JP2018171566A - 中空糸膜モジュールおよびその製造方法 - Google Patents

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健太郎 小田
Kentaro Oda
健太郎 小田
龍一 石川
Ryuichi Ishikawa
龍一 石川
浩之 藤木
Hiroyuki Fujiki
浩之 藤木
美江 谷崎
Yoshie Tanizaki
美江 谷崎
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Abstract

【課題】中空糸膜が高い充填率であっても、簡単な構造で容易にポッティングが可能な構造を持った中空糸膜モジュールとその製造方法を提供すること。【解決手段】管状部材10内の管路が、基準断面積を持った基準部分10bと、該基準断面積よりも大きい断面積を持ったポッティング領域10aとを有する。該ポッティング領域の壁部にはポッティング材を注入するための注入ゲート13が設けられる。この構造によって、管路内に中空糸膜20を高い充填率で挿入しても、ポッティング領域では、ポッティング材30が中空糸膜同士の間に好ましく含浸した状態となる。よって、簡単な構成で、高濃度なガス溶解液を製造し得る中空糸膜モジュールが得られる。【選択図】図1

Description

本発明は、新たなポッティング構造を持った中空糸膜モジュールと、その製造方法に関する。
中空糸膜モジュールは、多数の中空糸膜を束ね、端部をポッティング材によって固定し、筒状のケーシング(ハウジング)内に収容し、各中空糸膜の両端の開口(内部流路の開口)を、ケーシングの接続口を通じて外部の管路(液体供給用の管路や、ガス供給用の管路)に接続できるように構成した器具である(例えば、特許文献1)。中空糸膜モジュールを用いることにより、濾過、ガス溶解液製造、脱気などを行うことができる。
しかし、特許文献1に記載されたような中空糸膜モジュールは、中空糸膜束の両端部をポッティング材によって集束固定する必要があり、かつ、比較的大きいスペースを占有するケーシングが必要であるため、製造コストが高く、全体の構造が複雑である。
一方、中空糸膜モジュールの一態様として、多数の中空糸膜が束ねられかつU字状に折り曲げられ、各中空糸膜の両端部がポッティング材によって1つの束として固定された構造を有するものが知られている(例えば、特許文献2、3)。特許文献2に記載された中空糸膜モジュールは、濾過用のフィルターである。また、特許文献3に記載された中空糸膜モジュールは、U字状に折り曲げられた中空糸膜束の外側を液体が流れる外部潅流型である。特許文献3では、該中空糸膜モジュールは脱気用としての使用例を中心に説明されているが、モジュール内に加圧気体を供給することにより、気液混合モジュールとしても用いることができることも記載されている。
国際公開第2003/020405号 特開2014−237131号公報 国際公開第2015/012293号
特許文献2、3に記載されたような、U字状に折り曲げられた中空糸膜束を有する中空糸膜モジュールは、ポッティング部が片側1か所だけであるから、モジュール全体の構造を、図10(a)に模式的に示すように単純化することが可能である。図10(a)の例では、中空糸膜モジュールは、管200と、U字状の中空糸膜束210と、ポッティング部220を有する。図10(a)のような中空糸膜モジュールは、図10(b)に示すように、U字状に折り曲げた中空糸膜束211を管201内に挿入し、該管201の端面(図の例では上端面)からポッティング材221を浸み込ませて固化し、図の一点鎖線X10の位置において、管201と中空糸膜束211と固化したポッティング材221とが一体になった部分を切断するといった、簡単なプロセスによって得ることができる。切断されたポッティング材の切断面(図10(a)のポッティング部220の上端面)には、中空糸膜の内部流路が開口している。
しかしながら、上記のようなU字状の中空糸膜束を有するモジュールの構造を、本発明者らが詳細に検討したところ、その様なモジュールの構造では、管内における中空糸膜の充填率を30%程度以上にすると、中空糸膜同士の間の隙間が小さくなり、各隙間にポッティング材が浸み込み難くなるため、ポッティング材を端面から単純に供給するだけでは、ポッティング材の浸透不足が生じる場合があることがわかった。
本発明の目的は、上記の問題を解消し得る新たなポッティング構造を持った中空糸膜モジュールと、該中空糸膜モジュールの製造方法を提供することにある。
本発明の主たる構成は、次のとおりである。
〔1〕第1の端部開口と第2の端部開口とを有する管状部材と、
該管状部材内に折れ曲がった状態で収容された複数の中空糸膜とを有し、
前記管状部材内の管路は、基準断面積を持った基準部分と、該基準断面積よりも大きい断面積を持ったポッティング領域とを有し、該ポッティング領域を取り巻く壁部には、外部からポッティング領域内にポッティング材を注入するための注入ゲートが設けられ、該ポッティング領域内には該注入ゲートから注入されたポッティング材が固化しており、
各中空糸膜の折れ曲がった部分は、前記ポッティング領域よりも第2の端部開口側に位置し、各中空糸膜の両端部は、前記ポッティング材を貫通し、該ポッティング材によって中空糸膜束の状態で固定され、各中空糸膜の内部流路は該ポッティング領域よりも第1の端部開口側に開口している、
中空糸膜モジュール。
〔2〕管路の基準断面積に対する、ポッティング領域のうちの最大の断面積の割合が、110%〜400%である、前記〔1〕に記載の中空糸膜モジュール。
〔3〕管路の基準部分の断面形状が円形であって、ポッティング領域の管軸方向の寸法が、該基準部分の断面形状である円形の直径の100%〜1000%である、前記〔1〕または〔2〕に記載の中空糸膜モジュール。
〔4〕管路の基準部分における前記中空糸膜の充填率が50%〜70%である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
〔5〕当該中空糸膜モジュールが、ガス溶解液を製造するためのものであり、
前記管状部材の管壁には、外部から液体を供給するための液体供給口が設けられ、該液体供給口は、該ポッティング領域に対して第2の端部開口側に隣接する液体供給領域に位置しており、
管状部材の第1の端部開口は、外部から中空糸膜の内部流路内にガスを供給するためのガス供給口であり、
管状部材の第2の端部開口は、液体供給口から供給された液体が前記中空糸膜に接触することで製造されたガス溶解液の流出口である、
前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
〔6〕前記管状部材が、ガス供給用ポートと液体供給用ポートと流出ポートとを有する分岐管継手部材と、該流出ポートに接続された管部品とを少なくとも有して構成され、
前記ガス供給用ポートは、第1の端部開口を有する開口部であるか、または、第1の端部開口を有する管路が接続される開口部であり、
前記液体供給用ポートは、液体供給口として機能する開口部であり、
前記流出ポートに接続された管部品の出口側の開口が第2の端部開口であり、
該分岐管継手部材内の管路には、液体供給用ポートよりもガス供給用ポートの開口側にポッティング領域が設けられ、該ポッティング領域を取り巻く壁部には、外部からポッティング材を注入するための注入ゲートが設けられている、
前記〔5〕に記載の中空糸膜モジュール。
〔7〕当該中空糸膜モジュールが、ポッティング領域において、管状部材の管軸と角度をなす面で切断され、かつ、切断された当該中空糸膜モジュールのうちの第1の端部開口側の部分が当該中空糸膜モジュールから除去されている、前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の中空糸膜モジュール。
〔8〕当該中空糸膜モジュールが、さらに管継手部材としてのアダプターを有し、
該アダプターは、前記切断によって形成された切断面に接続可能な第1端部と、外部の管路に接続可能な第2端部とを有する、
前記〔7〕に記載の中空糸膜モジュール。
〔9〕管状部材を用意する第1の工程を有し、該管状部材は、第1の端部開口と第2の端部開口とを有し、かつ、管状部材内の管路にはポッティング領域が設けられ、該ポッティング領域は、該管路の基準断面積よりも大きい断面積を有し、該ポッティング領域を取り巻く壁部には、外部からポッティング材を注入するための注入ゲートが設けられ;
前記管状部材の管路内に、複数の中空糸膜を折れ曲がった状態で挿入する第2の工程を有し、該第2の工程では、複数の中空糸膜を折り曲げ、該折れ曲げられた部分を先頭として、該中空糸膜を第1の端部開口から管路内に挿入し、複数の中空糸膜が折り曲げられてなる中空糸膜の束がポッティング領域を通過する状態となるように配置し、
注入ゲートからポッティング領域内にポッティング材を注入し固化し、該ポッティング領域内の中空糸膜を、固化したポッティング材によって中空糸膜束として固定し、中空糸膜モジュールを得る第3の工程を有する、
中空糸膜モジュールの製造方法。
〔10〕上記第3の工程によって得られた中空糸膜モジュールを、ポッティング領域において管状部材の管軸と角度をなす面で切断し、該中空糸膜モジュールのうちの第1の端部開口側の部分を除去する第4の工程をさらに有する、前記〔9〕に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
〔11〕前記管状部材の管壁には、外部から液体を供給するための液体供給口が設けられ、該液体供給口は、前記ポッティング領域に対して第2の端部開口側に隣接する液体供給領域に位置している、前記〔9〕または〔10〕に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
本発明の中空糸膜モジュールでは、中空糸膜が挿入される管状部材内の管路の一部にポッティング領域が設けられる。該ポッティング領域は、管路の基準部分にくらべて管径方向に大きく広がった空間であり、該ポッティング領域を取り巻く壁部には、外部から液状のポッティング材を注入するための注入ゲートが設けられている。この構成により、管路の基準部分における中空糸膜の充填率が30%を超えるような、さらには、50%〜70%であるような、多数の中空糸膜が管路に挿入されていても、ポッティング領域では、注入ゲートからポッティング材が注入されると、各中空糸膜は管径方向に移動することができるので、ポッティング材は、中空糸膜同士の間の隙間に好ましく浸み込むことができる。よって、本発明の中空糸膜モジュールは、簡単な構造でありながら、基準部分における高い充填率の中空糸膜と、ポッティング領域におけるポッティング材の含浸不良が抑制された好ましい収束固定状態とを有するものとなっている。また、本発明の製造方法は、前記ポッティング領域の特徴に起因して、管路の基準部分に高い充填率で中空糸膜を挿入しても、ポッティング領域ではポッティング材を中空糸膜間に容易に好ましく浸透させることができる。
図1は、本発明の中空糸膜モジュールの主要部の構成を模式的に示す断面図である。図1は、内部の構造を分かり易く示すために、太く短い例を示している。また、図1では、分かり易く示すために、複数の中空糸膜のうち1つの中空糸膜だけを代表的に太い線で示し、他の中空糸膜は細線で示している。また、図1では、各中空糸膜は、いずれも1つの平面内でU字状に曲がっているように描かれているが、実際には、複数の中空糸膜が立体的に束ねられており、各中空糸膜は、互いに異なる平面内でU字状に曲がっている。 図2は、本発明に用いられる管状部材の好ましい態様の一例を示す断面図である。 図3は、本発明における、ポッティング領域の他の態様を例示する断面図である。 図4は、本発明の中空糸膜モジュールの好ましい態様を模式的に示す断面図である。 図5は、図4に示す中空糸膜モジュールの好ましい構成例を模式的に示す断面図である。図5では、代表的に1本の中空糸膜がU字状に折り曲げられた状態を描いているが、実際には、多数の中空糸膜がU字状に折り曲げられて束ねられている(図6も同様である)。 図6は、本発明の中空糸膜モジュールの他の好ましい態様を模式的に示す断面図である。 図7は、本発明の実施例2における陰圧実験の構成(配管)を示したブロック図である。 図8は、本発明の実施例2における陽圧実験の構成(配管)を示したブロック図である。図7と同じ構成要素は、同じ符号で示している。 図9は、本発明の実施例2において製作された中空糸膜モジュールの評価結果を示すグラフ図である。 図10は、従来における、U字状の中空糸膜束を有するモジュールの構造とその製造方法を模式的に示す断面図である。
先ず、本発明の中空糸膜モジュールの構成を詳細に説明する。
本明細書では、管路の断面は、該管路を管軸に垂直に切断したときの断面をいう。管路の断面形状は、管路の断面の形状であり、管路の断面積は、管路の断面の面積である。
以下、管路の基本的な断面形状を円形として、各部の詳細を説明するが、管路の断面形状は、四角形や楕円形など、必要に応じて他の形状であってもよい。管路の断面形状が円形でない場合でも、各部の詳細は、そのような管路と同等の断面積を持った円形断面の管路の場合における各部の詳細を参照することができる。
当該中空糸膜モジュールは、図1に示すように、管状部材10と、該管状部材内にU字状に折れ曲がった状態で収容された複数の中空糸膜20とを有する。管状部材10は、一方の開口である第1の端部開口11と、他方の開口である第2の端部開口12とを少なくとも有し、内部の管路がこれらの開口を連絡している。管状部材10の内部の管路は、基準部分10bと、ポッティング領域10aとを有する。
管路の基準部分10bは、管状部材の管軸に沿って同様の断面形状を持った、管路の基本的な部分である。図1の例では、管路の基準部分10bは、管状部材10の管軸方向の全長のうち長さL1、L2で示された範囲の部分である。管路の基準部分の断面積が基準断面積である。基準断面積および基準部分の内径は、後述するように、ポッティング領域の断面積や管軸方向の寸法を決定するための基準として参照され得、また、挿通される中空糸膜の数や充填率を決定するためにも参照され得る。
ポッティング領域10aは、図1の例では、管状部材10の管軸方向の全長のうちの局所的な部分であり、管路の基準断面積よりも大きい断面積を有する部分である。図1では、ポッティング領域10aの管軸方向の長さは、符号Laで示されている。管状部材10の壁部10cのうち、ポッティング領域10aを取り巻く壁部には、外部から液状のポッティング材をポッティング領域内に注入するための注入ゲート13が設けられている。ポッティング領域10a内には、該注入ゲート13から注入されたポッティング材30が固化している。複数の中空糸膜20のそれぞれの折れ曲がった部分22は、ポッティング領域10aよりも第2の端部開口12の側に位置し、該中空糸膜20のそれぞれの両端部(中空糸膜の開口端面を含む部分)21は、固化したポッティング材30を貫通している。各中空糸膜の内部流路は、該ポッティング領域よりも第1の端部開口側において開口している。よって、複数の中空糸膜20は、固化したポッティング材30によってポッティング領域10aにおいて中空糸膜束として固定されている。
以上のように、当該中空糸膜モジュールは、ポッティング領域を少なくとも有する構成によって、管路の基準部分における中空糸膜の充填率が30%以上であっても、ポッティング領域ではそれよりも低い充填率となり、中空糸膜同士の間にポッティング材が好ましく浸透し、ポッティング状態の不良が抑制されたものとなっている。
(管状部材)
図1の例では、管状部材10を単一部材として示している。しかし、そのような態様には限定されず、該管状部材は、図2に示すように、第1の端部開口11を持った管部品110と、ポッティング領域10aを持った管部品100と、第2の端部開口12を持った管部品120とを少なくとも有する組み立て構造体または接合構造体であってもよい。ポッティング領域10aを有する部分は、注入ゲート13をも有し、構造が複雑であるから、図2の例のように、その部分だけを独立した管部品100として形成し、これに単純なチューブである管部品110、120を接続する態様が好ましい。
図2に示すようなポッティング領域10aを持った管部品100は、管部品110と、管部品120とを接続する一種の管継手であるということもできる。図2の例では、当該中空糸膜モジュールは、3つの管部品100、110、120を有しているが、管部品110は省略してもよい。その場合、ポッティング領域を持った管部品100が第1の端部開口11を有する。
図1の例では、管状部材10の壁部10cの厚さが全体的に一様であるために、ポッティング領域の管径方向の膨らみに応じて、管状部材の外側も膨らんでいる。しかし、そのような態様には限定されず、図2に示すように、ポッティング領域10aを持った管部品100の外周形状がストレートな円柱形であり(注入ゲートの突起部を除く)、内部のポッティング領域だけが管径方向に膨らんでいてもよい。
図1、図2に示すようなポッティング領域10aを持った管部品100は、ポッティング領域の空間を容易に形成し得るように、2つの半割り部品を1つに合せて接合した構造など、複数の部品からなる構造であってもよい。例えば、管軸を含む平面において管部品100を切断した2つの半割り部品や、管軸に垂直な平面に沿って管部品100をポッティング領域の位置で切断した2つの半割り部品などであれば、金型を用いたポッティング領域の樹脂成形が容易である。
(管状部材の材料)
管状部材の材料は、特に限定はされないが、金属や樹脂組成物が好ましい材料として挙げられる。図2に示すように、管状部材が、ポッティング領域を持った管部品100と、単純な管部品110、120とを有する場合には、これらの管部品100、110、120にそれぞれ適切な材料を選択することができる。
例えば、ポッティング領域を持った管部品100の材料としては、ポッティング領域へのポッティング材の注入に耐え、かつ、高圧のガスや液体の供給、真空によるガスの吸引、濾過された液体やガス溶解液の流出に耐える、機械的強度、耐熱性、耐薬品性を有する材料が好ましく、金型成型可能な材料がより好ましい。このような材料としては、ABS樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エンジニアリングプラスチック類、および、複数種類の粉末金属(Ti、Mgなど)から形成された焼結合金などが挙げられる。
ポッティング領域をとりまく壁部の一部または全部が透明であれば、ポッティング材の浸透状態を外部から確認できるので好ましい。
また、単純な管部品110、120は、高圧のガスや液体の供給、真空によるガスの吸引、濾過された液体やガス溶解液の流出に耐える、機械的強度、耐薬品性などを有する材料からなるチューブ(金属製チューブ、樹脂製チューブ)が好ましい。このようなチューブの材料としては、ステンレス鋼、アルミ合金などの金属や、ポリウレタン、ナイロン、ポリオレフィン、ふっ素樹脂、ふっ素ゴム、シリコーンゴム、塩化ビニル樹脂等の可撓性のある樹脂組成物が挙げられる。金属製、樹脂製の細いチューブは、医療現場などにおいて、ガス供給源や液体供給源からの配管、濾過液やガス溶解液を利用するの配管などに容易に接続することができるので好ましい。
(管路の基準部分)
図1に示すように、管状部材10の内部の管路は、基準断面積を持った基準部分10bと、該基準断面積よりも大きい断面積を持ったポッティング領域(Laの範囲で示す部分)10aとを有する。基準断面積の直径(基準部分の内径)dは、特に限定はされないが、細長く単純でコンパクトなデバイスを構成し得ることが本発明の利点の1つであり、そのような点からは、基準部分の内径dは、2mm〜20mm程度が好ましい。とりわけ、医療用途では、医療の現場で用いられるチューブに求められる流量や管継手との接続性の点などから、管路の基準部分の内径dは、2mm〜11mm程度が好ましく、4mm〜8mm程度がより好ましい。管路の基準部分の基準断面積は、前記内径dから算出され得る。該基準部分の内径dや外径は、JIS K6771に規定された軟質ビニル管など、汎用のチューブの寸法に準拠することが好ましい。
管路の基準部分の長さL2は、特に限定はされず、ポッティング領域から第2の端部開口側に出ている中空糸膜を収容し得る長さを有することが好ましい。該長さL2は、10mm〜500mm程度、好ましくは10mm〜300mmが例示され、後述の液体供給口が設けられる場合には、50mm〜340mm程度が好ましい長さとして例示される。該長さL2に、さらに、第2の端部開口に外部配管を接続するために必要な接続シロの長さを適宜加えてよい。
(ポッティング領域)
ポッティング領域は、基準断面積よりも大きい断面積を有する領域である。ポッティング領域の空間全体の形状は、図3(a)に示すように、管軸方向に沿って均一な断面積を持った形状(円柱状)であってもよいが、図1、図3(b)に示すような、管軸方向の両端から中央部分に進むにつれて断面積が増加し、中央部分において最大の断面積を持った形状が好ましい。これは、ポッティング領域の管軸方向の両端では、各中空糸膜は、管路の基準部分によって管径方向へは大きくは移動できなくなっており、一方、ポッティング領域(とりわけ、管軸方向の中央部)では、各中空糸膜は管径方向に大きく移動し得るからである。よって、ポッティング領域の空間全体の形状は、中空糸膜が弧を描いて変形する形状に沿うような形状が好ましい。そのような形状としては、図1、図3(b)に示すような形状が例示される。図1に示す形状は、球状、または、管軸方向に長い楕円球状である。厳密には、基準部分が接続されるので、球状、楕円球状の管軸方向の両端部が切断された形状(所謂、ビア樽形)である。また、図3(b)に示す形状は、管軸方向の両端から中央部分に進むにつれて断面積が増加する2つの円錐台状の部分10a1、10a3と、円柱状の中央部分10a2とからなる形状である。その他、ポッティング領域を管軸を含んだ平面で切断したときに現れる壁部の内面の形状が、管路の外側に向かって凸状に膨れた曲線を描くような種々の形状とすることができる。
ポッティング領域と基準部分とは、滑らかな曲面によって接続されることが好ましい。
前記のように、ポッティング領域の空間が、中央部分において最大の断面積となるように膨らんだ形状であれば、ポッティング材の注入時に、中空糸膜束が好ましく管径方向に移動することができ、ポッティング材が中空糸膜同士の間の隙間に好ましく浸透することができる。また、ポッティング材の注入の際に、ポッティング領域の空気が好ましく基準部分へと移動できる。
ポッティング領域の最大の断面積(例えば、前記した中央部分の断面積)は、管路の基準部分の基準断面積に対して決定されることが好ましい。これは、基準断面積がより大きくなると、より多くの中空糸膜が挿入され、それらの中空糸膜を管径方向に移動させ得るようなより大きい空間がポッティング領域として必要になるからである。
管路の基準断面積に対するポッティング領域の最大の断面積の割合は、110%〜400%が好ましく、130%〜300%がより好ましい。この割合が110%を下回ると、ポッティング材が注入されたときに中空糸膜束が管径方向に十分に移動することができず、該ポッティング材が中空糸膜同士の間の隙間に十分に浸透しない場合が生じる。また、この割合が400%を上回ると、ポッティング領域が無駄に太い空間となり、ポッティング材の注入量も無駄に多くなる。一例として、基準断面積に対するポッティング領域の最大の断面積の割合が200%の場合、管路の基準部分における中空糸膜の充填率が50%であれば、そのときのポッティング領域の最大の断面積の部分における中空糸膜の充填率は、25%と算出される。
ポッティング領域の管軸方向の寸法Laは、各中空糸膜が弧状に湾曲するときの主たる弦長である。該寸法Laは中空糸膜が好ましく弧状に湾曲し得るように決定すればよい。該寸法Laは、特に限定はされないが、管路の基準断面積(特に基準部分の内径d)を参照して決定されることが好ましい。管路の基準断面形状が円形である場合には、ポッティング領域の管軸方向の寸法Laは、基準断面形状の直径(基準部分の内径d)の100%〜1000%が好ましく、200%〜500%がより好ましい。ポッティング領域の管軸方向の寸法Laが前記範囲よりも短いと、中空糸膜が弧状に湾曲するときに折れたり、膜糸間の拡張不足となり、寸法Laが前記範囲よりも長いと、注入時に樹脂の流れによっては気泡が発生し、封止不足箇所を発生したり、注入する樹脂量が多くなりコスト高となる。管路の基準部分の内径dが4mm〜8mmである場合の、ポッティング領域の管軸方向の好ましい寸法Laは、15mm〜30mm程度が例示される。
(注入ゲート)
注入ゲートは、外部からポッティング領域内にポッティング材を注入し得るように、ポッティング領域を取り巻く壁部に設けられる。注入ゲートは、単純な開口(断面円形の貫通孔)であってもよいが、ポッティング材を注入するための注入装置の吐出口を好ましく接続し得るように、該吐出口に合致した種々の管状の突起や、注入ゲートと注入装置の吐出口との接続時のシール性を高めるための座部やカップリングなどが、管状部材の胴体外面に設けられてもよい。また、注入ゲートの開口内の通路は、注入装置の吐出口を受入れ易いように、管軸側に向かって狭くなるテーパー状となっていてもよい。図1の例では、注入ゲート13は、単純な直管状態の外面13aを有し、管状部材の胴体外面から突き出している。また、図5の例では、注入ゲート13は、管軸側に向かって広がるテーパ状の外面13aを有し、管状部材の胴体外面から突き出している。
注入ゲートの数は、1つであってもよいが、2〜4など複数であってもよい。注入ゲートの数が複数の場合、全ての注入ゲートからポッティング材を注入してもよいし、1つの注入ゲート(複数でもよい)からポッティング材を注入し、他の注入ゲート(複数でもよい)からポッティング領域内に真空を作用させて、内部の気泡が排除されるようにしてもよい。図3(a)の例では、2つの注入ゲート131、132が設けられており、これらの注入ゲートは、ポッティング領域の胴体外周を取り巻く周上において互いに反対側の位置にある。
注入ゲートの開口の孔径は、ポッティング領域の断面積や容積、注入ゲートの数などに応じて決定してよく、注入ゲートの開口形状が円形の場合、1mm〜4mm程度が例示される。
注入ゲートの位置は、特に限定はされないが、注入されるポッティング材が第1の端部開口側と第2の端部開口側に均等に広がる点からは、ポッティング領域の管軸方向の範囲のうちの中央部が好ましい。また、注入ゲートの位置は、後述のポッティング部における切断を考慮し、該中央部から第1の端部開口側または第1の端部開口側に移動した位置であってもよい。
注入ゲートの内部通路の方向は、図1の例に示すように、管軸に垂直な方向(ポッティング材の射出方向が管軸と交差する)が好ましいが、管軸に対して斜めであってもよく、また、ポッティング材の射出方向が管軸と交差しなくてもよい。
上記した注入ゲートの開口の孔径、数、方向は、中空糸膜が通過した状態のポッティング領域にポッティング材が好ましく注入されるように決定される。
(中空糸膜)
本発明では、図1に示すように、複数の中空糸膜20が折れ曲がった状態にて管状部材内に挿入され、ポッティング領域10aを通過する部分が、ポッティング材30によって集束固定される。1本の中空糸膜の2つの端部21は、ポッティング領域よりも第1の端部開口側に位置し、各中空糸膜の内部流路はそこで開口している。即ち、各中空糸膜の両端部は、固化したポッティング材を貫通し、該ポッティング材によって中空糸膜束の状態で固定され、各中空糸膜の内部流路は該ポッティング領域よりも第1の端部開口側に開口している。一方、各中空糸膜の折れ曲がった部分22は、前記ポッティング領域よりも第2の端部開口側に位置する。
中空糸膜の折れ曲がった部分の折れ曲がりの形態は特に限定はされず、U字状やV字状であって良い。膜の損傷や破裂の懸念を低減させ、液体側管路への挿入を容易にする点では、該折れ曲がった部分は、U字状に折れ曲がった形態が好ましい。また、多数の中空糸膜を効率良く折り曲げて、ポッティング材によって束ね、固定する技術としては、例えば、特開2014−172019号公報(三菱レイヨン株式会社、「中空糸膜シート状物およびこれを用いた中空糸膜モジュールの製造方法」)に記載された技術(中空糸膜によりラッセル編地を形成し、該ラッセル編地を円柱状に巻いてロール体とし、端部をポッティング材によって固定し、該固定部分(ポッティング部分)を切断し、各中空糸膜の内部流路を切断端面に開口させる技術)を参照してもよい。
中空糸膜は、濾過が可能であるように液体透過性を有するものや、給気または脱気が可能であるようにガス透過性(液体不透過性)のものが利用可能である。ガス透過性を有する中空糸膜の構造は、特に限定はされないが、例えば、特許文献1などに記載されたガス透過性非多孔質膜の層を含んだ3層構造のような、多層複合中空糸膜が特に好ましい。
(管路内における中空糸膜の充填率)
管状部材の管路内における中空糸膜の充填率は、ある位置における管路の断面積Sbに占める、その位置を通過する中空糸膜の各断面積の総和Saの割合〔(Sa/Sb)×100〕(%)である。
各中空糸膜の断面積は、各中空糸膜をその長手方向に垂直に切断したときの断面の外形によって定められる断面積である。個々の中空糸膜の断面積としては、その中空糸膜の呼称の外径寸法を直径とする円の面積を用いてよい。
本発明では、中空糸膜は折り曲げられているので、管路を通過する2本の中空糸膜は、折れ曲がった部分22において1つにつながっている。本発明では、管路の断面を通過する中空糸膜の数が重要であるから、図1に示すように、1本の中空糸膜が2つに折り曲げられた状態で管路に配置されている場合、該管路の断面を通過する中空糸膜の数は2である。
管路の基準部分における中空糸膜の充填率は、特に限定はされないが、30%以上であれば、ポッティング領域を有する本発明の有用性が顕著になり、また、後述のガス透過性の中空糸膜を用いたガス溶解液の製造やガス溶解液からのガス分離をより効率良く行うことができる。また、該充填率の上限は、特に限定はされないが、70%程度が例示される。該充填率が70%を超えると、中空糸膜束を管路の基準部分内から挿入していく時に、強い力が必要となり、中空糸膜の破断が発生する可能性が高くなる。また、基準部分において、中空糸膜同士の間の隙間が狭くなり、濾過やガス溶解液の製造やガス溶解液からのガス分離の効率が低下する。管路の基準部分における中空糸膜の充填率が30%〜50%程度の場合、遠心力を管軸方向に作用させてポッティング材を含侵させる遠心ポッティングによっても、該ポッティング材の含浸が可能である。しかし、該充填率が50%以上になると、本発明以外の構成では、ポッティング材の充填は容易ではなくなる。よって、基準部分における充填率が50%〜70%であれば本発明の有用性がより顕著になる。また、充填率50%〜70%は、ガス溶解液の製造やガス溶解液からのガス分離をより効率良く行うことができるので好ましい。
管路の基準断面積と、ポッティング領域の最大の断面積と、中空糸膜の本数は、次の事項(a)、(b)が達成させるように決定することが好ましい。
(a)管路の基準部分における中空糸膜の充填率が30%〜70%、好ましくは50%〜70%であること。例えば、医療用途として管路の基準部分の内径が4mmの場合、外径280μmの中空糸膜の数が62程度であれば、基準部分における充填率は30%であり、該中空糸膜の数が102〜142程度であれば、基準部分における充填率は50%〜70%である。
(b)ポッティング領域の最大の断面積の部分における中空糸膜の充填率が、管路の基準部分における中空糸膜の充填率よりも小さく、好ましくは、該基準部分における中空糸膜の充填率の半分程度であること。
後述の切断前のポッティング領域から第1の端部開口側に出ている中空糸膜の長さは、特に限定されないが、1mm〜20mm程度であってよい。後述の切断前のポッティング領域から第2の端部開口側に出ている中空糸膜の長さは、特に限定されないが、管路の基準部分の内径、濾過、ガス溶解、ガス分離に求められる流量などに応じて適宜決定すればよく、例えば、基準部分の内径が4mm〜6mmの場合、50mm〜500mm程度、より好ましくは100mm〜300mm程度が例示される。
(ポッティング材)
ポッティング材は、ポッティング領域内に注入可能な液状であってかつ、注入後には固化する材料が利用可能であって、例えば、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂等の公知のポッティング材が挙げられる。また、ポッティング材として、主材と硬化剤とを有する2液硬化型または2液熱硬化型の樹脂材料を用いることで、該ポッティング材を液体の状態でポッティング領域内に注入し、注入後の固化を好ましく達成することができる。
注入ゲートからポッティング材を注入するための装置としては、特に限定はされないが、シリンジ、ディスペンサなどが例示される。ポッティング材の注入圧力と流量は、特に限定はされず、ポッティング材の粘性、中空糸膜の充填率などの条件に応じて、液状のポッティング材が好ましく浸透するように決定すればよく、例えば、注入圧力0.1〜1MPa、流量0.3〜10mL/分(好ましくは、1〜4mL/分)程度が例示される。単位mLはミリリットルを表す。
ポッティング領域に注入されるポッティング材は、中空糸膜束が通過しているポッティング領域の残りの空間を充填していることが好ましく、該ポッティング領域から第1の端部開口側、第1の端部開口側へとはみ出していてもよい。ポッティング領域が余裕を含んで必要寸法よりも大きく設計されている場合には、ポッティング材は、必ずしも管路の基準部分に到達していなくてもよい。
図1に示した中空糸膜モジュールは、濾過膜タイプの中空糸膜を用いれば、簡単な管状の形態でありながら、濾過に利用可能である。また、ガス透過タイプの中空糸膜を用いれば、管路の基準部分10b内の液体に対してガスを溶解させたり、ガス溶解液からガスを分離することも可能である。
(液体供給口)
当該中空糸膜モジュールの好ましい態様では、図4に示すように、管状部材の基準部分10bの管壁に、外部から液体B1を供給するための液体供給口14が第3の開口として設けられる。液体供給口14は、ポッティング領域に対して第2の端部開口側に隣接する液体供給領域に位置している。図4に示す態様では、第1の端部開口11は、外部から中空糸膜の内部流路内にガスAを供給するためのガス供給口である。中空糸膜20はガス透過性(液体不透過性)である。この構成により、当該中空糸膜モジュールは、簡単な構造でありながら、ガス溶解液を製造する装置となる。使用時において、第1の端部開口11から溶解すべきガスAを供給し、液体供給口14から液体B1を供給すると、該液体B1がガス透過性の中空糸膜20の外面に接触し、ガス溶解液B2となって第2の端部開口12から流出する。
図4に示すように、液体供給口14は、ポッティング領域10aに対して第2の端部開口12の側に隣接する液体供給領域(管軸方向の寸法L3で示された範囲)に設けられる。液体供給領域は、管路の基準部分の内径や、液体供給口の内径によっても異なるが、実用上では、管路の基準部分の内径の20倍以下の範囲が挙げられる。例えば、管路の基準部分の内径が4mm〜6mm程度では、液体供給領域の範囲L3は、ポッティング領域から20mm〜80mm程度が例示される。液体供給口14から供給される液体B1をより長く中空糸膜20に接触させ、より効率よくガス溶解液B2として、第2の端部開口12から流出させる点からは、液体供給口の位置は、ポッティング領域にできるだけ近い位置が好ましい。液体供給口は、外部の液体供給源からの配管が着脱自在に接続可能であることが好ましい。
また、図4の例では、注入ゲート13と液体供給口14とが、管状部材の胴体の外周のうち、互いに対応する同じ側の位置にある。しかし、管状部材の胴体の外周方向についての注入ゲートと液体供給口のそれぞれの位置は、使用上の理由、製造上の理由など、種々の要求に応じて適宜変更してよく、互いに異なる側の位置にあってもよい。
液体供給口の内径は、特に限定はされないが、管路の基準部分の内径に応じて決定してよく、管路の基準部分の内径dの25%〜100%程度が好ましい。
図4の例では、管状部材を単一部材として示しているが、好ましい態様では、図5に示すように、該管状部材は、分岐管継手部材130と、管部品140とを少なくとも有して構成されてもよい。該分岐管継手部材130は、ガス供給用ポート11aと、液体供給用ポート14aと、流出ポート12aとを有する。ガス供給用ポート11aは、第1の端部開口11を有してもよいし、ガス供給用ポート11aにさらに、第1の端部開口を有する管路(管部材)が接続されてもよい。液体供給用ポート14aは、液体供給口として機能する。図4の例では、流出ポート12aに接続された管部品140が、第2の端部開口12を有する。分岐管継手部材130内の管路には、液体供給用ポート14aよりもガス供給用ポート11aの開口側にポッティング領域10aが設けられている。該ポッティング領域10aを取り巻く壁部には、外部からポッティング材30を注入するための注入ゲート13が設けられている。
また、図2に示したポッティング領域10aだけを持った管部品100の第2の端部開口側の管路に、T字形管継手やY字形管継手などの分岐管継手を、直接的にまたは短い管部品を介して接続することによって、ポッティング領域を持った管路に液体供給用ポートを設けることも可能である。例えば、T字形管継手を用いる場合には、3つのポートのうち、1つの管軸上に直線的に位置合わせされた2つのポートを管路の基準部分に沿って該管路に挿入し、前記管軸に直交する残る1つのポートを液体供給用ポートとして用いる態様が、中空糸膜の挿入が直線的になり容易である点で好ましい。
図5における分岐管継手部材130の材料は、図2に示したポッティング領域を持った管部品100の材料を参照することができる。
また、図5における管部品140の材料や寸法は、上記した管路の基準部分についての説明を参照することができる。
分岐管継手部材130に、管部品140、外部の液体供給源からの配管、外部のガス供給源からの配管を接続するための便利な接続構造として、JIS B 8381−1に規定された熱可塑性樹脂チューブ用プッシュイン継手の構造や、JIS B 8381−2に規定された熱可塑性樹脂チューブ用締込み継手や、それに類する継手の構造が付与されてもよい。
ポッティング領域においてポッティング材が固化した状態の製品は、そのまま中空糸膜モジュールとして用いてもよいし、ポッティング領域において管状部材の管軸と角度をなす面で切断し、第1の端部開口側の部分を除去し、中空糸膜モジュールとして用いてもよい。この切断面には、中空糸膜の断面が含まれ、各中空糸膜の内部流路が開口している。
当該中空糸膜モジュールがポッティング領域において切断された構成の規定には、「ポッティング領域において、管状部材の管軸と角度をなす面で切断され、かつ、切断された当該中空糸膜モジュールのうちの第1の端部開口側の部分が当該中空糸膜モジュールから除去されている」といったような製造方法とも解される規定を含むことが適切である。これは、注入ゲートから注入された樹脂の流れの状態や、その影響を受けた中空糸膜の移動の状態が、切断後のポッティング領域内に残されており、そのような状態の描写は、製造方法とも解される規定を含んだ描写が好ましいからである。
当該中空糸膜モジュールをポッティング領域において切断する場合、注入ゲートは、除去される第1の端部開口側の部分に含まれてもよいし、残された中空糸膜モジュール側に含まれていてもよい。また、注入ゲートが管状部材の壁部から外側に突き出している場合、該注入ゲートの突き出した部分を管状部材の胴体から除去してもよい。
切断の角度は、中空糸膜の断面(特に内部流路)が現れるならば特に限定はされないが、切断面と管軸とがなす角度を90度以下の側で規定する場合、30度程度〜90度が好ましい角度であり、管状部材の管軸に垂直(90度)に切断する態様がより好ましい。
(切断面に追加されるアダプター)
当該中空糸膜モジュールをポッティング領域において切断する場合、図6に示すように、当該中空糸膜モジュールは、切断面10xに装着される管継手部材としてのアダプター150をさらに有することが好ましい。該アダプター150は、前記切断によって形成された切断面10xに接続可能な第1端部152と、外部の管路160に接続可能な第2端部151とを有する管継手であり、内部の管路が第1端部152と、第2端部151において開口している。外部の管路160としては、液体供給用管路やガス供給用管路が挙げられる。該アダプターの第1端部152を切断面10xに接続することにより、該切断面(即ち、多数の中空糸膜)に対して、外部の液体供給用管路やガス供給用管路を接続することが可能になる。
管状部材の切断側の端部とアダプター150の第1端部152との接続構造やシール構造は、特に限定はされない。図6の例では、管状部材の切断側の端部が、アダプター150の第1端部152内にはめ込まれている。
次に、本発明の中空糸膜モジュールの製造方法を詳細に説明する。
当該製造方法の第1の工程では、上記した本発明の中空糸膜モジュールに用いられる管状部材を用意する。該管状部材の構成は、上記のとおりであって、該管状部材は、第1の端部開口と、第2の端部開口と、ポッティング領域と、注入ゲートとを有する。
当該製造方法の第2の工程では、管状部材の管路内に、複数の中空糸膜を折れ曲がった状態で挿入する。使用される中空糸膜は上記のとおりである。該第2の工程では、複数の中空糸膜を折り曲げ、該折れ曲げられた部分を先頭として、該中空糸膜を第1の端部開口から管路内に挿入し、図1に示すように、複数の中空糸膜が折り曲げられてなる中空糸膜の束がポッティング領域を通過する状態となるように配置する。
当該製造方法の第3の工程では、前記第2の工程によって、複数の中空糸膜20が折り曲げられてなる中空糸膜の束が管路内に配置された状態で、注入ゲート13からポッティング領域内にポッティング材を注入し固化する。これにより、ポッティング領域10a内の中空糸膜20を、固化したポッティング材30によって固定し、中空糸膜モジュールを得る。
前記管状部材の管壁には、上記した液体供給口が設けられいてもよい。該液体供給口は、上記説明のとおり、ポッティング領域に対して第2の端部開口側に隣接する液体供給領域に位置している。
当該製造方法の好ましい態様では、上記第3の工程の後、さらに、第4の工程において、ポッティング領域において管状部材の管軸と角度(30度程度〜90度)をなす面で切断し、中空糸膜モジュールのうちの第1の端部開口側の部分を除去する。上記したとおり、切断された中空糸膜モジュールの切断面には、上記した管継手部材としてのアダプターを装着し、外部の管路(液体供給用管路やガス供給用管路)に接続可能とすることが好ましい。
(液体)
ガス溶解液の製造に用いられる液体は、特に限定はされないが、水、アルコール、有機溶媒などが挙げられる。
前記「水」は、HOを含有する水性の液体を意味し、
不純物を含まない精製水;
水道水;
塩化ナトリウム、電解質、糖質、アミノ酸、脂肪乳剤、ビタミン剤、利尿剤、血漿増量剤、緩衝剤、殺菌剤、消毒剤など溶質が溶解した水溶液などといった所定の溶質が単独または複数溶解した水溶液(該水溶液におけるHOの含有量は、特に限定はされないが、HOにガスを溶解するという点からは、50重量%以上であることが好ましい);
中空糸膜の内部を通過し得る微細な固体が母材の水に溶けずに分散してなる懸濁水(水性懸濁液);
微細な液体が母材の水に溶けずに分散してなる乳濁水(水性乳濁液、水性エマルジョン);
をも包含する。
水の温度は、特に限定されず、冷水、温水、高温水などであってよい。
ガス溶解液の製造に用いられるガスは、特に限定はされないが、酸素、水素、窒素、ヘリウム、炭酸ガス、笑気ガスなど、ないしはそれらの混合ガスが挙げられる。
ガス溶解液のなかでも、上記水に炭酸ガスを溶解させてなる炭酸水は、入浴による脈拍及び拡張期血圧の減少、静脈血の心臓還流の改善と拍出量の増加、皮膚の充血、呼吸量の増加といった効能又は効果を有することが日本薬局方で示されている有用なガス溶解液である。本発明の中空糸膜モジュールによって製造し得る炭酸水の炭酸ガス濃度は、例えば、37℃で約1000ppm以上が達成可能である。
実施例1
本実施例では、ポッティング領域の有効性を確認した。
(管状部材の製作)
図2に示すポッティング領域10aを持った管部品100に、T字形管継手を接続することで液体供給内を追加し、図5に示す分岐管継手部材130と同等の構成を持った試験用の分岐管継手部材を作製した。この試験用の分岐管継手部材の第2の端部開口側の接続部に軟質チューブを接続して、本発明における管状部材とした。
ポッティング領域10aを持った管部品は、材料としてポリウレタン製チューブを用い、該管部品を管軸に垂直な断面で分割した2つ割りの部品からなる構造とすることで、内部のポッティング領域を作製した。前記2つ割りの部品を接着剤によって接合し、管部品を得た。
該管部品の管路の基準部分の断面積(基準断面積)は、約12.6mm(内径4mmの断面円形の管路)である。
該管部品のポッティング領域の形状は、図2に示す楕円球状の管軸方向の両端部が切断された形状である。
ポッティング領域の最大の断面積は、約32.2mm(断面円形、直径6.4mm)であり、前記基準断面積(約12.6mm)の約256%である。
ポッティング領域の管軸方向の長さは、20mmである。
注入ゲートは断面円形の貫通孔であり、内径は2mmである。
管路の基準部分を構成する管部品は、ポリウレタンチューブ(外径6mm、内径4mm)である。該ポリウレタンチューブの長さは、下記の3種類の中空糸膜を収容し得る長さとした。
(中空糸膜の挿入)
64本の中空糸膜を2つに折り曲げて束にし、該束を折れ曲がった部分を先頭にして管状部材の第1の端部開口から管路内に挿入した。
挿入した中空糸膜は、三菱レイヨン株式会社製の三層複合中空糸膜(MHF200TL、外径0.28mm)であり、基準部分を通過する数は128本(64本の中空糸膜が折り曲げられている)であり、中空糸膜の外径によって決定される断面積の総和は、約7.88mmである。よって、管路の基準部分における中空糸膜の充填率〔(7.88/12.6)×100〕は、約62.5%であり、ポッティング領域の最大の断面積の部分における中空糸膜の充填率〔(7.88/32.2)×100〕は、約24.5%である。
実施例2における試験のために、中空糸膜の有効長(液体供給口よりも第2の端部開口側の部分の長さ)を、150mm(サンプル1)、250mm(サンプル2)、300mm(サンプル3)として、3種類の実施例品を製作した。
(ポッティング材の注入)
注入ゲートからポッティング領域内にポッティング材(コロネートC4403(東ソー(株)と、ニッポランN4221(日本ポリウレタン工業(株))との混合樹脂)を注入し、固化させた。
ポッティング領域内におけるポッティング材の含浸状態を観察したところ、割れ、空隙、気泡などが無い状態であり、好ましいポッティング部となっていることがわかった。
実施例2
本実施例では、上記実施例1で製作した3種類の実施例品(サンプル1〜3)を用い、実施例品の第2の端部開口(出口)側から吸引することによる炭酸ガス溶解液の製造実験(陰圧実験)と、実施例品の液体供給口から水を所定の圧力で送り込むことによる炭酸ガス溶解液の製造実験(陽圧実験)とを行った。
(2−1)陰圧実験
図7は、当該陰圧実験の構成を示したブロック図である。各構成要素同士を接続する太線は、ガス配管または液体配管を表しており、各矢印は、ガスまたは液体の流れの方向を示している。同図に示すように、炭酸ガスボンベ170からのガス配管が、流量計172およびガス圧力計174を経て、実施例品である中空糸膜モジュール1の第1の端部開口11に接続されている。一方、給水容器180内には、36〜37℃に制御された純水が収容されている。中空糸膜モジュール1の液体供給口14に一端が接続された配管の他端が、該給水容器180内の純水中に浸漬されている。中空糸膜モジュール1の第2の端部開口12に接続された配管は、真空計190および吸引用のチューブポンプ192を経て、液体収集容器194内へと延びている。
サンプル1〜3のそれぞれに対して、炭酸ガスの流量(供給量)が50mL/分、100mL/分、150mL/分となるように、炭酸ガスボンベ170の圧力と吸引用のチューブポンプ192の吸引量(炭酸ガス溶解液の流量)を変化させた。
サンプル1〜3を用いかつ条件を前記のとおり変えることで、液体収集容器194内に得られた各炭酸ガス溶解液の炭酸ガス濃度を測定した。
炭酸ガスボンベ圧力、チューブポンプの吸引量等、および、炭酸ガス濃度の測定結果を下記表1に示す。表では、炭酸ガスをCOと表記している。炭酸ガスの圧力、および、出口側での真空度は、いずれもゲージ圧である。
また、炭酸ガスの流量(50mL/分、100mL/分、150mL/分)と、得られた炭酸ガス溶解液の炭酸ガス濃度との関係を、図9(a)のグラフに示す。
上記表1および図9(a)のグラフから明らかなとおり、陰圧実験では、中空糸膜の有効長が長くなるにつれて、炭酸ガスの流量が小さい値であっても、炭酸ガス溶解液の遊離炭酸濃度が上昇し、1000mg/L以上を達成し得ることがわかった。これは、中空糸膜を高い充填率で管路内に配置し得たことによるものである。
(2−2)陽圧実験
図8は、当該陽圧実験の構成を示したブロック図である。図7と同様、太線は、ガス配管または液体配管を表しており、各矢印は、ガスまたは液体の流れの方向を示している。陰圧実験と同様、炭酸ガスボンベ170からのガス配管が、流量計172およびガス圧力計174を経て、実施例品である中空糸膜モジュール1の第1の端部開口11に接続されている。一方、給水容器180内には、36〜37℃に制御された純水が収容されている。給水容器180内の純水中に一端が浸漬された配管は、該純水を送るためのチューブポンプ182、および、圧力計184を経て、中空糸膜モジュール1の液体供給口14に接続されている。中空糸膜モジュール1の第2の端部開口12に接続された配管は、液体収集容器194内へと延びている。中空糸膜モジュール内には中空糸膜が高い充填率で挿入されているので、これが抵抗となり、チューブポンプによって純水を送る場合には、中空糸膜の有効長に応じた供給圧力が必要となる。この供給圧力をモジュール圧損と呼ぶ。
当該陽圧実験では、サンプル1〜3のそれぞれに対して、純水の送り量がいずれも110mL/分(一定)となるように、チューブポンプ182を作動させた。炭酸ガスボンベ170の圧力は、いずれも0.3MPa(一定)とした。
サンプル1〜3を用い、前記条件にて炭酸ガス溶解液を製造し、液体収集容器194内に得られた各炭酸ガス溶解液の炭酸ガス濃度を測定した。
各サンプルのモジュール圧損、炭酸ガスの流量、および、炭酸ガス濃度の測定結果を下記表2に示す。炭酸ガスの流量は、流量計(デジタル式マスフローメーター)によって測定された値である。モジュール圧損はゲージ圧である。また、中空糸膜の有効長と、得られた炭酸ガス溶解液の炭酸ガス濃度との関係を、図9(b)のグラフに示す。
上記表2および図9(b)のグラフから明らかなとおり、当該陽圧実験では、中空糸膜の有効長が長くなるにつれて、モジュール圧損は高くなるが、炭酸ガス溶解液の遊離炭酸濃度が上昇し、1000mg/L以上を達成し得ることがわかった。これは、中空糸膜を高い充填率で管路内に配置し得たことによるものである。
上記の陰圧実験および陽圧実験の結果から、液体出口側からの吸引であっても、液体供給口側からの液体の注入であっても、中空糸膜の有効長が250mm以上のサンプル2、3において、遊離炭酸濃度が1000mg/L以上の炭酸ガス溶解液を製造し得ることがわかった。
本発明の中空糸膜モジュールは、管路の基準部分に高い充填率で中空糸膜が挿入されても、ポッティング領域が設けられているので、簡単な構造でありながら、該ポッティング領域においてポッティング材が好ましく中空糸膜同士の間に浸透して固化している。よって、例えば、図4、図5に示すように、液体注入口を設ければ、簡単で安価な構造でありながら、例えば、効能があるとされる遊離炭酸濃度1000mg/L以上の炭酸ガス溶解液を製造し得る中空糸膜モジュールを提供できる。また、当該中空糸膜モジュールは、脱気装置や濾過装置としても利用可能である。
また、当該中空糸膜モジュールは、液体供給口側を陽圧にして液体供給を行うことだけでなく、出口側を陰圧にしてガス溶解液を吸引することによる液体供給も可能である。
また、当該中空糸膜モジュールは、図7、図8に実施例の形態を示したように、好ましい態様では、従来の中空糸膜モジュールの形状とは全く異なる、細長いチューブのような形状であるから、スペースを取らず、単純な構造で低コストである。よって、例えば、医療の現場などに対して、使い捨て可能な炭酸泉製造装置を提供することが可能である。
また、本発明の製造方法によれば、管路内に中空糸膜束を挿入し、ポッティング領域に設けられた注入ゲートからポッティング材を注入し固化するだけで、高濃度のガス溶解液を製造し得る中空糸膜モジュールを簡単に製造することができる。
10 管状部材
10a ポッティング領域
10b 管路の基準部分
11 第1の端部開口
12 第2の端部開口
13 注入ゲート
20 中空糸膜
30 固化したポッティング材

Claims (11)

  1. 第1の端部開口と第2の端部開口とを有する管状部材と、
    該管状部材内に折れ曲がった状態で収容された複数の中空糸膜とを有し、
    前記管状部材内の管路は、基準断面積を持った基準部分と、該基準断面積よりも大きい断面積を持ったポッティング領域とを有し、該ポッティング領域を取り巻く壁部には、外部からポッティング領域内にポッティング材を注入するための注入ゲートが設けられ、該ポッティング領域内には該注入ゲートから注入されたポッティング材が固化しており、
    各中空糸膜の折れ曲がった部分は、前記ポッティング領域よりも第2の端部開口側に位置し、各中空糸膜の両端部は、前記ポッティング材を貫通し、該ポッティング材によって中空糸膜束の状態で固定され、各中空糸膜の内部流路は該ポッティング領域よりも第1の端部開口側に開口している、
    中空糸膜モジュール。
  2. 管路の基準断面積に対する、ポッティング領域のうちの最大の断面積の割合が、110%〜400%である、請求項1に記載の中空糸膜モジュール。
  3. 管路の基準部分の断面形状が円形であって、ポッティング領域の管軸方向の寸法が、該基準部分の断面形状である円形の直径の100%〜1000%である、請求項1または2に記載の中空糸膜モジュール。
  4. 管路の基準部分における前記中空糸膜の充填率が50%〜70%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の中空糸膜モジュール。
  5. 当該中空糸膜モジュールが、ガス溶解液を製造するためのものであり、
    前記管状部材の管壁には、外部から液体を供給するための液体供給口が設けられ、該液体供給口は、該ポッティング領域に対して第2の端部開口側に隣接する液体供給領域に位置しており、
    管状部材の第1の端部開口は、外部から中空糸膜の内部流路内にガスを供給するためのガス供給口であり、
    管状部材の第2の端部開口は、液体供給口から供給された液体が前記中空糸膜に接触することで製造されたガス溶解液の流出口である、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の中空糸膜モジュール。
  6. 前記管状部材が、ガス供給用ポートと液体供給用ポートと流出ポートとを有する分岐管継手部材と、該流出ポートに接続された管部品とを少なくとも有して構成され、
    前記ガス供給用ポートは、第1の端部開口を有する開口部であるか、または、第1の端部開口を有する管路が接続される開口部であり、
    前記液体供給用ポートは、液体供給口として機能する開口部であり、
    前記流出ポートに接続された管部品の出口側の開口が第2の端部開口であり、
    該分岐管継手部材内の管路には、液体供給用ポートよりもガス供給用ポートの開口側にポッティング領域が設けられ、該ポッティング領域を取り巻く壁部には、外部からポッティング材を注入するための注入ゲートが設けられている、
    請求項5に記載の中空糸膜モジュール。
  7. 当該中空糸膜モジュールが、ポッティング領域において、管状部材の管軸と角度をなす面で切断され、かつ、切断された当該中空糸膜モジュールのうちの第1の端部開口側の部分が当該中空糸膜モジュールから除去されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の中空糸膜モジュール。
  8. 当該中空糸膜モジュールが、さらに管継手部材としてのアダプターを有し、
    該アダプターは、前記切断によって形成された切断面に接続可能な第1端部と、外部の管路に接続可能な第2端部とを有する、
    請求項7に記載の中空糸膜モジュール。
  9. 管状部材を用意する第1の工程を有し、該管状部材は、第1の端部開口と第2の端部開口とを有し、かつ、管状部材内の管路にはポッティング領域が設けられ、該ポッティング領域は、該管路の基準断面積よりも大きい断面積を有し、該ポッティング領域を取り巻く壁部には、外部からポッティング材を注入するための注入ゲートが設けられ、
    前記管状部材の管路内に、複数の中空糸膜を折れ曲がった状態で挿入する第2の工程を有し、該第2の工程では、複数の中空糸膜を折り曲げ、該折れ曲げられた部分を先頭として、該中空糸膜を第1の端部開口から管路内に挿入し、複数の中空糸膜が折り曲げられてなる中空糸膜の束がポッティング領域を通過する状態となるように配置し、
    注入ゲートからポッティング領域内にポッティング材を注入し固化し、該ポッティング領域内の中空糸膜を、固化したポッティング材によって中空糸膜束として固定し、中空糸膜モジュールを得る第3の工程を有する、
    中空糸膜モジュールの製造方法。
  10. 上記第3の工程によって得られた中空糸膜モジュールを、ポッティング領域において管状部材の管軸と角度をなす面で切断し、該中空糸膜モジュールのうちの第1の端部開口側の部分を除去する第4の工程をさらに有する、請求項9に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
  11. 前記管状部材の管壁には、外部から液体を供給するための液体供給口が設けられ、該液体供給口は、前記ポッティング領域に対して第2の端部開口側に隣接する液体供給領域に位置している、請求項9または10に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
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CN113600020A (zh) * 2021-08-18 2021-11-05 山西大同大学 一种适用于实验规模使用的小型膜组件的制作方法
TWI813189B (zh) * 2022-03-03 2023-08-21 謝志欽 內氣式微細氣泡生成裝置

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