JP2018153755A - 粉砕処理システム - Google Patents
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液体窒素供給装置180は、液体窒素容器181、ポンプ182及び制御装置183で構成されている。そして、気液分離器184、排気手段としてのリングブロワ185及びリリーフバルブ186を備えている。
湿式粉砕機120内のスラリー濃度を一定に保持するためには、排気された窒素ガスと同量の液体窒素を補給する必要があり、液面制御によって、液体窒素供給装置180から液体窒素を補給するようになっている。
このように、粉砕処理システム110は、液体窒素を補給して、粉砕処理を所定の時間継続することができるが、窒素ガスは回収されずに使い捨てとなっている。
すなわち、粉砕処理後のスラリーを粉砕メディアと分離する手段、粉砕メディアに付着した固形粒子を洗浄・回収する手段、スラリーから液体窒素を気化させる乾燥手段、窒素を回収する手段などが必要である。また、作業員に酸欠などの危険がないように、安全な環境を確保するための手段も必要である。
、液化不活性ガスからなる液媒体を混合し、得られる低温のスラリーを粉砕処理するシステムであって、前記粉砕処理を行うメディア撹拌型の湿式粉砕機と、粉砕処理後の前記スラリーを乾燥処理する乾燥機と、前記湿式粉砕機及び前記乾燥機で気化した前記液媒体を冷却凝縮して回収する凝縮器とを備えていることを特徴としている。
また、前記湿式粉砕機内にある前記スラリーを混合するために、循環ポンプを備えている構成とすることができる。
また、前記乾燥機が、前記スラリー中の前記固体粒子を分離する分離手段を備えている構成とすることができる。
そして、前記分離手段は、沈降分離又は磁力分離とすることができる。
このため、粉砕処理を経済的に、安全に実施することができる。
そして、空気との接触が嫌われる処理物であっても、不活性ガスの雰囲気において全て取り扱われ、問題なく粉砕処理を行うことができる。
粉砕処理システム10は、医薬品、セラミック、金属・合金などの分野において有効な粉砕処理を行うシステムであり、液媒体として液化不活性ガスを用いた低温のスラリーを処理するものである。
粉砕処理システム10では、液媒体及び冷却媒体が液状とガス状で取り扱われるので、必要に応じて「液媒体(液状)」、「液媒体(ガス状)」、「冷却媒体(液状)」又は「冷却媒体(ガス状)」と明確に区別する。
気化した液媒体(ガス状)は、ライン70a及びライン70cを経由して、凝縮器30に導入される。
湿式粉砕機20からの液媒体(ガス状)はガス相に導入され、熱交換部35により冷却されて凝縮する。凝縮した液媒体(液状)は液相に蓄えられる。
また、粉砕処理システム10では循環ポンプ40を備えて、湿式粉砕機20の下部から上部にスラリーを循環することが可能であり、これによって湿式粉砕機20のスラリーを均一に混合することができる。
粉砕処理を行う際に、スラリーの循環混合を併せて行うことにより、精度が高く、安定した粉砕処理を実施することができる。
乾燥機50は、スラリーを受け入れる際に、予め湿式粉砕機20と同じ温度、同じ圧力としておくことが好ましい。
乾燥機50には温度計93が設けられており、温度を監視することによって、乾燥処理の進行を確認することができる。
固体粒子からなる処理物が比重の大きな金属等であれば、乾燥機50を通過する際に、沈降分離によって循環するスラリーから分離することができる。すなわち、処理槽51の底部に処理物を沈降させて、循環するスラリーから分離する。
供給される処理物は、液媒体のガス雰囲気で湿式粉砕機20に投入され、製品も同様の雰囲気で排出されることが好ましい。
これによって、系内に空気が侵入することを防いで、系内における液媒体(ガス状)の純度低下を防ぐことができる。液媒体(ガス状)の純度が低下すると、凝縮器30などにおける処理条件が変化することになる。
また、処理物が、完全に不活性なガス雰囲気における処理を必要とする場合にも、これに対応することができる。
ライン81は、液媒体(ガス状)の供給ラインである。液媒体(ガス状)は、図示していないガス用容器に貯蔵されて必要な個所に供給される。
ライン82は、液媒体(ガス状)の排気ラインであり、所定の場所で安全に排気されるようにしている。また、確実な不活性雰囲気の環境で処理物が取り扱われるように、要所において排気ラインの酸素濃度を検知できるようにしている。
ライン86は、凝縮器30の熱交換部35で気化した冷却媒体(ガス状)を冷凍設備に送るラインである。
すなわち、冷凍設備は、冷凍サイクルによって冷却媒体(ガス状)を冷却媒体(液状)とする設備であって、粉砕処理システム10を運転するときは、常に、冷却媒体(液状)を凝縮器30に供給できるようにしている。
粉砕処理システム10は、−100℃以下の低温で操作されるので、これらの機器及び配管には断熱材などによる厳重な保冷処置を行い、系内への熱の侵入を極力抑制するようにしている。
また、これらの機器及び配管は、事前に内部を清掃するとともに、水で洗浄した場合には乾燥状態に保持している。
なお、湿式粉砕機20は、内部にジルコニア・ビーズなどの粉砕メディアを充填して、運転に備えている。
すなわち、湿式粉砕機20、凝縮器30、循環ポンプ40、乾燥機50、計量供給機60、製品容器61の全てに、ライン81から液媒体(ガス状)を供給し、ライン82から液媒体(ガス状)を空気とともに排出する。
この置換処理は、最初に真空ポンプで内部の空気を排出し、その後に液媒体(ガス状)を供給して行うことが好ましい。
そして、各所の排気ラインであるライン82において、酸素濃度を検知して、置換処理の進行状態を確認することができる。
系内の冷却は、凝縮器30の熱交換部35に、冷凍設備からライン85により冷却媒体(液状)を導入して、凝縮器30内の液媒体(ガス状)の冷却から始める。この冷却は、湿式粉砕機20の上部と凝縮器30の上部とが連通された状態で行い、必要ならばライン81から液媒体(ガス状)を供給する。
なお、液媒体の沸点と融点が比較的近い場合には、凝縮器30の熱交換部35で液媒体が凍結して冷却能力が低下する可能性があるので、これを避けるために、操作圧力を少し高めることが好ましい。
そして、撹拌機22の回転数を粉砕処理における所定の回転数として、圧力及び温度を所定の状態に落ち着かせる。
循環ポンプ40を用いる混合により処理槽21内が均一に混合されるとともに、撹拌機22によって粉砕メディアとスラリーが撹拌されるので、湿式粉砕機20では精度の高い粉砕処理を安定して行うことができる。
凝縮器30から湿式粉砕機20に供給される液媒体(液状)の流量は、液面計91からの指示によってライン70dに設けられた制御弁76を操作して調整される。
なお、液面計91は、液面の上限及び下限を検知するものでもよい。
乾燥機50は、スラリーを受け入れる際に、湿式粉砕機20と同じ温度、同じ圧力とするため、湿式粉砕機20と同様に、液媒体(液状)を用いて冷却するが、ペルチェ素子を利用した電気冷却を用いて予冷することができる。
すなわち、加熱・冷却がともに可能な電熱器52を使用することにより、乾燥機50の予冷及び加熱を行うことができる。
液媒体(液状)は、ライン70eの制御弁77を経由して受け入れ、乾燥機50で気化した液媒体(ガス状)は、ライン70b、70cを経て凝縮器30に戻される。
必要であれば、ライン80により液媒体(液状)を受け入れる。
この場合、乾燥機50は、最終的に処理槽51が液媒体(液状)で満たされた状態となるまで、液媒体(液状)が供給される。
ここで、循環ポンプ40による循環混合の流れを、乾燥機50に移送する流れに切り替える。すなわち、開閉弁72は閉とし、開閉弁71、73、74、75を開とする。
そして、スラリー中の固体粒子は、循環中に電磁石53によって分離されて処理槽51に蓄積され、処理槽21の粉砕メディアは洗浄されることになる。
タイムスケジュールによって、撹拌機22及び循環ポンプ40を停止するか、そのまま運転を継続して処理物の受け入れ準備を開始する。
乾燥処理の進行状態は、温度計93によって確認することができる。
湿式粉砕機20に固体粒子の処理物を供給するときも、乾燥機50から固体粒子の製品を排出するときも、液媒体(ガス状)によって完全な不活性雰囲気で行うことができる。
したがって、処理物の供給から製品の排出に至るバッチ処理を、何回でも繰り返して行うことができる。
また、粉砕処理システム10は、夜間に、低温の状態で休止状態とすることができる。例えば、冷凍設備を運転状態としておくことにより、系内で気化した液媒体を凝縮器30で液化することができる。または、系内で気化した液媒体をガス状で保管し、翌日に凝縮する処理を行うこともできる。
すなわち、この処理物容器を湿式粉砕機20にバルブを介して短管で接続し、短管内の空気を液媒体のガスで置換した後に、バルブを介して処理物を処理物容器から湿式粉砕機20へ供給することができる。
20: 湿式粉砕機
30: 凝縮器
40: 循環ポンプ
50: 乾燥機
60: 計量供給機
Claims (7)
- 固体粒子からなる処理物に、液化不活性ガスからなる液媒体を混合し、得られる低温のスラリーを粉砕処理するシステムであって、
前記粉砕処理を行うメディア撹拌型の湿式粉砕機と、粉砕処理後の前記スラリーを乾燥処理する乾燥機と、前記湿式粉砕機及び前記乾燥機で気化した前記液媒体を冷却凝縮して回収する凝縮器とを備えていることを特徴とする粉砕処理システム。 - 前記処理物を前記湿式粉砕機に投入するための計量供給機を備え、前記処理物が、前記液媒体のガス雰囲気において投入可能であることを特徴とする請求項1に記載の粉砕処理システム。
- 前記湿式粉砕機内にある前記スラリーを混合するために、循環ポンプを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の粉砕処理システム。
- 前記スラリーが、前記湿式粉砕機と前記乾燥機との間を循環できるように、循環手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の粉砕処理システム。
- 前記乾燥機が、前記スラリー中の前記固体粒子を分離する分離手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の粉砕処理システム。
- 前記分離手段が、沈降分離又は磁力分離であることを特徴とする請求項5に記載の粉砕処理システム。
- 前記液媒体がアルゴンであり、前記凝縮器で用いる冷却媒体がネオンであることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の粉砕処理システム。
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