JP2018169223A - 磁気センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の軸の磁場を検知できる磁気センサを提供する。【解決手段】磁気収束板と、それぞれ磁気を検知する感磁面を有する第1磁気検知部および第2磁気検知部とを備え、第1磁気検知部の感磁面と垂直な面において、磁気収束板の断面の重心を通り第1磁気検知部の感磁面と平行な中心平行線よりも上側の上側領域に第1磁気検知部の感磁面が配置されており、中心平行線よりも下側の下側領域に第2磁気検知部の感磁面が配置されている磁気センサを提供する。【選択図】図2
Description
本発明は、磁気センサに関する。
従来、予め定められた一方向の磁気の有無を検知する巨大磁気抵抗(GMR:Giant Magneto−Resistance)素子及びトンネル磁気抵抗(TMR:Tunnel Magneto−Resistance)素子が知られていた。また、これらの磁気抵抗素子と、磁気収束部とを組み合わせた磁気センサが知られていた。(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1 特開2006−3116号公報
特許文献1 特開2006−3116号公報
磁気センサは、複数の軸の磁場を検知できることが好ましい。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、磁気収束板と、それぞれ磁気を検知する感磁面を有する第1磁気検知部および第2磁気検知部とを備える磁気センサを提供する。第1磁気検知部の感磁面と垂直な面において、磁気収束板の断面の重心を通り第1磁気検知部の感磁面と平行な中心平行線よりも上側の上側領域に前記第1磁気検知部の感磁面が配置されてよい。中心平行線よりも下側の下側領域に第2磁気検知部の感磁面が配置されていてよい。
第1磁気検知部の感磁面と中心平行線との距離が、第2磁気検知部の感磁面と中心平行線との距離と等しくてよい。第1磁気検知部の感磁面と垂直な面において、磁気収束板の上端を通り第1磁気検知部の感磁面と平行な上端線よりも上側の領域に、第1磁気検知部の感磁面が配置されていてよい。磁気収束板の下端を通り第2磁気検知部の感磁面と平行な下端線よりも下側の領域に、第2磁気検知部の感磁面が配置されていてよい。
第1磁気検知部の感磁面と平行な面において、第1磁気検知部に最も近い磁気収束板の重心を通り且つ第1磁気検知部の感磁軸と垂直な軸をy軸とし、磁気収束板の重心を通り且つ第1磁気検知部の感磁軸と平行な軸をx軸としてよい。第2磁気検知部に最も近い磁気収束板の重心を通る軸をx軸およびy軸としてよい。それぞれの磁気検知部に対する座標系において、x軸およびy軸により分割される4つの領域を、x軸およびy軸が共に正の領域を第1象限、x軸が負、y軸が正の領域を第2象限、x軸およびy軸が共に負の領域を第3象限、x軸が正、y軸が負の領域を第4象限としてよい。第1磁気検知部の感磁面の重心は、いずれかの象限に配置されてよい。第2磁気検知部の感磁面の重心は、第1磁気検知部が配置された象限と非対角の象限に配置されてよい。第1磁気検知部の感磁面の重心は、上側領域および下側領域の一方に配置されてよい。第2磁気検知部の感磁面の重心は、上側領域および下側領域の他方に配置されていてよい。
磁気センサは、磁気を検知する感磁面を有する第3磁気検知部を更に備えてよい。第3磁気検知部に最も近い磁気収束板の重心を通る軸をx軸およびy軸としてよい。それぞれの象限の上側領域および下側領域の一方の領域に対して、当該象限と対角の象限の上側領域および下側領域の他方の領域を、対称領域としてよい。第3磁気検知部は、第1磁気検知部の対称領域以外の領域であって、且つ、第2磁気検知部の対称領域以外の領域に配置されていてよい。
磁気センサは、第1磁気検知部、第2磁気検知部および第3磁気検知部のいずれに対しても対称領域以外の領域に配置されており、磁気を検知する感磁面を有する第4磁気検知部を更に備えてよい。第1から第4磁気検知部のうち、2個が上側領域に配置されており、他の2個が下側領域に配置されていてよい。第1から第4磁気検知部は、それぞれ異なる象限に配置されていてよい。
磁気検知部のうちの少なくとも2つは、上側領域および下側領域に配置されていてよい。2つの磁気検知部は上面視において少なくとも部分的に重なって配置されていてよい。x軸およびy軸の双方に垂直な軸をz軸とした場合に、それぞれの磁気検知部の感磁面の重心は、x軸、y軸およびz軸のいずれの軸上にも配置されていなくてよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、磁気センサに用いる磁気検知部20の構造の一例を示す斜視図である。本例の磁気検知部20は、印加される外部磁場に応じて電気抵抗が変化する磁気抵抗素子である。磁気検知部20は、固定層30、伝導層32およびフリー層34を備える。固定層30は、強磁性材料で形成された層である。固定層30は、磁化方向が固定されている。図1においては、固定層30における磁化方向を矢印で示している。固定層30は、固定層30の磁化方向を固定するピニング層28上に形成されてよい。一例としてピニング層28は、反強磁性材料で形成される。ピニング層28は、非磁性材料で形成された支持層26上に形成されてよい。
伝導層32は、固定層30上に非磁性材料で形成された層である。フリー層34は、伝導層32上に強磁性材料で形成され、固定層30における磁化方向と平行な方向の外部磁場に応じて磁化方向が変化する。フリー層34上には、非磁性材料で形成されたキャップ層が設けられてよい。フリー層34および固定層30における磁化方向の相対角度に応じて、磁気検知部20の抵抗値が変化する。
このような構造により磁気検知部20は、固定層30における磁化方向と平行な方向の外部磁場を検知できる。本明細書では、固定層30における磁化方向と平行な方向を、磁気検知部20の感磁軸とする。感磁軸においては、固定層30における磁化方向とは逆向きを正方向とする。感磁軸の正方向とは、その方向に磁場が入力すると磁気検知部20の抵抗値が増大し、感磁軸の負方向とは、その方向に磁場が入力すると磁気検知部20の抵抗値が減少する方向、として定義する。また、磁気検知部20の感磁軸と平行な軸をx軸とする。
また、フリー層34の上面と下面との中間において、フリー層34の上面と平行な面を、感磁面22と称する。なお、フリー層34の上面を感磁面22としてもよい。感磁面22と平行な面において、磁気検知部20の感磁軸と垂直な軸をy軸とする。また、x軸およびy軸の両方と垂直な軸をz軸とする。z軸は、磁気検知部20における各層の積層方向であってよい。
感磁面22は、y軸方向が長手方向であり、x軸方向が短手方向であってよい。感磁面22がxy面において長方形の場合、長手方向とは感磁面22の長辺と平行な方向であり、短手方向とは感磁面22の短辺と平行な方向である。
図2は、本発明の一つの実施形態に係る磁気センサ100の構造を示す図である。磁気センサ100は、磁気収束板10、第1磁気検知部20−1および第2磁気検知部20−2を備える。図2においては、磁気収束板10、第1磁気検知部20−1および第2磁気検知部20−2を、同一のzx面に投影した配置例を示している。それぞれの磁気検知部20は、図1に示した磁気検知部20と同一の構造を有してよい。本例において第1磁気検知部20−1および第2磁気検知部20−2の感磁軸の方向は同一(例えば、x軸正方向)である。本明細書において特に説明されていない場合、磁気検知部20の感磁軸の方向はx軸正方向である。また、本例の第1磁気検知部20−1および第2磁気検知部20−2の感磁面22は平行に配置されている。
磁気収束板10は、パーマロイ等の磁性材料で形成され、磁気収束板10の近傍の磁力線の向きを変化させる。磁気収束板10は、NiFe、NiFeB、NiFeCo、及びCoFe等の軟磁性材料で形成されてよい。
第1磁気検知部20−1の感磁面22と垂直なzx面において、磁気収束板10のzx断面の重心12を通り、第1磁気検知部20−1の感磁面22と平行な線を中心平行線14とする。重心12は、磁気収束板10の材料の密度等が均一に分布していると仮定して、磁気収束板10のzx断面の幾何学上の重心を用いてよい。zx面において、中心平行線14よりも上側の領域を上側領域とし、下側の領域を下側領域とする。
第1磁気検知部20−1の感磁面22は上側領域に配置され、第2磁気検知部20−2の感磁面22は下側領域に配置される。図2に示すように、磁気収束板10の近傍を通過しようとするz軸方向の磁場Bzの磁力線は、z軸方向において磁気収束板10に近づくにつれて磁気収束板10に対してx軸方向に引き寄せられ、z軸方向において磁気収束板10から離れるにつれて磁気収束板10に対してx軸方向に遠ざかる。
このため、磁気収束板10の近傍においては、磁場Bzの少なくとも一部が、x軸方向の磁場に変換される。磁場Bzが変換されたx軸方向の磁場の向きは、図2に示すように上側領域と下側領域とで異なる。図2の例では、下側領域においては磁場Bzがx軸負方向の磁場に変換されており、上側領域においては磁場Bzがx軸正方向の磁場に変換されている。
従って、図2に示すように、第1磁気検知部20−1を上側領域に配置し、第2磁気検知部20−2を下側領域に配置することで、それぞれの磁気検知部20が検知する磁場成分の符号を異ならせることができる。上述したように、図2の例では、それぞれの磁気検知部20が検知する磁場Bz成分の符号が異なる。
第1磁気検知部20−1の感磁面22と中心平行線14とのz軸方向における距離D1は、第2磁気検知部20−2の感磁面22と中心平行線14とのz軸方向における距離D2と等しいことが好ましい。なお距離が等しいとは、厳密に一致している場合に加え、製造バラツキ等により生じる誤差が存在する場合も含む。本例では、距離D1の10%以内の誤差を有する場合を、距離が等しいとする。
中心平行線14とそれぞれの感磁面22との距離が等しいことで、磁場Bzに対するそれぞれの磁気検知部20の感度を同等にできる。つまり、それぞれの感磁面22が設けられた場所において、磁場Bzがx軸方向の成分に変換されている変換率(または磁場変換係数)を同等にできる。なお、x軸方向における、それぞれの磁気検知部20の感磁面22と、磁気収束板10の重心12との距離も等しいことが好ましい。つまり、それぞれの感磁面22は、中心平行線14に対して線対称となる位置に設けることが好ましい。
また、zx面において、磁気収束板10の上端(z軸正方向側の端部)を通り、第1磁気検知部20−1の感磁面22と平行な線を上端線16とする。同様に、磁気収束板10の下端(z軸負方向側の端部)を通り、第1磁気検知部20−1の感磁面22と平行な線を下端線18とする。
第1磁気検知部20−1の感磁面22は、上端線16よりも上側の領域に配置されてよい。第2磁気検知部20−2の感磁面22は、下端線18よりも下側の領域に配置されてよい。上端線16と下端線18との間の領域においては、磁場Bzがx軸方向の磁場に変換される割合が小さくなってしまう。これに対して上述した配置により、磁場Bzがx軸方向の磁場に変換される割合が大きい領域で磁場Bzを検知できるので、磁場Bzに対する感度が向上する。なお、感磁面22が、上端線16および下端線18から離れすぎても、磁場Bzがx軸方向の磁場に変換される割合は小さくなる。一例として、上述した距離D1および距離D2は、それぞれ、磁気収束板10のz軸方向における厚み以下であってよい。
図3Aは、xy面における磁気収束板10、第1磁気検知部20−1および第2磁気検知部20−2の配置例を示す図である。図3Aにおいては、磁気収束板10、第1磁気検知部20−1および第2磁気検知部20−2を、同一のxy面に投影した配置例を示している。図2に示したように、第1磁気検知部20−1および第2磁気検知部20−2のz軸方向における位置は異なる。本明細書においては、磁気検知部20の感磁面22の重心24の位置を、磁気検知部20の位置として用いる。
図3Bは、上側領域におけるxy面と、下側領域におけるxy面とを合わせて示す図である。図3Bでは、点線で区切られる2つの領域の一方に上側領域を示し、他方に下側領域を示している。上側領域および下側領域は、z軸方向から見たときに重なる領域である。
図3Aおよび図3Bに示す例では、xy面において、磁気収束板10の重心12を通り、且つ、第1磁気検知部20−1の感磁軸と垂直な軸をy軸とする。また、xy面において、磁気収束板10の重心12を通り、且つ、第1磁気検知部20−1の感磁軸と平行な軸をx軸とする。つまり、磁気収束板10の重心12を、xy座標系の原点とする。
xy面において、x軸およびy軸で分割される4つの領域を、第1象限、第2象限、第3象限および第4象限とする。第1象限はx軸およびy軸が共に正の領域であり、第2象限はx軸が負、y軸が正の領域であり、第3象限はx軸およびy軸が共に負の領域であり、第4象限はx軸が正、y軸が負の領域である。第1象限と第3象限はxy座標系で対角に配置された象限であり、第2象限と第4象限もxy座標系で対角に配置された象限である。
それぞれの象限の上側領域および下側領域の一方の領域に対して、当該象限と対角の象限の上側領域および下側領域の他方の領域を、対称領域とする。例えば、第1象限の上側領域の対称領域は、第3象限の下側領域である。
第1磁気検知部20−1は、いずれかの象限の上側領域または下側領域に配置される。つまり、第1磁気検知部20−1の感磁面22の重心24が、いずれかの象限の上側領域または下側領域に配置される。第1磁気検知部20−1の感磁面22の全体が、単一の象限内に配置されてよい。他の例では、第1磁気検知部20−1の感磁面22は、複数の象限に跨って配置されてもよい。
第2磁気検知部20−2は、第1磁気検知部20−1が配置された領域以外の領域であり、且つ、第1磁気検知部20−1が配置された領域の対称領域以外の領域に配置される。上述したように、第2磁気検知部20−2の位置は、第2磁気検知部20−2の感磁面22の重心24の位置であってよい。第2磁気検知部20−2の感磁面22の全体が、単一の象限内に配置されてよい。他の例では、第2磁気検知部20−2の感磁面22は、複数の象限に跨って配置されてもよい。
また、第1磁気検知部20−1および第2磁気検知部20−2は、一方が上側領域に配置され、他方が下側領域に配置される。このため、第2磁気検知部20−2は、第1磁気検知部20−1が配置された象限に対して非対角の象限に配置され、且つ、上側領域および下側領域のうち第1磁気検知部20−1とは異なる領域に配置される。
図3Aおよび図3Bにおける第1磁気検知部20−1は、第1象限の上側領域に配置されている。この場合、第2磁気検知部20−2は、第1象限とは非対角の、第1象限、第2象限または第4象限の、下側領域に配置される。図3Aおよび図3Bにおける第2磁気検知部20−2は、第4象限の下側領域に配置されている。
このように磁気検知部20を配置することで、いずれかの軸方向の磁場と、それ以外の磁場とを分離して検知できる。図3Aおよび図3Bの例では、第1磁気検知部20−1および第2磁気検知部20−2が検知するx軸方向の磁場Bxの成分の符号は同一である。また、磁気収束板10の近傍を通過するy軸方向の磁場Byの少なくとも一部は、y軸方向において磁気収束板10に近づくにつれて磁気収束板10に対してx軸方向に引き寄せられ、y軸方向において磁気収束板10から離れるにつれて磁気収束板10に対してx軸方向に遠ざかる。
このため、磁気収束板10の近傍においては、磁場Byの少なくとも一部が、x軸方向の磁場に変換される。磁場Byが変換されたx軸方向の磁場の向きは、図3Aに示すように、第1象限と第4象限とで異なる。図3Aの例では、第4象限においては磁場Byがx軸負方向の磁場に変換されており、第1象限においては磁場Byがx軸正方向の磁場に変換されている。なお、第1象限と第3象限とでは、磁場Byが変換されたx軸方向の磁場の向きは同一である。同様に、第2象限と第4象限とでは、磁場Byが変換されたx軸方向の磁場の向きは同一である。
本例の磁気センサ100においては、第1磁気検知部20−1の抵抗値に応じた信号S1と、第2磁気検知部20−2の抵抗値に応じた信号S2とが得られる。信号S1および信号S2は下式であらわすことができる。
S1=R0+δR・(+α1Bx+β1By+γ1Bz)
S2=R0+δR・(+α2Bx−β2By−γ2Bz)
ここで、R0は、磁場に依存しない抵抗値を示す。δRは、磁気検知部20の磁気感度を示す。αk、βk、γkは、それぞれ磁場Bx、By、Bzに対する第k磁気検知部20−kの磁場変換係数を示す。磁場変換係数αとは、入力磁場Bxが磁気収束板によって磁気検知部20の感磁軸方向(すなわちx軸方向)に変換される割合と定義する。また、磁場変換係数βとは、入力磁場Byが磁気収束板によって磁気検知部20の感磁軸方向(すなわちx軸方向)に変換される割合と定義する。磁場変換係数γとは、入力磁場Bzが磁気収束板によって磁気検知部20の感磁軸方向(すなわちx軸方向)に変換される割合と定義する。
S1=R0+δR・(+α1Bx+β1By+γ1Bz)
S2=R0+δR・(+α2Bx−β2By−γ2Bz)
ここで、R0は、磁場に依存しない抵抗値を示す。δRは、磁気検知部20の磁気感度を示す。αk、βk、γkは、それぞれ磁場Bx、By、Bzに対する第k磁気検知部20−kの磁場変換係数を示す。磁場変換係数αとは、入力磁場Bxが磁気収束板によって磁気検知部20の感磁軸方向(すなわちx軸方向)に変換される割合と定義する。また、磁場変換係数βとは、入力磁場Byが磁気収束板によって磁気検知部20の感磁軸方向(すなわちx軸方向)に変換される割合と定義する。磁場変換係数γとは、入力磁場Bzが磁気収束板によって磁気検知部20の感磁軸方向(すなわちx軸方向)に変換される割合と定義する。
R0、δR、αk、βk、γkの各パラメータの一部または全部は、予め測定すること等により既知であってよい。R0は、磁気センサ100に設けたリファレンス用の磁気素子の抵抗値を用いてよい。リファレンス用の磁気素子は、外部磁場によらず、一定の抵抗値を示す。それぞれの磁気検知部20の信号間で加減算することで、いずれかの軸方向における磁場と、他の方向の磁場とを分離できる。一例として、それぞれの磁気検知部20が、同一の磁場変換係数α、β、γを有する場合を説明する。この場合、S1+S2=2R0+δR(2αBx)となり、x軸方向の磁場Bxを検知できる。このとき、リファレンス用の磁気素子の抵抗値を減算に用いて、S1+S2−2R0=+δR(2αBx)とし、演算後の出力にR0が含まれないようにしてもよい。また、S1−S2=δR(2βBy+2γBz)となり、x軸方向以外の磁場を検知できる。それぞれの磁気検知部20に対して、磁場Byおよび磁場Bzの一方の入力を制限することで、磁気センサ100を2軸の磁場を検知する2軸センサとして用いることもできる。
それぞれの象限の各領域に、x軸正方向に感磁軸を有する磁気検知部20を配置した場合の、磁気検知部20の磁場変換係数の符号は下記の通りになる。
第1象限上側領域:+α、+β、+γ
第1象限下側領域:+α、+β、−γ
第2象限上側領域:+α、−β、−γ
第2象限下側領域:+α、−β、+γ
第3象限上側領域:+α、+β、−γ
第3象限下側領域:+α、+β、+γ
第4象限上側領域:+α、−β、+γ
第4象限下側領域:+α、−β、−γ
このように、それぞれの領域の磁場変換係数の符号パターンは、対称領域の磁場変換係数の符号パターンと同一となる。このため、第1磁気検知部20−1を配置した領域の対称領域に第2磁気検知部20−2を配置すると、2つの信号S1、S2を加減算しても、各磁場成分を検知できなくなる。本例の磁気センサ100によれば、第2磁気検知部20−2を、第1磁気検知部20−1が設けられた領域とは異なる領域であって、且つ、対称領域ではない領域に配置するので、上述したように、各磁場成分を検知できる。
第1象限上側領域:+α、+β、+γ
第1象限下側領域:+α、+β、−γ
第2象限上側領域:+α、−β、−γ
第2象限下側領域:+α、−β、+γ
第3象限上側領域:+α、+β、−γ
第3象限下側領域:+α、+β、+γ
第4象限上側領域:+α、−β、+γ
第4象限下側領域:+α、−β、−γ
このように、それぞれの領域の磁場変換係数の符号パターンは、対称領域の磁場変換係数の符号パターンと同一となる。このため、第1磁気検知部20−1を配置した領域の対称領域に第2磁気検知部20−2を配置すると、2つの信号S1、S2を加減算しても、各磁場成分を検知できなくなる。本例の磁気センサ100によれば、第2磁気検知部20−2を、第1磁気検知部20−1が設けられた領域とは異なる領域であって、且つ、対称領域ではない領域に配置するので、上述したように、各磁場成分を検知できる。
また、第1磁気検知部20−1および第2磁気検知部20−2の一方を上側領域に配置して、他の一方を下側領域に配置するので、z軸方向から見たときに、複数の磁気検知部20を重ねて配置することが可能となり、磁気検知部20の実装密度を向上させることができる。ただし、第1磁気検知部20−1と第2磁気検知部20−2とは重なっていなくてよい。
第1磁気検知部20−1と第2磁気検知部20−2とは、xy面においてx軸およびy軸のいずれかの軸に対して線対称となるように配置されていてよく、線対称とならないように配置されていてもよい。線対称となるように配置された場合、磁気検知部20の間における磁場変換係数の誤差を小さくできる。また、線対称とならないように配置した場合、磁気検知部20の配置の自由度が向上する。
第1磁気検知部20−1と第2磁気検知部20−2は、同一象限に配置されてもよい。この場合でも、一方の磁気検知部20は上側領域に配置され、他方の磁気検知部20は下側領域に配置される。2つの磁気検知部20は、xy面において全体が重なるように配置されてよく、部分的に重なるように配置されてよく、重ならないように配置されてもよい。
なお、それぞれの磁気検知部20の感磁面22における重心24は、x軸、y軸およびz軸のいずれの軸上にも配置されていないことが好ましい。これにより、それぞれの磁気検知部20において、磁場Bx、By、Bzの各成分を検知できる。例えば、図3Aの例において、磁気検知部20の感磁面22の重心24がx軸上に配置された場合、感磁面22の重心24よりもy軸正側の領域と、y軸負側の領域とで、磁場Byがx軸方向に変換された成分の向きが反転する。このため、磁場Byの成分がほとんど相殺されてしまい、磁場Byの成分を検知することが困難になる。一例として感磁面22の重心24は、x軸、y軸、z軸のそれぞれに対して、感磁面22の長手方向の長さの1/10以上離れていてよく、1/5以上離れていてもよい。
また図3Aの例においては、第1磁気検知部20−1および第2磁気検知部20−2は、共通の磁気収束板10の近傍に配置されている。他の例では、第1磁気検知部20−1の感磁軸方向(本例ではx軸方向)において、第1磁気検知部20−1に最も近い磁気収束板10と、第2磁気検知部20−2の感磁軸方向(本例ではx軸方向)において、第2磁気検知部20−2に最も近い磁気収束板10とは異なっていてもよい。
図3Cは、第1磁気検知部20−1が第1磁気収束板10−1に近接して配置され、第2磁気検知部20−2が第2磁気収束板10−2に近接して配置された例を示す図である。本例の第1磁気収束板10−1および第2磁気収束板10−2は、分離した磁気収束板10であるが、他の例では、第1磁気収束板10−1および第2磁気収束板10−2は、端部どうしが磁気収束板で接続されていてもよい。
本例では、それぞれの磁気検知部20について、最も近接する磁気収束板10のxy面における重心を原点としてxy座標系を設定する。それぞれの磁気検知部20の座標系における各軸の向きは同一とする。つまり、第1磁気検知部20−1に対するxy座標系のx軸正方向と、第2磁気検知部20−2に対するxy座標系のx軸正方向とは同一の向きである。同様に、第1磁気検知部20−1に対するxy座標系のy軸正方向と、第2磁気検知部20−2に対するxy座標系のy軸正方向とは同一の向きである。
また、それぞれのxy座標系における各象限の配置は、図3Aおよび図3Bのxy座標系と同一である。なお、それぞれのxy座標系の対応する象限を、同一の象限として取り扱う。つまり、第1磁気検知部20−1に対するxy座標系における第1象限と、第2磁気検知部20−2に対するxy座標系における第1象限とは同一の象限である。また、第1磁気検知部20−1に対するxy座標系における第1象限に対角に配置された象限は、第1磁気検知部20−1に対するxy座標系における第3象限と、第2磁気検知部20−2に対するxy座標系における第3象限の2つの象限である。
本例においても、第1磁気検知部20−1および第2磁気検知部20−2は、図3Aおよび図3Bに示した例と同様の領域に配置される。つまり、第2磁気検知部20−2は、第1磁気検知部20−1が配置された象限に対して非対角の象限に配置され、且つ、上側領域および下側領域のうち第1磁気検知部20−1とは異なる領域に配置される。
図3Cにおける第1磁気検知部20−1は、第1磁気検知部20−1に対するxy座標系の第1象限の上側領域に配置されている。図3Cにおける第2磁気検知部20−2は、第2磁気検知部20−2に対するxy座標系の第4象限の下側領域に配置されている。このような配置によっても、2つ以上の軸方向の磁場を分離して検知できる。
図4は、磁気検知部20の他の配置例を示す図である。本例の磁気センサ100は、複数の磁気検知部20を備える。複数の磁気検知部20のうちの少なくとも2つは、上側領域および下側領域に配置されており、且つ、当該2つの磁気検知部20はxy面と平行な上面視において少なくとも部分的に重なって配置されている。
図4では、第1磁気検知部20−1および第2磁気検知部20−2が重なって配置されている例を示す。本例では、それぞれの磁気検知部20の感磁面22が、複数の象限に跨って配置されている。図4の例では、第1磁気検知部20−1の感磁面22は、上側領域における第1象限および第4象限に跨って配置されている。第2磁気検知部20−2の感磁面22は、下側領域における第1象限および第4象限に跨って配置されている。なお、第1磁気検知部20−1の感磁面22の重心24は第1象限に配置され、第2磁気検知部20−2の感磁面22の重心24は第4象限に配置される。
第1磁気検知部20−1の感磁面22のうち、第4象限に配置された部分は、第2磁気検知部20−2と重なってよい。第2磁気検知部20−2の感磁面22のうち、第1象限に配置された部分は、第1磁気検知部20−1と重なってよい。磁気検知部20をxy面において重ねて配置することで、xy面における磁気センサ100の面積を増大させずに、各磁気検知部20の感磁面22の面積を大きくして、感度を向上できる。
図5は、磁気検知部20の他の配置例を示す図である。本例の磁気センサ100は、第3磁気検知部20−3を更に備える。第3磁気検知部20−3を備える点以外は、図1から図4において説明したいずれかの態様の磁気センサ100と同一である。
第3磁気検知部20−3に対しても、xy座標系を設定する。当該座標系は、第3磁気検知部20−3に最も近い磁気収束板10の重心12を通り、他の磁気検知部20と同一の向きのx軸およびy軸を有するxy座標系を設定する。第3磁気検知部20−3に対するxy座標系の原点は、第3磁気検知部20−3に最も近い磁気収束板10の重心12の位置である。
第3磁気検知部20−3は、他の磁気検知部20が配置された領域とは異なる領域であり、第1磁気検知部20−1の対称領域以外の領域であり、且つ、第2磁気検知部20−2の対称領域以外の領域に配置されている。図5の例では、第1磁気検知部20−1は第1象限の上側領域に配置され、第2磁気検知部20−2は第4象限の下側領域に配置されている。第1磁気検知部20−1の対称領域は第3象限の下側領域であり、第2磁気検知部20−2の対称領域は第2象限の上側領域である。第3磁気検知部20−3は、これらの領域以外の領域、すなわち、第1象限の下側領域、第2象限の下側領域、第3象限の上側領域、第4象限の上側領域のいずれかに配置される。図5の第3磁気検知部20−3は、第3象限の上側領域に配置されている。
図5の例では、3つの磁気検知部20が共通の磁気収束板10に近接して配置されている。他の例では、図3Cに示した例と同様に、いずれかの磁気検知部20は、他の磁気検知部20とは異なる磁気収束板10に近接して配置されてよい。
本例の磁気センサ100においては、信号S1、信号S2に加え、第3磁気検知部20−3の抵抗値に応じた信号S3が得られる。各信号は下式であらわすことができる。
S1=R0+δR・(+α1Bx+β1By+γ1Bz)
S2=R0+δR・(+α2Bx−β2By−γ2Bz)
S3=R0+δR・(+α3Bx+β3By−γ3Bz)
これらの信号から磁場Bx、磁場By、磁場Bzを分離して検知できる。それぞれの磁気検知部20における磁場変換係数を同一とすると、S1+S2=2R0+δR・(2αBx)となる。このとき、リファレンス用の磁気素子の抵抗値を減算に用いて、S1+S2−2R0=+δR(2αBx)とし、演算後の出力にR0が含まれないようにしてもよい。また、S2−S3=δR・(−2βBy)、S1−S3=δR・(2γBz)となる。
S1=R0+δR・(+α1Bx+β1By+γ1Bz)
S2=R0+δR・(+α2Bx−β2By−γ2Bz)
S3=R0+δR・(+α3Bx+β3By−γ3Bz)
これらの信号から磁場Bx、磁場By、磁場Bzを分離して検知できる。それぞれの磁気検知部20における磁場変換係数を同一とすると、S1+S2=2R0+δR・(2αBx)となる。このとき、リファレンス用の磁気素子の抵抗値を減算に用いて、S1+S2−2R0=+δR(2αBx)とし、演算後の出力にR0が含まれないようにしてもよい。また、S2−S3=δR・(−2βBy)、S1−S3=δR・(2γBz)となる。
図6Aは、磁気検知部20の他の配置例を示す図である。本例の磁気センサ100は、第4磁気検知部20−4を更に備える。第4磁気検知部20−4を備える点以外は、図5において説明した磁気センサ100と同一である。
第4磁気検知部20−4に対しても、xy座標系を設定する。当該座標系は、第4磁気検知部20−4に最も近い磁気収束板10の重心12を通り、他の磁気検知部20と同一の向きのx軸およびy軸を有するxy座標系を設定する。第4磁気検知部20−4に対するxy座標系の原点は、第4磁気検知部20−4に最も近い磁気収束板10の重心12の位置である。
第4磁気検知部20−4は、他の磁気検知部20が配置された領域とは異なる領域であり、且つ、他の磁気検知部20の各対称領域以外の領域に配置される。図6Aの例では、第1磁気検知部20−1は第1象限の上側領域に配置され、第2磁気検知部20−2は第4象限の下側領域に配置され、第3磁気検知部20−3は第3象限の上側領域に配置されている。第1磁気検知部20−1の対称領域は第3象限の下側領域であり、第2磁気検知部20−2の対称領域は第2象限の上側領域であり、第3磁気検知部20−3の対称領域は第1象限の下側領域である。第4磁気検知部20−4は、これらの領域以外の領域、すなわち、第2象限の下側領域、または、第4象限の上側領域に配置される。
4つの磁気検知部20のうち、2つが上側領域に配置され、2つが下側領域に配置されることが好ましい。また、4つの磁気検知部20が、それぞれ異なる象限に配置されることが好ましい。これにより、磁気検知部20が配置される場所に起因する誤差成分を平均化できる。本例の第4磁気検知部20−4は、第2象限の下側領域に配置されている。
図6Aの例では、4つの磁気検知部20が共通の磁気収束板10に近接して配置されている。他の例では、図3Cに示した例と同様に、いずれかの磁気検知部20は、他の磁気検知部20とは異なる磁気収束板10に近接して配置されてよい。
本例の磁気センサ100においては、信号S1、信号S2、信号S3に加え、第4磁気検知部20−4の抵抗値に応じた信号S4が得られる。各信号は下式であらわすことができる。
S1=R0+δR・(+α1Bx+β1By+γ1Bz)
S2=R0+δR・(+α2Bx−β2By−γ2Bz)
S3=R0+δR・(+α3Bx+β3By−γ3Bz)
S4=R0+δR・(+α4Bx−β4By+γ4Bz)
これらの信号から磁場Bx、磁場By、磁場Bzを分離して検知できる。3つの信号から各磁場を検知する場合に比べて、検知する信号成分を大きくして、信号対ノイズ比を向上できる。例えば、それぞれの磁気検知部20における磁場変換係数を同一とすると、S1+S2+S3+S4=4R0+δR・(4αBx)となる。このとき、リファレンス用の磁気素子の抵抗値を減算に用いて、S1+S2−4R0=+δR(4αBx)とし、演算後の出力にR0が含まれないようにしてもよい。また、S2+S4−S3−S1=δR・(−4βBy)、S1+S4−S3−S2=δR・(4γBz)となる。
S1=R0+δR・(+α1Bx+β1By+γ1Bz)
S2=R0+δR・(+α2Bx−β2By−γ2Bz)
S3=R0+δR・(+α3Bx+β3By−γ3Bz)
S4=R0+δR・(+α4Bx−β4By+γ4Bz)
これらの信号から磁場Bx、磁場By、磁場Bzを分離して検知できる。3つの信号から各磁場を検知する場合に比べて、検知する信号成分を大きくして、信号対ノイズ比を向上できる。例えば、それぞれの磁気検知部20における磁場変換係数を同一とすると、S1+S2+S3+S4=4R0+δR・(4αBx)となる。このとき、リファレンス用の磁気素子の抵抗値を減算に用いて、S1+S2−4R0=+δR(4αBx)とし、演算後の出力にR0が含まれないようにしてもよい。また、S2+S4−S3−S1=δR・(−4βBy)、S1+S4−S3−S2=δR・(4γBz)となる。
なお、磁気センサ100は、更に多くの磁気検知部20を備えてもよい。この場合、それぞれの磁気検知部20は、異なる領域に配置されることが好ましい。磁気センサ100は、各象限の上側領域および下側領域のそれぞれに、磁気検知部20を備えてよい。
図6Bは、磁気検知部20の他の配置例を示す図である。本例の磁気センサ100は、第5磁気検知部20−5、第6磁気検知部20−6、第7磁気検知部20−7および第8磁気検知部20−8を更に備える。これらの磁気検知部20を備える点以外は、図6Aにおいて説明した磁気センサ100と同一である。
本例における8個の磁気検知部20は、それぞれ異なる領域に配置される。図6Bの例では、第5磁気検知部20−5は第4象限の上側領域に配置され、第6磁気検知部20−6は第1象限の下側領域に配置され、第7磁気検知部20−7は第2象限の上側領域に配置され、第8磁気検知部20−8は第3象限の下側領域に配置される。
本例では、同一の象限において上側領域に配置された磁気検知部20と、下側領域に配置された磁気検知部20とは、xy面において少なくとも部分的に重なって配置されている。上側領域および下側領域に配置された2つの磁気検知部20は、全体が重なって配置されてもよい。
なお、少なくとも一つの磁気検知部20は、感磁軸の方向がx軸負方向であってもよい。本例では、第5磁気検知部20−5、第6磁気検知部20−6、第7磁気検知部20−7および第8磁気検知部20−8の感磁軸の方向をx軸負方向とする。
このような配置により、8つの信号S1〜S8に基づいて、磁場Bx、磁場By、磁場Bzを分離して検知できる。信号Smは、第m磁気検知部20−mの抵抗値に応じた信号である。各信号は下式であらわすことができる。
S1=R0+δR・(+α1Bx+β1By+γ1Bz)
S2=R0+δR・(+α2Bx−β2By−γ2Bz)
S3=R0+δR・(+α3Bx+β3By−γ3Bz)
S4=R0+δR・(+α4Bx−β4By+γ4Bz)
S5=R0−δR・(+α5Bx−β5By+γ5Bz)
S6=R0−δR・(+α6Bx+β6By−γ6Bz)
S7=R0−δR・(+α7Bx−β7By−γ7Bz)
S8=R0−δR・(+α8Bx+β8By+γ8Bz)
これらの信号から磁場Bx、磁場By、磁場Bzを分離して検知できる。本例では、3つの信号または4つの信号から各磁場を検知する場合に比べて、検知する信号成分を大きくして、信号対ノイズ比を向上できる。例えば、それぞれの磁気検知部20における磁場変換係数を同一とすると、S1+S2+S3+S4−S5−S6−S7−S8=δR・(8αBx)、S1−S2+S3−S4+S5−S6+S7−S8=δR・(8βBy)、S1−S2−S3+S4−S5+S6+S7−S8=δR・(8γBz)となる。本例では、各信号を加減算することでR0の成分を相殺して、各軸の磁場を検知できるので、リファレンス用の素子を設けなくともよい。また、磁気検知部20の個数を増加させても、磁気センサ100のxy面における面積が増大しない。
S1=R0+δR・(+α1Bx+β1By+γ1Bz)
S2=R0+δR・(+α2Bx−β2By−γ2Bz)
S3=R0+δR・(+α3Bx+β3By−γ3Bz)
S4=R0+δR・(+α4Bx−β4By+γ4Bz)
S5=R0−δR・(+α5Bx−β5By+γ5Bz)
S6=R0−δR・(+α6Bx+β6By−γ6Bz)
S7=R0−δR・(+α7Bx−β7By−γ7Bz)
S8=R0−δR・(+α8Bx+β8By+γ8Bz)
これらの信号から磁場Bx、磁場By、磁場Bzを分離して検知できる。本例では、3つの信号または4つの信号から各磁場を検知する場合に比べて、検知する信号成分を大きくして、信号対ノイズ比を向上できる。例えば、それぞれの磁気検知部20における磁場変換係数を同一とすると、S1+S2+S3+S4−S5−S6−S7−S8=δR・(8αBx)、S1−S2+S3−S4+S5−S6+S7−S8=δR・(8βBy)、S1−S2−S3+S4−S5+S6+S7−S8=δR・(8γBz)となる。本例では、各信号を加減算することでR0の成分を相殺して、各軸の磁場を検知できるので、リファレンス用の素子を設けなくともよい。また、磁気検知部20の個数を増加させても、磁気センサ100のxy面における面積が増大しない。
図6Bの例では、8つの磁気検知部20が共通の磁気収束板10に近接して配置されている。他の例では、図3Cに示した例と同様に、いずれかの磁気検知部20は、他の磁気検知部20とは異なる磁気収束板10に近接して配置されてよい。
図7は、磁気検知部20の他の配置例を示す図である。本例の磁気センサ100は、4つの磁気検知部20および4つの磁気収束板10を備える。それぞれの磁気検知部20は、異なる磁気収束板10に近接して配置されている。
第1磁気収束板10−1、第3磁気収束板10−3、第2磁気収束板10−2および第4磁気収束板10−4は、この順番で、x軸方向において所定の間隔で配置されている。第1磁気収束板10−1および第3磁気収束板10−3は、重心12の位置がy軸方向に互いにずれて配置されている。第2磁気収束板10−2および第4磁気収束板10−4は、重心12の位置がy軸方向に互いにずれて配置されている。
第1磁気検知部20−1は、第1磁気収束板10−1および第3磁気収束板10−3の間において、第1磁気収束板10−1に近接して配置されている。第3磁気検知部20−3は、第1磁気収束板10−1および第3磁気収束板10−3の間において、第3磁気収束板10−3に近接して配置されている。第2磁気検知部20−2は、第2磁気収束板10−2および第4磁気収束板10−4の間において、第2磁気収束板10−2に近接して配置されている。第4磁気検知部20−4は、第2磁気収束板10−2および第4磁気収束板10−4の間において、第4磁気収束板10−4に近接して配置されている。
それぞれの磁気検知部20に対して、xy座標系を設定する。それぞれの磁気検知部20のxy座標系は、近接する磁気収束板10の重心12を原点とする。また、それぞれのxy座標系におけるx軸の方向は同一であり、それぞれのxy座標系におけるy軸の方向は同一である。
本例において、それぞれの磁気検知部20に入力される磁場Bxの向きは同一である。また、第3磁気収束板10−3に入った磁場Byは、第3磁気収束板10−3と第1磁気収束板10−1とが向かい合う領域において、第3磁気収束板10−3から第1磁気収束板10−1に向かう磁場に変換される。このため、第1磁気検知部20−1および第3磁気検知部20−3は、磁場Byが変換されたx軸方向の磁場成分を検知できる。第2磁気検知部20−2および第4磁気検知部20−4も同様である。本例においても、それぞれの磁気検知部20は、図6Aにおいて説明したように、互いに対称領域とならない領域に配置される。
図8は、図7に示した例における磁気検知部20の配置を示す図である。図8における磁気収束板10は、第1磁気検知部20−1に対しては図7における第1磁気収束板10−1が対応し、第2磁気検知部20−2に対しては図7における第2磁気収束板10−2が対応し、第3磁気検知部20−3に対しては図7における第3磁気収束板10−3が対応し、第4磁気検知部20−4に対しては図7における第4磁気収束板10−4が対応する。第1磁気検知部20−1および第3磁気検知部20−3は、上側領域および下側領域の一方の領域において、対角の象限に配置される。図8の例では、第1磁気検知部20−1は、第4象限の上側領域に配置される。第3磁気検知部20−3は、第2象限の上側領域に配置される。
第2磁気検知部20−2および第4磁気検知部20−4は、上側領域および下側領域の一方の領域において、対角の象限に配置される。第1磁気検知部20−1および第3磁気検知部20−3が上側領域に配置されている場合、第2磁気検知部20−2および第4磁気検知部20−4は下側領域に配置され、第1磁気検知部20−1および第3磁気検知部20−3が下側領域に配置されている場合、第2磁気検知部20−2および第4磁気検知部20−4は上側領域に配置される。図8の例では、第2磁気検知部20−2は、第1象限の下側領域に配置される。第4磁気検知部20−4は、第3象限の下側領域に配置される。
このような配置により、4つの信号S1、S2、S3およびS4に基づいて、磁場Bx、磁場By、磁場Bzを分離して検知できる。磁場Bzの検知方法は、図6Aの例と同様である。
図9は、磁気収束板10および磁気検知部20の配置の他の例を示す図である。本例の磁気センサ100は、4つの磁気検知部20および4つの磁気収束板10を備える。それぞれの磁気検知部20は、異なる磁気収束板10に近接して配置されている。本例の磁気収束板10は、図7に示した例に比べて、x軸方向に伸びる磁気収束板50に接続されている点で異なる。この場合、各磁気収束板10の重心12は、磁気収束板50の部分を考慮せずに設定する。磁気収束板10は、y軸方向に伸びる部分を指す。本例の磁気収束板10は、x軸方向に突出する部分(磁気収束板50)を含まない。
第3磁気収束板10−3に接続される磁気収束板50−3は、第3磁気収束板10−3と対向する第1磁気収束板10−1の方向に延伸して設けられる。当該磁気収束板50−3は、x軸負方向において、第1磁気収束板10−1を超えて、更に延伸している。第1磁気収束板10−1に接続される磁気収束板50−1は、第1磁気収束板10−1と対向する第3磁気収束板10−3の方向に延伸して設けられる。当該磁気収束板50−1は、x軸正方向において、第3磁気収束板10−3を超えて、更に延伸している。
第4磁気収束板10−4に接続される磁気収束板50−4は、第4磁気収束板10−4と対向する第2磁気収束板10−2の方向に延伸して設けられる。当該磁気収束板50−4は、x軸負方向において、第2磁気収束板10−2を超えて、更に延伸している。第2磁気収束板10−2に接続される磁気収束板50−2は、第2磁気収束板10−2と対向する第4磁気収束板10−4の方向に延伸して設けられる。当該磁気収束板50−2は、x軸正方向において、第4磁気収束板10−4を超えて、更に延伸している。磁気収束板50−4と磁気収束板50−1とはつながっていてもよい。
それぞれの磁気検知部20に対して、図7の例と同様に、xy座標系を設定する。本例の磁気検知部20は、複数の象限に跨って配置されているが、図7の例と同様に、それぞれの磁気検知部20は、全体が単一の象限内に配置されていてもよい。
図10は、図9に示した例において、磁気収束板10等によって変換された磁場Bxおよび磁場Byを模式的に示す図である。磁気収束板50−3および第3磁気収束板10−3により収束された磁場Bxは、第3磁気収束板10−3が第1磁気収束板10−1と対向する領域において、第1磁気収束板10−1に向かう成分に変換される。本例では、第1磁気検知部20−1および第3磁気検知部20−3は、x軸負方向の成分に変換された磁場Bxを検知する。
また、第1磁気収束板10−1および磁気収束板50−1により収束された磁場Byは、第1磁気収束板10−1が第3磁気収束板10−3と対向する領域において、第3磁気収束板10−3に向かう成分に変換される。本例では、第1磁気検知部20−1および第3磁気検知部20−3は、x軸正方向の成分に変換された磁場Byを検知する。
図10では、第1磁気収束板10−1および第3磁気収束板10−3における磁場の変換を説明したが、第2磁気収束板10−2および第4磁気収束板10−4においても同様である。磁気収束板50−4および第4磁気収束板10−4により収束された磁場Bxは、第4磁気収束板10−4が第2磁気収束板10−2と対向する領域において、第2磁気収束板10−2に向かう成分に変換される。本例では、第2磁気検知部20−2および第4磁気検知部20−4は、x軸負方向の成分に変換された磁場Bxを検知する。
また、第4磁気収束板10−4および磁気収束板50−4により収束された磁場Byは、第4磁気収束板10−4が第2磁気収束板10−2と対向する領域において、第2磁気収束板10−2に向かう成分に変換される。本例では、第2磁気検知部20−2および第4磁気検知部20−4は、x軸負方向の成分に変換された磁場Byを検知する。
図11は、図9に示した例における磁気検知部20の配置を示す図である。図11における磁気収束板10は、第1磁気検知部20−1に対しては図9における第1磁気収束板10−1が対応し、第2磁気検知部20−2に対しては図9における第2磁気収束板10−2が対応し、第3磁気検知部20−3に対しては図9における第3磁気収束板10−3が対応し、第4磁気検知部20−4に対しては図9における第4磁気収束板10−4が対応する。第1磁気検知部20−1および第3磁気検知部20−3は、上側領域および下側領域の一方の領域において、対角の象限に配置される。図11の例では、第1磁気検知部20−1は、第1象限の上側領域に配置される。第3磁気検知部20−3は、第3象限の上側領域に配置される。
第2磁気検知部20−2および第4磁気検知部20−4は、上側領域および下側領域の一方の領域において、対角の象限に配置される。第1磁気検知部20−1および第3磁気検知部20−3が上側領域に配置されている場合、第2磁気検知部20−2および第4磁気検知部20−4は下側領域に配置され、第1磁気検知部20−1および第3磁気検知部20−3が下側領域に配置されている場合、第2磁気検知部20−2および第4磁気検知部20−4は上側領域に配置される。図11の例では、第2磁気検知部20−2は、第4象限の下側領域に配置される。第4磁気検知部20−4は、第2象限の下側領域に配置される。
このような配置により、4つの信号S1、S2、S3およびS4に基づいて、磁場Bx、磁場By、磁場Bzを分離して検知できる。磁場Bzの検知方法は、図6Aの例と同様である。
図12は、磁気収束板10および磁気検知部20の配置の他の例を示す図である。本例の磁気センサ100は、8つの磁気検知部20および6つの磁気収束板10を備える。第1磁気収束板10−1、第2磁気収束板10−2、第3磁気収束板10−3、第4磁気収束板10−4、第5磁気収束板10−5、および、第6磁気収束板10−6が、この順番で、x軸方向において所定の間隔で配置されている。第1磁気収束板10−1、第3磁気収束板10−3、第4磁気収束板10−4、および、第6磁気収束板10−6は、y軸方向における位置が互いに同一である。第2磁気収束板10−2および第5磁気収束板10−5は、y軸方向における位置が互いに同一であり、且つ、第1磁気収束板10−1等の他の磁気収束板10とはy軸方向における位置が異なる。
第1磁気収束板10−1および第3磁気収束板10−3の端部は、x軸方向に長手を有する磁気収束板50により接続されている。第2磁気収束板10−2および第5磁気収束板10−5の端部は、x軸方向に長手を有する磁気収束板50により接続されている。第4磁気収束板10−4および第6磁気収束板10−6の端部は、x軸方向に長手を有する磁気収束板50により接続されている。
第1磁気検知部20−1は、第1磁気収束板10−1および第2磁気収束板10−2の間において、第1磁気収束板10−1に近接して配置されている。第3磁気検知部20−3は、第1磁気収束板10−1および第2磁気収束板10−2の間において、第2磁気収束板10−2に近接して配置されている。
第2磁気検知部20−2は、第2磁気収束板10−2および第3磁気収束板10−3の間において、第2磁気収束板10−2に近接して配置されている。第4磁気検知部20−4は、第2磁気収束板10−2および第3磁気収束板10−3の間において、第3磁気収束板10−3に近接して配置されている。
第5磁気検知部20−5は、第4磁気収束板10−4および第5磁気収束板10−5の間において、第4磁気収束板10−4に近接して配置されている。第7磁気検知部20−7は、第4磁気収束板10−4および第5磁気収束板10−5の間において、第5磁気収束板10−5に近接して配置されている。
第6磁気検知部20−6は、第5磁気収束板10−5および第6磁気収束板10−6の間において、第5磁気収束板10−5に近接して配置されている。第8磁気検知部20−8は、第5磁気収束板10−5および第6磁気収束板10−6の間において、第6磁気収束板10−6に近接して配置されている。
それぞれの磁気検知部20に対して、図7の例と同様に、xy座標系を設定する。本例の磁気検知部20は、複数の象限に跨って配置されているが、図7の例と同様に、それぞれの磁気検知部20は、全体が単一の象限内に配置されていてもよい。
図13は、図12に示した例において、磁気収束板10等によって変換された磁場Bxを模式的に示す図である。第1磁気検知部20−1および第3磁気検知部20−3は、第1磁気収束板10−1から第2磁気収束板10−2に向かう、x軸正方向の磁場Bxを検知する。第2磁気検知部20−2および第4磁気検知部20−4は、第3磁気収束板10−3から第2磁気収束板10−2に向かう、x軸負方向の磁場に変換された磁場Bxを検知する。
第5磁気検知部20−5および第7磁気検知部20−7は、第5磁気収束板10−5から第4磁気収束板10−4に向かう、x軸負方向の磁場に変換された磁場Bxを検知する。第6磁気検知部20−6および第8磁気検知部20−8は、第5磁気収束板10−5から第6磁気収束板10−6に向かう、x軸正方向の磁場Bxを検知する。
図14は、図12に示した例において、磁気収束板10等によって変換された磁場Byを模式的に示す図である。第1磁気検知部20−1および第3磁気検知部20−3は、第2磁気収束板10−2から第1磁気収束板10−1に向かう、x軸負方向の磁場に変換された磁場Byを検知する。第2磁気検知部20−2および第4磁気検知部20−4は、第2磁気収束板10−2から第3磁気収束板10−3に向かう、x軸正方向の磁場に変換された磁場Byを検知する。
第5磁気検知部20−5および第7磁気検知部20−7は、第5磁気収束板10−5から第4磁気収束板10−4に向かう、x軸負方向の磁場に変換された磁場Byを検知する。第6磁気検知部20−6および第8磁気検知部20−8は、第5磁気収束板10−5から第6磁気収束板10−6に向かう、x軸正方向の磁場に変換された磁場Byを検知する。
図15は、図12に示した例における磁気検知部20の配置を示す図である。図15における磁気収束板10は、第1磁気検知部20−1に対しては図12における第1磁気収束板10−1が対応し、第2磁気検知部20−2に対しては図12における第2磁気収束板10−2が対応し、第3磁気検知部20−3に対しては図12における第2磁気収束板10−2が対応し、第4磁気検知部20−4に対しては図12における第3磁気収束板10−3が対応し、第5磁気検知部20−5に対しては図12における第4磁気収束板10−4が対応し、第6磁気検知部20−6に対しては図12における第5磁気収束板10−5が対応し、第7磁気検知部20−7に対しては図12における第5磁気収束板10−5が対応し、第8磁気検知部20−8に対しては図12における第6磁気収束板10−6が対応する。なお、図12の例では、それぞれの磁気検知部20は、複数の象限に跨って配置されているが、図15では、それぞれの磁気検知部20は単一の象限に配置されている。第1磁気検知部20−1および第3磁気検知部20−3は、上側領域および下側領域の一方の領域において、対角の象限に配置される。図15の例では、第1磁気検知部20−1は、第4象限の上側領域に配置される。第3磁気検知部20−3は、第2象限の上側領域に配置される。
第2磁気検知部20−2および第4磁気検知部20−4は、上側領域および下側領域の一方の領域において、対角の象限に配置される。第1磁気検知部20−1および第3磁気検知部20−3が上側領域に配置されている場合、第2磁気検知部20−2および第4磁気検知部20−4は下側領域に配置され、第1磁気検知部20−1および第3磁気検知部20−3が下側領域に配置されている場合、第2磁気検知部20−2および第4磁気検知部20−4は上側領域に配置される。図15の例では、第2磁気検知部20−2は、第1象限の下側領域に配置される。第4磁気検知部20−4は、第3象限の下側領域に配置される。
第5磁気検知部20−5および第7磁気検知部20−7は、上側領域および下側領域の一方の領域において、対角の象限に配置される。図15の例では、第5磁気検知部20−5は、第4象限の下側領域に配置される。第7磁気検知部20−7は、第2象限の下側領域に配置される。
第6磁気検知部20−6および第8磁気検知部20−8は、上側領域および下側領域の一方の領域において、対角の象限に配置される。第5磁気検知部20−5および第7磁気検知部20−7が上側領域に配置されている場合、第6磁気検知部20−6および第8磁気検知部20−8は下側領域に配置され、第5磁気検知部20−5および第7磁気検知部20−7が下側領域に配置されている場合、第6磁気検知部20−6および第8磁気検知部20−8は上側領域に配置される。図15の例では、第6磁気検知部20−6は、第1象限の上側領域に配置される。第8磁気検知部20−8は、第3象限の上側領域に配置される。つまり、本例の8つの磁気検知部20は、それぞれ異なる領域に配置されている。
このような配置により、8つの信号S1〜S8に基づいて、磁場Bx、磁場By、磁場Bzを分離して検知できる。各信号は下式であらわすことができる。
S1=R0+δR・(+α1Bx−β1By+γ1Bz)
S2=R0+δR・(−α2Bx+β2By−γ2Bz)
S3=R0+δR・(+α3Bx−β3By−γ3Bz)
S4=R0+δR・(−α4Bx+β4By+γ4Bz)
S5=R0+δR・(−α5Bx−β5By−γ5Bz)
S6=R0+δR・(+α6Bx+β6By+γ6Bz)
S7=R0+δR・(−α7Bx−β7By+γ7Bz)
S8=R0+δR・(+α8Bx+β8By−γ8Bz)
これらの信号から磁場Bx、磁場By、磁場Bzを分離して検知できる。本例では、3つの信号または4つの信号から各磁場を検知する場合に比べて、検知する信号成分を大きくして、信号対ノイズ比を向上できる。例えば、それぞれの磁気検知部20における磁場変換係数を同一とすると、S1−S2+S3−S4−S5+S6−S7+S8=δR・(8αBx)、−S1+S2−S3+S4−S5+S6−S7+S8=δR・(8βBy)、S1−S2−S3+S4−S5+S6+S7−S8=δR・(8γBz)となる。本例では、各信号を加減算することでR0の成分を相殺して、各軸の磁場を検知できるので、リファレンス用の素子を設けなくともよい。
S1=R0+δR・(+α1Bx−β1By+γ1Bz)
S2=R0+δR・(−α2Bx+β2By−γ2Bz)
S3=R0+δR・(+α3Bx−β3By−γ3Bz)
S4=R0+δR・(−α4Bx+β4By+γ4Bz)
S5=R0+δR・(−α5Bx−β5By−γ5Bz)
S6=R0+δR・(+α6Bx+β6By+γ6Bz)
S7=R0+δR・(−α7Bx−β7By+γ7Bz)
S8=R0+δR・(+α8Bx+β8By−γ8Bz)
これらの信号から磁場Bx、磁場By、磁場Bzを分離して検知できる。本例では、3つの信号または4つの信号から各磁場を検知する場合に比べて、検知する信号成分を大きくして、信号対ノイズ比を向上できる。例えば、それぞれの磁気検知部20における磁場変換係数を同一とすると、S1−S2+S3−S4−S5+S6−S7+S8=δR・(8αBx)、−S1+S2−S3+S4−S5+S6−S7+S8=δR・(8βBy)、S1−S2−S3+S4−S5+S6+S7−S8=δR・(8γBz)となる。本例では、各信号を加減算することでR0の成分を相殺して、各軸の磁場を検知できるので、リファレンス用の素子を設けなくともよい。
磁気センサ100は、図12に示したいずれかの磁気検知部20に対して、重なるように配置された磁気検知部20を更に備えてもよい。例えば磁気センサ100は、図12に示したそれぞれの磁気検知部20に対して、上側領域および下側領域について逆側の領域に配置した磁気検知部20を備えてよい。この場合、磁気センサ100は16個の磁気検知部20を備える。本例では、磁気検知部20の個数を増やして磁場に対する感度を向上させても、xy面における磁気センサ100の面積の増大を抑制できる。
なお、磁気検知部20が偶数個である場合、上側領域に配置された磁気検知部20の個数と、下側領域に配置された磁気検知部20の個数は同一であることが好ましい。磁気検知部20が奇数個である場合、上側領域に配置された磁気検知部20の個数と、下側領域に配置された磁気検知部20の個数の差は一個であることが好ましい。
図16は、磁気収束板10および磁気検知部20の配置の他の例を示す図である。本例における第3磁気収束板10−3は、磁気収束板50を介して外側磁気収束板11と接続されている。外側磁気収束板11と、第1磁気検知部20−1との間に、第1磁気収束板10−1が配置されている。本例の第1磁気収束板10−1は、他の磁気収束板10とは接続されていない。
本例における第4磁気収束板10−4は、磁気収束板50を介して外側磁気収束板11と接続されている。外側磁気収束板11と、第8磁気検知部20−8との間に、第6磁気収束板10−6が配置されている。本例の第6磁気収束板10−6は、他の磁気収束板10とは接続されていない。他の構造は、図12に示した磁気センサ100と同一である。
本例の磁気センサ100によれば、第1磁気収束板10−1および第6磁気収束板10−6を、他の磁気収束板10とは独立に配置している。このため、第1磁気収束板10−1および第6磁気収束板10−6の位置および長さを容易に調整できる。これにより、それぞれの磁気検知部20における磁場変換係数を均一にできる。例えば、第1磁気収束板10−1と第1磁気検知部20−1との距離を調整することで、第1磁気検知部20−1における磁場変換係数を調整できる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10・・・磁気収束板、11・・・外側磁気収束板、12・・・重心、14・・・中心平行線、16・・・上端線、18・・・下端線、20・・・磁気検知部、22・・・感磁面、24・・・重心、26・・・支持層、28・・・ピニング層、30・・・固定層、32・・・伝導層、34・・・フリー層、50・・・磁気収束板、100・・・磁気センサ
Claims (9)
- 磁気収束板と、
それぞれ磁気を検知する感磁面を有する第1磁気検知部および第2磁気検知部と
を備え、
前記第1磁気検知部の感磁面と垂直な面において、前記磁気収束板の断面の重心を通り前記第1磁気検知部の感磁面と平行な中心平行線よりも上側の上側領域に前記第1磁気検知部の感磁面が配置されており、前記中心平行線よりも下側の下側領域に前記第2磁気検知部の感磁面が配置されている
磁気センサ。 - 前記第1磁気検知部の感磁面と前記中心平行線との距離が、前記第2磁気検知部の感磁面と前記中心平行線との距離と等しい
請求項1に記載の磁気センサ。 - 前記第1磁気検知部の感磁面と垂直な面において、前記磁気収束板の上端を通り前記第1磁気検知部の感磁面と平行な上端線よりも上側の領域に前記第1磁気検知部の感磁面が配置されており、前記磁気収束板の下端を通り前記第2磁気検知部の感磁面と平行な下端線よりも下側の領域に前記第2磁気検知部の感磁面が配置されている
請求項1または2に記載の磁気センサ。 - 前記第1磁気検知部の感磁面と平行な面において、前記第1磁気検知部に最も近い前記磁気収束板の重心を通り且つ前記第1磁気検知部の感磁軸と垂直な軸をy軸とし、前記磁気収束板の重心を通り且つ前記第1磁気検知部の感磁軸と平行な軸をx軸とし、
前記第2磁気検知部に最も近い前記磁気収束板の重心を通る軸を前記x軸および前記y軸とし、
それぞれの磁気検知部に対する座標系において、前記x軸および前記y軸により分割される4つの領域を、前記x軸および前記y軸が共に正の領域を第1象限、前記x軸が負、前記y軸が正の領域を第2象限、前記x軸および前記y軸が共に負の領域を第3象限、前記x軸が正、前記y軸が負の領域を第4象限とし、
前記第1磁気検知部の感磁面の重心は、いずれかの象限に配置されており、
前記第2磁気検知部の感磁面の重心は、前記第1磁気検知部が配置された象限と非対角の象限に配置されており、
前記第1磁気検知部の感磁面の重心は、前記上側領域および前記下側領域の一方に配置され、前記第2磁気検知部の感磁面の重心は、前記上側領域および前記下側領域の他方に配置されている
請求項1から3のいずれか一項に記載の磁気センサ。 - 磁気を検知する感磁面を有する第3磁気検知部を更に備え、
前記第3磁気検知部に最も近い前記磁気収束板の重心を通る軸を前記x軸および前記y軸とし、
それぞれの象限の前記上側領域および前記下側領域の一方の領域に対して、当該象限と対角の象限の前記上側領域および前記下側領域の他方の領域を、対称領域とした場合に、前記第3磁気検知部は、前記第1磁気検知部の対称領域以外の領域であって、且つ、前記第2磁気検知部の対称領域以外の領域に配置されている
請求項4に記載の磁気センサ。 - 前記第1磁気検知部、前記第2磁気検知部および前記第3磁気検知部のいずれに対しても前記対称領域以外の領域に配置されており、磁気を検知する感磁面を有する第4磁気検知部を更に備え、
前記第1から第4磁気検知部のうち、2個が前記上側領域に配置されており、他の2個が前記下側領域に配置されている
請求項5に記載の磁気センサ。 - 前記第1から第4磁気検知部は、それぞれ異なる象限に配置されている
請求項6に記載の磁気センサ。 - 前記磁気検知部のうちの少なくとも2つは、前記上側領域および前記下側領域に配置されており、且つ、当該2つの前記磁気検知部は上面視において少なくとも部分的に重なって配置されている
請求項1から7のいずれか一項に記載の磁気センサ。 - 前記x軸および前記y軸の双方に垂直な軸をz軸とした場合に、それぞれの磁気検知部の感磁面の重心は、前記x軸、前記y軸および前記z軸のいずれの軸上にも配置されていない
請求項4から7のいずれか一項に記載の磁気センサ。
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