JP2018157378A - ビデオスイッチャおよびビデオスイッチ方法 - Google Patents

ビデオスイッチャおよびビデオスイッチ方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の光リンクにより入力される映像コンテンツを高効率かつダイナミックに経路切替可能なビデオスイッチャを提供する。【解決手段】映像コンテンツ毎に複数の光リンクを収容し、映像コンテンツ毎に前記複数の光リンクの信号を1本のファイバーに波長多重する複数の合波フィルタ部と、前記光リンクのスイッチングポイントのタイミングを監視する監視部と、前記監視部から通知されたスイッチングポイントのタイミングを基点に光経路切替を制御する制御部と、前記制御部からの光経路切替制御信号に応じて、前記複数の合波フィルタ部によりそれぞれ波長多重された光信号の経路を切替えて出力する光スイッチ部とを有する。【選択図】図3

Description

本発明はビデオスイッチャおよびビデオスイッチ方法に関する。
近年、放送用設備として、光データ伝送に複数の光リンクを用いる方式を採用した映像伝送装置が増えてきており、それらの装置において映像データ転送経路を切替える機能を有する機器はビデオスイッチャと呼ばれている。
平成27年に一般財団法人電波産業会で改定された超高精細度テレビジョン信号スタジオ機器間インタフェース規格(ARIB-STD-B58)においては、従来の2K、4Kテレビジョンから次世代の8Kテレビジョンの信号フォーマットおよび伝送に用いられる物理層の規定が定義されている。
8Kテレビジョンにおいては、1画面辺り7680×4320×3の最小色信号コンポーネントから構成されるフレームのデータが1秒当たり60回もしくは120回、伝送される。例えば、色信号コンポーネント(G:B:R)が4:4:4の比率で、かつ1秒当たり120回のフレームが伝送される場合には、10Gリンク信号として定義された物理インタフェースが24リンク使用される。物理インタフェースは、10Gリンク信号が複数のマルチモードファイバーを用いて伝送される方式と、10Gリンク信号毎に異なる波長帯が割り当てられて多重されるDWDM波長多重技術が用いられた1本のシングルモードファイバーにより伝送される方式とが定義されている。
また、補助データについては、同協会にて平成24年に改定された1125/60方式HDTVビット直列インタフェースにおける補助データの共通規格(BTA S-005)における規定がそのまま踏襲されている。
図1は従来の電気スイッチアーキテクチャによるビデオスイッチャの構成例を示す図であり、A系の映像コンテンツを伝送する光リンク#1〜#nと、B系の映像コンテンツを伝送する光リンク#1〜#nとが、2つの経路に切り替えられるようになっている。各光リンクは10Gリンクである。
図1において、A系の映像コンテンツの光リンク#1〜#nとB系の映像コンテンツの光リンク#1〜#nはそれぞれ光/電気変換部(Optical/Electronic)OEに接続され、光信号から電気信号に変換されて電気スイッチ部SWに入力される。電気スイッチ部SWは、クロスバスイッチ、アナログスイッチまたはFPGA(Field Programmable Gate Array)等のデバイスである。そして、電気スイッチ部SW内部で経路切替がされて出力される信号は、それぞれ電気/光変換部(Electronic/Optical)EOにより電気信号から光信号に変換され、2系統の映像コンテンツの光リンク#1〜#nにそれぞれ接続される。
電気スイッチ部SWでの切替タイミングは、図2に示されるように、フレーム中の補助データライン「7」にスイッチングポイント(切替許容期間)として定義されており、その期間内に切替が行われる。なお、このスイッチングポイント期間は約6.46μsecである。
特開2006−310946号公報
上述した電気スイッチアーキテクチャによるビデオスイッチャでは、光信号が電気信号に変換され、経路切替の後に再び光信号に変換されるため、多くのデバイスが必要とされ、消費電力およびコストの増大が課題となっていた。
一方、直接に光信号の状態で経路を切り替える方式として、例えば大規模光スイッチに代表されるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)スイッチがある。ただし、MEMSスイッチは、切替時間が数msecオーダといった低速であることから、主に回線冗長切替やメンテナンス、検査、パッチ用途等の静的なデータ切替の用途に制限される(例えば、特許文献1を参照)。
また、切替時間がnsecオーダといった高速なPLZT((Pb,La)(Zr,Tr)O3:チタン酸ジルコン酸ランタン鉛)光スイッチが、切替時間の観点からは有望である。しかし、PLZT光スイッチ等はポート(Port)数が少なく、複数の光リンクの集線が困難である。
これらの課題は、前述のARIB-STD-B58で規定される複数の10Gリンクを用いてデータを伝送するシステムへのダイナミックな映像コンテンツ経路切替を阻害する要因となっている。
本発明は上記の従来の問題点に鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、複数の光リンクにより入力される映像コンテンツを高効率かつダイナミックに経路切替可能なビデオスイッチャを提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明にあっては、映像コンテンツ毎に複数の光リンクを収容し、映像コンテンツ毎に前記複数の光リンクの信号を1本のファイバーに波長多重する複数の合波フィルタ部と、前記光リンクのスイッチングポイントのタイミングを監視する監視部と、前記監視部から通知されたスイッチングポイントのタイミングを基点に光経路切替を制御する制御部と、前記制御部からの光経路切替制御信号に応じて、前記複数の合波フィルタ部によりそれぞれ波長多重された光信号の経路を切替えて出力する光スイッチ部とを有する。
本発明にあっては、複数の光リンクにより入力される映像コンテンツを高効率かつダイナミックに経路切替可能となる。
従来の電気スイッチアーキテクチャによるビデオスイッチャの構成例を示す図である。 ARIB規格で定義されたスイッチングポイントの概要図である。 本発明の第1の実施形態にかかるビデオスイッチャの構成例を示す図である。 光リンクと監視部の接続の例を示す図(その1)である。 光リンクと監視部の接続の例を示す図(その2)である。 第1の実施形態における信号変化のタイミング例を示す図である。 本発明の第2の実施形態にかかるビデオスイッチャの構成例を示す図である。 本発明の第3の実施形態にかかるビデオスイッチャの構成例を示す図である。 第3の実施形態における信号変化のタイミング例を示す図である。 本発明の第4の実施形態にかかるビデオスイッチャの構成例を示す図である。 本発明の第5の実施形態にかかるビデオスイッチャの構成例を示す図である。 第5の実施形態における遅延量およびエラー有無と切替タイミングの決定の例を示す図である。 本発明の第6の実施形態にかかるビデオスイッチャの構成例を示す図である。 第6の実施形態において位相が調整される例を示す図である。 本発明の第7の実施形態にかかるビデオスイッチャの構成例を示す図である。 本発明の第8の実施形態にかかるビデオスイッチャの構成例を示す図である。 第8の実施形態において位相が調整される例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。
<第1の実施形態>
図3は本発明の第1の実施形態にかかるビデオスイッチャ1の構成例を示す図である。図3において、切替の対象となる2種以上の映像コンテンツはA系とB系の2つが示されているが、それ以上であってももちろんよい。各系の映像コンテンツを伝送する光リンク#1〜#nはそれぞれ10Gリンクが想定されており、リンク数(信号数)としては、映像コンテンツの色信号コンポーネントの種別により変動するが、少なくとも24リンクを上限に、6リンク以上が使用される。また、各系の光リンク#1〜#nは、DWDM(Dense Wavelength Division Multiplexing)のために、ITU-TG.694.1に準じた波長λ1〜λnが割り当てられている。更に、各系の光リンク#1〜#nは、フレームシンクロナイザと呼ばれる装置により、フレーム同期がとられたものとなっている。これは、例えば、カメラ、編集機、レコーダ等の映像をブロードキャストする際に使用される各種インフラが非同期であるとフレームタイミングがずれて画像が乱れるため、予め同期させておく必要があるからである。
A系の映像コンテンツを伝送する光リンク#1〜#nは合波フィルタ部101Aに入力(収容)され、B系の映像コンテンツを伝送する光リンク#1〜#nは合波フィルタ部101Bに入力(収容)される。そして、それぞれ合波されて波長多重された光信号として、それぞれ1本のファイバーに出力される。合波フィルタ部101A、101Bの出力はPLZT光スイッチ等の光スイッチ部102に入力され、合波された映像コンテンツ単位で選択された光信号が出力される。なお、2系統(多系統も可)の映像コンテンツの光信号のうち一方が選択されて出力される場合に限らず、2系統(多系統も可)のそれぞれが異なる経路に出力されるようなものでもよい。2系統から一方が出力される場合、2×1ポートの光スイッチ部102が用いられ、2系統のそれぞれが別経路に出力される場合は2×2ポートの光スイッチ部102が用いられる。
一方、いずれかの光リンク(図示の例ではB系の光リンク#2)の信号からスイッチングポイントのタイミングを監視する監視部103と、オペレータから切替操作を受け付ける操作部104と、監視部103で監視されるスイッチングポイントとユーザからの切替操作に応じ、光スイッチ部102の切替制御を行う制御部105とが設けられている。操作部104は、オペレータが選択したい映像コンテンツを制御部105に通知できればよく、例えばPC(Personal Computer)を用いたCLI(Command Line Interface)、GUI(Graphical User Interface)の他、メカニカルな押ボタンスイッチで構成されるものでもよい。制御部105は、監視部103から通知されたスイッチングポイント情報を元に、光スイッチ部102の切替タイミングを調整し、かつ、操作部104からの映像コンテンツ選択情報に応じて光スイッチ部102の切替制御を行う。
図4は光リンクと監視部103の接続の例を示す図である。図4において、例えば、B系の映像コンテンツの光リンク#2と合波フィルタ部101Bとの接続経路には光/電気変換部106と電気/光変換部107が直列に挿入され、光/電気変換部106の出力が監視部103に入力されている。この構成によれば、光/電気変換部106と電気/光変換部107が必要になるが、10Gリンクの1リンク分で済むため、従来の電気スイッチアーキテクチャのビデオスイッチャ(図1)と比較し、消費電力およびコストの増大は問題とならない。
図5は光リンクと監視部103の接続の他の例を示す図である。図5において、例えば、B系の映像コンテンツの光リンク#2と合波フィルタ部101Bとの接続経路には光分波部108の主経路が挿入され、分岐経路には光/電気変換部109が接続され、光/電気変換部109の出力が監視部103に入力されている。この構成によれば、光分波部108と光/電気変換部109を設けるだけで済むため、図4の構成よりも消費電力およびコストの低減が可能となる。
図4および図5に示された光リンクと監視部103の接続の手法は、監視部103を用いる後述の実施形態においても適用が可能である。
図6は第1の実施形態における信号変化のタイミング例を示す図である。図6において、各映像コンテンツのストリームは、前述のようにフレームシンクロナイザにより予めフレーム同期が取られている。そして、監視部103によりスイッチングポイントの先頭部分で検出パルスが制御部105に通知され、制御部105は、現時点で光スイッチ部102により選択されている映像ストリームと操作部104により要求される映像ストリームとが異なる場合、その後の検出パルスのタイミング(図示の例では立ち下がりのタイミング)で光スイッチ部102の切替を行う。
<第2の実施形態>
図7は本発明の第2の実施形態にかかるビデオスイッチャ1の構成例を示す図であり、監視部103により検出されたスイッチングポイントのタイミングと、光スイッチ部102に入力される映像フレームのスイッチングポイントのタイミングあるいは実際に切替が行われるタイミングとの間に大きな遅延時間が発生する場合に対処したものである。遅延時間が発生する原因としては、光ファイバー遅延時間、監視部103を構成するロジック等の遅延時間、光スイッチ部102自体の切替時間が挙げられ、そのままでは光スイッチ部102での切替がスイッチングポイント期間内に収まらない場合も想定される。
図7において、合波フィルタ部101A、101Bと光スイッチ部102の接続経路にはそれぞれ光ファイバー長を調整するディレイライン110A、110Bが設けられ、監視部103により検出されたスイッチングポイントのフレームの次のフレームのスイッチングポイントまで遅延させるようになっている。A系・B系の映像コンテンツはフレームシンクロナイザによってフレーム同期がとられているという前提であるため、ディレイライン110A、110Bによる付加される遅延は同量となる。
これにより、スイッチングポイント期間内に光スイッチ部102での切替が完了するようになる。
<第3の実施形態>
図8は本発明の第3の実施形態にかかるビデオスイッチャ1の構成例を示す図であり、ディレイラインを使用せずに、制御部105の機能により遅延時間に対処するようにしたものである。
図8において、制御部105には遅延カウンタ111が設けられ、監視部103から通知されるスイッチングポイントの検出パルス到来から所定クロックのカウントを開始し、制御部105は所定のカウント値に達した際に光スイッチ部102の切替を行うようにしている。他の構成は図3に示されたものと同様である。
図9は第3の実施形態における信号変化のタイミング例を示す図である。図9において、監視部103によりスイッチングポイントの先頭部分から遅延αのタイミングで検出パルスが制御部105に通知されると、制御部105の遅延カウンタ111は所定の内部クロックに基づいてカウントを開始する。そして、カウント値が次のフレームのスイッチングポイント期間の適切なタイミングに対応する所定の値(図示の例では「6」)になった場合、現時点で光スイッチ部102により選択されている映像ストリームと操作部104により要求される映像ストリームとが異なることを条件に、光スイッチ部102の切替を行う。
<第4の実施形態>
図10は本発明の第4の実施形態にかかるビデオスイッチャ1の構成例を示す図であり、遅延時間に対する調整が自動的に行われるようにしたものである。
図10において、光スイッチ部102の出力にはラインエラーチェック部112が接続され、出力される映像コンテンツの任意の光リンクのフレームから、フレーム中の各ライン毎に設けられたチェックコードがチェックされ、その結果が制御部105に通知されるようになっている。チェックコードとしては、CRCC(Cyclic Redundancy Check Code)のほか、データの10Bコードのパリティ等が使用可能である。なお、ラインエラーチェック部112の入力側の接続の実装としては、図5に示された光分波部108および光/電気変換部109と同様に、図10における光スイッチ部102の出力経路に光分波部が設けられ、その分岐経路に接続される光/電気変換部の出力がラインエラーチェック部112に入力される。以後の実施形態におけるラインエラーチェック部112についても同様である。他の構成は図8に示されたものと同様である。
制御部105は、自動調整時に、切替制御を行う所定のカウント値(遅延カウント値)をインクリメントもしくはデクリメントする毎に、遅延カウント値に基づいて光スイッチ部102の切替を行い、ラインエラーチェック部112から送られたCRCCエラー情報を監視する。そして、制御部105は、CRCCエラーが発生しない時点まで遅延カウント値の調整を行い、遅延カウント値の最適値を決定する。
<第5の実施形態>
図11は本発明の第5の実施形態にかかるビデオスイッチャ1の構成例を示す図であり、遅延時間に対する調整が自動的に行われるとともに、より適切なタイミングに調整が行われるようにしたものである。
図11において、制御部105には、監視部103から通知される検出パルスに対して微少なΔtを単位に遅延時間の増加・減少を行うことのできる遅延挿入部113が設けられている。また、光スイッチ部102の出力にはラインエラーチェック部112が接続され、出力される映像コンテンツの任意の光リンクのフレームから、フレーム中の各ライン毎に設けられたチェックコード(CRCC)がチェックされ、その結果が制御部105に通知されるようになっている。他の構成は図3に示されたものと同様である。
図12は第5の実施形態における遅延量およびエラー有無と切替タイミングの決定の例を示す図である。図12(a)は、遅延挿入部113による遅延時間が0からΔtずつ増加されていった場合におけるラインエラーチェック部112によるエラーの有無を「○」(エラーなし)と「×」(エラーあり)で示した例である。この場合、制御部105は、単にエラーなしのタイミングに達したタイミングを切替制御のタイミングとするのではなく、図12(b)に示されるように、例えば、「×」が続いた後に「○」に変化して「○」が2つ続いたタイミングが切替制御のタイミングとされる。これは、光信号にはジッターがあり、「×」から「○」に変わってすぐの場合、長期利用の際にエラーとなることを避けるためである。また、「○」の区間の後ろの方、すなわちスイッチングポイント期間の後半の場合、後続の回路では高速シリアル転送方式の「8B10B」によりワード同期がとられ、最悪2ワードのエラーがおこる可能性があるため、エラーが起こったワードが例えば画像信号等の有効データであることを避けるためである。そのため、「○」の期間の前半に切替タイミングが設定される。
これにより、スイッチングポイント期間の中でも、最適なタイミングでの光スイッチ部102の切替制御が可能になる。
<第6の実施形態>
図13は本発明の第6の実施形態にかかるビデオスイッチャ1の構成例を示す図であり、各系の映像コンテンツを合波する合波フィルタ部が光スイッチ部から離れた場所に存在する場合の例である。一般に映像コンテンツはスタジオ等において生成されるものであり、光ファイバーの効率利用のため、スタジオ側に合波フィルタ部が設けられることが有利となる場合がある。
図13において、A系の映像コンテンツを伝送する光リンク#1〜#nを合波する合波フィルタ部101Aは送信部11Aに設けられ、B系の映像コンテンツを伝送する光リンク#1〜#nを合波する合波フィルタ部101Bは送信部11Bに設けられ、それぞれで合波された光信号は長さが不定のファイバを介してスイッチ部12に集線されるようになっている。スイッチ部12では、A系の合波信号が波長ドロップ部114Aおよびディレイライン110Aを介して光スイッチ部102に入力され、B系の合波信号は波長ドロップ部114Bおよびディレイライン110Bを介して光スイッチ部102に入力される。また、波長ドロップ部114A、114Bからドロップされた信号(例えば、波長λ2の信号)からスイッチングポイントのタイミングを監視する監視部103A、103Bが設けられ、監視部103A、103Bからスイッチングポイントの検出パルスが制御部105に通知されるようになっている。また、制御部105は、光スイッチ部102の切替制御を行うほかに、監視部103A、103Bから通知される検出パルスのタイミングのずれに応じて、ディレイライン110A、110Bの遅延を制御するようになっている。操作部104はこれまでの実施形態で説明されたものと同様である。ラインエラーチェック部112については、監視部103A、103B等に起因して生じる遅延時間を自動調整する際に設けられる。
A系の映像コンテンツの送信部11AとB系の映像コンテンツの送信部11Bとがスイッチ部12から離れた場所に存在する場合、フレームシンクロナイザによってA系・B系の映像コンテンツはフレームレベルでは同期がとられているが、光ファイバー長やスタジオのロケーションにより、スイッチ部12に到達する時点での位相はずれたものとなる。そのため、光スイッチ部102に入力される前の段階で、それぞれの位相を合わせる必要がある。
本実施形態では、監視部103A、103Bから通知される検出パルスのタイミングのずれに応じて、制御部105がディレイライン110A、110Bの遅延を制御することで、光スイッチ部102に入力されるA系・B系の映像コンテンツの位相合わせが行われる。
図14は第6の実施形態において位相が調整される例を示す図である。図14(a)はA系とB系の映像コンテンツの間に遅延が発生している初期の状態を示しており、図14(b)は位相の進んだA系の映像コンテンツが遅延されることで、両系の位相が一致した状態を示している。
その後の光スイッチ部102の切替制御や監視部103A、103B等に起因して生じる遅延時間への対処は、前述した実施形態と同様に行われる。
<第7の実施形態>
図15は本発明の第7の実施形態にかかるビデオスイッチャ1の構成例を示す図であり、送信部11A、11Bからスイッチ部12に到達する映像コンテンツの位相合わせをスイッチ部12側で行うのではなく、送信部11A、11B側に設けられたフレームシンクロナイザ2A、2Bを利用して行うようにしたものである。
図15において、スイッチ部12にディレイライン110A、110Bがない点と、制御部105から送信部11A、11B側に設けられたフレームシンクロナイザ2A、2Bに遅延制御信号が送信される以外は、図13と同様である。
本実施形態では、監視部103A、103Bから通知される検出パルスのタイミングのずれに応じて、制御部105は両系の位相のずれを検出し、位相の進んだ系のフレームシンクロナイザ(2Aor2B)に遅延制御信号を送信する。遅延制御信号を受信したフレームシンクロナイザ(2Aor2B)は、以後、信号の送信を遅延させ、その結果、スイッチ部12に到達する両系の映像コンテンツの位相は一致することとなる。
その後の光スイッチ部102の切替制御や監視部103A、103B等に起因して生じる遅延時間への対処は、前述した実施形態と同様に行われる。
<第8の実施形態>
図16は本発明の第8の実施形態にかかるビデオスイッチャ1の構成例を示す図であり、監視部を省略したものである。図16では、図13に示された構成から、波長ドロップ部114A、114Bと監視部103A、103Bとが除去され、ラインエラーチェック部112が必須のものとされた場合について示されているが、前述した実施形態にも適用することができる。すなわち、送信部11A、11Bからスイッチ部12に到達する映像コンテンツの位相合わせだけではなく、本来的な光スイッチ部102の切替制御のタイミング調整も行われる。
本実施形態では、自動調整時に、A系とB系のそれぞれについて他方の信号を流さない状態で調整が行われる。なお、光スイッチ部102の切替えのON/OFF/ONを短時間(例えば、10ns)で行い、わざと切替のタイミングでビットのエラーを起こすようにすれば、他方の信号を流した状態でもよい。
制御部105は、独自の切替タイミングに対してラインエラーチェック部112においてエラーが検出されないようなタイミング(前述のようにスイッチングポイント期間の前半が望ましい)にディレイライン110A、110Bの遅延時間を調整するため、両系について位相が合い、かつ光スイッチ部102の切替タイミングについてもスイッチングポイントに対して適切なものとなる。
図17は第8の実施形態において位相が調整される例を示す図である。図17(a)に示されるように、A系の映像コンテンツは制御部105の独自の切替タイミングにおいてエラーが生じないタイミングまで遅延され、B系の映像コンテンツについても図17(b)に示されるように同じタイミングまで遅延されるため、両系の位相が合うとともに、光スイッチ部102の切替制御のタイミング調整も行われる。その結果、監視部は不要となる。
<総括>
以上説明したように、本実施形態によれば、複数の光リンクにより入力される映像コンテンツを高効率かつダイナミックに経路切替可能となる。
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
1 ビデオスイッチャ
101、101A、101B 合波フィルタ部
102 光スイッチ部
103、103A、103B 監視部
104 操作部
105 制御部
106 光/電気変換部
107 電気/光変換部
108 光分波部
109 光/電気変換部
110、110A、110B ディレイライン
111 遅延カウンタ
112 ラインエラーチェック部
113 遅延挿入部
114、114A、114B 波長ドロップ部
11、11A、11B 送信部
12 スイッチ部
2、2A、2B フレームシンクロナイザ

Claims (12)

  1. 映像コンテンツ毎に複数の光リンクを収容し、映像コンテンツ毎に前記複数の光リンクの信号を1本のファイバーに波長多重する複数の合波フィルタ部と、
    前記光リンクのスイッチングポイントのタイミングを監視する監視部と、
    前記監視部から通知されたスイッチングポイントのタイミングを基点に光経路切替を制御する制御部と、
    前記制御部からの光経路切替制御信号に応じて、前記複数の合波フィルタ部によりそれぞれ波長多重された光信号の経路を切替えて出力する光スイッチ部と
    を有することを特徴とするビデオスイッチャ。
  2. 前記複数の合波フィルタ部と前記光スイッチ部の接続経路に設けられる、前記監視部によるスイッチングポイントの検出タイミングの遅延時間を調整するディレイライン
    を更に有することを特徴とする請求項1に記載のビデオスイッチャ。
  3. 前記制御部は、前記監視部から通知されたスイッチングポイントのタイミングを基点に遅延時間を計数し、所定の計数値に達したタイミングで前記光スイッチ部の切替制御を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載のビデオスイッチャ。
  4. 前記光スイッチ部が出力するフレームの各ラインに含まれるチェックコードをチェックするラインエラーチェック部を更に有し、
    前記制御部は、前記所定の計数値を変化させて前記光スイッチ部の切替制御を行い、前記ラインエラーチェック部からエラー情報が通知されない前記所定の計数値を決定する
    ことを特徴とする請求項3に記載のビデオスイッチャ。
  5. 前記光スイッチ部が出力するフレームの各ラインに含まれるチェックコードをチェックするラインエラーチェック部を更に有し、
    前記制御部は、前記監視部から通知されたスイッチングポイントのタイミングに所定の遅延時間を与え、前記所定の遅延時間を変化させて前記光スイッチ部の切替制御を行い、前記ラインエラーチェック部からエラー情報が通知されない前記所定の遅延時間であって、スイッチングポイント期間の前半位置に対応する遅延時間を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のビデオスイッチャ。
  6. 前記監視部は、いずれかの前記光リンクと前記合波フィルタ部の接続経路に直列に挿入された光/電気変換部および電気/光変換部の前記光/電気変換部の出力信号を入力する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のビデオスイッチャ。
  7. 前記監視部は、いずれかの前記光リンクと前記合波フィルタ部の接続経路に挿入された光分波部の分岐出力の後段に設けられた光/電気変換部の出力信号を入力する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のビデオスイッチャ。
  8. 前記合波フィルタ部と前記光スイッチ部の接続経路の長さが不定である場合に、
    前記監視部は、映像コンテンツ毎の前記接続経路の前記光スイッチ部近傍に挿入された波長ドロップ部から所定波長の信号を取得し、
    前記制御部は、映像コンテンツ毎の前記監視部から通知されたスイッチングポイントのタイミングから映像コンテンツ毎の遅延時間を検出し、前記波長ドロップ部の後段に挿入されたディレイラインを制御して位相合わせを行う
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のビデオスイッチャ。
  9. 前記合波フィルタ部と前記光スイッチ部の接続経路の長さが不定である場合に、
    前記監視部は、映像コンテンツ毎の前記接続経路の前記光スイッチ部近傍に挿入された波長ドロップ部から所定波長の信号を取得し、
    前記制御部は、映像コンテンツ毎の前記監視部から通知されたスイッチングポイントのタイミングから映像コンテンツ毎の遅延時間を検出し、映像コンテンツ毎に設けられたフレームシンクロナイザーに対して前記遅延時間を相殺するための遅延を与えるように指示する
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のビデオスイッチャ。
  10. 映像コンテンツ毎に複数の光リンクを収容し、映像コンテンツ毎に前記複数の光リンクの信号を1本のファイバーに波長多重する複数の合波フィルタ部と、
    前記複数の合波フィルタ部によりそれぞれ波長多重された光信号の経路を切替えて出力する光スイッチ部と、
    前記複数の合波フィルタ部と前記光スイッチ部の接続経路に設けられるディレイラインと、
    前記光スイッチ部が出力するフレームの各ラインに含まれるチェックコードをチェックするラインエラーチェック部と、
    前記ラインエラーチェック部からエラー情報が通知されないタイミングに前記ディレイラインを調整し、該タイミングで前記光スイッチ部の切替制御を行う制御部と
    を有することを特徴とするビデオスイッチャ。
  11. 複数の合波フィルタ部により、映像コンテンツ毎に複数の光リンクを収容し、映像コンテンツ毎に前記複数の光リンクの信号を1本のファイバーに波長多重し、
    監視部により、前記光リンクのスイッチングポイントのタイミングを監視し、
    前記監視部から通知されたスイッチングポイントのタイミングを基点に、制御部により光経路切替を制御し、
    前記制御部からの光経路切替制御信号に応じて、光スイッチ部により、前記複数の合波フィルタ部によりそれぞれ波長多重された光信号の経路を切替えて出力する
    ことを特徴とするビデオスイッチ方法。
  12. 複数の合波フィルタ部により、映像コンテンツ毎に複数の光リンクを収容し、映像コンテンツ毎に前記複数の光リンクの信号を1本のファイバーに波長多重し、
    ディレイラインにより、前記複数の合波フィルタ部によりそれぞれ波長多重された光信号に遅延を与え、
    光スイッチ部により、前記複数の合波フィルタ部によりそれぞれ波長多重された遅延後の光信号の経路を切替えて出力し、
    ラインエラーチェック部により、前記光スイッチ部が出力するフレームの各ラインに含まれるチェックコードをチェックし、
    制御部により、前記ラインエラーチェック部からエラー情報が通知されないタイミングに前記ディレイラインを調整し、該タイミングで前記光スイッチ部の切替制御を行う
    ことを特徴とするビデオスイッチ方法。
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