JP2018158276A - キャパシタ及び脱塩装置 - Google Patents

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雅晴 中山
創平 井口
Sohei Iguchi
創平 井口
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Takayuki Kishino
剛之 岸野
福田 憲二
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Abstract

【課題】本発明の課題は、脱塩処理速度及び塩の脱着速度が速いキャパシタ脱塩装置を提供することにある。【解決手段】カーボンフェルトと多孔質の集電体とを備える第1の電極及び第2の電極、並びに多孔質のセパレータを備え、前記第1の電極と第2の電極を、各電極の前記カーボンフェルトが前記セパレータを介して対向するように配置し、前記第1の電極のカーボンフェルトに前記セパレータ側と反対側から液体を供給する供給口及び供給路と、前記第2の電極のカーボンフェルトの前記セパレータ側と反対側から排出される液体を排出する排出口及び排出路とを備え、前記供給口から供給された液体が、前記第1の電極のカーボンフェルトと前記第2の電極のカーボンフェルトを透過して前記排出口から排出されるように構成されたキャパシタ。【選択図】図1

Description

カーボンフェルト電極を備えるキャパシタ、及び前記キャパシタを備える脱塩装置に関する。
キャパシタ脱塩(CDI:Capacitive Deionization)は、対向する炭素系電極間に塩水を流通させながら電位差(電圧)を与えることによって、塩イオン(NaとCl)を反対電荷を帯びた炭素表面の電気二重層(EDLC:Electrical Double Layer Capacitor)に移動させる技術である。電圧は1〜2V程度であり、蒸留や逆浸透法といった従来の脱塩技術に比べ、消費エネルギーを大幅に削減できる。また、開回路するか極性(電圧)を反転させることにより塩イオンは脱着され、電極は再生される。現行のキャパシタ脱塩装置に使用される電極は、活性炭をバインダーと混練し、グラファイトシート等の集電板に塗布したものであり、正極と負極に同じ種類の電極が使用される(特許文献1)。現行のキャパシタ脱塩装置では、電荷効率向上のために、正極にアニオン交換膜、負極にカチオン交換膜を配置するのが一般的であり、前記イオン交換膜を配置したものはMCDI(MembraneCDI)と呼ばれている。このような特徴を有するキャパシタ脱塩は、例えば、汽水の淡水化処理、水道水の脱塩処理、工業用水の脱塩処理、軟水化処理等の各種の脱塩用途、家庭用軟水器等の小型装置用途に開発が行われている。
しかし、従来のキャパシタ脱塩装置は、脱塩処理速度や塩の脱着速度がまだまだ遅く、脱塩処理速度及び塩の脱着速度の速いキャパシタ脱塩装置の開発が望まれていた。
国際公開2013/108597号パンフレット
本発明の課題は、上記問題を解決し、脱塩処理速度及び塩の脱着速度が速いキャパシタ脱塩装置を提供することである。
本発明者らは、脱塩処理速度と塩の脱着速度が速いキャパシタ脱塩装置の検討を行うなかで、従来のキャパシタ脱塩装置では、正極の電極板と負極の電極板との間に、処理前の水を流し脱塩を行っていたところ(以下、「フロービトウィーン型」ともいう。)、正極板及び負極板を貫通するように処理前の水を流すと、送液方向と電場方向が一致するため、脱塩及び再生(電極板に吸着した塩イオンの脱着)の効率が向上するのではないかと考えた。そこで検討を進めたところ、カーボンフェルトを電極として使用すると、カーボンフェルトは通液性がよいため正極及び負極の電極板を貫通するように水を流して脱塩を行うことが可能となり、またバインダー等が不要となるため、脱塩処理と塩の脱着の両方において、従来のキャパシタ脱塩装置の2倍以上の処理速度及び脱着速度が得られることを見いだした。本発明は上記知見に基づき完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下に示す事項により特定されるものである。
(1)カーボンフェルトと多孔質の集電体とを備える第1の電極及び第2の電極、並びに多孔質のセパレータを備え、
前記第1の電極と第2の電極を、各電極の前記カーボンフェルトが前記セパレータを介して対向するように配置し、
前記第1の電極のカーボンフェルトに前記セパレータ側と反対側から液体を供給する供給口及び供給路と、前記第2の電極のカーボンフェルトの前記セパレータ側と反対側から排出される液体を排出する排出口及び排出路とを備え、
前記供給口から供給された液体が、前記第1の電極のカーボンフェルトと前記第2の電極のカーボンフェルトを透過して前記排出口から排出されるように構成されたキャパシタ。
(2)供給路に、貯液部を設けることを特徴とする上記(1)記載のキャパシタ。
(3)カーボンフェルトの比表面積が、700〜2000m/gであることを特徴とする上記(1)又は(2)記載のキャパシタ。
(4)正極側の電極にアニオン交換膜を配置し、負極側の電極にカチオン交換膜を配置することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか記載のキャパシタ。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか記載のキャパシタを備えることを特徴とする脱塩装置。
本発明のキャパシタは、脱塩処理速度と塩の脱着速度に優れ、逆電圧を印加することなく開回路で塩の脱着が可能である。また、本発明のキャパシタは電極を形成する際のバインダーが不要である。本発明のキャパシタを備えた脱塩装置は、脱塩処理速度と塩の脱着速度に優れ、逆電圧を印加することなく開回路で塩の脱着が可能である。
図1は、本発明の脱塩セルの一実施形態を表す模式図である。 図2は、比較例の脱塩セルを表す模式図である(但し、アニオン交換膜とカチオン交換膜は図示せず)。 図3は、実施例で使用したカーボンフェルト及び比較例で使用した活性炭シートのサイクリックボルタンメトリーを示すグラフである。 図4は、実施例で使用したカーボンフェルト及び比較例で使用した活性炭シートの比キャパシタンスを掃引速度の関数としてプロットした図である。 図5は、実施例1において、塩化ナトリウム水溶液の濃度を2mM、流量を8ml/minとして、電圧印加→開回路を20分毎に繰り返し、電圧を1.0V、1.2V、1.4V、1.6Vの順に印加したときの電流−時間曲線を示す図である。 図6は、実施例1において、塩化ナトリウム水溶液の濃度を2mM、流量を8ml/minとして、電圧印加→開回路を20分毎に繰り返し、電圧を1.0V、1.2V、1.4V、1.6Vの順に印加したときの吸着量−時間曲線を示す図である。 図7は、実施例1において、塩化ナトリウム水溶液の濃度を2mM、流量を8ml/minとして、1.2Vの電圧印加と休止(開回路)を20分毎に繰り返したときの電流−時間曲線を示す図である。 図8は、比較例1において、塩化ナトリウム水溶液の濃度を2mM、流量を8ml/minとして、電圧印加→開回路を20分毎に繰り返し、電圧を1.0V、1.2V、1.4V、1.6Vの順に印加したときの電流−時間曲線を示す図である。 図9は、比較例1において、塩化ナトリウム水溶液の濃度を2mM、流量を8ml/minとして、電圧印加→開回路を20分毎に繰り返し、電圧を1.0V、1.2V、1.4V、1.6Vの順に印加したときの吸着量−時間曲線を示す図である。 図10は、図6及び図9の印加電圧1.2Vのときの単位面積当たりの吸着量の時間変化を示す図であり、図10(a)は脱塩工程を示し、(b)は脱着工程を示す。 図11は、比較例2において、1.2Vを360分印加し、その後開回路で360分保持したときの電流−時間曲線を示す図である。 図12は、比較例2において、1.2Vを360分印加し、その後開回路で360分保持したときの吸着量−時間曲線を示す図である。図12(a)は脱塩工程を示し、(b)は脱着工程を示す。 図13は、実施例1において、塩化ナトリウム水溶液の濃度を5mM、流量を8ml/minとして、電圧印加→開回路を20分毎に繰り返し、電圧を1.0V、1.2V、1.4V、1.6Vの順に印加したときの吸着量−時間曲線を示す図である。 図14は、実施例1において、塩化ナトリウム水溶液の濃度を10mM、流量を8ml/minとして、電圧印加→開回路を20分毎に繰り返し、電圧を1.0V、1.2V、1.4V、1.6Vの順に印加したときの吸着量−時間曲線を示す図である。 図15は、実施例1において、塩化ナトリウム水溶液の濃度を15mM、流量を8ml/minとして、電圧印加→開回路を20分毎に繰り返し、電圧を1.0V、1.2V、1.4V、1.6Vの順に印加したときの吸着量−時間曲線を示す図である。 図16は、本発明の脱塩セルの一実施形態を表す模式図である。
本発明のキャパシタは、カーボンフェルトと多孔質の集電体とを備える第1の電極及び第2の電極、並びに多孔質のセパレータを備え、前記第1の電極と第2の電極を、各電極の前記カーボンフェルトが前記セパレータを介して対向するように配置し、前記第1の電極のカーボンフェルトに前記セパレータ側と反対側から液体を供給する供給口及び供給路と、前記第2の電極のカーボンフェルトの前記セパレータ側と反対側から排出される液体を排出する排出口及び排出路とを備え、前記供給口から供給された液体が、前記第1の電極のカーボンフェルトと前記第2の電極のカーボンフェルトを透過して前記排出口から排出されるように構成されたことを特徴とする。ここで、カーボンフェルトとは、炭素繊維からなるフェルト状の不織布のことであり、本発明のキャパシタにおけるカーボンフェルトは、カーボンフェルトであれば特に限定されるものでなく市販のものを使用できる。本発明のキャパシタにおけるカーボンフェルトは、液体の透過性をよくし、液体とカーボンフェルトとの接触面積を大きくする観点から、比表面積が700〜2000m/gが好ましく、900〜1200m/gがより好ましい。また、同様の観点からカーボンフェルトの厚みは、0.5〜10mmが好ましく、2〜5mmがより好ましい。
本発明のキャパシタにおける多孔質の集電体としては、その材質は特に限定されるものでなく従来公知のものを使用することができ、例えば、黒鉛、カーボン、チタン、金、白金、銅、銀、鉄、ニッケル、ステンレス、アルミニウム、コバルト、これらの合金又は化合物等を挙げることができる。多孔質の集電体の多孔質とは、液体が透過できる程度の孔を有していればよく、例えば、メッシュ状、多孔板等の形態を挙げることができる。本発明のキャパシタにおける多孔質のセパレータとしては、特に限定されるものでなく従来公知のものを使用することができ、例えば、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、セルロース、レーヨン、ガラス繊維等の電気的絶縁性の高い多孔質膜を挙げることができる。
本発明のキャパシタにおける第1の電極及び第2の電極は、カーボンフェルトと多孔質の集電体とを備える。第1の電極及び第2の電極では、カーボンフェルトと多孔質の集電体とが導通するように、カーボンフェルトに多孔質の集電体が取り付けられている。本発明のキャパシタでは、第1の電極と第2の電極が、各電極のカーボンフェルトがセパレータを介して対向するように配置されている。すなわち、第1の電極のカーボンフェルトと第2の電極のカーボンフェルトとの間に、多孔質のセパレータが配置されている。そして、本発明のキャパシタは、第1の電極のカーボンフェルトにセパレータ側と反対側から液体を供給する供給口及び供給路と、第2の電極のカーボンフェルトのセパレータ側と反対側から排出される液体を排出する排出口及び排出路とを備え、供給口から供給された液体が、第1の電極のカーボンフェルトと第2の電極のカーボンフェルトを透過して排出口から排出されるように構成されている。このため、本発明のキャパシタでは、供給口から供給された処理前の液体は、供給路を通って第1の電極のカーボンフェルトに達し、第1の電極のカーボンフェルトを透過して、次にセパレータを透過し、さらに第2の電極のカーボンフェルトを透過して、排出路を通って排出口から排出される(以下、「フロースルー型」ともいう)。両電極間に電圧を印加し、一方の電極を正極、他方の電極を負極とすることにより、供給する液体中に含まれるマイナスイオンは正極のカーボンフェルトに捕捉され、プラスイオンは負極のカーボンフェルトに捕捉される。こうして、排出口からはイオンが除去され脱塩された液体が排出される。
本発明のキャパシタは、供給路に貯液部を設けてもよい。第1の電極のカーボンフェルトに対して広く開口した貯液部を設けることにより、カーボンフェルトに均一に液体を供給できる。貯液部の開口部の面積は特に限定されるものではないが、カーボンフェルトにより均一に液体を供給する観点から、カーボンフェルトの液体供給側の面積の50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、同じ面積であることがさらに好ましい。本発明のキャパシタは、正極側の電極にアニオン交換膜を配置し、負極側の電極にカチオン交換膜を配置してもよい。イオン交換機能を電極にもたせることにより、電荷効率がより向上する。例えば、正極側のカーボンフェルトのセパレータ側にアニオン交換膜を配置し、負極側のカーボンフェルトのセパレータ側あるいは排出側にカチオン交換膜を配置してもよい。本発明のキャパシタは、送液方向と電場方向とが一致し、さらに電極の形成にバインダーを使用しないので塩イオンが拡散しやすいため脱塩処理速度及び塩脱着速度が速い。また、逆電圧を印加することなく開回路で塩の脱着が可能である。脱塩過程は充電、塩脱着過程は放電であるため、塩の脱着を開回路で行えば、正味のエネルギー消費は、脱塩時の通過電気量−脱着時の放電電気量となり、脱塩及び塩脱着を合わせた消費エネルギーの節約ができる。
本発明のキャパシタについて、図1を用いてさらに説明する。処理するための液体、例えば塩水が供給口10から供給されると、供給された塩水は、供給路13を通って貯液部9に溜まる。貯液部9に溜まった塩水は、集電体4、カーボンフェルト1、セパレータ3、カーボンフェルト2、集電体5の順にその内部を通過していく。このように集電体4、カーボンフェルト1、セパレータ3及びカーボンフェルト2、集電体5を透過して処理された水は、排出路14を通って排出口11から排出される。例えば、集電体4及びカーボンフェルト1(第1の電極)側が負極、集電体5及びカーボンフェルト2(第2の電極)側が正極となるように、両電極間に電圧を印加すると、塩水がカーボンフェルト1内を通過するときに塩水中のナトリウムイオン(Na)がカーボンフェルト1に捕捉され、続いてカーボンフェルト2内を通過するときに塩水中の塩素イオン(Cl)がカーボンフェルト2に捕捉される。この結果、排出口からは、脱塩され液中のナトリウムイオンと塩素イオンが除去された水が排出される。また、キャパシタ内を洗浄するために、洗浄用供給口15を設けてもよい。図16も本発明のキャパシタを示す図である。
本発明の脱塩装置は、本発明のキャパシタを備えることを特徴とする。本発明の脱塩装置は、本発明のキャパシタ以外は、従来のキャパシタ脱塩装置で使用される機器や装置を使用することができる。例えば、キャパシタに電圧を印加するための電源、キャパシタに処理前の液体を供給するための送液ポンプ等の供給装置、キャパシタから排出された処理液を貯留先等まで送る送液ポンプ等の排出装置、キャパシタから排出された処理液を再度キャパシタへ供給するための循環装置、処理前の液体を貯留する原液槽、処理後の液体を貯留する処理液槽等を備えることができる。また、キャパシタの再生(吸着した塩の脱着処理)を行うときに使用する水等の液体を供給するための供給装置、再生に使用され脱着したイオンを含む排水を排出するための排出装置を別に設けてもよく、キャパシタにおいて、再生のための液体の供給口や再生に使用した排水の排出口を、処理のための供給口や排出口と別に設けてもよい。
(本発明のキャパシタ脱塩セルの作製)
図1のキャパシタ脱塩セルを作製した。カーボンフェルト(1及び2)として、直径5cm、厚み3mmの円形のカーボンフェルト(繊維状活性炭・PSフェルト FN−100PS、大阪ガスケミカル社製)を使用し、集電体(4及び5)として、チタンメッシュを使用した。またセパレータ(3)として、多孔質セルロースろ紙(東洋濾紙社製)を使用した。前記カーボンフェルトをチタンメッシュに取り付けたものを2組作製し、一方を第1の電極(1、4)、他方を第2の電極(2、5)とした。第1の電極と第2の電極の間にセパレータ挟み、各電極のカーボンフェルトがセパレータを介して対向するように、2枚のアクリル樹脂板(筐体12)の間に第1及び第2の電極とセパレータを配置した。第1の電極の集電体と接するアクリル樹脂板には、集電体と接する側にカーボンフェルトとほぼ同じ大きさ及び形状の凹部を設け、これを貯液部(9)とした。また、第1の電極の集電体と接するアクリル樹脂板には、貯液部(9)まで貫通する貫通孔を設けて供給口(10)及び供給路(13)とし、第2の電極の集電体と接するアクリル樹脂板には、第2の電極まで達する貫通孔を設けて排出口(11)及び排出路(14)とした。アクリル樹脂板間の第1及び第2の電極とセパレータの周囲は、液体が漏れないようにパッキン(8)で封止した。各集電体には電源と接続するためのPt線(導線6、7)を接続した。洗浄用供給口(15)は使用しないため、封鎖した。
(脱塩試験)
作製した実施例のキャパシタ脱塩セル(フロースルー型)で、第1の電極が負極、第2の電極が正極となるように両電極間に電圧を印加し、2、5、10、15mMの塩化ナトリウム水溶液を、それぞれ8ml/minの流量で供給口(10)から供給し、排出口(11)から排出された処理液を再度供給口から供給して循環させた。この間、カーボンフェルト/集電体に接続したポテンショスタットを使って、両極間の電位差(電圧)を0(開回路)、1.0〜1.6Vで保持した。排出液の電導度を電導度計で測定することによってNaCl濃度の変化を追跡し、NaCl濃度vs電導度の検量線を作成した。脱塩時間を20分、脱着再生時間を20分とした。
[比較例1]
(従来のキャパシタ脱塩セルの作製)
図2のキャパシタ脱塩セルを作製した。60mm×95mmの長方形の活性炭シート(デルエコー、大同メタル社製)(16、17)を対向させ、両活性炭シートの間に45mm×65mmのポリプロピレンメッシュ製のセパレータ(18)を挟み、活性炭シートのセパレータ側と反対側の面にグラファイトシートを載せたステンレス製の集電体(19+21、20+22)を取り付けて、従来のフロービトウィーン型のセルとした。正極の活性炭シート上(セパレータ側)にはアニオン交換膜を密着させ、負極の活性炭シート上(セパレータ側)にはカチオン交換膜を密着させた。
(脱塩試験)
作製した比較例のキャパシタ脱塩セルに、2mMの塩化ナトリウム水溶液を8mL/minの流速で通液し、循環させた。この間、活性炭シート/集電体に接続したポテンショスタットを使って、両極間の電位差(電圧)を0(開回路)、1.0〜1.6Vで保持した。排出液の電導度を電導度計で測定することによってNaCl濃度の変化を追跡し、NaCl濃度vs電導度の検量線を作成した。脱塩時間を20分、脱着再生時間を20分とした。
[比較例2]
比較例1のキャパシタセルの測定において脱塩時間と脱着再生時間をそれぞれ360分、360分とした(これは定常状態に達するのに要した時間である)。
(サイクリックボルタンメトリー測定)
実施例で使用したカーボンフェルトと比較例で使用した活性炭シートをそれぞれ作用極としてサイクリックボルタンメトリー(CV)測定を行った。測定には、ポテンショスタット(北斗電工社製、HZ−5000)を使用し、電位走査範囲−0.2V〜+0.8V(対銀/塩化銀参照極、掃引速度2mV/s)で測定を行い、電解液には、1.0M NaCl水溶液を用いた。その結果を図3に示す。サイクリックボルタンメトリー測定の結果から、カーボンフェルトと活性炭シートの単位面積当たりの比キャパシタンス及び単位質量当たりの比キャパシタンスを求めた。実施例で使用したカーボンフェルトの単位面積当たりの比キャパシタンスは2.2F/cmであり、単位質量当たりの比キャパシタンスは109.1F/gであった。また、比較例で使用した活性炭シートの単位面積当たりの比キャパシタンスは0.56F/cmであり、単位質量当たりの比キャパシタンスは30.0F/gであった。図4は、掃引速度を変えて測定し、幾何学的な単位面積あたりの電流値(電流密度)より算出した面積あたりの比キャパシタンスを掃引速度の関数としてプロットした図である。図4から、低掃引速度でのカーボンフェルトの比キャパシタンスは、活性炭シートの比キャパシタンスよりもはるかに大きい。これはカーボンフェルトが三次元構造をもち、幾何面積当たりの有効表面積が大きいためと考えられる。ここで、幾何学的な単位面積あたりとは、カーボンフェルト及び活性炭シートの片面の面積(炭素部分だけの面積でなく、空隙も含んで単なる円又は長方形とみた場合の面積)あたりの意味である。
(脱塩試験の結果)
実施例1において、塩化ナトリウム水溶液の濃度を2mM、流量を8ml/minとして、電圧印加→開回路を20分毎に繰り返したときの電流−時間曲線を図5に示す。また、このときの吸着量変化を図6に示す。印加した電圧は、1.0V、1.2V、1.4V、1.6Vであった。電圧印加時のアノード電流は、カーボンフェルト/塩水界面の電気二重層の充電によるものであり、脱塩に関わる電荷である。開回路時の電流は放電によるものであり、放電の間、充電時に吸着されたイオンが脱着される。図6に示されたように、電圧印加直後からカーボンフェルト(CF)上のNaCl吸着量は増大し始め、20分後にはほぼ飽和値に達した。このように実施例のキャパシタ脱塩セルは、脱塩処理速度が速いことが確かめられた。また、NaCl吸着量は印加電圧が大きくなるにつれ増大した。いずれの電圧で脱塩操作(NaCl吸着)を行った後でも休止(開回路)中にNaCl吸着量はゼロに戻っており、20分間で脱着反応が完了すること、すなわち、実施例のキャパシタ脱塩セルは、速い脱着速度を有していることを示している。また、逆電圧をかけることなく開回路とするだけで素早く塩イオンを脱着させることができる。図6より算出した充電(電圧印加)時の電荷と放電(開回路)時の電荷の比(クーロン効率)及び各種パラメーターを表1に示した。平衡吸着量は印加電圧が大きくなるにつれ、増大し、1.6Vで4.44mg−NaCl/1g−CF(1gのカーボンフェルトあたり、NaClの吸着量が4.44mg)であった。電荷効率Λ1は、「(NaCl吸着量(mol)×ファラデー定数)/脱塩に要した電気量(Q)」を表し、電荷効率Λ2は、「(NaCl吸着量(mol)×ファラデー定数)/(Q−Q)」を表す。表1に示すように電荷効率は1.4Vで最大になった。図6の吸着データより、擬一次速度モデルを使って吸着速度を求めた。Rが最も大きい条件での吸着速度定数は0.183mg・g−1・min-1であった(R=0.9922のとき)。
実施例1において、塩化ナトリウム水溶液の濃度を2mMとして、1.2Vの電圧印加と休止(開回路)を20分毎に繰り返した結果を図7に示す。3回の応答に有意な変化はなく、20分間のon−offに対して良好な繰返し性を示した。
比較例1において、塩化ナトリウム水溶液の濃度を2mM、流量を8ml/minとして、電圧印加→開回路を20分毎に繰り返したときの電流−時間曲線を図8に示す。また、このときの吸着量変化を図9に示す。印加した電圧は、1.0V、1.2V、1.4V、1.6Vであった。図8の電流密度は図5よりも明らかに小さい。これは図3、4の電気化学応答とも一致しており、幾何面積当たりの有効電気化学表面積がカーボンフェルトの方が活性炭シートよりも大きいためと考えられる。印加電圧が大きくなるにつれ、充電電流が大きくなっている。放電電流の大きさも充電電流の大きさと一致している。また、図9と図6を比較すると、20分間での吸着量は、比較例のキャパシタセルよりも実施例のキャパシタセルの方が大きい。実施例のキャパシタセルでは、図6に示すように20分以内に吸着量が最大値に達するのに対して、比較例のキャパシタセルでは、いずれの電圧においても20分では吸着量が最大値に達しない。すなわち、1cm当たりの脱塩処理速度はカーボンフェルトを組み込んだ実施例のフロースルー型セルの方が、従来のフロービトウィーン型のセルよりも明らかに速い。また、本発明のキャパシタセルは、従来のキャパシタセルに対して脱着速度についても顕著な差を有する。すなわち、実施例のキャパシタセルは、図6に示されるとおり、脱着速度は吸着速度よりも速く、20分以内に十分初期値に戻り、完全に脱着(再生)される。これに対し、比較例のキャパシタセルは、図9に示されるとおり、脱着速度は吸着速度よりもさらに遅い。脱塩処理速度の違いは、NaとClイオンの活性炭表面への拡散速度の違いを反映していると考えられる。すなわち、本発明のカーボンフェルト−フロースルーセルは、i)送液方向と電場の方向が一致していること、ii)活性炭を練り込んだシートとは異なりバインダーによるイオン拡散の妨害が無いこと、iii)細孔がオープン、iv)イオン交換膜による妨害が無いことがその要因として挙げられる。
図6及び図9に示される結果において、印加電圧1.2Vのときについて単位面積当たりの吸着量の時間変化を図10に示す。図10から脱塩処理速度の見積もりを行った。図10(a)の各プロットの初期勾配より、実施例1の脱塩セル、比較例1の脱塩セルの脱塩処理速度を求めたところ、それぞれ0.0100mg/cm・minと0.0056mg/cm・minであり、前者は後者の約2倍であった。また、図10(b)の各プロットの初期勾配より、実施例1の脱塩セル、比較例1の脱塩セルの塩イオンの脱着速度を求めたところ、それぞれ0.0242mg/cm・minと0.0105mg/cm・minであり、前者は後者の2倍以上であった。
比較例2において、20分でon−offするのではなく、脱塩工程および塩脱着工程が完了するまでそれぞれの状態で360分保持した。その他の条件は、比較例1と同じであった。1.2Vを360分印加し、その後開回路で360分保持したときの電流−時間曲線を図11に示す。図12は、図11と同時に測定した吸着量−時間曲線であり、図12(a)は脱塩工程を表し、図12(b)は、塩脱着工程を表す。脱塩工程(a)では約200分で最大値に達し、最大値は0.3342mg/cmであった。塩脱着工程(b)では脱着に200分以上かかっているが、最終的にすべての塩イオンが脱着された。また、図11及び図12より算出された電荷効率を表2に示す。比較のため、表1の同条件の値も同表に付す。比較例のフロービトウィーン型セルは、平衡吸着量が実施例のフロースルー型セルの3倍となっているが、平衡に達するまでの時間が、フロースルー型セルが20分であったのに対し、フロービトウィーン型セルは200分と5倍になっており、さらに脱着時間は200分以上となっている。実施例のフロースルー型セルは再生(脱着)に要する時間20分を含めたとしても、フロービトウィーン型セルの脱塩時間200分の間に5サイクルの脱塩・再生が可能であり、さらにフロービトウィーン型セルの再生時間も含めた1サイクルの間に10サイクル以上の脱塩・再生が可能である。したがって、実施例に示された本発明のフロースルー型セルは、吸着容量が3分の1であっても、時間あたりの処理能力は、比較例に示された従来型のフロービトウィーン型セルよりも優れる。また、本発明のフロースルー型セルで頻繁に再生を行い、その放電電流を蓄積できれば実質的な電荷効率の向上に繋がる。
実施例1において、塩化ナトリウム水溶液の濃度を5mM、10mM、15mMとし、流量を8ml/minとして、電圧印加→開回路を20分毎に繰り返したときの吸着量変化(印加電圧:1.0V、1.2V、1.4V、1.6V)を、図13〜15にそれぞれ示す。いずれの場合も、吸着量は20分後にはほぼ飽和値に達し、塩化ナトリウム水溶液の濃度が2mMの場合と同様の結果が得られた。また、塩化ナトリウム水溶液の濃度を5mM、10mM、15mMとし、流量を8ml/minとして、1.2Vの電圧印加と休止(開回路)を20分毎に繰り返した場合も、塩化ナトリウム水溶液の濃度が2mMの場合と同様の結果が得られ、3回の応答に有意な変化はなく、20分間のon−offに対して良好な繰返し性を示した。
本発明のキャパシタは、脱塩処理速度と塩の脱着速度に優れ、逆電圧を印加することなく開回路で塩の脱着が可能である。また、電極を形成する際に、活性炭とバインダーを混練する必要がないので、電極の形成が容易である。このため、液体中の各種イオンを除去する脱塩装置用のキャパシタとして好適に利用できる。また、本発明のキャパシタを備える脱塩装置は、脱塩処理速度と塩の脱着速度に優れ、逆電圧を印加することなく開回路で塩の脱着が可能であり消費エネルギーを低減できるため、例えば、汽水の淡水化処理、水道水の脱塩処理、工業用水の脱塩処理、軟水化処理等の各種のイオンを含んだ液体からイオンを除去する脱塩用途に好適に利用でき、家庭用軟水器等の小型装置用途にも好適に利用できる。
1 カーボンフェルト
2 カーボンフェルト
3 セパレータ
4 集電体
5 集電体
6 導線
7 導線
8 パッキン
9 貯液部
10 供給口
11 排出口
12 筐体(セルハウジング)
13 供給路
14 排出路
15 洗浄用供給口
16 活性炭シート
17 活性炭シート
18 セパレータ
19 グラファイトシート
20 グラファイトシート
21 ステンレス板
22 ステンレス板
23 アクリルホルダー
24 供給口
25 排出口
26 筐体

Claims (5)

  1. カーボンフェルトと多孔質の集電体とを備える第1の電極及び第2の電極、並びに多孔質のセパレータを備え、
    前記第1の電極と第2の電極を、各電極の前記カーボンフェルトが前記セパレータを介して対向するように配置し、
    前記第1の電極のカーボンフェルトに前記セパレータ側と反対側から液体を供給する供給口及び供給路と、前記第2の電極のカーボンフェルトの前記セパレータ側と反対側から排出される液体を排出する排出口及び排出路とを備え、
    前記供給口から供給された液体が、前記第1の電極のカーボンフェルトと前記第2の電極のカーボンフェルトを透過して前記排出口から排出されるように構成されたキャパシタ。
  2. 供給路に、貯液部を設けることを特徴とする請求項1記載のキャパシタ。
  3. カーボンフェルトの比表面積が、700〜2000m/gであることを特徴とする請求項1又は2記載のキャパシタ。
  4. 正極側の電極にアニオン交換膜を配置し、負極側の電極にカチオン交換膜を配置することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のキャパシタ。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載のキャパシタを備えることを特徴とする脱塩装置。


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