JP2018169647A - 媒体収納装置及び媒体処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】媒体を収納空間内へ円滑に押し込んで収納させ得るようにする。【解決手段】小切手処理装置1のスタッカ部20は、カム回転体40のカム最外点40Tを移動レバー62に当接させ、また該カム回転体40のリンクシャフト47をカムリンク板89のカム形状孔102に挿通させた。その上でスタッカ部20では、移動レバー62にカム中心点40Cを中心とする円弧状の移動抑止部66を設けると共に、カム形状孔102にカム中心点40Cを中心とする円弧状の移動抑止部104を設けた。これによりスタッカ部20では、カム回転体40がカム最外点40Tを移動抑止部66に当接させる範囲で回転したとしても、搬送ローラ対56を伝達状態に維持できる。またスタッカ部20は、カム回転体40がリンクシャフト47を移動抑止部104内に位置させる範囲で回転したとしても、プッシャ81を退避状態に維持できる。【選択図】図3

Description

本発明は媒体収納装置及び媒体処理装置に関し、例えば小切手等の媒体による入金処理を行う小切手処理装置に適用して好適なものである。
従来、小切手処理装置においては、金融機関等において顧客との間で媒体としての小切手による入金取引を行うものが普及している。この小切手処理装置では、入金取引において行う入金処理として、例えば長方形状の紙でなる小切手を所定の搬送路に沿って搬送しながら、表面及び裏面を撮像して画像データを生成する処理や、処理済であることを表す文字等を印刷する処理等を行う。
また小切手処理装置は、この入金処理を完了した小切手を収納部へ搬送させる。この収納部としては、例えば内部に小切手を収納するための収納空間が形成されると共に、その上側や側方上側等に小切手を放出する放出機構が設けられたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この小切手処理装置では、収納部の放出機構から収納空間内へ小切手を放出し、その紙面を上下に向けた姿勢で順次集積させ、収納するようになっている。
特開2002−255393号公報(図1)
ところで、小切手処理装置では、様々な大きさの小切手を取り扱う場合があり、収納部において放出機構により小切手を収納空間内へ放出させたときに、各小切手がその大きさに応じた様々な動きをすることにより、整然と集積させ得ないことがある。そこで小切手処理装置としては、この放出機構に代えて、搬送路から収納空間内へ小切手を押し込むプッシャ機構を収納部に設けることにより、収納空間内で各小切手を整然と集積させることが考えられる。
プッシャ機構は、例えば小切手に当接するプッシャ本体と、搬送路と交差する交差方向に沿ってプッシャ本体を移動させるプッシャ移動部とにより構成される。このプッシャ移動部は、例えば所定のモータから所定のギア等を介して伝達される駆動力により、プッシャ本体を交差方向に沿って移動させることができる。また搬送路に沿って小切手を案内する搬送ガイドには、プッシャ本体を通過させ得る大きさでなり収納空間の内部と連通された孔部が形成されている。
このプッシャ機構は、例えば小切手の搬送時にプッシャ本体を収納空間と反対側の退避位置に退避させておき、小切手がプッシャ本体と対向する収納位置まで搬送されると、モータから伝達される駆動力を用い、プッシャ移動部によりプッシャ本体を収納空間側へ移動させ、該小切手を収納空間内へ押し込んで収納させる。その後、プッシャ機構は、引き続きモータから伝達される駆動力を用い、プッシャ移動部によりプッシャ本体を再び退避位置へ移動させ、次の小切手の収納動作に備える。
しかしながらモータのなかには、例えば回転を停止させる指示が与えられてからも慣性等によりしばらく回転を継続するものがある。またプッシャ機構では、大きさの制約等により、プッシャ本体部が停止位置から僅かでも移動すると、その一部を搬送路内へ露出させる場合もある。
このためプッシャ機構では、例えばプッシャ移動部によりプッシャ本体部を退避位置まで移動させた時点でモータに停止の指示が与えられたとしても、引き続きモータが回転することにより、プッシャ本体部の一部を搬送路内に位置させる恐れがある。このような場合、小切手処理装置では、搬送路に沿って搬送されてくる小切手がプッシャ本体部と衝突して該搬送路内に詰まりを発生させることになり、入金取引等を継続できなくなる、という問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、媒体を収納空間内へ円滑に押し込んで収納させ得る媒体収納装置及び媒体処理装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の媒体収納装置においては、媒体における両紙面とそれぞれ対向する第1ガイド面及び第2ガイド面が搬送路に沿ってそれぞれ形成され、該搬送路に沿って該媒体を搬送方向へ進行させるよう案内する搬送ガイドと、搬送ガイドにより案内されている媒体の紙面に当接し、該媒体に対し搬送方向へ向かう力を伝達する搬送力伝達部と、搬送ガイドにおいて搬送力伝達部が配置された箇所の第1ガイド面側に設けられ、媒体を収納する収納空間が内部に形成された収納部と、搬送ガイドに形成された貫通孔を介して、該搬送ガイドにより案内される媒体の紙面と交差する交差方向に沿って移動するプッシャと、プッシャを、搬送路に対して第2ガイド面と同じ又はそれよりも遠方に退避させた退避位置と、収納部の内部との間で移動させるプッシャ移動部と、所定のカム駆動力源から伝達される力により回転するカムと、プッシャ移動部に設けられ、カムによる回転方向の力を受け、プッシャを交差方向へ移動させる力に変換するプッシャ移動変換部と、プッシャ移動変換部に設けられ、プッシャが退避位置に位置している退避状態において、プッシャの移動を抑止するプッシャ移動抑止部とを設けるようにした。
また本発明の媒体処理装置においては、媒体を搬送路に沿って搬送方向へ進行させる搬送部と、媒体を集積して収納する媒体収納部とを具え、媒体収納部は、媒体の両紙面とそれぞれ対向する第1ガイド面及び第2ガイド面が搬送路に沿ってそれぞれ形成され、搬送部から引き渡された媒体を該搬送路に沿って搬送方向へ進行させるよう案内する搬送ガイドと、搬送ガイドにより案内されている媒体の紙面に当接し、該媒体に対し搬送方向へ向かう力を伝達する搬送力伝達部と、搬送ガイドにおいて搬送力伝達部が配置された箇所の第1ガイド面側に設けられ、媒体を収納する収納空間が内部に形成された収納部と、搬送ガイドに形成された貫通孔を介して、該搬送ガイドにより案内される媒体の紙面と交差する交差方向に沿って移動するプッシャと、プッシャを、搬送路に対して第2ガイド面と同じ又はそれよりも遠方に退避させた退避位置と、収納部の内部との間で移動させるプッシャ移動部と、所定のカム駆動力源から伝達される力により回転するカムと、プッシャ移動部に設けられ、カムによる回転方向の力を受け、プッシャを交差方向へ移動させる力に変換するプッシャ移動変換部と、プッシャ移動変換部に設けられ、プッシャが退避位置に位置している退避状態において、プッシャの移動を抑止するプッシャ移動抑止部とを設けるようにした。
本発明は、回転するカムからの力を受けてプッシャ移動変化部がプッシャを退避位置から交差方向へ移動させることにより、搬送路を搬送されてきた媒体を収納部の収納空間内へ押し込んで収納させることができる。そのうえ本発明は、プッシャが退避状態である時に、カム駆動力源における制御の精度や各部品の精度等に起因して、カムが理想的な回転角度からずれたとしても、プッシャ移動抑止部において該カムからの力を受けることにより、プッシャを退避状態に維持でき、次の媒体を阻害すること無く搬送できる。
本発明によれば、媒体を収納空間内へ円滑に押し込んで収納させ得る媒体収納装置及び媒体処理装置を実現できる。
小切手処理装置の全体構成を示す略線図である。 スタッカ部の構成を示す略線図である。 駆動モジュールの構成を示す略線図である。 伝達状態遷移機構の構成及び状態の遷移を示す略線図である。 プッシャモジュールの構成及びプッシャの移動を示す略線図である。 スタッカ部においてカム回転体の回転角度が0度の状態を示す略線図である。 スタッカ部においてカム回転体の回転角度が15度の状態を示す略線図である。 スタッカ部においてカム回転体の回転角度が30度の状態を示す略線図である。 スタッカ部においてカム回転体の回転角度が180度の状態を示す略線図である。 スタッカ部においてカム回転体の回転角度が300度の状態を示す略線図である。 スタッカ部においてカム回転体の回転角度が320度の状態を示す略線図である。 スタッカ部においてカム回転体の回転角度が340度の状態を示す略線図である。 カム回転体の回転角度とプッシャの移動距離との関係を示す略線図である。 カム回転体の回転角度と伝達状態遷移フレームの移動距離及びプレッシャローラの移動距離との関係を示す略線図である。 他の実施の形態による回転制限部の構成を示す略線図である。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.小切手処理装置の構成]
図1に模式的な左側面図を示すように、第1の実施の形態による小切手処理装置1は、例えば金融機関等に設置される自動取引装置(図示せず)の内部に組み込まれており、利用者(すなわち金融機関の顧客)との間で小切手の入金取引に関する処理を行う。媒体処理装置としての小切手処理装置1は、全体として直方体状に形成されたフレーム2の内部に、媒体としての小切手に関する種々の処理を行う複数の処理ユニットが組み込まれた構成となっている。
以下では、小切手処理装置1のうち顧客が対峙する側を前側とし、その反対を後側とし、当該前側に対峙した顧客から見て左及び右をそれぞれ左側及び右側とし、さらに上側及び下側を定義して説明する。
自動取引装置(図示せず)には、全体を統括的に制御する統括制御部や、利用者に向けて種々の情報を表示する表示部(図示せず)、或いは該利用者の操作指示を受け付けて統括制御部に通知する操作部(図示せず)等が設けられている。
小切手処理装置1は、切替制御部としての制御部3により、自動取引装置の統括制御部(図示せず)と連携しながら、全体を制御するようになっている。この制御部3は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、図示しないROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、入金取引に関する種々の処理を行う。また制御部3は、内部にRAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等でなる記憶部を有しており、この記憶部に各種プログラムや入金取引に関する種々の情報を記憶させている。
フレーム2の上部における前側約半分の部分には、利用者との間で小切手を受け渡すバンドル部11が配置されている。バンドル部11の前端には、開閉可能なシャッタ11Sが設けられている。制御部3は、上述した操作部(図示せず)を介して利用者から入金取引の開始を指示する操作を受け付けると、バンドル部11に対しシャッタ11Sを開放させるよう制御する。
これに応じてバンドル部11は、利用者に対し束状に集積された小切手CK(以下これを束小切手CKBとも呼ぶ)を内部に挿入させ、その後シャッタ11Sを閉塞することにより、内部に保有する小切手CKを保護する。因みに小切手CKは、長方形の紙により構成され、その表面に金額等の情報が表示されている。また束小切手CKBは、各小切手CKの長辺を前後に沿わせ、短辺を左右方向に沿わせると共に、金額等が記載された表面を上に向けた姿勢で挿入される。
バンドル部11は、内部に設けられた束搬送機構により前後方向に沿った束搬送路WBを形成しており、束小切手CKBをこの束搬送路WBに沿って後方向へ搬送し、該バンドル部11の後端近傍に設けられた分離部12の前側に到達させる。分離部12は、束小切手CKBの上面側から小切手CKを1枚ずつに分離し、後方のアライナ部13に順次引き渡していく。
アライナ部13は、主に前後方向に沿った搬送経路の後端に主に上下方向に沿った搬送経路の上端が接続された第1搬送路W1を内部に構成しており、分離部12から受け取った小切手CKをこの第1搬送路W1に沿って後方及び下方へ順次搬送する。このときアライナ部13は、該小切手CKを第1搬送路W1における幅方向(すなわち左右方向)の一方、例えば右方向へ幅寄せし、下方に配置された第1切替部14に引き渡す。説明の都合上、以下では右方向を幅寄せ方向とも呼ぶ。
第1切替部14は、制御部3の制御に基いて小切手CKの搬送経路を切り替えることにより、上側の第1搬送路W1及び前側の第2搬送路W2を接続し、或いは前側の第2搬送路W2及び下側の第3搬送路W3を接続するようになっている。すなわち第1切替部14は、アライナ部13から小切手CKが引き渡される場合、上側の第1搬送路W1及び前側の第2搬送路W2を接続し、この小切手CKを前方のスキャナ部15に引き渡す。
スキャナ部15は、アライナ部13のほぼ真下に位置しており、前後方向に沿った第2搬送路W2が内部に形成されている。このスキャナ部15は、第1切替部14から第2搬送路W2に沿って小切手CKを前方へ搬送しながら、該小切手CKからMICR(Magnetic Ink Character Recognition)方式の文字を読み取り、また該小切手CKの両面をそれぞれ撮像して画像データを生成した上で、前下側に位置する第2切替部16に引き渡す。第2切替部16は、制御部3の制御により後上側及び前側を繋ぐように内部の搬送経路を切り替えており、スキャナ部15から受け取った小切手CKを前方のエスクロ部17に引き渡す。
エスクロ部17は、バンドル部11のほぼ真下に配置されており、その内部に回転するドラムや該ドラムの周側面に巻き付けるテープ、及び小切手CKを搬送するための搬送部等を有している。このエスクロ部17は、第2切替部16から受け取った小切手CKをドラムの周側面近傍へ搬送し、テープと共にドラムの周側面に順次巻き付けることにより、該小切手CKを一時的に保留していく。説明の都合上、ここまでの一連の処理を入金読取処理と呼ぶ。
制御部3は、バンドル部11に挿入された全ての小切手CKをスキャナ部15により読み取り終えると、読み取った内容を表す画像や文字等を表示部(図示せず)に表示すると共に、利用者に入金取引を継続するか否かを問い合わせる。
ここで利用者から入金取引の中止が指示されると、制御部3は、返却処理を行う。すなわち制御部3は、エスクロ部17に保留している全ての小切手CKを分離部12へ搬送して集積し、束小切手CKBを形成して利用者に取り出させる。このとき制御部3は、バンドル部11に組み込まれたセンサにより束小切手CKBが取り出されたことを検出した場合、該束小切手CKBが利用者に返却されたものと判断して返却処理を終了する。一方、バンドル部11において所定時間内に束小切手CKBが取り出されなかった場合、制御部3は、利用者が束小切手CKBを取り出さずに立ち去ったと判断し、この束小切手CKBを取り込む取忘取込処理により内部へ取り込み、リトラクト部18へ搬送して収納する。
一方、制御部3は、入金読取処理によってエスクロ部17に全ての小切手CKを保留した状態で、利用者から入金取引の継続が指示されると、保留している小切手CKを収納する収納処理を開始する。具体的にエスクロ部17は、ドラムを逆回転させることにより保留していた小切手CKを1枚ずつ繰り出し、第2切替部16を介してスキャナ部15に引き渡していく。
スキャナ部15は、第2切替部16から順次受け取った小切手CKを第2搬送路W2に沿って後方へ搬送しながら、内蔵するプリンタやスタンプ押印部により該小切手CKに対し取引結果等を表す情報を印字し、印字後の小切手を撮像して印字状態を認識した上で、該小切手CKを第1切替部14に引き渡す。
このとき第1切替部14は、制御部3の制御により前側の第2搬送路W2及び下側の第3搬送路W3を繋ぐように内部の搬送経路を切り替えており、スキャナ部15から受け取った小切手CKを下方の後中搬送部19に引き渡す。後中搬送部19は、リトラクト部18の後側において上下方向に沿って第3搬送路W3を形成しており、第1切替部14から受け取った小切手CKをこの第3搬送路W3に沿って下方へ搬送し、下側の第1スタッカ部20Aに引き渡す。
第1スタッカ部20Aは、小切手CKを搬送する搬送モジュールや、スタッカ内に多数の小切手CKを集積した状態で収納するスタッカモジュール、及び該スタッカ内へ小切手CKを押し込むプッシャモジュール等を有している(詳しくは後述する)。この第1スタッカ部20Aは、後中搬送部19から小切手CKを受け取ると、制御部3の制御に応じて、該小切手CKをスタッカ内に押し込んで集積した状態で収納し、或いは該小切手CKを前方の下搬送部21へ引き渡す。
下搬送部21は、前後方向に沿った搬送路を形成しており、その前側において第2スタッカ部20Bと接続されている。第2スタッカ部20Bは、第1スタッカ部20Aと同様に構成されており、下搬送部21から小切手CKを受け取ると、制御部3の制御に応じて、該小切手CKをスタッカ内に押し込み、集積した状態で収納する。
かくして制御部3は、エスクロ部17に保留していた全ての小切手CKを第1スタッカ部20A又は第2スタッカ部20Bのスタッカ内に収納させると、収納処理を終了する。これにより制御部3は、利用者との間における小切手CKの入金取引を完了する。
[2.スタッカ部の全体構成]
次に、第1スタッカ部20A及び第2スタッカ部20B(以下、両者をまとめてスタッカ部20と呼ぶ)の構成について説明する。図2(A)及び(B)に示すように、媒体収納部としてのスタッカ部20は、中空の直方体状に形成された筐体30を中心としており、大きく分けて駆動モジュール31、搬送モジュール32、スタッカモジュール33及びプッシャモジュール34により構成されている。
因みに図2(A)は左側面図を示しており、図2(B)は正面図を示している。また作図の都合上、図2(A)及び(B)では、一部を破線により示し、或いは省略している。さらに以下では、前後方向を搬送方向とも呼び、左右方向を幅方向とも呼ぶ。
[2−1.駆動モジュールの構成]
駆動モジュール31は、図3に模式的な拡大図を示すように、カム駆動モータ41、モータ出力ギア42、カムシャフト43、カムギア44、カム板45、カム当接体46及びリンクシャフト47により構成されている。
カム駆動力源としてのカム駆動モータ41は、いわゆるDC(Direct Current)モータであり、制御部3(図1)の制御に従って所定の電源(図示せず)から電流が供給されると、中心軸を左右方向に沿わせた出力軸41Aを回転させる。モータ出力ギア42は、中心軸を左右方向に沿わせた、半径が比較的小さい円板状に形成されており、その外周部分に歯車(ギア)が形成されている。このモータ出力ギア42は、カム駆動モータ41の出力軸41Aに取り付けられており、該出力軸41Aと一体に回転する。
カムシャフト43は、中心軸を左右方向に沿わせた細長い円柱状に形成されており、所定の軸受(図示せず)を介して筐体30により回転可能に支持されている。このカムシャフト43には、カムギア44及びカム板45が挿通された状態で取り付けられている。カムギア44は、中心軸を左右方向に沿わせた、半径が比較的大きい円板状に形成されており、その外周部分に歯車(ギア)が形成されている。駆動モジュール31では、カムギア44をモータ出力ギア42と歯合させるよう、カム駆動モータ41及びカムシャフト43の取付位置や各部の長さ等が適宜定められている。
カム板45は、中心軸を左右方向に向けた円板状に構成されており、その外周における一部分がカムシャフト43から離れる方向へ突出することにより突出部45Pが形成されている。この突出部45Pにおける左側面には、カム板45よりも半径が十分に小さい円板状のカム当接体46が取り付けられている。カム当接体46は、その一部をカム板45の突出部45Pよりも外方へ、すなわちカムシャフト43から離れた箇所に位置させている。
カム連動軸としてのリンクシャフト47は、カムシャフト43と同様に中心軸を左右方向に沿わせた細長い円柱状に形成されており、カム板45の左側面から左方向へ向けて立設されている。このリンクシャフト47は、カム板45に対して、カムシャフト43を中心としてカム当接体46から時計回りに90度回転した位置に取り付けられている。例えば図3に示したように、カムシャフト43を基準としてカム当接体46が前側に位置している場合、リンクシャフト47は下側に位置している。
以下では、カムシャフト43と一体に回転する各部品、すなわちカムシャフト43、カムギア44、カム板45、カム当接体46及びリンクシャフト47をまとめて、カム回転体40とも呼ぶ。カム回転体40は、カム駆動モータ41が所定方向へ回転することにより、カムシャフト43を中心として図の時計方向(以下これをカム回転方向R1と呼ぶ)に回転することができる。
また以下では、カム回転体40におけるカムシャフト43から最も離れた箇所をカム最外点40Tと呼ぶ。さらに以下では、カムシャフト43を回転中心として回転するカム回転体40の回転角度を、該カムシャフト43に対するカム最外点40Tの相対的な位置により表すものとする。具体的にカム回転体40の回転角度は、図3に示したように、カム最外点40Tがカムシャフト43の前に位置し、カム回転体40の回転中心を表すカム中心点40Cと該カム最外点40Tとを結ぶ仮想的な直線VL1が水平となるときを0度として、図の時計回りに定義する。例えば、カムシャフト43に対してカム当接体46が下側、後側及び上側にそれぞれ位置する場合、カム回転体40の回転角度は、それぞれ90度、180度及び270度となる。
[2−2.搬送モジュールの構成]
搬送モジュール32(図2)は、筐体30における上下方向の中央よりもやや上側に設けられている。この搬送モジュール32は、図4に模式的に示すように、搬送ガイド51、4個の駆動ローラ52、4個のプレッシャローラ53及び伝達状態遷移部57により構成されている。
搬送ガイド51は、搬送路W20の上側及び下側にそれぞれ配置された上搬送ガイド51U及び下搬送ガイド51Lにより構成されている。上搬送ガイド51Uの下面である上搬送ガイド面51UF及び下搬送ガイド51Lの上面である下搬送ガイド面51LFは、何れも平坦に形成されており、互いの間に形成された約5[mm]の隙間を搬送路W20としている。
このような構成により、搬送ガイド51は、第2ガイド面としての上搬送ガイド面51UF及び第1ガイド面としての下搬送ガイド面51LFの間である搬送路W20に沿って小切手CKを案内することができる。説明の都合上、以下では、搬送ガイド51の上搬送ガイド面51UF及び下搬送ガイド面51LFに挟まれた空間を、搬送空間51Sとも呼ぶ。
さらに上搬送ガイド面51UFには、前後方向の中央部分であって、且つ左右方向の中央付近よりも右寄りとなる部分に、上下方向に貫通する上貫通孔51UHが穿設されている。すなわち上貫通孔51UHは、前後方向に長い長方形状の角孔となっている。また下搬送ガイド面51LFには、上貫通孔51UHの真下となる箇所に、上下方向に貫通する下貫通孔51LHが穿設されている。
駆動ローラ52は、上搬送ガイド面51UFよりも下側であって、且つ下貫通孔51LHよりも右側となる箇所に、前後方向に互いに離れた4箇所に分散してそれぞれ配置されている。この駆動ローラ52は、中心軸を左右方向に沿わせた扁平な円柱状に形成されており、該中心軸を下搬送ガイド面51LFよりも下側に位置させている。また駆動ローラ52の周側面は、所定の高摩擦部材が取り付けられることにより、小切手CKに対する摩擦が高められている。
また下搬送ガイド面51LFには、各駆動ローラ52と対応するそれぞれの箇所に、上下方向に貫通する貫通孔が形成されている。各駆動ローラ52は、それぞれの上端近傍を、この貫通孔を介して下搬送ガイド面51LFよりも上側、すなわち搬送空間51S内に露出させている。因みに駆動ローラ52の上端は、下搬送ガイド面51LF及び上搬送ガイド面51UFのほぼ中間に位置している。
駆動ローラ52は、制御部3(図1)の制御に基づき、搬送駆動力源としての駆動モータ(図示せず)から所定のギア等(図示せず)を適宜介して駆動力が伝達されることにより、上端を前方へ進行させるように、すなわち図4(A)における時計回りに回転される。
従動ローラとしてのプレッシャローラ53は、駆動ローラ52のほぼ真上となる箇所、すなわち下搬送ガイド面51LFよりも上側であって、且つ上貫通孔51UHよりも右側となる箇所に、前後方向に互いに離れた4箇所に分散して配置されている。このプレッシャローラ53は、駆動ローラ52と同様、中心軸を左右方向に沿わせた扁平な円柱状に形成されている。
またプレッシャローラ53は、その中心部分に、左右方向に沿った細長い円柱状のプレッシャシャフト54が挿通されており、このプレッシャシャフト54に対し自在に回転し得るようになっている。プレッシャシャフト54は、上搬送ガイド面51UFよりも上側に位置しており、プレッシャスプリング55により下方向へ付勢されている。因みにプレッシャシャフト54は、図示しないシャフト支持部により、前後方向の位置をほぼ維持したまま上下方向へ移動し得るようになっている。
さらに上搬送ガイド面51UFには、各プレッシャローラ53と対応するそれぞれの箇所に、上下方向に貫通する貫通孔が形成されている。各プレッシャローラ53は、それぞれの下端近傍を、この貫通孔を介して上搬送ガイド面51UFよりも下側、すなわち搬送空間51S内に露出させ、駆動ローラ52の上端近傍に押し付けるように当接させている。
かかる構成により、搬送モジュール32は、駆動モータ(図示せず)を駆動させて各駆動ローラ52を時計回りに回転させることにより、各プレッシャローラ53を従動させ、反時計回りに回転させることができる。またこのとき搬送モジュール32は、搬送路W20に沿って後側から小切手CKが搬送されてきた場合、この小切手CKの両紙面を上搬送ガイド面51UF及び下搬送ガイド面51LFとそれぞれ対向させた姿勢で駆動ローラ52及びプレッシャローラ53の間に挟持し、前方へ向かう力を加えることができる。
これにより搬送モジュール32は、この小切手CKを前方へ進行させること、すなわち上搬送ガイド面51UF及び下搬送ガイド面51LFの間に形成された搬送路W20に沿って搬送方向へ搬送することができる。説明の都合上、以下では、1個の駆動ローラ52及び1個のプレッシャローラ53の組合せを搬送ローラ対56又は搬送力伝達部とも呼ぶ。また以下では、搬送される小切手CKの紙面と交差する方向である上下方向を、交差方向とも呼ぶ。
因みに搬送モジュール32には、上搬送ガイド51U及び下搬送ガイド51Lにおける所定箇所に、小切手を検出する搬送センサ(図示せず)が設けられている。この搬送センサは、搬送空間51Sを上下方向に沿って貫通するように所定の検出光を進行させ、該検出光の受光結果を検出信号として制御部3(図1)に供給している。制御部3は、この検出信号を基に所定の演算処理を行うことにより、小切手CKが搬送モジュール32に到達した時点を認識すると共に、該小切手CKが搬送空間51S内の所定箇所に到達する時点を算出し、この時点に合わせて駆動ローラ52の回転を制御するようになっている。
一方、伝達状態遷移部57は、図4(A)に示したように、上搬送ガイド51Uよりも上側に設けられており、大きく分けて伝達状態遷移フレーム58及び伝達状態遷移スプリング59により構成されている。
伝達状態遷移フレーム58は、大きく分けて、前後方向に沿った水平フレーム61と、該水平フレーム61の後端近傍に設けられた移動レバー62とにより構成されている。水平フレーム61は、前後方向に沿った細長い棒状に構成されており、上搬送ガイド51Uにおける上搬送ガイド面51UFと反対側の面(以下これを上搬送ガイド上面51UUと呼ぶ)の上側であって、且つ各プレッシャシャフト54の下側に位置している。
水平フレーム61の下面は、平坦に形成されており、やはり平坦な上搬送ガイド上面51UUと当接している。このため伝達状態遷移フレーム58は、前後方向へ外力が加えられると、水平フレーム61の下面を上搬送ガイド上面51UUに摺動させるようにして、比較的短い距離だけ、前後方向へ移動することができる。
水平フレーム61の上面には、4箇所のプレッシャシャフト54からそれぞれ僅かに前側となる4箇所に、持上部63が設けられている。持上部63は、全体として前後方向の長さが水平フレーム61よりも十分に短い直方体状に形成されている。また持上部63の後面は、上側よりも下側の方が後方へ突出した、すなわち法線が後ろ斜め上方を向いた、傾斜面となっている。
移動レバー62は、図3に示したように、全体として上下方向に長く前後方向に短い直方体状に構成され、水平フレーム61の上面における、後端近傍から上斜め後方へ向けて立設されている。
移動レバー62の後側面62Rは、複数の平面及び曲面が組み合わされた構成となっている。具体的に移動レバー62の後側面における上側部分は、左右方向から見た形状が上下方向に沿った直線状である上移動部64となっている。また移動レバー62の後側面における中央部分は、左右方向から見た形状が後側に中心点を有する円弧状である移動抑止部66(以下これを伝達状態遷移抑止部とも呼ぶ)となっている。さらに移動レバー62の後側面における下側部分は、左右方向から見た形状が後上側と前下側とを結ぶ斜め方向に沿った直線状である下移動部68となっている。
これに加えて、上移動部64及び移動抑止部66の接続部分には、該移動抑止部66から連続した仮想的な円弧VC1(図中に一点鎖線で示す)よりも後方へ突出した回転制限部65が設けられている。また移動抑止部66及び下移動部68の接続部分にも、該移動抑止部66から連続した仮想的な円弧よりも後方へ突出した回転制限部67が設けられている。搬送力伝達側回転範囲制限部としての回転制限部65及び67は、何れも左右方向から見て2本の直線を互いの端点において接続させたような形状、若しくは折れ線状となっている。
付勢部としての伝達状態遷移スプリング59(図4)は、コイルばねでなり、自然状態から伸張された状態で、その前端が移動レバー62に引っ掛けられ、その後端が筐体30に引っ掛けられている。このため伝達状態遷移スプリング59は、伝達状態遷移フレーム58に対して後方向(以下これを付勢方向とも呼ぶ)へ向かう力を作用させることができる。
因みに伝達状態遷移部57には、移動レバー62における下移動部68の後方となる箇所に、該移動レバー62の後方向への移動範囲を規制する後移動規制部69が設けられている。この後移動規制部69は、筐体30に固定されている。
さらに移動レバー62は、駆動モジュール31(図3)におけるカム当接体46の真後ろに位置している。このため伝達状態遷移部57は、伝達状態遷移スプリング59により
移動レバー62の後側面62R(以下これを伝達状態遷移変換部とも呼ぶ)をカム当接体46に適宜当接させることができる。そのうえ伝達状態遷移部57は、カム当接体46の前後方向に関する位置に応じて、すなわちカム回転体40の回転角度に応じて、伝達状態遷移フレーム58を前後方向へ動かすことができる。
例えば図3に示したように、駆動モジュール31におけるカム回転体40の回転角度が0度である場合、カム最外点40Tがカムシャフト43の前側に位置している。このため伝達状態遷移部57は、伝達状態遷移スプリング59により後方へ付勢されている伝達状態遷移フレーム58のうち、移動レバー62の移動抑止部66をカム最外点40Tに当接させる。以下では、移動抑止部66を当接部とも呼ぶ。
ここで伝達状態遷移部57は、図4(A)に示したように、移動レバー62の移動抑止部66がカム最外点40Tに当接しているときに、各持上部63を各プレッシャシャフト54の後側に位置させる。このため各搬送ローラ対56では、プレッシャスプリング55の作用により、プレッシャローラ53の下端近傍を駆動ローラ52の上端近傍に押し付けることができる。これにより搬送ローラ対56は、小切手CKを挟持でき、該小切手CKに駆動力を伝達し得る状態となる。説明の都合上、以下では、図4(A)に示した伝達状態遷移部57及び搬送ローラ対56の状態を伝達状態とも呼ぶ。
一方、駆動モジュール31では、カム回転体40の回転角度が0度から離れている場合、カム最外点40Tがカムシャフト43の前側以外に位置する。例えば伝達状態遷移部57は、図4(A)と対応する図4(B)に示すように、カム回転体40の回転角度が約90度でありカム最外点40Tがカムシャフト43の下側に位置している場合、伝達状態遷移スプリング59により伝達状態遷移フレーム58を伝達状態(図4(A))の場合よりも後方へ移動させる。
このとき伝達状態遷移フレーム58は、その一部である持上部63も後方へ移動させ、後側の傾斜面をプレッシャシャフト54の下側へ徐々に入り込ませ、これによりプレッシャスプリング55を徐々に圧縮させながら、該プレッシャシャフト54を上方向へ徐々に持ち上げていく。
やがて伝達状態遷移フレーム58は、持上部63の上面をプレッシャシャフト54の下側に入り込ませ、該持上部63により該プレッシャシャフト54を伝達状態(図4(A))よりも上方へ持ち上げ、プレッシャローラ53を駆動ローラ52から引き離す。これにより搬送ローラ対56は、小切手CKを挟持せず、該小切手CKに駆動力を伝達し得ない状態となる。以下では、図4(B)に示した伝達状態遷移部57及び搬送ローラ対56の状態を非伝達状態とも呼ぶ。
このように伝達状態遷移部57は、駆動モジュール31におけるカム回転体40の回転角度に応じて伝達状態遷移フレーム58を前後方向へ移動させることにより、プレッシャシャフト54と共にプレッシャローラ53を上下方向へ移動させ、伝達状態(図4(A))又は非伝達状態(図4(B))に遷移させるようになっている。
ところで移動レバー62(図3)の移動抑止部66は、上述したように円弧状に形成されているが、その中心点は、該移動抑止部66にカム回転体40のカム最外点40Tが当接している状態における、該カム回転体40のカム中心点40Cと一致するようになっている。このため移動レバー62は、カム回転体40のカム最外点40Tが移動抑止部66に当接する範囲で回転した場合、伝達状態遷移フレーム58全体における前後方向の位置を維持することができ、搬送ローラ対56を伝達状態(図4(A))に維持できる。
また移動レバー62(図3)における移動抑止部66の上下にそれぞれ隣接して設けられた回転制限部65及び67は、上述したように仮想的な円弧VC1よりも後方へ突出している。このためカム回転体40は、カム最外点40Tを移動抑止部66に当接させている状態で、該カム最外点40Tを回転制限部67よりも下側へ回転させる場合、伝達状態遷移スプリング59の付勢力に反して移動レバー62を前方へ移動させ、該カム最外点40Tに回転制限部67の頂点を乗り越えさせる必要がある。
すなわちカム回転体40は、カム駆動モータ41から十分な駆動力が伝達されて回転する場合、伝達状態遷移スプリング59の付勢力に反して移動レバー62を前方へ移動させながら、カム最外点40Tにより回転制限部67の頂点を乗り越えて回転することができる。
その一方でカム回転体40は、例えばカム駆動モータ41の停止後に惰性により回転する等のように十分な駆動力が加えられていない場合、伝達状態遷移スプリング59の付勢力に反して移動レバー62を十分に前方へ移動させることができず、カム最外点40Tにより回転制限部67の頂点を乗り越えることができない。この結果、カム回転体40は、カム最外点40Tを移動抑止部66に当接させた状態を維持できる。これを換言すれば、回転制限部67は、カム回転体40においてカム最外点40Tが移動抑止部66の範囲から下方へ外れた位置まで回転することを制限できる。
これと同様に回転制限部65は、カム回転体40においてカム最外点40Tが移動抑止部66の範囲から上方へ外れた位置まで回転することを制限できる。すなわち移動レバー62は、回転制限部65及び67により、カム最外点40Tが移動抑止部66に当接している場合における、十分な駆動力が供給されていないカム回転体40の回転範囲を、該カム最外点40Tが移動抑止部66に当接する範囲内に制限できる。このとき伝達状態遷移部57は、搬送ローラ対56を伝達状態(図4(A))に維持することができる。
[2−3.スタッカモジュールの構成]
スタッカモジュール33(図2)は、搬送モジュール32の下側に設けられている。このスタッカモジュール33は、主にスタッカ71及びステージ72と、2組のステージシャフト73、シャフトガイド74及びシャフトスプリング75とにより構成されている。
収納部としてのスタッカ71は、下搬送ガイド51Lの下側に隣接配置されると共に、フレーム2(図1)に固定されている。このスタッカ71は、中空の直方体状に構成されており、その内部に小切手CKを収納するための収納空間71Sが形成されている。収納空間71Sにおける前後方向の長さは、小切手処理装置1が取り扱う小切手CKの長辺のうちが最長のものよりも長くなっている。また収納空間71Sにおける左右方向の長さは、小切手処理装置1が取り扱う小切手CKの短辺のうち最長のものよりも長くなっている。因みに、上述した搬送モジュール32に設けられた4組の搬送ローラ対56は、何れも収納空間71Sの真上に位置している。
スタッカ71の天井部分、すなわち下搬送ガイド51Lと接続されている天板71Aには、該下搬送ガイド51Lの下貫通孔51LHの真下となる箇所に、該下貫通孔51LHと同等の位置及び大きさのスタッカ貫通孔71AHが穿設されている。すなわちスタッカ71の収納空間71Sは、スタッカ貫通孔71AH及び下搬送ガイド51Lの下貫通孔51LHを介して、搬送ガイド51の搬送空間51Sと連通されている。
ステージ72は、上下方向に薄い板状に形成されており、スタッカ71の収納空間71S内に設けられている。ステージ72における前後方向及び左右方向の長さは、収納空間71Sにおける前後方向及び左右方向の長さよりも僅かずつ短くなっている。ステージ72の上面である集積面72Sは、平坦な平面状に形成されている。このステージ72は、集積面72S上に複数の小切手CKを順次重ねて載置し、集積するようになっている。
ステージシャフト73は、スタッカ71の前側及び後側にそれぞれ設けられている。各ステージシャフト73は、中心軸を鉛直方向に沿わせた細長い円柱状に形成されている。ステージシャフト73の下端は、フレーム2(図1)に固定されている。ステージシャフト73の上端は、図示しない支持部材を介して、スタッカ71に固定されている。
各シャフトガイド74は、何れも中心軸を上下方向に沿わせた円筒状に構成されており、各ステージシャフト73にそれぞれ挿通されている。シャフトガイド74の内径は、ステージシャフト73の外径よりも十分に大きくなっている。このためシャフトガイド74は、ステージシャフト73に対し、上下方向へ自在に移動し得る他、その中心軸を鉛直方向に対し傾斜させるようにして、その姿勢を変化させることもできる。
さらに各シャフトガイド74は、所定の取付部材を介してステージ72の前端近傍及び後端近傍にそれぞれ固定されている。因みにスタッカ71の前側面及び後側面には、この取付部材を通過させるための、上下方向に細長い通過孔(図示せず)が形成されている。このため各シャフトガイド74は、ステージ72と一体に上下方向へ移動することができる。またステージ72は、各シャフトガイド74がステージシャフト73により規制される範囲内で、集積面72Sを水平方向に対して傾斜させることができる。
各シャフトスプリング75は、コイルばねとして構成されており、各ステージシャフト73に挿通されると共に、自然長からやや圧縮された状態で、フレーム2の底部分とシャフトガイド74の下面との間に挟まれている。
かかる構成により、スタッカモジュール33では、シャフトスプリング75により、ステージ72に対して上方向へ向かう付勢力が作用し、該ステージ72をスタッカ71の天板71Aに押し付けることができる。またスタッカモジュール33は、仮にステージ72の集積面72S上に複数の小切手CKが集積されていた場合、この集積された小切手CKの最上面をスタッカ71の天板71Aに、すなわち天井面に押し付けることになる。
さらにスタッカモジュール33では、仮にステージ72に対し下方向へ向かう十分に大きい力が作用した場合、シャフトガイド74をステージシャフト73に沿って下方向へ変位させると共にシャフトスプリング75を圧縮させながら、収納空間71S内でステージ72を下降させることができる。その後スタッカモジュール33では、この力が解放されると、シャフトスプリング75の復元作用により、シャフトガイド74及びステージ72を上方へ付勢し、該ステージ72の集積面72S又は集積された小切手CKの最上面をスタッカ71の天板71Aに押し付けることになる。
[2−4.プッシャモジュールの構成]
プッシャモジュール34(図2)は、主に搬送空間51Sよりも上側に設けられている。このプッシャモジュール34は、図5(A)に一部の部品を模式的に示すように、主にプッシャ81、2組のリンクブラケット82及び83、2組の平行リンク85及び86、プッシャ検知センサ87、遮蔽板88、カムリンク板89、並びに複数のシャフト等により構成されている。
プッシャ81は、例えば所定厚さの板金を切削及び屈曲させることにより、上側が開放された中空の直方体状に構成されている。プッシャ81の底面81Bは、平坦に形成されている。プッシャ81における前後方向及び左右方向の長さは、上貫通孔51UHにおける前後方向及び左右方向の長さよりも、それぞれ僅かずつ短くなっている。
またプッシャ81の左側板81L及び右側板81Rには、後寄り及び前寄りに、後孔81HR及び前孔81HFがそれぞれ穿設されている。後孔81HRは、左右方向に貫通する丸孔となっている。一方、前孔81HFは、前後方向に長く左右方向に貫通する長孔となっている。
リンクブラケット82は、比較的小さく左右方向に薄い板状に構成されており、プッシャ81の左側板81L及び右側板81Rにおける後端近傍のほぼ真上となる箇所において、スタッカ部20の筐体30(図2)に固定されている。このリンクブラケット82には、プッシャ81における後孔81HRのほぼ真上となる箇所に、該後孔81HRと同様の丸孔でなるリンクブラケット孔82Hが穿設されている。
一方、リンクブラケット83は、リンクブラケット82と同様に左右方向に薄い板状に構成されており、プッシャ81の左側板81L及び右側板81Rにおける前端近傍のほぼ真上となる箇所において、スタッカ部20の筐体30(図2)に固定されている。このリンクブラケット83には、プッシャ81における前孔81HFのほぼ真上となる箇所に、該前孔81HFと同様の長孔でなるリンクブラケット孔83Hが穿設されている。
平行リンク85は、後下側と前上側とを結ぶ斜め方向に沿って細長い棒状に形成されており、その後下端近傍に後下リンク孔85HRが穿設されると共に、その前上端近傍に前上リンク孔85HFが穿設され、さらに中央付近に中央リンク孔85HCが穿設されている。
後下リンク孔85HRには、後下リンクシャフト91が挿通されている。この後下リンクシャフト91は、プッシャ81の後孔81HRにも挿通されており、該プッシャ81に対する位置が固定されている。また前上リンク孔85HFには、前上リンクシャフト92が挿通されている。この前上リンクシャフト92は、リンクブラケット83のリンクブラケット孔83Hにも挿通されており、該リンクブラケット孔83Hの内部で前後方向へ移動することができる。
平行リンク86は、後上側と前下側とを結ぶ斜め方向に沿って細長い棒状に形成されており、その後上端近傍に後上リンク孔86HRが穿設されると共に、その前下端近傍に前下リンク孔86HFが穿設され、さらに中央付近に中央リンク孔86HCが穿設されている。
ここで平行リンク85における後下リンク孔85HRから中央リンク孔85HCまでの距離、及び該中央リンク孔85HCから前上リンク孔85HFまでの距離、並びに平行リンク86における後上リンク孔86HRから中央リンク孔86HCまでの距離、及び該中央リンク孔86HCから前下リンク孔86HFまでの距離は、何れも同等となっている。
後上リンク孔86HRには、駆動リンクシャフト93が挿通されている。この駆動リンクシャフト93は、リンクブラケット82のリンクブラケット孔82Hにも挿通されており、該リンクブラケット82により回転可能に支持されている。また前下リンク孔86HFには、前下リンクシャフト94が挿通されている。この前下リンクシャフト94は、プッシャ81の前孔81HFにも挿通されており、該前孔81HFの内部で前後方向へ移動することができる。
さらに平行リンク85の中央リンク孔85HC及び平行リンク86の中央リンク孔86HCには、平行リンクシャフト95が挿通されている。因みに平行リンク86は、左右方向に関して平行リンク85と僅かに異なる位置に配置されており、該平行リンク85との衝突や干渉を回避するようになっている。すなわち平行リンク85及び86は、いわゆるマジックハンドのようなリンク機構を形成している。
かかる構成によりプッシャモジュール34では、平行リンク85又は86の少なくとも一方に対して傾斜角度を変化させる力が加えられると、該平行リンク85及び86の傾斜角度をそれぞれ変化させながら、プッシャ81を上下方向へ移動させることができる。
例えばプッシャモジュール34では、図5(A)に示した状態において平行リンク86に対し駆動リンクシャフト93を中心として時計回りに回転する力が加えられると、前下リンクシャフト94を前孔81HFの内部で後方へ移動させると共に前上リンクシャフト92をリンクブラケット孔83Hの内部で後方へ移動させる。
これによりプッシャモジュール34は、図5(B)に示すように、平行リンク85及び86の姿勢を前後対称に変化させる一方で、プッシャ81の姿勢を変化させること無く、底面81Bをほぼ水平に維持したまま、ほぼ真下へ移動させることができる。このときプッシャ81は、上搬送ガイド51Uの上貫通孔51UH内から搬送空間51Sを経て下搬送ガイド51Lの下貫通孔51LH内に入り、さらにその下側に位置するスタッカ71の収納空間71S内に到達して、底面81Bをスタッカ71の天板71Aよりも十分に下側に位置させた状態となる。
またプッシャモジュール34では、図5(B)の状態において平行リンク86に対し駆動リンクシャフト93を中心として反時計回りに回転する力が加えられると、前下リンクシャフト94を前孔81HFの内部で前方へ移動させると共に前上リンクシャフト92をリンクブラケット孔83Hの内部で前方へ移動させる。
これによりプッシャモジュール34は、平行リンク85及び86の姿勢を前後対称に変化させる一方で、プッシャ81の姿勢を変化させること無く、底面81Bをほぼ水平に維持したまま、ほぼ真上へ移動させることができる。このときプッシャ81は、スタッカ71の収納空間71S内から下搬送ガイド51Lの下貫通孔51LH内及び搬送空間51Sを経て上搬送ガイド51Uの上貫通孔51UH内に入り、図5(A)に示した状態に戻る。
このようにプッシャモジュール34では、平行リンク85及び86における傾斜角度をそれぞれ変化させることにより、プッシャ81の底面81Bをほぼ水平に維持したまま、該プッシャ81を上方向又は下方向へ移動させることができる。説明の都合上、以下では、図5(A)に示したように、プッシャ81の底面81Bが上搬送ガイド51Uの上搬送ガイド面51UFよりも上側にある場合、このときの該プッシャ81の位置を退避位置と呼び、またこの状態を退避状態と呼ぶ。
因みにスタッカ部20では、各部の大きさの制約等により、退避状態においてプッシャ81の底面81Bと上搬送ガイド面51UFとの距離が極めて短くなっている。このためスタッカ部20では、プッシャ81が退避位置から僅かでも下降すると、その一部を搬送空間51S内に入り込ませ、該搬送空間51Sにおける小切手CKの搬送を阻害する可能性が生じる。
プッシャ検知センサ87は、所定の検知光を発光する発光素子と、この検知光を受光してその光量に応じた受光信号を生成する受光素子を有している。プッシャ検知センサ87は、検知光の光路を左右方向に沿わせた状態で、筐体30に取り付けられている。またプッシャ検知センサ87は、受光素子により生成した受光信号を制御部3(図1)へ供給するようになっている。
遮蔽板88は、左右方向に薄い板状に形成されており、プッシャ81から上方へ向けて立設されている。この遮蔽板88は、プッシャ81が退避状態であるときに(図5(A))、その上端近傍によってプッシャ検知センサ87の光路を遮るよう、その大きさや形状等が定められている。このため遮蔽板88は、プッシャ81が退避位置から下降して底面81Bが上搬送ガイド面51UFよりも下側に位置している場合(図5(B))、プッシャ検知センサ87の光路を遮ることはできない。
すなわちプッシャ検知センサ87の検知光は、プッシャ81が退避状態であるときに遮光され、該プッシャ81が退避状態でないときには遮光されない。そこでプッシャ検知センサ87から受光信号を取得する制御部3は、受光信号の信号レベルを基に、プッシャ81が退避状態であるか否かを検出することができる。
カムリンク板89は、全体として左右方向に薄い長方形の板状に形成されており、その長手方向を水平方向に対してやや傾け、後側を前側よりも下方に位置させている。このカムリンク板89には、前端近傍にシャフト取付孔101が形成されると共に、中央付近から後端近傍に渡ってカム形状孔102が穿設されている。
カムリンク板89は、シャフト取付孔101に駆動リンクシャフト93が挿通された上で、該駆動リンクシャフト93に固定されている。このためカムリンク板89は、駆動リンクシャフト93を回動中心として、該駆動リンクシャフト93及び平行リンク86と一体に回動することができる。
カム形状孔102(図3)は、全体として前後方向に沿って細長い長孔状に、すなわち溝孔として形成されている。カム形状孔102における前側の約1/3の範囲には、カムリンク板89の長手方向に沿った直線状の前移動部103が形成されている。カム形状孔102における中央の約1/3の範囲には、上側に中心点を有する円弧状に湾曲された移動抑止部104が形成されている。カム形状孔102における後側の約1/3の範囲には、前移動部103と同様にカムリンク板89の長手方向に沿った直線状の後移動部105が形成されている。
このカム形状孔102には、駆動モジュール31におけるカム回転体40のリンクシャフト47が挿通されている。因みにカム形状孔102の溝幅、すなわちカムリンク板89における短手方向に沿った長さは、リンクシャフト47の直径よりも僅かに大きくなっている。
駆動モジュール31は、カムシャフト43を中心としてカム回転体40を回転させることにより、該カムシャフト43の周りをリンクシャフト47が周回する。このときリンクシャフト47は、カム形状孔102の内部を前後方向へ移動しながら、カムリンク板89に対して上方向又は下方向へ向かう力を作用させる。これによりカムリンク板89は、駆動リンクシャフト93を中心として、平行リンク86と一体に回動する。
すなわちプッシャモジュール34は、駆動モジュール31においてカム回転体40が回転され、リンクシャフト47からカムリンク板89に対して上下方向へ向かう力が加えられることにより、カムリンク板89を回動させてプッシャ81を上下方向へ移動させることができる。
説明の都合上、以下では、プッシャモジュール34のうちプッシャ81以外の各部品、すなわち2組のリンクブラケット82及び83、2組の平行リンク85及び86、カムリンク板89、並びに駆動リンクシャフト93等をまとめて、プッシャ移動部80とも呼ぶ。
ところで、カムリンク板89のカム形状孔102に形成された移動抑止部104は、上述したように円弧状に形成されているが、その中心点は、プッシャ81が退避状態である場合に、カム回転体40のカム中心点40Cと一致するようになっている。このためプッシャモジュール34は、カム回転体40がリンクシャフト47を移動抑止部104内に位置させる範囲で回転した場合、該リンクシャフト47からカムリンク板89に対して上下方向へ力が作用せず、プッシャ駆動部80の各部分を静止させたまま、プッシャ81を退避状態に維持できる。
さらにカムリンク板89では、カム回転体40(図3)の回転角度に関して、カム最外点40Tを移動レバー62の移動抑止部66に当接させる角度の範囲よりも、リンクシャフト47を移動抑止部104内に位置させる角度の範囲の方が、十分に広くなっている。これによりカムリンク板89は、少なくともカム回転体40がカム最外点40Tを移動レバー62の移動抑止部66に当接させている間は、リンクシャフト47を移動抑止部104内に位置させることができる。
[3.スタッカ部における小切手の収納動作]
次に、スタッカ部20における小切手CKの収納動作について説明する。スタッカ部20は、予め搬送モジュール32の伝達状態遷移部57が伝達状態(図4(A))となっており、搬送ローラ対56により小切手CKを挟持して搬送し得る状態となっている。またスタッカ部20は、予めプッシャモジュール34のプッシャ81を退避状態(図5(A))とし、その底面81Bを上搬送ガイド面51UFよりも僅かに上側に位置させている。
小切手処理装置1(図1)は、入金取引において入金読取処理を完了し、引き続いて収納処理を行う場合、駆動ローラ52等を回転させ、搬送モジュール32により小切手CKを搬送路W20に沿って搬送させる。
スタッカ部20は、搬送モジュール32に設けられた搬送センサ(図示せず)による小切手CKの検出結果を基に、該小切手CKが所定の停止位置に到達する時点を算出し、この時点に合わせて駆動ローラ52の回転を停止させることにより、搬送空間51Sにおいて停止位置に小切手CKを停止させる。
次にスタッカ部20は、制御部3の制御により、駆動モジュール31におけるカム駆動モータ41(図3)の回転動作を開始させる。これによりカム回転体40(すなわちカムシャフト43、カムギア44、カム板45、カム当接体46及びリンクシャフト47)は、カムシャフト43を中心として、カム回転方向R1へ回転を開始する。
以下、スタッカ部20の駆動モジュール31、搬送モジュール32及びプッシャモジュール34における、カム回転体40の回転角度に応じた動作について、模式的な図面を用いながら説明する。
まず、収納動作を開始する前、すなわちカム回転体40の回転角度が0度である場合のスタッカ部20を図6に示す。このとき駆動モジュール31では、カム最外点40Tが移動レバー62における移動抑止部66に当接しており、またリンクシャフト47が最も下側に位置し、且つカム形状孔102における移動抑止部104内に位置している。
このため搬送モジュール32は、伝達状態となっており、駆動ローラ52から搬送空間51S内の小切手CKに駆動力を伝達することができる。またプッシャモジュール34は、プッシャ81を退避位置に位置させた退避状態としており、底面81Bを上搬送ガイド51Uの上搬送ガイド面51UFよりも上側に位置させている。
次に、カム回転体40がカム回転方向R1へ回転して回転角度が15度となった場合のスタッカ部20を図7に示す。このとき駆動モジュール31では、カム最外点40Tが移動レバー62における移動抑止部66から回転制限部67を乗り越えて下移動部68に当接する一方、リンクシャフト47が引き続きカム形状孔102の移動抑止部104内に位置している。
これにより搬送モジュール32では、伝達状態遷移スプリング59の作用により伝達状態遷移フレーム58が後方への移動を開始するものの、各持上部63が未だに各プレッシャシャフト54の後側に位置しているため、搬送ローラ対56が引き続き伝達状態(図4(A))となっている。その一方でプッシャモジュール34は、引き続きプッシャ81を退避位置に位置させた退避状態としている。
さらに、カム回転体40がカム回転方向R1へ回転して回転角度が30度となった場合のスタッカ部20を図8に示す。このとき搬送モジュール32では、伝達状態遷移スプリング59の作用により伝達状態遷移フレーム58がさらに後方へ移動し、各持上部63が各プレッシャシャフト54の下側に入り込んで各プレッシャローラ53を上方へ持ち上げ、各駆動ローラ52から引き離す。これにより搬送ローラ対56は、非伝達状態に遷移する。
さらに搬送モジュール32では、移動レバー62が移動規制部69に当接することにより、伝達状態遷移フレーム58の後方への移動が終了する。このため駆動モジュール31のカム回転体40は、カム最外点40Tを移動レバー62の下移動部68から引き離した状態となる。
一方、プッシャモジュール34では、リンクシャフト47がカム形状孔102の移動抑止部104内から後移動部105内へ移動することにより、該リンクシャフト47からカムリンク板89に対して上方向へ向かう力を作用させる。これによりプッシャモジュール34では、プッシャ移動部80においてカムリンク板89と一体の平行リンク86が駆動リンクシャフト93を中心として図の時計回りに回転を開始し、プッシャ81を退避位置から下方向へ移動させ始める。
その後、スタッカ部20では、駆動モジュール31においてカム回転体40がさらにカム回転方向R1へ回転することにより、リンクシャフト47が上昇する。因みにリンクシャフト47は、カム形状孔102内で後移動部105内を後方へ移動した後、カム回転体40の回転角度が90度となったところで該後移動部105内を前方へ移動しはじめ、やがて再び移動抑止部104内へ移動する。
これによりプッシャモジュール34では、プッシャ移動部80のカムリンク板89及び平行リンク86が駆動リンクシャフト93を中心として時計回りに回転し、プッシャ81をさらに下降させていく。このときプッシャモジュール34は、搬送空間51S内で停止していた小切手CKを撓ませながら、プッシャ81により下搬送ガイド51Lの下貫通孔51LH内へ押し込み、さらにスタッカ71の収納空間71S内に到達させ、該収納空間71S内に小切手CKを収納させる。
やがて、カム回転体40がカム回転方向R1へ引き続き回転し、回転角度が180度となった場合のスタッカ部20を図9に示す。このとき駆動モジュール31では、リンクシャフト47がカムシャフト43のほぼ真上に位置しており、該リンクシャフト47の移動範囲のうち最も上側に位置した状態となる。このリンクシャフト47は、カムリンク板89のカム形状孔102における後移動部105内から再び移動抑止部104内へ移動している。
その後、スタッカ部20では、駆動モジュール31においてカム回転体40がさらに回転することにより、リンクシャフト47が下降する。因みにリンクシャフト47は、カム形状孔102内で移動抑止部104内を後方へ移動した後、前移動部103内を前方へ移動し、カム回転体40の回転角度が270度となったところで該前移動部103内を後方へ移動しはじめる。
これによりプッシャモジュール34では、プッシャ移動部80のカムリンク板89及び平行リンク86が駆動リンクシャフト93を中心として反時計回りに回転し、プッシャ81を上方向へ移動させる。このときプッシャ81は、スタッカ71の収納空間71S内から下搬送ガイド51Lの下貫通孔51LH内を通過し、上搬送ガイド51Uの上貫通孔51UH内に到達する。
さらにカム回転体40がカム回転方向R1へ回転し、回転角度が300度となった場合のスタッカ部20を図10に示す。このとき駆動モジュール31では、リンクシャフト47がカムリンク板89のカム形状孔102内で前移動部103内から再び移動抑止部104内に到達する。この段階でプッシャモジュール34では、プッシャ移動部80のプッシャ81がその底面81Bを上搬送ガイド51Uの上搬送ガイド面51UFよりも上側に持ち上げた退避位置に移動し、退避状態となっている。また駆動モジュール31では、カム回転体40のカム最外点40T又はその近傍部分が移動レバー62の上移動部64に当接し、該移動レバー62に対して前方向へ向かう力を作用させ始める。
次に、カム回転体40がカム回転方向R1へ回転して回転角度が320度となった場合のスタッカ部20を図11に示す。このとき駆動モジュール31及び搬送モジュール32では、カム最外点40T又はその近傍部分が、移動レバー62における上移動部64に当接して下方へ摺動しながら、該移動レバー62を伝達状態遷移フレーム58全体と共に前方へ移動させる。
これにより搬送モジュール32では、持上部63がプレッシャシャフト54の下側から前方へ抜け出るため、プレッシャスプリング55により該プレッシャシャフト54及びプレッシャローラ53が下方へ付勢され、該プレッシャローラ53が駆動ローラ52と当接して、搬送ローラ対56を伝達状態に遷移させる。一方、リンクシャフト47は、引き続きカム形状孔102の移動抑止部104内に位置している。このためプッシャモジュール34では、引き続きプッシャ81を退避位置に位置させた退避状態を維持する。
さらに、カム回転体40がカム回転方向R1へ回転して回転角度が340度となった場合のスタッカ部20を図12に示す。このとき駆動モジュール31及び搬送モジュール32では、カム最外点40T又はその近傍部分が、移動レバー62における上移動部64から回転制限部65を乗り越えて移動抑止部66に当接する。このとき搬送モジュール32では、伝達状態遷移フレーム58が前後方向へ移動するものの、既に持上部63がプレッシャシャフト54の前側に位置しているため、搬送ローラ対56を伝達状態のまま維持する。またリンクシャフト47は、引き続きカム形状孔102の移動抑止部104内に位置している。このためプッシャモジュール34では、引き続きプッシャ81を退避位置に位置させた退避状態を維持する。
その後、スタッカ部20では、カム回転体40がさらにカム回転方向R1へ回転することにより、回転角度が360度、すなわち0度の状態に戻る(図6)。この間、駆動モジュール31では、カム最外点40Tが移動レバー62の移動抑止部66に当接し続け、またリンクシャフト47がカム形状孔102の移動抑止部104内を移動する。このため搬送モジュール32では、伝達状態遷移部57及び搬送ローラ対56が伝達状態を維持する。またプッシャモジュール34では、プッシャ81を退避位置に位置させた退避状態を維持する。
このようにスタッカ部20は、カム回転体40をカム回転方向R1へ1回転させることにより、搬送ローラ対56を伝達状態から非伝達状態へ遷移させて再び伝達状態に戻す動作と、プッシャ81を退避位置から下降させて小切手CKを収納空間71S内へ押し込んでから上昇させて再び退避位置へ戻す動作とを、連動させることができる。
ここで、スタッカ部20における、カム回転体40の回転角度と、プッシャ81の移動距離との関係をグラフ化すると、図13の特性曲線Q1のように表すことができる。ただし図13の縦軸は、プッシャ81の退避位置を「0」として、下方への移動距離を表している。
また、スタッカ部20における、カム回転体40の回転角度と、伝達状態遷移フレーム58の前方への移動距離との関係をグラフ化すると、図14の特性曲線Q2のように表すことができる。さらに、スタッカ部20における、カム回転体40の回転角度と、プレッシャローラ53の上方向への移動距離との関係をグラフ化すると、図14の特性曲線Q3のように表すことができる。
ただし図14の縦軸は、特性曲線Q2に関して、伝達状態遷移フレーム58が非伝達状態であり、後方へ移動して移動規制部69に当接した位置において、移動距離を「0」と定義している。また図14の縦軸は、特性曲線Q3に関して、プレッシャローラ53が伝達状態であり、駆動ローラ52と当接している位置において、移動距離を「0」と定義している。
[4.動作及び効果]
以上の構成において、小切手処理装置1のスタッカ部20では、駆動モジュール31においてカム回転体40を回転可能に構成すると共に、カム最外点40Tを伝達状態遷移フレーム58の移動レバー62に当接させ、またリンクシャフト47をカムリンク板89のカム形状孔102に挿通させた(図3)。その上でスタッカ部20では、移動レバー62にカム中心点40Cを中心とする円弧状の移動抑止部66を設けると共に、カム形状孔102にカム中心点40Cを中心とする円弧状の移動抑止部104を設けた。
このためスタッカ部20は、カム回転体40がカム最外点40Tを移動レバー62の移動抑止部66に当接させる範囲で回転したとしても、該移動レバー62を一部とする伝達状態遷移フレーム58を前後方向へ移動させず、搬送ローラ対56を伝達状態に維持できる(図4(A))。
またスタッカ部20は、カム回転体40がリンクシャフト47をカムリンク板89のカム形状孔102における移動抑止部104内に位置する範囲で回転したとしても、該カムリンク板89に対して上方向へ向かう力を作用させず、プッシャ81を退避状態に維持できる(図5(A))。
さらにスタッカ部20では、カム回転体40の回転角度に関して、カム最外点40Tが移動レバー62の移動抑止部66に当接する間、リンクシャフト47をカムリンク板89における移動抑止部104内に位置させるよう、それぞれの配置や形状等が調整されている。すなわちスタッカ部20では、図12及び図6等に示したように、カム回転体40の回転角度が約340度から約360度(すなわち0度)である場合、搬送ローラ対56を伝達状態に維持できると共に、プッシャ81を退避状態に維持できる。
ところでスタッカ部20では、仮にカム駆動モータ41(図3)をステッピングモータとした場合、制御部3からのパルス波形でなる制御信号等に基づき、カム回転体40の回転角度を高精度に制御し得ると予想される。しかしながらこの場合、スタッカ部20では、仮に小切手CKの剛性が想定よりも高い等の理由によりプッシャ81を下降させる際の負荷が高まると、ステッピングモータがいわゆる脱調を発生し、正常な動作を継続し得なくなる恐れがある。
そこで本実施の形態によるスタッカ部20では、カム駆動モータ41(図3)をDCモータとした。これによりスタッカ部20では、仮にプッシャ81を下降させる際の負荷が高まったとしても、所定の印加電圧を供給し続けることにより、場合によっては回転速度の低下等を伴いながらも、回転動作を継続でき、最終的にプッシャ81を退避位置まで移動させることができる。
その反面、スタッカ部20では、カム回転体40の回転角度を高精度に制御することが困難となる。例えば小切手処理装置1では、例えば制御部3において、カム駆動モータ41の動作中にプッシャ検知センサ87から得られる検知信号の信号レベルがハイレベルからローレベルに変化した場合、スタッカ部20において一度下降したプッシャ81が再び退避位置まで上昇してきたと判断される。このとき制御部3は、この検知信号における信号レベルの変化に合わせてカム駆動モータ41の動作を停止させることにより、カム回転体40の回転角度を0度に合わせて停止させようとする。しかしながらカム回転体40は、各部の製造誤差等により、0度からやや外れた回転角度で停止する恐れや、停止後に僅かに回転する恐れがある。
この点においてスタッカ部20では、上述したように、カム最外点40Tが移動レバー62の移動抑止部66に当接している限り、搬送ローラ対56を伝達状態に維持でき、またリンクシャフト47がカムリンク板89の移動抑止部104内に位置している限り、プッシャ81を退避状態に維持できる。
さらにスタッカ部20では、移動レバー62における移動抑止部66の下側及び上側に、該移動抑止部66よりも後方へ突出した回転制限部65及び67をそれぞれ設けた(図3)。このためスタッカ部20では、例えばカム駆動モータ41の停止後もカム回転体40が惰性等により回転を継続しようとし、その回転角度が0度を超えようとした場合であっても、回転制限部65によりカム回転体40の回転を制限し、カム最外点40Tを移動抑止部66に当接させ続けることができる。
またスタッカ部20では、例えば製造誤差等により移動レバー62の上側が本来よりも前側に位置するように傾いていた場合、カム回転体40が0度の回転角度で静止していたとしても、傾いている移動抑止部66に沿ってカム最外点40Tが上方へ摺動し、カム回転体40を反時計回りに回転させる可能性がある。このときカム回転体40は、カム最外点40Tを、該移動抑止部66の範囲外である上移動部64に到達させる恐れがある。これに伴い搬送モジュール32では、伝達状態遷移フレーム58が後方へ移動し、搬送ローラ対56を非伝達状態に遷移させてしまう恐れがある。
これに対しスタッカ部20では、上述したように移動抑止部66の上側に回転制限部65を設けたため、カム回転体40の回転範囲を、カム最外点40Tを移動抑止部66に当接させる範囲内に制限することができる。すなわちスタッカ部20では、搬送ローラ対56を伝達状態に維持することができる。
そのうえスタッカ部20では、回転制限部65及び67をカムリンク板89のカム形状孔102内に設けるのでは無く、移動レバー62の後側面に設けた。このためスタッカ部20では、カム回転体40を回転させてカム最外点40Tが移動抑止部66に当接した状態から回転制限部67を乗り越える場合に、移動レバー62を一時的に前方へ移動させてから後方へ移動させる必要があるところ、伝達状態遷移スプリング59の付勢力を利用することができ、他の付勢手段を別途設ける必要が無い。またこのときスタッカ部20では、移動レバー62と共に伝達状態遷移フレーム58全体が前後方向へ移動するものの、持上部63がプレッシャシャフト54の前方に位置し続けるため、搬送ローラ対56を伝達状態に維持し続けることができる。
またスタッカ部20では、カム回転体40をカム回転方向R1(図3)へ回転させ、その回転角度が0度から約30度となる範囲において、まず搬送ローラ対56を伝達状態から非伝達状態に遷移させ、この後にプッシャ81の下降を開始させるように連動させた(図13及び図14)。これによりスタッカ部20では、搬送ローラ対56により該小切手CKを挟持する力を予め解放してから、プッシャ81によって小切手CKを下方へ円滑に押し込むことができる。
さらにスタッカ部20では、カム回転体40をさらにカム回転方向R1(図3)へ回転させて回転角度を約300度とした場合、まずプッシャ81を退避位置へ戻してから、搬送ローラ対56を非伝達状態から伝達状態へ戻すように連動させた(図13及び図14)。これによりスタッカ部20では、上述したようにカム回転体40が0度から僅かに逆回転したとしても、回転制限部65によりその回転範囲が制限され、カム最外点40Tが移動抑止部66に当接している限り、搬送ローラ対56を伝達状態に維持でき、且つプッシャ81を退避位置に維持することができる。
以上の構成によれば、小切手処理装置1のスタッカ部20は、カム回転体40のカム最外点40Tを移動レバー62に当接させ、また該カム回転体40のリンクシャフト47をカムリンク板89のカム形状孔102に挿通させた。その上でスタッカ部20では、移動レバー62にカム中心点40Cを中心とする円弧状の移動抑止部66を設けると共に、カム形状孔102にカム中心点40Cを中心とする円弧状の移動抑止部104を設けた。これによりスタッカ部20では、カム回転体40がカム最外点40Tを移動抑止部66に当接させる範囲で回転したとしても、搬送ローラ対56を伝達状態に維持できる。またスタッカ部20は、カム回転体40がリンクシャフト47を移動抑止部104内に位置させる範囲で回転したとしても、プッシャ81を退避状態に維持できる。
[5.他の実施の形態]
なお上述した実施の形態においては、駆動モジュール31のカム回転体40から駆動力を搬送モジュール32及びプッシャモジュール34の双方へ伝達して駆動する場合について述べた(図3)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば搬送モジュール32のモータ及びカムと、プッシャモジュール34のモータ及びカムとを個別に設けても良い。この場合、それぞれに移動抑止部66及び移動抑止部104に相当する箇所を設ければ良い。さらにこの場合、搬送モジュール32又はプッシャモジュール34の何れか一方から、移動抑止部66及び移動抑止部104に相当する箇所を省略しても良い。
また上述した実施の形態においては、移動レバー62の後側面における移動抑止部66の上端及び下端に回転制限部65及び67をそれぞれ設ける場合について述べた(図3)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば回転制限部67を省略する等、何れか一方のみを設けても良く、或いは双方を省略しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、回転制限部65及び67の形状を、左右方向から見て2本の直線を互いの端点において接続させたような形状とする場合について述べた(図3)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば図15(A)に示す移動レバー162のように、左右方向から見て半円状の回転制限部165及び167を設けても良く、或いは図15(B)に示す移動レバー262のように、左右方向から見て前方へ凹んだ溝状の回転制限部265及び267を設けても良い。要は、カム回転体40のカム最外点40Tが移動抑止部66に当接している状態で、該カム最外点40Tが比較的小さい力により上方又は下方へ摺動した場合に、伝達状態遷移スプリング59の作用を適宜利用して、該カム最外点40Tが移動抑止部66の範囲内に止めることができれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、カム回転体40のリンクシャフト47からカムリンク板89に対して上方向又は下方向へ向かう力を基に、プッシャ81を下降又は上昇させる場合について述べた(図5)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば搬送モジュール32(図4)における伝達状態遷移スプリング59と同様のプッシャスプリングを設け、これによりプッシャ81に対して上方向又は下方向へ付勢しても良い。この場合、カムリンク板89に形成するカム形状孔102の内側面については、上方向又は下方向の何れか一方を省略し、移動レバー62の後側面のような構成とすることもできる。さらにこの場合、移動レバー62では無くカム形状孔102の内側面に、回転制限部65及び67に相当する形状(これをプッシャ側回転範囲制限部とも呼ぶ)を形成しても良い。
さらに上述した実施の形態においては、プッシャモジュール34のプッシャ81が退避状態であるときに、該プッシャ81の底面81Bが上搬送ガイド51Uの上搬送ガイド面51UFよりも上側に位置させる場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば退避状態においてプッシャ81の底面81Bを上搬送ガイド面51UFと同じ高さに位置させ、該底面81B及び上搬送ガイド面51UFにより一様な平面を形成しても良い。この場合、底面81Bの少なくとも後端部分に、いわゆる面取り加工や丸め加工を施すことにより、搬送される小切手CKが引っ掛かり難いようにすると尚良い。
さらに上述した実施の形態においては、搬送モジュール32の伝達状態遷移フレーム58を伝達状態遷移スプリング59によって後方へ付勢してカム回転体40に当接させる場合について述べた(図4)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば伝達状態遷移スプリング59を省略した上で、カム回転体40にカム当接体46の代わりにリンクシャフト47と同様のリンクシャフトを設け、また移動レバー62にカム形状孔102と同様のカム形状孔を形成して、該リンクシャフトを挿通させても良い。
さらに上述した実施の形態においては、搬送モジュール32において伝達状態遷移部57によって上側のプレッシャローラ53を上方へ移動させることにより非伝達状態とする場合について述べた(図4(B))。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば下側の駆動ローラ52を下方へ移動させることにより非伝達状態としても良く、或いはプレッシャローラ53及び駆動ローラ52の双方を互いに引き離す方向へ移動させても良い。
さらに上述した実施の形態においては、駆動ローラ52を搬送空間51Sの下側に配置し、プレッシャローラ53を該搬送空間51Sの上側に配置する場合について述べた(図4)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば駆動ローラ52を搬送空間51Sの上側に配置すると共にプレッシャローラ53を該搬送空間51Sの下側に配置しても良い。この場合、伝達状態遷移部57における伝達状態遷移フレーム58の水平フレーム61も搬送空間51Sの下側に配置すれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、4組の搬送ローラ対56、すなわち駆動ローラ52及びプレッシャローラ53の組合せにより小切手CKを上下から挟持する場合について述べた(図4)。しかしながら本発明はこれに限らず、3組以下又は5組以上の搬送ローラ対56を設けても良く、また種々の搬送機構を設けても良い。例えば、駆動ローラ52に代えて、搬送ベルトと同様の構成を設けても良い。要は、搬送空間51S内の小切手CKに対し進行方向、すなわち前方向へ向かう力を作用させることができれば良い。
さらに上述した実施の形態においては、アライナ部13(図1)において小切手CKが右側の基準面に寄せられた状態で搬送されることを考慮して、プッシャ81や下貫通孔51LH等の右側にのみ搬送ローラ対56を設ける場合について述べた(図2)。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばプッシャ81や下貫通孔51LH等の左側にも搬送ローラ対56を設けても良い。この場合、小切手CKに対し、重心を挟んだ両側から駆動力を伝えることができるので、より安定的に搬送することができる。
さらに上述した実施の形態においては、駆動モジュール31(図3)のカム駆動モータ41をDCモータとする場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、カム駆動モータ41を例えばステッピングモータ等の他のモータとしても良い。
さらに上述した実施の形態においては、小切手を取り扱う小切手処理装置1に本発明を適用する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば紙幣や証券、或いは商品券等、種々の紙葉状の媒体を取り扱う種々の装置に本発明を適用しても良い。
さらに本発明は、上述した実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
さらに上述した実施の形態においては、搬送ガイドとしての上搬送ガイド51U及び下搬送ガイド51Lと、搬送力伝達部としての搬送ローラ対56と、収納部としてのスタッカ71と、プッシャとしてのプッシャ81と、プッシャ移動部としてのプッシャ移動部80と、カムとしてのカム回転体40と、プッシャ移動変換部としてのカム形状孔102と、プッシャ移動抑止部としての移動抑止部104とによって媒体収納装置としてのスタッカ部20を構成する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる搬送ガイドと、搬送力伝達部と、収納部と、プッシャと、プッシャ移動部と、カムと、プッシャ移動変換部と、プッシャ移動抑止部とによって媒体収納装置を構成しても良い。
本発明は、例えば大きさの異なる複数種類の小切手をスタッカ内に集積して収納する小切手処理装置で利用できる。
1……小切手処理装置、3……制御部、19……後中搬送部、20……スタッカ部、21……下搬送部、30……筐体、31……駆動モジュール、32……搬送モジュール、33……スタッカモジュール、34……プッシャモジュール、40……カム回転体、40C……カム中心点、40T……カム最外点、41……カム駆動モータ、43……カムシャフト、45……カム板、45P……突出部、46……カム当接体、47……リンクシャフト、51……搬送ガイド、51L……下搬送ガイド、51LF……下搬送ガイド面、51S……搬送空間、51U……上搬送ガイド、51UF……上搬送ガイド面、52……駆動ローラ、53……プレッシャローラ、54……プレッシャシャフト、55……プレッシャスプリング、56……搬送ローラ対、57……伝達状態遷移部、58……伝達状態遷移フレーム、59……伝達状態遷移スプリング、61……水平フレーム、62……移動レバー、62R……後側面、63……持上部、64……上移動部、65、67……回転制限部、66……移動抑止部、68……下移動部、69……移動規制部、71……スタッカ、71S……収納空間、72……ステージ、80……プッシャ移動部、81……プッシャ、81B……底面、87……プッシャ検知センサ、88……遮蔽板、89……カムリンク板、93……駆動リンクシャフト、101……シャフト取付孔、102……カム形状孔、103……前移動部、104……移動抑止部、105……後移動部、CK……小切手、CKB……束小切手、W20……搬送路。

Claims (12)

  1. 媒体における両紙面とそれぞれ対向する第1ガイド面及び第2ガイド面が搬送路に沿ってそれぞれ形成され、該搬送路に沿って該媒体を搬送方向へ進行させるよう案内する搬送ガイドと、
    前記搬送ガイドにより案内されている前記媒体の紙面に当接し、該媒体に対し搬送方向へ向かう力を伝達する搬送力伝達部と、
    前記搬送ガイドにおいて前記搬送力伝達部が配置された箇所の前記第1ガイド面側に設けられ、前記媒体を収納する収納空間が内部に形成された収納部と、
    前記搬送ガイドに形成された貫通孔を介して、該搬送ガイドにより案内される前記媒体の紙面と交差する交差方向に沿って移動するプッシャと、
    前記プッシャを、前記搬送路に対して前記第2ガイド面と同じ又はそれよりも遠方に退避させた退避位置と、前記収納部の内部との間で移動させるプッシャ移動部と、
    所定のカム駆動力源から伝達される力により回転するカムと、
    前記プッシャ移動部に設けられ、前記カムによる回転方向の力を受け、前記プッシャを交差方向へ移動させる力に変換するプッシャ移動変換部と、
    前記プッシャ移動変換部に設けられ、前記プッシャが前記退避位置に位置している退避状態において、前記プッシャの移動を抑止するプッシャ移動抑止部と
    を具えることを特徴とする媒体収納装置。
  2. 前記プッシャ移動抑止部により前記プッシャの移動を抑止した状態を維持させるように、前記カムの回転範囲を制限するプッシャ側回転範囲制限部
    をさらに具えることを特徴とする請求項1に記載の媒体収納装置。
  3. 前記カムは、所定のカム回転方向に回転し、
    前記プッシャ側回転範囲制限部は、前記カムにおける少なくとも前記カム回転方向への回転を制限する
    ことを特徴とする請求項2に記載の媒体収納装置。
  4. 前記プッシャ側回転範囲制限部は、前記カムにおける前記カム回転方向及びその反対の回転方向への回転をそれぞれ制限する
    ことを特徴とする請求項3に記載の媒体収納装置。
  5. 前記媒体を前記搬送ガイドに沿って進行させる場合に、前記搬送力伝達部から前記媒体に対し力を伝達させる伝達状態に遷移させ、前記プッシャ移動部により前記プッシャを前記収納部の内部へ移動させる場合に、前記搬送力伝達部から前記媒体に対し力を伝達させない非伝達状態に遷移させる伝達状態遷移部と、
    前記伝達状態遷移部に設けられ、前記カムによる回転方向の力を受けて、前記プッシャが前記退避状態であるときに前記搬送力伝達部を前記伝達状態に遷移させ、前記プッシャを前記収納部の内部へ移動させるときに前記搬送力伝達部を前記非伝達状態に遷移させる伝達状態遷移変換部と
    をさらに具えることを特徴とする請求項1に記載の媒体収納装置。
  6. 前記伝達状態遷移変換部に設けられ、前記プッシャが前記退避状態であるときに、前記搬送力伝達部における前記伝達状態から前記非伝達状態への遷移を抑止する伝達状態遷移抑止部
    をさらに具えることを特徴とする請求項5に記載の媒体収納装置。
  7. 前記搬送力伝達部の前記伝達状態への遷移を前記伝達状態遷移抑止部により抑止した状態を維持させるように、前記カムの回転範囲を制限する搬送力伝達側回転範囲制限部
    をさらに具えることを特徴とする請求項6に記載の媒体収納装置。
  8. 前記伝達状態遷移部又はその一部を所定の付勢方向へ付勢することにより、前記搬送力伝達部を前記伝達状態又は前記非伝達状態に遷移させる付勢部
    をさらに具え、
    前記伝達状態遷移変換部は、前記搬送力伝達部を前記伝達状態としたときにおける前記カムの回転中心を中心とする円弧状でなり、前記付勢部の付勢により前記カムと当接する当接部を有し、
    前記搬送力伝達側回転範囲制限部は、前記当接部から付勢方向へ突出している
    ことを特徴とする請求項7に記載の媒体収納装置。
  9. 前記搬送力伝達部は、所定の搬送駆動力源から供給される駆動力により回転する駆動ローラと、該駆動ローラに押し付けられ自在に回転する従動ローラとを有し、該駆動ローラ及び該従動ローラの間に前記媒体を挟持して該媒体に搬送方向へ向かう力を伝達し、
    前記伝達状態遷移部は、前記伝達状態において前記従動ローラを前記駆動ローラに向けて押し付けさせ、前記非伝達状態において前記従動ローラ及び前記駆動ローラを引き離させる
    ことを特徴とする請求項5に記載の媒体収納装置。
  10. 前記カムは、所定のカム回転方向に回転し、
    前記プッシャ移動部は、前記カムの前記カム回転方向への回転に伴い、前記伝達状態遷移部により前記搬送力伝達部を前記伝達状態から前記非伝達状態に遷移させた後に、前記プッシャにおける前記退避位置から前記収納部の内部への移動を開始させる
    ことを特徴とする請求項5に記載の媒体収納装置。
  11. 前記プッシャ移動変換部は、前記プッシャの移動に伴って移動又は回転する部材に形成された溝孔であり、前記カムに取り付けられたカム連動軸が挿通され、
    前記プッシャ移動抑止部は、前記プッシャが前記退避状態である場合における前記カムの回転中心を中心とした円弧状の溝孔である
    ことを特徴とする請求項1に記載の媒体収納装置。
  12. 媒体を搬送方向へ進行させる搬送部と、
    前記媒体を集積して収納する媒体収納部と
    を具え、
    前記媒体収納部は、
    前記の両紙面とそれぞれ対向する第1ガイド面及び第2ガイド面が搬送路に沿ってそれぞれ形成され、前記搬送部から引き渡された前記媒体を該搬送路に沿って搬送方向へ進行させるよう案内する搬送ガイドと、
    前記搬送ガイドにより案内されている前記媒体の紙面に当接し、該媒体に対し搬送方向へ向かう力を伝達する搬送力伝達部と、
    前記搬送ガイドにおいて前記搬送力伝達部が配置された箇所の前記第1ガイド面側に設けられ、前記媒体を収納する収納空間が内部に形成された収納部と、
    前記搬送ガイドに形成された貫通孔を介して、該搬送ガイドにより案内される前記媒体の紙面と交差する交差方向に沿って移動するプッシャと、
    前記プッシャを、前記搬送路に対して前記第2ガイド面と同じ又はそれよりも遠方に退避させた退避位置と、前記収納部の内部との間で移動させるプッシャ移動部と、
    所定のカム駆動力源から伝達される力により回転するカムと、
    前記プッシャ移動部に設けられ、前記カムによる回転方向の力を受け、前記プッシャを交差方向へ移動させる力に変換するプッシャ移動変換部と、
    前記プッシャ移動変換部に設けられ、前記プッシャが前記退避位置に位置している退避状態において、前記プッシャの移動を抑止するプッシャ移動抑止部と
    を具えることを特徴とする媒体処理装置。
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