JP2018158313A - 異物除去装置 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、「ワークの回転軸に沿うように吹付ノズルを往復移動させる」とは、吹出ノズルが往復移動する方向とワークの回転軸の方向とが平行であることに加え、その2つの方向が僅かにずれていることを含むものである。
また、以下の説明では、空気または揮発性物質を適宜「洗浄流体」ということがある。
これによれば、ワークの洗浄領域の全箇所に洗浄流体が吹き付けられると共に、ワークに付着した異物に対し、複数の方向から洗浄流体が吹き付けられる。したがって、この異物除去装置は、種々の形状の異物に対し、抗力係数が最大となる方向から洗浄流体の運動エネルギを与えることで、ワークから異物を除去する能力を高めることができる。
なお、洗浄有効範囲とは、少なくとも吹付ノズルの開口部を噴射方向に沿ってワークに投影した面の軌跡と、その軌跡の外側の領域において開口部から吹き出された洗浄流体がワークの表面に広がることで異物を有効に除去できる範囲をいう。洗浄有効範囲は、吹付ノズル(30)から吹き出される風圧によって異なるが、例えば、吹付ノズルの開口部の内径の1〜2倍の範囲である。
これによれば、吹付ノズルの往復運動の回数に対し、ワークの回転数を少なくすることで、種々の形状の異物に対し、抗力係数が最大となる方向から洗浄流体の運動エネルギを与えられるので、洗浄流体から異物に対する運動エネルギの伝達効率を向上できる。
これによれば、洗浄有効範囲は、ワークの洗浄領域の全箇所を、移動する向きを変えて通過する。そのため、ワークの表面に付着した種々の形状の異物に対し、複数の方向から洗浄流体を吹き付けることが可能である。したがって、この異物除去装置は、ワークから異物を除去する能力をより高めることができる。
これによれば、ワークを洗浄する面積に対し、吹付ノズルが1往復する距離(すなわち、振幅の幅)が小さくなる。そのため、往復移動部により吹付ノズルが往復移動する速度を速くすることが可能である。したがって、この異物除去装置は、ワークの表面に付着した異物を短時間で除去することで、生産効率を向上することができる。
これによれば、ワークの表面から除去された異物が洗浄エリア外に飛散するのを防ぐことが可能であると共に、ワークに再付着することを防ぐことができる。
これによれば、回転体の回転と共に偏心部が偏心して回転する。この偏心部の動力が溝部の内壁からアームに伝わり、アームが往復移動することで、吹付ノズルが往復移動する。したがって、往復移動部は、回転体の回転速度に応じて、吹付ノズルを高速で往復移動させることができる。
これによれば、ワークの一部に洗浄領域がある場合、その洗浄領域に付着した異物を短時間で除去することが可能である。したがって、この異物除去装置は、ワークの異物除去の時間を短くし、生産効率を向上することができる。
これによれば、ワークの全周に洗浄領域がある場合、回転駆動部に対するワークの配置を変更することなく、その洗浄領域に付着した異物を除去することが可能である。したがって、この異物除去装置は、ワークの異物除去の時間を短くし、生産効率を向上することができる。
第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態の異物除去装置は、例えば電気製品または半導体製品などのワークに対し、洗浄流体としての空気を吹き付けることで、ワークの表面に付着した異物を除去するための装置である。
回転駆動部10は、ワーク2が自転するように、ワーク2を回転させることの可能な構成を有している。回転駆動部10は、第1電動モータ11、その第1電動モータ11が有するモータシャフト12に連結される連結シャフト13、モータシャフト12と連結シャフト13とを接続する軸継手14、および、ワーク2を保持するための保持部15などを有している。
アーム24は、偏心部23が溝部28の内側を摺動する方向に対して交差する方向に延びている。アーム24は、アーム24自身が延びる方向に往復移動可能なように、ガイド部材25によって案内されている。アーム24のうち溝部28とは反対側の部位は、洗浄ケース50の内側に挿入されており、その部位には、吹付ノズル30が接続されている。
Vw<Vn ・・・式1
すなわち、制御装置40は、ワーク2の表面の回転速度Vwより、吹付ノズル30が往復移動する速度Vnの方が速くなるように、第1電動モータ11と第2電動モータ21の駆動を制御する。これにより、ワーク2の回転数を少なくし、吹付ノズル30の往復運動の回数を多くすることが可能である。
なお、洗浄有効範囲とは、少なくとも吹付ノズル30の開口部35を噴射方向に沿ってワーク2に投影した面の軌跡と、その軌跡の外側の領域において開口部35から吹き出された空気がワーク2の表面に広がることで異物を有効に除去できる範囲をいう。洗浄有効範囲は、吹付ノズル30から吹き出される風圧によって異なるが、例えば、吹付ノズル30の開口部35の内径の1〜2倍の範囲である。
ワーク2は、保持部15に保持された状態で、回転駆動部10により所定の角度範囲で正回転および逆回転を繰り返す。それと共に、吹付ノズル30は、ワーク2の回転軸100に沿うように往復移動しつつ、複数の開口部35からワーク2に対して空気を吹き付ける。これにより、ワーク2の表面に付着した異物に対し、空気の運動エネルギが伝達され、ワーク2の表面から異物が取り除かれる。
一般に、異物に伝わる抗力は、次の式2により表される。
F=Cd×ρ×V×S×(1/2) ・・・式2
ただし、F:抗力[N]、Cd:抗力係数、ρ:流体密度[kg/m3]、V:流体速度[m/s]、S:エア受圧面積[m2]
吹付ノズル30は、ワーク2の回転軸100に沿って往復運動しつつ、3個の開口部35からワーク2に空気を吹き付ける。その空気は、回転運動するワーク2の表面に吹き付けられる。図5では、吹付ノズル30が有する3個の開口部35の中心を噴射方向に沿ってワーク2に投影した点(以下、「吹付中心点」という)に対し、それぞれ符号P1、P2、P3を付している。
図7(A)〜(D)はそれぞれ、図6のVII部分の拡大図であり、時間経過に伴う吹付中心点の軌跡と、ワーク2の表面に吹き付けられた空気の流れを説明する説明図である。吹付ノズル30の開口部35からワーク2に吹き付けられた空気は、ワーク2の表面に当たると、ワーク2の表面を放射状に広がるように流れる。そのため、図7(A)では、所定の異物に対し、図のほぼ左の方向から空気が吹き付けられる。次に、図7(B)では、所定の異物に対し、図の左下の方向から空気が吹き付けられる。続いて、図7(C)では、所定の異物に対し、図の右上の方向から空気が吹き付けられる。続いて、図7(D)では、所定の異物に対し、図のほぼ右の方向から空気が吹き付けられる。
図8は、比較例の異物除去装置3における吹付ノズル30とワーク2を模式的に表した図である。吹付ノズル30は固定された状態で、3個の開口部35からワーク2に空気を吹き付ける。その空気は、回転運動するワーク2の表面に吹き付けられる。図8では、比較例の吹付中心点に対し、それぞれ符号P4、P5、P6を付している。
図10(A)〜(D)はそれぞれ、図9のX部分の拡大図であり、時間経過に伴う吹付中心点の軌跡と、ワーク2の表面に吹き付けられた空気の流れを説明する説明図である。図10(A)および(B)では、所定の異物に対し、図の左上の方向から空気が吹き付けられる。続いて、図10(C)および(D)では、所定の異物に対し、図の右上の方向から空気が吹き付けられる。
図11に示した実験では、ワーク2の回転速度は同一の条件とした。また、異物除去工程前にワーク2に付着させた異物数も同一の条件とした。図11では、比較例の異物除去装置3により異物除去を行った後にワーク2の表面に残留した残留異物数を100%とし、それに対して、第1実施形態の異物除去装置1により異物除去を行った後にワーク2の表面に残留した残留異物数の減少割合をそれぞれ%で示している。
(1)第1実施形態では、吹付ノズル30は、ワーク2の回転軸100に沿うように往復移動する。これによれば、吹付ノズル30から吹き付けられる空気による洗浄有効範囲が異物の近傍を通過するとき、その通過する向きがワーク2の回転方向に交差するように正方向と逆方向に入れ変わる。そのため、ワーク2に付着した異物に対し、複数の方向から空気を吹き付けることが可能である。これにより、種々の形状の異物に対し、抗力係数が最大となる方向から空気の運動エネルギが与えられるので、空気から異物に対する運動エネルギの伝達効率が向上する。したがって、この異物除去装置1は、ワーク2から異物を除去する能力を高めることができる。
これによれば、ワーク2の洗浄領域の全箇所に空気が吹き付けられると共に、ワーク2に付着した異物に対し、複数の方向から空気が吹き付けられる。したがって、この異物除去装置1は、種々の形状の異物に対し、抗力係数が最大となる方向から空気の運動エネルギを与えることで、ワーク2から異物を除去する能力を高めることができる。
これによれば、吹付ノズル30の往復運動の回数に対し、ワーク2の回転数を少なくすることで、種々の形状の異物に対し、抗力係数が最大となる方向から洗浄流体の運動エネルギを与えられるので、洗浄流体から異物に対する運動エネルギの伝達効率を向上できる。
これによれば、ワーク2を洗浄する面積に対し、吹付ノズル30が1往復する距離(すなわち、振幅の幅)が小さくなる。そのため、往復移動部20により吹付ノズル30が往復移動する速度を速くすることが可能である。したがって、この異物除去装置1は、ワーク2の表面に付着した異物を短時間で除去することで、生産効率を向上することができる。
これによれば、ワーク2の表面から除去された異物が洗浄エリア外に飛散するのを防ぐことが可能であると共に、ワーク2に再付着することを防ぐことができる。
これによれば、往復移動部20は、回転体22の回転速度に応じて、吹付ノズル30を高速で往復移動させることができる。
これによれば、ワーク2の一部に洗浄領域がある場合、その洗浄領域に付着した異物を短時間で除去することが可能である。したがって、この異物除去装置1は、ワーク2の異物除去の時間を短くし、生産効率を向上することができる。
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、回転駆動部10と往復移動部20の駆動方法の一例を示すものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
f≧Vw/D ・・・式3
図12では、ワーク2の表面を吹付中心点が相対的に移動した軌跡を、符号Pxを付した破線で示している。また、その軌跡に沿ってワーク2の表面を移動する洗浄有効範囲を、符号WEを付した一点鎖線によって囲んだハッチングで示している。なお、洗浄有効範囲WEは、図12に示したハッチングの範囲が、吹付中心点の軌跡Pxに沿って移動するものである。これにより、洗浄有効範囲WEは、ワークの洗浄領域の全箇所を、移動する向きを変えて通過する。そのため、ワーク2の表面に付着した種々の形状の異物に対し、複数の方向から洗浄流体を吹き付けることが可能である。したがって、この異物除去装置1は、ワーク2から異物を除去する能力をより高めることができる。
第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1実施形態に対して、ワーク2の洗浄領域が異なるものである。第3実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
2 ワーク
10 回転駆動部
20 往復移動部
30 吹付ノズル
Claims (9)
- ワーク(2)に付着した異物を除去する異物除去装置であって、
前記ワークを回転させる回転駆動部(10)と、
前記ワークに対し空気または揮発性物質を吹き付ける吹付ノズル(30)と、
前記ワークの回転軸(100)に沿うように前記吹付ノズルを往復移動させる往復移動部(20)と、を備える異物除去装置。 - 前記吹付ノズルから前記ワークの表面に吹き付けられる空気または揮発性物質による洗浄有効範囲(WE)が、前記ワークの洗浄領域の全箇所を通過するように、前記回転駆動部または前記往復移動部の駆動を制御する制御装置(40)を備える請求項1に記載の異物除去装置。
- 前記ワークの表面の回転速度をVw〔mm/s〕とし、
前記往復移動部により前記吹付ノズルが往復移動する速度をVn〔mm/s〕とすると、
前記制御装置は、Vw<Vnの関係を有するように、前記回転駆動部または前記往復移動部の駆動を制御する請求項2に記載の異物除去装置。 - さらに、前記吹付ノズルから前記ワークの表面に吹き付けられた空気または揮発性物質による洗浄有効範囲の直径をD〔mm〕とし、
前記往復移動部が前記吹付ノズルを往復移動する周波数をf〔Hz〕とすると、
前記制御装置は、f≧Vw/D の関係を有するように、前記回転駆動部または前記往復移動部の駆動を制御する請求項3に記載の異物除去装置。 - 前記吹付ノズルは、空気または揮発性物質を吹き出す複数の開口部(35)を有しており、
複数の前記開口部は、前記ワークの回転軸に沿うように配置されている請求項1ないし4のいずれか1つに記載の異物除去装置。 - 前記ワークおよび前記吹付ノズルを収容する洗浄ケース(50)と、
前記洗浄ケースの内側の空気を排出可能な排気部(51)と、をさらに備え、
前記往復移動部は、前記洗浄ケースの内側の空気中で前記吹付ノズルを往復移動させる請求項1ないし5のいずれか1つに記載の異物除去装置。 - 前記往復移動部は、
回転運動する回転体(22)と、
前記回転体のうち回転中心(200)からずれた位置に設けられ、前記回転体の回転中心に対して偏心して回転する偏心部(23)と、
前記偏心部が摺動可能に嵌合する溝部(28)を有し、前記偏心部が前記溝部の内側を摺動する方向に対して交差する方向に延びて、前記溝部とは反対側の部位に前記吹付ノズルが接続されるアーム(24)と、
前記アームが延びる方向に前記アームの移動を案内するガイド部材(25)と、を備える請求項1ないし6のいずれか1つに記載の異物除去装置。 - 前記回転駆動部は、前記ワークを所定の角度範囲で正回転および逆回転を繰り返し行う請求項1ないし7のいずれか1つに記載の異物除去装置。
- 前記回転駆動部は、前記ワークを360°以上回転させる請求項1ないし7のいずれか1つに記載の異物除去装置。
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