以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。なお、以下の説明中の前後、左右、及び上下の方向は、図中の矢印の方向を基準としている。
本発明の一実施形態に係るコネクタ10は、圧接用溝によってケーブルの芯線を挟持することでケーブル同士を導通させる分岐コネクタであってもよいし、2つの回路基板同士を接続するための基板対基板用のコネクタであってもよい。また、本発明の一実施形態に係るコネクタ10は、フレキシブルプリント回路基板(FPC)又はフレキシブルフラットケーブル(FFC)などの平板形状の接続対象物と回路基板とを接続するためのコネクタであってもよい。本発明の一実施形態に係るコネクタ10は、外部の異物の侵入を効果的に抑制するための任意のコネクタに適用可能である。
以下の一実施形態では、コネクタ10は、一例として分岐コネクタであるものとして説明する。
初めに、充填剤70を装填していない状態のコネクタ10の構造について主に説明する。
図1は、絶縁ハウジング15が展開状態にあるときの本発明の一実施形態に係るコネクタ10、第1ケーブル60、及び第2ケーブル65の斜視図である。図2は、図1のII−II矢線に沿う断面図である。本実施形態のコネクタ10は、大きな構成要素として絶縁ハウジング15と中継コンタクト50(コンタクト)とを具備する。
絶縁ハウジング15は、例えば絶縁性の合成樹脂材料により構成した成形品である。絶縁ハウジング15は、第1分割ハウジング16(第1嵌合対象物)と、第2分割ハウジング30(第2嵌合対象物)と、を有する。絶縁ハウジング15は、第1分割ハウジング16と第2分割ハウジング30とを接続する連結部としての第1接続部46及び第2接続部47(接続部)を有する。絶縁ハウジング15は、第1分割ハウジング16、第2分割ハウジング30、並びに第1接続部46及び第2接続部47を一体的に成形して有する。
図3は、中継コンタクト50を具備しない状態の第1分割ハウジング16のみを拡大した斜視図である。図3を参照して、第1分割ハウジング16の構造を詳細に説明する。
第1分割ハウジング16の厚み方向の一方の面(図3の上面)の外周縁部は、外周壁17により形成される。第1分割ハウジング16の外周壁17より内周側は、第1分割ハウジング16の上面より下方へ一段凹んだ内周側凹部17aにより構成される。内周側凹部17aの底面は、第1分割ハウジング16の上面と平行な平面からなる内周側第1対向面17bにより構成される。内周側第1対向面17bより内周側に位置する中央部分は、内周側第1対向面17bより下方へ一段凹んだ中央第1凹部17cにより構成される。中央第1凹部17cの底面は、内周側第1対向面17bと平行な平面からなる中央第1対向面17dにより構成される。中央第1凹部17cと中央第1対向面17dとにより、コンタクト取付溝18が形成される。コンタクト取付溝18は、固定部18aと、固定部18aの左右方向中間に位置し、固定部18aの前後幅を狭めて固定部18aを左右一対に区切る中間凸部18bと、を有する。一対の固定部18aの底面(中央第1対向面17d)には略円柱形状の位置決め突起18cが突設される。
第1分割ハウジング16の外周壁17には、一方の固定部18aの前後両側に位置しかつ互いに同一直線上に位置する一対の第1ケーブル取付溝19が凹設される。第1分割ハウジング16の外周壁17には、他方の固定部18aの前後両側に位置しかつ互いに同一直線上に位置する一対の第2ケーブル取付溝20が凹設される。第2ケーブル取付溝20は、第1ケーブル取付溝19と平行をなす。第1ケーブル取付溝19及び第2ケーブル取付溝20の正面形状は、半円形である。第1分割ハウジング16の外周壁17の前後面には、一対の第1ケーブル取付溝19の最深底面から下方に向かって外側に傾斜する一対の傾斜面19aが設けられる。同様に、第1分割ハウジング16の外周壁17の前後面には、一対の第2ケーブル取付溝20の最深底面から下方に向かって外側に傾斜する一対の傾斜面20aが設けられる。第1分割ハウジング16の外周壁17の前後面には、前後の傾斜面19a、20aより下方位置から前後方向に延びた平板状の蓋部21、22が設けられる。蓋部21、22の対向面21a、22aは、傾斜面19a、20aの最下部と同一の高さに位置する。
第1分割ハウジング16の外周壁17の左右両側面には、弾性を有する一対の第1ロック部25が形成される。各第1ロック部25と外周壁17の前後面との間には、一対の凹部25aが形成される。各第1ロック部25は、第1分割ハウジング16の側面から外側に突出する第1ロック用突起26を備える。第1ロック用突起26は、前後方向に延在する。各第1ロック用突起26は、下方に向かうに従って第1分割ハウジング16の外側に傾斜する傾斜面26aを有する。また、第1ロック部25は、内面の上縁部に形成され、下方に向かうに従って第1分割ハウジング16の内側に傾斜する傾斜面26bを有する。
図4は、第2分割ハウジング30のみを拡大した斜視図である。図4を参照して、第2分割ハウジング30の構造を詳細に説明する。
第2分割ハウジング30の厚み方向の一方の面(図4の上面)の外周縁部には外周壁31が突設される。第2分割ハウジング30の外周壁31より内周側に位置する部分は、外周壁31の上縁部より一段凹んだ内周側凹部31aにより構成される。内周側凹部31aの底面は、第2分割ハウジング30の上面と平行な平面からなる内周側第2対向面31bにより構成される。内周側第2対向面31bには、左右一対の断面U字形の第1押圧溝32a及び第2押圧溝32bを有するケーブル押圧突起32が突設される。ケーブル押圧突起32は、中央突起32cと、中央突起32cの左右方向両側に突起32d、32eを有する。中央突起32cと一方の突起32dとの間に第1押圧溝32aが形成される。中央突起32cと他方の突起32eとの間に第2押圧溝32bが形成される。
第2分割ハウジング30には、前後面から突出するケーブル支持腕部35、36が形成される。ケーブル支持腕部35、36の上面には、第1ケーブル保持溝35a、36aと第2ケーブル保持溝35b、36bが設けられる。前方側のケーブル支持腕部35及び後方側のケーブル支持腕部36は、第1ケーブル保持溝35a及び36aの前端側部分及び後端側部分が、左右に空隙により分離分割した一対の突出片37a及び一対の突出片38aによって形成される。同様に、前方側のケーブル支持腕部35及び後方側のケーブル支持腕部36は、第2ケーブル保持溝35b及び36bの前端側及び後端側部分が、左右に空隙により分離分割した一対の突出片37b及び一対の突出片38bによって形成される。各一対の突出片37a、38a、37b、38b、特にケーブル支持腕部35、36の左右外側の突出片は、左右方向に弾性的に撓み、隣接する突出片同士の間隔が可変である。各一対の突出片37a、38a、37b、38bには、互いに対向する爪部が、前後端部の下端部から突設される。
第1ケーブル保持溝35a、36a及び第2ケーブル保持溝35b、36bは、第1ケーブル60及び第2ケーブル65を全径に渡って挿入保持する(全径が収まる)深さの溝である。第1ケーブル保持溝35a、36aは、外側に向かうに従って上方に傾斜する傾斜面35e、36eを有する。すなわち、第1ケーブル60が、第1ケーブル保持溝35a、36aに挿入保持されると、第1ケーブル60は、図1に示すように、第1ケーブル保持溝35a、36aの傾斜面35e、36eに沿って、対応するケーブル部分が上下斜め方向に傾斜する。同様に、第2ケーブル保持溝35b、36bは、傾斜面35f、36fを有し、第2ケーブル65も、第1ケーブル60と同様の態様で、第2ケーブル保持溝35b、36bに挿入保持される。
第1ケーブル保持溝35a、36aの前後端部の上方開口部寄り(突出片37a、38aの各対向面)には、一対の脱落防止突起35cと一対の脱落防止突起36cとが設けられる。同様に、第2ケーブル保持溝35b、36bの前後端部の上方開口部寄り(突出片37b、38bの各対向面)には、一対の脱落防止突起35dと一対の脱落防止突起36dとが設けられる。脱落防止突起35c、36c及び35d、36dは、第1ケーブル60及び第2ケーブル65が第1ケーブル保持溝35a、36a及び第2ケーブル保持溝35b、36bに挿入されるのを許容する。このとき、各一対の突出片37a、38a及び各一対の突出片37b、38bは、左右方向の間隔(一対の脱落防止突起35c、36c及び35d、36dの間隔)が広がるように撓む。
第1ケーブル60及び第2ケーブル65が第1ケーブル保持溝35a、36a及び第2ケーブル保持溝35b、36bに挿入されると、一対の脱落防止突起35c、36c及び35d、36dが第1ケーブル60及び第2ケーブル65を挟圧する。すなわち、各一対の突出片37a、38a及び各一対の突出片37b、38bは、弾性的に左右方向の間隔が狭まる方向に撓む。したがって、各一対の突出片37a、38a及び各一対の突出片37b、38bは、第1ケーブル保持溝35a、36a及び第2ケーブル保持溝35b、36bに挿入された第1ケーブル60及び第2ケーブル65のケーブル延長方向への移動を、抵抗を与えつつ許容する。同時に、各一対の突出片37a、38a及び各一対の突出片37b、38bは、第1ケーブル保持溝35a、36a及び第2ケーブル保持溝35b、36bから離脱しようとする力に抵抗を与えて容易に抜けないように抜け止めとして作用しつつ、一定以上の外力による離脱を可能とする。この抜止作用は、第2分割ハウジング30の上下(表裏)を反転させても維持される。
第2分割ハウジング30の外周壁31の左右両側面には、一対の第2ロック部39が形成される。一対の第2ロック部39は、第2分割ハウジング30の内面に形成される。各第2ロック部39は、第2分割ハウジング30の側面から内側に突出する第2ロック用突起40を有する。各第2ロック部39の前後両端には、上下方向に延在する一対の凸壁41が形成される。各第2ロック用突起40は、略直方体形状であり、一対の凸壁41間にわたるように、第2分割ハウジング30の内面に形成される。すなわち、第2ロック用突起40は、前後方向に延在する。
図5は、中継コンタクト50を具備しない状態の絶縁ハウジング15全体を示す斜視図である。
第1分割ハウジング16と第2分割ハウジング30とは、第1分割ハウジング16側から直線的に延びる前後一対の第1接続部46と、第2分割ハウジング30側から直線的に延びる前後一対の第2接続部47と、第1接続部46と第2接続部47とを接続する屈曲容易部48と、によって連結される。前後一対の第1接続部46と前後一対の第2接続部47とは、展開状態で互いに同一平面上に位置する。
図2及び図5に示すように屈曲容易部48は、前後の第1接続部46及び第2接続部47より薄肉としてある。前後の第1接続部46と第2接続部47とは、前後方向に延びる屈曲容易部48を折曲げ線として、図1、図5などにおいて谷折り(第1分割ハウジング16と第2分割ハウジング30とが接近する方向に折曲げ)可能(容易)である。さらに第1接続部46は、第2接続部47より曲げ剛性が小さく設定される。
第1分割ハウジング16、第1接続部46、屈曲容易部48、第2接続部47、及び第2分割ハウジング30は、図1及び図5に示す展開状態において、自律的にこの展開状態を維持する程度の強度(剛性)を備える。
図6は、中継コンタクト50単体の斜視図である。図6を参照して、中継コンタクト50の構造を詳細に説明する。
中継コンタクト50は、ばね弾性を備えた銅合金(例えばリン青銅、ベリリウム銅、チタン銅)又はコルソン系銅合金の薄板を順送金型(スタンピング)を用いて図示形状に成形加工したものである。中継コンタクト50の表面には、ニッケルメッキで下地を形成した後に、錫銅めっき又は錫めっき(あるいは金めっき)が施される。
中継コンタクト50は、左右方向に延びる平板状の基片51と、基片51の前後両側縁部の一方の端部に突設した、基片51に対して直交する方向に延びる平板状の一対の第1ケーブル圧接片52と、基片51の前後両側縁部の他方の端部に突設した、基片51に対して直交する方向に延びる平板状の一対の第2ケーブル圧接片54と、を一体的に備えている。基片51の左右二か所には円形の位置決め孔51aが形成される。前後の第1ケーブル圧接片52と第2ケーブル圧接片54とには、基片51側に向かって直線的に延びるスリットからなる第1圧接用溝53と第2圧接用溝55とがそれぞれ形成される。第1圧接用溝53の上端開口部は、先端部52aにより上方に向かって広がる略V字状に形成される。第2圧接用溝55の上端開口部は、先端部54aにより上方に向かって広がる略V字状に形成される。
前後一対の第1ケーブル圧接片52と第2ケーブル圧接片54とは、幅狭部(くびれ部)52bと54bとを介して基片51と接続される。左右方向に位置する第1ケーブル圧接片52と第2ケーブル圧接片54との対向縁部の間隔は、幅狭部52bと54bとの対向縁部の間隔より狭い。幅狭部52bと54bとの間には、遊び部51bが設けられる。第1ケーブル圧接片52と第2ケーブル圧接片54との間には、インシュレータなど、他の部材が介在しない。
中継コンタクト50は、第1分割ハウジング16と第2分割ハウジング30との嵌合状態において、第1ケーブル60及び第2ケーブル65と導通した状態で内包される。より具体的には、中継コンタクト50は、第1分割ハウジング16と第2分割ハウジング30との嵌合時に、第1圧接用溝53及び第2圧接用溝55によって絶縁性の被覆62及び被覆67を切断して、第1ケーブル60及び第2ケーブル65同士を導通させる。すなわち、中継コンタクト50は、嵌合時に、第1圧接用溝53及び第2圧接用溝55によって芯線61及び芯線66を挟持して、第1ケーブル60及び第2ケーブル65同士を導通させる。
第1ケーブル60と第2ケーブル65とは、導電性及び可撓性を有する材料(例えば銅又はアルミニウム)からなる芯線61、66(撚り線又は単線)の表面をチューブ状かつ可撓性及び絶縁性を有する被覆62、67でそれぞれ覆ったものである。第1ケーブル60は、配線対象物(例えば自動車など)の内部に最初から配線しかつ配線対象物の電源と接続するケーブルである。一方で、第2ケーブル65は、第1ケーブル60に対して後から追加で接続するケーブルであり、その一端(前端)には電子機器又は電気機器(例えばカーナビゲーションシステム)などが接続される。
図7は、絶縁ハウジング15が展開状態からロック状態に遷移する段階のコネクタ10、第1ケーブル60、及び第2ケーブル65の斜視図である。図8は、絶縁ハウジング15がロック状態にあるときのコネクタ10、第1ケーブル60、及び第2ケーブル65の斜視図である。図9は、図8のIX−IX矢線に沿う断面図である。
絶縁ハウジング15、中継コンタクト50、第1ケーブル60、及び第2ケーブル65を一体化して、第1ケーブル60と第2ケーブル65とを電気的に接続しながらコネクタ10を組み立てるには、まず組み立て作業者が手などにより図1、図5に示す展開状態にある第1分割ハウジング16のコンタクト取付溝18に対して中継コンタクト50の下部を嵌合する。具体的には、遊び部51bを中間凸部18bに嵌合させながら基片51をコンタクト取付溝18の底部に嵌合する。さらに、第1ケーブル圧接片52の基片51側の半部(図1、図2では下半部)を対応する固定部18aに嵌合しかつ第2ケーブル圧接片54の基片51側の半部を対応する固定部18aに嵌合する。基片51の一対の位置決め孔51aに対して第1分割ハウジング16の一対の位置決め突起18cが嵌合するので(図2、図9)、中継コンタクト50が第1分割ハウジング16に対して位置決めされる。中継コンタクト50を第1分割ハウジング16に取り付けると、前後の第1ケーブル取付溝19を通る軸線上に前後の第1圧接用溝53が位置し、かつ、前後の第2ケーブル取付溝20を通る軸線上に前後の第2圧接用溝55が位置する。
続いて、組み立て作業者が手などにより、前後の脱落防止突起35cと36c、35dと36dによる抵抗に抗して第1ケーブル60及び第2ケーブル65を押込む(図1参照)。その際、各突出片37a、38a、37b、38bは弾性力に抗して撓み、対向する脱落防止突起35cと36c、35dと36dの間隔を広げる。第1ケーブル60及び第2ケーブル65が第1ケーブル保持溝35a、36a及び第2ケーブル保持溝35b、36bに押し込まれると、対向する脱落防止突起35cと36c、35dと36dの間隔が狭まる。これにより、第1ケーブル60及び第2ケーブル65は、第1ケーブル保持溝35a、36aの底部及び第2ケーブル保持溝35b、36bの底部と脱落防止突起35cと36c及び35dと36dとの間に挟持される。これにより第1ケーブル60及び第2ケーブル65は、ケーブル延長方向の移動が抵抗を受けながら可能なので、図1及び図2に示した展開状態のコネクタ10に対する第1ケーブル60及び第2ケーブル65の延長方向の位置調整が可能である。第1ケーブル60及び第2ケーブル65が第1ケーブル保持溝35a、36a及び第2ケーブル保持溝35b、36bから離脱しようとすると、離脱を阻止する抵抗を受ける。したがって、コネクタ10を上下逆さまにしても、第1ケーブル60及び第2ケーブル65が、第1ケーブル保持溝35a、36a及び第2ケーブル保持溝35b、36bから容易に抜け落ちない。また、第1ケーブル60及び第2ケーブル65は、一定以上の付勢力により第1ケーブル保持溝35a、36a及び第2ケーブル保持溝35b、36bから離脱させることが可能である。したがって、コネクタ10の交換、並びにコネクタ10に着脱する第1ケーブル60及び第2ケーブル65の変更が容易である。
第1ケーブル60及び第2ケーブル65を左右方向に並べ、第1ケーブル保持溝35a、36a及び第2ケーブル保持溝35b、36bに嵌合保持した状態のまま、前後の屈曲容易部48を中心に第2分割ハウジング30(前後の第2接続部47)を第1分割ハウジング16(前後の第1接続部46)に対して接近するように回転させる。すると、第1分割ハウジング16側の第2ロック用突起40が、対応する第1ロック用突起26の傾斜面26aに当接する。さらに回転させると、当該第2ロック用突起40が対応する傾斜面26aを下方に摺動しつつ、対応する第1ロック用突起26が、第1分割ハウジング16の内側方向に弾性変形する。一方で、第2接続部47側に位置するケーブル押圧突起32の第2押圧溝32bが、第2ケーブル65の中間部を、第2圧接用溝55の奥側(下方)に僅かに押し込むことで、第2ケーブル65の中間部が、前後の第2ケーブル圧接片54の間の空間に入り込む。
手などにより第2分割ハウジング30を前後の屈曲容易部48を中心に第1分割ハウジング16に対して接近する方向にさらに回転させると、第2接続部47と反対側に位置するケーブル押圧突起32の第1押圧溝32aが、第1ケーブル60の中間部を第1ケーブル圧接片52の先端部52aに対して第1圧接用溝53の延出方向又はこれに近い方向に押し当てる。したがって、第1ケーブル60が先端部52aとケーブル押圧突起32とによって挟持される。
第1ケーブル60と第2ケーブル65とを中継コンタクト50の先端部52a、54aに載置した後に、図示を省略した一般的な工具(例えば、プライヤー)によって第1分割ハウジング16及び第2分割ハウジング30を、互いに接近する方向に略平行に押圧すると、各第2ロック用突起40が、対応する第1ロック用突起26に対して係合する。さらに、第2ロック部39の各凸壁41が、対応する凹部25aと嵌合する。これにより、第1分割ハウジング16が第2分割ハウジング30内に収容され、第1ロック部25と第2ロック部39とは、嵌合した第1分割ハウジング16及び第2分割ハウジング30の内側で係合する。
さらに、ケーブル押圧突起32は、第1ケーブル60及び第2ケーブル65の中間部を第1圧接用溝53及び第2圧接用溝55の奥側(底面側)にさらに押し込む。したがって、第1ケーブル60が先端部52aから第1圧接用溝53の略中央部まで押し込まれかつ第2ケーブル65が先端部54aから第2圧接用溝55の略中央部まで押し込まれる。このとき、ケーブル押圧突起32の第1押圧溝32aと第2押圧溝32bとによる第1ケーブル60と第2ケーブル65との押圧方向が上下方向(第1圧接用溝53及び第2圧接用溝55の延長方向)と略平行となる。これにより、第1圧接用溝53の内面(左右両面)によって第1ケーブル60の被覆62の左右両側部が破られかつ第2圧接用溝55の内面(左右両面)によって第2ケーブル65の被覆67の左右両側部が破られる。したがって、絶縁ハウジング15が閉状態に保持されたときに、第1圧接用溝53の内面(一対の対向面)が芯線61の両側部に対して均等且つ確実に接触(圧接)し、かつ第2圧接用溝55の内面(一対の対向面)が芯線66の両側部に対して均等且つ確実に接触(圧接)する。すなわち、コネクタ10の内部において第1ケーブル60の芯線61と第2ケーブル65の芯線66とが中継コンタクト50を介して互いに電気的に導通する。
芯線61、66の両側部の一方に対して第1圧接用溝53及び第2圧接用溝55の内面が過度に強く当たることがないので、芯線61、66の一部が第1圧接用溝53及び第2圧接用溝55によって切断されることがない。そのため芯線61、66の機械的強度が低下しないので、第1ケーブル60及び第2ケーブル65に引張力が作用しても芯線61、66が完全に切断するおそれは小さい。したがって、第1ケーブル60及び第2ケーブル65と中継コンタクト50との接触信頼性を高めることが可能である。
第1分割ハウジング16と第2分割ハウジング30とが閉状態に(嵌合して)保持(ロック)された状態では、第1分割ハウジング16の蓋部21、22の対向面21a、22aが、第1ケーブル保持溝35a、36aと第2ケーブル保持溝35b、36bの開口部(図4の上方の開口部)の一部を塞いでいる。さらに、第1ケーブル60は、第1分割ハウジング16の一対の傾斜面19a、及び対応する第2分割ハウジング30の傾斜面35e、36eによって上下方向から挟まれる。第2ケーブル65は、第2分割ハウジング30の一対の傾斜面20a、及び対応する第2分割ハウジング30の傾斜面35f、36fによって上下方向から挟まれる。
以下では、充填剤70を装填した状態のコネクタ10について主に説明する。充填剤70は、第1分割ハウジング16及び第2分割ハウジング30にそれぞれ設けられる(第1充填剤70a及び第2充填剤70b)。第1充填剤70a及び第2充填剤70bは、第1分割ハウジング16と第2分割ハウジング30との嵌合時に、合着して互いに一体化する。充填剤70は、防水用ゲル、UV硬化樹脂、又は接着剤などのうち、合着性を有する任意の材料であってよい。特に、充填剤70は、防水機能を効果的に発揮するUV硬化樹脂によって構成されるのが好適である。具体的には、充填剤70は、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、アクリル樹脂アクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、シリコンアクリレート、アミノ樹脂アクリレート、ウレタンビニルエーテル、ポリエステルビニルエーテル、シリコーン系エラストマー、スチレン系エラストマー、又はポリエチレン−ポリスチレン系エラストマーなどを主成分として含む材料によって構成される。特に、充填剤70は、合着性、弾性、及び耐熱性を同時に有するウレタンアクリレートを主成分として含む材料により構成されるのが好適である。
図10は、展開状態における絶縁ハウジング15に充填剤70を装填した様子を示した斜視図である。図11は、充填剤70を装填したコネクタ10のロック状態を示した図9に対応する断面図である。図12は、充填剤70を装填したコネクタ10のロック状態を示す図8のXII−XII矢線に沿う断面図である。図13は、一体化した充填剤70の伸長状態を仮想的に示した斜視図である。
一実施形態では、図10に示すように、第1分割ハウジング16の内周側第1対向面17b及び第2分割ハウジング30の内周側第2対向面31bに、充填剤70を介在させる。
第1分割ハウジング16の内周側第1対向面17bに介在させた第1充填剤70aは、下面の平面形状が内周側第1対向面17bと略同一であって、中継コンタクト50の周囲を囲む角筒形状に形成される。第1充填剤70aの高さは、第1分割ハウジング16と第2分割ハウジング30とが嵌合したときに、第1充填剤70aと第2充填剤70bとが合着する高さである。
第2分割ハウジング30の内周側第2対向面31bに介在させた第2充填剤70bは、下面の平面形状が内周側第2対向面31bと略同一であり、ケーブル押圧突起32の周囲を囲む角筒形状に形成される。第2充填剤70bの高さは、第1分割ハウジング16と第2分割ハウジング30とが嵌合したときに、第1充填剤70aと第2充填剤70bとが合着する高さである。
すなわち、第1充填剤70a及び第2充填剤70bは、第1分割ハウジング16と第2分割ハウジング30との嵌合時において、後述する圧縮状態を実現するために、上下方向に沿って所定の厚さ分だけ互いに重畳する必要がある。換言すると、嵌合前の第1充填剤70aの高さと第2充填剤70bの高さとを足し合わせた高さは、嵌合後に合着した第1充填剤70a及び第2充填剤70bの高さよりも若干大きい。したがって、第1充填剤70aの上面により構成される合着面は、嵌合前においては、合着直前の圧縮状態における第1充填剤70aの合着面よりも嵌合側(上側)に位置する。同様に、第2充填剤70bの上面により構成される合着面は、嵌合前においては、合着直前の圧縮状態を仮定した場合における第2充填剤70bの合着面よりも嵌合側(上側)に位置する。このとき、合着直前の互いに圧縮状態にある第1充填剤70a及び第2充填剤70bの合着面を嵌合中心面とすると、第1充填剤70aの嵌合前における合着面は、嵌合中心面よりも嵌合側(上側)に位置する。同様に、第2充填剤70bの嵌合前における合着面は、嵌合中心面に対応する平面よりも嵌合側(上側)に位置する。
図10に示す展開状態から、コネクタ10をロック状態に遷移させると、図11に示すとおり、嵌合した第1分割ハウジング16及び第2分割ハウジング30の内部全体が充填剤70により充填される。より詳細には、第1分割ハウジング16と第2分割ハウジング30とがロック状態となったときに、充填剤70は、内周側第1対向面17bと内周側第2対向面31bとに密着し、かつ、中継コンタクト50の周囲を囲繞する。このとき、第1充填剤70a及び第2充填剤70bは、互いに潰し合って一度圧縮状態となることで、水素結合などの化学反応によって一体化する。すなわち、合着した充填剤70では、通常のSiゲルなどの粘着性を有する材料同士を接合させた場合と異なり、接合面が形成されない。以上により、充填剤70は、中継コンタクト50の周囲を密閉する。
第1ケーブル60及び第2ケーブル65は、ロック状態で充填剤70の内側に配置される中継コンタクト50から外側に延出する。すなわち、第1ケーブル60及び第2ケーブル65は、中継コンタクト50における圧接部分から前後方向に沿って外側に延出する。
さらに、充填剤70は、第1ケーブル60及び第2ケーブル65の被覆62、67の表面を(中継コンタクト50との電気的導通を妨げることなく)囲む。より具体的には、図12に示すとおり、第1分割ハウジング16と第2分割ハウジング30との嵌合時に、嵌合方向、すなわち上下方向に沿った断面視において、第1ケーブル60及び第2ケーブル65が、互いに一体化した第1充填剤70a及び第2充填剤70bの内部に配置される。換言すると、合着した充填剤70は接合面を有さないので、第1ケーブル60及び第2ケーブル65の対応する部分は、充填剤70に完全に内蔵される。このように、通常のSiゲルなどの粘着性を有する材料同士を接合させた場合と異なり、被覆62、67の表面と充填剤70との間には、空隙がほとんど形成されない。
例えば、図13に仮想的に示すとおり、第1分割ハウジング16と第2分割ハウジング30とを上下方向に沿って分離させたとしても、一度合着した第1充填剤70a及び第2充填剤70bは、分離しない。すなわち、合着した第1充填剤70a及び第2充填剤70bは接合面を有さないので、接合面が剥離するという事象が生じない。合着した第1充填剤70a及び第2充填剤70bは、第1分割ハウジング16と第2分割ハウジング30とを上下方向に沿って分離させたとしても、一体的に伸長したまま、中継コンタクト50の周囲を密閉し続ける。充填剤70は、合着性と共に弾性も有する場合、コネクタ10の振動などによってある程度伸縮する。この場合であっても、合着した第1充填剤70a及び第2充填剤70bは、互いに一体化したまま均一に伸縮する。すなわち、合着した第1充填剤70a及び第2充填剤70bに働く応力の分布は、全体にわたって略均一である。
このように、一度合着した第1充填剤70a及び第2充填剤70bは、従来の粘着性を有する材料同士を接合させた場合と異なり、力学的な作用又は熱膨張などにより接合面が剥離して互いに分離するという事象が生じない。
第1分割ハウジング16及び第2分割ハウジング30は、充填剤70が過多の場合に充填剤70の余剰分が入り込む空間28及び43をそれぞれ有する(図11)。空間28及び43は、第1分割ハウジング16及び第2分割ハウジング30が嵌合した状態で、一対の第1ロック部25の内面に沿って形成され、充填剤70の下方及び上方に設けられる。これにより、空間28及び43は、ロック時に充填剤70の余剰分を吸収して溜めこむことができる。したがって、コネクタ10は、第1ケーブル60及び第2ケーブル65への押圧力などに対して、個体ごとのばらつきを抑制できる。
充填剤70は、第1分割ハウジング16の一対の第1ロック部25の内面と当接する。図11に示すとおり、第1ロック用突起26及び第2ロック用突起40の係合面27は、その上下方向において、上下方向に沿った充填剤70の幅内に位置するように構成されるのが好適である。さらに、第1分割ハウジング16及び第2分割ハウジング30を嵌め合わせたときに、第2ロック用突起40の表面は、第1ロック部25の外面と当接する。これにより形成される当接面42は、充填剤70と当接する第1ロック部25の内面と略平行であるのが好適である。
以上のような充填剤70の構成により、コネクタ10は、水又は塵埃などの外部の異物の侵入を効果的に抑制できる。特に、コネクタ10は、合着して互いに一体化した充填剤70が中継コンタクト50を囲繞するので、外部の異物が第1ケーブル60及び第2ケーブル65の芯線61、66に接触するおそれを低減できる。特に、コネクタ10は、被覆62、67の表面と充填剤70との間に空隙がほとんど形成されない状態で第1ケーブル60及び第2ケーブル65の対応する部分を充填剤70の内部に配置させるので、防水性に優れる。このように、コネクタ10は、第1ケーブル60及び第2ケーブル65を保持する場合であっても、防水性を向上させ、その他の外部の異物の侵入も効果的に防止できる。
第1充填剤70a及び第2充填剤70bは、合着により一体化するので、粘着性を有する従来の材料同士を接合させる場合と比較して、結合力が大幅に増大する。換言すると、第1充填剤70a及び第2充填剤70bの接合面は消失するので、接合面が剥離するという事象が生じ得ない。したがって、コネクタ10は、第1充填剤70a及び第2充填剤70bが分離しようとする力への抵抗力を大幅に向上できる。
コネクタ10では、接合面が消失するので、粘着性を有する従来の材料同士を接合させる場合と異なり、粘着力が弱まって接合面の一部に形成されたわずかな隙間から水が浸入するという事象が生じない。すなわち、コネクタ10は、充填剤70全体にかかる水圧に対して、中継コンタクト50と芯線61、66との接触部を効果的に保護できる。したがって、コネクタ10は、防水性の向上に寄与する。
従来、粘着性を有する材料同士の接合を維持するために比較的大きな圧力を加える必要があったが、コネクタ10では、接合面が消失して一体化するので、大きな圧力を加える必要はない。すなわち、コネクタ10は、第1分割ハウジング16及び第2分割ハウジング30の嵌合保持力を必要以上に大きくすることなく、十分な防水性を得ることができる。
合着した第1充填剤70a及び第2充填剤70bは、互いに一体化したまま均一に伸縮するので、力学的な作用又は熱膨張などにより互いに分離することがない。したがって、コネクタ10は、防水性を維持できる。例えば、従来、振動が大きい環境下又は高温環境下では、粘着性を有する材料同士の接合面の面圧が低下したり、接合面が剥離したりして、防水性が低下するという事象も生じ得るが、コネクタ10は、そのような事象を排除できる。コネクタ10は、振動が大きい環境下又は高温環境下であっても十分な防水性を維持できる。
コネクタ10は、ウレタンアクリレートを主成分として含む材料を充填剤70として用いることで、合着性、弾性、及び耐熱性を同時に有する最適な防止部材を提供できる。これにより、コネクタ10は、上述した各種効果をより顕著に奏することができる。
充填剤70が第1ケーブル60及び第2ケーブル65に密着するので、仮にコネクタ10の外側において加わった外力によって第1ケーブル60及び第2ケーブル65が振られて屈曲したとしても、コネクタ10は、第1ケーブル60及び第2ケーブル65の屈曲に起因する動き又は応力が中継コンタクト50との圧接部に伝達することを抑止し、接触信頼性を維持できる。
充填剤70が、第1ロック部25の内面と当接することで、弾性を有する第1ロック部25は、充填剤70の膨張又は膨潤による内側から外側への弾性力により、外側に弾性変形しようとする。コネクタ10では内側でロック部が構成されるので、外側への弾性変形により、コネクタ10は、第1ロック部25と第2ロック部39との係合をさらに強固にすることができる。より詳述すると、第1ロック用突起26及び第2ロック用突起40の係合面27が、充填剤70と当接する第1ロック部25の内面の上下方向における幅内にあることで、充填剤70の膨張力などを効率良く係合力に変換できる。また、当接面42が充填剤70と当接する第1ロック部25の内面と略平行となることで、充填剤70の膨張力などは、第1ロック部25及び第2ロック用突起40の表面に対して略垂直方向に伝わり、充填剤70の膨張力などをさらに効率良く係合力に変換できる。その結果、コネクタ10は、第1分割ハウジング16及び第2分割ハウジング30の密着状態をより高めることができる。このように、コネクタ10は、内側から外側への弾性力が働いた状態であっても、第1分割ハウジング16及び第2分割ハウジング30の開き作用を抑制できる。その結果、コネクタ10は、防水性を維持できる。当該効果は、常温下においても現れるが、高温下において充填剤70の膨張が大きくなるほど、より顕著に現れる。
充填剤70が高い粘度も有する場合、コネクタ10は、第1分割ハウジング16及び第2分割ハウジング30間の開きをさらに抑制できる。すなわち、第1分割ハウジング16及び第2分割ハウジング30の内面に充填剤70が配置されることで、ロック状態でそれぞれの充填剤70が粘着する。当該粘着力が、嵌合した第1分割ハウジング16及び第2分割ハウジング30の開きに対する抵抗力となる。
コネクタ10は、嵌合した第1分割ハウジング16及び第2分割ハウジング30の内部にロック機構を形成したため、凹凸又は貫通穴が少ない略平面形状に外周壁31を形成することができる。これにより、コネクタ10は、防水性をより高めることができ、塵埃及びオイルなどのその他の異物の侵入もさらに抑止できる。
コネクタ10は、一方向に延在する第1ロック用突起26及び同方向に延在する第2ロック用突起40が係合して、係合面27が同方向に延在した平面を構成することで、係合面27の面積を広げ、係合をより強固にすることができる。また、コネクタ10は、係合面27が図11に示すように略水平となることで、係合する力を第1ロック用突起26及び第2ロック用突起40間で伝えやすくなる。このように、コネクタ10は、従来の外側に形成されるロック部と比較して、第1ロック用突起26及び第2ロック用突起40の幅を広げることができる。これにより、コネクタ10は、ロック力をより向上させ、ロック状態をより強固にできる。さらに、第1ロック部25及び第2ロック部39自体の強度も増すため、コネクタ10は、ロック部の破損を抑止できる。
コネクタ10は、第1ロック部25が傾斜面26bを有することで、第1分割ハウジング16及び第2分割ハウジング30の嵌合時に、第1ロック部25の先端が充填剤70に食い込んだり、充填剤70を削ったりすることを抑止できる。
本発明は、その精神又はその本質的な特徴から離れることなく、上述した実施形態以外の他の所定の形態で実現できることは当業者にとって明白である。したがって、先の記述は例示的なものであり、これに限定されるものではない。発明の範囲は、先の記述によってではなく、付加した請求項によって定義される。あらゆる変更のうちその均等の範囲内にあるいくつかの変更は、その中に包含されるものとする。
図14は、変形例に係る第1ロック部25と第2ロック部39との係合部を拡大した、図11に対応する拡大断面図である。上記では、図11に示すとおり、第1ロック用突起26及び第2ロック用突起40の係合面27は、前後方向に延在した略水平な平面であるが、これに限定されない。例えば、図14に示すとおり、当該係合面27が、嵌合した第1分割ハウジング16及び第2分割ハウジング30の内側から外側に向けて下方に傾斜していてもよい。コネクタ10は、当該断面形状により、ロックが外れる可能性をさらに低減できる。
本実施形態では、第1ロック部25を第1分割ハウジング16に形成し、第2ロック部39を第2分割ハウジング30に形成しているが、これに限定されない。弾性を有する第1ロック部25が、中継コンタクト50を備えない第2分割ハウジング30側に形成され、第2ロック部39が、中継コンタクト50を備える第1分割ハウジング16側に形成されてもよい。また、第1ロック部25及び第2ロック部39の第1分割ハウジング16及び第2分割ハウジング30における形成位置も、上記に限定されず、第1分割ハウジング16及び第2分割ハウジング30を嵌合させてロックを保持することが可能であれば、任意の形成位置であってよい。
本実施形態では、第1ロック部25及び第2ロック部39は、第1ロック用突起26及び第2ロック用突起40をそれぞれ備え、第1ロック用突起26と第2ロック用突起40とが係合するロック手段を示したが、これに限定されない。第1ロック部25及び第2ロック部39は、任意のロック手段を有してもよい。
本実施形態では第1ケーブル60及び第2ケーブル65の脱落を防止する脱落防止突起35c、36c及び35d、36dを第1ケーブル保持溝35a、36a及び第2ケーブル保持溝35b、36bに設けたが、脱落防止突起は、ケーブル押圧突起32の第1押圧溝32a及び第2押圧溝32bにそれぞれ設けてもよい。
中継コンタクト50は、第2ケーブル65を圧接するタイプであるが、第2ケーブル65を圧着するタイプであってもよい。この場合、第2ケーブル65は、予め中継コンタクト50に圧着接続しておき、この状態で中継コンタクト50を第1分割ハウジング16に装着する。この実施形態では、中継コンタクト50の一対の第1圧接用溝53及び第2圧接用溝55の一方の代わりに、ケーブル圧着端子が形成される。第2分割ハウジング30には、残存する圧接用溝に対応させて一つのケーブル支持腕部35又は36が設けられる。
逆に、各ケーブルのコネクタ10によって支持された部位の延長方向に対して直交又は略直交する方向に並べた3本以上のケーブルがコネクタ10により接続されてもよい。この場合、一つの中継コンタクトに(左右方向に並んだ)三対以上の圧接用溝が形成されてもよい。また、複数の中継コンタクトのそれぞれに圧接用溝が形成され、少なくとも一つの中継コンタクトに二対以上の圧接用溝が形成されて、各圧接用溝によってケーブル(芯線)が圧接されてもよい。
上記では、第1分割ハウジング16が第1嵌合対象物に対応し、第2分割ハウジング30が第2嵌合対象物に対応するものとして説明したが、これに限定されない。対応関係は、逆であってもよい。