JP2018157999A - X線撮影システム - Google Patents

X線撮影システム Download PDF

Info

Publication number
JP2018157999A
JP2018157999A JP2017057519A JP2017057519A JP2018157999A JP 2018157999 A JP2018157999 A JP 2018157999A JP 2017057519 A JP2017057519 A JP 2017057519A JP 2017057519 A JP2017057519 A JP 2017057519A JP 2018157999 A JP2018157999 A JP 2018157999A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ray
grating
gratings
alignment shape
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017057519A
Other languages
English (en)
Inventor
泰憲 坪井
Yasunori Tsuboi
泰憲 坪井
友希 船木
Yuki Funaki
友希 船木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2017057519A priority Critical patent/JP2018157999A/ja
Publication of JP2018157999A publication Critical patent/JP2018157999A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Abstract

【課題】モアレ縞による精密調整の前に行われる格子の粗調を、モアレ縞によらない手段によって高精度かつ簡便に行うことである。【解決手段】X線タルボ撮影装置と、X線照射軸に対する格子の位置を調整するための調整手段と、を備えたX線撮影システムであって、調整手段が、複数の格子のうち少なくとも二つの格子又は当該少なくとも二つの格子それぞれを保持する少なくとも二つの格子ホルダーに設けられ、かつ、通常のX線撮影で検出可能なアライメント形状部を有し、アライメント形状部が、少なくとも二つの格子又は少なくとも二つの格子ホルダーのうちの、X線照射軸上に位置している。【選択図】図6

Description

本発明は、X線撮影システムに関する。
従来、X線撮影装置として、一次元格子を有するタルボ干渉計又はタルボ・ロー干渉計を用いたX線撮影装置(以下、X線タルボ撮影装置という)が知られている。そして、X線タルボ撮影装置により高精細の再構成画像を得るには、複数の格子のうちのひとつを格子のスリット周期の1/M(Mは正の整数、吸収画像はM>2、微分位相画像と小角散乱画像はM>3)ずつスリット周期方向に移動させ、M回撮影した画像(モアレ画像)を用いて再構成を行う縞走査法が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。
X線タルボ撮影装置において、光軸に対する格子及び格子機能を有するシンチレーターの位置精度は、数十μmの高精度が必要となる。格子間の距離は原理的に大きくなることが多く、部品精度のみでこれらの精度を実現することは現実的ではない。そのため、X線タルボ撮影装置を組み立てた後の調整が必要となる。そして、このような高精度な調整には、不要な格子領域に周期や角度の異なるアライメント格子パターンを配置したり、回折光の光量分布を撮像素子を用いて測定したりする等、モアレ縞を利用することが行われている(例えば、特許文献2,3参照。)。
特許第4445397号公報 特開2011−227041号公報 特開2011−257360号公報
ところが、調整に十分な状態のモアレ縞を得るには、格子の面内全域において、およそ±1mm以下、光軸に対する回転方向で0.2度以下の位置まで、事前に調整されている必要がある。しかし、1mを超す大きさのX線タルボ撮影装置の機構において、部品精度によってこれらを満足することは、技術的難易度からコスト面での高騰を招き、現実的ではない。したがって、モアレ縞による精密調整を行う前に、それ以外の方法で粗調を行う必要がある。
本発明の課題は、モアレ縞による精密調整の前に行われる格子の粗調を、モアレ縞によらない手段によって高精度かつ簡便に行うことである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、X線源と、複数の格子と、X線検出器とがX線照射軸方向に並んで設けられ、前記X線源から被写体および前記複数の格子を介して前記X線検出器にX線を照射して前記X線検出器でモアレ画像を撮影するX線タルボ撮影装置と、
前記X線照射軸に対する格子の位置を調整するための調整手段と、
を備えたX線撮影システムであって、
前記調整手段は、前記複数の格子のうち少なくとも二つの格子又は当該少なくとも二つの格子それぞれを保持する少なくとも二つの格子ホルダーに設けられ、かつ、通常のX線撮影(一般撮影、単純撮影ともいう)で検出可能なアライメント形状部を有し、
前記アライメント形状部は、前記少なくとも二つの格子又は前記少なくとも二つの格子ホルダーのうちの、前記X線照射軸上に位置していることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のX線撮影システムにおいて、
前記アライメント形状部は、前記X線照射軸中心に垂直な平面内の一方向におけるサイズが、前記X線の焦点から前記少なくとも二つの格子のそれぞれ又は前記少なくとも二つの格子ホルダーのそれぞれまでの距離に応じて設定されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のX線撮影システムにおいて、
前記アライメント形状部は、前記少なくとも二つの格子又は前記少なくとも二つの格子ホルダーに対し、前記X線照射軸中心に対して対称となる位置に一対以上設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のX線撮影システムにおいて、
前記少なくとも二つの格子として湾曲格子が用いられた場合に、一対以上の前記アライメント形状部は、前記湾曲格子における湾曲中心の同軸線上に設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のX線撮影システムにおいて、
前記調整手段は、
前記X線検出器上に投影された投影像のサイズ及び形状を測定するための測定手段と、
前記測定手段によって測定された前記アライメント形状部の投影像のサイズ及び形状に基づいて前記少なくとも二つの格子の姿勢を検出する姿勢検出手段と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、モアレ縞による精密調整を行う前に行われる格子の粗調を、モアレ縞によらない手段によって高精度かつ簡便に行うことができる。
X線タルボ撮影装置の全体像を表す概略図である。 タルボ干渉計の原理を説明する図である。 線源格子や第1格子、第2格子の概略平面図である。 図1に示すX線タルボ撮影装置の具体的構成を表す斜視図である。 第1格子ユニットの斜視図である。 (a)は第1格子及び格子ホルダーの平面図であり、(b)はアライメント形状部が設けられたE部の拡大図である。 アライメント形状部の位置を説明する図である。 アライメント形状部のサイズ及び形状を説明する図である。 調整手段によって行われる格子の粗調について説明する図である。 調整手段によって行われる格子の粗調について説明する図である。 調整手段によって行われる格子の粗調について説明する図である。 線源格子や第1格子、第2格子の構成例について説明する図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態および図示例に限定するものではない。
本実施形態では、被写体Hの撮影を行うべく、X線タルボ撮影装置1を組み立て、モアレ縞による精密調整によって複数の格子12,14,15の位置調整を行う前に、X線照射軸に対する格子12,14,15の位置を調整するための調整手段によって、複数の格子12,14,15の粗調を行うことができるX線撮影システムについて説明する。
また、本実施形態では、X線タルボ撮影装置1としては、線源格子(マルチ格子やマルチスリット、G0格子等ともいう。)12を備えるタルボ・ロー干渉計を用いたものが採用されている。なお、線源格子12を備えず、第1格子(G1格子ともいう。)14と第2格子(G2格子ともいう。)15のみを備えるタルボ干渉計を用いたX線タルボ撮影装置を採用することもできる。
[X線タルボ撮影装置について]
図1は、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1の全体像を表す概略図である。本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1は、X線発生装置11と、線源格子12と、被写体台13と、第1格子14と、第2格子15と、X線検出器16と、支柱17と、基台部18と、を備えている。
このようなX線タルボ撮影装置1によれば、被写体台13に対して所定位置にある被写体Hのモアレ画像を縞走査法の原理に基づく方法で撮影したり、モアレ画像をフーリエ変換法を用いて解析したりすることで、少なくとも3種類の画像を再構成することができる(再構成画像という)。すなわち、モアレ画像におけるモアレ縞の平均成分を画像化した吸収画像(通常のX線の吸収画像と同じ)と、モアレ縞の位相情報を画像化した微分位相画像と、モアレ縞のVisibility(鮮明度)を画像化した小角散乱画像の3種類の画像である。なお、これらの3種類の再構成画像を再合成する等してさらに多くの種類の画像を生成することもできる。
なお、縞走査法とは、複数の格子のうちのひとつを格子のスリット周期の1/M(Mは正の整数、吸収画像はM>2、微分位相画像と小角散乱画像はM>3)ずつスリット周期方向に移動させてM回撮影したモアレ画像を用いて再構成を行い、高精細の再構成画像を得る方法である。
また、フーリエ変換法とは、被写体が存在する状態で、X線タルボ撮影装置でモアレ画像を1枚撮影し、画像処理において、そのモアレ画像をフーリエ変換する等して微分位相画像等の画像を再構成して生成する方法である(例えば、特許第4445397号公報参照。)。
ここで、まず、タルボ干渉計やタルボ・ロー干渉計に共通する原理について、図2を用いて説明する。
なお、図2では、タルボ干渉計の場合が示されているが、タルボ・ロー干渉計の場合も基本的に同様に説明される。また、図2におけるz方向が図1のX線タルボ撮影装置1における鉛直方向に対応し、図2におけるx、y方向が図1のX線タルボ撮影装置1における水平方向(前後、左右方向)に対応する。
また、図3に示すように、第1格子14や第2格子15には(タルボ・ロー干渉計の場合は線源格子12にも)、X線の照射方向であるz方向と直交するx方向に、所定の周期dで複数のスリットSが配列されて形成されている。
図2に示すように、X線源11aから照射されたX線(タルボ・ロー干渉計の場合はX線源11aから照射されたX線が線源格子12(図2では図示省略)で多光源化されたX線)が第1格子14を透過すると、透過したX線がz方向に一定の間隔で像を結ぶ。この像を自己像(格子像等ともいう。)といい、このように自己像がz方向に一定の間隔をおいて形成される現象をタルボ効果という。
すなわち、タルボ効果とは、図3に示すように一定の周期dでスリットSが設けられた第1格子14を可干渉性(コヒーレント)の光が透過すると、上記のように光の進行方向に一定の間隔でその自己像を結ぶ現象をいう。
そして、図2に示すように、第1格子14の自己像が像を結ぶ位置に、第1格子14と同様にスリットSが設けられた第2格子15を配置する。その際、第2格子15のスリットSの延在方向(すなわち図2ではx軸方向)が、第1格子14のスリットSの延在方向に対して略平行になるように配置すると、第2格子15上でモアレ画像Moが得られる。
なお、図2では、モアレ画像Moを第2格子15上に記載するとモアレ縞とスリットSとが混在する状態になって分かりにくくなるため、モアレ画像Moを第2格子15から離して記載している。しかし、実際には第2格子15上およびその下流側でモアレ画像Moが形成される。そして、このモアレ画像Moが、第2格子15の直下に配置されるX線検出器16で撮影される。
また、図2に示すように、X線源11aと第1格子14との間に(すなわち図1の被写体台13上に)被写体Hが存在すると、被写体HによってX線の位相がずれるため、モアレ画像Moのモアレ縞が被写体の辺縁を境界に乱れる。一方、図示を省略するが、X線源11aと第1格子14との間に被写体Hが存在しなければ、モアレ縞のみのモアレ画像Moが現れる。以上がタルボ干渉計やタルボ・ロー干渉計の原理である。
この原理に基づいて、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1においても、例えば図1に示すように、第2のカバーユニット130内で、第1格子14の自己像が像を結ぶ位置に第2格子15が配置されるようになっている。また、前述したように、第2格子15とX線検出器16とを離すとモアレ画像Mo(図2参照)がぼやけるため、本実施形態では、X線検出器16は第2格子15の直下に配置されるようになっている。
なお、第2のカバーユニット130は、人や物が第1格子14や第2格子15、X線検出器16等にぶつかったり触れたりしないようにして、X線検出器16等を防護するために設けられている。
図示を省略するが、X線検出器16は、照射されたX線に応じて電気信号を生成する変換素子が二次元状(マトリクス状)に配置され、変換素子により生成された電気信号を画像信号として読み取るように構成されている。そして、本実施形態では、X線検出器16は、第2格子15上に形成されるX線の像である上記のモアレ画像Moを変換素子ごとの画像信号として撮影するようになっている。
そして、本実施形態では、X線タルボ撮影装置1は、いわゆる縞走査法を用いてモアレ画像Moを複数枚撮影するようになっている。すなわち、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1では、第1格子14と第2格子15との相対位置を図1〜図3におけるx軸方向(すなわちスリットSの延在方向(y軸方向)に直交する方向)にずらしながらモアレ画像Moを複数枚撮影する。
そして、X線タルボ撮影装置1から複数枚分のモアレ画像Moの画像信号を受信した図示しない画像処理装置における画像処理で、複数枚のモアレ画像Moに基づいて、吸収画像や、微分位相画像や、小角散乱画像等を再構成するようになっている。
そのため、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1は、縞走査法によりモアレ画像Moを複数枚撮影するために、第1格子14をx軸方向に所定量ずつ移動させることが可能な第1格子ユニット140を備える。なお、第1格子14を移動させる代わりに第2格子15を移動させたり、或いは両方とも移動させたりするように構成することも可能である。すなわち、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1は、第2格子15をx軸方向に所定量ずつ移動させることが可能な第2格子ユニット150を備える。
また、X線タルボ撮影装置1で、第1格子14と第2格子15との相対位置を固定したままモアレ画像Moを1枚だけ撮影し、画像処理装置における画像処理で、このモアレ画像Moをフーリエ変換法等を用いて解析する等して吸収画像や微分位相画像等を再構成するように構成することも可能である。
本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1における他の部分の構成について説明する。本実施形態では、いわゆる縦型であり、X線発生装置11、線源格子12、被写体台13、第1格子14、第2格子15、X線検出器16が、この順序に重力方向であるz方向に配置されている。すなわち、本実施形態では、z方向が、X線発生装置11からのX線の照射方向ということになる。
X線発生装置11は、X線源11aとして、例えば医療現場で広く一般に用いられているクーリッジX線源や回転陽極X線源等を備えている。また、それ以外のX線源を用いることも可能である。本実施形態のX線発生装置11は、焦点からX線をコーンビーム状に照射するようになっている。すなわち、X線発生装置11から離れるほどX線が広がるように照射される。
そして、本実施形態では、X線発生装置11の下方に線源格子12が設けられている。その際、X線源11aの陽極の回転等により生じるX線発生装置11の振動が線源格子12に伝わらないようにするために、本実施形態では、線源格子12は、X線発生装置11には取り付けられず、支柱17に設けられた基台部18に取り付けられた固定部材12aに取り付けられている。
なお、本実施形態では、X線発生装置11の振動が支柱17等のX線タルボ撮影装置1の他の部分に伝播しないようにするために(あるいは伝播する振動をより小さくするために)、X線発生装置11と支柱17との間に緩衝部材17aが設けられている。
本実施形態では、上記の固定部材12aには、線源格子12のほか、線源格子12を透過したX線の線質を変えるためのろ過フィルター(付加フィルターともいう。)112や、照射されるX線の照射野を絞るための照射野絞り113、X線を照射する前にX線の代わりに可視光を被写体に照射して位置合わせを行うための照射野ランプ114等が取り付けられている。
なお、線源格子12とろ過フィルター112と照射野絞り113とは、必ずしもこの順番に設けられる必要はない。また、本実施形態では、線源格子12等の周囲には、それらを保護するための第1のカバーユニット120が配置されている。
また、コントローラー19(図1参照)は、本実施形態では、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピューターで構成されている。なお、コントローラー19を、本実施形態のような汎用のコンピューターではなく、専用の制御装置として構成することも可能である。また、コントローラー19には、図示はしないが、操作部を含む入力手段や出力手段、記憶手段、通信手段等の適宜の手段や装置が設けられている。
コントローラー19は、X線タルボ撮影装置1に対する全般的な制御を行うようになっている。すなわち、例えば、コントローラー19は、X線発生装置11に接続されており、X線源11aに管電圧や管電流、照射時間等を設定することができるようになっている。また、例えば、コントローラー19が、X線検出器16と外部の図示しない画像処理装置等との信号やデータの送受信を中継するように構成することも可能である。
また、X線タルボ撮影装置1が、本実施形態のように縞走査法によりモアレ画像Moを複数枚撮影するように構成されている場合には、コントローラー19が、上記の第1格子ユニット140(あるいは第2格子ユニット150あるいはその両方)を制御して、第1格子14(あるいは第2格子15あるいはその両方)を移動させる所定量を調整したり、格子の移動とX線発生装置11からのX線の照射とのタイミングを調整する等の処理を行うように構成される。なお、本実施形態においては、コントローラー19が、第1格子ユニット140(第2格子ユニット150)を制御して、第1格子14(第2格子15)を移動させるものとしたが、コスト軽減のため、手動操作によって第1格子14(第2格子15)を移動させてもよい。
なお、X線発生装置11を制御するコントローラーとして、X線発生装置11専用のジェネレーターを用い、格子14,15を移動させる第1及び第2移動装置21,24を制御する等するためのコントローラー19を、X線発生装置11のジェネレーターとは別体の装置として構成することも可能であり、コントローラー19の構成は適宜決められる。
[調整手段について]
本実施形態における調整手段は、コントローラー19による制御と、X線タルボ撮影装置1の各部との協働により、X線タルボ撮影装置1における格子12,14,15及びその他の部位の位置(姿勢)を調整することができる。
図4は、上記の線源格子12を始めとする図示されない各部位を含んだX線タルボ撮影装置1の具体的構成を示す斜視図である。図4には、X線発生装置11、被写体台13、線源格子ユニット120、第1格子ユニット140、第2格子ユニット150、X線検出器16、X線検出器保持部16a、支柱17、基台部18が表れている。
線源格子ユニット120は、基台部18の上端部に設けられてX線タルボ撮影装置1に組み込まれており、第1格子ユニット140および第2格子ユニット150は、基台部18の下端部側に設けられてX線タルボ撮影装置1に組み込まれている。
X線検出器保持部16aは、被写体台13の手前側に設けられ、X線検出器16のゲイン等のキャリブレーション時にX線検出器16を保持するものである。本実施形態では、X線源11aのX線照射方向を変えることができるようになっており、X線検出器16のキャリブレーション時には、X線の光軸がマルチ格子12、第1格子14及び第2格子15の上から外れる状態(キャリブレーション状態 図8参照)まで、X線源11aの向きが調整される。X線検出器保持部25は、被写体台13に取り付けられた状態において、X線源11aのX線照射方向がキャリブレーション状態に調整された際のX線源11aの光軸の延長線上に配置されるようになっており、X線検出器保持部25の上にX線検出器16を保持してX線源11aからX線を照射し、撮影を行うことにより、マルチ格子12、第1格子14及び第2格子15の画像が映りこんでいないキャリブレーション用の画像を取得することができる。
第1格子ユニット140は、第1格子14を保持する第1格子ホルダー22を、x方向、y方向、z方向、θx方向、θy方向、θz方向に移動させるためのものである。このような第1格子ユニット140としては、例えば6軸マニピュレーター等のような駆動装置が採用されており、第1格子14を保持する第1格子ホルダー22を、上記の6方向(x方向、y方向、z方向、θx方向、θy方向、θz方向)に移動させることができる。すなわち、第1格子ユニット140によって、第1格子14をx方向、y方向、z方向、θx方向、θy方向、θz方向に移動させることができる。なお、本実施形態においては、第1格子14を上記の6方向に移動させることができるとしたが、必要に応じて、その移動方向が削減可能である。
また、図5(a),(b)は、第1格子ユニット140を上側から見た斜視図であり、図5(c)は斜め上方向から見た斜視図である。なお、線源格子ユニット120及び第2格子ユニット150は、第1格子ユニット140と同一の構成となっているため、図示及び説明を省略する。
第1格子ユニット140は、図5(a),(b),(c)に示すように、基台部18に取り付けられるほぼL字状の基台取付部141と第1格子ユニット本体142とを備えている。この第1格子ユニット本体142は、基台取付部141における床面に対してほぼ水平に配置されている面に載置されている。
基台取付部141は、基台部18への取り付け位置を調整することにより、第1格子14と、第2の格子15やマルチ格子12との間における相対距離を調整可能とする相対距離調整機構として機能する。
また、第1格子ユニット本体142の上側面には、第1格子14をx方向に移動させるためのリニアガイド143が設けられている。
第1格子ユニット本体142には、支持部14aに支持された第1格子ホルダー22が設けられている他、第1格子14を移動させるための第1格子駆動部として、x方向移動用モータ145a、第1格子14をx方向に回転させるためのθx回転用モータ145bが設けられている。
x方向移動用モータ145aは、通電駆動される駆動源であり、例えばパルス信号に正確に同期して動作するステッピングモータ(パルスモータ)等、高精度の動作制御を行うことのできるモータにより構成されている。
本実施形態では、駆動源であるx方向移動用モータ145aが駆動すると、当該駆動源の出力を被駆動部である支持部14aまで伝達する伝達系を構成するボールねじ144が回転し、支持部14aに支持された第1格子14がリニアガイド143にガイドされてx方向に移動するようになっている。
駆動源であるx方向移動用モータ145aと伝達系であるボールねじ144及びリニアガイド143によって第1格子ユニット140の移動部が構成されており、この移動部は重力方向(z方向)と直交する方向に移動する移動要素のみにより構成されている。
図5に示す例では、x方向及びθx方向への移動のみについて説明したが、y方向、θy方向、z方向、θz方向への移動についても、同様の機構を採用したり、その他の図示しない機構を採用したりすることによって、本実施形態における第1格子ユニット140は、上記の6方向に第1格子14を移動可能となっているものとする。
線源格子ユニット120及び第2格子ユニット150も、第1移動装置21と同様に駆動装置が採用されており、線源格子ユニット120及び第2格子ユニット150によって、線源格子12及び第2格子15をx方向、y方向、z方向、θx方向、θy方向、θz方向に移動させることができる。
線源格子ユニット120、第1格子ユニット140、第2格子ユニット150は、コントローラー19によって制御されており、その制御に基づいて線源格子ホルダー、第1格子ホルダー22及び第2格子ホルダー25を動作させて、線源格子12、第1格子14及び第2格子15を移動させることができる。ただし、上述のように手動操作で移動させてもよい。
第1格子ホルダー22及び第2格子ホルダー25には、図6(a),(b)に示すように、通常のX線撮影で検出可能な第1アライメント形状部23及び第2アライメント形状部26がそれぞれ設けられている。これら第1格子ホルダー22及び第2格子ホルダー25は、第1アライメント形状部23及び第2アライメント形状部26のある部分におけるX線の透過率が、無い部分におけるX線透過率とは異なり、タルボ及びタルボ・ロー効果によらない、通常のX線撮影(一般撮影、単純撮影)によるX線吸収像が投影される。一般撮影により、X線検出器16等に投影された第1アライメント形状部23の像は、以下、投影像23aとし、第2アライメント形状部26の像は、以下、投影像26aとする。
なお、本実施形態においては、第1アライメント形状部23及び第2アライメント形状部26は、第1格子ホルダー22及び第2格子ホルダー25のそれぞれに設けられているものとしたが、これに限られるものではない。すなわち、第1アライメント形状部23及び第2アライメント形状部26は、第1格子14及び第2格子15のそれぞれに設けられるようにしてもよい。
第1アライメント形状部23及び第2アライメント形状部26は、通常のX線撮影(一般撮影、単純撮影ともいう)で検出可能な形状であればよく、丸穴、長穴、角穴、凸形状等、形状については特に限定されない。また、第1格子ホルダー22及び第2格子ホルダー25とは異なる材質(X線の透過率)の部材を、第1格子ホルダー22及び第2格子ホルダー25に取り付けることにより第1アライメント形状部23及び第2アライメント形状部26を構成してもよい。
そして、第1アライメント形状部23及び第2アライメント形状部26は、図7に示すように、第1格子ホルダー22及び第2格子ホルダー25のうち、X線照射軸上に位置している。上記のように本実施形態のX線発生装置11は、焦点からX線をコーンビーム状に照射するため、第1アライメント形状部23及び第2アライメント形状部26は、コーンビーム状に照射されるX線の照射範囲に位置している。
さらに、第1アライメント形状部23及び第2アライメント形状部26は、X線照射軸中心Caに垂直な平面内(すなわち、第1格子ホルダー22及び第2格子ホルダー25の上面内)の一方向におけるサイズが、X線の焦点から第1格子ホルダー22及び第2格子ホルダー25のそれぞれまでの距離に応じて設定されている。
つまり、図8(a)におけるb部は、第1格子ホルダー22の高さ位置にある第1アライメント形状部23を指しており、c部は、第2格子ホルダー25の高さ位置にある第2アライメント形状部26を指しており、d部は、X線検出器16上に投影された投影像27(23a,26a)を指している。また、X線源11aの焦点から第1アライメント形状部23までのz方向の距離はL1とされ、X線源11aの焦点から第2アライメント形状部26までのz方向の距離はL2とされている。
図8(b)は、上記のb部における第1アライメント形状部23のサイズ及び形状を示しており、当該第1アライメント形状部23は丸穴で、その直径がR1となっている。図8(c)は、上記のc部における第2アライメント形状部26のサイズ及び形状を示しており、当該第2アライメント形状部26は丸穴で、その直径がR2となっている。図8(d)は、上記のd部における投影像27は、第1アライメント形状部23の投影像23aと第2アライメント形状部26の投影像26aとが重なり合って形成されたものである。
投影像27(23a,26a)にズレが生じていると、第1格子14と第2格子15のいずれかの姿勢を調整する必要があることが判明するようになっている。投影像27(23a,26a)は、通常のX線撮影で撮影された画像(すなわち、吸収画像。)に写り込むこととなる。また、第1アライメント形状部23の投影像23aと第2アライメント形状部26の投影像26aにズレが生じていた場合、その状態が通常のX線撮影で撮影された画像に写り込むこととなる。
また、第1アライメント形状部23及び第2アライメント形状部26は、第1格子ホルダー22及び第2格子ホルダー25に対し、X線照射軸中心Caに対して対称となる位置に一対以上設けられている(図6,図9〜図11参照。)。本実施形態においては、X線照射軸中心Caを通過するy軸方向に沿って一対の第1アライメント形状部23,23及び一対の第2アライメント形状部26,26が設けられている。
なお、本実施形態における一対の第1アライメント形状部23,23及び一対の第2アライメント形状部26,26は、その形状が一定となっている。すなわち、例えば一方の第1アライメント形状部23の形状が丸穴であった場合、他方の第1アライメント形状部23の形状も丸穴となっている。また、一方の第2アライメント形状部26の形状が丸穴であった場合、他方の第2アライメント形状部26の形状も丸穴となっている。ただし、これに限られるものではなく、一対の第1アライメント形状部23,23をそれぞれ別の形状としてもよい。
このように一方の第1アライメント形状部23の形状と、他方の第1アライメント形状部23の形状を異なるものとする場合は、これら一対の第1アライメント形状部23,23の形状に合わせて、一方の第2アライメント形状部26の形状と、他方の第2アライメント形状部26の形状も異なるものとする必要がある。すなわち、X線照射軸上に位置する第1アライメント形状部23と第2アライメント形状部26同士の場合は、第1格子14と第2格子15のX線源11aに対する姿勢が適切な場合において投影像23a,26aが重なり合うため、サイズが異なり、かつ形状を同一にする必要がある。
調整手段は、X線検出器16上に投影された投影像27(23a,26a)のサイズ及び形状を測定するための測定手段と、この測定手段によって測定されたアライメント形状部23,26の投影像23a,26aのサイズ及び形状に基づいて、第1格子14及び第2格子15の姿勢を検出する姿勢検出手段と、を有する。
コントローラー19に設けられた上記の記憶手段には、測定手段及び姿勢検出手段による処理を行うためのプログラムが記憶されている。X線検出器16上に投影された投影像27(23a,26a)のサイズ及び形状を測定する処理(測定処理)は、コントローラー19におけるCPU等と、記憶手段に記憶された測定プログラムとの協働により行われる。また、測定手段によって測定されたアライメント形状部23,26の投影像23a,26aのサイズ及び形状に基づいて、第1格子14及び第2格子15の姿勢を検出する処理(姿勢検出処理)は、コントローラー19におけるCPU等と、記憶手段に記憶された姿勢検出プログラムとの協働により行われる。
上記のように、X線検出器16は、照射されたX線に応じて電気信号を生成する変換素子が二次元状(マトリクス状)に配置され、変換素子により生成された電気信号を画像信号として読み取るように構成されている。そのため、測定処理では、X線検出器16上に投影された投影像27(23a,26a)のサイズ及び形状を、照射されたX線に応じて生成された電気信号に基づく画像信号から測定することができる。
X線検出器16上に投影された投影像27(23a,26a)のサイズ及び形状が測定手段によって測定できれば、第1格子14及び第2格子15の姿勢がどのような状態であるかも容易に判明する。姿勢検出処理では、X線源11aからX線検出器16の距離を事前に測定しておき、上記の距離L1,L2を、第1アライメント形状部23と第2アライメント形状部26との間の投影距離の測定結果を元に算出することで、X線照射軸方向の第1格子14及び第2格子15(第1格子ホルダー22及び第2格子ホルダー25)の位置を導き出すことができる。すなわち、姿勢検出処理においてはz方向の定量測定が行われている。
[調整手段による粗調の説明]
以上のような構成の調整手段によって、第1格子14及び第2格子15の姿勢を調整する(粗調を行う)場合は、まず、測定手段によって投影像27(23a,26a)のサイズ及び形状を測定し、姿勢検出手段によって、第1格子14及び第2格子15の姿勢がどのような状態であるかを検出する。すなわち、例えば図9(b)に示すような状態の投影像27(23a,26a)がX線検出器16上に投影されれば、図9(a)に示すように第1格子14が下方に下がっていることが容易に判明する。
第1格子14及び第1格子ホルダー22が下方に下がっていた場合は、一対の第1アライメント形状部23,23の投影像23a,23aは、中央側に寄るとともに直径が小さくなってしまい、一対の第2アライメント形状部26,26の投影像26a,26aとのズレが生じた状態となる。
高さ方向の粗調を行う場合は、一対の第1アライメント形状部23,23の投影像23a,23aと、一対の第2アライメント形状部26,26の投影像26a,26aとが重なり合うまで、第1格子14及び第1格子ホルダー22を上方又は下方に移動させるようにする。図9に示す例の場合は、第1格子14及び第1格子ホルダー22を上方に移動させる。この場合、コントローラー19の制御に基づいて、第1移動装置21を動作させ、第1格子ホルダー22の高さを自動的に調整する。または、コントローラー19における操作手段によって手動で調整してもよい。
図10(a),(b)に示す例では、第1格子14及び第1格子ホルダー22が、X線照射軸中心Caを軸に回転していた場合を表している。このような場合には、図10(b)に示すように、一対の第1アライメント形状部23,23の投影像23a,23aが、一対の第2アライメント形状部26,26の投影像26a,26aと直径は略等しい状態ではあるものの、回転方向にズレが生じた状態となる。
回転方向の粗調を行う場合は、一対の第1アライメント形状部23,23の投影像23a,23aと、一対の第2アライメント形状部26,26の投影像26a,26aとが重なり合うまで、第1格子14及び第1格子ホルダー22を前記回転方向とは反対の方向に回転移動させるようにする。この場合も、コントローラー19の制御に基づいて、第1移動装置21を動作させ、第1格子ホルダー22の位置を自動的に調整する。
図11(a),(b)に示す例では、第1格子14及び第1格子ホルダー22が傾いていた場合を表している。このような場合には、図11(b)に示すように、一対の第1アライメント形状部23,23の投影像23a,23aはやや中央側に寄り、投影像23a,23aのうち一方の直径が小さく、他方の直径が大きくなる。
傾きに対する粗調を行う場合は、一対の第1アライメント形状部23,23の投影像23a,23aと、一対の第2アライメント形状部26,26の投影像26a,26aとが重なり合うまで、第1格子14及び第1格子ホルダー22を、傾きとは逆方向に回転移動させるようにする。この場合も、コントローラー19の制御に基づいて、第1移動装置21を動作させ、第1格子ホルダー22の位置を自動的に調整する。
その他にも、例えば第1格子14が第2格子15に対して水平方向(x方向、y方向)にズレが生じている場合や、高さ方向、回転方向、傾きの位置ズレが複合する場合がある。また、以上のような第1格子14の姿勢調整(粗調)と同様に、第2格子15の姿勢を調整する場合もある。
以上のようにして、第1格子14及び第2格子15の姿勢を調整する(粗調を行う)ことができる。粗調により、第1格子14及び第2格子15の面内全域において、およそ±1mm以下、X線照射軸に対する回転方向で0.2度以下の位置までとなるように精度を高めた後、モアレ縞により、数十μmの精度で精密調整を行う。
なお、本実施形態においては、第1アライメント形状部23が第1格子ホルダー22又は第1格子14に設けられ、第2アライメント形状部26が第2格子ホルダー25又は第2格子15に設けられるものとしたが、これに限られるものではない。すなわち、アライメント形状部が、線源格子12又は線源格子ホルダー(図示せず)に設けられてもよいし、X線源11aの近傍に設けられ照射野絞り113に設けられるものとしてもよい。この場合は、アライメント形状部が設けられた線源格子ホルダーや照射野絞り113も移動装置によって移動可能とされ、第1格子ホルダー22及び第2格子ホルダー25と同様に、その姿勢を調整できるようになっているものとする。
また、投影像27(23a,26a)がX線検出器16上に正しく投影できるようにするために、X線検出器16も移動装置によって移動可能とし、第1格子ホルダー22及び第2格子ホルダー25と同様に、その姿勢を調整できるようにしてもよい。
[構成例]
次に、図12を参照して、線源格子12、第1格子14、第2格子15の構成例について説明する。
X線タルボ撮影装置1で被写体Hの撮影を行う場合に、格子12,14,15の周縁部に生じる、いわゆるケラレが生じる場合があり、これを防ぐために、線源格子12、第1格子14、第2格子15として、湾曲格子を用いる場合がある。なお、図12における線源格子12、第1格子14及び第2格子15は直線状に表れているが、実際には湾曲しているものとする。
湾曲格子とは、x方向中央部(湾曲中心)が最も下方(z方向:X線照射方向)に落ち込むように湾曲して形成された格子を指す。この場合、y方向における任意の二つの地点の高さ位置(z方向の位置)は同一であり、湾曲格子をy方向から見た場合には、湾曲格子の端面が円弧状となって見えることになる。湾曲中心の左右両側は対称的に湾曲しており、端部までの長さが等しい。
線源格子12、第1格子14、第2格子15は、それぞれ湾曲しているため、その曲率に対応して、複数のスリットS同士の間隔や、これら複数のスリットSにおける配列周期d(d0、d1、d2)が異なる。このように形成されることで、格子の周縁部でのいわゆるケラレの問題が生じにくくなるという利点がある。
本構成例では、一対の第1アライメント形状部23,23及び一対の第2アライメント形状部26,26が、このような湾曲格子である第1格子14及び第2格子15に対してそれぞれ設けられている。すなわち、一対の第1アライメント形状部23,23は、湾曲した第1格子14における湾曲中心(すなわち、最も下方に落ち込んだx方向中央部。)の同軸線上(すなわち、y方向における任意の箇所。)に設けられている。また、一対の第2アライメント形状部26,26も、湾曲した第2格子15における湾曲中心の同軸線上に設けられている。
このような構成例によれば、一対の第1アライメント形状部23,23及び一対の第2アライメント形状部26,26が、湾曲格子である第1格子14及び第2格子15における湾曲中心の同軸線上に設けられているので、湾曲格子を用いた場合のx方向におけるモアレ縞による精密調整が可能となる。すなわち、一対の第1アライメント形状部23,23の投影像23a,23aと、一対の第2アライメント形状部26,26の投影像26a,26aが重なり合うようにすれば、湾曲格子である第1格子14の中心軸と、湾曲格子である第2格子15の中心軸を、X線照射軸に正確に合わせることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、X線照射軸に対する格子の位置を調整するための調整手段が、複数の格子のうち少なくとも二つの格子14,15又は当該少なくとも二つの格子14,15それぞれを保持する少なくとも二つの格子ホルダー22,25に設けられ、かつ、通常のX線撮影で検出可能なアライメント形状部23,26を有し、アライメント形状部23,26が、少なくとも二つの格子14,15又は少なくとも二つの格子ホルダー22,25のうちの、X線照射軸上に位置しているので、通常のX線撮影で撮影した場合に、アライメント形状部23,26の投影像23a,26aがX線検出器16上で重なるように投影されることとなる。その際に、投影像23a,26a同士が重なり合って一致していれば粗調の必要はなく、投影像23a,26a同士にズレが生じていた場合は粗調を行う必要がある。粗調を行う場合は、少なくとも二つの格子14,15又は少なくとも二つの格子ホルダー22,25の姿勢を調整して、投影像23a,26a同士を一致させればよいため、モアレ縞による精密調整の前に行われる格子の粗調を高精度かつ簡便に行うことができる。
また、アライメント形状部23,26は、X線照射軸中心Caに垂直な平面内の一方向におけるサイズが、X線の焦点から少なくとも二つの格子14,15のそれぞれ又は少なくとも二つの格子ホルダー22,25のそれぞれまでの距離に応じて設定されているので、アライメント形状部23,26の投影像23a,26a同士を一致させることにより、X線照射方向の距離と、X線照射軸に対して垂直な平面上の位置調整を同時に行うことができる。すなわち、z方向と、θx方向と、θy方向の位置調整を同時に行うことができる。
また、アライメント形状部23,26は、少なくとも二つの格子14,15のそれぞれ又は少なくとも二つの格子ホルダー22,25のそれぞれに対し、X線照射軸中心Caに対して対称となる位置に一対以上設けられているので、一対以上のアライメント形状部23,26間の中心位置と格子方向を測定し、x方向と、y方向と、θz方向の位置調整を行うことができる。
また、調整手段は、X線検出器16上に投影された投影像27(23a,26a)のサイズ及び形状を測定するための測定手段と、測定手段によって測定されたアライメント形状部23,26の投影像23a,26aのサイズ及び形状に基づいて少なくとも二つの格子14,15の姿勢を検出する姿勢検出手段と、を有するので、アライメント形状部23,26同士の間の投影距離を測定することでX線照射軸方向の位置を測定し、格子14,15の調整を行うことができる。すなわち、z方向の定量測定を行うことができ、これにより、格子14,15の調整を行うことができる。
1 X線タルボ撮影装置
11 X線発生装置
11a X線源
12 線源格子
13 被写体台
14 第1格子
15 第2格子
16 X線検出器
19 コントローラー
20 格子ユニット
21 第1移動装置
22 第1格子ホルダー
23 第1アライメント形状部
23a 投影像
24 第2移動装置
25 第2格子ホルダー
26 第2アライメント形状部
26a 投影像
27 投影像

Claims (5)

  1. X線源と、複数の格子と、X線検出器とがX線照射軸方向に並んで設けられ、前記X線源から被写体および前記複数の格子を介して前記X線検出器にX線を照射して前記X線検出器でモアレ画像を撮影するX線タルボ撮影装置と、
    前記X線照射軸に対する格子の位置を調整するための調整手段と、
    を備えたX線撮影システムであって、
    前記調整手段は、前記複数の格子のうち少なくとも二つの格子又は当該少なくとも二つの格子それぞれを保持する少なくとも二つの格子ホルダーに設けられ、かつ、通常のX線撮影で検出可能なアライメント形状部を有し、
    前記アライメント形状部は、前記少なくとも二つの格子又は前記少なくとも二つの格子ホルダーのうちの、前記X線照射軸上に位置していることを特徴とするX線撮影システム。
  2. 前記アライメント形状部は、前記X線照射軸中心に垂直な平面内の一方向におけるサイズが、前記X線の焦点から前記少なくとも二つの格子のそれぞれ又は前記少なくとも二つの格子ホルダーのそれぞれまでの距離に応じて設定されていることを特徴とする請求項1に記載のX線撮影システム。
  3. 前記アライメント形状部は、前記少なくとも二つの格子のそれぞれ又は前記少なくとも二つの格子ホルダーのそれぞれに対し、前記X線照射軸中心に対して対称となる位置に一対以上設けられていることを特徴とする請求項2に記載のX線撮影システム。
  4. 前記少なくとも二つの格子として湾曲格子が用いられた場合に、一対以上の前記アライメント形状部は、前記湾曲格子における湾曲中心の同軸線上に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のX線撮影システム。
  5. 前記調整手段は、
    前記X線検出器上に投影された投影像のサイズ及び形状を測定するための測定手段と、
    前記測定手段によって測定された前記アライメント形状部の投影像のサイズ及び形状に基づいて前記少なくとも二つの格子の姿勢を検出する姿勢検出手段と、
    を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のX線撮影システム。
JP2017057519A 2017-03-23 2017-03-23 X線撮影システム Pending JP2018157999A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017057519A JP2018157999A (ja) 2017-03-23 2017-03-23 X線撮影システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017057519A JP2018157999A (ja) 2017-03-23 2017-03-23 X線撮影システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018157999A true JP2018157999A (ja) 2018-10-11

Family

ID=63794922

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017057519A Pending JP2018157999A (ja) 2017-03-23 2017-03-23 X線撮影システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018157999A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6128902B2 (ja) 形状測定装置
JP5783987B2 (ja) 放射線撮影装置
JP7164524B2 (ja) X線ct装置
JP6106809B2 (ja) 可動式格子を含む微分位相コントラスト撮像装置
US11221303B2 (en) Radiation capturing system
US9239304B2 (en) X-ray imaging apparatus
US11272894B2 (en) X-ray imaging device
EP3773211B1 (en) Device, system and method for controlling a position of an anti-scatter grid in an x-ray image acquisition system
WO2020095482A1 (ja) X線位相撮像システム
EP3417783B1 (en) X-ray phase-contrast imaging apparatus
EP3462166A2 (en) Radiation phase contrast imaging apparatus
JP2018157999A (ja) X線撮影システム
JP7251602B2 (ja) X線ct装置
JP2018509950A (ja) 頭部計測撮像装置コリメーターの位置合わせ方法及び装置
JP6935854B2 (ja) 格子の調整方法
JP2014079518A (ja) X線撮影装置及びモアレ画像生成方法
JP7418182B2 (ja) 頭部規格撮影のためのx線医療撮影装置の較正
WO2012147749A1 (ja) 放射線撮影システム及び放射線撮影方法
KR101785111B1 (ko) 구강외 x-선 촬영 장치
JP6113856B2 (ja) X線装置
WO2013084657A1 (ja) 放射線撮影装置
WO2013084659A1 (ja) 放射線撮影装置
JP2024046529A (ja) X線位相イメージング装置およびx線位相イメージング装置におけるプレビュー画像の表示方法
JPWO2020079919A1 (ja) X線位相イメージング装置
JPWO2015182493A1 (ja) X線ct装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190327

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200303

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200915