JP2018172375A - ヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物の製造方法 - Google Patents

ヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 工業的規模にも応用できるような、ヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物を得る方法を提供すること。【解決手段】 本発明では、(A)ヒアルロン酸及び/又はその塩の分解物を、陰イオン交換樹脂に適用する工程、(B)10mM以上300mM以下の間のいずれかの濃度の塩化ナトリウム水溶液を、1段階で又は複数の段階に分けて、該(B)工程で得られる陰イオン交換樹脂に接触し、溶出物を得る工程、並びに(C)該(B)工程で得られた溶出物から、4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を含有する画分を回収する工程を含む、製造方法を行う。【選択図】なし

Description

本発明は、ヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物を製造する方法に関する。
グルクロン酸とN−アセチルグルコサミンの2糖を基本構成単位とするヒアルロン酸オリゴ糖は、生体に有益な様々な効果を有することが知られている。このようなヒアルロン酸オリゴ糖としては、4糖のヒアルロン酸オリゴ糖(HA4;4糖ヒアルロン酸オリゴ糖)あるいは6糖のヒアルロン酸オリゴ糖(HA6;6糖ヒアルロン酸オリゴ糖)が例示される。4糖ヒアルロン酸オリゴ糖は、基本構成単位を2つ含む合計4糖のオリゴ糖であり、熱ショックタンパク質(Hsp)の産生増加、細胞死抑制、細胞障害抑制、細胞・組織保護等の効果を有することが知られている(特許文献1、2、及び非特許文献1)。また、6糖ヒアルロン酸オリゴ糖は、基本構成単位を3つ含む合計6糖のオリゴ糖であり、ヒアルロン酸合成酵素の一種であるHAS2の発現量を高める等の有益な効果があることが示唆されている(非特許文献1)。
そして、これらのヒアルロン酸オリゴ糖は極めて低分子であるので、肌に浸透し易く、皮膚組織内でヒアルロン酸合成を促進させることが期待されている。
4糖ヒアルロン酸オリゴ糖を高い含有量で得たい場合には、ヒアルロン酸を酸や酵素などで分解した後、その分解物を陰イオン交換樹脂に吸着させ、それを溶離液の直線濃度勾配で溶出させる手法が一般的である(特許文献1および2)。
特許第5587049号公報 特許第4861596号公報
R. Stern et al., European Journal of Cell Biology 85(2006),699-715
本発明は、工業的規模での生産における制御をより簡便にするヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物の製造方法を提供することを目的とする。
ヒアルロン酸及び/又はその塩の分解物を従来の直線濃度勾配での溶出工程で処理することは、工業的規模での制御が非常に難しく、手間がかかるという問題があった。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、陰イオン交換樹脂において少なくとも1段階の溶出工程を用い、ヒアルロン酸及び/又はその塩の分解物を処理することで、ヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物の工業的規模での生産を簡便に行うことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記に掲げるヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物の製造方法を提供する。
項1.
ヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物の製造方法であって、
(A)ヒアルロン酸及び/又はその塩の分解物を、陰イオン交換樹脂に適用する工程、
(B)10mM以上300mM以下の間のいずれかの濃度の塩化ナトリウム水溶液を、1段階で又は複数の段階に分けて、該(A)工程で得られる陰イオン交換樹脂に接触させ、溶出物を得る工程、並びに、
(C)該(B)工程で得られた溶出物から、4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を含有する画分を回収する工程、を包含する、製造方法。
項2.
前記陰イオン交換樹脂が、強塩基性陰イオン交換樹脂である、項1記載の製造方法。
項3.
前記(B)工程で、20mM以上120mM以下の間のいずれかの濃度の塩化ナトリウム水溶液を少なくとも1回接触させることを含む、項1又は2記載の製造方法。
項4.
前記(B)工程で、20mM以上60mM以下の間のいずれかの濃度の塩化ナトリウム水溶液を少なくとも1回、及び60mM超過120mM以下の間のいずれかの濃度の塩化ナトリウム水溶液を少なくとも1回接触させることを含む、項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
項5.
前記(B)工程における塩化ナトリウム水溶液と陰イオン交換樹脂との接触が、1段階以上5段階以下である、項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。
項6.
さらに、前記(A)工程の後に、(F)10mM以上60mM以下の間のいずれかの濃度の塩化ナトリウム水溶液で夾雑物を除去する工程を包含する、項1〜5のいずれか1項記載の製造方法。
項7.
さらに、
(D)濃縮工程、及び/又は
(E)脱塩工程、を包含する、項1〜6のいずれか1項記載の製造方法。
項8.
前記(D)工程が、エバポレーター処理、スプレードライ処理、フリーズドライ処理、逆浸透膜処理、及びナノ濾過膜処理からなる群より選択される少なくとも1種の濃縮処理により行われる、項7記載の製造方法。
項9.
さらに、(G)乾燥及び/又は粉末化工程を包含する、項1〜8のいずれか1項記載の製造方法。
項10.
前記ヒアルロン酸及び/又はその塩の分解物が、酸分解工程によって得られる、項1〜9のいずれか1項記載の製造方法。
さらに、本発明は、下記に掲げるヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物またはそれを含む製剤に関する。
項11.
4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を15〜80重量%、並びに6糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を0.1〜50重量%を含有する、ヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物。
項12.
4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩、並びに、6糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩が、飽和型ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を含む、項11に記載のヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物。
項13.
項11又は12記載のヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物を含む、抗炎症剤。
項14. 項11又は12記載のヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物を含む、化粧品、食品又は医薬品として用いられる製剤。
本発明により、4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を含む、ヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物を得ることができる。
図1は、実施例1で得られたヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物をHPLC分析に供して得られたクロマトグラフを表す図である。 図2は、ヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物によるIL−8への影響を示す図である。
[ヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物を製造する方法]
本発明は、分解処理されているヒアルロン酸及び/又はその塩を、陰イオン交換樹脂に適用して吸着させること、10mM以上300mM以下の間のいずれかの濃度の塩化ナトリウム水溶液を、1段階で又は複数の段階に分けて、陰イオン交換樹脂に接触させ、溶出物を得ること、並びに、この溶出物から、4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を含有する画分を回収すること、を含む製造方法に関する。
本発明の製造方法は、任意に、濃縮工程、及び/又は脱塩工程を含んでもよい。これらの任意の工程の代替として、または追加の工程として、本発明の製造方法は、任意に、乾燥及び/又は粉末化工程を含んでもよい。
さらに、本発明の製造方法は、任意に、陽イオン交換樹脂、及び/又は活性炭を用いた処理などの追加の精製工程を含んでもよい。
[ヒアルロン酸及び/又はその塩の分解物]
本発明で、原料として用いられるヒアルロン酸及び/又はその塩の分解物は、グルクロン酸及びN−アセチルグルコサミンの2糖(塩の形態を含む)を反復構成単位とする多糖類であるヒアルロン酸を低分子化した分解物を意味する。ヒアルロン酸は、関節、硝子体、豚皮や牛皮などの皮膚、脳、鶏冠、または臍の緒など、生体内の細胞外マトリックスを始め、広く生体由来物質を原料として、あるいは、ストレプトコッカス属の微生物等のヒアルロン酸生産微生物を培養して得られる培養液等を原料として、これらの原料から抽出して得たものであり得る。
ヒアルロン酸及び/又はその塩の一般的な重量平均分子量は、通常約100万以上200万以下程度であり得るが、特に限定はされない。
ここで、ヒアルロン酸の塩は、特に限定はされず、薬学上許容される塩であればよい。このような塩には、例えば、有機塩基との塩(例えば、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、モノエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ピリジン塩などの第3級アミンとの塩、アルギニンなどの塩基性アンモニウム塩など)、無機塩基との塩(例えば、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩など)などが挙げられる。好ましいヒアルロン酸の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩であり、より好ましくは、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸カリウム等が挙げられる。
本発明において、「ヒアルロン酸及び/又はその塩」は、このようなヒアルロン酸およびヒアルロン酸の塩のうちの1種又は2種以上を組み合わせたものを指す。
本明細書で「ヒアルロン酸及び/又はその塩の分解物」とは、ヒアルロン酸及び/又はその塩の低分子化物をいう。本発明において、ヒアルロン酸及び/又はその塩の分解物は、酸分解法、酵素分解法、アルカリ分解法、加熱処理法、超音波処理法(Biochem., 33(1994)p6503-6507)等の公知の方法によってヒアルロン酸及び/又はその塩を低分子化したものをいう。
このうち、本発明においては、酸分解法によって分解処理されたヒアルロン酸及び/又はその塩が好ましく用いられる。酸分解によって得られたヒアルロン酸及び/又はその塩は、天然に存在するヒアルロン酸と同様の飽和型ヒアルロン酸を含む、ヒアルロン酸及び/又はその塩の分解物であり得る。具体的には、限定はされないが、本発明において、ヒアルロン酸及び/又はその塩の分解物は、例えば、塩酸、硫酸およびリン酸から選択される1種又は2種以上の酸を用いてヒアルロン酸を分解処理したものであり得る。好ましくは、塩酸および硫酸から選択される1種又は2種の強酸を用いて分解処理され、より好ましくは塩酸を用いて分解処理された分解物であり得る。限定はされないが、例えば、ヒアルロン酸及び/又はその塩を、0.05〜2N、好ましくは、0.1〜1Nの酸濃度の条件下、室温以上の温度条件で低分子化したものであり得る。ここで、温度は、限定はされないが、例えば、好ましくは、25℃以上99℃以下、より好ましくは、30℃以上95℃以下、さらに好ましくは、50℃以上90℃以下、なかでも好ましくは60℃以上80℃以下の温度条件である。
ヒアルロン酸及び/又はその塩の分解に要する時間は、任意であるが、例えば、目的の温度に達してから1〜48時間、好ましくは、3〜25時間程度である。この間、特に限定はされないが、連続的に又は間欠的に撹拌しながら分解反応を進めることが好ましい。
酸分解である場合、ヒアルロン酸及び/又はその塩と酸との重量比は、酸濃度にもよるが、例えば、0.8Nの酸水溶液を基準とした場合には、ヒアルロン酸及び/又はその塩の乾燥重量1部(1重量部)に対して、酸水溶液5重量部〜100重量部が好ましく、10重量部〜50重量部がより好ましく、15重量部〜30重量部が最も好ましい。ここで、酸水溶液としては、塩酸水溶液であることが好ましい。ここで酸分解条件は、上記条件に限定されるものではなく、技術常識に従って、当業者は上記条件と実質的に等価な条件を適宜選択して実施することができる。
このようにして、ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を含む分解物を得ることができる。
この他に、例えば、ヒアルロニダーゼなどのヒアルロン酸分解酵素、コンドロイチナーゼなどのヒアルロン酸を分解する酵素をヒアルロン酸に作用させて、ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を含む分解物を得て使用することも可能である。
さらに、アルカリ分解法によって、ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を含む分解物を得ることも可能である。アルカリ分解法としては、例えばヒアルロン酸の溶液に1N程度の水酸化ナトリウム等の塩基を加え、数時間加温して、低分子化させる方法が挙げられる。
本発明におけるヒアルロン酸及び/又はその塩の分解物の重量平均分子量は、特に限定されないが、約200以上500,000以下、好ましくは約400以上100,000以下、より好ましくは約800以上50,000以下である。
ここで、ヒアルロン酸オリゴ糖の塩もまた、ヒアルロン酸の塩と同様に、特には限定されず、薬学上許容される塩であればよい。このような塩には、例えば、有機塩基との塩(例えば、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、モノエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ピリジン塩などの第3級アミンとの塩、アルギニンなどの塩基性アンモニウム塩など)、無機塩基との塩(例えば、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩など)などが挙げられる。好ましいヒアルロン酸オリゴ糖の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩であり、より好ましいヒアルロン酸オリゴ糖の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩である。
本発明におけるヒアルロン酸及び/又はその塩の分解物に含まれる4糖のヒアルロン酸及び/又はその塩の含有率を面積百分率で表すと、好ましくは5%以上、より好ましくは8%以上、さらに好ましくは10%以上である。特に、上限はないが、例えば、90%以下であってもよく、より一般的には50%以下であってもよく、さらに一般的には30%以下であってもよく、例えば、15%以下であってもよい。4糖、6糖、8糖などのヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩の含有率は、後述の実施例で記載した手法と同様にして、HPLCを用いた方法にて測定することができる。
[(A)陰イオン交換樹脂への適用工程]
次に、本発明においては、上記分解物を陰イオン交換樹脂に適用する。陰イオン交換樹脂への適用工程により、分解物中に含まれるヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩をはじめとするヒアルロン酸及び/又はその塩が樹脂に吸着される。
陰イオン交換樹脂への適用に先立って、分解物のpHの調整を行うことができる。pHの調整は、例えば、ヒアルロン酸及び/又はその塩が酸分解法によって低分子化されている場合、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸カルシウム、重炭酸マグネシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の重炭酸塩等の塩基性無機塩、あるいは塩基性有機塩を用いて行うことができる。
陰イオン交換樹脂への適用工程に供する際のヒアルロン酸及び/又はその塩の分解物含有溶液のpHは、5〜7の間のいずれかであることが好ましく、5.5〜6.5の間であることがより好ましい。
陰イオン交換樹脂処理における温度は、1℃〜50℃の間であることが好ましく、1〜40℃の間であることがより好ましい。
使用する陰イオン交換樹脂としては、例えば、強塩基性、弱塩基性、さらにはゲル型やポーラス型のイオン交換樹脂が挙げられる。このような陰イオン交換樹脂のうち、強塩基性陰イオン交換樹脂が好ましく用いられる。強塩基性陰イオン交換樹脂としては、トリメチルアンモニウム基、トリメチルアンモニオメチル基、β-ヒドロキシエチルジメチルアンモニウム基、2-ヒドロキシプロピルアミノ基、ジエチル-(2-ヒドロキシプロピル)アミノエチル基、ジメチルエタノールアンモニウム基等を有する陰イオン交換樹脂が例示される。また、トリエチルアンモニオエチル(TEAE)セルロースなどが用いられるが、これに限定されない。
陰イオン交換樹脂が粒子である場合、平均体積粒子径としては、限定はされないが、1μm以上3000μm以下が好ましい。なお、ここでいう平均体積粒子径は、任意の方法で測定することができるが、例えば、レーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置で得られた値を採用することができる。
ヒアルロン酸及び/又はその分解物の陰イオン交換樹脂への適用工程では、前記分解物を含む溶液中に陰イオン交換樹脂を添加して撹拌してもよい。例えば、陰イオン交換樹脂を容器内に固定化させておき、その容器の中に分解物を含む溶液を入れ、攪拌して、ヒアルロン酸および/またはその塩の分解物を陰イオン交換樹脂と接触させることにより、ヒアルロン酸及び/又はその塩を吸着させることができる。あるいは、前記分解物を、陰イオン交換樹脂を充填したカラムに通液することで、処理を行い、ヒアルロン酸及び/又はその塩を吸着させることも可能である。
ヒアルロン酸及び/又はその塩の分解物の重量(分解前のヒアルロン酸及び/又はその塩の仕込み量から導き出される値に相当)と陰イオン交換樹脂の容積との比率は、陰イオン交換樹脂の容積に対する重量容積パーセント濃度で表すと、0.5〜20g/100mL(w/v%)であることが好ましく、1〜10g/100mLであることがより好ましい。
[(B)塩化ナトリウム水溶液と陰イオン交換樹脂との接触工程]
ヒアルロン酸及び/又はその塩の分解物を適用し、分解物が吸着した陰イオン交換樹脂に、溶離液を接触させ、その後、4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を含む溶出物を回収する。
限定はされないが、まず、塩化ナトリウム水溶液を溶離液として接触させることによる溶出に先立って、洗浄液で、陰イオン交換樹脂を洗浄すること及び/又は夾雑物を除去する工程を含むことも好ましい(本明細書で、(F)工程と称することもある)。ここで、洗浄液と溶離液は同一であっても異なっていても良い。洗浄は、水または緩衝液を用いて行うことも可能であり、溶離液と同じ種類で溶離液と同じ濃度以下の濃度の液を用いることもできる。
洗浄に用いるための、水、各種緩衝液、または溶離液と同じ溶液は、容量対比で、陰イオン交換樹脂の充填量1部に対して、0.1〜500部であることが好ましく、1〜200部がより好ましい。また、洗浄液は、連続して通液してもよいし、間隔をおいて複数回通液してもよい。洗浄は、例えば、限定はされないが、10mM以上60mM以下の間のいずれかの濃度の塩化ナトリウム溶液を用いることが好ましい。
溶出物を得るために用いる溶離液は、陰イオン交換樹脂適用工程に用いる陰イオン交換樹脂の種類に応じて適宜決定することができるが、本発明においては、イオン交換樹脂の種類に関わらず、塩化ナトリウム水溶液を使用する。
本発明では、塩化ナトリウム水溶液と陰イオン交換樹脂とを接触させ、そこから溶出した液を回収する。接触の方法は、特に限定はされないが、溶出物の回収を容易に行うために、カラムクロマトグラフィー等により行うことができる。カラムを用いる場合には、例えば、カラムの内径は1〜300cm程度、カラム長は20〜1000cm程度、流量は0.2〜2L/時間程度とすることができるが、これに限定されない。
塩化ナトリウム水溶液の陰イオン交換樹脂への接触工程は、任意で行われる洗浄工程又は夾雑物除去工程(即ち、上記(F)工程)とは別に行われる。本発明では、接触工程は、直線濃度勾配(いわゆるグラジエント方式)ではなく、特定の1つの濃度で行うか又はある時間で階段状に溶離液の濃度を切り替えるステップワイズ方式を採用する。より具体的には、本発明の接触工程は、塩化ナトリウム水溶液による1段階以上の段階に分けた処理であることを特徴とする。ここで、本明細書では、塩化ナトリウム水溶液の濃度が同じ場合には、同じ「段階」と表現し、例えば、1つの特定濃度のみで接触させる場合を1段階で処理するといい、2種類の特定濃度で接触させる場合には2段階で処理するという。本発明の塩化ナトリウム水溶液と陰イオン交換樹脂との接触は、1段階以上10段階以下で行われることが好ましく、1段階以上5段階以下であることがさらに好ましい。ここで、第1段階目から順に、段階数の増加に伴って、塩化ナトリウム水溶液の濃度を高くするが、直線濃度勾配ではない。
同じ濃度による1つの段階の処理を少なくとも10分間は保持することが好ましい。ここで10分間保持するとは、1つの濃度の塩化ナトリウム水溶液を添加開始後、次の段階の濃度の塩化ナトリウム水溶液を添加するまでの時間差が10分間であることをいう。保持時間は、限定はされないが、それぞれの段階で、例えば、10分以上120分以下とすることが好ましく、10分以上60分以下とすることがより好ましい。1つの段階のみの処理の場合には、塩化ナトリウム水溶液を添加した後、回収開始までの時間を少なくとも10分間とすることができる。
異なる段階の間の濃度の差は10mM以上であることが好ましく、15mM以上であることがより好ましい。2段階以上の処理の場合には、使用する溶離液の濃度のうち最小濃度と最大濃度の差は少なくとも50mMとすることができる。
塩化ナトリウム水溶液と陰イオン交換樹脂との接触処理は、例えば、1段階の1回(間欠のない処理)又は2回以上(間欠を挟む処理)で達成することもできるが、好ましくは、少なくとも2つの異なる濃度による2段階または3段階以上の処理で達成することができる。それぞれ、1段階あたり、塩化ナトリウム水溶液を1回又は数回に分けて適用することもできる。より簡便には、1段階あたり塩化ナトリウム水溶液を1回で連続的に適用することが好ましい。
溶離液としての塩化ナトリウム水溶液の濃度としては、10mM以上300mM以下の間の濃度が用いられる。好ましくは、20mM以上200mM以下の間の濃度の塩化ナトリウム水溶液を用いることができ、さらに好ましくは、20mM以上120mM以下の間の濃度の塩化ナトリウム水溶液を用いることができる。4糖のヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を高濃度で含む画分をより効率的に得やすいという観点から、20mM以上120mM以下の間の濃度の塩化ナトリウム水溶液を少なくとも1段階は用いることが好ましい。
例えば、第1の濃度の塩化ナトリウム溶液による1段階目の接触の後、第2の濃度の塩化ナトリウム溶液による第2段階目の接触を行うことができ、1段階目の濃度として、20mM以上60mM以下の濃度の塩化ナトリウム水溶液を用い、少なくとも1回接触処理を行うことが好ましい。限定はされないが、塩化ナトリウム濃度として、20mM以上60mM以下の濃度の塩化ナトリウム水溶液を少なくとも1段階、及び60mM超過120mM以下の濃度の塩化ナトリウム水溶液を少なくとも1段階として、陰イオン交換樹脂に接触させることにより、4糖のヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を高濃度で含む画分をより効率的に得ることが可能となる。
より効果的に4糖のヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を高濃度で含有する画分を得るという観点から、30mM以上50mMの間の濃度の塩化ナトリウム水溶液、50mM超過70mM以下の間の濃度の塩化ナトリウム水溶液、および70mM超過90mM以下の間の塩化ナトリウム水溶液を、陰イオン交換樹脂と、それぞれ少なくとも1段階ずつ、順次接触させることが好ましく、30mM以上50mMの間の濃度の塩化ナトリウム水溶液、50mM超過70mM以下の間の濃度の塩化ナトリウム水溶液、70mM超過90mM以下の間の塩化ナトリウム水溶液、および90mM超過110mM以下の塩化ナトリウム水溶液を、陰イオン交換樹脂と、それぞれ少なくとも1段階ずつ、順次接触させることがより好ましい。
なお、複数の段階に分けて順次接触させる場合、陰イオン交換樹脂が途中で乾燥しないように、2段階目以降は、前段階の溶離液がカラムベット面近くまで下がってきた時点で次の段階の濃度の溶離液を順次添加していくことにより行うことが好ましい。
溶離液と陰イオン交換樹脂の充填量の容量対比は、適宜調節されるが、各段階において、それぞれ陰イオン交換樹脂の充填量100mlに対して、10〜1000ml程度であることが好ましく、20ml〜500ml程度であることがより好ましい。
洗浄又は接触における温度は、特に限定はされないが、1℃〜50℃の間であることが好ましく、1〜40℃の間であることがより好ましい。
[(C)4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を含む溶出物の画分の回収工程]
4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を含む溶出物の画分の回収の方法は、限定はされず、当業者に公知のいずれの方法でも取ることができる。例えば、1段階の接触処理開始後ただちに回収を行うことができる。あるいは、2段階目以降の接触処理開始後に回収を開始することもできる。まず、1段階目の処理開始後に、回収を行い、これとは別に2段階目の処理開始後に別の回収を行うなど、それぞれの段階で、別々に溶出物を回収することもできる。2段階以上の接触処理を行う場合に、回収を順次行い、段階数に関わらず、連続的に、あるいは適度な間隔を経て、溶出液(溶出物)を分取することもできる。回収物における4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩、並びに6糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を含む画分のモニタリングは、当業者に公知のいずれの方法を取ることもできる。モニタリングは、例えば、後述の実施例と同様にしてHPLC法により行うことができ、例えば、紫外(UV)検出器、示差屈折(RI)検出器、蒸発型光散乱(ELSD)検出器などを用いることができるが、限定はされない。より簡便で精度良くモニタリングできるという観点からは、HPLC法でUV検出により行うことが好ましい。
[(D)濃縮工程]
本発明の製造方法においては、任意に、エバポレーター、スプレードライ、フリーズドライ、または各種の膜を利用することなどによる濃縮工程を含むことができる。ここで、エバポレーターを利用して濃縮を行うことが好ましい。濃縮に膜を使用する場合には、逆浸透膜処理やナノ濾過膜処理などを行うことが好ましい。
ここで用いられるエバポレーターとしては、例えば、ロータリーエバポレーターあるいはフラッシュエバポレーター等が挙げられる。
上記の(D)濃縮工程は、前記(C)工程よりも後の工程として行われることが好ましい。
[(E)脱塩工程]
本発明の製造方法においては、任意に、透析法、ゲルろ過法、限外ろ過法、スピンカラム法、沈澱法、あるいは再懸濁法などによる脱塩工程を含むことができる。脱塩工程は、好ましくは濃縮工程の前後に行うことができ、好ましくは、濃縮工程の後に行うことができる。なお、その使用用途等から、ヒアルロン酸オリゴ糖から塩を除去する必要性が低い場合は、当該工程は必ずしも必要ではない。
特に限定はされないが、このうち、ゲルろ過クロマトグラフィーによる脱塩が好ましい。例えば、ゲルろ過クロマトグラフィーのうち、SephadexあるいはBio Gelを用いたろ過による脱塩が好ましく、Sephadex G-10(GEヘルスケア・ジャパン株式会社製)を用いたゲルろ過クロマトグラフィーによる脱塩処理が例示される。
本発明の脱塩に限外ろ過膜を用いる場合には、膜の孔径として、例えば、0.001〜0.01μmのろ過膜及び/又は分画分子量が500〜300,000程度のろ過膜を使用することが好ましい。
[その他の工程]
本発明の製造方法においては、任意に、陽イオン交換樹脂や珪藻土あるいは活性炭を用いた処理などの精製工程を更に含むことができる。このような工程を更に含むことで、より高純度で色味の少ない4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を含有する組成物を得ることができる。このような陽イオン交換樹脂又は活性炭を用いた処理は、任意の段階で行うことができるが、好ましくは前記(C)工程の前後に行うのがよく、(C)工程の後に(D)及び/又は
(E)工程を行う場合には、その(D)及び/又は(E)工程の前後に行うことができる。
陽イオン交換樹脂としては、例えば、強酸性または弱酸性のイオン交換樹脂が例示される。このような陽イオン交換樹脂のうち、強酸性陽イオン交換樹脂としては、スルホン酸基を有する陽イオン交換樹脂が例示される。陽イオン交換樹脂のうち、弱酸性陽イオン交換樹脂としては、カルボキシル基を有する陽イオン交換樹脂が例示される。
活性炭としては、例えば、鉱物系活性炭または植物系活性炭等が挙げられる。鉱物系活性炭としては、具体的には、例えば、石炭系活性炭、石油系活性炭等が挙げられ、植物系活性炭としては、具体的には、例えば、木質系活性炭またはやし殻活性炭等が挙げられ、好ましくは木質系活性炭が挙げられる。木炭、素灰、草炭、ピート若しくは木材チップ等の木質、やし殻、亜炭、褐炭若しくは無煙炭等の石炭、石炭ピッチ、石油ピッチ、オイルカーボン、レーヨン、アクリロニトリルまたはフェノール樹脂等が挙げられる。活性炭の形状は限定はされないが、例えば、粉砕炭、顆粒炭、球状炭若しくはペレット炭等の粒状活性炭、ファイバー若しくはクロス等の繊維状活性炭またはシート状、成形体若しくはハニカム状等の特殊成形活性炭、粉末活性炭等が挙げられる。
[(G)乾燥及び/又は粉末化工程]
本発明の製造方法においては、任意に、乾燥及び/または粉末化工程を更に含むことができる。このような工程を更に含むことで、得られたヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物を、化粧品、食品、医薬品などの製剤に用いる場合により取り扱いやすい原料とすることができる。
乾燥及び/又は粉末化工程は、本発明の製造方法において最終工程として行うことが多いが、真空乾燥装置などを使用して一挙に行う工程であってもよい。濃縮工程において、スプレードライ、あるいはフリーズドライを採用する場合には、濃縮と乾燥、濃縮と乾燥と粉末化を一挙に行うことになる場合もある。
[ヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物]
本発明の「ヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物」は、少なくとも4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を含む。さらに、本発明のヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物は、6糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を含むこともできる。また、本発明のヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物は、任意に8糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を更に含んでいてもよい。本発明のヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物は、本発明の製造方法により得ることができる。本発明のヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物における4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩、並びに6糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩のそれぞれの含有率は特に限定されないが、一例として、組成物全体に対して、4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を15〜80重量%、並びに6糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を0.1〜50重量%含有することが好ましく、4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を20〜70重量%、並びに6糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を0.5〜40重量%含有することが好ましく、4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を25〜60重量%、並びに6糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を1〜30重量%含有することがさらに好ましい。なかでも、本発明のヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物は、4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を30〜55重量%、並びに6糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を5〜20重量%含有することがより好ましい。ここで特定の実施形態において、本発明のヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物が、4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を60重量%以上含有する場合には、6糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩の含有率を30重量%未満とすることができ、さらには6糖ヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物及び/又はその塩の含有率を20重量%未満としてもよい。また、本発明のヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物は、8糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を、組成物全体に対して、0.1〜15重量%程度含有してもよく、さらには1〜10重量%程度含有してもよい。このような本発明のヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物は、例えばヒトに適用された場合に、浸透・吸収され易く、生体内で熱ショックタンパク質(Hsp)産生増加や細胞死抑制効果、細胞障害抑制効果、細胞・組織保護効果、ヒアルロン酸合成酵素(HAS2)発現量増大効果を有効に発揮することができる。さらには、抗炎症効果を有効に発揮することもできる。
限定はされないが、本発明におけるヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物に含まれる4糖、6糖、8糖などのヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩の含有率は後述の実施例で記載した手法と同様にして、HPLCを用いた方法にて測定することができる。
本発明のヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物には、4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩、並びに6糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩の他に、さらに、任意に8糖〜20糖のヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を始めとする、ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を含有することできる。
本発明において、4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩、並びに、6糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩は、飽和型又は不飽和型のいずれを含んでいても良く、飽和型及び不飽和型を組み合わせて含んでもよい。不飽和型ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩が含まれていても良いが、好ましくは、本発明においては、飽和型ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を多く含む。好ましくは、本発明のヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物は、組成物全体に対して、飽和型ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を60重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、更に好ましくは90重量%以上含み、最も好ましくは実質的に全てのヒアルロン酸オリゴ糖が飽和型ヒアルロン酸オリゴ糖である。本発明において、飽和型のヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩とは、当該ヒアルロン酸オリゴ糖を構成する全ての単糖におけるピラノース骨格が二重結合を含まず単結合で形成されているヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩であることをいう。
[ヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物を配合した製剤]
本発明のヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物は、化粧品、食品、医薬品等の任意の製剤を調製するために用いることができる。このような製剤には、さらに、ヒアルロン酸オリゴ糖又はその塩が有する各種の作用を増強又は補足する目的で、また他の有用な作用を付加する目的で、追加の物質を含むことができる。これらの追加の物質とは、美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、老化防止成分、コラーゲン等の生体成分合成促進成分、血行促進成分、保湿成分等の各種成分のうちの1種又は2種以上の組み合わせであり得る。これらの各成分としては、食品、医薬品、医薬部外品、又は化粧品分野において、特には皮膚外用剤(化粧品を含む)又は食品の成分として従来から使用され、また将来使用されるものが好ましく用いられる。
本発明の製剤は、上記各成分に加えて、さらに界面活性剤、油脂類、糖類、経皮吸収促進成分、アミノ酸、刺激軽減剤、増粘剤、防腐剤、紫外線防御剤、着色剤、分散剤、pH調整剤、香料等を含有させることができる。なお、これらの成分は1種単独で、又は2種以上を任意に含有させることができる。
本発明のヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物を含有する製剤はまた、水を0.01重量%〜60重量%の割合で含有する製剤であることが好ましく、水を0.01重量%〜50重量%の割合で含有する製剤であることがより好ましく、水を
0.1重量%〜40重量%の割合で含有する製剤であることがさらに好ましい。
[用途]
本発明の製剤は、熱ショックタンパク質(Hsp)産生増加や細胞死抑制効果、細胞障害抑制効果、細胞・組織保護効果、ヒアルロン酸合成酵素(HAS2)発現量増大効果等の生体に有益な効果を発揮させることが望まれる任意の場面で使用され得る。例えば、皮膚の老化症状を予防及び/又は改善するために、具体的には抗シワ剤、皮膚のハリ改善剤等として有効である。また、本発明の製剤を用いることにより、皮膚の小じわが改善され、潤いが保持され、キメが整い、ざらつきを抑える効果が発揮されることが期待できる。さらには、整肌保湿などの効果が発揮されることも期待できる。
本発明の製剤はまた、抗炎症剤として用いることができる。例えば炎症メディエーターを抑える為の製剤や大気汚染による皮膚炎症あるいは皮膚障害に対する製剤として使用することができる。すなわち、本発明の製剤は、皮膚障害改善用組成物として、用いることもできる。ここで、炎症メディエーターは、特に限定はされないが、例えば、IL−8発現であり得る。IL−8抑制作用を有することで、皮膚障害の改善に適した製剤となり得る。
ここで、IL−8発現抑制とは、インビトロ、エクスビボ又はインビボにおいて、IL−8の遺伝子発現、又はタンパク質発現を抑制することを意味する。
具体的な皮膚炎症あるいは皮膚障害としては、アトピー性皮膚炎、慢性蕁麻疹、円形脱毛症、皮膚掻痒症、日焼け、シミ、シワ、ニキビ、皮膚がん、肌荒れ、敏感肌等が挙げられる。
本発明のヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物を含有する製剤は、ペースト状、ムース状、ジェル状、液状、乳液状、クリーム状、シート状(基材担持)、エアゾール状、スプレー状などの各種所望の形態に調製することができる。これらは当業界の通常の方法にて製造することができる。本発明のヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物を含有する製剤は、例えば、美容液、化粧水、日焼け止めクリーム、乳液、クリーム、ローション、オイル及びパックなどの基礎化粧料;ファンデーション、口紅、リップクリーム、マスカラ、アイシャドウ、アイライナー、眉墨及び美爪料等のメーキャップ化粧料;洗顔料やクレンジング、ボディ洗浄料などの洗浄料;清浄剤、消炎鎮痛剤、美白剤、紫外線防御剤などの、化粧品、外用医薬品又は外用医薬部外品の分野に属する各種の外用製剤とすることができる。皮膚への作用効果から、本発明は皮膚外用剤(外皮用の製剤)等の外皮に接触される製品に使用されることが好ましい。
本発明の製剤はまた、サプリメントまたは機能性食品などの食品製剤として用いられ得る。更に、本発明の食品用製剤は、食品に対して機能性関与成分等として配合される製剤としても用いられ得る。
[粘度]
本発明の製剤を皮膚外用剤として用いる場合には、使用に適した適度な粘性を備えた製剤として調製することができる。本発明の製剤の粘度は、特に限定はされないが、例えば、E型粘度計を用いて25℃で測定した場合の粘度が通常1〜300mPa・s程度、好ましくは1〜200mPa・s程度、より好ましくは1〜100mPa・s程度、最も好ましくは、1〜50mPa・s程度である。粘度測定方法は、より詳細には、第16改正日本薬局方[B]一般試験法 2.物理的試験法 その他の物理的試験法 2.53 粘度測定法 2.第2法 回転粘度計法 2.1.3 円すい‐平板形回転粘度計(コーンプレート型粘度計)に記載の方法に準ずる。
[pH]
本発明のヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物を配合した製剤は、通常pH1〜8の液性を備えていればよい。4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩の安定性という観点からは、pH2〜7が好ましい。本発明のヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物を配合した製剤を皮膚外用剤として用いる場合には、皮膚や粘膜に対する低刺激性、及び皮膚使用感のよさという観点から、好ましくはpH2〜7、より好ましくはpH4〜6の酸性領域であることが望ましい。
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[ヒアルロン酸及び/又はその塩の分解物の調製]
原料ヒアルロン酸として、ヒアルロン酸ナトリウム塩(キユーピー社製、分子量:約120万)を用いた。反応容器中に、前記ヒアルロン酸ナトリウム塩(100g)を、0.8N塩酸水溶液に溶解させて全量を2kgとし(ヒアルロン酸ナトリウム濃度として5重量%)、70℃で16時間撹拌することにより、ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩の分解物を含む反応液を得た。得られた反応液中の4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩の含量を、HPLCを用いて測定したところ、11.7%であった(面積百分率)。ここで、HPLCの条件は、以下の通りである。
測定装置:Agilent 1200 Infinity(アジレント・テクノロジー社製)
カラム:COSMOSIL Sugar−D φ4.6×250mm
カラム温度:30℃
検出: UV210nm
注入量:50μL
流速:1mL/分
溶出条件:精製水(A)、0.8M NaHPO(B)
A:B=98:2→0:100(0→60分)
[陰イオン交換樹脂カラムによる処理]
ヒアルロン酸及び/又はその塩の分解物の調製例で得られた分解物を2等分し、室温に冷却後、精製水で5倍希釈し、希水酸化ナトリウム水溶液にてpHを6に調整した。pH調整した反応液を2等分し、あらかじめ精製水を用いて洗浄・充填しておいた強塩基性陰イオン交換樹脂500mL(Cl型:Dowex 1x4、200−400mesh、ダウケミカル社製)をオープンカラム(φ7×60cm、室温)に通し、ヒアルロン酸オリゴ糖を吸着させた。
次に、前記陰イオン交換樹脂カラムに、40mMの塩化ナトリウム水溶液を2.5L流して夾雑物を洗浄した。さらに、40mMの塩化ナトリウム水溶液を200mL、60mMの塩化ナトリウム水溶液を800mL、80mMの塩化ナトリウム水溶液を800mL、さらに100mMの塩化ナトリウム水溶液を800mL順次流して、ヒアルロン酸オリゴ糖を溶出させた。ここで、流速は0.5〜1L/時間で実施し、前の段階の溶出液がイオン交換樹脂カラムのベッド面近くまで下がってきた時点で、次の段階の溶出液を順次添加を行い、溶出液から4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩(HA4)と6糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩(HA6)を含む画分を回収した。このとき、画分中のHA4及びHA6をHPLCにて検出することでモニタリングを行った。HPLCの条件は、ヒアルロン酸及び/又はその塩の分解工程で行ったHPLC条件と同じである。
得られた溶出液をロータリーエバポレーターで濃縮し、Sephadex G−10で脱塩処理した後、乾燥して、ヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物の粉末を得た(収量;1.2g)。得られた粉末について、HPLCを用いて分析したところ、HA4;35.6重量%、HA6;15.9重量%、HA8;6.2重量%であった(図1)。HPLCの条件は、ヒアルロン酸及び/又はその塩の分解工程で行ったHPLC条件と同じである。そしてHA4、HA6又はHA8の試薬を標準物質として用い、絶対検量線法にて定量を行った。図1に示す結果から明らかなように、本発明の製造方法は簡便な手法でありながら、効率よく4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を高い割合で含むヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物を生産できることが分かる。また本発明の製造方法は、再現性が高く、ほぼ一定比率にて同様のヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物を生産できることも確認された。
(実施例2)
実施例1の[ヒアルロン酸及び/又はその塩の分解物の調製]と同様にヒアルロン酸及び/又はその塩の分解物を調製した。但し、反応容器中に、ヒアルロン酸ナトリウム塩を200g入れ、0.8N塩酸水溶液に溶解させて全量を4kgとした。
次に、陰イオン交換樹脂カラムによる処理を行った。ヒアルロン酸及び/又はその塩の分解物の調製例で得られた分解物を、室温に冷却後、精製水で5倍希釈し、希水酸化ナトリウム水溶液にてpHを6に調整した。pH調整した反応液を、あらかじめ精製水を用いて洗浄・充填しておいた強塩基性陰イオン交換樹脂4L(Cl型:Dowex 1x4、200−400mesh、ダウケミカル社製)をオープンカラム(φ12×100cm、室温)に通し、ヒアルロン酸オリゴ糖を吸着させた。
次に、前記陰イオン交換樹脂カラムに、40mMの塩化ナトリウム水溶液を20L流して夾雑物を洗浄した。さらに、40mMの塩化ナトリウム水溶液を1.6L、60mMの塩化ナトリウム水溶液を6.4L、80mMの塩化ナトリウム水溶液を6.4L、さらに100mMの塩化ナトリウム水溶液を6.4L順次流して、ヒアルロン酸オリゴ糖を溶出させた。ここで、流速は0.5〜1L/時間で実施し、前の段階の溶出液がイオン交換樹脂カラムのベッド面近くまで下がってきた時点で、次の段階の溶出液を順次添加を行い、溶出液から4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩(HA4)と6糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩(HA6)を含む画分を回収した。このとき、画分中のHA4及びHA6をHPLCにて検出することでモニタリングを行った。HPLCの条件は、ヒアルロン酸及び/又はその塩の分解工程で行ったHPLC条件と同じである。
得られた溶出液をロータリーエバポレーターで濃縮し、Sephadex G−10で脱塩処理した後、活性炭処理し、乾燥して、ヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物の粉末を得た(収量;17g)。得られた粉末について、HPLCを用いて分析したところ、HA4;29.2重量%、HA6;6.2重量%、HA8;0.6重量%であった。HPLCの条件は、ヒアルロン酸及び/又はその塩の分解工程で行ったHPLC条件と同じである。そしてHA4、HA6又はHA8の試薬を標準物質として用い、絶対検量線法にて定量を行った点は、実施例1と同様である。
(実施例3)
さらに、別に、実施例2と同様にして、Sephadex G−10での脱塩処理工程までを実施した後の回収物を集め、あらかじめ精製水を用いて洗浄・充填しておいた強酸性陽イオン交換樹脂4L(H型:Dowex 50wx4、100−200mesh、ダウケミカル社製)のオープンカラム(φ12×100cm、室温)に通し、ヒアルロン酸オリゴ糖を吸着させた。その後、精製水を4L流して溶出させ、溶出液から4糖ヒアルロン酸オリゴ糖と6糖ヒアルロン酸オリゴ糖を含む画分を回収した。
このとき、画分中のHA4及びHA6をHPLCにて検出することでモニタリングを行った。HPLCの条件は、ヒアルロン酸及び/又はその塩の分解工程で行ったHPLC条件と同じである。
得られた溶出液を希水酸化ナトリウム水溶液にてpHを4に調整した後、活性炭処理し、ロータリーエバポレーターで濃縮し、乾燥して、ヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物の粉末を20g得た。得られた粉末について、HPLCを用いて分析したところ、HA4;48.1重量%、HA6;11.2重量%、HA8;1.0重量%であった。
[抗炎症作用評価試験]24well plate(Cell Bind、Corning社)にNHEK(Normal Human Epidermal Keratinocyte:正常ヒト表皮角化細胞、クラボウ社)を細胞数80000cells/wellで播種した。37℃、5%炭酸ガス及び95%空気の環境下で24時間培養後、HA4(Oligo社)、実施例2および3で得られた組成物(HA30%、HA50%)を各濃度にて溶解させた培地に交換し培養した。24時間培養後 、UA(Urban Aerosols:都市大気粉塵、独立行政法人 国立環境研究所)と上記HA4及び実施例の組成物をそれぞれ各濃度にて溶解させた培地に交換し、さらに一日培養した。培養後、上清(ELISA用サンプル)を回収し、Human IL−8/CXCL8 DuoSet ELISA Kit(R&Dシステムズ社)にてIL−8の発現量を測定した。また、上清を除去した培養プレートをPBSで2回洗浄し、Hoechst 33342を培地に希釈し、well内培地と置換した。37℃、5%炭酸ガス及び95%空気の環境下で10分培養後、ImageExpressで画像撮影した(16視野/well)。細胞カウントプログラムで解析し、細胞数を測定した。測定結果より、培地のみ(コントロール)の細胞数あたりのIL−8発現量をそれぞれ1とし、実施例2および3で得られた組成物を添加した場合の相対値を算出した(図2)。
図2に記載の通り、本発明のヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物は、HA4に匹敵するIL−8抑制能を発揮した。この結果より、本発明のヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物は、PM2.5などを含む都市大気粉塵による皮膚の炎症を抑制することが示された。

Claims (14)

  1. ヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物の製造方法であって、

    (A)ヒアルロン酸及び/又はその塩の分解物を、陰イオン交換樹脂に適用する工程、
    (B)10mM以上300mM以下の間のいずれかの濃度の塩化ナトリウム水溶液を、1段階で又は複数の段階に分けて、該(A)工程で得られる陰イオン交換樹脂に接触させ、溶出物を得る工程、並びに、
    (C)該(B)工程で得られた溶出物から、4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を含有する画分を回収する工程、を包含する、製造方法。
  2. 前記陰イオン交換樹脂が、強塩基性陰イオン交換樹脂である、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記(B)工程で、20mM以上120mM以下の間のいずれかの濃度の塩化ナトリウム水溶液を少なくとも1回接触させることを含む、請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 前記(B)工程で、20mM以上60mM以下の間のいずれかの濃度の塩化ナトリウム水溶液を少なくとも1回、及び60mM超過120mM以下の間のいずれかの濃度の塩化ナトリウム水溶液を少なくとも1回接触させることを含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
  5. 前記(B)工程における塩化ナトリウム水溶液と陰イオン交換樹脂との接触が、1段階以上5段階以下である、請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。
  6. さらに、前記(A)工程の後に、(F)10mM以上60mM以下の間のいずれかの濃度の塩化ナトリウム水溶液で夾雑物を除去する工程を包含する、請求項1〜5のいずれか1項記載の製造方法。
  7. さらに、
    (D)濃縮工程、及び/又は
    (E)脱塩工程、を包含する、請求項1〜6のいずれか1項記載の製造方法。
  8. 前記(D)工程が、エバポレーター処理、スプレードライ処理、フリーズドライ処理、逆浸透膜処理、及びナノ濾過膜処理からなる群より選択される少なくとも1種の濃縮処理により行われる、請求項7記載の製造方法。
  9. さらに、(G)乾燥及び/又は粉末化工程を包含する、請求項1〜8のいずれか1項記載の製造方法。
  10. 前記ヒアルロン酸及び/又はその塩の分解物が、酸分解工程によって得られる、請求項1〜9のいずれか1項記載の製造方法。
  11. 4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を15〜80重量%、並びに6糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を0.1〜50重量%を含有する、ヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物。
  12. 4糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩、並びに、6糖ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩が、飽和型ヒアルロン酸オリゴ糖及び/又はその塩を含む、請求項11に記載のヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物。
  13. 請求項11又は12記載のヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物を含む、抗炎症剤。
  14. 請求項11又は12記載のヒアルロン酸オリゴ糖含有組成物を含む、化粧品、食品又は医薬品として用いられる製剤。
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