JP2018153841A - 圧延機用補強ロール - Google Patents

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Abstract

【課題】圧延機用補強ロールとして、耐摩耗性が優れるばかりでなく、耐亀裂性が優れたロールを提供する。
【解決手段】鉄系材料からなるロール軸材の外側に、鉄基合金粉末とセラミック材との複合材料を焼結してなる外層を設けた圧延機用補強ロールであって、外層のセラミック材として、平均繊維直径が1μm以上、50μm以下の範囲内のセラミック繊維を含み、外層における平均繊維直径が1μm以上、50μm以下の範囲内のセラミック繊維の割合が、焼結前の配合量で鉄基合金粉末とセラミック材との合計量に対して5体積%以上であり、外層における前記セラミック繊維を含む全セラミック材の割合が、鉄基合金粉末とセラミック材との合計量に対して5〜35体積%であり、外層の表面の硬さが、ショア硬さHsで65〜80の範囲内であることを特徴とする圧延機用補強ロール。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種金属製品の製造プロセスで使用される熱間圧延機などの圧延機の補強ロールに関するものである。
熱間圧延機の補強ロールは、作業ロール(ワークロール)を支持するためのものであり、バックアップロールとも称されている。
この種の補強ロールには、作業ロールを支持するために高強度、高剛性が要求されるばかりでなく、回転しながら作業ロールに圧接されるため、耐摩耗性や耐事故性が優れていることが求められる。なおここで耐事故性とは、例えば圧延中の被圧延材の端末の跳ね上がりなどで作業ロール表面に被圧延材の材料の一部が凝着するという事故(通板事故)が発生した場合でも、その凝着物が作業ロールと補強ロールとの接触部を通過する際に、作業ロール表面に与えられる衝撃により、作業ロール表面に亀裂が発生するという事態を抑制し得る性能を意味し、その意味から耐亀裂性ということもできる。
最近では、圧延負荷のみならず、作業ロールの高硬度化も著しく、補強ロールに加わる負荷は益々増大しており、それに伴い、補強ロールについても、耐摩耗性や耐事故性(耐亀裂性)が従来より一層優れていることが要求されるようになっている。ここで、熱間圧延機等の補強ロールとしては、従来は、Cr鋼で代表される高強度合金鋼からなる鍛鋼が広く使用されている(例えば特許文献1)。またその鍛鋼製補強ロールの耐摩耗性向上のために、高周波焼入れにより補強ロール表面の高硬度化を図って耐摩耗性を向上させることも行われている。
しかしながら、従来の一般的な成分組成の鍛鋼では、高周波焼入れによる表面の高硬度化に限りがあるため、補強ロールの摩耗に伴う補強ロール交換の周期を延長することは困難であり、したがって圧延の生産性が低下せざるを得ないという問題がある。さらに高周波焼入れでは、表面の硬さ上昇に伴って有効硬化層深さが小さくなるため、補強ロールの使用開始から有効硬化層が消耗し切るまでの期間を大幅に延長することは困難である。
また従来の鍛鋼からなる補強ロールでは、前述のような耐事故性も充分ではなく、通板事故時に補強ロール表面に深い亀裂が生じやすく、そのため通板事故後の補強ロールの研削量が増加し、ロール消耗量の増大に繋がってしまうという問題もあった。
特開平8−269626号公報 特開平2−290951号公報
前述のように従来の鍛鋼ロール材からなる一般的な補強ロールでは、耐摩耗性及び耐亀裂性が不十分であって、近年の圧延負荷の増大や圧延速度の高速化に伴い、ロール消耗も増大し、ロール交換頻度が増して、生産性が悪くなるという問題がある。
本発明は以上の事情を背景としてなされたもので、圧延機用の補強ロールとして、耐摩耗性が優れるとともに、耐亀裂性(耐事故性)に優れたロールを提供することを課題としている。
本発明者らは、上述した課題を解決すべく、圧延機用補強ロールの構成について鋭意実験・検討を重ねた結果、鉄系材料を軸材(芯材)とし、その胴部外周上に、鉄基合金粉末とセラミック材との複合材料を焼結してなる外層を設けた複合ロール構成とし、且つその外層を構成する複合材料焼結体のマトリックス中に分散するセラミック成分、とりわけセラミック繊維の配合量などを適切に調整すると同時に、外層の表面硬さを適切に規制することによって、良好な耐摩耗性を維持しながら、優れた耐亀裂性を得ることができることを見出し、本発明をなすに至った。
なお特許文献2には、鉄系材料を軸材とし、その胴部外周上に、鉄基合金粉末とセラミック材との複合材料を焼結してなる外層を設けた複合ロールが示されてはいるが、この特許文献2に示されている複合ロールは、圧延機におけるワークロール(作業ロール)を対象としたものであって、補強ロールを対象としたものではないと解される。そしてまた特許文献2では、補強ロールで問題となる耐亀裂性(耐通板事故性)については、充分な検討がなされておらず、したがって特許文献2に示されている複合ロールを、仮に補強ロールに使用したとしても、優れた耐亀裂性(耐通板事故性)が得られるか否かは不明であると言わざるを得ない。そして本発明は、あくまで補強ロールとして、高い耐摩耗性と優れた耐亀裂性(耐通板事故性)とを兼ね備えたロールを提供しようとしているのである。
具体的には、本発明の基本的な態様(第1の態様)の圧延機用補強ロールは、
鉄系材料からなるロール軸材の外側に、鉄基合金粉末とセラミック材との複合材料を焼結してなる外層を設けた圧延機用補強ロールであって、
前記外層のセラミック材として、平均繊維直径が1μm以上、50μm以下の範囲内のセラミック繊維を含み、
かつ前記外層における平均繊維直径が1μm以上、50μm以下の範囲内のセラミック繊維の割合が、焼結前の配合量で鉄基合金粉末とセラミック材との合計量に対して5体積%以上であり、
しかも前記外層における前記セラミック繊維を含む全セラミック材の割合が、鉄基合金粉末とセラミック材との合計量に対して5〜35体積%であり、
前記外層の表面の硬さが、ショア硬さHsで65〜80の範囲内であることを特徴とするものである。
また本発明の第2の態様の圧延機用補強ロールは、前記第1の態様の圧延機用補強ロールにおいて、前記セラミック材の全量が前記セラミック繊維であることを特徴とするものである。
また本発明の第3の態様の圧延機用補強ロールは、前記第1の態様の圧延機用補強ロールにおいて、前記セラミック材として、前記セラミック繊維と、平均粒径が1μm以上50μm以下のセラミック粒子とが用いられていることを特徴とするものである。
また本発明の第4の態様の圧延機用補強ロールは、前記第1〜第3のいずれかの態様の圧延機用補強ロールにおいて、前記外層の鉄基合金として、C量が0.2mass%以上、1.5mass%以下の鉄基合金が用いられていることを特徴とするものである。
また本発明の第5の態様の圧延機用補強ロールは、前記第4の態様の圧延機用補強ロールにおいて、前記外層の鉄基合金が、Cを0.2〜1.5mass%含み、且つCr、Mo、V、W、Nbのうちの1種以上を合計で1〜15mass%含む鋼であることを特徴とするものである。
本発明の圧延機用補強ロールは、耐摩耗性が優れるばかりでなく、耐通板事故性も充分に優れており、そのため補強ロールの摩耗および通板事故時に生じる亀裂を低減して、ロール消耗を抑制し、補強ロールの交換周期の大幅な延長を達成することができ、したがって従来よりも圧延操業における生産性の向上を図ることができる。
本発明の圧延機用補強ロールの一例を示す縦断正面図である。 本発明の圧延機用補強ロールの一例を示す縦断側面図である。 落重式摩擦熱衝撃試験の状況の一例を模式的に示す略解図である。
以下に、本発明の圧延機用補強ロールについて、実施形態に基づいて説明する。
本発明の補強ロールの全体的な形状は、従来の一般的な圧延機用補強ロールと同様である。すなわち図1、図2を参照すれば、補強ロール1の全体は、外周面が図示しない作業ロールに接する相対的に大径の円柱状をなす胴部1Aの両端に、相対的に小径の支軸部1B、1B´を設けた構成とされている。そして本発明の補強ロール1では、鍛鋼や軸受鋼、Cr−Mo鋼などの高靭性の鉄系材料を、ロールの軸材(内層材)2とし、その外面、特に作業ロールに接する胴部1Aの外周面に、鉄基合金粉末とセラミック材との複合材の焼結体からなる外層3を形成したいわゆる複合ロール構成としている。そしてその複合構成の補強ロール1の外層3を構成する複合材焼結体のセラミック材と、外層表面の硬さについて規定している。
すなわち、外層3を構成する複合材焼結体のセラミック材の割合(但し焼結前における、鉄基合金粉末とセラミック材との合計量に対するセラミック材の配合量の割合)を、5〜35体積%の範囲内とすると同時に、そのセラミック材として、平均繊維直径が1〜50μmの範囲内のセラミック繊維を含み、且つその平均繊維直径が1〜50μmの範囲内のセラミック繊維の割合(前記と同じく焼結前における、鉄基合金粉末とセラミック材との合計量に対するセラミック繊維の配合量の割合)を、5体積%以上としている。
なお、鉄基合金には、炭化物が含まれるのが通常であるが、鉄基合金中の炭化物は、本発明で鉄基合金に対して配合するとしているセラミック材(セラミック繊維、セラミック粒子)の配合量に比べて非常に少量であるから、本発明で規定するセラミック材の配合量に含まれるものではない。
また本発明で規定するセラミック材(セラミック繊維、セラミック粒子)は、鉄基合金よりも融点が高く鉄基合金と反応しないものであるから、焼結前のセラミック材の配合割合は、焼結工程や熱処理工程を経て製品としての圧延ロールになったときの、外層を構成する焼結体のセラミック材の配合割合に等しい。したがって、焼結前における、鉄基合金粉末とセラミック材との合計量に対するセラミック材の配合量の割合を5〜35体積%の範囲内とすると同時に、セラミック材のうちの平均繊維直径が1〜50μmの範囲内のセラミック繊維の割合(前記と同じく焼結前の鉄基合金における、鉄基合金粉末とセラミック材との合計量に対するセラミック繊維の配合量の割合)を5体積%以上とすれば、実質的に、焼結後のセラミック材の割合が5〜35体積%の範囲内で、且つ焼結後のセラミック材のうちの平均繊維直径が1〜50μmの範囲内のセラミック繊維の割合が5体積%以上となる。
そこで、まず外層の複合材焼結体を構成する各材料の条件について説明する。なお以下の説明において、各材料の化学成分量についての「%」は、全て「質量%(mass%)」を意味するものとする。
<鉄基合金>
外層の複合材焼結体のマトリックス(基地)となる鉄基合金は、外層の表面の硬さを、ショア硬さHsで65〜80の範囲内に調整可能であれば、特に限定されないが、C(炭素)を0.2〜1.5%の範囲内で含有し、さらに炭化物形成元素として、Cr、Mo、V、W、Nbのうちの1種以上を15%以下(0%以上)含む鉄基合金を用いることが望ましい。
ここで、Cは、複合材焼結体におけるマトリックスの鉄基合金の硬さを向上させて、耐摩耗性の向上に寄与する元素であるが、C量が多くて硬さが大き過ぎれば、疲労強度が低下し、ロールの転動回数の増加に伴って、マトリックスの鉄基合金から疲労起因のピットやスポーリングが発生しやすくなる。すなわち、補強ロールとして望まれる優れた耐疲労特性を得ることが困難となる。
一方、鉄基合金のC量を少なくすれば、疲労強度の低下を少なくすることが可能ではあるが、硬さの低下による耐摩耗性の低下を招く。但し、本発明の場合、耐摩耗性は、主としてセラミック材(とりわけセラミック繊維)によって担保することとして、疲労強度向上の観点から、比較的低C量の鉄基合金の粉末を用いることが好ましい。
鉄基合金のC量が0.2%より少なければ、どのような合金元素を添加しても、ロールとして必要とする硬度レベルを熱処理によって得ることが困難となり、またセラミック材(とりわけセラミック繊維)の配合による耐摩耗性補償効果にも限界があり、そのため外層として充分な耐摩耗性を確保することが困難となる。一方、鉄基合金のC量が1.5%を超えれば、熱処理によってロールとして必要とする硬度レベルを確保することは容易であるが、疲労強度が低下して、鉄基合金のマトリックスから疲労起因のピットが発生しやすくなる。そこで鉄基合金の粉末としては、C量が0.2%以上、1.5%以下の範囲内のものを用いることが好ましい。
外層を構成する焼結体の鉄基合金におけるC量以外の合金元素については、特に限定しないが、補強ロール外層の鉄基合金としては、耐摩耗性向上のために炭化物形成元素であるCr、Mo、V、W、Nbのうちの1種以上を添加することが好ましい。また、これらに加えて、同じく炭化物形成元素であるTi、Zr、Mgの少なくとも1種類以上を微量添加することも有効である。本発明で使用する鉄基合金でも、これらの炭化物形成元素の1種以上を含有させることが好ましいが、過剰に添加すれば、靭性や耐疲労特性を損なうこともあるから、これらの炭化物形成元素を添加する場合の添加量は、合計で、15%以下、好ましくは10%以下に規制することが望ましい。また、これらの炭化物形成元素の添加によって耐摩耗性向上を図る場合、合計で、1%以上、好ましくは2%以上を添加することが好ましい。
上記の炭化物形成元素の中でも、Crは、炭化物を形成するだけでなく、鉄基合金の焼入れ性を向上させて熱処理による硬度向上に寄与する。Crは0.5〜10%、好適には1〜8%添加することが好ましい。Cr添加量が過剰になれば、ロールとして必要な靭性を確保することができず、Cr添加量が過少となれば、焼入れ性を向上させることが困難となって、必要な硬度を得ることが困難になることがある。
またMoは、炭化物を形成するだけでなく、鉄基合金の高温硬さや高温強度を向上させる効果があり、高速圧延時にロール表面温度が上昇しても高硬度を維持する効果がある。Moは0〜5%、好適には0〜3.5%添加することが好ましい。Mo添加量が過剰となれば、靭性や耐肌荒れ性の点で好ましくない。
Vは、高硬度のMC型炭化物を形成するだけでなく、鉄基合金とセラミックとの濡れ性を改善して、金属とセラミックとの焼結時の結合強度の向上に寄与する。なおVは0〜4%、好適には0〜2%添加することが好ましい。V添加量が過剰となれば、炭化物が粗大化して脱落しやすくなり、逆に耐摩耗性を低下させるおそれがある。
Nbは、Vと同様に、高硬度のMC型炭化物を形成するだけでなく、鉄基合金とセラミックとの濡れ性を改善して、金属とセラミックとの焼結時の結合強度の向上に寄与する。Nbは0〜1%、好適には0〜0.5%添加することが好ましい。Nb添加量が過剰となれば、炭化物が粗大化して脱落しやすくなり、逆に耐摩耗性を低下させるおそれがある。
上記のように、好ましくはCr、Mo、V、W、Nbのうちの1種以上を1〜15%添加すると同時に、これらに加えて、Ti、Zr、Mgの少なくとも1種類以上を合計で0%〜1.5%、好適には0〜1%添加することも有効である。Ti、Zr、Mgも炭化物形成元素であって、Cr、Mo、V、W、Nbのうちの1種以上と同時に添加することによって、組織微細化の効果がある。Ti、Zr、Mgの合計が1%を超えれば、炭化物が均一に分布しにくくなり、逆に耐摩耗性を低下させるおそれがある。
なお、これらのうちTiの添加量は、0〜0.5%の範囲内とすることが好ましい。またZrの添加量も、0〜0.5%の範囲内とすることが好ましい。さらにMgの添加量も、0〜0.5%の範囲内とすることが好ましい。
そのほか、この種の鉄基合金には、焼入れ性や焼き戻し性などの熱処理特性向上のためにNiやCoが添加されることがある。
Niは、焼入れ性を向上させ鉄基合金の硬度向上に寄与するものであるから、0〜5%、好適には0〜3%添加することが好ましい。Ni添加量が過剰になれば、圧延中に肌荒れを発生しやすくなる。
またCoは、焼き戻し時の2次硬化に寄与するものであり、0〜2%、好適には0〜1%添加することが好ましい。Co添加量が過剰となれば、焼入れ性を悪化させるおそれがある。
以上の各合金元素のほかは、基本的にはFeおよび不可避的不純物であればよい。不純物としては、Mn、Si、P、Sなどがあるが、MnとSiの合計量は多くても3%以下、好適には2%以下、PとSの合計量は0.1%未満が好ましい。
〔セラミック材の形態〕
本発明の補強ロールにおいて、外層を構成する複合材焼結体中のセラミック材としては、繊維状のもの(セラミック繊維)を単独で使用しても、また繊維状のもの(セラミック繊維)と粉体粒子状のもの(セラミック粒子)とを併用してもよい。但し、耐亀裂性の向上には、これらのうちセラミック繊維が寄与し、セラミック粒子は、耐摩耗性向上には寄与するが、耐亀裂性の向上には寄与しない。そこで、セラミック材としては、セラミック繊維を必須(5体積%以上の配合量が必須)としている。すなわち、セラミック繊維は、鉄基合金マトリックス中において線状あるいは網状、枝分かれ状等として存在し、そのため亀裂の進展を阻止する効果を示すから、耐亀裂性の向上に有効である。
〔セラミック材の種類〕
セラミック材としては、セラミック繊維、セラミック粒子を問わず、酸化物、炭化物、窒化物の1種類もしくは2種類以上を使用することができる。但し、セラミック材としては、焼結時に鉄基合金と反応しないものを選択することが望ましい。すなわち、焼結時に鉄基合金と反応するセラミック材を用いた場合、脆化物を形成して、補強ロールとして必要な強度が得られなくなるおそれがある。したがって本発明で使用するセラミック材としては、焼結時に鉄基合金と反応しない(あるいは反応するおそれが少ない)ものとして、例えば、アルミナ、ジルコニア、チタニア、窒化ケイ素、窒化ジルコニウム、窒化チタン、炭化チタン、炭化バナジウム等が好ましい。なお、炭化珪素,炭化ホウ素は、鉄基合金と焼結時に反応するおそれがあるため、使用しないことが望まれる。
〔セラミック繊維の平均繊維直径:1μm〜50μm〕
セラミック繊維の平均繊維直径が1μmよりも小さければ、鉄基合金とセラミック繊維とを混合した際に繊維が絡み合って凝集し、欠陥となって健全な品質のロールが製造できなくなる。一方、セラミック繊維として平均繊維直径が50μmよりも大きいものを使用すれば、セラミック繊維自身が亀裂の起点・進展経路となって、かえって耐亀裂性を低下させる。そこでセラミック繊維としては、平均繊維直径が1μm〜50μmの範囲内のものを使用することとした。なおこの範囲内でも、特に平均繊維直径が5μm〜30μmの範囲内のものが好ましい。
なおセラミック繊維のアスペクト比は、繊維凝集を発生させずに混合することができれば、特に制約するものではないが、混合粉末の製造効率の観点からは、現実的には5〜50、好ましくは10〜30程度が好ましい。
〔セラミック繊維の配合割合:5体積%以上〕
セラミック繊維の配合量が、鉄基合金粉末及びセラミック材の合計量に対する割合で5体積%よりも小さければ、必要な耐亀裂性を得ることが困難となる。すなわち、5体積%以上セラミック繊維が混合されていなければ、焼結後のロールの表面の耐亀裂性を、補強ロールとして従来の鍛鋼製ロールよりも有意に向上させることが困難となる。耐亀裂性のうちでも、特に亀裂進展特性に関しては、焼結法で製作された鉄基合金は極端に悪くなりやすいから、セラミック繊維を複合していなければ、補強ロールとして十分な性能を確保することが困難となる。そこで、セラミック繊維の配合量は、5体積%以上とした。なお、セラミック繊維の配合量は、好ましくは10体積%以上とする。
なお、セラミック繊維の配合量の上限は、次に述べる全セラミック材の配合量の上限(35体積%)との関係から、必然的に35体積%となる。
〔全セラミック材の配合割合:5〜35体積%〕
全セラミック材の配合量が、鉄基合金粉末と全セラミック材の合計量に対する割合で5体積%よりも小さければ、必要とする耐亀裂性が得られない。また前述のようにセラミック繊維の配合量が5体積%未満となれば、充分な耐疲労特性を得ることができない。一方、セラミック材の配合量が鉄基合金粉末と全セラミック材の合計量に対する割合で35体積%を上回り、とりわけセラミック繊維の配合量が35体積%を上回れば、セラミック繊維と鉄基合金粉末を混合する際にセラミック繊維が絡み合って凝集し、欠陥となって健全な品質のロールが製造できない。またここで、セラミック繊維の配合量が35体積%を上廻っていなくても、セラミック粒子を含めて全セラミックの配合量が35体積%を上回れば、セラミック繊維や粒子を保持する鉄基合金の割合が小さくなり、高速圧延時や高負荷での圧延時にセラミック繊維や粒子が欠け落ちて製品の表面品位を低下させるおそれがある。そこで、全セラミック材の配合割合は、5〜35体積%の範囲内とした。なおその範囲内でも、特に10〜30体積%の範囲内が好ましい。
ここで、セラミック繊維による耐亀裂性は、セラミック繊維の配合量が20体積%を越えれば、実質的に飽和する。一方、耐摩耗性については、セラミック繊維の配合量が20体積%を越えても、さらなる向上を図ることができる。しかしながら、混合粉末の製造効率は、セラミック粒子の割合が大きいほど良好となる。
そこで、混合粉末の製造効率を重視する観点からは、セラミック繊維の配合量が10体積%を越える全セラミック材配合分量、とりわけ15体積%を越える全セラミック材配合分量については、セラミック粒子に置き換えてもよい。
〔セラミック粒子の平均粒径:1〜50μm〕
セラミック材として、セラミック繊維に加えてセラミック粒子を用いる場合、セラミック粒子としては、その平均粒径が1〜50μmの範囲内のものを用いることが好ましい。セラミック粒子の平均粒径が1μm未満では、セラミック粒子の配合による耐摩耗性向上効果が期待できない。一方、セラミック粒子の平均粒径が50μmを越えれば、圧延中にセラミック粒子が脱落しやすくなり、脱落したセラミック粒子が作業ロールを疵付けて作業ロール疵の原因ないしは作業ロールの摩耗を促進したりする。そこでセラミック粒子の平均粒径は、1〜50μmの範囲内とすることが好ましい。
なお、本発明の補強ロールにおける胴部外表面部分を構成する複合材焼結体からなる外層の厚みは特に限定されないが、通常は40〜70mm程度である。また、高靭性材料からなる軸材と複合材焼結体外層との間に、Ni基合金等からなる中間層が介在していてもよい。さらに外層の焼結体を形成するにあたって使用する原料粉末に焼結助剤を加える必要は特にないが、鉄基合金やセラミック繊維ならびにセラミック粒子と反応しない酸化物等が添加されていてもよい。
〔外層の表面硬さ:Hs65〜80〕
複合材焼結体からなる外層表面の硬さがHs65未満では、補強ロールとして十分な耐摩耗性を得ることが困難となる。一方、外層表面の硬さがHs80を超える高硬度では、外層の靭性が低くなって、充分な耐亀裂性を確保できなくなるとともに、補強ロールに接する作業ロールの摩耗を促進してしまうおそれがある。そこで、補強ロールとして、外層表面の硬さはHs65〜80の範囲内とした。なおこのような外層表面硬さは、後述するように、ロール軸材の胴部外周上にHIP法などの焼結法によって複合材焼結体からなる外層を形成した後、適切な熱処理を加えることによって確保することができる。
〔製造方法〕
本発明の補強ロールを製造するための方法は特に限定されるものではないが、外層の複合材焼結体を形成するための焼結方法としては、例えば次のようにHIP法を用いた方法が好適に適用される。
すなわち、予め鋳造―鍛造―切削などの通常のプロセスによって、鍛鋼や軸受鋼、Cr−Mo鋼などの高靭性の鉄系材料からなるロール軸材を所定の形状、寸法に作っておく。一方、鉄基合金粉末とセラミックの繊維(もしくは繊維と粒子状粉末)を所定の割合で混合して混合粉末とする。そして軸材(内層材)のロール胴部外周部に相当する部分の外周面を取り囲むように、鋼などからなる中空円筒状のカプセルを配置する。次いでカプセルの内面とロール軸材の胴部の外周面との間の隙間に混合粉末を充填した後、カプセルを密閉してカプセル内を真空脱気する。そしてカプセルの全体をHIP用の耐圧容器内に挿入して、カプセルの外側から高温高圧力を加え、カプセル内の混合粉末を高温高圧下で焼結させる。その後、冷却してからカプセルを除去し、熱処理を行う。ここで熱処理条件は、鉄基合金の成分によっても異なるが、例えば、850℃〜950℃に30分以上加熱・保定後、水焼入れを実施し、炉冷もしくは空冷を適用すればよい。このような熱処理を行うことによって、Hsで65〜80の外層表面硬さを確保することが可能である。
以下に、本発明の有効性を確認するために行った確認実験の結果について説明する。
<実施例1>
表1のNo.1〜No.18に示す例として、外層のマトリックスを構成する鉄基合金の粉末として、質量%でCを0.2%〜0.8%、Crを5〜8%、Vを0.4%、Moを1.0%、Niを0.5%、Mnを0.6%、Siを0.6%含み、そのほか不可避的にP、Sを含有し、残部が実質的にFeからなる、低CのCr鋼(表1には主要合金成分のみを示す)の粉末を用意した。なお、鉄基合金粉末の平均粒径はいずれも15μmである。
また外層のセラミック材におけるセラミック繊維としては、平均繊維直径が20μm、アスペクト比が20〜30の範囲内の酸化アルミニウム(Al)繊維、もしくは平均繊維直径が20μm、アスペクト比が20〜30の範囲内の窒化珪素(Si)繊維を用意し、セラミック粒子粉末としては、平均粒径が15μmの酸化アルミニウム(Al)粉末、もしくは平均粒径が15μmの炭化チタン(TiC)粉末を用意した。
これら鉄基合金粉末およびセラミック材(セラミック繊維、もしくはセラミック繊維とセラミック粒子粉末)を、表1のNo.1〜No.18に示すように配合して混合し、その混合材料をHIP法によって焼結させ、耐亀裂性評価用の角状サンプルと、耐摩耗性評価用円柱状サンプルの2種の試験用サンプルを製作した。耐亀裂性評価用の角状サンプルは、高さが20mm、幅が20mm、長さが30mmの角状をなすように、混合材料の全体を一体に焼結させたものである。また耐摩耗性評価用のサンプルは、Cr−Mo鋼からなる軸材の外周上に混合材料を焼結させて、外径が80mm、長さが8mm、複合材焼結体層(外層)の厚みが10mmの円柱状としたものである。
各試験用サンプルの製作にあたっての、HIP法による具体的な焼結方法は、次の通りである。
角状サンプル製作にあたっては、方形箱状のカプセル内に前述の混合材料を充填し、円柱状サンプル製作にあたっては、Cr−Mo鋼からなる軸材の周囲を、軸材外周面とカプセル内周面との間隙が、焼結後の外層の厚みで約10mmとなるように中空円筒状のカプセルによって取り囲み、軸材外周面とカプセル内周面との間の空隙に、前述の混合材料を充填した。なおカプセルの材料としては、厚み4mmの軟鋼材を用いた。そしてカプセルの蓋を溶接してカプセル内を密封した後、カプセルの中を真空脱気して、カプセル外から90MPaの圧力を等方的に加えながら、1050℃に120分間加熱して混合材料を焼結させた。室温まで冷却した後、カプセル材を除去し、ショア硬度Hsが63〜81となるように、850〜950℃×30〜90分加熱後、水焼入れを実施し、炉冷する熱処理を行った。なお、焼結前に配合したセラミック材(セラミック繊維、セラミック粒子)の配合割合と、焼結後の試験用サンプルとして仕上がった状態でのセラミック材(セラミック繊維、セラミック粒子)の割合(露出表面での割合)とは、ほぼ同じであることが確認された。
また表1のNo.19に示す、従来の鍛鋼製の補強ロールに相当する従来例として、質量%でCを0.5%、Crを5%、Moを1%、Vを0.4%、Niを0.5%、Mnを0.6%、Siを0.6%含み、そのほか不可避的にP、Sを含有し、残部が実質的にFeからなる、低CのCr鋼(鍛鋼)によって、前記と同様の寸法の角状サンプル、円柱状サンプルを用意した。
このようにして製作したNo.1〜No.19の各試験用サンプルについて、硬さを調べるとともに、耐亀裂性および耐摩耗性を評価した。硬さは、円柱状サンプルの外層(焼結体層)の表面のショア硬さを測定した。また耐亀裂性は角状サンプルを用いて落重式摩擦熱衝撃試験により耐亀裂性を評価し、耐摩耗性は円柱状サンプルを用いて転動摩耗試験により評価した。これらの試験の詳細は次の通りである。
<耐亀裂性評価:落重式摩擦熱衝撃試験>
図3に示すような落重式摩擦熱衝撃試験機10を用い、角状サンプル13の表面の耐亀裂性を調べた。ここで、落重式摩擦熱衝撃試験機10は、水平な軸線を中心として回転し得るピニオン11の外周の一部に噛み込み材12を取り付け、ピニオン11の歯(図示せず)に、図示しないラックを噛みあわせて、図示しない重錘を落垂することによってラックを叩き、ピニオン11を衝撃的に回転させることにより、噛み込み材12を、複合材焼結体からなる角状サンプル13の表面(補強ロールの外層表面に相当)13Aに衝撃的に噛み込ませるようにしたものである。
ここで、噛み込み材12としては、圧延機における通板事故時に作業ロールの表面に凝着した被圧延材の一部(凝着物)を想定して、直径5mmの炭素鋼(C<0.10%材)からなる棒材を用いた。そして落垂時に、角状サンプル13の表面13Aに、圧下量2mmで噛み込み材(棒材)12が衝撃をもって噛み込まれるようにした。
このような摩擦熱衝撃試験を行った後、表面(摩擦面)13Aの亀裂発生状況を調べ、発生した亀裂のうち、最も深い亀裂の深さをもって、最大亀裂深さとした。
<耐摩耗性評価;転動摩耗試験>
耐摩耗性の評価試験としては、円柱状サンプルを用い、相手材として作業ロール試験片(φ80mm×10mm、ハイスロール材、ショア硬さHs85)を組合せて転動摩耗試験を実施した。荷重は440kgf、すべり率は0%とし、転動回数は50万回とした。各サンプルについて、試験前と試験後のサンプルの重量差により、耐摩耗性を評価した。
これらの硬さ測定結果、落重式摩擦熱衝撃試験結果、および転動摩耗試験を、表1中に示す。
Figure 2018153841
<実施例1の試験結果>
セラミック繊維を5〜35体積%配合し、かつ試験面のショア硬さがHs65以上80未満である本発明例のNo.5〜13、No.16〜18は、試験後の最大亀裂深さが130μm以下であり、摩耗量は60mg未満であった。
一方、セラミック繊維の配合量が5〜35体積%の範囲から外れたNo.1、2、3、15の比較例は、試験後の最大亀裂深さが150μmを超えており、耐亀裂性に劣ることが確認された。
また、試験面のショア硬さがHs65を下回った比較例のNo.4は、摩耗重量が60mgを超えており、耐摩耗性に劣ることが確認され、Hs80を上回った比較例のNo.14は試験後の最大亀裂深さが150μmを上回っており、耐亀裂性に劣ることが確認された。
このような結果は、複合材焼結体に含まれるセラミックス分散子を繊維形状とすることで、耐熱亀裂性が大きく向上することを示唆する結果と考えられる。この推定メカニズムとして、セラミックスを繊維形状とすることによって、通板事故時に生じる作業ロール表面の凝着物が補強ロールと作業ロールの間で摩耗されやすくなり、さらに繊維による深さ方向の亀裂進展停止効果により、熱亀裂の発生・進展が抑制されたと推測される。このようなセラミックス繊維の複合による亀裂抑制効果を得るためには、少なくとも5体積%のセラミック繊維を配合する必要と推定される。また、全セラミック配合量の増加とともに靭性が低下するため、全セラミック配合量が35体積%を超えれば、セラミック繊維を複合させても亀裂進展抑制効果は不十分となると解される。
なお従来の鍛鋼からなるNo.19は、最大亀裂深さが150μmを上回り、また摩耗重量が60mgを超えており、耐亀裂性および耐摩耗性に劣ることが確認された。言い換えれば、本発明の範囲内のNo.5〜13、No.16〜18は、従来の鍛鋼からなるNo.19と比較して、格段に耐亀裂性および耐摩耗性に優れていることが明らかである。
<実施例2>
表1のNo.20、No.21に示すように、外層のマトリックスを構成する鉄基合金の粉末として、質量%でCを1.2%、Crを4%、Moを3%、Vを1%、Niを0.5%、Mnを0.6%、Siを0.6%含み、そのほか不可避的にP、Sを含有し、残部が実質的にFeからなる、ハイス鋼の粉末を用意した。なお、鉄基合金粉末の平均粒径はいずれも15μmである。
また外層のセラミック材におけるセラミック繊維としては、平均繊維直径が15μm、アスペクト比が20〜30の範囲内の酸化アルミニウム(Al)繊維を使用し、セラミック粒子粉末としては、平均粒径が15μmの酸化アルミニウム(Al)粉末を用意した。
これらの鉄基合金粉末、セラミック材を、表1のNo.20、No.21に示すように配合して混合し、実施例1と同様にHIP法を適用して、角状サンプル及び円柱状サンプルを製作した。
このようにして製作したNo.20、No.21の各試験用サンプルについて、実施例1と同様に、硬さを調べるとともに、落重式摩擦熱衝撃試験により耐亀裂性を評価し、耐摩耗性を転動摩耗試験により評価した。その結果を表1中に示す。
表1に示しているように、複合材焼結体のマトリックスの鉄基合金としてハイス系合金を用いた本発明例のNo.20、No.21も、最大亀裂深さが80μm以下、摩耗量が50mg未満であって、従来の鍛鋼からなるNo.19と比較して、格段に耐亀裂性および耐摩耗性に優れていることが確認された。
以上のような実験結果から、本発明の補強ロールは、従来の鍛鋼製の補強ロールより優れた耐摩耗性を有し、しかも耐亀裂性も従来の鍛鋼製補強ロールよりも優れることが明らかになった。
以上、本発明の好ましい実施形態および実験例について説明したが、これらの実施形態、実験例は、あくまで本発明の要旨の範囲内の一つの例に過ぎず、本発明の要旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。すなわち本発明は、前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定され、その範囲内で適宜変更可能であることはもちろんである。
1 圧延機用補強ロール
1A 胴部
2 ロール軸材(芯材)
3 外層(複合材焼結体層)

Claims (5)

  1. 鉄系材料からなるロール軸材の外側に、鉄基合金粉末とセラミック材との複合材料を焼結してなる外層を設けた圧延機用補強ロールであって、
    前記外層のセラミック材として、平均繊維直径が1μm以上、50μm以下の範囲内のセラミック繊維を含み、
    かつ前記外層における平均繊維直径が1μm以上、50μm以下の範囲内のセラミック繊維の割合が、焼結前の配合量で鉄基合金粉末とセラミック材との合計量に対して5体積%以上であり、
    しかも前記外層における前記セラミック繊維を含む全セラミック材の割合が、鉄基合金粉末とセラミック材との合計量に対して5〜35体積%であり、
    前記外層の表面の硬さが、ショア硬さHsで65〜80の範囲内であることを特徴とする圧延機用補強ロール。
  2. 請求項1に記載の圧延機用補強ロールにおいて、
    前記セラミック材の全量が前記セラミック繊維であることを特徴とする圧延機用補強ロール。
  3. 請求項1に記載の圧延機用補強ロールにおいて、
    前記セラミック材として、前記セラミック繊維と、平均粒径が1μm以上50μm以下のセラミック粒子とが用いられていることを特徴とする圧延機用補強ロール。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかの請求項に記載の圧延機用補強ロールにおいて、
    前記外層の鉄基合金として、C量が0.2mass%以上、1.5mass%以下の鉄基合金が用いられていることを特徴とする圧延機用補強ロール。
  5. 請求項4に記載の圧延機用補強ロールにおいて、
    前記外層の鉄基合金が、Cを0.2〜1.5mass%含み、且つCr、Mo、V、W、Nbのうちの1種以上を合計で1〜15mass%含む鋼であることを特徴とする圧延機用補強ロール。
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