JP2018161937A - フューエルリッドのロック構造 - Google Patents

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興作 岡村
Kosaku Okamura
興作 岡村
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Abstract

【課題】 簡単かつ安価な構造で、クリープ変形を抑制するとともに、誤開放も防ぐことが可能な、フューエルリッドのロック構造を提供する。
【解決手段】 給油口を覆う、車体1側に支持されたフューエルリッド2を備え、フューエルリッド2は、車体1とヒンジ3によって開閉可能に支持され、フューエルリッド2は、その裏面においてヒンジ3の取付部の反対側の外周付近に永久磁石5が配置されており、車体1側の、永久磁石5に対向する位置に、永久磁石5側の磁極が変化可能な磁石10が配置されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車の給油口を開閉自在に覆う、フューエルリッドのロック構造に関する。
近年、自動車の部材として、樹脂製の外板が多く用いられており、自動車の給油口を開閉自在に覆うフューエルリッド(単に「リッド」と呼ぶこともある)についても樹脂製のものが採用されるようになってきている。フューエルリッドは、運転席のレバー操作を行った際に開かせるためにヒンジを介して板ばね等が内蔵され、閉じている状態では前記ばねの荷重がヒンジに掛かり続けている(例えば、特許文献1参照)。そのため、樹脂製の外板を用いた場合には、ヒンジ取付部分がクリープ変形して、リッドの位置がずれる外観不良が発生することがある。一方、ヒンジに荷重が掛からない構造として、プッシュリフタを用いる方法がある。この方法では、リッドを押さえて放すと、リッドがポップアップする。しかし、この構造を採用する場合には、何かにリッドが押された際に誤ってポップアップしないように、電磁ロックユニット等を併設する必要があり、構造が複雑になる上に、高価となってしまうという課題がある。
特開2013−19398号公報
本発明は上記問題点を解決するものであり、簡単かつ安価な構造で、クリープ変形を抑制するとともに、誤開放も防ぐことが可能な、フューエルリッドのロック構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のフューエルリッドのロック構造は、給油口を覆う、車体側に支持されたフューエルリッドを備え、
前記フューエルリッドは、前記車体とヒンジによって開閉可能に支持され、
前記フューエルリッドは、その裏面において前記ヒンジの取付部の反対側の外周付近に永久磁石が配置されており、
前記車体側の、前記永久磁石に対向する位置に、前記永久磁石側の磁極が変化可能な磁石が配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、簡単かつ安価な構造で、クリープ変形を抑制するとともに、誤開放も防ぐことが可能な、フューエルリッドのロック構造を提供することができる。
図1は、本発明のフューエルリッドのロック構造の一例を説明する図である。図1(a)〜(c)は、自動車のフューエルリッド周辺の構成を示す断面図である。図1(a)はフューエルリッドが閉まっている状態、図1(b)はフューエルリッドの開操作が行われた状態、図1(c)はフューエルリッドが開いた状態である。 図2は、図1に示されるフューエルリッド周辺の構成を示す斜視図である。 図3は、本発明のフューエルリッドのロック構造の他の例を説明する図である。図3(a)〜(c)は、自動車のフューエルリッド周辺の構成を示す断面図である。図3(a)はフューエルリッドが閉まっている状態、図3(b)はフューエルリッドの開操作が行われた状態、図3(c)はフューエルリッドが開いた状態である。 図4は、本発明のフューエルリッドのロック構造の、さらに他の例を説明する図である。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下の例に限定および制限されない。なお、以下で参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された物体の寸法の比率などは、現実の物体の寸法の比率などとは異なる場合がある。図面相互間においても、物体の寸法比率等が異なる場合がある。
図1は、本発明のフューエルリッドのロック構造の一例を説明する図である。図1(a)〜(c)は、自動車のフューエルリッド周辺の構成を示す断面図である。図1(a)はフューエルリッドが閉まっている状態、図1(b)はフューエルリッドの開操作が行われた状態、図1(c)はフューエルリッドが開いた状態である。
フューエルリッド2は、車体(外板)1とヒンジ3によって開閉可能に支持されている。そして、フューエルリッド2には、その裏面においてヒンジ3の取付部の反対側の外周付近に永久磁石5が配置されている。車体側の、永久磁石5に対向する位置に、別の永久磁石10が配置されている。図中では、永久磁石10は、斜線付与部と斜線が付与されていない部分とで磁極が異なることを示している。そして、永久磁石5の磁極は、永久磁石10の斜線付与部の磁極と同じである。永久磁石10は、永久磁石5側に向く磁極が変化可能なように、回転可能に車体側1に取り付けられている。永久磁石10は、ワイヤー4の引き戻しによってロック部6と共に回転して、フューエルリッド2側(永久磁石5側)に向く磁極を変化させることができる。ワイヤー4は、例えば、運転席からのレバー操作によって操作することができる。ロック部6は、ワイヤー4の操作によって、フューエルリッド2側に設けられたロック留め部7との係合/解除を行うことができる。
図2は、図1に示されるフューエルリッド2周辺の構成を示す斜視図である。図2においては、フューエルリッド2が開いた状態を示している。フューエルリッド2は、給油口30を覆うように、車体1に支持され、ヒンジ3によって開閉可能に支持されている。
以下、本発明のフューエルリッドのロック構造の動作について説明する。図1(a)に示すように、本実施形態のフューエルリッド2は、閉じられてロックされた状態では、車体側の永久磁石10は、フューエルリッド2の裏面に配置された永久磁石5とは異なる磁極となっている。このとき、ロック部6は、ロック留め部7に係合されている。そして、車体側の永久磁石10とフューエルリッド2の裏面に配置された永久磁石5とは引き合うため、フューエルリッド2と車体1とは引き合い、フューエルリッド2が閉じた状態が維持される。
図1(a)に示す状態で、ワイヤー4が図中の矢印方向に引っ張られると、図1(b)に示すように、プーリー8が180度回転して、ロック部6の係合を解除するとともに、プーリー8の回転に同期する永久磁石10が、フューエルリッド2の裏面に配置された永久磁石5の磁極と反発する磁極となる。
フューエルリッド2の開操作を行った時(図1(b))は、フューエルリッド2の裏面に配置された永久磁石5と、車体側の永久磁石10とが、同じ磁極となり、フューエルリッド2と車体1とは反発して、図1(c)に示すように、フューエルリッド2がポップアップする。この構造を備えていることで、フューエルリッド2はヒンジに荷重を掛け続けることなく、運転席のレバー操作によって、磁石同士の反発力によって開かせることができる。
プーリー8は、例えば、回動軸にテンションばねを備えた構造とすることで、ワイヤー4のテンションが戻ると、ロック部6および永久磁石10を図1(c)中の矢印方向に回転させる力を付与することができ、元の状態(図1(a)の状態)まで回動して戻すことができる。このような構造とすると、フューエルリッド2の閉操作を行う際には、ロック部6および永久磁石10は図1(a)の状態に戻っているので、フューエルリッド2を閉じると永久磁石5と永久磁石10が引き合い、ロック部6はロック留め部7に係合された状態が維持される。プーリー8の回動軸にテンションばねを備えていない構造の場合は、フューエルリッド2の閉操作を行うと、永久磁石10は、フューエルリッド2の裏面に配置された永久磁石5と引き合う方向に動こうとする。その結果、永久磁石10は、図1(a)に示す状態に戻り、その動きに伴いロック部6がロック留め部7に係合され、その状態が維持される。いずれの場合であっても、フューエルリッド2が閉じている状態では、磁力によってポップアップの防止が図られている。
このように、本発明のフューエルリッドのロック構造は、ばね等による荷重を掛けておく必要がないため、クリープ変形などの部品変形を抑制することができる。
なお、本発明において用いる永久磁石としては、Nd−Fe−B系、Sm−Fe−N系、Sm−Co系が好ましい。また、ヒンジの材質は、PP(ポリプロピレン)、PA(ポリアミド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)またはこれらを含むポリマーアロイが好ましく、さらに、GF(ガラス繊維)、CF(カーボン繊維)、TD(タルク)、MD(ミネラル)等が複合されているものがより好ましい。
図3には、本発明のフューエルリッドのロック構造の他の例を示す。図3に示す実施形態は、図1に示した実施形態での永久磁石10に代えて電磁石20を用いたフューエルリッドのロック構造である。図3(a)〜(c)は、自動車のフューエルリッド周辺の構成を示す断面図である。図3(a)はフューエルリッドが閉まっている状態、図3(b)はフューエルリッドの開操作が行われた状態、図3(c)はフューエルリッドが開いた状態である。同図において、図1と同一の符号を付した部分は図1に示したフューエルリッドのロック構造と実質上同一であり、重複する説明を省略している。
本実施形態においては、車体側の、フューエルリッド2の裏面に配置された永久磁石5に対向する位置に、磁極が変化可能な磁石として電磁石20が配置されている。電磁石20は、電流を流すことで永久磁石5側に向く側に、永久磁石5と同じ磁極が与えられるようになっている。具体的には、フューエルリッド2の開閉スイッチ(図示せず)のオン(ON)により、電磁石20にピーク電流が流れ、フューエルリッド2の裏面に配置された永久磁石5の磁極と反発する磁極が、電磁石20に与えられる。前記開閉スイッチは、例えば、運転席からのレバー操作によって操作することができる。ピーク電流以外では磁極が形成されないため、電磁石20の芯材である金属(例えば鉄など)がフューエルリッド2の裏面に配置された永久磁石5に吸着される。芯材は、鉄、ニッケル、コバルトまたはこれらを含む合金であることが好ましい。
以下、電磁石を用いた態様のフューエルリッドのロック構造の動作について説明する。図3(a)に示すように、本実施形態のフューエルリッド2は、閉じられてロックされた状態(フューエルリッド2の開閉スイッチ(図示せず)のOFF状態)では、車体側の電磁石20にピーク電流は流れておらず、磁極が形成されていない。この状態では、電磁石20の芯材の金属はフューエルリッド2の裏面に配置された永久磁石5と引き合うため、フューエルリッド2と車体1とは引き合い、フューエルリッド2が閉じた状態が維持される。
このとき、ロック部16は、ロック留め部17に係合されている。本実施形態では、ロック部16は、その先端に永久磁石15が設けられており、永久磁石15がロック留め部17との係合部となっている。ロック留め部17は、例えば、電磁石20の永久磁石5側の磁極と接続された金属部材とすることができ、電磁石20にピーク電流が流れて磁極が形成されると、ロック留め部17にも同じ磁極が形成される。ロック留め部17との係合部となっている永久磁石15を、フューエルリッド2の裏面に配置された永久磁石5の磁極と同じ磁極とすることで、電磁石20のONにより係合部(永久磁石15)が外れる構造とすることができる。図3に示す実施形態においては、ロック部16には、磁極同士の反発力によって長手方向を回転軸として回転し、前記反発力がなくなると元の状態に戻るように、ばね等が設けられている。永久磁石15がロック留め部17から反発力を受けると、図3(b)に示すようにロック部16は回転して係合が解除される構造である。本発明はこの態様に限定されず、例えばロック部16が反発力によって屈曲するような材料あるいは構造であり、前記屈曲によって電磁石20のONにより係合部(永久磁石15)が外れるものとすることもできる。
図3(a)に示す状態で、電磁石20がONとなると、図3(b)に示すように、電磁石20がフューエルリッド2の裏面に配置された永久磁石5の磁極と反発する磁極となり、ロック部6が回転して、係止部(永久磁石15)のロック留め部17との係合を解除する。
フューエルリッド2の開操作を行った時(図3(b))は、フューエルリッド2の裏面に配置された永久磁石5と、車体側の電磁石20とが、同じ磁極となり、フューエルリッド2と車体1とは反発して、図3(c)に示すように、フューエルリッド2がポップアップする。この構造を備えていることで、フューエルリッド2はヒンジに荷重を掛け続けることなく、運転席のレバー操作等によって、磁石同士の反発力によって開かせることができる。この構造では、ヒンジに荷重を掛け続けることがないため、クリープ変形を抑制することができる。
図4に、磁極が変化可能な磁石の一例として、反転機構を有する永久磁石を用いた構造の回転機構を設けた実施形態の一例を示す。本実施形態では、永久磁石40が全周ギヤ41に取り付けられており、回転可能となっている。全周ギア41と連動するように半周ギア42が設けられている。半周ギア42の回転中心部にはワイヤー巻き付け軸43が設けられており、運転席からのレバー操作によって操作可能なワイヤー44が取り付けられている。半周ギア42は、回転中心部につるまきばね45が設けられている。なお、同図では図示しないが、永久磁石40の同図における上側にはフューエルリッドが配置され、フューエルリッドの裏面には、この反転機構が動作していない状態での永久磁石40の上側の磁極と異なる磁極の永久磁石が設けられている。
ワイヤー44がレバー操作されると、ギアの歯車を介して永久磁石40が反転し、フューエルリッド裏面の永久磁石と同極が対向して反発力でフューエルリッドが開く。なお、半周ギア42が180°以上回転しても、全周ギア41は180°までしか回転しないため、永久磁石40は反転以上には回転しない。前記レバー操作が解除されると、半周ギア42に接続されたつるまきばね45によって半周ギア42が元の位置まで回転し、それによって永久磁石40が元の位置に再度反転する。この状態でフューエルリッドを閉じると、異極が対向する状態となっているため、フューエルリッドは閉じた状態で固定される。
以上、本発明を磁極が変化可能な磁石として、回転機構を有する永久磁石および電磁石を用いた実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、例えば、スライド機構等も適用することができる。これら実施形態に示すように、本発明によれば、簡単かつ安価な構造で、クリープ変形を抑制するとともに、誤開放も防ぐことが可能な、フューエルリッドのロック構造を提供することができる。
1 …車体(外板)
2 …フューエルリッド
3 …ヒンジ
4 …ワイヤー
5、15 …永久磁石
6、16 …ロック部
7、17 …ロック留め部
8 …プーリー
10 …永久磁石
20 …電磁石
30 …給油口
40 …永久磁石
41 …全周ギア
42 …半周ギア
43 …ワイヤー巻き付け軸
44 …ワイヤー
45 …つるまきばね

Claims (1)

  1. 給油口を覆う、車体側に支持されたフューエルリッドを備え、
    前記フューエルリッドは、前記車体とヒンジによって開閉可能に支持され、
    前記フューエルリッドは、その裏面において前記ヒンジの取付部の反対側の外周付近に永久磁石が配置されており、
    前記車体側の、前記永久磁石に対向する位置に、前記永久磁石側の磁極が変化可能な磁石が配置されていることを特徴とするフューエルリッドのロック構造。
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