JP2018157229A - 半導体装置 - Google Patents
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例えば特許文献1には、フィン用穴を有するプリント基板に実装された電子部品を覆うシールドケースと、放熱フィンとを備え、前記フィン用穴から放熱フィンの一部をシールドケースの外側に露出させる、という技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1の技術では、ある程度の放熱性を確保できるものの、シールドケースにフィン用穴が設けられていることによって、電磁波抑制効果を十分に得ることができず、放熱性と電磁波抑制効果の両立を図ることはできないと考えられる。
(1)基板上に形成された半導体素子と、開口部を有し、前記半導体素子の少なくとも一部を覆うように設けられ、グラウンドに接続された導電シールドカンと、前記導電シールドカンの上部に設けられた冷却部材と、を備えた半導体装置において、少なくとも前記導電シールドカンの開口部を通して、前記半導体素子と前記冷却部材との間に形成された電磁波吸収熱伝導シートであって、
前記電磁波吸収熱伝導シートが、前記導電シールドカンの上面及び/又は下面の一部を覆っており、該電磁波吸収熱伝導シートによる被覆面積が、前記導電シールドカンの開口部の面積よりも大きいことを特徴とする、電磁波吸収熱伝導シート。
上記構成によって、優れた放熱性及び電磁波抑制効果を実現できる。
(2)前記電磁波吸収熱伝導シートが、前記導電シールドカンの上面の一部を覆っていることを特徴とする、上記(1)に記載の電磁波吸収熱伝導シート。
(3)前記電磁波吸収熱伝導シートが、前記導電シールドカンの上面及び下面の一部を覆っていることを特徴とする、上記(1)に記載の電磁波吸収熱伝導シート。
(4)前記電磁波吸収熱伝導シートが、複数枚のシートから構成されることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の電磁波吸収熱伝導シート。
(5)前記電磁波吸収熱伝導シートが、繊維状の熱伝導性充填剤を含むことを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の電磁波吸収熱伝導シート。
(6)前記繊維状の熱伝導性充填剤が、炭素繊維であることを特徴とする、上記(5)に記載の電磁波吸収熱伝導シート。
(7)前記電磁波吸収熱伝導シートが、磁性金属粉をさらに含むことを特徴とする、前記(5)又は(6)に記載の電磁波吸収熱伝導シート。
(8)前記電磁波吸収熱伝導シートは、シート中心部の熱伝導率が、シート外周部の熱伝導率に比べて大きいことを特徴とする、上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の電磁波吸収熱伝導シート。
ここで、図1〜3は、本発明の半導体装置の3つの実施形態について、断面を模式的に示した図である。なお、各図面については、説明の便宜のため、各部材の形状やスケールが実際のものとは異なる状態で示されている。各部材の形状やスケールについては、本明細書の中で規定されていること以外は、半導体装置ごとに適宜変更することが可能である。
そして、本発明の半導体装置1では、前記導電シールドカン20が開口部21を有し、該開口部21を通して、前記電磁波吸収熱伝導シート10が、前記半導体素子30と、前記冷却部材40との間に形成されていることを特徴とする。
(半導体素子)
本発明の半導体装置1は、図1〜3に示すように、基板50上に形成された半導体素子30を備える。
ここで、前記半導体素子については、半導体による電子部品であれば特に限定されるものではない。例えば、ICやLSI等の集積回路、CPU、MPU、グラフィック演算素子、イメージセンサなどが挙げられる。
本発明の半導体装置1は、図1〜3に示すように、開口部21を有し、前記半導体素子30の少なくとも一部を覆うように設けられ、前記グラウンド60に接続された導電シールドカン20を備える。
前記グラウンド60に接続された導電シールドカン20によって、電磁波のシールドが可能となり、本発明の半導体装置1の電磁波抑制効果を向上できる。
前記、前記開口部21の大きさについては、特に限定はされず、半導体素子30の大きさ等に応じて適宜変更することができる。前記開口部21は、開口面積が小さい方が、電磁波の放出を少なくでき、放射電磁界を小さくすることが可能である。ただし、半導体素子30からの熱を逃がすという観点からは、前記開口部21を大きくして大きな電磁波吸収熱伝導シート10を用いることが好ましい。そのため、開口部21の大きさは、本発明の半導体装置1に要求される熱伝導性や電磁ノイズ抑制効果に応じて適宜変更することになる。
本発明の半導体装置1は、図1〜3に示すように、前記導電シールドカン20の上部に冷却部材40を備える。
ここで、前記冷却部材40は、前記熱源(半導体素子30)から発生する熱を吸収し、外部に放散させるための部材である。後述する電磁波吸収熱伝導シート10を介して、前記半導体素子30と接続されることによって、半導体素子30が発生した熱を外部に拡散させ、半導体装置の放熱性を確保できる。
前記冷却部材40の種類については、特に限定はされず、本発明の半導体装置1の種類に応じて適宜選択することができる。例えば、放熱器、冷却器、ヒートシンク、ヒートスプレッダ、ダイパッド、冷却ファン、ヒートパイプ、金属カバー、筐体等が挙げられる。これらの放熱部材の中でも、より優れた放熱性が得られる点からは、放熱器、冷却器又はヒートシンクを用いることが好ましい。
本発明の半導体装置1は、図1〜3に示すように、少なくとも前記導電シールドカン20の開口部21を通して、前記半導体素子30と、前記冷却部材40との間に形成された電磁波吸収熱伝導シート10を備える。
電磁波吸収性能を有し且つ熱伝導性の高い電磁波吸収熱伝導シート10が、半導体素子30と冷却部材40との間に設けられることで、電磁波抑制効果を低下させることなく、放熱性についても向上させることが可能となる。
なお、図1〜3に示すように、前記導電シールドカン20の上面20aとは、前記導電シールドカン20の冷却部材40側の面のことを示し、前記導電シールドカン20の下面20bとは、前記導電シールドカン20の半導体素子30側の面のことを示す。
そして、特に優れた電磁波抑制効果が得られる点からは、前記電磁波吸収熱伝導シート10が、図2に示すように、前記導電シールドカン20の上面20a及び下面20bの一部を覆っていること(つまり、前記導電シールドカン20の冷却部材40側及び半導体素子30側における前記電磁波吸収熱伝導シートの被覆面積が、いずれも前記導電シールドカン20の開口部21の面積よりも大きいこと)が好ましい。
例えば、図1に示すように、前記電磁波吸収熱伝導シート10が前記シールドカン20の上面20a又は下面20bを覆わない場合(つまり、前記電磁波吸収熱伝導シート10の被覆面積が前記開口部21の面積と同一の場合)には、前記電磁波吸収熱伝導シート10を一層のシートにより構成することができる。ただし、シートの厚さを調整しやすい等の観点から、複数のシートから構成することもできる。
また、図2及び3に示すように、前記電磁波吸収熱伝導シート10が前記シールドカン20の上面20aや下面20bの一部を覆う場合(つまり、前記電磁波吸収熱伝導シート10の被覆面積が前記シールドカン20の開口部21の面積よりも大きい場合)には、前記電磁波吸収熱伝導シート10を一層のシートにより構成してもよいし、複数のシートにより構成することもできる。前記電磁波吸収熱伝導シート10を一層のシートから構成する場合には、電磁波吸収熱伝導シート10と部材(図2及び3では、半導体素子30及び冷却部材40)とを圧着することによって、シートの一部が押し出され、前記シールドカン20の上面20aや下面20bの一部を覆うことができる。前記電磁波吸収熱伝導シート10を複数枚のシートから構成する場合には、大きさが異なるシートを組み合わせることによって、所望の形状の電磁波吸収熱伝導シート10を得ることができる。
ここで、前記電磁波吸収熱伝導シート10の厚さTは、図1〜3に示すように、前記電磁波吸収熱伝導シート10の最も厚さが大きな部分の厚さTのことを意味し、一層のシートから形成されるか、複数のシートから形成されるかには関わらない。
なお、前記電磁波吸収熱伝導シート10の表面にタック性を付与する方法については特に限定はされない。例えば、後述する電磁波吸収熱伝導シート10を構成するバインダ樹脂の適正化を図ってタック性を持たせることもできるし、該電磁波吸収熱伝導シート10の表面にタック性のある接着層を別途設けることもできる。
ここで、前記電磁波吸収熱伝導シート10のシート中心部とは、電磁波吸収熱伝導シート10が前記半導体素子30と接する部分であり、その中でも特に、発熱量の多い部分(一般的にホットスポットといわれる部分)に相当する部分のことをいう。また、シート外周部とは、前記中心部以外の部分のことをいう。
例えば、高いレベルで、電磁波吸収性能及び熱伝導性を実現できる点からは、前記電磁波吸収熱伝導シートとして、バインダ樹脂と、熱伝導性充填剤とを含む、電磁波吸収熱伝導シートを用いることができる。
・バインダ樹脂
前記電磁波吸収熱伝導シートを構成するバインダ樹脂とは、熱伝導シートの基材となる樹脂成分のことである。その種類については、特に限定されず、公知のバインダ樹脂を適宜選択することができる。例えば、バインダ樹脂の一つとして、熱硬化性樹脂が挙げられる。
上述した成形加工性、耐候性、密着性等を得る観点からは、前記シリコーンとして、液状シリコーンゲルの主剤と、硬化剤とから構成されるシリコーンであることが好ましい。そのようなシリコーンとしては、例えば、付加反応型液状シリコーン、過酸化物を加硫に用いる熱加硫型ミラブルタイプのシリコーン等が挙げられる。
なお、前記液状シリコーンゲルの主剤と、硬化剤との組合せにおいて、前記主剤と前記硬化剤との配合割合としては、質量比で、主剤:硬化剤=35:65〜65:35であることが好ましい。
前記電磁波吸収熱伝導シートは、前記バインダ樹脂内に熱伝導性充填剤を含む。該熱伝導性充填剤は、シートの熱伝導性を向上させるための成分である。
ここで、熱伝導性充填剤の種類については、特に限定はされないが、より高い熱伝導性を実現できる点からは、繊維状の熱伝導性充填剤を用いることが好ましい。
なお、前記繊維状の熱伝導性充填剤の「繊維状」とは、アスペクト比の高い(およそ6以上)の形状のことをいう。そのため、本発明では、繊維状や棒状等の熱導電性充填剤だけでなく、アスペクト比の高い粒状の充填材や、フレーク状の熱導電性充填剤等も繊維状の熱導電性充填剤に含まれる。
これらの繊維状の熱伝導性充填剤の中でも、より高い熱伝導性を得られる点からは、炭素繊維を用いることがより好ましい。
なお、前記熱伝導性充填剤については、一種単独でもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。また、二種以上の熱伝導性充填剤を用いる場合には、いずれも繊維状の熱伝導性充填剤であってもよいし、繊維状の熱伝導性充填剤と別の形状の熱伝導性充填剤とを混合して用いてもよい。
さらにまた、前記繊維状の熱伝導性充填剤の平均繊維径(平均短軸長さ)についても、特に制限はなく適宜選択することができるが、確実に高い熱伝導性を得る点から、4μm〜20μmの範囲であることが好ましく、5μm〜14μmの範囲であることがより好ましい。
ここで、前記繊維状の熱伝導性充填剤の平均長軸長さ、及び平均短軸長さは、例えばマイクロスコープ、走査型電子顕微鏡(SEM)等によって測定し、複数のサンプルから平均を算出することができる。
例えば、前記電磁波吸収熱伝導シートによる熱伝導性を高め、本発明の半導体装置の放熱性を向上させたい場合には、前記熱伝導性充填剤をシート面に対して略垂直状に配向させることができる。一方、前記電磁波吸収熱伝導シートによる電磁波シールド性能を高め、本発明の半導体装置の電磁波抑制効果を向上させたい場合には、前記熱伝導性充填剤をシート面に対して略平行状に配向させることができる。
ここで、前記シート面に対して略垂直状や、略平行の方向は、前記シート面方向に対してほぼ垂直な方向やほぼ平行な方向を意味する。ただし、前記熱伝導性充填剤の配向方向は、製造時に多少のばらつきはあるため、本発明では、上述したシート面の方向に対して垂直な方向や平行な方向から±20°程度のズレは許容される。
また、前記電磁波吸収熱伝導シートは、上述したバインダ樹脂及び熱伝導性繊維に加えて、無機物フィラーをさらに含むことができる。電磁波吸収熱伝導シートの熱伝導性をより高め、シートの強度を向上できるからである。
前記無機物フィラーとしては、形状、材質、平均粒径等については特に制限がされず、目的に応じて適宜選択することができる。前記形状としては、例えば、球状、楕円球状、塊状、粒状、扁平状、針状等が挙げられる。これらの中でも、球状、楕円形状が充填性の点から好ましく、球状が特に好ましい。
前記無機物フィラーがアルミナの場合、その平均粒径は、1μm〜10μmであることが好ましく、1μm〜5μmであることがより好ましく、4μm〜5μmであることが特に好ましい。前記平均粒径が1μm未満であると、粘度が大きくなり、混合しにくくなるおそれがある。一方、前記平均粒径が10μmを超えると、前記熱伝導シートの熱抵抗が大きくなるおそれがある。
さらに、前記無機物フィラーが窒化アルミニウムの場合、その平均粒径は、0.3μm〜6.0μmであることが好ましく、0.3μm〜2.0μmであることがより好ましく、0.5μm〜1.5μmであることが特に好ましい。前記平均粒径が、0.3μm未満であると、粘度が大きくなり、混合しにくくなるおそれがあり、6.0μmを超えると、前記熱伝導シートの熱抵抗が大きくなるおそれがある。
なお、前記無機物フィラーの平均粒径については、例えば、粒度分布計、走査型電子顕微鏡(SEM)により測定することができる。
さらに、前記電磁波吸収熱伝導シートは、上述したバインダ樹脂、繊維状の熱伝導性繊維及び無機物フィラーに加えて、磁性金属粉をさらに含むことが好ましい。該磁性金属粉を含むことで、電磁波吸収熱伝導シートの電磁波吸収性を向上させることができる。
なお、前記磁性金属粉については、材料が異なるものや、平均粒径が異なるものを二種以上混合したものを用いてもよい。
その他の成分としては、例えば、チキソトロピー性付与剤、分散剤、硬化促進剤、遅延剤、微粘着付与剤、可塑剤、難燃剤、酸化防止剤、安定剤、着色剤等が挙げられる。
実施例1では、3次元電磁界シミュレータANSYS HFSS(アンシス社製)を用いて、図5(a)及び(b)に示すような半導体装置の解析モデルを作製し、電磁波抑制効果の評価を行った。
ここで、半導体装置のモデルに用いた電磁波吸収熱伝導シート10は、樹脂バインダとして2液性の付加反応型液状シリコーンを用い、磁性金属粉として平均粒径5μmのFe-Si-B-Crアモルファス磁性粒子を用い、繊維状熱伝導性充填剤として平均繊維長200μmのピッチ系炭素繊維(「熱伝導性繊維」 日本グラファイトファイバー株式会社製)を用い、2液性の付加反応型液状シリコーン:アモルファス磁性粒子:ピッチ系炭素繊維=35vol%:53vol%:12vol%の体積比となるように分散させて、シリコーン組成物(シート用組成物)を調製したものを用いた。得られた電磁波吸収熱伝導シートは、垂直方向の平均熱伝導率(界面の熱抵抗と内部の熱抵抗を合わせて算出している)が、ASTM D5470に準拠した測定で9.2 W/m.Kを示し、該シートの磁気特性及び誘電特性については、Sパラメータ法で測定した値を用いた。なお、電磁波吸収熱伝導シート10の厚さTは、0.7mmとした。
また、半導体装置のモデルに用いたヒートシンク40は、アルミ板を材料として用い、大きさは60×120mmで、厚さは、0.3mmとした。
さらに、シールドカン20は、肉厚0.2mmのステンレスであり、外径寸法は、20mm×20mm×1.2mmとして中央に開口部21を設けた。開口部21の大きさは、□10mm:10mm×10mmとした。
図5(a)及び(b)は、半導体装置の解析モデルを示したものであり、それぞれ上面部側(表面側)から、下面部側(裏面側)から見た状態を示したものである。なお、図5(a)及び(b)では、半導体装置を構成する各部材の位置関係がわかるように、透過させて描いている。なお、前記解析モデルの断面構造は、図1〜3と同様であり、半導体素子30は、図5(a)及び(b)に示すように、マイクロストリップライン(MSL)31を樹脂モールドで覆ったものとし、該MSL31については、誘電体基板50(基板サイズ:60 mm×120 mm×0.65 mm)表面側に銅の信号線(信号線サイズ:1mm×14 mm×0.02 mm)、裏面側にグラウンド60を配したものとした。半導体素子30の信号源は、このMSL31で簡略化し両端を信号の入出力端に設定している。なお、上述の半導体素子30の本体(樹脂でモールドした部分)は、比誘電率4、誘電正接0.01の誘電体とした。なお、半導体素子30の本体の大きさは16mm×16mm×0.7mmとした。
図6では、図1に示すような構成の半導体装置となるように、開口部21と同じ10mm×10mmの被覆面積を有する電磁波吸収熱伝導シート10を用いたものを、□10mmとして示している。また、図1に示すような構成の半導体装置であり、10mm×10mmの被覆面積を有するが、電磁ノイズ抑制熱伝導シートの代わりに、電磁波吸収効果が低い熱伝導シート(比誘電率6、誘電正接0.01)を用いたものを、□10mm(熱伝導シート)として示している。
さらに、図2に示すような構成の半導体装置となるように、開口部21よりも大きな12mm×12mmの被覆面積を有する電磁波吸収熱伝導シート10を用いたものを、□12mmとして示し、14mm×14mmの被覆面積を有する電磁波吸収熱伝導シート10を用いたものを、□14mmとして示している。
実施例2では、実施例1と同様の条件で、前記3次元電磁界シミュレータを用いて、図5(a)及び(b)に示すような半導体装置の解析モデルを作製し、電磁波抑制効果の評価を行った。
図7では、図2に示すような構成の半導体装置となるように、開口部21よりも大きな14mm×14mmの被覆面積を有する電磁波吸収熱伝導シート10を用いたものを、□14mmの解析モデルとして示した。
また、図3に示すような構成の半導体装置となるように、2枚のシート(14mm×14mmの被覆面積を有するシート(導電シールドカン20の上面20aを覆うシート)+10mm×10mmの被覆面積を有するシート1枚(開口部内に充填されるシート))を組み合わせて構成した電磁波吸収熱伝導シート10を用いたものを、□10mm+□14mmの解析モデルとして示している。
実施例3では、実施例1と同様の条件で、前記3次元電磁界シミュレータを用いて、図5(a)及び(b)に示すような半導体装置の解析モデルを作製し、電磁波抑制効果の評価を行った。ただし、導電シールドカン20の開口部21の大きさについては、□10mm:10mm×10mm及び□14mm:14mm×14mmの二種類を準備した。
図8では、図1に示すような構成の半導体装置となるように、開口部21と同じ10mm×10mmの被覆面積を有する電磁波吸収熱伝導シート10を用いたものを、□10mmの解析モデルとして示し、開口部21と同じ14mm×14mmの被覆面積を有する電磁波吸収熱伝導シート10を用いたものを、□14mmの解析モデルとして示した。
また、図3に示すような構成の半導体装置となるように、2枚のシート(14mm×14mmの被覆面積を有するシート(導電シールドカン20の上面20aを覆うシート)+10mm×10mmの被覆面積を有するシート1枚(□10mmの開口部内に充填されるシート))を組み合わせて構成した電磁波吸収熱伝導シート10を用いたものを、□10mm+□14mmの解析モデルとして示し、2枚のシート(18mm×18mmの被覆面積を有するシート(導電シールドカン20の上面20aを覆うシート)+14mm×14mmの被覆面積を有するシート1枚(□14mmの開口部内に充填されるシート))を組み合わせて構成した電磁波吸収熱伝導シート10を用いたものを、□14mm+□18mmの解析モデルとして示している。
10 電磁波吸収熱伝導シート
20 導電シールドカン
20a 導電シールドカンの上面
20b 導電シールドカンの上面
21 開口部
30 半導体素子
31 MSL
40 冷却部材
50 基板
51 ランド
60 グラウンド
100 従来の半導体装置
S 電磁波吸収熱伝導シートの被覆面積
T 電磁波吸収熱伝導シートの厚さ
Claims (8)
- 基板上に形成された半導体素子と、開口部を有し、前記半導体素子の少なくとも一部を覆うように設けられ、グラウンドに接続された導電シールドカンと、前記導電シールドカンの上部に設けられた冷却部材と、を備えた半導体装置において、少なくとも前記導電シールドカンの開口部を通して、前記半導体素子と前記冷却部材との間に形成された電磁波吸収熱伝導シートであって、
前記電磁波吸収熱伝導シートが、前記導電シールドカンの上面及び/又は下面の一部を覆っており、該電磁波吸収熱伝導シートによる被覆面積が、前記導電シールドカンの開口部の面積よりも大きいことを特徴とする、電磁波吸収熱伝導シート。 - 前記電磁波吸収熱伝導シートが、前記導電シールドカンの上面の一部を覆っていることを特徴とする、請求項1に記載の電磁波吸収熱伝導シート。
- 前記電磁波吸収熱伝導シートが、前記導電シールドカンの上面及び下面の一部を覆っていることを特徴とする、請求項1に記載の電磁波吸収熱伝導シート。
- 前記電磁波吸収熱伝導シートが、複数枚のシートから構成されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電磁波吸収熱伝導シート。
- 前記電磁波吸収熱伝導シートが、繊維状の熱伝導性充填剤を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電磁波吸収熱伝導シート。
- 前記繊維状の熱伝導性充填剤が、炭素繊維であることを特徴とする、請求項5に記載の電磁波吸収熱伝導シート。
- 前記電磁波吸収熱伝導シートが、磁性金属粉をさらに含むことを特徴とする、請求項5又は6に記載の電磁波吸収熱伝導シート。
- 前記電磁波吸収熱伝導シートは、シート中心部の熱伝導率が、シート外周部の熱伝導率に比べて大きいことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電磁波吸収熱伝導シート。
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