JP2018171332A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 遊技者が所持する遊技媒体を好適に管理することが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】 パチンコ機100は、払出装置540から払い出された遊技球をパチンコ機100の前側に貯留する補助貯留部241と、補助貯留部241に貯留された遊技球を遊技機外に出す補助貯留部241の放出口と、払出装置540と貯留部241との間に位置する補助側誘導通路553と、補助側誘導通路553とは別に設けられて払出装置540から払い出された遊技球を、補助貯留部241の放出口とは異なるパチンコ機100の背面側にて遊技機外に出す後側通路580と、払出装置540から払い出された遊技球が後側通路580に進入するか否かを切り替えることが可能な進入切替部材581とを備えている。
【選択図】 図14
【解決手段】 パチンコ機100は、払出装置540から払い出された遊技球をパチンコ機100の前側に貯留する補助貯留部241と、補助貯留部241に貯留された遊技球を遊技機外に出す補助貯留部241の放出口と、払出装置540と貯留部241との間に位置する補助側誘導通路553と、補助側誘導通路553とは別に設けられて払出装置540から払い出された遊技球を、補助貯留部241の放出口とは異なるパチンコ機100の背面側にて遊技機外に出す後側通路580と、払出装置540から払い出された遊技球が後側通路580に進入するか否かを切り替えることが可能な進入切替部材581とを備えている。
【選択図】 図14
Description
本発明は、弾球遊技機に代表される遊技機に関する。
従来の遊技機において、入賞に応じた特典として払い出された遊技球あるいは入金額に応じて貸し出された遊技球は、遊技機に設けられる球皿の他に、遊技者の近傍に設置された球箱等へ球皿の球出口を通過させて貯留するのが一般的であった。また、遊技者が所持する所持金や遊技球数に対応した情報をICカードなどの価値記憶媒体に記憶するように構成された遊技用装置も知られている(例えば、特許文献1参照)。
従来の遊技機において、遊技者が所持する遊技媒体を管理する構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
そこで、本発明に係る遊技機では、例えば、遊技者が所持する遊技媒体を好適に管理することが可能な遊技機を提供することを目的としている。
本発明に係る遊技機は、上記の課題を解決するために、
遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機であって、
遊技媒体を払い出す払出装置と、
前記払出装置から払い出された遊技媒体を遊技者が取り出し操作可能に、遊技機前側に貯留する貯留部と、
該貯留部に貯留された遊技媒体を遊技機外に出す第1出口部と、
前記払出装置と前記貯留部との間に設けられて、該払出装置から前記貯留部へと遊技媒体を払い出すための第1払出通路と、
前記第1払出通路とは別に設けられて、前記払出装置から払い出された遊技媒体を前記第1出口部とは異なる位置にて遊技機外に出す第2出口部と、
前記払出装置から払い出された遊技媒体が前記第2出口部に進入するか否かを切り替えることが可能な進入切替手段とを備えていることを特徴としている。
遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機であって、
遊技媒体を払い出す払出装置と、
前記払出装置から払い出された遊技媒体を遊技者が取り出し操作可能に、遊技機前側に貯留する貯留部と、
該貯留部に貯留された遊技媒体を遊技機外に出す第1出口部と、
前記払出装置と前記貯留部との間に設けられて、該払出装置から前記貯留部へと遊技媒体を払い出すための第1払出通路と、
前記第1払出通路とは別に設けられて、前記払出装置から払い出された遊技媒体を前記第1出口部とは異なる位置にて遊技機外に出す第2出口部と、
前記払出装置から払い出された遊技媒体が前記第2出口部に進入するか否かを切り替えることが可能な進入切替手段とを備えていることを特徴としている。
本発明に係る遊技機であれば、遊技者が所持する遊技媒体を好適に管理することが可能遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機の実施形態について、遊技機の一種である弾球遊技機の一例としてのパチンコ機100を説明し、その後に変形例や他の種類の遊技機を説明する。まず、パチンコ機100の実施形態について、構造的な構成、電気的な構成、各種の制御処理を順に説明する。
<構造的な構成>
まず、図1から図9を主に参照して、パチンコ機100の構造部分の構成について説明する。図1〜図4は、パチンコ機100の各種状態を示す斜視図であり、図1はパチンコ機100の閉鎖状態を示し、図2は外枠101に対して前ブロック102及び中間ブロック103が一体的に開放されている状態を示し、図3は中間ブロック103に対して前ブロック102が開放されている状態を示し、図4は中間ブロック103に対して後ブロック104が開放されている状態を示している。また、図5は、パチンコ機100の正面図であり、図6は、図5の状態からパチンコ機100の前ブロック102を取り外した状態を示している。なお、各図において各種の配線は省略されており、また、図3及び図6において遊技盤400の構成の一部は省略されている。
まず、図1から図9を主に参照して、パチンコ機100の構造部分の構成について説明する。図1〜図4は、パチンコ機100の各種状態を示す斜視図であり、図1はパチンコ機100の閉鎖状態を示し、図2は外枠101に対して前ブロック102及び中間ブロック103が一体的に開放されている状態を示し、図3は中間ブロック103に対して前ブロック102が開放されている状態を示し、図4は中間ブロック103に対して後ブロック104が開放されている状態を示している。また、図5は、パチンコ機100の正面図であり、図6は、図5の状態からパチンコ機100の前ブロック102を取り外した状態を示している。なお、各図において各種の配線は省略されており、また、図3及び図6において遊技盤400の構成の一部は省略されている。
パチンコ機100は、例えば、図1〜図4に示すように、外枠101と、前ブロック102と、中間ブロック103と、後ブロック104とを備え、これら各部位を所定の操作により相対的に変位可能に構成されている。
外枠101は、パチンコ機100の本体部分を支持する本体支持手段としての機能を有している。外枠101は、例えば、図2に示すように、天板部111、底板部112、左側板部113及び右側板部114が組み付けられた略四辺形状の枠体であり、パチンコ機100を設置する遊技場に設けられた遊技機設置設備(島設備)に嵌め込まれると共に固定具(図示せず)によって強固に固定される。なお、パチンコ機100において外枠101は必須の構成ではなく、外枠101又は外枠101と同一の内形形状を有し、外枠101を除いたパチンコ機100の構成に相当する本体部分を支持する支持機構や、その本体部分を施錠する施錠機構の一部が島設備に備え付けられた構成としても良い。
外枠101における左右方向の一方側(左側板部113側)には、中間ブロック支持機構121,122が設けられている。この中間ブロック支持機構121,122によって外枠101と中間ブロック103とが接続(連結)され、パチンコ機100の本体部分が、パチンコ機100の正面視における左右方向の一端側(左側)を回動基端側とし、他端側(右側)を回動先端側として前方へ回動可能に構成されている。
中間ブロック支持機構121,122は、例えば、図1に示すように、外枠101の上端部と下端部とに離間して設けられている。中間ブロック支持機構121,122の各々は、例えば、外枠101に設けられる軸支持部によって、中間ブロック103に設けられる軸部が下側より支持され、軸支持部に設けられる軸孔に軸部が差し込まれた状態とされることにより、回動可能に構成されている。なお、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分を回動可能とする構成は、上記構成に限らず、中間ブロック103側に軸孔を設け、外枠101側に軸部を形成するなど、他の構成としても良い。
中間ブロック支持機構121,122には、所定の取り外し操作によって外枠101と中間ブロック103との接続状態を解除する機能が設けられ、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分が外枠101に対して取り外し可能に取り付けられている。例えば、外枠101に対して中間ブロック103を一定量以上開放し、且つ、上方側へ一定量移動させるという所定の取り外し操作をすることにより、外枠101に対する中間ブロック103の接続状態が解除される。これにより、外枠101に対してパチンコ機100の本体部分が取り外し可能とされている。
中間ブロック103に対して前側には、前ブロック102が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる前ブロック支持機構131,132によって中間ブロック103と前ブロック102とが接続されている。前ブロック支持機構131,132は、中間ブロック支持機構121,122と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して前ブロック102を前方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に構成されている。
中間ブロック103に対して後側には、後ブロック104が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる後ブロック支持機構136,137(図8参照)によって中間ブロック103と後ブロック104とが接続されている。後ブロック支持機構136,137には、中間ブロック支持機構121,122及び前ブロック支持機構131,132と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して後ブロック104を後方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に支持する構成とされている。
また、パチンコ機100には、外枠101に対する中間ブロック103の開閉を規制する中間ブロック施錠機構と、中間ブロック103に対する前ブロック102の開閉を規制する前ブロック施錠機構と、中間ブロック施錠機構及び前ブロック施錠機構の解錠や施錠を行うために操作される錠操作機構とが設けられている。また、図3に示すように、中間ブロック103には、前ブロック102の開口を通してパチンコ機100の前面側に露出する錠操作機構としてのキーシリンダ141が設けられている。
キーシリンダ141に対する所定の操作として、操作キー(図示せず)による右回転操作をした場合には、中間ブロック103に設けられた中間ブロック施錠機構の可動部143が作動する。これにより、中間ブロック施錠機構の一部として外枠101に設けられた被係合部142と可動部143との係合が解除されて、中間ブロック103は外枠101に対して開閉許容状態となる。
一方、キーシリンダ141に対する所定の操作キーによる左回転操作に応じて、中間ブロック103に設けられた前ブロック施錠機構の可動部144が作動する。これにより、前ブロック施錠機構の一部として前ブロック102に設けられた被係合部145と可動部144との係合が解除されて、前ブロック102は中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103に対する後ブロック104の開閉を規制する後ブロック開閉規制機構が設けられている。この後ブロック開閉規制機構により、中間ブロック103に対して後ブロック104は、開閉が禁止された状態(開閉禁止状態)と開閉が許容された状態(開閉許容状態)とを所定の操作によって切り替え可能とされている。
後ブロック開閉規制機構は、例えば、図4に示すように、中間ブロック103に設けられる2つの開閉規制部150A,150Bと、後ブロック104に設けられる1つの開閉規制部150Cとによって構成されている。これら3つの開閉規制部150A〜150Cには、回転操作が可能な回動片151A〜151Cが設けられている。回動片151A〜151Cは、回転操作により、後ブロック104の閉鎖状態において前後に重なるように配置される開口部分との係合状態が変化し、これにより、開閉禁止状態に対応した開閉禁止姿勢と、開閉許容状態に対応した開閉許容姿勢とを切り替え操作可能とされている。全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢にすると各回動片151A〜151Cが開口を通過可能となって、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。なお、開閉禁止姿勢及び開閉許容姿勢としては、開閉禁止状態と開閉許容状態が回動片151A〜151Cの位置及び向きの少なくともいずれかの変化により切り替えられれば良く、一定位置で回転のみする構成としても良いし、一定方向に移動する構成としても良いし、移動と回転との組合せにより動作する構成としても良い。以下、各装置における構成部材が複数の姿勢の間を移行する場合における姿勢の変化についても同様とする。
3つの回動片151A〜151Cのうち、それらの一部に相当する2つの回動片151A,151Bは、図2に示すように、後ブロック104の開閉禁止状態において後ブロック104に形成された開口を通してパチンコ機100の背面側に露出し、残り部分に相当する1つの回動片151Cは、図6に示すように、中間ブロック103の前側に露出している。このため、パチンコ機100の背面側、又は中間ブロック103の前面側といった一方側からの操作だけでは、全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢に切り替えることはできず、これにより、防犯性が高められている。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動を規制する遊技球移動規制機構が設けられている。遊技球移動規制機構は、例えば、図3及び図6に示すように、中間ブロック103に設けられた流下規制片161と、前ブロック102に設けられた規制変更部162との組合せにより構成され、前ブロック102が位置する前方側へ流下規制片161がコイルバネ(図示せず)により付勢される構成とされている。
中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖された状態(前ブロック102の閉鎖状態)においては、流下規制片161は、遊技球の流下を許容する移動許容状態とされ、具体的には、規制変更部162により中間ブロック103の後方側へ押圧されて押し込まれる。流下規制片161は、移動許容状態において中間ブロック103から前ブロック102に遊技球を誘導するための誘導通路(図示せず)に対して後側にずれて配置される。これにより、前ブロック102の閉鎖状態においては、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が許容される。
一方、中間ブロック103に対して前ブロック102が開放された状態(前ブロック102の開放状態)においては、規制変更部162による流下規制片161の押圧が解除され、前ブロック102の閉鎖状態に比べて流下規制片161が前ブロック102側へ突出する移動禁止状態とされる。流下規制片161は、移動禁止状態において誘導通路内に突出し、下流側への遊技球の流下を阻止する。これにより、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が禁止される。
また、パチンコ機100には、図2に示すように、例えば中間ブロック103の後側であって回動先端側(背面視左側)における下端部に、外枠101に対して中間ブロック103が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ108が設けられ、また、図3に示すように、例えば中間ブロック103の前側であって回動先端側(正面視右側)における下端部に、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ109が設けられている。
次に、前ブロック102、中間ブロック103及び後ブロック104の各構成について順に説明する。
前ブロック102は、図1及び図3に示すように、パチンコ機100の前面の略全体を形成し、前後方向に厚みを有する略長方形状の部材であり、パチンコ機100の前側表面部分を装飾する前面装飾手段としての機能を有している。前ブロック102は、合成樹脂製の基枠201を主体に構成され、基枠201の前後に複数の機能部品を取り付けて構成されている。基枠201の前面側には、パチンコ機100の前面を形成する前面装飾体210が、前ブロック102の正面視中央部分を含んで形成される開口210Aの外縁に沿って開口210Aを囲った状態にして取り付けられている。前ブロック102を構成する基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態においては、前面装飾体210が取り付けられた外周部を除いた広範囲にわたって開口210Aが前後方向に貫通形成される。この開口210Aを通じて、前ブロック102の後側に位置する遊技盤400を含む中間ブロック103が遊技者から視認可能に構成されている。
また、前ブロック102には、図1及び図3に示すように、開口210Aを塞ぐように基枠201の背面側に設けられた中央パネル220と、遊技球を貯留する主貯留機構230と、遊技球を貯留する補助貯留機構240と、主貯留機構230に貯留されている遊技球を発射するために遊技者によって操作される発射操作装置250とを備えている。
また、前ブロック102には、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の一部として、開口210Aの周縁を囲う開口周縁部211と、開口210Aに対して下側において前方に突出する上側突出部217と、上側突出部217に対して下側に位置して前方に突出する下側突出部218と、下側突出部218の右側であって上側突出部217及び下側突出部218より奥側に位置する概ね平坦な領域で構成されて発射操作装置250が配置される平坦部219とが形成されている。上側突出部217には、主貯留機構230が配置され、下側突出部218には、補助貯留機構240が配置される。
中央パネル220は、基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態において前後方向に貫通形成される開口210Aを塞ぎつつ後方側を視認可能とするカバー体としての機能を有している。中央パネル220は、例えば、図1及び図3に示すように、基枠201の後方側から取着されるパネル枠221(図3参照)と、パネル枠221の前側に嵌め込まれた光透過性の前方板222(図1参照)と、パネル枠221の後側に前方板222と所定の間隙を隔てて略平行に嵌め込まれた光透過性の後方板223(図3参照)とを備えている。
主貯留機構230は、遊技進行に応じて獲得した遊技球や、遊技場から貸し出された遊技球を貯留する機能を有している。主貯留機構230は、例えば、図1に示すように、貯留部231と、球抜き機構(図示せず)と、その球抜き機構を作動させる球抜き操作部材232とを備えている。貯留部231には、パチンコ機100の内部から貯留部231へ遊技球を流入させる流入口231Aと、貯留部231からパチンコ機100の内部へ遊技球を流出させる流出口(図示せず)と、流出口より上流側に形成される放出口(図示せず)とが設けられている。この放出口の開放により貯留部231から遊技球がパチンコ機100の内部に取り込まれることなく遊技者側に放出される。球抜き機構は、遊技球の放出先を、流出口と放出口との間で切り換える機能を有している。
遊技進行に応じて獲得した遊技球や、後述する貸出操作装置292に対する貸出操作に応じて貸し出された遊技球は、主に流入口231Aを通して貯留部231に流入する。また、貯留部231は、上方側に開口形成されており、この開口部分を通じて、遊技者が所有する遊技球が手操作により投入されたり、遊技場において貸し出される遊技球が供給されたりする。
貯留部231に流入した遊技球は一列に整列させられながら流出口及び放出口の形成されている側(図1の右上側)へ順次に案内される。球抜き操作部材232に対する球抜き操作(例えば、押下操作)が行われていない場合には遊技球は流出口を通して後述する発射装置330(図3参照)に誘導される。一方、球抜き操作部材232に対する球抜き操作が行われている場合には、遊技球は放出口を通して補助貯留機構240(図1参照)に誘導される。
補助貯留機構240は、図1及び図5に示すように、遊技球の流入口241A,241C(図5参照)及び放出口241B(図1参照)を有する補助貯留部241と、放出口241Bを開閉させる球抜き機構243と、その球抜き機構243を作動させる球抜き操作部材242とを備えている。遊技進行に応じて獲得した遊技球等は主に主貯留機構230に流入するが貯留部231が満杯であれば流入口241Aを通して補助貯留部241に流入する。また、球抜き操作部材232に対する球抜き操作に応じても、遊技球は流入口241Cを通して貯留部231から補助貯留部241に流入する。
補助貯留部241の底面は放出口241Bに向けて下降傾斜している。球抜き操作部材242に対する球抜き操作(例えば、押圧操作)によって放出口241Bを開放すると、補助貯留部241に貯留されている全ての遊技球を順次にパチンコ機100の外部に放出できる。なお、球抜き操作部材242に対する球抜き操作によって放出口241Bが完全に開放された場合には、球抜き操作部材242に対する復帰操作(例えば、再度の押圧操作)がなされるまで、その開放状態に維持される。流入口241Aの奥方には補助貯留部241に予め定めた上限まで遊技球が貯留されているか否かを検出する球溢れスイッチ249(図10参照)が設けられている。
発射操作装置250は、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の平坦部219から前方に突出する台座251と、台座251の周囲に設けられた回動自在な発射ハンドル252と、発射ハンドル252の回転操作量を検出する可変抵抗器253(図10参照)と、発射ハンドル252に遊技者が接触していることを検出する接触センサ254(図10参照)と、発射ハンドル252の回転操作に伴う遊技球の射出を遊技者の操作によって無効化する発射停止スイッチ255(図5参照)とを含んでいる。遊技者によって発射ハンドル252が回転操作されると、その回転操作量に対応する強度で発射装置330(図3参照)から遊技球が遊技盤400(図3参照)に向けて射出される。なお、接触センサ254によって発射ハンドル252と遊技者との接触が検出されていない場合や、発射停止スイッチ255の操作によって発射操作が無効化されている場合には、発射ハンドル252が回転操作されていても発射装置330から遊技球は射出されない。
また、前ブロック102における前面装飾体210の奥方には、枠発光装置271〜275(図10参照)が設けられている。枠発光装置271〜275は、前面装飾体210の開口周縁部211に対して奥側に重なるようにして配置され、基枠201に取り付けられている。開口周縁部211は、図5に示すように、上側中央縁部211Aと、上側中央縁部211Aに対して左右両側に位置する左上側縁部211B及び右上側縁部211Cと、左上側縁部211Bに対して下側に位置する左側縁部211Dと、右上側縁部211Cに対して下側に位置する右側縁部211Eとを発光部として有し、それぞれの発光部に対応して枠発光装置271〜275が設置されている。
枠発光装置271〜275は、上側中央縁部211Aに対応する上中央枠発光装置271と、左上側縁部211Bに対応する左上枠発光装置272と、右上側縁部211Cに対応する右上枠発光装置273と、左側縁部211Dに対応する左側枠発光装置274と、右側縁部211Eに対応する右側枠発光装置275(図10参照)とにより構成されている。枠発光装置271〜275の各々は、1又は複数の発光手段としての発光ダイオード(LED)と、LEDを制御するための抵抗等の電子部品と、これら電子部品を一体化して電気的に接続するプリント基板とを有している。
また、前ブロック102には、図5に示すように、例えばその開口周縁部211の上部に、左上音響出力口211Fと、右上音響出力口211Gとが設けられ、また、それら左上音響出力口211F及び右上音響出力口211Gのそれぞれに対応して左上音響装置281及び右上音響装置282(図3及び図10参照)が設けられている。左上音響装置281及び右上音響装置282は、前面装飾体210の開口周縁部211の奥方(後方)に位置するようにして基枠201に取り付けられている。また、前ブロック102には、左上音響装置281及び右上音響装置282とは別の音響装置283〜285が、前側に効果音を出力可能に設けられており(図10参照)、それら音響装置283〜285の説明については後述する。
また、前ブロック102には、図1に示すように、例えば上側突出部217の上面右側部分に、遊技球貸出装置290が設けられている。遊技球貸出装置290は、度数表示装置291と、遊技球の貸し出しを受ける際に遊技者によって操作される貸出操作装置292と、返却操作装置293とを含み、パチンコ機100に並んで配置されるカードユニット等の遊技球管理装置700(図13参照)と通信可能に構成され、遊技球管理装置700を介して遊技場からの遊技球の貸出に関する情報を遊技者が認識して操作可能に構成されている。
度数表示装置291は、遊技球管理装置700(図13参照)に管理されている情報であって遊技者が所持する遊技価値(管理されている金額や遊技球数)に関する情報を表示可能な装置であり、遊技球管理装置700に投入された紙幣の金額や、遊技球管理装置700にて使用されるカードやコイン等の価値記憶媒体に記録されている投入された紙幣のうち未使用の残額に相当する数値等を表示する。返却操作装置293は、遊技球管理装置700に投入された金額や、その金額のうち貸し出しがされていない残額に対応した情報を記憶する価値記憶媒体としてのカードやコイン等を返却させる際に、遊技者によって操作される装置(例えば、押下操作が可能な押しボタン式の装置)である。
ここで、遊技球管理装置700には、遊技者が所持している遊技球(以下、所持球ともいう)を投入可能に構成され、所持球を投入することで投入された所持球の数(以下、所持球数ともいう)に対応した情報が、遊技者の所持する金額と共に、価値記憶媒体に記憶される。遊技者は、遊技中のパチンコ機100に並んで配置される遊技球管理装置700でも、他のパチンコ機に並んで配置される別の遊技球管理装置700でも、価値記憶媒体に記憶された金額や所持球数に対応した数分の遊技球の貸し出しを、価値記憶媒体を遊技球管理装置700に挿入し、遊技球貸出装置290を操作する等して実行することができる。
遊技球管理装置700に、紙幣や、カード等の価値記憶媒体を投入すると、それらの金額(残額)に対応する数値が度数表示装置291に表示される。その金額が度数表示装置291に表示されている有効状態において、貸出操作装置292に対して貸出操作が行われると、貸出操作に応じて所定の個数の遊技球が後ブロック104の払出装置540(図8参照)から貸し出され、遊技球の貸し出しに伴って度数表示装置291の表示が更新される。一方、有効状態において返却操作装置293に対して返却操作が行われると、返却操作に応じて残額に対応する紙幣の等価物や残額を記録した価値記憶媒体が遊技球管理装置700から返却される。
また、前ブロック102には、図1に示すように、遊技者によって発射操作とは別の入力操作が可能な入力操作装置260が設けられている。入力操作装置260は、例えば、押込操作が可能な押圧操作装置261と、回転操作が可能な回転操作装置262と、上下左右の方向操作が可能な選択操作装置263とを備えている。これら操作装置261〜263により、パチンコ機100において実行される演出を選択する演出選択操作や、パチンコ機100の演出を実行する各装置の音量や光量を設定する装置設定操作、或いは、遊技者に関する情報を入力して前回以前の遊技に応じたパチンコ機100の演出を実行可能とする演出設定操作等が実行可能とされ、これら操作を必要に応じて遊技者や遊技場の管理者が実行可能とされている。なお、入力操作装置260において遊技者が接触する入力操作部(例えば、回転操作装置262における円環状の回転操作部)は、モータやソレノイド等の入力操作部駆動手段によって回転、上下動、又は、振動等の動作がパチンコ機100の制御(例えば、副制御基板940(図10参照)の制御)により実行可能に構成されることが好ましく、入力操作の前後、又は、入力操作中のいずれか又は複数のタイミングで入力部分を動作させることにより、入力操作を積極的に促すなど入力操作を伴う演出を多様にすることができる。
次に、中間ブロック103について説明する。中間ブロック103は、前ブロック102と略同一サイズの略長方形状をした部材であり、前ブロック102と後ブロック104とが取り付けられることにより、パチンコ機100の本体部分を一体化した状態にする機能を有している。中間ブロック103は、基枠301に対して遊技盤400を含む複数の機能部品を取り付けて構成されている。
中間ブロック103は、図3及び図4に示すように、開口を有する基枠301と、基枠301の開口を覆いつつ前面側より取着される遊技盤400(図3参照)と、基枠301に対して遊技盤400を回動自在及び着脱自在に支持する遊技盤支持機構と、基枠301に対して遊技盤400の位置を固定する遊技盤固定機構と、遊技盤400に遊技球を射出する発射装置330(図3参照)と、遊技盤400の背面側に装着されて遊技進行を統括的に制御する主制御装置370(図4参照)と、主制御装置370からの命令に基づいて遊技演出や状態報知を制御する副制御装置390(図4参照)とを備えている。
基枠301には、図3に示すように、後述する払出装置540(図8参照)から放出された遊技球を前ブロック102に誘導する誘導通路が内部に形成される誘導通路部301Aと、複数の配線(図示せず)や信号中継装置311が位置する開孔301Bとが設けられている。開孔301Bは、遊技盤400より下側において前後方向に貫通する形状をなし、開孔301Bに挿通される複数の配線は、前ブロック102に設けられる種々の装置(例えば、枠発光装置271〜275、左上音響装置281及び右上音響装置282)と、中間ブロック103の背面側や後ブロック104に設けられる装置(例えば、主制御装置370や副制御装置390)とを電気的に接続するための配線を含み、信号中継装置311は、その配線の一部を中継する中継基板としての機能を有している。
遊技盤400は、図3に示すように、排出口401A等の遊技球が前後に通過可能な貫通孔を有する平板状の基体401と、基体401の左下から右上に亘り滑らかに湾曲する外レール402と、基体401の右下から左上に亘り滑らかに湾曲する内レール403と、内レール403の左上側の先端に取着された戻り球防止機構404と、外レール402の右上側の先端に取着される反跳防止部材405とを備えている。外レール402は、後述する発射装置330から発射された遊技球を遊技領域内へ誘導するものである。戻り球防止機構404は、外レール402及び内レール403が平行に対向する間部分で形成される発射通路401Bから遊技領域内へ一旦放出された遊技球が発射通路401Bに戻ることを防止する。反跳防止部材405は、遊技盤400の上部中央を越えて右側に向かった遊技球が再び上部中央を経由して左側に戻るような遊技球の大幅な反跳を防止する衝撃吸収性を有し、例えば、制振ゴム等の材料により形成されている。
前ブロック102の背面側下部には、図3に示すように、戻り球通路部163が形成されている。発射装置330から発射通路401Bの方向へ遊技球を誘導する誘導部材335と外レール402との間には間隙があり、発射装置330から発射されたが戻り球防止機構404を超えるに至らず発射通路401Bを逆戻りする遊技球は、この間隙の下方に配置される戻り球通路部163を介して流入口241A(図5参照)から補助貯留機構240(図5参照)に返却される。
戻り球防止機構404を超えて進行した遊技球は、遊技領域に到達し、遊技領域内を自重により落下しながら移動(流下)する。遊技領域は、略円形状の外周形状をなし、遊技球の直径より僅かに大きな前後幅を有する領域を大部分とする形状に区画されている。遊技領域は、概ね、外レール402及び内レール403とで外周部分が区画され、前側が中央パネル220の後方板223によって略平面状に区画され、後側が遊技盤400の基体401によって略平面状に区画されている。なお、遊技領域に設けられる各種の構造物については後述する。
発射装置330は、図3に示すように、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に発射位置に送り出す球送り機構331と、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332(図10参照)と、発射位置に配置された遊技球を射出する発射機構333と、発射機構333を駆動する発射ソレノイド334(図10参照)と、発射機構333から発射された遊技球を遊技盤400の発射通路401Bに誘導する誘導部材335とを備えている。発射装置330は、上述のように発射操作装置250に対する発射操作に応じて作動し、発射操作装置250に対する発射操作に応じて発射ソレノイド334の駆動制御が変化して発射力が調整される。
主制御装置370は、図4に示すように、主制御基板920(図10参照)と、主制御基板920を収容する2つ割り構造の基板ケース371とを備えている。主制御基板920は、痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース371の内部に収容されている。
また、主制御装置370は、遊技盤400の背面側に回動自在に取り付けられている。具体的には、遊技盤400の基体401に対して背面側に取り付け部372が回動可能に連結固定され、その取り付け部372に主制御装置370が取り付けられている。これにより、主制御装置370の背面側(表面側)だけでなく、取り付け部372を回動操作することで主制御装置370の前面側(裏面側)も、遊技盤400に主制御装置370を取り付けたままで容易に確認可能とされている。取り付け部372に対して主制御装置370は、痕跡を残さずには取り外しできないように連結しても良く、主制御装置370の取り外し状況を管理し易くしても良い。
副制御装置390は、副制御基板940(図10参照)と、副制御基板940を収容する2つ割り構造の基板ケース391とを備えている。副制御基板940は、例えば、主制御基板920と同様に痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース391の内部に収容された状態にして遊技盤400の背面側に取り付けられている。
ここで、遊技盤400において、遊技領域に配置される各種の構造物について、図7を主に参照して説明する。図7は、遊技盤400の正面図である。
遊技盤400は、図7に示すように、基体401と、遊技球の流下方向や流下速度に変化を与える釘411や風車412等の流下変化部材と、基体401の概ね中央に配置された中央構造体420と、中央構造体420に対して下側に配置された第1特別図柄に係る始動装置(具体的には、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)と、中央構造体420に対して右下側に配置された第2特別図柄に係る始動装置(具体的には、右始動入賞装置432)と、右始動入賞装置432の下方に配置された大入賞装置433,434(具体的には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434)と、右始動入賞装置432の上側(上流側)に配置された普通図柄に係る始動装置436と、遊技盤400の右上側であって上下の大入賞装置433,434に対して上方(上流側)に配置された役連作動装置435と、下側中始動入賞装置431Bの左右両側に配置された一般入賞装置439A,439Bとを備えている。
また、遊技盤400には、上記した上側中始動入賞装置431A等に対応して遊技球の通過を検出する検出手段としてのスイッチが複数設けられており(図10参照)、各スイッチに対応した所定領域への遊技球の進入が検出可能とされている。例えば、上側中始動入賞装置431Aに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(上側中始動入賞スイッチ441A)、下側中始動入賞装置431Bに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(下側中始動入賞スイッチ441B)、右始動入賞装置432に進入した遊技球を検出する右始動入賞スイッチ442、下大入賞装置433に進入した遊技球を検出する下大入賞スイッチ443、上大入賞装置434に進入した遊技球を検出する上大入賞スイッチ444、役連作動装置435に進入した遊技球を検出する役連作動スイッチ445、始動装置436に進入した遊技球を検出する始動スイッチ446、下大入賞装置433の内部に形成された非特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する非特定通路スイッチ447、下大入賞装置433の内部に形成された特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ448、一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を各々検出する一般入賞スイッチ449A,449B等が遊技盤400に設置されている。
また、遊技盤400には、不正防止のために各種センサが設けられており(図10参照)、パチンコ機100に発生した異常を検出可能とされている。例えば、磁気センサ491、振動センサ492、電波センサ493等が遊技盤400に設置されている。
中央構造体420及び始動装置436の遊技球の入口部分は入球口を構成し、各入球口に進入した遊技球は遊技領域に放出される。各入賞装置、具体的には、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433、上大入賞装置434及び一般入賞装置439A,439Bの遊技球の入口部分は入賞口を構成し、各入賞口に進入した遊技球は基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。また、各入賞装置に進入しなかった遊技球は、遊技領域の最下流側部分に設けられる排出口401Aを通して回収排出通路へ案内される。回収排出通路に案内された遊技球は、パチンコ機100から遊技場に設けられた遊技球循環装置(図示せず)に排出される。いずれかの入賞装置に遊技球が進入した場合には、入賞装置の種類に応じた所定の個数の遊技球が払出装置540(図8及び図9参照)から払い出される。なお、各入賞装置は、他の入賞装置と別々に構成されても良いし、2以上の入賞装置(例えば、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)が一体化された装置によって入賞装置が構成されても良く、また、上側中始動入賞装置431A等の始動装置については必ずしも遊技球が進入した場合に所定の個数の遊技球が払い出される入賞口とする必要はなく、遊技球が払い出されることなく遊技領域に再び放出される入球口としても良い。
第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B、並びに、一般入賞装置439A及び一般入賞装置439Bの各々は、それらへの遊技球の進入確率を変化させず、進入した遊技球を基体401の背面側へ誘導する。また、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、その内部への遊技球の進入確率を変化させる機構を有している。なお、遊技球の進入確率を変化させる機構は、第2特別図柄に係る始動装置のみに設ける必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、第1特別図柄に係る始動装置、一般入賞装置439A,439Bのいずれか又は複数に設けても良い。また、遊技球の進入確率を変化させる機構は、電気的に駆動されるソレノイド等の駆動手段により構成しても良いし、所定領域へ入球した遊技球の自重により動作する機構に代表される機械的に動作する機構により構成しても良い。
第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入確率を変化させる右進入規制機構452と、右進入規制機構452を駆動する右進入規制ソレノイド462(図10参照)とを備えている。右進入規制機構452は、右進入規制ソレノイド462によって駆動される2つの可動片を備えており、右進入規制機構452が進入禁止姿勢である場合には、2つの可動片が進入口(入賞口)を狭窄する(又は閉鎖する)配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できないが、右進入規制機構452が進入許容姿勢である場合には、2つの可動片がそれらの先端部の間隔が拡大するような配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できるようになる。右進入規制機構452は、普通図柄に係る始動装置436へ進入した遊技球が始動スイッチ446で検出されることに基づく抽選(以下において「普通図柄抽選」とも称す)で当選した場合に、右進入規制ソレノイド462による駆動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容姿勢に移行する。
下大入賞装置433には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する下進入規制機構453と、下進入規制機構453の姿勢を変化させる下進入規制ソレノイド463(図10参照)と、非誘導姿勢と誘導姿勢との間の移行によって、下大入賞装置433に進入した遊技球を非特定通路又は特定通路に振り分ける振分機構(図示せず)と、振分機構の姿勢を変化させて遊技球の誘導先を切り換える切換ソレノイド465(図10参照)とが設けられている。下大入賞装置433の下進入規制機構453が進入禁止姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できないが、下進入規制機構453が進入許容姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口を開放することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できるようになる。また、下大入賞装置433に進入した遊技球は、振分機構が前方に突出する非誘導姿勢である場合には非特定通路に案内され、振分機構が後方に没入する誘導姿勢である場合には特定通路に誘導される。特定通路、非特定通路及び振分機構は、遊技状態の移行を多様にするために設けられ、特定通路へ遊技球が進入した場合には、遊技者に特典として有利な遊技状態が付与される。
上大入賞装置434には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する上進入規制機構454と、上進入規制機構454の姿勢を変化させる上進入規制ソレノイド464(図10参照)とが設けられている。上進入規制機構454が進入禁止姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できないが、上進入規制機構454が進入許容姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口を開放することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できるようになる。
なお、右進入規制機構452等の内部への遊技球の進入確率を変化させる機構としての進入許容姿勢及び進入禁止姿勢としては、各機構を構成して各装置の入賞口(又は入球口)に遊技球が進入可能な特別状態と、遊技球が進入不能な通常状態とを切り替える動作部材の姿勢変化に対応し、各姿勢に応じて動作部材の位置及び向きの少なくともいずれかが異なるものであれば良い。また、右進入規制機構452等の遊技球の進入確率を変化させる機構として、遊技球が進入不能な状態を通常状態とする必要は必ずしもなく、通常状態においても遊技球の進入を許容し、特別状態においては通常状態より遊技球が進入し易い状態に動作部材の姿勢が変化する構成としても良い。
下大入賞装置433及び上大入賞装置434には、大当りの抽選に当選した場合に遊技球が進入可能となる。具体的には、第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A若しくは下側中始動入賞装置431Bへ進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A若しくは下側中始動入賞スイッチ441Bで検出されることに基づく抽選(以下において「第1特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合、又は、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432へ進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442で検出されることに基づく抽選(以下において「第2特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合には、下進入規制ソレノイド463又は上進入規制ソレノイド464の少なくとも一方が作動する。この作動によって所定の回数に亘り所定の時間だけ下進入規制機構453又は上進入規制機構454の少なくとも一方が進入許容姿勢をとる。また、振分機構は、下進入規制機構453の進入許容姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の作動に応じて誘導姿勢に移行し、更に誘導姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の停止に応じて非誘導姿勢に戻る。
役連作動装置435は、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が作動を開始するために必要な条件を設定するための装置である。大当りの抽選に当選した後には、役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する。このため、遊技者は、大当りに当選した場合、自らの意図するタイミングで特別遊技状態を開始させることができる。なお、必ずしも役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成とする必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、予め定めた時間の経過により下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成としても良い。
また、遊技盤400には、図7に示すように、図柄の変動表示や抽選結果を表示する表示装置471〜473と、遊技の保留回数を表示する表示装置476〜478とが一体化された複数の発光部を有する表示器が、遊技盤400の一部に相当する左下部分に設けられている。複数の発光部は、各装置に対応する発光領域に予め区画され、各装置の状態が発光状態によって表示される。
具体的には、遊技盤400には、第1特別図柄抽選に伴って、第1特別図柄を変動表示したり、第1特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471と、第2特別図柄抽選に伴って、第2特別図柄を変動表示したり、第2特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472と、第1特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置476と、第2特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置477とが設けられている。第1特別図柄に係る単位遊技の権利及び第2特別図柄に係る単位遊技の権利はそれぞれ最大4回まで保留される。ここで、単位遊技とは、1回の始動入賞に基づいて実行される1回分の遊技であり、1回の始動入賞に基づいて実行される抽選の当否判定と、その当否判定に基づいた抽選結果を表示するまでの変動表示の開始から終了までを含む一連の遊技をいう。
第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動入賞装置431に進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)又は下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)によって検出されたとしても第1特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。同様に、第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合に、右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442(図10参照)によって検出されたとしても第2特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の各々は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。第1特別図柄の表示及び第2特別図柄の表示の各々は、複数の発光部の発光パターン(発光色を含む発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せ)によって表現される。第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、普通図柄抽選に伴って、普通図柄を変動表示したり、普通図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする普通図柄表示装置473と、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留回数を表示する普通図柄保留表示装置478とが設けられている。普通図柄に係る単位遊技の権利は最大4回まで保留される。普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出されたとしても普通図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
普通図柄表示装置473は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。普通図柄は、複数の発光部の発光パターンによって表現される。また、普通図柄保留表示装置478は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、中央構造体420の後方に重なるようにして、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技において、装飾図柄を変動表示したり、装飾図柄を確定表示したりする装飾図柄表示装置479が設けられている。装飾図柄の変動表示及び確定表示は、副制御基板940により制御され、主制御基板920による第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と同期している。装飾図柄の変動表示においては、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示よりも複雑かつ多様な演出が実行される。なお、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と装飾図柄の変動表示及び確定表示とは、必ずしも完全に一致するタイミングで変動開始したり、確定表示として停止表示をしたりする必要はなく、各タイミングに僅かな時間差を設けつつ略同じタイミングで変動を開始し、略同じタイミングで確定表示が行われる設定としても良い。
また、遊技盤400は、各種の構造物の裏側に設けられた盤面発光装置490(図10参照)を備えており、盤面発光装置490は、副制御基板940による制御に基づいて遊技進行に伴う各種の発光演出や発光による状態報知を実行する。
ここで、各種の遊技状態及び遊技状態間の移行について説明する。通常時の遊技状態(以下において「通常遊技状態」とも略記する)は、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が長い状態(以下において「非時短状態」とも称す)に対応する。
第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、その当選に基づいて移行する特別遊技状態中に遊技球が特定通路(下大入賞装置433の内部通路)へ進入するか否かに対応して、特別遊技状態後に移行する遊技状態が異なる。特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入しなかった場合には、第1特別図柄抽選、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が非時短状態よりも短い状態(以下において「時短状態」とも称す)であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態と同一の状態(以下において「低確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「時短遊技状態」とも称す)へ移行する。一方、特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入した場合には、時短状態であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態より高い状態(以下において「高確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「確変遊技状態」とも称す)へ移行する。
時短遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、50回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。また、確変遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、100回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。
なお、遊技状態及び遊技状態間の移行について、必ずしも上述した構成とする必要はなく、例えば、高確率状態が次回の大当りの当選まで継続する構成としても良いし、他の内容によって上記遊技状態の少なくとも1つを構成しても良いし、上述した各遊技状態とは別の遊技状態を更に含む構成としても良いし、上述した条件とは異なる条件によって遊技状態間が移行する構成としても良い。
次に、遊技盤400の主要な装置の動作について概ね時系列に沿って説明する。主制御基板920においては、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄で共通)に係る当選乱数、大当り図柄乱数、停止パターン乱数、各種の変動パターン乱数が生成されており、各種の遊技状態において第1特別図柄に係る始動入賞装置431A,431Bのいずれかに進入した遊技球が中始動入賞スイッチ441A,441B(図10参照)のいずれかによって検出された場合に第1特別図柄の始動入賞となる。第1特別図柄の始動入賞時に、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていない場合には、特別図柄に係る当選乱数、大当り図柄乱数及び停止パターン乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。
第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、特別遊技状態中でなく、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中でもなく、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されていない場合には、それらの乱数の格納の直後に開始される。また、特別遊技状態中でない場合であっても、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中や第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されている場合には、今回の入賞より前に保留されていた全ての特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)に係る単位遊技の終了後に、今回の始動入賞に基づく単位遊技が開始される。特別遊技状態中に第1特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その乱数による単位遊技は、特別遊技状態後において今回の始動入賞より前に保留されていた全ての特別図柄に係る単位遊技の後に開始される。
また、第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、第2特別図柄に係る全ての単位遊技の終了後に開始される。すなわち、今回の始動入賞の後に第2特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が優先して実行される。なお、必ずしも第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が第1特別図柄に係る単位遊技に優先して実行される構成とする必要はなく、始動入賞の順に第1特別図柄と第2特別図柄に係る単位優位制御が実行される構成であっても良いし、2つの特別図柄が択一的でなく同時に変動可能な構成であっても良い。
第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選において大当りに当選している場合には、更に、取得された大当り図柄乱数に基づいて第1特別図柄抽選の大当り当選に対応する停止図柄(大当り図柄)の種類が決定される。この停止図柄の種類と大当りの種類とが対応し、例えば、下進入規制機構453又は上進入規制機構454が進入許容姿勢をとる回数に相当するラウンド数(例えば、6ラウンドと16ラウンド)や、特別遊技状態後に移行する遊技状態(確変遊技状態へ移行させるか否か)といった遊技状態の種類に対応して大当りの種類が複数種類設定され、その種類毎に大当り図柄が設定されている。第1特別図柄抽選において大当りに当選しなかった場合には、大当り図柄とは別のハズレ図柄が停止図柄として設定される。
第1特別図柄抽選の後に、現在の遊技状態、抽選結果、停止パターン乱数の値、各種の変動パターン乱数の値、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数に基づいて、第1特別図柄の変動表示時間が決定されると共に、装飾図柄の変動パターンが選択される。その後、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471における第1特別図柄の変動表示及び装飾図柄表示装置479における装飾図柄の変動表示(変動演出)が開始され、第1特別図柄にあっては変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、装飾図柄にあっては変動表示時間に亘って変動パターンに従った変動表示が継続される。その後、変動表示時間の経過に伴って、第1特別図柄に係る停止図柄が確定表示され、また、装飾図柄として第1特別図柄の停止図柄に対応する図柄が確定表示される。第1特別図柄及び装飾図柄の確定表示は少なくとも所定の一定時間に亘って継続される。
第1特別図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、第1特別図柄の確定表示後に、遊技状態は特別遊技状態に移行する。特別遊技状態においては、下大入賞装置433の下進入規制機構453及び上大入賞装置434の上進入規制機構454が、大当りの種類に応じた所定の順序で所定の回数だけ進入許容姿勢となる。下進入規制機構453及び上進入規制機構454における各回の進入許容姿勢中において、所定の個数(例えば、8個)の遊技球が大入賞スイッチ443,444によって検出された場合、又は、所定の最大進入許容時間(例えば、29.5秒)が経過した場合には、下進入規制機構453又は上進入規制機構454は進入禁止姿勢に移行する。その後、所定の進入禁止時間の経過後に、再度、下進入規制機構453又は上進入規制機構454のいずれかが進入許容姿勢に復帰する。この進入規制動作が大当りの種類に対応した所定の順序で所定の回数だけ繰り返される。
下進入規制機構453及び上進入規制機構454は、特別遊技状態中においていずれか一方のみが進入許容姿勢をとる構成とされ、特別遊技状態の開始から所定の待機時間が経過した後(オープニング期間後)に初回の進入許容姿勢に一方が移行する。また、最終回の進入禁止姿勢への復帰から所定の進入禁止時間が経過し、更にその後に所定の待機時間が経過した後(エンディング期間後)に特別遊技状態は終了する。特別遊技状態の終了後には、上述のように、時短遊技状態又は確変遊技状態に移行する。
各種の遊技状態において、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合に第2特別図柄の始動入賞となる。第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技の制御は、上述した第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。すなわち、第2特別図柄の始動入賞時に第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、特別図柄に係る各乱数が取得されて、この始動入賞に基づく単位遊技が実行される。また、第2特別図柄抽選に応じた停止図柄の決定、装飾図柄の変動パターンの選択、変動表示の実行、及び、遊技状態の移行制御等についても、第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。
各種の遊技状態において、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出された場合、普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、普通図柄に係る当選乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。このとき、普通図柄に係る単位遊技中でなければ、その格納の直後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。一方、普通図柄に係る単位遊技中であれば、既得の普通図柄に係る単位遊技の権利に基づく単位遊技の終了後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。
普通図柄に係る単位遊技においては、当選乱数の値に基づいて当選したか否かが判定され、当選した場合には、停止図柄として所定の当り図柄が設定される。一方、普通図柄抽選において当選しなかった場合には、停止図柄として所定のハズレ図柄が設定される。普通図柄抽選後に、普通図柄表示装置473において普通図柄の変動表示が開始され、非時短状態にあっては所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、時短状態にあっては非時短状態よりも短い所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続される。遊技状態に応じた所定の時間の経過に伴って、普通図柄に係る停止図柄が一定時間に亘って確定表示される。
普通図柄に係る停止図柄が当り図柄である場合には、普通図柄の確定表示後に、右始動入賞装置432の右進入規制機構452が少なくとも1回は進入許容姿勢に移行する。具体的には、非時短状態(通常遊技状態及び特別遊技状態)において当選した場合には、右始動入賞装置432が所定の最大進入許容時間(例えば、略0.1秒)に亘って進入許容状態へ移行し、時短状態(時短遊技状態及び確変遊技状態)における当選の場合には、右始動入賞装置432が非時短状態の場合より長い所定の最大進入許容時間(例えば、略4.8秒)に亘って間欠的に(例えば、3回に分けて)進入許容姿勢に移行する。但し、所定の個数(例えば、10個)の遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合には、右進入規制機構452は最大進入許容時間の経過を待たずに進入禁止姿勢に移行し、また、進入許容姿勢への移行回数が所定の回数に到達していなくても、今回の普通図柄に係る単位遊技における右始動入賞装置432の動作が終了する。
次に、本実施形態のパチンコ機100の遊技性について説明する。第2特別図柄抽選を受けるためには、まず、普通図柄抽選において当選しなければならず、更に、その当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態において遊技球が右始動入賞装置432へ進入しなければならない。通常遊技状態における普通図柄に係る当りの当選確率は時短遊技状態における当選確率と同一であるが、通常遊技状態における当りの当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態の滞在時間(例えば、略0.1秒)が時短状態における滞在時間(例えば、略4.8秒)に比べて極めて短く設定されているために、通常遊技状態において、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に小さい。逆に、時短遊技状態や確変遊技状態等の時短状態においては、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に大きい。
したがって、遊技者は、第1特別図柄抽選において大当りに当選し、その後の特別遊技状態において遊技球を特定通路へ進入させることによる確変遊技状態への移行を目指して遊技する。一方、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、各遊技状態が終了する前に第2特別図柄抽選において大当りに当選することを目指して遊技する。
具体的には、遊技盤400には、遊技球が流下する遊技領域の中央部に中央構造体420が設けられ、主に中央構造体420の左側から遊技球を流下させる遊技手法(左打ち遊技手法)と、主に中央構造体420の右側から遊技球を流下させる遊技手法(右打ち遊技手法)とが選択的に行える構成となっている。遊技者は、通常遊技状態においては、左打ち遊技手法によって遊技を行い、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、右打ち遊技手法によって遊技を行う。また、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が中央構造体420に対して右側に配置されているので、特別遊技状態においても右打ち遊技手法によって遊技を行う。
次に、後ブロック104について説明する。図8及び図9は、それぞれ、パチンコ機100を示す背面側斜視図及び背面図である。なお、図8においては、理解の容易のために、外枠101を省略して示している。
後ブロック104は、図8及び図9に示すように、基体501に他の部材や装置が取着されて構成されている。この基体501と中間ブロック103とが後ブロック支持機構136,137によって接続されることにより、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉可能に支持されている。
後ブロック104は、遊技球を貯留する球貯留部としての遊技球タンク510と、遊技球タンク510の下流側に連続して遊技球を(例えば、1列に)整流させると共に1段に整列させる球整列部としてのタンクレール520と、タンクレール520の下流側においてタンクレール520から流入した遊技球を誘導する球誘導部としてのケースレール530と、ケースレール530の下流側において遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを実行する払出装置540と、払出装置540の下流側において払出装置540から流出した遊技球を基体501に形成された誘導通路に誘導する誘導部材550と、払出装置540による遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを制御する払出制御装置560と、外部電力を各種の装置等で必要とする所定の電圧の電力に変換して出力する電力供給手段としての機能と発射操作装置250に対する発射操作に基づく遊技球の射出を主制御基板920と協同して制御する発射制御手段としての機能とを有する電源・発射制御装置570と、払出制御装置560及び遊技球貸出装置290(図1参照)とパチンコ機100の側方に配置されるカードユニット(図示せず)との間の信号を中継する中継装置950とを備えている。
基体501は、樹脂(例えば、ABS樹脂)により一体成型されており、前側部分に対応するベース部502と、ベース部502よりも後方に位置した保護カバー部503とを含んでいる。ベース部502は、その上側部分が後ブロック104の外形に沿って略枠状に形成されると共に、下側部分が前後方向に厚みを有する略平坦状に形成されており、他の装置が取り付けられる被取付部としての機能を有している。
保護カバー部503は、前後方向に厚みを有する略板状に形成されている。また、保護カバー部503は、中間ブロック103の背面全域を覆う形状でなく、主制御装置370の一部といった頻繁に検査や確認が必要な中間ブロック103の背面における一部をパチンコ機100の背面に露出するための窓部を形成する大きさに設定されている。保護カバー部503の背面には、主制御装置370及び副制御装置390における発熱の放熱性を向上させる機能を有する多数の通気孔503Aが形成されている。
遊技球タンク510は、上方に開口した横長の箱型容器であり、その長手方向の一端側に、島設備の球循環装置(図示せず)から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク510における遊技球の供給される側と異なる長手方向の一端側には開口(図示せず)が形成されている。遊技球タンク510の底面は長手方向に緩やかに傾斜し、遊技球タンク510に供給された遊技球は開口側に自重によって移動する。また、遊技球タンク510の底面は、長手方向に比して、長手方向と直交する方向(前後方向)にも傾斜し、開口が設けられる側(例えば、前側)に優位に遊技球を誘導する。また、遊技球タンク510の底面には、その上に重なるようにして金属製の帯電防止板(図示せず)が取着され、帯電防止板が接地電位に接続されて遊技球タンク510内及びその下流側の遊技球の静電気が除去される。
タンクレール520は、遊技球タンク510の開口が形成される側に取り付けられ、遊技球タンク510の開口を通して遊技球が流入する。タンクレール520は、遊技球が1列に並んで通過する幅を有する略樋状の遊技球の通路を形成する通路形成部材521と、通路形成部材521により形成される通路の上面として次第に高さが低くなる天面部を有してその通路を流下する遊技球を上下に重なった高さから次第に1段の高さに整流する整流部材522とを備えている。タンクレール520により形成される通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜しており、遊技球タンク510とは反対側へ遊技球を誘導する。
ケースレール530は、タンクレール520の下側に連続するように縦長に形成されており、タンクレール520からの遊技球が流入する。ケースレール530には、遊技球が勢いよく流れないように左右に湾曲しつつ下方に連続している。また、ケースレール530における球通路の途中部分には、球切れを検出するための球切れ検出部539が設けられている。球切れ検出部539には、貯留球スイッチ591(図10参照)が内蔵され、貯留球スイッチ591によって、ケースレール530又はその上流側で球詰り等が発生してケースレール530内に遊技球が正常に補給されていない球切れ状態を検出する。
払出装置540は、遊技球を送り出す送出機構と、送出機構を駆動する駆動手段としての払出モータ542(図10参照)と、払出計数スイッチ592(図10参照)とを備えている。払出制御装置560による制御に基づく払出モータ542の作動に応じて、球通路に貯留されている遊技球が下流側へ放出される。放出された遊技球の球通路の通過は、払出計数スイッチ592に検出され、これにより、払出制御装置560(払出制御基板930)が遊技球の払い出し数を計数する。
払出制御装置560及び電源・発射制御装置570は、図8及び図9に示すように、後ブロック104の背面側下部に位置するように基体501のベース部502における下部背面に重なるようにして取り付けられている。これら払出制御装置560及び電源・発射制御装置570を含む後ブロック104は、機種変更等において遊技盤400を別の遊技盤に交換した場合にも、継続利用可能とされている。
払出制御装置560は、払出制御基板930(図10参照)と、払出制御基板930を収容する基板ケースとを備え、払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、開封の痕跡を残さずに開封できないように封止された基板ケースの内部に収容されている。
電源・発射制御装置570は、電源・発射制御基板900(図10参照)と、電源・発射制御基板900を収容する基板ケースとを備え、電源・発射制御基板900は、主制御基板920と同様に、封止された基板ケースの内部に収容されている。
<電気的な構成>
次に、パチンコ機100の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機100の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機100は、図10に示すように、電源・発射制御基板900、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等の制御回路装置を備えている。なお、図10において、各種の信号を中継するだけの中継回路装置については省略している。以下に、これらの主要な制御回路装置を個別に詳細に説明する。
次に、パチンコ機100の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機100の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機100は、図10に示すように、電源・発射制御基板900、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等の制御回路装置を備えている。なお、図10において、各種の信号を中継するだけの中継回路装置については省略している。以下に、これらの主要な制御回路装置を個別に詳細に説明する。
電源・発射制御基板900は、パチンコ機100の各部に電源供給路(図中の破線)を介して所定の電圧の電力を供給する電源部901と、発射操作装置250の操作に応じて発射装置330の駆動を制御する発射制御部902と、初期化スイッチ907からの初期化信号や球溢れスイッチ249からの球溢れ信号を中継する信号中継部903とを備えている。
電源部901は、外部より供給される外部電力(例えば、交流24ボルト)を取り込んで内部電力(例えば、直流24ボルト)に変換すると共に、その内部電力から各種の電力を生成する。電源部901により生成される電力は、各種のソレノイドや各種のモータ等の機器を駆動するための駆動用電圧(例えば、直流12ボルト)の電力、各種のスイッチを駆動したり制御処理を実行したりするための制御用電圧(例えば、直流5ボルト)の電力、主制御基板920のRAMの内容を保持させるためのバックアップ用電圧の電力等を含んでいる。
電源部901は、内部電力から生成した各種の電力を、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等に供給する。具体的には、電源監視基板910に対しては、内部電力、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給される。主制御基板920に対しては、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給され、これら電力は、電源監視基板910の電源監視部911を介して供給される。払出制御基板930に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。副制御基板940に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。発射制御部902及び信号中継部903に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。
電源部901には、電源スイッチ909が接続されており、電源スイッチ909がオフ状態である場合には外部電力の取り込みが停止される。なお、電源スイッチ909をオフ状態にしたり、電源スイッチ909を介して電源部901に接続される電源プラグ(図示せず)を外部電力の供給コンセント(図示せず)から抜脱したりすることによってパチンコ機100の内部への電力の供給が停止している状態や、外部電力自体の供給が停止している状態を「停電状態」と総称する。
電源部901は、停電状態への移行後においても所定の期間にわたり制御用電圧の電力を正常に出力するように構成されている。これによって、主制御基板920は、現在の制御状態に復帰できるように状態を保存して制御を終了させることができる。
発射制御部902は、主制御基板920と協同して、発射装置330の球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334の駆動を制御する。なお、球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334は、所定条件が整っている場合に作動が許可される。具体的には、遊技者が発射ハンドル252(図1参照)に触れていることが接触センサ254からの接触センサ信号に基づいて検知されていること、発射を停止させるための発射停止スイッチ255が操作されていないことを条件に、発射制御部902はオン状態の発射許可信号を主制御基板920に出力する。また、発射許可信号と発射異常信号とに基づいて主制御基板920は発射ソレノイド制御信号及び球送りソレノイド制御信号を発射制御部902に出力する。発射制御部902は、オン状態の球送り制御信号に基づいて球送りソレノイド332を作動させ、オン状態の発射ソレノイド制御信号の受信と可変抵抗器253の抵抗値とに基づいて発射ソレノイド334を作動させる。これによって、発射装置330から可変抵抗器253の抵抗値(発射ハンドル252の回転操作量)に応じた強さで遊技球が順次に発射される。
信号中継部903は、初期化スイッチ907が押下された場合に、主制御基板920へオン状態の初期化信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の初期化信号の受信に応じて主制御基板920のRAMに保存された保存情報を初期化する。なお、初期化スイッチ907は、必ずしも信号中継部903を介して主制御基板920に信号を出力する構成とする必要はなく、例えば、初期化スイッチ907を主制御基板920に直接搭載する等して基板ケース371内に初期化スイッチ907が収容される構成としても良く、これにより信号が伝送される区間を狙った不正な信号入力を抑止することができる。
また、信号中継部903は、球溢れスイッチ249が遊技球を検出した場合に、主制御基板920へオン状態の球溢れ信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に低速払出信号を出力し、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度(払出装置540からの遊技球の払出速度)を低速化させる。また、主制御基板920は、オフ状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に高速払出信号を出力し、高速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度を高速化させる。
電源監視基板910は、電源・発射制御基板900からの電力供給状態を監視する電源監視部911と、電源・発射制御基板900と主制御基板920との間の電力供給及び各種の信号の伝達を中継する信号中継部912とを含んでいる。電源監視部911は、停電状態への移行に応じて主制御基板920へ停電信号を出力するものでもあり、電源部901から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満である状態が所定の時間だけ継続した場合に停電状態であると判断して、オン状態の停電信号を主制御基板920へ出力する。主制御基板920は、オン状態の停電信号の受信によって停電状態への移行を認識する。
主制御基板920は、パチンコ機100の動作を統括的に制御する。主制御基板920には、1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)が搭載されている。MPUは、演算処理装置としてのCPU(図示せず)と、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROM(図示せず)と、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAM(図示せず)とを含んでいる。主制御基板920には、その他、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。主制御基板920のRAMは、停電状態への移行後においても電源・発射制御基板900からのバックアップ電圧の電力供給によって内部データを維持(バックアップ)できる構成となっている。
払出制御基板930は、主制御基板920からの指示に応じた払出装置540による遊技球の払い出し動作や遊技球貸出装置290の操作に応じた払出装置540による遊技球の貸し出し動作を制御する。払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)及びRAM(図示せず)を含む1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。払出制御基板930は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920及び中継装置950とは双方向の情報入出力通信が可能に接続され、開閉検出スイッチ108,109、貯留球スイッチ591、及び、払出計数スイッチ592とは、一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、払出モータ542とは、一方向のみの情報出力通信のみが可能に接続されている。なお、払出制御基板930のRAMは、主制御基板920のRAMと同様に、停電状態において一定の期間にわたって内部データを維持可能とするバックアップ機能を有する構成としても良いし、主制御基板920のRAMとは異なり、停電状態において内部データを維持しない構成としても良い。
副制御基板940は、主制御基板920からの指示に基づいて、各種の演出装置や各種の発光装置や各種の音響装置等の動作を制御する。副制御基板940は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920とは一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、入力操作装置260とは双方向に情報通信可能に接続され、装飾図柄表示装置479等とは一方向の情報出力通信のみが可能に接続されている。
<各種の制御処理>
次に、主制御基板920によって実行される各種の制御処理について説明する。主制御基板920における制御処理は、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では2ms(ミリ秒)周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成されている。
次に、主制御基板920によって実行される各種の制御処理について説明する。主制御基板920における制御処理は、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では2ms(ミリ秒)周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成されている。
まず、図11を参照して、主制御基板920によって実行されるメイン処理について説明する。図11は、主制御基板920のメイン処理(図11においては「主制御メイン処理」と略記)を示すフローチャートである。
主制御基板920のメイン処理において、まず、主制御基板920の立ち上げや各種の情報を初期設定するための一連の制御開始処理(プログラム開始処理S1001〜乱数初期設定処理S1019)が一度だけ実行され、その後は、割込みを禁止する割込み禁止処理S1020と、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)及び大当り図柄乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)並びに普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する乱数初期値更新処理S1021と、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する変動用カウンタ更新処理S1022と、割込みを許可する割込み許可処理S1023とが繰り返し実行される。なお、割込み許可処理S1023の前にタイマ割込みの要求が発生した場合には、割込み許可処理S1023の直後にタイマ割込み処理が実行される。
一連の制御開始処理において、プログラムの実行を制御するスタックポインタ(RAMの一部の領域)に初期値を設定するプログラム開始処理S1001と、割込みモードを設定する割込みモード設定処理S1002と、払出制御基板930及び副制御基板940等が立ち上がるまで所定の時間だけ待機する立上待機処理S1003とが実行される。
立上待機処理S1003の後に、電源・発射制御基板900の初期化スイッチ907からの初期化信号の出力状態の判定処理S1004、停電情報(RAMの一部の領域)の値の判定処理S1005、保存情報の記憶状態の判定処理S1007が行われ、これらの判定結果に基づいてRAMの保存情報を消去するか否かが判定される。ここで、保存情報とは、停電前の遊技の状態に復帰させるために必要な情報であって、停電前に遊技の進行に応じて更新されていたRAMの一部の領域に対応し、実行中の単位遊技に関するカウンタの値や、始動入賞によって格納されたカウンタの値等が例示される。
保存情報の記憶状態は、次のように判定される。まず、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出して(チェックサム算出処理S1006)、その現在のチェックサム値と前回の停電状態への移行に伴い停電監視処理S1202(図12参照)において算出されたチェックサム値の2の補数であるRAM判定値との排他的論理和が「0」であるか否か(判定処理S1007)が判定され、これにより、現在のチェックサム値と停電状態への移行時のチェックサム値とが同一であるか否かが判定される。
初期化信号がオン状態である場合(S1004:Y)、停電情報が停電状態への移行時に保存情報を保存して終了したことを示す所定の停電値でない場合(S1005:N)、又は、保存情報が正常に保持されていない場合(S1007:N)には、RAMの保存情報を消去するRAMクリア処理S1008が実行される。保存情報が正常に保持されていると判断された後(S1007:Y)、又は、RAMクリア処理S1008が実行された後には、主制御基板920に接続されている各種の装置を初期化するハードウェア初期化処理S1009が実行される。
ハードウェア初期化処理S1009の後には、停電情報が停電値であるか否かの判定処理S1010が実行される。停電情報が停電値である場合(S1010:N)には、保持情報の復帰を含め各種の情報を初期設定するRAM復帰設定処理S1011と、その設定完了を示す復帰コマンドが設定される(復帰コマンド出力処理S1012)。RAM復帰設定処理S1011における保持情報の復帰によって、前回の停電状態への移行直前の制御状態に主制御基板920の制御状態が復帰する。
一方、停電情報が停電値でない場合(S1010:Y)には、保持情報の復帰は行わずに各種の情報が初期設定され(RAM初期設定処理S1013)、その設定完了を示す初期化コマンドが出力される(初期化コマンド出力処理S1014)。
なお、RAM復帰設定処理S1011及びRAM初期設定処理S1013において、停電情報は停電値と異なる所定の通電値に設定され、また、前回の停電状態への移行直前において不正検知エラー等の各種のエラー状態が発生していてもそれらのエラー状態は全て解除される。また、主制御基板920から払出制御基板930及び副制御基板940の双方に復帰コマンドか初期化コマンドのいずれかが出力され、復帰コマンド又は初期化コマンドを受信した払出制御基板930及び副制御基板940の各々においても所定の初期化処理が実行される。
立上時の状況に応じたRAMの初期設定(判定処理S1004〜初期化コマンド出力処理S1014)の後に、前回の停電状態への移行時に条件装置が作動していた場合には、特別遊技状態に復帰させるための準備が行われる(特別遊技状態復帰準備処理S1015)。具体的には、特別遊技状態復帰準備処理S1015においては、条件装置と役物連続作動装置の作動状態が判定され、停電状態時における遊技の状況に対応した処理が、副制御基板940において実行される。
特別遊技状態復帰準備処理S1015の後には、時短状態フラグが設定されているか否かを判定することにより時短状態であるか非時短状態であるかが判定され(判定処理S1016)、時短状態である場合(S1016:Y)には、時短コマンドが出力される(時短コマンド出力処理S1017)。一方、非時短状態である場合(S1016:N)には、非時短コマンドが出力される(非時短コマンド出力処理S1018)。その後、特別図柄に係る当選乱数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が初期化される(乱数初期設定処理S1019)。
次に、図12を参照して、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。図12は、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理(図中では「主制御割込み処理」と略記)を示したフローチャートである。
主制御基板920のタイマ割込み処理では、まず、タイマ割込みを開始させるための割込み開始処理S1201が実行される。具体的には、割込み制御レジスタに所定の値が設定される。これにより、本タイマ割込み以外の割込みが禁止される。その後に、パチンコ機100の遊技の進行制御や各種センサの監視等といった実質的な制御に係る停電監視処理S1202〜外部情報出力処理S1221が順次に実行される。但し、各種の不正の検知に基づいて遊技進行が停止されている場合(S1207:Y)には、制御信号出力処理S1208〜外部情報出力処理S1221は実行されない。最後に、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理S1222が実行されて、今回のタイマ割込み処理が終了する。以下において、各種の主要な処理について個別に説明する。
停電監視処理S1202においては、電源監視基板910の電源監視部911から出力されている停電信号の出力状態に基づいて停電情報(RAMの一部の領域)の値が更新される。具体的には停電信号の出力状態が3度に亘り確認され、3度ともオン状態が検出された場合に停電状態であると判定される。この判定において停電状態であると判定されなかった場合には、停電情報は通電値に維持される。
一方、停電監視処理S1202において停電状態であると判定された場合には、以下の処理が実行される。まず、停電情報の値がRAM復帰設定処理S1011又はRAM初期設定処理S1013(図11参照)において設定された通電値から所定の停電値に変更される。また、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出し、そのチェックサム値の2の補数をRAM判定値として設定する。これにより、パチンコ機100は、遊技の進行や各種センサの監視等といった実質的な制御を行わない無限ループに入り、RAM判定値が設定された後のRAMの状態がバックアップ電力に基づいて保持される。なお、停電信号の出力状態が3度に亘り確認されるために、停電信号の受信を初めて検知してから、タイマ割込みの各処理は2回に亘り実行される。
乱数更新処理S1203においては、特別図柄に係る当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。但し、変更後の値が特別図柄に係る当選乱数カウンタに対する循環初期値と同一の値となる場合には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定され、また、循環初期値も当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定される。
大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタについても、特別図柄に係る当選乱数カウンタの場合と同様にして更新される。ただし、各カウンタの規定最大値と規定最小値とにより定められる更新範囲としては各カウンタに固有の値が設定され、複数のカウンタが非同期で更新される構成とされ、各カウンタの循環初期値には各カウンタに固有の初期値カウンタが参照される。例えば、特別図柄に係る当選乱数カウンタと特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、大当り図柄乱数カウンタと大当り図柄乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、普通図柄に係る当選乱数カウンタと普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一である。
乱数初期値更新処理S1204においては、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ、大当り図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの場合と同様にして更新される。
変動用カウンタ更新処理S1205においては、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタの値が更新される。具体的には、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値(例えば、「187」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。第2の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、第1の変動種別カウンタの場合と同様にして更新される。
なお、特別図柄及び普通図柄に係る各当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ並びに各変動種別カウンタは、必ずしも上記構成とする必要はなく、上記カウンタの少なくとも一部を他の構成としても良く、例えば、初期値カウンタを利用しないで一定の初期値から更新する構成としても良いし、プログラムを利用しないで乱数生成用ICにより構成して必要に応じて値を参照する構成としても良い。
遊技停止判定処理S1206においては、不正検知情報が不正検知値である場合には、遊技停止値に更新されると共に、遊技進行を停止させるための各種の情報が設定される。一方、不正検知情報が不正検知値でない場合や既に遊技停止値である場合には、遊技進行を停止させるための各処理は実行されずに遊技停止判定処理S1206は終了する。なお、不正検知情報は、不正検知処理S1211において各種の不正の発生が検知された場合に不正検知値に設定される。また、判定処理S1207においては、不正検知情報が遊技停止値であるか否かによって遊技停止中であるか否かが判定される。
制御信号出力処理S1208においては、出力バッファに格納された制御データに基づいて、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472及び普通図柄に係る普通図柄表示装置473等の各種の報知装置を制御する信号が出力される。また、出力バッファに格納された制御データに基づいて、球送りソレノイド332、発射ソレノイド334、右進入規制ソレノイド462、下進入規制ソレノイド463、上進入規制ソレノイド464、切換ソレノイド465等の各種のアクチュエータを制御する信号が出力される。
スイッチ読込処理S1209においては、中始動入賞スイッチ441A,441B、右始動入賞スイッチ442、下大入賞スイッチ443、上大入賞スイッチ444、役連作動スイッチ445、始動スイッチ446、非特定通路スイッチ447、特定通路スイッチ448、及び、一般入賞スイッチ449A,449Bの各々からの信号状態が読み込まれて、各種のスイッチによる遊技球の検出状態の変化が検知される。
具体的には、スイッチ読込処理S1209において、各種のスイッチからの信号状態が所定の時間間隔を隔てて2度に亘り入力バッファ(RAMの一部の領域)に読み込まれ、各種のスイッチからの信号ごとに、1回目に読み込まれた信号状態(以下において「第1の信号状態」と略記する)と、2回目に読み込まれた信号状態(以下において「第2の信号状態」と略記する)と、前回のタイマ割込みで検知された検出状態(以下において「前回の検出状態」と略記する)とに基づいて、各種のスイッチの検出状態の変化が検知される。そして、各スイッチに対して、前回の検出状態がオフ状態である場合において、第1の信号状態がオン状態であり、第2の信号状態がオン状態である場合には、オン状態移行と判断されて、スイッチの種類に応じた検出フラグ(RAMの一部の領域)が設定される。なお、停電監視処理S1202で説明したように、電源供給が停止したとしても、タイマ割込みの各処理が2回に亘り実行されるために、電源供給が停止した直後に各種のスイッチのオン状態が開始された場合であっても各種のスイッチの検出フラグを正確に設定することができる。
タイマ更新処理S1210においては、特別図柄及び普通図柄の変動表示、各遊技状態の制御、及び、不正監視等に使用される各種のタイマ(RAMの所定の領域)が更新される。
不正検知処理S1211においては、各種の入賞装置に強制的に遊技球を進入させたり、各種の入賞装置を強制的に作動させたりするような不正行為が検知される。具体的には、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な進入許容姿勢への移動、加振による下大入賞装置433の特定通路への遊技球の誘導、電波による右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な誤作動の誘発、磁気吸着による各種の入賞装置への遊技球の誘導、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434への異常なタイミングでの遊技球の誘導等の不正行為が行われた可能性の高い状況の発生を検知する。
入賞検知応答処理S1212においては、遊技盤400に設けられた各種のスイッチによる遊技球の検出に基づく制御が実行される。具体的には、上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)及び下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)による遊技球の検出に基づいて、中始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、中始動入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第1払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。また、右始動入賞スイッチ442(図10参照)による遊技球の検出に基づいて右始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、第1払出カウンタが更新される。また、下大入賞スイッチ443(図10参照)による遊技球の検出に基づいて下大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合や、上大入賞スイッチ444(図10参照)による遊技球の検出に基づいて上大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、大入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第2払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。
発射制御処理S1213においては、発射装置330による遊技球の発射を制御するための発射関連情報が更新される。具体的には、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332の作動フラグ及び発射機構333を駆動する発射ソレノイド334の作動フラグが更新される。
入力信号監視処理S1214においては、払出制御基板930を介した開閉検出スイッチ108(図10参照)からの信号の出力状態に基づいて、外枠101(図1及び図2参照)に対して中間ブロック103(図1及び図2参照)が閉鎖されているか否かが検知される。また、払出制御基板930(図10参照)を介した開閉検出スイッチ109からの信号の出力状態に基づいて、中間ブロック103(図2及び図3参照)に対して前ブロック102(図2及び図3参照)が閉鎖されているか否かが検知される。
払出状態監視処理S1215においては、払出制御基板930から出力される払出制御状態を示す情報が監視され、必要に応じて、払出制御状態に応じた各種の払出状態コマンドが設定される。なお、払出状態コマンドを受信した副制御基板940は、払出状態コマンドの種類に応じた報知を装飾図柄表示装置479、左上音響装置281及び右上音響装置282等に実行させる。
払出信号出力処理S1216においては、必要に応じて、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタの値に基づいて各種の賞球コマンドを設定し、払出制御基板930に出力する。なお、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタは、賞球コマンドの設定に応じて更新される。例えば、第1払出カウンタは、1回の入賞に相当する遊技球が検出される毎に1ずつ加算され、その入賞に基づく賞球コマンドが設定される毎に1ずつ減算される。払出制御基板930では、その入賞に対応する数(例えば、3個)の遊技球を払い出す制御を実行する毎に(詳細には、払い出しが完了する少し前に)、主制御基板920に賞球コマンドを要求し、賞球の払い出しが継続している状況においては、主制御基板920から更なる賞球コマンドが出力される。第2払出カウンタは、第1払出カウンタとは賞球数が異なる入賞(例えば、13個)に対応して更新されるカウンタであり、第2払出カウンタの値に基づく賞球コマンドを払出制御基板930が受信した場合には、払出制御基板930は、その賞球コマンドに対応した数分の遊技球を払い出す制御を実行する。
特別図柄関連処理S1217においては、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第1特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476の動作制御が実行される。また、第1特別図柄に係る単位遊技の制御において、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471の動作制御が実行され、第1特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
また、特別図柄関連処理S1217においては、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第2特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477の動作制御が実行される。また、第2特別図柄に係る単位遊技の制御において、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の動作制御が実行され、第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
普通図柄関連処理S1218においては、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御並びに普通図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、普通図柄保留表示装置478の動作制御が実行される。また、普通図柄に係る単位遊技の制御において、普通図柄に係る普通図柄表示装置473の動作制御が実行され、普通図柄抽選に当選した場合には更に右始動入賞装置432の動作制御が実行される。
表示制御処理S1219においては、特別図柄関連処理S1217における第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477等の動作を制御するために更新される各種の情報に基づいて、それらの装置を具体的に作動させるための出力データが合成される。合成された出力データは、次回のタイマ割込みに基づく制御信号出力処理S1208において各装置に出力される。
モータ制御処理S1220においては、各種のモータの動作制御が実行される。外部情報出力処理S1221においては、パチンコ機100に電気的に接続されるデータ表示装置(図示せず)や管理装置(図示せず)等の外部装置に出力する出力データが設定される。
<遊技球の払出経路の構成(1)>
次に、図13以降を参照して、遊技球の払出経路に関する構成について説明する。図13は、パチンコ機100及び遊技球管理装置700を前側(正面)から見た正面図である。パチンコ機100の隣(左側)には、そのパチンコ機100で遊技を行う遊技者の所持球を管理する遊技球管理装置700が設置されている。
次に、図13以降を参照して、遊技球の払出経路に関する構成について説明する。図13は、パチンコ機100及び遊技球管理装置700を前側(正面)から見た正面図である。パチンコ機100の隣(左側)には、そのパチンコ機100で遊技を行う遊技者の所持球を管理する遊技球管理装置700が設置されている。
遊技球管理装置700は、遊技者の所持する所持球数及び所持金額を表示可能な管理情報表示部701と、所持球及び所持金額を利用した遊技球の貸し出し操作や価値記憶媒体の取り出し操作等が可能な管理装置操作部702と、紙幣を挿入する紙幣挿入部703と、情報を記録可能なカードやコインなどの価値記憶媒体を挿入する記憶媒体挿入部704と、遊技球管理装置700に管理される遊技球を前側から投入するための前側球投入部705及び前側通路部材706と、遊技球管理装置700に管理される遊技球を後側から投入する後側球投入部707とを備えている。
前側通路部材706は、パチンコ機100から払い出された遊技球を、遊技球管理装置700へと移送する移送通路としての前側通路を構成する部材である。前側通路部材706は、パチンコ機100に設けられる2つの貯留部231,241のうち下側の補助貯留部241の下に上流側の端部が位置するようにして設置されている。また、前側通路部材706は、正面視左側を回動中心にして左手前側に回動可能に取り付けられ、パチンコ機100の前ブロック102や中間ブロック103を開閉する際に、前ブロック102に押されることで同期して回動する。
前側通路の上流側部分は、補助貯留部241の放出口241B(図1参照)の下側にて上方に開口している。また、前側通路は、遊技球管理装置700に向かって遊技球が進行するように正面視左側に下り傾斜し、下流側の端部にて、遊技球管理装置700の前側球投入部705に接続されている。補助貯留部241に貯留された遊技球は、遊技者によって球抜き操作部材242(図1参照)が操作されることで前側通路を経由して遊技球管理装置700へ移送可能となっている。
また、パチンコ機100の背面側には、パチンコ機100から払い出された遊技球を、遊技球管理装置700へ移送する移送通路としての後側通路580を構成する後側通路部材が設けられている。後側通路580へ遊技球を進入可能とするか否かは、遊技場の管理者によってパチンコ機100の背面側を操作することで選択可能に構成されている。遊技場の管理者は、後側通路580を経由して遊技球を遊技球管理装置700へ移送する機能を有効とするか否かを選択可能となっており、後側通路580に関する構成の詳細については、後述する。
次に、パチンコ機100から払い出される遊技球の払出経路に関する構成について、図14等を参照して、更に説明する。図14は、パチンコ機100及び遊技球管理装置700を後側(背面側)から見た背面図であり、遊技球の払出経路に関する主要な構成を模式的に示し、一部の構成を省略している。また、図14(A)は、補助貯留部241と前側通路とを経由させて、パチンコ機100の前側から遊技球管理装置700へ遊技球を移送する状態(前側移送状態)を示し、図14(B)は、補助貯留部241を経由させることなく、パチンコ機100の後側にて遊技球管理装置700へ遊技球を移送可能とする状態(後側移送状態)を示している。また、図14においては、矢印を付した細線によって、遊技球が流下して進行可能な経路の一部および方向を図示している。
まず、図14(A)を参照して、前側移送状態における遊技球の払出経路に関する構成について説明する。
パチンコ機100には、遊技場の設備から遊技球タンク510に遊技球が供給される。遊技球タンク510に供給された遊技球は、タンクレール520及びケースレール530を通って払出装置540に進入する。払出装置540は、払出制御装置560(図10参照)の制御によって遊技球を1球ずつ下流側に流下させるものであり、例えば、回転動作に応じて遊技球を1球ずつ下流側に進行させる球送り部材(図示せず)を有している。遊技球は、球送り部材が回転動作することによって1球ずつ出力されて下流側に進行し、払出計数スイッチ592(図10参照)を通過してから、誘導部材550の球誘導部551へと進入する。球誘導部551の下流側には、2股に分岐して2つの誘導通路552,553が、球誘導部551の一部として設けられている。
球誘導部551に進入した遊技球は、一方側(背面視左側)の主側誘導通路552に優先して進入するように誘導される。主側誘導通路552が遊技球で満たされて遊技球が進入不能な満タン状態となった場合には他方側(背面視右側)の誘導通路である補助側誘導通路553に遊技球が誘導される。
主側誘導通路552は、パチンコ機100の背面視左側であって遊技球管理装置700から離間した側に設けられ、主貯留機構230の貯留部231へと接続されている。主側誘導通路552の下流側には、主貯留機構230の流入口231Aが設けられ、主側誘導通路552へ進入した遊技球は、主貯留機構230の貯留部231へ誘導される。
補助側誘導通路553は、パチンコ機100の背面視右側であって遊技球管理装置700に近い側に設けられ、補助貯留機構240の補助貯留部241へと接続されている。補助側誘導通路553の下流側には、補助貯留機構240の流入口241Aが設けられ、補助側誘導通路553へ進入した遊技球は、補助貯留機構240の補助貯留部241へ誘導される。
払出装置540によって払い出された遊技球は、球誘導部551を経由し、2つの誘導通路552,553のうち、主貯留機構230へ接続される主側誘導通路552を優先して流下し、主貯留機構230の貯留部231へ誘導される。主貯留機構230へ接続される主側誘導通路552が満タン状態になると、補助貯留機構240へ接続される補助側誘導通路553を遊技球が流下する。補助貯留機構240へ接続される補助側誘導通路553に予め定めた上限の高さ位置に達するまで遊技球が貯留された満タン状態になると、遊技球の払い出しが一時停止され、満タン状態が解除されると、再び払い出しが再開される。
図15は、前側移送状態としての進入切替部材581が進入阻止姿勢をとった状態における補助側誘導通路553と後側通路580との分岐部分の周辺を模式的に示した略線図である。図15においては、矢印を付した細線によって、遊技球が流下して進行可能な経路の一部および方向を図示している。
後側通路580は、補助側誘導通路553からの分岐部分から水平方向よりわずかに下降傾斜して連続するように設けられ、その下流側部分がパチンコ機100の背面視右側(正面側から見て左側)の遊技球管理装置700の背面側に重なる位置まで連続している。後側通路580における下流側端部の出口580Bは、遊技球管理装置700の後側球投入部707に接続され、後側通路580を経由した遊技球が遊技球管理装置700へ背面側から進入可能となっている。後側通路580における入口580Aの近くには、進入切替部材581が設けられている。
進入切替部材581は、補助側誘導通路553と後側通路580との分岐部分に設けられている。後側通路580は、その上流側端部が補助側誘導通路553の途中部分に接続され、前側移送状態に対応して進入阻止姿勢をとった進入切替部材581は、補助側誘導通路553から後側通路580へ続く入口を閉鎖し、遊技球が後側通路580へ進入し得ない状態する。これにより、前側移送状態では、補助側誘導通路553を通過する遊技球は、後側通路580へ進入し得ず、分岐部分に到達した遊技球は、補助貯留機構240へ接続される補助側誘導通路553に沿って流下し、補助貯留機構240の貯留部241へ誘導される。
ここで、後側通路580を形成する後側通路部材は、外枠101の背面側部分に設けられる軸580Cによって回動可能に支持され、後側通路部材が外枠101に支持されて一体化されている。軸580Cによって後側通路部材を縦長となるように回動すると(図15に鎖線で示す外形線580Xの状態)、後側通路部材は、パチンコ機100の背面視で外枠101の矩形状の外形内に収まる収納状態となるように構成されている。これにより、パチンコ機100を遊技場に設置するときに、後側通路部材が周辺部分に接触することによって破損する不具合を防止している。
ここで、後側通路580を形成する後側通路部材の一部を伸縮可能な構成とし、補助側誘導通路553に後側通路580の入口580Aが連続可能となる設置状態において、誘導部材550を含む後ブロック104が外枠101に対して回動しても、後側通路580と補助側誘導通路553とが連続した状態を維持するように構成することが好ましい。または、設置状態にて後ブロック104が外枠101に対して回動した場合に、その回動動作に連動して進入切替部材581が後側通路580の入口580Aを閉鎖する構成とし、さらに、補助側誘導通路553において後側通路580へ連続する通路を閉鎖する別の蓋部材を設けて、後側通路580の入口580Aと補助側誘導通路553における後側通路580への出口部分とが別々に閉鎖する構成としてもよい。
補助側誘導通路553の上流部であって、後側通路580への分岐部分より上流側には、遊技球によって押下されることで遊技球の存在を検知可能な球検知部材559が設けられている。球検知部材559は、補助側誘導通路553に対して予め定めた上限の高さ位置に達するまで遊技球が満たされた満タン状態を検出するための部材であり、球検知部材559の状態が球溢れスイッチ249(図10参照)によって検出されて補助貯留部241を下流端とする下側の貯留部の上限まで遊技球が貯留されているか否かが検出可能となっている。
図16は、進入阻止姿勢をとった進入切替部材581を、補助側誘導通路553と後側通路580と共に模式的に示した図であり、図17は、進入阻止姿勢をとった進入切替部材581をパチンコ機100の背面側及び左側から視認した状態を示した図である。
進入切替部材581は、進入阻止部582と、該進入阻止部582の下側に設けられて進入阻止部582を回動可能とする回動軸部583と、遊技場の管理者が操作可能な操作部としての切替操作部584とを有している。進入切替部材581の回動軸部583は、後側通路部材に回動可能に支持され、進入阻止部582は、回動軸部583によって回動可能(変位動作可能)に構成され、配置位置が変更されることにより、後側通路580に対する遊技球の進入を阻止する進入阻止姿勢と、後側通路580に対する遊技球の進入を許容する進入許容姿勢とをとる。
回動軸部583は、進入切替部材581を回動可能とするための機構の一部を構成する部位である。回動軸部583は、切替操作部584に接続されており、切替操作部584の回転操作に応じて進入阻止部582を鉛直方向又は水平方向に略平行な位置に回転させて変位させることができる。
進入切替部材581は、鉛直方向に位置させることで進入阻止姿勢をとり、略平行に位置させることで進入許容姿勢をとる。進入切替部材581の姿勢変化は、切替操作部584の操作によって進入阻止部582を回転動作させることで実施可能とされている。進入切替部材581には、進入阻止部582を鉛直方向及び水平方向に略平行な位置に操作した場合に進入阻止部582が鉛直方向又は水平方向に略平行な予め定めた位置に保持(維持)する保持機構(図示せず)が設けられている。なお、「略平行」とは、平行から±10°の範囲内としてもよく、「平行」を含むものとする。
進入切替部材581は、図16に示すように、進入阻止部582を鉛直方向に略平行な方向に配置することにより進入阻止姿勢をとり、主側誘導通路552と後側通路580との連通部分を遊技球が通過不能に遮断し、遊技球の後側通路580への進入を阻止する。進入切替部材581が進入阻止姿勢のときには、図14(A)及び図15に示すように、主側誘導通路552が満タン状態となっている状況で払い出された遊技球を、誘導部材550が、補助側誘導通路553へと進入させて下流側へと進行させ、流入口241Aを通じて補助貯留部241へと誘導する。
次に、図14(B)と、図18から図20とを参照して、後側移送状態における遊技球の払出経路に関する構成について説明する。
パチンコ機100には、補助側誘導通路553の途中から、補助貯留機構240が設けられる側とは異なる横方向に分岐して後側通路580が設けられ、後側通路580へ遊技球が進入するか否かが進入切替部材581の位置によって制御される。なお、後側通路580は、一部の図面において理解の容易のために、通路の外形のみを模式的に示すと共に、背面側から通路の内部が視認可能な状態を模式的に示し、また、図2,図4,図8及び図9においては、後側通路部材及び進入切替部材581を省略している。
図18は、進入切替部材581が進入阻止姿勢をとった状態における補助側誘導通路553と後側通路580との分岐部分の周辺を模式的に示した略線図である。図18においては、矢印を付した細線によって、遊技球が流下して進行可能な経路の一部および方向を図示している。図19は、進入許容姿勢をとった進入切替部材581を、補助側誘導通路553と後側通路580と共に模式的に示した図であり、図20は、進入許容姿勢をとった進入切替部材581をパチンコ機100の背面側及び左側から視認した状態を示した図である。
進入切替部材581は、図18から図20に示すように、後側移送状態に対応して進入許容姿勢をとり、補助側誘導通路553と後側通路580とが連続するように、進入阻止部582を補助側誘導通路553が設けられる側(背面視左側)に傾倒した状態となる。進入許容姿勢をとった進入切替部材581は、後側通路580に対して略平行(水平方向に対して略平行な方向)であって僅かに背面視右側に下り傾斜するように配置され、補助側誘導通路553と後側通路580との連通部分を遊技球が通過可能に開口して、補助側誘導通路553から後側通路580への遊技球の進入を許容する。また、進入許容姿勢をとった進入切替部材581は、補助側誘導通路553の下流側へ連続する通路側の開口を閉塞し、補助側誘導通路553を通過してきた遊技球を後側通路580へと誘導する。
図14(B)に示すように、進入切替部材581が進入許容姿勢のときには、主側誘導通路552から遊技球が溢れて補助側誘導通路553へ進入した遊技球は、進入切替部材581によって後側通路580の側へ誘導されて遊技球管理装置700へ進入する。
遊技球管理装置700に進入した遊技球は、遊技球管理装置700によって管理されることとなり、例えば、遊技球管理装置700内に設けられた計測カウンタ(図示しない)によって、その進入数がカウントされて遊技者の所持球数に加算される。所持球数の加算は、遊技球管理装置700内の価値記憶媒体に記憶され、管理情報表示部701の表示内容が更新される。また、遊技球管理装置700内に進行した遊技球は、遊技球管理装置700の球出口(図示せず)を経由して遊技場側に設けられた遊技球循環装置(図示せず)に排出される。
ここで、パチンコ機100nには、後側通路580への遊技球の進入不能状態を検知する進入不要検知機能が設けられている。遊技球管理装置700の側に遊技球が進行できない状態となって後側通路580が遊技球で満たされた満タン状態となると、遊技球が補助側誘導通路553の側まで連続することとなる。補助側誘導通路553と後側通路580との分岐部分より上流側には球検知部材559が設けられており、球検知部材559の高さ位置まで遊技球が満たされると球検知部材559を通じて後側通路580の満タン状態が検知される。これにより、後側通路580へ遊技球が進入し得ない状況についてもパチンコ機100が検出し、後側通路580の満タン状態に対応して遊技球の払い出しを停止する等の制御が可能となっている。なお、球検知部材559とは別に、後側通路580に、満タン状態を検出するための検知部材やセンサを設けて、補助側誘導通路553とは別の位置にて満タン状態を検出可能とし、その満タン状態に対応して遊技球の払い出しを停止するなどの制御をパチンコ機100が実施する構成としてもよい。
進入切替部材581は、パチンコ機100の背面側に露出し、遊技者は操作不能に構成され、遊技場の管理者によって操作可能とされている。例えば、遊技場の管理者がパチンコ機100の裏側を直接操作することにより、進入切替部材581に対しての直接的な切替作業が実行される。これにより、遊技場に設置された遊技球管理装置700の仕様に応じてや、パチンコ機100の機種に応じて、或いは、遊技場の嗜好に応じてなど、遊技場の管理者が必要に応じて進入阻止姿勢及び進入許容姿勢のいずれかを自由に選択して切替を行うことができる。
このように、パチンコ機100は、払出装置540から払い出された遊技球をパチンコ機100の前側に貯留する補助貯留部241と、補助貯留部241に貯留された遊技球をパチンコ機の前側で遊技機外に出す補助貯留部241の放出口241Bと、払出装置540と貯留部241との間に位置する補助側誘導通路553と、補助側誘導通路553とは別に設けられて払出装置540から払い出された遊技球を補助貯留部241の放出口とは異なるパチンコ機100の背面側にて遊技機外に出す後側通路580と、払出装置540から払い出された遊技球が後側通路580に進入するか否かを切り替えることが可能な進入切替部材581とを備えている。このため、補助貯留部241の放出口241Bを利用し、従来と同様に、遊技者自身の管理する球箱や遊技球管理装置700に、パチンコ機100の前側を経由して遊技球を移送可能としつつ、更に、後側通路580を使って遊技球管理装置700にパチンコ機100の背面側を経由して遊技球を移送することが可能となる。
すなわち、パチンコ機100の前側の貯留部231,241を経由させることなく、一部の遊技球を遊技球管理装置700に移送することができるので、遊技者の所持する遊技球を、遊技者が触れる機会を設けることなく容易に管理することができる。従って、貯留部231,241から遊技球が溢れてしまったり、球箱に移し替えたりする作業を少なくし、且つ、遊技者から遠い位置を経由して遊技球を遊技球管理装置700に移送できるため、遊技球の通過する音や遊技球同士の接触音も遊技者に届きにくくすることができ、遊技者の利便性を高めることができる。
<遊技球の通過音および接触音の抑制構造>
次に、図13を参照して、パチンコ機100における遊技球の通過音や遊技球同士の接触音を少なくするための構成について更に説明する。パチンコ機100には、パチンコ機100の前後方向において、後側通路580の前側に重なる位置に音響装置283が設けられている。音響装置283は、後側通路580より前に設けられ、音響装置283が設けられることで、後側通路580からの遊技球の通過音や接触音が前側に出力され難く、且つ、その音響装置283の音は、遊技者に届き易く構成されている。音響装置283に対しては、音を出力する音出力部の他に、背面側からの音を検出するマイク等の音検出部を設け、音検出部によって検出された音を打ち消す逆位相の音を音響装置283の音出力部から出力するようにしてもよく、例えば、音響装置283の音検出部が検出する音を副制御基板940が検出し、その逆位相の音についても音響装置283の音出力部から出力するようにしてもよい。これにより、一層、遊技球の通過音や接触音を打ち消して、パチンコ機100の演出として設定された音を遊技者に届き易くすることができる。
次に、図13を参照して、パチンコ機100における遊技球の通過音や遊技球同士の接触音を少なくするための構成について更に説明する。パチンコ機100には、パチンコ機100の前後方向において、後側通路580の前側に重なる位置に音響装置283が設けられている。音響装置283は、後側通路580より前に設けられ、音響装置283が設けられることで、後側通路580からの遊技球の通過音や接触音が前側に出力され難く、且つ、その音響装置283の音は、遊技者に届き易く構成されている。音響装置283に対しては、音を出力する音出力部の他に、背面側からの音を検出するマイク等の音検出部を設け、音検出部によって検出された音を打ち消す逆位相の音を音響装置283の音出力部から出力するようにしてもよく、例えば、音響装置283の音検出部が検出する音を副制御基板940が検出し、その逆位相の音についても音響装置283の音出力部から出力するようにしてもよい。これにより、一層、遊技球の通過音や接触音を打ち消して、パチンコ機100の演出として設定された音を遊技者に届き易くすることができる。
正面視左側に設けられる音響装置283に対して、左右対象の反対側にも、音響装置283と同様に構成された音響装置284が設けられている。音響装置284は、パチンコ機100の右側に配置される隣のパチンコ機100における後側通路580から遊技球管理装置700に進入するように進行する遊技球の音を遊技者に届き難くするものであり、これによっても、パチンコ機100の演出として設定された音を遊技者に届き易くすることができる。
このように、パチンコ機100には、後側通路580の出口と払出装置540との間にて遊技球が通過する移送通路としての後側通路580が通路形成部材によって形成され、後側通路580の一部に対して前側には、パチンコ機100の演出等の効果音を出力する音響装置283が設けられている。このため、遊技球をパチンコ機100の外に出すまでの過程において後側通路580内を通過する遊技球の通過音や接触音より音響装置283によって出力される音を優先して遊技者に届かせることができ、パチンコ機100に設定された演出等の効果音を遊技者が聞き取り易くすることができる。また、音響装置281〜285は、剛性の高い金属部材や音を響かせるための筐体(エンクロージャー)を含み、これらの部材の一部が後側通路580の前に位置することによって後側通路580で発生した音が遊技者側に届く強さを低減することができる。
また、補助貯留機構240の補助貯留部241から遊技球が下方に排出される放出口241B(図1参照)の前側に重なる位置にも音響装置285が設けられている。補助貯留部241は、パチンコ機100の前面側に設けられているので、遊技者から近い位置で遊技球の通過音や接触音が出力され易く、この音が発生し易い位置に対して前側に重なるように音響装置285が設けられることで、音響装置285からの音についても、遊技者に届き易くすることができる。特に、球抜き操作部材242が操作されて遊技球が排出されている状況で効果があり、前側通路部材706の前側通路へ遊技球が進入した際の衝突音や、補助貯留部241の下に樹脂製の球箱が置かれて遊技球が球箱に進入する音についても、遊技者と衝突部分との間に音響装置285が配置されることで遊技者へ遊技球の音を届き難くすることができる。この音響装置285についても音検出部を設けて、音検出部によって検出された音を打ち消す逆位相の音を音響装置285の音出力部から出力することが好ましい。
なお、音響装置283〜285は、必ずしも後側通路580や放出口241Bの前側に重なる位置に設けられる必要はなく、ずれた位置に配置されてもよい。この場合には、後側通路580や放出口241Bに対して、パチンコ機100の正面視において左右方向及び上下方向における中心に近い側に配置されることが好ましく、これにより、遊技を行う遊技者の顔がパチンコ機100の正面視において左右方向及び上下方向における中央の近くに配置された状況において音響装置283〜285が発生した音を遊技者に届き易くすることができて好ましい。
また、音響装置283〜285の少なくともいずれかに対して、背面側からの音を検出するマイク等の音検出部は、指向性を有するものであって背面側に位置する後側通路580や放出口241Bの設けられる側の音の方が前側等の他方向よりも入力し易い状態にして設け、音響装置283〜285の音検出部が検出する後側通路580や放出口241B側から発した音に対しての逆位相の音を音響装置283〜285の音出力部から出力することが好ましい。これにより、一層、遊技球の通過音や接触音等といった効果音以外の音を打ち消して、パチンコ機100の演出として設定された演出等の効果音を遊技者に届き易くすることができる。
<遊技球の払出経路の構成(2)>
次に、図21及び図22を参照して、上記実施形態とは別の構成とした払出経路を備えた例について、上述したパチンコ機100とは異なる構成の箇所に1000を加算した符号を附して説明し、同一の構成の箇所には同一符号を附して説明を省略する。図21は、2台のパチンコ機1100及び遊技球管理装置700の配置を前側から見た状態を示す正面図であり、図22は、それらパチンコ機1100及び遊技球管理装置700を後側から見た状態を示す背面図である。ここで、図21及び図22においては、理解の容易のために、パチンコ機1100及び遊技球管理装置700の主要な構成のみを模式的に示している。
次に、図21及び図22を参照して、上記実施形態とは別の構成とした払出経路を備えた例について、上述したパチンコ機100とは異なる構成の箇所に1000を加算した符号を附して説明し、同一の構成の箇所には同一符号を附して説明を省略する。図21は、2台のパチンコ機1100及び遊技球管理装置700の配置を前側から見た状態を示す正面図であり、図22は、それらパチンコ機1100及び遊技球管理装置700を後側から見た状態を示す背面図である。ここで、図21及び図22においては、理解の容易のために、パチンコ機1100及び遊技球管理装置700の主要な構成のみを模式的に示している。
上述したパチンコ機100では、遊技球管理装置700に、パチンコ機100の前面側を経由することなく、遊技球を移送可能な移送経路を備えた構成について説明したが、本実施形態のパチンコ機1100では、他のパチンコ機1100にも遊技球を移送可能な移送経路を備えている。パチンコ機1100が複数並んで設置された状態では、1のパチンコ機1100の背面側に設けられる球誘導部551と、その隣に設置されるパチンコ機1100の球誘導部551とが、各パチンコ機1100に設けられる2つの後側通路1590A,1590Bによって、双方向に遊技球を移送可能となるように、互いに接続されている。また、パチンコ機1100には、遊技球管理装置700に遊技球を移送可能とする後側通路1580が設けられている。
1つの後側通路1590Aは、他のパチンコ機1100へ遊技球を移送する通路であり、複数並んだパチンコ機1100のうち正面視左側(背面視右側)のパチンコ機1100から正面視右側(背面視左側)のパチンコ機1100へ遊技球を移送可能とするために設けられている。この後側通路1590Aは、正面視右側(背面視左側)へ向けて下向きにわずかに傾斜していると共に、球誘導部551の下流側にて分岐して設けられる主側誘導通路552から分岐して設けられ、その分岐部分の近くに進入切替部材1591Aが設けられている。
もう1つの後側通路1590Bは、自身のパチンコ機1100へ遊技球を流入する通路であり、複数並んだパチンコ機1100のうち正面視右側(背面視左側)のパチンコ機1100から正面視左側(背面視右側)のパチンコ機1100へ遊技球を移送可能とするために設けられている。この後側通路1590Bは、正面視左側(背面視右側)へ向けて下向きにわずかに傾斜していると共に、球誘導部551の下流側にて分岐して設けられる主側誘導通路552から分岐して設けられ、その分岐部分の近くに進入切替部材1591Bが設けられている。
図23及び図24は、進入切替部材1591Aが進入阻止姿勢と進入阻止姿勢とをそれぞれとった状態における主側誘導通路552と後側通路1590Aとの分岐部分の周辺を模式的に示した略線図である。なお、2つの進入切替部材1591A,1591Bは同一の構成とされており、片方の進入切替部材1591Aのみについて説明し、もう一方の進入切替部材1591Bについては説明を省略する。
進入切替部材1591Aは、板状の進入阻止部を鉛直方向に対して略平行な方向に配置することにより、主側誘導通路552と後側通路1590Aの上流部との連通部分を遊技球が通過不能に遮断した進入阻止姿勢を取り、遊技球の後側通路1590Aへの進入を阻止する。図23に示すように、進入切替部材1591Aが進入阻止姿勢のときに、貯留部231に貯留された遊技球が多くて主側誘導通路552に遊技球が上限まで貯留された状態になると、遊技球は、進入切替部材1591Aが設けられる高さ位置より上方側まで貯留される。さらに、主側誘導通路552の上端まで遊技球が貯留されると、後続の遊技球が主側誘導通路552へ進入できずに補助側誘導通路553へと誘導される。すなわち、主側誘導通路552から連続する貯留部231が満タン状態になると、補助貯留部241へ遊技球が供給される。
一方、図24に示すように、進入切替部材1591Aは、板状の進入阻止部が後側通路1590Aの位置する方向側(後側)へ傾倒し、後側通路1590Aの設けられる側に対して略平行(水平方向に対して略平行であって僅かに後側へ下り傾斜する方向)に配置されることにより進入許容姿勢をとる。これにより、主側誘導通路552と後側通路1590Aとの連通部分は、遊技球が通過可能に開口された状態となり、遊技球の後側通路1590Aへの進入が許容される。このとき、主側誘導通路552の上端よりも下側に後側通路1590Aの入口部分が設けられているため、図24に示すように、主側誘導通路552に遊技球が貯留されて後側通路1590Aの入口部分の高さ位置に貯留された遊技球の上端部分が達した状態になると、後続の遊技球は、後側通路1590Aへ進入し、進入切替部材1591Aの進入阻止部の傾斜によって後側へ流下し、後側通路1590Aの出口部を経由して隣のパチンコ機1100の主側誘導通路552へと進入する。
また、後側通路1590Aの出口部には、進入切替部材1592Aが設けられている。進入切替部材1592Aは、例えば、上記した進入切替部材1591Aと同様に板状の進入阻止部が回動して進入阻止姿勢と進入許容姿勢とをとる構成とされている。進入切替部材1592Aは、パチンコ機1100に対して隣のパチンコ機1100への遊技球の進入を許可する許可操作を実行した場合に限って、後側通路1590Aの出口部が隣のパチンコ機1100の主側誘導通路552に設けられる遊技球の入口への遊技球の進入を許容するように、すなわち、遊技球が通過可能に開口される。許可操作が実行されなければ、後側通路1590Aの出口部は、進入切替部材1592Aによって遊技球が通過不能に閉塞される。
隣のパチンコ機1100には、進入切替部材1592Aが設けられる位置に、主側誘導通路552への遊技球の進入を阻止する進入阻止姿勢と、主側誘導通路552への遊技球の進入を許容する進入許容姿勢をとる進入切替部材(図示せず)が設けられ、この進入切替部材が、後側通路1590Aに設けられる進入切替部材1592Aに連動するように設けられている。後側通路1590Aの出口部が主側誘導通路552へ接続され、且つ、隣のパチンコ機1100にて自身のパチンコ機1100への遊技球の進入を許可する許可操作が実行される条件が成立した場合に限って、進入切替部材が進入許容姿勢をとって主側誘導通路552への遊技球の進入を許可し、いずれかの条件が成立していなければ進入切替部材が進入阻止姿勢をとって主側誘導通路552への遊技球の進入を阻止する。
これにより、自身のパチンコ機1100の主側誘導通路552に遊技球が貯留されている状況において、後側通路1590Aの出口部分であって進入切替部材1592Aの設けられる高さ位置に、貯留された遊技球の上流側部分が達した状態になっても、主側誘導通路552における後側通路1590Aの出口部分との連通部を通じて遊技球が後側通路1590A内に下流側から進入してしまう事態を回避することができる。
図21に示すように、パチンコ機1100の前側には、進入切替部材1591A,1592A,1591B,1592Bの姿勢を切替操作するための切替操作部1588が設けられている。また、切替操作部1588の操作に応じて進入切替部材1581A,1581Bの進入阻止姿勢又は進入許容姿勢を切り替える動力源としてのモータ等を含む連動機構(図示せず)が切替操作部1588と電気的に接続されている。例えば、左右2つ並んだ押圧操作が可能なスイッチによって、右隣のパチンコ機1100へ遊技球を送出するための進入切替部材1591A,1592Aを動作させる右側のボタン操作と、左隣のパチンコ機1100へ遊技球を送出するための進入切替部材1591B,1592Bを動作させる左側のボタン操作とが実行可能となっている。
遊技者は、切替操作部1588を操作することによって、遊技の状況に応じて遊技球が払い出される先として、左右のパチンコ機1100を自由に選択することができる。なお、進入切替部材1581Aが進入許容姿勢をとっている状態において、パチンコ機1100は、切替操作部1588を点滅させたり、装飾図柄表示装置479の表示画面に、払い出された遊技球が他のパチンコ機1100に移送可能に設定されていることに対応した移送設定中情報を注意喚起のために表示するなどして、遊技球が他のパチンコ機1100に供給されていることを知らせる構成を備えることが好ましい。
パチンコ機1100には、図22に示すように、2つの球検知部材1559A,1559Bが設けられている。一方の球検知部材1559Aは、上記した球検知部材559と同様、補助側誘導通路553の上端部に設けられ、主側誘導通路552に遊技球が溢れた後に補助側誘導通路553の予め定めた上限まで遊技球が貯留された場合に、球検知部材559によって遊技球が補助側誘導通路553の上限まで供給されていることが検知される。
もう一方の球検知部材1559Bは、主側誘導通路552の上端部に設けられ、主側誘導通路552の予め定めた上限まで遊技球が貯留された場合には、球検知部材1559Bによって遊技球が主側誘導通路552の上限まで供給されていることが検知される。パチンコ機1100では、切替操作部1588を操作して他のパチンコ機1100に遊技球を移送可能に設定している状況では、払出制御基板930は、2つの球検知部材1559A,1559Bのうち主側誘導通路552に設けられる球検知部材1559Bによって主側誘導通路552の上限まで遊技球が貯留されていないことを条件の1つとして遊技球を払い出す制御を行う。そして、球検知部材1559Bによって主側誘導通路552の上限まで遊技球が貯留されていることが検知されると、払出制御基板930は払出モータ542を制御して遊技球の払い出しを停止する。これにより、主側誘導通路552が遊技球で溢れた状況において、遊技球を補助側誘導通路553へ進入させずにパチンコ機1100に貯留させておくことができる。従って、遊技者は、他のパチンコ機1100へ遊技球を移送したい場合において、補助貯留部241に払い出された遊技球を手操作で他のパチンコ機1100へ移送させる必要性を少なくし、他のパチンコ機1100に遊技球を移送し易くすることができる。
また、他のパチンコ機1100へ遊技球を供給するための後側通路1590A,1590Bは、主側誘導通路552から分岐して設けられ、遊技球管理装置700へ遊技球を移送するための後側通路1580は、補助側誘導通路553から分岐して設けられている。払い出された遊技球は、補助側誘導通路553より主側誘導通路552に優先して供給されるので、他のパチンコ機1100と遊技球管理装置700との両方へ遊技球を移送する設定をした場合に、他のパチンコ機1100へ遊技球を優先して移送することができる。従って、他のパチンコ機1100で遊技球が不足して、遊技者が不利益を被る状況を少なくすることができ、複数のパチンコ機1100で複数の遊技者が並んで遊技を行う場合により、好適に遊技を進行させることができる。なお、他のパチンコ機1100と遊技球管理装置700とのうち、遊技球管理装置700へ優先して遊技球が供給されるように、例えば、主側誘導通路552から分岐する後側通路に遊技球管理装置700が接続され、補助側誘導通路553から分岐して設けられる後側通路に他のパチンコ機1100が接続されるようにしてもよい。
ここで、2つの後側通路1590A,1590Bの前側には、図21に示すように、音響装置283,284が重なるように設けられ、音響装置283,284から出力される演出等の効果音が遊技者に届き易くなっている。また、2つの後側通路1590A,1590Bを形成する後側通路部材は、外枠101の背面側部分に設けられる軸1593A,1593Bによって回動可能に支持され、外枠101と一体化されている。軸1593A,1593Bによって後側通路部材を縦長となるように回動すると、後側通路部材は、パチンコ機100の背面視で外枠101の矩形状の外形内に収まる収納状態となるように構成され、パチンコ機100を遊技場に設置するときに、後側通路部材が周辺部分に接触して壊れてしまうことがない構成とされている。なお、2つの後側通路1590A,1590Bを形成する後側通路部材の一部を伸縮可能な構成とし、主側誘導通路552に後側通路1590A,1590Bが連続可能となる設置状態において、誘導部材550を含む後ブロック104が外枠101に対して回動しても、後側通路1590A,1590Bと主側誘導通路552とが連続した状態を維持する構成とすることが好ましい。または、主側誘導通路552に後側通路1590A,1590Bが連続可能となる設置状態において、誘導部材550を含む後ブロック104が外枠101に対して回動した場合に、進入切替部材1591A,1592A,1591B,1592Bは、後側通路1590A,1590Bの入口及び出口を閉鎖し、主側誘導通路552において後側通路1590A,1590Bへ連続する通路を閉鎖する構成としてもよい。
このように、パチンコ機1100には、他のパチンコ機1100へ遊技球を移送可能とする後側通路1590A,1590Bが設けられ、切替操作部1588を操作することによって、遊技者は、大当りに当選したときなどにおいて、隣のパチンコ機1100で遊技を行っている友人や家族に対して、遊技球に接触することなく、簡単な操作で遊技球を分け与えることができる。また、パチンコ機1100の前側を遊技球が通過することなく、隣のパチンコ機1100に対して遊技球を供給することができるので、パチンコ機1100の前側のスペースを遊技者が活用し易くすることができ、余分な球箱やコップ形の球容器を遊技者の側に設置しなくて済み、遊技者の所持する携帯電話や飲み物を置くスペースを広げて遊技をし易いパチンコ機1100とすることができる。
<貯留部の構成>
次に、パチンコ機100の主貯留機構230の構成について更に詳しく説明する。パチンコ機100では、下大入賞装置433(図7参照)の内部に形成された特定通路に進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ448(図10参照)が設けられており、大当りに当選して下大入賞装置433が開放するときに、たまたまパチンコ機100の貯留部231に遊技球がなく、補助貯留部241にも遊技球がないと、開放動作の時間内に特定通路に遊技球を進入させることができなかったり、短時間の下大入賞装置433の開放等の抽選に当選した場合に当該当選によって入賞が可能となった所定個数の遊技球の一部を入賞させることができなくなってしまうといった不都合が生じる恐れがある。そこで、パチンコ機100では、貯留部231として、発射装置330が設けられる流出口231Bの側へ遊技球が流下する通常貯留領域235と、貯留部231への遊技球の払い出し数が一定量以上となった場合に遊技球が貯留されるものの、遊技球の発射動作に応じて貯留部231の遊技球が減少しても発射装置330側へ遊技球が流下しない補助貯留領域236とが設けられている。
次に、パチンコ機100の主貯留機構230の構成について更に詳しく説明する。パチンコ機100では、下大入賞装置433(図7参照)の内部に形成された特定通路に進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ448(図10参照)が設けられており、大当りに当選して下大入賞装置433が開放するときに、たまたまパチンコ機100の貯留部231に遊技球がなく、補助貯留部241にも遊技球がないと、開放動作の時間内に特定通路に遊技球を進入させることができなかったり、短時間の下大入賞装置433の開放等の抽選に当選した場合に当該当選によって入賞が可能となった所定個数の遊技球の一部を入賞させることができなくなってしまうといった不都合が生じる恐れがある。そこで、パチンコ機100では、貯留部231として、発射装置330が設けられる流出口231Bの側へ遊技球が流下する通常貯留領域235と、貯留部231への遊技球の払い出し数が一定量以上となった場合に遊技球が貯留されるものの、遊技球の発射動作に応じて貯留部231の遊技球が減少しても発射装置330側へ遊技球が流下しない補助貯留領域236とが設けられている。
具体的に、図25に示すように、貯留部231は、流入口231Aから供給される遊技球が進入し、遊技球が貯留される。貯留部231では、通常貯留領域235と補助貯留領域236とのうち通常貯留領域235へ遊技球が優先して流下する。通常貯留領域235の底面は、右下がりの僅かな傾斜(0.5〜5°程度)を有しており、流入口231Aから、発射装置330側へ連続する流出口231Bまで連続し、遊技球を左側から右側へと遊技球を流下(進行)させる。これにより、一定量以下の遊技球の払い出しでは、貯留部231の通常貯留領域235のみを遊技球が流下し、補助貯留領域236には、遊技球が進入しない構成となっている。
補助貯留領域236は、通常貯留領域235の一部と隣り合うようにして設けられ、貯留部231のうち通常貯留領域235の前側に形成されている。補助貯留領域236の面積は、貯留部231の底面積の5〜50%、より好ましくは10〜25%程度であることが好ましく、貯留される遊技球数としては、5個〜50個の範囲内とすることが好ましく、10個〜30個の範囲内とすることが好適である。
図26は、図25のX−X’線で切断した貯留部231の形状を模式的に示す断面図である。図26に示すように、通常貯留領域235と補助貯留領域236との境界236Aは、上方側に突出した峰状の頂上部分が連続することによって構成され、その高さは、遊技球が一定量以上貯留部231に貯留されるまでは、補助貯留領域236の側に遊技球が進入し得ない程度に設定されている。例えば、前後方向において、貯留部231の一番低い位置より、0.5〜5mm程度に上方に突出した頂上部分によって境界236Aが構成されている。この境界236Aとしては、図26(A)及び図26(B)に別々の形状として示すように、通常貯留領域235と補助貯留領域236との境界部分を頂部とする山状の傾斜として形成されてもよいし、部分的に上方側に突出する突出部によって形成されてもよい。又は、他の境界Aの形状として、図26(C)に示すように、奥側(図26(C)の右側)に下降傾斜して通常貯留領域235と補助貯留領域236とが設けられ、通常貯留領域235の側が一段高くなるように構成された段差によって境界236Aが構成されてもよい。
貯留部231に貯留されている遊技球が少ない場合、遊技球は通常貯留領域235へ誘導される。一方、貯留部231に貯留される遊技球が多くなると、遊技球は境界236Aを乗り越え、補助貯留領域236に貯留される。遊技中に遊技球が発射装置330によって発射されると、通常貯留領域235に貯留された遊技球は、発射動作に応じて右側へ進行するが、補助貯留領域236の遊技球は境界236Aによって補助貯留領域236の内部に留まることになる。この境界236Aの高さは、遊技者が遊技球を奥側へ進行させるように手で押し出すと、境界236Aを乗り越えて通常貯留領域235へと誘導することができる程度に低く設定され、部分的な突出部によって境界236Aが構成される場合には、遊技球の半径より低く設定され、遊技球の直径の3分の1以下の高さに設定されることが好ましい。遊技者は、一旦大量の遊技球を獲得すれば、通常貯留領域235の遊技球がなくなった場合であっても、補助貯留領域236に遊技球を意識せずに残存させておくことができ、必要なときに補助貯留領域236の遊技球を使用して遊技をすることが可能となる。
このように、貯留部231には、送出部231Bよりも上流側に位置して払出装置540によって払い出された遊技球が貯留される領域であって、貯留された遊技球が発射装置330の動作に応じて送出部231Bの側へ進行する通常貯留領域235が設けられており、さらに、払出装置540によって所定量以上の遊技球が通常貯留領域235に貯留された場合に遊技球が進入する領域であって、発射装置330が動作しても少なくとも一部の遊技球が進行しないで停留し、遊技者による所定の押圧操作によって通常貯留領域235へ遊技球を移送可能な補助貯留領域236が設けられている。
このため、遊技球の一部が補助貯留領域236に停留し、発射手段によって自動的に発射されることのない遊技球を補助貯留領域236に確保することができる。よって、遊技者が通常貯留領域235に遊技球がなくなっていることに気がつくのが遅れた場合であっても、補助貯留領域236の遊技球を使用して速やかに遊技を継続することができる。また、補助貯留領域236の遊技球は、遊技者による遊技球への押圧操作によって通常貯留領域235へ移送可能であるので、補助貯留領域236から通常貯留領域235への遊技球の移送を簡易且つ迅速にし、遊技者の利便性を向上させることができる。
なお、図27及び図28は、上記した通常貯留領域235と補助貯留領域236との配置とは異なる形態の通常貯留領域1235と補助貯留領域1236とを示している。図27に示すように、補助貯留領域1236は、主貯留機構1230の貯留部1231の後側に設けられ、通常貯留領域1235が遊技者に近い手前側にて連続し、一定量以上の遊技球の払い出しによって通常貯留領域1235だけでなく補助貯留領域1236にも遊技球が貯留される。図28に示すように、遊技球が次第に減少すると、補助貯留領域1236には遊技球が残存することとなる。通常貯留領域1235に対して遊技者から離れた後側に補助貯留領域1236が設けられているので、補助貯留領域1236における遊技球の有無は、遊技者が位置する手前側から見て貯留部1231を構成する壁部分の陰に隠れることが少なくなって視認しやすく、遊技者に補助貯留領域1236内の遊技球の存在を認識させ易くすることができる。よって、遊技者が補助貯留領域1236に遊技球を残したまま遊技を終えて移動してしまうことなどを未然に防止することができる。
ここで、補助貯留領域1236における境界1236Aとして、補助貯留領域236の左側と手前側を囲む段差状に境界1236Aを形成し、流出口231B側(右側)に段差のない境界1236Aを形成しても良い。これにより、遊技者が手で遊技球を右側に押すと、段差を越えさせることなく、発射装置330側に遊技球を素早く移動させることができるため、一段と簡単に且つ好適に遊技球を通常貯留領域1235へ誘導することができて好ましい。
次に、図29から図31を参照して、上記実施形態とは異なる他の実施形態について更に説明する。
図29は、上記実施形態とは異なるパチンコ機2100及び遊技球管理装置700の配置を示す背面図である。パチンコ機2100は、上記したパチンコ機1100とは遊技球を移送可能に接続する通路の構成が異なるものである。
上記実施形態においては、隣り合うパチンコ機1100を、主側誘導通路552から分岐する後側通路1590A,1590Bによって遊技球を移送可能に接続する構成について説明したが、必ずしも主側誘導通路552から後側通路1590A,1590Bを分岐させる必要はない。図29に示すように、隣り合うパチンコ機2100について、補助側誘導通路553から後側通路2590A,2590Bを分岐させ、隣のパチンコ機2100の主側誘導通路552へ遊技球が進入可能にしてもよい。この場合にも、上記したパチンコ機1100と同様に、進入切替部材2591A,2592A,2591B,2592Bによって、後側通路2590A,2590Bの入口及び出口を開閉可能に構成することが好ましい。
図30は、上記実施形態とは異なる位置に、払出装置540によって払い出された遊技球が放出可能な出口部が設けられる形態のパチンコ機3100の正面視及び上側から見た部分断面視における一部を示した図である。パチンコ機3100は、上記したパチンコ機100に対して、遊技球管理装置へ遊技球を移送する通路(移送通路)の構成が異なるものである。なお、図30には、矢印を付した細線によって、移送通路を通過する遊技球の経路を模式的に示し、一点鎖線によって、別の位置に移動させた場合の放出通路部材3101Bと、誘導部材550と、後側通路3580とを模式的に示している。
上記実施形態においては、第1の出口部として、補助貯留部241の放出口241Bが設けられ、第2の出口部として、パチンコ機100,1100の背面側に、後側通路580,1580,1590A,1590Bの出口が設けられる構成について説明した。これに対して、本形態では、第2の出口部が、パチンコ機3100の前面側に設けられている。
外枠3101は、前後方向に貫通する内部空間を形成する枠状に構成されている。外枠3101に対しては、前ブロック3102及び中間ブロック103と、払出装置540を含む後ブロック104との組合せ(図2参照)が開閉部材として一体的に前側に開放可能に構成されている。
図30に示すように、外枠3101には、上記実施形態における外枠101に対して、遊技球の誘導通路3101Aが内部に設けられ、誘導通路3101Aは、外枠3101の左側を構成する縦長の枠部3101Cの内部に形成されている。上記実施形態における誘導部材550の補助側誘導通路553には、後側通路3580の入口3580Aが移送可能に連続し、誘導通路3101Aの上流側の端部が後側通路3580に連通しており、これにより、補助側誘導通路553と誘導通路3101Aとが連続している。そして、上記実施形態と同様、遊技場の管理者又は遊技者の操作によって進入切替部材(図示せず)を操作し、補助貯留部241に遊技球を流下させる前側移送状態とするか、遊技球管理装置3700に後側通路3580を介して遊技球を流下させる後側移送状態とするかを選択操作可能に構成されている。
また、前ブロック3102は、上記実施形態における前ブロック102に対して正面視左側端部であって主貯留機構230と補助貯留機構240とが設けられる高さに相当する一部分が切除された形状となっており、外枠3101の左側の枠部3101Cが、パチンコ機3100の前面に露出されている。
パチンコ機3100の左端まで後側通路3580によって遊技球が誘導されると、その遊技球は外枠3101に設けられた誘導通路3101Aを経由してパチンコ機3100の前面側へと移送される。パチンコ機3100の前面側に移送された遊技球は、外枠3101の一部として設けられる放出通路部材3101Bによって遊技球管理装置3700に移送可能となっている。遊技球管理装置3700には、放出通路部材3101Bに設けられる遊技球の出口部と上下方向で通路が連通するように上方に開口形成された球投入部3705が設けられ、後側通路3580から外枠3101の誘導通路3101Aと放出通路部材3101Bの内部通路とを経由して、パチンコ機3100から遊技球管理装置3700へ遊技球が移送可能となっている。
また、放出通路部材3101Bは、図30(B)に示すように、軸支持部3101Dによって上下方向を中心にしてパチンコ機3100の手前側を左右に回動可能に設けられ、左側に先端側を向けた場合には、遊技球管理装置3700の球投入部3705に連続する。一方、放出通路部材3101Bの先端側を右側に向けた場合には、放出通路部材3101Bの出口部が補助貯留部241に向けて開口し、後側通路3580へ進入した遊技球が補助貯留部241へ流下する(図30(A)及び図30(B)における放出通路部材3101Xの状態)。これにより、遊技者は、後側通路3580へ遊技球が誘導される後側誘導状態であっても、他の遊技者に球箱を利用して遊技球を渡したい場合などにおいて補助貯留機構240の補助貯留部241へ遊技球を流下させ、補助貯留部241の放出口241Bから遊技球を放出することで必要な量分の遊技球を他の遊技者に渡す等することができる。
このように、外枠3101には、遊技球管理装置3700に対して後側通路3580と共に遊技球を移送する移送通路の一部を形成する誘導通路3101Aが設けられている。このため、払出装置540から払い出された遊技球の少なくとも一部は外枠3101によって形成される移送通路の一部を経由して遊技球管理装置3700に移送することができる。外枠3101は、パチンコ機3100の左右方向における最も外側に設けられるので、移送通路の一部を通過する遊技球の通過音や接触音が遊技者に届き難くすることができ、パチンコ機3100に設定された演出等の効果音を遊技者が聞き取り易くすることができる。また、外枠3101は、払出装置540を含む開閉可能な部位を支持しつつ遊技場にパチンコ機3100を取り付ける際の支持体として機能するものであり、剛性や強度の高い材料によって構成され、この外枠3101によって形成される移送通路の一部は不正に穴を開けられたり改造されたりし難くすることができる。よって、遊技者が所持する遊技球が他の者(犯罪者)に奪われてしまうなどの不正行為を抑制することができる。
次に、図31を参照して、上記実施形態とは異なる通常貯留領域4235と補助貯留領域4236A1,4236A2とが設けられたパチンコ機4100について説明する。パチンコ機4100は、図30に示す上記したパチンコ機100に対して、主貯留機構4230の貯留部4231の構成と、貯留部4231に貯留された遊技球を遊技球管理装置3700へ移送可能とする移送通路の構成が異なっている。なお、図31には、矢印を付した細線によって、移送通路を通過する遊技球の経路を模式的に示し、一点鎖線によって、貯留部4231に貯留された遊技球の一部を模式的に示している。
図31(A)は、パチンコ機4100の主貯留機構4230の貯留部4231を平面視した状態を示す図である。
主貯留機構4230の貯留部4231には、発射装置330が設けられる流出口231Bの側へ遊技球が流下する通常貯留領域4235と、貯留部4231への遊技球の払い出し数が一定量以上となった場合に遊技球が貯留されるものの、遊技球の発射動作に応じて貯留部4231の遊技球が減少しても発射装置330側へ遊技球が流下しない補助貯留領域4236とが設けられている。通常貯留領域4235と補助貯留領域4236とは、境界4236Aによって遊技球が補助貯留領域4236の側へのみ、払出装置540による遊技球の払い出しによって移送可能となっている。
補助貯留領域4236は、所定の列数(本実施形態では「5」)に、予め定めた数(本実施形態では「5」)ずつ並んで遊技球が待機する形状に形成され、合計で、予め定めた個数(本実施形態では「25」)の遊技球が待機球として貯留される。補助貯留領域4236の各列は、各列に遊技球が並んで配列されるように起伏が設けられ、例えば、各列の間にて上方側に突出し、各列の方向に沿って連続する峰状の突条部4236Bによって各列に遊技球が並んで配置される。
また、補助貯留領域4236は、待機球の数(以下、待機球数ともいう)を容易に把握可能なように、例えば、いずれも「5」に設定されている。補助貯留領域4236の列数及び各列の待機球数としては、遊技者が待機球数を把握し易いように、「3」の倍数(例えば、「3」又は「6」)か、「5」の倍数(例えば、「5」又は「10」)に設定することが好ましい。
図31(B)は、図31(A)のY−Y’断面で切断した貯留部4231の形状を模式的に示している。補助貯留領域4236の底面は、遊技者が位置する前側に傾斜し、一番前の遊技球の位置する下側の待機領域4236C1は、底面を開閉可能に動作するように構成された球支持部材4236Dによって閉塞されている。待機領域4236C1にて球支持部材4236Dに支持された遊技球に対して後側(図31(B)の右側)には、4つの遊技球が待機球として連続する待機領域4236C2が設けられ、待機領域4236C2には、各列に5つの遊技球が並んで配置されている。
待機領域4236C1,4236C2によって構成される補助貯留領域4236の各列にて、5つの遊技球が接触する底面より後側には、境界4236Aが上方側に突出する頂部を構成して設けられている。補助貯留領域4236の後側に位置する遊技球は、通常貯留領域4235の底面に支持されることで発射装置330側へ流下可能となっている。
球支持部材4236Dは、平面視で補助貯留領域4236の近くに設けられる排出操作部4236Eと一体化されている。排出操作部4236Eに対して遊技者が所定の方向(例えば、右斜め後方)側へ移動操作をすることで補助貯留領域4236の底面の一部を構成する待機領域4236C1が開口し、球支持部材4236Dに下側を支持されていた遊技球が下方へ流下する。この移動操作によって遊技球が下方へ流下する個数は、補助貯留領域4236の待機球数と一致し、全領域に遊技球が待機球として配置された状態では、「25」の遊技球を下方へ流下させることができる。
球支持部材4236Dに下側を支持されていた遊技球の前側にて遊技球を支持する貯留部231の壁面4231Aは、遊技球の直径より低く形成されて遊技者に近い側に位置する遊技球の上部が壁面4231Aより上側に突出するように構成されている。このため、遊技者の指YBが待機球に接触しやすく、球支持部材4236Dに下側を支持された遊技球を、補助貯留領域4236から通常貯留領域4235へ移送し易くなっている。
また、壁面4231Aと、球支持部材4236Dに下側を支持された遊技球とが接触する高さは、当該遊技球の重心位置TGより高く設定されている。このため、複数の遊技球が補助貯留領域4236の各列にて後ろに連なっても、遊技球が手前側に押し出されて移動してしまう(例えば、壁面4231Aを待機球が乗り越えてしまう)ことを抑制し、予め設定された待機球数の待機球を補助貯留領域4236に貯留し易くすることができる。
補助貯留領域4236の各列は、右斜め後方側に連続し、通常貯留領域4235の下流側に向いている。このため、遊技者は、補助貯留領域4236の待機球を通常貯留領域4235へ押圧することで、素早く発射装置330側へ遊技球を誘導可能とすることができる。この補助貯留領域4236にて遊技球が並んで待機する方向に対して、通常貯留領域4235における下流側の方向は略45度以内に設定されることが好ましく、略30度以内に設定されることが好適である。
図31(C)は、パチンコ機4100の正面視における一部を示した図である。パチンコ機4100は、貯留部4231の補助貯留領域4236に貯留された待機球を、外枠3101の一部として設けられる放出通路部材3101Bによって遊技球管理装置3700に移送可能に構成されている。
貯留部4231の補助貯留領域4236の待機領域4236C1の下側には、移送通路4232が連続し、移送通路4232の下流側には、放出通路部材3101Bの内部通路が連続している。このため、補助貯留領域4236に貯留された待機球は、外枠3101の一部として設けられる放出通路部材3101Bを経由して遊技球管理装置3700に移送可能となっている。よって、補助貯留領域4236の全領域に遊技球が待機球として配置された状態では、「25」の遊技球を下方へ流下させて遊技球管理装置3700へ一定数の遊技球を移送することができる。
ここで、補助貯留領域4236には、複数の列に、それぞれ一定個数の遊技球が待機球として貯留されている。このため、遊技者は、補助貯留領域4236のうち待機球が配置される領域を選択することで、より細かな数の遊技球を遊技球管理装置3700へ容易に移送することができる。例えば、10個の遊技球を遊技球管理装置3700へ移送したい場合には、遊技者は、補助貯留領域4236の全5列のうち3列分は、通常貯留領域4235へ遊技球を移送し、補助貯留領域4236の2列に10個の遊技球が待機球として配置されてから排出操作部4236Eを操作すればよい。各列のうち1部の列の待機球数を減少させてもよく、これにより、8個の遊技球など、各列に待機可能な待機球数の倍数以外でも、容易に計数して遊技球管理装置3700へ移送することができる。
このように、貯留部4231には、送出部231Bよりも上流側に設けられて払出装置540によって払い出された遊技球が貯留される領域であって、貯留された遊技球が発射装置330の動作に応じて送出部231Bの側へ進行する通常貯留領域4235が設けられ、さらに、発射装置330が動作しても遊技球が進行しないで停留する領域であって、遊技者による遊技球に対しての押圧操作によって通常貯留領域4235へ遊技球を移送可能であり、予め定めた個数の遊技球が並んで配置されて計数可能な計数可能貯留領域としての補助貯留領域4236が設けられている。補助貯留領域4236に停留した遊技球の個数は、単位個数としての一定数毎に、並んで、貯留されているので、遊技者が容易に待機数を計数可能であり、遊技者は、必要な数分の遊技球を遊技機外に取り出し易くすることができる。また、補助貯留領域4236の遊技球は、遊技者による遊技球への押圧操作によって通常貯留領域4235へ移送可能であるので、補助貯留領域4236から通常貯留領域4235への遊技球の移送を簡易且つ迅速にし、遊技者の利便性を向上させることができる。
ここで、移送通路4232に対して前側には、音響装置283〜285と同様に、音響装置4286が重なるように設けられ、音響装置4286から出力される演出等の効果音が遊技者に届き易くなっている。この音響装置4286は、移送通路4232に対して、必ずしも前側に重なる位置に配置される必要はなく、ずれた位置に配置されてもよいが、パチンコ機4100の正面視において左右方向及び上下方向における中心に近い側に配置されることが好ましい。また、音響装置4286に対して、背面側からの音を検出するマイク等の音検出部を設けて逆位相の音を効果音と共に出力するように、音響装置4286の音検出部が検出する音を副制御基板940が検出し、その逆位相の音についても音響装置4286の音出力部から出力することが好ましい。
なお、本発明は、上記各実施形態に限られることはなく、上記各実施形態に記載の構成の一部を他の実施形態の構成として適用してもよく、又は、以下に記載するように変形して実施しても良い。この場合に、以下に記載する各構成を上記各実施形態に対して適用しても良く、以下に記載する複数の構成を組み合わせて上記各実施形態に対して適用しても良い。
(1)上記実施形態においては、パチンコ機100,1100,2100,3100,4100が補助貯留部241を有する構成としたが、補助貯留部241を有しない構成としてもよい。この場合であっても、補助貯留領域236,1236,4236が貯留部231,1231,4231に設けられることによって予備の遊技球を貯留部231,1231,4231内に残存させておくことができ、必要なときに補助貯留領域236,1236,4236の遊技球を使用して遊技をすることが可能となる。また、補助貯留部241の出口部を有さず、補助貯留部241に連続する補助側誘導通路554の下流側部分も設けず、後側通路580,1580,3580を経由した側のみに遊技球を遊技機外に出す出口部を設けてもよい。補助貯留部241はパチンコ機100,1100の下部に設けられているため、遊技者の陰になって監視が困難な可能性があり、その部位における遊技球の出口部を省略可能とすることにより防犯性能を高めることができる。
上記実施形態においては、補助側誘導通路553の下流側と後側通路580,1580とのいずれかを、進入切替部材581によって選択することで、遊技球が流下する方向を切り替える場合について説明したが、必ずしも一方側に10割進入して他方側には全く進入しないものとする必要はなく、半々や、5対1など、両方へ遊技球が流下する割合となるように、進入切替部材581によって後側通路580,1580へ遊技球が進行した先に一定個数毎に遊技球の方向を振り分ける振分機構を設けて一部の遊技球を補助側誘導通路553に戻すようにしてもよいし、後側通路580の開口幅を選択可能とすることによって遊技球の流下割合を調整可能にしてもよい。他の実施形態における進入切替部材による遊技球の流下割合を変化させる構成についても、必ずしもいずれか一方に遊技球を流下させる必要はなく、両方へ遊技球が流下するようにしてもよい。
上記実施形態においては、隣り合うパチンコ機1100,2100を、誘導通路552,553から分岐する後側通路1590A,1590B,2590A,2590Bによって遊技球を移送可能に接続する構成について説明したが、必ずしも、左右で隣り合うパチンコ機1100と後側通路を相互に接続する必要はなく、背面同士が向かい合うパチンコ機を後側通路で接続したり、他のパチンコ機を間に挟んで離れて位置するパチンコ機にも後側通路で遊技球を移送可能に接続してもよい。
上記実施形態においては、隣に位置する遊技球管理装置700,3700および隣りに位置するパチンコ機1100,2100に対して、遊技球を移送可能に接続するパチンコ機100,1100,2100,3100,4100の構成について説明したが、移送可能とするのは、遊技球に限らず、これに代えて、又は、これに加えて、遊技機の情報を移送可能としてもよく、例えば、入賞の発生などの遊技球の入賞に関する情報(入賞確率や発射球数と賞球数との比率に対応する情報)、大当りの発生および遊技の状態などの遊技機の抽選に関する情報、不正行為の検出や遊技依存者の遊技機利用等の異常発生に関する情報を、他の遊技用装置又は遊技機に移送可能にしてもよい。この場合に、必ずしも情報通信可能な接続線を遊技機に設ける必要はなく、後側通路を経由して移送する遊技球の移送タイミングや、遊技球を移送する時間間隔など、払出装置540の払出制御として情報出力用の制御を設けて、相手側の遊技用装置又は遊技機には遊技球が移送される入口部分に遊技球を検出する検出センサを設け、その検出センサの検出結果によって情報を伝達可能にしてもよい。
上記実施形態においては、鉛直下方向に遊技球を誘導する主側誘導通路552又は補助側誘導通路553に対して略垂直な方向に相当する略水平な方向側に、後側通路580,1580,1590A,1590B,2591A,2591Bが分岐する構成について説明したが、これに限らず、例えば、斜め30°程度に分岐しても良く、後側通路580,1580,1590A,1590B,2591A,2591Bは、誘導通路552,553の連続する方向と相違する方向に遊技球を誘導可能に構成されていればよい。
上述実施形態においては、パチンコ機100等の遊技機に遊技球貸出装置290が設けられる構成について説明したが、遊技機に必ずしも遊技球貸出装置290が設けられる必要はなく、遊技球管理装置700の管理装置操作部702を操作して遊技者が所持する遊技価値に対応する遊技球の貸し出し操作や、価値記憶媒体の返却操作が実行される構成であってもよい。
上記実施形態においては、進入切替部材581が切替操作部584に対しての手動操作によって進入阻止姿勢と進入許容姿勢とを切り替えて動作する構成について説明したが、操作スイッチと、操作スイッチに対しての操作によって駆動するモータ等の駆動源とを設けて、進入切替部材581が電気的に動作する構成としてもよく、この場合に、パチンコ機100の前面側に操作スイッチを設けて、進入切替部材581の動作を遊技場の管理者が設定可能にしてもよく、又は、パチンコ機100の前面側に操作スイッチを設けて、遊技者が、後側通路580への遊技球の進入可否を操作可能にしてもよく、あるいは、パチンコ機100の前面側に遊技者用の第1操作スイッチを設け、背面側に遊技場の管理者用の第2操作スイッチを設けて、第2操作スイッチによって第1操作スイッチの有効無効を切替可能にしてもよく、これにより、遊技場管理装置が後側通路580に対応する場合に限って、遊技者が後側通路580への遊技球の進入可否を切替可能とすることができて好ましい。
進入切替部材581,1581,1591A,1591B,2591A,2591Bの構成は、上記構成に限らず、後側通路580,1580,1590A,1590B,2590A,2590Bへの遊技球の進入の阻止と許容とを切替可能であれば、他の構成であってもよく、例えば、スライド移動によって姿勢を切り替えるものでもよい。
上記実施形態では、後側通路580,1580,1590A,1590B,2590A,2590B,3580を形成する後側通路部材をパチンコ機100に設ける構成について説明したが、必ずしもパチンコ機100,1100,2100,3100,4100に後側通路部材を設ける必要はない。後側通路部材を遊技球管理装置700に設け、パチンコ機100には、補助側誘導通路553から後側通路580へ遊技球を進入させる球出口をパチンコ機100の背面側に設ける構成としてもよい。この場合には、進入切替部材581をパチンコ機100の誘導部材550に設けて、球出口からの球の出力を阻止する進入阻止姿勢と、球出口から後側通路580への遊技球の進入を許容する進入許容姿勢とを切替操作可能とすることが好ましい。
パチンコ機100,1100,2100は、遊技球管理装置700に対して、必ずしも前後に設けられた複数の球投入部から遊技球を進入させる構成とする必要はなく、前または後の一方側のみから遊技球を進入させる構成としてもよい。
上記実施形態では、払出装置540によって払い出された遊技球が補助貯留領域4236に貯留される構成について説明したが、払出装置540によって遊技球が払い出されて通常貯留領域4235に所定量以上となった場合でも補助貯留領域4236には遊技球が進入せず(貯留されず)、遊技者が手操作で補助貯留領域4236に遊技球を貯留するようにしてもよい。この場合でも、通常貯留領域4235の隣に補助貯留領域4236を設けて、遊技者の遊技球に対しての押圧操作で、通常貯留領域4235と補助貯留領域4236とを区画する境界を越えて通常貯留領域4235から補助貯留領域4236へと遊技球を移送可能としておくことが好ましい。
上記実施形態では、補助貯留領域4236に貯留された待機球は、遊技球に接触することなく移送通路4232へ進入させることができる場合について説明したが、これに限らず、補助貯留領域4236に貯留された待機球を、遊技者が遊技球に接触して手操作で移送通路に遊技球を進入させる構成としてもよい。
上記実施形態では、補助貯留領域4236に貯留された待機球は、遊技者が手操作で通常貯留領域4235に遊技球を移送する場合について説明したが、これに限らず、所定の操作部に対する遊技者の操作によって、待機球に接触することなく、補助貯留領域4236から通常貯留領域4235へ遊技球を移送可能としてもよい。例えば、補助貯留領域4236の底面を、上昇したり、傾斜角度が変化するように動作可能に構成し、その底面を動作させるために遊技者によって操作される操作部を底面と一体的に設けてもよいし、補助貯留領域4236の底面を動作させるモータ等の駆動源と駆動原の動作を制御する押圧操作が可能なスイッチを設け、遊技者によるスイッチに対しての操作によって補助貯留領域4236から通常貯留領域4235へ遊技球を移送可能にしてもよい。
(2)本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当りすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当り状態が発生するまで、大当り期待値が高められるようなパチンコ機として実施しても良い。また、大当り図柄が表示された後に、所定の領域に球が入賞することを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、球が循環する封入式のパチンコ機に実施しても良い。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球等の各種遊技機として実施するようにしても良い。また、パチンコ機に限定されることはなく、遊技媒体として、遊技球以外のメダルを使用する遊技機にて実施してもよく、例えば、スロットマシン等の回胴式遊技機に適用しても良く、または、遊技球を遊技媒体とする回胴式遊技機としてのパロット等の遊技機に適用しても良い。
<上記実施形態から抽出される発明>
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて課題及び効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用しても良い。
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて課題及び効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用しても良い。
<特徴10>
遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機(パチンコ機100,1100,2100,3100,4100)であって、
遊技媒体を払い出す払出装置(払出装置540)と、
前記払出装置から払い出された遊技媒体を遊技者が取り出し操作可能に、遊技機前側に貯留する貯留部(貯留部231,241)と、
該貯留部に貯留された遊技媒体を遊技機外に出す第1出口部(補助貯留部241の放出口241B)と、
前記払出装置と前記貯留部との間に設けられて、該払出装置から前記貯留部へと遊技媒体を払い出すための第1払出通路(補助側誘導通路553)と、
前記第1払出通路とは別に設けられて、前記払出装置から払い出された遊技媒体を前記第1出口部とは異なる位置にて遊技機外に出す第2出口部(後側通路580,1580及び放出通路部材3101Bの出口)と、
前記払出装置から払い出された遊技媒体が前記第2出口部に進入するか否かを切り替えることが可能な進入切替手段(進入切替部材581,1581,1591A,1591B、球支持部材4236D)とを備えていることを特徴とする遊技機。
遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機(パチンコ機100,1100,2100,3100,4100)であって、
遊技媒体を払い出す払出装置(払出装置540)と、
前記払出装置から払い出された遊技媒体を遊技者が取り出し操作可能に、遊技機前側に貯留する貯留部(貯留部231,241)と、
該貯留部に貯留された遊技媒体を遊技機外に出す第1出口部(補助貯留部241の放出口241B)と、
前記払出装置と前記貯留部との間に設けられて、該払出装置から前記貯留部へと遊技媒体を払い出すための第1払出通路(補助側誘導通路553)と、
前記第1払出通路とは別に設けられて、前記払出装置から払い出された遊技媒体を前記第1出口部とは異なる位置にて遊技機外に出す第2出口部(後側通路580,1580及び放出通路部材3101Bの出口)と、
前記払出装置から払い出された遊技媒体が前記第2出口部に進入するか否かを切り替えることが可能な進入切替手段(進入切替部材581,1581,1591A,1591B、球支持部材4236D)とを備えていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機において、入賞に応じた特典として払い出された遊技球あるいは入金額に応じて貸し出された遊技球は、遊技機に設けられる球皿の他に、遊技者の近傍に設置された球箱等へ球皿の球出口を通過させて貯留するのが一般的であった。また、遊技者が所持する所持金や遊技球数に対応した情報をICカードなどの価値記憶媒体に記憶するように構成された遊技用装置も知られている(例えば、特開2002−224362号公報参照)。
これら従来の遊技機において、遊技者が所持する遊技媒体を管理する構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
特徴10に記載の遊技機によれば、遊技者が所持する遊技球を好適に管理可能な遊技機を提供することができる。すなわち、第1出口部を利用して、従来と同様に、遊技者自身の管理する球箱や遊技用装置に遊技球を移送可能としつつ、更に、第2出口部を使って他の遊技機や遊技用装置に遊技球を好適に移送することが可能となる。
なお、特徴10に記載の遊技機は、第2出口部への遊技球の進入を阻止する進入割合切替部(進入阻止部582)と、進入割合切替部を回動可能にする軸部であって、第2出口部に対する遊技球の進入を阻止する進入阻止姿勢と遊技球の進入を許容する進入許容姿勢とを切り替え可能とする回動軸部(回動軸部583)と、進入阻止姿勢と進入許容姿勢とを切り替える切替操作部(切替操作部584)とを備えるものとしてもよい。
また、進入割合変化手段が変化させる遊技媒体が進入する割合は、一方側に10割進入して他方側には全く進入しない割合を含んでもよいし、半々や、5対1など、両方へ遊技媒体が流下する割合を含んでもよい。
また、特徴10に記載の遊技機外に出すの記載は、遊技機にて遊技媒体を支持し得る貯留部や通路から遊技媒体を出すとしてもよく、遊技機では遊技媒体を支持し得ない位置に遊技媒体を出すとしてもよい。
また、特徴10に記載の第2出口部は、第1出口部とは異なる位置であって遊技機において第1出口部とは異なる方向側に遊技媒体を出すとしてもよいし、第1出口部は、遊技機前側にて遊技球を出し、第2出口部は遊技機前側とは異なる位置に遊技球を出すとしてもよい。
<特徴11>
特徴10に記載の遊技機において、
前記第1払出通路は、
その下流側が前記貯留部における遊技球の流入口(流入口231A)を構成し、
前記第2出口部は、
第1払出通路の途中であって前記流入口より上流側にて分岐した側に設けられ、第1払出通路に所定量以上の遊技球が貯留された場合に遊技球を遊技機外に出す構成とされていることを特徴とする遊技機。
特徴10に記載の遊技機において、
前記第1払出通路は、
その下流側が前記貯留部における遊技球の流入口(流入口231A)を構成し、
前記第2出口部は、
第1払出通路の途中であって前記流入口より上流側にて分岐した側に設けられ、第1払出通路に所定量以上の遊技球が貯留された場合に遊技球を遊技機外に出す構成とされていることを特徴とする遊技機。
特徴11に記載の遊技機によれば、流入口よりも上流側に第2出口部が設けられ、貯留部がいっぱいになって流入口より上流側に遊技球が貯留された場合にのみ、遊技球を第2出口部の側に進入させることができる。これにより、遊技をしている最中の遊技機には貯留部に遊技球が満たされた状態を維持しつつ、更に多く払い出された遊技球のみを第2出口部に逃がすことができ、遊技球の払出を迅速にしつつ、遊技球を好適に管理可能とすることができる。
<特徴12>
特徴10又は特徴11に記載の遊技機において、
前記第2出口部は、
遊技者に貸出可能な遊技球の貸出可能数を価値記憶媒体に記憶すると共に、遊技者の操作に応じて遊技球を貸し出すことが可能な遊技用装置(遊技球管理装置700)に遊技球を移送可能に接続されており、
前記遊技用装置によって、前記第2出口部を通って移送された遊技球の数を、前記貸出可能数に加算して前記記憶媒体に記憶させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴10又は特徴11に記載の遊技機において、
前記第2出口部は、
遊技者に貸出可能な遊技球の貸出可能数を価値記憶媒体に記憶すると共に、遊技者の操作に応じて遊技球を貸し出すことが可能な遊技用装置(遊技球管理装置700)に遊技球を移送可能に接続されており、
前記遊技用装置によって、前記第2出口部を通って移送された遊技球の数を、前記貸出可能数に加算して前記記憶媒体に記憶させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴12に記載の遊技機によれば、第1出口部を経由させずに、第2出口部を介して遊技用装置に遊技球を移送すると共に貸出可能数に加算可能とすることができ、第1出口部を経由させないことによる効果を奏する構成とすることができる。例えば、第1出口部が遊技者に近い位置に設けられることにより通過する遊技球同士の接触音によって演出の効果音が聞き取りにくくなる不都合を抑制することができる。
<特徴13>
特徴10〜特徴12のいずれかに記載の遊技機において、
前記第2出口部は、他の遊技機における貯留部に遊技球を流下させる通路に遊技球を出す構成とされていることを特徴とする遊技機。
特徴10〜特徴12のいずれかに記載の遊技機において、
前記第2出口部は、他の遊技機における貯留部に遊技球を流下させる通路に遊技球を出す構成とされていることを特徴とする遊技機。
特徴13に記載の遊技機によれば、友人や家族などが遊技する他の遊技機との間で遊技球の譲渡や貸し借りなどが可能となり、遊技者の利便性を向上させることができる。
<特徴14>
特徴10〜特徴13のいずれかに記載の遊技機において、
前記進入割合変化手段は、遊技者によって前記第2出口部に遊技球が進入する割合を変化させる操作が可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴10〜特徴13のいずれかに記載の遊技機において、
前記進入割合変化手段は、遊技者によって前記第2出口部に遊技球が進入する割合を変化させる操作が可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴14に記載の遊技機によれば、遊技者が自由なタイミングで遊技球が出る出口部を選択することができ、遊技者の利便性を向上させることができる。
<特徴15>
特徴13〜特徴14のいずれかに記載の遊技機において、
前記第1払出通路には、他の遊技機に設けられる第2出口部から出た遊技球が進入可能な通路を接続可能とする接続部が設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴13〜特徴14のいずれかに記載の遊技機において、
前記第1払出通路には、他の遊技機に設けられる第2出口部から出た遊技球が進入可能な通路を接続可能とする接続部が設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴15に記載の遊技機によれば、他の遊技機における第2出口部を接続可能とすることができるため、接続された遊技機間で双方向への遊技球の供給を可能とするなど、一層利便性を高めることができる。
<特徴16>
特徴11〜特徴15のいずれかに記載の遊技機において、
前記第2出口部は、複数箇所に設けられ、複数の遊技機における貯留部に遊技球を流下させる通路に遊技球を出すことが可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴11〜特徴15のいずれかに記載の遊技機において、
前記第2出口部は、複数箇所に設けられ、複数の遊技機における貯留部に遊技球を流下させる通路に遊技球を出すことが可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴16に記載の遊技機によれば、複数の遊技機間で双方向への遊技球の供給を可能とするなど、一層利便性を高めることができる。
<特徴17>
特徴10〜特徴16のいずれかに記載の遊技機において、
前記第1払出通路は、二つの通路に分岐して第1の貯留部と第2の貯留部とにそれぞれ連続し、
前記第2出口部は、前記第1払出通路における二つの通路に分岐した分岐部分よりも下流側にて第1払出通路から分岐して設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴10〜特徴16のいずれかに記載の遊技機において、
前記第1払出通路は、二つの通路に分岐して第1の貯留部と第2の貯留部とにそれぞれ連続し、
前記第2出口部は、前記第1払出通路における二つの通路に分岐した分岐部分よりも下流側にて第1払出通路から分岐して設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴17に記載の遊技機によれば、二つの通路に分岐した分岐部分より下流側にて第2出口部に遊技球が流れるため、第1の貯留部と第2の貯留部のうち、一方側に遊技球が流れないように、第2出口部に進入する遊技媒体の割合を変化させることを可能とするなど、より一層利便性を高めることができる。
<特徴20>
遊技者が視認可能な遊技領域(遊技球の流下領域)と、
遊技者によって発射操作が行われる発射操作手段(発射操作装置250)と、
該発射操作手段に対しての遊技者の操作によって遊技球を前記遊技領域に発射する発射手段(発射装置330)と、
遊技球を払い出す払出装置(払出装置540)と、
該払出装置によって払い出されて遊技に使用される遊技球を貯留する貯留手段(主貯留機構230)と、
前記貯留手段に貯留された遊技球を前記発射手段側に送出する送出部(流出口231B)とを備え、
前記貯留手段(貯留部231,1231,4231)には、前記送出部よりも上流側に位置して前記払出装置によって払い出された遊技球が貯留される領域であって、貯留された遊技球が前記発射手段の動作に応じて前記送出部の側へ進行する通常貯留領域(通常貯留領域235,1235,4235)が設けられており、
さらに、前記払出装置によって所定量以上の遊技球が前記通常貯留領域に貯留された場合に遊技球が進入する領域であって、前記発射手段が動作しても少なくとも一部の遊技球が進行しないで停留し、遊技者による所定の押圧操作によって前記通常貯留領域へ遊技球を移送可能な停留貯留領域(補助貯留領域236,1236,4236)が設けられていることを特徴とする遊技機。
遊技者が視認可能な遊技領域(遊技球の流下領域)と、
遊技者によって発射操作が行われる発射操作手段(発射操作装置250)と、
該発射操作手段に対しての遊技者の操作によって遊技球を前記遊技領域に発射する発射手段(発射装置330)と、
遊技球を払い出す払出装置(払出装置540)と、
該払出装置によって払い出されて遊技に使用される遊技球を貯留する貯留手段(主貯留機構230)と、
前記貯留手段に貯留された遊技球を前記発射手段側に送出する送出部(流出口231B)とを備え、
前記貯留手段(貯留部231,1231,4231)には、前記送出部よりも上流側に位置して前記払出装置によって払い出された遊技球が貯留される領域であって、貯留された遊技球が前記発射手段の動作に応じて前記送出部の側へ進行する通常貯留領域(通常貯留領域235,1235,4235)が設けられており、
さらに、前記払出装置によって所定量以上の遊技球が前記通常貯留領域に貯留された場合に遊技球が進入する領域であって、前記発射手段が動作しても少なくとも一部の遊技球が進行しないで停留し、遊技者による所定の押圧操作によって前記通常貯留領域へ遊技球を移送可能な停留貯留領域(補助貯留領域236,1236,4236)が設けられていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機において、入賞に応じた特典として払い出された遊技球あるいは入金額に応じて貸し出された遊技球は、遊技機に設けられる球皿の他に、遊技者の近傍に設置された球箱等へ球皿の球出口を通過させて貯留するのが一般的であった。また、遊技者が所持する所持金や遊技球数に対応した情報をICカードなどの価値記憶媒体に記憶するように構成された遊技用装置も知られている(例えば、特開2002−224362号公報参照)。
これら従来の遊技機において、遊技者が所持する遊技媒体を管理する構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
また、従来の遊技機において、入賞に応じた特典として払い出された遊技球あるいは入金額に応じて貸し出された遊技球は、遊技者の手元近傍に設置された貯留手段(いわゆる上皿)に貯留される。貯留手段より下には補助的な補助貯留手段(いわゆる下皿)が設けられている(例えば特開2009−22160号参照)。遊技者は補助貯留手段に貯留した遊技球を貯留手段に補充することにより、貯留手段の遊技球の不足を補うことができる。
しかしながら、従来の遊技機において、補助貯留手段は、貯留手段から離れた位置にあって、遊技球を補う操作が面倒な場合がある。
特徴20に記載の遊技機によれば、遊技者が所持する遊技球を好適に管理可能な遊技機を提供することができる。すなわち、遊技球の一部が停留貯留領域に停留し、発射手段によって自動的に発射されることのない遊技球を停留貯留領域に確保することができる。このため、遊技者が通常貯留領域に遊技球がなくなっていることに気がつくのが遅れた場合であっても、停留貯留領域の遊技球を使用して速やかに遊技を継続することができる。また、停留貯留領域の遊技球は、遊技者による所定の押圧操作によって通常貯留領域へ移送可能であるので、停留貯留領域から通常貯留領域への遊技球の移送を簡易且つ迅速にし、遊技者の利便性を向上させることができる。
<特徴21>
特徴20に記載の遊技機において、
前記通常貯留領域及び前記停留貯留領域の境界の少なくとも一部に上方に突出する突条部が遊技球の半径より低い高さで設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴20に記載の遊技機において、
前記通常貯留領域及び前記停留貯留領域の境界の少なくとも一部に上方に突出する突条部が遊技球の半径より低い高さで設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴21に記載の遊技機によれば、突条部によって境界を形成し、且つ、遊技者による遊技球への押圧操作によって停留貯留領域から通常貯留領域へ遊技球を容易に移送可能とすることができる。
<特徴22>
特徴21に記載の遊技機において、
前記境界の一部は、前記送出口が設けられる側に位置していることを特徴とする遊技機。
特徴21に記載の遊技機において、
前記境界の一部は、前記送出口が設けられる側に位置していることを特徴とする遊技機。
特徴22に記載の遊技機によれば、境界の一部として送出口が設けられる側に向かって遊技球を押し出すようにすれば、短時間で送出口を経由して発射手段に遊技球を供給することができる。このため、遊技者が急いで遊技球を発射したい状況に正確且つ確実に遊技球を発射し易くすることができ、遊技者が不測の不利益を被る可能性を低減することができる。
<特徴23>
特徴20〜特徴22のいずれかに記載の遊技機において、
前記通常貯留領域と前記停留貯留領域とは、遊技者が位置する遊技機前側と、遊技機後側とに並んで設けられており、
前記通常貯留領域と前記停留貯留領域とにおいて、遊技球が離間して停留するように境界が上方に突出した頂部とされて前後に下り傾斜した底面部が設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴20〜特徴22のいずれかに記載の遊技機において、
前記通常貯留領域と前記停留貯留領域とは、遊技者が位置する遊技機前側と、遊技機後側とに並んで設けられており、
前記通常貯留領域と前記停留貯留領域とにおいて、遊技球が離間して停留するように境界が上方に突出した頂部とされて前後に下り傾斜した底面部が設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴23に記載の遊技機によれば、通常貯留領域と停留貯留領域とが底面部の傾斜によって明確に別れるため、停留貯留領域に貯留されている遊技球を遊技者が認識し易くすることができる。
<特徴24>
特徴20〜特徴23のいずれかに記載の遊技機において、
前記停留貯留領域は、前記通常貯留領域に対して遊技者が位置する遊技機前側に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴20〜特徴23のいずれかに記載の遊技機において、
前記停留貯留領域は、前記通常貯留領域に対して遊技者が位置する遊技機前側に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴24に記載の遊技機によれば、通常貯留領域を遊技者が視認し易くして遊技者が通常貯留領域における遊技球の残量を確認し易くし、且つ、停留貯留領域が遊技者に近い位置に設けられるため、停留貯留領域に貯留された待機球を遊技者が手で押圧操作して通常貯留領域へ移送し易くすることができる。
<特徴25>
特徴20〜特徴24のいずれかに記載の遊技機において、
前記停留貯留領域は、前記通常貯留領域に対して遊技者から離間した遊技機後側に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴20〜特徴24のいずれかに記載の遊技機において、
前記停留貯留領域は、前記通常貯留領域に対して遊技者から離間した遊技機後側に設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴25に記載の遊技機によれば、停留貯留領域が視認しやすいため、遊技者は停留貯留領域に遊技球が残っている状況を容易に視認することができ、停留貯留領域に遊技球を残したまま遊技を終了して遊技者が移動してしまうことを抑制することができる。
<特徴26>
特徴20〜特徴25のいずれかに記載の遊技機において、
前記停留貯留領域は、前記貯留手段の底面積のうち、5〜50%の底面積を占める大きさに設定されていることを特徴とする遊技機。
特徴20〜特徴25のいずれかに記載の遊技機において、
前記停留貯留領域は、前記貯留手段の底面積のうち、5〜50%の底面積を占める大きさに設定されていることを特徴とする遊技機。
特徴26に記載の遊技機によれば、適度な量の遊技球を停留貯留領域に確保することができる。
<特徴30>
遊技媒体を払い出す払出装置(払出装置540)と、
前記払出装置から払い出された遊技媒体を遊技機外に出す出口部(補助貯留部241の放出口241B、後側通路580,1580及び放出通路部材3101Bの出口)と、
該出口部と前記払出装置との間にて遊技媒体が通過する移送通路を形成する通路形成部材とを備え、
前側に開閉動作可能な開閉部材が、前後方向に貫通する内部空間を形成する枠状に構成された外枠部材に支持された遊技機(パチンコ機3100,4100)であって、
前記払出装置は前記開閉部材に設けられ、
前記外枠部材は、前記通路形成部材の一部を構成して前記移送通路の一部(誘導通路3101A)を形成することを特徴とする遊技機。
遊技媒体を払い出す払出装置(払出装置540)と、
前記払出装置から払い出された遊技媒体を遊技機外に出す出口部(補助貯留部241の放出口241B、後側通路580,1580及び放出通路部材3101Bの出口)と、
該出口部と前記払出装置との間にて遊技媒体が通過する移送通路を形成する通路形成部材とを備え、
前側に開閉動作可能な開閉部材が、前後方向に貫通する内部空間を形成する枠状に構成された外枠部材に支持された遊技機(パチンコ機3100,4100)であって、
前記払出装置は前記開閉部材に設けられ、
前記外枠部材は、前記通路形成部材の一部を構成して前記移送通路の一部(誘導通路3101A)を形成することを特徴とする遊技機。
従来の遊技機において、入賞に応じた特典として払い出された遊技球あるいは入金額に応じて貸し出された遊技球は、遊技機に設けられる球皿の他に、遊技者の近傍に設置された球箱等へ球皿の球出口を通過させて貯留するのが一般的であった。また、遊技者が所持する所持金や遊技球数に対応した情報をICカードなどの価値記憶媒体に記憶するように構成された遊技用装置も知られている(例えば、特開2002−224362号公報参照)。
これら従来の遊技機において、遊技者が所持する遊技媒体を管理する構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
特徴30に記載の遊技機によれば、遊技者が所持する遊技球を好適に管理可能な遊技機を提供することができる。すなわち、払出装置が開閉部材に設けられ、外枠部材は、通路形成部材の一部を構成して移送通路の一部を形成するので、払出装置から払い出された遊技球の少なくとも一部は外枠部材によって形成される移送通路の一部を経由して遊技機外に排出される。外枠部材は、遊技機の左右方向における最も外側に設けられるので、移送通路の一部を通過する遊技媒体の通過音や接触音が遊技者に届き難くすることができ、遊技機に設定された演出等の効果音を遊技者が聞き取り易くすることができる。また、外枠部材は、払出装置を含む開閉部材を支持しつつ遊技場に遊技機を取り付ける際の支持体として機能するものであり、剛性や強度の高い材料によって構成され、この外枠部材によって形成される移送通路の一部は不正に穴を開けられたり改造されたりし難くすることができる。よって、遊技者が所持する遊技球が他の者(犯罪者)に奪われてしまうなどの不正行為を抑制することができる。
<特徴31>
特徴30に記載の遊技機であって、
前記開閉部材は、前記外枠部材の一部に対して前側に重なる形状であって前記外枠部材における左右方向の一方側に設けられる縦長の枠構成部を遊技機前側に露出する形状に構成され、
前記枠構成部には、前記移送通路の一部として下方に流下した後に遊技機前側に遊技球を移送可能な通路が形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴30に記載の遊技機であって、
前記開閉部材は、前記外枠部材の一部に対して前側に重なる形状であって前記外枠部材における左右方向の一方側に設けられる縦長の枠構成部を遊技機前側に露出する形状に構成され、
前記枠構成部には、前記移送通路の一部として下方に流下した後に遊技機前側に遊技球を移送可能な通路が形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴31に記載の遊技機によれば、遊技機の左右方向における最も外側を経由して遊技機前側に遊技球を出すことができるので、遊技機に設定された演出等の効果音を遊技者が聞き取り易く構成しつつ、従来と同様に、遊技者に対して遊技機前側で遊技球を管理可能とすることができる。
<特徴40>
遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機(パチンコ機100,1100,2100,3100,4100)であって、
遊技媒体を払い出す払出装置(払出装置540)と、
前記払出装置から払い出された遊技媒体を遊技機外に出す出口部(後側通路580,1590A,1590B,3580Aを経由した遊技球の出口、補助貯留部241の放出口241B)と、
該出口部と前記払出装置との間にて遊技媒体が通過する移送通路を形成する通路形成部材と、
前記移送通路の一部に対して前側に設けられて、所定の音を出力する音出力手段(音響装置283〜285,4286)とを備えていることを特徴とする遊技機。
遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機(パチンコ機100,1100,2100,3100,4100)であって、
遊技媒体を払い出す払出装置(払出装置540)と、
前記払出装置から払い出された遊技媒体を遊技機外に出す出口部(後側通路580,1590A,1590B,3580Aを経由した遊技球の出口、補助貯留部241の放出口241B)と、
該出口部と前記払出装置との間にて遊技媒体が通過する移送通路を形成する通路形成部材と、
前記移送通路の一部に対して前側に設けられて、所定の音を出力する音出力手段(音響装置283〜285,4286)とを備えていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機において、入賞に応じた特典として払い出された遊技球あるいは入金額に応じて貸し出された遊技球は、遊技機に設けられる球皿の他に、遊技者の近傍に設置された球箱等へ球皿の球出口を通過させて貯留するのが一般的であった。また、遊技者が所持する所持金や遊技球数に対応した情報をICカードなどの価値記憶媒体に記憶するように構成された遊技用装置も知られている(例えば、特開2002−224362号公報参照)。
これら従来の遊技機において、遊技者が所持する遊技媒体を管理する構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
特徴40に記載の遊技機によれば、遊技者が所持する遊技球を好適に管理可能な遊技機を提供することができる。すなわち、移送通路の一部に対して前側に音出力手段が設けられているので、遊技媒体を遊技機外に出すまでの過程において移送通路内を通過する遊技媒体の通過音や接触音より音出力手段によって出力される音を優先して遊技者に届かせることができ、遊技機に設定された演出等の効果音を遊技者が聞き取り易くすることができる。また、音出力手段は、剛性の高い金属部材や音を響かせるための筐体(エンクロージャー)を含むものであり、これらの部材が移送通路の前に位置することによって後側の移送通路で発生した音が遊技者側に届く強さを低減することができる。
<特徴41>
特徴40に記載の遊技機であって、
前記移送通路の一部に対して前側に設けられて、前記移送通路の一部が設けられる側にて発生した音を検出する音検出手段を備え、
前記音出力手段は、前記音検出手段によって検出された音に基づいて、当該音の遊技機前側への出力を低減させる音(検出された音を打ち消す逆位相の音)を含む音を遊技機前側へ出力することを特徴とする遊技機。
特徴40に記載の遊技機であって、
前記移送通路の一部に対して前側に設けられて、前記移送通路の一部が設けられる側にて発生した音を検出する音検出手段を備え、
前記音出力手段は、前記音検出手段によって検出された音に基づいて、当該音の遊技機前側への出力を低減させる音(検出された音を打ち消す逆位相の音)を含む音を遊技機前側へ出力することを特徴とする遊技機。
特徴41に記載の遊技機によれば、音検出部によって移送通路の一部で発生する音が遊技機前側へ出力される程度を低減させることができるので、移送通路を経由する遊技球の通過音や接触音が打ち消され易くなって、遊技機に設定された効果音を遊技者に届き易くすることができる。
<特徴50>
遊技者が視認可能な遊技領域(遊技球の流下領域)と、
遊技者によって発射操作が行われる発射操作手段(発射操作装置250)と、
該発射操作手段に対しての遊技者の操作によって遊技球を前記遊技領域に発射する発射手段(発射装置330)と、
遊技球を払い出す払出装置(払出装置540)と、
該払出装置によって払い出されて遊技に使用される遊技球を貯留する貯留手段(主貯留機構4230)と、
前記貯留手段に貯留された遊技球を前記発射手段側に送出する送出部(流出口231B)とを備え、
前記貯留手段には、前記送出部よりも上流側に設けられて前記払出装置によって払い出された遊技球が貯留される領域であって、貯留された遊技球が前記発射手段の動作に応じて前記送出部の側へ進行する通常貯留領域(通常貯留領域4235)が設けられており、
さらに、前記発射手段が動作しても遊技球が進行しないで停留する領域であって、遊技者による所定の押圧操作によって前記通常貯留領域へ遊技球を移送可能であり、予め定めた個数の遊技球が並んで配置されて計数可能な計数可能貯留領域(補助貯留領域4236)が設けられていることを特徴とする遊技機。
遊技者が視認可能な遊技領域(遊技球の流下領域)と、
遊技者によって発射操作が行われる発射操作手段(発射操作装置250)と、
該発射操作手段に対しての遊技者の操作によって遊技球を前記遊技領域に発射する発射手段(発射装置330)と、
遊技球を払い出す払出装置(払出装置540)と、
該払出装置によって払い出されて遊技に使用される遊技球を貯留する貯留手段(主貯留機構4230)と、
前記貯留手段に貯留された遊技球を前記発射手段側に送出する送出部(流出口231B)とを備え、
前記貯留手段には、前記送出部よりも上流側に設けられて前記払出装置によって払い出された遊技球が貯留される領域であって、貯留された遊技球が前記発射手段の動作に応じて前記送出部の側へ進行する通常貯留領域(通常貯留領域4235)が設けられており、
さらに、前記発射手段が動作しても遊技球が進行しないで停留する領域であって、遊技者による所定の押圧操作によって前記通常貯留領域へ遊技球を移送可能であり、予め定めた個数の遊技球が並んで配置されて計数可能な計数可能貯留領域(補助貯留領域4236)が設けられていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機において、入賞に応じた特典として払い出された遊技球あるいは入金額に応じて貸し出された遊技球は、遊技機に設けられる球皿の他に、遊技者の近傍に設置された球箱等へ球皿の球出口を通過させて貯留するのが一般的であった。また、遊技者が所持する所持金や遊技球数に対応した情報をICカードなどの価値記憶媒体に記憶するように構成された遊技用装置も知られている(例えば、特開2002−224362号公報参照)。
これら従来の遊技機において、遊技者が所持する遊技媒体を管理する構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
特徴50に記載の遊技機によれば、遊技者が所持する遊技球を好適に管理可能な遊技機を提供することができる。すなわち、計数可能貯留領域に停留した遊技球の個数を遊技者が計数可能であるので、遊技者が必要な数分の遊技球を遊技機外に取り出し易くすることができる。また、計数可能貯留領域の遊技球は、遊技者による所定の押圧操作によって前記通常貯留領域へ移送可能であるので、計数可能貯留領域から通常貯留領域への遊技球の移送を簡易且つ迅速にし、遊技者の利便性を向上させることができる。
<特徴51>
特徴50に記載の遊技機であって、
遊技媒体を払い出す払出装置(払出装置540)と、
前記払出装置から払い出された遊技媒体を遊技者が取り出し操作可能に、遊技機前側に貯留する貯留部(貯留部241)と、
該貯留部に貯留された遊技媒体を遊技機外に出す第1出口部(補助貯留部241の放出口241B)と、
前記払出装置と前記貯留部との間に設けられて、該払出装置から前記貯留部へと遊技媒体を払い出すための第1払出通路(補助側誘導通路553)と、
前記計数可能貯留領域に貯留された遊技球を遊技者による所定の排出操作によって前記第1出口部とは異なる位置にて遊技機外に出す第2出口部(移送通路4232及び放出通路部材3101Bの内部通路)とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴50に記載の遊技機であって、
遊技媒体を払い出す払出装置(払出装置540)と、
前記払出装置から払い出された遊技媒体を遊技者が取り出し操作可能に、遊技機前側に貯留する貯留部(貯留部241)と、
該貯留部に貯留された遊技媒体を遊技機外に出す第1出口部(補助貯留部241の放出口241B)と、
前記払出装置と前記貯留部との間に設けられて、該払出装置から前記貯留部へと遊技媒体を払い出すための第1払出通路(補助側誘導通路553)と、
前記計数可能貯留領域に貯留された遊技球を遊技者による所定の排出操作によって前記第1出口部とは異なる位置にて遊技機外に出す第2出口部(移送通路4232及び放出通路部材3101Bの内部通路)とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴51に記載の遊技機によれば、第1出口部を利用して、従来と同様に、遊技者自身の管理する球箱や遊技用装置に遊技球を移送可能としつつ、更に、第2出口部を使って他の遊技機や遊技用装置に、遊技者の移送したい数分の遊技球を好適に移送することが可能となる。
なお、特徴10〜51に記載の少なくとも1つの特徴を他のいずれか又は複数の特徴に組み合わせて適用しても良い。以下には、上記した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ機:遊技者が操作する発射操作手段と、その発射操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く通路部と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
以上のように、この発明は、弾球遊技機等の遊技機に適している。
100,1100,2100,3100,4100:パチンコ機、 230,4230:主貯留機構、 231,4231:貯留部、 231A:流入口、235,1235,4235:通常貯留領域、 236,1236,4236:補助貯留領域、 241:補助貯留部、 241B:放出口、 330:発射装置、 281〜285,4286:音響装置、 540:払出装置、 552:主側誘導通路、 553:補助側誘導通路、 580,1580,3580:後側通路、 581,1581,1591A,1591B:進入切替部材、 700,3700:遊技球管理装置、 4236D:球支持部材
Claims (2)
- 遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機であって、
遊技媒体を払い出す払出装置と、
前記払出装置から払い出された遊技媒体を遊技者が取り出し操作可能に、遊技機前側に貯留する貯留部と、
該貯留部に貯留された遊技媒体を遊技機外に出す第1出口部と、
前記払出装置と前記貯留部との間に設けられて、該払出装置から前記貯留部へと遊技媒体を払い出すための第1払出通路と、
前記第1払出通路とは別に設けられて、前記払出装置から払い出された遊技媒体を前記前記第1出口部とは異なる位置にて遊技機外に出す第2出口部と、
前記払出装置から払い出された遊技媒体が前記第2出口部に進入するか否かを切り替えることが可能な進入切替手段とを備えていることを特徴とする遊技機。 - 前記遊技機は、パチンコ遊技機又は回胴式遊技機であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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- 2017-03-31 JP JP2017072293A patent/JP2018171332A/ja active Pending
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