JP2018157247A - 障害検出装置および障害検出方法 - Google Patents

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恭介 曽根
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祥一朗 小田
剛二 中川
Koji Nakagawa
剛二 中川
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Yoshio Hirose
佳生 廣瀬
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Abstract

【課題】運用中検査が可能な障害検出装置の構造を簡素化する。【解決手段】障害検出装置が、複数の信号光の互いに異なる複数の中心波長夫々を、前記複数の中心波長の最大値と最小値の差より大きい絶対値を有する一定値シフトした複数の波長に光強度成分を含む光パルスを発生する光パルス発生部と、発生した前記光パルスを、前記複数の信号光が伝搬する光線路に送出すると共に、送出した前記光パルスの戻り光を前記光線路から抽出する光学装置と、抽出された前記戻り光を検査する検査部とを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、障害検出装置および障害検出方法に関する。
PON(Passive Optical Network)は、局内に配置されたOLT(Optical Line Terminal)と、OLTに並列接続された複数のONU(Optical Network Unit)とを有する光通信システムである。PONの光伝送路は、OLTに一端が接続された共通光ファイバーと、共通光ファイバーの他端に接続された光スプリッタと、光スプリッタと複数のONUとを接続する複数の個別光ファイバーとを有する光伝送路である。
WDM−PON(Wavelength Division Multiplexing PON)は、各ONUに別々の波長が割り当てられたPONである。WDM−PONによれば、各ONUに別々の波長が割り当てられので、各ONUとOLT間の高速光通信を実現できる。
WDM−PONの光伝送路の障害は、広帯域光パルスを検査光として用いるOTDR(Optical Time Domain Reflectometer;以下、障害検出装置と呼ぶ)により検出できる(例えば、特許文献1〜3参照)。広帯域光パルスの一部を通過させる波長選択器を備えた障害検出装置によれば、OLTがONUと光通信を行っている間に、光伝送路を検査することができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2015-70358号公報 特開2011-24095号公報 特開2011-35598号公報
しかし、OLTがONUと光通信を行っている間にWDM−PONの光伝送路を検査する障害検出装置には、構造が複雑であるという問題がある。そこで、本発明は、このような問題を解決することを課題とする。
上記の問題を解決するために、一つの実施の形態では、障害検出装置は、複数の信号光の互いに異なる複数の中心波長夫々を、前記複数の中心波長の最大値と最小値の差より大きい絶対値を有する一定値シフトした複数の波長に光強度成分を含む光パルスを発生する光パルス発生部と、発生した前記光パルスを、前記複数の信号光が伝搬する光線路に送出すると共に、送出した前記光パルスの戻り光を前記光線路から抽出する光学装置と、抽出された前記戻り光を検査する検査部とを有する。
一つの側面では、本発明は、夫々を伝搬する信号光の波長が互いに異なる複数の光線路(例えば、WDM−PONの個別光ファイバー)を備えた光伝送路を光通信システムの運用中に検査できる障害検出装置の構造を簡素化できる。
図1は、実施の形態1の障害検出装置2が適用されたWDM−PON1の一例を示す図である。 図2は、実施の形態1のシステムにおける信号の流れを示す図である。 図3は、第1波長合分波器6aの周回性を示す図である。 図4は、光パルス発生部20が発生する光パルスのスペクトル25を示す図である。 図5は、光学装置22の透過特性の一例を示す図である。 図6は、光学装置22の一例を示す図である。 図7は、処理部48のハードウエア構成の一例を示す図である。 図8は、実施の形態1のCPU58が実行する処理の一例を示すフローチャートである。 図9は、第1波長合分波器6aのONU側のポートPaから出射する波長成分(光パルスPwの一部)のスペクトル78を示す図である。 図10は、戻り光Prのスペクトル81を示す図である。 図11は、光パルスPwの戻り光Prの構造を示す図である。 図12は、個別光ファイバー12が断線した場合の戻り光Prの構造を示す図である。 図13は、複数の上り信号光の中心波長λ’〜λ’と同じ波長を有する光パルスを用いる障害検出装置102を示す図である。 図14は、実施の形態1の変形例1〜3を示す図である。 図15は、実施の形態1の変形例4〜5を示す図である。 図16は、変形例6を示す図である。 図17は、実施の形態2の障害検出装置202が適用されたWDM−PON201の一例を示す図である。 図18は、実施の形態2のシステムにおける信号の流れを示す図である。 図19は、一つの選択部分Prpのスペクトル95を示す図である。 図20は、波長選択部94のハードウエア構成の一部を例示する図である。 図21は対応情報96の一例を示す図である。 図22は、実施の形態2の基準時間変化276の一例を示す図である。 図23は、実施の形態2の基準情報277の一例を示す図である。 図24は、実施の形態2のCPU58が実行する処理の一例を示すフローチャートである。 図25は、実施の形態2の変形例2を示す図である。 図26は、実施の形態3の障害検出装置302が適用されたWDM−PON301の一例を示す図である。 図27は、実施の形態3のシステムにおける信号の流れを示す図である。 図28は、実施の形態4の障害検出装置402が適用されたWDM−PON401の一例を示す図である。 図29は、実施の形態4のシステムにおける信号の流れを示す図である。 図30は、光パルス発生部420のハードウエア構成の一部を例示する図である。 図31は、実施の形態4のCPU58が実行する処理の一例を示すフローチャートである。 図32は、実施の形態5の障害検出装置502が適用されたWDM−PON501の一例を示す図である。 図33は、実施の形態5のシステムにおける信号の流れを示す図である。 図34は、実施の形態5のCPU58が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。図面が異なっても同じ構成または手順を有する部分には同一の符号を付し、その説明を省略または簡単にする。
(実施の形態1)
(1)通信システム
図1は、実施の形態1の障害検出装置2が適用されたWDM−PON1の一例を示す図である。図2は、実施の形態1のシステムにおける信号の流れを示す図である。
WDM−PON1は、OLT4、第1波長合分波器6a(Optical Multiplexer/Demultiplexer)および複数のONU8〜8(nは2以上の整数)を有する。ONU8〜8は例えば、無線基地局に配置される。OLT4は例えば、収容局に配置される。ONU8〜8は、ユーザ宅内に配置されてもよい。
WDM−PON1は更に、OLT4に接続された障害検出装置2と第1波長合分波器6aとを接続する光線路10(例えば共通光ファイバー)を有する。WDM−PON1は更に、第1波長合分波器6aと複数のONU8〜8とを接続する複数の光線路12〜12(例えば個別光ファイバー)とを有する。第1波長合分波器6aと各ONUは例えば、一本の個別光ファイバーにより接続される。複数の光線路12〜12は例えば、夫々異なる長さを有する。
OLT4は、第2波長合分波器6bと複数の光送受信機14〜14とを有する。光送受信機14〜14は夫々、信号光(以下、下り信号光と呼ぶ)を送信する。下り信号光は、互いに異なる複数の中心波長λ〜λを有する複数の信号光である。
以後、「下り信号光」の直後には適宜、各下り信号光の中心波長λ(kは1〜nの何れか一つの整数、以下同様)を記載する。後述する上り信号等についても同様である。
第2波長合分波器6bは、下り信号光λ〜λを合波(波長多重)して共通光ファイバー10(光ファイバー)に出射する(図2参照)。出射された下り信号光λ〜λは、障害検出装置2と共通光ファイバー10とを経て第1波長合分波器6aに入射する。第2波長合分波器6bは例えば、AWG(Arrayed Waveguide Grating)である。
第1波長合分波器6aは下り信号光λ〜λを分波して、各下り信号光λを個別光ファイバー12(光ファイバー)に出射する。出射された各下り信号光λは、個別光ファイバー12を経てONU8に入射する。例えば下り信号光λは、個別光ファイバー12を経てONU8に入射する。
各ONU8は夫々、個別光ファイバー12を介して信号光(以下、上り信号光と呼ぶ)を第1波長合分波器6aに送信する。上り信号光は、互いに異なる複数の中心波長λ’〜λ’を有する複数の信号光である。例えばONU8は個別光ファイバー12を介して、上り信号光λ'を第1波長合分波器6aに送信する。上り信号光の中心波長λ’〜λ’は、互いに異なる複数の波長である。上り信号光の中心波長λ’〜λ’は好ましくは、下り信号光の中心波長λ〜λとは異なる複数の波長である。
各ONU8は例えば、下り信号光上りλおよび上り信号光λ’を透過し検査光(後述する光パルス)を遮断する光フィルタ13を有する。この光フィルタ13により検査光のONUへの入射が抑制されるので、検査光による各ONUの誤動作が抑制される。
第1波長合分波器6aは送信された上り信号光λ’〜λ’を合波(波長多重)して、共通光ファイバー10に出射する。出射された上り信号光λ’〜λ’は、共通光ファイバー10と障害検出装置2とを経て第2波長合分波器6bに入射する。
第2波長合分波器6bは上り信号光λ’〜λ’を分波して、各上り信号光λ’を各光送受信機14に送出する。例えば上り信号光λ’は、光送受信機14に送出される。
第1波長合分波器6aは例えば、波長に対する周回性を有する合分波器である。図3は、第1波長合分波器6aの周回性を示す図である。横軸は波長である。縦軸は、光強度(すなわち、単位波長当たりの光パワー)である。
第1波長合分波器6aは、ONU側の複数のポート夫々(例えば、6aP)から中心波長が互いに異なる複数の信号光L〜L、L1’〜L’(例えばL1とL’1、図3参照)を出射できる合分波器である。ここで、各ポート6aPa(例えば、6aPa)から出射可能な複数の信号光の中心波長λ、λ’(例えば、λとλ’)の差分Δλ(=λ’−λ)は略一定の値(所謂、Free Spectral Range)である。(図3参照)。すなわち、Δλ≒Δλ≒・・・≒Δλである。
第1波長合分波器6aは更に、信号光の進行方向が逆転しても通過するポートが変わらない光学装置である。例えばOLT側のポート6aPに入射しONU側のポート6aPから出射する信号光λ1を、ONU側のポート6aPに入射するとOLT側のポート6aPから出射する。
従って、第1波長合分波器6aは中心波長λ〜λを有する下り信号光16を分波してONU8〜8に送出する共に、中心波長λ’〜λ’を有する上り信号光18を合波して共通光ファイバー10に出射することができる。
第1波長合分波器6aは例えば、周回性AWG(Cyclic Arrayed Waveguide Grating)である。周回性AWGは、通信波長帯(例えば、Cバンド)内の波長に対して周回性を有するAWGである。AWGの周回性は、AWGの設計パラメータ(例えば、アレイ導波路の長さ)を調整することで実現できる。
第2波長合分波器6bは、例えばAWGである。第2波長合分波器6bは、周回性AGWおよび周回性AGW以外のAWGの何れであってもよい。第2波長合分波器6bが周回性AGW以外のAWGの場合、中心波長が異なる下り信号と上り信号は別々のポートを通るので、OLT4の光送受信機14〜14には夫々、AWGの光送受信機側の複数のポート(例えば、2つのポート)が接続される。
下り信号光16および上り信号光18の波長数nは夫々、例えば32である。下り信号光16の中心波長λ〜λは例えば、λ=1530.33nm、λ=1530.72nm・・・λ32=1542.54nmである。上り信号光18の中心波長は例えば、λ'=1543.73nm、λ'=1544.13nm・・・λ32'=1556.15nmである。
以上の例では、下り信号光16および上り信号光18はCバンドの信号光である。下り信号光16の中心波長λ〜λおよび上り信号光18の中心波長λ’〜λ’は、通信分野の標準規格であるITU−Tグリッドの波長である。下り信号光16の中心波長λ〜λの周波数間隔は例えば、50GHzである。上り信号光18の中心波長λ’〜λ’の周波数間隔についても同様である。
下り信号光16および上り信号光18は、以上の例に限られない。例えば下り信号光16の中心波長は、Cバンド以外の波長帯(例えば、Lバンド)の波長であってもよい。また、下り信号光16の周波数間隔は、50GHz以外の周波数間隔(例えば、25GHz以上200GHz以下の周波数)であってもよい。また、下り信号光16および上り信号光18の波長数nは32以外の数(例えば、4以上64以下の数)であってもよい。
(2)障害検出装置
障害検出装置2は、光パルス発生部20、光学装置22および検査部24を有する。
障害検出装置2は更に、光サーキュレータ23を有してもよい。障害検出装置2は光サーキュレータ23の代わりに、別の光学装置(例えば、カプラ)を有してもよい。
(2−1)光パルス発生装置
図4は、光パルス発生部20が発生する光パルスPw(図2参照)のスペクトル25を示す図である。横軸は波長である。縦軸は、光強度(単位波長当たりの光パワー)である。
光パルスPwは、少なくとも複数の波長Λ〜Λ(nは2以上の整数)に光強度成分を含む。複数の波長Λ〜Λは、複数の信号光26(例えば、上り信号光18)の互いに異なる複数の中心波長27(例えばλ’〜λ’)夫々を、一定値ΔW(以下、波長分離幅と呼ぶ)シフトして得られる波長である。以下、波長λに光強度成分を含むことを、波長λを有する(又は、備える)という。
複数の波長Λ〜Λ(Λ=λ’k+ΔW、kは1以上n以下の整数)は例えば、光パルスPwの光強度Iがスペクトル25の最大値Imaxの半分以上である波長範囲29内の波長であることが好ましい。換言するならば、複数の波長Λ〜Λは、光パルスPwの光強度Iが、スペクトル25の最大値Imaxに0より大きく1未満である一定の倍率を掛けた値以上である波長範囲内の波長であることが好ましい。上記倍率は好ましくは0.1であり、更に好ましくは0.5であり、最も好ましくは0.9である。波長Λ〜Λは例えば、Lバンド内の波長である。
波長分離幅ΔWは、複数の中心波長の最大値と最小値の差(例えば、λ’-λ’)より大きい絶対値を有する値である。波長分離幅ΔWは例えば、第1波長合分波器6aのFSR(Free spectral range)である。波長分離幅ΔWの絶対値は好ましくは、10nm以上60nm以下である。更に好ましくはΔWは、20nm以上50nm以下である。最も好ましくはΔWは、30nm以上40nm以下である。
光パルス発生部20は、例えば図1に示すように、光源30と光変調器32とを有する。光源30は、複数の波長Λ〜Λを有する連続光P(図2参照)を発生する。光源30は例えば、SLD(Superluminescent Diode)やスーパーコンティニウム(Super Continuum)光源等の発光素子とその駆動回路とを有する(実施の形態4参照)。光変調器32は例えば、LN(Litium-Niobate)変調器や半導体光変調器などの光変調素子とその駆動回路とを有する(実施の形態4参照)。
光パルスPwのパルス幅(時間幅)は好ましくは、3ns以上1000ns以下(距離分解能0.8m以上100m以下に相当)である。更に好ましくは、光パルスPwのパルス幅は、10ns以上500ns以下(距離分解能2m以上50m以下に相当)である。最も好ましくは、光パルスPwのパルス幅は、20ns以上200ns以下(距離分解能3m以上20m以下に相当)である。光パルスPwの分解能は好ましくは、個別光ファイバー12〜12の長さの差以上である。
光パルス発生部20から出射した光パルスPwは、光サーキュレータ23に入射し、光学装置22の第1ポート22Pに接続された光線路OL1(例えば、光ファイバー)に入射する。
(2−2)光学装置
光学装置22は、光パルスPwを、複数の信号光が伝搬する光線路10(例えば、共通光ファイバー)に送出すると共に、送出した光パルスPwの戻り光Prを光線路10から抽出する。
光学装置22は例えば、光パルスPwが入射する第1ポート22Pと第2ポート22Pと第3ポート22Pとを有する。第2ポート22Pは、光線路10を介して、第1波長合分波器6aのOLT側のポート6aPに接続されている。第3ポート22Pは、光線路OL2(例えば、光ファイバー)を介して、第2波長合分波器6bのONU側のポート6bPに接続されている。
光学装置22は、第1ポート22Pに入射した光パルスPwを第2ポート22Pから出射すると共に、光パルスPwの戻り光Prを第1ポート22Pから出射する。光学装置22は更に、第2ポート22Pに入射した複数の上り信号光18を第3ポート22Pから出射する。光学装置22は更に、第3ポート22Pに入射した複数の下り信号光16を第2ポート22Pから出射する。
光学装置22による戻り光Prの上記抽出とは例えば、第2ポート22Pに入射した戻り光Prを第1ポート22Pから出射することである。
図5は、光学装置22の透過特性の一例を示す図である。横軸は波長である。縦軸は光透過率である。光学装置22の透過率とは、あるポートa(例えば、第2ポート22P)に入射した光のパワーPaに対するこの光のうち別のポートb(例えば、第3ポート22P)から出射する部分のパワーPbの比(=Pb/Pa)である。この比を以下、ポートaからポートbへの透過率と呼ぶ。図5は、光学装置22の透過率の波長依存性を示している。
図5には、第2ポート22Pから第3ポート22Pへの第1透過率38aが示されている。光の進行方向を逆転しても、透過率は略同じである(以下、同様)。図5には更に、第1ポート22Pから第2ポート22Pへの第2透過率38bが示されている。図5には更に、上り信号光18のスペクトル40、下り信号光16のスペクトル42および光パルスPwのスペクトル25が示されている。
第1透過率38aによれば、第2ポート22Pに入射した上り信号光18は、略無損失(例えば、1dB以下)で第3ポート22Pから出射する。同様に、第3ポート22Pに入射した下り信号光16は、略無損失で第2ポート22Pから出射する。
第2透過率38bによれば、第1ポート22Pに入射した光パルスPwは、略無損失で第2ポート22Pから出射する。同様に、第2ポート22Pに入射した戻り光Prは、略無損失で第1ポート22Pから出射する。
図6は、光学装置22の一例を示す図である。図6に示すように、光学装置22は例えば、一対のプリズム34とプリズム34の斜面に挟まれた誘電体多層膜36とを有する光カプラである。
誘電体多層膜36は、第1ポート22Pに入射した光パルスPwを第2ポート22Pに向かって反射する。誘電体多層膜36は更に、第2ポート22Pに入射した上り信号光18(複数の信号光26)を第3ポート22Pから出射する。光学装置22は更に、第3ポート22Pに入射した下り信号光16を第2ポート22Pから出射する。
誘電体多層膜36を有する光学装置22は、誘電体多層膜36の波長選択を利用する。しかし光学装置22は、誘電体多層膜以外の部材の波長選択を利用する光学装置であってもよい。例えば光学装置22は、特定の波長を有する光を透過させ、別の波長を有する光を反射する1入力2出力のLCOS(Liquid Crystal On Silicon)の波長選択を利用する装置であってもよい。この場合、光学装置22の第2ポート22Pは、LOCOSの1入力に接続される。光学装置22の第1ポート22Pは、LOCOSの2出力の一方に接続される。光学装置22の第3ポート22Pは、LOCOSの2出力の他方に接続される。或いは、光学装置22は方向性結合器の波長選択性を利用したカプラであってもよい。
光学装置22における上り信号光18(信号光26)のクロストークは、好ましくは−10dB以下である。更に好ましくは、上り信号光18のクロストークは−20dB以下である。下り信号光16等のクロストークについても同様である。すなわち下り信号光16、光パルスPwおよび戻り光Prの夫々のクロストークは、好ましくは−10dB以下であり、更に好ましくは−20dB以下である。
光学装置22におけるクロストークとは、光(例えば、上り信号光18)が出射するポート(例えば、第3ポート22P)における上記光のパワーに対する上記ポート以外のポート(例えば、第1ポート22P)における上記光の漏れ光のパワーの比である。
(2−3)検査部
検査部24は、光学装置22により光線路10から抽出された戻り光Prを検査する。
検査部24の検査とは例えば、第1ポート22Pから出射される戻り光Prの時間変化(以下、第1時間変化と呼ぶ)を測定して、測定された時間変化WF(図2参照)と基準時間変化とを比較することである。
検査部24は、図1に示すように、受光器44とA/D変換器(Analog to Digital Converter)46と処理部48とを有する。
(2−3−1)受光器
受光器44(図2参照)は、光学装置22の第1ポート22Pから出射され光サーキュレータ23を通過した戻り光Prを受光して、戻り光Prの強度に応じた振幅を有する電気信号Vrに変換する。
受光器44は例えば、pinフォトダイオードである。受光器44は、pinフォトダイオード以外の受光器であってもよい。例えば受光器44は、アバランシェフォトダイオードであってもよい。
(2−3−2)A/D変換器
A/D変換器46は電気信号Vrを、光パルスPwの発生から一定の期間デジタル信号Dに逐次変換し、処理部48に供給する。デジタル信号Dは、戻り光Prの強度を数値化したデータである。
(2−3−3)処理部
処理部48は、波形導出部50、比較部52、記憶部54および制御部56を有する。
波形導出部50は、受光器44およびA/D変換器46と協働して、戻り光Prの時間変化WFを測定する。
―波形導出部―
波形導出部50は、戻り光Prの時間変化WF(所謂、波形)を導出する。波形導出部50は例えば、A/D変換器46が出力したデジタル信号Dを逐次記録する。波形導出部50は、記録したデジタル信号Dに基づいて、戻り光Prの時間変化WFを導出する。波形導出部50が導出する時間変化WFは例えば、光パルスPwの発生から計測した各経過時刻(例えば、100〜10000個の時刻)における戻り光Prの強度の平均値の集まりである。時間変化WFのデータ構造は、例えば1次元配列である。
―記憶部―
記憶部54は例えば、基準時間変化を記憶している。基準時間変化は例えば、WDM−PON1の運用開始前に測定された戻り光Prの時間変化である。基準時間変化は好ましくは、個別光ファイバーが増設される度に更新される(実施の形態2〜4においても同様)。
―比較部―
比較部52は、測定された時間変化WFと記憶部54に記録された基準時間変化76(図7参照)とを比較する。
―制御部―
制御部56は、検査部24の動作を制御する。制御部56は例えば、光パルスPwの発生や電気信号VrのA/D変換(Analog to Digital Conversion)のタイミングを制御する。
検査部24が行う上記検査は、戻り光Prの時間変化WFを測定して、測定された時間変化WFから時間変化WFの特徴を表す情報Ia(以下、第1情報と呼ぶ)を導出すると共に、導出した第1情報と基準情報とを比較することであってもよい。第1情報は例えば、測定された時間変化WFのピーク数やピーク位置である。
この場合、第1情報の導出は例えば、波形導出部50により実行される。第1情報と基準情報の比較は、比較部52により実行される。基準情報は例えば、記憶部54に記録されている。基準情報は例えば、上記基準時間変化から導出された情報(例えば、基準時間変化のピーク数やピーク位置)である。
(2−4)ハードウエア構成
図7は、処理部48のハードウエア構成の一例を示す図である。
処理部48は例えば、CPU(Central Processing Unit)58、主記憶装置(すなわち、メモリ)60、補助記憶装置62、記録媒体63、入力装置64、出力装置68、通信インターフェース70〜70およびバス72を有する。図7では、「通信インターフェース」は「通信IF」と表示する。
バス72は、CPU58、メモリ60、補助記憶装置62、入力装置64、出力装置68および通信インターフェース70〜70を互いに接続する。通信インターフェース70〜70は夫々、外部の装置への信号(タイミング信号を含む)の送信および外部の装置からの信号の受信の何れ一方または双方を行う。
通信インターフェース70〜70には、光パルス発生部20の光変調器32とA/D変換器46が接続される。通信インターフェース70は、後述するアラーム信号の送信に用いる。
実施の形態1の障害検出装置2は、通信インターフェース70〜70は使用しない。通信インターフェース70〜70については、実施の形態2〜5で説明する。
入力装置64は例えば、マウス等のポインティング・デバイスとキーボードとを含む。出力装置68は例えば、液晶ディスプレイである。補助記憶装置62は例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記録媒体63を読み取る装置である。記録媒体63は例えば、HD(Hard Disk)等のコンピュータ読取可能な記録媒体である。記録媒体63は、CD−ROM(Compact Disc Read only Memory)、DVDディスク(Digital Versatile Disc)、USBメモリ(Universal Serial Bus Memory)等の可搬型記録媒体およびフラッシュメモリ等の半導体メモリであってもよい。
記録媒体63には、障害検出プログラム74と基準時間変化76とが記録されている。記録媒体63には、基準時間変化76の代わりに、基準情報77が記録されてもよい。
記録媒体63には更に、対応情報96が記録されてもよい。実施の形態1の障害検出装置2は、対応情報96は使用しない。対応情報96については、実施の形態2で説明する。
CPU58は、障害検出プログラム74を記録媒体63から読み出してメモリ60に展開し、障害検出プログラム74が有するプロセスを順次実行する。障害検出プログラム74(ソフトウエア)を実行するCPU58(プロセッサ)は、ハードウエアである。
波形導出部50は、CPU58とメモリ60により実現される。比較部52は、CPU58とメモリ60により実現される。記憶部54は、補助記憶装置62と記録媒体63により実現される。制御部56は、CPU58とメモリ60により実現される。
処理部48は、論理回路(例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit))であってもよい。
(2―5)処理
図8は、CPU58が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
―波形測定(S2〜S12)―
CPU58は先ず、変数iを初期値(例えば0)に設定する(S2)。
CPU58は、変数iの値と整数N(例えば10〜100)を比較する(S4)。変数iの値がN以上の場合、CPU58はステップS12に進む。
変数iの値がN未満の場合、CPU58は光パルス発生部20の光変調器32(図2参照)とA/D変換器46とにタイミング信号Cを送出する(S6)。Nは例えば、100以上10000以下の整数である。
光変調器32はタイミング信号Cを受信すると、略ゼロであった光透過率を急増させその後直ちに急減させる。すると、光源30が発生する広帯域光Pが光変調器32から出射されて、光パルスPwが発生する。光パルスPwは、光サーキュレータ23、光線路OL1および光学装置22を経てWDM−PON1に入射する。
光パルスPwは更に共通光ファイバー10を経て、第1波長合分波器6aに入射する。光パルスPwは、第1波長合分波器6aで複数の部分(以下、波長成分と呼ぶ)に別れて、各波長成分が別々の個別光ファイバー12(上述したように、kは1〜nの整数)を伝搬する。波長成分は夫々、複数の波長Λ〜Λ(図4参照)を一つずつ含む。
そして各波長成分Λの後方散乱光(レイリー散乱光)やフレネル反射による反射光が、個別光ファイバー12〜12を経て第1波長合分波器6aに戻り、第1波長合分波器6aで合波される。合波された各波長成分は、共通光ファイバー10を経て光学装置22の第2ポート22Pに入射する。
第2ポート22Pに戻って来た波長成分(後方散乱光および反射光)の集まりが、光パルスPwの戻り光Prである。
戻り光Prは光学装置22の第1ポート22Pから出射され、光線路OL1と光サーキュレータ23を経て受光器44に入射する。受光器44は、戻り光Prを受光して電気信号Vrに変換する。
図9は、第1波長合分波器6aのONU側のポートPaから出射する波長成分(光パルスPwの一部)のスペクトル78を示す図である。横軸は波長である。縦軸は光強度である。図9には、ポートPaから出射する下り信号光λのスペクトル79も示されている。図9には、ONU8が出射する上り信号光λ’のスペクトル80も示されている。図9には、光パルスPwのスペクトル25も破線で示されている。
スペクトル78は、ポートPaから出射する波長成分Λのスペクトルである。従って波長成分Λは、ポートPaの透過率(第1波長合分波器6aのOLT側のポート6aPからポートPaへ通過する光の透過率)と略同じ形を有している。
図10は、戻り光Prのスペクトル81を示す図である。横軸は波長である。縦軸は光強度である。図10には、光パルスPwのスペクトル25も破線で示されている。図10に示すように、戻り光Prに含まれる各波長成分の強度は略一定であることが好ましい。
A/D変換器46はステップS6で送出されるタイミング信号C(図2参照)を受信すると、一定の期間、電気信号Vrをデジタル信号Dに逐次変換し、通信インターフェース70を介してCPU58に供給する。
CPU58は、デジタル信号Dをメモリ60に記録する(S8)。例えばCPU58は、A/D変換器46から供給される順に従ってデジタル信号Dを1次元配列に代入する。
CPU58は、デジタル信号Dの供給が停止すると、変数iに1を加えてステップS4に戻る(S10)。従って、N個の光パルスPwが発生する。ステップS2〜S6、S10は、制御部56により実行される。
CPU58は、メモリ60に記録したデジタル信号Dに基づいて、戻り光Prの時間変化WFを導出する(S12)。CPU58は例えば、A/D変換器46から供給される順にデジタル信号Dが代入されたN個の1次元配列の各要素を平均化して、戻り光Prの強度の時間変化WF(1次元配列)を導出する。この場合CPU58は、変数iが更新される度にステップS8で、新たな1次元配列に信号Dを入力する。ステップS8およびS12は、波形導出部50により実行される。
図11は、光パルスPwの戻り光Prの構造を示す図である。上述したように、光パルスPwの戻り光Prは、光パルスPwの波長成分Λ〜Λ夫々の戻り光の集まりである。図11の下から1番目のグラフ82は、戻り光Prの時間変化である。図11の下から2番目のグラフ84は、第1波長合分波器6aのポート6aPから出射する波長成分Λの戻り光の時間変化である。図11の下から3番目のグラフ86は、第1波長合分波器6aのポート6aPから出射する波長成分Λの戻り光の時間変化である。図11の下から4番目のグラフ88は、第1波長合分波器6aのポート6aPから出射する波長成分Λの戻り光の時間変化である。各グラフの横軸は、光パルスPwが発生してからの経過時間である。各グラフの縦軸(Logスケール)は光強度である。後述する図12についても同様である。
図11の最上部には、光学装置22とWDM−PON1の一部が示されている。図11の破線は、WDM−PON1における反射光の発生位置と各発生位置に対応する経過時間(光パルスPwの往復時間)を通っている。後述する図12についても同様である。
WDM−PON1の光線路に異常がない場合、図11のグラフ82〜88に示すように、第1波長合分波器6aやONU8〜8での反射により各波長成分の戻り光の時間変化にピークが発生する。
最初のピークRa(1)〜Ra(n)およびRaは、第1波長合分波器6aにおける反射により発生する。2番目以降のピークRb(1)〜Rb(n)は、ONU8〜8における反射により発生する。尚、原点近くの光強度が一番強い領域は、光学装置22の反射によるものである。
各波長成分Λは第1波長合分波器6aまでは、光パルスPwに含まれたまま共通光ファイバー10を進むので、1番目のピークRa(1)〜Ra(n)は同じ位置(経過時間)に発生する。一方各波長成分Λは、第1波長合分波器6aから各ONUまでは別々の個別光ファイバー12〜12を進むので、2番目のピークRb(1)〜Rb(n)は、個別光ファイバー12〜12の長さに応じた位置(経過時間)に発生する。
波形導出部50が導出する戻り光Prの時間変化(グラフ82)は、各波長成分の戻り光の時間変化(グラフ84〜88)が合成されたものである。従って、戻り光Prの時間変化に含まれるピークの数は、n+1(nはONU8〜8の数)である。
図11のグラフ82は、WDM−PON1の光線路に異常がない時に導出される時間変化である。
一方、WDM−PON1の光線路に異常が有る場合には、図11のグラフ82とは異なる時間変化が導出される。図12は、個別光ファイバー12が断線した場合の戻り光Prの構造を示す図である。
例えば個別光ファイバー12が断線すると、個別光ファイバー12を伝搬する波長成分の戻り光の時間変化は、図12のグラフ88のように、断線位置で大きく減衰しONU8によるピークRb(1)は観測されない。従って、戻り光Prの時間変化(グラフ82)に含まれるピークの数はnになる。
―比較(S14)―
CPU58は、ステップS12で導出した戻り光の時間変化WFと基準時間変化76とを比較する(S14)。CPU58は例えば、ステップS12で導出した時間変化WF(1次元配列)と記録媒体63に記録された基準時間変化76とを比較する。基準時間変化76は例えば、表形式のファイル(例えば、1行複数列の表)である。このファイルには例えば、WDM−PON1の運用開始前に導出された時間変化WF(1次元配列)が記録されている。ステップS14は、比較部52により実行される。基準時間変化76は例えば、障害検出装置2により測定される。
CPU58は、導出した時間変化WFと基準時間変化76が整合(例えば、一致または概略一致)する場合には、処理(すなわち、障害検出プログラム74の実行)を終了する。ステップS12で導出した時間変化WFと基準時間変化76が整合すれば、WDM−PON1の光伝送路(共通光ファイバー10と個別光ファイバー12〜12)に障害は無いと考えられる。従って、CPU58は処理を終了する。
ステップS14は、比較部52により実行される。
―アラーム情報の送信(S16)―
一方、ステップS12で導出した時間変化WFと基準時間変化76が整合しない場合、CPU58は例えば、通信インターフェース70を介してOLT4にアラーム信号を送信する(S16)。CPU58は、出力装置68にアラームを表示してもよい。
CPU58はその後、処理(すなわち、障害検出プログラム74の実行)を終了する。ステップS16は、制御部56により実行される。
ステップS12で導出した時間変化WFと基準時間変化76とが整合しない場合、WDM−PON1の光伝送路に障害が有る可能性が高い。従ってCPU58は、アラーム情報を発信する。
以上の例ではCPU58は、戻り光Prの時間変化WFと基準時間変化76を比較する(S14)。しかしCPU58は、戻り光Prの時間変化WFから導出した第1情報Ia(図2参照)と基準情報77を比較してもよい。
例えばCPU58は先ず、ステップS12とステップS14の間で、ステップS12で導出した時間変化WFから第1情報Iaを導出する。第1情報Iaは例えば、ステップS12で導出した時間変化WFのピーク数またはピーク位置である。CPU58はその後、ステップS14で第1情報Iaと基準情報77を比較する。第1情報Iaは例えば、整数または実数である。基準情報77は例えば、1行1列の表である。第1情報Iaの導出は例えば、波形導出部50により実行される。
以上のように、実施の形態1では先ず、複数の信号光26(図4参照)の互いに異なる複数の中心波長(例えば、λ’〜λ’)とは異なる複数の波長Λ〜Λを備える光パルスPwを発生させる。次に、複数の信号光26が伝搬する光線路10(例えば、共通光ファイバー)に光パルスPwを送出する。その後、光パルスPwの戻り光Prの時間変化を測定し、測定された時間変化と基準時間変化とを比較する。
実施の形態1では、信号光26と光パルスPwの波長範囲が異なる(図4参照)。光パルスPwを遮断し信号光26を透過する光フィルタ13は例えば、多層膜フィルタ等により容易に実現できる。実施の形態1のONU8〜8の光フィルタ13は、この様なフィルタである。従って実施の形態1によれば、ONU8〜8内部への光パルスPwの入射を抑制しながらONU8〜8から信号光26を出射(または、ONU8〜8に入射)させることは容易である。従って、WDM−PON1の運転中でも、光伝送路(例えば、個別光ファイバー12〜12および共通光ファイバー10)を検査することができる。
(3)信号光の中心波長を有する光パルスによる障害検出装置
WDM−PON1の運転中の光伝送路の検査は例えば、複数の信号光26の中心波長と同じ波長を有する光パルスを用いても可能である。図13は、複数の下り信号光16の中心波長λ〜λと同じ波長を有する光パルスを用いる障害検出装置102を示す図である。
障害検出装置102は、複数の下り信号光16の中心波長と同じ波長λ〜λを有する光パルスpwを発生する光パルス発生部120を有する。光パルス発生部120の光源31は例えば、波長λ〜λを有する連続光pを発生する光源である。障害検出装置102は更に、光パルス発生部120と光サーキュレータ23の間にFBG(Fiber Bragg Grating)90aを有する。障害検出装置102は更に、光サーキュレータ23と検査部24の間に別のFBG(Fiber Bragg Grating)90bを有する。障害検出装置102は更に、光パルスpwを光線路10に送出するカプラ33(例えば、1対のプリズムとその斜面に挟まれたハーフミラーとを有するカプラ)を有する。複数の下り信号光16の中心波長は、光パルスpwの波長範囲に含まれる。従って、カプラ33には、波長選択性を有する光学装置(例えば、図1の光学装置22)を用いることはできない。
FBG90aは、夫々が中心波長λ1〜λのうちの1つだけを含む複数の領域を光パルスpwから選択的に除去する狭帯域光フィルタである。FBG90aが光を除去する帯域は、第1波長合分波器6aのONU側のポート6aPから出射する光パルスpwの波長成分のスペクトルより狭い。
従って、FBG90aは光パルスpwから、波長λ’を含む複数の領域を櫛の歯状に除去する(例えば、特許文献1参照)。このため、光パルスpwのうち下り信号光16の中心波長λ〜λと同じ波長を有する領域のONUへの入射が抑制される。従って、光パルスpwによるONU8〜8の誤動作が抑制される。光パルスpwが上り信号光18の中心波長λ1’〜λ’を有する場合も同様である。
光サーキュレータ23と検査部24の間に配置されたFBG90bは、FBG90aと略同じ構造および特性を有する。
下り信号光16の一部は波長選択性を有さないカプラ33を介して、障害検出装置102の光線路OL1に入射する。しかし、光線路OL1に入射した下り信号光16はFBG90bにより遮断されるので、下り信号光16による検査部24の誤動作は抑制される。上り信号光18による検査部24の誤動作も同様に抑制される。
従って、図13の障害検出装置102によれば、WDM−PON101の運転中の光伝送路の検査が可能になる。しかし障害検出装置102は、FBGを少なくとも2つ含む複雑な構造を有する。
一方、図1〜12を参照して説明した障害検出装置2の光パルスPwは、複数の信号光26の中心波長を有さない。従って、障害検出装置2にFBGを設けなくても、ONU8〜8および検査部24の誤動作を抑制できる。すなわち実施の形態1によれば、WDM−PONの運転中に光線路の検査を行う障害検出装置の構造を簡素化できる。
ところで、上述したようにFBGを有する障害検出装置102では、下り信号光16の一部が障害検出装置2の光線路OL1に入射する。このため、下り信号光16は損失(例えば6dB)を受ける。上り信号光18についても同様である。
一方、図1〜12を参照して説明した障害検出装置2の光パルスPwは、複数の信号光26の中心波長を有さない。従って、波長選択性を有する光学装置22(図1参照)を使用することで、戻り光Prだけを光線路10から抽出できる。従って実施の形態1によれば、信号光26の損失を抑制できる。
(4)変形例
図14は、実施の形態1の変形例1〜3を示す図である。
図1〜11を参照して説明した例では、光パルスPw(検査光)は、図4に示すように、上り信号光18の中心波長λ'〜λ'に一定値ΔWを加える事で得られる波長Λ〜Λを有している。しかし光パルスPwは、図14(a)(変形例1)に示すように、下り信号光16の中心波長λ〜λに一定値ΔWを加える事で得られる波長を有してもよい。この場合、一定値ΔWは例えば、第1波長合分波器6a(周回性AWG)のFRSの2倍である。
更に図1〜11を参照して説明した例では、図4に示すように、上り信号光18の中心波長λ'〜λ'は、下り信号光16の中心波長λ〜λより長い。しかし、上り信号光18の中心波長λ'〜λ'は、図14(b)〜図14(c)(変形例2および変形例3)に示すように、下り信号光16の中心波長λ〜λより短くてもよい。
図15は、実施の形態1の変形例4〜5を示す図である。
図1〜11を参照して説明した例では、図1に示すように、第1波長合分波器6aと各ONU8は1つの個別光ファイバー12で接続される。しかし第1波長合分波器6aと各ONU8は2本の個別光ファイバーで接続されてもよい。この場合、一方の個別光ファイバーを下り信号光16が伝搬し、他方の個別光ファイバーを上り信号光18が伝搬してもよい。
この場合、図15(a)〜(b)に示すように光パルスPwは、下り信号光16の中心波長λ〜λおよび上り信号光18の中心波長λ’〜λ’双方に一定値ΔWを加える事で得られる波長Λ〜Λ2nを有することが好ましい。光パルスPwが波長Λ〜Λ〜Λ2nを有することで、第1波長合分波器6aと各ONU8を接続する2つ個別光ファイバーの両方を検査することができる。
図16は、変形例6を示す図である。
図15(a)〜(b)に示す例では、下り信号光16の中心波長λ〜λと上り信号光18の中心波長λ’〜λ’は、夫々別々の波長範囲に含まれている。しかし、下り信号光16の中心波長λ〜λと上り信号光18の中心波長λ’〜λ’は、図16に示すように、一つの波長範囲92に混在していてもよい。
変形例1〜6によれば、図1〜11を参照して説明した障害検出装置2と同様、WDM−PONの運転中に光線路の検査を行う障害検出装置の構造を簡素化できる。更に、変形例1〜6によれば、実施の形態1の適用が可能な信号光のバリエーションが増加する。
図1〜15を参照して説明した例では、一定値ΔWの符号は正である。しかし、一定値ΔWの符号は負であってもよい。
図1〜15を参照して説明した例では、下り信号光16および上り信号光18の中心波長は、ITU−Tのグリッド波長である。しかし下り信号光16および上り信号光18の中心波長は、ITU−Tのグリッド波長からずれてもよい。但し、第1および第2波長合分波器6a、6bにおける信号光26の透過率の減少(波長ずれによる減少)は、一定値(例えば、1dB)以下であることが好ましい。
また、図1〜15(特に、図1〜2)を参照して説明した例では、第2波長合分波器6bは周回性AWGではない。しかし、第2波長合分波器6bは周回性AWGであってもよい。
また、図1〜15(特に、図1〜2)を参照して説明した例では、光パルス発生部20は、複数の光パルスPwを発生する。しかし、光パルス発生部20が発生する光パルスPは一つであってもよい。
(実施の形態2)
図17は、実施の形態2の障害検出装置202が適用されたWDM−PON201の一例を示す図である。図18は、実施の形態2のシステムにおける信号の流れを示す図である。
実施の形態2の障害検出装置202は、光サーキュレータ23と検査部224の間に、波長選択部94が配置された障害検出装置である。
その他の構成(すなわち、構造および機能)等は、実施の形態1の障害検出装置2の構成と略同じである。従って、実施の形態1と共通する部分については、説明を省略または簡単にする。
(1)障害検出装置
実施の形態2の障害検出装置202は、実施の形態1と同様、光パルス発生部20、光学装置22および検査部224を有する。実施の形態2の障害検出装置202は更に、波長選択部94を有する。
(1−1)光パルス発生部および光学装置
実施の形態2の光パルス発生部20は、実施の形態1の光パルス発生部20と略同じ構造と機能を有する。実施の形態2の光学装置22も、実施の形態1の光学装置22と略同じ構造と機能を有する。
(1−2)波長選択部
波長選択部94は、光線路10(例えば、共通光ファイバー)から光学装置22により抽出された戻り光Prの複数の部分Prp(選択部分と呼ぶ)を一つずつ(すなわち、別々のタイミングで)通過させる。
図19は、一つの選択部分Prpのスペクトル95を示す図である。横軸は波長である。縦軸は光強度である。図19には、光パルスPwのスペクトル25も破線で示されている。
複数の選択部分Prpはそれぞれ複数の波長Λ〜Λ(図4参照)の何れか一つだけを有し、複数の波長Λ〜Λはそれぞれ複数の選択部分Prpの何れか一つだけに含まれる。すなわち、選択部分Prpは夫々、互いに異なる複数の波長Λ〜Λを一つずつ有する。
複数の選択部分Prpは夫々、別々の信号光λ’が伝搬する経路(個別光ファイバー12およびONU)で発生する戻り光である。
(1−3)検査部
検査部224は、波長選択部94を通過した複数の選択部分Prp夫々を検査する。
検査部224は、図17に示すように、受光器44とA/D変換器46と処理部248とを有する。
(1−3−1)受光器およびA/D変換器
実施の形態2の受光器44の構造および機能は、実施の形態1の受光器44の構造および機能と略同じである。実施の形態2のA/D変換器46の構造および機能は、実施の形態1のA/D変換器46の構造および機能と略同じである。
(1−3−2)処理部
処理部248は、波形導出部250、比較部252、記憶部254および制御部256を有する。
―波形導出部―
波形導出部250は、受光器44およびA/D変換器46と協働して、戻り光Prの複数の選択部分Prp夫々の時間変化WF2(例えば、図11のグラフ84〜88)を導出する。
―記憶部―
記憶部254は例えば、基準時間変化276と対応情報96とを記憶している(図7参照)。記憶部254は基準時間変化276の代わりに、基準情報277を記憶してもよい。
基準時間変化276は例えば、WDM−PON201の運用開始前に測定された複数の選択部分Prp夫々の時間変化(以下、個別基準変化と呼ぶ)の集まりである。
対応情報96は例えば、複数の信号光26の識別情報IDとその中心波長(例えば、λ’〜λ’)とを有する。対応情報96を参照することで、識別情報IDに対応する中心波長を取得できる。
―比較部―
比較部252は、波形導出部250により導出された各時間変化WF2とその基準時間変化276(図7参照)とを比較する。
比較部252は例えば、識別情報98に基づいて、各時間変化WF2の基準時間変化(すなわち、個別基準変化)を記憶部254から取得する。比較部252は更に、取得した基準時間変化(すなわち、個別基準変化)と波形導出部250により導出された時間変化WF2とを比較する。
―制御部―
制御部256は、実施の形態1の制御部56と同様、検査部224の動作を制御する。
検査部224が行う上記検査は、複数の選択部分Prp夫々の時間変化WF2を測定して、測定された各時間変化WF2から第1情報Ia2を導出すると共に、導出した第1情報Ia2と基準情報とを比較することであってもよい。第1情報Ia2は例えば、測定された各時間変化WF2のピーク数やピーク位置である。
この場合、第1情報Ia2の導出は例えば、波形導出部250により実行される。第1情報Ia2と基準情報の比較は、比較部252により実行される。
基準情報は例えば、記憶部254に記録されている。基準情報277(図7参照)は例えば、個別基準変化から導出された情報(例えば、個別基準変化のピーク数やピーク位置)の集まりである。
(1−4)ハードウエア構成
(1−4−1)波長選択部のハードウエア構成
図20は、波長選択部94のハードウエア構成の一部を例示する図である。
波長選択部94は例えば、CPU58(図7参照)とメモリ60と波長可変フィルタ97とにより実現される。図20には、受光器44と光サーキュレータ23も示されている。
波長可変フィルタ97は、変更可能な特定の波長(以下、透過波長と呼ぶ)を含む狭い波長範囲の光を選択的に透過する光学素子99を有する。波長可変フィルタ97は更に、光学素子99の透過波長を変化させる駆動装置103を有する。
光学素子99は、光サーキュレータ23と受光器44の間に配置される。光サーキュレータ23から出射した戻り光Prは、光学素子99に入射する。光学素子99は、入射した戻り光Prの一部(具体的には、複数の選択部分Prpのうちの一つ)を通過させる。光学素子99を通過した選択部分Prpは、受光器44に入射する。
駆動装置103は、図20に示すように、通信インターフェース70を介してCPU58に接続されている。CPU58は、波長可変フィルタ97の駆動装置103を制御して光変調素子130の透過波長を設定または変更する。
光学素子99は例えば、部分的に光を反射する2つの平面を有するファブリ・ペロー干渉計である。駆動装置103は例えば、ファブリ・ペロー干渉計の2つの平面の間隔を調整する事で、ファブリ・ペロー干渉計の透過波長を変化させる装置である。ファブリ・ペロー干渉計の代わりに、LCOSの波長選択性を利用する装置を用いてもよい。
(1−4−2)処理部等のハードウエア構成
処理部248のハードウエア構成は、記録媒体63に記録された情報以外は、実施の形態1の処理部48のハードウエア構成(図7参照)と略同じである。記録媒体63には、障害検出プログラム274(図7参照)、基準時間変化276および対応情報96が記録されている。
図21は対応情報96の一例を示す図である。対応情報96は例えば、表形式のファイル(例えば、複数行複数列の表)である。図21の対応情報96は、各信号光26の識別情報98とこの信号光26の中心波長100(例えば、λ’)とを有する複数の行を備えた表である。識別情報98は例えば、信号光26(上り信号光λ’または下り信号光λ)が出射(または入射)する第2波長合分波器6bの光送信機側のポートの識別子(以下、チャネルIDと呼ぶ)である。
図22は、実施の形態2の基準時間変化276の一例を示す図である。
実施の形態2の基準時間変化276は例えば、図22に示すように、表形式のファイル(例えば、複数行複数列の表)である。基準時間変化276は例えば、各信号光26の識別情報98(例えば、チャネルID)とこの識別情報98に対応する個別基準変化110とを有する複数の行を備えた表である。
個別基準変化110は例えば、WDM−PON201の運転開始前に、波形導出部250により導出された各選択部分Prpの時間変化である。個別基準変化110は、波長選択部94が、各識別情報98に対応する中心波長(例えば、λ’)に波長分離幅ΔWを加える事で得られる波長(即ちΔ)を有する選択部分Prpを通過させている間に、波形導出部250が導出する時間変化である。個別基準変化110は好ましくは、個別光ファイバーが増設される度に更新される。
図23は、実施の形態2の基準情報277の一例を示す図である。実施の形態2の基準情報277は例えば、図23に示すように、表形式のファイル(例えば、複数行複数列の表)である。基準情報277は例えば、識別情報98(例えば、チャネルID)とこの識別情報98に対応する個別基準情報112とを有する複数の行を備えた表である。個別基準情報112は例えば、個別基準変化110を処理して得られるピーク数やピーク位置(個別基準変化110のピーク数やピーク位置)である。
(1−5)処理
図24は、CPU58が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
―透過波長の選択(S202〜S208)―
CPU58は先ず、変数iを初期値(例えば0)に設定する(S202)。
CPU58は、変数iの値と整数M(例えば12〜64)を比較する(S204)。変数iの値がM以上の場合、CPU58はステップS214に進む。
変数iの値がM未満の場合、CPU58は、変数iと同じ値を有するチャネルIDに対応する波長Λを導出する(S206)。例えばCPU58は先ず、対応情報96(図21)を参照して、変数iと同じ値を有するチャネルIDに対応する信号光の中心波長λ’を取得する。CPU58は、取得した中心波長に一定値ΔWを加えた波長Λ(=λ’+ΔW)を導出する(S206)。
CPU58は、波長可変フィルタ97の透過波長を導出した波長Λに設定する(S208)。CPU58は例えば、通信インターフェース70を介して波長可変フィルタ97の駆動装置103に波長Λを送信する。駆動装置103は、光学素子99の透過波長を波長Λに設定する。
ステップS202〜208は、波長選択部94により実行される。
―時間変化の取得(S210)―
CPU58は、波長可変フィルタ97の透過光(すなわち、選択部分Prp)の時間変化WF2を取得する(S210)。CPU58がステップS210で行う処理は、実施の形態1のステップS2〜S12(図8参照)で行われる処理と略同じである。但し、実施の形態1で導出される時間変化WFは戻り光Pr全体の時間変化であるが、ステップS210で導出される時間変化WF2は、波長Λを有する選択部分Prpの時間変化である。
ステップS210は、制御部256と波形導出部250により実行される。
―変数iの変更(S212)―
CPU58は、変数iに1を加えてステップS204に戻る(S212)。ステップS212は、波長選択部94により実行される。
―比較(S214)―
CPU58は、ステップS202〜S212で導出した各時間変化WF2(すなわち、選択部分Prpの時間変化)と、各時間変化に対応する個別基準変化110とを比較する(S214)。具体的にはCPU58は基準時間変化276(図22参照)を参照して、ステップS202〜S212で導出した各時間変化WF2(例えば、1次元配列)と個別基準変化110とを比較する。例えば、変数iがk−1(kは1〜nの整数)の時に導出した時間変化WF2(すなわち、波長Λ(=λ’+ΔW)を有する選択部分Prpの時間変化)と整数k−1であるチャネルIDに対応する個別基準変化110とを比較する。
ステップS214は、比較部252により実行される。
CPU58は、導出した各時間変化WF2とこの各時間変化WF2に対応する個別基準変化110が整合(例えば、一致または概略一致)する場合には、処理(すなわち、障害検出プログラム274の実行)を終了する。
CPU58は、個別基準変化110の代わりに、個別基準情報112(図23参照)とステップS202〜S212で導出した各時間変化WF2から導出される第1情報Ia2を比較してもよい。
―アラーム情報の送信(S216)―
一方、導出した各時間変化WF2の何れかと個別基準変化110が整合しない場合、CPU58は例えば、通信インターフェース70を介してOLT4にアラーム情報を送信する(S216)。
個別基準変化110と時間変化WF2の不整合は、この時間変化WF2を生じさせた個別光ファイバーの障害を示している。従ってアラーム情報には、個別基準変化110と整合しない時間変化WF2を導出した際の識別情報98(例えば、整合しない時間変化WF2を導出した際の変数iの値)が含まれてもよい。或いはCPU58は、出力装置68にアラーム情報を表示してもよい。CPU58はその後、処理(すなわち、障害検出プログラム274の実行)を終了する。ステップS216は、制御部56により実行される。
戻り光Prの選択部分Prpは、それぞれ別々の個別光ファイバー12で発生する。従って実施の形態2によれば、障害のある個別光ファイバーを容易に検出できる。
(2)変形例
(2−1)変形例1
図17〜24を参照して説明した例では、波長選択部94が自ら透過波長を選択し、選択した透過波長を有する選択部分Prpを通過(すなわち透過)させる。しかし、波長選択部94は、外部から取得した外部情報に基づいて透過波長を設定しもよい。
外部情報は例えば、複数の信号光26のうちの何れか一つに対応する識別情報98(例えばチャネルID)を含む。波長選択部94は例えば、外部情報に含まれる識別情報98に対応する波長Λ(=λ’+ΔW)に透過波長を設定し、設定した透過波長を有する選択部分Prpに通過させる。
外部情報の取得は例えば、波長選択部94により実行される。上述したように波長選択部94は、CPU58とメモリ60と波長可変フィルタ97とにより実現される。CPU58は例えば、入力装置64に入力された識別情報98を取得する。
変形例1では、波長選択部94の透過波長が外部情報に基づいて選択される。従って変形例1によれば、検査対象の個別光ファイバーを外部から選択できる。
(2−2)変形例2
図25は、実施の形態2の変形例2を示す図である。図25には、波長可変フィルタ97近傍のハードウエア構成が示されている。
図25に示すように、変形例2の障害検出装置は、波長可変フィルタ97を迂回する光線路114(以下、迂回線路と呼ぶ)および波長可変フィルタ97を通る光路の何れか一方に接続する一対の光スイッチ116を有する。光スイッチ116は例えば、方向性結合器である。
光スイッチ116により、戻り光Prの光路を迂回線路114に接続する事で、複数の個別光ファイバー12〜12を一括して検査することができる。そして個別光ファイバー12〜12の何れかに障害が検出された場合には、戻り光Prの光路を、波長可変フィルタ97を通る光路に切り替える事で、個別光ファイバー12〜12を個別に検査する事が可能になる。
(実施の形態3)
図26は、実施の形態3の障害検出装置302が適用されたWDM−PON301の一例を示す図である。図27は、実施の形態3のシステムにおける信号の流れを示す図である。
実施の形態3の障害検出装置302は、波長選択部394が光パルス発生部320と光学装置322の間に配置された障害検出装置である。その他の構成(すなわち、構造および機能)等は、実施の形態2の障害検出装置202の構成と略同じである。従って、実施の形態2と共通する部分については、説明を省略または簡単にする。
(1)障害検出装置
実施の形態3の障害検出装置302は、実施の形態2と同様、光パルス発生部320、波長選択部394、光学装置322および検査部324を有する。
(1−1)光パルス発生部
実施の形態3の光パルス発生部320は、実施の形態1の光パルス発生部20と略同じ構造を有する。従って、光パルス発生部320の構造の説明は省略する。
光パルス発生部320は、複数の光パルス(以下、第1光パルスと呼ぶ)を一つずつ(すなわち、別々のタイミングで)発生する。複数の第1光パルスは夫々、複数の信号光26の互いに異なる複数の中心波長(例えば、λ’〜λ’)夫々に、複数の中心波長の最大値と最小値の差より大きい絶対値を有する一定値ΔWを加える事で得られる複数の波長Λ〜Λを有する。
(1−2)波長選択部
実施の形態3の波長選択部394は、実施の形態2の波長選択部94と略同じ構造を有する。従って、波長選択部394の構造の説明は省略する。
波長選択部394は、光パルス発生部320から出射した複数の第1光パルスPw1から複数の光パルスPw2(以下、第2光パルスと呼ぶ)を生成する。
第2光パルスPw2のスペクトルは、図19を参照して説明した選択部分Prpのスペクトル95と略同じである。複数の第2光パルスPw2は夫々複数の波長Λ〜Λの何れか一つだけを有し、複数の波長Λ〜Λは夫々上記複数の第2光パルスPw2の何れか一つだけに含まれる。すなわち、複数の第2光パルスPw2は夫々、互いに異なる複数の波長Λ〜Λを一つずつ有する。従って、複数の第2光パルスPw2は夫々、別々の個別光ファイバー12〜12を伝搬する。
(1−3)光学装置
実施の形態3の光学装置322は、実施の形態2の光学装置22と略同じ構造を有する。
光学装置322は、複数の第2光パルスPw2を複数の信号光26が伝搬する光線路10に送出し、更に送出した複数の第2光パルスPw2の戻り光Pr2を光線路10から抽出する。
(1−4)検査部
実施の形態3の検査部324は、実施の形態2の検査部224と略同じ構造を有する。検査部324は、複数の第2光パルスPw2夫々の(抽出された)戻り光Pr2を検査する。
(1−4−1)受光器およびA/D変換器
実施の形態3の受光器44は、実施の形態1の受光器44と略同じ構造および機能を有する。実施の形態3のA/D変換器46は、実施の形態1のA/D変換器46と略同じ構造および機能を有する。
(1−4−2)処理部
実施の形態3の処理部348は、波形導出部350、比較部352、記憶部354および制御部356を有する。
―波形導出部―
波形導出部350は、受光器44およびA/D変換器46と協働して、複数の第2光パルスPw2夫々の時間変化を導出する。波形導出部350の構造は、実施の形態2の波形導出部350の構造と略同じである。
―記憶部―
記憶部354は例えば、基準時間変化376と対応情報96とを記憶している(図7参照)。記憶部354は基準時間変化376の代わりに、基準情報377を記憶してもよい。
基準時間変化376は例えば、WDM−PON301の運用開始前に測定された複数の第2光パルスPw2の戻り光Pr2夫々の時間変化WF3の集まりである。
基準時間変化376のデータ構造は、実施の形態2の基準時間変化276のデータ構造と略同じである(図22参照)。基準時間変化376の各行には、実施の形態2の個別基準変化110の代わりに、WDM−PON301の運用開始前に測定された戻り光Pr2の時間変化WF3(個別基準変化)が記録されている。
実施の形態3の対応情報96は例えば、実施の形態2の対応情報96と同じものである。
―比較部―
比較部352は、導出された各時間変化WF3とその基準時間変化376(図7参照)とを比較する。
比較部352は例えば、識別情報98に基づいて、各時間変化WF3の基準時間変化(すなわち、個別基準変化)を記憶部254から取得する。比較部352は更に、取得した基準時間変化と波形導出手段により導出された時間変化WF3とを比較する。
―制御部―
制御部356の構造および機能は、実施の形態2の制御部256の構造および機能と略同じ構造である。従って、制御部356の構造および機能の説明は省略する。
以上の例では、検査部324の検査は、複数の第2光パルスPw2夫々の時間変化WF3を測定して、測定された各時間変化WF3とその基準時間変化とを比較することである。
検査部324の検査は、複数の第2光パルスPw2夫々の時間変化WF3を測定して、測定された各時間変化WF3から第1情報Ia3を導出すると共に、導出した第1情報Ia3と基準情報とを比較することであってもよい。
第1情報Ia3は例えば、測定された各時間変化WF3のピーク数やピーク位置である。この場合、第1情報Ia3の導出は例えば、波形導出部350により実行される。第1情報Ia3と基準情報の比較は、比較部352により実行される。基準情報377は例えば、WDM−PON301の運用開始前に測定された各時間変化WF3の情報(例えばピーク位置やピーク数)である。
(2)処理
実施の形態3においてCPU58が実行する処理は、基準時間変化(または、基準情報)の内容が異なる以外は、実施の形態2においてCPU58が実行する処理(図24参照)と実施的に同じである。従って、実施の形態3の障害検出プログラム374(図7参照)は、実施の形態2の障害検出プログラム274と略同じである。
実施の形態2であるステップ(例えば、ステップS214)を実行するブロック(例えば、比較部)は、実施の形態3でも同じステップを実行する。
なお実施の形態2のステップS210(図24参照)では、戻り光Prの選択部分Prp(図18参照)の時間変化を導出する。一方、実施の形態3ではステップS210の代わりに、第2光パルスPw2の戻り光Pr2(図27参照)の時間変化を導出する。しかしCPU58が第2光パルスPw2の戻り光Pr2の時間変化を導出する処理は、CPU58が実施の形態2のステップS210で行う処理と実質的に同一である。
実施の形態3によれば、複数の第2光パルスPw2(検査光)が夫々別々の個別光ファイバーを伝搬するので、実施の形態2と同様、障害のある光ファイバーを容易に検出することができる。
(3)変形例
図26に示す例では波長選択部394は、光パルス発生部320と光サーキュレータ23の間に配置されている。しかし、波長選択部394は、光サーキュレータ23と光学装置322の間に配置されてもよい。この場合、波長選択部394を通過した第2光パルスPw2の戻り光Pr2も、波長選択部394を通過する。従って、受光器44に入射する戻り光Pr2の波長の純度は高くなる。
第2光パルスPw2のうち第2光パルスPw2の中心波長から離れた波長成分は、第2光パルスPw2のうち中心波長近傍の波長成分が伝搬する個別光ファイバーとは別の個別光ファイバーを伝搬することがある。この様な波長成分による戻り光は、波長選択部394を通過することで減衰される。従って変形例によれば、第2光パルスPw2のうち中心波長から離れた波長成分が個別光ファイバーの検査に及ぼす悪影響を抑制できる。
(実施の形態4)
図28は、実施の形態4の障害検出装置402が適用されたWDM−PON401の一例を示す図である。図29は、実施の形態4のシステムにおける信号の流れを示す図である。
実施の形態4の障害検出装置402は、外部からの情報(以下、外部情報と呼ぶ)に応じて光パルスの発光条件を調整する。その他の構成(機能および構造)は、実施の形態1の障害検出装置2の構成と略同じである。従って、実施の形態1と共通する部分については、説明を省略または簡単にする。
(1)通信システム
実施の形態4のOLT404は、監視部121を有する。監視部121は、光送受信機14〜14の上り信号光18の受信状態を監視する。監視部121は、障害検出装置402に監視情報を送信する。
監視情報は例えば、光線路10(すなわち、共通光ファイバー)を障害検出装置402に向かって伝搬する複数の信号光26(すなわち、上り信号光18)の監視により得られる情報である。監視情報は例えば、複数の信号光26のうち一定期間正常に受信された信号光の数を含む。
(2)障害検出装置
実施の形態4の障害検出装置402は、実施の形態1と同様、光パルス発生部420、光学装置22および検査部424を有する。障害検出装置402は更に、外部から外部情報124を受信する受信部122を有する。外部情報124は例えば、上記監視情報である。
(2−1)光パルス発生部
光パルス発生部420は、受信部122により受信された外部情報124に応じて、光パルスPwを発生する条件を調節する。
光パルス発生部420は例えば先ず、第1発光条件で光パルスPwを発生する。その後、光パルス発生部420は、受信された外部情報124と後述する第2情報とが整合しない場合、第1発光条件とは異なる第2発光条件で光パルスPwを再度発生する。
(2−2)光学装置
光学装置22は、実施の形態1の光学装置22と略同じ構造および機能を有する。
(2−3)検査部
検査部424は、光学装置22により抽出された戻り光Prの時間変化(以下、第2時間変化と呼ぶ)を測定し更に、測定した第2時間変化から第2時間変化の特徴を表す情報(以下、第2情報と呼ぶ)を導出する。
検査部424は更に、受信された外部情報124と第2情報とが整合しない場合、上記第2発光条件で再度発生された光パルスPwの戻り光を検査する。
検査部424は、処理部448を有する。処理部448は、波形導出部450、比較部452、記憶部54および制御部456を有する。
(2−4)ハードウエア構成
(2−4―1)検査部のハードウエア構成
検査部424は、実施の形態1の検査部24と略同じ構造を有する。例えば、波形導出部450は、実施の形態1の波形導出部50と略同じ構造を有する。比較部452は、実施の形態1の比較部52と略同じ構造を有する。記憶部54は、実施の形態1の記憶部54と略同じ構造および機能を有する。制御部456は、実施の形態1の制御部56と略同じ構造および機能を有する。更に記憶部54には、実施の形態1の情報(すなわち、基準時間変化および基準情報の何れか一方または双方)と同じ情報が記録されている。
(2−4−2)光パルス発生部のハードウエア構成
図30は、光パルス発生部420のハードウエア構成の一部を例示する図である。
光パルス発生部420は、パルス光源125を有する。光パルス発生部420は、CPU58とメモリ60とパルス光源125により実現される。
パルス光源125は、光変調器432と光源30とを有する。光源30は、発光素子126と駆動回路128とを有する。CPU58は、通信インターフェース70を介して駆動回路128を制御する。
光変調器432は、図30に示すように、入射光の透過率を変更可能な光変調素子130を有する。光変調素子130は、光サーキュレータ23と発光素子126の間に配置される。光変調器432は更に、光変調素子130の駆動回路132を有する。CPU58は例えば、通信インターフェース70を介して駆動回路132にタイミング信号C(図2参照)を送出する。
発光素子126から出射した連続光P(図29参照)は、光変調素子130に入射する。光変調素子130が、CPU58が送出したタイミング信号に応答して光変調素子130が透過率を瞬間的に増加させると、光パルスPw(図29参照)が発生する。発生した光パルスPwは、光サーキュレータ23を介して光学装置22に入射する。
(2−4−3)受信部のハードウエア構成
受信部122は、CPU58(図7参照)とメモリ60と通信インターフェース70により実現される。
(2−5)処理
図31は、CPU58が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
―外部情報の受信(S402)―
CPU58は、外部情報124を受信するまで待機する(S402)。外部情報124は例えば、通信インターフェース70を介して受信される。ステップS402は、受信部122により実行される。
―第2時間変化の測定(S404)―
CPU58は、外部情報124を受信すると、光パルスPwの戻り光Prの第2時間変化WF4(図29参照)を測定する(S404)。第2時間変化WF4は例えば、図8を参照して説明したステップS2〜ステップS12と略同じ手順により測定される。ステップS404は、波形導出部450と制御部456により実行される。
―第2情報の導出(S406)―
CPU58は、測定した第2時間変化を処理して第2情報を導出する(S406)。第2情報は例えば、第2時間変化に含まれるピークの数である。ステップS406は例えば、波形導出部450により実行される。
―情報の比較(S408)―
CPU58は、導出した第2情報と外部情報を比較する(S408)。CPU58は、第2情報と外部情報が整合する場合にはステップS410に進み、第2情報と外部情報が整合しない場合にはステップS412に進む。ステップS408は、比較部452により実行される。
OLT4の光送受信機14〜14は、個別光ファイバー12が断線すると、この個別光ファイバー12に接続されたONU8が送信する上り信号光を受信できない。更に、ONU8が故障等により上り信号光を送信できない場合にも、OLT4の光送受信機14はONU8の上り信号光を受信することができない。
従って、光送受信機14〜14により正常に受信される上り信号光の数Aは、断線していない正常な個別光ファイバーの数B(≧A)以下である。第2時間変化のピークの数Cから推定される断線していない個別光ファイバーの数B’(例えば、B’=C-1)は、第2時間変化の測定に問題がなければ、断線していない個別光ファイバーの数Bに一致(B’=B)するはずである。従って、断線していない個別光ファイバーの推定数B’が正常に受信された信号光の数Aより少ない場合(B’<A)、第2時間変化のピークの数Cと正常に受信される信号光の数Aは整合しない。
従って、第2時間変化のピークの数Cを含む第2情報と、一定期間正常に受信された信号光の数Aを含む監視情報(外部情報)は整合しない(すなわち、矛盾している)。この様な不整合は、第2時間変化の測定に問題があることを示している。
―発光条件の変更(S412)―
CPU58は例えば、パルス光源125の発光条件を変更する。ステップS412は、光パルス発生部420により実行される。CPU58は例えば、通信インターフェース70を介して発光素子126の駆動回路128を制御して、発光素子126の駆動電力を標準値(第1発光条件)から標準値より大きな電力(第2発光条件)に変更する(S412)。変更後の電力は、例えば標準値の2〜10倍である。この電力増加により、光パルスPwの発光強度が増加する。その結果、戻り光Prの強度が増加して、受光器44の出力VrのSN比が増加する。このSN比の増加により、上述した時間変化の測定の問題が解消される。
―第1時間変化の測定(S414)―
CPU58は、光パルスPwの発光強度を増加させたまま、光パルスPwの戻り光Prの時間変化WF(第1時間変化)を測定する(S414)。ステップS414は、波形導出部450と制御部456により実行される。
第1時間変化は例えば、図8を参照して説明したステップS2〜ステップS12と同じ手順により測定される。
―時間変化と基準時間変化の比較(S410)―
CPU58は、ステップS414で測定した戻り光Prの時間変化(第1時間変化)と基準時間変化76(図7参照)とを比較する(S410)。但し、ステップS406で導出した第2情報と外部情報とが整合している場合にはCPU58は、ステップS404で測定した戻り光Prの時間変化(第2時間変化)と基準時間変化76とを比較する。ステップS410は、比較部452により実行される。
CPU58は、戻り光Prの時間変化(第1または第2時間変化)と基準時間変化76が整合する場合には、処理(すなわち、障害検出プログラム474の実行)を終了する。
―アラーム情報の送信(S416)―
戻り光Prの時間変化と基準時間変化76が整合しない場合、CPU58は例えば、通信インターフェース70を介してOLT4にアラーム信号を送信する(S416)。CPU58はその後、処理(すなわち、障害検出プログラム474の実行)を終了する。ステップS416は、制御部456により実行される。
以上の例では、発光条件の変更は1回だけである。しかし戻り光Prの時間変化と監視情報の矛盾が解消されたことが確認されるまで、発光条件の変更は繰り返されてもよい(下記実施の形態5についても同様)。
また以上の例では、検査部424は光パルスPwの光強度を調整しているが、光パルスPwの光強度以外の発光条件を調整してもよい。例えば検査部424は、光パルスPwの時間幅や周期を調整してもよい。
または、実施の形態4の障害検出装置402は、実施の形態2の障害検出装置202と同様、検査部424と光サーキュレータ23の間に波長選択部94有してもよい。この場合、図25を参照して説明した光スイッチ116と光線路114を設けることで、第2時間変化の測定が可能になる(実施の形態5についても同様)。
実施の形態4によれば、上り信号光18の監視情報に基づいて光パルスの強度を調整するので、光伝送路の障害検出の信頼性が向上する。
(実施の形態5)
図32は、実施の形態5の障害検出装置502が適用されたWDM−PON501の一例を示す図である。図33は、実施の形態5のシステムにおける信号の流れを示す図である。
実施の形態5の障害検出装置502は、外部からの情報(以下、外部情報と呼ぶ)に応じて戻り光Prの検査の条件を調整する。その他の構成(構造および機能)は、実施の形態4の障害検出装置402の構成と略同じである。従って、実施の形態4と共通する部分については、説明を省略または簡単にする。
(1)通信システム
実施の形態5のOLT404は、実施の形態5のOLT404と略同じ構造および機能を有する。
(2)障害検出装置
実施の形態5の障害検出装置502は、実施の形態4と同様、光パルス発生部520、光学装置22および検査部524を有する。障害検出装置502は更に、外部から外部情報124を受信する受信部122を有する。外部情報124は例えば、実施の形態4で説明した監視情報である。
(2−1)光パルス発生部
光パルス発生部520は、実施の形態1の光パルス発生部20と略同じ構造を有する。
光パルス発生部520は、受信された外部情報124と後述する第2情報とが整合しない場合には、光パルスPwを再度発生する。
(2−2)光学装置
光学装置22は、実施の形態1の光学装置22と略同じ構造および機能を有する。
(2−3)検査部
検査部524は、光学装置22により抽出された戻り光Prの時間変化(以下、第2時間変化と呼ぶ)を第1測定条件で測定し更に、測定した第2時間変化から第2時間変化の特徴を表す情報(以下、第2情報と呼ぶ)を導出する。
検査部524は更に、受信された外部情報124と第2情報とが整合しない場合、再度発生された光パルスPwの戻り光Prの第1時間変化を第1測定条件とは異なる第2測定条件で測定して、第1時間変化に基づいて戻り光Prを検査する。
検査部524は、処理部548を有する。処理部548は、波形導出部550、比較部552、記憶部54および制御部556を有する。
(2−4)ハードウエア構成
検査部524は、実施の形態4の検査部424と略同じ構造(すなわち、ハードウエア構成)を有する。
(2−5)処理
図34は、CPU58が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
―外部情報の受信(S402)―
CPU58は、外部情報124を受信するまで待機する(S402)。ステップS402は、実施の形態4のステップS402と略同じである。ステップS402は、受信部122により実行される。
―第2時間変化の測定(S404)―
CPU58は、外部情報124を受信すると、光パルスPwの戻り光Prの第2時間変化を測定する(S404)。ステップS404は、実施の形態4のステップS404と略同じである。ステップS404は、波形導出部550と制御部556により実行される。
―第2情報の導出(S406)―
CPU58は、測定した第2時間変化を処理して第2情報を導出する(S406)。第2情報は例えば、第2時間変化に含まれるピーク数である。ステップS406は、実施の形態4のステップS406と略同じである。ステップS406は例えば、波形導出部550により実行される。
―情報の比較(S408)―
CPU58は、導出した第2情報と外部情報を比較する(S408)。CPU58は、第2情報と外部情報が整合する場合にはステップS410に進み、第2情報と外部情報が整合しない場合にはステップS512に進む。ステップS408は、実施の形態4のステップS408と略同じである。ステップS408は、比較部552により実行される。
―第1時間変化の測定(S512およびS414)―
CPU58は、第1測定条件を第1測定条件とは異なる第2測定条件に変更する(S512)。その後CPU58は第2測定条件で、光パルスPwの戻り光Prの時間変化(第1時間変化)を測定する(S414)。
ステップS512およびステップS414は、波形導出部550と制御部556により実行される。
第1および第2測定条件は例えば、戻り光Prの測定回数(すなわち、図8で説明した変数iの上限N)である。第1測定条件は、例えば100回(測定回数)である。第2測定条件は、例えば1000回(測定回数)である。測定回数を増加させることにより、波形導出部550により導出される時間変化のSN比が向上し、波形導出部550により導出される時間変化と監視情報が整合しやすくなる。
―時間変化と基準時間変化の比較(S410)―
CPU58は、ステップS414で測定した第1時間変化またはステップS404で測定した第2時間変化と基準時間変化76(図7参照)とを比較する(S410)。CPU58は、第1時間変化または第2時間変化と基準時間変化76が整合する場合には、処理(すなわち、障害検出プログラム574)の実行を終了する。ステップS410は、実施の形態4のステップS410と略同じである。
ステップS410は、比較部452により実行される。
―アラーム情報の送信(S416)―
第1時間変化または第2時間変化と基準時間変化76が整合しない場合、OLT4にアラーム信号を送信する(S416)。CPU58はその後、処理(すなわち、障害検出プログラム574の実行)を終了する。ステップS416は、実施の形態4のステップS416と略同じである。
ステップS416は、制御部556により実行される。
以上の例では、検査部524は戻り光Prの測定回数を調整している。しかし検査部524は別の条件を調整してもよい。例えば検査部524は、受光器44の感度を調整してもよい。
実施の形態5によれば、上り信号光18の監視情報に基づいて戻り光の時間変化の測定条件を調整するので、光伝送路の障害検出の信頼性が向上する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、実施の形態1〜5は、例示であって制限的なものではない。
例えば、実施の形態1〜5では下り信号光16の中心波長と上り信号光18の中心波長が異なっている。しかし、下り信号光16の中心波長と上り信号光18の中心波長が一致していてもよい。例えば、下り信号光16と上り信号光18を異なるタイミングで送受信することで下り信号光16と上り信号光18の混信が抑制されれば、下り信号光16の中心波長と上り信号光18の波長は同じであってもよい。
また以上の例では、検査部等は一つのCPUにより実現されている。しかし、検査部等は複数のCPUにより実現されてもよい。
また以上の例では、実施の形態1〜5の障害検出装置は、WDM−PONに適用される。しかし実施の形態1〜5の障害検出装置は、WDM−PON以外の光通信システムに適用されてもよい。実施の形態1〜5の障害検出装置は、夫々を伝搬する信号光の波長が互いに異なる複数の光線路を有する光通信システムに好適である。
以上の実施の形態1〜5に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
複数の信号光の互いに異なる複数の中心波長夫々を、前記複数の中心波長の最大値と最小値の差より大きい絶対値を有する一定値シフトした複数の波長に光強度成分を含む光パルスを発生する光パルス発生部と、
発生した前記光パルスを、前記複数の信号光が伝搬する光線路に送出すると共に、送出した前記光パルスの戻り光を前記光線路から抽出する光学装置と、
抽出された前記戻り光を検査する検査部とを有する
障害検出装置。
(付記2)
前記光線路は、WDM−PONの光線路であることを特徴とする
付記1に記載の障害検出装置。
(付記3)
前記検査は、抽出された前記戻り光の時間変化を測定して、測定された前記時間変化と基準時間変化とを比較すること、または前記時間変化を測定して、測定された前記時間変化から第1情報を導出すると共に導出した前記第1情報と基準情報とを比較することであることを
特徴とする付記1又は2に記載の障害検出装置。
(付記4)
前記光パルスは、単位波長当たりの光パワーが前記光パルスのスペクトルの最大値の半分以上である波長範囲内に、前記複数の波長を有することを
特徴とする付記1乃至3の何れか1項に記載の障害検出装置。
(付記5)
抽出された前記戻り光の複数の部分を一つずつ通過させ、前記複数の部分はそれぞれ前記複数の波長の何れか一つだけを有し、前記複数の波長はそれぞれ前記複数の部分の何れか一つだけに含まれる波長選択部を更に有し、
前記検査は、通過させられた前記複数の部分夫々を検査することであることを
特徴とする付記1乃至4の何れか1項に記載の障害検出装置。
(付記6)
複数の信号光の互いに異なる複数の中心波長夫々を、前記複数の中心波長の最大値と最小値の差より大きい絶対値を有する一定値シフトした複数の波長に光強度成分を夫々含む複数の第1光パルスを一つずつ発生する光パルス発生部と、
発生した前記複数の第1光パルスから複数の第2光パルスを生成し、前記複数の第2光パルスはそれぞれ前記複数の波長の何れか一つだけを有し、前記複数の波長はそれぞれ前記複数の第2光パルスの何れか一つだけに含まれる波長選択部と、
前記複数の第2光パルスを前記複数の信号光が伝搬する光線路に送出し、更に送出した前記複数の第2光パルスの戻り光を前記光線路から抽出する光学装置と、
前記複数の第2光パルス夫々の抽出された前記戻り光を検査する検査部とを有する
障害検出装置。
(付記7)
更に、外部から情報を受信する受信部を有し、
前記光パルス発生部は、受信された前記情報に応じて、前記光パルスを発生する条件を調節することを特徴とする
付記1乃至5の何れか1項に記載の障害検出装置。
(付記8)
前記複数の信号光は、前記光学装置に向かって伝搬する信号光であり、
前記情報は、前記複数の信号光の監視により得られる情報であることを特徴とする
付記7に記載の障害検出装置。
(付記9)
更に、外部から情報を受信する受信部を有し、
前記検査部は、受信された前記情報に応じて、前記検査の条件を調節することを特徴とする
付記1乃至5の何れか1項に記載の障害検出装置。
(付記10)
前記複数の信号光は、前記光学装置に向かって伝搬する信号光であり、
前記情報は、前記複数の信号光の監視により得られる情報であることを特徴とする
付記9に記載の障害検出装置。
(付記11)
複数の信号光の互いに異なる複数の中心波長夫々を、前記複数の中心波長の最大値と最小値の差より大きい絶対値を有する一定値シフトした複数の波長に光強度成分を含む光パルスを発生し、
前記複数の信号光が伝搬する光線路に前記光パルスを送出し、
前記光パルスの戻り光を検査する
光線路の障害検出方法。
2、202、302、402、502・・・障害検出装置
10・・・光線路
20、320、420・・・光パルス発生部
22、322・・・光学装置
24、224、324、424、524・・・検査部
26・・・複数の信号光
94、394・・・波長選択部
122・・・受信部
Pw・・・光パルス
Pr・・・戻り光

Claims (6)

  1. 複数の信号光の互いに異なる複数の中心波長夫々を、前記複数の中心波長の最大値と最小値の差より大きい絶対値を有する一定値シフトした複数の波長に光強度成分を含む光パルスを発生する光パルス発生部と、
    発生した前記光パルスを、前記複数の信号光が伝搬する光線路に送出すると共に、送出した前記光パルスの戻り光を前記光線路から抽出する光学装置と、
    抽出された前記戻り光を検査する検査部とを有する
    障害検出装置。
  2. 抽出された前記戻り光の複数の部分を一つずつ通過させ、前記複数の部分はそれぞれ前記複数の波長の何れか一つだけを有し、前記複数の波長はそれぞれ前記複数の部分の何れか一つだけに含まれる波長選択部を更に有し、
    前記検査は、通過させられた前記複数の部分夫々を検査することであることを
    特徴とする請求項1に記載の障害検出装置。
  3. 複数の信号光の互いに異なる複数の中心波長夫々を、前記複数の中心波長の最大値と最小値の差より大きい絶対値を有する一定値シフトした複数の波長に光強度成分を夫々含む複数の第1光パルスを一つずつ発生する光パルス発生部と、
    発生した前記複数の第1光パルスから複数の第2光パルスを生成し、前記複数の第2光パルスはそれぞれ前記複数の波長の何れか一つだけを有し、前記複数の波長はそれぞれ前記複数の第2光パルスの何れか一つだけに含まれる波長選択部と、
    前記複数の第2光パルスを前記複数の信号光が伝搬する光線路に送出し、更に送出した前記複数の第2光パルスの戻り光を前記光線路から抽出する光学装置と、
    前記複数の第2光パルス夫々の抽出された前記戻り光を検査する検査部とを有する
    障害検出装置。
  4. 更に、外部から情報を受信する受信部を有し、
    前記光パルス発生部は、受信された前記情報に応じて、前記光パルスを発生する条件を調節することを特徴とする
    請求項1又は2に記載の障害検出装置。
  5. 更に、外部から情報を受信する受信部を有し、
    前記検査部は、受信された前記情報に応じて、前記検査の条件を調節することを特徴とする
    請求項1又は2に記載の障害検出装置。
  6. 複数の信号光の互いに異なる複数の中心波長夫々を、前記複数の中心波長の最大値と最小値の差より大きい絶対値を有する一定値シフトした複数の波長に光強度成分を含む光パルスを発生し、
    前記複数の信号光が伝搬する光線路に前記光パルスを送出し、
    前記光パルスの戻り光を検査する
    光線路の障害検出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110635842A (zh) * 2019-10-11 2019-12-31 太原理工大学 一种无源波分复用网络光纤故障检测系统及其检测方法

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