JP2018158498A - 印刷装置におけるブレード押圧力調整方法、印刷方法および印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】凹版の版面から印刷材料を掻き取るドクターブレードの版面に対する押圧力を自動的に決定することのできる技術を提供する。
【解決手段】ドクターブレードを凹版Pの版面Paに押圧して凹版Pに対し相対移動させることで版面に付着する印刷材料を掻き取りながら、版面Paに対するドクターブレードの押圧力の大きさを複数段階の仮設定値間で変化させ、版面Paのうちドクターブレードにより互いに異なる押圧力で押圧された複数の領域のそれぞれについて、当該領域内の非画線部に残留する印刷材料を検出してその残留量を指標する評価値を求め、求められた評価値と押圧力との相関関係に基づいて、版面Paに印刷材料を充填するためのドクターブレードの充填用押圧力を決定する、印刷装置におけるブレード押圧力調整方法である。
【選択図】図6
【解決手段】ドクターブレードを凹版Pの版面Paに押圧して凹版Pに対し相対移動させることで版面に付着する印刷材料を掻き取りながら、版面Paに対するドクターブレードの押圧力の大きさを複数段階の仮設定値間で変化させ、版面Paのうちドクターブレードにより互いに異なる押圧力で押圧された複数の領域のそれぞれについて、当該領域内の非画線部に残留する印刷材料を検出してその残留量を指標する評価値を求め、求められた評価値と押圧力との相関関係に基づいて、版面Paに印刷材料を充填するためのドクターブレードの充填用押圧力を決定する、印刷装置におけるブレード押圧力調整方法である。
【選択図】図6
Description
この発明は、ドクターブレードにより凹版を押圧して印刷材料を充填する印刷装置および印刷方法における、凹版に対するドクターブレードの押圧力を調整する技術に関するものである。
導電性インクなどの印刷材料で形成されたパターンを平板状の凹版から平板状の基材(ガラス、樹脂フィルム等)に転写して印刷する印刷技術が知られている。この技術においては、ディスペンサーなどの供給部から平板状の凹版にインクを供給した後、ドクターブレードにより、凹版の版面において凹部(画線部)内にインクを充填する(充填動作)とともに余分のインク、いわゆる余剰インクを掻き取る(掻き取り動作)。
余剰な印刷材料を掻き取るブレードの押圧力を調整する技術としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。この技術は凹版印刷に関するものではなくトナー像担持体の表面に付着する残留トナーをクリーニングするクリーニングブレードに関するものであるが、クリーニングブレードをラインセンサにより撮像し、ブレード先端に付着したトナーの量に応じてブレードの押圧力を変化させる構成となっている。また特許文献2に記載の技術は、凹版胴の表面に残留するインクをワイピングローラに移行させ、ワイピングローラ表面を洗浄液に浸漬してドクターブレードで摺擦することで清浄化するものである。この技術では、ドクターブレードにより洗浄液が掻き取られたワイピングローラ表面に残留するインク成分が検出され、その検出結果に応じて、ワイピングローラ表面を洗浄する洗浄部材の押圧力が管理される。
上記従来技術で押圧力の調整対象となるクリーニングブレードあるいは洗浄部材は、凹版の版面に直接当接するものではない。凹版の版面における印刷材料の掻き取りのためのブレードについても同様の技術を適用しようとする場合、次のような問題がある。版面に対するドクターブレードの押圧力が小さすぎると掻き取り不良、すなわち版面のうち特にインクが付着するべきでない非画線部へのインク残留が生じ得る。また押圧力が大きすぎると、画線部に充填されるべきインクまで掻き取られるという問題や、ドクターブレードによる摺擦に起因して版にダメージを与えるという問題が生じ得る。
このため、充填動作におけるドクターブレードの押圧力については、画線部への印刷材料の充填を良好に行うことができ、かつ非画線部への印刷材料の残留を許容レベル以下に抑制することができる適正な値に設定することが必要となる。しかしながら、このような目的に適用可能な技術は確立されておらず、これまでは、押圧力を変えながら何度も試し印刷および評価を行って、最適な押圧力を経験的に見出すしかなかった。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、凹版の版面から印刷材料を掻き取るドクターブレードの版面に対する押圧力を自動的に決定することのできる技術を提供することを目的とする。
この発明の一の態様である印刷装置におけるブレード押圧力調整方法は、上記目的を達成するため、ドクターブレードを凹版の版面に押圧して前記凹版に対し相対移動させることで前記版面に付着する印刷材料を掻き取りながら、前記版面に対する前記ドクターブレードの押圧力の大きさを複数段階の仮設定値間で変化させ、前記版面のうち前記ドクターブレードにより互いに異なる押圧力で押圧された複数の領域のそれぞれについて、当該領域内の非画線部に残留する前記印刷材料を検出してその残留量を指標する評価値を求め、求められた前記評価値と前記押圧力との相関関係に基づいて、前記版面に前記印刷材料を充填するための前記ドクターブレードの充填用押圧力を決定する。
このように構成された発明では、一の凹版に対して多段階の押圧力が設定され、各設定値での押圧により版面の非画線部、つまり版面のうち印刷材料が付着すべきでない部分に残留する印刷材料の量が評価される。こうして押圧力と評価値(またはそれにより表される版面での印刷材料の残留量)との相関関係を明らかにすることができれば、その相関関係に基づき押圧力の適正な設定値を見出すことができる。
例えば、非画線部での印刷材料の残留量を許容レベル以下に抑えることのできる押圧力の大きさがわかれば、その値を超えてさらに押圧力を大きくしたとしても、掻き取り性能という点においては利点がなく、むしろいったん画線部に充填された印刷材料が掻き出されたり版面を損傷したりするといった悪影響が考えられる。そこで、充填用押圧力を、例えば印刷材料の残留量を許容レベル以下に抑えることができる範囲でできるだけ小さい値に設定するといった適用が考えられる。
このように、本発明によれば、押圧力を複数段階に変更設定し、それぞれの設定値での印刷材料の残留量の評価値を求めることで、押圧力と評価値との相関関係を介して押圧力と残留量との相関関係を求めることが可能である。そして、その結果を用いて充填用押圧力を決定することで、ドクターブレードの版面に対する押圧力の適正値を自動的に決定することが可能となる。そのため、何度も試し印刷を行う必要はない。
また、この発明の一の態様である印刷方法は、上記目的を達成するため、凹版の版面に印刷材料を供給し、ドクターブレードが、上記したブレード押圧力調整方法により決定された押圧力で前記版面を押圧しながら前記版面に沿って前記版面に対し相対的に移動することで前記印刷材料を前記版面に充填し、前記版面の前記印刷材料を印刷媒体に転写して前記印刷媒体に印刷する。
また、この発明の一の態様である印刷装置は、上記目的を達成するため、凹版を保持する版保持部と、前記凹版の版面に印刷材料を供給する供給部と、前記版面を押圧して前記印刷材料を前記版面に充填するドクターブレードと、前記版面に対する押圧力を変更可能に前記ドクターブレードを支持するブレード支持部と、前記ドクターブレードと前記保持部とを前記版面に沿った方向に相対移動させる移動部と、前記版面の非画線部に付着する前記印刷材料を検出する検出部と、前記版面に前記印刷材料を充填するための前記ドクターブレードの充填用押圧力を決定する演算処理部とを備え、前記供給部が前記版面に前記印刷材料を供給した前記凹版に対し、前記移動部が前記ドクターブレードを相対移動させることで前記版面の前記印刷材料を掻き取りながら、前記ブレード支持部が前記版面に対する前記ドクターブレードの押圧力の大きさを複数段階の仮設定値間で変化させ、前記検出部が、前記版面のうち前記ドクターブレードにより互いに異なる押圧力で押圧された複数の領域のそれぞれについて、当該領域内の非画線部に残留する前記印刷材料を検出し、前記演算処理部が、前記検出部の検出結果に基づき前記印刷材料の残留量を指標する評価値を求め、求められた前記評価値と前記押圧力との相関関係に基づいて、前記版面に前記印刷材料を充填するための前記ドクターブレードの充填用押圧力を決定する。
これらの発明では、ドクターブレードが上記のようにして決定された充填用押圧力で凹版を押圧することにより、非画線部については印刷材料を良好に掻き取り、かつ画線部についても印刷材料を良好に充填することができるので、優れた品質で印刷を実行することが可能である。
以上のように、本発明によれば、一の凹版において押圧力を複数段階に変化させて取得される押圧力と印刷材料の残留量との関係に基づき充填用押圧力が決定されるので、充填用押圧力を自動的に、かつ適正な値に設定することが可能となる。また、こうして充填用押圧力が決定されることで、優れた品質で印刷を実行することができる。
図1は本発明にかかる印刷装置の一実施形態の構成を示す斜視図である。この印刷装置1は、例えば半導体基板、ガラス基板等の平板状のワークの表面に凹版印刷の原理によりパターンを形成する装置である。より具体的には、印刷装置1は、平板状の基材の表面にパターンに対応する凹部が形成された凹版にパターン形成材料を含むインクを充填し、転写ローラを介して該インクをワークに転写することにより、パターン形成材料によるパターンをワーク表面に形成する。
印刷装置1は、主たる構成として、基台2と、版ステージユニット10と、版アライメントユニット20と、インク充填ユニット30,50と、ローラユニット40と、ワークアライメントユニット60と、ワークステージユニット70と、版ステージユニット10およびワークステージユニット70を移動させる搬送ユニット80と、制御ユニット90とを備えている。
この印刷装置1では、制御ユニット90が予めインストールされたプログラムに従って印刷装置1の各部を制御することで、平板状の凹版Pに設けられる凹部に本発明の「印刷材料」の一つであるインクを充填する充填工程と、ローラユニット40に凹版Pのインクを受理させる受理工程と、受理されたインクを平板状のワークWに転写する転写工程とを行う。これによって、凹版Pの凹部により規定されるパターンがインクによりワークWに印刷される。
凹版Pは平板状の基材にパターン形状に応じた凹部が設けられたものであり、凹部に充填されたインクがワークWに転写されてパターンを形成する。この意味において、凹版Pの表面のうち凹部がインクを担持すべき「画線部」として機能する一方、凹部を取り囲む平坦な部位がインクを担持しない「非画線部」として機能する。以下では、凹版Pの両主面のうち、画線部としての凹部が形成されている側の主面を「版面」と称し符号Paで表すこととする。版面Paのうち中央部分に、形成すべきパターン形状に応じて凹部が配置され、これを取り囲む版面Paの周縁部分には、凹部が配置されない余白領域が設けられている。
この明細書の図1および後で説明する各図では、装置各部の配置関係を明確にするために、図1に示すようにXYZ直交座標系を設定する。具体的には、XY平面を水平面とし、水平方向のうち印刷装置1の長手方向を「Y方向」とする。搬送ステージ83、84の搬送方向Yのうち版ステージユニット10に向かう方向を「Y1」と称し、ワークステージユニット70に向かう方向を「Y2」と称する。また、水平方向Yと直交する水平方向を「X方向」と称する。また、水平方向Xのうち装置正面に向かう方向を「X1」と称するとともに装置背面に向かう方向を「X2」と称する。さらに、鉛直方向を「Z方向」と称する。
基台2は図1に示すように水平方向Yに延設されている。基台2の上面には、一対の直動ガイド81,81、これらの直動ガイド81の間に配設されたリニアモータなどの直動駆動部82および図示しないリニアスケールがY方向に延設されている。また、直動ガイド81および直動駆動部82には、2つの搬送ステージ83,84が設けられており、直動駆動部82の駆動を受けてY方向に直線移動する。これら2つの搬送ステージのうち一方側の搬送ステージ83上に版ステージユニット10が搭載され、他方側の搬送ステージ84上にワークステージユニット70が搭載されている。これによって、版ステージユニット10およびワークステージユニット70が互いに独立して水平方向Yに往復移動可能となっている。
版ステージユニット10は、搬送ステージ83の上面に配置される支持台11と、支持台11の上面に取り付けられ、その上面で凹版Pを保持する版ステージ12とを有している。制御ユニット90からの動作指令に応じて直動駆動部82が搬送ステージ83をY方向に移動させることで、版ステージ12に保持される凹版PをY方向に搬送することが可能となっている。
一方、ワークステージユニット70は、搬送ステージ84の上面に配置される位置調整機構71と、位置調整機構71の上面に取り付けられ、その上面でワークWを保持するワークステージ72と、2つの基準マスク(較正部材)731、732で構成される較正部73とを有している。位置調整機構71は、ワークステージ72を搬送ステージ84に対してX方向およびR1方向(鉛直軸回りの回転方向)に駆動する機能を有している。制御ユニット90からの動作指令に応じて直動駆動部82が搬送ステージ84をY方向に移動させ、また制御ユニット90からの動作指令に応じて位置調整機構71がワークステージ72をX方向に移動およびR1方向に回転させることで、ワークステージ72に保持されるワークWをX方向、Y方向およびR1方向に位置決めすることが可能となっている。
基台2の上面のY方向における略中央部には、ローラユニット40が配置されている。このローラユニット40では、当該中央部のX方向の両端部に昇降テーブル42が昇降機構41を介して鉛直方向Zに昇降可能に設けられている。この実施形態では、一対の昇降テーブル42は、版ステージユニット10およびワークステージユニット70の移動する空間(以下「ステージ移動空間」という)よりもX方向外側に設けられている。これによって、版ステージユニット10およびワークステージユニット70との干渉が回避されている。
このように互いに離間して配置された一対の昇降テーブル42を橋渡しするように転写ローラ43が配置されている。この転写ローラ43は、X方向に延びる回転軸回りに回転自在な円筒形状のブランケット胴の外周面にブランケットを装着したものである。制御ユニット90からの動作指令に応じて回転駆動モータ(図5中の符号44)が駆動されると、転写ローラ43が回転軸回りの回転方向R2に回転する。また、昇降機構41の昇降モータ(図5中の符号45)に対し、制御ユニット90から昇降指令が与えられると、それに応じて昇降モータ45が作動して転写ローラ43が昇降テーブル42とともに一体的に昇降する。これによって、鉛直方向Zにおける転写ローラ43の位置が高精度に調整される。
上記ローラユニット40のY1方向側およびY2方向側にそれぞれ隣接して、インク充填ユニット30,50が配置されている。インク充填ユニット30,50はいずれも凹版Pの凹部にインクを充填する機能を有するものであり、その構造は概ね同じである。そこで、以下ではインク充填ユニット30の構造を図2ないし図4を参照しながら説明し、インク充填ユニット50に関してはインク充填ユニット30との相違点を中心に説明を行うこととする。
図2および図3はインク充填ユニットを異なる方向から見た斜視図である。より具体的には、図2はインク充填ユニット30のY2方向側側部の構造を示す図であり、図3はインク充填ユニット30のY1方向側側部の構造を示す図である。図2に示すように、インク充填ユニット30は、X方向に位置を異ならせて基台2に取り付けられた1対の支持脚31と、X方向に延びて両支持脚31の上端部を接続する梁部材32とを備えている。
支持脚31,31の互いに向き合う内面側には、例えば直動ガイド、リニアモータ、ボールねじ機構等適宜の駆動機構により構成され鉛直方向を可動方向とする昇降機構33が設けられている。図2ではX2方向側の支持脚31のX1方向側内面に設けられた昇降機構33のみが示されている。図では隠れているものの、X1方向側の支持脚31のX2方向側内面にも、同様の構成を有する昇降機構33が設けられている。昇降機構33は、支持脚31に固定されたガイドレール331と、ガイドレール331に対し昇降自在に係合されたスライダー332とを有している。昇降機構33が制御ユニット90からの制御指令に応じて作動することにより、スライダー332がガイドレール331に沿って昇降する。
このように1対の支持脚31,31にそれぞれ設けられた昇降機構33,33のスライダー332に、ドクターブレード34が取り付けられている。ドクターブレード34は、X方向を長手方向とする板状の支持部材341と、支持部材341の下端に取り付けられた先端部材342とを有している。先端部材342は例えばステンレス薄板により形成された帯状の部材であり、後述するように、凹版Pの版面Paに当接して余分なインクを掻き取る。支持部材341は先端部材342をその下端部を下向きに突出させた状態で支持するとともに、薄板状の先端部材342をバックアップしてその姿勢を平坦に維持する。
支持部材341の両端部をそれぞれ支持するスライダー332,332が同期して昇降することにより、ドクターブレード34は先端部材342の下端を水平姿勢に維持しつつ昇降する。すなわち、この実施形態では、制御ユニット90が昇降機構33,33を制御することにより、先端部材342の下端位置を自在に変更することが可能となっている。この機能により、後述するように、先端部材342が凹版Pに当接する際の押圧力を調整することが可能である。
また、梁部材32のY2側には版面撮像部35が設けられている。具体的には、版面撮像部35は、梁部材32からY2方向に突出する支持部材351と、支持部材351の先端に取り付けられたカメラ352とを有する。カメラ352は撮像方向を下向きにして設置されており、後述するように、下部を通過する凹版Pの版面Paを撮像する。カメラ352は比較的広角、低倍率の撮像視野を有し、版面Paの比較的広い一部領域または版面全体を視野に収める。
一方、インク充填ユニット30のY1方向側の側部には、図3に示すように、インク供給部36が設けられている。インク供給部36は凹版Pの版面Paにパターン形成材料を含むインクを供給する機能を有する。なお、図を見やすくするために、図2においてはインク供給部36の記載を省略し、図3においては昇降機構33およびドクターブレード34の記載を省略している。
インク供給部36は、1対の支持脚31,31の間を接続するようにX方向に延設されたフレーム313に取り付けられている。より具体的には、フレーム313にはX方向に延びるガイドレール361が取り付けられている。ガイドレール361にはX方向に移動自在にスライダー362が取り付けられ、スライダー362にディスペンサー363が取り付けられている。スライダー362は、制御ユニット90により制御される直動ガイド、リニアモータ、ボールねじ機構等の適宜の直線駆動機構により、ガイドレール361に沿ってX方向に移動可能である。
ディスペンサー363は内部にパターン形成材料を含む「印刷材料」としてのインクを貯留し、制御ユニット90からの制御指令に応じて、下端に設けられた吐出口から所定量のインクを吐出する。なお、このようにディスペンサー363の内部にインクを貯留する構成に代えて、図示しない配管を介してディスペンサーに接続された外部の供給手段からインクが供給される構成であってもよい。
図4は凹版へのインク充填動作を示す図である。この実施形態の「充填工程」では、以下のようにして凹版Pの版面Paにインクが充填される。まず、凹版Pを保持する版ステージ12がインク充填ユニット30の下方へ移動し、図4(a)に示すように、凹版PのY2側端部の上方にディスペンサー363が位置するように凹版Pを位置決めする。この状態でディスペンサー363がインクを吐出しながらX方向に移動することで、凹版Pの版面PaのうちY2側周縁部の余白領域に、X方向に沿って延びるインク溜まりDiが形成される。
次に、図4(b)に示すように、版ステージ12がY2方向に移動するとともにドクターブレード34が下降して先端部材342が版面Paに当接し、この状態で版ステージ12がさらにY2方向に移動することで、インクが版面Paから掻き取られる。図4(c)に示すように、版面に設けられた凹部Pbにはインクがドクターブレード34によって擦り付けられることになり、これにより凹部Pbへのインク充填が実現される。このとき、凹部(画線部)Pbに適量のインクを充填しつつ凹部Pb以外の非画線部へのインクの残留を抑制するために、版面Paに対するドクターブレード34の押圧力が適切に設定される必要がある。
以上、2組設けられるインク充填ユニットの一方であるインク充填ユニット30の構成について説明した。インク充填ユニット30は、転写ローラ43を介してワークWに転写されるべきインクを凹版Pに充填する「本充填」を実行するためのユニットである。このため、版面Paの非画線部に残留付着するインクの量を極めて低いレベルに抑える必要がある。この目的のため、ドクターブレード34の先端部材342としては、高い寸法精度での成形が可能で耐摩耗性に優れ、高い押圧力で版面Paを押圧することのできる硬質材料、例えば金属材料が使用される。また、版面Paに残留するインクを観察可能とするために、版面撮像部35が設けられている。
これに対して、もう1つのインク充填ユニット50は、版面Paにおけるインクの乾燥固着を防止する目的で版面Paにインクを塗布するものである。このため、ドクターブレードによるインク掻き取り能力は、インク充填ユニット30に比べてより限定的なものであってもよい。すなわち、版面Paをインクで薄く覆うことで乾燥を防止する一方、版面Paを強く摺擦することに起因する版面Paへのダメージを防止するために、ドクターブレードの押圧力はインク充填ユニット30よりも小さいことが好ましい。
これらのことから、インク充填ユニット50におけるドクターブレードの先端部材としては、より柔らかい材料、例えばゴムのような弾性材料を用いることができる。また、インク充填ユニット50においては版面撮像部を必要としない。これらの相違点を除けば、インク充填ユニット50の構成は上記したインク充填ユニット30の構成と基本的に同じである。以下の説明で必要な場合には、インク充填ユニット50に設けられた昇降機構に符号53を、インク供給部に符号56を、ディスペンサーに符号563を、ドクターブレードに符号54をそれぞれ付すこととする。
このように、2つのインク充填ユニット30,50は基本的に同じ構造を有しているが、それぞれが果たす充填動作の技術的意義は互いに異なっている。なお、2つのインク充填ユニット30,50のそれぞれにディスペンサーを設ける構成に代えて、2つのユニットのいずれか一方のみにディスペンサーを設けた構成とすることも可能である。
図1に戻って印刷装置1の構成説明を続ける。インク充填ユニット30のY1方向側には、版アライメントユニット20が配置されている。この版アライメントユニット20においては、4本の柱部材21が基台2に設けられ、それらの頂部同士を連結するように梁部材22が設けられている。そして、梁部材22に対して2つのアライメントカメラ、すなわち第1版アライメントカメラ24および第2版アライメントカメラ25がそれぞれ位置調整機構26、27を介して取り付けられている。
位置調整機構26は第1版アライメントカメラ24を梁部材22に対してX方向およびZ方向に駆動する機能を有している。このため、制御ユニット90からの動作指令に応じて位置調整機構26が第1版アライメントカメラ24をX方向およびZ方向に移動させることで、版ステージ12に保持されている凹版Pの一部を高精度に撮像可能となっている。
また、もう一方の位置調整機構27は第2版アライメントカメラ25を第1版アライメントカメラ24のX2方向側で梁部材22に対してX方向およびZ方向に駆動する機能を有している。このため、制御ユニット90からの動作指令に応じて位置調整機構27が第2版アライメントカメラ25をX方向およびZ方向に移動させることで、第1版アライメントカメラ24で撮像した領域と異なる凹版Pの表面領域を高精度に撮像可能となっている。なお、このようにして撮像される2つの画像は制御ユニット90に転送されてメモリ(図5中の符号92)に保存される。
また、インク供給充填ユニット50のY2方向側には、ワークアライメントユニット60が配置されている。このワークアライメントユニット60では、支持部61、62がワークステージユニット70のステージ移動空間からX2方向側に離れて基台2の上面でそれぞれY方向に移動自在に配置されている。一方の支持部61の梁部材63に対してアライメントカメラ(第1ワークアライメントカメラ)64がX方向およびZ方向に移動自在に取り付けられている。また、他方の支持部62の梁部材66に対してアライメントカメラ(第2ワークアライメントカメラ)67がX方向およびZ方向に移動自在に取り付けられている。
本実施形態では、第1ワークアライメントカメラ64をX方向、Y方向およびZ方向に移動させるために、位置調整機構65が設けられている。この位置調整機構65は、第1ワークアライメントカメラ64を支持する支持部61を基台2に対してY方向に駆動することで第1ワークアライメントカメラ64をY方向に位置決めする駆動部と、支持部61の梁部材63に対して第1ワークアライメントカメラ64をX方向およびZ方向に駆動して位置決めする駆動部とを有している。このため、制御ユニット90からの動作指令に応じて位置調整機構65がアライメントカメラ64をX方向、Y方向およびZ方向に移動させることで、ワークステージ72に保持されているワークWの一部を高精度に撮像可能となっている。
また、第2ワークアライメントカメラ67をX方向、Y方向およびZ方向に移動させるために、位置調整機構68が設けられている。この位置調整機構68は、第2ワークアライメントカメラ67を支持する支持部62を基台2に対してY方向に駆動することで第2ワークアライメントカメラ67をY方向に位置決めする駆動部と、支持部62の梁部材66に対して第2ワークアライメントカメラ67をX方向およびZ方向に駆動して位置決めする駆動部とを有している。このため、制御ユニット90からの動作指令に応じて位置調整機構68がアライメントカメラ67をX方向、Y方向およびZ方向に移動させることで、先に説明した第1ワークアライメントカメラ64と同様にして、第1ワークアライメントカメラ64により撮像された部位と異なるワークWの部位を高精度に撮像可能となっている。なお、このようにして撮像される2つの画像についても制御ユニット90に転送されてメモリ(図5中の符号92)に保存される。
このように、本実施形態では、版ステージ12に載置された凹版Pを第1および第2版アライメントカメラ24,25が撮像する。より具体的には、これらのカメラ24,25は凹版Pの端面あるいは凹版Pに予め設けられたアライメントマークを撮像する。こうして撮像された画像から、CPU(図5中の符号91)は、版ステージ12における凹版Pの位置を特定する。また、ワークステージ72に載置されたワークWを第1および第2ワークアライメントカメラ64,67が撮像する。より具体的には、これらのカメラ64,67はワークWの端面あるいはワークWに予め設けられたアライメントマークを撮像する。これにより、ワークステージ72におけるワークWの位置が特定される。
そして、CPU91は、凹版PとワークWとの位置関係が予め定められた関係からどれだけずれているかを算出し、それに応じて位置調整機構71がワークステージ72をX方向およびR1方向に移動させることで、凹版PとワークWとの位置ずれが補正される。これにより、後述する印刷動作において凹版Pから転写ローラ43を介してワークWにインクが転写される際のワークW上での転写位置を適正なものとすることができる。
図5は図1の印刷装置の電気的構成を示すブロック図である。この印刷装置1の制御ユニット90には、予め定められた処理プログラムを実行して各部の動作を制御するCPU91と、CPU91により実行される処理プログラムや処理中に生成されるデータ等を記憶保存するためのメモリ92と、処理の進行状況や異常の発生などを必要に応じてユーザーに報知するとともにユーザーからの入力を受け付けるための操作表示部93とが設けられている。そして、処理プログラムにしたがってCPU91が装置各部を制御することで印刷動作を行う。
印刷動作では、版ステージ12にセットされた凹版Pに対しインク充填ユニット30からインクが供給されて版面Paの凹部Pbに充填される(充填工程)。そして、版ステージ12が回転する転写ローラ43の下方を移動して凹版Pと転写ローラ43とを当接させることにより、版面Paのインクが転写ローラ43に受理される(受理工程)。転写後の版面Paに対してはインク充填ユニット50からインクが仮充填され、これにより、転写後に版面Paに残留付着するインクが乾燥し版面Paに固着することが防止される。
版ステージ12は転写ローラ43の下方からY1方向に退避し、代わってワークWが載置されたワークステージ72が転写ローラ43の下方へ移動してくる。ワークWの上面(被転写面)が転写ローラ43の表面に当接することで、転写ローラ43に担持されるインクがワークWに転写される(転写工程)。その結果、ワークWの被転写面には、凹版Pの版面Paに形成されたパターン形状に対応するパターンがインクにより形成されることになる。このようにして、ワークWへの印刷が実現される。
次に、インク充填ユニット30におけるドクターブレード34の押圧力の調整方法について説明する。先に述べたように、ワークWに対し良好にパターン形成を行うために、「本充填」を実行するインク充填ユニット30では、版面Paに設けられた凹部(画線部)のそれぞれに適量のインクを充填する一方、凹部以外の非画線部に残留するインクを十分に低減させておく必要がある。このために、版面Paに対するドクターブレード34の押圧力の調整が重要となる。
具体的には、非画線部に付着したインクを確実に掻き取るためには高い押圧力でドクターブレード34を版面Paに当接させることが必要である。一方、押圧力が高すぎると、凹部に充填されたインクまで掻き出してしまう、先端部材342や版面Paの損耗を早めてしまう等の問題が生じ得る。このため、非画線部へのインク付着を確実に抑えつつ、画線部からのインクの掻き出しや版面Pa等へのダメージを防止することができるような押圧力の適切な大きさを見出す必要がある。版面Paに対するドクターブレード34の押圧力については、ドクターブレード34を支持する昇降機構33がスライダー332の鉛直方向位置を制御することで調整可能である。
従来は、押圧力を変化させながら何度も試し印刷を行い、非画線部に対する掻き取り能力や版面へのダメージ等を熟練者が評価することで最適な押圧力を見出すことが行われてきた。しかしながら、この作業には長い時間と手間を要し、また試し印刷によるインクのロスも大きくなる。また、操作者の主観的評価に基づく設定では、ばらつきが大きく、設定結果も安定しない。これらのことから、より短い時間で確実に最適な押圧力を決定することのできる方法が求められてきた。本実施形態におけるドクターブレードの押圧力の調整方法はこのような用途に適用可能なものである。
図6はブレード押圧力を決定するための処理の原理を模式的に示す図である。この処理では、1つの凹版Pに対して当接するドクターブレード34の押圧力を複数段階に仮設定しながらインクの掻き取りを行い、版面Paへのインクの残留状況を版面撮像部35により撮像する。そして、画像から非画線部に付着するインクを検出して押圧力の各設定値に対するインク残留量を評価し、その結果によって表される押圧力とインク残留量との相関関係に基づいて押圧力の最適値を決定する。
具体的には、図6上段に示される凹版PのY2側端部(図において左端)にインクを供給し、版面Paにドクターブレード34を当接させながら版ステージ12をY2方向に移動させることで、版面Paのインクをドクターブレード34により掻き取らせる。このとき、図6中段に示すように、ドクターブレード34の押圧力を段階的に変化させる。この例では押圧力を小さな値から段階的に大きな値へ増加させてゆく。
押圧力が小さくドクターブレード34による掻き取り能力が低い状態では、版面Paの非画線部にはドクターブレード34が除去しきれなかったインクが残留する。図6上段に示すように、インク残留の態様としては、凹版Pの移動方向Y2における凹部Pbの後端部から連続して後方に延びるようにインクが版面Paの非画線部を覆う態様E1と、掻き取られなかったインクが凹部Pbとは独立したインク溜まりを非画線部に形成する態様E2とがあり得る。押圧力の増大に伴って(図では右方に行くにしたがって)このようなインクの残留は少なくなると考えられる。
こうして掻き取りが実行された版面Paを版面撮像部35により撮像し、適宜の画像処理を行うことで、版面Paの非画線部に付着したインクを検出することができる。具体的には、例えば、画像中の非画線部に該当する領域において、非画線部に対応する輝度値ではなくインクに対応する輝度値が検出されるとき、当該領域に残留インクが付着していると判断することができる。そして、その検出結果から、非画線部におけるインクの残留量を定量的に示す適宜の評価値を算出することができる。図6下段に示すように、非画線部における残留インク量を指標する評価値は、ドクターブレード34の押圧力が低いときには大きな値となり、押圧力の増加による掻き取り能力の向上に伴って小さくなると考えられる。
このように、版面Paに対する押圧力を複数段階に変更設定しながらドクターブレード34にインクの掻き取りを行わせ、版面Paを撮像した結果から押圧力とインク残留量との相関関係を求めることができる。この結果を用いて、所望の掻き取り能力を得るために必要な押圧力の大きさを把握することが可能となる。
評価値に基づく押圧力の最適化は、例えば次のようにして行うことができる。第1の考え方では、残留インク量評価値(以下、単に「評価値」ということがある)に適宜の閾値Ethが設けられ、評価値が閾値Ethを下回る押圧力の仮設定値のうち最も小さいものが、最適値の候補として選出される。図6の例では押圧力の設定値Foがこれに相当する。閾値Ethは、当該閾値が表すインク残留量が、非画線部へのインク残留量として許容される最大の値となるように設定される。
第2の考え方では、押圧力の変化に対する評価値の変化量に着目する。押圧力を小さな値から段階的に増大させてゆくと、当初は掻き取り能力が大きく変化するため評価値も比較的大きく変化するが、次第に評価値の変化は小さくなると考えられる。極端な例では、ある押圧力の仮設定値でドクターブレード34により非画線部のインクを完全に除去することができれば、それ以上に押圧力を増加させても掻き取り能力が増大することはなく、評価値も変化しなくなる。
実際の装置ではこのように100%の除去効果を検出することは難しいとしても、押圧力の増加に伴う版面Paへのダメージ等のデメリットを上回る掻き取り能力の向上が見込めないのであれば、やはり押圧力をそれ以上に大きくする利点はない。そこで、押圧力を現状より1段階増加させたとしても評価値の変化量が予め定められた閾値以下となる場合には、そのときの押圧力の仮設定値を最適値の候補として選出することができる。例えば図6に示すように、押圧力を設定値Foから1段階増加させたときの評価値の変化量Δeが所定の閾値以下であったとき、このときの押圧力の設定値Foを最適値の候補とすることができる。
いずれの考え方においても、評価値が所定の条件を充足する押圧力の仮設定値の中から押圧力が最も小さいものが候補として選出される。上述したように、押圧力に関しては、ドクターブレード34の掻き取り能力と版面Paへのダメージ等のデメリットとの間にトレードオフの関係があり、必要な掻き取り能力が得られる範囲において押圧力は小さい方が有利である。そこで、掻き取り能力に関して上記のような条件を定めておき、その条件が充足されるようにすることで必要十分な掻き取り性能を確保しつつ、その条件が満たされる範囲でできるだけ小さく押圧力を設定することで、版面Paへのダメージ等についても最小限に抑えることが可能となる。
上記の例では、版面Paに与えるドクターブレード34の押圧力は小さい値から大きい値へ段階的に変化する。このようにすることで、次のような利点が得られる。この態様では、版面Paから離間した状態にあるドクターブレード34が下降して版面Paに当接する時、比較的小さな押圧力が加わった時点で下降はいったん停止されることになる。その後で、少しずつ段階的なドクターブレード34の下降により押圧力が増加される。そのため、当初から大きな押圧力が印加されることで生じ得る版面Paのダメージを確実に回避することが可能である。
また例えば、ドクターブレード34による掻き取り動作の実行中に随時版面Paを撮像しつつ評価値を算出するようにすれば、図6中段に破線で示すような、好ましい押圧力の候補が見つかった時点で押圧力の増大を停止させることも可能となる。こうすることで、既に十分な掻き取り能力が得られているにもかかわらずさらに大きな押圧力を版面Paに印加してしまうことが回避される。
これとは逆に、最初に大きな押圧力を印加し、段階的に押圧力を低下させてゆくことも考えられる。このようにすることで得られる利点は次の通りである。ドクターブレード34が版面Paにダメージを与えてしまう最大の理由は、先端部材342と版面Paとの間にインクがない状態でドクターブレード34を強く版面Paに押し付けてしまうことである。両者の間に介在するインクの液体成分は潤滑作用を有するが、液体成分がない状態での摺擦は版面Paを傷つける原因となる。ドクターブレード34の版面Paへの押圧力が極端に弱く、ドクターブレード34が版面Paに供給されたインクを十分に掻き取ることができない状態では、ドクターブレード34の通過後の版面Paに大量のインクが残されてしまい、結果的にドクターブレード34と版面Paとの間に介在するインクが早い段階で枯渇してしまうことがあり得る。押圧力の高い状態から処理を開始することで、このような問題を回避することが可能となる。
図7はブレード押圧力を決定するための処理の流れを示すフローチャートである。また、図8はこの処理における各部の動きを模式的に示す図である。この処理は、CPU91が予め用意された制御プログラムを実行し、装置各部を制御して所定の動作を実行させることにより実現される。
凹版Pが印刷装置1に搬入され版ステージ12にセットされると(ステップS101)、装置の各可動部が所定の初期位置に位置決めされる(ステップS102)。具体的には、図8(a)に示すように、版ステージ12は、凹版PのY2方向側端部がインク充填ユニット30のディスペンサー363の直下位置に来るように位置決めされる。また、インク充填ユニット30のドクターブレード34およびインク充填ユニット50のドクターブレード54と、転写ローラ43とは、版ステージ12上の凹版Pとの干渉を避けるために上方位置に位置決めされる。版面撮像部35のカメラ352は、インク充填ユニット30と転写ローラ43との間の上方位置に予め配設されている。
版ステージ12に凹版Pがセットされると、インク充填ユニット30が版面Paへのインク充填を行う(ステップS103〜S105)。具体的には、図8(b)に示すように、ディスペンサー363がインクを吐出することで版面PaのY2側端部にインク溜まりDiを形成する(ステップS103)。また、図8(c)に示すように、版ステージ12が版面PaのY2側端部をドクターブレード34の直下位置まで移動させてドクターブレード34が下降することで、ドクターブレード34が版面Paに当接する(ステップS104)。
この状態で版ステージ12がさらにY2方向に移動することでドクターブレード34に版面Paのインクを掻き取らせる。このとき、上記したように版面Paに対するドクターブレード34の押圧力が複数段階の仮設定値に順次変更設定される(ステップS105)。また、図8(d)に示すように、ドクターブレード34によりインクが掻き取られた版面Paがカメラ352の直下を通過する際に、カメラ352による撮像が行われる(ステップS106)。以下では、撮像により得られた画像を「評価対象画像」と称することがある。
版ステージ12はさらにY2方向に移動し、図8(e)に示すように、凹版PのY2側端部がインク充填ユニット50の直下位置を通過するタイミングでディスペンサー563からインクが吐出され、ドクターブレード54が下降して版面Paに当接する。これにより版面Paへのインクの仮充填が行われる(ステップS107)。ドクターブレード34により押圧力を多段階に異ならせてインクの掻き取りを行った後の版面Paにおいては、印加された押圧力の大きさに応じた量のインクが残留付着している。版面Paに残る小さなインクの塊は乾燥しやすく、版面Paに固着してしまうおそれがある。これを防止するため、撮像後の版面Paに対し仮充填が行われる。
インク充填ユニット30のドクターブレード34は、凹版PのY1側端部が直下位置に到達する直前のタイミングで上昇し版面Paから離間する。凹版Pの後端部が通過する際に先端部材342の下端部を損傷するのを防止するためである。
撮像された版面Pa各領域の画像から、CPU91は、非画線部におけるインク残留量評価値を算出する(ステップS108)。評価値を算出する方法としては種々のものが考えられ、いくつかの例を下記に示す。
まず、版面Paのうち撮像された画像に含まれる領域において画線部(凹部)と非画線部とを区別して処理するケースについて説明する。評価値は非画線部に残留付着するインクの量を指標するべきものであるから、版面Paのうち非画線部のみに着目して評価値を算出することが考えられる。画像中の非画線部を抽出する方法としては、例えば、予め撮像された基準画像を用いる方法、版面Paに形成されたパターン形状を知ることのできるデータ(例えば版作製に用いられたCADデータ)を用いる方法などがある。
基準画像を用いる方法について説明する。基準画像としては、インクが充填されていない状態の版面の画像、または、インクが理想的に充填された状態(つまり、画線部に適正な量のインクが充填され非画線部にはインクが付着していない状態)の版面の画像を用いることができる。これらの画像において、画線部と非画線部との間で互いの反射率の差異に起因する有意な輝度の差異が現れる場合、非画線部に対応する輝度を有する領域を画像から抽出することで、画線部と非画線部とを区別することができる。基準画像の画像データについては、事前の撮像により取得しメモリ92に記憶させておくことができる。
ステップS106で撮像された画像(評価対象画像)から評価値を求める際には、基準画像のうち非画線部に区分された画素と、評価対象画像においてこれと対応する画素との間における輝度値の差分を求め、同一の押圧力で押圧された領域内で差分の平均値を求め、これを評価値とすることができる。版面Paにおいて画線部と非画線部との面積比は位置によって異なるから、異なる領域間で評価値の比較を可能とするために、輝度値またはその差分の単純な積算値ではなく、1画素当たりの平均値のような正規化された評価値が用いられることが望ましい。
あるいは、基準画像中の非画線部に相当する画素の輝度値の積算値(または平均値)と、これらの画素に対応する評価対象画像中の画素の輝度値の積算値(または平均値)との比(または差)の値を評価値としてもよい。非画線部同士における積算値の比を評価値とする場合には非画線部が占める面積の影響は相殺されるから、他の領域との比較に用いることが可能である。
また、CAD(Computer Aided Design)データ等のパターン形状を示すデータを用いる方法では、当該データによって版面Paのどの位置が非画線部であるかが明確に示されるので、評価対象画像からデータにより示される非画線部を容易に抽出することが可能である。この場合には、評価対象画像において非画線部として特定される領域の輝度値の平均値を、評価値として用いることができる。
次に、版面Paにおける画線部と非画線部とを区別しない処理について説明する。版面Paのうち画線部では、ある程度の量のインクが充填されていれば評価対象画像における輝度値はインクに対応したものとなり、ドクターブレード34が画線部に充填されたインクを掻き出すほどの強い押圧力でない限り、インクの充填量の多少が画線部の輝度値に及ぼす影響は小さいと考えられる。一方、非画線部においては、ドクターブレード34の押圧力によって残留するインクの量が大きく相違するから、非画線部の輝度値は押圧力によって大きく変化する。
このため、押圧力の違いによって生じる版面Pa全体の輝度値の変化は、主として非画線部におけるインク残留量の差異に起因するものと考えることができる。したがって、画線部と非画線部とを区別しない版面全体の輝度値(積算値または平均値)によって、非画線部におけるインク残留量を定量的に表すことができる。このように、画線部と非画線部とを区別せず輝度値を積算または平均した値も評価値となり得る。特に版面Paにおいて非画線部が占める面積が大きい場合に有効である。
このようにして各押圧力の仮設定値に対応する評価値を算出することで、押圧力と非画線部におけるインク残留量との相関関係が求められる。この結果から、インク充填ユニット30が「本充填」を実行する時のドクターブレード34の押圧力(本発明の「充填用押圧力」)が決定される。すなわち、図7にステップS109として示すように、評価値が所定の条件を満たす中で最小の押圧力が特定される。前記した理由により、所期の掻き取り能力が得られる範囲で最も小さい、つまり版面Paへのダメージが最も小さい押圧力の仮設定値が、充填用押圧力の候補として選出される。
こうして選出された候補値がそのまま充填用押圧力の設定値とされてもよい。ただし、このときの候補値は所期の掻き取り能力を得るための押圧力の最小値である可能性がある。充填動作時の押圧力の微小な変動によらず安定した掻き取り能力を発揮させるためには、候補値よりも幾分大きな押圧力に設定されることが好ましい。これらの観点から、本充填における押圧力(充填用押圧力)は、上記の候補値、候補値に一定のオフセット値を加算した値、候補値に1より大きい係数を乗じた値のいずれかに決定される(ステップS110)。
版面Paに対するドクターブレード34の押圧力の大きさは、インク充填ユニット30において昇降機構33により決定されるドクターブレード34の高さ、すなわち鉛直方向位置に対応している。そこで、上記のようにして求められた押圧力を得るために必要なドクターブレード34の高さが求められ、本充填を実行する際にはドクターブレード34の高さがこの値に設定される(ステップS111)。
以上のように、この実施形態においては、インクが供給された凹版Pの版面Paにドクターブレード34を当接させ、その押圧力を段階的に変更しながら版ステージ12を移動させることで、1つの版面Pa上のインクをドクターブレード34により異なる押圧力で掻き取らせる。そして、掻き取り後の版面を撮像した画像から、版面Paの非画線部に残留するインクの量を指標する評価値が求められ、押圧力とインク残留量との相関関係が特定される。その関係に基づき、所期の掻き取り能力を得られる最小の押圧力が特定され、その値に基づき充填用押圧力が決定される。
このような構成によれば、必要なインク掻き取り能力が得られ、しかも版面Paへのダメージを小さく抑えることのできるドクターブレード34の押圧力を、短時間で、しかも自動的に求めることができる。これにより、試し印刷を何回も行う手間やそれに伴うインクのロスを抑えることができ、また操作者の主観的評価によらない安定した結果を得ることが可能となる。
版面からインクを掻き取るドクターブレードの機能としては、非画線部に残留するインクを許容レベル以下に抑えること、および、画線部に適量のインクを充填することの両方が求められ、これらは押圧力に関してトレードオフの関係にある。そこで、この実施形態では、非画線部におけるインクの残留量に着目し、インク残留量が許容レベル以下となる押圧力のうちで最も小さい値から、本充填時の押圧力が決定される。こうすることで、所期の掻き取り能力を確保しつつ、過剰な押圧力の印加に起因する画線部からのインク掻き取りやドクターブレード34および版面Paへのダメージを回避することができる。
上記したブレード押圧力の調整は、凹版P、インク、ドクターブレード34のいずれかに変更があったときに実行されることが好ましい。この他、装置の起動直後や、定期的なメンテナンスの実行時などに実行されてもよい。また、先端部材342の摩耗により押圧力が次第に変化することも考えられるため、印刷動作の実行回数が所定数に達するごとに実行されるようにしてもよい。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、版ステージ12により搬送される凹版Pの上方に版面撮像部35が設けられ、カメラ352により版面が撮像されてインク残留量が評価される。しかしながら、版面に付着するインクを検出する方法はこれに限定されない。例えば、上記のようにカメラを利用したものに限定されず、各種の光学的手法によりインクを検出する方法を適用することが可能である。例えば、広角のカメラ352により版面Paを撮像する構成に代えて、X方向を長手方向とするラインセンサを掻き取り後の版面Paに対向配置し、ラインセンサとの対向位置を搬送される凹版Pの版面Paをラインセンサで光学的に読み取ることで版面Paの2次元画像を取得する構成であってもよい。版面Paの画像はカラー、モノクロいずれであってもよく、また版面やインクの光学的特性に応じて選択される特定の波長成分のみが処理に用いられる構成であってもよい。
また例えば、版面Paに沿ってX方向に光(例えば赤外光)を出射する投光部と、凹版Pに対し投光部とは反対側でこの光を受光する受光部とを含むフォトセンサにより、版面Paに付着するインクを検出する構成であってもよい。版面Paに対し下方へ後退した凹部である画線部に充填されるインクはこの光を遮らず、非画線部に付着したインクは光を遮蔽することから、受光部が受光する光量の変化からインクの付着を検出することが可能である。
また、上記実施形態では撮像のための照明は特に設けられていないが、評価用画像に基づくインク残留量の評価をより精度よく行うために、版面Paを照明する照明手段がさらに設けられてもよい。この場合、照明手段とカメラ352との位置関係については、版面Paからの正反射光がカメラ352に入射しないような関係であることが望ましい。版面Paが高い平滑度の平面に仕上げられている場合、正反射光によるハレーションが残留インクの検出を困難にするおそれがある。このような場合、版面からの乱反射光がカメラに入射するような位置関係としておくことで、版面Paにおいてインクが付着した領域と付着していない領域とをより良好なコントラストで撮像することが可能となる。
この場合において、周囲からの迷光が映り込むことを防止するために、インク充填ユニット30とローラユニット40との間に遮光カバーがさらに設けられてもよい。
また、上記実施形態では、ドクターブレード34の押圧力の大きさを決定するための処理が自動化されており、押圧力の可変範囲およびその変化ステップが予め定められて、押圧力の最適化が自動的に行われるようになっている。これに代えて、押圧力の最小値、最大値、変化ステップ幅や版ステージ12の移動速度等の各パラメータに関するユーザからの設定入力が、操作表示部93を介して受け付けられるように構成されてもよい。また、撮像された版面Paの画像をディスプレイに表示し、ユーザによる確認が行えるように構成されてもよい。
また、上記では印刷材料としてインクを例示したが、例えば有機EL用ポリマーインク、電極配線に用いられる銅や銀などを含むナノメタルインクなどが含まれる。また、印刷材料が転写されるワーク(印刷媒体)としては、有機ELディスプレイ用の基板、タッチパネルやプリント配線に用いられる基板などが含まれる。しかしながら、本発明の「印刷材料」および「印刷媒体」については上記したものに限定されるものではなく、種々の印刷材料や印刷媒体に適用できる。
また、上記実施形態では、凹版PをY方向に移動させて印刷処理を行う印刷装置に本発明を適用しているが、その適用対象はこれに限定されるものではなく、例えばインク充填ユニット30,50をY方向に移動させて印刷処理を行う印刷装置に適用してもよい。例えば、上記実施形態ではY方向位置が固定されたドクターブレード34に対し、版ステージ12がY方向に移動することで凹版Pとドクターブレード34との相対移動が実現されているが、ドクターブレード34がY方向に移動する機能を有するものであってもよい。
また、上記実施形態では版面撮像部35による撮像後の版面Paに対しインク充填ユニット50によるインクの仮充填が行われる。これは、版面Paにおけるインクの乾燥固着を防止することで以後の印刷工程を速やかに実行可能とするためである。しかしながら、単に押圧力の最適値を求めるという観点からは仮充填は必須ではなく、これを省いた処理であってもよい。
また、上記実施形態における版面撮像部35はブレード押圧力の調整のために設けられたものであるが、例えば印刷動作の実行中にも版面を観察することで、動作が適切に進行しているか否かを監視する目的に使用することも可能である。
以上説明したように、上記実施形態においては、版ステージ12が本発明の「版保持部」として機能しており、搬送ユニット80が本発明の「移動部」として機能している。また、インク供給部36が本発明の「供給部」として機能し、昇降機構33が本発明の「ブレード支持部」として機能している。また、版面撮像部35が本発明の「検出部」として機能し、カメラ352は本発明の「撮像手段」としての機能を有する。そして、制御ユニット90、特にCPU91が、本発明の「演算処理部」として機能している。
以上、具体的な実施形態を例示して説明してきたように、本発明のブレード押圧力調整方法においては、例えば印刷材料の残留量が所定の許容レベル以下となる押圧力の仮設定値のうちの最小値に基づき充填用押圧力が決定されてもよい。このような構成によれば、印刷材料の残留量を抑えつつ、過剰な押圧力の印加に起因する画線部での印刷材料の掻き取りや版面へのダメージも抑制することができる。
この場合において、例えば、押圧力の増加に対する評価値の有意な変化がなくなるときの仮設定値が最小値とみなされてもよい。押圧力の増加に対してインク残留量の低減効果の向上が見られないとき、それ以上に押圧力を増加しても掻き取り能力は変化しないのに対し、画線部での印刷材料の掻き取りや版面へのダメージ等の悪影響は増加する。したがって、このときの押圧力の設定値を上記した最小値とみなすことで、このような悪影響を抑えることができる。
また例えば、ドクターブレードにより押圧された版面を撮像手段により撮像し、撮像結果から評価値が求められる構成であってもよい。このような構成によれば、版面のうち印刷材料が付着している領域と付着していない領域とをその輝度の差異に基づき区分することができる。そして、本来は印刷材料が付着すべきでない非画線部において印刷材料に対応する輝度が検出されるとき、当該領域に不要な印刷材料が残留付着しているとみなすことができる。したがって、例えば、撮像手段が版面を撮像した画像のうち非画線部の輝度に基づき印刷材料が検出されてもよい。版面において画線部と非画線部とを予め区分することができる場合、非画線部における印刷材料の付着に着目することで、ドクターブレードによる掻き取りの良否を的確に評価することができる。
例えば、撮像手段が版面を撮像した画像と、印刷材料が充填されない状態、または印刷材料が理想的に充填された状態の版面の基準画像との差分に基づき印刷材料が検出すされる構成であってもよい。このような構成によれば、版面における非画線部の位置と、その位置に置ける輝度とを予め求めておくことが可能であり、撮像された画像と基準画像との対比によって非画線部に付着する印刷材料の量を精度よく評価することが可能になる。
押圧力の変化態様については、例えば押圧力が段階的に増加するように仮設定値が変化する態様であってもよい。このような構成によれば、版面に対し当初から強い押圧力が作用することが回避されるので、版面のダメージを低減することが可能である。
また例えば、押圧力が段階的に減少するように仮設定値が変化する態様であってもよい。このような構成によれば、掻き取りの初期段階において、版面に供給された印刷材料が強い押圧力で掻き取られるため、版面とドクターブレードとの間に介在する印刷材料が早い段階で枯渇してしまうことが防止される。これにより、印刷材料が介在しない状態で版面とドクターブレードとが摺擦されることに起因するドクターブレードおよび版面の損傷を防止することができる。
この発明は、凹版に対して進行方向に相対移動して余分な印刷材料を掻き取るドクターブレードを用いる印刷技術全般に適用可能である。
1 印刷装置
12 版ステージ(版保持部)
33 昇降機構(ブレード支持部)
34 ドクターブレード
35 版面撮像部(検出部)
36 インク供給部(供給部)
80 搬送ユニット(移動部)
91 CPU(演算処理部)
352 カメラ(撮像手段)
P 凹版
Pa 版面
W ワーク(印刷媒体)
12 版ステージ(版保持部)
33 昇降機構(ブレード支持部)
34 ドクターブレード
35 版面撮像部(検出部)
36 インク供給部(供給部)
80 搬送ユニット(移動部)
91 CPU(演算処理部)
352 カメラ(撮像手段)
P 凹版
Pa 版面
W ワーク(印刷媒体)
Claims (11)
- ドクターブレードを凹版の版面に押圧して前記凹版に対し相対移動させることで前記版面に付着する印刷材料を掻き取りながら、前記版面に対する前記ドクターブレードの押圧力の大きさを複数段階の仮設定値間で変化させ、
前記版面のうち前記ドクターブレードにより互いに異なる押圧力で押圧された複数の領域のそれぞれについて、当該領域内の非画線部に残留する前記印刷材料を検出してその残留量を指標する評価値を求め、
求められた前記評価値と前記押圧力との相関関係に基づいて、前記版面に前記印刷材料を充填するための前記ドクターブレードの充填用押圧力を決定する、印刷装置におけるブレード押圧力調整方法。 - 前記残留量が所定の許容レベル以下となる前記仮設定値のうちの最小値に基づき前記充填用押圧力を決定する請求項1に記載のブレード押圧力調整方法。
- 前記押圧力の増加に対する前記評価値の有意な変化がなくなるときの前記仮設定値を前記最小値とする請求項2に記載のブレード押圧力調整方法。
- 前記ドクターブレードにより押圧された前記版面を撮像手段により撮像し、撮像結果から前記評価値を求める請求項1ないし3のいずれかに記載のブレード押圧力調整方法。
- 前記撮像手段が前記版面を撮像した画像のうち前記非画線部の輝度に基づき前記印刷材料を検出する請求項4に記載のブレード押圧力調整方法。
- 前記撮像手段が前記版面を撮像した画像と、前記印刷材料が充填されない状態、または前記印刷材料が理想的に充填された状態の前記版面の基準画像との差分に基づき前記印刷材料を検出する請求項4または5に記載のブレード押圧力調整方法。
- 前記押圧力が段階的に増加するように前記仮設定値を変化させる請求項1ないし6のいずれかに記載のブレード押圧力調整方法。
- 前記押圧力が段階的に減少するように前記仮設定値を変化させる請求項1ないし6のいずれかに記載のブレード押圧力調整方法。
- 凹版の版面に印刷材料を供給し、
ドクターブレードが、請求項1ないし8のいずれかに記載のブレード押圧力調整方法により決定された押圧力で前記版面を押圧しながら前記版面に沿って前記版面に対し相対的に移動することで前記印刷材料を前記版面に充填し、
前記版面の前記印刷材料を印刷媒体に転写して前記印刷媒体に印刷する印刷方法。 - 凹版を保持する版保持部と、
前記凹版の版面に印刷材料を供給する供給部と、
前記版面を押圧して前記印刷材料を前記版面に充填するドクターブレードと、
前記版面に対する押圧力を変更可能に前記ドクターブレードを支持するブレード支持部と、
前記ドクターブレードと前記保持部とを前記版面に沿った方向に相対移動させる移動部と、
前記版面の非画線部に付着する前記印刷材料を検出する検出部と、
前記版面に前記印刷材料を充填するための前記ドクターブレードの充填用押圧力を決定する演算処理部と
を備え、
前記供給部が前記版面に前記印刷材料を供給した前記凹版に対し、前記移動部が前記ドクターブレードを相対移動させることで前記版面の前記印刷材料を掻き取りながら、前記ブレード支持部が前記版面に対する前記ドクターブレードの押圧力の大きさを複数段階の仮設定値間で変化させ、
前記検出部が、前記版面のうち前記ドクターブレードにより互いに異なる押圧力で押圧された複数の領域のそれぞれについて、当該領域内の非画線部に残留する前記印刷材料を検出し、
前記演算処理部が、前記検出部の検出結果に基づき前記印刷材料の残留量を指標する評価値を求め、求められた前記評価値と前記押圧力との相関関係に基づいて、前記版面に前記印刷材料を充填するための前記ドクターブレードの充填用押圧力を決定する印刷装置。 - 前記検出部は、前記印刷材料を光学的に検出する請求項10に記載の印刷装置。
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---|---|---|---|
JP2017056852A JP2018158498A (ja) | 2017-03-23 | 2017-03-23 | 印刷装置におけるブレード押圧力調整方法、印刷方法および印刷装置 |
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JP2017056852A JP2018158498A (ja) | 2017-03-23 | 2017-03-23 | 印刷装置におけるブレード押圧力調整方法、印刷方法および印刷装置 |
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JP2017056852A Pending JP2018158498A (ja) | 2017-03-23 | 2017-03-23 | 印刷装置におけるブレード押圧力調整方法、印刷方法および印刷装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102396530B1 (ko) * | 2022-03-18 | 2022-05-12 | 주식회사 유한팩 | 친환경 잉크 소재와 저심도 레이저 제판을 이용한 그라비아 롤 인쇄 장치의 인공지능 품질 관리 장치 |
-
2017
- 2017-03-23 JP JP2017056852A patent/JP2018158498A/ja active Pending
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KR102396530B1 (ko) * | 2022-03-18 | 2022-05-12 | 주식회사 유한팩 | 친환경 잉크 소재와 저심도 레이저 제판을 이용한 그라비아 롤 인쇄 장치의 인공지능 품질 관리 장치 |
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