JP2018170311A - 発電モジュールおよび発電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発電装置の大型化による発電効率の低下を抑えることが可能な発電モジュールを提供する。【解決手段】発電モジュール10は、内部に蛍光体を含む導光体11と、前記蛍光体が光を吸収することにより発生した蛍光の一部を光電変換する太陽電池12と、を備え、導光体11の端面以外の主要面に、当該主要面に対して臨界角以上の角度で伝搬する蛍光を導光体11の外部に取り出す出力カプラ13が形成されており、出力カプラ13から取り出された蛍光の少なくとも一部が太陽電池12によって光電変換される。【選択図】図5
Description
本発明は、発電装置に関し、より詳細には、蛍光を利用する発電装置に関する。
従来より、Luminescent Solar Concentrator(LSC)と呼ばれる、蛍光を利用する発電装置が知られている(例えば、非特許文献1)。図1は非特許文献1に係る蛍光を利用する発電装置200の斜視図である。発電装置200は、内部に蛍光体201が一様に分散された導光体202と、その端部に配置された太陽電池203とで構成されている。導光体202は、図2の断面図に示すように、2枚の透明基板2021、2022と、それらの間に介装された蛍光体層2023とを備えた構成としてもよい。あるいは、1枚の透明基板の片側の表面にのみ蛍光体を配置した構成でもよい。
発電装置200では、太陽光204が導光体202に入射して蛍光体層2023内の蛍光体201を励起すると、蛍光体201は蛍光を様々な方向へ放射する。そのうちの一部の蛍光204aは、導光体202から外部の空中に放射される。一方で、一部の蛍光204bは、透明基板2021と空気との界面で全反射されて、導光体202の内部を伝搬し、導光体202の端部に配置された太陽電池203により光電変換される。
発電装置200の特徴は、太陽電池203の受光面を太陽光204の入射面(導光体202の主要面)よりも大幅に小さくできることである。さらに、発電装置200は集光型の太陽電池であるにもかかわらず、太陽の追尾が不要であるため、壁や窓へ設置する光発電システム(Building-Integrated Photovoltaic、BIPV)に適している。
発電装置200の構成では、太陽光204によって放射された一部の蛍光204bは発電に寄与している。しかしながら、導光体202から漏れ出して外部の空中に放射される蛍光204aは表示や照明に利用されることはない。これに対し本願の発明者は、表示機能および/または照明機能を備えた高効率の発電装置を発明した(特許文献1)。
図3は、特許文献1に係る発電装置300の斜視図である。発電装置300は、導光体301と、太陽電池302と、光源303とを備える。導光体301は、2枚の透明基板3011と、蛍光体層3012とを備える。蛍光体層3012は、2枚の透明基板3011の間に介装されており、内部に蛍光体が分散されている。導光体301の端面には太陽電池302が1つ配置されており、太陽電池302は光電変換素子として機能する。これら導光体301と、その端面に配置された太陽電池302とが協働してLSCを構成する。
光源303はLED等の面状光源であり、導光体301の透明基板3011の主要面に対向して配置されている。光源303から放射された光は蛍光体層3012中の蛍光体を励起し、蛍光体から放射された蛍光の一部が導光体301の外部に取り出される。従って、発電装置300は照明装置として動作する。一方で、太陽光や室内光などの外光Lextが導光体301に入射することによっても蛍光が放射され、その一部は導光体301の内部を伝搬し、導光体301の端部に配置された太陽電池302に到達し、光電変換される。従って、発電装置300は発電装置としても動作する。なお、蛍光体を1枚の透明基板301の内部に分散させた構成や、蛍光体層3012を1枚の透明基板301の表面に配置した構成としてもよい。
図4は、特許文献1に係る他の発電装置310の斜視図である。発電装置310は、図3に示す発電装置300において、光源303を光源313に置き換えた構成である。光源313は、励起光としてビーム状の励起光LBを放射するレーザ光源であり、励起光LBを2次元で走査する光学系(図示せず)を用いて、蛍光体を含む導光体301を走査する。
太陽光や室内光などの外光Lextが、光源313の例えば反対側から導光体301に入射すると、発電装置310は発電装置として機能する。さらに、発電装置310は、励起光LBを一様な強度で走査すれば発電機能付きの照明装置として機能し、画像内の画素毎の位置情報に対応させて励起光LBの強度を変調すれば発電機能付きの表示装置(Display-Integrated Photovoltaicの略語、DIPV)として機能する。
W.G.J.H.M. van Sark, "Recent developments in luminescent solar concentrators," Proc. of SPIE Vol. 9178, 917804 (2014).
しかしながら、従来の発電装置200では、図2に示すように、蛍光204bが導光体202の内部を伝搬中に、別の蛍光体201に吸収される「自己吸収」という現象により、蛍光の損失が生じる。これに加え、蛍光204bがその他の異物によって吸収される、透明基板2021の表面の凹凸によって散乱される、といった現象によっても、蛍光の損失が生じる。導光体202が大きいほど、蛍光204bの太陽電池203までの伝搬距離が長くなるため、蛍光の損失量が増大する。そのため、発電装置200を大型化すると、発電効率が大幅に低下してしまう。同様の問題は、特許文献1に係る発電装置300および発電装置310においても生じる。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであって、第1の目的は、蛍光を利用する発電装置を構成する発電モジュールであって、発電装置の大型化による発電効率の低下を抑えることが可能な発電モジュールを提供することである。
さらに、本発明の第2の目的は、全面から発光する大面積の照明装置、あるいは継ぎ目がない大面積の画像表示装置として機能する発電装置を実現することである。
上記目的を達成するための本発明は、以下に示す態様を含む。
(項1)
内部または表面に蛍光体を含む導光体と、
前記蛍光体が光を吸収することにより発生した蛍光の一部を光電変換する光電変換素子と、
を備えた発電モジュールにおいて、
前記導光体の端面以外の主要面に、当該主要面に対して臨界角以上の角度で伝搬する前記蛍光を前記導光体の外部に取り出す取出部が形成されており、
前記取出部から取り出された前記蛍光の少なくとも一部が前記光電変換素子によって光電変換される、発電モジュール。
(項2)
前記取出部は、前記主要面の外周縁部に形成されている、項1に記載の発電モジュール。
(項3)
項1または2に記載の発電モジュールを複数備え、
前記発電モジュールは、前記導光体の端面同士が接触するように配置されている、発電装置。
(項4)
前記発電モジュールに光を放射する光源をさらに備える、項3に記載の発電装置。
(項5)
前記光源からの光が、前記導光体の端部に位置する蛍光体に到達する、項4に記載の発電装置。
(項1)
内部または表面に蛍光体を含む導光体と、
前記蛍光体が光を吸収することにより発生した蛍光の一部を光電変換する光電変換素子と、
を備えた発電モジュールにおいて、
前記導光体の端面以外の主要面に、当該主要面に対して臨界角以上の角度で伝搬する前記蛍光を前記導光体の外部に取り出す取出部が形成されており、
前記取出部から取り出された前記蛍光の少なくとも一部が前記光電変換素子によって光電変換される、発電モジュール。
(項2)
前記取出部は、前記主要面の外周縁部に形成されている、項1に記載の発電モジュール。
(項3)
項1または2に記載の発電モジュールを複数備え、
前記発電モジュールは、前記導光体の端面同士が接触するように配置されている、発電装置。
(項4)
前記発電モジュールに光を放射する光源をさらに備える、項3に記載の発電装置。
(項5)
前記光源からの光が、前記導光体の端部に位置する蛍光体に到達する、項4に記載の発電装置。
本発明によれば、発電装置の大型化による発電効率の低下を抑えることができる。さらに、外部に光源を設置して発電モジュールに光を入射させると、導光体の端面まで光が到達するため、隣り合う発電モジュールの境界に位置する蛍光体からも蛍光が放射される。したがって、複数の発電モジュールを配置することにより、全面から発光する大面積の照明装置、あるいは継ぎ目がない大面積の画像表示装置を実現できる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではない。
〔第一の実施形態〕
図5は、本発明の第一の実施形態に係る発電装置100の断面図であり、図6は、発電装置100の部分拡大断面図であり、図7は、発電装置100の平面図である。
図5は、本発明の第一の実施形態に係る発電装置100の断面図であり、図6は、発電装置100の部分拡大断面図であり、図7は、発電装置100の平面図である。
本実施形態に係る発電装置100は、平面視矩形状の9個の発電モジュール10を備えている。それらの発電モジュール10は、端面同士が接触するようにタイル状(マトリクス状、平板状)に配置されている。これにより、発電装置100の外形も平面視矩形状となっている。
各発電モジュール10は、蛍光を利用して発電するLSCとして機能する部材であり、内部または表面に蛍光体が分散された導光体11と、太陽電池(光電変換素子)12とを備える。本実施形態では、図6に示すように、導光体11は、2枚の透明基板111、112と、蛍光体層113とを備える。蛍光体層113は、2枚の透明基板111、112の間に介装されており、その内部に蛍光体14が分散されている。
図5において、下方から導光体11に外光Lextが入射すると、蛍光体層113内の蛍光体14が光を吸収することにより蛍光を発生する。蛍光の一部は、導光体11と空気との界面で全反射されながら、導光体11の端部に向かって伝搬する。
ここで、発電モジュール10は、導光体11の端面以外の主要面に、当該主要面に対して臨界角以上の角度で伝搬する蛍光を導光体11の外部に取り出す出力カプラ(取出部)13が形成されている。本実施形態では図6に示すように、導光体11の透明基板111側の主要面11aに出力カプラ13が形成されている。出力カプラ13は、透明基板111の外周縁部に沿って平面視矩形環状に形成された筋状突起であり、その断面は直角三角形である。出力カプラ13の2つの面13a、13bは直角をなしており、端部側の面13a上に太陽電池12が設けられている。
太陽電池12は、面13aの全てを覆ってもよいし、面13aの一部を覆ってもよい。本実施形態では、太陽電池12は平面視で細長い矩形状に形成されており、台形状の面13aの両端部を除く部分を覆っている。
出力カプラ13は、透明基板111と同じ材料で形成されたプリズムである。出力カプラ13を透明基板111上に形成する方法は特に限定されず、出力カプラ13と透明基板111とを一体的に成形加工してもよいし、出力カプラ13を透明基板111上に接着してもよい。出力カプラ13を透明基板111上に接着する場合、透明基板111と出力カプラ13との境界で反射が生じないように、屈折率が同等の接着剤を用いる。
図6では、導光体11に入射した外光Lextが蛍光体14に吸収され、蛍光体14が発生した蛍光FL1が、導光体11の主要面11a、11bに対して、導光体11から空気への臨界角以上の角度θで導光体11内部を伝搬している。蛍光FL1は、導光体11の透明基板112側の主要面11bでは全反射するが、透明基板111と出力カプラ13との間で屈折率が変化しないため、透明基板111から出力カプラ13に進入し、面13aに到達する。太陽電池12の受光面には反射防止膜が存在し、入射した光が高い確率で電荷に変換される。これにより、導光体11内部から出力カプラ13に進入した蛍光の少なくとも一部は出力カプラ13から外部に取り出され、太陽電池12によって光電変換される。
なお、本実施形態では、導光体11内部を全反射しながら伝搬する蛍光の全てが光電変換されるわけではない。一部の蛍光は、面13aで反射され、あるいは面13bから外部に放射される。一部の蛍光は、出力カプラ13に進入することなく導光体11の端面から放射される。このような蛍光は、発電には寄与しない。全ての伝搬光に対する太陽電池に到達する蛍光の割合は結合効率と呼ばれ、結合効率は出力カプラ13の設計に大きく依存する。
ここで、結合効率を高める方法として、出力カプラ13のサイズを大きくして、導光体11の端面から放射される蛍光を減らすことが考えられる。この場合、出力カプラ13に進入した蛍光の大部分を光電変換できるように太陽電池12の面積も大きくする必要がある。しかし、発電モジュール10は、太陽電池の面積を小さくできることを特徴とするLSCであるため、太陽電池12を大型化すると、LSCとしてのメリットが損なわれる。よって、出力カプラ13のサイズおよび形状は、太陽電池12のサイズと結合効率との両方を考慮して設計することが望ましい。
図8は、太陽電池の小型化および高い結合効率を両立できる出力カプラ13の好ましい設計例を示している。なお、図8では、太陽電池12の図示を省略している。図8に示す出力カプラ13は、端部側の面13aと主要面11aとの角度(出力カプラ13の断面の底角)、および、内側の面13bと主要面11aの法線との角度が、導光体11内部を伝搬する蛍光体の空気への臨界角θcに等しい。さらに、導光体11の厚さをLとすると、出力カプラ13の幅Wは、W=2L・tanθcである。
出力カプラ13をこのように設計することにより、導光体11内部を主要面11a、11bに対して臨界角θcで伝搬し、出力カプラ13の面13bと主要面11aとの境界Pで全反射した蛍光FLcは、主要面11bで全反射した後、出力カプラ13の面13aと主要面11aとの境界Qに到達し、出力カプラ13から外部に放射される。同様に、蛍光FLcと平行な蛍光が、境界Pよりも僅かに内側(図8において右側)の主要面11aで全反射した場合、当該蛍光は、境界Qよりも内側から出力カプラ13に進入して、面13aから外部に放出される。一方、蛍光FLcと平行な蛍光が、境界Pよりも僅かに外側(図8において左側)を通過した場合、そのまま出力カプラ13に進入して面13aから外部に放出される。よって、導光体11の主要面11a、11bに対して臨界角θcで伝搬する蛍光の大部分を出力カプラ13から取り出すことができる。なお、導光体11内部の境界Pの直下の点(例えばP’、P”)に到達した蛍光も、伝搬角度に依存して、大部分が出力カプラ13の内部に進入し、太陽電池12に至る。
本実施形態に係る発電モジュール10は、図1および図2に示す従来の発電装置200と異なり、太陽電池12が導光体11の端面には設けられていない。その代わりに、発電モジュール10では、導光体11の主要面11aに出力カプラ13が形成されており、太陽電池12が、出力カプラ13から取り出された蛍光を光電変換するように設けられている。よって、サイズの小さい発電モジュール10の端面同士を接触させてタイル状に配列することにより、大型の発電装置100を構成することができる。ここで、各発電モジュール10の内部で発生して導光体11の主要面11a、11bに全反射しながら伝搬する蛍光は、大部分が出力カプラ13から取り出されて光電変換される。そのため、発電装置100を従来の発電装置200と同じ平面視のサイズで構成する場合、導光体11内部における蛍光の伝搬距離を、従来の発電装置200の導光体202内部における蛍光の伝搬距離よりも短くすることができる。例えば、本実施形態に係る発電装置100は、3×3=9個の発電モジュール10で構成されているため、導光体11内部における蛍光の伝搬距離は、従来の発電装置200の導光体202内部における蛍光の伝搬距離に比べ、平均で約1/3となる。したがって、蛍光の自己吸収による光の損失を低減できる。
発電装置100を構成する発電モジュール10の個数をさらに多くしても(例えば、4×4=16個、5×5=25個)、導光体11内部における蛍光の平均伝搬距離は実質的に変わらないため、発電効率は低下しない。よって、発電装置100の大型化による発電効率の低下を抑えることができる。
なお、蛍光の自己吸収による損失の低減効果は、蛍光材料の吸収スペクトルと発光スペクトルの重なりの大きさに依存する。近年、吸収スペクトルと発光スペクトルの重なりが小さい蛍光材料が盛んに研究されているが、そのような蛍光材料は、発光効率が低い、あるいは、光劣化への耐性が低いといった欠点を有する。すなわち、少なくとも現状では理想の蛍光材料は存在しない。これに対し、本実施形態では、導光体内部の蛍光の伝搬距離を短くすることにより、一般に入手可能な蛍光材料を用いた場合であっても、自己吸収の影響を低減し、発電装置の大型化による発電効率の低下を抑えることができる。
本実施形態における出力カプラ13は、断面が直角三角形であったが、出力カプラの形状および大きさは、導光体内部を全反射しながら伝搬する蛍光を取り出し可能な形状であれば特に限定されない。出力カプラ13の断面形状としては、例えば、面13aと面13bとが鈍角をなす三角形であってもよいし、それらが鋭角をなす三角形であってもよい。あるいは、断面を複合放物曲線にすれば、太陽電池の面積をさらに小さくできる。このような光学素子はCPC(Compound Parabolic Concentratorの略、複合放物面型集光器)と呼ばれ、ミラーやレンズを用いた集光型太陽光発電システムの分野でよく知られている。すなわち、ミラーやレンズが1段目の集光素子、すなわちPOE(Primary Optical Elementの略)として機能し、集光度をさらに高めるためのSOE(Secondary Optical Elementの略)としてCPCが用いられる。このように従来の光学技術を適用すれば、本実施形態の効果をさらに高めることができる。
太陽電池12を設ける位置は、出力カプラ13から取り出された蛍光を光電変換可能な位置であれば特に限定されない。しかし、本実施形態のように、出力カプラ13を主要面11aの外周縁部付近に形成した場合、出力カプラ13に進入する蛍光は、内側の面13bよりも端部側の面13aに向かう割合が高いため、出力カプラ13の端部側の面13a上に太陽電池12を設けることが好ましい。さらに、太陽電池12の小型化を容易にするため、面13aの面積を面13bよりも小さくすることが好ましい。
出力カプラ13の形成位置は、導光体11の主要面上であれば特に限定されず、例えば、外光Lextが入射する主要面11bに出力カプラ13を形成してもよい。しかし、その場合、出力カプラ13に設けられた太陽電池によって外光Lextの一部が遮られるため、本実施形態のように、主要面11bと反対側の主要面11aに出力カプラ13を形成することが好ましい。
本実施形態のように、発電装置100および発電モジュール10の形状は、一般には長方形または正方形とすることが好ましいが、本発明では特に限定されない。発電装置の設置場所、用途等に応じて、発電装置の形状ならびに発電モジュールの形状および個数は、適宜変更可能である。例えば、平面視正三角形の発電モジュールを4個または16個組み合わせて平面視正三角形の発電装置を構成してもよい。さらに、形状および/または大きさの異なる複数の発電モジュールを組み合わせて、発電装置を構成してもよい。
外光Lextは太陽光である必要はなく、発電装置100が室内に設置される場合には、外光Lextが室内光であっても発電が可能である。
〔第二の実施形態〕
第二の実施形態では、本発明に係る発電装置を、[背景技術]において説明した特許文献1と同様に、発電機能付きの照明装置および/または表示装置として機能させる形態について説明する。図9は、本発明の第二の実施形態に係る発電装置110の断面図であり、図10は、発電装置110の斜視図であり、図11は、発電装置110の部分拡大断面図である。なお、前述の第一の実施形態におけるものと同一の機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
第二の実施形態では、本発明に係る発電装置を、[背景技術]において説明した特許文献1と同様に、発電機能付きの照明装置および/または表示装置として機能させる形態について説明する。図9は、本発明の第二の実施形態に係る発電装置110の断面図であり、図10は、発電装置110の斜視図であり、図11は、発電装置110の部分拡大断面図である。なお、前述の第一の実施形態におけるものと同一の機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
発電装置110は、発電装置100と、9個のプロジェクタ20と、固定具30とを備えている。発電装置100は、第一の実施形態と同様、9個の発電モジュール10を備えており、発電モジュール10は、端面同士が接触するようにタイル状に配置されている。すなわち、発電装置110は、第一の実施形態に係る発電装置100に、プロジェクタ20および固定具30を付加した構成である。
プロジェクタ20は、発電モジュール10の蛍光体層113を励起するための光ELを照射する光源である。各プロジェクタ20は、1個の発電モジュール10に対応しており、発電モジュール10の外光Lextが入射する面の反対面(以下、表面)に対向するように設けられ、発電モジュール10に光ELを放射する。プロジェクタ20としては、LEDまたはレーザを使用することができるが、これに限定されず、例えば蛍光灯や有機発光ダイオード(OLED)等の種々の発光態様の光源を使用することができる。さらに、光ELは紫外光や青色光に限定されず、蛍光体の特性に応じて種々の波長の光を選択することができる。
固定具30は、各発電モジュール10の表面を覆うテーパー状の筐体であり、固定具30の内部にプロジェクタ20が取り付けられている。これにより、プロジェクタ20の発電モジュール10に対する相対位置が固定される。
発電装置110の動作を説明する。プロジェクタ20から光ELが放射されると、光ELは導光体11の透明基板111に入射して蛍光体層113中の蛍光体を励起し、蛍光体から放射された蛍光の一部が導光体11の透明基板112から外部に取り出される。この場合、発電装置110は発電機能付きの照明装置として機能する。さらに、画像内の画素毎の位置情報に対応させて光ELの強度を変調すれば、発電装置110は発電機能付きの表示装置として機能する。すなわち、光ELの強度を変調する最小の領域が、表示装置の「画素」になる。
このように、本実施形態に係る発電装置110は、発電機能に加え照明機能および/または表示機能も兼ね備えている。よって、発電装置110は、発電に利用できていない光を照明および/または表示に利用することができる。例えば、日中は外光を取り込んで発電を行い、夜間は表示機能を有する電子看板として利用することができる。
発電装置110を表示装置として用いる場合、発電モジュール10の境界においても画像を連続的に表示するために、発電モジュール10の端面同士を、人間が認知できない程度に隙間なく接着するとともに、各プロジェクタ20の光ELが、各発電モジュール10の蛍光体層113の全体に入射することが好ましい。具体的には、図11に示すように、光ELの最大入射角度θiを、出力カプラ13の断面の底角θcよりも小さくすることで、蛍光体層113の端部まで光ELが到達する。これにより、光ELが導光体11の端部の蛍光体にも到達するため、隣り合う2つの発電モジュール10の境界は視認されない。
なお、本実施形態では、発電モジュール10とプロジェクタ20とが1対1に設けられていたが、発電モジュール10およびプロジェクタ20の個数は特に限定されない。例えば、複数の発電モジュール10に対して1つのプロジェクタ20を設けるようにしてもよい。ただし、この場合は太陽電池の影ができるため、蛍光体層の全ての領域を発光させることはできない。プロジェクタ20を発電モジュール10に対して固定する手段も、固定具30に限定されない。例えば、プロジェクタ20を壁面に取り付け、発電モジュール10を壁面と離間して設置することにより、プロジェクタ20の発電モジュール10に対する相対位置を固定させてもよい。
〔付記事項〕
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、各実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、各実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
10 発電モジュール
11 導光体
11a,11b 主要面
12 太陽電池(光電変換素子)
13 出力カプラ(取出部)
14 蛍光体
20 プロジェクタ(光源)
30 固定具
100,110 発電装置
111,112 透明基板
113 蛍光体層
FL1,FLc 蛍光
EL 光
Lext 外光
11 導光体
11a,11b 主要面
12 太陽電池(光電変換素子)
13 出力カプラ(取出部)
14 蛍光体
20 プロジェクタ(光源)
30 固定具
100,110 発電装置
111,112 透明基板
113 蛍光体層
FL1,FLc 蛍光
EL 光
Lext 外光
Claims (5)
- 内部または表面に蛍光体を含む導光体と、
前記蛍光体が光を吸収することにより発生した蛍光の一部を光電変換する光電変換素子と、
を備えた発電モジュールにおいて、
前記導光体の端面以外の主要面に、当該主要面に対して臨界角以上の角度で伝搬する前記蛍光を前記導光体の外部に取り出す取出部が形成されており、
前記取出部から取り出された前記蛍光の少なくとも一部が前記光電変換素子によって光電変換される、発電モジュール。 - 前記取出部は、前記主要面の外周縁部に形成されている、請求項1に記載の発電モジュール。
- 請求項1または2に記載の発電モジュールを複数備え、
前記発電モジュールは、前記導光体の端面同士が接触するように配置されている、発電装置。 - 前記発電モジュールに光を放射する光源をさらに備える、請求項3に記載の発電装置。
- 前記光源からの光が、前記導光体の端部に位置する蛍光体に到達する、請求項4に記載の発電装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017064452A JP2018170311A (ja) | 2017-03-29 | 2017-03-29 | 発電モジュールおよび発電装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017064452A JP2018170311A (ja) | 2017-03-29 | 2017-03-29 | 発電モジュールおよび発電装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018170311A true JP2018170311A (ja) | 2018-11-01 |
Family
ID=64020628
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017064452A Pending JP2018170311A (ja) | 2017-03-29 | 2017-03-29 | 発電モジュールおよび発電装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2018170311A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022014321A1 (ja) * | 2020-07-13 | 2022-01-20 | 株式会社ジャパンディスプレイ | 太陽電池装置 |
-
2017
- 2017-03-29 JP JP2017064452A patent/JP2018170311A/ja active Pending
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WO2022014321A1 (ja) * | 2020-07-13 | 2022-01-20 | 株式会社ジャパンディスプレイ | 太陽電池装置 |
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