta2のタイミングの後のta3のタイミング、例えばta0のタイミングから1.8secを経過したta3のタイミングにて次の遊技球が振分機構435Yに到達すると、この遊技球は下作動口83bへ振り分けられることとなる。遊技球を下作動口83b側へ振り分けることで、振分機構435Yは第2振分状態から第1振分状態に切り替わる。
ta3のタイミングの後のta4のタイミング、例えばta0のタイミングから2.4secを経過したタイミングにて次の遊技球が振分機構435Yに到達すると、この遊技球については第2可変入賞装置310Yへ振り分けられることとなる。遊技球を第2可変入賞装置310Y側へ振り分けられることとなる。振分機構435Yは第1振分状態から第2振分状態に切り替わる。第2可変入賞装置310Y側へ振り分けられた遊技球については、0.4sec後にステージ322Yへ到達する。このタイミングではシャッタ321Yが開状態に維持されている。このため、ステージ322Yに案内された遊技球は、そのまま大入賞口319へ流入することとなる。これにより、2つ目の入賞が発生する。
以上上述したパターン2においても、多くの場合にはパターン1と同様に、第15ラウンドにおける第2可変入賞装置310Yへの入賞数が「2」となる。
本実施の形態においては、第14ラウンド終了後も遊技球の発射を継続していれば第15ラウンドにおける入賞数が2となる。これにより、30個の賞球を獲得できる。第14ラウンド終了から第15ラウンド終了までに発射される遊技球の数は4個である。投資に対してリターンが上回ることにより、持ち球が増加することとなる。なお、遊技球の動きのばらつき等によっては、入賞数が「1」になる場合が発生し得るものの、その場合であっても、15個の賞球を獲得でき、投資に対してリターンが上回ることから、持ち球は増加する。
本実施の形態においては、第15ラウンドにおいては、最小で「1」且つ最大で「2」の入賞が発生する構成となっている。少なくとも「1」の入賞を発生させることにより、本来得られるはずの特典を取りこぼした等の印象を遊技者に与えることを回避している。極めて短い期間であるが、大入賞口319が開放されたことにより特典を取得できる構成とすることで、遊技意欲の減退を抑制している。また、入賞数のばらつきを抑えることは、遊技者や遊技ホールが過度の不利益を被ることを抑制し、公平性の低下を抑える上で好ましい。
<第4の実施の形態>
本実施の形態においては、第1可変入賞装置及び第2可変入賞装置を併用する上で、低頻度入賞モードにて第2可変入賞装置が開放される場合にある程度の入賞数を稼ぎつつ、入賞数のばらつきを更に軽減する工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図33〜図35を参照して、第3の実施の形態との相違点を中心に上記工夫に係る構成について説明する。図33は可変入賞装置及びその周辺構成を示す遊技盤ユニットの部分拡大図、図34(a)は遊技進行に関連する各期間を示す概略図、図34(b)は入賞パターンを示す概略図、図35は特別遊技状態における遊技の流れを示すタイミングチャートである。
図33(a)に示すように、本実施の形態に示す遊技盤ユニット80Zについては、主たる構成は第3の実施の形態と同様であり右ルートの分岐箇所に配設された振分機構435Zに係る構成の一部が第3の実施の形態に示した振分機構435Yと相違している。振分機構435Zは、分岐箇所に到達した遊技球を第2可変入賞装置310Zに振り分ける第1振分状態と、分岐箇所に到達した遊技球を下作動口83bに振り分ける第2振分状態とに切替可能となっており、当該振分機構435Zを遊技球が通過することで第1振分状態/第2振分状態に順次切り替わる。
具体的には、第1振分状態にて1個の遊技球を第2可変入賞装置310Z側へ振り分けたことに基づいて第2振分状態に切り替わり、第2振分状態にて2個の遊技球を連続して下作動口83b側へ振り分けたことに基づいて第1振分状態に切り替わる構成となっている。つまり、分岐箇所に到達した遊技球の2/3が下作動口83b側、1/3が第2可変入賞装置310Z側へ振り分けられ(図33(b)参照)、第2可変入賞装置310Zへ案内される遊技球の数が少なくなっている。
また、振分機構435Zから第2可変入賞装置310Zのステージ322Zへ遊技球が到達するのに要する所要期間は、0.8secとなっており、こちらも第3の実施の形態よりも長くなっている。
このような振分率及び所要期間の変更によって、第15ラウンドにて第2可変入賞装置310Zが開放される場合にその開放期間中に第2可変入賞装置310Zへ到達し得る遊技球の数を凡そ1つとなるように制限している。
本実施の形態に示すステージ322Zは、当該ステージ322Z上に遊技球が停留する停留期間(設定停留期間)が高頻度入賞モードにおけるラウンドの開放期間(30sec)と高頻度入賞モードから低頻度入賞モードへ移行する際のインターバル期間(1sec)との和よりも長くなるように設定されている。より詳しくは、上述したように右ルートへ遊技球を連続して発射している場合には、各ラウンドにおける実質開放期間が6sec〜7secとなるように短縮される。1ラウンド〜14ラウンドの各ラウンドの実質開放期間の和と、第15ラウンド開始までの各インターバル期間の和との総和よりも長くなるように設定されている(図34(a)参照)。
15R確変大当たり結果や15R通常大当たり結果となった場合には、右ルートへ向けて遊技球が発射されることになるが、第1ラウンド〜第14ラウンドにおいては発射された遊技球の全てが第1可変入賞装置410Yに入賞するわけではなく、一部の遊技球についてはインターバル期間中に零れることとなる。零れた遊技球については、下作動口83bに向かうもののと、第2可変入賞装置310Zに向かうものとに分かれる。このうち、第2可変入賞装置310Zに向かった遊技球については、ステージ322Zにて停留することになるが、遊技球の停留は対象を入れ替えつつも最終ラウンドまで継続されることとなる。
遊技球が停留している状況下にて第15ラウンド(最終ラウンド)が開始されると、シャッタ321Zが開状態に切り替わりに伴って停留中の遊技球が大入賞口319へと落下する。つまり、第1可変入賞装置410Yへの入賞機会を逃し且つ第2可変入賞装置310Zへの入賞機会を逃すはずであった遊技球についても最終ラウンドにて入賞機会が再付与されることとなる。これは低頻度入賞モードにおけるに入賞発生を担保する上でも好ましい。
本実施の形態においては、停留している遊技球の有無及び振分機構435Zの状態によって第2可変入賞装置310Zにおける入賞パターンがパターン1〜パターン6に大別されることとなる。
具体的には、図34(b)のパターン1〜パターン3に示すように、第2可変入賞装置310Zが開放されるタイミングにてステージ322Zに遊技球が停留していない場合には、上述したような零れ球の救済は発生しない。つまり、第14ラウンドの終了後に第2可変入賞装置310Zに到達した遊技球のみが第2可変入賞装置310Zへ入賞することとなる。上述したように分岐箇所を通過した遊技球については1/3が第2可変入賞装置310Zに振り分けられる構成となっており、右ルートへの遊技球の発射を継続していれば、第2可変入賞装置310Zの開放期間中におよそ1個の入賞が発生することとなる。
これに対して、パターン3〜パターン6に示すように、ステージ322Zに遊技球が停留している場合には、第2可変入賞装置310Zが開放された時点で当該停留中の遊技球が大入賞口319へ入賞し、少なくとも1個の入賞が確保される。その後は、パターン1〜パターン3と同様に、およそ1個の入賞が発生することで、パターン1〜パターン3よりも多くの入賞が期待できる。
第15ラウンド開始までには、複数のインターバル期間を経由することとなる。このような事情に鑑みた場合には、第15ラウンド開始までにステージ322Zに到達する遊技球の数は1つであるとは限らない。例えば、図35のタイミングチャートに示すように、第14ラウンド開始時に既に1個の遊技球がステージ322Zに停留している場合に(tb1のタイミング参照)、第13ラウンド〜第14ラウンドのインターバル期間中に第1可変入賞装置410Yを素通りした遊技球が新たにステージ322Zに到達すると(tb2のタイミング参照)、一時的にステージ322Zに2つの遊技球が存在し得るものの、その直後のtb3のタイミングでは停留中の遊技球と後続の遊技球とが入れ替わる。これにより、停留している遊技球の数は1個となる(tb3のタイミング参照)。この状態が第15ラウンドの開始タイミング(tb5のタイミング参照)まで維持されることで、第15ラウンドの開始に伴って1個の入賞が発生する。既に説明したように、第14ラウンドの終了から第15ラウンドの開始までのインターバル期間は1secとなっており、且つ第1可変入賞装置410Yを素通りした遊技球が第2可変入賞装置310Zに到達するまでにはインターバル期間よりも長い期間が必要である。このため、tb2のタイミングにて発生したような一時的に複数の遊技球がシャッタ321Z上に存在するという状況が、第15ラウンドの開始タイミングに重なることが回避されている。これにより、上記救済機能が過度となることが回避されている。
特別遊技状態における入賞モードとして高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードを設けることにより、可変入賞装置への入賞に差を生じさせて遊技の多様化を実現できる。しかしながら、低頻度入賞モードにおける入賞を困難とした場合には、可変入賞装置への入賞が可能となったにも関わらず入賞が発生しないといった事象が発生し得る。これは、本来得られるはずの特典(賞球)を取りこぼしたとの印象を遊技者に与える要因となり、遊技意欲の低下を招くと懸念される。この点、本実施の形態に示す構成においては、低頻度入賞モードにて第2可変入賞装置310Yへの入賞が許容される場合には、第2可変入賞装置310Yが開状態に切り替わる際に当該第2可変入賞装置310Yへの入賞が補助されることとなる。これにより、入賞数が「0」のまま第15ラウンドが終了することが抑制される。これにより、遊技の多様化によって遊技への注目度を向上させるという効果を好適に発揮させることができる。
上述した補助機能が過度に強くなることは、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差別化を図る上で妨げになる。そこで、本実施の形態に示すように、補助対象とする遊技球の数(停留可能な遊技球の数)を制限することで、そのような不都合の発生を好適に回避できる。また、このような補助機能についてはシャッタ321Yの配置に依存しており、シャッタ321Yが開状態になることで停留機能がOFFとなる。つまり、零れ球の停留による補助機能については第2可変入賞装置310Yが開状態となることで終了する。これにより、補助機能が過度になることを抑制できる。
可変入賞装置が開状態となる期間が極端に短い低頻度入賞モードにおいては、例えば可変入賞装置が開状態となっているタイミングを狙って遊技球を発射したとしても、狙い通りのタイミングで遊技球が可変入賞装置に到達するとは限らない。この点、本実施の形態に示したように、事前に第2可変入賞装置310Yへ到達した遊技球を大入賞口319の上流側にて待機させる構成とすることにより、上述したタイミングのずれによって入賞機会が失われることを好適に回避できる。
停留中(待機中)の遊技球はシャッタ321Y上に載った状態に維持される。このため、停留中の遊技球はシャッタ321Yの閉状態から開状態への切り替わりに伴って、即座に大入賞口319へと落下することとなる。これにより、低頻度入賞モードにて開状態とする期間を短くしても補助機能が上手く発揮されなくなることを抑制できる。入賞補助を行いつつ開状態とする期間を短くすれば、高頻度入賞モードとの差別化を促進し、遊技のメリハリの強化に寄与できる。
シャッタ321Yにおける停留状態においては、停留中に新たに遊技球が到達した場合であっても、それによって停留状態が終了するのではなく、その後も継続される。このような構成とすることにより、遊技者は遊技球の発射/停止の細かな操作を行わなくても、右ルートへ遊技球を発射し続けるだけで、入賞補助機能の恩恵を享受できる。このように、補助機能を活用するための要件(操作)が複雑になることを抑制することは、遊技者の技量等への依存を抑え、遊技者間の公平性を担保する上で好ましい。
また、第1可変入賞装置410Yを素通りした遊技球については、そのまま遊技領域PEから排出されるのではなく、第2可変入賞装置310Yが開放されるまで保持され、第開放対象が第1可変入賞装置310Yから第2可変入賞装置310Yに切り替わった時点で当該第2可変入賞装置310Yへ入賞する場合がある。このように、第1可変入賞装置410Yに入賞しなかった遊技球に、第2可変入賞装置310Yへの入賞の余地を与えることにより、第1可変入賞装置410Yの動きに合せて発射操作を見合わせるといった行為(所謂変則打ち)を抑制できる。
第1可変入賞装置410Yを素通りした遊技球について救済を行う場合には、それにより遊技者に付与される特典が過剰となることは好ましくない。この点、そもそも第1可変入賞装置410Yと比較して開放期間が短い(入賞の発生しにくい)第2可変入賞装置310Yへの入賞が発生する構成とすれば、実際に付与される特典が過剰になることを抑制しつつ、遊技者の満足度を好適に高めることができる。
第2可変入賞装置310Yについては、第1可変入賞装置410Yと同様に入賞によって獲得できる特典が大きい。このため、第2可変入賞装置310Yが短期間とはいえ開放されたにも関わらず入賞が発生しなかった場合には、遊技者に不快感を与える可能性がある。この点、第1可変入賞装置410Yからの零れ球を利用して、第2可変入賞装置310Yへの入賞に基づく特典が付与される構成とすれば、高頻度入賞モードにおけるインターバル中の遊技球の消費を促すことができ、ある程度の遊技球の消費が期待できるため、補助機能が過剰に作用することを抑制できる。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記実施の形態では、ステージ322に停留中の遊技球に対して、後続の遊技球が衝突することにより、停留対象が先行する遊技球から後続の遊技球に入れ替わる構成としたが、停留対象の入れ替えによってステージ322に停留する遊技球の数を所定数となるように調整することができるのであれば、遊技球の入れ替えに係る具体的構成については任意に変更してもよい。例えば、ステージ322に遊技球が到達した際に当該遊技球の重みによって作用する作用部を設け、作用部の動きによって停留中の遊技球(先行する遊技球)がステージ322から強制排出される構成とすることも可能である。この場合、例えば作用部が動作することでステージ322(詳しくは第2エリア332)の流出口317に向けた傾斜角度が大きくなるように変化する構成とすればよい。
(2)上記実施の形態では、先行する遊技球と後続の遊技球とが入れ替わることにより、ステージ322上に遊技球が停留している状態を維持する構成としたが、停留状態を維持することができるのであれば、停留する遊技球の数を1つに限定する必要は必ずしもない。例えば、複数の遊技球を停留させる構成とする場合には、先行する遊技球と後続の遊技球とが入れ替わることによって停留している遊技球の数を一定に維持する構成とすることも可能である。
(3)上記実施の形態では、ステージ322の第2エリア332においては、停留中の遊技球が揺動する構成とした。停留中の遊技球と後続の遊技球との衝突を実現する上では第2エリア332に停留中の遊技球が後続の遊技球との衝突が発生する位置に存在していれば足り、停留中の揺動を必須とするものではない。例えば、第1エリア331と第2エリア332と傾斜方向が逆となるように折り返して形成すれば、第2エリア332を通過中の遊技球に対して後続の遊技球を衝突させることができる。この場合、第2エリア332における遊技球の通過所要期間を稼ぐべく第2エリア332の傾斜角度を極力小さくすることが好ましい。
(4)上記実施の形態では、ステージ322を構成する第1エリア331及び第2エリア332を、案内通路301の下流部分307によって規定された遊技球の案内方向と、交差する方向に並設したが、これに限定されるものではない。遊技球の導入エリアとしての第1エリアと遊技球の停留エリアとしての第2エリアとを併設する場合には、それら各エリアの位置関係については任意である。
(5)上記実施の形態では、第1エリア331及び第2エリア332を横長に形成し、両者を平行となるように構成したが、第1エリア331と第2エリア332とが遊技球の移動方向と交差する方向に並べる上では必ずしも平行とする必要はない。例えば、第1エリア331が湾曲している場合には、それに沿うようにして第2エリア332を湾曲させる構成とするとよい。
(6)上記実施の形態では、ステージ322を横長としたが、これに限定されるものではない。ステージ上に遊技球を停留させることができるのであれば、その具体的な形状については任意であり、例えばステージがすり鉢状をなす構成とすることも可能である。
なお、ステージ322については、複数の遊技球が同時に停留可能となる大きさとなるように形成したが、少なくとも1つの遊技球を停留させることができる大きとなっていれば足りる。
(7)上記実施の形態では、停留中の遊技球に後続の遊技球が衝突した場合に、停留中の遊技球が流出口317側に弾かれる構成とした。後続の遊技球との入れ替わりを実現する上で後続の遊技球との衝突を契機として停留中の遊技球がステージ322から強制的に排出されるのであれば足り、停留中の遊技球を流出口317側へ弾く必要はない。但し、遊技球の入れ替えの応答性を向上する上では、弾かれた遊技球が流出口317へ向かう構成とすることに技術的意義がある。
(8)上記実施の形態では、先行する遊技球に対して後続の遊技球が背面側にオフセットした位置で衝突する構成とした。これには、衝突後に後続の遊技球を一旦奥壁部314へ向かわせてその勢いを減じるという意技術的意義がある。但し、後続の遊技球が衝突直後に(停留することなく)ステージ322から流出することを回避できるのであれば、どのような衝突を発生させるかについては任意である。例えば、停留中の遊技球に対して、後続の遊技球が真後ろから衝突する構成としてもよい。
(9)上記実施の形態では、先行する遊技球と後続の遊技球とが入れ替わることでステージ322における停留状態が維持される構成としたが、後続の遊技球の到達によって停留状態が維持される点に鑑みた場合、停留対象の入れ替えを行うのではなく後続の遊技球の到達によって先行する遊技球の停留期間が延長される構成とすることも可能である。例えば、停留中の遊技球が流出口に向けて徐々に移動する構成において、後続の遊技球の到達によって停留中の遊技球が流出口とは反対側に押される構成とし、後続の遊技球がそのままステージから排出される構成とするとよい。
(10)上記実施の形態では、第2エリア332を略樋状に形成し遊技球の自重を利用して第2エリア332における移動経路の前後ばらつきを抑える構成としたが、磁石等の磁力によって遊技球の移動経路の前後ばらつきを抑える構成とすることも可能である。
(11)上記実施の形態では、ステージ322に1の遊技球を停留させておき、可変入賞装置が開状態となった際にステージ322上の遊技球を大入賞口319へ入賞させることにより低頻度入賞モードにおいて入賞数が「0」になることを回避する構成としたが、これに限定されるものではない。可変入賞装置が所定期間に亘って開放される場合には、それと同じ又はそれよりも短い第2所定期間毎に第2可変入賞装置へ遊技球を送る構成とすれば、遊技球の動きのばらつき等によって疎密が大きくなる等して、第2可変入賞装置への入賞数が「0」になることを抑制できる。つまり、遊技球を所定の周期で可変入賞装置へ送る球送り手段を設けてもよい。例えば、円形をなす回転体の外周部分に遊技球が入球可能な凹みを形成し、回転体を周期的に回転させることで、遊技球の供給スパンを定常化するとよい。
(12)上記実施の形態においては、シャッタ321に第1エリア331及び第2エリア332を形成したが、これに限定されるものではない。シャッタ321については少なくとも第2エリア332に相当する構成を有していれば足り、第1エリア331に相当する構成をハウジング311等の周辺構成に配設してもよい。この場合、周辺構成に配設された第1エリアに相当する構成及び第2エリア332により構成される遊技球の転動面を「ステージ部」としてもよい。
(13)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
以下の特徴A群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、例えば遊技への注目度の向上を図る上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴A1.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)を備えている遊技機であって、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が停留可能なステージ部(ステージ322)と、
前記ステージ部に遊技球が停留している状況下にて当該ステージ部に後続の遊技球が到達した場合に、当該停留中の遊技球を前記ステージ部から流出させ且つ前記後続の遊技球を前記ステージ部に停留させるようにして停留対象となる遊技球を入れ替える入替手段(案内通路301により第1エリア331へ遊技球を案内する機能及び第2エリア332にて遊技球を停留させる機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、ステージ部に遊技球が停留している状況下にて後続の遊技球がステージ部に到達した場合には、先行している遊技球に入れ替わるようにして後続の遊技球が停留することとなる。ステージ部は、遊技球の流下が一時的に抑えられている箇所であり、遊技球の動きを目で追いやすい。このような箇所にて先行する遊技球と後続の遊技球との動きに関連性を与えて遊技球の動きを斬新なものとすることにより、遊技球の動きに対する注目度の向上を図ることができる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)を備えている遊技機であって、前記遊技領域に設けられ、遊技球が停留可能なステージ部(ステージ322)を備え、前記ステージ部に遊技球が停留している状況下にて当該ステージ部に後続の遊技球が到達した場合に、先行する遊技球が前記ステージ部から流出し、当該先行する遊技球に入れ替わるようにして前記後続の遊技球が前記ステージ部に停留するように構成されていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴A2.前記入替手段は、前記ステージ部に遊技球が停留している状況下にて当該ステージ部に後続の遊技球が到達する場合に、当該後続の遊技球を前記停留中の遊技球に衝突する位置(第1エリア331)へ案内する案内部(案内通路301の下流部分307)を有していることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、ステージ部に先行する遊技球が停留している最中に当該ステージ部へ後続の遊技球が到達すると、先行する遊技球に対して後続の遊技球が衝突する。この衝突によって先行する遊技球を動かすことにより、遊技球の入れ替えを促すことができる。
特徴A3.前記案内部は、前記停留中の遊技球において前記ステージ部の出口部分(流出口317)とは反対側となる部分に衝突する位置(第1エリア331)へ前記後続の遊技球を案内する構成となっていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、停留対象となる遊技球を速やかに入れ替えることができる。これにより、停留対象ではない遊技球がステージ部上に位置する期間、すなわち先行する遊技球と後続の遊技球との両者がステージ部上に位置する期間(重複期間)を短くすることが可能となる。
特徴A4.前記ステージ部における遊技球の停留領域を挟んで前記出口部分とは反対側に設けられ、前記出口部分とは反対側に向かう遊技球を受ける球受け部(奥壁部314)を備え、
前記球受け部は、前記停留中の遊技球との衝突によって前記出口部分とは反対側へ弾かれた前記後続の遊技球が当たる位置に配置されていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
停留中の遊技球との衝突後に、後続の遊技球の挙動が大きく乱れてしまうと、後続の遊技球がそのまま出口部分に向かう可能性が高くなる。これでは、停留対象の入れ替えが上手くなされない。この点、本特徴に示すように、後続の遊技球が衝突後に球受け部へ当たる構成とすれば、後続の遊技球の勢いを弱めることができる。これは、上記不都合の発生を抑制する上で好ましい。
特徴A5.前記ステージ部における遊技球の移動経路として、前記ステージ部に流入した遊技球が通過する第1経路(第1エリア331における導入経路EL)と、当該第1経路を通過した遊技球が通過する第2経路(第2エリア332における揺動経路BL)とが設けられており、
前記案内部は、遊技球を前記第1経路へ案内する構成となっており、
前記第1経路及び前記第2経路は、前記第1経路を通過する遊技球の通過領域と前記第2経路を通過する遊技球の通過領域とが重複するように構成されていることを特徴とする特徴A2乃至特徴A4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A5によれば、第1経路を通過する遊技球の通過領域と第2経路を通過する遊技球の通過領域とが重複している。このため、先行している遊技球が第2経路を通過している状況下にて後続の遊技球が第1経路を通過することにより、両遊技球が衝突することとなる。これにより、特徴A1に示した遊技球の入れ替えを好適に実現できる。
なお、特徴A3及び特徴A4との組み合わせにおいては「前記第1経路が前記出口部分側、前記第2経路が前記球受け部側となるように、それら第1経路及び第2経路を並設する」とよい。
特徴A6.前記第1経路及び前記第2経路は、所定方向に延び且つ当該所定方向と交差する方向に並設されており、
前記ステージ部は、前記交差する方向における幅寸法が遊技球の直径寸法の2倍よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、特徴A5に示した通過領域の重複が生じることとなり、第1経路を通過中の遊技球と第2経路を通過中の遊技球との衝突が回避されることを抑制できる。これにより、特徴A1に示した停留対象の入替機能を好適に発揮させることができる。
特徴A7.前記第1経路は、前記案内部による遊技球の案内方向と同じ方向に延びており、
前記第1経路及び前記第2経路は、前記第2経路が前記ステージ部の出口部分(流出口317)側となるようにして前記案内方向と交差する方向に並んでいることを特徴とする特徴A5又は特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、先行する遊技球が第2経路を通過している状況下にて第1経路へ後続の遊技球が到達すると、この後続の遊技球は先行する遊技球において出口部分とは反対側となる部分に衝突することとなる。このような衝突によって先行する遊技球が出口部分へと弾かれることとなり、停留対象となる遊技球が円滑に入れ替わる。
特徴A8.前記ステージ部は、前記第1経路と前記第2経路とが平行となるように形成されていることを特徴とする特徴A5乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A8に示すように両経路を平行とすれば特徴A5等に示した重複部分を経路の長手方向における広い範囲で確保することができる。これにより、後続の遊技球がステージ部に到達するタイミングにばらつきが生じる場合であっても、先行する遊技球と後続の遊技球との衝突を好適に発生させることができる。
特徴A9.前記ステージ部は、前記第2経路を通過する遊技球が前記第1経路を通過する遊技球の移動方向と逆向きに移動可能となるように構成されていることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、先行する遊技球が後続の遊技球から逃げる等して衝突が回避されることを抑制できる。
特徴A10.前記ステージ部は、前記第2経路を通過する遊技球が当該第2経路上を揺動可能となるように形成されていることを特徴とする特徴A5乃至特徴A9のいずれか1つに記載の遊技機。
第2経路上での遊技球の停留期間が長くなれば、後続の遊技球の到達タイミングのばらつきを好適に許容することができる。第2経路上では遊技球が揺動(往復)することにより、遊技球の移動速度が極端に遅くなることを回避しつつ停留期間を稼ぐことができる。これは停留期間の長さへの製造誤差等の影響を抑え、特徴A1に示した入替機能を担保する上で好ましい。
特徴A11.前記ステージ部は、前記第1経路の途中位置から前記第2経路へ遊技球が移動可能となるように形成されていることを特徴とする特徴A5乃至特徴A10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A11に示す構成においては、衝突発生によって後続の遊技球が第1経路から外れる動きをした場合には、そのまま第2経路に移ることが可能となる。つまり、衝突後に第1経路を完走する必要がない。上述したように先行する遊技球と後続の遊技球との衝突によって遊技球の入れ替えを行う場合には、当該入れ替えを速やかに行うことにより、次の遊技球の到達→衝突→入れ替えに備えることができる。これにより、停留対象の入れ替わりが連続して発生する場合への対応を好適なものとすることができる。
特徴A12.前記第1経路及び前記第2経路が並設されており、
前記第1経路及び前記第2経路の並設方向において前記重複している部分の寸法は、遊技球の半径寸法よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする特徴A5乃至特徴A11のいずれか1つに記載の遊技機。
先行する遊技球(停留中の遊技球)に対して後続の遊技球を衝突させることで先行する遊技球をステージ部から強制的に排出させる構成においては、並設方向における重複部分の寸法を遊技球の半径寸法よりも小さくしてオフセット衝突等を促すことにより、排出される遊技球の勢いが過度に強くなることを抑制できる。また、例えば特徴A9に示したようにステージ部(第2経路)上にて遊技球を揺動させる場合には、後続の遊技球の勢いが過度に弱くなっては、停留期間が短くなる。このような事情に配慮した場合、後続の遊技球の勢いをある程度確保しつつ先行する遊技球を出口部分へ強制的に移動させる上で、本特徴に示す構成には技術的意義がある。
特徴A13.前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な受入状態と遊技球の入球が不可となる非受入状態とに切り替え可能な可変入球部(可変入賞装置310)を備え、
前記可変入球部は、上方に開放された開口部(大入賞口319)と、当該開口部を開閉する開閉体(シャッタ321)とを有し、
前記開閉体の上面に前記ステージ部が形成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A12のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A13によれば、ステージ部上に停留している状況下にて開閉体が閉位置から開位置へ移動すると、停留中の遊技球が支えを失い開口部へ落下することとなる。ステージ部においては遊技球が入れ替わりながら停留状態が維持されるため、開閉体が開位置へ移動するタイミングの不確定さを好適に許容できる。また、開放期間の長さに関係なく(例えば極端に短い場合であっても)開口部への入球を発生させることができる。これにより、遊技者が入球機会を逃すことを抑制できる。
<特徴B群>
以下の特徴B群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、例えば遊技への注目度の向上を図る上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴B1.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)を備えている遊技機であって、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が転動可能なステージ部(ステージ322)と、
前記ステージ部へ遊技球を案内する案内部(案内通路301)と
を備え、
前記案内部は、前記ステージ部へ遊技球が流入する際の流入方向が所定方向となるように規定する手段(下流部分307)を有し、
前記ステージ部における遊技球の移動経路として、前記案内部により前記ステージ部へ案内された遊技球が通過する第1経路(第1エリア331における導入経路EL)と、当該第1領域を通過した遊技球が通過する第2経路(第2エリア332における揺動経路BL)とが設けられており、
前記第1経路及び前記第2経路は、前記所定方向に延びており、当該所定方向と交差する方向に並設されており、前記第1経路を通過する遊技球の通過領域と前記第2経路を通過する遊技球の通過領域とが前記所定方向における所定範囲にて重複するように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、ステージ部の第2経路を遊技球が通過している状況下にて後続の遊技球がステージ部に到達した場合には、先行する遊技球と後続の遊技球とが衝突することとなる。ステージ部は、遊技球の流下が一時的に抑えられている箇所であり、遊技球の動きを目で追いやすい。このような箇所にて先行する遊技球と後続の遊技球との動きに関連性を与えて遊技球の動きを斬新なものとすることにより、遊技球の動きに対する注目度の向上を図ることができる。
特徴B2.前記ステージ部は、前記第2経路が当該ステージ部の出口部分(流出口317)側となるようにして前記第1経路及び前記第2経路が並設されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、先行する遊技球に対して後続の遊技球が出口部分とは反対側から衝突する。このような衝突態様とすれば、先行する遊技球をステージ部から強制的に排出することができる。これにより、遊技球の動きの単調化を抑制できる。
特徴B3.前記ステージ部における遊技球の通過領域を挟んで前記出口部分とは反対側に設けられ、前記出口部分とは反対側に向かう遊技球を受ける球受け部(奥壁部314)を備えていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、先行する遊技球と後続の遊技球とが衝突した場合には、後続の遊技球が球受け部側へ弾かれることとなる。後続の遊技球は球受け部に衝突することにより、その勢いが弱まり、出口部分への動きが抑制される。これにより、衝突によって先行する遊技球をステージ部から強制的に排出させる一方、後続の遊技球をステージ部に留めることができる。故に、衝突を契機としてステージ部に存在する遊技球を入れ替えつつ当該ステージ部に存在する遊技球の数を定常化することができる。
特徴B4.前記第1経路及び前記第2経路は、前記第2経路を遊技球が通過するのに要する所要期間は、前記第1経路を遊技球が通過するのに要する所要期間よりも長くなっていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B3のいずれか1つに記載の遊技機。
後続の遊技球がステージ部に到達するタイミングは様々となる。そこで、本特徴に示す構成とすれば、後続の遊技球が到達するまでの時間を稼ぎ、遊技球同士の衝突が発生することなく先行する遊技球がステージ部から排出されることを抑制できる。これは、遊技球の衝突による挙動変化の発生機会を増やす上で好ましい。
特徴B5.前記第2経路は、当該第2経路に沿って遊技球が揺動可能となるように構成されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B4のいずれか1つに記載の遊技機。
先行する遊技球が第2経路にて後続の遊技球の到達を待つ構成とする場合、その期間をできるだけ長く稼ぐことで後続の遊技球の到達タイミングのばらつきを好適に許容することができる。そこで、本特徴に示すように、第2経路上では遊技球が揺動(往復)することにより、遊技球の移動速度が極端に遅くなることを回避しつつ停留期間を稼ぐことができる。
なお、第2経路上で揺動している場合には、何れの位置に存在している場合であっても、後続の遊技球と衝突可能とすることにより、後続の遊技球が到達した場合に第1経路を素通りすることを好適に回避できる。
特徴B6.前記ステージ部は、前記第1経路及び前記第2経路が平行となるように構成されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B6に示すように両経路を平行とすれば特徴B1に示した重複部分を経路の長手方向における広い範囲で確保することができる。これにより、後続の遊技球がステージ部に到達するタイミングにばらつきが生じる場合であっても、先行する遊技球と後続の遊技球との衝突を好適に発生させることができる。
因みに、特徴B1〜特徴B6に、特徴A群に示した技術的思想を適用してもよい。
<特徴C群>
以下の特徴C群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、例えば遊技への注目度の向上を図る上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴C1.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
遊技者の発射操作に基づいて前記遊技領域へ所定の周期(例えば0.6sec)で遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が停留可能なステージ部(ステージ322)と
を備え、
前記ステージ部は、第1所定数の遊技球が停留可能な大きさとなっており、
前記遊技球発射機構により前記ステージ部へ遊技球が発射されている場合に、当該ステージ部における停留数が前記第1所定数よりも少ない第2所定数となるように調整する停留数調整手段(案内通路301により第1エリア331へ遊技球を案内する機能及び第2エリア332にて遊技球を停留させる機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、ステージ部に向けて遊技球を継続的に発射している場合には、ステージ部における遊技球の停留数が第2所定数となるように調整されることとなる。ここで、見かけ上は第2所定数よりも多い第1所定数の遊技球が停留可能となっていれば、ステージ部にて先行する遊技球と後続の遊技球とが併存する機会を設け、遊技球同士の動きに関連性を与えることが可能となる。つまり、一時的にはステージ部上の遊技球の数が増減しつつも、停留する遊技球の数が一定に保たれることとなる。このような斬新な動きを実現することにより、遊技への注目度の向上に寄与できる。
特徴C2.前記停留数調整手段は、前記ステージ部に停留している遊技球の数が前記第2所定数に達していない場合には、当該ステージ部に到達した遊技球の停留を許容し、前記ステージ部に停留している遊技球の数が前記第2所定数に達している状況下にて後続の遊技球が前記ステージ部に到達した場合には、先行する遊技球に入れ替わるようにして後続の遊技球を停留させることにより、停留中の遊技球の数が前記第2所定数を超えないように制限する構成となっていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、停留中の遊技球の数が第2所定数に達している場合には、先行する遊技球と後続の遊技球とがステージ部に上で入れ替わることで、結果として停留数が第2所定数に維持される。このような動きによれば、先行する遊技球の動きと後続の遊技球の動きとにある種の関係性を与えることができ、特徴C1に示した注目度向上効果を好適に発揮させることができる。
特徴C3.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
遊技者の発射操作に基づいて前記遊技領域へ所定の周期で遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球を貯留可能な貯留部(ステージ322)と
を備え、
前記停留部に所定数の遊技球が停留している状況下にて、後続の遊技球が前記停留部に到達した場合に、先行する遊技球に入れ替わるようにして後続の遊技球を前記停留部に停留させることにより、停留中の遊技球の数が前記所定数を上回ることを回避する回避手段(案内通路301により第1エリア331へ遊技球を案内する機能及び第2エリア332にて遊技球を停留させる機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C3によれば、停留部に停留している遊技球の数が所定数に達している場合には、後続の遊技球が停留部に到達したことに基づいて先行する遊技球と後続の遊技球とが入れ替わることとなる。これにより、停留中の遊技球の数が所定数を上回ることが回避される。つまり、遊技球を停留部に継続的に発射している場合には、一時的にはステージ部上の遊技球の数が増減しつつも停留対象を入れ替えながら停留数が一定に維持される。このような斬新な動きを実現することにより、遊技への注目度の向上に寄与できる。
因みに、特徴C1〜特徴C3に、特徴A群〜特徴B群に示した技術的思想を適用してもよい。
<特徴D群>
以下の特徴D群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、例えば遊技への注目度の向上を図る上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴D1.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
遊技者の発射操作に基づいて前記遊技領域へ所定の周期で遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が停留可能な停留部(ステージ322)と
を備え、
前記停留部は、当該停留部に所定数の遊技球が停留している停留状態となっている状況下にて後続の遊技球が当該停留部に到達することにより、前記停留状態に維持される期間が延長される構成となっていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、停留状態となっている状況下にて後続の遊技球が停留部に到達すると停留状態が終了するタイミングが遅れることとなる。つまり、後続の遊技球の到達の有無によって停留状態に維持される期間が変化することとなる。このような今までにない斬新な動きを実現すれば、遊技への注目度の向上に寄与できる。
特徴D2.前記停留部は、前記停留状態中に後続の遊技球の到達によって当該停留状態が維持される期間が延長される場合に、後続の遊技球が停留中の遊技球と入れ替わることにより当該停留部に停留している遊技球の数が前記所定数のままとなるように構成されていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、後続の遊技球が到達したとしても停留中の遊技球の数が増加することはない。期間の延長によって遊技球の到達機会が増える場合に、それに合わせて停留中の遊技球の数が増加することを回避することにより、停留部の大型化を抑制できる。これは、特徴D1に示した構成の配置自由度の低下を抑える上で有利である。
特徴D3.前記停留部は、前記停留状態となった場合には所定期間に亘って当該停留状態が維持される構成となっており、
前記停留状態となっている状況下にて前記後続の遊技球が当該停留部に到達したことに基づいて新たに前記所定期間に亘って前記停留状態が維持されるように前記延長が発生する構成となっていることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、停留状態となった場合には、所定期間を経過する前に停留部に遊技球が到達することで、そこから更に所定期間に亘って停留状態が維持されることとなる。このようにして、延長機能に実質的な上限を設ける構成とすれば、停留状態を維持したい遊技者に対して、所定期間経過タイミングに近づくにつれて後続の遊技球の到達への期待を大きくさせることができる。なお、本特徴に示す構成は、延長機能が過剰となること(例えばいつまでたっても停留状態が解除されないといった不都合が生じること)を抑制する上でも好ましい。
因みに、特徴D1〜特徴D3に、特徴A群〜特徴C群に示した技術的思想を適用してもよい。
<特徴E群>
以下の特徴E群は、「パチンコ機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動入球部への入球を契機として、例えば特別遊技状態に移行させるか否かの抽選や特別遊技状態後の遊技状態を遊技者に有利なものとするか否かの抽選を行うものがある。この種の遊技機においては、特別遊技状態への移行によって遊技領域に設けられた可変入球部への入球が容易化され、同可変入球部への入球に基づいて予め定められた数の遊技球が払い出されることがある。近年では、上記特別遊技状態における可変入球部の切替態様として、として第1切替態様と同第1切替態様よりも可変入球部への入球の期待度が低い第2切替態様とを設定し、遊技の多様化が実現された遊技機が提案されている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「しかしながら、上述したように第1切替態様及び第2切替態様が設定されたタイプの遊技機においては、第2切替態様における可変入球部への入球の期待度が第1切替態様と比べて低くなるため、例えば第2切替態様にて入球が上手く発生しなかった場合に、遊技者に損失感を与えやすくなると懸念される。これは遊技の多様化によって遊技への注目度の向上を図る上で妨げになり得る。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴E1.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、遊技者の発射操作に基づいて前記遊技領域へ所定の周期で遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)を備えている遊技機であって、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な受入状態及び入球が不可となる非受入状態に切替可能な可変入球部(可変入賞装置310)と、
前記可変入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替手段(主制御装置162)と、
前記可変入球部への入球に基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(払出装置224)と
を備え、
前記切替手段による切替態様として、第1切替態様(高頻度入賞モードによる開閉態様)と当該第1切替態様よりも前記可変入球部を前記受入状態とする期間が短い第2切替態様(低頻度入賞モードによる開閉態様)とが設定されており、
少なくとも前記可変入球部へ向けた遊技球の発射が続いている状況下においては、前記第2切替態様にて前記可変入球部が前記受入状態に切り替わる場合に、当該可変入球部への入球を補助する入球補助手段(案内ブロック300及びステージ322)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、切替手段による切替態様として第1切替態様及び第2切替態様を設けることにより、可変入球部への入球に差を生じさせて遊技の多様化を実現できる。しかしながら、第2切替態様における入球を困難とした場合には、可変入球部への入球が可能となったにも関わらず入球が発生しないといった事象が発生し得る。これは、本来得られるはずの特典(例えば賞球)を取りこぼしたとの印象を遊技者に与える要因となり、遊技意欲の低下を招くと懸念される。この点、本特徴に示す構成においては、第2切替態様にて可変入球部への入球が許容される場合には、可変入球部が受入状態に切り替わる際に入球が補助されることとなる。これにより、入球が「0」のまま受入状態が終了することが抑制される。これにより、遊技の多様化によって遊技への注目度を向上させるという効果を好適に発揮させることができる。
特徴E2.前記入球補助手段は、前記第2切替態様にて前記可変入球部が前記受入状態に切り替わる場合に所定数を超える遊技球については前記補助の対象から除外する構成となっていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E1に示した補助機能が過度に強くなることは、第1切替態様と第2切替態様との差別化を図る上で妨げになる。そこで、本特徴に示すように、補助対象とする遊技球の数を規定することで、そのような不都合の発生を好適に回避できる。
特徴E3.前記第2切替態様にて前記可変入球部が前記非受入状態から前記受入状態に切り替わることにより、前記入球補助手段による補助が終了することを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
特徴E1に示した補助機能が過度に強くなることは、第1切替態様と第2切替態様との差別化を図る上で妨げになる。そこで、本特徴に示すように、可変入球部が受入状態となることで補助が終了する構成とすれば、そのような不都合の発生を好適に回避できる。
特徴E4.前記可変入球部は、上方に開放された開口部(大入賞口319)と、前記非受入状態においては当該開口部を覆う位置に配置され且つ前記受入状態においては当該開口部を覆わない位置に配置される開閉体(シャッタ321)とを有し、
前記入球補助手段は、前記可変入球部が前記非受入状態となっている状況下にて前記可変入球部に到達した遊技球を前記開口部の上流側の所定位置(第2エリア332)に待機させて、当該所定位置に遊技球が待機している状況下にて後続の遊技球が到達した場合には待機中の遊技球の数が所定数を超えないようにして待機の状態を維持する構成となっていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E1に示したように可変入球部が受入状態となる期間が短い第2切替態様においては、例えば可変入球部が受入状態となっているタイミングを狙って遊技球を発射したとしても、狙い通りのタイミングで遊技球が可変入球部に到達するとは限らない。この点、本特徴に示すように、事前に可変入球部へ到達した遊技球を開口部の上流側の所定位置にて待機させる構成とすることにより、上述したタイミングのずれによって入球機会が失われることを好適に回避できる。また、このような機能によって遊技球を溜めることが可能となれば入球数が過剰になることは好ましくない。この点、本特徴に示すように、待機し得る遊技球の数を所定数となるように制限することにより、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
なお、本特徴に示す「所定数」については、可変入球部へ向けて遊技球の発射を行っている状況下にて第2切替態様にて可変入球部が受入状態となった場合に、入球し得る遊技球の数と同数又はそれよりも少ない数とすることが好ましい。
特徴E5.前記所定位置に待機している遊技球は、前記開閉体に載った状態となるように構成されていることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
特徴E5によれば、待機中の遊技球は開閉体上に載った状態に維持される。このため、非受入状態から受入状態への切り替えに伴って開閉体が移動することにより、停留中の遊技球が即座に開口部へと落下することとなる。これにより、第2切替態様にて受入状態とする期間を短くすることが可能となる。入球補助を行いつつ受入状態とする期間を短くすれば、第1切替態様との差別化を促進し、遊技のメリハリの強化に寄与できる。
特徴E6.前記入球補助手段は、前記開閉体に設けられ遊技球が停留可能な停留部(ステージ322)と前記停留部へ遊技球を案内する案内部(案内通路301)とを有し、前記停留部に遊技球が停留している状況下にて前記案内部により後続の遊技球が案内された場合に停留状態が継続されるように構成されていることを特徴とする特徴E5に記載の遊技機。
特徴E6によれば、遊技球の停留中に新たな遊技球が停留部へ到達した場合であっても、それによって停留状態が終了するのではなく、停留状態はその後も継続される。このような構成とすることにより、入球補助機能を発揮させるための要件(操作)が複雑になることを抑制できる。
特徴E7.前記停留部は、当該停留部へ案内された遊技球が自重によって当該停留部の出口部分(流出口317)へと移動し当該出口部分から流出するように形成され、この流れで遊技球が流出する場合の停留期間が所定期間となるように構成されており、
前記入球補助手段は、前記停留部に遊技球が停留している状況下にて前記案内部により後続の遊技球が案内された場合に、停留中の遊技球が前記停留部から離脱するとともに前記後続の遊技球が前記停留部に停留するようにして停留対象が入れ替わる構成となっていることを特徴とする特徴E6に記載の遊技機。
特徴E7に示すように停留部における停留期間がある程度決まっている場合には、停留期間を経過するまでに遊技球が入れ替わることにより、実質的に停留期間が延長されることとなる。このように、期間が有限である入球補助機能が後続の遊技球によって延命される構成とすれば、遊技球の発射を継続するという簡易な操作によって入球補助機能の恩恵を受けることのできない隙間が生じることを抑制できる。
特徴E8.前記案内部は、前記停留部に遊技球が停留している場合に、当該停留中の遊技球に衝突する位置へ後続の遊技球を案内する構成となっていることを特徴とする特徴E6又は特徴E7に記載の遊技機。
特徴E8によれば、停留中の遊技球に後続の遊技球が衝突することで、停留中の遊技球の停留部からの排出を促すことができる。これは、例えば特徴E6に示したように遊技球の入れ替えによって停留している遊技球の数を一定とする上で好ましい構成である。
特徴E9.前記案内部は、前記停留部に停留している遊技球において当該停留部の出口部分(流出口317)とは反対側となる部分に衝突する位置(第1エリア331)へ前記後続の遊技球を案内する構成となっていることを特徴とする特徴E8に記載の遊技機。
特徴E9によれば、停留対象となる遊技球を速やかに入れ替えることができる。これにより、停留対象ではない遊技球がステージ部上に位置する期間、すなわち先行する遊技球と後続の遊技球との両者がステージ部上に位置する期間(重複期間)を短くすることが可能となる。故に、入球補助を行う機能が過剰に作用することを抑制できる。
特徴E10.前記停留部における遊技球の停留領域を挟んで当該停留部の出口部分(流出口317)とは反対側に設けられ、前記出口部分とは反対側に向かう遊技球を受ける球受け部(奥壁部314)を備え、
前記球受け部は、前記先行する遊技球との衝突によって前記出口部分とは反対側へ弾かれた前記後続の遊技球が当たる位置に配置されていることを特徴とする特徴E8又は特徴E9に記載の遊技機。
停留中の遊技球との衝突後に、後続の遊技球の挙動が大きく乱れてしまうと、後続の遊技球がそのまま出口部分に向かう可能性が高くなる。これでは、停留対象の入れ替えが上手くなされない。この点、本特徴に示すように、後続の遊技球が衝突後に球受け部へ当たる構成とすれば、後続の遊技球の勢いを弱めることができる。これは、上記不都合の発生を抑制する上で好ましい。
因みに、特徴E1〜特徴E10に、特徴A群〜特徴D群に示した技術的思想を適用してもよい。
<特徴F群>
以下の特徴F群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤を備えているものがある。遊技者の発射操作に基づいて発射された遊技球が遊技領域に設けられた作動口等に入賞することにより、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態への移行を行うか否かの当否抽選や遊技球の払出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。特別遊技状態では、例えば可変式の入球部(可変入球部)が複数回に亘って閉状態と開状態とに切り替えられる。可変入球部が開状態となっている場合に当該可変入球部に到達した遊技球については同可変入球部への入球が許容され、可変入球部が開状態となっている場合に当該可変入球部に到達した遊技球については同可変入球部への入球が妨げられることとなる。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、可変入球部への入球に係る構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴F1.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)を備えている遊技機であって、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な受入状態と、入球が不可となる非受入状態とに切り替え可能な可変入球部(例えば可変入賞装置310,410Y)と、
前記可変入球部を前記受入状態及び前記非受入状態に切り替える切替制御手段(主制御装置162)と、
前記可変入球部が前記非受入状態となっている場合に当該可変入球部へ到達することで入球が回避された遊技球を、当該可変入球部が前記受入状態となった後に前記非受入状態を経て再び前記受入状態となる場合に、前記可変入球部へ案内する案内手段(案内ブロック300やステージ322)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、可変入球部を素通りする等して入球しなかった遊技球が、可変入球部が受入状態→非受入状態→受入状態となる場合に可変入球部へと案内される場合がある。このように、可変入球部が非受入状態→受入状態に切り替わるタイミングを狙って発射された遊技球が早まって可変入球部に到達した場合、その遊技球に再度入球の機会が与えられる構成とすれば、遊技者に遊技球の発射操作の継続を促し、可変入球部の動きによって発射操作を見合わせるといった行為(所謂変則打ち)が行われることを好適に抑制できる。
特徴F2.遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)を備え、前記遊技領域に遊技球が入球可能な受入状態及び入球が不可となる非受入状態に切替可能な可変入球部(可変入賞装置310Y,410Y)が設けられている遊技機であって、
前記可変入球部として、第1可変入球部(第1可変入賞装置410Y)と、前記第1可変入球部に入球することなく当該第1可変入球部を通過した遊技球が到達する位置に設けられた第2可変入球部(第2可変入賞装置310Y)とを有し、
前記受入状態となる対象が前記第1可変入球部から前記第2可変入球部に切り替わる場合に、前記第1可変入球部が前記受入状態となる前に当該第1可変入球部を通過した遊技球を、前記第2可変入球部が前記非受入状態から前記受入状態に切り替わりに基づいて当該第2可変入球部の入口部分(大入賞口319)へ案内する案内手段(案内ブロック300及びステージ322Y)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴F2によれば、第1可変入球部が非受入状態となっている最中に当該第1可変入球部を素通りする等して入球が回避された遊技球については、第1可変入球部が受入状態→両可変入球部が非受入状態→第2可変入球部が受入状態となる場合に第2可変入球部へと案内され場合がある。例えば、第1可変入球部が非受入状態→受入状態に切り替わるタイミングを狙って発射された遊技球が早まって第1可変入球部に到達した場合、その遊技球に第2可変入球部を対象として再度入球の機会が与えられる構成とすれば、遊技者に遊技球の発射操作の継続を促し、可変入球部の動きによって発射操作を見合わせるといった行為(所謂変則打ち)が行われることを好適に抑制できる。
特徴F3.前記第2可変入球部は、前記第1可変入球部よりも前記受入状態となる受入期間が短くなるように設定されていることを特徴とする特徴F2に記載の遊技機。
特徴F2に示したように、第1可変入球部を素通りした遊技球について救済を行う場合には、それにより遊技者に付与される特典が過剰となることは好ましくない。この点、そもそも第1可変入球部と比較して入球の発生しにくい第2可変入球部への入球が発生する構成とすれば、実際に付与される特典が過剰になることを抑制しつつ、遊技者の満足度を好適に高めることができる。
特徴F4.前記案内手段は、前記第1可変入球部の入口部分(大入賞口419Y)と前記第2可変入球部の入口部分(大入賞口319)との間に設けられ、前記第1可変入球部に入球することなく当該第1可変入球部を通過した遊技球が停留可能な停留部(ステージ322Y)を有しており、前記第2可変入球部が前記非受入状態から前記受入状態に切り替わることで前記停留部に停留中の遊技球が前記第2可変入球部の入口部分へ案内する構成となっていることを特徴とする特徴F2又は特徴F3に記載の遊技機。
本特徴に示すように、第1可変入球部を素通りした遊技球を停留部にて一時的に停留させておく構成とし、停留中の遊技球が第2可変入球部を非受入状態から受入状態に切り替わる際に当該第2可変入球部の入口部分へ案内する構成とすれば、特徴F2に示した技術的思想を好適に具現化できる。
特徴F5.前記停留部は、当該停留部に停留している遊技球が所定の停留期間を経過することで当該停留部から流出する構成となっており、
前記所定の停留期間は、前記第1可変入球部が前記受入状態となる受入期間と開放対象が前記第1可変入球部から前記第2可変入球部に切り替わる場合のインターバル期間との和よりも長くなるように設定されていることを特徴とする特徴F4に記載の遊技機。
本特徴に示すように、停留開始からある程度の期間(所定の停留期間)を経過することで遊技球が停留部から流出する構成とすれば、遊技領域内にて遊技球の流れが滞るといった不都合の発生を好適に抑制できる。また、所定の停留期間については第1可変入球部の受入期間とインターバル期間との和よりも長くなるように設定されている。このため、第1可変入球部が非受入状態となっている場合に当該第1可変入球部を素通りした遊技球を救済する場合に、当該遊技球が第2可変入球部の開放まで停留を続けることとなり、第2可変入球部の開放を待つことなく、停留部から流出することを回避できる。また、開放対象の第1可変入球部→第2可変入球部への切り替わり以前に第1可変入球部を通過した遊技球についてまで救済対象とすることは、遊技者の困惑を招く要因になる。この点、本特徴に示すように、第1可変入球部の開放期間に対応させて停留期間の長さを規定する構成とすれば、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴F6.前記第2可変入球部は、上方に開放された入口部分(大入賞口319)と、前記非受入状態においては前記入口部分を覆うことで当該入口部分への入球を不可とし前記受入状態においては前記入口部分から退避することで当該入口部分への入球を許容する開閉体(シャッタ321Y)とを有し、
前記開閉体の上面が前記停留部を構成しており、
前記停留部は、前記非受入状態から前記受入状態への切り替えによって遊技球の停留が不可となるように構成されていることを特徴とする特徴F4又は特徴F5に記載の遊技機。
特徴F6によれば、第1可変入球部を素通りして第2可変入球部に到達した遊技球は、第2可変入球部を構成する開閉体の上面(停留部)に停留することとなる。第2可変入球が非受入状態から受入状態に切り替わることで、開閉体上に停留中の遊技球は支えを失って入口部分へと落下し、第2可変入球部へ入球する。このような構成とすれば、第2可変入球部が受入状態となった後は案内手段によって当該第2可変入球部への入球が妨げられることを回避できる。これにより、案内手段の存在が第2可変入球部への入球を困難にする要因になることを好適に抑制できる。
特徴F7.前記開閉体は、当該開閉体の上面に第1所定数の遊技球が停留可能な大きさに形成されており、
前記案内手段は、前記開閉体の上面に停留する遊技球の数が前記第1所定数よりも少なくなるようにして停留する遊技球の数を制限する構成となっていることを特徴とする特徴F6に記載の遊技機。
可変入球部においては、入口部分をある程度大きくすることが好ましい。ここで、停留部に満タンとなるまで遊技球が停留し得る構成とした場合には、救済機能が過剰となり、可変入球部の大型化の妨げになると懸念される。この点、本特徴に示すように、遊技球の停留数を上限数よりも少なくなるように制限することにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴F8.遊技者の発射操作に基づいて所定の周期で遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)を備え、
前記案内手段は、前記開閉体の上面に停留する遊技球の数を第2所定数となるように制限する構成となっており、
前記第2所定数は、前記第2可変入球部が開放される開放期間中に当該第2可変入球部に到達する遊技球の数よりも少なくなるように設定されていることを特徴とする特徴F6又は特徴F7に記載の遊技機。
第2可変入球部へ実質的に入球し得る遊技球の数は、遊技球の発射周期と開放期間とに左右される。そこで、開放期間中に第2可変入球部に到達する遊技球の数(例えば、開放期間を発射周期で除した数)よりも少なくなるよう第2所定数を規定することにより、上述した救済機能が過剰に作用することを抑制できる。
なお、特徴F3〜特徴F8に示した技術的思想を特徴F1に適用してもよい。
また、特徴F1〜特徴F8に、特徴A群〜特徴E群に示した技術的思想を適用してもよい。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導通路103)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘部材93等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。