JP2018169094A - 巡回経路設定装置、巡回経路設定方法及び巡回経路設定プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
この技術を利用すれば、巡回領域における捕捉対象の出現頻度分布を把握し、より効率的な巡回を行うことができる。
このような場合には、上記特許文献1に記載のような捕捉対象の出現頻度(存在確率)分布を、好適に生成し、かつ利用することが困難になる。
つまり、存在確率分布の生成と利用とは、従来のように単純にこれを行おうとしたのでは、互いに相反してしまい、効率的な巡回を実現させることができない。
前記巡回領域を含む地図情報を水平面内で複数のセルに分割するセル分割手段と、
前記複数のセルの各々に対し、当該セルにおける前記捕捉対象の存在確率の確率分布を設定する確率分布設定手段と、
乱数を生成する乱数生成手段と、
前記複数のセルに設定された前記確率分布に基づいて、当該複数のセルのうち、前記乱数生成手段に生成された乱数に対応する前記存在確率が最大となるセルを目的地に設定する目的地設定手段と、
前記移動体の現在地から前記目的地までの移動経路を設定する経路設定手段と、
前記移動体に搭載され、当該移動体周辺における前記捕捉対象の存否情報を取得する情報取得手段と、
前記経路設定手段により設定された移動経路に沿って前記移動体が移動しているときに前記情報取得手段が取得した前記捕捉対象の存否情報に基づいて、前記セルに設定された前記捕捉対象の存在確率の確率分布を更新する確率分布更新手段と、
を備えることを特徴とする。
前記確率分布設定手段は、前記複数のセルの各々に対し、前記確率分布として、当該セルにおける前記捕捉対象の存在確率を確率変数とする確率密度関数を設定し、
前記目的地設定手段は、前記複数のセルのうち、当該セルの確率密度関数を積分した累積分布関数の逆関数において、前記乱数生成手段に生成された乱数に対応する前記存在確率が最大となるセルを、目的地に設定することを特徴とする。
前記目的地設定手段による、前記捕捉対象の存在確率の確率分布に基づく前記目的地の設定と、
前記経路設定手段による当該目的地までの移動経路の設定と、
当該移動経路に沿った前記移動体の移動中における、前記情報取得手段による前記捕捉対象の存否情報の取得と、
前記確率分布更新手段による、当該取得された前記捕捉対象の存否情報に基づく前記捕捉対象の存在確率の確率分布の更新と、
をこの順に繰り返すことを特徴とする。
前記経路設定手段は、
前記移動体の現在地を始点とする単位時間当たりの複数の単位時間経路を設定する単位経路設定手段と、
前記複数の単位時間経路の各々について、巡回経路としての適性に関する評価値を算出する評価値算出手段と、
前記複数の単位時間経路のうち、前記評価値が最も高い一の単位時間経路を選択し、当該一の単位時間経路の先端に前記現在地を移動させる経路選択手段と、
を有し、
前記単位経路設定手段による前記複数の単位時間経路の設定と、前記評価値算出手段による前記評価値の算出と、前記経路選択手段による前記一の単位時間経路の選択及び前記現在地の移動とを、当該現在地が前記目的地に到達するまでこの順に繰り返すことを特徴とする。
前記単位経路設定手段は、前記移動体の移動性能に基づいて前記複数の単位時間経路を設定することを特徴とする。
前記評価値算出手段は、前記複数の単位時間経路の各々について、当該単位時間経路の先端の地点での前記捕捉対象の存在確率と、当該単位時間経路の先端の地点から前記目的地までの残距離と、当該単位時間経路を移動したときの前記移動体の燃料消費量とに基づいて、前記評価値を算出することを特徴とする。
前記移動体が航空機であることを特徴とする。
そして、存在確率の高いセルへの選択の偏りが抑制された目的地への移動によって、より巡回領域全体が巡回されるようになり、その際に取得した捕捉対象の存否情報が存在確率の確率分布に好適に反映される。
これにより、捕捉対象の存在確率分布を好適に利用して存在確率の高い地点が巡回されやすくするとともに、より巡回領域全体が巡回されるようにして、より高精度な存在確率分布を好適に生成することができる。したがって、捕捉対象の存在確率分布の生成とその利用とを好適に両立させて、効率的な巡回を実現させることができる。
これにより、捕捉対象の最新の出現状況を学習させ、当該捕捉対象の存否に関する予測精度を向上させて、好適な目的地及びその移動経路の設定を行うことができる。
これにより、捕捉対象の存在確率、目的地までの残距離及び燃料消費量が考慮された好適な移動経路を設定することができる。
まず、本実施形態における航空機1の構成について、図1〜図3を参照して説明する。
図1は、航空機1による海洋パトロールの概念図であり、図2は、航空機1の機能構成を示すブロック図であり、図3は、後述する存在確率マップMの一例を示す図である。
具体的には、図2に示すように、航空機1は、当該航空機1を飛行させるための飛行機構11のほか、探知センサ13と、位置センサ14と、記憶部16と、制御部18とを備えて構成されている。
巡回経路設定プログラム160は、後述の巡回経路設定処理を制御部18に実行させるためのプログラムである。
地図データ161は、海や河川などの地形情報に加え、道路や鉄道,建造物,田畑,緊要地などの土地の利用状態に関する情報も含めた総合的な地理情報を有するものである。ただし、地図データ161は、少なくとも航空機1の巡回領域PAを含むものであればよい。
存在確率マップMは、図3に示すように、巡回領域PAにおける船舶Wの存在確率分布を表すものであり、巡回領域PAを分割した複数のセルCの各々に、当該セルCにおける船舶Wの存在確率に関する確率密度関数(確率分布)が設定されたものである。この存在確率マップMは、後述の巡回経路設定処理において生成及び更新される。
なお、図3では、分かりやすさのために、各セルCでの船舶Wの存在確率として、当該セルの確率分布における期待値を示している。
続いて、巡回経路設定処理を実行する際の航空機1の動作について説明する。
図4は、巡回経路設定処理の流れを示すフローチャートであり、図5は、巡回経路設定処理のうち後述の目的地設定処理の流れを示すフローチャートであり、図6(a),(b)は、存在確率マップMの各セルCに設定される確率密度関数f(X)の例を示す図であり、図7(a),(b)は、図6(a),(b)の確率密度関数f(X)を積分した累積分布関数F(X)を示す図である。
また、図8は、巡回経路設定処理のうち後述の移動経路設定処理の流れを示すフローチャートであり、図9は、移動経路設定処理における単位時間経路Ruを示す図であり、図10は、移動経路設定処理における移動経路Rの設定を説明するための図である。
なお、ここでは、航空機1が巡回領域PA内を飛行中であるものとする。
効率的なパトロールを行うためには、高精度な存在確率マップMを利用し、船舶Wの存在確率が高い地点を重点的に巡回することが求められる。他方、高精度な存在確率マップMを生成するためには、その存在確率の高低に関わらず巡回領域PA全体を巡回する必要がある。
そこで、本実施形態では、この相反する存在確率マップMの利用と生成とを、乱数と確率分布を用いたトンプソンサンプリングによって目的地を設定することで両立させ、効率的なパトロールを実現している。
ここで、確率密度関数f(X)は、例えば図6(a),(b)に示すように、船舶Wの存在確率Xを確率変数(連続確率変数)としてその確率密度(存在確率Xがその値となる確からしさ)を記述する関数である。
具体的に、制御部18は、まず乱数(疑似乱数を含む)を生成する。それから、制御部18は、存在確率マップMの各セルCについて、当該セルCの累積分布関数F(X)の逆関数において、累積(累積分布関数F(X))がこの乱数値となる存在確率Xを算出する。そして、制御部18は、全セルCのうち、算出した存在確率Xが最大となるセルCを、目的地として設定する。
例えば図7に示すように、(a),(b)の2つの累積分布関数F(X)を有する2つのセルCがある場合、乱数値1に対しては、これに対応する存在確率Xが最大となる(a)のセルCが目的地とされる。一方、乱数値2に対しては、これに対応する存在確率Xが最大となる(b)のセルCが目的地とされる。
この移動経路設定処理では、航空機1の機体性能や船舶Wの存在確率Xを考慮した経路探索が行われる。
本実施形態では、図9に示すように、単位時間経路Ruとして、左右各60deg旋回飛行、左右各30deg旋回飛行、直線飛行を、自機位置Pから各々1分間行ったときの5つの経路が設定される。ここで、「自機位置P」とは、移動経路設定処理上での航空機1の位置であり、当該処理の最初の時点では現在地Pcである(図10参照)。
なお、単位時間経路Ruにおける旋回飛行のバンク角や時間などの数値は、航空機1の機体性能(機体規模や運動特性等)に基づいて適宜設定される。また、このステップで設定する単位時間経路Ruの数量は特に限定されない。
具体的に、この評価値は、各単位時間経路Ruにおける、移動先(当該単位時間経路Ruの先端)のセルCでの船舶の存在確率(期待値)と、移動先の地点から目的地Pdまでの残距離と、航空機1の燃料消費量とを、適宜重み付けして合算した値である。移動先のセルCの存在確率は高いほど、残距離及び燃料消費量はそれぞれ少ないほど、評価値が高くなる。
なお、この評価値には、少なくとも上述の3項目(船舶Wの存在確率、残距離、燃料消費量)が含まれていればよく、例えばさらに、移動先の地点における外囲環境(天候や他機の存在等)の定量化値などを含めてもよい。
一方、このステップS24において、自機位置Pが目的地Pdに到達していないと判定した場合には(ステップS24;No)、制御部18は、上述のステップS21へ処理を移行する。そして、ステップS24で自機位置Pが目的地Pdに到達したと判定されるまで、ステップS21〜S23が繰り返される。
こうして、図10に示すように、現在地Pcから目的地Pdまでの航空機1の移動経路Rが、各自機位置Pにおける最も評価値の高い単位時間経路Ruを連ねたものとして探索・設定される。
このとき、制御部18は、移動経路Rに沿った飛行中において、探知センサ13による船舶Wの探知を随時行い、その探知結果(船舶Wの存否情報)を記憶部16に記憶させておく(ステップS4)。
こうして、更新された確率密度関数f(X)は分散が減って期待値をとる確度が高まり(図6(a),(b)参照)、存在確率マップMの精度が向上する。
こうして、目的地Pd及びそこまでの移動経路Rの設定と、当該移動経路Rに沿った飛行と、この飛行中における船舶Wの存否情報の取得と、当該取得された存否情報に基づく存在確率マップMの更新とが、順次繰り返される。
一方、ステップS7において、例えば所定の巡回時間が経過するなどして巡回経路設定処理を終了させると判定した場合には(ステップS7;Yes)、制御部18は、巡回経路設定処理を終了させる。
以上のように、本実施形態によれば、船舶Wの存在確率Xの確率分布に基づく目的地設定により、船舶Wの存在確率Xの高いセルCが目的地Pdとして選択されやすいものの、その選択パラメータに乱数を用いることで、存在確率Xの高いセルCばかりが選択されてしまう目的地Pd選択の偏りが抑制される。
そして、存在確率Xの高いセルCへの選択の偏りが抑制された目的地Pdへの移動によって、より巡回領域PA全体が巡回されるようになり、その際に取得した船舶Wの存否情報が存在確率Xの確率分布(確率密度関数f(X))に好適に反映される。
これにより、船舶Wの存在確率マップMを好適に利用して存在確率Xの高い地点が巡回されやすくするとともに、より巡回領域PA全体が巡回されるようにして、より高精度な存在確率マップMを好適に生成することができる。したがって、船舶Wの存在確率マップMの生成とその利用とを好適に両立させて、効率的な巡回を実現させることができる。
これにより、船舶Wの最新の出現状況を学習させ、当該船舶Wの存否に関する予測精度を向上させて、好適な目的地Pd及びその移動経路Rの設定を行うことができる。
これにより、船舶Wの存在確率X、目的地Pdまでの残距離及び燃料消費量が考慮された好適な移動経路Rを設定することができる。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
13 探知センサ
16 記憶部
160 巡回経路設定プログラム
161 地図データ
162 存在確率マップ記憶領域
18 制御部
X 船舶の存在確率
f(X) 確率密度関数
F(X) 累積分布関数
M 存在確率マップ
P 自機位置
Pc 現在地
Pd 目的地
PA 巡回領域
R 移動経路
Ru 単位時間経路
W 船舶
Claims (9)
- 所定の巡回領域内を巡回して捕捉対象を捉える移動体の移動経路を設定する巡回経路設定装置であって、
前記巡回領域を含む地図情報を水平面内で複数のセルに分割するセル分割手段と、
前記複数のセルの各々に対し、当該セルにおける前記捕捉対象の存在確率の確率分布を設定する確率分布設定手段と、
乱数を生成する乱数生成手段と、
前記複数のセルに設定された前記確率分布に基づいて、当該複数のセルのうち、前記乱数生成手段に生成された乱数に対応する前記存在確率が最大となるセルを目的地に設定する目的地設定手段と、
前記移動体の現在地から前記目的地までの移動経路を設定する経路設定手段と、
前記移動体に搭載され、当該移動体周辺における前記捕捉対象の存否情報を取得する情報取得手段と、
前記経路設定手段により設定された移動経路に沿って前記移動体が移動しているときに前記情報取得手段が取得した前記捕捉対象の存否情報に基づいて、前記セルに設定された前記捕捉対象の存在確率の確率分布を更新する確率分布更新手段と、
を備えることを特徴とする巡回経路設定装置。 - 前記確率分布設定手段は、前記複数のセルの各々に対し、前記確率分布として、当該セルにおける前記捕捉対象の存在確率を確率変数とする確率密度関数を設定し、
前記目的地設定手段は、前記複数のセルのうち、当該セルの確率密度関数を積分した累積分布関数の逆関数において、前記乱数生成手段に生成された乱数に対応する前記存在確率が最大となるセルを、目的地に設定することを特徴とする請求項1に記載の巡回経路設定装置。 - 前記目的地設定手段による、前記捕捉対象の存在確率の確率分布に基づく前記目的地の設定と、
前記経路設定手段による当該目的地までの移動経路の設定と、
当該移動経路に沿った前記移動体の移動中における、前記情報取得手段による前記捕捉対象の存否情報の取得と、
前記確率分布更新手段による、当該取得された前記捕捉対象の存否情報に基づく前記捕捉対象の存在確率の確率分布の更新と、
をこの順に繰り返すことを特徴とする請求項1又は2に記載の巡回経路設定装置。 - 前記経路設定手段は、
前記移動体の現在地を始点とする単位時間当たりの複数の単位時間経路を設定する単位経路設定手段と、
前記複数の単位時間経路の各々について、巡回経路としての適性に関する評価値を算出する評価値算出手段と、
前記複数の単位時間経路のうち、前記評価値が最も高い一の単位時間経路を選択し、当該一の単位時間経路の先端に前記現在地を移動させる経路選択手段と、
を有し、
前記単位経路設定手段による前記複数の単位時間経路の設定と、前記評価値算出手段による前記評価値の算出と、前記経路選択手段による前記一の単位時間経路の選択及び前記現在地の移動とを、当該現在地が前記目的地に到達するまでこの順に繰り返すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の巡回経路設定装置。 - 前記単位経路設定手段は、前記移動体の移動性能に基づいて前記複数の単位時間経路を設定することを特徴とする請求項4に記載の巡回経路設定装置。
- 前記評価値算出手段は、前記複数の単位時間経路の各々について、当該単位時間経路の先端の地点での前記捕捉対象の存在確率と、当該単位時間経路の先端の地点から前記目的地までの残距離と、当該単位時間経路を移動したときの前記移動体の燃料消費量とに基づいて、前記評価値を算出することを特徴とする請求項4又は5に記載の巡回経路設定装置。
- 前記移動体が航空機であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の巡回経路設定装置。
- 所定の巡回領域内を巡回して捕捉対象を捉える移動体の移動経路を設定する巡回経路設定方法であって、
前記移動体に搭載され、当該移動体周辺における前記捕捉対象の存否情報を取得する情報取得手段を備える巡回経路設定装置が、
前記巡回領域を含む地図情報を水平面内で複数のセルに分割するセル分割工程と、
前記複数のセルの各々に対し、当該セルにおける前記捕捉対象の存在確率の確率分布を設定する確率分布設定工程と、
乱数を生成する乱数生成工程と、
前記複数のセルに設定された前記確率分布に基づいて、当該複数のセルのうち、前記乱数生成工程で生成された乱数に対応する前記存在確率が最大となるセルを目的地に設定する目的地設定工程と、
前記移動体の現在地から前記目的地までの移動経路を設定する経路設定工程と、
前記経路設定工程で設定された移動経路に沿って前記移動体が移動しているときに前記情報取得手段が取得した前記捕捉対象の存否情報に基づいて、前記セルに設定された前記捕捉対象の存在確率の確率分布を更新する確率分布更新工程と、
を実行することを特徴とする巡回経路設定方法。 - 所定の巡回領域内を巡回して捕捉対象を捉える移動体の移動経路を設定する巡回経路設定プログラムであって、
前記移動体に搭載され、当該移動体周辺における前記捕捉対象の存否情報を取得する情報取得手段を備える巡回経路設定装置を、
前記巡回領域を含む地図情報を水平面内で複数のセルに分割するセル分割手段、
前記複数のセルの各々に対し、当該セルにおける前記捕捉対象の存在確率の確率分布を設定する確率分布設定手段、
乱数を生成する乱数生成手段、
前記複数のセルに設定された前記確率分布に基づいて、当該複数のセルのうち、前記乱数生成手段に生成された乱数に対応する前記存在確率が最大となるセルを目的地に設定する目的地設定手段、
前記移動体の現在地から前記目的地までの移動経路を設定する経路設定手段、
前記経路設定手段により設定された移動経路に沿って前記移動体が移動しているときに前記情報取得手段が取得した前記捕捉対象の存否情報に基づいて、前記セルに設定された前記捕捉対象の存在確率の確率分布を更新する確率分布更新手段、
として機能させることを特徴とする巡回経路設定プログラム。
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