以下、図面を参照しながら、本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態では、本発明に係る弾球遊技機として、パチンコ遊技機を例にとって説明する。
<1.構成の概要:図1および図2>
図1に示すパチンコ遊技機1は、木製の外枠4の前面に額縁状の前枠2を開閉可能に取り付け、前枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3(図2参照)を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前枠2の開口部に臨ませた構成を有する。この遊技領域3aの前側には、透明ガラスを支持したガラス扉6が設けられている。
ガラス扉6の下側には、ヒンジ(図示せず)により前枠2に開閉自在に枢支された前面操作パネル7が配置されている。前面操作パネル7には、上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。
また上受け皿ユニット8には、上受け皿9に貯留された遊技球をパチンコ遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14と、遊技球貸出装置(図示せず)に対して遊技球の払い出しを要求するための球貸しボタン11と、遊技球貸出装置に挿入した有価価値媒体の返却を要求するためのカード返却ボタン12とが設けられている。
また上受け皿ユニット8には、遊技者が操作可能な操作手段(演出用操作手段:演出ボタン)として枠演出ボタン13(第1の演出ボタン)が設けられている。この枠演出ボタン13は、たとえば、所定の操作受付有効期間(入力受付期間)中に内蔵ランプが点灯されて操作が有効化され、この期間中における枠演出ボタン13に対する操作状況に応じて演出内容に変化をもたらすことができるようになっている。また演出用操作手段として、枠演出ボタン13の他、上受け皿ユニット8の適所に、方向キー75(第2の演出ボタン:不図示)が設けられている。方向キー75は、上方向を指し示すボタン75a、右方向を指し示すボタン75b、下方向を指し示すボタン75c、左方向を指し示すボタン75dから構成され、上下左右方向に操作可能に構成されている。各ボタンは十字状に配置されており、遊技者から見た各ボタンの配置は、上方向のボタン75aが奥側、下方向のボタン75cが手前側、右方向のボタン75bが右側、左方向のボタン75dが左側に配置されている。方向キー75は、たとえば、画面上に複数の選択用画像(選択肢)が表示されている場合に、これらのボタン75a〜75dを遊技者が操作(押圧)することで、いずれか1つを選択したり、後述の遊技者参加型演出により特定の操作手順(たとえば、上方向をだけを押す、上方向を押し次いで下方向を長押しするなど)を要求され、遊技者がこれに応えて操作する場合などに利用される。なお上記演出用操作手段は、枠演出ボタン13や方向キー75だけでなく、たとえば、ジョグダイヤル式、トラックボール式、ジョイスティック式、非接触型センサを利用したタッチセンサ式、液晶表示装置を利用したタッチパネル式などの操作手段であってもよい。また上記演出用操作手段について、その種類や設置個数も特に制限されない。
また前面操作パネル7の右端部側には、発射装置32(図3参照)を作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。また前枠2の上部の両側と発射操作ハンドル15の上側とには、音響により音演出効果(効果音)を奏するスピーカ46が設けられている。また、ガラス扉6の各所には、光の装飾により光演出効果を奏する、複数の装飾ランプ45が設けられている。
(遊技盤:図2)
次に図2を参照して、遊技盤3の構成について説明する。遊技盤3には、発射された遊技球を案内する球誘導レール5が盤面区画部材として環状に装着されており、この球誘導レール5取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域3aとなっており、四隅は非遊技領域となっている。
この遊技領域3aの略中央部には、液晶表示装置(Liquid Crystal Display)36が設けられている。この液晶表示装置36は、後述する演出制御部24の制御の下、たとえば3つ(左、中、右)の表示エリア(図柄変動表示領域)において、独立して数字やキャラクタや記号などによる複数種類の装飾図柄(たとえば、左図柄(左表示エリア対応)、中図柄(中表示エリア対応)、右図柄(右表示エリア対応))の変動表示動作(変動開始および変動停止を一セットする変動表示動作)を含む、種々の演出を画像により表示する。
また遊技領域3a内には、液晶表示装置36の表示面の周りを遠巻きに囲繞する形でセンター飾り48が設けられている。センター飾り48は、周囲の遊技球から液晶表示装置36の表示面を保護するとともに、遊技盤3の前面側に沿って設けられ、遊技盤3に固定される前面装着板48aと、センター飾り48の外周囲を形成し液晶表示装置36の表示画面を取り囲む鎧枠部48bとを一体に備えている。このセンター飾り体48の上面と球誘導レール5との間には遊技球が通過可能な遊動領域が形成され、センター飾り48の右側へも遊技球が案内されるようになっている。発射装置32により遊技領域3aの上部側に打ち込まれた遊技球は、遊技球の打ち出しの強さまたはストローク長によって、鎧枠部48bの上部側で左右に振り分けられ、センター飾り体48の左側の左流下経路3bと右側の右流下経路3cとのいずれかを流下する。
また遊技盤3の右上縁付近(右上隅)の非遊技領域は各種機能表示部となっており、7セグメント表示器(ドット付)を上始動口34(第1の特別図柄用)と下始動口35(第2の特別図柄用)に対応させて横に並べて構成される特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示手段)と特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示手段)とが設けられている。特別図柄表示装置38a、38bでは、7セグにより表現される「特別図柄」の変動表示動作(変動開始および変動停止を一セットする変動表示動作)により特別図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。なお上記の液晶表示装置36は、この特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、画像による装飾図柄を変動表示するもので、種々の予告演出(演出画像)とともに装飾図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また各種機能表示部には、特別図柄表示装置38a、38bの隣りに、7セグメント表示器(ドット付)からなる複合表示装置(保留複合表示用LED表示器)38cが配設されている。複合と称したのは、特別図柄1の作動保留球数の表示、特別図柄2の作動保留球数の表示、変動時間短縮機能作動中(時短中)および高確率状態中(高確中)の状態報知という、5つの表示機能を有する保留・時短・高確複合表示装置(以下単に「複合表示装置」と称する)であるからである。
また各種機能表示部には、複合表示装置38cの隣りに、複数個(この実施形態では2個)のLEDを配置してなる普通図柄表示装置39a(普通図柄表示手段)が設けられている。この普通図柄表示装置39aでは、2個のLEDにより表現される普通図柄の変動表示動作により普通図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。たとえば、変動表示動作として、LEDによる普通図柄がシーソー的に交互に点灯と消灯を繰り返し、いずれかの側が点灯した状態で停止することで、普通図柄変動表示ゲームの当否が判明するようになっている。また、この普通図柄表示装置39aに隣接して3個のLED(第1〜第3ラウンド表示LED)を配置してなるラウンド数表示装置39bが設けられている。このラウンド数表示装置39bは、3つのLEDの点灯・消灯状態の組合せにより、大当りに係る規定ラウンド数(最大ラウンド数)を報知する。
センター飾り48の下方には、上始動口34(第1の特別図柄始動口:第1の始動手段)と、下始動口35(第2の特別図柄始動口:第2の始動手段)を備える普通変動入賞装置41とが上下に設けられ、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する検出センサ34a、35a(上始動口センサ34a、下始動口センサ35a:図3参照)が形成されている。
第1の特別図柄始動口である上始動口34は、特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示装置)における第1の特別図柄(以下「特別図柄1」と称し、場合により「特図1」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、始動口開閉手段(始動口を開放または拡大可能にする手段)を有しない入賞率固定型の入賞装置として構成されている。本実施形態では、遊技領域3a内の遊技球落下方向変換部材(たとえば、遊技くぎ(図示せず)、風車44、センター飾り48など)の作用により、上始動口34へは、左流下経路3bを流下してきた遊技球については入球(入賞)容易な構成であるのに対し、右流下経路3cを流下してきた遊技球については入球困難または入球不可能な構成となっている。
普通変動入賞装置41は、始動口開閉手段により始動口の遊技球の入賞率を変動可能な入賞率変動型の入賞装置として構成されている。本実施形態では、始動口開閉手段として、第2の特別図柄始動口である下始動口35を、開放または拡大可能にする左右一対の可動翼片(可動部材)47を備える、いわゆる「電動チューリップ型の入賞装置」として構成されている。
普通変動入賞装置41の下始動口35は、特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示装置)における第2の特別図柄(以下「特別図柄2」と称し、場合により「特図2」と略す)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、この下始動口35の入賞領域は、可動翼片47の作動状態(作動または非作動)に応じて、入賞を容易とする開状態(入賞容易状態)と、その開状態よりも入賞を困難にし、または入賞を不可能にする閉状態(入賞困難状態)とに変換される。本実施形態では、可動翼片47が非作動の場合、下始動口35への入賞が不可能とする閉状態(入賞不可能状態)を保持している。
また普通変動入賞装置41の両側には、一般入賞口43が左側に3つ、右側に1つ、計4つ配設されており、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43a(図3参照)が形成されている。
また普通変動入賞装置41の右斜め上方、つまり右流下経路3cの中間部より上部側には、遊技球が通過可能な通過ゲート(特定通過領域)からなる普通図柄始動口37(第3の始動手段)が設けられている。この普通図柄始動口37は、普通図柄表示装置39aにおける普通図柄の変動表示動作に係る入賞口であり、その内部には、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が形成されている。なお本実施形態では、普通図柄始動口37は右流下経路3c側にのみに形成され、左流下経路3b側には形成されていない形態となっているが、左流下経路3bのみに形成してもよいし、双方の流下経路に形成しても良い。
右流下経路3c内の普通図柄始動口37から普通変動入賞装置41へかけての経路途中には、突没式の開放扉52bにより大入賞口50を開放または拡大可能に構成された特別変動入賞装置52(特別電動役物、大入賞手段)が設けられており、その内部には大入賞口50に入球した遊技球を検出する大入賞口センサ52a(図3参照)が形成されている。
大入賞口50の周囲は、遊技盤3の表面から膨出した膨出部(装飾部材)55となっており、この膨出部55の上辺55aが右流下経路3cの下流案内部を形作っている。そして開放扉52bにより大入賞口50が閉鎖状態(大入賞口閉状態)であれば、この膨出部55の上辺55aと連続する面を形成することによって、右流下経路3cの下流案内部(上辺55a)の一部を形作るようになっている。また右流下経路3cの下流域には、膨出部55の上辺55aの上方の領域、正確には大入賞口50の上方の遊技領域において、遊技球の流下方向にほぼ平行に流路修正板51dが突設されており、流下する遊技球を大入賞口50の方向に寄せる働きをするようになっている。
大入賞口50への遊技球の入球過程は次のようになる。センター飾り48の上面と球誘導レール5との間の遊動領域を通過した遊技球は、遊技盤3より突出していて遊技球のガイドとして機能する膨出部55の頂面(上辺)55a上に沿って流下して来る。そして、その遊技球が遊技盤3面から突出している流路修正板51dの右端に接触し、これにより、当該遊技球の流下方向は大入賞口50の方向(下方向)に修正される。このとき、突没式の開放扉52bにより大入賞口50が蓋をされている状態(大入賞口閉状態)であれば、この上を遊技球が転動して、さらに図示しない所定配列の遊技くぎにより、チューリップ式の普通変動入賞装置41(下始動口35)の方向に導かれる。このとき、下始動口35が入賞可能状態(始動口開状態)であれば、下始動口35に遊技球が入賞し得る。他方、開放扉52bが遊技盤面内に後退していて大入賞口50が開いている状態(大入賞口開状態)であれば、遊技球が大入賞口50内に導かれる。
なお本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技者が特別変動入賞装置52側に発射位置を狙い定めた場合(遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定めた場合)、上始動口34側には遊技球が誘導され難い、または誘導されない構成となっている。したがって「大入賞口閉状態」であれば、普通変動入賞装置41の可動翼片47が作動しない限り、各始動口34、35への入賞が困難または不可能とされるようになっている。なお、可動翼片47は、後述の電サポ有り状態を伴う遊技状態になると、通常状態よりも有利な開閉パターンで動作するようになっている。
本実施形態の場合、遊技者がどのような打ち方をすれば有利な状況となるかについては、遊技状態に応じて変化する。具体的には、後述の「電サポ無し状態」を伴う遊技状態であれば、遊技球が左流下経路3bを通過するように狙いを定める「左打ち」が有利とされ、後述の「電サポ有り状態」を伴う遊技状態であれば、遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定める「右打ち」が有利とされる。
上記各入賞手段については、その個数、形状、形成位置などについては適宜変更することができる。また各入賞手段が左流下経路3bおよび/または右流下経路3cのいずれを流下する遊技球が入賞可能であるかについても、適宜変更することができる。たとえば、大入賞口50については、左流下経路3bおよび右流下経路3cの双方に属するもの、つまり左右のいずれの流下経路からも入賞が可能に構成してもよいし、また、上始動口34、下始動口35または普通図柄始動口37などについても同様に、左流下経路3bおよび右流下経路3cの双方に属するものとして構成してもよい。また上述のように、入賞手段を「左流下経路3bおよび右流下経路3cの双方に属するもの」として構成した場合、たとえば、一方の左流下経路3bからの遊技球は入賞容易であるが、他方の右流下経路3cからの遊技球については、その入賞が困難なものとなるように形成し、実質的に、いずれかの流下経路に属する構成としてもよい。
本実施形態のパチンコ遊技機1においては、遊技領域3aに設けられた各種入賞口のうち、普通図柄始動口37以外の入賞口への入賞があった場合には、各入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの賞球数(たとえば、上始動口34または下始動口35は3個、大入賞口50は13個、一般入賞口43は10個)が遊技球払出装置19から払い出されるようになっている。上記の各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。ここで「入賞」とは、入賞口がその内部に遊技球を取り込んだり、または入賞口が遊技球を内部に取り込む構造ではなく、通過型のゲートからなる入賞口(たとえば、普通図柄始動口37)である場合は、そのゲートを遊技球が通過したりすることをいい、実際には入賞口ごとに形成された各入賞検出スイッチにより遊技球が検出された場合、その入賞口に「入賞」が発生したものとして扱われる。この入賞に係る遊技球を「入賞球」とも称する。なお、入賞口に遊技球が入球すれば、その遊技球は入賞検出スイッチにより検出されることとなるため、本明細書中では特に断りのない限り、入賞検出スイッチに遊技球が検出されたか否かによらず、入賞口に遊技球が入球した場合を含めて「入賞」と称する場合がある。
<可動体役物>
また遊技盤の領域内には遊技球の流下を妨害しない位置に複数の可動体役物が配設されている。本例ではセンター飾り48内の右上側、つまり右流下経路3cを通る遊技球の流下を妨害しない位置に第1の可動体役物(時計型役物)80が配設され、その右斜め下側に第2の可動体役物(花型役物)90が配設されている。第1の可動体役物である時計型役物80は、ローマ文字「I」から「XII」の数字が付されて12の数字セクターに区画された数字表示部からなる時計盤部81と、この時計盤部81上を回動し、必要に応じて時分を示すことができる短針および長針からなる時計針82とを有し、全体として時計型役物80として構成されている。この時計型役物80は、時計針82がぐるぐる高速で回り、時計盤部81の数字セクターが所定の「色と個数」で発色し、遊技者に対し当りへの期待度を示す働きをする。また第2の可動体役物である花型役物90は、花心A1の周りに複数枚の花弁からなる花冠A2を配し、花心A1および花冠A2を上下方向(落下移動)または左右方向に移動可能(突出移動)に構成した第1可動体91と、その花冠A2の外側周囲に位置する萼B1を茎部B2の先端に取り付け、萼B1および茎部B2を上下方向(落下移動)可能に構成した第2可動体92とから構成される。第1可動体91と第2可動体92は、図示のように、液晶画面の片側近く(右側方)の実線位置を初期位置とし、両者が合体した状態で配置されている。この実施形態の場合、第1可動体91と第2可動体92は互いに独立に動作可能であり、また第1可動体91と第2可動体92とが合体しながら上下方向にも動作可能である。可動体役物は演出手段として機能し、その動作態様により、当りへの期待度を示唆するなどの可動体演出を実現する。
<2.制御装置:図3>
図3を参照して、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の制御装置は、遊技動作全般に係る制御(遊技動作制御)を統括的に司る主制御部(主制御手段)20と、主制御部20から演出制御コマンドを受けて、演出手段による演出の実行制御(現出制御)を統括的に司る演出制御部(演出制御手段)24と、賞球の払い出し制御を行う払出制御基板(払出制御手段)29と、外部電源(図示せず)から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板(電源制御手段)31と、を中心に構成される。なお、図3において電源供給ルートは省略してある。
(2−1.主制御部20)
主制御部20は、CPU201(主制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータを格納するROM202(主制御ROM)と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203(主制御RAM)とを搭載し、全体としてマイクロコンピュータ(Z80システム相当品)を構成している。
また図示はしていないが、主制御部20は、Z80システムに周期的割込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するCTC(Counter Timer Circuit)、CPUに割込み信号を付与するタイマ割込などの割込許可/割込禁止機能を発揮する割込コントローラ回路、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成するためのカウンタ回路なども備えている。上記カウンタ回路は、乱数を生成する乱数生成回路と、その乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成され、全体として16ビットカウンタとして働く。CPU201は、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数生成回路が示している数値を内部抽選用乱数値(大当り判定用乱数)として取得し、その乱数値を大当り抽選に利用する。なお、内部抽選用乱数は、当り狙い打ち等のゴト行為を防ぐために、適宜なソフトウェア処理で生成しているソフト乱数値と、ハード乱数値とを加算したものを取得している。
主制御部20には、上始動口34への入賞を検出する上始動口34aと、下始動口35への入賞を検出する下始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、大入賞口50への入賞を検出する大入賞口センサ52aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aと、パチンコ遊技機1に対する不正行為を検出するための不正検出センサ99(振動センサ、磁気センサ等)とが接続され、主制御部20はこれらからの検出信号を受信可能となっている。
また主制御部20には、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通電動役物ソレノイド41cと、大入賞口50の開放扉52bを開閉制御するための大入賞口ソレノイド52cとが接続され、主制御部20はこれらを制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、特別図柄表示装置38aと特別図柄表示装置38bとが接続され、主制御部20は、特別図柄1、2を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また、主制御部20には、普通図柄表示装置39aが接続され、普通図柄を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、複合表示装置38cが接続され、主制御部20は、これに表示される各種情報を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。また主制御部20には、ラウンド数表示装置39bが接続され、主制御部20は、大当りによる規定ラウンド数を表示制御するための制御信号を送信可能となっている。
また主制御部20には、枠用外部集中端子基板21が接続され、主制御部20は、この枠用外部集中端子基板21を介して、遊技機外部に設けられたホールコンピュータHCに対し、所定の遊技情報(たとえば、大当り情報、賞球数情報、図柄変動表示ゲームの実行情報等)を送信可能となっている。ホールコンピュータHCは、主制御部20からの遊技情報を監視して、パチンコホールの遊技機の稼働状況を統括的に管理する。
また主制御部20には、払出制御基板(払出制御部)29が接続され、この払出制御基板29には、発射装置32を制御する発射制御基板(発射制御部)28と、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置(遊技球払出手段)19とが接続されている。主制御部20は、払出制御基板29に対し、払い出しに関する制御コマンド(賞球数を指定する払出制御コマンド)を送信可能となっている。この払出制御基板29の主な役割は、主制御部20からの払出制御コマンドの受信、払出制御コマンドに基づく遊技球払出装置19の賞球払い出し制御、主制御部20への払出状態信号の送信などである。主制御部20は、払出状態信号に基づき、遊技球払出装置19の機能が正常か否か(玉詰まりや賞球の払い出し不足などが生じたか否か)を監視している。
また払出制御基板29は、発射制御基板28に対し発射制御信号を送信可能になっている。発射制御基板28は、上記発射制御信号に基づき、発射装置32に設けられた発射ソレノイド(図示せず)への通電を制御し、発射操作ハンドル15の操作による遊技球発射動作を実現している。
また払出制御基板29は発射制御基板28に対し発射制御信号を送信可能になっている。発射制御基板28は、上記発射制御信号に基づき、発射装置32に設けられた発射ソレノイド(図示せず)への通電を制御し、発射操作ハンドル15の操作による遊技球発射動作を実現している。
また主制御部20は、処理状態に応じて、特別図柄変動表示ゲームに関する情報やエラーに関する情報などを含む種々の演出制御コマンドを、演出制御部24に対して送信可能となっている。ただし、ゴト行為を防止するために、主制御部20は演出制御部24に対して信号を送信するのみで、演出制御部24からの信号を受信不可能な片方向通信の構成となっている。
(2−2.演出制御部24)
演出制御部24は、CPU241(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、演出制御処理に要する演出データを格納したROM242(演出制御ROM)と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM243(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータを中心に構成され、その他、音源IC、RTC、主制御部20のカウンタ回路と同じ機能を持つカウンタ回路や割り込みコントローラ回路などが設けられ、演出動作全般を制御する。
この演出制御部24の主な役割は、主制御部20からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶表示装置36の画像表示制御、スピーカ46の音制御、装飾ランプ45を含む演出用LEDの発光制御、可動体役物の動作制御などである。また演出制御部24は、第1操作指示演出制御手段、第2操作指示演出制御手段、第3操作指示演出制御手段、操作有効期間設定手段、特別演出制御手段、演出選択手段、特定演出関連情報表示制御手段、指標表示制御手段としての機能部を含む。
また演出制御部24は、液晶表示装置36の表示制御を司る表示制御部(図示せず)を備えている。この表示制御部は、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)と、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納する液晶制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する液晶制御RAMと、を中心に構成されている。
また演出制御部24は、種々の演出(光演出や音演出や可動体演出)を現出させるために、装飾ランプ45や時計型役物80の時計盤部(数字表示部)81や各種LEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部(音源LSI)、および可動体役物モータ61、61a、61bに対する駆動制御部(モータ駆動回路)などを備えている。ここで、可動体役物モータ61は時計型役物80を構成する時計針82の駆動用、可動体役物モータ61a、61bは花型役物90を構成する可動体91、92の駆動用である。演出制御部24は、これらの制御部に対し、演出手段に関する制御信号を送信可能となっている。
また演出制御部24には、時計針82に対する位置検出スイッチ97と、花型役物90の第1可動体91、第2可動体92に対する位置検出スイッチ97a、97bとが接続され、演出制御部24はこれらからの検出信号を受信可能となっている。演出制御部24は、各位置検出スイッチ97、97a、97bからの検出信号に基づき、可動体役物の現在の動作位置(たとえば、原点位置からの移動量)を監視しながらその動作態様を制御し、また可動体役物の動作の不具合(正常動作か否か(たとえば、動作後、原点位置に正しく戻っているか否かなど))を監視する。
また演出制御部24には、演出ボタンの操作を検出可能な操作手段用スイッチ(操作検出手段)、つまり、枠演出用ボタン13用スイッチや方向キー75用スイッチが接続され、演出制御部24は、これらの演出ボタン13、75a〜75dからの操作検出信号を受信可能となっている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンドに基づき、あらかじめ用意された複数種類の演出パターンの中から抽選によりあるいは一意に決定し、必要なタイミングで各種の演出手段を制御して、目的の演出を現出させる。これにより、演出パターンに対応する液晶表示装置36による演出画像の表示、スピーカ46からの音の再生、装飾ランプ45やLEDの点灯点滅駆動が実現され、種々の演出パターン(装飾図柄変動表示動作や予告演出など)が時系列的に展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。また演出制御部24は、所定の操作受付有効期間中において、演出用ボタン(枠演出用ボタン13、方向キー75など)スイッチからの操作検出信号に基づき、演出用ボタンに対してどのような操作が行われたか(たとえば、押圧(単発押し)、長押し、連打、方向キー75の方向操作など)を識別可能な構成となっており、操作状況(操作態様)に応じた演出を現出制御可能となっている。具体的には、演出シナリオに後述の遊技者参加型演出が組み込まれている場合(特定の演出シナリオの場合)、演出制御コマンドに基づき決定した演出シナリオ(基本演出シナリオ)を、演出用ボタンの操作に応じて他の演出シナリオに変更(切替)制御する。これにより、演出を多彩なものとすることができるようになっている。
なお演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、CPU201(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部24にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、CPU241(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、CPU201によりアクティブ状態に制御される。
また演出制御部24(CPU241)は、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、この割込処理において演出制御コマンドが取得されるようになっている。またCPU241は、CPU201とは異なり、ストローブ信号の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
<3.動作の概説>
次に、上記制御装置(図3)を用いた本実施形態のパチンコ遊技機1に係る遊技動作について説明する。
(3−1.図柄変動表示ゲーム)
(3−1−1.特別図柄変動表示ゲーム、装飾図柄変動表示ゲーム)
本実施形態のパチンコ遊技機1では、所定の始動条件、具体的には、遊技球が上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「大当り抽選」が行なわれる。主制御部20は、その抽選結果に基づき、特別図柄表示装置38a、38bに特別図柄1、2を変動表示して特別図柄変動表示ゲームを開始させ、所定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置に導出表示して、これにより特別図柄変動表示ゲームを終了させる。
ここで本実施形態では、上始動口34への入賞に基づく大当り抽選と、下始動口35への入賞に基づく大当り抽選とは別個独立して行われる。このため、上始動口34に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38a側で、下始動口35に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38b側で導出されるようになっている。具体的には、特別図柄表示装置38a側においては、上始動口34に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄1を変動表示して第1の特別図柄変動表示ゲームが開始され、他方、特別図柄表示装置38b側においては、下始動口35に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄2を変動表示して第2の特別図柄変動表示ゲームが開始されるようになっている。そして、特別図柄表示装置38a、または特別図柄表示装置38bにおける特別図柄変動表示ゲームが開始されると、所定の変動表示時間経過後に、大当り抽選結果が「大当り」の場合には所定の「大当り」態様で、それ以外の場合には所定の「ハズレ」態様で、変動表示中の特別図柄が停止表示され、これによりゲーム結果(大当り抽選結果)が導出されるようになっている。
なお本明細書中では、説明の便宜上、特別図柄表示装置38a側の第1の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム1」と称し、特別図柄表示装置38b側の第2の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム2」と称する。また特に必要のない限り、「特別図柄1」と「特別図柄2」とを単に「特別図柄」と称し(場合により「特図」と略す)、また「特別図柄変動表示ゲーム1」と「特別図柄変動表示ゲーム2」とを単に「特別図柄変動表示ゲーム」と称する。
また上述の特別図柄変動表示ゲームが開始されると、これに伴って、液晶表示装置36に装飾図柄(演出的な遊技図柄)を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームが開始され、これに付随して種々の演出が展開される。そして特別図柄変動表示ゲームが終了すると、装飾図柄変動表示ゲームも終了し、特別図柄表示装置には大当り抽選結果を示す所定の特別図柄が、そして液晶表示装置36には当該大当り抽選結果を反映した装飾図柄が導出表示されるようになっている。すなわち、装飾図柄の変動表示動作を含む演出的な装飾図柄変動表示ゲームにより、特別図柄変動表示ゲームの結果を反映表示するようになっている。
したがってたとえば、特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」である場合(大当り抽選結果が「大当り」である場合)、装飾図柄変動表示ゲームではその結果を反映させた演出が展開される。そして特別図柄表示装置において、特別図柄が大当りを示す表示態様(たとえば、7セグが「7」の表示状態)で停止表示されると、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、装飾図柄が「大当り」を反映させた表示態様(たとえば、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示状態)で停止表示される。
この「大当り」となった場合、具体的には、特別図柄変動表示ゲームが終了して、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが終了し、その結果として「大当り」の図柄態様が導出表示された後、特別変動入賞装置52の大入賞口ソレノイド52c(図3参照)が作動して開放扉52bが所定のパターンで開閉動作を行い、これにより大入賞口50が開閉され、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉52bにより、大入賞口の開放時間が所定時間(最大開放時間:たとえば、29.8秒)経過するまでか、または大入賞口に入賞した遊技球数(大入賞口50への入賞球)が所定個数(最大入賞数:役物の1回の作動によりその入口が開き、または拡大した入賞口に対して許容される入賞球数の上限個数:たとえば、9個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満した場合に大入賞口が閉鎖される、といった「ラウンド遊技」が、あらかじめ定められた規定ラウンド数(たとえば、最大16ラウンド)繰り返される。なお、大入賞口50が閉鎖される条件はこれに限らず、大入賞口の開放時間のみに基づくものであっても良いし、大入賞口に入賞した遊技球数のみに基づくものであっても良い。
上記大当り遊技が開始すると、最初に大当りが開始された旨を報知するオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後、ラウンド遊技があらかじめ定められた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。そして、規定ラウンド数終了後には、大当りが終了される旨を報知するエンディング演出が行われ、これにより大当り遊技が終了する。すなわち、大当り遊技は、大別すると、オープニング演出期間、最大ラウンド数を上限としたラウンド遊技実行期間、およびエンディング演出期間の各遊技期間から構成される。ただし、大入賞口閉状態であるオープニング演出期間とエンディング演出期間とを除いたラウンド遊技実行期間を、大当り遊技期間と捉えても良い。
上記の装飾図柄変動表示ゲームの実行に必要な情報に関しては、まず主制御部20が、上始動口34または下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、具体的には、上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aにより遊技球が検出されて始動条件(特別図柄に関する始動条件)が成立したことを条件に、「大当り」、「小当り」、または「ハズレ」のいずれであるかを抽選する‘当落抽選(当否種別抽選)’と、「大当り」であったならばその大当り種別を、「小当り」であったならばその小当り種別を、「ハズレ」であったならばそのハズレ種別を抽選する‘図柄抽選(当選種別(当り種別)抽選)’とを含む大当り抽選を行い(小当りまたはハズレが1種類の場合は、種別抽選を行う必要がないため、その抽選を省略してもよい)、その抽選結果情報に基づき、特別図柄の変動パターンや、当選種別に応じて最終的に停止表示させる特別図柄(以下、「特別停止図柄」と称する)を決定する。そして、処理状態を特定する演出制御コマンドとして、少なくとも特別図柄の変動パターン情報(たとえば、大当り抽選結果および特別図柄の変動時間に関する情報など)を含む「変動パターン指定コマンド」を演出制御部24側に送信する。これにより、装飾図柄変動表示ゲームに必要とされる基本情報が演出制御部24に送られる。なお本実施形態では、演出のバリエーションを豊富なものとするべく、特別停止図柄の情報(図柄抽選結果情報(当り種別に関する情報))を含む「装飾図柄指定コマンド」も演出制御部24に送信するようになっている。
上記特別図柄の変動パターン情報には、特定の予告演出(たとえば、後述の「リーチ演出」や「疑似連演出」など)の発生の有無を指定する情報を含むことができる。詳述するに、特別図柄の変動パターンは、大当り抽選結果に応じて、当りの場合の「当り変動パターン」と、ハズレの場合の「ハズレ変動パターン」に大別される。これら変動パターンには、たとえば、後述のリーチ演出の発生を指定する‘リーチ変動パターン’、リーチ演出の発生を指定しない‘通常変動パターン’、疑似連演出とリーチ演出との発生(重複発生)を指定する‘疑似連有りリーチ変動パターン’、疑似連演出の発生を指定し、リーチ演出の発生は指定しない‘疑似連有り通常変動パターン’など、複数種類の変動パターンが含まれる。なお、リーチ演出や疑似連演出の演出時間を確保する関係上、通常、リーチ演出や疑似連演出を指定する変動パターンの方が、通常変動パターンよりも変動時間が長く定められている。
後述の「遊技者参加型演出」では、特定の演出中(たとえば、特定のリーチ演出中や、疑似連中など)の所定の期間内において、遊技者に演出用ボタンに対する所定の操作(たとえば、押圧、長押し、連打などの操作)を促すとともに(操作指示演出)、その操作が行われたか否かを監視し、当該所定の操作が行われた場合は、大当りへの当選期待感を煽る演出(結果演出)が所定時間にわたり現出させる。したがって、遊技者参加型演出は、図柄変動表示ゲーム(特別図柄の変動時間)としてある程度長い時間(たとえば、60秒〜90秒以上)の場合の変動パターンのみ現出可能としている。この遊技者参加型演出に関する具体的な説明は(5−4.遊技者参加型演出)にて後述する。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンド(ここでは、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンド)に含まれる情報に基づいて、装飾図柄変動表示ゲーム中に時系列的に展開させる演出内容(予告演出等の演出シナリオ)や、最終的に停止表示する装飾図柄(装飾停止図柄)を決定し、特別図柄の変動パターンに基づくタイムスケジュールに従い装飾図柄を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームを実行させる。また演出シナリオに遊技者参加型演出が組み込まれている場合、演出用ボタンからの操作検出信号に基づき、操作状況に応じた演出を現出させる。これにより、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、液晶表示装置36による装飾図柄が変動表示され、特別図柄変動表示ゲームの期間と装飾図柄変動表示ゲーム中の期間とが、実質的に同じ時間幅となる。また演出制御部24は、演出シナリオに対応するように、液晶表示装置36または光表示装置45aあるいは音響発生装置46aをそれぞれ制御し、装飾図柄変動表示ゲームにおける各種演出を展開させる。これにより、液晶表示装置36での画像の再生(画像演出)と、効果音の再生(音演出)と、装飾ランプ45やLEDなどの点灯点滅駆動(光演出)とが実現される。
このように特別図柄変動表示ゲームと装飾図柄変動表示ゲームとは不可分的な関係を有し、特別図柄変動表示ゲームの表示結果を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームにおいて表現されることとしているので、この2つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉えても良い。本明細書中では特に必要のない限り、上記2つの図柄変動表示ゲームを単に「図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。
(3−1−2.普通図柄変動表示ゲーム)
またパチンコ遊技機1においては、普通図柄始動口37に遊技球が通過(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「補助当り抽選」が行なわれる。この抽選結果に基づき、LEDにより表現される普通図柄を普通図柄表示装置39aに変動表示させて普通図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果をLEDの点灯と非点灯の組合せにて停止表示するようになっている。たとえば、普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39aの表示部を特定の点灯状態(たとえば、2個のLED39が全て点灯状態、または「○」と「×」を表現するLEDのうち「○」側のLEDが点灯状態)にて停止表示させる。
この「補助当り」となった場合には、普通電動役物ソレノイド41c(図3参照)が作動し、これにより可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態(始動口開状態)となり、通常遊技状態よりも遊技者に有利な補助遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47により、下始動口35の開放時間が所定時間(たとえば、0.2秒)経過するまでか、または下始動口35に入賞した遊技球数が所定個数(たとえば、4個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これらいずれかの条件を満たした場合に下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大2回)繰り返されるようになっている。なお、下始動口35が閉鎖される条件はこれに限らず、下入賞口の開放時間のみに基づくものであっても良いし、下入賞口に入賞した遊技球数のみに基づくものであっても良い。
ここで本実施形態では、特別/装飾図柄変動表示ゲーム中、普通図柄変動表示ゲーム中、大当り遊技中、または普電開放遊技中などに、上始動口34または下始動口35もしくは普通図柄始動口37に入賞が発生した場合、すなわち上始動口センサ34aまたは下始動口センサ35aもしくは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力があり、対応する始動条件(図柄遊技開始条件)が成立した場合、これを変動表示ゲームの始動権利に係るデータとして、変動表示中にかかわるものを除き、所定の上限値である最大保留記憶数(たとえば、最大4個)まで保留記憶されるようになっている。この図柄変動表示動作に供されていない保留中の保留データまたはその保留データに係る遊技球を、「作動保留球」とも称する。この作動保留球の数を遊技者に明らかにするため、パチンコ遊技機1の適所に設けた専用の保留表示器(図示せず)、または液晶表示装置36による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させる。
また本実施形態では、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する作動保留球をそれぞれ最大4個までRAM203の該当記憶領域に保留記憶し、特別図柄または普通図柄の変動確定回数として保留する。なお、特別図柄1、特別図柄2、および普通図柄に関する作動保留球数の最大記憶数(最大保留記憶数)は特に制限されず、各図柄の最大保留記憶数が異なっていてもよく(たとえば、特別図柄1側の最大保留記憶数を4個、特別図柄2側の最大保留記憶数を2個、普通図柄側の最大保留記憶数を6個など)、その数は遊技性に応じて適宜定めることができる。たとえば特別図柄1および特別図柄2に関し、大当り抽選により得られる利益が相対的に高くなる特図側の最大保留記憶数を多く設定することができる。
(3−2.遊技状態)
本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、特別遊技状態である上記大当りの他、複数種類の遊技状態を発生可能に構成されている。本発明の理解を容易なものとするために、先ず、種々の遊技状態の発生に関連する機能(手段)について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20(CPU201)がその機能部を担う「確率変動機能(確変機能)」を備えている。これには特別図柄に係る確変機能(以下、「特別図柄確変機能」と称する)と普通図柄に係る確変機能(以下、「普通図柄確変機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄確変機能は、大当り抽選確率所定確率(通常確率)の低確率(たとえば、399分の1)から高確率(たとえば、39.9分の1)に変動させて、通常遊技状態よりも有利な「高確率状態」を発生させる機能である。また普通図柄確変機能は、補助当り抽選確率が所定確率(通常確率)である低確率(たとえば、256分の1)から高確率(たとえば、256分の255)に変動させて、通常遊技状態よりも有利な「補助当り確変状態」を発生させる機能である。
また、主制御部20がその機能部を担う「変動時間短縮機能(時短機能)」を備えている。これには特別図柄に係る時短機能(以下「特別図柄時短機能」と称する)と普通図柄に係る時短機能(以下「普通図柄時短機能」と称する)の2種類がある。
特別図柄時短機能は、1回の特別図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(特別図柄が変動を開始してから停止表示される迄の平均時間)を短縮する「特別図柄時短状態」を発生させる機能である。特別図柄時短機能が作動中の遊技状態(特別図柄時短状態)下では、1回の特別図柄変動表示ゲームにおける特別図柄の平均的な変動時間が短縮され、通常遊技状態よりも単位時間当りの大当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。また普通図柄時短機能は、1回の普通図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(普通図柄が変動を開始してから停止表示されるまでの平均的な時間)を短縮する「普通図柄時短状態」を発生させる機能である。普通図柄時短機能が作動中の遊技状態(普通図柄時短状態)下では、1回の普通図柄変動表示ゲームにおける普通図柄の平均的な変動時間が短縮され(たとえば、10秒から1秒に短縮される)、通常遊技状態よりも単位時間当りの補助当り抽選回数が向上する抽選回数向上状態となる。なお特図または普図時短状態未発生時において、作動保留球数に応じて変動時間に違いが生じることがある。具体的には、作動保留球数が少ないほど変動時間の長い変動パターンが選択されやすく(選択比率が高く)なり、変動開始時の作動保留球数に応じて、平均的な変動時間が短縮される場合がある。
さらにまた、本実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御部20がその機能部を担う「開放延長機能」を備えている。開放延長機能は、普通変動入賞装置41の可動翼片47の開動作期間(可動翼片47の開放時間およびその開放回数の少なくともいずれか一方)を延長した「開放延長状態」を発生させる機能である。この開放延長状態は、いわゆる「電チューサポート状態」と称される。上記開放延長機能が作動中の遊技状態(開放延長状態)下では、可動翼片47の開動作期間(始動口開状態時間)が、たとえば0.2秒から1.7秒に延長され、またその開閉回数が、たとえば1回(開放延長機能が非作動中のとき)から2回(開放延長機能が作動中のとき)に延長されて、通常遊技状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態となる。
以上のような各機能を1または複数種類作動させることにより、遊技機の内部的な遊技状態(内部遊技状態)に変化をもたらすことができる。以下では、説明の便宜上、特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能が作動する遊技状態を「確変状態」と称し、これらの機能のうちから特別図柄確変機能を除去した遊技状態を「時短状態」と称し、特別図柄確変機能のみが作動する遊技状態を「潜確状態(潜確)」と称し、全機能が作動中でない(非作動)状態を「通常遊技状態」と称する。したがって、これらの遊技状態における大当り抽選確率に着目すれば、遊技状態が「時短状態」または「通常遊技状態」である場合には少なくとも大当り抽選確率が‘低確率状態’となり、遊技状態が「潜確状態」または「確変状態」の場合においては少なくとも大当り抽選確率が‘高確率状態’となる。また大当り中は大入賞口が開閉される大当り遊技が発生するが、上記各機能については全ての機能が非作動とされ、基本的には、上記通常遊技状態と同じ遊技状態下に置かれる。
また上記電チューサポート状態下(以下、「電サポ有り状態」と称する)では、普通変動入賞装置41の可動翼片47の作動率(開放時間や開放回数)が向上して下始動口35への入賞率が高まり、単位時間当りの入賞頻度が上昇することから、電チューサポート状態でない場合(以下、「電サポ無し状態」と称する)と比較して、遊技者にとって有利な遊技状態になる。この電チューサポート状態の有無に着目した場合、遊技状態が「通常遊技状態」または「潜確状態」の場合には‘電サポ無し状態’となり、遊技状態が「時短状態」または「確変状態」である場合には‘電サポ有り状態’となる。上記大当り抽選確率や電サポ状態の有無などの決定に関する各機能(特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能)の作動状況に着目した遊技状態を「内部遊技状態」と称する。本実施形態では、上述の通常遊技状態や潜確状態や確変状態等の内部遊技状態の別を識別するデータとして「遊技状態判定番号(YJ)」を設けている。
なお本実施形態では、上述の内部遊技状態に関連した多様な演出を実現するために、一の内部遊技状態をさらに分類して管理している。たとえば、上記確変状態には、「確変A状態(ST前半)」、「確変B状態(ST後半)」、および「ST最終」といった複数種類の確変状態が含まれ、それぞれ異なる遊技状態として管理している。詳細は後述するが本実施形態の確変状態は、図柄変動表示ゲームの実行回数(特別図柄の変動回数)が規定回数(74回転)終了した場合に終了されるようになっており、上述の「ST前半」とは、確変状態開始から図柄変動表示ゲームが所定回数(たとえば、67回転)終了するまでの遊技区間を指し(1回転目〜67回転目まで)、「ST後半」とは、ST前半の67回転終了後の68回転目〜73回転目までの遊技区間を指し、「ST最終」とは最終の74回転目を指す。すなわち、内部遊技状態は同じ「確変状態」であるが、内部的には「ST前半」「ST後半」「ST最終」という遊技状態として管理されており、遊技進行状況に応じて、いずれかの状態に切替え制御される。
これにより、大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能(特別図柄確変機能、特別図柄時短機能、普通図柄確変機能、普通図柄時短機能、および開放延長機能)の作動状況、すなわち「内部遊技状態」に着目した場合に、同じ「確変状態」でありながらも、特別図柄の変動パターンに関しては、「ST前半」、「ST後半」、および「ST最終」という遊技状態ごとに定められた1または複数種類の変動パターンのうちから目的の変動パターンを選択することができるようになっている。
(変動パターン振分指定番号(Tcode)、遊技状態判定番号(YJ)について)
本実施形態では、上記の「ST前半」や「ST後半」等の遊技状態の別を識別するデータとして「変動パターン振分指定番号(Tcode)」を設けている。すなわち、この「変動パターン振分指定番号(Tcode)」とは、「通常状態、ST前半、ST後半、ST最終、CZ」という特別図柄の変動パターンの決定に関する遊技状態を識別するデータ(変動パターン選択モード)である。たとえば、内部遊技状態を「遊技状態判定番号(YJ)」で区別すれば、通常遊技状態(電サポ無し状態、低確率)は「YJ=00H」、潜確状態(電サポ無し状態、高確率)は「YJ=02H」、確変状態(電サポ有り状態、高確率)」は「YJ=03H」となっている。なお時短状態(電サポ有り状態、低確率)を含む場合は、たとえば、時短状態を「YJ=05H」などの他の値に定めることができる。
また特別図柄の変動パターンの決定に関する遊技状態を「変動パターン振分指定番号(Tcode)」で区別すれば、「通常状態」は「Tcode=00H」、「ST前半(確変)」は「Tcode=01H」、「ST後半(確変)」は「Tcode=02H」、「ST最終」は「Tcode=05H」、後述の「CZ(CHANCE ZONE)」は「Tcode=03H」、「潜確状態」は「Tcode=04H」となっている。なお、時短状態を含む場合は、たとえば、時短状態を「Tcode=05H」などの他の値に定めることができる。したがって、変動パターン振分指定番号(Tcode)は、上記のような遊技状態を識別する点で、上記遊技状態判定番号(YJ)のように内部遊技状態そのものを識別するデータとは異なる。
また演出制御部24側においては、各遊技状態(変動パターン振分指定番号(Tcode))に対応した演出モードを設け、遊技状態に関連した演出を適切に現出可能な構成となっている。なお演出モードについての詳細は後述する。
本実施形態の場合、上記「内部遊技状態」の種類には、通常遊技状態、確変状態および潜確状態が含まれ(時短状態を含んでも良い)、特別図柄の変動パターンの決定に関する「変動パターン振分指定番号(Tcode)」の種類には、内部遊技状態の種類よりも多い、「通常状態」、「潜確状態」、「ST前半」、「ST後半」、「ST最終」、および「CZ」が含まれる(時短状態を含んでも良い)。このように、上記大当り抽選確率や電サポの有無などの決定に関する各機能に着目した場合の「内部遊技状態」と、特別図柄の変動パターンの決定(演出の決定)に着目した「遊技状態(変動パターン振分指定番号(Tcode))」とを異なるものとして管理することにより、同一の内部遊技状態(たとえば、確変状態)であっても、変動パターン振分指定番号(Tcode)(たとえば、ST前半とST後半)に対応した特別図柄の変動パターンを選択することができるようになっている。この結果、同じ内部遊技状態でありながらも、図柄変動表示ゲームの変動時間(ゲーム消化時間)や、これに関連する演出をダイナミックに変化させることができ、同一の内部遊技状態下における演出のバリエーションが豊富化することができるようになっている。また本実施形態では、内部遊技状態の「通常遊技状態」には「CZ」および「通常状態」といった複数種類の変動パターン振分指定番号(Tcode)が設けられており、また内部遊技状態の「潜確状態」には「潜確状態」および「CZ」といった複数種類の変動パターン振分指定番号(Tcode)が設けられている。つまり「潜確状態」と「通常遊技状態」とは、変動パターン振分指定番号(Tcode)として共通の「CZ(Tcode=03H)」を有する、すなわち、「CZ」には、その実体が、内部遊技状態‘潜確状態’の「CZ(潜確)」と、‘通常遊技状態’の「CZ(通常)」とがある。
したがって、上記「CZ」期間中は,それぞれ異なる内部遊技状態でありながらも、同じ特別図柄の変動パターン種別を選択することができる。換言すれば、異なる内部遊技状態でありながらも、同じ演出モード下における演出を発生させることができるようなっている。これにより、「CZ」期間中は、演出上、大当り抽選確率を秘匿することができるようになっている。なお説明の便宜上、本明細書中では特に必要のない限り、上記内部遊技状態(YJ)と、特別図柄の変動パターンの決定(演出の決定)に着目した場合の遊技状態(変動パターン振分指定番号(Tcode))とを区別せずに、単に「遊技状態」と称する場合がある。
<4.当りについて>
次に、本実施形態に係るパチンコ遊技機の「当り」について説明する。
(4−1.当り種別)
本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、複数種類の当りを対象に大当り抽選(当り抽選)を行うようになっている。この当り種別には、「16R長開放確変大当り」、「10R長開放確変大当り」、「4R長開放確変大当り」、「2R短開放潜確大当り」、および「小当り」などの複数種類の当りが含まれる。
これらの当りのうち、「16R長開放確変大当り」、「10R長開放確変大当り」、「4R長開放確変大当り」、「2R短開放潜確大当り」は条件装置の作動契機となる「大当り」種別に属する当りであり、「小当り」は条件装置の作動契機とならない「非大当り」種別に属する当りである。ここで「条件装置」とは、その作動がラウンド遊技を行うための役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている装置で、特定の特別図柄の組合せが表示され、または遊技球が大入賞口内の特定の領域を通過した場合に作動するものをいう。上記「大当り」種別に属する当りや、「非大当り」種別に属する当り(小当り)は、いずれも大入賞口の開閉動作を伴う特別遊技状態(当り遊技)への移行契機(発生契機)となる当りである。したがって、「非大当り」種別に属する当りは、単なる「ハズレ」とは異なる。
上記‘大当り’種別に属する当りのうち、「16R長開放確変大当り(16R確変大当り)」、「10R長開放確変大当り(10R確変大当り)」、「4R長開放確変大当り(4R確変大当り)」、および「2R短開放潜確大当り(2R潜確大当り)」は、その大当り遊技終了後の遊技状態を、少なくとも高確率状態を伴う遊技状態(本実施形態では、確変状態または潜確状態)に移行させる「確変大当り」に属する大当り種別となっている。また「小当り」は、当選時の遊技状態を継続させる当り種別となっている。なお「小当り」は‘非大当り’種別に属する当りではあるが、説明の便宜上、特に必要がない限り上記の大当りと区別することなく、大当り種別の一つとして同列に扱うことにする。なお、特図1側と特図2側とで、大当り抽選対象の当り種別を同じにしているが、特図1側と特図2側とで、大当り抽選対象の当り種別を異ならせることもできる。
(4−2.当り遊技)
次に、上記した各当りによる当り遊技について説明する。
(4−2−1.16R長開放確変大当りによる当り遊技)
16R長開放確変大当りによる当り遊技(以下、「16R確変大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を16ラウンドとする大当りであり、本実施形態では、1回のラウンド遊技における右大入賞口50の最大開放時間が「長開放時間」の‘29.8秒’に設定される。ここで「長開放時間」とは、その時間内に大入賞口への入賞数が上記最大入賞数(たとえば、9個)に達する可能性がある(最大入賞数に達する可能性が十分ある)時間幅として定めたものである。
ラウンド遊技が開始されて右大入賞口50が開放された後、上記の最大開放時間が経過した場合は右大入賞口50が閉鎖されて今回のラウンド遊技が終了し、規定ラウンド数の16ラウンドに達していなければ、「ラウンド間インターバル時間」が経過した後、次のラウンド遊技に移行される。ただし、最大開放時間経過前であっても右大入賞口50に入賞した遊技球数(入賞球数)が最大入賞数(たとえば、9個)に達した場合は、右大入賞口50が閉鎖されて今回のラウンド遊技が終了し、ラウンド間インターバル時間が経過した後、次のラウンド遊技に移行される。つまり、大入賞口の最大開放時間が経過した場合か、または大入賞口に入賞した遊技球数が最大入賞数に達した場合かのいずれか一方の条件を満たすと、開放された大入賞口が閉鎖され、所定のインターバル時間を挟んで、次のラウンド遊技に移行されるようになっている(後述の「10R長開放確変大当り」、「4R長開放確変大当り」、および「2R短開放潜確大当り」も同様)。
(4−2−2.10R長開放確変大当りによる当り遊技)
10R長開放確変大当りによる当り遊技(以下、「10R確変大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を10ラウンドとする以外は、上述した16R確変大当り遊技の内容と基本的には同じある。したがって、この10R確変大当り遊技は、上記16R確変大当り遊技よりも相対的に低い利益が付与される大当り遊技となる(本実施形態では、6ラウンド分の賞球数差がある)。
(4−2−3.4R長開放確変大当りによる当り遊技)
4R長開放確変大当りによる当り遊技(以下、「4R確変大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を4ラウンドとする以外は、上述した16R確変大当り遊技や10R確変大当り遊技の内容と同じある。したがって、この4R確変大当り遊技は、上記16R確変大当り遊技または10R確変大当り遊技よりも相対的に低い利益が付与される大当り遊技となる。
(4−2−4.2R短開放潜確大当りによる当り遊技)
2R短開放潜確大当りによる当り遊技(以下、「2R潜確大当り遊技」と称する)は、規定ラウンド数を2ラウンドとする大当りであり、本実施形態では、1回のラウンド遊技における大入賞口(大入賞口50)の最大開放時間は「短開放時間」の0.1秒に設定される。したがって、2R潜確大当り遊技では、大入賞口が短開放時間(0.1秒)しか開放されずに、そのラウンド遊技数も2ラウンド分と少ないことから、実質的には賞球が殆ど得られない大当り遊技となっている(正確には、大入賞口への入賞も発生する可能性はあるが、各ラウンド遊技の大入賞口の最大開放時間が短開放時間に設定される関係上、その可能性は低くなり、実質的に、賞球が殆ど得られない)。
(4−2−5.小当りによる当り遊技)
小当りによる当り遊技(以下、「小当り遊技」と称する)では、それぞれ大入賞口50の開放が2回行われ、1回あたりの大入賞口50の最大開放時間が2R潜確大当り遊技の最大開放時間(短開放時間)に相当する0.1秒に設定され、1回目の大入賞口50の閉鎖後、2回目の大入賞口50開放までのインターバル時間が2R潜確大当り遊技のラウンド間インターバル時間と同じ時間幅が設定される。また小当り遊技における大入賞口50の閉鎖条件に関しては、大入賞口50の最大開閉動作時間(大入賞口50の開放を2回分実行するための開閉動作時間)が経過した場合か、または大入賞口50に入賞した遊技球数が最大入賞数(たとえば、9個)に達した場合かのいずれか一方の条件が満たされた場合となっている。本実施形態の場合、上記最大開閉動作時間内に、大入賞口50に入賞した遊技球数が最大入賞数に達することがないため、実際には、大入賞口50の最大開閉動作時間が経過した後、具体的には、大入賞口の一連の開閉動作が実行された後、小当り遊技が終了されることになる。つまり、この小当り遊技中において外見から捉えた大入賞口50の開閉動作が、上記2R潜確大当り遊技のものと実質的に同一の動作態様で制御されるようになっている。
この「小当り」は「条件装置」の作動契機とはならない当り種別であることから、「大当り」のようなラウンド遊技は実行されない。しかし2R潜確大当り遊技と実質的に同一の動作態様で大入賞口50を開閉制御することにより、疑似的なラウンド遊技を実現させて、見た目上、あたかも2R短開放潜確大当りに当選したかの如く装うことを可能にしている。また小当り遊技中の「当り中演出(当り遊技中に現出される演出)」は、2R潜確大当り遊技中の当り中演出と実質的同一(同一または酷似)の演出が現出されるようになっている。つまり、当り中演出を含む小当り遊技に係る動作は、2R短開放潜確大当りに係る遊技動作と実質的に同一挙動を示し、遊技者側から見て、どちらの当り遊技が実行されているかの識別が困難または不可能とされる。これにより、小当りに当選した場合であっても、高確率状態への移行契機となる「2R短開放潜確大当り」への当選期待感を遊技者に与えることができるようになっている。
(4−3.当り遊技終了後の遊技状態:図4)
次に図4を参照して、上記の各当り遊技後に移行される遊技状態について説明する。図4は、各当り遊技後に移行する遊技状態の説明に供する説明図である。図示の各遊技状態は、内部遊技状態ではなく、変動パターン振分指定番号(Tcode)(変動パターン選択モード)に着目した遊技状態を示してある。
(4−3−1.16R、10R、4R確変大当り遊技終了後の遊技状態)
16R、10R、または4R確変大当り遊技終了後は、図示のように、その当り当選時の遊技状態にかかわらず「確変状態」に移行される。この「確変状態」となった場合には、特別図柄変動表示ゲームの実行回数(特別図柄の変動回数)が、所定の規定回数(たとえば、74回転)が終了するまでか、またはその規定回数内で大当りに当選するまで(正確には、大当り遊技が開始されるまで)確変状態が継続し、その規定回数内で大当りに当選することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには確変状態が終了して、次ゲームから「通常遊技状態」に移行されるようになっている。本実施形態では、確変状態中に、特別図柄変動表示ゲーム1および2の合計変動回数(特別図柄1および2の合計変動回数)が規定回数消化されると、大当り抽選確率が高確率状態から低確率状態に移行するとともに、電サポ有り状態であれば電サポ無し状態に移行される。
本実施形態のパチンコ機1は、大当り抽選確率が少なくとも高確率となる遊技状態(潜確状態、確変状態)に移行された後、大当り(ただし、内部遊技状態の移行契機とならない「小当り」は除く)に当選することなく特別図柄変動表示ゲームが所定回数終了した場合、当該高確率状態を終了させて大当り抽選確率を低確率に移行させる「回数切りの確変機(ST機)」となっている。以下、必要に応じて、この高確率状態が継続される特別図柄変動表示ゲーム(特別図柄の変動回数)の上限回数を「規定ST回数」と称する。なお、特別図柄変動表示ゲームの実行回数とは、特別図柄変動表示ゲーム1および特別図柄変動表示ゲーム2の合計実行回数(特図1および特図2の合計変動回数)であってもよいし、いずれか一方の実行回数(たとえば、特別図柄変動表示ゲーム2の実行回数)であってもよい。
(4−3−2.2R潜確大当り遊技終了後の遊技状態)
2R潜確大当り遊技後は、図示のように、その当り当選時の遊技状態に応じて、移行先の遊技状態が異なる。具体的には、当選時の遊技状態が「通常状態」であった場合には「CZ(潜確)」に、潜確状態であった場合は「潜確状態」に、「CZ(通常)」であった場合には「CZ(潜確)」に、「CZ(潜確)」であった場合は「潜確状態」に、確変状態であった場合には「確変状態」に移行されるようになっている。なお、当選時の遊技状態が潜確状態であった場合、潜確状態ではなく、確変状態に移行させても良い。
本実施形態では、当選時の遊技状態が「CZ」の場合、内部遊技状態に応じて次のような移行制御がなされる。当選時における遊技状態が、内部遊技状態が通常遊技状態である「CZ(通常)」であった場合には、内部遊技状態が潜確状態の「CZ(潜確)」に移行され、内部遊技状態が潜確状態の「CZ(潜確)」であった場合には「潜確状態」に移行される。なお、変動パターン振分指定番号(Tcode)について、「CZ(潜確)」は、「CZ(通常)」と同じ変動パターン振分指定番号(Tcode)(Tcode=03H)として管理されるが、その実体は、内部遊技状態が‘潜確状態’の「CZ」である。
上記「CZ(潜確)」となった場合には、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が所定回数(たとえば、20回)終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当りするまで当該「CZ(潜確)」が継続し、その所定回数内で大当りが確定することなく特別図柄変動表示ゲームが終了したときには当該「CZ(潜確)」が終了して、次ゲームから「潜確状態」に移行され、潜確状態である旨を演出上から、遊技者に明らかにするようになっている(後述の演出モードが「CZ演出モード」から潜確演出モードに移行される)。なお図中では、「CZ(20回:潜確)」と表記している。
なお、潜確状態の終了条件は、確変状態と同じであり、図柄変動表示ゲームの規定ST回数(74回転)の実行を以って終了される。混同してはならないのは、「CZ(潜確)」の実体は、内部遊技状態が‘潜確状態’の「CZ」であり、変動パターン振分指定番号(Tcode)が「CZ」というだけである。したがって、「CZ(潜確)」が20回実行された場合には、この回数も規定ST回数の消化分としてカウントされ、潜確状態は残り54回となる。
(4−3−3.小当り遊技終了後の遊技状態)
小当り遊技後に関しては、その小当り当選時の内部遊技状態がそのまま継続され、小当り当選に起因した内部遊技状態の移行制御は行われない。したがって、小当り当選時の内部遊技状態とその小当り遊技後の内部遊技状態とは、いずれも同じ内部遊技状態となる。この点、内部遊技状態の移行制御が行われうる「大当り」とは性質を異にする。
ただし本実施形態では、小当り当選に起因した‘内部遊技状態’の移行制御は行わない一方、特別図柄の変動パターンの決定(演出の決定)に関する‘変動パターン振分指定番号(Tcode)’の移行制御は行うようになっている。このような遊技状態の移行形態を利用し、たとえば、小当り遊技後の遊技状態と2R潜確大当り遊技後の遊技状態とを同じ変動パターン振分指定番号(Tcode)に移行させた場合、双方で同じ演出モードに滞在させ、小当り遊技後であっても、2R潜確大当り遊技後と同じ演出モード下の演出を発生させることが可能になる。これにより、演出上からは内部遊技状態が秘匿され、小当りに当選した場合であっても2R短開放潜確大当りに当選して「潜確状態」に移行したかも知れない、という高確率状態への突入期待感を遊技者に与えることができる。
なお本実施形態では、どの大当りに当選しても「時短状態」が発生しない構成となっているが本発明はこれに限らず、「時短状態」を発生させる「時短大当り」を設けてもよい。この場合、時短状態の終了条件として、たとえば、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が所定回数終了するまでの間か、またはその所定回数内で大当り当選を条件とすることができる。また「時短大当り」の規定ラウンド数は特に制限されず、適宜定めることができる。また本実施形態では、少なくとも高確率状態に移行された場合、規定ST回数(74回)まで確変状態が継続するものとして説明した。しかし本発明はこれに限らず、特別図柄変動表示ゲームの実行回数に関係なく、次の大当り当選となるまで高確率状態を継続させる大当り(非ST確変大当り)を設けてもよい。また、当り遊技後に何ら特典(時短状態や確変状態や潜確状態)を付与しない、通常遊技状態への移行契機となる「通常大当り」を設けてもよい。
また「回数切り確変状態」への移行契機となる「ST確変大当り」、「小当り」、潜確状態に移行契機となる「潜確大当り」、「時短大当り」、「非ST確変大当り」、および「通常大当り」は、それぞれ1または複数種類含むことができる。また、これらのうち、いずれの当り種別を設けるかも自由である。たとえば、複数種類の確変大当り、1種類の潜確大当り、1種類の時短大当りを設けることができる。
<5.演出について>
(5−1.演出モード)
次に、演出モード(演出状態)について説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1には、遊技状態(変動パターン振分指定番号(Tcode))に関連する演出をなす複数種類の演出モードが設けられており、遊技状態の移行に対応して、各演出モード間を移行制御可能に構成されている。上記演出モードには、「通常状態」の場合は「通常演出モード」、「CZ」の場合は「CZ演出モード」、「潜確状態」の場合は「潜確演出モード」、「確変状態」の場合は「確変演出モード」、(「時短状態」の場合は「時短演出モード」)といった各遊技状態に応じた複数種類の演出モードが設けられている。
本実施形態の場合、確変状態が「ST前半」「ST後半」「ST最終」に分けられているため、「確変演出モード」には、「ST前半」に関連する演出(ST前半用演出)が現出される「ST前半演出モード(第1の確変演出モード)」と、「ST後半」に関連する演出(ST後半用演出)が現出される「ST後半演出モード(第2の確変演出モード)」と、「ST最終」に関連する演出(ST最終用演出)が現出される「ST最終演出モード(第3の確変演出モード)」とが設けられている。
また「潜確状態」も確変状態と同様に規定ST回数で高確率状態が終了する。したがって、潜確状態を確変状態と同様に、遊技期間を前半・後半・最終に分けてもよい。たとえば、潜確状態を「潜確前半(1〜67回転)」と「潜確後半(68回転〜73回転)」と「潜確最終(74回転)」といった複数種類の遊技状態として管理する。この場合、潜確演出モードについては、「潜確前半」に関連する演出が現出される「潜確前半演出モード(第1の潜確演出モード)」と、「潜確後半」に関連する演出が現出される「潜確後半演出モード(第2の潜確演出モード)」と、「潜確最終」に関連する演出(潜確最終用演出)が現出される「潜確最終演出モード(第3の潜確演出モード)」とを設けることができる。
なお上記「CZ」である、「CZ(通常)」と「CZ(潜確)」とは、内部遊技状態が潜確状態(高確率状態)であるか、通常遊技状態(低確率状態)であるかにかかわらず、同一の遊技状態として管理され、「CZ(通常)」または「CZ(潜確)」中の場合は、演出モードが同じ「CZ演出モード」下に置かれる。これにより、演出上からは、現在の大当り抽選確率状態(内部遊技状態)が秘匿状態とされるようになっている。上記「CZ演出モード」は、大当り抽選確率状態を演出上から秘匿状態とする「秘匿演出モード」としての役割を果たす。斯様な「秘匿演出モード」は、遊技者に高確率状態の期待感を煽る演出をなす演出モードとして働く。
また通常遊技状態について、複数種類の遊技状態(たとえば、通常Aと通常B)に分けて管理し、各遊技状態に対応する演出モードを設けることができる。通常Aと通常Bの切替えは、図柄変動表示ゲームが所定回数実行されたことを契機に、または所定の移行抽選に当選したことを契機に、通常Aから通常Bに移行させることができる。また本実施形態では、変動パターン振分指定番号(Tcode)に関連した演出モードを設けた例ついて説明したが、本発明はこれに限らず、内部遊技状態(YJ)に関連した演出モードを設けてもよい。
演出制御部24(CPU241)は、複数種類の演出モード間を移行制御する機能部(演出状態移行制御手段)を有する。演出制御部24(CPU241)は、主制御部20(CPU201)から送られてくる特定の演出制御コマンド、具体的には、現在の遊技状態(内部遊技状態を含む)を指定したり、遊技状態が移行される旨を指定したりする、といった主制御部20側で管理される遊技状態に関する情報を含む「特定の演出制御コマンド」に基づいて、主制御部20側で管理される遊技状態と整合性を保つ形で、複数種類の演出モード間を移行制御可能に構成されている。本実施形態の場合、この「特定の演出制御コマンド」には、変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、遊技状態指定コマンド、当り中に送信される所定のコマンド(「大当り開始インターバルコマンド(大当り開始コマンド)」、「大当り終了インターバルコマンド(大当り終了コマンド)」)などがある。また演出制御部24は、遊技状態に関連した演出モードを管理する機能部(演出状態管理手段)を有する。演出制御部24(演出状態管理手段)は、上記の特定の演出制御コマンドにより、主制御部20側で管理される内部遊技状態および変動パターン振分指定番号(Tcode)を把握し、主制御部20側と整合性を保つ形で、演出モードを管理可能に構成されている。
(5−1.各演出モード下の演出)
また各演出モードでは、遊技者がどのような遊技状態に対応した演出モード下に滞在しているのかを把握できるように、演出モードのそれぞれにおいて、装飾図柄の変動表示画面のバックグラウンドとしての背景表示が、それぞれ異なる背景演出に切替え制御されるようになっている。また背景演出を各演出モードに応じて変化させるものに限らず、各演出モードに対応した異なる絵柄の装飾図柄を利用したり、音演出や光演出などを変化させたりすることにより各演出モードを示唆することもできる。
(5−2.演出手段)
パチンコ遊技機1による各種の演出は、遊技機に配設された演出手段により現出される。斯様な演出手段は、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることにより演出効果を発揮し得る刺激伝達手段であれば良く、装飾ランプ45やLED装置などの光発生手段(光演出手段)、スピーカ46などの音響発生装置(音演出手段)、液晶表示装置36などの演出表示装置(表示手段)、操作者の体に振動を伝える加振装置、遊技者の体に風圧を与える風圧装置、ないし、その動作により視覚的演出効果を発揮する可動体役物などは、その代表例である。ここで演出表示装置は、画像表示装置と同じく視覚に訴える表示装置であるが、画像によらないもの(たとえば、7セグメント表示器)も含む点で画像表示装置と異なる。画像表示装置と称する場合は主として画像表示により演出を現出するタイプを指し、7セグメント表示器のように画像以外により演出を現出するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
(5−3.予告演出)
次に、予告演出について説明する。演出制御部24は、主制御部20からの演出制御コマンドの内容、具体的には、少なくとも変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報(たとえば、当落抽選結果情報、リーチ演出の有無、および特別図柄の変動時間など)に基づき、現在の演出モードと大当り抽選結果とに関連した様々な「予告演出」を現出制御する機能部(予告演出制御手段)を備えている。このような予告演出は、当り種別に当選したか否かの期待度(以下、「当選期待度」と称する)を示唆(予告)し、遊技者の当り種別への当選期待感を煽るための「煽り演出」として働く。予告演出として代表的なものには、「リーチ演出」、「疑似連演出」、「先読み予告演出」などがある。
「リーチ演出」とは、リーチ状態を経由してゲーム結果を表示する演出態様である。また「先読み予告演出」とは、未だ図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)には供されていない作動保留球(未消化の作動保留球)について、保留表示態様を利用して、当選期待度を事前に報知する演出態様である。また「疑似連演出」とは、装飾図柄変動表示ゲーム中において、装飾図柄の一部または全部を一旦仮停止状態とし、その仮停止状態から装飾図柄の再変動表示動作を実行する、といった表示動作を1回または複数回繰り返すことにより、リーチ演出が発生することを示唆したり(この場合は、疑似連演出の後、リーチ演出が発生する)当選期待度を示唆したりする演出態様である。この点、疑似連演出は、複数回の図柄変動表示ゲームに跨って展開されるような「先読み予告演出」とは異なる。図柄変動表示ゲームにおいては、上記「リーチ演出」や「疑似連演出」の他、いわゆる「キャラクタ予告演出」、「ステップアップ予告演出」、後述の「遊技者参加型演出」などの種々の演出が発生して、ゲーム内容を盛り上げるようになっている。
また「リーチ演出」には、Nリーチ(ノーマルリーチ)などの当選期待度が相対的に低いリーチ演出と、Nリーチよりも当選期待度が相対的に高いリーチ演出(SPリーチ演出)に大別され、それぞれ複数種類のリーチ演出を含むことができる。たとえば、SPリーチには、SPリーチA、B、Cという複数種類のリーチ演出が含まれ、当選期待度については、「SPリーチA<SPリーチB<SPリーチC」という関係とすることができる。また、SPリーチ演出には、当選確定を示唆する当確用リーチ演出を含むこともできる。
上記のようなリーチ演出対応して、上記リーチ変動パターンには、Nリーチ演出の発生を指定する‘Nリーチ変動パターン’と、SPリーチ演出の発生を指定する‘SPリーチ変動パターン’が含まれ、複数種類のNリーチや複数種類のSPリーチがある場合には、それぞれのリーチ演出を指定するリーチ変動パターンが含まれる。また、Nリーチ演出よりもSPリーチ演出が当選期待度の高いため、大当りへの当選期待感を煽るべく、SPリーチ変動パターンは、‘Nリーチ変動パターン’の変動時間よりも長い変動時間(演出時間)を持つ。また、特定のSPリーチ変動パターンが選択された場合(特定のリーチ演出の場合)、操作手段(枠演出ボタン13や他の演出用ボタン66、70、75)を利用した後述の「遊技者参加型演出」が現出される場合がある。なお本実施形態の場合、この遊技者参加型演出が発生しうる特定のSPリーチ変動パターンは、作動保留球数が1〜4個の場合よりも0個の場合の方が選択され易くなっている。また、所定の選択比率で遊技者参加型演出を現出するSPリーチ変動パターンが選択されるようになっている。たとえば当選期待度が相対的に高いSPリーチ(上記SPリーチC)ほど、遊技者参加型演出を含むリーチ演出が現出され易くなっている。また、大当り抽選結果が大当りの場合については、作動保留球数に関係なく、リーチ無しの変動パターンは存在せず、当り変動の場合には、必ずリーチ演出を経由して大当りである旨が報知されるようになっている。
液晶表示装置の画面表示について、図5を用いて説明する。本実施形態のパチンコ遊技機1の場合、液晶表示装置36の画面内の上側の表示エリアには、装飾図柄変動表示ゲームを現出する表示エリア(装飾図柄の変動表示演出や予告演出を現出するための表示領域)が設けられており、また画面内の下側の表示エリアには、特別図柄1側の作動保留球数を表示する保留表示領域76(保留表示部a1〜d1)と特別図柄2側の作動保留球数を表示する保留表示領域77(保留表示部a2〜d2)とが設けられている。作動保留球の有無に関しては、所定の保留表示態様により、その旨が報知される。図示では、作動保留球の有無を点灯状態(作動保留球あり:図示の「○(白丸印)」)あるいは消灯状態(作動保留球なし:図示の破線の丸印)にて、現在の作動保留球数に関する情報が報知される例を示してある。
作動保留球の有無に関する表示(保留表示)は、その発生順(入賞順)に順次表示され、各保留表示領域76、77において、一番左側の作動保留球が、当該保留表示内の全作動保留球のうち時間軸上で一番先に生じた(つまり最も古い)作動保留球として表示される。また、保留表示領域76、77の左側には、現に特別図柄変動表示ゲームに供されている作動保留球を示すための変動中表示領域78が設けられている。この実施形態の場合、変動中表示領域78は、受座Jのアイコン上に、現在ゲームに供されているゲーム実行中保留Kのアイコンが載る形の画像が現れるように構成されている。すなわち、特別図柄1または特別図柄2の変動表示が開始される際に、保留表示領域76、77に表示されていた最も古い保留a1またはa2のアイコン(アイコン画像)が、ゲーム実行中保留Kのアイコンとして、変動中表示領域78おける受座Jのアイコン上に移動し、その状態が所定の表示時間にわたり維持される。
作動保留球が発生した場合、主制御部20から「保留加算コマンド」と「入賞時コマンド」が演出制御部24に送信される。演出制御部24がコマンドを受信すると、そのコマンドに含まれる情報に基づき、上記「先読み予告演出」に関する演出制御処理を行う。ここで、「入賞時コマンド」とは、主制御部20において、作動保留球が発生した場合(始動条件が成立した場合)、当該作動保留球が図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)に供される前に、当該作動保留球に係る大当り抽選結果を事前に先読み判定した先読み判定情報を含む演出制御コマンドである。この先読み判定情報には、少なくとも当落抽選結果を先読み判定した情報が含まれる。なお、入賞時コマンドに含ませる情報は、当落抽選結果を先読み判定した「先読み当落抽選結果情報」、図柄抽選結果を先読み判定した「先読み図柄抽選結果情報」、および変動開始時の変動パターンがどのような変動パターンに決定されるかを先読み判定した「先読み変動パターン情報」のうち少なくともいずれか一つの情報を含むことができる。どのような情報を含む入賞時コマンドとするかは、先読み予告演出がどのような先読み判定に関する情報を報知するものであるかに応じて適宜定めることができる。また、「保留加算コマンド」とは、先読み当り判定時の作動保留球数(今回発生した作動保留球を含め、現存する作動保留球数)を指定する演出制御コマンドである。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる入賞時コマンドを受けた場合、上記保留表示に関連する表示制御処理の一環として、先読み予告演出の実行可否を抽選する先読み予告抽選を行う。この先読み予告抽選に当選した作動保留球が先読み予告対象の作動保留球となる。上記先読み予告抽選による当選確率は、「ハズレ」よりも「大当り」の方が、また当選期待度が相対的に高いリーチ種別の場合の方が高確率となっており、先読み予告演出が発生するか否かにより、大当りへの当選期待度が示される。
先読み予告抽選に当選した場合には、上記保留表示部a1〜d1、a2〜d2の保留アイコンのうちで、その先読み予告対象となった保留アイコンが、たとえば、通常の保留表示(通常保留表示態様)の白色から、予告表示の青色、黄色、緑色、赤色、D柄または虹色などの特殊な保留色の保留表示(特別保留表示態様)に変化するといった「保留表示変化系」の先読み予告演出が行われる。ここで、保留アイコンの白色、青色、黄色、緑色、赤色、D柄、虹色の表示は、この色の順に、当り当選期待度が高いことを意味しており、特に虹色の保留アイコンの表示は、大当り確定(当確)表示となるプレミアム的な保留アイコンとなっている。この保留色は、先読み変動パターンの内容に基づいて抽選により決定される。具体的には、「ハズレ」よりも「大当り」の方が、また当り当選期待度が相対的に高いリーチ種別の場合の方が、当選期待度の高い保留色が高確率で選択されるようになっている。
(5−4.遊技者参加型演出)
次に、遊技者参加型演出について説明する。遊技者参加型演出とは、所謂「ボタン予告演出」に属するもので、遊技者が枠演出ボタン13(操作手段)に対して所定の操作をしたか否かに応じて、演出の内容が変化し得る予告演出態様である。この遊技者参加型演出では、所定の操作受付期間中に枠演出ボタン13が操作された場合、現在の現出中の演出態様が他の演出態様に変化し(たとえば現出中のキャラクタ表示が変化したり、アニメーションなどのエフェクトが追加されたり、特殊な効果音が発生したりするなど)、その変化前後の演出態様(演出内容)に応じて、当選期待度を予告する予告演出態様となっている。このような「遊技者参加型」の演出態様は、遊技者が遊技結果に影響を及ぼしているような感覚を与えることができるので、遊技の面白みを増すことができる(たとえば、図9〜図12)。
本実施形態のパチンコ遊技機は、遊技者が操作可能な操作手段の一つとして、枠演出ボタン13(以下、説明の便宜のため「演出ボタン」と略す場合がある)を有する。この枠演出ボタン13は押しボタン式スイッチである。押しボタン式スイッチには、押している間だけスイッチがオンになる自動復帰型スイッチ(モーメンタリスイッチ、プッシュスイッチ)と、押すたびにONとOFFが反転する位置保持型スイッチ(オルタネートスイッチ、プッシュロックスイッチ)とがある。本実施形態では、演出ボタンに自動復帰型スイッチによる押しボタンを採用し、この押しボタンを利用した遊技者参加型演出を、図柄変動表示ゲーム中に現出される演出の一部として現出させる。たとえば、特定の予告演出(たとえば、SPリーチ)の一環(一部)として、遊技者参加型演出を現出させる。しかし、遊技者参加型演出自体がリーチ演出として機能させてもよい(リーチ演出系遊技者参加型演出)。
また上述したリーチ演出に関連した遊技者参加型演出だけでなく、疑似連演出や、先読み予告演出などの演出中にも遊技者参加型演出を現出させることができる。先読み予告演出に関連する遊技者参加型演出の場合は、たとえば、演出ボタンに対して所定の操作(たとえば、押圧、長押し、連打等の操作)を促す操作指示演出が保留表示に付随して現出され、その指示に従い、所定の操作受付有効期間中に遊技者が演出ボタンを操作した場合、通常保留表示態様から特別保留表示態様に変化させることができる(たとえば、保留色が白色から赤色に変化する)。また、演出ボタンの操作後も通常保留表示態様ままとする「ガセの先読み予告演出」を現出させることができる。
この遊技者参加型演出において、演出ボタンに対して所定の操作、たとえば「長押し」を要求する演出(操作指示演出)を行う場合、従来、演出ボタンの長押しを促す「演出ボタンを長押ししろ」という長押し指示メッセージを液晶画面に現出表示させた後、一定期間の経過後に、演出ボタンの押圧解除を促す「離せ」という長押し解除メッセージの表示を液晶画面に現出させ、その後に大当り抽選に当選したか否の結果演出を液晶画面に現出させる、ということを行って来た。つまり「ボタン長押ししろ→離せ→当落報知」という一連の演出をまとまりのある1単位のものとして扱って来た。
しかし、これは演出ボタンを押さない遊技者の存在を考慮せずに、つまり長押しの実体に関係なく、遊技者が長押ししていようがいまいが、操作受付有効期間の終了を待って「離せ」という操作指示を表示するものである。換言すれば、遊技者が指示内容に従い、「長押し」操作をすることを前提に、「離せ」という表示をする。このため、演出ボタンを押していない場合に「離せ」というメッセージの操作指示演出が出ることになり、演出的な不自然さがある。また長押し指示演出が消失したあとも操作(押圧)を継続している場合もあり、この場合は、無意味な操作努力となっていることを報知し、押圧を解除すべきことを促し、ボタン操作を止めさせることが好ましいといえる。
そこで本実施形態では、上記演出上の不自然さを解消するべく、操作状況に応じた演出ボタンに対する操作指示演出を現出させるようになっている。たとえば、所定の判定タイミング(操作判定タイミング)にて、演出ボタンを押している状態である場合(押圧操作(ON操作)を実行している場合(ON状態))には、その後に現出させるボタン操作指示のメッセージ内容を「離せ」とする操作指示演出(離せ指示)を現出させる。他方、遊技者が演出ボタンを押していない状態である場合(非押圧操作(OFF操作)を実行している場合(OFF状態))には、その後に現出させるボタン操作指示のメッセージ内容を「押せ」とする操作指示演出(押せ指示)を現出させる、あるいは「押せ」の操作指示演出も「離せ」の操作指示演出も現出させない。これにより、遊技者参加型演出における演出上の不自然さを解消することができるようになっている。
なお本実施形態では、遊技者参加型演出において、遊技者に要求する演出ボタンの操作を、‘所定期間「長押し」をさせるもの(たとえば、後述の図9(2)参照)’を代表的に説明するが、本発明はこれに限定されない。BGMなどのテンポに合わせて演出ボタンを押圧操作する、いわゆる「リズム押し」操作や、多方向入力が可能なジョイスティックコントローラやトラックボールなどを利用して、1または複数回、特定方向への入力操作を行う「特殊操作」など、種々の操作態様に適用することができる。上記「特殊操作」とは、たとえば、特定方向に対して入力操作を行う一段階操作(たとえば、レバーを手前側に倒す一段階操作)や、複数方向対して入力操作を行う多段階操作などがある。たとえば、レバーを所定時間左に倒し(左ON操作)、次いで、レバーを所定時間右に倒す(右ON操作)という二段階操作などがその代表例である。また「長押し」は、一般的には、演出ボタンを所定時間押圧することを指すが、演出ボタンを所定時間押しっぱなしにすると、自動的に連打に切り替わる「自動連打」も、この長押しに属する操作として扱うことができる。
<図6のケース1、図9、図10、図13(1)上欄>
まず図6を参照して、図6のケース1は、押圧指示演出が「長押し」の場合の諸動作を示すタイミングチャートである。ここでは、主制御部20から演出制御部24が、遊技者参加型演出を現出しうる変動パターンとして、特定のリーチ変動パターンに係る演出制御コマンドを受けて開始される図柄変動表示ゲームについて、その開始から終了までの期間(時刻t0〜t7)を示してある。
この期間(t0〜t7)中の演出は、リーチ前演出後の時刻t1〜t2で「Nリーチ演出」が発生し、時刻t3で「特定リーチ演出(たとえば、SPリーチA〜Cなど)」に発展し、この特定リーチ演出が時刻t7で終了する、という推移になっている。この特定リーチ演出(時刻t2〜t7)は、その期間の始まりから図柄変動表示動作期間の終わる手前まで(時刻t3〜t6)が演出ボタンの監視期間TYとなっている。このうちの時刻t3〜t5までが、演出ボタンの検出信号を演出制御部24が受付け可能な第1期間(t3≦t≦t5)となっており、その後の時刻t5超〜t6を第2期間(t5<t≦t6)として示してある。これらの時刻t3、t5、t6およびこの時刻に何を処理すべきであるかは、時刻と処理の関係を予め定められたシナリオに沿って演出を現出制御する方法や、特定の時刻が到来した場合、そこで新たに期間設定や演出シナリオの変更などを行い、演出を現出制御する方法などがあるが、この図6では時刻と処理の関係が予めシナリオにより定められているものとして説明する。
図6に示すケース1は、押圧指示演出が「長押し」(長押し指示演出)で、実際の演出ボタン操作態様も「長押し」である場合、つまり図13(1)上欄に示す「判定タイミング時:ON状態」の場合に対応している。遊技者がどのような押圧の仕方をするかは人さまざまであるが、ここでは長押し指示の通りに「長押し」をした場合を扱っている。すなわちケース1は、第1期間TY1(時刻t3〜t5)に渡って液晶画面に「長押し」のメッセージが表示され、これを見た遊技者が、第1期間TY1内の時刻taから押圧を開始し、この押圧を第1期間TY1の終り、つまり判定タイミング(時刻t5)まで維持した場合となっている。この場合には、第1期間TY1の終り(時刻t5)で押圧解除指示演出として「離せ」のメッセージが表示され、これを見た遊技者が、時刻t5を超えた第2期間TY2内の時刻tbで押圧を解除することで、終了となる。
上記の「離せ」の押圧解除指示演出を現出させるためには、第1期間TY1の終り(時刻t5)の時点で、遊技者がどのような種類の操作をしているかについての「操作態様」が判っていなければならない。図6のケース1では、時刻t5を判定タイミングとし、この時刻t5において、演出ボタンを押圧(押圧操作)中であるか、それとも押圧していない非操作(非押圧操作)中であるかについて判定する必要がある。そこで時刻t5で、演出ボタンが押圧されていた否かを判定し、押圧操作中であれば、「離せ」の操作指示演出を現出させ、非押圧操作中であれば「押せ」の操作指示演出を現出させる。
上記の長押しが行われる場合、その長押しの開始taから「操作開始後演出」として、超電磁誘導砲に対するエネルギー充填演出(後述の図9参照)が発生し、この演出が少なくとも第1期間TY中続き、場合により図6中に点線で示唆するように長押しの終わる時刻tbまで続く。このケース1では、第1期間TY中(ta〜t5)だけエネルギー充填演出が継続し、第1期間TYが時刻t5で終了するとエネルギー充填演出も終了する。そして、判定結果に応じた操作指示演出として、「離せ」のメッセージ(離せ指示演出(押圧解除指示演出))を現出し、そのメッセージ内容に応えて遊技者が押圧を解除すると、その時点においてボタン検出信号がONからOFFに立ち下がる(OFFエッジ操作)とともに、「操作終了後演出」として、超電磁誘導砲演出(後述の図10(5)(6)参照)が発生する。
(ケース1の演出態様:図9、図10)
図9、図10は図6のケース1で液晶画面に表示される演出内容の推移を示しており、図9中(1)〜(4)は順に図6の時刻t2、t3、ta〜t5、t5において現出される演出の演出態様を、図10中(5)〜(8)は順に図6の時刻t5、tb、t6、t7において現出される演出の演出態様を示している。
図9(1)を参照して、時刻t2が到来すると特定リーチ演出130が開始される。ここの特定リーチ演出130は、物語性を有する遊技者参加型演出を含むリーチ演出となっている。先ず本発明の理解を容易なものとするために、本実施形態に係る遊技者参加型演出の概要を説明しておく。
ケース1に係る遊技者参加型演出は、遊技者にミッション(作戦)を提示するといった、所謂「指令型演出」となっている。演出が開始されると、遊技者に対して「円盤を打ち落とせ」という所定のミッション(作戦)を提示する指令演出が現出される。そして、まず、演出ボタンに対して「長押し」を指示する操作指示演出(第1操作指示演出)が現出され、遊技者がこれに応えて長押しをすると、主人公用攻撃アイテムである超電磁誘導砲に対して、発射用エネルギーを充填していくエネルギー充填演出(第1操作演出)が現出される。その後、長押し解除を指示する操作指示演出として、「離せ」という操作指示演出(押圧解除指示演出(第2操作指示演出))が現出される。遊技者がこれに応えて演出ボタンから手を離すと、攻撃対象の円盤(敵キャラ)に対して超電磁誘導波を発射して攻撃する電磁誘導砲演出(長押し解除(押圧操作終了)に基づく操作終了後演出(第2操作演出))が現出され、その攻撃結果として、今回の図柄変動表示ゲームの結果(大当り抽選結果)を報せる結果演出が現出される、という「バトルタイプの演出(バトル演出)」となっている。以下、図9および図10を参照しながら、本実施形態に係る遊技者参加型演出を、時系列に沿って詳細に説明する。
図9を参照して、特定リーチ演出130が開始されると、まず上記指令演出として、「円盤を打ち落とせ!」のメッセージ132とUFO画像133によるタイトル演出134とが現出される。タイトル演出134は、今回のミッション内容を報知する演出となっており、本ケースでは、「円盤を撃ち落せ!」のミッションが提示されるものとなっている。またNリーチ中で液晶画面に大きく表示されていた装飾図柄(たとえば、図5の右側の液晶表示装置36の説明図参照)は、時刻t2より、画面の右下部の小さな表示領域131に退避表示される。具体的には、リーチ状態を呈したまま、画面の右下部の表示領域131内に、変動中の装飾図柄を小さく表示し、画面全体で行われる指令演出への関心を集めることができるようになっている。
なお、特定の装飾図柄のリーチ状態は、他の図柄のリーチ状態よりも当選期待度が高いことを示唆するようになっている。たとえば、図示の「7図柄テンパイ(7↓7)」は、他の装飾図柄のリーチ状態(たとえば、後述の図11の2図柄テンパイ(2↓2))の場合と比較して、当選期待度が相対的に高く、本実施形態の場合、テンパイ図柄野期待度は「偶数図柄(2、4、6図柄)≦1、3、5図柄<7図柄」という関係となっている。また装飾図柄が7図柄以外の図柄でリーチ状態となっても、特定リーチ演出130中において、現在のテンパイ図柄から当選期待度の高いテンパイ図柄へと昇格する場合もある。たとえば、偶数図柄テンパイから7図柄テンパイに変化する場合がある。
次に図9(2)を参照して、時刻t3が到来すると、タイトル演出134が終了し、その直後(時刻t3超)に押圧指示演出140が開始される。押圧指示演出140では、遊技者に「長押し」の操作を促すべく、「長押し!!」のメッセージからなる操作指示画像135と、第1期間TY1の残り時間を示すタイマ画像136と、枠演出ボタン13を模したボタン画像137等が表示される。
ここでのボタン画像137は、演出ボタンの操作部が押下げ変位可能に上方に飛び出た突出状態、つまり遊技者がその変位可能部分を押圧していない状態を表示しており、「長押し」のメッセージと合わせて、演出ボタンを操作することを催促している。またタイマ画像136は、10個の目盛から構成されており、時間の経過と共に目盛内の色変化した目盛数が、時間経過に比例して1目盛ずつ増加することで、残り時間が徐々に消費されることを示し、結果として、第1期間TY1の残り時間が報知される構成となっている。押圧指示演出140は、長押しを維持させるために、第1期間TY1の間、現出され続けるようになっている。
また押圧指示演出140では、「超電磁誘導砲のエネルギーを貯めろ!」という文字情報画像138と、‘超電磁誘導砲’搭載の自走砲を表現した兵器画像139(主人公キャラ)等が表示される。これら演出内容は、演出ボタンを長押しすることで、兵器に対して、超電磁誘導波を発射する(主人公キャラが敵キャラを攻撃する)ためのエネルギーを充填させることを遊技者に促す、という演出内容となっている。斯様な押圧指示演出140により。第1期間TY1中に枠演出ボタン13を長押しすれば、その操作に応じて演出が変化しうるということが遊技者に報知される。なお、兵器画像139の「超」の付く超電磁誘導砲は、後述の図11に示す、「超」の付かない単なる電磁誘導砲(通常電磁誘導砲)が出現した場合よりも当選期待度が高い兵器画像(アイテム画像)となっている。
次に図9(3)を参照して、遊技者が押圧指示演出140に応えて、図6の時刻taから枠演出ボタン13の長押し操作を開始すると、その操作に伴い、操作開始後演出として、エネルギー充填演出143が開始される。エネルギー充填演出143では、長押しされることに伴い、兵器画像139が下部から徐々に上方に着色されていき、その着色度合いにより兵器にエネルギーが充填されて行く様を表現する演出内容となっている。
詳しくは次のような演出内容となっている。遊技者が枠演出ボタン13を押圧操作すると、枠演出ボタン13がON状態となる。演出制御部24は、枠演出ボタン用スイッチからの検出信号に基づき、このON状態を所定時間(長押し開始判定時間)継続して検出した場合(長押し開始条件成立)、長押しが開始されたと判断し(後述のケース2〜8についても同様)、操作開始後演出として、エネルギー充填演出143を開始する。しかし、ON状態が所定時間継続して検出されない場合、長押しではなく、単なる押圧操作、つまり「単発押し(1回押し)」とみなして、長押しが開始されていない(長押条件不成立)と判断する。したがって正確には、時刻taの押圧操作時点から長押しと判定される判定時間分遅延して、エネルギー充填演出143が開始される。なお上記長押し開始判定時間は、演出内容に応じて適宜定めることができる(たとえば、500msや1000msなど)。
エネルギー充填演出143が開始されると、長押しに伴い、兵器画像139の内部を示す兵器内部画像142が、当初(時刻t3時)の表示色(たとえば、迷彩柄)から別の表示色(たとえば、青色)で塗りつぶされていくように変化していく。この兵器内部画像142の着色表示領域は、長押し操作の時間の経過と共に、つまり長押し操作の累計時間に比例して兵器画像139内で増大することで、現在のエネルギー充填率が示される。つまりその充填率により長押し操作の累計時間が間接的に示される。長押し操作をしている期間(累計期間)が所定の時間(たとえば、5秒)に到達すると、兵器内部画像142の表示領域全域が青色で着色され、エネルギー充填率100%が報知される(たとえば、図9(4)に示すように、兵器画像139内が全て着色された状態となる)。そして、5秒以上長押し操作をすると、表示色が青色(通常色)から当選期待度を示唆する色、たとえば「青色→黄→緑→赤→虹」というように、期待度に応じて表示色が段階的(1段階(青色)〜5段階(虹色))に変化しうる(期待度示唆演出)。この点で、エネルギー充填演出143は、期待度示唆演出(兵器の表示色)が段階的にステップアップしていく、いわゆる「ステップアップ演出」となっている。本実施形態の場合、虹色は、当確を示す表示色となっており、プレミアム的表示色となっている。
上述のように、長押しをし続けた場合に上記期待度示唆演出を現出させるのは、エネルギー充填率100%の到来が判定タイミングである時刻t5より前の時点であったとしても、時刻t5まで長押しを遊技者に保持してもらうことを狙っており、時刻t5より前にエネルギー充填率が100%になった際に遊技者が枠演出ボタン13から手を離してしまうことを防止したいからである。また図示はしていないが、遊技者が長押しを中断すると、その中断している時間長さに逆比例して兵器内部画像142の着色領域が縮小(エネルギーの充填率が減少)していくようになっており、遊技者に対してエネルギーを充填させること、つまり長押し操作を継続させることを促すようになっている。
図9(3)は、超電磁誘導砲にエネルギーが充填されて行く途中の時刻ta1における液晶画面を示している。時刻ta1では、タイマ136による計時が全目盛の半分の所まで進行しており、兵器画像139の下半分が着色されている状態を示している。これにより、エネルギー充填演出143がほぼ半分まで進行していることが報知される。
またボタン画像137は、演出ボタンの変位可能な部分(操作部)が飛び出た突出状態、つまり遊技者がその変位可能部分を押圧していない状態(図9(2))から、遊技者が押圧して引っ込んだ状態(図9(3))に変化しており、この押下げ状態を模したボタン画像141により、演出ボタン操作中(現在長押し中)であることを遊技者に報知可能となっている。なお、途中で長押し操作を中断した場合は、引っ込んだ状態のボタン画像141から飛び出した状態のボタン画像137(図9(2))に復帰する。
次に図9(4)を参照して、判定タイミングである時刻t5が到来すると、演出制御部24は、枠演出ボタン13からの操作検出信号(ON信号、OFF信号)に基づき、枠演出ボタン13のON(押圧操作中)/OFF(非押圧操作中)状態を判定する(操作判定手段)。そして、その判定結果に基づき、押圧解除指示「離せ」または押圧指示「押せ」のいずれの操作指示演出(たとえば、後述の押圧解除指示演出156(図10(5))、押圧指示演出182(図12(5)))を現出させるかを決定する。ここでは、時刻t5が到来しても「長押し中」であるケースについて説明しているので、判定タイミング時刻t5における枠演出ボタン13がON状態であると判定され、押圧解除指示「離せ」の操作指示演出を現出させると決定される。演出制御部24は、たとえば、所定のタイミングにおける演出ボタンの操作状況(操作状態)や、演出ボタン監視期間中において、特定の操作条件を満たす操作が実行されたか否かや、演出ボタンに対して時系列的にどのような操作が実行されたかなどを特定(判定)する機能部や、演出ボタンに対する操作に関する情報(操作関連情報)を管理する機能部を備えることができる。本実施形態では、判定タイミングにおける演出ボタンの操作状況を特定するための判定フラグが複数種類設けられている。たとえば「離せ」の操作指示演出を現出させる場合には「判定フラグA」が設定され、「押せ」の操作指示演出を現出させる場合には「判定フラグB」が設定され、これらフラグに基づいて、操作状況に応じた操作指示演出と、その後に現出する演出(たとえば、後述の電磁誘導砲演出159や助っ人登場演出185)が決定されるようになっている。時刻t5では、図示の通り、タイマ画像136の全目盛が消費されており、これは、タイマによる第1期間TY1の計時がタイムアップして、第1期間TY1が終了したことを示している。また、長時間にわたり(たとえば、5秒以上)長押しをしたことで、兵器画像139が全て所定色で塗りつぶされ、これにより、エネルギー充填率100%であることが報知される。
次に図10(5)を参照して、時刻t5において、遊技者に枠演出ボタン13から手を離す押圧終了操作を促す(指示する)押圧解除指示演出156が開始される。また同時刻t5後には、演出ボタン監視期間TYの第2期間TY2として、時刻t6までの期間が開始される。押圧解除指示演出156は、この第2期間TY2内に現出される。
押圧解除指示演出156では、図示のように、「離せ!」のメッセージからなる操作指示画像150、第2期間TY2の残り時間を示すタイマ画像151、押圧状態の枠演出ボタン13を模したボタン画像141、演出内容を示す文字情報画像154、兵器画像139、円盤画像133等が表示される。兵器画像139の砲身の指す先には円盤画像133が表示され、文字情報画像154として「超電磁誘導砲を発射せよ!」のメッセージが表示される。
注目すべき点は、押圧解除指示演出156が、後述のケース2の押圧操作を促す(押せ指示)操作指示演出182(後述の図12(5)参照)と異なり、枠演出ボタン13の押圧終了操作を促す操作指示演出(離せ指示)となっている点である。ケース1では、判定タイミング(時刻t5)において、遊技者が枠演出ボタン13を長押し中(演出ボタン操作中)であり、押圧終了操作(離せ指示)を促すという押圧解除指示演出156を現出させるが、後述のケース2では、ケース1とは逆に、判定タイミングにおいて遊技者が枠演出ボタン13の押圧操作自体をしておらず、この場合には、遊技者に枠演出ボタン13の押圧開始操作(押せ指示)を促す、というケース1とは逆の操作指示を促す押圧指示演出182(後述の図12(5)参照)を現出させている。すなわち、演出ボタンの操作状況(操作中であるか非操作中であるか)に応じて、その後の演出を生起させるための操作指示を正しく行い、演出的な不自然さが発生しないようになっている。これにより遊技者は、操作指示演出に対して違和感を抱くことなく、演出ボタンを操作することができる。
斯様な押圧解除指示演出156の指示内容に応えて、遊技者が枠演出ボタン13から手を離した場合、次に述べる電磁誘導砲演出159が生起することになる。
図10(6)を参照して、押圧解除指示演出156の現出中の時刻tbにおいて、遊技者が枠演出ボタン13から手を離すと、枠演出ボタン13が操作前の状態に復帰する。このとき、今回の時刻tb時のサンプリングによる検出信号が、前回のサンプリング検出時(たとえば、2ms前)のON信号からOFF信号に変化する。そこで、この変化のOFFエッジを検出したと捉えて、操作終了後演出として、超電磁誘導砲演出159を開始する。超電磁誘導砲演出159は、図示のように、兵器画像139(主人公キャラ)から円盤画像133(敵キャラ)に向けて、超電磁誘導波158が発射される様を表現した演出内容(主人公キャラが敵キャラに向けて攻撃を仕掛ける演出)となっている。超電磁誘導波158が発射されると、超電磁誘導砲のエネルギーは全て消費され、兵器画像139は通常の表示色(迷彩色)に戻る。この超電磁誘導砲演出159は時刻t6まで現出される。発射された超電磁誘導波158は、演出時間の経過と共に円盤に近づいていき、円盤に命中する直前で終了する演出内容となっている。したがって、この演出中は、今回の図柄変動表示ゲームが大当りであるかハズレであるかについて、未だ不明な状態にある。つまり、超電磁誘導砲演出159は、当りかハズレかを示す演出結果の前段階に現出される結果前演出として働き、遊技者の緊張感を高めるための煽り演出として働く(後述の図12に示す、助っ人登場演出185も同様)。
ここで図6では、第2期間TY2中の時刻tbで操作を止めた場合となっている。しかし、場合によっては、第2期間TY2が終了する時刻t6までの間に、つまり時刻tb以降において、遊技者が枠演出ボタン13を操作することが考えられる。しかし、第2期間TY2においては、最初のOFFエッジが到来した以降におけるボタン操作の検出信号は無効扱いとされる構成となっている。そこで、仮に時刻tb〜t6の間に遊技者が枠演出ボタン13を操作したとしても、その操作に対応した演出が現出することはない。したがって、最初のOFFエッジが到来した以降についてボタン操作信号を必ずしも監視する必要はなく、最初のOFFエッジが到来した時刻tbを以って、直ちに、演出ボタン監視期間TYが終了、つまり第2期間TY2が終了したとして、処理しても良い。
次に図10(7)を参照して、第2期間TY2の終りである時刻t6が到来すると、操作終了後演出である超電磁誘導砲演出159が終了となり、超電磁誘導波158を発射した後の結果演出(第1結果演出)が現出される。この結果演出では、円盤を打ち落す演出(成功演出)が発生すれば、今回の図柄変動表示ゲームの結果(大当り抽選結果)が当りである旨が報知され、円盤を打ち落とすことができない演出(失敗演出)が発生すれば、ハズレである旨が報知可能な演出態様となっている。
図中は、上記成功演出として、大当り(当り)の場合に現出される爆散演出172を示す。この爆散演出172は、図10(7)〜(8)に示すように、2段階に変化する演出となっている。
第1段階目の爆散演出172では、超電磁誘導波158が円盤に命中して爆発する爆発画像170が現出されるとともに、「爆散!」のメッセージ画像171が表示され、円盤を撃ち落とした様を表現した演出となっている(図10(7))。これにより、「円盤を撃ち落とせ」のミッション(図9(1))を達成したことが遊技者に報知される。そして、時刻t6aに至ると、爆散演出172は第2段階目に移行し、この第2段階目の爆散演出172は、「Mission Complete 大当り!」という文字情報画像173が表示され遊技者を祝福する。これに伴い、表示領域131には、大当りを示す「777」が停止表示される。これにより、今回の図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」であることが報知されることになる(図10(8))。
なお図9および図10では、大当りの場合について説明したが、ハズレの場合には、失敗演出として、超電磁誘導波158を円盤133がよけて撃ち落すことができずに作戦が達成できなかったという演出が、第1結果演出として現出されるようになっている。この失敗演出では、時刻t6aにおいて、「Mission Faled 残念・・・」などの演出が現出され、これに伴い、表示領域131には、ハズレを示す停止表示態様(たとえば、「767」等)で装飾図柄が停止表示される。これにより、今回の図柄変動表示ゲームの結果が「ハズレ」であることが報知されるようになっている。また、超電磁誘導砲演出159と爆散演出172とを一連の演出を結果演出として扱ってもよい。
その後、図柄変動表示動作が終了する時点である時刻t7が到来すると、第1結果演出が終了する。これにより、枠演出ボタン13を利用した特定リーチ演出が終了し、今回の図柄変動表示ゲームが終了される。その後は、今回のゲーム結果が大当りの場合、大当りの種類に対応した大当り遊技が開始される。またハズレの場合、作動保留球があるときには次の図柄変動表示ゲームが開始され、作動保留球がゼロであるときには図柄変動表示ゲームが開始されることなく、作動保留球発生待ちの待機状態下に制御される。
(操作指示演出に関する変形例)
なお上記では、「長押し」を要求し(第1操作指示演出)、所定のタイミングにおける演出ボタンの操作状況(操作態様)に応じて「離せ指示」や「押せ指示」を現出する形態について説明したが本発明はこれに限られない。たとえば、演出ボタンに対する所定の操作として「2回の押圧操作」を要求し(第1操作指示演出)、第1期間TY1中に演出ボタンが2回押圧操作された場合には、その後の第2期間TY2において「連打」の操作指示を出し(要求する操作がなされた場合には「連打」を出さなくてもよい)、第1期間TY1中に2回押圧操作がされていない場合には、第2期間TY2において(たとえば、時刻t5の到来を契機に)「さらに1回押せ」の操作指示を出すことができる。つまり、演出ボタンに対する操作が所定の操作条件(2回押圧操作)を満たさない場合には、第2操作指示演出(連打)を現出しないという構成、または演出ボタンに対する操作が所定の操作条件を満たさない場合には、第2操作指示演出(連打)を現出せずに第3操作指示演出(さらに1回押せ)を現出させるという構成とすることができる。また、風変りな操作を要求するものとして演出ボタンに対する操作をさせない指示(たとえば「押すな」)を要求するものである場合、その指示に従い遊技者が演出ボタンを操作しなかった場合には、第2期間TY2において(たとえば、時刻t5の到来を契機に)「押せ」の操作指示を出し(出さなくてもよい)、第1期間TY1中に指示に従わずに遊技者が演出ボタンを操作した場合には第2期間TY2において「押すな」や「今から押せ」等の操作指示を出すことができる。
<図6のケース2、図11、図12、図13(1)下欄>
図6のケース2は、ケース1の場合と同じく、押圧指示演出が「長押し」の場合の諸動作を示すタイミングチャートであるが、押圧指示演出が長押し指示であるのに対し、実際の演出ボタン操作態様が「押さず(操作なし)」である場合(図13(1)下欄)に対応している。このケース2は、長押し指示に対し演出ボタンを押圧しなかった場合、つまり“押圧時間=0”の場合であるので、時刻t5においては演出ボタンが非操作中(非押圧操作中)である。そこで、演出ボタンが非操作中であるとして「押せ」という操作指示演出(第3操作指示演出)を現出する(時刻t5〜tc)。図6のケース2は、この指示演出に対して遊技者が演出ボタンを押した場合を示しており、押圧操作に対応するボタン検出信号(時刻tc〜td)が発生するとともに、操作開始後演出として、助っ人登場演出(押圧操作に基づく操作開始後演出(第3操作演出))が発生する。つまりこの図6のケース2の形態は、図13(1)下欄に示すように、演出ボタンを押さない遊技者に対して、「押せ」という押圧指示を出し、押圧操作を促すものである。これにより、演出上の不自然さを解消することができるようになっている。
図11、図12は図6のケース2の特定リーチ演出の演出態様を示しており、図11中(1)〜(4)は順に図6の時刻t2、t3、ta〜t5、t5において現出される演出の演出態様を、また、図12中(5)〜(8)は順に図6の時刻t5、tb、t6、t7において現出される演出の演出態様を示している。なお、図9、図10で説明したケース1の特定リーチ演出の演出内容と実質的に同一の演出内容については同一符号を付し、その説明は重複記載を避けるために適宜省略する。
まず図11(1)を参照して、ここでは、図9(1)の場合と同様に、時刻t2が到来すると特定リーチ演出130が開始され、同時にタイトル演出134が開始される。ここで、図示の例では、表示領域131に、装飾図柄が「2」のリーチ状態で変動表示されている。
次に図11(2)を参照して、時刻t3が到来すると、タイトル演出134が終了し、その直後(時刻t3超)に押圧指示演出140が現出を開始する。図示の押圧指示演出140は、図9(2)の押圧指示演出140と同様に、遊技者に「長押し」操作を指示する演出であるが、表示される文字情報画像138と兵器画像139の内容が異なっている。図示の文字情報画像138については、図9(2)と同様に兵器のエネルギーを貯めろといった内容となっているが、本例の場合、電磁誘導砲の種類が「超」の付かない単なる「電磁誘導砲(通常電磁誘導砲)」に替わっており、破壊力の弱い種類を表現したものとなっている。また、兵器画像139についても同様に、兵器の種類が破壊力の弱い小型のものに替わっており、今回の特定リーチ演出の当選期待度が図9のものよりも低いことが示唆するものとなっているが、演出内容としては上記ケース1と同じバトル演出となっている。
次に図11(3)を参照して、時刻ta1においては、引き続き押圧指示演出140が現出されているが、時刻t3から枠演出ボタン13が押圧操作(長押し)されておらず、兵器画像139にはエネルギー充填演出である着色が行われない。すなわち、ケース1の場合と異なり、操作開始後演出(エネルギー充填演出)143が現出されず、時間経過と共に、押圧指示演出140のタイマ画像136の目盛が消費されて行くだけとなっている。ここでは、今回の特定リーチ演出の当選期待度が低い演出であるため、遊技者が「どうせ大当りにはならないから、長押し操作しても無駄」と考えたり、「長押し操作自体が億劫に感じたりし、遊技者が押圧指示演出140による長押し指示を無視したケースを想定したものである。
次に図11(4)を参照して、時刻t5になり判定タイミングが到来すると、枠演出ボタン13が押圧状態でないため、操作状況の判定処理の結果、判定フラグとして、操作指示演出「押せ」を指定するための上記「判定フラグB」がセットされる。図示の例では、タイマ画像136の全目盛が消費され、第1期間TY1が終了した状態を示しており、長押しされていないためにエネルギーが貯められていない状態(兵器画像139は内部の表示色が変化していない)を示している。
次に図12(5)を参照して、時刻t5において判定フラグBに基づき、「押せ!」の操作指示を促す押圧指示演出182を開始する。また、演出ボタン監視期間TYの第1期間が終了したことに基づき、第2期間TY2が時刻t6まで設定される。押圧指示演出182は、第2期間TY2内に現出する。
この押圧指示演出182は、枠演出ボタン13を押圧操作すれば、助っ人キャラクタを呼ぶことができる、という演出内容となっている。具体的には、画面の左下に兵器画像139、兵器画像139の砲身の指す先には円盤画像133が表示され、画面中央には、ボタン画像137が大きく表示される。またボタン画像137の上部に「押せ!」と記された操作指示画像180が、操作指示画像180の上部に、第2期間TY2の残り時間を示すタイマ画像151が表示されている。また、文字情報画像181には「助っ人を呼べ!」の文字情報が表示されており、これら演出により、第2期間TY2内に枠演出ボタン13を押せば助っ人キャラクタを呼ぶことができるということを報知し、遊技者に対して押圧操作を催促するものとなっている。
次に図12(6)を参照して、押圧指示演出182の現出中の時刻tcにおいて、遊技者が枠演出ボタン13を押すと、枠演出ボタン13の今回の検出信号が前回検出時(例えば、2ms前)のOFF信号からON信号に変化し、ONエッジを検出したとして、操作後演出である助っ人登場演出185を開始する。この助っ人登場演出185は、押圧指示演出182による押圧指示に従い、遊技者が枠演出ボタン13を押圧した場合に現出される。助っ人登場演出185は、味方キャラが敵キャラに向けて攻撃を仕掛ける攻撃演出となっており、たとえば、兵器139の代役として助っ人キャラクタ183(助っ人画像183)が登場し、助っ人キャラクタ183が円盤133に向けて、電磁誘導波158を発射して攻撃を仕掛ける様を表現した演出内容となっている。この助っ人登場演出185は時刻t6まで現出され、超電磁誘導波158が演出時間の経0過と共に円盤に近づいていき、円盤に命中する直前で終了する演出内容となっている。つまり助っ人登場演出185は、ケース1で説明した超電磁誘導砲演出159と同じく、当りかハズレかを示す演出結果の前段階で現出される結果前演出となっており、この演出では、今回の図柄変動表示ゲームが大当りであるかハズレであるかについて、未だ不明な状態にある。
次に図12(7)を参照して、その後、時刻t6が到来すると、助っ人登場演出185が終了し、その直後から。ボタン操作後演出(助っ人演出)に関連する演出として、第2結果演出である爆散演出187を開始する。ここでは、大当りの場合に現出される爆散演出187について示す。本例の場合、兵器画像139、電磁誘導波が円盤に命中して爆発する爆発画像170、および助っ人によるメッセージ画像186(「成敗!」のメッセージ)等が表示され、「円盤を撃ち落とせ」の指令(図11(1))を達成したことが遊技者に報知される。そして、時刻t6aには、結果情報を示す文字情報画像173および兵器画像139が表示され、これに伴い、表示領域131には、大当りを示す「222」が停止表示され、今回の図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」であることが報知される。その後、時刻t7が到来すると、爆散演出187(第2結果演出)が終了するとともに、枠演出ボタン13を利用した特定リーチ演出が終了する。
なおケース2では、大当りの場合の遊技者参加型演出について説明したが、ハズレの場合には、助っ人キャラ183から放たれた超電磁誘導波158を円盤133がよけて撃ち落すことができなかったという「失敗演出」が、第2結果演出として現出されるようになっている(不図示)。この失敗演出では、ケース1と同様に、時刻t6aにおいて、たとえば「Mission Faled 残念・・・」などの演出が現出され、今回の図柄変動表示ゲームの結果が「ハズレ」であることが報知されるようになっている。また、助っ人登場演出185と爆散演出187とを一連の演出を結果演出として扱ってもよい。
(判定タイミングが変動するタイプ:図7、図8)
上記実施形態では、判定タイミングが演出ボタン監視期間中の時刻t5とする「判定タイミングが固定的なタイプ」となっている。しかし本発明はこれに限定されず、判定タイミングを時刻t5に定める構成とする代わりに、演出ボタン監視期間TYを全期間が演出ボタン操作受付可能期間であるとして定め、その期間内で、遊技者により演出ボタンに対して所定時間以上の特定操作(たとえば長押し)がなされたという条件を満たした時刻を判定タイミングとする構成にしてもよい。つまり図6のように、判定タイミングを所定の時刻に固定する「固定タイプ」とせず、演出ボタンの操作の有無や操作内容(操作状況、操作態様)に応じて判定タイミングが変動しうる「変動タイプ」とすることができる。
(ケース3:図7の上段)
図7に示すケース3は、所定の時間幅L1以上にわたり演出ボタンが押圧操作された場合を、「長押し」がされた判断する条件(特定操作条件)としている。図7は、上記変動タイプにおける諸動作を示すタイミングチャートである。
なお図7〜図8において説明するケース3〜ケース8において、図6で説明したケース1、2の固定タイプに関する諸動作と実質的に同一の内容については同一符号を付し、その説明は重複記載を避けるために適宜省略する。またケース3〜ケース8の説明において、説明の便宜のために、長押し指示の押圧指示演出140を‘押圧指示演出「長押し」’、離せ指示の押圧解除指示演出156を‘押圧解除指示演出「離せ」’、押せ指示の押圧指示演出182を‘押圧指示演出「押せ」’と称して説明する。
図7のケース3は、図6のケース1の場合と同じく、押圧指示演出「長押し」の後に、押圧解除指示演出「離せ」を画面表示する場合における諸動作を示すタイミングチャートである。図6のケース1の場合、判定タイミングが時刻t5に固定されているため、押圧指示演出「長押し」や押圧解除指示演出「離せ」の現出期間がそれぞれ時刻t3〜t5、t5〜t6(押圧が解除されるまでの時刻)と決まっているのに対し、ケース3の場合、演出ボタンの操作開始タイミングに応じて、指示内容に従う長押しがされたとする判定タイミングが変動するため、押圧指示演出「長押し」や押圧解除指示演出「離せ」の現出期間が定まっていない、つまり現出期間も変動しうる。
このケース3では、時刻t3で開始された押圧指示演出「長押し」を見て、時刻tgで遊技者が押圧操作(ON動作)を開始する。押圧操作が長押しであった場合は、結果的に、押圧操作している状態で長押しとみなす時間L1が経過する。押圧操作時間を監視しているタイマが、この長押しとみなす時間L1の経過点を計時したときは(時刻th)、この時点で判定フラグとして「判定フラグA」が設定される。つまりケース3の判定タイミングは、押圧操作が長押しとみなす時間幅L1以上続けられたという特定操作条件を満たした時点となっている。時刻t3から開始される押圧指示演出「長押し」は、これ以上現出させておく必要がないので時刻thで終了となる。なおケース1の場合と同様、長押し期間(時刻tg〜th)において、操作開始後演出であるエネルギー充填演出143が現出される。
そして、時刻thにおいて、押圧解除指示演出として「離せ」のメッセージが表示される。この押圧解除指示演出「離せ」は、遊技者が時刻tmで押圧操作を止めた時点(ボタン検出信号のON→OFFへの切り替わり(OFFエッジ))を契機に終了する。しかし図7中に点線で示唆するように、時刻thから演出ボタン監視期間TYが終了するまでの時刻t6まで、押圧解除指示演出「離せ」を現出させておいてもよい。また時刻tm以降は、演出ボタンを監視する必要がないため、制御負担軽減のために、演出ボタン監視期間TYを強制的に終了させることが好ましい。
遊技者が演出ボタンから手を離し押圧解除した時刻tmにおいて押圧解除のOFFエッジが検出されたことを契機に、電磁誘導砲演出159(操作終了後演出)が現出し、時刻t6まで継続する。時刻t6(正確には、時刻t6を超えた時点)からは、ケース1の場合と同様に、第1結果演出が現出され、時刻t2から開始された特定リーチの一連の演出が時刻t7において終了する。このように図7のケース3では、演出ボタン監視期間TYよりも長押しとみなす時間幅L1が「TY>L1」の関係にあり、演出ボタン監視期間TY内であれば長押しとみなす時間幅L1の終端(判定タイミング)がどの時刻に来ても良く、この意味で判定タイミングは変動する。
(ケース4:図7の下段)
図7のケース4は、ケース3の場合と同じく、遊技者が長押しを行った場合における諸動作を示すタイミングチャートである。ただしケース4は、長押しを行った時間は長押しとみなす時間幅L1以上ではなく、時刻tnから押圧操作を行い、時刻tpで押圧操作を終了したことで、長押しとみなす時間幅L1よりも短い期間しか押圧操作を行っていないケース(途中で操作を止めたケース)となっており、この点でケース4はケース3と異なる。
時刻tnから押圧操作を開始した場合、少なくとも時刻tqまで継続すると、時間幅L1以上となって長押しの条件(長押し要求条件)を満たすところ、その手前の時刻tpで押圧操作(長押し)を止めてしまっている。このため、時刻tqより前の時刻tpから演出ボタン監視期間TYの終了時刻t6まで非押圧操作となっており、判定タイミングは、演出ボタン監視期間TY中において到来しない。よってケース4の場合、演出ボタン監視期間TY中において、押圧指示演出の「長押し」メッセージだけが最初から最後まで(時刻t3〜t6まで)表示されたまま演出ボタン監視期間TYが終了してしまい、「離せ」のメッセージが表示がされることなく、エネルギー充填演出が終了される。そこで「長押し」メッセージが表示されたまま演出ボタン監視期間TYが終了してしまう点を考慮し、あえて「離せ」や「押せ」のメッセージを何ら表示させずに、時刻t6の到来を契機に、時刻t6超〜時刻t7まで、所定の結果演出を現出させる構成としている。ここでは、長押しの条件を満たさなかった場合に対応する専用の結果演出を現出させる。専用の演出としては、たとえば、電磁誘導砲発射演出と第1結果演出とを含む演出(図10(6)〜(8))や、助っ人登場演出と第2結果演出(図12(6)〜(8))とを含む演出や、これら演出とは異なる演出(少なくとも結果演出を含む演出)などとすることができる。
(変動タイプの変形例:図8)
ケース1、2では、判定タイミングが固定タイプ、ケース3、4では変動タイプ、という2つのタイプを説明した。しかし本発明はこれに限らず、これら2タイプの特徴を併せ持ったタイプ(以下、「固定・変動タイプ」と称する)とすることができる。この固定・変動タイプの構成は、長押しの条件が満たされた時刻を第1の判定タイミング(この判定タイミングは変動しうる)として、押圧解除指示演出「離せ」を現出させる。一方、長押しの条件が満たされない状態で、特定の時刻txが到来した場合、この時刻txを第2の判定タイミング(固定の判定タイミング)として、時刻txにおける演出ボタンの操作状況に応じた指示演出、具体的には、遊技者が演出ボタンを押していれば(押圧操作中)押圧解除指示演出「離せ」を現出し、遊技者が演出ボタンを押していなければ(非押圧操作中)押圧指示演出「押せ」を現出させる構成となっている。これにより、演出上の不自然さが生じないようにすることができる。
したがって、この固定・変動タイプの場合、時刻txが到来するまでは、長押しをみたすタイミングが変動しうる。時刻txは、演出ボタン監視期間TYが開始されてから長押し条件が満たされる時間幅(L4)の時刻直後の時刻tx1以上であり、演出ボタン監視期間TYが終了(時刻t6)直前の時刻tx2以下である必要がある。
図8を参照し、長押しの条件が満たされる時間幅をL4とし、上段の2つのケース5、6は、固定判定タイミングを時刻tx1(t3+L4超)と設定した場合を扱い、下段の2つのケース7、8は、固定判定タイミングを時刻tx2(t3+TY未満)とし、演出ボタン監視期間TYの終了前に、押圧解除指示演出「離せ」または押圧指示演出「押せ」を現出させるための余裕時間幅(tx2〜t6)を設定した場合を扱っている。
図8のケース5は、時刻t3において、押圧指示演出「長押し」が開始され、遊技者がこれに応えて、押圧操作を直ちに開始する場合を扱っている。具体的には、時刻t3から継続して行われた押圧操作が少なくとも時刻tz1まで行われ、この時刻tz1を以って長押しの条件(時間幅L4以上にわたり押圧操作を行ったこと)を満たしたケースである。このケース5では、時刻tz1が長押しされたとみなされる判定タイミングとなり、図7で示す時刻thの判定タイミング(第1の判定タイミング)に相当する。そして、この時刻tz1の判定タイミングにおいて「判定フラグA」が設定され、押圧解除指示演出「離せ」が、最長、演出ボタン監視期間TYの終了(時刻t6)まで行われる。押圧解除指示演出「離せ」は、演出ボタンが離される(OFFエッジ検出)まで継続され、演出ボタンを離したことを契機に、電磁誘導砲演出(操作終了後演出)が現出されることになる。ただし、遊技者が「離せ」の指示に応えずに時刻t6まで長押しをしていた場合は、時刻t6の到来を契機に、電磁誘導砲演出を現出させる。
なお固定タイミングである時刻tx1については、演出ボタン監視期間TYが終了(時刻t6)するまでに、押圧解除指示演出「離せ」を現出させる余裕時間幅(たとえば、3秒)が確保されるように、適宜設定される。また演出ボタン監視期間TY内に演出ボタンを離した後は、それ以上演出ボタンを監視する必要がないため、制御負担軽減のために、演出ボタン監視期間TYを強制的に終了させることが好ましい。
ケース6は、時刻t3よりも遅い時刻tz2に、遊技者により押圧操作が開始される場合を扱っている。ケース6では、時刻tz2から継続して押圧操作が行われるが、時間幅L4を満たす前に、固定判定タイミングである時刻tx1が到来している。すなわち、長押しの判定タイミングがケース5のように時刻tx1より前の時刻tz1ではなく、固定判定タイミングである時刻tx1までずれ込んでいる。ケース6では、時刻tx1までの押圧時間は時間幅L5であり時間幅L4より短いが(L5<L4)、時刻tx1では、演出ボタンが押圧操作中(ON状態)であるため、結果的には、ケース6と同様に、押圧解除指示演出「離せ」が現出される。押圧解除指示演出「離せ」は、最長、演出ボタン監視期間TYの終了まで行われ、演出ボタンを離したことを契機に、電磁誘導砲演出(操作終了後演出)が現出されることになる。
なお上記ケース5とケース6では、時刻tx1において長押し中、つまり演出ボタンが押圧操作中のケースについて扱っているが、時刻tx1において、演出ボタンが非押圧操作中である場合には、演出上の不自然さを無くすために、押圧指示演出「押せ」を現出させる。押圧指示演出「押せ」は、最長、演出ボタン監視期間TYの終了(時刻t6)まで行われ、演出ボタンが押されたことを契機に(ONエッジ検出)、助っ人登場演出(押圧開始後演出)を現出させる。
ケース7は、固定判定タイミングが時刻tx1ではなく、それよりも遅れた時刻tx2としたものを扱っており、押圧解除指示演出「離せ」を現出させる余裕時間幅ts(たとえば、3秒)が確保するための限界時間を時刻tx2に定めたケースを扱っている。
時刻tx2以前に長押しの条件を満たした場合には、そのタイミングにて、ケース5と同様に、押圧解除指示演出「離せ」を現出させる。一方、時刻tx2到来までに長押し条件を満たしていない場合は、ケース6と同様に、時刻tx2の到来を契機に押圧解除指示演出「離せ」を現出させる。このときの押圧解除指示演出「離せ」は、最長、演出ボタン監視期間TYの終了まで行われ、演出ボタンを押したことを契機に終了される。
また図示のように、遊技者が「離せ」の指示に応えずに長押しをし続け、時刻tz4で演出ボタンを離した場合には(時刻tx2<演出ボタンを離した時刻tz4<時刻t6の場合)、演出ボタンを離したこと(OFFエッジ検出)を契機に電磁誘導砲演出を現出させる。演出ボタン監視期間TYの終了時刻t6が到来しても長押しをしていた場合は、演出ボタンを離してなくとも、演出ボタン監視期間TYの終了時刻t6の到来を契機に、電磁誘導砲演出を現出させる。
ケース8は、時刻tx2で押圧指示演出「押せ」が現出されるケースを扱っている。たとえば、押圧操作が全く行われていなかった場合や、時刻tx2よりも前に遊技者により演出ボタンに対する押圧操作が行われていたが、時刻tx2が到来した時点で演出ボタンが非押圧操作(OFF状態)の場合である。このようなケースでは、時刻tx2が到来を契機に、ケース2と同じく、押圧指示演出「押せ」を現出する。このときの押圧指示演出「押せ」は、最長、演出ボタン監視期間TYの終了まで行われ、演出ボタンを押したことを契機に終了される。時刻tx2から演出ボタン監視期間TYの終了時刻t6までの間に、遊技者が演出ボタンを押した場合には、押圧操作(ONエッジ検出)を契機に、助っ人登場演出を現出させ、演出ボタン監視期間TYの終了時刻t6が到来しても演出ボタンを押してない場合には、演出ボタンを押してなくとも、演出ボタン監視期間TYの終了時刻t6が到来を契機に、助っ人登場演出を現出させる。
なお上記ケース1〜8において、押圧解除指示演出「離せ」と押圧指示演出「押せ」とで、それぞれ異なる結果演出(電磁誘導砲演出、助っ人登場演出)を現出させているが、押圧解除指示演出「離せ」と押圧指示演出「押せ」とで同じ結果演出(たとえば、双方ともに電磁誘導砲演出)を現出させてもよい。またその演出内容は適宜定めることができる。また、ミッション提示時における長押し指示などの特定操作指示に従って遊技者が演出ボタンを操作した場合と、そうでない場合とで、異なる結果演出を現出させてもよい。たとえば、遊技者がしっかり長押しをしていた場合(長押しの条件を満たす場合)には電磁誘導砲演出を現出させ、遊技者が長押しをしていない場合(長押しの条件を満たさない場合)には助っ人登場演出を現出させることができる。また押圧解除指示演出「離せ」や押圧指示「押せ」に対して遊技者が指示された操作を行わなかった場合、所定時間(ケース1、2の場合は時刻t5、ケース3〜8の場合は時刻t6)経過後、演出ボタンの操作にかかわらず結果演出を現出させることができる。また上述の「離せ指示」や「押せ指示」に対して遊技者が指示された操作に従わない場合に対応する専用の結果演出を現出させてもよい。この場合、「離せ指示」に従わない場合に対応した演出と「押せ指示」に従わない場合とで、同じ結果演出を現出させてもよいし、異なる結果演出を現出させてもよい。
<6.演出制御部側の処理>
次に、本実施形態の演出制御部24側における演出制御処理について説明する。
(特定リーチ演出制御処理:図14)
図14に、特定リーチ演出制御処理のフローチャートを示す。ここでは、主に、ケース1、2における特定リーチ演出に係る遊技者操作型演出の演出処理について説明する。
図14を参照して、演出制御部24は、まず特定リーチ演出130の開始時(時刻t2)が到来したか否かを判定し(ステップS100)、到来した場合(YES)、特定リーチ演出開始時処理(ステップS102:図15)を実行する。
特定リーチ演出の開始時ではない場合(ステップS100:NO)、第1操作無効期間が終了(時刻t3)したか否かを判定し(ステップS104)、終了時である場合(YES)、第1操作無効期間終了時処理(ステップS106:図16)を実行する。第1操作無効期間は、遊技者により演出ボタンに対して何らかの操作があったとしても、その操作を無効とする期間であり、操作内容に応じて演出が変化することはない期間となっている。この第1操作無効期間は特定リーチ演出が開始される時刻t2〜t3に設定されるものである。また、同様に、特定リーチ演出の終盤(時刻t6〜t7)には、第2操作無効期間が設定され、遊技者による演出ボタンに対する操作を無効にしている。
一方、第1操作無効期間終了時ではない場合(ステップS104:NO)、第1期間TY1中(時刻t3〜t5)であるか否かを判定し(ステップS108)、第1期間中である場合には(ステップS108:YES)、第1期間中処理(ステップS110:図17)を実行し、ステップS112の判定処理に進む。第1期間中でない場合には(ステップS108:NO)、何もせずにステップS112の判定処理に進む。
ステップS112では、判定タイミングが到来したか否かを判定し(ステップS112)、判定タイミングが到来した場合には(ステップS112:YES)、判定タイミング時処理(ステップS114:図18)を実行し、ステップS116の判定処理に進む。判定タイミングが到来していない場合には(ステップS108:NO)、何もせずにステップS116の判定処理に進む。
ステップS116では、第1期間TY1が終了したか否かを判定し(ステップS116)、第1期間TY1が終了した場合には(ステップS116:YES)、第1期間終了時処理(ステップS118::図19)を実行し、ステップS120の判定処理に進む。第1期間TY1が終了していない場合には(ステップS116:NO)、何もせずにステップS120の判定処理に進む。
ステップS120では、第2期間TY2中であるか否かを判定し(ステップS120)、第2期間TY2中である場合には(ステップS120:YES)、第2期間中処理(ステップS122::図21)を実行し、ステップS124の判定処理に進む。第2期間TY2中ではない場合には(ステップS120:NO)、何もせずにステップS124の判定処理に進む。
ステップS124では、演出ボタン監視期間TYが終了したか否かを判定し(ステップS124)、演出ボタン監視期間TYが終了した場合には(ステップS124:YES)、演出ボタン監視期間終了時処理(ステップS126:図22)を実行し、特定リーチ演出制御処理を終了する。演出ボタン監視期間TYが終了していない場合(ステップS124:NO)、何もせずに、特定リーチ演出制御処理を終了する。
(特定リーチ演出開始時処理(図14のステップS102):図15)
まず、タイトル演出134(図9(1))の現出を開始する(ステップS200)。次いで、第1操作無効期間(時刻t2〜t3)のタイマをセットする(ステップS202)。第1操作無効期間のタイマには、タイトル演出134の時間幅(たとえば、5秒)がセットされる。これにより、この特定リーチ演出開始時処理を終了して、上記特定リーチ演出制御処理に戻る。
(第1操作無効期間終了時処理(図14のステップS106):図16)
まず、押圧指示演出(図9(2))の現出を開始する(ステップS210)。次いで、演出ボタン監視期間TYのタイマ、第1期間TY1のタイマ、演出ボタン監視期間開始から判定タイミングまでの期間(時刻t3〜t4)のタイマをそれぞれセットする(ステップS212、S214、S216)。第1期間TY1のタイマには10秒、演出ボタン監視期間TYのタイマには20秒、判定タイミングのタイマには第1期間TY1と同じタイマまたはその直前まで(2ms前)の期間がそれぞれセットされる。
次いで、長押しカウンタ値をクリアする(ステップS218)。この長押しカウンタ値は、後述する第1期間中処理(図17)において用いられるフラグ値であり、演出ボタン13に対する押圧操作期間、すなわち演出ボタン13の操作状況をサンプリングした検出信号(操作信号)がON状態(ON信号)で保持されている期間を測定するために用いるものである。ここで、演出ボタン(13、66)は、非操作状態であるときにはローレベル信号(OFF信号)を出力し、操作状態であるときにはハイレベル信号(ON信号)を出力している。このような出力信号は、演出制御部24の所定のタイマ割込処理において監視され、割込み時間毎にサンプリングされる。上記「演出ボタン13の操作状況をサンプリングした検出信号(操作信号)」は、演出制御部24が演出ボタン13からの出力信号に基づいて、タイマ割込処理においてサンプリングされた信号を言う。この検出信号により、演出ボタン13に対して単なる押圧操作、連打操作、長期間にわたる押圧操作(長押し操作)、手を離す操作がなされたかを判断可能となっている。たとえば、所定時間ON状態でなければ、長押しでなく、単発押しであると判断する等である。本実施形態では、後述するように特定リーチ演出制御処理における演出ボタンに関する一処理において、現時点(今回)の検出信号や前回の処理時点(2ms前の特定リーチ演出制御処理)の検出信号がON状態であるか否かを確認することで、単なる押圧操作、連打操作、長押し操作、手を離す操作がなされたか否かを判定している。
(第1期間中処理(図14のステップS110):図17)
まず、演出ボタン13の検出信号について、前回と今回の検出信号が双方ともON信号であるか否かを判定する(ステップS230)。すなわち、演出ボタン13が押圧されたON状態で保持されているか否かを判定する。前回の検出信号は、タイマ割込毎に行われる特定リーチ演出制御処理において、1回前のタイマ割込時(2ms前)検出された演出ボタン13の検出信号を言い、今回の検出信号は、ステップS230における検出信号(現時点の検出信号)である。この判定の結果、検出信号について前回がON信号であり、かつ今回もON信号である場合(ステップS230:YES)、長押しカウンタ値を1加算する(ステップS232)。一方、検出信号について前回がON信号であり、かつ今回もON信号でない場合(ステップS230:NO)、長押しカウンタ値をクリア(0にリセット)する(ステップS231)。
次いで、1加算した後の長押しカウンタ値が最小規定値以上であるか否かを判定する(ステップS234)。ここで、最小規定値とは、単なる押圧と長押しを識別するために用いる値であり、たとえば0.5秒以上押圧することを単なる押圧ではなく長押しと識別条件とした場合、この特定リーチ演出制御処理が割込処理(2ms)中に含まれる一つの処理であるとすると最小規定値は250となる。したがって、このステップS234は、単なる押圧ではなく、長押しが行われているか否かを判定することを意味している。判定の結果、長押しが行われている場合(ステップS234:YES)、操作開始後演出143(エネルギー充填演出)(図9(3))を現出する(ステップS236)。ここで、エネルギー充填演出143の現出について、これまでの演出内容を進行させる形態、具体的に図9(3)に示す兵器画像139の内部の青色で塗りつぶす表示領域を増大させる演出内容で現出するようになっている。
一方、長押しが行われていない場合(ステップS234:NO)、この第1期間中処理を抜ける。なお、長押しが行われていない場合(ステップS231の後を含める)、エネルギー充填演出143の演出内容を後退させる形態(エネルギー充填率を減少させる形態)、具体的には、図9(3)に示す兵器画像139の内部の青色で塗りつぶす表示領域が減少していく様を表現した演出を現出させる。これにより、長時間(5秒以上)にわたり長押しを行った結果、エネルギー充填率が100%になった場合であっても、遊技者が演出ボタン13から手を離すことを防止することができ、判定タイミング時(時刻t4)に押圧状態のまま保持することができる。以上の処理を終了すると、この第1期間中処理を終了して、上記特定リーチ演出制御処理に戻る。
(判定タイミング到来時処理(図14のステップS114):図18)
図18において、演出制御部24は、まず、今回の演出ボタン13の検出信号がON信号であるか否かを判定する(ステップS240)。ON信号である場合(ステップS240:YES)、判定フラグAをセットし(ステップS242)、OFF信号である場合(ステップS40:NO)、判定フラグBをセットする。これにより、この判定タイミング到来時処理を終了して、上記特定リーチ演出制御処理に戻る。
(第1期間終了時処理(図14のステップS118):図19)
まず、長押しフラグAであるか否かを判定し(ステップS250)、長押しフラグAである場合(YES)、第2期間TY2に遊技者に促す演出として押圧解除指示演出156(「離せ!」メッセージ)(図10(5))の現出を開始する(ステップS252)。一方、判定フラグBである場合(ステップS250:NO)、押圧指示演出182(「押せ!」メッセージ)(図12(5))の現出を開始する(ステップS254)。
次いで、第2期間TY2のタイマをセットする(ステップS256)。このタイマとして、たとえば10秒がセットされる。次いで、第2期間TY2中において監視対象とする演出ボタン13の検出信号の設定を切替える切替処理(ステップS260:図20)を実行する。なお、この切替処理は、第1期間TY1の判定タイミング時(時刻t4)における監視対象の検出信号の設定も行っており、後述する演出ボタン監視期間終了時処理(図22)において実行するようになっている。
この第1期間終了時処理により、第1期間TY1終了時(時刻t5)に演出ボタン13が押圧されたON状態にある場合、第2期間TY2中に「離せ!」というメッセージを表示し、遊技者に演出ボタン13から手を離すことを促す。一方、第1期間終了時(時刻t5)に演出ボタン13が押圧されていないOFF状態(手が離されている状態)にある場合、第2期間TY2中に「押せ!」というメッセージを表示し、遊技者に演出ボタン13を押圧することを促す。以上の処理を終了すると、この第1期間終了時処理を終了して、上記特定リーチ演出制御処理に戻る。
(切替処理:図20)
まず、第1期間TY1の終了時(時刻t5)であるか否かを判定する(ステップS261)。第1期間TY1終了時である場合(YES)、判定フラグAであるか否かを判定し(ステップS263)、判定フラグAである場合(YES)、第2期間TY2に監視する演出ボタン13の検出信号をOFFエッジに設定する(ステップS265)。OFFエッジは、前回の検出信号がON信号であり、今回の検出信号がOFF信号である場合の検出信号を言い、遊技者が演出ボタン13を押圧した状態から手を離した直後に成立する検出信号である。一方、判定フラグBである場合(ステップS263:NO)、第2期間TY2に監視する演出ボタン13の検出信号をONエッジに設定する(ステップS267)。ONエッジは、前回の検出信号がOFF信号であり、今回の検出信号がON信号である場合の検出信号を言い、遊技者が演出ボタン13から手を離した状態から押圧した直後に成立する検出信号である。
また、第1期間TY1終了時ではない場合(ステップS261:NO)、つまり演出ボタン監視期間TY終了時(時刻t6)である場合、判定タイミング時に監視する演出ボタン13の検出信号をON信号に設定する(ステップS269)。以上の処理を終了すると、この切替処理を終了して、上記第1期間終了時処理(または下記演出ボタン監視期間終了時処理)に戻る。
この切替処理により、第1期間TY1に長押しがなされ(判定タイミング時に押圧状態であり)、第2期間TY2に「離せ!」というメッセージを表示している際に、演出ボタン13の監視対象の検出信号をOFFエッジに切替え設定し、反対に、第1期間TY1に長押しがなされず(判定タイミング時に非操作状態であり)、第2期間TY2に「押せ!」というメッセージを表示している際に、演出ボタン13の監視対象の検出信号をONエッジに切替え設定する構成となっている。
(変形例における切替処理の処理内容について)
なお、この切替処理では、ステップS265、S267、S269について、監視対象とする検出信号の内容を適宜変更することができる。つまり、第1期間TY1に促す第1操作、その第1操作がなされた場合における第2期間TY2に促す第2操作、および第1操作がなされなかった場合における第2期間TY2に促す第3操作をそれぞれ所定の操作内容で適宜組み合わせて設定することができる。たとえば、第1操作として連打、第2操作として長押し、第3操作として1回の押圧といった操作を促す場合、ステップS265を前回と今回の検出信号がON状態であること、ステップS267を検出信号がONエッジであること、ステップS269を検出信号がONエッジであること、というように監視対象の内容を変更することができる。このような場合は、第1期間中処理内において、連打回数(ONエッジの検出回数)をカウントしたり、第2期間中処理内において、長押しとみなす時間幅をカウントするための処理を適宜追加すればよい。
(第2期間中処理(図14のステップS122):図21)
まず、演出ボタン13の検出信号が、切替処理(図20)において設定された検出信号であるか否かを判定する(ステップS270)。具体的には、判定フラグAに基づき第2期間TY2における監視対象としての検出信号がOFFエッジに設定されている場合、今回の検出信号がOFFエッジ(前回がON、今回がOFF)であるか否かを判定する。または、判定フラグBに基づき第2期間TY2における監視対象としての検出信号がONエッジに設定されている場合、今回の検出信号がONエッジ(前回がOFF、今回がON)であるか否かを判定する。判定結果がNOの場合、この第2期間中処理を抜けるのに対し、YESの場合、判定フラグAがセットされているか否かを判定する(ステップS272)。判定フラグAである場合(ステップS272:YES)、押圧解除指示演出156の現出を終了し(ステップS274)、操作終了後演出(電磁誘導砲演出)159(図10(6))の現出を開始する(ステップS276)。判定フラグBである場合(ステップS272:NO)、押圧指示演出182の現出を終了し(ステップS278)、操作開始後演出(助っ人演出)185(図12(6))の現出を開始する(ステップS280)。
操作終了後演出159または操作開始後演出182の現出が開始されると、次いで、第2期間TY2のタイマカウントを終了する(ステップS282)。これにより、第2期間TY2は終了し、今後この第2期間中処理(図14のステップS122)が実行されることはなく、演出ボタン監視期間TYが終了するまで(時刻t6)、特定リーチ演出制御内(図14)で何ら処理は行われない。つまり、第2期間TY2中に、演出ボタンに対して操作が行われたとしても、その操作は無効とされ、その操作に応じて演出が変化するようなことはない。以上の処理を終了すると、この第2期間中処理を終了して、上記特定リーチ演出制御処理に戻る。
(演出ボタン監視期間終了時処理(図14のステップS126):図22)
まず、判定フラグの種類、および第2期間TY2中に監視対象として設定された検出信号の有無を判定し(ステップS290)、判定結果に基づいて、S292〜S298の処理を行う。
ステップS290の判定結果が、判定フラグAであり、かつ検出信号がOFFエッジである場合、第1結果演出172(図10(3)、(4))の現出を開始する(ステップS292)。判定フラグBであり、かつ検出信号がONエッジである場合、第2結果演出187(図12(3)、(4))の現出を開始する(ステップS294)。判定フラグAであり、かつ検出信号がOFFエッジではない場合、第3結果演出の現出を開始する(ステップS296)。判定フラグBであり、かつ検出信号がONエッジではない場合、第4結果演出の現出を開始する(ステップS298)。
第3結果演出が現出される場合は、演出ボタン監視期間TYが終了するまで演出ボタンに対して長押しを継続している状態を言い、上記第1結果演出(図10)や第2結果演出(図12)とは異なる演出を現出させるケースを示している。第3結果演出としては、たとえば、操作終了後演出(図10(2))と第1結果演出(図10(3)(4))を混合した演出内容とすることができる。たとえば、第3結果演出の現出が開始されると、エネルギー100%の電磁誘導波が円盤に向かって電磁誘導砲から発射された後、大当り時には円盤が爆発して「大当り」と表示され、ハズレ時には円盤が電磁誘導波を避けて「残念」と表示される演出内容等である。また、第4結果演出が現出される場合は、演出ボタン監視期間TYが終了するまで演出ボタンが一度も押圧されない場合を言う。このような場合の演出内容は、たとえば、大当り時には円盤から宇宙人が下りてきて、人類と宇宙人による友好的な対話(第5次接近遭遇)が行われて「大当り」と表示され、ハズレ時には円盤の大群が登場し敵対攻撃を受け「残念」と表示される演出内容になっている。
次いで、第2操作無効期間(時刻t6〜t7)のタイマをセットする(ステップS300)。この第2操作無効期間のタイマには変動が終了するまでの時間がセットされる。そして、切替処理(ステップS302:図20)において、判定タイミング時に監視する演出ボタン13の検出信号をON信号に設定し(ステップS269)、この演出ボタン監視期間終了時処理を終了して、上記特定リーチ演出制御処理に戻る。
以上に説明した特定リーチ演出の現出に関する制御処理は、判定タイミングが時刻t4に固定されているタイプ(図6)の制御処理であり、長押しとみなす時間幅L1に到達する時刻thが判定タイミングとなる変動するタイプ(図7)のものとは異なる。具体的に、変動タイプの場合、判定タイミングに関する処理(図14のステップS112、S114、図16のステップS216)が必要なく、第1期間のタイマをセットする処理(図16のステップS214)では、演出ボタン監視期間TYと同一の時間がセットされる。他にも、以下で説明する第1期間中処理、第1期間終了時処理、切替処理の内容が異なっている。以下、固定タイプの制御処理と同一の処理内容については、同一のステップ番号を付し、その説明は重複記載を避けるために適宜省略する。
(第1期間中処理(判定タイミングが変動タイプの場合):図23)
図17に示した判定タイミングが固定タイプの場合に対し、変動タイプの場合には、演出ボタンに対して押圧操作期間が5秒以上であるか否かを判定する処理(長押し条件判定処理)と、その判定結果が是である場合の処理が新たに追加される点で異なる。なお、ステップS230〜S234、およびS236については固定タイプの場合と同一である。
図23を参照して、1加算した後の長押しカウンタ値が最小規定値(0.5秒に対応する値(250))以上である場合(ステップS234:YES)、長押し累計カウンタ値を1加算し(ステップS235)、操作開始後演出(エネルギー充填演出)(図9(3))を現出する(ステップS236)。この長押し累計カウンタ値は、演出ボタンに対して押圧を保持している累計時間を示す値であり、手を離している時間についてはカウントせずに、0.5秒以上の押圧操作を行ったトータルの時間に対応する値である。
次いで、1加算した後の長押し累計カウンタ値が最大規定値(長押しとみなす時間幅L1(5秒)に対応する値(2500))以上であるか否かを判定する(ステップS237)。最大規定値以上である場合(YES)、つまりトータル5秒間の長押しを行った場合、判定フラグAをセットし(ステップS238)、第1期間のタイマのカウントを終了する(ステップS239)。つまり、判定フラグAがセットされたタイマ割込み処理が行われた時刻が、長押しとみなす時間幅L1を満たした時刻であり、判定タイミング(図7の時刻th)に対応することとなる。
一方、長押し累計カウンタ値が最大規定値よりも小さい場合(ステップS237:NO)、つまり未だ長押しのトータル時間が5秒間に満たない場合、この第1期間中処理を抜ける。ここで、判定タイミングが固定ではないため、第1期間のタイマ値は演出ボタン監視期間TYのタイマ値と同一値がセットされていたことから、トータル5秒間の長押しを行っていない場合、演出ボタン監視期間TYが終了するまで、この第1期間中処理を繰り返すことを意味する。
(第1期間終了時処理(判定タイミングが変動タイプの場合):図24)
判定タイミングが変動タイプの場合、演出ボタン監視期間TYが終了するまでトータル5秒以上の押圧操作が行われないと、その後、押圧指示演出は現出されない。このため、変動タイプの場合には、押圧指示演出の現出に関する処理が必要ない点で、固定タイプの場合(図19)と異なっている。
図24を参照して、まず、演出ボタン監視期間TYが終了したか否かを判定する(ステップS251)。この判定について、上記第1期間中処理(図23)において、トータル5秒間の押圧操作を行ったと判定された場合は、演出ボタン監視期間TYの終了前であるため、NOに進み、ステップS252〜S258(図19と同一の処理)を実行する。一方、トータル5秒間の押圧操作が行われずに演出ボタン監視期間TYが終了した場合は、YESに進み、判定フラグBをセットする(ステップS259)。また、この後に、固定タイプ(図19)の場合と異なり、第2期間のタイマをセットや切替処理(ステップS256、S258)を実行することなく、この第1期間終了時処理を終了して、上記特定リーチ演出制御処理に戻る。
(切替処理(判定タイミングが変動タイプの場合):図25)
判定タイミングが変動タイプの場合、第1期間中に長押しが5秒以上あるか否かを判定し、その後の第2期間中にOFFエッジが検出されたか否かを判定しており、演出ボタンの検出信号の監視対象が、固定タイプの場合(図20)と異なっている。そのため、図25に示すように、第1期間の終了時(時刻th)には、第2期間(時刻th〜t6)に監視する演出ボタン13の検出信号をOFFエッジに設定する処理のみを行う(ステップS265)。一方、演出ボタン監視期間終了時(時刻t6)である場合(ステップS261:NO)、第1期間に監視する演出ボタンの検出信号について、前回と今回の検出信号が双方ともON信号であることに設定する(ステップS268)。以上の処理を終了すると、この切替処理を終了して、上記第1期間終了時処理(または下記演出ボタン監視期間終了時処理)に戻る。
なお、上記図23〜図25の制御処理は、図7で説明した判定タイミングが変動タイプの場合に関するものであった。また、図8で説明した判定タイミングが固定タイプと変動タイプの双方の特徴を有するタイプの場合に関する制御処理については、上記で説明した各制御処理を適宜組合せたものとなっている。具体的には、図14〜図22の固定タイプの制御処理のうち、第1操作無効期間終了時処理(図16)について、第1期間TY1のタイマと判定タイミングのタイマを同時刻(時刻tx)にセットし、第1期間中処理(図17)について、変動タイプの第1期間中処理(図23)に変更する。そして、図14の判定リーチ演出制御処理において、時刻txが到来するまで(第1期間TY1中)に長押し条件が満たされれば、判定タイミング時処理(図18)(ステップS112:YES→ステップS114)を実行せずに、第1期間終了時処理(図19)(ステップS116:YES→ステップS118)を実行する。一方、長押し条件が満たされずに時刻txが到来すると(第1期間TY1終了時)、判定タイミング時処理(ステップS112:YES→ステップS114)を実行した後に、第1期間終了時処理(ステップS116:YES→ステップS118)を実行する。これにより、所定時間(5s)にわたる押圧操作が行われて長押し条件が満たされると「離せ」メッセージが表示され、一方、その長押し条件が満たされずに所定時間(時刻tx)が到来すると、その時点での操作内容が押圧操作中ではない場合には、「押せ」メッセージが表示され、押圧操作中である場合には、「離せ」メッセージが表示され、演出内容が切替えられるようになっている。また、演出内容の切替えと共に、後の第2期間TY2における監視対象についても上記と同様に切替えられるようになっている。
<7.変形例>
本実施形態では、演出ボタン監視期間TY中に演出ボタンに対する操作が行われた場合、その操作後の演出(エネルギー充填演出143、助っ人登場演出185、電磁誘導砲演出159など)として少なくとも画像表示演出を含む演出態様(画像表示演出、光演出、音演出)を利用しているが、可動体演出を利用してもよい。たとえば、第1期間TY1の「長押し」している期間中にエネルギー充填演出と共に、花型役物90を液晶表示装置36の右上の原点位置から左方向の限界位置に向けて徐々に(エネルギー充填度合いに合わせて)変位させる。そして、第2期間TY2に長押しを解除して演出ボタンから手を離すと、電磁誘導砲演出と共に、花型役物90を原点位置に戻す、という演出を現出させる。一方、第1期間TY1中に「長押し」していない場合、花型役物90を原点位置から変位させず、第2期間TY2において演出ボタンを押圧したとしても、原点位置のままという演出を現出させる。また可動体演出を利用して、操作指示内容を遊技者に提示してもよい。たとえば、花型役物90の動作態様について、判定フラグA時には第1可動体91を時計回りに回転させるのに対し、判定フラグB時には第1可動体91を反時計回りに回転させることができる。
また上記では、操作手段として枠演出ボタン13を用いた例について説明したが、枠演出ボタン13に限らず、方向キー75(75a〜75d)、トラックボール、ジョイスティック、ハンドル型コントローラなどの演出ボタンを採用してもよい。枠演出ボタン13の場合は、押圧状態(ON状態)と非押圧状態(OFF状態)の2つの状態を検出していたが、方向キー75やジョイスティックについては多方向操作(たとえば、4方向、8方向)、トラックボールについては回転操作などの操作が可能であるため、操作検出対象は多岐にわたる。このため、遊技者参加型演出における操作指示について、押圧系指示(1回の押圧(単発押し)、長押し、連打、リズム押し、押圧せずなどの指示)以外にも、トラックボールやハンドル型コントローラであれば回転操作(たとえば、時計回りに回転せよ)、方向キー75やジョイスティックであれば多方向入力操作(たとえば、上左下右の順に押せ)など、様々な指示を遊技者に与えることができ、操作指示演出を多彩なものとすることができる。
また遊技者参加型演出において、演出結果導出の際の操作指示内容を、今回の大当り抽選結果(今回の図柄変動表示ゲーム結果)に応じて異なる内容とすることができる。たとえば、ケース2の場合、非操作時に係る操作指示演出(押圧指示演出182)として、今回の大当り抽選結果にかかわらず「押せ」の操作指示を現出させている(図12(5)参照)。しかし、大当り抽選結果が第1の結果である場合(たとえば、4R確変大当り、10R確変大当り、またはハズレ当選の場合)には、1回の押圧指示(単発押し指示)を現出させ、大当り抽選結果が第2の結果(たとえば、16R確変大当り当選)である場合には、連打指示(複数回の押圧指示)を現出させることができる。この場合、特定の操作指示の出現により、特定の結果である可能性がある旨を報知する、といった構成とすることができる。ここでは、単発押し指示が出現すれば、大当りの当選期待度に関し、利益度合いが低い4R確変大当りまたは10R確変大当り当選であることが示唆され、連打指示が出現すれば、16R確変大当り当選が確定的に報知されることができる。またたとえば、図10(5)に示すような、「離せ」の操作指示演出(押圧解除指示演出156)を現出させるとき、大当り抽選結果が特定の結果(たとえば、16R確変大当り当選)である場合には、「離せ」ではなく異なる操作指示を現出させてもよい。たとえば、「離せ」ではなく「押せ」の操作指示をする。すなわち例外的に、演出上、不自然な(矛盾した)操作指示を行うことができる。また、今回の大当り抽選結果に応じて、操作指示内容の選択率を異ならせることができる。たとえば、大当り抽選結果が第1の結果の場合よりも第2の結果の方が、連打指示の出現率を高くすることができる。この場合、遊技者参加型演出の演出結果導出前において、操作指示の出現率の違いにより、今回のゲーム結果の推測要素を遊技者に与えることができる。
また上記演出結果導出の際の操作指示内容を、変動パターン振分指定番号(Tcode)種別に応じて異なる内容とすることができる。特に、上記CZ中のように特定の遊技状態(特定の変動パターン振分指定番号(Tcode))である場合または特定の内部遊技状態である場合に、遊技者参加型演出を現出させうる特定の変動パターンの選択確率を高くなるように構成し、結果的に、遊技者参加型演出の現出確率が高くなるように構成してもよい。この場合、CZ中のような内部遊技状態が秘匿される特殊な演出モード下において、遊技者参加型の演出を現出させ、操作指示内容により現在の遊技状態(「CZ(潜確)」であるか「CZ(通常)」であるか)を示唆して遊技者に推測要素を与えたり、現在の遊技状態を確定的に報知させたりすることができる。また演出モード種別に応じて、演出結果導出の際の操作指示内容を異なる内容としてもよく、演出のバリエーションを豊富なものとすることができる。
本発明の好ましい実施形態についてまとめると次のようになる。
(1)当り遊技を発生させるか否かに関する抽選を実行する抽選手段(主制御部20、大当り抽選(少なくとも当落抽選を含む抽選))と、
遊技者が操作可能な操作手段(枠演出ボタン13、方向キー75)と、
特定演出を含む演出を実行可能な演出手段(たとえば、液晶表示装置36等)と、
前記演出手段による演出を実行制御する演出制御手段(演出制御部24)と、
を備える遊技機であって、
前記演出制御手段は、
前記特定演出中(たとえば、遊技者参加型演出を含む予告演出(特定リーチ演出や疑似連や先読み予告など)中)における前記操作手段の操作を促す第1操作指示演出(たとえば、押圧指示(長押し指示)演出140)を実行制御する第1操作指示演出制御手段と、
前記特定演出中に、前記操作手段の操作を受け付ける操作有効期間(演出ボタン監視期間TY(TY1、TY2))を設定する操作有効期間設定手段と、
前記特定演出中に、前記第1操作指示演出とは異なる操作を促す第2操作指示演出(たとえば、押圧解除指示(離せ指示)演出156(または、押圧指示(押せ指示)演出182)を実行制御する第2操作指示演出制御手段と、
前記操作手段が操作された場合、特別演出(たとえば、操作終了後演出(電磁誘導砲演出)159(図10)、操作開始後演出(助っ人登場演出)185(図12)等)を実行制御する特別演出制御手段と、を備え、
前記第2操作指示演出制御手段は、
前記操作手段に対する操作が所定の操作条件を満たさない場合に、前記第2操作指示演出を実行しないように構成した、(たとえば、図6のケース1の時刻t5において枠演出ボタン13が押圧操作されていない(OFF状態)の場合に、押圧解除指示(離せ指示)演出156を実行しない(他のケースとして、図6〜図8のケース2〜8等が該当))
ことを特徴とする遊技機。
(2)前記所定の操作条件を満たさない場合に、前記第2操作指示演出とは異なる操作を促す第3操作指示演出(たとえば、押圧指示(押せ指示)演出182(または、押圧解除指示(離せ指示)演出156))を実行する第3操作指示演出制御手段をさらに備える、
ことを特徴する上記(1)に記載の遊技機。
(3)前記所定の操作条件は、前記操作有効期間中の所定のタイミングにおいて前記操作手段が操作中であることを条件とする(たとえば、図6のケース1の判定タイミングである時刻t5において枠演出ボタン13が押圧操作中(ON状態)であることを条件とする)、
ことを特徴する上記(1)または(2)に記載の遊技機。
(4)前記所定の操作条件は、前記操作有効期間中に前記操作手段が所定回数操作されたことを条件とする、(たとえば、操作有効期間中に、枠演出ボタン13が2回押圧操作された場合:「操作指示演出に関する変形例」)
ことを特徴する上記(1)または(2)に記載の遊技機。
上記「所定回数」は、少なくとも1回とすることができる。上記(4)の構成は、操作指示演出に関する変形例に対応した構成である。たとえば、図6のケース1において、演出ボタン監視期間TY1中に、枠演出ボタン13に対して押圧操作が2回されていない場合、連打を指示する操作指示演出(不図示)を実行しない(判定タイミングである時刻t5が到来しても、連打を指示する操作指示演出を実行しない。ここでの「第1操作指示演出」は上記2回押圧操作を指示する操作指示演出、「第2操作指示演出」は連打を指示する操作指示演出、「第3操作指示演出」は「さらに1回押せ」を指示する操作指示演出が該当する。
(5)前記特別演出制御手段は、
前記第2操作指示演出が実行される場合は前記操作手段が操作中から非操作中になったことを契機に特別演出を実行し、
前記第3操作指示演出が実行される場合は前記操作手段が非操作中から操作中になったことを契機に特別演出を実行するように構成された、
ことを特徴する上記(2)〜(4)のいずれかに記載の遊技機。
上記(5)の構成は、たとえば、図6のケース1において、押圧解除指示(離せ指示)演出156が実行される場合は枠演出ボタン13がON状態からOFF状態となったことを契機に(OFFエッジ検出を契機に)、特別演出(たとえば、操作終了後演出(電磁誘導砲演出)159)を実行し、押圧操作指示(押せ指示)演出182が実行される場合は枠演出ボタン13がOFF状態からON状態となったことを契機に(ONエッジ検出を契機に)、特別演出を実行する構成が該当する。
(6)前記特別演出には、第1特別演出(操作終了後演出159)と第2特別演出(操作開始後演出185)とが含まれ、
前記特別演出制御手段は、
前記第2操作指示演出が実行される場合は前記操作手段が操作中から非操作中になったことを契機に前記第1特別演出を実行し、
前記第3操作指示演出が実行される場合は前記操作手段が非操作中から操作中になったことを契機に前記第2特別演出を実行するように構成された、
ことを特徴する上記(2)〜(4)のいずれかに記載の遊技機。
(7)前記特別演出制御手段は、
前記所定の操作条件を満たさない場合に前記操作有効期間が終了したことを契機に特別演出を実行するように構成された、
ことを特徴する上記(1)〜(6)のいずれかに記載の遊技機。
上記(7)の構成は、たとえば、図6のケース1の時刻t5において枠演出ボタン13が押圧操作されていない(OFF状態)の場合(押圧解除指示(離せ指示)演出156が実行されていない場合)、演出ボタン監視期間TY1の終了(または演出ボタン監視期間TY2の開始)を契機に、操作終了後演出159を実行する構成が該当する。また図ケース4の時刻t6において、枠演出ボタン13が押圧操作されていない(OFF状態)の場合(押圧解除指示(離せ指示)演出156を実行されていない場合)、演出ボタン監視期間TYの終了を契機に、所定の結果演出を実行する構成が該当する。
以上に説明した各実施形態では、ある時点での操作手段の操作状況に応じた、適切な操作指示を遊技者に報知することができるので、操作手段を操作する際の演出的な不自然さがなく、遊技者に対して違和感を与えることがない。
<課題に対する別の解決手段:補足表示について>
ところで、遊技機における演出的な不自然さは、これまで説明したような操作指示と実際の操作手段の操作が一致しないということ以外にもいくつか想定される。
また、演出的な不自然さが発生するケースとしては、必ずしも操作手段の操作を伴う場面に限られるわけではない。たとえば、ケース1〜8では、表示する内容(ボタンを離せ)と操作する内容(ボタンを押す)との間の演出的不一致であったが、それ以外のケースとしては、補足表示(所定の演出に関連する情報)を表示する場合に、その具体性や表示位置次第では補足表示が何を指し示しているのか遊技者に伝わらず、かえって違和感や疑念を抱かせてしまうという演出的不自然さが想定される。
この点について、図26〜29を用いて、より具体的な課題とその解決策(ケース9、ケース10)について説明していく。
なお、抽選手段や演出選択手段などの遊技機の主要構成およびケース1〜8にて説明した演出内容と共通する部分については同一符号を付し、その説明は重複記載を避けるため適宜省略する。
図26における外枠(実線部)は液晶表示装置36を示しており、内部における各種領域は後述する特定演出(予告演出、リーチ演出など)や特定演出関連情報(テロップ、吹き出し表示など)、そして指標表示(引き出し線、矢印、指さし表示など)などが表示されるおおよその位置を表している。上述の「補足表示」とは、所定の演出を表示した場合に、この所定の演出の名称、種類、目的、達成度合い、操作方法などサポート的に行われる表示であり、その表示態様は文字、イラスト、ゲージなど少なくともサポート対象となる所定の演出と一部が関連しているものであり、便宜上、「特定(または通常)演出関連情報」と称する。
次に、図27を用いて、遊技者がわかりにくい(演出意図が遊技者に伝わりにくい)演出的不自然さの例について説明する。なお、説明の際に図柄変動におけるどのタイミングを表しているかは図6〜図8のタイムチャートを用いる。
まず、図27(A)および(B)はリーチ前(t0〜t1)の演出例である。表示物(表示画像)には、遊技球の発射方向を示す「発射方向示唆表示」として右上側に矢印で表示される「右打ち表示201」、特定遊技状態(たとえば確変中)において、基本的に常時略中央に「キャラクタA(通常演出A)」として表示される「宇宙人210」、一定割合(たとえば1/10)で同じく略中央(宇宙人210の上方)に「キャラクタB211(通常演出B)」として表示される「円盤211」、一定割合(たとえば1/30)で液晶画面の左辺中央部に「特定キャラクタA(特定演出A)」として小さく複数体表示される「レア宇宙人220」、一定割合(たとえば1/40)で中央上部(上辺近く)に色彩付きで小さく表示される「特定キャラクタB221(特定演出B)」としての赤円盤221がある。202は残り回数と獲得遊技球数のメッセージ表示である。
遊技機における特定演出(予告演出やリーチ演出など)は、基本的に抽選結果がハズレの場合と当りの場合とでそれぞれにおける選択割合が異なり、ハズレの場合と当りの場合それぞれの選択割合が同じである場合、当りとなる期待度が50%であると言える。同様に、ハズレの場合の選択率>当りの場合の選択率の場合は当りとなる期待度が50%より低く、ハズレの場合の選択率<当りの場合の選択率の場合は当りとなる期待度が50%より高いと言え、特定キャラクタAのレア宇宙人220や特定キャラクタBの赤円盤221は、後者の期待度が高い演出として設定されている。
しかしながら、当該遊技機を初めて遊技する者は、当然レア宇宙人220や赤円盤221が表示されたとしても、それが期待度が低い演出であるのか期待度が高い演出であるのかを推し量るのは困難である。その解決策として、特に期待度が高い演出が表示された場合は、それを強調するため、図27(B)に示すように、特定演出関連情報Aとして “レア宇宙人登場”のメッセージを持つテロップ230nや、“赤円盤が通過”のメッセージを持つテロップ231nを、内容が動的または静的に表される形態で表示することが考えられる。すなわち、レア宇宙人220が表示されたことに対して、特定演出関連情報として「レア宇宙人登場」というテロップ230nを表示する。このようにすると、期待度が高いのかもしれない、もしくは、少なくとも何かあるのかもしれない、という期待感を抱かせることが可能になる。
しかし、これだけでは、演出的不自然さの解消という点で未だ十分とは言えない。すなわち、特定演出関連情報230を対象物として特定演出を被対象物とした場合、対象物と被対象物の表示位置、表示タイミング、表示期間が適切でないと、遊技者に違和感を与えたり、疑念を抱かせたりしてしまうおそれがある。たとえば、図27(A)にてレア宇宙人220が表示され、図27(B)にてレア宇宙人220が非表示となった後に特定演出関連情報A230を表示しているが、遊技者は、液晶中央部の図柄変動(図示せず)に注目していることがあり、この場合には、レア宇宙人220を見逃してしまうことがある。すると遊技者は、「本当に今レア宇宙人が出たのか?」という疑念や、「レア宇宙人が出たのなら見たかった」という、残念といった感情を抱くおそれがある。最悪の場合、この演出的違和感に我慢できず、遊技をやめてしまうこともある。そこで、図28、図29に示すケース9、ケース10は、上述に挙げたような演出的不自然さ(違和感など)を解消し、ひいては遊技者の遊技意欲減退の防止しを図る。
(図28:ケース9の演出態様)
図28は、図27と同様に特定遊技状態(通常時、時短時、確変時、もしくは確変時における初回30回転など)における演出表示例を示している。この図28は、図27の場合と次の点で相違する。すなわち、特定演出が表示された場合に、(1)少なくともその特定演出が表示されている間に特定演出関連情報を表示する点、(2)少なくともその特定出が表示されている近傍に特定演出関連情報を表示する点、(3)特定演出関連情報を移動表示可能としている点、(4)通常演出と特定演出それぞれに対して関連情報を表示可能としている点、(5)通常演出関連情報と特定演出関連情報の表示期間が異なる点、(6)特定演出表示時と特定演出表示終了後とで特定演出関連情報の表示位置が異なる(変化する)点、(7)特定演出と特定演出関連情報との間に指標表示(矢印など)がある点、などである。
上記(1)(2)(3)について説明する。
液晶表示装置36の大型化や解像度の向上(たとえば1920×1080から3840×2160への移行など)、その他画像処理速度の向上などの要因により、液晶表示装置36で行われる演出量(表示される対象物の数)は年々増えている。遊技機において、予告演出は当りとなる期待度を示唆する上で重要な要素ではあるが、表示領域に表示されるものすべてが当り期待度を示唆しているわけではない。定期的(たとえば変動回数30回ごと)に背景画像(四季を示す画像)が春→夏→秋→冬→春、と切り替わるように設定されていることもある。そんな中、背景の切り替わりには当り期待度を示唆する役割はないものの、背景に応じた植物の状態変化(たとえば桜の木から桜が散るなど)には当り期待度を示唆する役割がある、などと設定されている場合もあり、当該遊技機を初めて遊技する者は表示領域のどこに目をやればいいのかわからない。
そこで上記(1)(2)(3)の如く構成する。すなわち、(1)特定演出を表示する場合、少なくともその特定演出が表示されている期間にわたり特定演出関連情報を表示する、(2)特定演出を表示する場合、少なくともその特定出が表示されている近傍に特定演出関連情報を表示する、(3)特定演出が表示された場合に、特定演出関連情報を移動表示可能にする。
上記(1)に従い、特定演出を表示している間(表示開始〜表示終了)に特定演出関連情報を表示することにより、少なくとも特定演出関連情報を表示した時点でもうすでに表示領域内で特定演出を確認できないといった状況は回避できる。
さらに上記(2)に従い、特定演出の表示位置近傍に特定演出関連情報を表示することにより、最低限の目線の移動範囲によって特定演出が確認できる。ここで「表示位置近傍」と言った場合、「特定演出」と「特定演出関連情報」の両者が、液晶表示画面の一辺(長辺と短辺の区別がある場合は長辺)の長さの半分以内の距離範囲に位置する関係を意味する。したがって両者の離間距離が、液晶表示画面の短辺の半分以内の距離である場合や、長辺または短辺の1/3以内または1/4以内の距離である場合、両者は「近傍にある」ことになる。しかし、両者が液晶画面の長辺の半分の長さ以上に離れて位置する場合や、画面の対角線上の両角隅に位置する場合は、両者が近傍になく、特定演出の確認が困難になる。
また特定演出の表示位置近傍に特定演出関連情報を表示することにより、特定演出の表示位置または特定演出関連情報の表示位置いずれか一方または両方で、特定演出に気付くことになると考えられる。しかし、さらにより高い効果を奏するために、特定演出関連情報(テロップ)自体を移動表示可能とすることが望ましい。
そこで上記(3)に従い、図28(A)で現出表示された特定キャラクタAの赤円盤221を、図28(B)に示すように、液晶画面の表示領域上部を左に向かって移動させ、最終的に表示領域または画面領域から出て行くように移動可能に構成する。このとき、特定演出関連情報Bとしてメッセージ“赤い円盤が通過!”のテロップ231も、一定の距離を保ったまま左に移動可能に構成する。
図28(B)の例では、特定キャラクタAの赤円盤221が直線的に移動しているため、特定演出関連情報Aのテロップ231も直線的に移動するようになっているが、必ずしもこれに限らない。赤円盤221が円運動を行いながら移動する場合に、その特定演出関連情報のテロップも同じく円運動をするように移動してもよいし、特定演出関連情報は移動方向に沿って最短距離を直線的に移動するようにしてもよい。その際は、およその移動方向がわかればよい。およその移動方向がわかれば遊技者がその移動先を予測可能となり、移動先を見ることによって特定演出を発見しやすくなるからである。
図28(A)では、通常演出と特定演出それぞれに対して関連情報を表示可能となっている。通常演出に対しては通常演出関連情報を表示し、特定演出に対しては特定演出関連情報を表示している。これにより、それぞれの演出の名称や役割などを遊技者に知らせつつ、その中でもやはり特に注目すべき特定演出は、表示位置や表示態様、表示タイミングや表示期間を異ならせ、遊技者が特定演出に気付きやすくしている。
図28(A)では、ほぼ中央に通常演出として通常キャラクタAの宇宙人210が現出し、その上方に通常キャラクタBの円盤211が現出した状態が表示されている。また特定演出として、液晶画面左辺の近傍に一部が露出する形で、3体のURレア宇宙人220が表示され、さらに、液晶画面の上辺近傍に、特定キャラクタBの赤円盤221が表示されている。そして、URレア宇宙人220、赤円盤221のそれぞれに対し、関連情報が図示する位置にて表示されている。関連情報にはアルファベット表記の「NR(ノーマルレア)」、「SR(スーパーレア)」、「UR(ウルトラレア)」のランクが用意されている。図28(A)では、円盤211に対し“NR:通常円盤が登場” のメッセージ250 、宇宙人210に対し“NR:通常宇宙人が登場” のメッセージ251、URレア宇宙人220に対し“UR:レア宇宙人登場” のメッセージ230、赤円盤221に対し“SR:赤い円盤が通過!”のメッセージ231を持つテロップが表示されている。なお、URレア宇宙人220と赤円盤221に対しては指差し図形が画像表示され、視覚的に対応関係が理解しやすくなっている。
上記のテロップ表示と指差し図形により、特定演出の発生ないし存在が分かり易くなる。またテロップの内容により、遊技者は視覚的にもレア度合がわかるようになっている。すなわち上記例では「NR<UR<SR」の順にレア度が高いことを示している。なお、レア度合いを示す表記はこれに限らず、数字や星(キャラクタ、オブジェクト等)の数、関連情報の枠部分の装飾度合(派手さ)、金、銀、銅などの色の序列でもよい。レア度合には、たとえば、単なる出現率の高低(出現のし難さまたは出現のし易さ)をランク分けしたものや、当選期待度に関連して定められた出現率の高低(出現のし難さまたは出現のし易さ)をランク分けしたものなどが含まれる。
また、通常演出関連情報と特定演出関連情報の表示期間が異なるように構成する(上記(5))。図28(B)では、図28(A)で表示されているレア宇宙人220は、非表示となる。しかし、特定演出関連情報Aのテロップ230は、図28(B)に示すように、左側の最初の位置から右側に移動して、そのまま右下表示領域(図26における補足ストック領域)に表示され続ける。また、このテロップ230の移動軌跡として、宇宙人210の一側から他側にかけてクロスする大きな円弧の形の矢印図形260が表示され、視点が元のテロップの位置から移動先の位置に追跡できるようになっている。
一方、図28(A)で表示されている通常キャラクタBの円盤211は図28(B)にて非表示となり、通常演出関連情報のテロップ250も図28(C)までに非表示となる。なお、通常キャラクタAの宇宙人210は図28(C)でもまだ表示されているが、通常関連情報のテロップ251は一定期間表示されると非表示となる。
すなわち、「通常演出関連情報(たとえばテロップ250)」は対象となる通常演出が表示されると表示を開始するが、通常演出の表示期間と同じ(もしくはそれ以上の長期間)であることを条件とはしていないが、「特定演出関連情報(たとえばテロップ230)」は少なくとも対象となる特定演出(たとえばレア宇宙人220)の表示期間中に表示を行い、少なくとも特定演出の終了より後まで表示を継続するようになっている点で両者は異なる。図示の場合、特定演出関連情報のテロップ250が、対象となる円盤211の表示期間(図28(A))中に表示を行い、円盤211が消え去った後も表示が継続し(図28(B))、円盤211の終了より後(図28(C))になって表示が消える。
また、特定演出表示時と特定演出表示終了後とで特定演出関連情報の表示位置が異なる。図28(A)では左領域(図26における第2補足領域)に表示されている特定演出関連情報Aのテロップ230が、図28(B)にて特定演出Aのテロップ220が非表示になった後に移動表示を開始し、図28(C)では右下領域(図26における補足ストック領域)に表示され続ける。これにより、特定演出表示中においては特定演出の発生とその発生位置を示唆可能であり、特定演出表示後(非表示になった後)においてはその発生を所定期間報知可能である。
図28に示す通り、特定演出と特定演出関連情報との間に指標表示240(指差し表示)がある。特定演出の近傍に特定演出関連情報を表示するだけでも発生位置を示唆するのに効果はあるが、さらに効果を高める手法として、指標表示を行うとなおよい。
指標表示240は、指差し表示以外にも、引き出し線(特定演出と特定演出関連情報をつなぐ線)や矢印、吹き出しなどでもよい。
(図29:ケース10の演出態様)
図29は、基本的な構成はケース9と共通であるが、図28との主な相違点は、特定演出が表示された場合に、(8)演出表示態様が複数段階に分岐可能なステップアップ演出があり、ステップアップが所定段階までに終わる場合はそこで特定演出関連情報を非表示にし、所定段階以上に進む場合はその後も特定演出関連情報を表示しておく点、が挙げられる。
図29では(A)→(B)→(C)→(D)の順に場面が進んでいくことを表しているが、(B)から(C)に移行する際に分岐可能となっている。(A)にて「円盤211から宇宙人210が現れ、牛(牛画像666)の前に降り立つ」演出が行われ、(B)にて「牛がその場から逃げだす」演出が行われる。(C−1)に移行した場合「牛が逃げてしまった」演出が行われ、(D−1)にて変動していた図柄がハズレ態様で停止し、当該変動が終了する。一方、(C−2)に移行した場合「牛が仲間(牛群777)を連れて宇宙人を追い返しにきて、宇宙人があわてて円盤に乗り込んで逃げる」演出が行われ、(D−2)にて「リーチ演出」に移行する。
通常演出に対する通常演出関連情報(「通常円盤が登場!」など)は一旦表示されてもすぐに消える点は図28のケース9と同様であるが、(D−1)と(D−2)を比較すると、(D−1)では右下の特定演出関連情報(テロップ)が消えている。すなわち、同一の特定演出関連情報(「UR:レア宇宙人登場」)であっても、どのような状況下でも表示期間が全く同じなのではなく、ステップアップの所定段階で演出が終了してしまった場合は即座に特定演出関連情報を消すようにしている。
なお、特定演出関連情報をすぐに消すのは、上記例以外にも、同時期に発生している他の予告演出の種類に応じて消すようにしてもよい。より具体的には、図29のステップアップ演出が行われている最中に他の予告演出として背景変化(低期待度)が発生した場合は特定演出関連情報をすぐに消し、同じくステップアップ演出が行われている最中に他の演出として画像カットイン(高期待度)が発生した場合は特定演出関連情報をリーチ後も継続して表示する(たとえば図29のD−2)ようにしてもよい。
(図30、図31:予告の種類について)
図26は液晶表示装置36を示しており、図27〜図29で演出の一例を説明したが、遊技機においては遊技意欲を促進するために、表示手段以外に発光手段(ランプ、LED等)や発声手段(スピーカー等)による各種演出を組み合わせ行われることが広く知られている。
図30は、本遊技機において実施される予告の種類(NO.1〜10)と、その役割(演出目的)と、使用演出手段(上述の各種演出手段の組合せ)と、出現タイミング(実行タイミング)と、予告表示位置(図26における領域番号に対応)と、補足表示位置(図26における領域番号に対応:演出関連情報の表示位置を示す)とが示されている。
また、図31は、図30と同一実施例であり、抽選結果がハズレの場合と当りの場合それぞれの選択率(すなわち当りとなる期待度)を示している。
予告の種類NO.5を例に詳細を説明すると、予告名称が「図柄スベリ」で、この予告演出に用いられる演出手段は表示手段と発光手段と発声手段であり、出現タイミングは第2図柄停止時で、予告表示位置および補足表示位置は図26における第1予告領域、第1補足領域であることがわかる。
図6を参照すると、変動開始時(t0)に第1図柄(左図柄)、第2図柄(右図柄)、第3図柄(中図柄)が変動を開始し、t0からt1の間に第1図柄と第2図柄が停止する。そして、第1図柄と第2図柄によってリーチ条件を満たすタイミングをt1とし、その後にリーチ演出を経て最終的にすべての図柄が停止する(t1〜t7)。この場合において、第2図柄停止時に行われる図柄スベリとは、高速変動表示(または透過表示)している第2図柄が停止するかのごとく低速変動表示(または非透過表示)に切り替わるように表示され、もしくは本当に一旦停止(小刻みな上下運動も停止とみなしてもよい)した後に再度高速変動表示(もしくは透過表示)が行われてから本停止することである。
この場合における「特定表示」とは、第2図柄そのものを指してもよいし、第2図柄が再変動する際のエフェクト表示(漫画表現技法で言うところの集中線やスピード線などの効果線など)を指しても良い。いずれの場合も、図柄スベリの開始前と開始後では変動速度、透過度合、演出態様などが異なるので、その変化点を特定表示の開始時期とみなす。なお、終了タイミングも考え方は同様であり、変動速度がゼロになる、透過度合がゼロになる、演出態様が消える、といった変化点を特定表示の終了時期とみなす。
このように、説明の便宜上、「演出の開始時期(終了時期)」という文言を用いていた場合であっても、開始時に初めて液晶表示装置36に表示されるもの(換言するとそれ以前は表示されていないもの)のみに限られるわけではない。
(予告表示位置と補足表示位置との関連性)
上述の通り、図30、図31にて各予告表示(通常演出、特定演出)の表示位置とそれに対する補足表示(通常演出関連情報、特定演出関連情報)の表示位置が示されている。NO.5において予告表示位置も補足表示位置もともに第1領域(前者が第1予告領域で後者が第1補足領域)となっているように、基本的には予告表示位置と補足領域は同じ(すなわち近傍)である。
しかし、別形態もいくつかある。NO.1を例に説明すると、予告名称が背景変化(季節)であり、予告内容は常時表示されている背景の季節が変化することである。図28において図示はしていないが、一般的に背景には屋外風景、もしくは屋内風景が表示されていることが多い。屋外であれば季節を象徴するものとしてたとえば木が表示され、季節に応じて葉の色が変化したり葉が落ちたりすることで遊技者に季節の変化を感じさせる。屋内であっても、窓から見える外の風景や屋内にあるカレンダーや装飾(たとえばクリスマスツリーの装飾)により遊技者に季節の変化を感じさせるようにしている。
このように、予告演出はその性質によって、予告表示領域が複数領域に跨る(すなわち広範囲である)、予告表示領域が複数領域に同時に発生する(点在的に表示する)、予告表示領域が場合によって変化する(あるときは第1予告領域であるときは第2予告領域であるなど)といった場合があり、予告NO.1、2、7において予告表示位置が複数記載されているのはこれを表している。
なお、図30のNO.1と2の補足表示が第2補足領域であり、NO.7の補足表示が第1補足領域であるのは予告演出間の序列(当りとなる期待度が高いものを優先)が存在することを示している。
NO.1と7はともに第1〜第3予告領域を予告表示領域としているが、NO.1の季節変化は当りとなる期待度が1%と極めて低く、NO.7の画像カットインは当りとなる期待度が40%と比較的高い。
何を基準に期待度が高いか低いかを判断するかであるが、今回の実施形態ではひとつの判断基準として、NO.1と2が「にぎやかし」として期待度の低い演出(すわなち「通常演出」)、NO.3〜10が「リーチ予告」または「大当り予告」として期待度の高い演出(すなわち「特定演出」)としている。
なお、さらに細分化してNO.6〜10の「大当り予告」だけを期待度の高い演出として特定演出としてもよいし、NO.3〜5を特定演出B(または第2特定演出)、NO.6〜10を特定演出A(または第1特定演出)としてもよい。なお、NO.1、2を通常演出A、NO.3〜5を通常演出Bとし、NO.6〜10を特定演出とすることもできる。また、A、B、C(第1、第2、第3)といった区分設定の順番は適宜入れ替えてもよい。
話を戻して、NO.1と7の補足領域の差であるが、少なくとも複数の予告演出が同時期に発生(表示)した場合においては、期待度の高いものほど遊技者の目につきやすい位置(中央領域に近い位置)に表示するという思想に基づいている。
なお、各予告演出が単独的に発生する場合はこれまで説明した通り予告演出近傍に関連情報を表示することが好ましいが、この場合も期待度の低いものはさほど近傍に表示する必要はない(図28のNRの場合とURの場合の距離感を参照)。
また、当りとなる期待度の極めて低い演出や当りとなる期待度を示していない表示物については、必ずしも関連情報を表示する必要はなく、期待度が低いものの表示形態が特定演出に類似するものに限って関連情報を表示するようにしてもよい。
また、予告表示位置と補足表示位置の関連性について説明してきたが、図30、図31の中には、予告表示位置がないものがある(NO.6、8、9)。これは表中の「使用演出手段」を見ればわかる通り、当該予告において表示手段を用いない(発光手段および/または発声手段を用いる)予告である。
この場合の補足表示位置は先ほどの例とは少し異なり、高期待度予告であるほど中央領域に補足表示を行うのではなく、関連性の高いものの近傍に表示するようになっている。たとえば、NO.6のテンパイボイスとは、リーチ状態になった場合に通常であれば「リーチ!」という発声がなされるところを、大当り予告として「激アツ!」や「大当り!」という発声がなされる予告を指す。この場合、特に関連性が高いのは図柄である(図柄が停止してリーチになることでテンパイボイスが発生するため)ので、図柄近傍(第1領域)にてその補足表示を行うようにしている。
一方、NO.9の発光予告は液晶周辺のLEDが発光することにより当りとなる期待度が高いことを示す予告であるため、特に関連性が高いのはこのLEDである。したがって、LEDに近い位置としてここでは第2領域を補足表示位置としている。なお、これはLEDの位置が第3領域に近い場合は、補足表示も第3領域に行う、といったように適宜変更可能である。
以上に説明した各実施形態では、特定演出(予告演出、リーチ演出など)が発生した場合に、特定演出の表示位置近傍にガイド表示(特定予告の発生を知らせる表示)を表示したり、特定演出の中でも殊更大当り期待度の高い演出が発生した場合にガイド表示を通常よりも長い時間表示したりすることにより、遊技者が特定演出の発生を見逃すことを防止可能に構成したので、演出的な不自然さがなく、遊技者に対して違和感を与えることがない。
また上記した各実施形態では、弾球遊技機に適用する形態ついて説明したがこれに限らず、回胴式遊技機や電磁気的記録による遊技媒体を利用可能な封入式遊技機など、いずれにも適用することができる。