JP2018155497A - 放射性廃棄物の処理方法 - Google Patents

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基浩 境原
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Abstract

【課題】保管、移送などの取り扱い性に優れ、水分の分解によるガスの発生を防止でき、かつ、簡易で低コストに処理することが可能な放射性廃棄物の処理方法を提供する。
【解決手段】放射性元素および水分を含む放射性廃棄物の粘度を調整する粘度調整工程と、粘度調整後の放射性廃棄物スラリーをスプレードライによって乾燥造粒し、放射性粒子体を得る造粒工程と、を少なくとも備え、前記造粒工程は、ロータリーアトマイザを備えた乾燥造粒機によって行うことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、水分を含む放射性廃棄物を安定化させる放射性廃棄物の処理方法に関するものである。
例えば、放射性セシウムや放射性ストロンチウムを含む汚染物の処理を行う多核種除去設備などから、スラリー状態やスラッジ状態の放射性廃棄物が発生する。こうしたスラリー状態やスラッジ状態の放射性廃棄物を保管あるいは処理する場合、含まれる水分によって構造部材が腐食され、水等の液体が外部に染み出すことにより、放射性元素を含む物質が漏えいする懸念がある。また、水が放射線により分解され、水素ガスが発生する可能性もある。さらに、含まれる水分によって体積が増加しているため、保管に際して広い敷地が必要となり、保管コストが増大する懸念もある。
このようなスラリー状やスラッジ状の放射性廃棄物の取り扱い性を向上させ、かつ、安定して保管するためには、放射性廃棄物を安定化処理することが望ましい。従来、放射性廃棄物の安定化処理として、脱水、ろ過、乾燥、セメント若しくはガラスによる固化、またはこれらを組み合わせた方法が知られている。
例えば、特許文献1には、放射性の濃縮廃液と粘土等を主成分とする助剤と、可燃性固体廃棄物、廃樹脂、スラッジ等を焼却溶融炉に投入して乾燥・焼却・溶融し、生成されたガラス質の物質に放射性物質を封入させた状態で容器に流し込んで固化させガラス固化体を得る放射性廃棄物の処理方法が記載されている。
また、特許文献2には、放射性濃縮廃液、および廃樹脂、廃スラッジを混合し、これを放射性廃棄物貯蔵容器内で脱水して濃縮処理した後、更にセメントを加えて容器内で混合して固化させ、また、脱水により発生した廃液は濃縮処理し、放射性濃縮廃液として再び同一工程にて処理する放射性廃棄物の固化処理方法が記載されている。
また、特許文献3には、フィルタースラッジとイオン交換樹脂とを含む放射性廃棄物を、生成される固体状放射性廃棄物が所定線量率以下になるように、プレス機への放射性廃棄物供給量を決定し、プレス圧縮による脱水を行い、余剰水を回収した後、固体状となった放射性廃棄物をドラム缶に充填する放射性廃棄物の減容処理方法が記載されている。
特開昭59−184897号公報 特開平04−132997号公報 特開2013−047623号公報
しかしながら、特許文献1に記載された放射性廃棄物の処理方法では、得られるガラス固化体は、高い安定性を有し、放射性物質等の閉じ込め性が高いものの、設備コストや運転コストが高く、除染に伴って大量に生じるスラリー状やスラッジ状の放射性廃棄物の処理方法としては、コスト面や処理能力の面から現実的ではない。また、予め乾燥による水分除去等の前処理が必要であるため、システム全体が複雑であり、処理に時間と手間が掛かる。
また、特許文献2に記載された放射性廃棄物の固化処理方法では、セメント固化により放射性物質の閉じ込め性がある程度確保されることや、安価に処理できる可能性があるが、最終的に得られるものがセメント固化体であるため、それ以外の状態で処理する必要性がある場合や、処理方法を確定するまでの一時的な保管には適用できないという課題がある。セメントが水和反応により硬化するまでの聞、水の放射線分解により水素ガスが発生するため、発生した水素ガスの適切な除去にコストがかかるという課題もある。
また、特許文献3に記載された放射性廃棄物の減容処理方法では、水分を残すために、残った水分による腐食、漏洩の虞がある。また、水分を残すために水の放射線分解により水素ガスが発生する懸念がある。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、保管、移送などの取り扱い性に優れ、水分の分解によるガスの発生を防止でき、かつ、簡易で低コストに処理することが可能な放射性廃棄物の処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のいくつかの態様は、次のような放射性廃棄物の処理方法を提供した。
すなわち、本発明の放射性廃棄物の処理方法は、放射性元素および水分を含む放射性廃棄物の粘度を調整する粘度調整工程と、粘度調整後の放射性廃棄物スラリーをスプレードライによって乾燥造粒し、放射性粒子体を得る造粒工程と、を少なくとも備え、前記造粒工程は、ロータリーアトマイザを備えた乾燥造粒機によって行うことを特徴とする。
本発明によれば、ロータリーアトマイザを備えた乾燥造粒機を用いて、放射性元素および水分を含む放射性廃棄物をスプレードライによって乾燥造粒した放射性粒子体を得ることができる。こうした放射性粒子体は、流体として移送管などを用いて容易に移送することができ、かつ、流体として様々な形状の容器に効率よく保管させることができる。また、放射性粒子体は、残留水分量が極めて少ないため、水分の放射線による分解による水素ガスの発生を防止することが可能になる。
そして、本発明の放射性廃棄物の処理方法では、放射性廃棄物スラリーの粘度を調整する粘度調整工程、および粘度調整後の放射性廃棄物スラリーをスプレードライによって乾燥造粒する造粒工程などの簡易な工程で、容易にかつ低コストに、取扱い性、保管性に優れた放射性粒子体を形成することができる。
また、本発明の放射性廃棄物の処理方法では、ロータリーアトマイザを備えた乾燥造粒機を密閉空間に配置することが容易であり、乾燥造粒の過程で放射性廃棄物に含まれる放射性元素の外部への拡散を低減することができる。
また、本発明は、前記乾燥造粒機は、前記放射性廃棄物スラリーを前記ロータリーアトマイザに向けて導入する前段側に前段グローブボックスを更に備えていることを特徴とする。
また、本発明は、前記乾燥造粒機は、前記放射性粒子体を外部に排出させる後段側に後段グローブボックスを更に備えていることを特徴とする。
また、本発明は、前記造粒工程では、乾燥造粒機に導入する放射性廃棄物スラリーの粘度は、3Pa・s以下であることを特徴とする。
また、本発明は、前記造粒工程で得られる放射性粒子体の粒度は10μm以上、5mm以下の範囲、また、流動性指数は70以上であることを特徴とする。
本発明によれば、保管、移送などの取り扱い性に優れ、水分の分解によるガスの発生を防止でき、かつ、簡易で低コストに処理することが可能な放射性廃棄物の処理方法を提供することが可能になる。
本発明の第1実施形態の放射性廃棄物の処理方法を示す概略模式図である。 本発明の放射性廃棄物の処理方法に用いる乾燥造粒機のロータリーアトマイザを示す要部拡大断面図である。 本発明の第2実施形態の放射性廃棄物の処理方法を示す概略模式図である。 本発明の第3実施形態の放射性廃棄物の処理方法を示す概略模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の放射性廃棄物の処理方法について説明する。なお、以下に示す実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、簡略化して示している場合があり、実際と同じであるとは限らない。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の放射性廃棄物の処理方法を示す概略模式図である。
本発明の処理対象である放射性廃棄物としては、例えば、原子力発電所の事故処理に係る除染等の過程で生じた、水分を多く含むスラリー状やスラッジ状の放射性廃棄物が挙げられる。こうした放射性廃棄物は、例えばセシウムの同位体である放射性セシウムなどの放射性元素が、単体や化合物の形態で含まれている。
放射性廃棄物の処理方法は、例えば、粘度調整部11と、スプレードライ部12とを有する乾燥造粒装置10を用いて行う。粘度調整部11は、放射性元素および水分を含むスラリー状やスラッジ状の放射性廃棄物を貯留するスラリー調整槽13を有する。スラリー調整槽13では、スラリー状やスラッジ状の放射性廃棄物に対して水を加えることにより、後述するスプレードライ部12における乾燥造粒に最適な粘度となるように、粘度調整を行う。これにより、所定の粘度に調整された放射性廃棄物スラリーを生成する。
スプレードライ部12は、スプレードライ本体14、固気分離器15、フィルタ16、凝縮器17、排風機18、およびヒータ19を備えている。
スプレードライ本体14は、下部が漏斗状にされたミスト捕集チャンバ21と、このミスト捕集チャンバ21内に収容されるアトマイザ部22とを有する。
図2は、アトマイザ部22の一例を示す要部拡大断面図である。
アトマイザ部22は、固定部23と、ロータリーアトマイザ24と、ロータリーアトマイザ24を回転させるモータ25と、スラリー調整槽13(図1参照)の出口から延びる配管に接続され、ロータリーアトマイザ24に向けて放射性廃棄物スラリーを供給するスラリー供給管26と、を備えている。
アトマイザ部22は、モータ25によってロータリーアトマイザ24を回転させるとともに、所定の粘度の放射性廃棄物スラリーをスラリー供給管26からロータリーアトマイザ24に供給する。これにより、ロータリーアトマイザ24で放射性廃棄物スラリーがミスト化され、ミスト捕集チャンバ21の内部に散布される。そして、所定温度に昇温させた熱風をミスト捕集チャンバ21に供給する。これにより、ミスト捕集チャンバ21内でミスト化された放射性廃棄物スラリーが乾燥造粒され、所定の粒度をもつ放射性粒子体Pが形成される。
再び図1を参照して、固気分離器15は、ミスト捕集チャンバ21内の中央から延びる配管に接続され、ミスト捕集チャンバ21から流れ出る、所定の粒度の放射性粒子体Pよりも小さい粒度の放射性粉末と気体とを分離する。放射性粉末は個別に回収容器に回収される。
なお、水分を含んだ高い温度の空気が放射性粉末と共にミスト捕集チャンバ21から抜き出された場合、容器内の温度が室温まで低下したときに結露して、放射性粉末が回収容器内に付着する。高い放射線量を有する放射性粉末の場合、回収容器に付着すると洗浄等が困難となり、運転に支障をきたす虞がある。このため、固気分離器15内を乾燥空気で置換可能な構造として、固気分離器15の下部に更に乾燥空気の導入口15aを追加することも好ましい。これによって、放射性廃棄物の処理により適した乾燥造粒装置10にすることができる。
フィルタ16は、固気分離器15の気体排出側から延びる配管に接続され、固気分離器15で分離された水分を含む気体に残留する、放射性元素などを含む可能性のある微細な粉体を除去する。
凝縮器17は、フィルタ16の排出側から延びる配管に接続され、フィルタ16から排出された気体に含まれる水分を凝縮させて回収する。凝縮器17で回収された水分は、粘度調整部11において、スラリー状やスラッジ状の放射性廃棄物の粘度調整を行う水(リサイクル水)として再利用する。この凝縮器17を通過した気体は、例えば、大気中に放出しても問題が無い(各種規制基準を満たす)レベルまで浄化された空気である。
排風機18は、凝縮器17で水分が取り除かれた乾燥した気体(空気)をヒータ19に向けて送出するファンである。
ヒータ19は、排風機18から送られる気体(空気)を所定の温度まで加熱する。この時の加熱温度は、ミスト捕集チャンバ21に供給される熱風の設定温度であればよい。
以上のような構成の乾燥造粒装置10を用いた、本発明の放射性廃棄物の処理方法について説明する。
本発明の放射性廃棄物の処理方法によってスラリー状やスラッジ状の放射性廃棄物の処理、即ち乾燥造粒によって放射性粒子体を製造する際には、まず、放射性元素および水分を含むスラリー状やスラッジ状の放射性廃棄物を粘度調整部11のスラリー調整槽13に導入する。また、凝縮器17で得られた水(リサイクル水)や、外部からの水をスラリー調整槽13に導入し、スラリー調整槽13内でスラリー状やスラッジ状の放射性廃棄物の水分を調節することで、所定の粘度の放射性廃棄物スラリーを生成する(粘度調整工程)。
こうした粘度調整工程において、放射性廃棄物スラリーの粘度は、3Pa・s以下になるように調整される。放射性廃棄物スラリーの粘度を3Pa・s以下にすることで、後工程である造粒工程において、水分量が最適な状態に保たれ、所定の粒度の放射性粒子体をより多く造粒することができる。また、後工程である造粒工程において、放射性廃棄物スラリーを効率的にミスト化し、所定の粒度の放射性粒子体の収率をより高めることができる。
粘度調整工程で得られた、粘度が3Pa・s以下の放射性廃棄物スラリーは、次に、スプレードライ部12を構成するアトマイザ部22に導入される。そして、放射性廃棄物スラリーは、所定の回転数で回転するロータリーアトマイザ24に供給されミスト化されるとともに、ロータリーアトマイザ24の遠心力によって、ミスト捕集チャンバ21内に拡散される。そして、ミスト捕集チャンバ21内に拡散された放射性廃棄物スラリーのミストは、供給される熱風により乾燥され、ミスト捕集チャンバ21内を下方に降下するにつれて冷却されるとともに所定の粒度まで成長した放射性粒子体Pが造粒される(造粒工程)。
こうした造粒工程において、放射性廃棄物スラリーをミスト化させる熱風の温度は、例えば、250℃以上、400℃以下にすることが好ましい。熱風の温度を250℃以上にすれば、造粒工程において放射性廃棄物スラリーに含まれる水分を効率的に蒸発させ、放射性粒子体Pの造粒効率をより一層高めることができる。また、熱風の温度を400℃以下にすることで、放射性粒子体Pの酸化等による変質を避けることが出来る。
このようにして得られた放射性粒子体Pは、粒度が10μm以上、5mm以下の範囲となる。また、得られた放射性粒子体Pの流動性指数は70以上となる。放射性粒子体の流動性指数が70以上であることによって、流体として移送管などを用いてより一層容易に移送することができる。また、流体として様々な形状の容器により一層効率よく貯留させることができる。また、得られた放射性粒子体の残留水分量は、5wt%以下の範囲となる。これにより、水分と放射線との反応による水素ガスの発生をより一層抑制することができる。
なお、スプレードライ本体14で放射性粒子体にならなかった放射性元素を含む粉体、水分、および気体は、固気分離器15、フィルタ16、凝縮器17の各段階でそれぞれ分離される。そして、水分はリサイクル水として粘度調整部11に戻され、また、気体(空気)は、ヒータ19で加熱されてアトマイザ部22に戻されて、再び乾燥造粒に用いられる。
以上のような本発明の放射性廃棄物の処理方法によれば、ロータリーアトマイザ24を備えた乾燥造粒装置10を用いて、放射性元素および水分を含む放射性廃棄物をスプレードライによって乾燥造粒した放射性粒子体Pを得ることができる。こうした放射性粒子体Pは、例えば、粒度が10μm以上、5mm以下の範囲、流動性指数は70以上であるため、流体として移送管などを用いて容易に移送することができ、かつ、流体として様々な形状の容器に効率よく保管させることができる。また、放射性粒子体Pは、残留水分量が極めて少ない、例えば5wt%以下の範囲であるため、水分の放射線による分解による水素ガスの発生を防止することが可能になる。
そして、本発明の放射性廃棄物の処理方法では、放射性廃棄物スラリーの粘度を調整する粘度調整工程、および粘度調整後の放射性廃棄物スラリーをスプレードライによって乾燥造粒する造粒工程などの簡易な工程で、容易にかつ低コストに、取扱い性、保管性に優れた放射性粒子体を形成することができる。
また、本発明の放射性廃棄物の処理方法では、造粒工程として用いるアトマイザ部22を含むスプレードライ部12全体を密閉空間に配置することによって、乾燥造粒の過程で放射性廃棄物に含まれる放射性元素の外部への拡散を低減することができる。
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態の放射性廃棄物の処理方法を示す概略模式図である。
なお、第1実施形態と同様の構成には同一の番号を付し、その詳細な説明は省略する。
第2実施形態の放射性廃棄物の処理方法では、造粒工程において用いる乾燥造粒装置30のスプレードライ部31のスプレードライ本体34に、前段グローブボックス35、および後段グローブボックス36が形成されている。
前段グローブボックス35は、粘度調整部11で形成された所定の粘度の放射性廃棄物スラリーをロータリーアトマイザ(図2参照)に向けて導入する前段側に形成されている。また、後段グローブボックス36は、ミスト捕集チャンバ21で形成された放射性粒子体Pを外部に排出させる後段側に形成されている。
スプレードライ本体34に前段グローブボックス35、および後段グローブボックス36を設ける構成は、特に、放射線量が高い放射性廃棄物を処理する工程に好適である。即ち、スプレードライ本体34の上部(前段側)及び下部(後段側)を、それぞれ前段グローブボックス35、および後段グローブボックス36で囲うことにより、例えば、アトマイザ部22のメンテナンス時における養生等の作業をせずとも、放射性物質の飛散を防止する密閉状態が保たれる。また、アトマイザ部22のメンテナンス時の作業性の改善により、作業時間の短縮を実現することができる。
(第3実施形態)
図4は、本発明の第3実施形態の放射性廃棄物の処理方法を示す概略模式図である。
なお、第2実施形態と同様の構成には同一の番号を付し、その詳細な説明は省略する。
第3実施形態の放射性廃棄物の処理方法では、造粒工程において用いる乾燥造粒装置40のスプレードライ部42において、第1実施形態や第2実施形態の固気分離器やフィルタを省略するとともに、ミスト捕集チャンバ21から流れ出る、放射性粒子体Pにならなかった放射性粉末、水分、気体を凝縮器17に送る配管の途中に、熱交換器41を形成している。
この熱交換器41は、1次側をミスト捕集チャンバ21と凝縮器17とを結ぶ配管、2次側を排風機18とヒータ19とを結ぶ配管としている。
こうした第3実施形態の放射性廃棄物の処理方法では、あえて小さな粒子や粉末を固気分離器で回収せず、凝縮器17で凝縮された水に同伴させ、その一部をスラリー調整槽13にリサイクルしている。こうした構成は、放射性廃棄物の処理方法に用いる乾燥造粒装置40を最も簡易にすることができる。そして、凝縮器17を通過した後の低温の気体と凝縮器17を通過する前の高温の気体とを熱交換させ、エネルギー利用効率を高めることが可能になる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、こうした実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10 乾燥造粒装置
11 粘度調整部
12 スプレードライ部
13 スラリー調整槽
14 スプレードライ本体
21 ミスト捕集チャンバ
22 アトマイザ部
24 ロータリーアトマイザ

Claims (5)

  1. 放射性元素および水分を含む放射性廃棄物の粘度を調整する粘度調整工程と、粘度調整後の放射性廃棄物スラリーをスプレードライによって乾燥造粒し、放射性粒子体を得る造粒工程と、を少なくとも備え、
    前記造粒工程は、ロータリーアトマイザを備えた乾燥造粒機によって行うことを特徴とする放射性廃棄物の処理方法。
  2. 前記乾燥造粒機は、前記放射性廃棄物スラリーを前記ロータリーアトマイザに向けて導入する前段側に前段グローブボックスを更に備えていることを特徴とする請求項1記載の放射性廃棄物の処理方法。
  3. 前記乾燥造粒機は、前記放射性粒子体を外部に排出させる後段側に後段グローブボックスを更に備えていることを特徴とする請求項1または2記載の放射性廃棄物の処理方法。
  4. 前記造粒工程では、乾燥造粒機に導入する放射性廃棄物スラリーの粘度は、3Pa・s以下であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか一項記載の放射性廃棄物の処理方法。
  5. 前記造粒工程で得られる放射性粒子体の粒度は10μm以上、5mm以下の範囲、また、流動性指数は70以上であることを特徴とする請求項1ないし4いずれか一項記載の放射性廃棄物の処理方法。
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