JP2018160424A - 燃料電池搭載車両 - Google Patents

燃料電池搭載車両 Download PDF

Info

Publication number
JP2018160424A
JP2018160424A JP2017058209A JP2017058209A JP2018160424A JP 2018160424 A JP2018160424 A JP 2018160424A JP 2017058209 A JP2017058209 A JP 2017058209A JP 2017058209 A JP2017058209 A JP 2017058209A JP 2018160424 A JP2018160424 A JP 2018160424A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel cell
temperature
air supply
air
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017058209A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6852496B2 (ja
JP2018160424A5 (ja
Inventor
史顕 馬場
Fumiaki Baba
史顕 馬場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Corp filed Critical Suzuki Motor Corp
Priority to JP2017058209A priority Critical patent/JP6852496B2/ja
Publication of JP2018160424A publication Critical patent/JP2018160424A/ja
Publication of JP2018160424A5 publication Critical patent/JP2018160424A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6852496B2 publication Critical patent/JP6852496B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T90/00Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02T90/40Application of hydrogen technology to transportation, e.g. using fuel cells

Abstract

【課題】燃料電池を効率的に温度調整して速やかに最適動作状態にでき、燃料電池により効率的で安定的な発電を行うことができる燃料電池搭載車両を提供すること。【解決手段】外気導入装置51は、燃料電池4へ空気を供給する燃料電池用空気供給通路54Aが形成された燃料電池用空気供給ダクト54を有し、燃料電池用空気供給通路54Aには燃料電池4が設けられ、燃料電池用空気供給通路54Aにおける燃料電池4より上流側に、燃料電池4に供給する空気の温度を調整する燃料電池用温度調整装置40が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池を搭載する燃料電池搭載車両に関する。
車両に搭載される燃料電池は、動作可能な温度範囲が決まっており、燃料電池を動作可能な温度に冷却または加熱する必要がある。燃料電池には水冷式と空冷式とがあるが、ハイブリッド車両や、大きな出力を必要としない車両においては、構造が簡単で、小型化、軽量化、低コスト化が図れる空冷式が優れている。
一方、空冷式の燃料電池は、水冷式の燃料電池と比較して温度調整能力において劣る傾向があり、外気温の影響を受けやすい。空冷式の燃料電池は、外気温が高い場合には性能が低下し、外気温が低い場合には起動の遅れと性能の低下が発生するため、温度調整能力の向上が求められている。
従来の空冷式の燃料電池として特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載のものは、車室用の空調システムにより温度調整された空気を燃料電池に送り込み、この空気によって燃料電池の温度調整と酸化を行っている。
特開2012−48821号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、車室用に温度調整された空気を補助的に利用して燃料電池の温度調整を行うものであり、燃料電池に供給する空気の温度は車室用の空調システムの設定温度に依存しているため、この設定温度によっては燃料電池が所望の温度範囲に到達するのに要する時間が長くなることがある。
したがって、燃料電池の温度を所望の温度範囲に速やかに到達させることができるよう、最適な温度の空気を燃料電池に供給し、燃料電池を効率的に温度調整することが望まれている。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、燃料電池を効率的に温度調整して速やかに最適動作状態にでき、燃料電池により効率的で安定的な発電を行うことができる燃料電池搭載車両を提供することを目的とするものである。
本発明は、車外から取り込んだ空気を車内に供給する外気導入装置を有する燃料電池搭載車両であって、前記外気導入装置は、燃料電池へ空気を供給する燃料電池用空気供給通路が形成された燃料電池用空気供給ダクトを有し、前記燃料電池用空気供給通路には前記燃料電池が設けられ、前記燃料電池用空気供給通路における前記燃料電池より上流側に、前記燃料電池に供給する空気の温度を調整する燃料電池用温度調整装置が設けられていることを特徴とする。
このように上記の本発明によれば、燃料電池を効率的に温度調整して速やかに最適動作状態にでき、燃料電池により効率的で安定的な発電を行うことができる。
図1は、本発明の一実施例に係る燃料電池搭載車両の構成図である。 図2は、本発明の一実施例に係る燃料電池搭載車両による、外気温が低い時の燃料電池の温度調整動作を説明するフローチャートである。 図3は、本発明の一実施例に係る燃料電池搭載車両による、外気温が低い時の車室の温度調整動作を説明するフローチャートである。 図4は、本発明の一実施例に係る燃料電池搭載車両による、外気温が高い時の燃料電池の温度調整動作を説明するフローチャートである。 図5は、本発明の一実施例に係る燃料電池搭載車両による、外気温が高い時の車室の温度調整動作を説明するフローチャートである。 図6は、本発明の一実施例に係る燃料電池搭載車両において、車室用温度調整装置および燃料電池用温度調整装置にヒートポンプ式の構造を採用した場合の具体例を示す構成図である。 図7は、本発明の一実施例に係る燃料電池搭載車両において、車室用温度調整装置および燃料電池用温度調整装置にヒータコア式の構造を採用した場合の冷却部を示す構成図である。 図8は、本発明の一実施例に係る燃料電池搭載車両において、車室用温度調整装置および燃料電池用温度調整装置にヒータコア式の構造を採用した場合の加熱部を示す構成図である。 図9は、本発明の一実施例に係る燃料電池搭載車両において、車室用温度調整装置および燃料電池用温度調整装置に電気ヒータ式の構造を採用した場合の冷却部を示す構成図である。 図10は、本発明の一実施例に係る燃料電池搭載車両において、車室用温度調整装置および燃料電池用温度調整装置に電気ヒータ式の構造を採用した場合の加熱部を示す構成図である。 図11は、本発明の一実施例に係る燃料電池搭載車両において、熱交換器によって車室用空気供給通路と燃料電池用空気供給通路との間で熱交換を行うようにした例を示す構成図である。
本発明の一実施の形態に係る燃料電池搭載車両は、車外から取り込んだ空気を車内に供給する外気導入装置を有する燃料電池搭載車両であって、外気導入装置は、燃料電池へ空気を供給する燃料電池用空気供給通路が形成された燃料電池用空気供給ダクトを有し、燃料電池用空気供給通路には燃料電池が設けられ、燃料電池用空気供給通路における燃料電池より上流側に、燃料電池に供給する空気の温度を調整する燃料電池用温度調整装置が設けられていることを特徴とする。これにより、本発明の一実施の形態に係る燃料電池搭載車両は、燃料電池を効率的に温度調整して速やかに最適動作状態にでき、燃料電池により効率的で安定的な発電を行うことができる。
以下、図1から図11を参照して、本発明の一実施例について説明する。図1に示すように、本発明の一実施例に係る燃料電池搭載車両50は、車外から取り込んだ空気を車内に供給する外気導入装置51と、この外気導入装置51に設けられた空冷式の燃料電池4と、温度制御部および開閉制御部としての制御部60とを含んで構成されている。
燃料電池4にはレギュレータ56を介して水素タンク57が接続されている。水素タンク57に貯留された水素は、レギュレータ56によって所定の圧力に調圧されて燃料電池4に供給される。
燃料電池4は、空気を取り入れる吸気口4Aと、排気(水蒸気等)を排出する排気口4Bと、内部に位置する板状の複数のセル(不図示)とを有している。燃料電池4は、吸気口4Aから取り入れた空気中の酸素と、燃料ガスとして水素タンク57から供給された水素とを内部のセルにおいて反応させることで発電する。燃料電池4が発電した電力は、図示しない走行用のモータに供給される。なお、燃料電池搭載車両50は、モータに加えてエンジンも動力源として備えていてもよい。
さらに本実施例における燃料電池4は、排気口4B側に設けられて排気(水蒸気等)を外部へと排出するファン(不図示)や、吸気口4Aまたは排気口4Bに設けられてその吸気量または排気量を調節するためのルーバ(不図示)も備える。
外気導入装置51は、管状の車室用空気供給ダクト53と、管状の燃料電池用空気供給ダクト54とを有している。車室用空気供給ダクト53および燃料電池用空気供給ダクト54は、例えば、燃料電池搭載車両50の前部のボンネット内に配置されており、走行風を取り入れるように前方(図1の左方)に開口している。
車室用空気供給ダクト53には、車室52Aに空気を供給する車室用空気供給通路53Aが形成されている。車室用空気供給通路53Aには、車室52Aに供給する空気の温度を調整する車室用温度調整装置30が設けられている。車室用温度調整装置30は、車室52Aに供給する空気を冷却する車室用クーラ31と、車室52Aに供給する空気を加熱する車室用ヒータ32とを有している。車室用クーラ31は、空気を冷却するための冷却部として機能し、車室用ヒータ32は、空気を加熱するための加熱部として機能する。
車室用クーラ31は、車室用空気供給通路53Aの上流側端部に配置されている。車室用ヒータ32は、車室用空気供給通路53Aの下流側端部の近傍に配置されている。車室用空気供給通路53Aの下流側端部は車室52Aに連通している。車室52Aは、天井や窓等の車室構成部材52により囲まれている。車室52Aには図示しない送風口が設けられており、車室用空気供給通路53Aを通過した空気は送風口から車室52Aに導入される。
車室用クーラ31の上流側近傍には、車室用ファン1Aが設けられている。車室用ファン1Aは、車外の空気を車室用空気供給通路53A内に吸い込み、矢印Aで示すように、車室52Aに向けて送風するようになっている。車室用ファン1Aは制御部60によって制御される。
燃料電池用空気供給ダクト54には、燃料電池4へ空気を供給する燃料電池用空気供給通路54Aが形成されている。燃料電池用空気供給通路54Aには燃料電池4が設けられている。本実施例では、燃料電池4は、燃料電池用空気供給通路54Aにおける長さ方向の中間部の上流寄りの位置に配置されている。
燃料電池用空気供給通路54Aにおける燃料電池4より上流側には、燃料電池4に供給する空気の温度を調整する燃料電池用温度調整装置40が設けられている。
このように、燃料電池4より上流側に燃料電池用温度調整装置40を設けたことで、燃料電池用温度調整装置40により温度調整された空気が効率よく燃料電池4へと供給される。このため、外気温の影響を受けやすく、水冷式と比較して低出力な空冷式の燃料電池4に対して最適な温度調整を容易に行うことができる。
燃料電池用温度調整装置40は、燃料電池4に供給する空気を冷却する燃料電池用クーラ41と、燃料電池4に供給する空気を加熱する燃料電池用ヒータ42とを有している。燃料電池用クーラ41は空気を冷却するための冷却部として機能し、燃料電池用ヒータ42は空気を加熱するための加熱部として機能する。
燃料電池用クーラ41は、燃料電池用空気供給通路54Aの上流側端部に配置されている。燃料電池用クーラ41の上流側近傍には、燃料電池用ファン2Aが設けられている。燃料電池用ファン2Aは、車外の空気を燃料電池用空気供給通路54Aに吸込み、矢印Bで示すように、燃料電池4に向けて送風するようになっている。燃料電池用ファン2Aは制御部60によって制御される。燃料電池用空気供給通路54Aの下流側端部は車外空間55に連通している。
本実施例では、外気導入装置51が有する管状の燃料電池用空気供給通路54Aの中間部に燃料電池4を収めており、空気の温度調整と同時に燃料電池4の表面温度を調整する。従って、燃料電池用空気供給通路54Aの空気の入口となる上流側端部は、燃料電池4の冷却に必要な量の空気を取り込み可能な開口面積を確保している。
さらに、燃料電池用空気供給ダクト54と燃料電池4との間には、燃料電池4の周辺を空気が流れるのに十分な隙間が確保されている。燃料電池用空気供給ダクト54において、空気を取り込む上流側端部と、燃料電池4を通過した排気を車外に放出する下流側端部とは、少なくとも何れかが燃料電池4よりも大きな断面形状に形成される。
ここで、レギュレータ56で調圧された水素は、燃料電池用空気供給ダクト54の外部から内部を通って燃料電池4に接続される配管56Aによって、燃料電池4に供給される。燃料電池4が排出するパージ水素も、同様に燃料電池4に接続されて燃料電池用空気供給ダクト54の内部を通って外部へと延びる、図示しない配管を通って外部へ排出される。
車室用空気供給ダクト53と燃料電池用空気供給ダクト54とは、一体的に形成されていてもよいし、別体であってもよい。
本実施例では、車室用空気供給ダクト53と燃料電池用空気供給ダクト54とは、互いに平行で隣接するように配置されている。車室用空気供給ダクト53と燃料電池用空気供給ダクト54とを、互いに平行で隣接するように配置したことで、互いに類似の部品構成を有する車室用温度調整装置30と燃料電池用温度調整装置40とを集約して配置できる。このため、車室用温度調整装置30および燃料電池用温度調整装置40の構成部品を小型化でき、整備性を向上させることができる。なお、車室用空気供給ダクト53と燃料電池用空気供給ダクト54とは、必ずしも平行していなくともよく、また離間していてもよい。
車室用空気供給ダクト53と燃料電池用空気供給ダクト54とは、車室用空気供給通路53Aと燃料電池用空気供給通路54Aとを隔てる隔壁70を共有している。このように、車室用空気供給通路53Aと燃料電池用空気供給通路54Aとが隔壁70により隔てられているので、燃料電池4からの放熱や排気熱が車室用空気供給通路53A内の空気に伝播することを抑制できる。
隔壁70には、車室用空気供給通路53Aと燃料電池用空気供給通路54Aとを連通する連通路71が形成されている。連通路71は、隔壁70における燃料電池4より下流側に形成されている。連通路71には、開閉制御可能な開閉弁6Aが設けられており、開閉弁6Aは、連通路71の開閉状態を切換えるようになっている。また、連通路71にはファン6Bが設けられており、このファン6Bは、矢印Cで示すように、燃料電池用空気供給通路54Aから車室用空気供給通路53Aに空気を送風するように制御される。開閉弁6Aは、空気の流れ方向の下流側端部を回動支点として、上流側端部が燃料電池用空気供給通路54Aに突出するように開くようになっている。これにより、開閉弁6Aが開いているときは、ファンの6Bの送風能力が低い場合であっても、開閉弁6Aによって効率的に燃料電池用空気供給通路54Aの空気を車室用空気供給通路53Aに案内することができる。また、開閉弁6Aが開くことで燃料電池用空気供給通路54Aの通過断面積が小さくなるため、燃料電池用空気供給通路54Aから車室用空気供給通路53Aへの空気の供給を促進できる。
また、連通路71は、車室用空気供給通路53A内の車室用ヒータ32の上流側となる位置に形成されている。このように、車室用ヒータ32を連通路71の後方に設けることで、連通路71を経て燃料電池用空気供給通路54Aから車室用空気供給通路53Aに流れ込んだ燃料電池4からの高温の排気を、車室用ヒータ32によってさらに暖めることができるため、車室52Aの暖房効果をより高めることができる。
すなわち、燃料電池4の下流側において、車室用空気供給通路53Aと燃料電池用空気供給通路54Aとを連通路71によって連通させて、この連通路71に開閉弁6Aを設けたことで、燃料電池用空気供給通路54Aで発生した燃料電池4の排気を選択的に車室用空気供給通路53Aに導入できる。これにより、暖機が完了した燃料電池4の排熱を車室52Aの暖房に利用でき、車室52Aの暖房時のエネルギの節約が可能になる。例えば、車室用温度調整装置30が暖房運転と冷房運転の何れの運転をしているかに応じて、開閉弁6Aを開または閉の何れとするかを予め設定しておくことで、燃料電池4の排気熱の利用の可否を適宜選択できるため、利便性を向上させることができる。
例えば、燃料電池4を適温に調整して作動を安定させた後に車室52Aを暖房する際に、開閉弁6Aを開いてファン6Bを作動させることで、燃料電池4からの排気を車室用空気供給通路53Aに流入させて、その排気熱により吸気を暖めることができる。このようにすることで、燃料電池4の温度調整後は、速やか、かつ省エネルギで、車室52Aを暖房することができる。
したがって、車室用空気供給通路53Aと燃料電池用空気供給通路54Aを隔壁70によって隔てた上で、車室用温度調整装置30と燃料電池用温度調整装置40とを独立して制御することで、燃料電池4に供給する空気を、燃料電池4の状態に合わせた最適な吸気温度となるように早く、細かく制御することができ、燃料電池4の発電を安定的に行うことができる。これにより、燃料電池4の出力低下を抑制するとともに、発電効率が良好になり、燃費向上を実現できる。
制御部60は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、フラッシュメモリと、入力ポートと、出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されており、制御対象を電気的に制御する。すなわち、制御部60は、ECU(Electronic Control Unit)から構成されている。
制御部60のROMには、各種制御定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットを制御部60として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、制御部60において、CPUがROMに記憶されたプログラムを実行することにより、当該コンピュータユニットは、制御部60として機能する。
制御部60は、燃料電池用温度調整装置40と車室用温度調整装置30とを独立して制御し、燃料電池4に供給する空気の温度と車室52Aに供給する空気の温度とを独立して調整するようになっている。温度調整を独立して行うことで、燃料電池4にとって最適な温度調整と、車室52Aにとって最適な温度調整との両方を効率よく行うことができ、より利便性および快適性を向上させることができる。
制御部60は、燃料電池搭載車両50の始動時などにおいて、先に燃料電池4の温度調整を行い、燃料電池4の温度が所定の温度範囲内となった後に、車室52Aの室温を調整するようになっている。すなわち、制御部60は、燃料電池4の温度が所定温度範囲内にない場合は、燃料電池用温度調整装置40を作動させ、燃料電池4の温度が所定温度範囲内にある場合は、燃料電池用温度調整装置40と車室用温度調整装置30とを作動させるようになっている。
制御部60は、燃料電池4の温度と車室52Aの室温を調整する過程で、所定条件を満たす場合に開閉弁6Aを開くよう制御するようになっている。
図2、図3を参照して、外気温が低温の時に制御部60によって実行される温度調整動作の流れについて説明する。図2の温度調整動作は、外気温が低い場合に燃料電池4を所定の目標温度まで暖める動作である。図3の温度調整動作は、外気温が低い場合に車室52Aを所定の目標室温まで暖める動作である。なお、燃料電池4が目標温度まで昇温した後、および車室52Aの室温が目標温度まで昇温した後は、それぞれの温度を維持する動作に引き継がれる。
図2において、制御部60は、ステップS1で燃料電池用ファン2Aをオン、かつ、燃料電池4をオンにする。次いで、制御部60は、ステップS2で燃料電池用ヒータ42による空気の加熱量を調整する。
次いで、制御部60は、ステップS3で燃料電池4の温度Tfcが所定の下限温度Tmin以上であるか否かを判定する。ここで本実施例においては、燃料電池4の温度Tfcは、燃料電池4の内部にて燃料ガスと空気とを反応させて発電を行う、図示しないセルの温度であり、燃料電池4内の複数のセルに対して、温度Tfcを計測するための温度センサ(不図示)が複数個取り付けられる。下限温度Tminは、燃料電池4の起動に必要な温度であり、外気温に対応して予めマップとして設定されている。
ステップS3で燃料電池4の温度Tfcが所定の下限温度Tmin未満である場合、制御部60は、ステップS2に戻って燃料電池用ヒータ42による加熱を継続する。
ステップS3で燃料電池4の温度Tfcが所定の下限温度Tmin以上である場合、制御部60は、ステップS4で車室52Aの暖房を開始する。このように、制御部60は、外気温が低温のときは、車室52Aを暖める動作よりも燃料電池4を暖める動作を優先して実施している。車室52Aを暖房する動作の詳細については図3を参照して後述する。
ステップS4に次いで、制御部60は、ステップS5で燃料電池4の温度Tfcが所定の目標温度Tfctargetに対して許容範囲a内であるか否かを判定する。すなわち、制御部60は、Tfctarget−a≦Tfc≦Tfctarget+aを満たすか否かを判定する。
ステップS5で燃料電池4の温度Tfcが所定の目標温度Tfctargetに対して許容範囲a外である場合、制御部60は、ステップS2に戻って燃料電池用ヒータ42による加熱を継続する。
ステップS5で燃料電池4の温度Tfcが所定の目標温度Tfctargetに対して許容範囲a内である場合、制御部60は、今回の動作を終了する。そして、制御部60は、燃料電池4の温度Tfcを維持する動作(図示せず)に移行する。
図3において、制御部60は、ステップS11で車室用ファン1Aをオンにする。次いで、制御部60は、ステップS12で車室用ヒータ32による空気の加熱量を調整し、開閉弁6Aを開き、ファン6Bの回転を調整する。
次いで、制御部60は、ステップS13で車室52Aの室温Tcが所定の目標室温Tctargetに対して許容範囲b内であるか否かを判定する。すなわち、制御部60は、Tctarget−b≦Tc≦Tctarget+bを満たすか否かを判定する。
ステップS13で車室52Aの室温Tcが所定の目標室温Tctargetに対して許容範囲b外である場合、制御部60は、ステップS12に戻って車室用ヒータ32による加熱を継続する。
ステップS13で車室52Aの室温Tcが所定の目標室温Tctargetに対して許容範囲b内である場合、制御部60は、今回の動作を終了する。そして、制御部60は、車室52Aの室温Tcを維持する動作(図示せず)に移行する。
図4、図5を参照して、外気温が高温の時に制御部60によって実行される温度調整動作の流れについて説明する。図4の温度調整動作は、外気温が高いために燃料電池4を所定の目標温度まで冷却する動作である。図5の温度調整動作は、外気温が高いために車室52Aを所定の目標室温まで冷房する動作である。なお、燃料電池4の温度が目標温度まで下がった後、および車室52Aの室温が目標温度まで下がった後は、それぞれの温度を維持する動作に引き継がれる。
図4において、制御部60は、ステップS21で燃料電池用ファン2Aおよび燃料電池用クーラ41をオン、かつ、燃料電池4をオンにする。次いで、制御部60は、ステップS22で燃料電池用ファン2Aの回転を調整し、かつ、燃料電池用クーラ41への冷媒流量を調整する。
次いで、制御部60は、ステップS23で車室52Aの冷房を開始する。このように、制御部60は、外気温が高温のときは、車室52Aを冷房する動作よりも燃料電池4を冷却する動作を優先して実施している。車室52Aを冷房する動作の詳細については図5を参照して後述する。
ステップS23に次いで、制御部60は、ステップS24で燃料電池4の温度Tfcが所定の目標温度Tfctargetに対して許容範囲a内であるか否かを判定する。すなわち、制御部60は、Tfctarget−a≦Tfc≦Tfctarget+aを満たすか否かを判定する。
ステップS24で燃料電池4の温度Tfcが所定の目標温度Tfctargetに対して許容範囲a外である場合、制御部60は、ステップS22に戻って燃料電池用クーラ41による冷却を継続する。
ステップS24で燃料電池4の温度Tfcが所定の目標温度Tfctargetに対して許容範囲a内である場合、制御部60は、今回の動作を終了する。そして、制御部60は、燃料電池4の温度Tfcを維持する動作(図示せず)に移行する。
図5において、制御部60は、ステップS31で車室用ファン1Aおよび車室用クーラ31をオンにする。次いで、制御部60は、ステップS32で車室用ファン1Aの回転を調整し、車室用クーラ31への冷媒流量を調整する。
次いで、制御部60は、ステップS33で車室52Aの室温Tcが所定の目標室温Tctargetに対して許容範囲b内であるか否かを判定する。すなわち、制御部60は、Tctarget−b≦Tc≦Tctarget+bを満たすか否かを判定する。
ステップS33で車室52Aの室温Tcが所定の目標室温Tctargetに対して許容範囲b外である場合、制御部60は、ステップS32に戻って車室用クーラ31による冷房を継続する。
ステップS33で車室52Aの室温Tcが所定の目標室温Tctargetに対して許容範囲b内である場合、制御部60は、今回の動作を終了する。そして、制御部60は、車室52Aの室温Tcを維持する動作(図示せず)に移行する。
このように、本実施例では、燃料電池搭載車両50の始動時などで、燃料電池4内のセルの温度が所定温度範囲外にある場合であって、車室用温度調整装置30を作動させる場合には、まず燃料電池用温度調整装置40のみを作動させ、燃料電池4内のセルの温度が所定の温度範囲内となった後で、車室用温度調整装置30を作動させている。すなわち、優先的に燃料電池4を温度調整している。
このため、燃料電池4を早期に発電可能状態にでき、燃料電池4の状態を速やかに安定させ、良好な発電を行うことができ、安定的な車両走行が可能となる。
例えば、燃料電池4と車室52Aの双方が低温状態の場合には、優先的に燃料電池4を暖めて発電可能状態にしている。これによって、低温環境化で燃料電池4内の図示しないセルが凍結することを防止できる。
一方、燃料電池4の周囲温度が適正値よりも高い環境下においても、燃料電池4の冷却を優先して実施することで、燃料電池を適温に保つことが可能になる。
ここで、車室用温度調整装置30および燃料電池用温度調整装置40としては、ヒートポンプを用いて空気の加熱と冷却の両方を行うヒートポンプ式の構造と、エンジンで発生する熱を用いて空気を暖めるヒータコア式の構造と、電気で発熱する電気ヒータを用いて空気を暖める電気ヒータ式の構造と、を採用することができる。以下、ヒートポンプ式、ヒータコア式および電気ヒータ式を採用した場合の具体例について説明する。
(ヒートポンプ式)
ヒートポンプ式の構造を車室用温度調整装置30および燃料電池用温度調整装置40に適用した場合の具体例について、図6を参照して説明する。
図6に示すように、車室用温度調整装置30において、車室用クーラ31は車室用エバポレータ1Bから構成され、車室用ヒータ32は車室用コンデンサ5から構成されている。
また、燃料電池用温度調整装置40において、燃料電池用クーラ41は燃料電池用エバポレータ2Bから構成され、燃料電池用ヒータ42は燃料電池用コンデンサ3から構成されている。
車室用エバポレータ1Bおよび燃料電池用エバポレータ2Bは、互いに並列に接続されている。また、車室用エバポレータ1Bおよび燃料電池用エバポレータ2Bは、室外熱交換器8に対してエキスパンジョンバルブ9を介して直列に接続されている。車室用エバポレータ1Bおよび燃料電池用エバポレータ2Bには、冷媒の循環量を制御する電磁弁16、17がそれぞれ接続されている。車室用エバポレータ1B、燃料電池用エバポレータ2B、室外熱交換器8およびエキスパンジョンバルブ9は、車室用エバポレータ1Bまたは燃料電池用エバポレータ2Bの少なくとも一方を低温にするように冷媒が循環する冷却用冷媒回路を構成している。この冷却用冷媒回路の各分岐部には、三方弁12、13、14、15が設けられている。
車室用コンデンサ5および燃料電池用コンデンサ3は、互いに並列に接続されている。また、車室用コンデンサ5および燃料電池用コンデンサ3は、室外熱交換器8に対してエキスパンジョンバルブ11を介して直列に接続されている。車室用コンデンサ5および燃料電池用コンデンサ3には、冷媒の循環量を制御する電磁弁19、18がそれぞれ接続されている。車室用コンデンサ5、燃料電池用コンデンサ3、室外熱交換器8およびエキスパンジョンバルブ11は、車室用コンデンサ5または燃料電池用コンデンサ3の少なくとも一方を高温にするように冷媒が循環する加熱用冷媒回路を構成している。この加熱用冷媒回路の各分岐部には、三方弁12、13、14、15が設けられている。
冷却用冷媒回路および加熱用冷媒回路は、冷媒通路を共有しており、冷媒通路の共有部分にはコンプレッサ10が設けられている。また、冷却用冷媒回路と加熱用冷媒回路とを合わせた冷媒回路の各分岐部には、三方弁12、13、14、15が設けられている。
したがって、図6の冷媒回路において、制御部60によって三方弁12、13、14、15と電磁弁16、17、18、19を制御して、冷媒の流路の切替と流量の調整を行うことができる。これにより、車室用エバポレータ1Bによる空気の冷却と、燃料電池用エバポレータ2Bによる空気の冷却と、車室用コンデンサ5による空気の加熱と、燃料電池用コンデンサ3による空気の加熱と、を独立して制御することができる。したがって、車室52Aへ供給する空気の温度と、燃料電池4へ供給する空気の温度と、を独立して制御することができる。
なお、図6に例示するヒートポンプ式の構造は、車室用温度調整装置30と燃料電池用温度調整装置40とで冷媒の流路を共有しているが、車室用温度調整装置30と燃料電池用温度調整装置40とで冷媒の流路を独立して設けてもよい。すなわち、図6に示す冷媒回路から燃料電池用エバポレータ2Bと燃料電池用コンデンサ3とを取り外した冷媒回路から車室用温度調整装置30を構成し、図6に示す冷媒回路から車室用エバポレータ1Bと車室用コンデンサ5とを取り外した冷媒回路から燃料電池用温度調整装置40を構成してもよい。
(ヒータコア式)
ヒータコア式の構造を車室用温度調整装置30および燃料電池用温度調整装置40に適用した場合の具体例について、図7、図8を参照して説明する。なお、このヒータコア式の構造において、空気を冷却するための冷却部にヒートポンプ式の構造を採用し、空気を暖めるための加熱部にエンジンのヒータコアを用いている。
図7に示すように、車室用温度調整装置30において、車室用クーラ31は車室用エバポレータ1Bから構成されている。燃料電池用温度調整装置40において、燃料電池用クーラ41は燃料電池用エバポレータ2Bから構成されている。
車室用エバポレータ1Bおよび燃料電池用エバポレータ2Bは、互いに並列に接続されている。また、車室用エバポレータ1Bおよび燃料電池用エバポレータ2Bは、室外熱交換器8に対してエキスパンジョンバルブ9を介して直列に接続されている。車室用エバポレータ1Bおよび燃料電池用エバポレータ2Bには、冷媒の循環量を制御する電磁弁16、17がそれぞれ接続されている。車室用エバポレータ1B、燃料電池用エバポレータ2B、室外熱交換器8およびエキスパンジョンバルブ9は、車室用エバポレータ1Bまたは燃料電池用エバポレータ2Bの少なくとも一方を低温にするように冷媒が循環する冷却用冷媒回路を構成している。
図8に示すように、車室用温度調整装置30において、車室用ヒータ32は車室用ヒータコア5Aから構成されている。燃料電池用温度調整装置40において、燃料電池用ヒータ42は燃料電池用ヒータコア3Aから構成されている。
燃料電池用ヒータコア3Aおよび車室用ヒータコア5Aには、冷却水循環路20を介してエンジン59が接続されている。燃料電池用ヒータコア3Aおよび車室用ヒータコア5Aは、冷却水循環路20に互いに並列に配置されている。燃料電池用ヒータコア3Aおよび車室用ヒータコア5Aには、エンジン59から排出された高温の冷却水が冷却水循環路20を通して供給される。車室用ヒータコア3Aおよび燃料電池用5Aには、冷却水の供給量(循環量)を制御する電磁弁18、19がそれぞれ接続されている。
ここで、エンジン59は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程からなる一連の4行程を行うことで燃料電池搭載車両50の駆動力を発生するものである。エンジン59は、4サイクルのガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンによって構成されている。
このヒータコア式の構造において、制御部60によって電磁弁16、17を制御することで冷媒の流量を調整することができる。これにより、車室用エバポレータ1Bによる空気の冷却と、燃料電池用エバポレータ2Bによる空気の冷却と、を独立して制御することができる。
また、このヒータコア式の構造において、制御部60によって電磁弁18、19を制御することで冷却水の流量を調整することができる。これにより、燃料電池用ヒータコア3Aによる空気の加熱と、車室用ヒータコア5Aによる空気の加熱と、を独立して制御することができる。したがって、車室52Aへ供給する空気の温度と、燃料電池4へ供給する空気の温度と、を独立して制御することができる。
(電気ヒータ式)
電気ヒータ式の構造を車室用温度調整装置30および燃料電池用温度調整装置40に適用した場合の具体例について、図9、図10を参照して説明する。なお、この電気ヒータ式の構造において、空気を冷却するための冷却部にヒートポンプ式の構造を採用し、空気を暖めるための加熱部に電気ヒータを用いている。
図9に示すように、車室用温度調整装置30において、車室用クーラ31は車室用エバポレータ1Bから構成されている。燃料電池用温度調整装置40において、燃料電池用クーラ41は燃料電池用エバポレータ2Bから構成されている。
車室用エバポレータ1Bおよび燃料電池用エバポレータ2Bは、互いに並列に接続されている。また、車室用エバポレータ1Bおよび燃料電池用エバポレータ2Bは、室外熱交換器8に対してエキスパンジョンバルブ9を介して直列に接続されている。車室用エバポレータ1Bおよび燃料電池用エバポレータ2Bには、冷媒の循環量を制御する電磁弁16、17がそれぞれ接続されている。車室用エバポレータ1B、燃料電池用エバポレータ2B、室外熱交換器8およびエキスパンジョンバルブ9は、車室用エバポレータ1Bまたは燃料電池用エバポレータ2Bの少なくとも一方を低温にするように冷媒が循環する冷却用冷媒回路を構成している。
図10に示すように、車室用温度調整装置30において、車室用ヒータ32は車室用電気ヒータ5Bから構成されている。燃料電池用温度調整装置40において、燃料電池用ヒータ42は燃料電池用電気ヒータ3Bから構成されている。
車室用電気ヒータ5Bおよび燃料電池用電気ヒータ3Bは、燃料電池4に接続されており、燃料電池4から供給される電力により発熱する。車室用電気ヒータ5Bおよび燃料電池用電気ヒータ3Bは、燃料電池4に互いに並列に配置されている。車室用電気ヒータ5B、燃料電池用電気ヒータ3Bにはスイッチ22、21がそれぞれ接続されている。
この電気ヒータ式の構造において、制御部60によって電磁弁16、17を制御することで冷媒の流量を調整することができる。これにより、車室用エバポレータ1Bによる空気の冷却と、燃料電池用エバポレータ2Bによる空気の冷却と、を独立して制御することができる。
また、この電気ヒータ式の構造において、制御部60によってスイッチ22、21を制御することで、車室用電気ヒータ5Bおよび燃料電池用電気ヒータ3Bの発熱量を調整することができる。これにより、燃料電池用電気ヒータ3Bによる空気の加熱と、車室用電気ヒータ5Bによる空気の加熱と、を独立して制御することができる。したがって、車室52Aへ供給する空気の温度と、燃料電池4へ供給する空気の温度と、を独立して制御することができる。
(変形例)
変形例として、図11に示すように、車室用空気供給通路53Aに熱交換器73を設けてもよい。この熱交換器73の内部には、車室用空気供給通路53Aとは隔てられた流通路74が形成されており、この流通路74は、燃料電池用空気供給通路54Aと連通している。熱交換器73は、車室用空気供給通路53Aにおける車室用ヒータ32より上流側の位置に設けられている。車室用空気供給通路53Aを流れる空気は、熱交換器73によって加熱された後、車室用ヒータ32でさらに加熱される。
このようにすることで、燃料電池用空気供給通路54Aを流れる燃料電池4からの高温の空気(排気)が熱交換器73の内部の流通路74を通過するため、車室用空気供給通路53Aと燃料電池用空気供給通路54Aとの間で、空気を混ざり合わせることなく、熱交換を行うことができる。したがって、燃料電池4で発生した熱を車室52Aの暖房に用いることができる。
以上のように、本実施例において、外気導入装置51は、燃料電池4へ空気を供給する燃料電池用空気供給通路54Aが形成された燃料電池用空気供給ダクト54を有し、燃料電池用空気供給通路54Aには燃料電池4が設けられている。また、燃料電池用空気供給通路54Aにおける燃料電池4より上流側に、燃料電池4に供給する空気の温度を調整する燃料電池用温度調整装置40が設けられている。
このように、燃料電池4より上流側に燃料電池用温度調整装置40を設けたことで、燃料電池用温度調整装置40により温度調整された空気が効率よく燃料電池4へと供給される。このため、外気温の影響を受けやすく、水冷式と比較して低出力な空冷式の燃料電池4に対して最適な温度調整を容易に行うことができる。
この結果、燃料電池を効率的に温度調整して速やかに最適動作状態にでき、燃料電池により効率的で安定的な発電を行うことができる。
また、本実施例において、外気導入装置51は、車室52Aに空気を供給する車室用空気供給通路53Aが形成された車室用空気供給ダクト53を有し、車室用空気供給通路53Aと燃料電池用空気供給通路54Aとが隔てられている。
このように、車室用空気供給通路53Aと燃料電池用空気供給通路54Aとが隔壁70により隔てられているので、燃料電池4からの放熱や排気熱が車室用空気供給通路53A内の空気に伝播すること抑制できる。
また、本実施例において、外気導入装置51は、燃料電池用空気供給通路54Aにおける燃料電池4より下流側に、車室用空気供給通路53Aと連通する連通路71と、連通路71の開閉状態を切換える開閉弁6Aとを有している。そして、燃料電池搭載車両50は、所定条件を満たす場合に開閉弁6Aを開くよう制御する制御部60を備える。
このように、燃料電池4の下流側において、車室用空気供給通路53Aと燃料電池用空気供給通路54Aとを連通路71によって連通させて、この連通路71に開閉弁6Aを設けたことで、燃料電池用空気供給通路54Aで発生した燃料電池4の排気を選択的に車室用空気供給通路53Aに導入できる。
これにより、暖機が完了した燃料電池4の排熱を車室52Aの暖房に利用でき、車室52Aの暖房時のエネルギの節約が可能になる。例えば、燃料電池4を適温に調整して作動を安定させた後に車室52Aを暖房する際に、開閉弁6Aを開いてファン6Bを作動させることで、燃料電池4からの排気を車室用空気供給通路53Aに流入させて、その排気熱により吸気を暖めることができる。このようにすることで、燃料電池4の温度調整後は、速やか、かつ省エネルギで、車室52Aを暖房することができる。
また、本実施例において、外気導入装置51は、車室用空気供給通路53Aに熱交換器73を有し、熱交換器73の内部に、車室用空気供給通路53Aとは隔てられた流通路74が形成され、流通路74は、燃料電池用空気供給通路54Aと連通する。
このようにすることで、燃料電池用空気供給通路54Aを流れる燃料電池4からの高温の空気(排気)が熱交換器73の内部の流通路74を通過するため、車室用空気供給通路53Aと燃料電池用空気供給通路54Aとの間で、空気を混ざり合わせることなく、熱交換を行うことができる。したがって、燃料電池4で発生した熱を車室52Aの暖房に用いることができる。
また、本実施例において、外気導入装置51は、車室用空気供給通路53Aに、車室52Aに供給する空気の温度を調整する車室用温度調整装置30を有している。そして、燃料電池搭載車両50は、燃料電池用温度調整装置40と車室用温度調整装置30とを独立して制御する制御部60を備える。
このようにすることで、燃料電池4に供給する空気を、燃料電池4の状態に合わせた最適な吸気温度に速く、かつ、細かく制御することができ、燃料電池4の発電を安定的に行うことができる。これにより、燃料電池4の出力低下を抑制するとともに、発電効率が良好になり、燃費向上を実現できる。また、燃料電池4にとって最適な温度調整と、車室52Aにとって最適な温度調整との両方を、を効率よく行うことができ、より利便性および快適性を向上させることができる。
また、本実施例において、制御部60は、燃料電池4の温度が所定温度範囲内にない場合は、燃料電池用温度調整装置40を作動させ、燃料電池4の温度が所定温度範囲内にある場合は、燃料電池用温度調整装置40と車室用温度調整装置30とを作動させる。
このようにすることで、燃料電池搭載車両50の始動時などにおいて、先に燃料電池4の温度調整が行われ、燃料電池4の温度が所定の温度範囲内となった後に車室52Aの室温が調整される。したがって、車室52Aの室温調整に優先して燃料電池4の温度調整を行うことで、燃料電池4を早期に発電可能状態にでき、燃料電池4の状態を速やかに安定させ、良好な発電を行うことができ、安定的な車両走行が可能となる。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1A 車室用ファン
1B 車室用エバポレータ
2A 燃料電池用ファン
2B 燃料電池用エバポレータ
3 燃料電池用コンデンサ
3A 燃料電池用ヒータコア
3B 燃料電池用電気ヒータ
4 燃料電池
6A 開閉弁
30 車室用温度調整装置
40 燃料電池用温度調整装置
50 燃料電池搭載車両
51 外気導入装置
52A 車室
53 車室用空気供給ダクト
53A 車室用空気供給通路
54 燃料電池用空気供給ダクト
54A 燃料電池用空気供給通路
60 制御部(温度制御部、開閉制御部)
71 連通路
73 熱交換器
74 流通路

Claims (6)

  1. 車外から取り込んだ空気を車内に供給する外気導入装置を有する燃料電池搭載車両であって、
    前記外気導入装置は、
    燃料電池へ空気を供給する燃料電池用空気供給通路が形成された燃料電池用空気供給ダクトを有し、
    前記燃料電池用空気供給通路には前記燃料電池が設けられ、
    前記燃料電池用空気供給通路における前記燃料電池より上流側に、前記燃料電池に供給する空気の温度を調整する燃料電池用温度調整装置が設けられていることを特徴とする燃料電池搭載車両。
  2. 前記外気導入装置は、車室に空気を供給する車室用空気供給通路が形成された車室用空気供給ダクトを有し、
    前記車室用空気供給通路と前記燃料電池用空気供給通路とが隔てられていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池搭載車両。
  3. 前記外気導入装置は、前記燃料電池用空気供給通路における前記燃料電池より下流側に、前記車室用空気供給通路と連通する連通路と、前記連通路の開閉状態を切換える開閉弁とを有し、
    所定条件を満たす場合に前記開閉弁を開くよう制御する開閉制御部を備えることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池搭載車両。
  4. 前記外気導入装置は、前記車室用空気供給通路に熱交換器を有し、
    前記熱交換器の内部に、前記車室用空気供給通路とは隔てられた流通路が形成され、
    前記流通路は、前記燃料電池用空気供給通路と連通することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池搭載車両。
  5. 前記外気導入装置は、前記車室用空気供給通路に、前記車室に供給する空気の温度を調整する車室用温度調整装置を有し、
    前記燃料電池用温度調整装置と前記車室用温度調整装置とを独立して制御する温度制御部を備えることを特徴とする請求項2から請求項4の何れか1項に記載の燃料電池搭載車両。
  6. 前記温度制御部は、
    前記燃料電池の温度が所定温度範囲内にない場合は、前記燃料電池用温度調整装置を作動させ、
    前記燃料電池の温度が所定温度範囲内にある場合は、前記燃料電池用温度調整装置と前記車室用温度調整装置とを作動させることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池搭載車両。
JP2017058209A 2017-03-23 2017-03-23 燃料電池搭載車両 Active JP6852496B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017058209A JP6852496B2 (ja) 2017-03-23 2017-03-23 燃料電池搭載車両

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017058209A JP6852496B2 (ja) 2017-03-23 2017-03-23 燃料電池搭載車両

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2018160424A true JP2018160424A (ja) 2018-10-11
JP2018160424A5 JP2018160424A5 (ja) 2020-03-12
JP6852496B2 JP6852496B2 (ja) 2021-03-31

Family

ID=63795121

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017058209A Active JP6852496B2 (ja) 2017-03-23 2017-03-23 燃料電池搭載車両

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6852496B2 (ja)

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH065259A (ja) * 1992-06-18 1994-01-14 Hamamatsu Photonics Kk 金属蒸気放電管
JP2001315680A (ja) * 2000-05-01 2001-11-13 Yamaha Motor Co Ltd 燃料電池自動二輪車
JP2002093445A (ja) * 2000-09-11 2002-03-29 Equos Research Co Ltd 燃料電池装置及びその運転方法
JP2005149914A (ja) * 2003-11-14 2005-06-09 Equos Research Co Ltd 燃料電池システム
JP2005216825A (ja) * 2004-02-02 2005-08-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd 角形電池とその製造方法
JP2008059754A (ja) * 2006-08-29 2008-03-13 Equos Research Co Ltd 燃料電池システム
JP2008251216A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Equos Research Co Ltd 燃料電池システム
JP2009021215A (ja) * 2007-07-13 2009-01-29 Hyundai Motor Co Ltd 燃料電池スタックケースの換気装置
JP2009154698A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Calsonic Kansei Corp バッテリ温度管理装置
JP2012011942A (ja) * 2010-07-02 2012-01-19 Suzuki Motor Corp 燃料電池車両の暖房装置
JP2012048821A (ja) * 2010-08-24 2012-03-08 Suzuki Motor Corp 空冷式燃料電池の吸気装置
JP2013177101A (ja) * 2012-02-29 2013-09-09 Toyota Motor Corp 空調制御方法および空調制御システム
WO2013161804A1 (ja) * 2012-04-27 2013-10-31 スズキ株式会社 車両用燃料電池装置

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH065259A (ja) * 1992-06-18 1994-01-14 Hamamatsu Photonics Kk 金属蒸気放電管
JP2001315680A (ja) * 2000-05-01 2001-11-13 Yamaha Motor Co Ltd 燃料電池自動二輪車
JP2002093445A (ja) * 2000-09-11 2002-03-29 Equos Research Co Ltd 燃料電池装置及びその運転方法
JP2005149914A (ja) * 2003-11-14 2005-06-09 Equos Research Co Ltd 燃料電池システム
JP2005216825A (ja) * 2004-02-02 2005-08-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd 角形電池とその製造方法
JP2008059754A (ja) * 2006-08-29 2008-03-13 Equos Research Co Ltd 燃料電池システム
JP2008251216A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Equos Research Co Ltd 燃料電池システム
JP2009021215A (ja) * 2007-07-13 2009-01-29 Hyundai Motor Co Ltd 燃料電池スタックケースの換気装置
JP2009154698A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Calsonic Kansei Corp バッテリ温度管理装置
JP2012011942A (ja) * 2010-07-02 2012-01-19 Suzuki Motor Corp 燃料電池車両の暖房装置
JP2012048821A (ja) * 2010-08-24 2012-03-08 Suzuki Motor Corp 空冷式燃料電池の吸気装置
JP2013177101A (ja) * 2012-02-29 2013-09-09 Toyota Motor Corp 空調制御方法および空調制御システム
WO2013161804A1 (ja) * 2012-04-27 2013-10-31 スズキ株式会社 車両用燃料電池装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6852496B2 (ja) 2021-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101855759B1 (ko) 차량용 배터리 냉각 시스템
KR100459081B1 (ko) 차량용 냉각제 순환장치
US9328945B2 (en) Air conditioner for vehicle
KR100365674B1 (ko) 차량 배터리용 온도 제어 장치
US10308096B2 (en) HVAC system of vehicle
US20120247716A1 (en) Motor Vehicle Cooling System
JP2020055343A (ja) 車両の熱管理システム
KR20180112160A (ko) 전기자동차 공조 시스템
WO2014087645A1 (ja) 車両用ヒートポンプ装置および車両用空調装置
US11724570B2 (en) Vehicle-mounted temperature control system
WO2015040978A1 (ja) 車両用空調装置、車両空調用ヒータ、及び車両の空調方法
US11760154B2 (en) In-vehicle temperature adjustment system
KR102299301B1 (ko) 차량의 통합 열관리 회로
JP2004146237A (ja) バッテリ温度管理装置
JP6125961B2 (ja) 燃料電池車両及び燃料電池車両の制御方法
JP6852496B2 (ja) 燃料電池搭載車両
JP6262481B2 (ja) 燃料電池車両及び燃料電池車両の制御方法
KR20070059407A (ko) Hev용 공조 시스템과 이를 이용한 난방 제어방법
CN113954697B (zh) 燃料电池辅助系统与电池热管理集成系统及其控制方法
KR101057875B1 (ko) 자동차용 공조기 및 이의 제어방법
KR101836514B1 (ko) 차량용 공조장치
CN110444834B (zh) 一种车辆的电池热管理系统
KR20120120660A (ko) 차량용 공조시스템 및 이의 제어방법
CN112639376A (zh) 热管理系统
CN114122451B (zh) 一种燃料电池集成式整车热管理集成系统与控制方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210209

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210222

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6852496

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151