JP2018155399A - バルブおよびバルブ用ハンドル - Google Patents

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利之 大島
Toshiyuki Oshima
利之 大島
政和 大久保
Masakazu Okubo
政和 大久保
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Abstract

【課題】簡素な構造で安全性および使い勝手を高めることが可能なバルブおよびバルブ用ハンドルを提供する。【解決手段】バルブ1は、弁体を変位させる弁棒を回転操作するためのハンドル100を備えるバルブであって、ハンドル100は、回転操作時に把持される把持部110と、把持部110とは別体に設けられ、弁棒70に接続される接続部120と、把持部110を接続部120に対して空転させることで把持部110から接続部120への伝達トルクを制限するトルク制限部130と、接続部120に設けられ、弁体30の開閉状態を表示する表示部140と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、各種ボンベや配管等に接続されて各種流体の流動状態を制御するためのバルブ、およびこれに用いられるハンドルに関する。
従来、弁棒(スピンドル)と弁体(ケレップ)を回転運動を伝達しないロッドを介して接続することで、回転操作される弁棒に対して弁体を回転させることなく変位させるようにしたバルブが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなバルブでは、弁室内における弁体と弁座の回転摺動を無くすと共に、弁棒のネジ部を弁室外に配置することができるため、流体中への摩耗粉の混入を防止することが可能となっている。
また、このようなバルブでは、バルブ開閉時の摩擦抵抗が低減されるため、バルブの開閉操作(すなわち、ハンドルを介した弁棒の回転操作)に要するトルク、特にバルブの開き始めの際のトルクが軽いものとなっている。バルブの開き始めの操作トルクを軽減することで、操作者にハンドルをゆっくりと丁寧に回転操作させることが可能となるため、バルブの急激な開放に伴う弁室内等の急激な圧力上昇を防止することができる。換言すれば、開け始めの固さに抗して操作者が力を加えた結果、勢いで弁棒が操作者の意図した以上に回転するといった事態を防止し、酸素等の支燃性ガスの断熱圧縮に起因する発火、爆発等の事故を予防することが可能となる。
一方、このような軽い操作トルクは、バルブの閉止時にはデメリットとなる場合もあった。すなわち、操作者が確実な閉止を意識した場合、弁棒に付加されるトルクが過大となりやすいため、弁体が必要以上の力で弁座に押し付けられ、弁体に塑性変形が生じることがあった。このような塑性変形は、弁体の弁座との接触部に樹脂を使用している場合に特に顕著となり、バルブの閉止不良を引き起こす要因となる。
このようなバルブの閉止操作時の過大トルクに対しては従来、弁棒に取り付けるハンドルにトルク制限部(トルクリミッター、締過ぎ防止手段)を設ける手法が提案されている(例えば、特許文献2および3参照)。このような手法では、ハンドルに過大なトルクが付加された場合にトルク制限部がハンドルまたはハンドルの一部を弁棒に対して空転させることで、弁棒に付加されるトルクを制限するようにしている。
実開平6−64000号公報 特許第4347597号公報 特開2005−282603号公報
しかしながら、従来提案されているトルク制限部付きのハンドルは、構造が複雑でコストを要する割に、安全性や使い勝手に優れたものではなかった。例えば、従来のトルク制限部付きハンドルでは、操作者は付加トルクが制限値を超えたことをトルク制限部が空転時に発する音やクリック感から認識可能であるが、このときにバルブが適切に閉止されたか否かを確認することは難しいという問題があった。
本発明は、斯かる実情に鑑み、簡素な構造で安全性および使い勝手を高めることが可能なバルブおよびバルブ用ハンドルを提供しようとするものである。
(1)本発明は、弁体を変位させる弁棒を回転操作するためのハンドルを備えるバルブであって、前記ハンドルは、回転操作時に把持される把持部と、前記把持部とは別体に設けられ、前記弁棒に接続される接続部と、前記把持部を前記接続部に対して空転させることで前記把持部から前記接続部への伝達トルクを制限するトルク制限部と、
前記接続部に設けられ、前記弁体の開閉状態を表示する表示部と、を備えることを特徴とする、バルブである。
(2)本発明はまた、前記接続部に設けられ、前記トルク制限部を介さずに前記弁棒を回転操作可能とする補助把持部を備えることを特徴とする、上記(1)に記載のバルブである。
(3)本発明はまた、前記トルク制限部は、回転方向の一方にトルクを伝達可能な状態と他方にトルクを伝達可能な状態との間に所定の回転角度の遊びが設定されていることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載のバルブである。
(4)本発明はまた、前記トルク制限部は、前記把持部の空転時に前記把持部を前記弁棒の軸方向において前記接続部から離隔するように案内する案内斜面を備えることを特徴とする、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のバルブである。
(5)本発明はまた、前記トルク制限部は、前記把持部に設けられる駆動側突起と、前記接続部に設けられ、トルク伝達時に前記駆動側突起と直接的または間接的に当接する従動側突起と、前記把持部を前記弁棒の軸方向において前記接続部に向けて付勢する付勢部材と、を備えることを特徴とする、上記(4)に記載のバルブである。
(6)本発明はまた、前記案内斜面は、前記駆動側突起または前記従動側突起に設けられることを特徴とする、上記(5)に記載のバルブである。
(7)本発明はまた、前記トルク制限部は、前記駆動側突起および前記従動側突起の間に介在する中間部材を備え、前記案内斜面は、前記駆動側突起、前記従動側突起または前記中間部材に設けられることを特徴とする、上記(5)に記載のバルブである。
(8)本発明はまた、前記トルク制限部は、直列接続された複数の前記付勢部材を備えることを特徴とする、上記(5)乃至(7)のいずれかに記載のバルブである。
(9)本発明はまた、バルブの弁体を変位させる弁棒を回転操作するためのハンドルであって、回転操作時に把持される把持部と、前記把持部とは別体に設けられ、前記弁棒に接続される接続部と、前記把持部を前記接続部に対して空転させることで前記把持部から前記接続部への伝達トルクを制限するトルク制限部と、前記接続部に設けられ、前記弁体の開閉状態を表示する表示部と、を備えることを特徴とする、バルブ用ハンドルである。
本発明に係るバルブおよびバルブ用ハンドルによれば、簡素な構造で安全性および使い勝手を高めることが可能という優れた効果を奏し得る。
本発明の第1の実施形態に係るバルブの正面図である。 バルブの背面側から見た断面図である。 (a)把持部の下側(接続部側)から見た斜視図である。(b)接続部の上側(把持部側)から見た斜視図である。 (a)〜(c)駆動側突起および従動側突起の位置関係を示した断面図である。 (a)〜(f)バルブの作動状態を示した図である。 (a)〜(f)バルブの作動状態を示した図である。 (a)〜(f)バルブの作動状態を示した図である。 (a)および(b)バルブのその他の形態の例を示した断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るバルブの背面側から見た断面図である。 (a)把持部の下側(接続部側)から見た斜視図である。(b)中間部材の上側(把持部側)から見た斜視図である。(c)接続部の上側(把持部側)から見た斜視図である。 (a)〜(c)駆動側突起、従動側突起および中間部材の位置関係を示した断面図である。 (a)〜(c)バルブのその他の形態の例を示した断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は本実施形態に係るバルブ1の正面図であり、図2はバルブ1の背面側から見た断面図である。なお、以下の説明では、正面図のバルブ1の姿勢における上下左右を基準とするが、バルブ1の姿勢がこれに限定されないことは言うまでもない。
本実施形態のバルブ1は、医療用酸素を充填した高圧ガス容器に接続されるポストバルブであり、ヨークを介して例えば流量調整器等を接続可能に構成されている。従って、バルブ1は、図1および2に示されるように、略四角柱状のバルブ本体10、およびバルブ本体10の幅方向寸法よりも小径のハンドル100を備えている。
バルブ本体10の下端部には、高圧ガス容器への接続用の接続部11が設けられている。この接続部11の外周面には、高圧ガス容器の規格に応じたオネジ11aが形成されている。また、バルブ本体10の右側面10aには、ヨークを介して接続された流量調整器等に向けてガスを送出するためのガス送出口12、および流量調整器等を位置決めするための位置決め穴13が設けられている。また、バルブ本体10の左側面10bにはネジ穴14が設けられており、このネジ穴14と螺合させることで安全弁プラグ(可溶栓)20が固定されている。
バルブ本体10の上端側の内部には、弁体(ケレップ)30ならびにプッシュロッド40およびプッシュロッドガイド50を収容すると共に、グランドナット60および弁棒(スピンドル)70の一部を収容する弁機構収容穴15が形成されている。この弁機構収容穴15は、2段の段付き円柱状の穴であり、バルブ本体10の上端において開口する大径穴部15a、大径穴部15aの下方の中径穴部15b、および中径穴部15bの下方の小径穴部15cから構成されている。また、大径穴部15aの内周面には、グランドナット60をねじ込むためのメネジ15dが形成されている。
バルブ本体10の内部にはまた、高圧ガス容器から流出する酸素の通路として、接続部11の端部と小径穴部15cを繋ぐ流入通路16、小径穴部15cとガス送出口12を繋ぐ送出通路17、および流入通路16とネジ穴14を繋ぐ放出通路18が形成されている。また、小径穴部15c内における流入通路16の開口部周縁には弁座16aが形成されている。
弁体30は、小径穴部15cの内径よりやや小さい外径の円柱部31の上端部に中径穴部15bの内径よりもやや小さい外径のフランジ32を設けた形状に構成されている。弁体30は、円柱部31の下端側の一部が小径穴部15c内に収容され、それ以外の部分が中径穴部15b内に収容された状態で配置されている。円柱部31の下端には凹部31aが形成されており、この凹部31a内には弁座16aとの密着性を高めるための樹脂製のシート33が埋め込まれている。また、円柱部31の上端にはプッシュロッド40の下端部を収容するための凹部31bが形成されている。
フランジ32と中径穴部15bの底面(段部)の間には、円柱部31の外周に巻き回すようにしてコイルバネ34が配置されており、弁体30は、このコイルバネ34によって上方、すなわち弁座16aから離隔する方向へ付勢されている。この付勢力によって弁体30は、プッシュロッド40の下端に常に当接した状態となる。
プッシュロッド40は、弁体30と弁棒70を接続するものであり、円形断面の略棒状に構成されている。プッシュロッド40の下端部には外径を拡大した拡径部41が設けられており、この拡径部41が弁体30の凹部31b内に収容された状態で弁体30に当接している。また、プッシュロッド40の上端は、弁棒70の下端に当接している。
プッシュロッドガイド50は、内部に挿通されたプッシュロッド40を軸方向に移動可能に支持するものである。プッシュロッドガイド50は、略段付き円筒状のガイド本体51に、底部に貫通孔を有する略有底円筒状のOリング受け52を組み合わせることで略円筒状に構成されている。なお、Oリング受け52は、止めネジ53によってガイド本体51に固定されている。
プッシュロッドガイド50の内部には、2つのOリング54がバックアップリング55を挟んだ状態で収容されており、プッシュロッド40はこの2つのOリング54およびバックアップリング55内に挿通されている。また、プッシュロッドガイド50は、大径穴部15aの内径よりもやや小さい外径を有しており、大径穴部15a内においてグランドナット60から押圧されることで、大径穴部15aの底面(段部)に銅パッキン56を介して押し付けられた状態となっている。すなわち、プッシュロッドガイド50は、弁体30を収容する中径穴部15bおよび小径穴部15cを気密状態で大径穴部15aから隔離しており、これにより中径穴部15bおよび小径穴部15cから弁室19が構成されるようになっている。
グランドナット60は、大径穴部15aを閉塞すると共に弁棒70を支持するものであり、略六角柱状の頭部61および頭部61から下方に突出する略円筒状の円筒部62からなる形状に構成されている。頭部61には、弁棒70が挿通される貫通孔61aが設けられている。また、円筒部62の外周面にはグランドナット60の固定用のオネジ62aが形成され、内周面には回転操作される弁棒70を直線移動させるためのメネジ62bが形成されている。
グランドナット60は、円筒部62のオネジ62aを大径穴部15aのメネジ15dと螺合させることにより、バルブ本体10の上端部に固定されている。円筒部62の下端はプッシュロッドガイド50に当接するようになっており、グランドナット60をねじ込むことでプッシュロッドガイド50が大径穴部15aの底面に向けて押圧され、弁室19の気密性が確保されるようになっている。
弁棒70は、略円柱状の大径部71および大径部71から上方に突出する略棒状の小径部72からなる形状に構成されている。大径部71の外周面には、グランドナット60のメネジ62bと螺合するオネジ71aが形成されている。また、大径部71の下端には凹部71bが形成されており、この凹部71b内にはプッシュロッド40が当接するプッシュロッド受座73が埋め込まれている。小径部72の上端部(先端部)には、オネジ72aが形成され、オネジ72の下方には四角形断面の角断面部72bが設けられている。
弁棒70の小径部72は、グランドナット60の貫通孔61aに挿通されており、オネジ72aおよび角断面部72bは、バルブ本体10およびグランドナット60の外部に露出した状態となっている。そして、この小径部72の露出部分にハンドル100が取り付けられている。
大径部71のオネジ71aおよびグランドナット60のメネジ62bは、右ネジとなっている。従って、操作者がハンドル100を介して弁棒70を右回り(平面視で時計回り)に回転操作することで、弁棒70は下方に向けて移動する。これにより、弁体30は、プッシュロッド40を介して下方に向けて押圧され、弁棒70およびプッシュロッド40と共にコイルバネ34の付勢力に抗して下方、すなわち弁座16aに向けて移動(変位)する。
本実施形態では、プッシュロッド40を介して弁棒70と弁体30を接続し、変位中に弁体30が回転しないようにしているため、摩擦抵抗が少なく、きわめて軽い操作トルクで弁体30を変位させることが可能となっている。そして、弁体30のシート33が弁座16aに接触した後に、予め設定された規定トルク値を操作者が弁棒70に付加することで、弁体30は適切な押圧力で弁座16aに押圧され、閉止状態となる。
上述のように、弁体30は弁座16aに押圧される際にも回転しないため、シート33と弁座16aの間には摺動が発生しないようになっている。これにより本実施形態では、シート33にヘタリ(摩耗や塑性変形)が生じにくく、適切な閉止状態を安定的に維持することが可能となっている。
操作者が弁棒70を左回り(平面視で反時計回り)に回転操作した場合は、弁棒70は上方に向けて、すなわちプッシュロッド40から離隔する方向に移動することとなる。このとき、弁体30およびプッシュロッド40は、コイルバネ34の付勢力により、離隔していく弁棒70に追随するように上方に向けて移動する。これにより、閉止状態の弁体30を弁座16aから離隔させることができる。
弁棒70は、大径部71の上面がグランドナット60の頭部61の下面に当接するまで上方に向けて移動することが可能となっている。そして、弁体30は、大径部71の上面とグランドナット60の頭部61の下面が当接した際に、予め設定された距離だけ弁座16aから離隔した状態、すなわち全開状態となる。
なお、本実施形態では、弁棒70の約270°の回転操作で弁体30を全開状態と閉止状態の間で変位可能に設定している。すなわち、全開状態から弁棒70を右回りに約270°回転させることで弁体30は閉止状態となり、閉止状態から弁棒70を左回りに約270°回転させることで弁体30は全開状態となる。バルブ本体10の上部には、所定のシール80を貼り付けることで、弁棒70の回転位置の基準を示す基準位置表示81、バルブ1を閉める(弁体30を閉止状態とする)場合の弁棒70の回転方向(以下、閉方向)を示す閉方向表示82、およびバルブ1を開く(弁体30を全開状態とする)場合の弁棒70の回転方向(以下、開方向)を示す開方向表示83が設けられている。
ハンドル100は、操作者による弁棒70の回転操作を容易にすると共に、回転操作時に弁棒70に付加されるトルクを予め設定された規定トルク値に制限するためのものである。ハンドル100は、回転操作時に操作者が把持する把持部110、弁棒70に接続される接続部120、把持部110から接続部120への伝達トルクを制限するトルク制限部130、弁体30の開閉状態を表示する表示部140、トルク制限部130を介さずに弁棒70を回転操作可能とする補助把持部150、および把持部110の上部の開口を閉塞するハンドルキャップ160を備えている。
把持部110は、リング状のリング部111、およびリング部111の周端部から遠心方向に延出した後に上方に延出する周壁部112から構成されている。リング部111は、接続部120に遊嵌されると共に、トルク制限部130の構成の一部が設けられる部分である。周壁部112は、トルク制限部130の構成の一部を覆うと共に、操作者が把持する(つまむ)部分である。本実施形態では、滑り止めとしての複数の縦溝からなる凹凸形状112aが周壁部112の外周面に形成されている。
接続部120は、把持部110とは別体に設けられ、略円筒状の軸部121、軸部121の下端部から遠心方向に延出する底壁部122、底壁部122の周端部から上方に延出する周壁部123、および底壁部122の周端部から下方に延出するスカート部124から構成されている。軸部121は、弁棒70にトルクを伝達する部分であり、中心部の貫通孔121aには弁棒70の角断面部72bに嵌合する四角形断面の嵌合部121bが設けられている。軸部121はまた、把持部110のリング部111が遊嵌される部分であり、リング部111の内径よりもやや小さい外径を有している。底壁部122は、トルク制限部130の構成の一部が設けられる部分である。周壁部123は、把持部110の周壁部112と同様に、トルク制限部130の構成の一部を覆う部分である。スカート部124は、グランドナット60の頭部61を覆う部分である。
なお、本実施形態では、接続部120の周壁部123の外径を把持部110の周壁部112の外径と略一致させるようにしている。一方、スカート部124については、周壁部112、123の外径よりも小さい外径となるようにしている。
トルク制限部130は、把持部110を接続部120に対して空転させることで、把持部110から接続部120への伝達トルクを規定トルク値に制限するように構成されている。トルク制限部130は、把持部110のリング部111に設けられた駆動側突起131、接続部120の底壁部122に設けられた従動側突起132、把持部110を接続部120に向けて付勢する2つの付勢部材133、2つの付勢部材133の間に配置される中継部材134、および2つの付勢部材133を支持する支持部材135から構成されている。
図3(a)は、把持部110の下側(接続部120側)から見た斜視図であり、図3(b)は、接続部120の上側(把持部110側)から見た斜視図である。
図3(a)に示されるように、駆動側突起131は、リング部111の周方向に沿う等間隔の6箇所において、下方の接続部120に向けて突出するように設けられている。また、駆動側突起131は、閉方向に回転させた場合の回転方向(図の矢印の方向)側の側面131aが回転方向に対して傾斜し、反対側の側面131bが回転方向に対して略垂直、頂面131cが回転方向に対して略平行な略台形断面を有する形状に構成されている。そして、傾斜した側面131aは、把持部110の空転時に把持部110を弁棒70の軸方向において接続部120から離隔するように案内する案内斜面136を構成している。
図3(b)に示されるように、従動側突起132は、底壁部122の周方向に沿う等間隔の6箇所において、上方の把持部110に向けて突出するように設けられている。また、従動側突起132は、閉方向に回転させた場合の回転方向(図の矢印の方向)側の側面132aおよび反対側の側面132bがいずれも回転方向に対して略垂直、頂面132cが回転方向に対して略平行であり、側面132bと頂面132cの間の角部を丸み部132dとした略四角形断面を有する形状に構成されている。なお、丸み部132dは、駆動側突起131の案内斜面136と接触する部分として設けられている。
図1および2に戻って、2つの付勢部材133は、同一のウェーブワッシャから構成されている。また、中継部材134は、付勢部材133と同様の内外径を有する平ワッシャから構成され、支持部材135は、中継部材134とは異なる内径の平ワッシャから構成されている。より詳細には、付勢部材133および中継部材134は、接続部120の軸部121の外径よりもやや大きい内径、および把持部110の周壁部112の内径よりもやや小さい外径を有している。一方、支持部材135は、弁棒70のオネジ72a部分の外径よりもやや大きい内径、および把持部110の周壁部112の内径よりもやや小さい外径を有している。
図2に示されるように、接続部120は、オネジ72aと螺合したナット74によって貫通孔121a内に挿通された弁棒70と締結され、把持部110は、この接続部120の軸部121にリング部111を遊嵌させた状態で接続部120上に載置されている。そして、2つの付勢部材133および中継部材134は、把持部110内で突出した軸部121の周囲に挿入され、支持部材135は、その上方においてバネ座金75と共に軸部121とナット74の間に挟持されている。
すなわち、2つの付勢部材133は、接続部120と共に弁棒70に固定された支持部材135と把持部110のリング部111の間に配置されており、把持部110全体を弁棒70の軸方向において下方の接続部120に向けて付勢している。なお、本実施形態では、2つの付勢部材133の間に中継部材134を介在させることで、2つの付勢部材133を直列に接続するようにしている。
図4(a)〜(c)は、駆動側突起131および従動側突起132の位置関係を示した断面図である。なお、図4(a)〜(c)では、周方向を直線に展開して示している。また、図4(b)は操作者が把持部110を閉方向に回転させた場合、図4(c)は操作者が把持部110を開方向に回転させた場合を示している。
接続部120に把持部110が組み合わされ、付勢部材133によって把持部110が接続部120に向けて付勢されることで、図4(a)に示されるように、駆動側突起131が従動側突起132の間に入り込んだ状態となる。本実施形態では、駆動側突起131の高さH1を従動側突起132の高さH2よりも若干高くしている。従って、このとき、駆動側突起131の頂面131cは接続部120の底壁部122と接触するが、従動側突起132の頂面132cは把持部110のリング部111と接触しないようになっている。
操作者が把持部110を閉方向に回転させると、図4(b)に示されるように、駆動側突起131の案内斜面136が従動側突起132の丸み部132dに当接する。従動側突起132の頂面132cはリング部111と接触していないため、丸み部132dに対してスムーズに案内斜面136を当接させることができる。そして、操作者が把持部110に付加したトルクが予め設定された規定トルク値よりも小さい場合には、案内斜面136と丸み部132dが接触した状態が維持され、従動側突起132が駆動側突起131によって押されることで、把持部110から接続部120にトルクが伝達される。この結果、弁棒70が回転し、弁体30が弁座16aに近接する方向に変位することとなる。
一方、操作者が把持部110に付加したトルクが規定トルク値よりも大きい場合は、案内斜面136と丸み部132dの間に滑りが生じて駆動側突起131が案内斜面136に沿ってせり上がり、従動側突起132を乗り越えることとなる。すなわち、接続部120に対して把持部110が空転し、トルクが伝達されなくなる。
トルク制限部130は、このようにして弁棒70に付加されるトルクを規定トルク値に制限する。換言すれば、トルク制限部130は、把持部110を接続部120に対して空転させることで、規定トルク値を許容可能な誤差範囲内で弁棒70に付加し、この結果、弁体30が適切な閉止状態となる。また、トルク制限部130は、空転時における把持部110の軸方向の移動および空転時に発する音によって付加トルクが規定トルク値に達したことを操作者に認識させる。
なお、駆動側突起131のせり上がり、すなわち把持部110の上方への移動に伴って付勢部材133は圧縮され、付勢力を増加させることとなるが、本実施形態では2つの付勢部材133を直列接続して配置することで、把持部110の移動量に対して過大に付勢力が増加しないようにしている。これにより、規定トルク値が比較的小さいような場合にも、把持部110の移動量(すなわち、従動側突起132の高さH2)を適切に確保することができるため、付加トルクが規定トルク値に達したことを明確に操作者に認識させることが可能となる。
操作者が把持部110を開方向に回転させると、図4(c)に示されるように、駆動側突起131の側面131bが従動側突起132の側面132bに当接する。側面131bおよび側面132bはいずれも回転方向に対して略垂直な面であるため、案内斜面136のような滑りは生じず、トルクの伝達は制限されない。すなわち、本実施形態のトルク制限部130は、閉方向においてのみ空転し、閉方向の伝達トルクのみを制限するように構成されている。
また、本実施形態では、周方向における従動側突起132の間隔を駆動側突起131の周方向に占める範囲よりも大きくすることで、閉方向にトルクを伝達可能な状態と開方向にトルクを伝達可能な状態の間に所定の回転角度θの遊びを設定するようにしている(図4(b)参照)。このように、適宜の遊びを設けることで、例えば把持部110の空転後に逆方向のトルクが不用意に伝達され、弁棒70に付加されたトルクが規定トルク値以下に下がるといった不具合を防止することが可能となる。この回転角度θの値は、特に限定されるものではないが、14°以上24°以下の範囲内であることが好ましく、16°以上22°以下の範囲内であればより好ましく、18°以上20°以下の範囲内であることが最も好ましい。
なお、駆動側突起131に案内斜面136を設け、従動側突起132に丸み部132dを設けるのではなく、従動側突起132に案内斜面136設け、駆動側突起131に丸み部を設けるようにしてもよい。駆動側突起131および従動側突起132は互いに相対的に運動するものであるため、形状を入れ替えたとしても同一の作用効果を奏することは言うまでもない。
また、駆動側突起131および従動側突起132の形状は、図3(a)および(b)に示すものに限定されず、トルクの伝達および空転が可能なものであれば、種々の形態を採用することができる。例えば、案内斜面136は、平面から構成されるものであってもよいし、凹面または凸面等の曲面から構成されるものであってもよい。同様に、案内斜面136と当接する丸み部132dの形状は、例えば球面であってもよいし、案内斜面136と略平行な平面または曲面を案内斜面136に当接させるようにしてもよい。また、案内斜面136にローラや球を当接させてトルクを伝達するようにしてもよい。また、付勢部材133は、皿バネやコイルバネ等から構成されるものであってもよいし、付勢部材133の個数が特に限定されないことは言うまでもない。
図1および2に戻って、表示部140は、バルブ本体10の基準位置表示81に対応する弁棒70の回転位置を表示することにより、弁体30の開閉状態、すなわち弁体30が全開状態であるか閉止状態であるかを示すように構成されている。図1および図3(b)に示されるように、表示部140は、接続部120のスカート部124の外周面に設けられており、閉止状態において基準位置表示81の直上となる位置に設けられた閉止位置表示141、および全開状態において基準位置表示81の直上となる位置に設けられた全開位置表示142を備えている。なお、上述のように本実施形態では、弁棒70の約270°の回転操作で弁体30が全開状態と閉止状態の間を変位するため、閉止位置表示141と全開位置表示142の間隔も約270°となっている。
本実施形態では、弁棒70と略一体的に回転する接続部120を把持部110で覆ってしまうのではなく、外部に露出させることで、バルブ本体10の基準位置表示81と連携させたきわめて簡素な構成の表示部140によって弁体30の開閉状態を正確に表示することを可能としている。そして、このように操作者が目視で開閉状態を確認可能な表示部140を設けることで、例えば把持部110が空転したにも関わらず何らかの不具合によって弁体30が適正な閉止状態とならなかったような場合にも、操作者がこれを容易に発見することができるため、安全性を高めることが可能となる。
なお、本実施形態では、表示部140を所定のシールから構成し、接続部120を弁棒70に嵌合させた後にスカート部124の外周面に位置決めして貼り付けることによって、弁棒70と接続部120の嵌合における回転方向の自由度を許容するようにしているが、接続部120のいずれかの部位に直接施した印刷または刻印等から表示部140を構成するようにしてもよい。
補助把持部150は、接続部120の周壁部123およびスカート部124の外周面から構成されている。すなわち、本実施形態では、弁棒70と略一体的に回転する接続部120を外部に露出させることで、接続部120を操作者が直接把持可能とし、これにより操作者がトルク制限部130を介さずに弁棒70を回転操作可能としている。このように、補助把持部150を設けることで、何らかの不具合によって規定トルク値よりも大きいトルクを付加しなければ閉方向に弁棒70を回転させられないような場合にも、緊急避難的に補助把持部150を使用して弁棒70を回転させることが可能となる。すなわち、バルブ1の安全性をより高めることができる。
なお、本実施形態では、補助把持部150の外径(すなわち、接続部120の周壁部123およびスカート部124の外径)を把持部110の外径以下に設定すると共に、滑り止めの凹凸形状等を設けないことによって、補助把持部150を使用する場合に弁棒70に過大なトルクが付加されにくいようにしているが、適宜の凹凸形状を設ける等、トルクを付加しやすい形状に補助把持部150を構成するようにしてもよい。
ハンドルキャップ160は、把持部110の上部の開口を閉塞してナット74、付勢部材133、中継部材134および支持部材135等を保護するものであり、本実施形態では周壁部112の内側に一部が圧入されることで把持部110に装着されている。ハンドルキャップ160の構造は特に限定されるものではなく、既知の各種構造を採用することができる。また、バルブ1の用途や把持部110の形状等によってはハンドルキャップ160を省略するようにしてもよい。
次に、バルブ1の作動について説明する。図5(a)〜(f)、図6(a)〜(f)および図7(a)〜(f)は、バルブ1の作動状態を示した図である。なお、図5(a)〜(c)、図6(a)〜(c)および図7(a)〜(c)はハンドル100周辺の状態を示した正面図であり、図5(d)〜(f)はそれぞれ図5(a)〜(c)の状態における駆動側突起131および従動側突起132の状態を示した断面図であり、図6(d)〜(f)はそれぞれ図6(a)〜(c)の状態における駆動側突起131および従動側突起132の状態を示した断面図であり、図7(d)〜(f)はそれぞれ図7(a)〜(c)の状態における駆動側突起131および従動側突起132の状態を示した断面図である。また、図5(d)〜(f)、図6(d)〜(f)、および図7(d)〜(f)では、周方向を直線に展開して示している。
まず、バルブ1を閉じる、すなわち弁体30を全開状態から閉止状態に変位させる場合について説明する。全開状態では、図5(a)に示されるように、表示部140の全開位置表示142が基準位置表示81の直上に位置した状態となっている。この状態で操作者が把持部110を指でつまんで閉方向に回転させると、図5(a)に示されるように、把持部110のみが遊びの分だけ回転し、この結果、図5(d)に示されるように、駆動側突起131が従動側突起132に当接する。
上述のように本実施形態では、きわめて軽い操作トルクで弁棒70を回転可能であり、弁棒70が閉止位置に到達するまでは、操作者の付加するトルクが規定トルク値以上に上昇することは通常ない。従って、操作者が図5(a)の状態からさらに把持部110を右回りに回転させていっても、図5(e)に示されるように、駆動側突起131の案内斜面136と従動側突起132の丸み部132dが接触した状態が維持され、把持部110から接続部120へトルクが伝達されることとなる。すなわち、図5(b)に示されるように、操作者が把持部110を回転させるのに伴って、接続部120および弁棒70が回転することとなる。
そして、弁棒70が約270°回転した時点で弁体30が弁座16aに接触し、図5(c)に示されるように、閉止位置表示141が基準位置表示81の直上に位置した状態となる。操作者は、基準位置表示81に対する閉止位置表示141の相対位置から、弁棒70が適切に回転したか否かを認識することができる。なお、この時点ではまだ、図5(f)に示されるように、駆動側突起131の案内斜面136と従動側突起132の丸み部132dが接触した状態が維持されている。
弁座16aへの接触後は、弁体30のそれ以上の変位が規制されるため、弁棒70の回転も規制されることとなる。従って、図5(c)の状態から操作者がさらに把持部110を右回りに回転させようとしても弁棒70は殆ど回転しないため、操作者の付加トルクが上昇することとなる。この結果、図6(d)に示されるように、案内斜面136に沿って駆動側突起131がせり上がり、図6(a)に示されるように、把持部110が接続部120に対して空転を開始する。把持部110はまた、弁棒70の軸方向において接続部120から離隔するように移動(上昇)していく。
そして、図6(e)に示されるように、駆動側突起131の頂面131cと従動側突起132の頂面132cが接触する状態となったときに、図6(b)に示されるように、弁棒70の軸方向における把持部110の移動量が最大となる。その後、さらに空転が進んで駆動側突起131の頂面131cが従動側突起132の頂面132cから外れると、把持部110は付勢部材133の付勢力によって押し下げられ、図6(c)に示されるように、弁棒70の軸方向において接続部120に近接するように急激に移動(下降)する。このとき、図6(f)に示されるように、駆動側突起131がフリーな状態となるため、操作者の付加トルクは急激に低下する。また、駆動側突起131の頂面131cが底壁部122に衝突するため、衝突音(クリック音)が発せられる。
把持部110が空転する際に、弁棒70には規定トルク値が付加される。従って、図6(c)に示す状態においては、弁体30は適切な押圧力で弁座16aに押圧された状態となっている。すなわち、閉止位置表示141が基準位置表示81の直上に位置した状態で、空転中の把持部110が一旦上昇して下降した後には、弁体30は適切な閉止状態となっている。
操作者は、衝突音の感知と共に、付加トルクの変動および把持部110の上下動をクリック感として感知することで、弁棒70に付加されるトルクが規定トルク値に制限されたこと、およびこの結果弁棒70に規定トルク値が付加されたことを認識することができる。従来技術のように付加トルクの上昇および急激な下降のみをクリック感として感知させるのではなく、操作者がつまんでいる把持部110全体の上下動をもクリック感として感知させるようにすることで、規定トルク値が比較的小さいような場合にも、明確なクリック感を操作者に感知させることが可能となる。さらに、本実施形態では、2つの付勢部材133を直列に接続することで、把持部110の移動量を大きくしているため、より明確なクリック感を操作者に感知させることが可能となっている。
本実施形態ではまた、規定トルク値が弁棒70に付加されたことだけでなく、表示部140によって弁棒70の回転位置が閉止位置まで到達しているかどうかを、操作者は容易に確認することができるため、規定トルク値が弁棒70に付加されたにも関わらず弁体30が閉止状態となっていないといった不具合を容易に発見することが可能となっている。
また、本実施形態では、駆動側突起131と従動側突起132の間に所定の回転角度θの遊びを設けることで、駆動側突起131が従動側突起132を乗り越えた後に慣性によって把持部110をさらに少し空転させ、図6(f)に示されるように、駆動側突起131の側面131bを従動側突起132の側面132bから離隔させた状態とすることが可能となっている。これにより、規定トルク値の付加直後に駆動側突起131の側面131bが不用意に従動側突起132の側面132bに当接して開方向のトルクを伝達し、弁体30の弁座16aへの押圧力が弱まって不適切な閉止状態となるといった不具合を防止することができる。
次に、バルブ1を閉じる際に不具合が生じた場合について説明する。バルブ1を閉じようとする際に何らかの不具合によって弁棒70の回転抵抗が大きくなっているような場合には、操作者は、図7(a)に示されるように、補助把持部150をつまんで弁棒70を直接回転させることができる。この場合、図7(d)に示されるように、トルク制限部130の状態に関わらず弁棒70を回転させることができるため、規定トルク値よりも大きいトルクを閉方向に付加することが可能となる。従って、不具合発生時にも確実に弁体30を閉止状態とすることができる。また、この場合においても操作者は、弁体30が閉止状態となったことを閉止位置表示141の位置から容易に確認することができる。
操作者はさらに、図7(b)に示されるように、把持部110を接続部120に向けて押し付けながら回転させることによっても、閉方向において規定トルク値よりも大きいトルクを弁棒70に付加することができる。この場合、図7(e)に示されるように、トルク制限部130を介してトルクが伝達されることから、弁棒70に付加し得るトルクの大きさは限定的なものとなるため、過大なトルクによって弁体30や弁座16aに損傷が生じる可能性を、補助把持部150を使用する場合よりも低くすることが可能となる。なお、本実施形態では、把持部110に設けた滑り止めの凹凸形状112aを縦溝のみとすることで、把持部110に付加される下方への押し付け力が過大にならないようにしている。
次に、バルブ1を開く、すなわち弁体30を閉止状態から全開状態に変位させる場合について説明する。図7(c)に示されるように、閉止状態において操作者が把持部110を指でつまんで開方向に回転させることで、図7(f)に示されるように、駆動側突起131の側面131bが従動側突起132bに当接し、把持部110から接続部120へトルクが伝達されることとなる。本実施形態のトルク制限部130は開方向の伝達トルクを制限しないため、把持部110をそのまま約270°回転させることで、弁棒70は全開位置に到達し、弁体30が弁座16aから所定の距離だけ離隔した全開状態となる。また、操作者は、弁体30が全開状態となったか否かを全開位置表示142の位置から容易に確認することができる。
次に、バルブ1のその他の形態について説明する。図8(a)および(b)は、バルブ1のその他の形態の例を示した断面図であり、トルク制限部130を開方向および閉方向の両方において伝達トルクを制限するように構成した場合の駆動側突起131および従動側突起132の例を示している。なお、図8(a)および(b)では、周方向を直線に展開して示している。
閉方向に加え、開方向の伝達トルクを制限することで、例えば弁体30の急激な開放に伴う弁室内等の急激な圧力上昇を防止したり、過大なトルクによる弁棒70の全開位置における固着を防止したりすることができる。本実施形態のトルク制限部130は、きわめて簡素な構成であるため、駆動側突起131および従動側突起132の形状を適宜に変更するだけで、開方向および閉方向の伝達トルクを制限することが可能となっている。
図8(a)に示す例では、駆動側突起131の側面131aおよび側面131bをいずれも傾斜させて案内斜面136とすると共に、従動側突起132の2つの角部をいずれも丸み部132dとしている。また、図8(b)に示す例では、駆動側突起131の側面131aを案内斜面136とすると共に側面131b側の角部を丸み部131dとし、従動側突起132の側面132aを案内斜面136とすると共に側面132b側の角部を丸み部132dとしている。
駆動側突起131および従動側突起132をこのような形状に構成することで、開方向および閉方向のいずれにおいても案内斜面136と丸み部131d、132dの接触によってトルクを伝達させることができるため、両方向の伝達トルクを予め設定した規定トルク値に制限することが可能となる。また、図8(a)の例に示すように、開方向の案内斜面136の傾斜角度と閉方向の案内斜面136の傾斜角度を異ならせることにより、開方向の規定トルク値と閉方向の規定トルク値を容易に異なる値に設定することが可能となる。
また、図8(a)および(b)に示す例では、空転時に駆動側突起131が一方の案内斜面136に沿ってせり上がった後に他方の案内斜面136に沿って徐々に下がっていくようになるため、駆動側突起131と底壁部122の衝突音が比較的小さいという特性を有している。従って、これらの例は、バルブ1に静音性が求められるような場合に特に好適である。なお、これらの例においても操作者は把持部110の上下動を感知することができるため、弁棒70に付加されるトルクが規定トルク値に制限されたことを明確に認識可能であることは言うまでもない。
その他、図示は省略するが、バルブ1はヨークタイプに限定されるものではなく、例えばねじ込み式の送出口12をバルブ本体10に備えるものであってもよい。また、バルブ1は、容器弁としてはより一般的な所謂パッキン式のものであってもよい。すなわち、バルブ1は、グランドナット60と弁棒70の間に介在させたOリング(パッキン)によって弁室19が密閉され、バルブ本体10と螺合した弁体30が弁棒70と共に回転しながら変位するように構成されたものであってもよい。
また、ハンドル100の把持部110および補助把持部150の外形状は特に限定されるものではなく、例えば多角柱状や円盤状等、種々の形状を採用することができる。また、把持部110および補助把持部150を互いに異なる大きさや外形状に構成することで、両者の判別を容易にするようにしてもよい。また、把持部110および補助把持部150は、適宜のレンチ等を介して操作者が間接的に把持するように構成されるものであってもよい。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態に係るバルブ2は、トルク制限部130において、駆動側突起131と従動側突起132の間に中間部材137を介在させることで、開方向および閉方向の両方において伝達トルクを制限可能としながらも、空転時に明確な衝突音(クリック音)を発するようにしたものである。なお、バルブ2のその他の構成は基本的に第1の実施形態のバルブ1と同様であるため、以下、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付すと共にその説明を省略し、第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図9はバルブ2の背面側から見た断面図である。なお、図2は弁体30が閉止状態となっている場合を示しているが、図9は弁体30が全開状態となっている場合を示している。
図9に示されるように、本実施形態では、ハンドル100の把持部110は、段付円筒状のリング部111、ならびにリング部111の周端部から上方に延出する周壁部112および下方に延出するスカート部113から構成されている。このスカート部113は、周壁部112と共にトルク制限部130の構成を覆う部分であり、接続部120の周壁部123に代えて設けられる部分である。従って、本実施形態の接続部120は、略円筒状の軸部121、軸部121の下端部から遠心方向に延出する底壁部122、および底壁部122の周端部から下方に延出するスカート部124から構成され、周壁部123は省略されている。
把持部110の周壁部112およびスカート部113の外周面は、連続的に構成されており、複数の縦溝からなる凹凸形状112aは、周壁部112の外周面およびスカート部113の外周面に跨がって形成されている。また、本実施形態では、把持部110にスカート部113を設けると共に、周壁部112およびスカート部113の外径を接続部120の底壁部122の外径よりもやや大きくすることで、通常の操作時に操作者が誤って接続部120を把持する可能性が低くなるようにしている。これにより、弁棒70に付加されるトルクの精度をさらに向上させることが可能となる。
トルク制限部130は、把持部110のリング部111に設けられた駆動側突起131、接続部120の底壁部122に設けられた従動側突起132、ならびに2つの付勢部材133、中継部材134および支持部材135に加え、駆動側突起131および従動側突起132の間に介在する中間部材137から構成されている。すなわち、本実施形態のトルク制限部130は、駆動側突起131および従動側突起132が互いに直接的に当接するのではなく、中間部材137を介して互いに間接的に当接するように構成されている。
図10(a)は、把持部110の下側(接続部120側)から見た斜視図であり、図10(b)は、中間部材137の上側(把持部110側)から見た斜視図であり、図10(c)は、接続部120の上側(把持部110側)から見た斜視図である。
図10(a)に示されるように、駆動側突起131は、第1の実施形態と同様に周方向に沿う等間隔の6箇所において、下方の接続部120に向けて突出するように設けられている。また、駆動側突起131は、閉方向に回転させた場合の回転方向(図の矢印の方向)側の側面131aが傾斜しており、案内斜面136を構成している。この駆動側突起131の案内斜面136は、把持部110の閉方向における空転時に把持部110を接続部120から離隔させるように案内するものである。
図10(c)に示されるように、従動側突起132は、第1の実施形態と同様に周方向に沿う等間隔の6箇所において、上方の把持部110に向けて突出するように設けられている。但し、本実施形態の従動側突起132は、駆動側突起131と略同一形状に構成されている。具体的に従動側突起132は、閉方向に回転させた場合の回転方向(図の矢印の方向)側の側面132aが回転方向に対して傾斜し、反対側の側面132bが回転方向に対して略垂直、頂面132cが回転方向に対して略平行な略台形断面を有する形状に構成されている。この傾斜した側面132aは、把持部110の開方向(図の矢印の反対方向)における空転時に把持部110を接続部120から離隔させるように案内するものである。すなわち、従動側突起132の側面132aは開方向の案内斜面136を構成しており、本実施形態のトルク制限部130は、開方向および閉方向の両方において伝達トルクを制限するように構成されている。
中間部材137は、図10(b)に示されるように、接続部120の軸部121に遊嵌されるリング状の部材であり、軸部121よりもやや大きい内径および把持部110のスカート部113の内径よりもやや小さい外径を有している。図9に示されるように、中間部材137は、把持部110の下側(接続部120側)において接続部120の軸部121に遊嵌されると共に、把持部110のスカート部113の内側に収容された状態で配置されている。また、中間部材137は、2つの付勢部材133によって把持部110と共に弁棒70の軸方向において下方の接続部120に向けて付勢されている。具体的には、2つの付勢部材133は把持部110を介して中間部材137を付勢しており、中間部材137は、把持部110と接続部120の間に弁棒70の軸方向において挟持されている。
図10(b)に戻って、中間部材137は、略長方形断面を有しており、上面137a(把持部110側の面)および下面137b(接続部120側の面)は、弁棒70の軸方向に対して略垂直(回転方向に対して略平行)な平面状に構成されている。そして、上面137aの周方向に沿う等間隔の6箇所には、駆動側中間突起138が上方の把持部110に向けて突出するように設けられている。また、下面137bの周方向に沿う等間隔の6箇所には、従動側中間突起139が下方の接続部120に向けて突出するように設けられている。
駆動側中間突起138は、トルク伝達時に駆動側突起131と当接する部分であり、従動側中間突起139は、トルク伝達時に従動側突起132と当接する部分である。従って、駆動側中間突起138および従動側中間突起139は、第1の実施形態における従動側突起132と略同一の形状に構成されている。
具体的に駆動側中間突起138は、閉方向に回転させた場合の回転方向(図の矢印の方向)側の側面138aおよび反対側の側面138bがいずれも回転方向に対して略垂直、頂面138cが回転方向に対して略平行な略四角形断面を有する形状に構成されている。また、側面138aと頂面138cの間、および側面138bと頂面138cの間の角部には、それぞれ丸み部138dが設けられている。但し、駆動側突起131の案内斜面136と接触するのは、側面138b側の丸み部138dである。
同様に従動側中間突起139は、閉方向に回転させた場合の回転方向(図の矢印の方向)側の側面139aおよび反対側の側面139bがいずれも回転方向に対して略垂直、頂面139cが回転方向に対して略平行な略四角形断面を有する形状に構成されている。また、側面139aと頂面139cの間、および側面139bと頂面139cの間の角部には、それぞれ丸み部139dが設けられている。但し、従動側突起132の案内斜面136と接触するのは、側面139a側の丸み部139dである。
なお、本実施形態では、駆動側中間突起138および従動側中間突起139を同一形状に構成すると共に、案内斜面136と接触しない角部にも丸み部138d、139dを設けることで、中間部材137の上下の方向性を無くし、ハンドル100の組み立てが容易になるようにしている。また、本実施形態では、把持部110および接続部120と共に中間部材137を樹脂から構成しているため、射出成形時の成形性を考慮して駆動側中間突起138および従動側中間突起139を千鳥状に配置するようにしている。但し、駆動側中間突起138および従動側中間突起139の形状および配置がこれに限定されないことは言うまでもない。
図11(a)〜(c)は、駆動側突起131、従動側突起132および中間部材137の位置関係を示した断面図である。なお、図11(a)〜(c)では、周方向を直線に展開して示している。また、図11(b)は操作者が把持部110を閉方向に回転させた場合、図11(c)は操作者が把持部110を開方向に回転させた場合を示している。
接続部120に中間部材137および把持部110が組み合わされ、付勢部材133によって把持部110および中間部材137が接続部120に向けて付勢されることで、図11(a)に示されるように、駆動側突起131が駆動側中間突起138の間に入り込むと共に従動側中間突起139が従動側突起132の間に入り込んだ状態となる。
本実施形態では、駆動側突起131および従動側突起132の高さH1を駆動側中間突起138および従動側中間突起139の高さH2よりも若干高くしている。従って、駆動側突起131の頂面131cは中間部材137の上面137aと接触するが、駆動側中間突起138の頂面138cは把持部110のリング部111と接触しないようになっている。同様に、従動側突起132の頂面132cは中間部材137の下面137bと接触するが、従動側中間突起139の頂面139cは接続部120の底壁部122と接触しないようになっている。
操作者が把持部110を閉方向に回転させると、まず駆動側突起131の案内斜面136が駆動側中間突起138の丸み部138dに当接する。そして、把持部110に押された中間部材137が把持部110と共に回転することで、図11(b)に示されるように、従動側中間突起139の側面139aが従動側突起132の側面132bに当接する。すなわち、駆動側突起131が中間部材137を介して間接的に従動側突起132に当接する。
従動側中間突起139の側面139aおよび従動側突起132の側面132bは、いずれも回転方向に対して略垂直な面であるため、操作者が把持部110に付加したトルクの大きさによらず、両者の間に滑りは略生じない。一方、駆動側突起131の案内斜面136と駆動側中間突起138の丸み部138dの間では、第1の実施形態と同様に、操作者が把持部110に付加したトルクが予め設定された規定トルク値よりも大きい場合に滑りが生じることとなる。
従って、操作者が把持部110に付加したトルクが予め設定された規定トルク値よりも小さい場合には、駆動側突起131の案内斜面136と駆動側中間突起138の丸み部132dが接触した状態が維持され、従動側突起132が中間部材137を介して駆動側突起131に押されることで、把持部110から接続部120にトルクが伝達される。
また、操作者が把持部110に付加したトルクが規定トルク値よりも大きい場合には、駆動側突起131の案内斜面136と駆動側中間突起138の丸み部138dの間に滑りが生じ、駆動側突起131が案内斜面136に沿ってせり上がって駆動側中間突起138を乗り越えることとなる。すなわち、中間部材137および接続部120に対して把持部110が空転し、トルクが伝達されなくなる。
そして、駆動側突起131の側面131bおよび駆動側中間突起138の側面138aは回転方向に対して略垂直、すなわち弁棒70の軸方向に対して略平行であることから、駆動側中間突起138の頂面138cを越えた後の駆動側突起131は、付勢部材133の付勢力によって中間部材137の上面137aに衝突することとなる。これにより、明確な衝突音が発せられる。
操作者が把持部110を開方向に回転させる場合には、まず駆動側突起131の側面131bが駆動側中間突起138の側面138aに当接する。そして、把持部110に押された中間部材137が把持部110と共に回転することで、図11(c)に示されるように、従動側中間突起139の丸み部139dが従動側突起132の案内斜面136に当接する。すなわち、駆動側突起131が中間部材137を介して間接的に従動側突起132に当接する。
駆動側突起131の側面131bおよび駆動側中間突起138の側面138bは、いずれも回転方向に対して略垂直な面であるため、操作者が把持部110に付加したトルクの大きさによらず、両者の間に滑りは略生じない。一方、従動側中間突起139の丸み部139dと従動側突起132の案内斜面136の間では、操作者が把持部110に付加したトルクが予め設定された規定トルク値よりも大きい場合に滑りが生じることとなる。
従って、操作者が把持部110に付加したトルクが予め設定された規定トルク値よりも小さい場合には、従動側中間突起139の丸み部139dと従動側突起132の案内斜面136が接触した状態が維持され、従動側突起132が中間部材137を介して駆動側突起131に押されることで、把持部110から接続部120にトルクが伝達される。
また、操作者が把持部110に付加したトルクが規定トルク値よりも大きい場合には、従動側中間突起139の丸み部139dと従動側突起132の案内斜面136の間に滑りが生じ、従動側中間突起139が案内斜面136に沿ってせり上がって従動側突起132を乗り越えることとなる。すなわち、接続部120に対して中間部材137および把持部110が空転し、トルクが伝達されなくなる。
そして、従動側中間突起139の側面139aおよび従動側突起132の側面132bは回転方向に対して略垂直、すなわち弁棒70の軸方向に対して略平行であることから、従動側中間突起139が従動側突起132の頂面132cを越えた後に、中間部材137の下面137bが付勢部材133の付勢力によって従動側突起132の頂面132cに衝突することとなる。これにより、明確な衝突音が発せられる。
このように本実施形態では、トルク制限部130に中間部材137を設けることで、簡素な構成でありながらも、回転方向によらない伝達トルクの制限および空転時における明確な衝突音(クリック音)の生成を両立させることを可能としている。これにより、弁棒70に付加されるトルクが規定トルク値に制限されたことを、図8(a)および(b)に示す例よりも分りやすく操作者に認識させることが可能となる。
なお、本実施形態における遊びの回転角度θは、図11(a)に示す状態と図11(b)に示す状態の間で把持部110が回転する角度となる。また、本実施形態においても、駆動側突起131の案内斜面136の傾斜角度と従動側突起132の案内斜面136の傾斜角度を異ならせることで開方向と閉方向の規定トルク値を異ならせることが可能である。
次に、バルブ2のその他の形態について説明する。図12(a)〜(c)は、バルブ2のその他の形態の例を示した断面図である。なお、図12(a)〜(c)では、周方向を直線に展開して示している。
図12(a)は、案内斜面136を駆動側中間突起138および従動側案内突起139に設けるようにした場合の一例を示している。案内斜面136は、駆動側突起131および駆動側中間突起138のいずれか一方、ならびに従動側突起132および従動側中間突起139のいずれか一方に設けられるものであればよく、いずれの場合にも同一の作用効果を奏することとなる。
また、図示は省略するが、閉方向の案内斜面136を駆動側突起131または駆動側中間突起138に設け、開方向の案内斜面136を従動側突起132または従動側中間突起139に設けるのではなく、開方向の案内斜面136を駆動側突起131または駆動側中間突起138に設け、閉方向の案内斜面136を従動側突起132または従動側中間突起139に設けるようにしてもよい。すなわち、駆動側突起131の側面131bおよび駆動側中間突起138aのいずれか一方に案内斜面136を設け、従動側突起132の側面132bおよび従動側中間突起139の側面139aのいずれか一方に案内斜面を設けるようにしてもよい。
図12(b)は、中間部材137を、トルク伝達時に駆動側突起131および従動側突起132と当接する複数の当接部137c、および複数の当接部137c同士を連結する連結部137dから構成した場合の一例を示している。この例では、当接部137cは四角柱状に構成され、駆動側突起131同士および従動側突起132同士の間に配置されている。また、連結部137dはリング状に構成され、駆動側突起131および従動側突起132よりも半径方向内側(弁棒70側)および外側(把持部110のスカート部113側)に配置されている。換言すれば、この例の中間部材137は、径の異なる2つのリング状の連結部137dを複数のスポーク状の当接部137cが半径方向に繋いだ形状となっている。
このように、リング状の部分が駆動側突起131および従動側突起132から半径方向にずらして配置される形状に中間部材137を構成することで、中間部材137を儲けながらも、把持部110および接続部120を弁棒70の軸方向において、より近接させて配置することが可能となる。すなわち、ハンドル100の上下方向寸法を縮めてコンパクト化することができる。なお、この場合においても案内斜面136を当接部137cに設けるようにしてもよいことは言うまでもない。
図12(c)は、中間部材137を、駆動側突起131同士および従動側突起132同士の間に配置される球またはコロから構成した場合の一例を示している。このように、中間部材137は、駆動側突起131および従動側突起132ごとに複数設けられるものであってもよく、さらに把持部110の回転に伴って転動するものであってもよい。この場合にも図12(b)に示す例と同様に、把持部110および接続部120をより近接させて配置することが可能となる。なお、この場合、転がり軸受けと同様に、複数の転動する中間部材137を適宜のリテーナで保持するようにしてもよい。
その他、図示は省略するが、バルブ2は例えばねじ込み式送出口12を備えるものであってもよく、また、所謂パッキン式のものであってもよいことは、第1の実施形態と同様である。さらに、把持部110および補助把持部150の外形状が特に限定されず、また、操作者がレンチ等を介して間接的に把持するものであってもよいことは言うまでもない。
以上説明したように、本実施形態に係るバルブ1、2は、弁体30を変位させる弁棒70を回転操作するためのハンドル100を備えるバルブであって、ハンドル100は、回転操作時に把持される把持部110と、把持部110とは別体に設けられ、弁棒70に接続される接続部120と、把持部110を接続部120に対して空転させることで把持部110から接続部120への伝達トルクを制限するトルク制限部130と、接続部120に設けられ、弁体30の開閉状態を表示する表示部140と、を備えている。
また、ハンドル100は、バルブ1、2の弁体30を変位させる弁棒70を回転操作するためのハンドルであって、回転操作時に把持される把持部110と、把持部110とは別体に設けられ、弁棒70に接続される接続部120と、把持部110を接続部120に対して空転させることで把持部110から接続部120への伝達トルクを制限するトルク制限部130と、接続部120に設けられ、弁体30の開閉状態を表示する表示部140と、を備えている。
このような構成とすることで、簡素な構造でありながらも、弁棒70に付加されるトルクが規定トルク値に制限されたこと、または規定トルク値が弁棒70に付加されたことだけでなく、操作者に弁棒70の回転位置が閉止位置または全開位置まで到達しているかどうかを容易に認識させることが可能となるため、バルブ1、2の安全性および使い勝手を高めることができる。
また、バルブ1、2は、接続部120に設けられ、トルク制限部130を介さずに弁棒70を回転操作可能とする補助把持部150を備えている。このようにすることで、何らかの不具合によって規定トルク値よりも大きいトルクを付加しなければ弁棒70を回転させられないような場合にも、補助把持部150を使用して緊急避難的に弁棒70を回転させることが可能となるため、バルブ1、2の安全性および使い勝手を高めることができる。
また、トルク制限部130は、回転方向の一方にトルクを伝達可能な状態と他方にトルクを伝達可能な状態との間に所定の回転角度θの遊びが設定されている。このようにすることで、例えば把持部110の空転後に逆方向のトルクが不用意に伝達され、弁棒70に付加されたトルクが規定トルク値から変化するといった不具合を防止することが可能となるため、バルブ1、2の安全性および使い勝手を高めることができる。
また、トルク制限部130は、把持部110の空転時に把持部110を弁棒70の軸方向において接続部120から離隔するように案内する案内斜面136を備えている。このようにすることで、規定トルク値が比較的小さいような場合にも、把持部110の空転時の上下動による明確なクリック感を操作者に感知させることが可能となるため、バルブ1、2の安全性および使い勝手を高めることができる。
また、トルク制限部130は、把持部110に設けられる駆動側突起131と、接続部120に設けられ、トルク伝達時に駆動側突起131と直接的または間接的に当接する従動側突起132と、把持部110を弁棒70の軸方向において接続部120に向けて付勢する付勢部材133と、を備えている。このようにすることで、簡素な構造でありながらも、把持部110の空転時の上下動による明確なクリック感を操作者に感知させることが可能となるため、バルブ1、2の安全性および使い勝手を高めることができる。
また、案内斜面136は、駆動側突起131または従動側突起132に設けられている。このようにすることで、簡素な構造でありながらも、把持部110の空転時の上下動による明確なクリック感を操作者に感知させることが可能となるため、バルブ1、2の安全性および使い勝手を高めることができる。
また、トルク制限部130は、駆動側突起131および従動側突起132の間に介在する中間部材137を備え、案内斜面136は、駆動側突起131、従動側突起132または中間部材137に設けられている。このようにすることで、簡素な構造でありながらも、把持部110の空転時の上下動による明確なクリック感と共に明確なクリック音を操作者に感知させることが可能となるため、バルブ2の安全性および使い勝手を高めることができる。
また、トルク制限部130は、直列接続された複数の付勢部材133を備えている。このようにすることで、規定トルク値が比較的小さいような場合にも、把持部110の移動量を大きくし、より明確なクリック感を操作者に感知させることが可能となるため、バルブ1、2の安全性および使い勝手を高めることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明のバルブおよびバルブ用ハンドルは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、バルブ1、2の各部の形状および配置は、上記実施形態において示した形状に限定されるものではなく、既知の種々の形状および配置を採用することができる。また、バルブ1、2の形式は、上記実施形態において示した形式に限定されるものではなく、例えばバタフライ弁、ボール弁、ゲート弁、グローブ弁およびダイヤフラム弁等、既知の各種形式を採用することができる。また、バルブ1、2は容器に接続されるものに限定されず、バルブ1、2中を流れる流体が気体に限定されないことは言うまでもない。
また、トルクの変動のみで操作者に明確なクリック感を感知させたり、把持部110を移動させることなく操作者に明確なクリック音を感知させたりすることが可能な場合は、トルク制限部130を空転時に把持部110を弁棒70の軸方向に移動させないように構成してもよい。この場合、例えばローラまたは球と、これらが嵌まり込む溝または穴と、ローラまたは球を溝または穴に向けて付勢する付勢部材と、を備える既知の構成からトルク制限部130を構成するようにしてもよい。
また、上記実施形態において示した作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したものに過ぎず、本発明による作用および効果は、これらに限定されるものではない。
本発明に係るバルブおよびバルブ用ハンドルは、各種流体を使用する様々な分野において利用することができる。
1 バルブ
30 弁体
70 弁棒
100 ハンドル
110 把持部
120 接続部
130 トルク制限部
131 駆動側突起
132 従動側突起
133 付勢部材
136 案内斜面
137 中間部材
140 表示部
150 補助把持部
θ 回転角度

Claims (9)

  1. 弁体を変位させる弁棒を回転操作するためのハンドルを備えるバルブであって、
    前記ハンドルは、
    回転操作時に把持される把持部と、
    前記把持部とは別体に設けられ、前記弁棒に接続される接続部と、
    前記把持部を前記接続部に対して空転させることで前記把持部から前記接続部への伝達トルクを制限するトルク制限部と、
    前記接続部に設けられ、前記弁体の開閉状態を表示する表示部と、を備えることを特徴とする、
    バルブ。
  2. 前記接続部に設けられ、前記トルク制限部を介さずに前記弁棒を回転操作可能とする補助把持部を備えることを特徴とする、
    請求項1に記載のバルブ。
  3. 前記トルク制限部は、回転方向の一方にトルクを伝達可能な状態と他方にトルクを伝達可能な状態との間に所定の回転角度の遊びが設定されていることを特徴とする、
    請求項1または2に記載のバルブ。
  4. 前記トルク制限部は、
    前記把持部の空転時に前記把持部を前記弁棒の軸方向において前記接続部から離隔するように案内する案内斜面を備えることを特徴とする、
    請求項1乃至3のいずれかに記載のバルブ。
  5. 前記トルク制限部は、
    前記把持部に設けられる駆動側突起と、
    前記接続部に設けられ、トルク伝達時に前記駆動側突起と直接的または間接的に当接する従動側突起と、
    前記把持部を前記弁棒の軸方向において前記接続部に向けて付勢する付勢部材と、を備えることを特徴とする、
    請求項4に記載のバルブ。
  6. 前記案内斜面は、前記駆動側突起または前記従動側突起に設けられることを特徴とする、
    請求項5に記載のバルブ。
  7. 前記トルク制限部は、前記駆動側突起および前記従動側突起の間に介在する中間部材を備え、
    前記案内斜面は、前記駆動側突起、前記従動側突起または前記中間部材に設けられることを特徴とする、
    請求項5に記載のバルブ。
  8. 前記トルク制限部は、直列接続された複数の前記付勢部材を備えることを特徴とする、
    請求項5乃至7のいずれかに記載のバルブ。
  9. バルブの弁体を変位させる弁棒を回転操作するためのハンドルであって、
    回転操作時に把持される把持部と、
    前記把持部とは別体に設けられ、前記弁棒に接続される接続部と、
    前記把持部を前記接続部に対して空転させることで前記把持部から前記接続部への伝達トルクを制限するトルク制限部と、
    前記接続部に設けられ、前記弁体の開閉状態を表示する表示部と、を備えることを特徴とする、
    バルブ用ハンドル。
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