JP2018163949A - 半導体装置、及び半導体装置の作製方法 - Google Patents

半導体装置、及び半導体装置の作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電気特性の良好な半導体装置を提供する。生産性の高い半導体装置の作製方法を提供する。【解決手段】半導体装置は、半導体層、第1の絶縁層、第2の絶縁層、第1の導電層、及び第1の酸化物層を有する。第1の絶縁層及び第1の導電層は、半導体層上にこの順で積層して設けられ、且つ、それぞれ上面形状が概略一致する。第1の酸化物層は、半導体層、第1の絶縁層、及び第1の導電層を覆って設けられ、且つ、半導体層の第1の導電層と重ならない一部と接する。第2の絶縁層は、第1の酸化物層を覆って設けられる。半導体層は、インジウム、ガリウム、亜鉛、及び酸素を含む。第1の導電層は、金属または合金を含む。第1の絶縁層は、酸素を含む。第1の酸化物層は、アルミニウムまたはハフニウムと、酸素と、を含む。第2の絶縁層は、水素と、窒素と、を含む。第1の酸化物層は、第2の絶縁層よりも厚さが薄い。【選択図】図1

Description

本発明の一態様は、半導体装置、及びその作製方法に関する。特に、本発明の一態様は、酸化物半導体膜を有する半導体装置、及びその作製方法に関する。
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、電子機器、照明装置、入力装置、入出力装置、それらの駆動方法、又はそれらの製造方法、を一例として挙げることができる。
なお、本明細書等において、半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。トランジスタ、半導体回路、演算装置、記憶装置等は半導体装置の一態様である。また、撮像装置、電気光学装置、発電装置(薄膜太陽電池、有機薄膜太陽電池等を含む)、及び電子機器は半導体装置を有している場合がある。
トランジスタに適用可能な半導体材料として、酸化物半導体が注目されている。例えば、特許文献1では、複数の酸化物半導体層を積層し、当該複数の酸化物半導体層の中で、チャネルとなる酸化物半導体層がインジウム及びガリウムを含み、且つインジウムの割合をガリウムの割合よりも大きくすることで、電界効果移動度(単に移動度、またはμFEという場合がある)を高めた半導体装置が開示されている。
特開2014−7399号公報
本発明の一態様は、電気特性の良好な半導体装置を提供することを課題の一とする。または、電気特性の安定した半導体装置を提供することを課題の一とする。または、生産性の高い半導体装置の作製方法を提供することを課題の一とする。または、半導体装置の作製工程の低温化を課題の一とする。または、歩留りの高い半導体装置の作製方法を提供することを課題の一とする。または、フレキシブルな基板を用いた半導体装置を提供することを課題の一とする。
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。また、上記以外の課題は、明細書等の記載から抽出することが可能である。
本発明の一態様は、半導体層、第1の絶縁層、第2の絶縁層、第1の導電層、及び第1の酸化物層を有する半導体装置である。第1の絶縁層及び第1の導電層は、半導体層上にこの順で積層して設けられ、且つ、それぞれ上面形状が概略一致する。第1の酸化物層は、半導体層、第1の絶縁層、及び第1の導電層を覆って設けられ、且つ、半導体層の第1の導電層と重ならない一部と接する。第2の絶縁層は、第1の酸化物層を覆って設けられる。半導体層は、インジウム、ガリウム、亜鉛、及び酸素を含む。第1の導電層は、金属または合金を含む。第1の絶縁層は、酸素を含む。第1の酸化物層は、アルミニウムまたはハフニウムと、酸素と、を含む。第2の絶縁層は、水素と、窒素と、を含む。第1の酸化物層は、第2の絶縁層よりも厚さが薄い。
また、上記において、第1の酸化物層は、厚さが0.5nm以上20nm以下であることが好ましい。
また、上記において、第1の絶縁層と第1の導電層との間に、第2の酸化物層を有することが好ましい。このとき、第2の酸化物層は、第1の絶縁層及び第1の導電層と上面形状が概略一致することが好ましい。
また、上記において、第1の酸化物層と、第2の酸化物層とは、同一の元素を含むことが好ましい。または、上記において、第2の酸化物層は、インジウムと、酸素と、を含むことが好ましい。
また、上記において、半導体層の原子数比が、In:Ga:Zn=1:1:1若しくはその近傍、In:Ga:Zn=4:2:3若しくはその近傍、またはIn:Ga:Zn=5:1:6若しくはその近傍である領域を有することが好ましい。
また、上記において、半導体層よりも下側に第2の導電層と、半導体層と第2の導電層との間に、第3の絶縁層と、を有することが好ましい。このとき、第2の導電層は、半導体層と重なる部分を有することが好ましい。
また、本発明の他の一態様は、半導体装置の作製方法であって、以下の工程を有する。島状の酸化物半導体層を形成する第1の工程。酸化物半導体層を覆って、第1の絶縁膜を形成する第2の工程。第1の絶縁膜上に、第1の酸化物膜を形成する第3の工程。第1の酸化物膜上に第1の導電膜を形成する第4の工程。第1の導電膜、第1の酸化物膜、及び第1の絶縁膜を島状に加工し、酸化物半導体層の一部を露出する第5の工程。酸化物半導体層の露出した部分に接して、第2の酸化物膜を形成する第6の工程。第2の酸化物膜を覆って、第2の絶縁膜を形成する第7の工程。100℃以上450℃以下の温度で加熱処理を行う第8の工程。また上記第1乃至第8の工程は、この順で行われる。ここで、第1の絶縁膜は、酸素を含むように形成される。また第1の導電膜は、金属または合金を含むように形成される。また第1の酸化物膜は、金属と酸素とを含むように形成される。また第2の酸化物膜は、金属と酸素とを含み、且つ、厚さが0.5nm以上3.0nm以下となるように形成される。また第2の絶縁膜は、水素を含むように形成される。
また、上記において、第2の酸化物膜は、アルミニウムまたはハフニウムと、酸素と、を含むように、スパッタリング法またはALD法により形成されることが好ましい。
また、上記において、第2の工程と第3の工程との間に、第1の絶縁膜上に、第2の導電膜を成膜する第9の工程と、第2の導電膜を介して、第1の絶縁膜に酸素を供給する第10の工程と、第2の導電膜を除去する第11の工程と、を有することが好ましい。またこのとき、第10の工程において、平行平板型の一対の電極を有する装置を用い、当該一対の電極間にバイアス電圧を印加した状態で、酸素プラズマ処理を行うことが好ましい。
本発明の一態様によれば、電気特性の良好な半導体装置を提供できる。または、電気特性の安定した半導体装置を提供できる。または、生産性の高い半導体装置の作製方法を提供できる。または、半導体装置の作製工程を低温化できる。または、歩留りの高い半導体装置の作製方法を提供できる。または、フレキシブルな基板を用いた半導体装置を提供できる。
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。なお、これら以外の効果は、明細書、図面、請求項などの記載から抽出することが可能である。
トランジスタの構成例。 トランジスタの構成例。 トランジスタの作製方法例を説明する図。 トランジスタの作製方法例を説明する図。 トランジスタの作製方法例を説明する図。 トランジスタの作製方法例を説明する図。 トランジスタの構成例。 トランジスタの構成例。 トランジスタの構成例。 トランジスタの構成例。 トランジスタの構成例。 トランジスタの構成例。 表示装置の上面図。 表示装置の断面図。 表示装置の断面図。 表示装置の断面図。 表示装置の断面図。 表示装置の断面図。 表示装置のブロック図及び回路図。 表示装置のブロック図。 表示モジュールの構成例。 電子機器の構成例。 電子機器の構成例。 電子機器の構成例。 テレビジョン装置の構成例。
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。ただし、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
また、図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。
また、本明細書にて用いる「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
また、本明細書において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成同士の位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている。また、構成同士の位置関係は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化するものである。従って、明細書で説明した語句に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
また、本明細書等において、トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む少なくとも三つの端子を有する素子である。そして、ドレイン(ドレイン端子、ドレイン領域またはドレイン電極)とソース(ソース端子、ソース領域またはソース電極)の間にチャネル領域を有しており、チャネル形成領域を介してソースとドレインとの間に電流を流すことができるものである。なお、本明細書等において、チャネル領域とは、電流が主として流れる領域をいう。
また、ソースやドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書等においては、ソースやドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
また、本明細書等において、「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。例えば、「何らかの電気的作用を有するもの」には、電極や配線をはじめ、トランジスタなどのスイッチング素子、抵抗素子、インダクタ、キャパシタ、その他の各種機能を有する素子などが含まれる。
また、本明細書等において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。
また、本明細書等において、「膜」という用語と、「層」という用語とは、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
また、本明細書等において、特に断りがない場合、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態(非導通状態、遮断状態、ともいう)にあるときのドレイン電流をいう。オフ状態とは、特に断りがない場合、nチャネル型トランジスタでは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも低い状態、pチャネル型トランジスタでは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも高い状態をいう。例えば、nチャネル型のトランジスタのオフ電流とは、ゲートとソースの間の電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも低いときのドレイン電流を言う場合がある。
トランジスタのオフ電流は、Vgsに依存する場合がある。従って、トランジスタのオフ電流がI以下である、とは、トランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在することを言う場合がある。トランジスタのオフ電流は、所定のVgsにおけるオフ状態、所定の範囲内のVgsにおけるオフ状態、または、十分に低減されたオフ電流が得られるVgsにおけるオフ状態、等におけるオフ電流を指す場合がある。
一例として、しきい値電圧Vthが0.5Vであり、Vgsが0.5Vにおけるドレイン電流が1×10−9Aであり、Vgsが0.1Vにおけるドレイン電流が1×10−13Aであり、Vgsが−0.5Vにおけるドレイン電流が1×10−19Aであり、Vgsが−0.8Vにおけるドレイン電流が1×10−22Aであるようなnチャネル型トランジスタを想定する。当該トランジスタのドレイン電流は、Vgsが−0.5Vにおいて、または、Vgsが−0.5V乃至−0.8Vの範囲において、1×10−19A以下であるから、当該トランジスタのオフ電流は1×10−19A以下である、と言う場合がある。当該トランジスタのドレイン電流が1×10−22A以下となるVgsが存在するため、当該トランジスタのオフ電流は1×10−22A以下である、と言う場合がある。
また、本明細書等では、チャネル幅Wを有するトランジスタのオフ電流を、チャネル幅Wあたりを流れる電流値で表す場合がある。また、所定のチャネル幅(例えば1μm)あたりを流れる電流値で表す場合がある。後者の場合、オフ電流の単位は、電流/長さの次元を持つ単位(例えば、A/μm)で表される場合がある。
トランジスタのオフ電流は、温度に依存する場合がある。本明細書において、オフ電流は、特に記載がない場合、室温、60℃、85℃、95℃、または125℃におけるオフ電流を表す場合がある。または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証される温度、または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等が使用される温度(例えば、5℃乃至35℃のいずれか一の温度)におけるオフ電流、を表す場合がある。トランジスタのオフ電流がI以下である、とは、室温、60℃、85℃、95℃、125℃、当該トランジスタが含まれる半導体装置の信頼性が保証される温度、または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等が使用される温度(例えば、5℃乃至35℃のいずれか一の温度)、におけるトランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在することを指す場合がある。
トランジスタのオフ電流は、ドレインとソースの間の電圧Vdsに依存する場合がある。本明細書において、オフ電流は、特に記載がない場合、Vdsが0.1V、0.8V、1V、1.2V、1.8V、2.5V,3V、3.3V、10V、12V、16V、または20Vにおけるオフ電流を表す場合がある。または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証されるVds、または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等において使用されるVdsにおけるオフ電流、を表す場合がある。トランジスタのオフ電流がI以下である、とは、Vdsが0.1V、0.8V、1V、1.2V、1.8V、2.5V,3V、3.3V、10V、12V、16V、20V、当該トランジスタが含まれる半導体装置の信頼性が保証されるVds、または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等において使用されるVds、におけるトランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在することを指す場合がある。
上記オフ電流の説明において、ドレインをソースと読み替えてもよい。つまり、オフ電流は、トランジスタがオフ状態にあるときのソースを流れる電流を言う場合もある。
また、本明細書等では、オフ電流と同じ意味で、リーク電流と記載する場合がある。また、本明細書等において、オフ電流とは、例えば、トランジスタがオフ状態にあるときに、ソースとドレインとの間に流れる電流を指す場合がある。
また、本明細書等において、トランジスタのしきい値電圧とは、トランジスタにチャネルが形成されたときのゲート電圧(Vg)を指す。具体的には、トランジスタのしきい値電圧とは、ゲート電圧(Vg)を横軸に、ドレイン電流(Id)の平方根を縦軸にプロットした曲線(Vg−√Id特性)において、最大傾きである接線を外挿したときの直線と、ドレイン電流(Id)の平方根が0(Idが0A)との交点におけるゲート電圧(Vg)を指す場合がある。あるいは、トランジスタのしきい値電圧とは、チャネル長をL、チャネル幅をWとし、Id[A]×L[μm]/W[μm]の値が1×10−9[A]となるゲート電圧(Vg)を指す場合がある。
また、本明細書等において、「半導体」と表記した場合であっても、例えば、導電性が十分に低い場合は、「絶縁体」としての特性を有する場合がある。また、「半導体」と「絶縁体」とは境界が曖昧であり、厳密に区別できない場合がある。したがって、本明細書等に記載の「半導体」と、「絶縁体」とは、互いに言い換えることが可能な場合がある。
また、本明細書等において、「半導体」と表記した場合であっても、例えば、導電性が十分に高い場合は、「導電体」としての特性を有する場合がある。また、「半導体」と「導電体」とは境界が曖昧であり、厳密に区別できない場合がある。したがって、本明細書等に記載の「半導体」と、「導電体」とは、互いにに言い換えることが可能な場合がある。
また、本明細書等について、In:Ga:Zn=4:2:3またはその近傍とは、原子数の総和に対して、Inが4の場合、Gaが1以上3以下(1≦Ga≦3)であり、Znが2以上4以下(2≦Zn≦4)とする。また、In:Ga:Zn=5:1:6またはその近傍とは、原子数の総和に対して、Inが5の場合、Gaが0.1より大きく2以下(0.1<Ga≦2)であり、Znが5以上7以下(5≦Zn≦7)とする。また、In:Ga:Zn=1:1:1またはその近傍とは、原子数の総和に対して、Inが1の場合、Gaが0.1より大きく2以下(0.1<Ga≦2)であり、Znが0.1より大きく2以下(0.1<Zn≦2)とする。
本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い表現での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductorまたは単にOSともいう)などに分類される。例えば、トランジスタの活性層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、金属酸化物が増幅作用、整流作用、及びスイッチング作用の少なくとも1つを有する場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide semiconductor)、略してOSと呼ぶことができる。また、OS FETと記載する場合においては、金属酸化物または酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
また、本明細書等において、CAAC(c−axis aligned crystal)、及びCAC(Cloud−Aligned Composite)と記載する場合がある。なお、CAACは結晶構造の一例を表し、CACは機能、または材料の構成の一例を表す。
また、本明細書等において、CAC−OSまたはCAC−metal oxideとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC−OSまたはCAC−metal oxideを、トランジスタの活性層に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(またはホール)を流す機能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC−OSまたはCAC−metal oxideに付与することができる。CAC−OSまたはCAC−metal oxideにおいて、それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
また、本明細書等において、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、導電性領域、及び絶縁性領域を有する。導電性領域は、上述の導電性の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁性の機能を有する。また、材料中において、導電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レベルで分離している場合がある。また、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中に偏在する場合がある。また、導電性領域は、周辺がぼけてクラウド状に連結して観察される場合がある。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideにおいて、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ0.5nm以上10nm以下、好ましくは0.5nm以上3nm以下のサイズで材料中に分散している場合がある。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記CAC−OSまたはCAC−metal oxideをトランジスタのチャネル領域に用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、つまり大きなオン電流、及び高い電界効果移動度を得ることができる。
すなわち、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、マトリックス複合材(matrix composite)、または金属マトリックス複合材(metal matrix composite)と呼称することもできる。
金属酸化物の結晶構造の一例について説明する。なお、以下では、In−Ga−Zn酸化物ターゲット(In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比])を用いて、スパッタリング法にて成膜された金属酸化物を一例として説明する。上記ターゲットを用いて、基板温度を100℃以上130℃以下として、スパッタリング法により形成した金属酸化物をsIGZOと呼称し、上記ターゲットを用いて、基板温度を室温(R.T.)として、スパッタリング法により形成した金属酸化物をtIGZOと呼称する。例えば、sIGZOは、nc(nano crystal)及びCAACのいずれか一方または双方の結晶構造を有する。また、tIGZOは、ncの結晶構造を有する。なお、ここでいう室温(R.T.)とは、基板を意図的に加熱しない場合の温度を含む。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa−b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
本明細書等において、表示装置の一態様である表示パネルは表示面に画像等を表示(出力)する機能を有するものである。したがって表示パネルは出力装置の一態様である。
また、本明細書等では、表示パネルの基板に、例えばFPC(Flexible Printed Circuit)もしくはTCP(Tape Carrier Package)などのコネクターが取り付けられたもの、または基板にCOG(Chip On Glass)方式等によりICが実装されたものを、表示パネルモジュール、表示モジュール、または単に表示パネルなどと呼ぶ場合がある。
また、本明細書等において、タッチセンサは指やスタイラスなどの被検知体が触れる、押圧する、または近づくことなどを検出する機能を有するものである。またその位置情報を検知する機能を有していてもよい。したがってタッチセンサは入力装置の一態様である。例えばタッチセンサは1以上のセンサ素子を有する構成とすることができる。
また、本明細書等では、タッチセンサを有する基板を、タッチセンサパネル、または単にタッチセンサなどと呼ぶ場合がある。また、本明細書等では、タッチセンサパネルの基板に、例えばFPCもしくはTCPなどのコネクターが取り付けられたもの、または基板にCOG方式等によりICが実装されたものを、タッチセンサパネルモジュール、タッチセンサモジュール、センサモジュール、または単にタッチセンサなどと呼ぶ場合がある。
なお、本明細書等において、表示装置の一態様であるタッチパネルは表示面に画像等を表示(出力)する機能と、表示面に指やスタイラスなどの被検知体が触れる、押圧する、または近づくことなどを検出するタッチセンサとしての機能と、を有する。したがってタッチパネルは入出力装置の一態様である。
タッチパネルは、例えばタッチセンサ付き表示パネル(または表示装置)、タッチセンサ機能つき表示パネル(または表示装置)とも呼ぶことができる。
タッチパネルは、表示パネルとタッチセンサパネルとを有する構成とすることもできる。または、表示パネルの内部または表面にタッチセンサとしての機能を有する構成とすることもできる。
また、本明細書等では、タッチパネルの基板に、例えばFPCもしくはTCPなどのコネクターが取り付けられたもの、または基板にCOG方式等によりICが実装されたものを、タッチパネルモジュール、表示モジュール、または単にタッチパネルなどと呼ぶ場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置の作製方法、及び当該方法により作製可能な半導体装置の構成について説明する。
本発明の一態様は、被形成面上に、チャネルが形成される半導体層と、半導体層上にゲート絶縁層と、ゲート絶縁層上にゲート電極と、を有するトランジスタである。半導体層は、半導体特性を示す金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう)を含んで構成される。
また半導体層は、ゲート電極と重なる部分にチャネルが形成されうる領域(チャネル形成領域ともいう)を有する。また半導体層は、チャネル形成領域を挟む一対の低抵抗領域を有する。低抵抗領域は、ソースまたはドレインとして機能する。
低抵抗領域は、チャネル形成領域よりもキャリア密度の高い領域である。例えば低抵抗領域は、チャネル形成領域よりも水素を多く含む領域とすることができる。酸化物半導体中の酸素欠損と水素原子とが結合すると、キャリアの発生源となる。
半導体層の低抵抗領域への水素の供給方法の一つとして、水素を多く含有し、加熱等により水素を放出しやすい膜を半導体層に接して設け、加熱処理を行うことが挙げられる。しかしながらこの方法では、半導体層への水素の供給量を制御することが困難である。例えば、過剰な水素が半導体層に供給される場合には、当該水素が低抵抗領域だけでなくチャネル形成領域にも拡散してしまう恐れがある。チャネル形成領域が低抵抗化すると、ソースとドレインとが導通してしまい、スイッチング特性が得られなくなってしまう。
そこで、本発明の一態様は、水素の供給源となる絶縁層と、半導体層との間に、水素の透過量を調整するための層を設ける。これにより、低抵抗領域に過剰に水素が供給されることを防止できるため、このような構成を有する半導体装置は良好な電気特性を得ることができる。
ここで、水素の供給源となる絶縁層が半導体層に接して設けられると、半導体層中の酸素が引き抜かれ、半導体層中に多量の酸素欠損が形成されてしまう場合がある。チャネル形成領域に隣接する低抵抗領域中に酸素欠損が多量に形成されると、チャネル形成領域中の酸素が低抵抗領域を介して水素の供給源となる絶縁層へ拡散し、チャネル形成領域中に多くの酸素欠損が生じてしまう恐れがある。
そのため、水素の透過量を調整する層として、酸素が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。これにより、半導体層から水素の供給源となる絶縁層に向かって酸素が脱離、拡散することを抑制することが可能で、半導体層中に過剰に酸素欠損が形成されることを防ぐことができる。
水素の透過量を調整する層と、水素の供給源となる絶縁層とを、低抵抗領域となる半導体層上に積層して設けることで、半導体層中の酸素欠損と水素とが結合し、キャリア密度の高い領域となる。このとき、半導体層中に存在する酸素欠損の数と、供給される水素原子の数とが同程度であると、チャネル形成領域に酸素欠損または水素の余剰分が拡散してしまうことを防ぐことができるため好ましい。例えば、酸素欠損と水素原子とが1:1の割合で存在していることが最も好ましい。本発明の一態様では、水素の透過量を調整する層の成膜条件や厚さなどにより、水素の供給量を容易に調整することができる。
ここで、水素の透過量を調整する層には、金属酸化物膜を用いることが好ましい。
ここで、金属酸化物膜として、酸化シリコンよりも水素が拡散しにくい酸化物絶縁膜を用いることが好ましい。特に、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネートともいう)などを用いることが好ましい。
水素の透過量は、金属酸化物膜の厚さを異ならせることにより調整することができる。水素の透過量は、金属酸化物膜に用いる材料や、加熱処理の温度等に応じて異なるため、最適な透過量となるように、金属酸化物膜の厚さを最適なものとすることができる。
また、金属酸化物膜は、酸素よりも水素を多く透過しやすい傾向がある。そのため、厚さや成膜条件を最適化することで、酸素をほとんど透過せず、且つ水素を適度に透過する金属酸化物膜を実現することができる。
例えば、水素の透過量を調整する層として酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、またはハフニウムアルミネート膜を用いた場合では、その厚さを0.5nm以上30nm以下、好ましくは0.5nm以上20nm以下、より好ましくは0.5nm以上15nm以下の厚さとすることができる。
また、金属酸化物膜は、スパッタリング法またはALD(Atomic Layer Deposition)法等の成膜方法により形成することが好ましい。
金属酸化物膜を、酸素を含む雰囲気下でのスパッタリング法により成膜することで、その下に位置する半導体層に酸素を効果的に供給することができる。そのため、半導体層中に酸素欠損が過剰に形成されてしまうことを防ぐことができる。
またALD法は成膜速度を制御しやすい成膜方法であるため、極めて薄い膜を歩留り良く成膜できる。またALD法は段差被覆性が高く、且つ極めて緻密な膜とすることができ、高いバリア性を有する膜を形成できる。
特に、ALD法により形成された酸化アルミニウム膜等は水素や酸素などに対するバリア性が非常に高いため、極めて薄い(例えば0.5nm以上1.5nm以下の)膜としても、酸素や水素の一部をブロックすることができる。例えばALD法により形成された酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、またはハフニウムアルミネート膜等を用いた場合では、その厚さを0.5nm以上5.0nm以下、好ましくは0.5nm以上3.0nm以下、より好ましくは0.5nm以上2.0nm以下とすることができる。
一方、金属酸化物膜を覆って設けられる、水素の供給源となる絶縁層としては、加熱により水素を放出する材料を用いることができる。例えば、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウムなどの絶縁膜を用いることができる。
このような構成とすることで、チャネル形成領域への水素の拡散を効果的に抑制できるため、チャネル形成領域におけるキャリア密度を極めて低いものとすることができる。その結果、良好且つ安定した電気特性を有するトランジスタを実現できる。
また、酸化物半導体中に酸素欠損が多く存在すると、酸化物半導体中の欠陥準位密度が高くなる。そのためチャネル形成領域に多くの酸素欠損が存在すると、トランジスタの電気特性に悪影響を及ぼす。さらに、酸化物半導体中の酸素欠損は、膜中の水素原子と作用し、キャリア発生源となる場合がある。したがって、トランジスタの作製工程において、十分な量の酸素を半導体膜中に導入し、酸素欠損を低減することで、電気特性の優れたトランジスタを実現することができる。
半導体膜中の酸素欠損を低減する方法の一つとして、加熱により酸素を放出しうる酸化物膜を半導体膜の近傍に配置して加熱処理を施すことにより、酸化物膜から半導体膜へ酸素を供給する方法を用いることができる。このとき、加熱処理の温度が高いほど、より多くの酸素を半導体膜中に供給することができる。
また、半導体膜上のゲート絶縁層として機能する絶縁膜中に多くの酸素を添加することで、より多くの酸素を半導体膜に供給することができる。
そこで、ゲート絶縁層へ酸素を供給する処理として、以下に示す処理を行うことが好ましい。
まず、ゲート絶縁層として、半導体層上に酸化物を含む絶縁膜を成膜する。そして当該絶縁膜を覆って金属酸化物膜を成膜する。当該金属酸化物膜は、例えば酸素を含む雰囲気下で、スパッタリング法により成膜する。これにより、金属酸化物膜の成膜時に、絶縁層膜中に酸素を供給することができる。
金属酸化物膜としては、例えば酸化物半導体膜または酸化物導電膜を用いることができる。酸化物半導体膜を用いた場合、当該酸化物半導体膜上接して金属または合金を含むゲート電極を形成する工程や、その後の熱処理により低抵抗化させることが可能で、酸化物導電体膜として機能させることができる。
または、金属酸化物膜として、酸化インジウムやインジウムスズ酸化物などの酸化物導電性材料を用いることもできる。
金属酸化物膜として、導電性材料を用いた場合には、ゲート電極の一部として機能させることができる。
ここで、金属酸化物膜として、酸化シリコンよりも酸素が拡散しにくい絶縁膜を用いることが好ましい。特に、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、ハフニウムアルミネートなどを用いることが好ましい。これにより、金属酸化物膜の成膜時にかかる熱等により、絶縁膜中の酸素が外部に拡散することを効果的に防ぐことができる。その結果、金属酸化物膜を成膜した後には、絶縁膜中に極めて多くの酸素を含ませることができる。
金属酸化物膜は、成膜装置の成膜室に導入する成膜ガスの全流量に対する酸素流量の割合(酸素流量比)が高いほど、絶縁膜中に取り込まれる酸素を増やすことができる。例えば、成膜ガスの全流量を100%としたときの酸素流量比、または成膜室内の酸素分圧を、20%以上100%以下、好ましくは30%以上100%以下、より好ましくは40%以上100%以下、さらに好ましくは50%以上100%以下とする。
また、当該金属酸化物膜が絶縁性を有する場合には、金属酸化物膜はゲート絶縁層の一部として機能する。このとき、金属酸化物膜に酸化シリコンよりも誘電率の高い材料を用いると、ゲート電圧を低くできるため好ましい。なお、金属酸化物膜が導電性を有する場合には、当該金属酸化物膜はゲート電極の一部として機能する。
ここで、ゲート絶縁層とゲート電極との間に設ける金属酸化物膜は、水素や酸素が透過しにくいことが好ましい。これにより、ゲート電極に金属材料または合金材料を用いた場合であっても、ゲート絶縁層中の酸素がゲート電極に拡散することで半導体層への酸素供給量が減少してしまうことを防ぐことができる。
さらに、ゲート電極とゲート絶縁層との間に設ける金属酸化物膜と、低抵抗領域上に設ける金属酸化物膜とは、それぞれ同じ材料を用いることが好ましい。これにより、成膜装置を共通化できるため、設備の導入コストを抑えることができる。また、酸素及び水素が拡散しにくい2つの絶縁層で金属または合金を含むゲート電極を囲む構成とすることで、ゲート電極からその周囲に位置する絶縁層に水素が放出されること、及び、ゲート電極の周囲に位置する絶縁層からゲート電極に酸素が拡散することを効果的に抑制することができる。
また、上記金属酸化物膜を成膜するより前に、ゲート絶縁層として機能する絶縁膜に酸素を供給するために、以下のような処理を施してもよい。
まず絶縁膜上に、極めて薄い導電膜を形成する。そして、当該導電膜越しに、絶縁膜中に酸素を供給する処理を施す。このとき導電膜は、絶縁膜中に酸素を供給する処理中に、絶縁膜から酸素が脱離することを防止するキャップ膜として機能する。これにより、絶縁膜中の過剰酸素を多く含ませることができる。
導電膜を介して絶縁膜中に酸素を供給する処理としては、酸素雰囲気下でのプラズマ処理(酸素プラズマ処理ともいう)を用いることが好ましい。このとき、処理装置として平行平板型の一対の電極を有する処理装置を用い、一対の電極間にバイアス電圧が印加された状態でプラズマ処理を行うことが好ましい。絶縁膜上に導電膜が設けられていることで、より効率的に酸素が供給されうる。
なお、酸素の供給方法はこれに限られない。例えばイオン注入法、イオンドーピング法またはプラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用いて、導電膜を介して酸素を絶縁膜に供給してもよい。このとき、導電膜は絶縁膜へのダメージを緩和する緩和層として機能させることができる。
なお、処理の後に、導電膜を除去することが好ましい。導電膜が酸素プラズマ処理により絶縁化する場合には除去せずにゲート絶縁層の一部として機能させることもできる。しかしながら特に導電膜として金属を用いた場合には、絶縁化が不十分である場合や、処理により導電膜が脆化している場合があるため、当該導電膜を除去することが好ましい。
また、トランジスタのゲート電極には金属または合金を含む導電性材料を用いることが好ましい。これにより、ゲート電極及びこれと同じ導電膜で形成した配線などの抵抗を低減でき、トランジスタを含んで構成される回路の寄生抵抗を低減することができる。
一方、金属や合金を含む導電膜を、酸素を放出しやすい絶縁膜に接して設けると、絶縁膜中の酸素が導電膜中に拡散する場合がある。したがって、半導体層と、ゲート絶縁層と、金属または合金を含むゲート電極とを積層して設けると、ゲート絶縁層から放出される酸素の一部がゲート電極側に拡散してしまうことで、半導体層へ拡散する酸素の量が減少してしまう場合がある。また、ゲート電極が酸化されることにより、電気抵抗が上昇してしまう恐れもある。
しかしながら本発明の一態様では、多くの酸素が供給されたゲート絶縁層と、金属または合金を含むゲート電極との間に、酸素が拡散しにくい金属酸化物膜を挟持させる構成とすることができる。これにより、ゲート絶縁層から放出する酸素がゲート電極側に拡散することが抑制され、そのほとんどを半導体層に供給することができる。そのため、極めて多くの酸素を半導体層に供給することができる。その結果、半導体層に酸素欠損が生じやすい材料を用いた場合であっても、高い信頼性と、高い安定性を兼ね備えたトランジスタを実現できる。
半導体層に用いることのできる金属酸化物は、スパッタリング法などを用いて形成できるため、大型の表示装置を構成するトランジスタの半導体層に用いることができる。また、金属酸化物を用いたトランジスタは、非晶質シリコンを用いたトランジスタの生産設備の一部を改良して利用して製造することが可能である。そのため、新規の設備投資を抑えられる。また、金属酸化物を用いたトランジスタは、高い電界効果移動度を有するため、駆動回路を一体形成した高機能の表示装置を実現できる。
以下では、より具体的な例について、図面を参照して説明する。
[構成例1]
まず、本発明の一態様の半導体装置の作製方法により作製可能なトランジスタの構成例について説明する。
図1(A)は、トランジスタ100Aの上面図であり、図1(B)は、図1(A)に示す一点鎖線A1−A2における切断面の断面図に相当し、図1(C)は、図1(A)に示す一点鎖線B1−B2における切断面の断面図に相当する。なお、図1(A)において、トランジスタ100Aの構成要素の一部(ゲート絶縁層等)を省略して図示している。また、一点鎖線A1−A2方向をチャネル長方向、一点鎖線B1−B2方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。また、トランジスタの上面図においては、以降の図面においても図1(A)と同様に、構成要素の一部を省略して図示する場合がある。
図1(A)、(B)、(C)に示すトランジスタ100Aは、いわゆるトップゲート構造のトランジスタである。
トランジスタ100Aは、基板102上の絶縁層104と、絶縁層104上の半導体層108と、半導体層108上の絶縁層110と、絶縁層110上の金属酸化物層114と、金属酸化物層114上の導電層112と、絶縁層104、半導体層108、及び導電層112上の金属酸化物層116と、金属酸化物層116上の絶縁層118と、を有する。半導体層108の、導電層112と重畳する部分は、チャネル形成領域として機能する。
また、導電層112、金属酸化物層114、及び絶縁層110は、上面形状が概略一致している。
なお、本明細書等において「上面形状が概略一致」とは、積層した層と層との間で少なくとも輪郭の一部が重なることをいう。例えば、上層と下層とが、同一のマスクパターン、または一部が同一のマスクパターンにより加工された場合を含む。ただし、厳密には輪郭が重なり合わず、上層が下層の内側に位置することや、上層が下層の外側に位置することもあり、この場合も「上面形状が概略一致」という。
半導体層108は、金属酸化物を含むことが好ましい。例えば半導体層108は、Inと、M(Mは、ガリウム、アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、スズ、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムから選ばれた一種または複数種)と、Znと、を有すると好ましい。特にMはAl、Ga、Y、またはSnとすることが好ましい。
特に、半導体層108として、In、Ga、及びZnを含む酸化物を用いることが好ましい。
また、半導体層108は、Inの原子数比がMの原子数比より多い領域を有すると好ましい。Inの原子数比が多いほど、トランジスタの電界効果移動度を向上させることができる。
ここで、In、Ga、Znを含む金属酸化物の場合、Inと酸素の結合力は、Gaと酸素の結合力よりも弱いため、Inの原子数比が大きい場合には、金属酸化物膜中に酸素欠損が形成されやすい。また、Gaに代えて、上記Mで示す金属元素を用いた場合でも同様の傾向がある。金属酸化物膜中に酸素欠損が多く存在すると、トランジスタの電気特性の低下や、信頼性の低下が生じる。
しかしながら本発明の一態様では、金属酸化物を含む半導体層108中に極めて多くの酸素を供給できるため、Inの原子数比の大きな金属酸化物材料を用いることが可能となる。これにより、極めて高い電界効果移動度と、安定した電気特性と、高い信頼性とを兼ね備えたトランジスタを実現することができる。
例えば、Inの原子数比が、Mの原子数比に対して1.5倍以上、または2倍以上、または3倍以上、または3.5倍以上、または4倍以上である金属酸化物を、好適に用いることができる。
特に、半導体層108のIn、M、及びZnの原子数の比を、In:M:Zn=5:1:6またはその近傍とすることが好ましい。ここで近傍とは、Inが5の場合、Mが0.5以上1.5以下であり、且つZnが5以上7以下を含む。
なお、半導体層108は、上記の組成に限定されない。例えば、半導体層108のIn、M、及びZnの原子数の比を、In:M:Zn=4:2:3またはその近傍とすると好ましい。
また、半導体層108の組成として、半導体層108のIn、M、及びZnの原子数の比を概略等しくしてもよい。すなわち、In、M、及びZnの原子数の比が、In:M:Zn=1:1:1またはその近傍の材料を含んでいてもよい。
半導体層108が、Inの原子数比がMの原子数比より多い領域を有することで、トランジスタ100Aの電界効果移動度を高くすることができる。具体的には、トランジスタ100Aの電界効果移動度が10cm/Vを超える、さらに好ましくはトランジスタ100Aの電界効果移動度が30cm/Vを超えることが可能となる。
例えば、上記の電界効果移動度が高いトランジスタを、ゲート信号を生成するゲートドライバに用いることで、額縁幅の狭い(狭額縁ともいう)表示装置を提供することができる。また、上記の電界効果移動度が高いトランジスタを、表示装置が有する信号線からの信号の供給を行うソースドライバ(とくに、ソースドライバが有するシフトレジスタの出力端子に接続されるデマルチプレクサ)に用いることで、表示装置に接続される配線数が少ない表示装置を提供することができる。
なお、半導体層108が、Inの原子数比がMの原子数比より多い領域を有していても、半導体層108の結晶性が高い場合、電界効果移動度が低くなる場合がある。
半導体層108の結晶性としては、例えば、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)を用いて分析する、あるいは、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)を用いて分析することで解析できる。
また、半導体層108は、導電層112と重畳せず、且つ金属酸化物層116と接する領域において、領域108nを有する。領域108nは、半導体層108の一部であり、チャネル形成領域よりも低抵抗な領域である。また領域108nは、キャリア密度が高い領域、またはn型である領域、または水素濃度の高い領域、などと言い換えることができる。領域108nと重畳する絶縁層118は窒素または水素を含む。絶縁層118中の窒素または水素の一部が金属酸化物層116を透過し、領域108nに添加されることで、キャリア密度が高くなり、低抵抗なn型の領域となる。
なお、領域108nの形状や範囲は、トランジスタの作製条件によって様々に変化しうるため、図1(B)等に示す例に限られない。例えば、領域108nが導電層112と重なる領域よりも外側に位置する場合がある。または、領域108nが導電層112と重なる領域に位置する場合がある。なお、領域108nとそうでない領域との境界は曖昧である場合が多いため、図1(B)等では破線で示している。
金属酸化物層116としては、酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、またはハフニウムアルミネート膜などの、金属酸化物膜を用いることが好ましい。
酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、及びハフニウムアルミネート膜等は、膜厚が薄い(例えば厚さ5nm程度)場合でも極めて高いバリア性を有する。そのため、金属酸化物層116が厚いと、加熱処理により絶縁層118から脱離した水素はほとんど透過しなくなる。そのため、その厚さを0.5nm以上3.0nm以下、好ましくは0.5nm以上2.0nm以下、より好ましくは0.5nm以上1.5nm以下の厚さとすることができる。特に、酸化アルミニウム膜は水素などに対するバリア性が高いため、極めて薄く(例えば0.5nm以上1.5nm以下)としても、十分な効果を得ることができる。
また、金属酸化物層116は、スパッタリング法またはALD法等の成膜方法により形成することが好ましい。特にALD法は段差被覆性が高く、且つ極めて緻密な膜を形成できるため、高いバリア性を有する膜とすることができる。
また、絶縁層118は、加熱により水素を放出する絶縁膜を有する。例えば、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウムなどの絶縁膜を用いることができる。
当該絶縁膜は、例えばプラズマCVD法等を用いて形成することが好ましい。このとき、シランガスやアンモニアガスなどの水素を成分に含む成膜ガスを用いることで、膜中に水素を多く含む膜を形成できる。
絶縁層118は、少なくとも金属酸化物層116よりも厚さが厚いことが好ましい。絶縁層118の厚さを厚くすることで、放出される水素の量を多くすることができる。放出される水素の量が多いほど、金属酸化物層116の厚さを厚くできるため、許容される厚さの範囲を広げることができ、金属酸化物層116の成膜工程における歩留りを高めることができる。
このような構成とすることで、領域108nに十分な量の水素を供給することができる。すなわち、半導体層108のチャネル形成領域を挟む一対の領域108nは、キャリア密度が高められた領域である。そのため、導電層120aまたは導電層120bと、当該領域108nとの接触抵抗が低減されている。したがって、トランジスタの寄生抵抗が低減され、オン状態における電流が高められたトランジスタを実現することができる。
また、金属酸化物層116により、半導体層108に水素が過剰に供給されることが抑制されるため、半導体層108のチャネル形成領域のキャリア密度が十分に低減されている。そのため、優れたスイッチング特性を備えるトランジスタを実現できる。
また、金属酸化物層116は、酸素が透過しにくいことが好ましい。このような金属酸化物層116を、導電層112、金属酸化物層114、及び絶縁層110の側面に接して設けることで、これらから絶縁層118側に酸素が放出してしまうことを防ぐことができる。その結果、半導体層108のチャネル形成領域に、多くの酸素を閉じ込めることができる。
ゲート電極として機能する導電層112は、金属または合金を含むことが好ましい。例えば、導電層112としては、銅膜やアルミニウム膜などの低抵抗な導電膜を用いることが好ましい。また導電層112は、単層であってもよいし、積層構造を有していてもよい。
また、図1(A)、(B)に示すように、トランジスタ100Aは、導電層120a及び導電層120bを有していてもよい。導電層120a及び導電層120bは、それぞれ金属酸化物層116及び絶縁層118に設けられた開口部141aまたは開口部141bを介して、領域108nに電気的に接続される。
ここで、導電層112は、ゲート電極としての機能を有し、導電層120aは、ソース電極としての機能を有し、導電層120bは、ドレイン電極としての機能を有する。
ゲート絶縁層として機能する絶縁層110は、過剰酸素領域を有する。絶縁層110が過剰酸素領域を有することで、半導体層108中に過剰酸素を供給することができる。よって、半導体層108中に形成されうる酸素欠損を過剰酸素により補填することができるため、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
絶縁層110と導電層112の間に位置する金属酸化物層114は、絶縁層110から放出される酸素が導電層112側に拡散することを防ぐバリア膜として機能する。金属酸化物層114は、例えば少なくとも絶縁層110よりも酸素を透過しにくい材料を用いることができる。
金属酸化物層114としては、絶縁性材料または導電性材料を用いることができる。金属酸化物層114が絶縁性を有する場合には、ゲート絶縁層の一部として機能する。一方、金属酸化物層114が導電性を有する場合には、ゲート電極の一部として機能する。
特に、金属酸化物層114として、酸化シリコンよりも誘電率の高い絶縁性材料を用いることが好ましい。特に、酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、またはハフニウムアルミネート膜等を用いることが好ましい。
また、半導体層108とゲート電極として機能する導電層112との間に、酸化アルミニウム膜や酸化ハフニウム膜など、窒素を主成分として含まない金属酸化物膜を用いる構成とすることができる。そのため、金属酸化物層114が、膜中に準位を形成しうる窒素酸化物(NO、xは0よりも大きく2以下、好ましくは1以上2以下、代表的にはNOまたはNO)の含有量が極めて少ない構成とすることができる。これにより、電気特性及び信頼性に優れたトランジスタを実現できる。
酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、及びハフニウムアルミネート膜等は、膜厚が薄い(例えば厚さ5nm程度)場合でも十分に高いバリア性を有するため、薄く形成することが可能で、生産性を向上させることができる。例えば金属酸化物層114の厚さを、1nm以上50nm以下、好ましくは3nm以上30nmとすることができる。さらに、酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜及びハフニウムアルミネート膜は、酸化シリコン膜等よりも誘電率が高い特徴を有する。このように金属酸化物層114として、誘電率が高い絶縁膜を薄く形成できるため、酸化シリコン膜等を用いた場合に比べて、半導体層108にかかるゲート電界の強度を高めることができる。その結果、駆動電圧を低くすることができ、消費電力を低減することができる。
また、金属酸化物層114は、スパッタリング装置を用いて形成すると好ましい。例えば、スパッタリング装置を用いて酸化アルミニウム膜を形成する場合、酸素ガスを含む雰囲気で形成することで、半導体層108中に好適に酸素を添加することができる。また、スパッタリング装置を用いて、酸化アルミニウム膜を形成する場合、膜密度を高めることができるため好適である。
また、金属酸化物層114として導電性材料を用いる場合には、酸化インジウム、インジウムスズ酸化物などの酸化物導電性材料を用いることができる。または、半導体層108に用いることのできる、上述した金属酸化物を適用してもよい。特に、半導体層108と同じ元素を含む材料を用いることが好ましい。このとき、例えば半導体層108と同じ金属酸化物ターゲットを用いたスパッタリング法により形成すると、成膜装置を共有できるため好ましい。
また、金属酸化物層114は、水や水素が拡散しにくいことが好ましい。これにより、導電層112が水や水素を拡散しやすい材料を用いた場合であっても、絶縁層110や半導体層108に水や水素が拡散することを防ぐことができる。特に、酸化アルミニウム膜や酸化ハフニウム膜は、水や水素に対するバリア性が高いため好ましい。
なお、半導体層108中に過剰酸素を供給させるためには、半導体層108の下方に形成される絶縁層104に過剰酸素を供給してもよい。この場合、絶縁層104中に含まれる過剰酸素は、領域108nにも供給されうる。領域108n中に過剰酸素が供給されると、領域108n中の抵抗が高くなり、好ましくない。一方で、半導体層108のチャネル形成領域の上方に位置する絶縁層110が過剰酸素を有する構成とすることで、導電層112と重畳する領域にのみ選択的に過剰酸素を供給させることが可能となる。
ここで、半導体層108中に形成されうる酸素欠損について説明を行う。
半導体層108に形成される酸素欠損は、トランジスタ特性に影響を与えるため問題となる。例えば、半導体層108中に酸素欠損が形成されると、該酸素欠損に水素が結合し、キャリア供給源となりうる。半導体層108中にキャリア供給源が生成されると、トランジスタ100Aの電気特性の変動、代表的にはしきい値電圧のシフトが生じる。したがって、半導体層108においては、酸素欠損が少ないほど好ましい。
そこで、本発明の一態様においては、半導体層108近傍の絶縁膜、具体的には、半導体層108の上方に形成される絶縁層110が、過剰酸素を含有する構成である。絶縁層110から半導体層108へ酸素または過剰酸素を移動させることで、半導体層108中の酸素欠損を低減することが可能となる。
なお、半導体層108の下方に位置する絶縁層104が、過剰酸素を含有していてもよい。このとき、絶縁層104からも半導体層108へ過剰酸素を移動させることで、半導体層108の酸素欠損をより低減することが可能となる。
ここで、半導体層108に混入する水素または水分などの不純物は、トランジスタ特性に影響を与えるため問題となる。したがって、半導体層108においては、水素または水分などの不純物が少ないほど好ましい。
半導体層108としては、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低い金属酸化物膜を用いることで、優れた電気特性を有するトランジスタを作製することができ好ましい。ここでは、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低い(酸素欠損の少ない)ことを高純度真性または実質的に高純度真性とよぶ。高純度真性または実質的に高純度真性である金属酸化物膜は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。従って、該金属酸化物膜にチャネル領域が形成されるトランジスタは、しきい値電圧がマイナスとなる電気特性(ノーマリーオンともいう。)になることが少ない。また、高純度真性または実質的に高純度真性である金属酸化物膜は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。また、高純度真性または実質的に高純度真性である金属酸化物膜は、オフ電流が著しく小さく、チャネル幅が1×10μmでチャネル長が10μmの素子であっても、ソース電極とドレイン電極間の電圧(ドレイン電圧)が1Vから10Vの範囲において、オフ電流が、半導体パラメータアナライザの測定限界以下、すなわち1×10−13A以下という特性を得ることができる。
以上が、構成例1についての説明である。
以下では、上記構成例1と一部の構成が異なるトランジスタの構成例について説明する。なお、以下では、上記構成例1と重複する部分は説明を省略する場合がある。また、以下で示す図面において、上記構成例1と同様の機能を有する部分についてはハッチングパターンを同じくし、符号を付さない場合もある。
[構成例2]
図2(A)、(B)、(C)には、上記構成例1とは一部の構成が異なるトランジスタ100を示している。
図2(A)は、トランジスタ100の上面図であり、図2(B)はトランジスタ100のチャネル長方向の断面図であり、図2(C)はトランジスタ100のチャネル幅方向の断面図である。
トランジスタ100は、基板102と絶縁層104との間に導電層106を有する点で、構成例1と主に相違している。導電層106は、絶縁層104を介して半導体層108と重畳する部分を有する。
トランジスタ100において、導電層106は、第1のゲート電極(ボトムゲート電極ともいう)としての機能を有し、導電層112は、第2のゲート電極(トップゲート電極ともいう)としての機能を有する。また、絶縁層104の一部は第1のゲート絶縁層として機能し、絶縁層110の一部は、第2のゲート絶縁層として機能する。
なお、導電層106は、図示しない領域において、絶縁層104及び絶縁層110に設けられた開口部を介して、導電層112と電気的に接続されていてもよい。これにより、導電層106と導電層112には、同じ電位を与えることができる。
導電層106は、導電層112、導電層120a、または導電層120bと同様の材料を用いることができる。特に導電層106として、銅を含む材料により形成することで抵抗を低くすることができるため好適である。
また、図2(A)に示すように、導電層112及び導電層106の長さは、それぞれ半導体層108のチャネル幅方向の長さよりも長いことが好ましい。このとき、図2(C)に示すように、半導体層108のチャネル幅方向の全体が、絶縁層110と絶縁層104を介して、導電層112と導電層106に覆われた構成となる。
このような構成とすることで、半導体層108を一対のゲート電極によって生じる電界で、電気的に取り囲むことができる。このとき特に、導電層106と導電層112に同じ電位を与えることが好ましい。これにより、半導体層108にチャネルを誘起させるための電界を効果的に印加できるため、トランジスタ100のオン電流を増大させることができる。そのため、トランジスタ100を微細化することも可能となる。
なお、一対のゲート電極の一方に定電位を与え、他方にトランジスタ100を駆動するための信号を与えてもよい。このとき、一方の電極に与える電位により、トランジスタ100を他方の電極で駆動する際のしきい値電圧を制御することもできる。
[半導体装置の構成要素]
次に、本実施の形態の半導体装置に含まれる構成要素について、詳細に説明する。
〔基板〕
基板102の材質などに大きな制限はないが、少なくとも、後の熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有している必要がある。例えば、ガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板等を、基板102として用いてもよい。また、シリコンや炭化シリコンを材料とした単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウム等の化合物半導体基板、SOI基板等を適用することも可能であり、これらの基板上に半導体素子が設けられたものを、基板102として用いてもよい。なお、基板102として、ガラス基板を用いる場合、第6世代(1500mm×1850mm)、第7世代(1870mm×2200mm)、第8世代(2200mm×2400mm)、第9世代(2400mm×2800mm)、第10世代(2950mm×3400mm)、または第10.5世代、第11世代、または第12世代など、サイズの大きな基板を用いることで、大型の表示装置を作製することができる。
また、基板102として、可撓性基板を用い、可撓性基板上に直接、トランジスタ100を形成してもよい。または、基板102とトランジスタ100の間に剥離層を設けてもよい。剥離層は、その上に半導体装置を一部あるいは全部完成させた後、基板102より分離し、他の基板に転載するのに用いることができる。その際、トランジスタ100は耐熱性の劣る基板や可撓性の基板にも転載できる。
〔絶縁層104〕
絶縁層104としては、スパッタリング法、CVD法、蒸着法、パルスレーザー堆積(PLD)法、印刷法、塗布法等を適宜用いて形成することができる。また、絶縁層104としては、例えば、酸化物絶縁膜または窒化物絶縁膜を単層または積層して形成することができる。なお、半導体層108との界面特性を向上させるため、絶縁層104において少なくとも半導体層108と接する領域は酸化物絶縁膜で形成することが好ましい。また、絶縁層104として加熱により酸素を放出する酸化物絶縁膜を用いることで、加熱処理により絶縁層104に含まれる酸素を、半導体層108に移動させることが可能である。
絶縁層104の厚さは、50nm以上、または100nm以上3000nm以下、または200nm以上1000nm以下とすることができる。絶縁層104を厚くすることで、絶縁層104の酸素放出量を増加させることができると共に、絶縁層104と半導体層108との界面における界面準位、並びに半導体層108に含まれる酸素欠損を低減することが可能である。
絶縁層104として、例えば酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ガリウムまたはGa−Zn酸化物などを用いればよく、単層または積層で設けることができる。本実施の形態では、絶縁層104として、窒化シリコン膜と、酸化窒化シリコン膜との積層構造を用いる。このように、絶縁層104を積層構造として、下層側に窒化シリコン膜を用い、上層側に酸化窒化シリコン膜を用いることで、半導体層108中に効率よく酸素を導入することができる。
また、絶縁層104の半導体層108に接する側に窒化シリコン膜などの酸化物膜以外の膜を用いることもできる。このとき、絶縁層104の半導体層108と接する表面に対して酸素プラズマ処理などの前処理を行い、絶縁層104の表面、または表面近傍を酸化することが好ましい。
〔導電膜〕
ゲート電極として機能する導電層112及び導電層106、ソース電極として機能する導電層120a、ドレイン電極として機能する導電層120bとしては、クロム(Cr)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)から選ばれた金属元素、または上述した金属元素を成分とする合金か、上述した金属元素を組み合わせた合金等を用いてそれぞれ形成することができる。
また、ゲート電極として機能する導電層112及び導電層106、ソース電極として機能する導電層120a、ドレイン電極として機能する導電層120bには、インジウムと錫とを有する酸化物(In−Sn酸化物)、インジウムとタングステンとを有する酸化物(In−W酸化物)、インジウムとタングステンと亜鉛とを有する酸化物(In−W−Zn酸化物)、インジウムとチタンとを有する酸化物(In−Ti酸化物)、インジウムとチタンと錫とを有する酸化物(In−Ti−Sn酸化物)、インジウムと亜鉛とを有する酸化物(In−Zn酸化物)、インジウムと錫とシリコンとを有する酸化物(In−Sn−Si酸化物)、インジウムとガリウムと亜鉛とを有する酸化物(In−Ga−Zn酸化物)等の酸化物導電体または金属酸化物膜を適用することもできる。
ここで、酸化物導電体について説明を行う。本明細書等において、酸化物導電体をOC(OxideConductor)と呼称してもよい。酸化物導電体としては、例えば、金属酸化物に酸素欠損を形成し、該酸素欠損に水素を添加すると、伝導帯近傍にドナー準位が形成される。この結果、金属酸化物は、導電性が高くなり導電体化する。導電体化された金属酸化物を、酸化物導電体ということができる。一般に、金属酸化物は、エネルギーギャップが大きいため、可視光に対して透光性を有する。一方、酸化物導電体は、伝導帯近傍にドナー準位を有する金属酸化物である。したがって、酸化物導電体は、ドナー準位による吸収の影響は小さく、可視光に対して金属酸化物と同程度の透光性を有する。
また、導電層112として、上記酸化物導電体(金属酸化物)を含む導電膜と、金属または合金を含む導電膜の積層構造としてもよい。金属または合金を含む導電膜を用いることで、配線抵抗を小さくすることができる。このとき、ゲート絶縁膜として機能する絶縁層と接する側には酸化物導電体を含む導電膜を適用することが好ましい。
また、導電層112、導電層106、導電層120a、導電層120bには、Cu−X合金膜(Xは、Mn、Ni、Cr、Fe、Co、Mo、Ta、またはTi)を適用してもよい。Cu−X合金膜を用いることで、ウエットエッチングプロセスで加工できるため、製造コストを抑制することが可能となる。
また、導電層112、導電層106、導電層120a、導電層120bには、上述の金属元素の中でも、特にチタン、タングステン、タンタル、及びモリブデンの中から選ばれるいずれか一つまたは複数を有すると好適である。特に、導電層112、導電層106、導電層120a、導電層120bとしては、窒化タンタル膜を用いると好適である。当該窒化タンタル膜は、導電性を有し、且つ、銅または水素に対して、高いバリア性を有する。また、窒化タンタル膜は、さらに自身からの水素の放出が少ないため、半導体層108と接する導電膜、または半導体層108の近傍の導電膜として、好適に用いることができる。
〔絶縁層110〕
トランジスタ100のゲート絶縁膜として機能する絶縁層110としては、プラズマ化学気相堆積(PECVD:(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition))法、スパッタリング法等により、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ランタン膜、酸化セリウム膜および酸化ネオジム膜を一種以上含む絶縁層を用いることができる。なお、絶縁層110を、2層の積層構造または3層以上の積層構造としてもよい。
また、トランジスタ100のチャネル領域として機能する半導体層108と接する絶縁層110は、酸化物絶縁膜であることが好ましく、化学量論的組成よりも過剰に酸素を含有する領域(過剰酸素領域)を有することがより好ましい。別言すると、絶縁層110は、酸素を放出することが可能な絶縁膜である。なお、絶縁層110に過剰酸素領域を設けるには、例えば、酸素雰囲気下にて絶縁層110を形成する、もしくは成膜後の絶縁層110を酸素雰囲気下で熱処理すればよい。
また、絶縁層110として、酸化ハフニウムを用いる場合、以下の効果を奏する。酸化ハフニウムは、酸化シリコンや酸化窒化シリコンと比べて比誘電率が高い。したがって、酸化シリコンを用いた場合と比べて、絶縁層110の膜厚を大きくできるため、トンネル電流によるリーク電流を小さくすることができる。すなわち、オフ電流の小さいトランジスタを実現することができる。さらに、結晶構造を有する酸化ハフニウムは、非晶質構造を有する酸化ハフニウムと比べて高い比誘電率を備える。したがって、オフ電流の小さいトランジスタとするためには、結晶構造を有する酸化ハフニウムを用いることが好ましい。結晶構造の例としては、単斜晶系や立方晶系などが挙げられる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定されない。
また、絶縁層110は、欠陥が少ないことが好ましく、代表的には、電子スピン共鳴法(ESR:ElectronSpinResonance)で観察されるシグナルが少ない方が好ましい。例えば、上述のシグナルとしては、g値が2.001に観察されるE’センターが挙げられる。なお、E’センターは、シリコンのダングリングボンドに起因する。絶縁層110としては、E’センター起因のスピン密度が、3×1017spins/cm以下、好ましくは5×1016spins/cm以下である酸化シリコン膜、または酸化窒化シリコン膜を用いればよい。
〔半導体層〕
半導体層108がIn−M−Zn酸化物の場合、In−M−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In>Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=2:1:3、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:4.1、In:M:Zn=5:1:6、In:M:Zn=5:1:7、In:M:Zn=5:1:8、In:M:Zn=6:1:6、In:M:Zn=5:2:5等が挙げられる。
また、半導体層108が、In−M−Zn酸化物の場合、スパッタリングターゲットとしては、多結晶のIn−M−Zn酸化物を含むターゲットを用いると好ましい。多結晶のIn−M−Zn酸化物を含むターゲットを用いることで、結晶性を有する半導体層108を形成しやすくなる。なお、成膜される半導体層108の原子数比は、上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。例えば、半導体層108に用いるスパッタリングターゲットの組成がIn:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比]の場合、成膜される半導体層108の組成は、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]の近傍となる場合がある。
また、半導体層108は、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上である。このように、エネルギーギャップの広い金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
また、半導体層108は、非単結晶構造であると好ましい。非単結晶構造は、例えば、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)、多結晶構造、微結晶構造、または非晶質構造を含む。非単結晶構造において、非晶質構造は最も欠陥準位密度が高く、CAAC−OSは最も欠陥準位密度が低い。
[トランジスタの作製方法例]
以下では、本発明の一態様のトランジスタの作製方法例について説明する。ここでは、上記構成例2で例示したトランジスタ100を例に挙げて説明する。
なお、半導体装置を構成する薄膜(絶縁膜、半導体膜、導電膜等)は、スパッタリング法、化学気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、真空蒸着法、パルスレーザー堆積(PLD:Pulse Laser Deposition)法、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法等を用いて形成することができる。CVD法としては、プラズマ化学気相堆積(PECVD:Plasma Enhanced CVD)法や、熱CVD法などがある。また、熱CVD法のひとつに、有機金属化学気相堆積(MOCVD:Metal Organic CVD)法がある。
また、半導体装置を構成する薄膜(絶縁膜、半導体膜、導電膜等)は、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、インクジェット、ディスペンス、スクリーン印刷、オフセット印刷、ドクターナイフ、スリットコート、ロールコート、カーテンコート、ナイフコート等の方法により形成することができる。
また、半導体装置を構成する薄膜を加工する際には、フォトリソグラフィ法等を用いて加工することができる。それ以外に、ナノインプリント法、サンドブラスト法、リフトオフ法などにより薄膜を加工してもよい。また、メタルマスクなどの遮蔽マスクを用いた成膜方法により、島状の薄膜を直接形成してもよい。
フォトリソグラフィ法としては、代表的には以下の2つの方法がある。一つは、加工したい薄膜上にレジストマスクを形成して、エッチング等により当該薄膜を加工し、レジストマスクを除去する方法である。もう一つは、感光性を有する薄膜を成膜した後に、露光、現像を行って、当該薄膜を所望の形状に加工する方法である。
フォトリソグラフィ法において、露光に用いる光は、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、またはこれらを混合させた光を用いることができる。そのほか、紫外線やKrFレーザ光、またはArFレーザ光等を用いることもできる。また、液浸露光技術により露光を行ってもよい。また、露光に用いる光として、極端紫外光(EUV:Extreme Ultra−violet)やX線を用いてもよい。また、露光に用いる光に換えて、電子ビームを用いることもできる。極端紫外光、X線または電子ビームを用いると、極めて微細な加工が可能となるため好ましい。なお、電子ビームなどのビームを走査することにより露光を行う場合には、フォトマスクは不要である。
薄膜のエッチングには、ドライエッチング法、ウェットエッチング法、サンドブラスト法などを用いることができる。
図3〜図6に示す各図は、トランジスタ100の作製方法を説明するチャネル長方向の断面図である。
〔導電層106の形成〕
基板102上に導電膜を形成し、これをエッチングにより加工して、ゲート電極として機能する導電層106を形成する(図3(A))。
〔絶縁層104の形成〕
続いて、基板102及び導電層106を覆って絶縁層104を形成する(図3(B))。絶縁層104は、プラズマCVD法等を用いて形成することが好ましい。
ここで、図3(C)に示すように、絶縁層104を形成した後に、絶縁層104に酸素132を添加することが好ましい。絶縁層104に添加する酸素としては、酸素ラジカル、酸素原子、酸素原子イオン、酸素分子イオン等がある。また、添加方法としては、イオンドーピング法、イオン注入法、プラズマ処理法等がある。また、絶縁層104上に酸素の脱離を抑制する膜を形成した後、該膜を介して絶縁層104に酸素を添加してもよい。
上述の酸素の脱離を抑制する膜として、インジウム、亜鉛、ガリウム、錫、アルミニウム、クロム、タンタル、チタン、モリブデン、ニッケル、鉄、コバルト、またはタングステンの1以上を有する導電膜あるいは半導体膜を用いることができる。
また、プラズマ処理で酸素の添加を行う場合、マイクロ波で酸素を励起し、高密度な酸素プラズマを発生させることで、絶縁層104への酸素添加量を増加させることができる。また、酸素を含む雰囲気下でプラズマ処理を行うことで、絶縁層104の表面に吸着した水や水素などを除去することができる。これにより、後に形成する半導体層108中、または半導体層108と絶縁層104との界面に存在しうる水や水素を低減できる。
絶縁層104として、窒化シリコンや窒化酸化シリコンなどを用いた場合には、絶縁層104中に水素が含まれる場合がある。このとき、上述のようなプラズマ処理等を行うことで、少なくとも半導体層108側における水素濃度を低減することができる。
〔半導体層108の形成〕
続いて、絶縁層104上に半導体層108を形成する。
半導体層108となる金属酸化物膜は、金属酸化物ターゲットを用いたスパッタリング法により形成することが好ましい。
また、金属酸化物膜を成膜する際に、酸素ガスの他に、不活性ガス(例えば、ヘリウムガス、アルゴンガス、キセノンガスなど)を混合させてもよい。なお、金属酸化物膜を成膜する際の成膜ガス全体に占める酸素ガスの割合(以下、酸素流量比ともいう)としては、0%以上100%以下、好ましくは5%以上20%以下とすることが好ましい。酸素流量比を低くし、結晶性が比較的低い金属酸化物膜とすることで、オン電流が高められたトランジスタとすることができる。
また、金属酸化物膜の成膜条件としては、基板温度を室温以上180℃以下、好ましくは基板温度を室温以上140℃以下とすればよい。金属酸化物膜の成膜時の基板温度を、例えば、室温以上140℃未満とすると、生産性が高くなり好ましい。また、基板温度を室温とする、または意図的に加熱しない状態で、金属酸化物膜を成膜することで、結晶性の低い金属酸化物膜を成膜しやすくなる。
また、半導体層108の厚さとしては、3nm以上200nm以下、好ましくは3nm以上100nm以下、さらに好ましくは3nm以上60nm以下とすればよい。
なお、基板102として、大型のガラス基板(例えば、第6世代乃至第10世代)を用いる場合、金属酸化物膜を成膜する際の基板温度を200℃以上300℃以下とした場合、基板102が変形する(歪むまたは反る)場合がある。よって、大型のガラス基板を用いる場合においては、金属酸化物膜を成膜する際の基板温度を室温以上200℃未満とすることで、ガラス基板の変形を抑制することができる。
また、スパッタリングガスの高純度化も必要である。例えば、スパッタリングガスとして用いる酸素ガスやアルゴンガスは、露点が−40℃以下、好ましくは−80℃以下、より好ましくは−100℃以下、より好ましくは−120℃以下にまで高純度化したガスを用いることで金属酸化物膜に水分等が取り込まれることを可能な限り防ぐことができる。
また、スパッタリング法で金属酸化物膜を成膜する場合、スパッタリング装置におけるチャンバーは、金属酸化物にとって不純物となる水等を可能な限り除去すべくクライオポンプのような吸着式の真空排気ポンプを用いて、高真空(5×10−7Paから1×10−4Pa程度まで)に排気することが好ましい。特に、スパッタリング装置の待機時における、チャンバー内のHOに相当するガス分子(m/z=18に相当するガス分子)の分圧を1×10−4Pa以下、好ましく5×10−5Pa以下とすることが好ましい。
また、金属酸化物膜を成膜する前に、絶縁層104の表面に吸着した水や水素を脱離させるための加熱処理を行うことが好ましい。例えば、減圧雰囲気下にて70℃以上200℃以下の温度で加熱処理を行うことができる。またこのとき、絶縁層104の表面を大気に暴露することなく、連続して金属酸化物膜を成膜することが好ましい。例えば、成膜装置として、基板を加熱する加熱室と、金属酸化物膜を成膜する成膜室とが、ゲートバルブ等を介して接続された構成とすることが好ましい。
なお、成膜した金属酸化物膜を、半導体層108に加工するには、ウェットエッチング法及びドライエッチング法のいずれか一方または双方を用いればよい。
また、金属酸化物膜の成膜後、または半導体層108に加工した後、加熱処理を行い、金属酸化物膜または半導体層108の脱水素化または脱水化をしてもよい。加熱処理の温度は、代表的には、150℃以上基板の歪み点未満、または250℃以上450℃以下、または300℃以上450℃以下である。
加熱処理は、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン、クリプトン等の希ガス、または窒素を含む不活性雰囲気で行うことができる。または、不活性雰囲気で加熱した後、酸素雰囲気で加熱してもよい。なお、上記不活性雰囲気及び酸素雰囲気に水素、水などが含まれないことが好ましい。処理時間は3分以上24時間以下とすればよい。
該加熱処理は、電気炉、RTA装置等を用いることができる。RTA装置を用いることで、短時間に限り、基板の歪み点以上の温度で熱処理を行うことができる。そのため加熱処理時間を短縮することができる。
金属酸化物膜を加熱しながら成膜する、または金属酸化物膜を形成した後、加熱処理を行うことで、SIMSにより得られる金属酸化物膜中の水素濃度を5×1019atoms/cm以下、または1×1019atoms/cm以下、5×1018atoms/cm以下、または1×1018atoms/cm以下、または5×1017atoms/cm以下、または1×1016atoms/cm以下とすることができる。
〔絶縁層110の形成〕
続いて、半導体層108及び絶縁層104上に、絶縁層110を形成する(図3(E))。
絶縁層110としては、例えば酸化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの酸化物膜を、プラズマ化学気相堆積装置(PECVD装置、または単にプラズマCVD装置という)を用いて形成することが好ましい。この場合、原料ガスとしては、シリコンを含む堆積性気体及び酸化性気体を用いることが好ましい。シリコンを含む堆積性気体の代表例としては、シラン、ジシラン、トリシラン、フッ化シラン等がある。酸化性気体としては、酸素、オゾン、一酸化二窒素、二酸化窒素等がある。
また、絶縁層110として、堆積性気体の流量に対する酸化性気体の流量を20倍より大きく100倍未満、または40倍以上80倍以下とし、処理室内の圧力を100Pa未満、または50Pa以下とするPECVD装置を用いることで、欠陥量の少ない酸化窒化シリコン膜を形成することができる。
また、絶縁層110として、PECVD装置の真空排気された処理室内に載置された基板を280℃以上350℃以下に保持し、処理室に原料ガスを導入して処理室内における圧力を20Pa以上250Pa以下、さらに好ましくは100Pa以上250Pa以下とし、処理室内に設けられる電極に高周波電力を供給する条件により、絶縁層110として、緻密である酸化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜を形成することができる。
また、絶縁層110を、マイクロ波を用いたPECVD法を用いて形成してもよい。マイクロ波とは300MHzから300GHzの周波数域を指す。マイクロ波は、電子温度が低く、電子エネルギーが小さい。また、供給された電力において、電子の加速に用いられる割合が少なく、より多くの分子の解離及び電離に用いられることが可能であり、密度の高いプラズマ(高密度プラズマ)を励起することができる。このため、被成膜面及び堆積物へのプラズマダメージが少なく、欠陥の少ない絶縁層110を形成することができる。
また、絶縁層110を、有機シランガスを用いたCVD法を用いて形成することができる。有機シランガスとしては、珪酸エチル(TEOS:化学式Si(OC)、テトラメチルシラン(TMS:化学式Si(CH)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリエトキシシラン(SiH(OC)、トリスジメチルアミノシラン(SiH(N(CH)などのシリコン含有化合物を用いることができる。有機シランガスを用いたCVD法を用いることで、被覆性の高い絶縁層110を形成することができる。
〔酸素供給処理〕
続いて、絶縁層110に対して、導電膜を介して酸素を供給する処理を行うことが好ましい。
まず、絶縁層110を覆って導電膜130を形成する(図4(A))。
導電膜130としては、金属酸化物膜、または金属膜若しくは合金膜を用いることができる。導電膜130の厚さは、極めて薄いことが好ましく、例えば1nm以上20nm以下、好ましくは2nm以上15nm以下、より好ましくは3nm以上10nm以下、代表的には5nm程度とすることができる。
導電膜130に用いることのできる金属酸化物としては、例えば、In−Sn酸化物、In−W酸化物、In−W−Zn酸化物、In−Ti酸化物、In−Ti−Sn酸化物、In−Zn酸化物、In−Sn−Si酸化物、In−Ga−Zn酸化物等が挙げられる。
また、導電膜130として、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、モリブデン、銀、インジウム、錫、タンタル、タングステンなどを含む金属膜または合金膜を用いることができる。
なお、導電膜130として、シリコンやゲルマニウム等のほか、化合物半導体、酸化物半導体などを含む半導体膜を用いてもよい。
ここで、導電膜130として金属酸化物を用い、酸素を含む雰囲気下でスパッタリング法等により成膜すると、成膜時においても絶縁層110中に酸素を供給できるため好ましい。
続いて、導電膜130を介して絶縁層110に酸素134を供給する処理(以下、酸素供給処理ともいう)を行う(図4(B))。
酸素供給処理としては、酸素雰囲気下におけるプラズマ処理(酸素プラズマ処理ともいう)を用いることが好ましい。酸素がプラズマ化することにより、酸素ラジカル、酸素原子、または酸素イオンを絶縁層110に導電膜130を介して添加することができる。装置に導入するガスにおける酸素流量比は高いほど好ましく、50%以上100%以下、好ましくは60%以上100%以下、より好ましくは80%以上100%以下、さらに好ましくは100%とする。
特に、処理装置として平行平板型の一対の電極を有する処理装置を用いることが好ましい。このとき、一対の電極間にバイアス電圧が印加される状態でプラズマ処理を行うことで、より多くの酸素を絶縁層110に供給することができる。バイアス電圧は、例えば酸素プラズマ中の酸素イオンが、基板側に移動しやすくなるように印加する。酸素プラズマ中の酸素イオンは、例えばOまたはO2+などの正の電荷を帯びやすいため、基板側に位置する電極が負電位となるようにバイアス電圧を印加すると、基板側に酸素イオンが移動しやすくなる。
ここで、導電膜130を設けずに絶縁層110に対して直接酸素供給処理を行った場合、絶縁層110に供給された酸素の一部が、再度外部へ脱離してしまう場合がある。しかしながら本作製方法例では、絶縁層110上に導電膜130が設けられていることにより、絶縁層110に供給された酸素が再度外部へ脱離してしまうことを防ぐことができる。また、導電膜130により、絶縁層110へのダメージを緩和することができる。
また、絶縁層110上の導電膜130は、酸素供給処理において一対の電極間にバイアス電圧が印加されると、イオン化した酸素をひきつけやすくなるといった効果を奏する。したがって、導電膜130を設けることでバイアス電圧を印加することによる効果を相乗的に高めることができる。
また、処理装置として、ドライエッチング装置、アッシング装置、PECVD装置などを用いると、他の処理と装置を共有できるため好ましい。特に、アッシング装置を用いることが好ましい。
また、処理装置が有する一対の電極間にバイアス電圧を印加する場合、そのバイアス電圧を例えば10V以上1kV以下とすればよい。または、バイアスの電力密度を例えば1W/cm以上5W/cm以下とすればよい。
なお、酸素供給処理は上記に限られず、導電膜130を介して絶縁層110に酸素を供給可能な方法を用いることができる。例えばイオン注入法、イオンドーピング法またはプラズマイマージョンイオンインプランテーション法などを用いて、導電膜を介して酸素を絶縁膜に供給してもよい。または、酸素雰囲気下で加熱処理を行ってもよい。このような処理を用いた場合にも、導電膜130は絶縁層110に供給された酸素が脱離することを防ぐキャップ膜として機能させること、及び、絶縁層110へのダメージを緩和する緩和層として機能させることができる。
続いて、導電膜130をエッチング等により除去することが好ましい。例えば、酸素供給処理を経ることにより、導電膜130が脆化する場合がある。また特に導電膜130に金属または合金を用いた場合には、酸素供給処理により酸化されて抵抗値が高くなる、または一部がエッチングされ、薄膜化してしまう場合もある。そのため導電膜130をエッチングにより除去することが好ましい。
図4(C)には、導電膜130をエッチングした後の断面図を示している。
〔金属酸化物層114の形成〕
続いて、絶縁層110上に金属酸化物層114を形成する(図4(D))。
金属酸化物層114は、例えば酸素を含む雰囲気下で成膜することが好ましい。特に、酸素を含む雰囲気下でスパッタリング法により形成することが好ましい。これにより、金属酸化物層114の成膜時に絶縁層110に酸素136を供給することができる。
例えば金属酸化物層114の成膜条件として、成膜ガスに酸素を用い、金属ターゲットを用いた反応性スパッタリング法により、金属酸化物膜を形成することが好ましい。金属ターゲットとして、例えばアルミニウムを用いた場合には、酸化アルミニウム膜を成膜することができる。
金属酸化物層114の成膜時に、成膜装置の成膜室内に導入する成膜ガスの全流量に対する酸素流量の割合(酸素流量比)、または成膜室内の酸素分圧が高いほど、絶縁層110中に供給される酸素を増やすことができる。酸素流量比または酸素分圧は、例えば50%以上100以下、好ましくは65%以上100%以下、より好ましくは80%以上100以下、さらに好ましくは90%以上100%とする。特に、酸素流量比または酸素分圧を100%とすることが好ましい。
このように、酸素を含む雰囲気下でスパッタリング法により金属酸化物層114を形成することにより、金属酸化物層114の成膜時に、絶縁層110へ酸素を供給するとともに、絶縁層110から酸素が脱離することを防ぐことができる。その結果、絶縁層110に極めて多くの酸素を閉じ込めることができる。そして、後の加熱処理によって、半導体層108に多くの酸素を供給することができる。その結果、半導体層中の酸素欠損を低減でき、信頼性の高いトランジスタを実現できる。
なお、金属酸化物層114の形成後に、金属酸化物層114、絶縁層110、及び絶縁層104の一部をエッチングすることで、導電層106に達する開口を形成してもよい。これにより、後に形成する導電層112と導電層106とを、当該開口を介して電気的に接続することができる。
なお、金属酸化物層114の成膜により、絶縁層110に十分な量の酸素を供給できる場合には、上述の導電膜130を用いた酸素供給処理を省略してもよい。
〔導電膜112aの形成〕
続いて、金属酸化物層114上に導電膜112aを形成する(図5(A))。導電膜112aは、後に導電層112となる膜である。
導電膜112aは、金属または合金のスパッタリングターゲットを用いたスパッタリング法により成膜することが好ましい。
〔導電膜112a、金属酸化物層114、絶縁層110のエッチング〕
続いて、導電膜112a、金属酸化物層114、及び絶縁層110の一部をエッチングし、半導体層108の一部を露出させる(図5(B))。
ここで、導電膜112a、金属酸化物層114、及び絶縁層110は、それぞれ同じレジストマスクを用いて加工することが好ましい。または、エッチング後の導電層112をハードマスクとして用いて、金属酸化物層114と絶縁層110とをエッチングしてもよい。
これにより、上面形状が概略一致した島状の導電層112、金属酸化物層114、及び絶縁層110を形成することができる。
〔金属酸化物層116の形成〕
続いて、半導体層108、導電層112、絶縁層104等を覆って、金属酸化物層116を形成する(図5(C))。
金属酸化物層116は、例えばスパッタリング法、またはALD法などの成膜方法により形成することができる。
金属酸化物層116をスパッタリング法で形成する場合、金属または合金のスパッタリングターゲットを用い、成膜ガスとして酸素を含むガスを用いた反応性スパッタリング法で形成することができる。または、金属酸化物を含むスパッタリングターゲットを用いて成膜してもよい。
金属酸化物層116は、ALD法を用いて形成することもできる。ALD法は成膜速度や厚さの制御性が高いため、極めて薄い膜を均一に形成することができる。そのため、例えば1nm未満、または0.5nm未満の厚さの膜を均一に形成することができる。
例えば、ALD法を利用する成膜装置により酸化アルミニウム膜を形成する場合には、溶媒とアルミニウム前駆体を含む液体(トリメチルアルミニウム(TMA、Al(CH)など)を気化させた原料ガスと、酸化剤としてHOの2種類のガスを用いる。他の材料としては、トリス(ジメチルアミド)アルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、アルミニウムトリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)などがある。
また、ALD法を利用する成膜装置により酸化ハフニウム膜を形成する場合には、溶媒とハフニウム前駆体を含む液体(ハフニウムアルコキシドや、テトラキス(ジメチルアミド)ハフニウム(TDMAH、Hf[N(CH)やテトラキス(エチルメチルアミド)ハフニウムなどのハフニウムアミド)を気化させた原料ガスと、酸化剤としてオゾン(O)の2種類のガスを用いる。
また、ALD法を利用する成膜装置によりハフニウムアルミネート膜を形成する場合には、上記酸化アルミニウム膜の形成に用いる原料ガスと、酸化ハフニウムの形成に用いる原料ガスの両方を用いて形成することができる。
また、金属酸化物層116として、ALD法などにより形成された、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ランタン膜、酸化セリウム膜および酸化ネオジム膜等を一種以上含む膜を用いることもできる。
また、金属酸化物層116をスパッタリング法により形成する場合、スパッタリング法により形成した膜は、ALD法により形成した膜に比べて水素等の透過性が高い場合がある。そのため、ALD法を用いた場合よりも厚さを厚く形成することができるため、歩留りを高めることができる。
スパッタリング法を用いる場合には、金属酸化物層114の形成方法を援用できる。また、金属酸化物層116と金属酸化物層114とを、同じスパッタリングターゲットを用いて成膜することで、装置を共有化できるため好ましい。
〔絶縁層118の形成〕
続いて、金属酸化物層116を覆って絶縁層118を形成する(図6(A))。
絶縁層118として、水素を含む膜とすることが好ましい。例えば窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、または酸化窒化シリコン膜などの水素を含有する絶縁膜などを用いることが好ましい。このような絶縁層118は、加熱処理により水素を放出することができる。
例えば、水素を含む絶縁層118は、スパッタリング法またはプラズマCVD法により形成される窒化シリコン層、窒化酸化シリコン層、窒化アルミニウム層、窒化酸化アルミニウム層が好ましい。特に、シランと、窒素を含む気体(代表的には、窒素ガス、アンモニアガス等)とを少なくとも原料ガスとしたプラズマCVD法により形成される窒化シリコン層または窒化酸化シリコン層は比較的水素原子を多く含むため好ましい。
また、水素化アルミニウムと、窒素を含む気体とを少なくとも原料ガスとしたプラズマCVD法により形成される窒化アルミニウム層、窒化酸化アルミニウム層は、比較的水素原子を多く含むため好ましい。
なお、本明細書において、水素を含む絶縁層とは、半導体層108のチャネル形成領域に接する絶縁層(絶縁層110、絶縁層104等)と比較して多くの水素を含む絶縁層をいう。例えば、水素を含む絶縁層中の水素濃度は、1×1019atoms/cm以上1×1022atoms/cm以下とすることが好ましい。
〔加熱処理〕
金属酸化物層116及び絶縁層118を形成した後に、加熱処理を行う。
加熱処理により、絶縁層118から放出される水素138の一部が、金属酸化物層116を透過して半導体層108に供給される。これにより、半導体層108の金属酸化物層116に接する部分に低抵抗な領域108nが形成される。
一方、半導体層108の導電層112と重なる部分においては、加熱処理により、絶縁層110から半導体層108に酸素が供給され、半導体層108中の酸素欠損を低減することができる。絶縁層110は極めて多くの過剰酸素が含まれるため、比較的低温の加熱処理であっても、十分な量の酸素を半導体層108に供給することができる。
加熱処理の最高温度が高いほど好ましいが、大型の基板を用いた場合には、例えば100℃以上450℃以下、好ましくは150℃以上400℃以下、より好ましくは150℃以上350℃以下、さらに好ましくは150℃以上340℃以下、さらに好ましくは200℃以上330℃以下、さらに好ましくは200℃以上300℃以下とする。
〔開口部141a、141bの形成〕
続いて、絶縁層118の所望の位置に、リソグラフィによりマスクを形成した後、絶縁層118及び金属酸化物層116の一部をエッチングすることで、領域108nに達する開口部141a、開口部141bを形成する(図6(B))。
〔導電層120a、120bの形成〕
続いて、開口部141a、開口部141bを覆うように、絶縁層118上に導電膜を成膜し、当該導電膜を所望の形状に加工することで、導電層120a、導電層120bを形成する(図6(C))。
以上の工程により、トランジスタ100を作製することができる。なお、図6(C)に示す断面図は、図2(B)で示した図と同じ図である。
本作製方法例によれば、半導体層のソース領域及びドレイン領域として機能する低抵抗領域に供給される水素の量を制御することができる。そのため、水素の供給量が多すぎることで、チャネル形成領域にまで拡散し、スイッチング特性が悪化することを抑制することができる。また、水素の供給量が不足することで、ソース領域及びドレイン領域の低抵抗化が不十分となることも抑制できる。したがって、電気特性に優れたトランジスタを実現できる。
さらに、本作製方法例によれば、半導体層と接する酸化物絶縁膜中に極めて多くの酸素を供給することが可能となる。そのため半導体中の酸素欠損が十分に低減することが可能であり、電気特性に優れたトランジスタを実現できる。
また、例えばトランジスタの作製工程にかかる最高温度を400℃以下、または350℃以下、または340℃以下、または330℃以下、または300℃以下にまで低減することができ、生産性を高めることができる。
以上が作製方法例についての説明である。
[構成例3]
以下では、上記実施の形態で例示したトランジスタと異なる構成を有するトランジスタについて説明する。
図7(A)、(B)に、以下で例示するトランジスタ100Bの断面図を示す。図7(A)は、トランジスタ100Bのチャネル長方向の断面に相当し、図7(B)は、チャネル幅方向の断面に相当する。
トランジスタ100Bは、上記構成例2で例示したトランジスタ100Aと比較して、絶縁層113を有する点で主に相違している。
絶縁層113は、金属酸化物層116と絶縁層118との間に位置する。また、絶縁層113は、導電層112、金属酸化物層114、及び絶縁層110の側面を覆う金属酸化物層116に沿って設けられている。絶縁層113は、例えばサイドウォール絶縁膜とも呼ぶことができる。
図7(A)に示すように、絶縁層113を設けることで、導電層112と導電層120aまたは導電層120bとの間の物理的な距離を広げることができる。これにより、導電層112と導電層120aまたは導電層120bとの間に生じる寄生容量を低減することができる。そのため、このようなトランジスタ100Bは大型の表示装置や、高いフレーム周波数で駆動する表示装置などに好適に用いることができる。
ここで、図8(A)、(B)に示すトランジスタ100Cのように、絶縁層113を絶縁層118上に設ける構成としてもよい。
またこのとき、図8(A)、(B)に示すように、絶縁層113及び絶縁層118を覆って絶縁層119を設け、導電層120a及び導電層120bを当該絶縁層119上に設けることが好ましい。これにより、導電層112と導電層120aまたは導電層120bとの物理的な距離をより広げることができる。なお、絶縁層119は、絶縁層110や絶縁層104と同様の方法により形成することができる。
図7(A)、(B)に示す構成では、導電層112等の側面を覆う金属酸化物層116と、水素を含む絶縁層118との間に絶縁層113を設けることで、絶縁層118から放出される水素が金属酸化物層116を介して、絶縁層110、金属酸化物層114、及び導電層112に拡散することを防ぐことができる。これにより、ゲート電極として機能する導電層112から、半導体層108のチャネル形成領域までの積層構造に水素が混入することで欠陥準位が形成されてしまうことを防ぐことができる。そのため、信頼性の高いトランジスタを実現することができる。
絶縁層113は、少なくとも絶縁層118よりも水素濃度の低い絶縁性材料を用いることができる。例えば、絶縁層113に、絶縁層110または絶縁層104等と同様の絶縁性材料を用いることができる。特に、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜等の酸化絶縁膜を用いることが好ましい。
絶縁層113は、例えば金属酸化物層116(図8においては絶縁層118)上に絶縁膜を成膜した後に、レジストマスクを用いることなく異方性のエッチングを行うことで形成することができる。
[構成例4]
本発明の一態様によれば、トランジスタを低温で形成することが可能なため、耐熱性の比較的低い基板上に作製することが可能である。以下では、一例として、可撓性を有する程度に薄い有機樹脂基板上に設けられたトランジスタについて説明する。
図9(A)、(B)に、以下で例示するトランジスタ100Dの断面図を示す。なお、上面図については図2(A)を援用できる。トランジスタ100Dは、上記構成例2で例示したトランジスタ100と比較して、基板102に代えて基板102a上に設けられている点、及び絶縁層103を有する点で、主に相違している。
基板102aとしては、可撓性を有する程度に薄い(例えば厚さ100nm以上100μm以下)有機樹脂などの基板を用いることができる。
有機樹脂としては、代表的にはポリイミド樹脂を用いることができる。ポリイミド樹脂は、耐熱性に優れるため好ましい。このほかにアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂等を用いることができる。
有機樹脂は、例えばスピンコート、ディップ、スプレー塗布、インクジェット、ディスペンス、スクリーン印刷、オフセット印刷、ドクターナイフ、スリットコート、ロールコート、カーテンコート、ナイフコート等の方法により、樹脂前駆体と溶媒の混合材料、または可溶性の樹脂材料と溶媒の混合材料を、支持基板上に形成する。その後、加熱処理により、溶媒等を除去するとともに、材料を硬化させ、有機樹脂を含む基板102aを形成することができる。
例えば、ポリイミドを用いる場合には、脱水によりイミド結合が生じる樹脂前駆体を用いることができる。または、可溶性のポリイミドを含む材料を用いてもよい。
絶縁層103としては、無機絶縁膜を用いることができる。絶縁層103は、基板102aに含まれる不純物が、トランジスタ100Dに拡散することを防ぐバリア膜として機能することが好ましい。
バリア性の高い無機絶縁膜としては、例えば窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウムなどが挙げられる。
また、絶縁層103を積層膜とする場合には、少なくとも一層にバリア性の高い無機絶縁膜を適用することが好ましい。例えば、基板102aから酸化窒化シリコン膜と、窒化シリコン膜を積層した2層構造、酸化窒化シリコン膜と、窒化シリコン膜と、酸化窒化シリコン膜を積層した3層構造などとしてもよい。
ここで、トランジスタ100Dの作製方法の一例について説明する。まず、ガラス基板等の支持基板上に基板102aとなる樹脂層と、絶縁層103とを積層して形成する。続いて、絶縁層103上に、上記作製方法例と同様の方法によりトランジスタを形成する。その後、支持基板と基板102aとを分離することにより、可撓性を有する基板102a上のトランジスタ100Dを作製することができる。
支持基板と基板102aの分離方法は、様々な方法を用いることができる。例えば支持基板側からレーザ光を照射することで、支持基板と基板102aとの密着性を低下させる方法を用いてもよい。このとき、支持基板と基板102aとの間に、光吸収層を設けてもよい。光吸収層としては、レーザ光に用いる光の一部を吸収しうる材料を用いることができる。例えば、レーザ光として波長308nmのエキシマレーザを用いる場合には、光吸収層としては、金属、半導体、酸化物等を用いることができる。例えば、シリコンなどの半導体膜、チタンやタングステンなどの金属膜、酸化チタン、酸化タングステン、酸化インジウム、インジウムスズ酸化物などの酸化物膜等を用いることができる。
また、支持基板上に絶縁層103を形成し、トランジスタを作製した後に、支持基板と絶縁層103との間で分離して、絶縁層103と基板102aとを接着層105により貼り合せる構成としてもよい。その場合の断面図を図9(C)に示す。このとき、絶縁層103と支持基板との間に、剥離層を形成することが好ましい。例えば、剥離層としてタングステンなどの高融点金属材料を含む層と、当該金属材料の酸化物を含む層を積層して用い、その上の絶縁層103として、窒化シリコン、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコンなどの無機絶縁材料を含む絶縁層を積層して用いることができる。このとき、タングステンと酸化タングステンの界面、酸化タングステン中、または酸化タングステンと絶縁層の界面で剥離することができる。
[構成例5]
図10(A)、(B)に、以下で例示するトランジスタ100Eの断面図を示す。なお、上面図については図2(A)を援用できる。トランジスタ100Eは、上記構成例2で例示したトランジスタ100と比較して、半導体層108が積層構造を有する点で、主に相違している。
半導体層108は、絶縁層104側から半導体層108aと半導体層108bとが積層された積層構造を有する。
半導体層108bは、半導体層108aよりも結晶性の高い膜であることが好ましい。
また半導体層108aと半導体層108bとは、同じ酸化物ターゲットを用い、成膜条件を異ならせることで、大気に触れることなく連続して形成されることが好ましい。
例えば、半導体層108aの成膜時の酸素流量比を、半導体層108bの成膜時の酸素流量比よりも小さくする。または、半導体層108aの成膜時に、酸素を流さない条件とする。これにより、半導体層108bの成膜時に、半導体層108aに酸素を効果的に供給することができる。また、半導体層108aは半導体層108bよりも結晶性が低く、電気伝導性の高い膜とすることができる。一方、上部に設けられる半導体層108bを半導体層108aよりも結晶性の高い膜とすることで、半導体層108の加工時や、絶縁層110の成膜時のダメージを抑制することができる。例えば、半導体層108aにCAC−OS膜を用い、半導体層108bにCAAC−OS膜を用いることができる。
より具体的には、半導体層108aの成膜時の酸素流量比を、0%以上50%未満、好ましくは0%以上30%以下、より好ましくは0%以上20%以下、代表的には10%とする。また半導体層108bの成膜時の酸素流量比を、50%以上100%以下、好ましくは60%以上100%以下、より好ましくは80%以上100%以下、さらに好ましくは90%以上100%以下、代表的には100%とする。また、半導体層108aと半導体層108bとで、成膜時の圧力、温度、電力等の条件を異ならせてもよいが、酸素流量比以外の条件を同じとすることで、成膜工程にかかる時間を短縮することができるため好ましい。
半導体層108をこのような積層構造とすることで、電気特性に優れ、且つ信頼性の高いトランジスタを実現できる。
なお、半導体層108aと半導体層108bとは、それぞれ異なる組成の膜であってもよい。このとき、半導体層108a及び半導体層108bの両方に、In−Ga−Zn酸化物を用いた場合、半導体層108aに、半導体層108bよりもInの組成が高い酸化物ターゲットを用いることが好ましい。
また図10(A)に示すように、半導体層108aの導電層112と重ならない領域には低抵抗な領域108naが設けられ、半導体層108bの導電層112と重ならない領域には低抵抗な領域108nbが設けられている。
[構成例6]
図11(A)、(B)に、以下で例示するトランジスタ100Fの断面図を示す。なお、上面図については図2(A)を援用できる。トランジスタ100Fは、上記構成例2で例示したトランジスタ100と比較して、半導体層108が積層構造を有する点で、主に相違している。
半導体層108は、絶縁層104側から半導体層108cと半導体層108aとが積層された積層構造を有する。
半導体層108cは、半導体層108aよりも結晶性の高い膜であることが好ましい。また、半導体層108cは、半導体層108aよりも水素及び酸素が拡散しにくい膜であることが好ましい。
半導体層108a及び半導体層108cとして、In−Ga−Zn酸化物を用いた場合には、半導体層108cが半導体層108aよりもInの組成が少ない材料を用いることが好ましい。また、半導体層108cが半導体層108aよりもZnの組成が多い材料を用いることが好ましい。これにより、半導体層108cの水素及び酸素に対するバリア性を向上させることができる。特にZnの組成を高めることにより、半導体層108cの結晶性を高めることが容易となるため、バリア性を向上させることができる。
例えば、半導体層108cとして、In、M、及びZnの原子数の比が、In:M:Zn=1:3:4、In:M:Zn=1:3:2、またはそれらの近傍であるスパッタリングターゲットで形成した膜を用いることが好ましい。
半導体層108aと絶縁層104との間に、バリア性の高い半導体層108cを設けることにより、絶縁層104から半導体層108aに酸素及び水素が拡散することを防ぐことができる。そのため、半導体層108aのチャネル形成領域中の水素を低減でき、信頼性の高いトランジスタを実現できる。また、半導体層108aの低抵抗な領域108naに酸素が供給されることにより、高抵抗化してしまうことを防ぐことができるため、ソース−ドレイン間の抵抗を低くすることができる。
なお、図11(A)に示すように、半導体層108cの導電層112と重ならない部分には、低抵抗な領域108ncが形成されていてもよい。
[構成例7]
図12(A)、(B)に、以下で例示するトランジスタ100Gの断面図を示す。なお、上面図については図2(A)を援用できる。トランジスタ100Gは、上記構成例2で例示したトランジスタ100と比較して、半導体層108が積層構造を有する点で、主に相違している。
半導体層108は、絶縁層104側から半導体層108cと半導体層108aと半導体層108bとが、積層された積層構造を有する。
半導体層108a及び半導体層108bは、上記構成例5と同様の膜を用いることができる。また半導体層108cは、上記構成例6と同様の膜を用いることができる。
このような構成とすることで、半導体層108cにより絶縁層104から半導体層108aへの不純物の拡散を防ぎつつ、半導体層108bにより、加工時のダメージ等を防ぐことができる。これにより、信頼性に優れたトランジスタを実現できる。
以上が、各構成例についての説明である。
本実施の形態で例示した構成例、作製方法例、及びそれらに対応する図面等は、少なくともその一部を他の構成例、作製方法例、または図面等と適宜組み合わせて実施することができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、先の実施の形態で例示したトランジスタを有する表示装置の一例について説明を行う。
[構成例]
図13(A)は、表示装置の一例を示す上面図である。図13(A)に示す表示装置700は、第1の基板701上に設けられた画素部702と、第1の基板701に設けられたソースドライバ回路部704及びゲートドライバ回路部706と、画素部702、ソースドライバ回路部704、及びゲートドライバ回路部706を囲むように配置されるシール材712と、第1の基板701に対向するように設けられる第2の基板705と、を有する。なお、第1の基板701と第2の基板705は、シール材712によって貼り合わされている。すなわち、画素部702、ソースドライバ回路部704、及びゲートドライバ回路部706は、第1の基板701とシール材712と第2の基板705によって封止されている。なお、図13(A)には図示しないが、第1の基板701と第2の基板705の間には表示素子が設けられる。
また、表示装置700は、第1の基板701上のシール材712によって囲まれている領域とは異なる領域に、FPC端子部708(FPC:Flexible printed circuit)が設けられる。FPC端子部708は、画素部702、ソースドライバ回路部704、ゲートドライバ回路部706、及びゲートドライバ回路部706と、それぞれ電気的に接続される。また、FPC端子部708には、FPC716が接続され、FPC716によって画素部702、ソースドライバ回路部704、及びゲートドライバ回路部706に各種信号等が供給される。また、画素部702、ソースドライバ回路部704、ゲートドライバ回路部706、及びFPC端子部708には、信号線710が各々接続されている。FPC716により供給される各種信号等は、信号線710を介して、画素部702、ソースドライバ回路部704、ゲートドライバ回路部706、及びFPC端子部708に与えられる。
また、表示装置700にゲートドライバ回路部706を複数設けてもよい。また、表示装置700としては、ソースドライバ回路部704、及びゲートドライバ回路部706を画素部702と同じ第1の基板701に形成している例を示しているが、この構成に限定されない。例えば、ゲートドライバ回路部706のみを第1の基板701に形成してもよい、またはソースドライバ回路部704のみを第1の基板701に形成してもよい。この場合、ソースドライバ回路またはゲートドライバ回路等が形成された基板(例えば、単結晶半導体膜、多結晶半導体膜で形成された駆動回路基板)を、第1の基板701に形成する構成としても良い。なお、別途形成した駆動回路基板の接続方法は、特に限定されるものではなく、COG(Chip On Glass)方法、ワイヤボンディング方法などを用いることができる。
また、表示装置700が有する画素部702、ソースドライバ回路部704及びゲートドライバ回路部706は、複数のトランジスタを有しており、本発明の一態様の半導体装置であるトランジスタを適用することができる。
また、表示装置700は、様々な素子を有することができる。該素子の一例としては、例えば、エレクトロルミネッセンス(EL)素子(有機物及び無機物を含むEL素子、有機EL素子、無機EL素子、LEDなど)、発光トランジスタ素子(電流に応じて発光するトランジスタ)、電子放出素子、液晶素子、電子インク素子、電気泳動素子、エレクトロウェッティング素子、プラズマディスプレイパネル(PDP)、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)ディスプレイ(例えば、グレーティングライトバルブ(GLV)、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、デジタル・マイクロ・シャッター(DMS)素子、インターフェロメトリック・モジュレーション(IMOD)素子など)、圧電セラミックディスプレイなどが挙げられる。
また、EL素子を用いた表示装置の一例としては、ELディスプレイなどがある。電子放出素子を用いた表示装置の一例としては、フィールドエミッションディスプレイ(FED)又はSED方式平面型ディスプレイ(SED:Surface−conduction Electron−emitter Display)などがある。液晶素子を用いた表示装置の一例としては、液晶ディスプレイ(透過型液晶ディスプレイ、半透過型液晶ディスプレイ、反射型液晶ディスプレイ、直視型液晶ディスプレイ、投射型液晶ディスプレイ)などがある。電子インク素子又は電気泳動素子を用いた表示装置の一例としては、電子ペーパーなどがある。なお、半透過型液晶ディスプレイや反射型液晶ディスプレイを実現する場合には、画素電極の一部または全部が、反射電極としての機能を有するようにすればよい。例えば、画素電極の一部または全部が、アルミニウム、銀、などを有するようにすればよい。さらにその場合、反射電極の下にSRAMなどの記憶回路を設けることも可能である。これにより、さらに消費電力を低減することができる。
なお、表示装置700における表示方式は、プログレッシブ方式やインターレース方式等を用いることができる。また、カラー表示する際に画素で制御する色要素としては、RGB(Rは赤、Gは緑、Bは青を表す)の三色に限定されない。例えば、Rの画素とGの画素とBの画素とW(白)の画素の四画素から構成されてもよい。または、ペンタイル配列のように、RGBのうちの2色分で一つの色要素を構成し、色要素によって、異なる2色を選択して構成してもよい。またはRGBに、イエロー、シアン、マゼンタ等を一色以上追加してもよい。なお、色要素のドット毎にその表示領域の大きさが異なっていてもよい。ただし、開示する発明はカラー表示の表示装置に限定されるものではなく、モノクロ表示の表示装置に適用することもできる。
また、バックライト(有機EL素子、無機EL素子、LED、蛍光灯など)に白色発光(W)を用いて表示装置をカラー表示させるために、着色層(カラーフィルタともいう。)を用いてもよい。着色層は、例えば、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)、イエロー(Y)などを適宜組み合わせて用いることができる。着色層を用いることで、着色層を用いない場合と比べて色の再現性を高くすることができる。このとき、着色層を有する領域と、着色層を有さない領域と、を配置することによって、着色層を有さない領域における白色光を直接表示に利用しても構わない。一部に着色層を有さない領域を配置することで、明るい表示の際に、着色層による輝度の低下を少なくでき、消費電力を2割から3割程度低減できる場合がある。ただし、有機EL素子や無機EL素子などの自発光素子を用いてフルカラー表示する場合、R、G、B、Y、Wを、それぞれの発光色を有する素子から発光させても構わない。自発光素子を用いることで、着色層を用いた場合よりも、さらに消費電力を低減できる場合がある。
また、カラー化方式としては、上述の白色発光からの発光の一部をカラーフィルタを通すことで赤色、緑色、青色に変換する方式(カラーフィルタ方式)の他、赤色、緑色、青色の発光をそれぞれ用いる方式(3色方式)、または青色発光からの発光の一部を赤色や緑色に変換する方式(色変換方式、量子ドット方式)を適用してもよい。
図13(B)に示す表示装置700Aは、大型の画面を有する電子機器に好適に用いることのできる表示装置である。例えばテレビジョン装置、モニタ装置、デジタルサイネージなどに好適に用いることができる。
表示装置700Aは、複数のソースドライバIC721と、一対のゲートドライバ回路722を有する。
複数のソースドライバIC721は、それぞれFPC723に取り付けられている。また、複数のFPC723は、一方の端子が基板701に、他方の端子がプリント基板724にそれぞれ接続されている。FPC723を折り曲げることで、プリント基板724を画素部702の裏側に配置して、電気機器に実装することができる。
一方、ゲートドライバ回路722は、基板701上に形成されている。これにより、狭額縁の電子機器を実現できる。
このような構成とすることで、大型で且つ高解像度な表示装置を実現できる。例えば画面サイズが対角30インチ以上、40インチ以上、50インチ以上、または60インチ以上の表示装置に適用することができる。また、解像度がフルハイビジョン、4K2K、または8K4Kなどといった極めて高解像度の表示装置を実現することができる。
[断面構成例]
以下では、表示素子として液晶素子及びEL素子を用いる構成について、図14乃至図16を用いて説明する。なお、図14及び図15は、図13(A)に示す一点鎖線Q−Rにおける断面図であり、表示素子として液晶素子を用いた構成である。また、図16は、図13(A)に示す一点鎖線Q−Rにおける断面図であり、表示素子としてEL素子を用いた構成である。
まず、図14乃至図16に示す共通部分について最初に説明し、次に異なる部分について以下説明する。
〔表示装置の共通部分に関する説明〕
図14乃至図16に示す表示装置700は、引き回し配線部711と、画素部702と、ソースドライバ回路部704と、FPC端子部708と、を有する。また、引き回し配線部711は、信号線710を有する。また、画素部702は、トランジスタ750及び容量素子790を有する。また、ソースドライバ回路部704は、トランジスタ752を有する。
トランジスタ750及びトランジスタ752は、実施の形態1で例示したトランジスタを適用することができる。
本実施の形態で用いるトランジスタは、高純度化し、酸素欠損の形成を抑制した酸化物半導体膜を有する。該トランジスタは、オフ電流を低くすることができる。よって、画像信号等の電気信号の保持時間を長くすることができ、電源オン状態では書き込み間隔も長く設定できる。よって、リフレッシュ動作の頻度を少なくすることができるため、消費電力を抑制する効果を奏する。
また、本実施の形態で用いるトランジスタは、比較的高い電界効果移動度が得られるため、高速駆動が可能である。例えば、このような高速駆動が可能なトランジスタを表示装置に用いることで、画素部のスイッチングトランジスタと、駆動回路部に使用するドライバトランジスタを同一基板上に形成することができる。すなわち、別途駆動回路として、シリコンウェハ等により形成された半導体装置を用いる必要がないため、半導体装置の部品点数を削減することができる。また、画素部においても、高速駆動が可能なトランジスタを用いることで、高画質な画像を提供することができる。
容量素子790は、トランジスタ750が有する第1のゲート電極と機能する導電膜と同一の導電膜を加工する工程を経て形成される下部電極と、トランジスタ750が有するソース電極またはドレイン電極として機能する導電膜と同一の導電膜を加工する工程を経て形成される上部電極と、を有する。また、下部電極と上部電極との間には、トランジスタ750が有する第1のゲート絶縁膜として機能する絶縁膜と同一の絶縁膜を形成する工程を経て形成される絶縁膜、及びトランジスタ750上の保護絶縁膜として機能する絶縁膜と同一の絶縁膜を形成する工程を経て形成される絶縁膜が設けられる。すなわち、容量素子790は、一対の電極間に誘電体膜として機能する絶縁膜が挟持された積層型の構造である。
また、図14乃至図16において、トランジスタ750、トランジスタ752、及び容量素子790上に平坦化絶縁膜770が設けられている。
また、図14乃至図16においては、画素部702が有するトランジスタ750と、ソースドライバ回路部704が有するトランジスタ752と、を同じ構造のトランジスタを用いる構成について例示したが、これに限定されない。例えば、画素部702と、ソースドライバ回路部704とは、異なるトランジスタを用いてもよい。具体的には、画素部702にトップゲート型のトランジスタを用い、ソースドライバ回路部704にボトムゲート型のトランジスタを用いる構成、あるいは画素部702にボトムゲート型のトランジスタを用い、ソースドライバ回路部704にトップゲート型のトランジスタを用いる構成などが挙げられる。なお、上記のソースドライバ回路部704を、ゲートドライバ回路部と読み替えてもよい。
また、信号線710は、トランジスタ750、752のソース電極及びドレイン電極として機能する導電膜と同じ工程を経て形成される。信号線710として、例えば、銅元素を含む材料を用いた場合、配線抵抗に起因する信号遅延等が少なく、大画面での表示が可能となる。
また、FPC端子部708は、接続電極760、異方性導電膜780、及びFPC716を有する。なお、接続電極760は、トランジスタ750、752のソース電極及びドレイン電極として機能する導電膜と同じ工程を経て形成される。また、接続電極760は、FPC716が有する端子と異方性導電膜780を介して、電気的に接続される。
また、第1の基板701及び第2の基板705としては、例えばガラス基板を用いることができる。また、第1の基板701及び第2の基板705として、可撓性を有する基板を用いてもよい。該可撓性を有する基板としては、例えばプラスチック基板等が挙げられる。
また、第1の基板701と第2の基板705の間には、構造体778が設けられる。構造体778は柱状のスペーサであり、第1の基板701と第2の基板705の間の距離(セルギャップ)を制御するために設けられる。なお、構造体778として、球状のスペーサを用いていてもよい。
また、第2の基板705側には、ブラックマトリクスとして機能する遮光膜738と、カラーフィルタとして機能する着色膜736と、遮光膜738及び着色膜736に接する絶縁膜734が設けられる。
〔液晶素子を用いる表示装置の構成例〕
図14に示す表示装置700は、液晶素子775を有する。液晶素子775は、導電膜772、導電膜774、及び液晶層776を有する。導電膜774は、第2の基板705側に設けられ、対向電極としての機能を有する。図14に示す表示装置700は、導電膜772と導電膜774に印加される電圧によって、液晶層776の配向状態が変わることによって光の透過、非透過が制御され画像を表示することができる。
また、導電膜772は、トランジスタ750が有するソース電極またはドレイン電極として機能する導電膜と電気的に接続される。導電膜772は、平坦化絶縁膜770上に形成され画素電極、すなわち表示素子の一方の電極として機能する。
導電膜772としては、可視光において透光性のある導電膜、または可視光において反射性のある導電膜を用いることができる。可視光において透光性のある導電膜としては、例えば、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、錫(Sn)の中から選ばれた一種を含む材料を用いるとよい。可視光において反射性のある導電膜としては、例えば、アルミニウム、または銀を含む材料を用いるとよい。
導電膜772に可視光において反射性のある導電膜を用いる場合、表示装置700は、反射型の液晶表示装置となる。また、導電膜772に可視光において透光性のある導電膜を用いる場合、表示装置700は、透過型の液晶表示装置となる。反射型の液晶表示装置の場合、視認側に偏光板を設ける。一方、透過型の液晶表示装置の場合、液晶素子を挟む一対の偏光板を設ける。
また、導電膜772上の構成を変えることで、液晶素子の駆動方式を変えることができる。この場合の一例を図15に示す。また、図15に示す表示装置700は、液晶素子の駆動方式として横電界方式(例えば、FFSモード)を用いる構成の一例である。図15に示す構成の場合、導電膜772上に絶縁膜773が設けられ、絶縁膜773上に導電膜774が設けられる。この場合、導電膜774は、共通電極(コモン電極ともいう)としての機能を有し、絶縁膜773を介して、導電膜772と導電膜774との間に生じる電界によって、液晶層776の配向状態を制御することができる。
また、図14及び図15において図示しないが、導電膜772または導電膜774のいずれか一方または双方に、液晶層776と接する側に、それぞれ配向膜を設ける構成としてもよい。また、図14及び図15において図示しないが、偏光部材、位相差部材、反射防止部材などの光学部材(光学基板)などは適宜設けてもよい。例えば、偏光基板及び位相差基板による円偏光を用いてもよい。また、光源としてバックライト、サイドライトなどを用いてもよい。
表示素子として液晶素子を用いる場合、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶、高分子ネットワーク型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
また、横電界方式を採用する場合、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために数重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を液晶層に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が短く、光学的等方性であるため配向処理が不要である。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。また、ブルー相を示す液晶材料は、視野角依存性が小さい。
また、表示素子として液晶素子を用いる場合、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optical Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、ゲストホストモードなどを用いることができる。
また、ノーマリーブラック型の液晶表示装置、例えば垂直配向(VA)モードを採用した透過型の液晶表示装置としてもよい。垂直配向モードとしては、いくつか挙げられるが、例えば、MVA(Multi−Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASVモードなどを用いることができる。
〔発光素子を用いる表示装置〕
図16に示す表示装置700は、発光素子782を有する。発光素子782は、導電膜772、EL層786、及び導電膜788を有する。図16に示す表示装置700は、画素毎に設けられる発光素子782が有するEL層786が発光することによって、画像を表示することができる。なお、EL層786は、有機化合物、または量子ドットなどの無機化合物を有する。
有機化合物に用いることのできる材料としては、蛍光性材料または燐光性材料などが挙げられる。また、量子ドットに用いることのできる材料としては、コロイド状量子ドット材料、合金型量子ドット材料、コア・シェル型量子ドット材料、コア型量子ドット材料、などが挙げられる。また、12族と16族、13族と15族、または14族と16族の元素グループを含む材料を用いてもよい。または、カドミウム(Cd)、セレン(Se)、亜鉛(Zn)、硫黄(S)、リン(P)、インジウム(In)、テルル(Te)、鉛(Pb)、ガリウム(Ga)、ヒ素(As)、アルミニウム(Al)、等の元素を有する量子ドット材料を用いてもよい。
図16に示す表示装置700には、平坦化絶縁膜770及び導電膜772上に絶縁膜730が設けられる。絶縁膜730は、導電膜772の一部を覆う。なお、発光素子782はトップエミッション構造である。したがって、導電膜788は透光性を有し、EL層786が発する光を透過する。なお、本実施の形態においては、トップエミッション構造について、例示するが、これに限定されない。例えば、導電膜772側に光を射出するボトムエミッション構造や、導電膜772及び導電膜788の双方に光を射出するデュアルエミッション構造にも適用することができる。
また、発光素子782と重なる位置に、着色膜736が設けられ、絶縁膜730と重なる位置、引き回し配線部711、及びソースドライバ回路部704に遮光膜738が設けられている。また、着色膜736及び遮光膜738は、絶縁膜734で覆われている。また、発光素子782と絶縁膜734の間は封止膜732で充填されている。なお、図16に示す表示装置700においては、着色膜736を設ける構成について例示したが、これに限定されない。例えば、EL層786を画素毎に島状に形成する、すなわち塗り分けにより形成する場合においては、着色膜736を設けない構成としてもよい。
〔表示装置に入出力装置を設ける構成例〕
また、図14乃至図16に示す表示装置700に入出力装置を設けてもよい。当該入出力装置としては、例えば、タッチパネル等が挙げられる。
図15に示す表示装置700にタッチパネル791を設ける構成を図17に、図16に示す表示装置700にタッチパネル791を設ける構成を図18に、それぞれ示す。
図17は図15に示す表示装置700にタッチパネル791を設ける構成の断面図であり、図18は図16に示す表示装置700にタッチパネル791を設ける構成の断面図である。
まず、図17及び図18に示すタッチパネル791について、以下説明を行う。
図17及び図18に示すタッチパネル791は、基板705と着色膜736との間に設けられる、所謂インセル型のタッチパネルである。タッチパネル791は、遮光膜738、及び着色膜736を形成する前に、基板705側に形成すればよい。
なお、タッチパネル791は、遮光膜738と、絶縁膜792と、電極793と、電極794と、絶縁膜795と、電極796と、絶縁膜797と、を有する。例えば、指やスタイラスなどの被検知体が近づくことで生じうる、電極793と電極794との間の容量の変化を検知することができる。
また、図17及び図18に示すトランジスタ750の上方においては、電極793と、電極794との交差部を明示している。電極796は、絶縁膜795に設けられた開口部を介して、電極794を挟む2つの電極793と電気的に接続されている。なお、図17及び図18においては、電極796が設けられる領域を画素部702に設ける構成を例示したが、これに限定されず、例えば、ソースドライバ回路部704に形成してもよい。
電極793及び電極794は、遮光膜738と重なる領域に設けられる。また、図17に示すように、電極793は、発光素子782と重ならないように設けられると好ましい。また、図18に示すように、電極793は、液晶素子775と重ならないように設けられると好ましい。別言すると、電極793は、発光素子782及び液晶素子775と重なる領域に開口部を有する。すなわち、電極793はメッシュ形状を有する。このような構成とすることで、電極793は、発光素子782が射出する光を遮らない構成とすることができる。または、電極793は、液晶素子775を透過する光を遮らない構成とすることができる。したがって、タッチパネル791を配置することによる輝度の低下が極めて少ないため、視認性が高く、且つ消費電力が低減された表示装置を実現できる。なお、電極794も同様の構成とすればよい。
また、電極793及び電極794が発光素子782と重ならないため、電極793及び電極794には、可視光の透過率が低い金属材料を用いることができる。または、電極793及び電極794が液晶素子775と重ならないため、電極793及び電極794には、可視光の透過率が低い金属材料を用いることができる。
そのため、可視光の透過率が高い酸化物材料を用いた電極と比較して、電極793及び電極794の抵抗を低くすることが可能となり、タッチパネルのセンサ感度を向上させることができる。
例えば、電極793、794、796には、導電性のナノワイヤを用いてもよい。当該ナノワイヤは、直径の平均値が1nm以上100nm以下、好ましくは5nm以上50nm以下、より好ましくは5nm以上25nm以下の大きさとすればよい。また、上記ナノワイヤとしては、Agナノワイヤ、Cuナノワイヤ、またはAlナノワイヤ等の金属ナノワイヤ、あるいは、カーボンナノチューブなどを用いればよい。例えば、電極793、794、796のいずれか一つあるいは全部にAgナノワイヤを用いる場合、可視光における光透過率を89%以上、シート抵抗値を40Ω/□以上100Ω/□以下とすることができる。
また、図17及び図18においては、インセル型のタッチパネルの構成について例示したが、これに限定されない。例えば、表示装置700上に形成する、所謂オンセル型のタッチパネルや、表示装置700に貼り合わせて用いる、所謂アウトセル型のタッチパネルとしてもよい。
このように、本発明の一態様の表示装置は、様々な形態のタッチパネルと組み合わせて用いることができる。
本実施の形態で例示した構成例、及びそれらに対応する図面等は、少なくともその一部を他の構成例、または図面等と適宜組み合わせて実施することができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置を有する表示装置について、図19を用いて説明を行う。
図19(A)に示す表示装置は、表示素子の画素を有する領域(以下、画素部502という)と、画素部502の外側に配置され、画素を駆動するための回路を有する回路部(以下、駆動回路部504という)と、素子の保護機能を有する回路(以下、保護回路506という)と、端子部507と、を有する。なお、保護回路506は、設けない構成としてもよい。
駆動回路部504の一部、または全部は、画素部502と同一基板上に形成されていることが望ましい。これにより、部品数や端子数を減らすことが出来る。駆動回路部504の一部、または全部が、画素部502と同一基板上に形成されていない場合には、駆動回路部504の一部、または全部は、COGやTAB(Tape Automated Bonding)によって、実装することができる。
画素部502は、X行(Xは2以上の自然数)Y列(Yは2以上の自然数)に配置された複数の表示素子を駆動するための回路(以下、画素回路501という)を有し、駆動回路部504は、画素を選択する信号(走査信号)を出力する回路(以下、ゲートドライバ504aという)、画素の表示素子を駆動するための信号(データ信号)を供給するための回路(以下、ソースドライバ504b)などの駆動回路を有する。
ゲートドライバ504aは、シフトレジスタ等を有する。ゲートドライバ504aは、端子部507を介して、シフトレジスタを駆動するための信号が入力され、信号を出力する。例えば、ゲートドライバ504aは、スタートパルス信号、クロック信号等が入力され、パルス信号を出力する。ゲートドライバ504aは、走査信号が与えられる配線(以下、走査線GL_1乃至GL_Xという)の電位を制御する機能を有する。なお、ゲートドライバ504aを複数設け、複数のゲートドライバ504aにより、走査線GL_1乃至GL_Xを分割して制御してもよい。または、ゲートドライバ504aは、初期化信号を供給することができる機能を有する。ただし、これに限定されず、ゲートドライバ504aは、別の信号を供給することも可能である。
ソースドライバ504bは、シフトレジスタ等を有する。ソースドライバ504bは、端子部507を介して、シフトレジスタを駆動するための信号の他、データ信号の元となる信号(画像信号)が入力される。ソースドライバ504bは、画像信号を元に画素回路501に書き込むデータ信号を生成する機能を有する。また、ソースドライバ504bは、スタートパルス、クロック信号等が入力されて得られるパルス信号に従って、データ信号の出力を制御する機能を有する。また、ソースドライバ504bは、データ信号が与えられる配線(以下、データ線DL_1乃至DL_Yという)の電位を制御する機能を有する。または、ソースドライバ504bは、初期化信号を供給することができる機能を有する。ただし、これに限定されず、ソースドライバ504bは、別の信号を供給することも可能である。
ソースドライバ504bは、例えば複数のアナログスイッチなどを用いて構成される。ソースドライバ504bは、複数のアナログスイッチを順次オン状態にすることにより、画像信号を時分割した信号をデータ信号として出力できる。また、シフトレジスタなどを用いてソースドライバ504bを構成してもよい。
複数の画素回路501のそれぞれは、走査信号が与えられる複数の走査線GLの一つを介してパルス信号が入力され、データ信号が与えられる複数のデータ線DLの一つを介してデータ信号が入力される。また、複数の画素回路501のそれぞれは、ゲートドライバ504aによりデータ信号のデータの書き込み及び保持が制御される。例えば、m行n列目の画素回路501は、走査線GL_m(mはX以下の自然数)を介してゲートドライバ504aからパルス信号が入力され、走査線GL_mの電位に応じてデータ線DL_n(nはY以下の自然数)を介してソースドライバ504bからデータ信号が入力される。
図19(A)に示す保護回路506は、例えば、ゲートドライバ504aと画素回路501の間の配線である走査線GLに接続される。または、保護回路506は、ソースドライバ504bと画素回路501の間の配線であるデータ線DLに接続される。または、保護回路506は、ゲートドライバ504aと端子部507との間の配線に接続することができる。または、保護回路506は、ソースドライバ504bと端子部507との間の配線に接続することができる。なお、端子部507は、外部の回路から表示装置に電源及び制御信号、及び画像信号を入力するための端子が設けられた部分をいう。
保護回路506は、自身が接続する配線に一定の範囲外の電位が与えられたときに、該配線と別の配線とを導通状態にする回路である。
図19(A)に示すように、画素部502と駆動回路部504にそれぞれ保護回路506を設けることにより、ESD(Electro Static Discharge:静電気放電)などにより発生する過電流に対する表示装置の耐性を高めることができる。ただし、保護回路506の構成はこれに限定されず、例えば、ゲートドライバ504aに保護回路506を接続した構成、またはソースドライバ504bに保護回路506を接続した構成とすることもできる。あるいは、端子部507に保護回路506を接続した構成とすることもできる。
また、図19(A)においては、ゲートドライバ504aとソースドライバ504bによって駆動回路部504を形成している例を示しているが、この構成に限定されない。例えば、ゲートドライバ504aのみを形成し、別途用意されたソースドライバ回路が形成された基板(例えば、単結晶半導体膜、多結晶半導体膜で形成された駆動回路基板)を実装する構成としてもよい。
ここで、図20に、図19(A)とは異なる構成を示す。図20では、ソース線方向に配列する複数の画素を挟むように、一対のソース線(例えばソース線DLa1とソース線DLb1)が配置されている。また、隣接する2本のゲート線(例えばゲート線GL_1とゲート線GL_2)が電気的に接続されている。
また、ゲート線GL_1に接続される画素は、片方のソース線(ソース線DLa1、ソース線DLa2等)に接続され、ゲート線GL_2に接続される画素は、他方のソース線(ソース線DLb1、ソース線DLb2等)に接続される。
このような構成とすることで、2本のゲート線を同時に選択することができる。これにより、一水平期間の長さを、図19(A)に示す構成と比較して2倍にすることができる。そのため、表示装置の高解像度化、及び大画面化が容易となる。
また、図19(A)及び図20に示す複数の画素回路501は、例えば、図19(B)に示す構成とすることができる。
図19(B)に示す画素回路501は、液晶素子570と、トランジスタ550と、容量素子560と、を有する。トランジスタ550に先の実施の形態に示すトランジスタを適用することができる。
液晶素子570の一対の電極の一方の電位は、画素回路501の仕様に応じて適宜設定される。液晶素子570は、書き込まれるデータにより配向状態が設定される。なお、複数の画素回路501のそれぞれが有する液晶素子570の一対の電極の一方に共通の電位(コモン電位)を与えてもよい。また、各行の画素回路501の液晶素子570の一対の電極の一方に異なる電位を与えてもよい。
例えば、液晶素子570を備える表示装置の駆動方法としては、TNモード、STNモード、VAモード、ASM(Axially Symmetric Aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード、MVAモード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、IPSモード、FFSモード、又はTBA(Transverse Bend Alignment)モードなどを用いてもよい。また、表示装置の駆動方法としては、上述した駆動方法の他、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード、PNLC(Polymer Network Liquid Crystal)モード、ゲストホストモードなどがある。ただし、これに限定されず、液晶素子及びその駆動方式として様々なものを用いることができる。
m行n列目の画素回路501において、トランジスタ550のソース電極またはドレイン電極の一方は、データ線DL_nに電気的に接続され、他方は液晶素子570の一対の電極の他方に電気的に接続される。また、トランジスタ550のゲート電極は、走査線GL_mに電気的に接続される。トランジスタ550は、オン状態またはオフ状態になることにより、データ信号のデータの書き込みを制御する機能を有する。
容量素子560の一対の電極の一方は、電位が供給される配線(以下、電位供給線VL)に電気的に接続され、他方は、液晶素子570の一対の電極の他方に電気的に接続される。なお、電位供給線VLの電位の値は、画素回路501の仕様に応じて適宜設定される。容量素子560は、書き込まれたデータを保持する保持容量としての機能を有する。
例えば、図19(B)の画素回路501を有する表示装置では、例えば、図19(A)に示すゲートドライバ504aにより各行の画素回路501を順次選択し、トランジスタ550をオン状態にしてデータ信号のデータを書き込む。
データが書き込まれた画素回路501は、トランジスタ550がオフ状態になることで保持状態になる。これを行毎に順次行うことにより、画像を表示できる。
また、図19(A)に示す複数の画素回路501は、例えば、図19(C)に示す構成とすることができる。
また、図19(C)に示す画素回路501は、トランジスタ552、554と、容量素子562と、発光素子572と、を有する。トランジスタ552及びトランジスタ554のいずれか一方または双方に先の実施の形態に示すトランジスタを適用することができる。
トランジスタ552のソース電極及びドレイン電極の一方は、データ信号が与えられる配線(以下、信号線DL_nという)に電気的に接続される。さらに、トランジスタ552のゲート電極は、ゲート信号が与えられる配線(以下、走査線GL_mという)に電気的に接続される。
トランジスタ552は、オン状態またはオフ状態になることにより、データ信号のデータの書き込みを制御する機能を有する。
容量素子562の一対の電極の一方は、電位が与えられる配線(以下、電位供給線VL_aという)に電気的に接続され、他方は、トランジスタ552のソース電極及びドレイン電極の他方に電気的に接続される。
容量素子562は、書き込まれたデータを保持する保持容量としての機能を有する。
トランジスタ554のソース電極及びドレイン電極の一方は、電位供給線VL_aに電気的に接続される。さらに、トランジスタ554のゲート電極は、トランジスタ552のソース電極及びドレイン電極の他方に電気的に接続される。
発光素子572のアノード及びカソードの一方は、電位供給線VL_bに電気的に接続され、他方は、トランジスタ554のソース電極及びドレイン電極の他方に電気的に接続される。
発光素子572としては、例えば有機エレクトロルミネセンス素子(有機EL素子ともいう)などを用いることができる。ただし、発光素子572としては、これに限定されず、無機材料を含む無機EL素子を用いても良い。
なお、電位供給線VL_a及び電位供給線VL_bの一方には、高電源電位VDDが与えられ、他方には、低電源電位VSSが与えられる。
図19(C)の画素回路501を有する表示装置では、例えば、図19(A)に示すゲートドライバ504aにより各行の画素回路501を順次選択し、トランジスタ552をオン状態にしてデータ信号のデータを書き込む。
データが書き込まれた画素回路501は、トランジスタ552がオフ状態になることで保持状態になる。さらに、書き込まれたデータ信号の電位に応じてトランジスタ554のソース電極とドレイン電極の間に流れる電流量が制御され、発光素子572は、流れる電流量に応じた輝度で発光する。これを行毎に順次行うことにより、画像を表示できる。
本実施の形態で例示した構成例、及びそれらに対応する図面等は、少なくともその一部を他の構成例、または図面等と適宜組み合わせて実施することができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置を有する表示モジュール及び電子機器について、図21乃至図23を用いて説明を行う。
[1.表示モジュール]
図21に示す表示モジュール7000は、上部カバー7001と下部カバー7002との間に、FPC7003に接続されたタッチパネル7004、FPC7005に接続された表示パネル7006、バックライト7007、フレーム7009、プリント基板7010、バッテリ7011を有する。
本発明の一態様の半導体装置は、例えば、表示パネル7006に用いることができる。
上部カバー7001及び下部カバー7002は、タッチパネル7004及び表示パネル7006のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。
タッチパネル7004は、抵抗膜方式または静電容量方式のタッチパネルを表示パネル7006に重畳して用いることができる。また、表示パネル7006の対向基板(封止基板)に、タッチパネル機能を持たせるようにすることも可能である。また、表示パネル7006の各画素内に光センサを設け、光学式のタッチパネルとすることも可能である。
バックライト7007は、光源7008を有する。なお、図21において、バックライト7007上に光源7008を配置する構成について例示したが、これに限定さない。例えば、バックライト7007の端部に光源7008を配置し、さらに光拡散板を用いる構成としてもよい。なお、有機EL素子等の自発光型の発光素子を用いる場合、または反射型パネル等の場合においては、バックライト7007を設けない構成としてもよい。
フレーム7009は、表示パネル7006の保護機能の他、プリント基板7010の動作により発生する電磁波を遮断するための電磁シールドとしての機能を有する。またフレーム7009は、放熱板としての機能を有していてもよい。
プリント基板7010は、電源回路、ビデオ信号及びクロック信号を出力するための信号処理回路を有する。電源回路に電力を供給する電源としては、外部の商用電源であっても良いし、別途設けたバッテリ7011による電源であってもよい。バッテリ7011は、商用電源を用いる場合には、省略可能である。
また、表示モジュール7000は、偏光板、位相差板、プリズムシートなどの部材を追加して設けてもよい。
[2.電子機器1]
次に、図22(A)乃至図22(E)に電子機器の一例を示す。
図22(A)は、ファインダー8100を取り付けた状態のカメラ8000の外観を示す図である。
カメラ8000は、筐体8001、表示部8002、操作ボタン8003、シャッターボタン8004等を有する。またカメラ8000には、着脱可能なレンズ8006が取り付けられている。
ここではカメラ8000として、レンズ8006を筐体8001から取り外して交換することが可能な構成としたが、レンズ8006と筐体が一体となっていてもよい。
カメラ8000は、シャッターボタン8004を押すことにより、撮像することができる。また、表示部8002はタッチパネルとしての機能を有し、表示部8002をタッチすることにより撮像することも可能である。
カメラ8000の筐体8001は、電極を有するマウントを有し、ファインダー8100のほか、ストロボ装置等を接続することができる。
ファインダー8100は、筐体8101、表示部8102、ボタン8103等を有する。
筐体8101は、カメラ8000のマウントと係合するマウントを有しており、ファインダー8100をカメラ8000に取り付けることができる。また当該マウントには電極を有し、当該電極を介してカメラ8000から受信した映像等を表示部8102に表示させることができる。
ボタン8103は、電源ボタンとしての機能を有する。ボタン8103により、表示部8102の表示のオン・オフを切り替えることができる。
カメラ8000の表示部8002、及びファインダー8100の表示部8102に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
なお、図22(A)では、カメラ8000とファインダー8100とを別の電子機器とし、これらを脱着可能な構成としたが、カメラ8000の筐体8001に、表示装置を備えるファインダーが内蔵されていてもよい。
図22(B)は、ヘッドマウントディスプレイ8200の外観を示す図である。
ヘッドマウントディスプレイ8200は、装着部8201、レンズ8202、本体8203、表示部8204、ケーブル8205等を有している。また装着部8201には、バッテリ8206が内蔵されている。
ケーブル8205は、バッテリ8206から本体8203に電力を供給する。本体8203は無線受信機等を備え、受信した画像データ等の映像情報を表示部8204に表示させることができる。また、本体8203に設けられたカメラで使用者の眼球やまぶたの動きを捉え、その情報をもとに使用者の視点の座標を算出することにより、使用者の視点を入力手段として用いることができる。
また、装着部8201には、使用者に触れる位置に複数の電極が設けられていてもよい。本体8203は使用者の眼球の動きに伴って電極に流れる電流を検知することにより、使用者の視点を認識する機能を有していてもよい。また、当該電極に流れる電流を検知することにより、使用者の脈拍をモニタする機能を有していてもよい。また、装着部8201には、温度センサ、圧力センサ、加速度センサ等の各種センサを有していてもよく、使用者の生体情報を表示部8204に表示する機能を有していてもよい。また、使用者の頭部の動きなどを検出し、表示部8204に表示する映像をその動きに合わせて変化させてもよい。
表示部8204に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
図22(C)(D)(E)は、ヘッドマウントディスプレイ8300の外観を示す図である。ヘッドマウントディスプレイ8300は、筐体8301と、表示部8302と、バンド状の固定具8304と、一対のレンズ8305と、を有する。
使用者は、レンズ8305を通して、表示部8302の表示を視認することができる。なお、表示部8302を湾曲して配置させる好適である。表示部8302を湾曲して配置することで、使用者が高い臨場感を感じることができる。なお、本実施の形態においては、表示部8302を1つ設ける構成について例示したが、これに限定されず、例えば、表示部8302を2つ設ける構成としてもよい。この場合、使用者の片方の目に1つの表示部が配置されるような構成とすると、視差を用いた3次元表示等を行うことも可能となる。
なお、表示部8302に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。本発明の一態様の半導体装置を有する表示装置は、極めて精細度が高いため、図22(E)のようにレンズ8305を用いて拡大したとしても、使用者に画素が視認されることなく、より現実感の高い映像を表示することができる。
[3.電子機器2]
次に、図22(A)乃至図22(E)に示す電子機器と、異なる電子機器の一例を図23(A)乃至図23(G)に示す。
図23(A)乃至図23(G)に示す電子機器は、筐体9000、表示部9001、スピーカ9003、操作キー9005(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子9006、センサ9007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9008、等を有する。
図23(A)乃至図23(G)に示す電子機器は、様々な機能を有する。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信または受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図23(A)乃至図23(G)に示す電子機器が有することのできる機能はこれらに限定されず、様々な機能を有することができる。また、図23(A)乃至図23(G)には図示していないが、電子機器には、複数の表示部を有する構成としてもよい。また、該電子機器にカメラ等を設け、静止画を撮影する機能、動画を撮影する機能、撮影した画像を記録媒体(外部またはカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有していてもよい。
図23(A)乃至図23(G)に示す電子機器の詳細について、以下説明を行う。
図23(A)は、テレビジョン装置9100を示す斜視図である。テレビジョン装置9100は、表示部9001を大画面、例えば、50インチ以上、または100インチ以上の表示部9001を組み込むことが可能である。
図23(B)は、携帯情報端末9101を示す斜視図である。携帯情報端末9101は、例えば電話機、手帳又は情報閲覧装置等から選ばれた一つ又は複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとして用いることができる。なお、携帯情報端末9101は、スピーカ9003、接続端子9006、センサ9007等を設けてもよい。また、携帯情報端末9101は、文字や画像情報をその複数の面に表示することができる。例えば、3つの操作ボタン9050(操作アイコンまたは単にアイコンともいう)を表示部9001の一の面に表示することができる。また、破線の矩形で示す情報9051を表示部9001の他の面に表示することができる。なお、情報9051の一例としては、電子メールやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)や電話などの着信を知らせる表示、電子メールやSNSなどの題名、電子メールやSNSなどの送信者名、日時、時刻、バッテリの残量、アンテナ受信の強度などがある。または、情報9051が表示されている位置に、情報9051の代わりに、操作ボタン9050などを表示してもよい。
図23(C)は、携帯情報端末9102を示す斜視図である。携帯情報端末9102は、表示部9001の3面以上に情報を表示する機能を有する。ここでは、情報9052、情報9053、情報9054がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。例えば、携帯情報端末9102の使用者は、洋服の胸ポケットに携帯情報端末9102を収納した状態で、その表示(ここでは情報9053)を確認することができる。具体的には、着信した電話の発信者の電話番号又は氏名等を、携帯情報端末9102の上方から観察できる位置に表示する。使用者は、携帯情報端末9102をポケットから取り出すことなく、表示を確認し、電話を受けるか否かを判断できる。
図23(D)は、腕時計型の携帯情報端末9200を示す斜視図である。携帯情報端末9200は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。また、表示部9001はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、携帯情報端末9200は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末9200は、接続端子9006を有し、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また接続端子9006を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は接続端子9006を介さずに無線給電により行ってもよい。
図23(E)(F)(G)は、折り畳み可能な携帯情報端末9201を示す斜視図である。また、図23(E)が携帯情報端末9201を展開した状態の斜視図であり、図23(F)が携帯情報端末9201を展開した状態または折り畳んだ状態の一方から他方に変化する途中の状態の斜視図であり、図23(G)が携帯情報端末9201を折り畳んだ状態の斜視図である。携帯情報端末9201は、折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では、継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。携帯情報端末9201が有する表示部9001は、ヒンジ9055によって連結された3つの筐体9000に支持されている。ヒンジ9055を介して2つの筐体9000間を屈曲させることにより、携帯情報端末9201を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。例えば、携帯情報端末9201は、曲率半径1mm以上150mm以下で曲げることができる。
本実施の形態において述べた電子機器は、何らかの情報を表示するための表示部を有することを特徴とする。ただし、本発明の一態様の半導体装置は、表示部を有さない電子機器にも適用することができる。
本実施の形態で例示した構成例、及びそれらに対応する図面等は、少なくともその一部を他の構成例、または図面等と適宜組み合わせて実施することができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器について、図面を参照して説明する。
以下で例示する電子機器は、表示部に本発明の一態様の表示装置を備えるものである。したがって、高い解像度が実現された電子機器である。また高い解像度と、大きな画面が両立された電子機器とすることができる。
本発明の一態様の電子機器の表示部には、例えばフルハイビジョン、4K2K、8K4K、16K8K、またはそれ以上の解像度を有する映像を表示させることができる。また、表示部の画面サイズとしては、対角20インチ以上、または対角30インチ以上、または対角50インチ以上、対角60インチ以上、または対角70インチ以上とすることもできる。
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルサイネージ(Digital Signage:電子看板)、パチンコ機などの大型ゲーム機などの比較的大きな画面を備える電子機器の他、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、などが挙げられる。
本発明の一態様の電子機器または照明装置は、家屋もしくはビルの内壁もしくは外壁、または、自動車の内装もしくは外装の曲面に沿って組み込むことができる。
本発明の一態様の電子機器は、アンテナを有していてもよい。アンテナで信号を受信することで、表示部で映像や情報等の表示を行うことができる。また、電子機器がアンテナ及び二次電池を有する場合、アンテナを、非接触電力伝送に用いてもよい。
本発明の一態様の電子機器は、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を測定する機能を含むもの)を有していてもよい。
本発明の一態様の電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)を実行する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出す機能等を有することができる。
図24(A)にテレビジョン装置の一例を示す。テレビジョン装置7100は、筐体7101に表示部7500が組み込まれている。ここでは、スタンド7103により筐体7101を支持した構成を示している。
表示部7500に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
図24(A)に示すテレビジョン装置7100の操作は、筐体7101が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機7111により行うことができる。または、表示部7500にタッチセンサを備えていてもよく、指等で表示部7500に触れることで操作してもよい。リモコン操作機7111は、当該リモコン操作機7111から出力する情報を表示する表示部を有していてもよい。リモコン操作機7111が備える操作キーまたはタッチパネルにより、チャンネル及び音量の操作を行うことができ、表示部7500に表示される映像を操作することができる。
なお、テレビジョン装置7100は、受信機及びモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
図24(B)に、ノート型パーソナルコンピュータ7200を示す。ノート型パーソナルコンピュータ7200は、筐体7211、キーボード7212、ポインティングデバイス7213、外部接続ポート7214等を有する。筐体7211に、表示部7500が組み込まれている。
表示部7500に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
図24(C)、(D)に、デジタルサイネージ(Digital Signage:電子看板)の一例を示す。
図24(C)に示すデジタルサイネージ7300は、筐体7301、表示部7500、及びスピーカ7303等を有する。さらに、LEDランプ、操作キー(電源スイッチ、または操作スイッチを含む)、接続端子、各種センサ、マイクロフォン等を有することができる。
また、図24(D)は円柱状の柱7401に取り付けられたデジタルサイネージ7400である。デジタルサイネージ7400は、柱7401の曲面に沿って設けられた表示部7500を有する。
図24(C)、(D)において、表示部7500に、本発明の一態様の表示装置を適用することができる。
表示部7500が広いほど、一度に提供できる情報量を増やすことができる。また、表示部7500が広いほど、人の目につきやすく、例えば、広告の宣伝効果を高めることができる。
表示部7500にタッチパネルを適用することで、表示部7500に画像または動画を表示するだけでなく、使用者が直感的に操作することができ、好ましい。また、路線情報もしくは交通情報などの情報を提供するための用途に用いる場合には、直感的な操作によりユーザビリティを高めることができる。
また、図24(C)、(D)に示すように、デジタルサイネージ7300またはデジタルサイネージ7400は、ユーザが所持するスマートフォン等の情報端末機7311または情報端末機7411と無線通信により連携可能であることが好ましい。例えば、表示部7500に表示される広告の情報を、情報端末機7311または情報端末機7411の画面に表示させることができる。また、情報端末機7311または情報端末機7411を操作することで、表示部7500の表示を切り替えることができる。
また、デジタルサイネージ7300またはデジタルサイネージ7400に、情報端末機7311または情報端末機7411の画面を操作手段(コントローラ)としたゲームを実行させることもできる。これにより、不特定多数のユーザが同時にゲームに参加し、楽しむことができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置を有する表示装置を適用することのできるテレビジョン装置の例について、図面を参照して説明する。
図25(A)に、テレビジョン装置600のブロック図を示す。
なお、本明細書に添付した図面では、構成要素を機能ごとに分類し、互いに独立したブロックとしてブロック図を示しているが、実際の構成要素は機能ごとに完全に切り分けることが難しく、一つの構成要素が複数の機能に係わることもあり得る。
テレビジョン装置600は、制御部601、記憶部602、通信制御部603、画像処理回路604、デコーダ回路605、映像信号受信部606、タイミングコントローラ607、ソースドライバ608、ゲートドライバ609、表示パネル620等を有する。
上記実施の形態で例示した表示装置は、図25(A)における表示パネル620に適用することができる。これにより、大型且つ高解像度であって、視認性に優れたテレビジョン装置600を実現できる。
制御部601は、例えば中央演算装置(CPU:Central Processing Unit)として機能することができる。例えば制御部601は、システムバス630を介して記憶部602、通信制御部603、画像処理回路604、デコーダ回路605及び映像信号受信部606等のコンポーネントを制御する機能を有する。
制御部601と各コンポーネントとは、システムバス630を介して信号の伝達が行われる。また制御部601は、システムバス630を介して接続された各コンポーネントから入力される信号を処理する機能、各コンポーネントへ出力する信号を生成する機能等を有し、これによりシステムバス630に接続された各コンポーネントを統括的に制御することができる。
記憶部602は、制御部601及び画像処理回路604がアクセス可能なレジスタ、キャッシュメモリ、メインメモリ、二次メモリなどとして機能する。
二次メモリとして用いることのできる記憶装置としては、例えば書き換え可能な不揮発性の記憶素子が適用された記憶装置を用いることができる。例えば、フラッシュメモリ、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、PRAM(Phase change RAM)、ReRAM(Resistive RAM)、FeRAM(Ferroelectric RAM)などを用いることができる。
また、レジスタ、キャッシュメモリ、メインメモリなどの一時メモリとして用いることのできる記憶装置としては、DRAM(Dynamic RAM)や、SRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性の記憶素子を用いてもよい。
例えば、メインメモリに設けられるRAMとしては、例えばDRAMが用いられ、制御部601の作業空間として仮想的にメモリ空間が割り当てられ利用される。記憶部602に格納されたオペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、プログラムモジュール、プログラムデータ等は、実行のためにRAMにロードされる。RAMにロードされたこれらのデータやプログラム、プログラムモジュールは、制御部601に直接アクセスされ、操作される。
一方、ROMには書き換えを必要としないBIOS(Basic Input/Output System)やファームウェア等を格納することができる。ROMとしては、マスクROMや、OTPROM(One Time Programmable Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)等を用いることができる。EPROMとしては、紫外線照射により記憶データの消去を可能とするUV−EPROM(Ultra−Violet Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリなどが挙げられる。
また、記憶部602の他に、取り外し可能な記憶装置を接続可能な構成としてもよい。例えばストレージデバイスとして機能するハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)やソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)などの記録メディアドライブ、フラッシュメモリ、ブルーレイディスク、DVDなどの記録媒体と接続する端子を有することが好ましい。これにより、映像を記録することができる。
通信制御部603は、コンピュータネットワークを介して行われる通信を制御する機能を有する。例えば、制御部601からの命令に応じてコンピュータネットワークに接続するための制御信号を制御し、当該信号をコンピュータネットワークに発信する。これによって、World Wide Web(WWW)の基盤であるインターネット、イントラネット、エクストラネット、PAN(Personal Area Network)、LAN(Local Area Network)、CAN(Campus Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、WAN(Wide Area Network)、GAN(Global Area Network)等のコンピュータネットワークに接続し、通信を行うことができる。
また、通信制御部603は、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等の通信規格を用いてコンピュータネットワークまたは他の電子機器と通信する機能を有していてもよい。
通信制御部603は、無線により通信する機能を有していてもよい。例えばアンテナと高周波回路(RF回路)を設け、RF信号の送受信を行えばよい。高周波回路は、各国法制により定められた周波数帯域の電磁信号と電気信号とを相互に変換し、当該電磁信号を用いて無線で他の通信機器との間で通信を行うための回路である。実用的な周波数帯域として数10kHz〜数10GHzが一般に用いられている。アンテナと接続される高周波回路には、複数の周波数帯域に対応した高周波回路部を有し、高周波回路部は、増幅器(アンプ)、ミキサ、フィルタ、DSP、RFトランシーバ等を有する構成とすることができる。
映像信号受信部606は、例えばアンテナ、復調回路、及びA−D変換回路(アナログ−デジタル変換回路)等を有する。復調回路は、アンテナから入力した信号を復調する機能を有する。またA−D変換回路は、復調されたアナログ信号をデジタル信号に変換する機能を有する。映像信号受信部606で処理された信号は、デコーダ回路605に送られる。
デコーダ回路605は、映像信号受信部606から入力されるデジタル信号に含まれる映像データを、送信される放送規格の仕様に従ってデコードし、画像処理回路に送信する信号を生成する機能を有する。例えば8K放送における放送規格としては、H.265 | MPEG−H High Efficiency Video Coding(略称:HEVC)などがある。
映像信号受信部606が有するアンテナにより受信できる放送電波としては、地上波、または衛星から送信される電波などが挙げられる。またアンテナにより受信できる放送電波として、アナログ放送、デジタル放送などがあり、また映像及び音声、または音声のみの放送などがある。例えばUHF帯(約300MHz〜3GHz)またはVHF帯(30MHz〜300MHz)のうちの特定の周波数帯域で送信される放送電波を受信することができる。また例えば、複数の周波数帯域で受信した複数のデータを用いることで、転送レートを高くすることができ、より多くの情報を得ることができる。これによりフルハイビジョンを超える解像度を有する映像を、表示パネル620に表示させることができる。例えば、4K2K、8K4K、16K8K、またはそれ以上の解像度を有する映像を表示させることができる。
また、映像信号受信部606及びデコーダ回路605は、コンピュータネットワークを介したデータ伝送技術により送信された放送のデータを用いて、画像処理回路604に送信する信号を生成する構成としてもよい。このとき、受信する信号がデジタル信号の場合には、映像信号受信部606は復調回路及びA−D変換回路等を有していなくてもよい。
画像処理回路604は、デコーダ回路605から入力される映像信号に基づいて、タイミングコントローラ607に出力する映像信号を生成する機能を有する。
またタイミングコントローラ607は、画像処理回路604が処理を施した映像信号等に含まれる同期信号を基に、ゲートドライバ609及びソースドライバ608に出力する信号(クロック信号、スタートパルス信号などの信号)を生成する機能を有する。また、タイミングコントローラ607は、上記信号に加え、ソースドライバ608に出力するビデオ信号を生成する機能を有する。
表示パネル620は、複数の画素621を有する。各画素621は、ゲートドライバ609及びソースドライバ608から供給される信号により駆動される。ここでは、画素数が7680×4320である、8K4K規格に応じた解像度を有する表示パネルの例を示している。なお、表示パネル620の解像度はこれに限られず、フルハイビジョン(画素数1920×1080)または4K2K(画素数3840×2160)等の規格に応じた解像度であってもよい。
図25(A)に示す制御部601や画像処理回路604としては、例えばプロセッサを有する構成とすることができる。例えば、制御部601は、中央演算装置(CPU:Central Processing Unit)として機能するプロセッサを用いることができる。また、画像処理回路604として、例えばDSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等の他のプロセッサを用いることができる。また制御部601や画像処理回路604に、上記プロセッサをFPGA(Field Programmable Gate Array)やFPAA(Field Programmable Analog Array)といったPLD(Programmable Logic Device)によって実現した構成としてもよい。
プロセッサは、種々のプログラムからの命令を解釈し実行することで、各種のデータ処理やプログラム制御を行う。プロセッサにより実行しうるプログラムは、プロセッサが有するメモリ領域に格納されていてもよいし、別途設けられる記憶装置に格納されていてもよい。
また、制御部601、記憶部602、通信制御部603、画像処理回路604、デコーダ回路605、及び映像信号受信部606、及びタイミングコントローラ607のそれぞれが有する機能のうち、2つ以上の機能を1つのICチップに集約させ、システムLSIを構成してもよい。例えば、プロセッサ、デコーダ回路、チューナ回路、A−D変換回路、DRAM、及びSRAM等を有するシステムLSIとしてもよい。
なお、制御部601や、他のコンポーネントが有するIC等に、チャネル形成領域に酸化物半導体を用い、極めて低いオフ電流が実現されたトランジスタを利用することもできる。当該トランジスタは、オフ電流が極めて低いため、当該トランジスタを記憶素子として機能する容量素子に流入した電荷(データ)を保持するためのスイッチとして用いることで、データの保持期間を長期にわたり確保することができる。この特性を制御部601等のレジスタやキャッシュメモリに用いることで、必要なときだけ制御部601を動作させ、他の場合には直前の処理の情報を当該記憶素子に待避させることにより、ノーマリーオフコンピューティングが可能となる。これにより、テレビジョン装置600の低消費電力化を図ることができる。
なお、図25(A)で例示するテレビジョン装置600の構成は一例であり、全ての構成要素を含む必要はない。テレビジョン装置600は、図25(A)に示す構成要素のうち必要な構成要素を有していればよい。また、テレビジョン装置600は、図25(A)に示す構成要素以外の構成要素を有していてもよい。
例えば、テレビジョン装置600は、図25(A)に示す構成のほか、外部インターフェース、音声出力部、タッチパネルユニット、センサユニット、カメラユニットなどを有していてもよい。例えば外部インターフェースとしては、例えばUSB(Universal Serial Bus)端子、LAN(Local Area Network)接続用端子、電源受給用端子、音声出力用端子、音声入力用端子、映像出力用端子、映像入力用端子などの外部接続端子、赤外線、可視光、紫外線などを用いた光通信用の送受信機、筐体に設けられた物理ボタンなどがある。また、例えば音声入出力部としては、サウンドコントローラ、マイクロフォン、スピーカなどがある。
以下では、画像処理回路604についてより詳細な説明を行う。
画像処理回路604は、デコーダ回路605から入力される映像信号に基づいて、画像処理を実行する機能を有することが好ましい。
画像処理としては、例えばノイズ除去処理、階調変換処理、色調補正処理、輝度補正処理などが挙げられる。色調補正処理や輝度調整処理としては、例えばガンマ補正などがある。
また、画像処理回路604は、解像度のアップコンバートに伴う画素間補間処理や、フレーム周波数のアップコンバートに伴うフレーム間補間などの処理などの処理を実行する機能を有していることが好ましい。
例えば、ノイズ除去処理としては、文字などの輪郭の周辺に生じるモスキートノイズ、高速の動画で生じるブロックノイズ、ちらつきを生じるランダムノイズ、解像度のアップコンバートにより生じるドットノイズなどのさまざまなノイズを除去する。
階調変換処理は、画像の階調を表示パネル620の出力特性に対応した階調へ変換する処理である。例えば階調数を大きくする場合、小さい階調数で入力された画像に対して、各画素に対応する階調値を補間して割り当てることで、ヒストグラムを平滑化する処理を行うことができる。また、ダイナミックレンジを広げる、ハイダミックレンジ(HDR)処理も、階調変換処理に含まれる。
また、画素間補間処理は、解像度をアップコンバートした際に、本来存在しないデータを補間する。例えば、目的の画素の周囲の画素を参照し、それらの中間色を表示するようにデータを補間する。
また、色調補正処理は、画像の色調を補正する処理である。また輝度補正処理は、画像の明るさ(輝度コントラスト)を補正する処理である。例えば、テレビジョン装置600が設けられる空間に配置された照明の種類や輝度、または色純度などを検知し、それに応じて表示パネル620に表示する画像の輝度や色調が最適となるように補正する。または、表示する画像と、あらかじめ保存してある画像リスト内の様々な場面の画像と、を照合し、最も近い場面の画像に適した輝度や色調に表示する画像を補正する機能を有していてもよい。
フレーム間補間は、表示する映像のフレーム周波数を増大させる場合に、本来存在しないフレーム(補間フレーム)の画像を生成する。例えば、ある2枚の画像の差分から2枚の画像の間に挿入する補間フレームの画像を生成する。または2枚の画像の間に複数枚の補間フレームの画像を生成することもできる。例えばデコーダ回路605から入力される映像信号のフレーム周波数が60Hzであったとき、複数枚の補間フレームを生成することで、タイミングコントローラ607に出力する映像信号のフレーム周波数を、2倍の120Hz、または4倍の240Hz、または8倍の480Hzなどに増大させることができる。
また、画像処理回路604は、ニューラルネットワークを利用して、画像処理を実行する機能を有していることが好ましい。図25(A)では、画像処理回路604がニューラルネットワーク610を有している例を示している。
例えば、ニューラルネットワーク610により、例えば映像に含まれる画像データから特徴抽出を行うことができる。また画像処理回路604は、抽出された特徴に応じて最適な補正方法を選択することや、または補正に用いるパラメータを選択することができる。
または、ニューラルネットワーク610自体に画像処理を行う機能を持たせてもよい。すなわち、画像処理を施す前の画像データをニューラルネットワーク610に入力することで、画像処理が施された画像データを出力させる構成としてもよい。
また、ニューラルネットワーク610に用いる重み係数のデータは、データテーブルとして記憶部602に格納される。当該重み係数を含むデータテーブルは、例えば通信制御部603により、コンピュータネットワークを介して最新のものに更新することができる。または、画像処理回路604が学習機能を有し、重み係数を含むデータテーブルを更新可能な構成としてもよい。
図25(B)に、画像処理回路604が有するニューラルネットワーク610の概略図を示す。
なお、本明細書等においてニューラルネットワークとは、生物の神経回路網を模し、学習によってニューロンどうしの結合強度を決定し、問題解決能力を持たせるモデル全般を指す。ニューラルネットワークは入力層、中間層(隠れ層ともいう)、出力層を有する。ニューラルネットワークのうち、2層以上の中間層を有するものをディープラーニング(またはディープニューラルネットワーク(DNN))という。
また、本明細書等において、ニューラルネットワークについて述べる際に、既にある情報からニューロンとニューロンの結合強度(重み係数とも言う)を決定することを「学習」と呼ぶ場合がある。また、本明細書等において、学習によって得られた結合強度を用いてニューラルネットワークを構成し、そこから新たな結論を導くことを「推論」と呼ぶ場合がある。
ニューラルネットワーク610は、入力層611、1つ以上の中間層612、及び出力層613を有する。入力層611には入力データが入力される。出力層613からは出力データが出力される。
入力層611、中間層612、及び出力層613には、それぞれニューロン615を有する。ここでニューロン615は、積和演算を実現しうる回路素子(積和演算素子)を指す。図25では、2つの層が有する2つのニューロン615間におけるデータの入出力方向を矢印で示している。
それぞれの層における演算処理は、前層が有するニューロン615の出力と重み係数との積和演算により実行される。例えば、入力層の第i番目のニューロンの出力をxとし、出力xと次の中間層612の第j番目のニューロンとの結合強度(重み係数)をwjiとすると、当該中間層の第j番目のニューロンの出力yは、y=f(Σwji・x)となる。なお、i、jは1以上の整数とする。ここで、f(x)は活性化関数でシグモイド関数、閾値関数などを用いることができる。以下同様に、各層のニューロン615の出力は、前段層のニューロン615の出力と重み係数の積和演算結果に活性化関数を演算した値となる。また、層と層との結合は、全てのニューロン同士が結合する全結合としてもよいし、一部のニューロン同士が結合する部分結合としてもよい。図25(B)では全結合である場合を示している。
図25(B)では、3つの中間層612を有する例を示している。なお、中間層612の数はこれに限られず、1つ以上の中間層を有していればよい。また、1つの中間層612が有するニューロンの数も、仕様に応じて適宜変更すればよい。例えば1つの中間層612が有するニューロン615の数は、入力層611または出力層613が有するニューロン615の数よりも多くてもよいし、少なくてもよい。
ニューロン615同士の結合強度の指標となる重み係数は、学習によって決定される。学習は、テレビジョン装置600が有するプロセッサにより実行してもよいが、専用サーバーやクラウドなどの演算処理能力の優れた計算機で実行することが好ましい。学習により決定された重み係数は、テーブルとして上記記憶部602に格納され、画像処理回路604により読み出されることにより使用される。また、当該テーブルは、必要に応じてコンピュータネットワークを介して更新することができる。
以上がニューラルネットワークについての説明である。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
100 トランジスタ
100A トランジスタ
100B トランジスタ
100C トランジスタ
100D トランジスタ
100E トランジスタ
100F トランジスタ
100G トランジスタ
102 基板
102a 基板
103 絶縁層
104 絶縁層
105 接着層
106 導電層
108 半導体層
108a 半導体層
108b 半導体層
108c 半導体層
108n 領域
108na 領域
108nb 領域
108nc 領域
110 絶縁層
112 導電層
112a 導電膜
113 絶縁層
114 金属酸化物層
116 金属酸化物層
118 絶縁層
119 絶縁層
120a 導電層
120b 導電層
130 導電膜
132 酸素
134 酸素
136 酸素
141a 開口部
141b 開口部
501 画素回路
502 画素部
504 駆動回路部
504a ゲートドライバ
504b ソースドライバ
506 保護回路
507 端子部
550 トランジスタ
552 トランジスタ
554 トランジスタ
560 容量素子
562 容量素子
570 液晶素子
572 発光素子
600 テレビジョン装置
601 制御部
602 記憶部
603 通信制御部
604 画像処理回路
605 デコーダ回路
606 映像信号受信部
607 タイミングコントローラ
608 ソースドライバ
609 ゲートドライバ
610 ニューラルネットワーク
611 入力層
612 中間層
613 出力層
615 ニューロン
620 表示パネル
621 画素
630 システムバス
700 表示装置
700A 表示装置
701 基板
702 画素部
704 ソースドライバ回路部
705 基板
706 ゲートドライバ回路部
708 FPC端子部
710 信号線
711 配線部
712 シール材
716 FPC
721 ソースドライバIC
722 ゲートドライバ回路
723 FPC
724 プリント基板
730 絶縁膜
732 封止膜
734 絶縁膜
736 着色膜
738 遮光膜
750 トランジスタ
752 トランジスタ
760 接続電極
770 平坦化絶縁膜
772 導電膜
773 絶縁膜
774 導電膜
775 液晶素子
776 液晶層
778 構造体
780 異方性導電膜
782 発光素子
786 EL層
788 導電膜
790 容量素子
791 タッチパネル
792 絶縁膜
793 電極
794 電極
795 絶縁膜
796 電極
797 絶縁膜
7000 表示モジュール
7001 上部カバー
7002 下部カバー
7003 FPC
7004 タッチパネル
7005 FPC
7006 表示パネル
7007 バックライト
7008 光源
7009 フレーム
7010 プリント基板
7011 バッテリ
7500 表示部
7100 テレビジョン装置
7101 筐体
7103 スタンド
7111 リモコン操作機
7200 ノート型パーソナルコンピュータ
7211 筐体
7212 キーボード
7213 ポインティングデバイス
7214 外部接続ポート
7300 デジタルサイネージ
7301 筐体
7303 スピーカ
7311 情報端末機
7400 デジタルサイネージ
7401 柱
7411 情報端末機
8000 カメラ
8001 筐体
8002 表示部
8003 操作ボタン
8004 シャッターボタン
8006 レンズ
8100 ファインダー
8101 筐体
8102 表示部
8103 ボタン
8200 ヘッドマウントディスプレイ
8201 装着部
8202 レンズ
8203 本体
8204 表示部
8205 ケーブル
8206 バッテリ
8300 ヘッドマウントディスプレイ
8301 筐体
8302 表示部
8304 固定具
8305 レンズ
9000 筐体
9001 表示部
9003 スピーカ
9005 操作キー
9006 接続端子
9007 センサ
9008 マイクロフォン
9050 操作ボタン
9051 情報
9052 情報
9053 情報
9054 情報
9055 ヒンジ
9100 テレビジョン装置
9101 携帯情報端末
9102 携帯情報端末
9200 携帯情報端末
9201 携帯情報端末

Claims (11)

  1. 半導体層、第1の絶縁層、第2の絶縁層、第1の導電層、及び第1の酸化物層を有する半導体装置であって、
    前記第1の絶縁層及び前記第1の導電層は、前記半導体層上にこの順で積層して設けられ、且つ、それぞれ上面形状が概略一致し、
    前記第1の酸化物層は、前記半導体層、前記第1の絶縁層、及び前記第1の導電層を覆って設けられ、且つ、前記半導体層の前記第1の導電層と重ならない一部と接し、
    前記第2の絶縁層は、前記第1の酸化物層を覆って設けられ、
    前記半導体層は、インジウム、ガリウム、亜鉛、及び酸素を含み、
    前記第1の導電層は、金属または合金を含み、
    前記第1の絶縁層は、酸素を含み、
    前記第1の酸化物層は、アルミニウムまたはハフニウムと、酸素と、を含み、
    前記第2の絶縁層は、水素と、窒素と、を含み、
    前記第1の酸化物層は、前記第2の絶縁層よりも厚さが薄い、
    半導体装置。
  2. 請求項1において、
    前記第1の酸化物層は、厚さが0.5nm以上20nm以下である、
    半導体装置。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記第1の絶縁層と前記第1の導電層との間に、第2の酸化物層を有し、
    前記第2の酸化物層は、前記第1の絶縁層及び前記第1の導電層と上面形状が概略一致する、
    半導体装置。
  4. 請求項3において、
    前記第1の酸化物層と、前記第2の酸化物層とは、同一の元素を含むことを特徴とする、
    半導体装置。
  5. 請求項3において、
    前記第2の酸化物層は、インジウムと、酸素と、を含む、
    半導体装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
    前記半導体層の原子数比が、In:Ga:Zn=1:1:1若しくはその近傍、In:Ga:Zn=4:2:3若しくはその近傍、またはIn:Ga:Zn=5:1:6若しくはその近傍である領域を有する、
    半導体装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一において、
    前記半導体層よりも下側に第2の導電層と、
    前記半導体層と前記第2の導電層との間に、第3の絶縁層と、を有し、
    前記第2の導電層は、前記半導体層と重なる部分を有する、
    半導体装置。
  8. 島状の酸化物半導体層を形成する第1の工程と、
    前記酸化物半導体層を覆って、第1の絶縁膜を形成する第2の工程と、
    前記第1の絶縁膜上に、第1の酸化物膜を形成する第3の工程と、
    前記第1の酸化物膜上に第1の導電膜を形成する第4の工程と、
    前記第1の導電膜、前記第1の酸化物膜、及び前記第1の絶縁膜を島状に加工し、前記酸化物半導体層の一部を露出する第5の工程と、
    前記酸化物半導体層の露出した部分に接して、第2の酸化物膜を形成する第6の工程と、
    前記第2の酸化物膜を覆って、第2の絶縁膜を形成する第7の工程と、
    100℃以上450℃以下の温度で加熱処理を行う第8の工程と、を有し、
    前記第1乃至第8の工程は、この順で行われ、
    前記第1の絶縁膜は、酸素を含むように形成され、
    前記第1の導電膜は、金属または合金を含むように形成され、
    前記第1の酸化物膜は、金属と酸素とを含むように形成され、
    前記第2の酸化物膜は、金属と酸素とを含み、且つ、厚さが0.5nm以上3.0nm以下となるように形成され、
    前記第2の絶縁膜は、水素を含むように形成される、
    半導体装置の作製方法。
  9. 請求項8において、
    前記第2の酸化物膜は、アルミニウムまたはハフニウムと、酸素と、を含むように、スパッタリング法またはALD法により形成される、
    半導体装置の作製方法。
  10. 請求項8または請求項9において、
    前記第2の工程と前記第3の工程との間に、
    前記第1の絶縁膜上に、第2の導電膜を成膜する第9の工程と、
    前記第2の導電膜を介して、前記第1の絶縁膜に酸素を供給する第10の工程と、
    前記第2の導電膜を除去する第11の工程と、を有する、
    半導体装置の作製方法。
  11. 請求項10において、
    前記第10の工程において、平行平板型の一対の電極を有する装置を用い、当該一対の電極間にバイアス電圧を印加した状態で、酸素プラズマ処理を行うことを特徴とする、
    半導体装置の作製方法。
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