JP2018169372A - 算出システム、算出方法、巻取り方法、及び巻取りロール体 - Google Patents

算出システム、算出方法、巻取り方法、及び巻取りロール体 Download PDF

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Abstract

【課題】シートを曲げた際にシワが発生する度合を算出することができる算出システムを提供する。【解決手段】本発明の一実施形態の算出システムは、前記内側層のヤング率、及び前記三層それぞれの厚みに基づいて、前記ウェブの前記内側層に発生するシワ波長を算出する第1算出手段と、前記ウェブの中立軸位置、前記ウェブの厚み、前記内側層の厚み、前記内側層のヤング率、及び前記ウェブの曲率に基づいて、前記内側層に作用する曲げ圧縮応力を算出する第2算出手段と、前記シワ波長、前記内側層のヤング率、及び前記内側層の厚みに基づいて、シワ発生応力を算出する第3算出手段と、前記曲げ圧縮応力と前記シワ発生応力とに基づいて、前記シワ発生度を算出する第4算出手段と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、算出システム、算出方法、巻取り方法、及び巻取りロール体に関する。
従来、静電容量式タッチパネルでは、通常、導電性パターン層の視認側に、ハードコートフィルムを介してトッププレートとしてのガラス板やアクリル板を積層する。このとき、ハードコートフィルムと導電性パターン層等との接着は、リワーク性や貼り合わせの容易性等の観点から、積層面の外周部にのみ粘着剤層を設け、ハードコートフィルムと導電性パターン層との間には、エアギャップが形成される場合が多い。かかるエアギャップがハードコートフィルムや導電性パターン層等との間に屈折率差を発生させることにより、光の散乱による輝度・コントラストの低下を招き、画面の視認性が低下しやすくなるという問題が見られた。そこで、ハードコートフィルムと導電性パターン層との積層面の全面に光学透明粘着剤からなる厚膜の層を設ける技術がある。特許文献1には、厚膜の粘着剤層を形成する場合であっても、成分分布の均一性に優れた粘着剤層を安定的に得ることができる。これにより粘着剤層における応力の局所的な集中を効果的に抑制することが可能となり、ひいては耐ブリスター性に優れた粘着剤層を安定的に得ることができる無溶剤型粘着剤組成物、それを硬化してなる粘着剤および粘着剤の製造方法が開示されている。
特開2015−193842号公報
ところで、このような粘着剤層(以下、「粘着層」という)からなる厚膜の層は、剥離層に挟まれた長尺状のシート(以下、「シート」とする。)の形状で製品化される場合が多い。粘着層を剥離層で挟むことにより、粘着層の品質を保つことができる。また、一般にシート製品は、筒状の巻き芯などにシートの長手方向に沿って巻き取られ、略円柱形状の巻取りロール体の形で保管される。これにより、シートの保管に必要な場所をコンパクトに抑えることができる。また、巻取りロール体の形でシートが搬送される。これにより搬送に必要な場所がコンパクトに抑えられる他に、搬送先では巻かれたシートを必要な分だけ引き出して加工したり使用したりすればよく、取り扱いが容易となる。このように、シートが巻取りロール体の形で保管したり、搬送したりすることにより効率よくシートを取り扱うことができる。しかしながら、上述したようなシートにおいては、膜厚が増したことにより、巻取りロール体の作成においてシートを巻き芯に巻き取る際にシートにシワが生じ易くなり、一度シワが発生するとシートの製品としての品質が著しく損なわれてしまう場合がある。
本発明のいくつかの態様は、シートを曲げた際にシワが発生する度合を算出することができる算出システム、及び算出方法を提供することと、この算出システム、算出方法を用いて算出させるシワが発生する度合を考慮して、シートにシワが発生しないようにシートを巻取る巻取り方法、シートにシワが発生しないように生成した巻取りロール体を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために本発明の一実施形態の算出システムは、内側層、中間層、外側層の順に積層された三層により形成される長尺状のウェブにおいて、前記ウェブを円柱状ローラの胴面に抱かせた際に、曲げの内側となる前記内側層にシワが発生する度合をシワ発生度として算出する算出システムである。算出システムは、前記内側層のヤング率、及び前記三層それぞれの厚みに基づいて、前記ウェブを前記円柱状ローラの胴面に抱かせた際に前記内側層に発生するシワの波長であるシワ波長を算出する第1算出手段と、前記ウェブの中立軸位置、前記ウェブの厚み、前記内側層の厚み、前記内側層のヤング率、及び前記ウェブを前記円柱状ローラの胴面に抱かせた際の曲率に基づいて、前記内側層に作用する曲げ圧縮応力を算出する第2算出手段と、前記シワ波長、前記内側層のヤング率、及び前記三層それぞれの厚みに基づいて、前記ウェブを前記円柱状ローラの胴面に抱かせた際に前記内側層にシワを発生させる圧縮応力であるシワ発生応力を算出する第3算出手段と、前記曲げ圧縮応力と前記シワ発生応力とに基づいて、前記シワ発生度を算出する第4算出手段と、を備える。
また、上述した算出システムにおいては、前記第1算出手段は、後述の(1)式から(4)式を用いて、(4)式に示す前記シワ波長λを算出する手段であり、前記第2算出手段は、後述の(5)式から(7)式を用いて、(7)式に示す前記曲げ圧縮応力σを算出する手段であり、前記第3算出手段は、後述の(8)式に示す前記シワ発生応力σcrを算出する手段であり、前記第4算出手段は、後述の(9)式に示す前記シワ発生度Aを算出する手段である。
また、本発明の一実施形態の算出方法は、内側層、中間層、外側層の順に積層された三層により形成される長尺状のウェブにおいて、前記ウェブを円柱状ローラの胴面に抱かせた際に曲げの内側となる前記内側層にシワが発生する度合をシワ発生度として算出する算出方法である。算出方法は、前記内側層のヤング率、及び前記三層それぞれの厚みに基づいて、前記ウェブを前記円柱状ローラの胴面に抱かせた際に前記内側層に発生するシワの波長であるシワ波長を算出する第1算出工程と、前記ウェブの中立軸位置、前記ウェブの厚み、前記内側層の厚み、前記内側層のヤング率、及び前記ウェブを前記円柱状ローラの胴面に抱かせた際の曲率に基づいて、前記内側層に作用する曲げ圧縮応力を算出する第2算出工程と、前記シワ波長、前記内側層のヤング率、及び前記三層それぞれの厚みに基づいて、前記ウェブを前記円柱状ローラの胴面に抱かせた際に前記内側層にシワが発生するシワ発生応力を算出する第3算出工程と、前記曲げ圧縮応力と前記シワ発生応力とに基づいて、シワ発生度を算出する第4算出工程と、を備える。
また、本発明の一実施形態の巻取り方法は、上記の算出システムが算出したシワ発生度が所定の判定基準を満たすように、巻き芯の半径、前記ウェブを形成する三層それぞれの厚み、および前記ウェブを形成する三層それぞれのヤング率の各々を設計する設計工程と、前記設計工程により調整された半径の巻き芯に前記ウェブを巻き取り、巻取りロール体を生成する巻取り工程と、を備える。
また、本発明の一実施形態の巻取りロール体は、上記の算出システムが算出したシワ発生度が所定の判定基準を満たすように、巻き芯の半径、前記ウェブを形成する三層それぞれの厚み、および前記ウェブを形成する三層それぞれのヤング率の各々を設計する設計工程と、前記設計工程により調整された半径の巻き芯に前記ウェブを巻き取り、巻取りロール体を生成する巻取り工程を備える巻取り方法により生成された、巻取りロール体である。
この発明の一態様によれば、シートを曲げた際にシワが発生する度合を算出することができる。
実施形態の算出システム10の構成図である。 剛性パラメータとシワ波長λの関係を説明するための図である。 中立軸位置を説明するための図である。 シート2が曲げられた場合におけるシート2の状態を説明するための図である。 シワ波長λを説明するための図である。 実施形態の算出システム10が行う処理の流れを示すフローチャートである。 実施形態の算出システム10が行った算出結果と目視でシワの発生の有無を確認した結果を対応させた第1表を示す図である。 実施形態の算出システム10が行った算出結果と目視でシワの発生の有無を確認した結果を対応させた第2表を示す図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一又は類似の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省く場合がある。また、図面における要素の形状及び大きさ等はより明確な説明のために誇張されることがある。
明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」、「有する」や「備える」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。
以下、実施形態の算出システム10、および巻取りロール体3を、図面を参照して説明する。
(シート2について)
まず、シート2について説明する。シート2は、外側層、中間層、および内側層の三層により構成される長尺状のシートである。
本実施形態において、中間層の厚みは200〜3000[μm]が好ましく、特に250〜1000[μm]が好ましい。外側層と内側層の材質は、熱可塑性樹脂が好ましいが鉄、銅、アルミニウム等の金属箔や紙製であってもよい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリスチレン(PS)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)などである。外側層と内側層の材質は、互いに同じ材質のものであってもよいし、互いに異なる材質のものであってもよい。外側層と内側層には、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、長鎖アルキル系樹脂等の剥離処理が施されていてもよいし、ほどこされていなくともよい。また、外側層と内側層の厚みは特に限定されない。外側層と内側層のそれぞれの厚みは、互いに同じ厚みであってよいし、外側層と内側層とで互いに異なる厚みであってもよい。
中間層としては、外側層と内側層と同じ材質のものやさらにゴムや粘着剤などであってもよい。ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を例示することができる。粘着剤としては、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系、エポキシ系、ウレタン系、ゴム系などを例示できる。
図4は、シート2が曲げられた場合におけるシート2の状態を説明するための図である。図4(a)、(b)は、ともにシート2が曲げられた状態をシート面に垂直な断面からみた図である。図4(a)に示すように、シート2は、剥離層20、粘着層22、剥離層24の順に積層された3層により形成される。つまり、シート2は、粘着層22を剥離層20、24で挟んで形成される。
図4(a)、(b)に示すように、シート2は、例えば円筒形の巻き芯1の胴面(側面)に沿って湾曲するようにして巻き芯1に巻き取られることにより、曲げられる。このようにして、シート2が曲げられると、図4(b)に示すように、シート2を曲げた際にシート2の曲げの内側となる剥離層24にシワが生じる場合がある。
本明細書中において「シート2を曲げる」「シート2を曲げた」とは、長尺状のウェブを円柱状ローラ(巻き芯1ともいう)の胴面に抱かせる際に、当該胴面の曲面に沿って湾曲させることを指す。
このように、外側層、中間層、内側層の順に積層された3層により形成される長尺状のシート2が巻き芯1に抱かれるように巻き芯1の胴面に沿って湾曲し、巻き芯1に巻き取られる場合に、巻きの内側となった内側層にシワが発生し易くなる。本実施形態の算出システム10は、このシワが生じる度合を示すシワ発生度を算出する。ここで、シート2は「ウェブ」の一例である。剥離層20、24のいずれか一方は「外側層」の一例であり、他方は「内側層」の一例である。粘着層22は「中間層」の一例である。以下の説明においては、シート2を巻き芯1に巻き取る場合に、剥離層24が内側にくる内側層として説明する。
(算出システム10について)
ここで、算出システム10について説明する。
図1は、実施形態の算出システム10の構成図である。図1に示すように、算出システム10は、シワ波長算出手段11(「第1算出手段」の一例)と、曲げ圧縮応力算出手段12(「第2算出手段」の一例)と、シワ発生応力算出手段14(「第3算出手段」の一例)と、シワ発生度算出手段16(「第4算出手段」の一例)を備える。
算出システム10には、シート2を形成する三層(剥離層20、24、および粘着層22)それぞれの厚み、それぞれのヤング率、巻き芯1の半径、臨界値kなどのパラメータが入力される。これらのパラメータは、例えば図示しない外部入力装置をユーザなどが操作することよって、当該外部入力装置から算出システム10に入力される。外部入力装置は、例えば、マウスやキーボード等である。
シワ波長算出手段11は、剥離層24のヤング率、剥離層20、24、および粘着層22の三層それぞれの厚みに基づいて、剥離層24に生じるシワの波長λを算出する。シワ波長算出手段11は、算出したシワ波長λを、曲げ圧縮応力算出手段12へ出力することができる。
シワ波長算出手段11は、まず、剥離層24の曲げ剛性EIを算出する。剥離層24の曲げ剛性EIは以下の(1)式により示される。ここで、Einは剥離層24のヤング率、tinは剥離層24の厚みを示す。
Figure 2018169372
上記(1)式に示すように曲げ剛性EIは、剥離層24のヤング率Einに剥離層24の厚みtinの三乗を乗算した値である。なお、ヤング率は、素材ごとに決まる値であり、曲がりやすい素材(例えば、ゴム素材)のヤング率は、曲がりにくい素材(例えば、ガラス素材)と比較して低い値となる。また、当該曲げ剛性EIにおいては、シート2の幅は、シワ発生には影響しないため、考慮していない。
また、シワ波長算出手段11は、次に、厚み比νを算出する。厚み比νは以下の(2)式により示される。ここで、tmidは粘着層22、toutは剥離層20のそれぞれの厚みを示す。
Figure 2018169372
(2)式に示すように厚み比νは、粘着層22の厚みtmidを、剥離層20の厚みtoutで除算した値である。
さらにシワ波長算出手段11は、剛性パラメータGを算出する。剛性パラメータGは以下の(3)式により示される。ここで、曲げ剛性EIは上記(1)式で、厚み比νは上記(2)式で、それぞれ示される値である。
Figure 2018169372
(3)式に示すように剛性パラメータGは、厚み比νと曲げ剛性EIとを乗算した値である。
そして、シワ波長算出手段11は、剥離層24に生じるシワの波長(シワ波長)λを算出する。剥離層24に生じるシワの波長λは、以下の(4)式により示される。ここで、剛性パラメータGは上記(3)式で示される値である。
Figure 2018169372
(4)式に示すように、シワ波長λは、剛性パラメータGの関数である。
このように、シワ波長算出手段11は、剥離層24のヤング率、剥離層20、24、および粘着層22の三層それぞれの厚みに基づいて、剥離層24に生じるシワの波長λを算出する。
本実施形態においては、シート2を曲げたときに内側に生じるシワの波長λが、内側の剥離層24のヤング率Ein、シート2を形成する三層それぞれの厚み(tout、tmid、tin)に関係する。従って、シワ波長算出手段11は、内側の剥離層24のヤング率Ein、シート2を形成する三層それぞれの厚み(tout、tmid、tin)を用いて、シワ波長λを算出する。
上記(1)式に示すように、曲げ剛性EIは、剥離層24のヤング率Ein、および剥離層24の厚みtinの三乗に比例する。また、(2)式に示すように厚み比νは、粘着層22の厚みtmidに比例し、剥離層20の厚みtoutに反比例する。また、(3)式に示すように剛性パラメータGは、厚み比νと曲げ剛性EIとのそれぞれに比例する。また、(4)式に示すとおり、シワ波長λは、剛性パラメータGの関数である。
つまり、(1)〜(3)式に示すように、剛性パラメータGは、粘着層22の厚みtmid、剥離層24のヤング率Ein、および剥離層24の厚みtinの三乗にそれぞれ比例する。また、剛性パラメータGは、剥離層20の厚みtoutに反比例する。剛性パラメータGは、粘着層22、剥離層24のそれぞれの厚みが大きいほど、また剥離層24のヤング率Einが高い(変形しにくい)ほど、大きな値となる。また、剛性パラメータGは、剥離層20の厚みtoutが小さいほど、大きな値となる。
一方、y=x(aは正の定数)で示される関数は、xが正の実数である場合、xが増加するにつれてyが増加する単調増加関数である。つまり、(4)式においては、剛性パラメータGが大きくなる(例えば、粘着層22の厚みが大きくなる)ほど、シワ波長λは大きくなる。また、剥離層24のヤング率Einが大きくなるほど、シワ波長λは大きくなる。また、剥離層24の厚みtinが厚くなるほど、シワ波長λは大きくなる。また、剥離層20の厚みが薄いほど、シワ波長λは大きくなる。
ここで、剛性パラメータGとシワ波長λの関係を、図2、図5を用いて説明する。図2は、剛性パラメータGとシワ波長λの関係を説明するための図である。図5は、シワ波長λを説明するための図である。図2は、横軸に剛性パラメータG、縦軸にシワ波長λを示す。図2に示す点は、シート2の素材や厚みを変えた場合における各シート2それぞれに生じるシワ波長λを、そのシート2の剛性パラメータGごとにプロットしたものである。また、図2に示す曲線Lは、当該プロットした点群から求めた近似曲線である。
本実施形態においては、実際にシワ波長λを測定したデータを収集し、収集したデータが示す剛性パラメータGとシワ波長λの関係を近似する曲線Lを算出する。これにより、シワ波長算出手段11は、剛性パラメータGとシワ波長λの関係を、曲線Lにより求める。
図5に示すように、シワ波長は、曲げの内側となる剥離層24に生じたシワの断面の形状を曲線とみなし、この曲線を正弦波形とした場合の、正弦波の波長を示す。シワ波長λは、例えば、マイクロスコープ等でシート2の断面を観察することにより測定される。
図2の点群が示すように、剛性パラメータGに対するシワ波長λには、剛性パラメータGが大きくなるにつれてシワ波長λが大きくなる一定の傾向がある。この一定の傾向を、近似曲線で示すことにより、シワ波長算出手段11は、任意の剛性パラメータGに対するシワ波長λを算出することができる。本実施形態において近似曲線は、(4)式に示すような、y=xの形で示されるべき乗の関数で近似しているが、これに限定されない。近似曲線は、線形関数で近似したものであってもよいし、指数関数で近似したものであってもよいし、他の関数で近似したものであってもよい。また、シワ波長算出手段11は、例えばシワ波長λを実際に測定したデータが追加された場合などには、近似曲線を算出し直してもよい。また、シワ波長算出手段11は、近似曲線を用いずに、シワ波長λを算出する算出対象のシート2に生じたシワ波長λを実際に計測した値を用いて、算出したシワ波長λとしてもよい。
図1に戻り、曲げ圧縮応力算出手段12は、シート2の中立軸位置mと、剥離層20、24、および粘着層22の三層それぞれの厚みと、剥離層24のヤング率Einと、巻き芯1の半径rと、に基づいて、曲げ圧縮応力σを算出する。曲げ圧縮応力σは、シート2が曲げられることにより生じる剥離層24を圧縮させる力である。ここで、剥離層24を圧縮しようとする力が剥離層24に作用した場合に、剥離層24が圧縮(変化)に対する抵抗する力を曲げ圧縮応力とする場合があるが、剥離層24を圧縮しようとする力と曲げ圧縮応力とが釣り合っていることから、本実施形態においては、剥離層24を圧縮しようとする力を、曲げ圧縮応力という。
曲げ圧縮応力算出手段12は、シート2の中立軸位置mを算出する。
まず、中立軸位置mについて、図3を用いて説明する。図3は、中立軸位置mを説明するための図である。シート2を巻き芯1に沿って曲げた場合、シート2の外側の層(剥離層20)には引っ張られる方向に力が作用する一方で、シート2の内側の層(剥離層24)には圧縮される方向に力が作用する。すなわち、シート2を曲げた場合に、シート面の外側(剥離層20)と内側(剥離層24)とで、反対方向の力が作用している。また、剥離層20から剥離層24までの間の、シート面に垂直な線上において、引っ張られる方向の力と圧縮される方向の力とがともに作用しない力の均衡位置がある。このような力の均衡位置を中立軸位置mという。
中立軸位置mは、以下の(5)式で示される。ここで、hは剥離層20の厚み、hは剥離層20と粘着層22との厚みの和、hは剥離層20と粘着層22と剥離層24との各々の厚みの和、をそれぞれ示す。
Figure 2018169372
また、曲げ圧縮応力算出手段12は、距離y´を算出する。距離y´は、図3に示すように、中立軸位置mから剥離層24の中間位置までの距離である。距離y´以下の(6)式で示される。
Figure 2018169372
上記(6)式においては、剥離層24の中間位置として、剥離層24の上面からtin/2の位置を用いたが、これに限定されない。剥離層24の中間位置とは、剥離層24に圧縮する方向の力が作用する位置を代表する位置であればよい。このため、例えば、粘着層22の厚みに対して剥離層24が薄い場合には、(6)式のtin/2に、剥離層24の粘着層22との境界を示す位置(剥離層24の上面の位置)を用いてもよいし、剥離層24の底面の位置を用いてもよい。
また、曲げ圧縮応力算出手段12は、曲げ圧縮応力σを算出する。曲げ圧縮応力σは、以下の(7)式で示される。ここで、Einは剥離層24のヤング率、y´は中立軸位置mから剥離層24の中間位置までの距離、rは巻き芯1の半径をそれぞれ示す。
Figure 2018169372
(7)式に示すように、曲げ圧縮応力σは、剥離層24のヤング率Ein、および距離y´に比例し、巻き芯1の半径rに反比例する。
ここで、上記(6)式に示す距離y´と曲げ圧縮応力σとの関係について、図4を用いて説明する。図4(a)、(b)は、ともにシート2が曲げられた状態をシート面に垂直な断面からみた図である。図4(a)は、図4(b)と比較して粘着層22の厚みが小さい(薄い)場合の例を、図4(b)は、図4(a)と比較して粘着層22の厚みが大きい(厚い)場合の例をそれぞれ示す。
図4(a)に示すように、シート2が曲げられた場合、曲げの内側となる剥離層24には、剥離層24を圧縮しようとする力、曲げ圧縮応力σ−1、σ−2が作用する。以下の説明において、曲げ圧縮応力σ−1、σ−2を特に区別しない場合には、単に「曲げ圧縮応力σ」という。
剥離層24の曲げ圧縮応力σの大きさは、弾性範囲(引張りや圧縮により変形しても元に戻る範囲)において、剥離層24が圧縮された量(歪量ε)に比例する。具体的には、曲げ圧縮応力σは、材質ごとに決まる定数E(ヤング率)と歪量εの積(E×ε)で表すことができる。これは、剥離層24における圧縮された量が多いほど、剥離層24に作用する曲げ圧縮応力σが大きいことを示す。
図4(b)に示すように、粘着層22が厚い場合、シート2が曲げられると、剥離層24を圧縮しようとする曲げ圧縮応力σ−3、σ−4が作用する。以下の説明において、σ−1、σ−2、σ−3、σ−4を特に区別しない場合には、単に「曲げ圧縮応力σ」という。
図4(b)における剥離層24にかかる曲げ圧縮応力σ−3、σ−4は、図4(a)における剥離層24にかかる曲げ圧縮応力σ−1、σ−2と比較して大きい。これは、剥離層24が圧縮されて長さが変化した量(歪量ε)が、粘着層22が薄い場合と比較して大きくなるためである。例えば、長さL、厚みTのシート2の上面が曲率半径rで曲げられた場合、シート2の底面は曲率半径(r−T)で曲げられる。この場合のシート2の底面に生じる歪量εは、L×T/rで示すことができる。つまり、歪量εは厚みTに比例することが判る。従って、曲げ圧縮応力σがヤング率Eと歪量εの積(E×ε)に比例する関係があることから、曲げ圧縮応力σは、厚みTに比例する。従って、粘着層22が厚いほど、剥離層24に作用する曲げ圧縮応力σが大きくなる。また、歪量εは曲率半径rに反比例し、剥離層24の曲率半径rが小さくなるほど、または、距離y´が大きくなるほど、剥離層24に作用する曲げ圧縮応力σが大きくなる。
そして、曲げ圧縮応力σの算出について説明する。曲げ圧縮応力算出手段12は、(7)式を用いて曲げ圧縮応力σを算出する。上述した通り、曲げ圧縮応力σは、厚みに比例し、距離y´に比例する。また、巻き芯1の半径rは、剥離層24の底面の曲率半径ということができる。この場合、中立軸位置mにおける曲率半径はr+tin/2+y´である。上述した通り、曲げ圧縮応力σは、曲げられたシート2の上面(ここでは中立軸位置mを通りシート面に平行な面)の曲率半径に反比例する。従って、曲げ圧縮応力σは、曲率半径r+tin/2+y´に反比例する。そして、剥離層24の厚みtinの半分(tin/2)が、巻き芯1の半径rと比較して無視できるほど小さい場合、r+tin/2は、rと同等とみなして近似することができる。また、距離y´が、巻き芯1の半径rと比較して無視できるほど小さい場合、r+y´は、rと同等とみなして近似することができる。上記(5)式においては、曲げ圧縮応力σは、巻き芯1の曲率半径rに反比例するとしたが、これに限定されない。上記(5)式のrに、r+tin/2+y´を用いてもよいし、r+tin/2を用いてもよいし、r+y´を用いてもよい。
図1に戻り、シワ発生応力算出手段14は、シワ波長算出手段11が算出したシワ波長λ、剥離層24のヤング率Ein、剥離層24の厚みtin、に基づいて、シート2を曲げた場合に剥離層24にシワが発生するシワ発生応力σcrを算出する。シワ発生応力σcrは、シート2が曲げられることにより、剥離層24を圧縮させる力(曲げ圧縮応力σ)が作用した場合に、剥離層24にシワが発生する力である。すなわち、曲げ圧縮応力σが、シワ発生応力σcrを超えた場合、シート2にシワが発生する。従って、シート2を巻き芯1に巻き取る場合、曲げ圧縮応力σが、シワ発生応力σcrを超えないようにすれば、シート2にシワが発生しない。シワ発生応力算出手段14は、算出したシワ発生応力σcrをシワ発生度算出手段16に出力することができる。
上述したように、シート2が曲げられた場合に、曲げ圧縮応力σが、シワ発生応力σcrを超えなければ、剥離層24にシワが発生しない。シワ発生応力σcrは、以下の(8)式で示される。ここで、EIは(4)式に示す剥離層24の曲げ剛性、λは(1)式に示すシワ波長、tinは剥離層24の厚み、kは臨界値をそれぞれ示す。
Figure 2018169372
上記(8)式に示すように、シワ発生応力σcrは、剥離層24の曲げ剛性EIに比例する。つまり、曲げ剛性EIが高い(曲がりにくい)ほど、シワを発生力させるのに要する力(シワ発生応力σcr)が大きい。また、シワ発生応力σcrは、シワ波長λの二乗に反比例し、シワ波長λが小さいほどシワ発生応力σcrが二乗関数的に大きくなる。また、シワ発生応力σcrは、剥離層24の厚みtinに反比例し、剥離層24に厚みtinが大きい(厚い)ほど、シワ発生応力σcrが小さくなる。
ここで、臨界値kについて、説明する。臨界値kは、剥離層24が、粘着層22や剥離層20とともに積層されていることによるシワ発生応力σcrへの影響度合を示す比例定数である。剥離層24がシート2の一部ではなく、単体で圧縮された場合、剥離層24は、粘着層22と剥離層20とは積層されていない。この場合、臨界値kは4π≒36である。つまり、上記(8)式において、臨界値kが4πである場合は、剥離層24が単体で圧縮された場合におけるシワ発生応力σcrを示している。
本実施形態においては、剥離層24は、粘着層22に接している。このため、剥離層24が圧縮された場合、剥離層24が粘着層22と接していることにより、粘着層22からの影響を受け、剥離層24が単体である場合とは異なるシワ発生応力σcrになると考えられる。つまり、単体の剥離層24と、粘着層22や剥離層20に積層されている剥離層24とで、シワ発生応力σcrが異なる値となると考えられる。
つまり、上記(8)式は、単体の剥離層24に対し、粘着層22や剥離層20とともに積層されている剥離層24は、シワ発生応力σcrがk/(4π)倍となることを示す。
臨界値kは、シート2を形成する剥離層20、24、および粘着層22それぞれの材質や厚みに関わらず一定の値である。
図1に戻り、シワ発生度算出手段16は、曲げ圧縮応力算出手段12が算出した曲げ圧縮応力σ、およびシワ発生応力算出手段14が算出したシワ発生応力σcrに基づいて、シワ発生度Aを算出する。シワ発生度Aは、シート2が曲げられることにより、剥離層24にシワが発生する度合を示す。シワ発生度Aは、以下の(9)式により示される。ここで、λは(4)式に示すシワ波長、y´は(6)式に示す距離、rは巻き芯1の半径、tinは剥離層24の厚みをそれぞれ示す。
Figure 2018169372
上記(9)式において、シワ発生度Aは、シワ発生度Aの値が大きい程、シワ発生度Aが小さい場合と比較して、剥離層24にシワが発生しやすいことを示す。シワ発生度Aは、シワ波長λの二乗に比例する。つまり、剥離層24に生じるシワのシワ波長λが大きくなるにつれ、二乗関数的にシワ発生度Aが増大する。シワ発生度Aは、距離y´に比例するため、中立軸位置mから剥離層24の中間位置が大きい(例えば、粘着層22が厚い)ほど大きくなる。シワ発生度Aは、巻き芯1の半径rに反比例するため、巻き芯1の半径が小さくなるほど大きくなる。シワ発生度Aは、剥離層24の厚みtinの二乗に反比例するため、剥離層24の厚みが薄くなるにつれ二乗関数的に増大する。
シワ発生度算出手段16は、曲げ圧縮応力σと、シワ発生応力σcrとに基づいて、シワ発生度Aを算出する。すでに説明したように、曲げ圧縮応力σは、シート2を曲げた場合に剥離層24に作用する力である。また、シワ発生応力σcrは、剥離層24にシワを生じさせるために要する力である。これより、曲げ圧縮応力σが、シワ発生応力σcrを上回った場合、剥離層24にシワが生じると考えられる。具体的には、シワ発生度算出手段16は、以下の(10)式に示すシワ発生条件に基づいて、シワ発生度Aを算出する。ここで、σは(7)式に示す曲げ圧縮応力、σcrは(8)式に示すシワ発生応力をそれぞれ示す。
σ>σcr ・・・(10)
上記(10)式に、(7)式に示す曲げ圧縮応力σと、(8)式に示すシワ発生応力σcrとを代入し、変数(シワ波長λ、距離y´、半径r、厚みtin)と、定数(臨界値k等)について整理して解くと、以下に示す(11)式となる。
Figure 2018169372
上記(11)式の左側の項を、シワ発生度Aとする。
ここで、算出システム10が行う処理の流れを、図6を用いて説明する。図6は、算出システム10が行うシワ発生度Aを算出する処理の流れを示すフローチャートである。
まず、前提として算出システム10には、シワ発生度Aを算出する場合に用いるパラメータ(シート2を形成する三層それぞれの厚みやヤング率、巻き芯半径、臨界値)が入力される。
シワ波長算出手段11は、剥離層24のヤング率Einと剥離層24の厚みtinに基づいて、(1)式に示す剥離層24の曲げ剛性EIを算出する(ステップS1)。また、シワ波長算出手段11は、剥離層20の厚みtout、粘着層22の厚みtmidに基づいて、(2)式に示す厚み比νを算出する(ステップS2)。そして、シワ波長算出手段11は、算出した剥離層24の曲げ剛性EI、厚み比νを用いて、(3)式に示す剛性パラメータGを算出する(ステップS3)。シワ波長算出手段11は、算出した剛性パラメータGから、(4)式に示すシワ波長λを算出する(ステップS4)。
曲げ圧縮応力算出手段12は、剥離層20、24、および粘着層22それぞれのヤング率と、厚みに基づいて、(5)式に示す中立軸位置mを算出する(ステップS5)。そして、曲げ圧縮応力算出手段12は、算出した中立軸位置mと、剥離層20、24、および粘着層22それぞれの厚みに基づいて、(6)式に示す距離y´を算出する(ステップS6)。曲げ圧縮応力算出手段12は、剥離層24のヤング率Ein、算出した距離y´、および巻き芯1の半径rを用いて、(7)式に示す剥離層24の曲げ圧縮応力σを算出する(ステップS7)。
シワ発生応力算出手段14は、(1)式に示す剥離層24の曲げ剛性EI、(4)式に示すシワ波長算出手段11が算出したシワ波長λ、剥離層24の厚みtin、および臨界値kに基づいて、(8)式に示すシワ発生応力σcrを算出する(ステップS8)。
シワ発生度算出手段16は、曲げ圧縮応力算出手段12が算出した曲げ圧縮応力σr、シワ発生応力算出手段14が算出したシワ発生応力σcr、(10)式に示すシワ発生条件に基づいて、(9)式に示すシワ発生度Aを算出する(ステップS9)。そして、本フローチャートに示す処理を終了する。
上述したフローチャートにおいては、算出システム10は、シワ波長算出手段11によるシワ波長λの算出、曲げ圧縮応力算出手段12による曲げ圧縮応力σの順にそれぞれの算出処理を行っているが、いずれを先に算出してもよい。例えば、曲げ圧縮応力算出手段12による曲げ圧縮応力σを算出する処理を行った後に、シワ波長算出手段11によるシワ波長λの算出を行ってもよい。また、シワ波長λを算出する場合、シワ波長算出手段11は、厚み比ν、曲げ剛性EI、の順に算出しているが、いずれを先に算出してもよい。例えば、シワ波長算出手段11は、曲げ剛性EIを算出した後に厚み比νを算出してもよい。
以上説明したように、本実施形態の算出システム10においては、剥離層24(「内側層」の一例)、粘着層22(「中間層」の一例)、剥離層20(「外側層」の一例)の順に積層された三層により形成される長尺状のシート2(「ウェブ」の一例)を巻き芯1に巻き取る際に(「円柱状ローラの胴面に抱かせた際に」の一例)、曲げの内側となる剥離層24にシワが発生する度合をシワ発生度として算出する算出システムであって、剥離層24のヤング率、及び前記三層それぞれの厚みに基づいて、シート2を巻き芯1に巻き取る際に剥離層24に発生するシワ波長λ(「シワの波長であるシワ波長」の一例)を算出するシワ波長算出手段11(「第1算出手段」の一例)と、シート2の中立軸位置m、シート2の厚み、剥離層24の厚み、剥離層24のヤング率、及びシート2を巻き芯1に巻き取る際の曲率r(つまり、巻き芯1の半径r)に基づいて、剥離層24に作用する曲げ圧縮応力σを算出する曲げ圧縮応力算出手段12(「第2算出手段」の一例)と、シワ波長λ、剥離層24の曲げ剛性、及び剥離層24の厚みに基づいて、シート2を巻き芯1に巻き取る際に剥離層24にシワを発生させる圧縮応力であるシワ発生応力σcrを算出するシワ発生応力算出手段14(「第3算出手段」の一例)と、曲げ圧縮応力とシワ発生応力σcrとに基づいて、シワ発生度Aを算出するシワ発生度算出手段16(「第4算出手段」の一例)とを備える。
これにより、実施形態の算出システム10は、シート2を曲げた場合に剥離層24に発生するシワの波長λを算出することにより、剥離層24に波長λのシワを発生させるのに必要な力(シワ発生応力σcr)を算出することができる。また、算出システム10は、シート2を曲げた場合に剥離層24に作用する力(曲げ圧縮応力σr)を算出することにより、曲げ圧縮応力σとシワ発生応力σcrとの関係から、シート2を曲げた場合の剥離層24におけるシワが発生する度合(シワ発生度A)を算出することができる。
また、本実施形態の算出方法においては、剥離層24(「内側層」の一例)、粘着層22(「中間層」の一例)、剥離層20(「外側層」の一例)の順に積層された三層により形成される長尺状のシート2(「ウェブ」の一例)を巻き芯1に巻き取る際に(「円柱状ローラの胴面に抱かせた際に」の一例)、曲げの内側となる剥離層24にシワが発生する度合をシワ発生度として算出する算出方法である。
本実施形態の算出方法においては、ステップS1〜S4に示す工程により、剥離層24のヤング率、及び前記三層それぞれの厚みに基づいて、シート2を巻き芯1に巻き取る際に剥離層24に発生するシワ波長λ(「シワの波長であるシワ波長」の一例)を算出する第1算出工程を有する。
また、本実施形態の算出方法においては、ステップS5〜S7に示す工程により、シート2の中立軸位置m、シート2の厚み、剥離層24の厚み、剥離層24のヤング率、及びシート2を巻き芯1に巻き取る際の曲率r(つまり、巻き芯1の半径r)に基づいて、剥離層24に作用する曲げ圧縮応力σを算出する第2算出工程を有する。
また、本実施形態の算出方法においては、ステップS8に示す工程により、シワ波長λ、剥離層24の曲げ剛性、及び剥離層24の厚みに基づいて、シート2を巻き芯1に巻き取る際に剥離層24にシワを発生させる圧縮応力であるシワ発生応力σcrを算出する第3算出工程を有する。
また、本実施形態の算出方法においては、ステップS9に示す工程により、曲げ圧縮応力とシワ発生応力σcrとに基づいて、シワ発生度Aを算出する第4算出工程を有する。
これにより、実施形態の算出方法は、シート2を曲げた場合に剥離層24に発生するシワの波長λを算出することにより、剥離層24に波長λのシワを発生させるのに必要な力(シワ発生応力σcr)を算出することができる。また、算出システム10は、シート2を曲げた場合に剥離層24に作用する力(曲げ圧縮応力σr)を算出することにより、曲げ圧縮応力σとシワ発生応力σcrとの関係から、シート2を曲げた場合の剥離層24におけるシワが発生する度合(シワ発生度A)を算出することができる。
図7、8は、算出システム10が行った算出結果と目視でシワが発生したか否かを確認した結果を対応させた第1表、および第2表を示す図である。図7、8は、縦列に、シート2と巻き芯1からなる巻取りロール体3の番号(以下、単に「シート番号」という)、横列にその番号に対応する巻取りロール体3に関するパラメータが記載される。巻取りロール体3に関するパラメータは、左側から、算出システム10がシワ発生度Aの算出に用いるパラメータ(シート2を形成する三層それぞれの厚み、およびヤング率)、算出システム10が算出したシワ波長λ、距離y´、シート2を巻き取る巻き芯1の直径2r、算出システム10が算出したシワ発生度A、および「目視結果」をそれぞれ示している。「目視結果」は、シート2を巻き芯1の外周に沿って一周分巻き付け、シート2を巻き芯1に巻きつけた際のシート2の末端を巻き芯1に固定し、1分経過後のシワ発生の有無を目視で確認した結果である。「目視結果」には、シート2の全体にシワが発生した場合には「×」、シート2にシワが発生しなかった場合には「○」をそれぞれ示す。
図7に示すように、シート番号「1」と「2」には、厚さが250μmの粘着剤層を、外側剥離層と内側剥離層に片面に剥離処理を施した75μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムで挟んだ同じシート2が使用されている。シート番号「1」において、巻き芯1の直径2rを50[mm]とした場合、シワ発生度Aは「9.09」となり、目視結果において「×」、つまりシート2の全体にシワが発生したことが確認された。一方、シート番号「2」において、巻き芯1の直径2rを100[mm]とした場合、シワ発生度Aは「4.59」となり、目視結果において「○」、つまり、シート2にシワが発生しないことが確認された。これは、「4.5」を下回った場合にシワが発生しないが、シワ発生度Aの値が「9.1」を超えた場合にシート2にシワが発生する可能性があることを示す。
また、シート番号「3」と「4」には、シート番号「1」の場合と比較して、粘着層の厚みを2倍とし、外側と内側の剥離層のそれぞれの厚みを約半分にした素材が使用されている。シート番号「3」において、巻き芯1の直径2rを300[mm]とした場合、シワ発生度Aは「10.02」となり、目視結果において「×」であった。また、シート番号「4」において、巻き芯1の直径2rを350[mm]とした場合、シワ発生度Aは「8.52」となり、目視結果において「×」であった。これは、シワ発生度Aの値が「8.6」を超えた場合にシート2にシワが発生する可能性があることを示す。
また、シート番号「5」と「6」では、外側と内側の剥離層のそれぞれの厚みをシート番号「3」よりも厚くした素材を使用している。シート番号「5」において、巻き芯1の直径2rを325[mm]とした場合、シワ発生度Aは「6.93」となり、目視結果において「×」であった。また、シート番号「6」において、巻き芯1の直径2rを350[mm]とした場合、シワ発生度Aは「6.44」となり、目視結果において「○」であった。これは、シワ発生度Aの値が「6.4」を下回った場合にシワが発生しないが、「6.9」付近を超えた場合にシート2にシワが発生する可能性があることを示す。
また、シート番号「7」と「8」では、シート番号「1」の場合と比較して、粘着層の厚みを2倍とした素材を使用している。シート番号「7」において、巻き芯1の直径2rを250[mm]とした場合、シワ発生度Aは「7.31」となり、目視結果において「×」であった。また、シート番号「8」において、巻き芯1の直径2rを300[mm]とした場合、シワ発生度Aは「6.09」となり、目視結果において「○」であった。これは、シワ発生度Aの値が「6.0」を下回った場合にシワが発生しないが、「6.65」付近において、シート2にシワが発生し始め、「7.31」付近を超えた場合にシート2にシワが発生する可能性があることを示す。
また、シート番号「9」と「10」では、外側と内側の剥離層のそれぞれの厚みをシート番号「7」よりも厚くした素材を使用している。シート番号「9」において、巻き芯1の直径2rを200[mm]とした場合、シワ発生度Aは「6.71」となり、目視結果において「×」であった。また、シート番号「10」において、巻き芯1の直径2rを225[mm]とした場合、シワ発生度Aは「5.97」となり、目視結果において「○」であった。これは、シワ発生度Aの値が「5.9」を下回った場合にシワが発生しないが、「6.7」を超えた場合にシート2にシワが発生する可能性があることを示す。この結果は、上述した今までの結果と矛盾しない。
また、シート番号「11」と「12」では、外側と内側の剥離層のそれぞれの厚みをシート番号「9」よりも厚くした素材を使用している。シート番号「11」において、巻き芯1の直径2rを150[mm]とした場合、シワ発生度Aは「7.16」となり、目視結果において「×」であった。また、シート番号「12」において、巻き芯1の直径2rを175[mm]とした場合、シワ発生度Aは「6.13」となり、目視結果において「○」であった。この結果は、上述した今までの結果と矛盾しない。
また、図8において、シート番号「13」と「14」では、内側の剥離層の厚みをシート番号「11」よりも薄くした素材を使用している。シート番号「13」において、巻き芯1の直径2rを150[mm]とした場合、シワ発生度Aは「7.62」となり、目視結果において「×」であった。また、シート番号「14」において、巻き芯1の直径2rを200[mm]とした場合、シワ発生度Aは「5.72」となり、目視結果において「○」であった。この結果は、外側と内側の剥離層の厚みが異なる場合においても、上述した今までの結果と矛盾しないことを示す。
また、シート番号「15」と「16」では、内側の剥離層の厚みをシート番号「13」よりもさらに薄くした素材を使用している。シート番号「15」において、巻き芯1の直径2rを200[mm]とした場合、シワ発生度Aは「7.48」となり、目視結果において「×」であった。また、シート番号「16」において、巻き芯1の直径2rを250[mm]とした場合、シワ発生度Aは「5.99」となり、目視結果において「○」であった。この結果は、上述した今までの結果と矛盾しない。
また、シート番号「17」と「18」では、粘着層の厚みをシート番号「11」の2倍にした素材を使用している。シート番号「17」において、巻き芯1の直径2rを300[mm]とした場合、シワ発生度Aは「13.07」となり、目視結果において「×」であった。また、シート番号「18」において、巻き芯1の直径2rを350[mm]とした場合、シワ発生度Aは「11.20」となり、目視結果において「×」であった。この結果は、上述した結果と矛盾しない。
また、シート番号「19」と「20」では、内側の剥離層がシート番号「7」の場合より厚みが厚く、ヤング率が小さい(柔らかい)ポリエチレンフィルムを使用している。シート番号「19」において、巻き芯1の直径2rを60[mm]とした場合、シワ発生度Aは「8.33」となり、目視結果において「×」であった。また、シート番号「20」において、巻き芯1の直径2rを100[mm]とした場合、シワ発生度Aは「5.00」となり、目視結果において「○」であった。この結果は、上述した結果と矛盾しない。
また、シート番号「21」と「22」では、内側の剥離層と外側の剥離層とをシート番号「19」の場合と交換した素材を使用している。シート番号「21」において、巻き芯1の直径2rを50[mm]とした場合、シワ発生度Aは「8.23」となり、目視結果において「×」であった。また、シート番号「22」において、巻き芯1の直径2rを75[mm]とした場合、シワ発生度Aは「5.48」となり、目視結果において「○」であった。この結果は、上述した結果と矛盾しない。
以上、図7、8において説明したように、シート2を形成する素材の厚みやヤング率を変更した場合であっても、実施形態の算出システム10が算出したシワ発生度Aが、大きい場合にシート2にシワが発生し、小さい場合にシワが発生しない傾向がある。従って、実施形態の算出システム10においては、シート2を実際に曲げてシワの発生を確認しなくとも、シワ発生度Aの値から実際にシワが発生するか否かを推測することができる。
(巻取りロール体)
ここでは、巻取りロール体3について説明する。
巻取りロール体3とは、巻き芯1と、巻き芯1に巻き取られてロール状となったシート2と、を含む。
ここで、巻き芯1の半径、シート2を形成する三層それぞれの厚み、およびシート2を形成する三層それぞれのヤング率は、算出システム10が算出したシワ発生度Aが、所定の判定基準を満たすような関係である。所定の判定基準とは、シート2が巻き芯1に巻き取られる際にシワが発生しないシワ発生度Aに相当する値である。例えば、図7の結果に基づけば、剥離層20、24のヤング率が4.00E+09[Pa]であり、剥離層20,24の厚みが50〜125[μm]の範囲内であり、さらに、粘着層22のヤング率が1.10E+05[Pa]であり、粘着層22の厚みが250〜500[μm]の範囲内であり、巻き芯1の半径が50〜350[mm]の範囲である場合、シワ発生度Aが基準値B(約6.50)を下回れば、シート2が巻き芯1に巻き取られる際にシワが発生しない。
巻取りロール体3における、巻き芯1の半径r、シート2を形成する三層それぞれの厚み、およびシート2を形成する三層それぞれのヤング率は、それぞれどのように決定されてもよい。例えば、シート2を形成する三層の素材、および粘着層22の厚みが決まっている場合、シワ発生度Aが基準値B=6.50を下回るために、剥離層20、24の厚みと巻き芯1の半径rを、シート2の製造や製造コストなどの観点から選択することができる。具体的には、図7の結果に基づけば、剥離層20、24のそれぞれの厚みが薄い場合には巻き芯1の半径を大きくする必要があり、反対に剥離層の厚みが厚い場合には巻き芯1の半径を小さくすることができる。より具体的には、(剥離層20、24のそれぞれの厚み、巻き芯1の直径2r)の関係は、(50[μm]、350[mm])、(75[μm]、300[mm])、(100[μm]、225[mm])、(125[μm]、175[mm])、のそれぞれの組合せを選択することができる。例えば、シート2の製造スペースの関係で、半径の大きい巻き芯1が使用できない状況であれば、シート2の剥離層20、24の厚みを厚くする。また、剥離層を厚くすると製造コストが高い場合には、剥離層の厚みを薄くして、巻き芯1の半径を大きくする。このように、シワ発生度Aが基準値Bを下回るように、シート2を形成する三層それぞれの厚みと、巻き芯1の半径とを選択することにより、本実施形態の巻取りロール体3においては、シート2におけるシワの発生を抑制することができる。
基準値Bは、上述した値(6.50)に限定されることはなく、6.50より小さな値であってもよい。基準値Bが6.50よりも小さな値であれば、巻取りロール体3においては、より確実にシート2におけるシワの発生を抑制することができる。
基準値Bは、図7、8に基づけば、6.50、または6.50に所定のマージンを考慮した値となるが、これに限定されることはない。
また、基準値Bが素材などの組合せによらず一律の値であるため、実際にシートを曲げる前に、事前に、シワの発生度合をある程度、予測することができる。
以上説明したように、本実施形態の巻取りロール体3は、巻き芯1と、巻き芯1に巻き取られるシート2(「ウェブ」の一例)と、を備え、巻き芯の半径r、シート2を形成する三層それぞれの厚み、およびシート2を形成する三層それぞれのヤング率は、算出システム10が算出したシワ発生度Aが、基準値B(「所定の判定基準」の一例)を満たすような関係である。これにより、本実施形態の巻取りロール体3においては、巻き芯1でシート2を巻き取る際に、シート2にシワが発生しないようにすることができる。
上述した実施形態における算出システム10をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
1…巻き芯、2…シート、20…剥離層、22…粘着層、24…剥離層、3…巻取りロール体、10…算出システム、11…シワ波長算出手段、12…曲げ圧縮応力算出手段、14…シワ発生応力算出手段、16…シワ発生度算出手段。

Claims (5)

  1. 内側層、中間層、外側層の順に積層された三層により形成される長尺状のウェブを円柱状ローラの胴面に抱かせた際に、曲げの内側となる前記内側層にシワが発生する度合をシワ発生度として算出する算出システムであって、
    前記内側層のヤング率、及び前記三層それぞれの厚みに基づいて、前記ウェブを前記円柱状ローラの胴面に抱かせた際に前記内側層に発生するシワの波長であるシワ波長を算出する第1算出手段と、
    前記ウェブの中立軸位置、前記ウェブの厚み、前記内側層の厚み、前記内側層のヤング率、及び前記ウェブを前記円柱状ローラの胴面に抱かせた際の曲率に基づいて、前記内側層に作用する曲げ圧縮応力を算出する第2算出手段と、
    前記シワ波長、前記内側層の曲げ剛性、及び前記内側層の厚みに基づいて、前記ウェブを前記円柱状ローラの胴面に抱かせた際に前記内側層にシワを発生させる圧縮応力であるシワ発生応力を算出する第3算出手段と、
    前記曲げ圧縮応力と前記シワ発生応力とに基づいて、シワ発生度を算出する第4算出手段と、
    を備える算出システム。
  2. 前記第1算出手段は、以下の(1)式から(4)式を用いて、(4)式に示す前記シワ波長λを算出する手段であり、
    Figure 2018169372
    Figure 2018169372
    Figure 2018169372
    Figure 2018169372
    前記第2算出手段は、以下の(5)式から(7)式を用いて、(7)式に示す前記曲げ圧縮応力σを算出する手段であり、
    Figure 2018169372
    Figure 2018169372
    Figure 2018169372
    前記第3算出手段は、以下の(8)式に示す前記シワ発生応力σcrを算出する手段であり、
    Figure 2018169372
    前記第4算出手段は、以下の(9)式に示す前記シワ発生度Aを算出する手段である、
    Figure 2018169372
    請求項1に記載の算出システム。
  3. 内側層、中間層、外側層の順に積層された三層により形成される長尺状のウェブを円柱状ローラの胴面に抱かせた際に、曲げの内側となる前記内側層にシワが発生する度合をシワ発生度として算出する算出方法であって、
    前記内側層のヤング率、及び前記三層それぞれの厚みに基づいて、前記ウェブを前記円柱状ローラの胴面に抱かせた際に前記内側層に発生するシワの波長であるシワ波長を算出する第1算出工程と、
    前記ウェブの中立軸位置、前記ウェブの厚み、前記内側層の厚み、前記内側層のヤング率、及び前記ウェブを前記円柱状ローラの胴面に抱かせた際の曲率に基づいて、前記内側層に作用する曲げ圧縮応力を算出する第2算出工程と、
    前記シワ波長、前記内側層の曲げ剛性、及び前記内側層の厚みに基づいて、前記ウェブを前記円柱状ローラの胴面に抱かせた際に前記内側層にシワを発生させる圧縮応力であるシワ発生応力を算出する第3算出工程と、
    前記曲げ圧縮応力と前記シワ発生応力とに基づいて、シワ発生度を算出する第4算出工程と、
    を備える算出方法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の算出システムが算出したシワ発生度が所定の判定基準を満たすように、巻き芯の半径、前記ウェブを形成する三層それぞれの厚み、および前記ウェブを形成する三層それぞれのヤング率の各々を設計する設計工程と、
    前記設計工程により調整された半径の巻き芯に前記ウェブを巻き取り、巻取りロール体を生成する巻取り工程と
    を備える、巻取り方法。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の算出システムが算出したシワ発生度が所定の判定基準を満たすように、巻き芯の半径、前記ウェブを形成する三層それぞれの厚み、および前記ウェブを形成する三層それぞれのヤング率の各々を設計する設計工程と、
    前記設計工程により調整された半径の巻き芯に前記ウェブを巻き取り、巻取りロール体を生成する巻取り工程と
    を備える巻取り方法により生成された、
    巻取りロール体。
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