JP2018152701A - 線形増幅器、及び電力変換装置 - Google Patents

線形増幅器、及び電力変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 複数の半導体パワーデバイスを直列接続して構成される線形増幅器において、電力損失を低減し、変換効率を向上させる。【解決手段】線形増幅器は、直列回路を構成する複数の半導体パワーデバイスの各素子に基準電圧を設定する構成として、ダイオードクランプ形線形増幅回路(DCLA)が備えるクランプダイオードに代えてフライングキャパシタを用いた構成である。フライングキャパシタを備えた線形増幅器(FCLA:Flying-Capacitor Linear Amplifier)は、直列回路を構成する複数の半導体パワーデバイスの各素子に対する基準電圧の設定をフライングキャパシタの充電電圧で行うことによって、ダイオードクランプ形線形増幅回路で発生するダイオードによる電力損失を無くし、変換効率を向上させる。【選択図】図1

Description

本発明は、入力信号を線形増幅して出力端から出力する線形増幅器、及び直流電源の電圧を入力信号に応じて交流電圧又は直流電圧に変換する電力変換装置に関する。
半導体パワーデバイスを用いて電圧、電流、周波数、直流交流等を変換するパワーエレクトロニクスの技術分野において、半導体パワーデバイスのスイッチング動作を用いた電力変換が知られている。このスイッチングを用いた電力変換は、例えば変換効率が95%の高効率が得られる一方、出力電圧波形がパルス状になり、電磁ノイズや高調波が発生するという課題がある。
スイッチング動作による電力変換に対して、例えばB級アンプ等の線形動作によって任意の電圧波形を出力する線形増幅回路が知られている。線形増幅回路の増幅は線形動作によるため、出力電圧波形を任意の線形波形とすることができるが、半導体パワーデバイスの素子で発生する損失が大きく、理論効率が78.5%に止まり、変換効率が低いという課題がある。
線形増幅回路の変換効率を向上させるものとしてダイオードクランプ形線形増幅回路(DCLA:Diode Clamped Linear Amplifier)が提案されている。このダイオードクランプ形線形増幅回路は、基本的には上記したB級アンプ等の線形増幅回路と同様に動作するが、半導体パワーデバイスを多直列に用いることにより、素子一つ当たりに印加される電圧を低下させることによって効率を向上させている。
ダイオードクランプ形線形増幅回路は、多直列した半導体パワーデバイスの素子の内、一部の素子のみを線形領域で使用し、他の素子については飽和領域でスイッチング動作させることによって電力損失を低減させる。この構成では、素子の直列数を増やすほど、電力損失をより低減させることができる(例えば、特許文献1、非特許文献1)。
図21はダイオードクランプ形線形増幅回路の一構成例を示している。図21において、ダイオードクランプ形線形増幅回路101は、複数の半導体パワーデバイス(Q1〜Q4、Q5〜Q8)が直列接続された直列回路102と、各半導体パワーデバイス(Q1〜Q4、Q5〜Q8)に接続された複数のダイオードクランプ回路103とを備える。
直列回路102には直流電源111によって直流電圧が印加されると共に、各半導体パワーデバイス(Q1〜Q4、Q5〜Q8)には各ダイオードクランプ回路103によって段階的な電圧が印加される。各半導体パワーデバイス(Q1〜Q4、Q5〜Q8)は、各ダイオードクランプ回路103が印加する電圧に応じて定められた各線形領域で入力信号を線形増幅し、出力電流を負荷112に出力する。
国際公開WO2012/066839
「ダイオードクランプ回路を用いた高効率線形増幅回路」 IEEJ Trans.IA,Vol.127,No.1,2007,p9-16
ダイオードクランプ形線形増幅回路は線形動作を行うため、出力電圧波形を任意の波形に形成することができる他、半導体パワーデバイスの素子の直列数を増やすことにより高効率化を図ることができる。一方、出力電流がクランプダイオードを流れることによって、このクランプダイオードで電力損失が発生する。そのため、線形動作で発生する電力損失以外のクランプダイオードで発生する電力損失によって効率向上に限界がある。
図22はクランプダイオードで発生する電力損失を説明するための図である。図22(a)はダイオードクランプ形線形増幅回路の出力電圧例を示し、図22(b)はダイオードクランプ形線形増幅回路の電圧状態を説明するための図である。なお、図22(b)では直流電源の電源電圧Eにおいて、正極側の印加電圧をE/2とし、負極側の印加電圧を−E/2としている。
図22(b)において、半導体パワーデバイスの各素子には印加電圧E/2からダイオードによる電圧降下分を差し引いた電圧が印加されるため、出力電圧に用いられる電圧は印加電圧E/2よりも低い電圧となる。そのため、ダイオードによる電圧降下分は電力損失となる。
したがって、従来提案されているダイオードクランプ形線形増幅回路(DCLA)は、クランプダイオードを用いて動作するため、その損失が大きく、効率向上に限界があるという課題がある。
また、各半導体パワーデバイスの素子のソース端には、クランプダイオードを介して素子毎に異なる直流電圧を印加するため複数の直流電圧が必要となる。そのため、半導体パワーデバイスの素子の直列数に応じた個数の直流電圧が求められるため、直流電源の構成が複雑となる課題がある他、任意の電圧を出力するためにとり得る動作モードが1つのみであるため、ゲート制御の拡張性が乏しいという課題がある。
本発明は、入力信号を線形増幅して出力端から出力する線形増幅器の態様、及び線形増幅器を備える、直流を交流又は直流に電力変換する電力変換装置の態様を含む。
(線形増幅器の態様)
本発明の線形増幅器は、直列回路を構成する複数の半導体パワーデバイスの各素子の基準電圧を設定する構成として、ダイオードクランプ形線形増幅回路(DCLA)が備えるクランプダイオードに代えてフライングキャパシタを用いた構成である。
本発明のフライングキャパシタを備えた線形増幅器(FCLA:Flying-Capacitor Linear Amplifier)は、直列回路を構成する複数の半導体パワーデバイスの各素子に対する基準電圧の設定をフライングキャパシタの充電電圧で行うことによって、ダイオードクランプ形線形増幅回路で発生するダイオードによる電力損失を無くし、変換効率を向上させる。
本発明の線形増幅器は、
(a)線形増幅器の出力端に対して少なくとも何れか一方の極側において、2個以上のMOSFETを直列接続した直列回路と、
(b)直列回路の各MOSFETのソース端の電位をそれぞれ異なる電位に保持する複数のフライングキャパシタと、
(c)各MOSFETのゲート端に入力信号を入力する入力回路と
を備える。
直列回路は、線形増幅器において、直流電源と接続する電源側入力端と線形増幅器の出力端との間に接続され、直列回路を構成する直列接続された各MOSFETのソース端に対してそれぞれフライングキャパシタが接続され、各MOSFETのゲート端には入力回路が接続される。
直列回路の各MOSFETは、MOSFETのソース端には各フライングキャパシタ、及び電源からそれぞれの電圧が印加されて基準電圧が設定され、各MOSFETのゲート電位もしくはドレイン電位が定まる。各MOSFETは、フライングキャパシタや電源電圧によって定められた各ソース端子の電位に対して入力信号の電圧の高低が如何なる状態にあるかによって、そのMOSFETの動作状態(動作領域)が変わり、ゲート端に印加される入力信号の電圧との関係に基づいて、線形領域、飽和領域、遮断領域において動作する。直列回路中のMOSFETの飽和領域又は遮断領域での動作状態において、入力信号の電圧によってオン状態あるいはオフ状態に切り替わるMOSFETによって線形増幅器の直列回路を流れる電流経路が切り替わり、電流経路内において線形領域で動作するMOSFETによって線形増幅が行われる。
電流経路中のMOSFETにおいて、線形動作を行うMOSFETは、MOSFETのドレイン電位が電源電圧となるMOSFET、あるいはフライングキャパシタによって設定される基準電圧が、入力信号を複数領域に区分したときの各区分の上限及び下限の範囲内となるMOSFETである。なお、直列回路のMOSFETにおいて、一つの入力信号に対して一つのMOSFETだけが線形動作を行い、他のMOSFETは飽和領域あるいは遮断領域の動作を行う。
また、直列回路の複数のMOSFETの内、遮断領域においてオフ状態となるMOSFETのドレイン・ソース間電圧はフライングキャパシタによって分圧される。
直列回路の各MOSFETのソース端に設定される基準電圧は、直列回路において接地電圧から正方向に電圧を加える方向、あるいは負方向に電圧を減ずる方向に設定され、直列回路を構成する複数のMOSFETの内、1つのMOSFETのみが線形領域で動作し、他のMOSFETは飽和領域又は遮断領域で動作する。線形領域で動作するMOSFETは、入力信号の電圧と各MOSFETの基準電圧との関係に基づいて、入力信号の電圧の変化に応じて順次切り替わる。線形領域で動作するMOSFETが順次切り替わることによって、入力信号において線形増幅される範囲が順次切り替わり、入力信号の全範囲について線形増幅が行われる。
したがって、線形増幅器の直列回路は、直列回路を構成する複数のMOSFETの内、線形領域で動作するMOSFETを入力信号の電圧変化に応じて順次切り替えることによって、複数に分割された入力信号の各電圧範囲で線形増幅を行う。
線形増幅を行う電圧範囲の個数は基準電圧の個数により定まり、MOSFETのソース端に接続するフライングキャパシタの個数により定まる。したがって、フライングキャパシタの個数を増加し、基準電圧の個数を増加することによって、分割して行う線形増幅の電圧範囲を小さな電圧範囲に設定することができる。
本発明の線形増幅器において、線形動作するMOSFETはソースフォロワとして動作し、電圧増幅率1の電流増幅回路として動作する。
(フライングキャパシタ)
フライングキャパシタは、
(1)MOSFETのソース端の電圧をMOSFET毎に各基準電圧に電圧設定する機能
(2)MOSFETのドレイン・ソース間の電圧に設定する機能
の各機能を奏する。
(1:ソース端の電圧設定)
ソース端の電圧設定によって、直列回路が備える複数のMOSFETの中から増幅動作あるいは導通状態(オン状態)となるMOSFETと、非導通状態(オフ状態)となるMOSFETとを分けて動作させる。入力信号の電圧範囲に対して、ソース端に設定された電圧が低い場合にはMOSFETは線形増幅あるいは導通状態となり、ソース端に設定された電圧が高い場合には、MOSFETは非導通状態となる。
直列回路の各MOSFETのソース端に設定される基準電圧を、直列回路において接地電圧から正方向に電圧を加える方向、あるいは負方向に電圧を減ずる方向に設定する。この基準電圧の設定は接続される各フライングキャパシタの保持電圧、及び電源電圧で定まる。このフライングキャパシタの保持電圧は、各フライングキャパシタの設けた絶縁電源もしくは電圧バランス回路によって所定電圧に保持させることができる。
(2:ドレイン・ソース間の電圧設定)
MOSFETのドレイン・ソース間の電圧設定により、MOSFETの線形領域におけるゲート・出力電圧特性に基づいて、直流電圧を入力信号の電圧変化に応じて線形増幅する。MOSFETのゲート電位がそのMOSFETのソース電位よりも高いとき、飽和領域もしくは線形領域で動作し、ゲート電位がそのMOSFETのソース電位よりも低いときには遮断領域で動作する。
入力信号の電圧範囲との関係に基づいて直列回路中の複数のMOSFETの中から線形領域で動作するMOSFETが一つ選択され、入力信号の電圧変化に伴って選択されるMOSFETが順次移行する。
(直列回路)
本発明の直列回路の第1の形態は、線形増幅器の出力端に対して、正極側に正側直列回路、及び負極側に負側直列回路を備える。
正側直列回路が備えるMOSFETはn−MOSFETであり、負側直列回路が備えるMOSFETはp−MOSFETである。この第1の形態において、各フライングキャパシタの電圧は直流電源の電圧以内の設定電圧であり、各フライングキャパシタは、このフライングキャパシタが印加するn−MOSFETとp−MOSFETとの間の両ソース端間に接続され、MOSFETのソース端間の電圧を前記設定電圧に保持する。正側直列回路の出力は正電圧となり、負側直列回路の出力は負電圧となる。
本発明の直列回路の第3の形態は、線形増幅器の出力端に対して、正側直列回路にMOSFET直列回路、負極側にダイオードを直列接続してなるダイオード直列回路を備え、又は、正側直列回路にダイオードを直列接続してなるダイオード直列回路、負極側にMOSFET直列回路を備える。この各直列回路において、正側直列回路が備えるMOSFETはn−MOSFETであり、負側直列回路が備えるMOSFETはp−MOSFETである。正極側のMOSFET直列回路は正電圧を出力し、負極側のMOSFET直列回路は負電圧を出力する。
(入力回路)
直列回路の第1の形態において、入力回路の第1の形態は、複数のMOSFETの各ゲート端を接続する接続回路を備え、全ゲート端に共通のゲート電圧を入力する。
また、入力回路の接続回路は、ゲート端との間に接続される過電流防止のゲート抵抗や、ゲート端とソース端との間に接続されるゲート・ソース間の過電圧防止のツェナーダイオードを備える構成とすることができる。
また、直列回路の第1の形態において、入力回路の第2の形態は、複数のMOSFETの各ゲート端に個別にゲート駆動回路を接続し、各ゲート端に個別のゲート電圧を入力する。
(電力変換装置の態様)
本発明の電力変換装置の態様は、本発明の線形増幅器と直流電源とを備え、線形増幅器の出力端を電力変換装置の出力端として直流電圧を交流電圧あるいは直流電圧に電力変換して出力する。
直流電源は、線形増幅器の正側直列回路の高電圧側と接地電位との間に接続される正側直流電源、及び線形増幅器の負側直列回路の低電圧側と接地電位との間に接続される負側直流電源の2つの直流電源を備えた構成、又は、線形増幅器の負側直列回路の低電圧側を接地電位とし、この接地電位と線形増幅器の正側直列回路の高電圧側との間に接続される1つの直流電源を備えた構成である。
本発明の電力変換装置の態様は、線形増幅器の出力端と電力変換装置の出力端との間に接続されたフルブリッジインバータを備える。フルブリッジインバータは、正極側のMOSFET直列回路の出力、又は負極側のMOSFET直列回路の出力の何れか一方の出力を反転させて交流を出力する。
本願の形態によれば、直列素子数の変更に対してゲート制御の拡張性を高めることができる。
本願の形態によれば、各MOSFETに対して異なる直流電圧を印加する素子としてクランプダイオードに代えてフライングキャパシタを用いることによって、MOSFETの個数に応じた直流電圧を供給するための複雑な直流電源が不要となり、直流電源の構成に対する要求を低減し、簡易な構成の直流電源で動作させることができ、また、MOSFETの素子数の増減に対するゲート制御の拡張性を高めることができる。
本願の形態によれば、各MOSFETのゲートに個別にゲート駆動回路を設けることにより、フライングキャパシタの電圧バランスを実現することが可能となり、また、各MOSFETの電力損失を均等化することができる。
以上説明したように、本発明によれば、クランプダイオードを用いることにより生じる電力損失を低減することができる。
本発明のn個のMOSFETを直列接続したn直列回路を備える線形増幅器の構成例を説明するための図である。 本発明のn個のMOSFETを直列接続したn直列回路の別の構成例を説明するための図である。 本発明の線形増幅器による変換効率の向上を説明するための図である。 本発明の2直列回路の一構成例を説明するための図である。 本発明の2直列回路の線形増幅器の動作例を説明するための図である。 本発明の2直列回路の線形増幅器の動作例を説明するための信号図である。 本発明の2直列回路の線形増幅器の動作例を説明するための図である。 本発明の4直列回路の一構成例を説明するための図である。 本発明の4直列回路の線形増幅器の動作例を説明するための図である。 本発明の4直列回路の線形増幅器の動作例を説明するための信号図である。 本発明の4直列回路の線形増幅器の動作例を説明するための図である。 本発明の4直列回路の線形増幅器の動作例を説明するための図である。 本発明の3直列回路の構成例を説明するための図である。 本発明の6直列回路の一構成例を説明するための図である。 本発明の6直列回路の線形増幅器の動作例を説明するための信号図である。 本発明の6直列回路の線形増幅器の動作例を説明するための図である。 本発明の5直列回路の構成例を説明するための図である。 本発明の線形増幅器の他の構成例を説明するための図である。 本発明の線形増幅器の実施例による変換効率を説明するための図である。 直列数nに対する線形増幅器FCLAと線形増幅器DCLAの理論変換効率の差を示すグラフである。 ダイオードクランプ形線形増幅回路の一構成例を説明するための図である。 クランプダイオードで発生する電力損失を説明するための図である。
以下、本願発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。線形増幅器、及び線形増幅器を備えた電力変換装置において、図1〜図3を用いてn個のMOSFETを直列接続したn直列回路を備える線形増幅器の構成例を説明し、図4〜図7を用いて2個のMOSFETを直列接続した2直列回路を備える線形増幅器の構成例を説明し、図8〜図13を用いて3個又は4個のMOSFETを直列接続した3直列回路及び4直列回路を備える線形増幅器の構成例を説明し、図14〜図17を用いて5個又は6個のMOSFETを直列接続した5直列回路及び6直列回路を備える線形増幅器の構成例を説明し、図18を用いて正極側あるいは負極側の片側にのみMOSFETの直列回路を備える構成例を説明する。また、図19,20を用いて本発明の線形増幅器の実施例による変換効率を説明する。
(n直列回路による構成)
図1はn個のMOSFETを直列接続したn直列回路を備える線形増幅器の構成例を説明するための図であり、図1(a)は回路構成例を示し、図1(b)は出力電圧と線形動作するMOSFETとの関係を示している。
図1(a)に示す線形増幅器1は、複数のMOSFET(Q1,Q2,…,Qk,…,Qn,Qnp,…,Q2p,Q1p)を直列接続した直列回路2(2A、2B)と、各MOSFETのソース端の電位をそれぞれ異なる電位に保持する複数のフライングキャパシタ3(C1,C2,…,cn-1)と、各MOSFETのゲート端に入力信号vinを入力する入力回路4とを備える。接地電位を基準としたとき、ソース端の基準電圧はフライングキャパシタによる電圧と電源電圧とによって定まる。なお、図1(a)に示す入力回路4は、各MOSFET(Q1,Q2,…,Qk,…,Qn,Qnp,…,Q2p,Q1p)に共通の入力信号vinを入力する構成例である。入力回路4はこの構成に限らず、各MOSFETのゲート端に個別に入力信号を入力する構成としてもよい。
直列回路2(2A,2B)は、直流電源11(11A,11B)と線形増幅器1の出力端9outとの間に接続される。
直列回路2(2A,2B)は、線形増幅器1の出力端9outに対して、正極側の正側直列回路2Aと、負強側の負側直列回路2Bとを備える。正側直列回路2Aが備えるMOSFET(Q1,Q2,…,Qk,…,Qn)はn−MOSFETであり、負側直列回路2Bが備えるMOSFET(Qnp,…,Qkp,Q2p,Q1p)はp−MOSFETである。正側直列回路2Aが備えるn−MOSFET(Q1,Q2,…,Qk,…,Qn)の個数n、及び負側直列回路2Bが備えるp−MOSFET(Qnp,…,Qkp,Q2p,Q1p)の個数nは、2個以上の任意の個数とすることができ、同一の線形増幅器1では正側直列回路2Aと負側直列回路2Bが備える各MOSFETの個数nは同数である。
正側直列回路2Aにおいて、n−MOSFET(Q1)のドレイン端は直流電源E1の正極側に接続され、n−MOSFET(Q1)のソース端は隣接するn−MOSFET(Q2)のドレイン端に接続される。同様に、隣接する2つのn−MOSFETにおいて、直流電源の正極側にあるn−MOSFETのソース端は出力端9out側にあるn−MOSFETのドレイン端に接続される。最も出力端9out側にあるn−MOSFET(Qn)のソース端は出力端9outに接続され、出力端9outは負荷12に接続される。
同様に、負側直列回路2Bにおいて、p−MOSFET(Q1p)のドレイン端は直流電源E2の負極側に接続され、p−MOSFET(Q1p)のソース端は隣接するp−MOSFET(Q2p)のドレイン端に接続される。同様に、隣接する2つのp−MOSFETにおいて、直流電源の負極側にあるp−MOSFETのソース端は出力端9out側にあるp−MOSFETのドレイン端に接続される。最も出力端9out側にあるp−MOSFET(Qnp)は出力端9outに接続され、出力端9outは負荷12に接続される。正側直列回路2Aは正電圧を出力し、負側直列回路2Bは負電圧を出力する。なお、図1ではp−MOSFET(Qkp)は図示していない。
フライングキャパシタ3(C1,C2,…,Cn-1)は、各フライングキャパシタ3が印加するn−MOSFETとp−MOSFETとの間の両MOSFETのソース端間に接続され、各MOSFETのソース端間の電圧を設定電圧に保持する。
フライングキャパシタ3(C1)は、n−MOSFET(Q1)のソース端とp−MOSFET(Q1p)のソース端間に接続され、フライングキャパシタ3(C2)は、n−MOSFET(Q2)のソース端とp−MOSFET(Q2p)のソース端間に接続される。他のフライングキャパシタ3(C3〜Cn-1)についても、n−MOSFET(Q3〜Qn-1)のソース端とp−MOSFET(Q3p〜Qn-1p)のソース端間に接続される。n−MOSFET(Qn)のソース端は出力端9outに接続され、p−MOSFET(Qnp)のソース端は出力端9outに接続される。
フライングキャパシタ3(C1,C2,…,Cn-1)は、絶縁電源もしくは電圧バランス回路による充電により、規定電圧に電圧保持される。例えば、n個のMOSFETを直列接続して構成される直列回路において、直流電源の電圧を電圧Eとしたときには、k番目のフライングキャパシタ3(Ck)は(n−k)E/nとし、これによってn−MOSFET(Qk)とp−MOSFET(Qk)のソース端に電圧(n−k)E/nを保持させる。この例では、直流電源の電圧Eを基準電圧とし、この電圧を1/nに分割した電圧幅を各フライングキャパシタ3の保持電圧の電圧幅としているが、各フライングキャパシタ3の保持電圧の電圧幅は等しい電圧幅に限らず、任意の電圧幅とすることができる。
フライングキャパシタ3(C1,C2,…,Cn-1)にはそれぞれ絶縁電源5あるいは電圧バランス回路(図示していない)が接続され、この絶縁電源あるいは電圧バランス回路によって各フライングキャパシタ3(C1,C2,…,Cn-1)の電圧を設定電圧に保持する。電圧バランス回路は、フライングキャパシタの電圧を所定電圧に保持する付加回路であり、絶縁を要しない回路構成である。
図1に示す構成において、直流電源11は、電圧E1の正側直流電源11Aと電圧E2の負側直流電源11Bとを直列接続すると共に、両直流電源の接続点を接地した構成である。この構成によれば、正側直流電源11Aの電圧E1を正側直列回路2Aに印加し、負側直流電源11Bの電圧E2を負側直列回路2Bに印加する。電圧E1と電圧E2とは任意の電圧とすることができ、互いに異なる電圧あるいは同電圧とすることができる。
フライングキャパシタ3の各C1,C2,…,Cn-2,Cn-1の各電圧E11,E12,…,E1n-2,E1n-1は電源電圧E1の2倍の電圧2E1を分圧した電圧であり、これらの電圧間はE11>E12>,…E1n-2>E1n-1の関係を有して設定される。
正側直列回路2Aの各n−MOSFETにおいて、各n−MOSFET(Q)のソース端の電位はフライングキャパシタ3の電圧、及び電源電圧によって設定され、ドレイン・ソース端間電圧は、電源電圧とフライングキャパシタの電圧との電圧差、あるいは隣接するフライングキャパシタの電圧差によって設定される。また、接地電位を基準としたときには、ソース端の電位はフライングキャパシタが保持する電圧値だけでなく、直流電源の電圧値も関連して定まる。例えば、正側直列回路のMOSFETのソース電位については負側直流電源の電圧値が関連し、負側直列回路のMOSFETのソース電位については正側直流電源の電圧値が関連する。
図1の回路構成では、n−MOSFET(Q1)のソース端における電圧はフライングキャパシタ3(C1)によって電圧E11及び負側直流電源E2に基づいて設定され、ドレイン・ソース間電圧は、正側直流電源11Aの電圧E1、フライングキャパシタ3(C1)の電圧E11、及び負側直流電源11Bの電圧E2により(E1−(E11−E2))が印加される。n−MOSFET(Q2)のソース端における基準電圧はフライングキャパシタ3(C2)によって電圧E12及び負側直流電源E2に基づいて設定され、ドレイン・ソース間電圧は、フライングキャパシタ3(C1)の電圧E11とフライングキャパシタ3(C2)の電圧E12との電圧差(E11−E12)が印加される。n−MOSFET(Q3)〜n−MOSFET(Qn-1)のソース端の基準電圧、及びドレイン・ソース間電圧も同様に設定される。
n−MOSFET(Qn)のソース端は出力端子であるため、出力電圧が接地電圧"0"で負荷に電流が流れない場合には、ドレイン・ソース間電圧は、フライングキャパシタ3(Cn-1)の電圧E1n-1と接地電圧との電圧差E1n-1が印加される。
一方、負側直列回路2Bの各p−MOSFETにおいても、正側直列回路2Aの各n−MOSFETと同様に、各p−MOSFET(Q)のソース端の電圧はフライングキャパシタ3の電圧と正側直流電源に基づいて設定され、ドレイン・ソース端間電圧は、電源電圧とフライングキャパシタの電圧との電圧差、あるいは隣接するフライングキャパシタの電圧差によって設定される。
入力回路4は、正側直列回路2Aの各n−MOSFET(Q1,Q2,…,Qk,…,Qn)の各ゲート端、及び負側直列回路2Bの各p−MOSFET(Q1p,Q2p,…,Qkp,…,Qnp)の各ゲート端を、それぞれゲート抵抗6を介して入力端9inに接続して構成される入力端9inから入力された入力信号は、各ゲート抵抗6を介して正側直列回路2A及び負極側の直列回路2Bの各MOSFETに共通に入力される。なお、ゲート抵抗6は、ゲート端への過電流を防止する。また、各MOSFETにおいて、ゲート端とソース端との間にはゲート・ソース間の過電圧防止のツェナーダイオード7が設けられる。
正側直列回路2Aの各n−MOSFET(Q1,Q2,…,Qk,…,Qn)及び負側直列回路2Bの各p−MOSFET(Q1p,Q2p,…,Qkp,…,Qnp)は、各MOSFETのソース端に設定された電圧と、入力端9inに入力された入力信号vinの電圧変化との関係に基づいて導通又は非導通状態で動作し、各MOSFETのドレイン・ソース間の電圧と、入力端9inに入力された入力信号vinの電圧変化との関係に基づいて線形領域、飽和領域、あるいは遮断領域で動作する。
このMOSFETの動作において、直列回路2が備えるMOSFETの内で1つのMOSFETのみが線形領域で動作して入力信号vinを線形増幅し、残りのMOSFETについては飽和領域又は遮断領域で動作するオン状態又はオフ状態となり、直流電源11と負荷12との間に電流経路が形成される。
例えば、入力信号vinの電圧がn−MOSFET(Q1)のソース端に設定した電圧よりも高電圧である電圧範囲にある場合には、n−MOSFET(Q1)は線形領域あるいは飽和領域の電源電圧を出力する動作モードで動作し、n−MOSFET(Q2,…,Qk,…,Qn)及びp−MOSFET(Q1p,Q2p,…,Qkp,…,Qnp)は飽和領域あるいは遮断領域で動作し、n−MOSFET(Q2,…,Qk,…,Qn)はオン状態となり、p−MOSFET(Q1p,Q2p,…,Qkp,…,Qnp)はオフ状態となる。この動作状態では、正側直流電源11Aから正側直列回路2Aを介して負荷12に至る電流経路が形成される。
この電流経路において、n−MOSFET(Q1)が線形領域で動作することで入力信号vinを線形増幅する。図1(b)の領域A1は、このn−MOSFET(Q1)による線形増幅の状態を示している。
入力信号vinの電圧がn−MOSFET(Qk)のソース端に設定した電圧よりも高電圧であり、かつ、n−MOSFET(Qk-1)のソース端に設定した電圧よりも低電圧もしくはn−MOSFET(Qk)のゲート端のターンオンしきい値よりも低電圧である電圧範囲にある場合には、n−MOSFET(Qk)は線形領域で動作し、n−MOSFET(Qk+1,…,Qn)及びp−MOSFET(Q1p,Q2p,…,Qkp,…,Qnp)は飽和領域あるいは遮断領域で動作し、n−MOSFET(Qk+1,…,Qn)はオン状態となり、p−MOSFET(Q1p,Q2p,…,Qnp)はオフ状態となる。この動作状態では、負側直流電源11Bから負側直列回路2Bの一部及び正側直列回路2Aの一部を介して負荷12に至る電流経路が形成される。この電流経路において、n−MOSFET(Qk)が線形領域で動作することで入力信号vinを線形増幅する。図1(b)の領域Akは、このn−MOSFET(Qk)による線形増幅の状態を示している。
ここで、フライングキャパシタに保持させる電圧を(n−k)E/nとし、ソース端に(n−k)E/nを印加したMOSFETが線形動作を行う場合には、この線形動作を行うMOSFETのドレイン電位をkE/nとする電流経路が形成される。この電流経路では、各MOSFETのドレイン・ソース間の電圧降下の最大値はE/nとなる。
また、オフ状態のMOSFETは、フライングキャパシタによってドレイン・ソース間電圧が電源電圧Eの1/nに分圧されるため、耐圧が1/nのMOSFETを用いることができる。
図2はn個のMOSFETを直列接続したn直列回路の別の構成例を説明するための図である。図2に示す構成例は、図1に示した構成例の入力回路4Aに代えて入力回路4Bを備える。入力回路4Bは、正側直列回路2Aのn−MOSFET(Q1,Q2,…,Qk,…,Qn)及びp−MOSFET(Q1p,Q2p,…,Qkp,…,Qnp)の各ゲート端に対して個別のゲート駆動回路(G,D)8を備える。各ゲート駆動回路8は、接続される各MOSFETのゲート端にそれぞれ異なる入力信号vinを入力する。各ゲート駆動回路(G,D)8は、外部の制御コントローラ(図示していない)から送られたそれぞれ個別の制御信号によって異なる入力信号vinを各MOSFETに入力する。
ゲート駆動回路8を各MOSFETのゲート端に接続することによって、フライングキャパシタの電圧バランスの制御や、各MOSFETでの損失を均一化する制御が可能となる。
図3は本発明の線形増幅器による変換効率の向上を説明するための図である。図3は、従来のダイオードを用いたダイオードクランプ形線形増幅回路(DCLA:Diode Clamped Linear Amplifier)と本発明のフライングキャパシタを備えた線形増幅器(FCLA:Flying-Capacitor Linear Amplifier)との出力電圧を模式的に示している。
DCLAの場合には、出力の電流経路中にダイオードが存在するため、このダイオードのオン電圧降下分によって電圧が降下する。これに対して、本発明のフライングキャパシタを備えた線形増幅器(FCLA)によればダイオードによる損失分が発生しないため、DCLAと比較して高い変換効率が得られる。
(2直列回路による構成)
次に、一方の極性の直列回路が2つのMOSFETで構成される2直列回路の構成例、及び動作例について図4〜図7を用いて説明する。図4は2直列回路の一構成例を示している。
図4に示す構成例において、線形増幅器1Aは、2個のn−MOSFET(Q1,Q2)が直列接続された正側直列回路2A、及び2個のp−MOSFET(Q3,Q4)が直列接続された負側直列回路2Bを備え、n−MOSFET(Q1)のソース端とp−MOSFET(Q4)のソース端との間にフライングキャパシタ3(C0)が接続され、n−MOSFET(Q1,Q2)及びp−MOSFET(Q3,Q4)のゲート端には入力回路4Aが接続され、共通の入力信号vinが入力される。
また、n−MOSFET(Q1)のドレイン端には正側直流電源11Aの正極が接続されて電圧E/2が印加され、p−MOSFET(Q4)のドレイン端には負側直流電源11Bの負極が接続されて電圧E/2が負方向に印加される。
図5(a),(b)は、図4に示す2直列回路の線形増幅器1Aの動作例を示し、図5(c)は入力信号vinを示している。この動作例では、電源電圧を正極側及び負極側をそれぞれE/2とし、フライングキャパシタC0の保持電圧をE/2としている。また、図6(a)は入力信号vinを示し、図6(b)は出力電圧voutを示し、図6(c),(d)はn−MOSFET(Q1)及びp−MOSFET(Q4)のドレイン・ソース間電圧VQ1,VQ4を示し、図6(e),(f)はn−MOSFET(Q2)及びp−MOSFET(Q3)のドレイン・ソース間電圧VQ2,VQ3を示している。
図5(a)に示す動作例は、入力信号vinが図5(c)及び図6(a)中の符号Aの範囲にあるときの動作を示し、正側直列回路2Aが電流経路となる状態を示している。入力信号vinが0<vin<E/2の範囲では、n−MOSFET(Q2)はオン状態(図6(e))、p−MOSFET(Q3,Q4)はオフ状態となり、n−MOSFET(Q1)は線形領域で動作する(図6(c))。これにより、直流電源から正側直列回路2Aを介して負荷に流れる電流経路が形成され、入力信号vin(図6(a))はn−MOSFET(Q1)によって線形増幅される(図6(b))。
一方、図5(b)に示す動作例は、入力信号vinが図5(c)及び図6(a)中の符号Bの範囲の動作であり、負側直列回路2Bが電流経路となる状態を示している。入力信号vinが−E/2<vin<0の範囲にあるときは、n−MOSFET(Q1,Q2)はオフ状態(図6(c),(e))、p−MOSFET(Q3)はオン状態となり(図6(f))、p−MOSFET(Q4)は線形領域で動作する(図6(d))。これにより、負荷から負側直列回路2Bを介して負極側から直流電源に流れる電流経路が形成され、入力信号vinはp−MOSFET(Q4)によって線形増幅される。
なお、上記した動作例は負荷が純抵抗である場合を示し、電流経路を流れる電流の方向は、入力信号vinが正電圧であるときは正側直列回路2Aを電流経路とする正電流が流れ、入力信号vinが負電圧であるときは負側直列回路2Bを電流経路とする負電流が流れる。図5(d)は負荷を純抵抗とした場合の電流状態を模式的に示している。
これに対して、負荷が純抵抗ではなく、インダクタンス成分やキャパシタンス成分を有している場合にはフライングキャパシタを経由する経路となる。図7(b)は、負側直列回路2B、フライングキャパシタCc、及び正側直列回路2Aを経由して、負電圧入力で正電流出力となる電流経路を示している。なお、図7(b)は図5に示す例とフライングキャパシタの電圧値が異なる場合を示しており、ここではフライングキャパシタを経由する電流経路の一例として挙げている。
インダクタンス成分やキャパシタンス成分を有した負荷では、電圧と電流との間に位相差により異なる電流経路で動作し、入力信号vinが正電圧であるときに負側直列回路2Bを電流経路とする負電流が流れ、入力信号vinが負電圧であるときに正側直列回路2Aを電流経路とする正電流が流れる動作に限らず、入力信号vinが正電圧であるときに正側直列回路2Aを電流経路とする正電流が流れ、入力信号vinが負電圧であるときに負側直列回路2Bを電流経路とする負電流が流れる動作となる場合もある。
図5(e)は、負荷が誘導性であるときの電流状態を示している。誘導性負荷によって遅れ電流となるため、入力信号vinが正電圧となった時点から遅れて負電流から正電流に切り替わり、入力信号vinが負電圧となった時点から遅れて正電流から負電流に切り替わる。
図7(a),(b)は、図4(a)に示す2直列回路の線形増幅器1Aの別の動作例を示し、図7(c)は入力信号vinを示している。この動作例では、電源電圧を正極側及び負極側をそれぞれE/2とし、フライングキャパシタC0の保持電圧をE/4としている。
図7(a)に示す動作例は、入力信号vinが図7(c)中の符号Cの範囲で、かつ、正電流の動作を示し、正側直列回路2Aが電流経路となる状態を示している。入力信号vinがE/2<vin<Eの範囲にあるときは、n−MOSFET(Q2)はオン状態、p−MOSFET(Q3,Q4)はオフ状態となり、n−MOSFET(Q1)は線形領域で動作する。これにより、直流電源から正側直列回路2Aを介して負荷に流れる電流経路が形成され、入力信号vinはn−MOSFET(Q1)によって線形増幅される。
一方、図7(b)に示す動作例は、入力信号vinが図7(c)中の符号Dの範囲の動作で、かつ、負電流の動作を示し、負側直列回路2Bが電流経路となる状態を示している。入力信号vinが0<vin<E/2の範囲にあるときは、n−MOSFET(Q1)及びp−MOSFET(Q3)はオフ状態、p−MOSFET(Q4)はオン状態となり、n−MOSFET(Q2)は線形領域で動作する。これにより、直流電源から負側直列回路2B及び正側直列回路2Aを介して負荷に流れる電流経路が形成され、入力信号vinはn−MOSFET(Q2)によって線形増幅される。
入力信号vinが図7(c)中の符号Dの範囲では、図7(a),(b)の何れの動作モードとなるかは負荷条件によって変わる。負荷が純抵抗であるときには、正電圧の場合には図7(a)の動作モードとなり、負電圧の場合には図7(b)の動作モードとなる。一方、負荷がインダクタンス成分やキャパシタンス成分を含むときには、電圧と電流との間に位相差により異なる電流経路で動作するため、図7(a),(b)の両方の動作モードを取り得る。
(3直列回路,4直列回路による構成)
次に、一方の極性の直列回路が3つのMOSFETあるいは4つのMOSFETで構成される3直列回路、4直列回路の構成例、及び動作例について図8〜図13を用いて説明する。図8は4直列回路の一構成例を示し、図9,図10は4直列回路の一動作例を示し、図11,図12は4直列回路の別に動作例を示し、図13は3直列回路の構成例を示している。
図8に示す構成例において、線形増幅器1Bは、4個のn−MOSFET(Q1〜Q4)が直列接続された正側直列回路2A、及び4個のp−MOSFET(Q5〜Q8)が直列接続された負側直列回路2Bを備え、n−MOSFET(Q1)のソース端とp−MOSFET(Q8)のソース端との間にフライングキャパシタ3(C1)が接続され、n−MOSFET(Q2)のソース端とp−MOSFET(Q7)のソース端との間にフライングキャパシタ3(C2)が接続され、n−MOSFET(Q3)のソース端とp−MOSFET(Q6)のソース端との間にフライングキャパシタ3(C3)が接続され、n−MOSFET(Q1〜Q4)及びp−MOSFET(Q5〜Q8)のゲート端には入力回路4Aが接続され、共通の入力信号vinが入力される。
なお、n−MOSFET(Q1)のドレイン端には正側直流電源11Aの正極が接続されて電圧E/2が印加され、p−MOSFET(Q8)のドレイン端には負側直流電源11Bの負極が接続されて電圧E/2が負方向に印加される例を示している。
図9(a)〜(d)は、図8に示す4直列回路の線形増幅器1Bの動作例を示している。この動作例は、入力信号vinを正極側及び負極側でそれぞれ2つの電圧範囲に分け、各電圧範囲に対応する線形領域で線形増幅させる例である。
電源電圧を正極側及び負極側をそれぞれE/2とし、フライングキャパシタC1の保持電圧を3E/4、フライングキャパシタC2の保持電圧を2E/4、及びフライングキャパシタC3の保持電圧をE/4としている。また、図10(a)は入力信号vinを示し、図10(b)は出力電圧voutを示し、図10(c)はn−MOSFET(Q1)のドレイン・ソース間電圧VQ1を示し、図10(d)はn−MOSFET(Q2)のドレイン−ソース間電圧VQ2を示し、図10(e)はn−MOSFET(Q3)のドレイン・ソース間電圧VQ3を示し、図10(f)はn−MOSFET(Q4)のドレイン・ソース間電圧VQ4を示している。
以下、入力信号vinが、E/4<vin<E/2の範囲(以下電圧範囲Aとする)、0<vin<E/4の範囲(以下電圧範囲Bとする)、−E/4<vin<0範囲(以下電圧範囲Cとする)、及び−E/2<vin<−E/4の範囲(以下電圧範囲Dとする)の各電圧範囲にある場合について示す。
電圧範囲A:
図9(a)に示す動作状態は、入力信号VinがE/4<vin<E/2の範囲であるときの動作を示し、正側直列回路2Aが電流経路となる状態を示している。入力信号vinがE/4<vin<E/2の範囲にあるときは、n−MOSFET(Q2〜Q4)はオン状態(図10(d)〜図10(f))、p−MOSFET(Q5〜Q8)はオフ状態となり、n−MOSFET(Q1)は線形領域で動作する(図10(c))。これにより、直流電源から正側直列回路2Aを介して負荷に流れる電流経路が形成され、入力信号vin(図10(a))はn−MOSFET(Q1)によって線形増幅される(図10(b))。
電圧範囲B:
図9(b)に示す動作状態は、入力信号vinが0<vin<E/4の範囲であるときの動作を示し、正側直列回路2A及び負側直列回路2Bが電流経路となる状態を示している。入力信号vinが0<vin<E/4の範囲にあるときは、n−MOSFET(Q3,Q4)はオン状態(図10(e),図10(f))、p−MOSFET(Q8)はオン状態、n−MOSFET(Q1)はオフ状態(図10(c))、p−MOSFET(Q5〜Q7)はオフ状態となり、n−MOSFET(Q2)は線形領域で動作する(図10(d))。これにより、直流電源から負側直列回路2B及び正側直列回路2Aを介して負荷に流れる電流経路が形成され、入力信号vin(図10(a))はn−MOSFET(Q2)によって線形増幅される(図10(b))。
電圧範囲C:
図9(c)に示す動作状態は、入力信号vinが−E/4<vin<0の範囲であるときの動作を示し、正側直列回路2A及び負側直列回路2Bが電流経路となる状態を示している。入力信号vinが−E/4<vin<0の範囲にあるときの動作は、電圧範囲Bで示した動作を極性反転させた動作に相当する。p−MOSFET(Q5,Q6)はオン状態、n−MOSFET(Q1)はオン状態(図10(c))、p−MOSFET(Q8)はオフ状態、n−MOSFET(Q2〜Q4)はオフ状態(図10(d)〜(f))となり、p−MOSFET(Q7)は線形領域で動作する。これにより、負荷から負側直列回路2B及び正側直列回路2Aを介して直流電源に流れる電流経路が形成され、入力信号vin(図10(a))はp−MOSFET(Q7)によって線形増幅される。
電圧範囲D:
図9(d)に示す動作状態は、入力信号vinが−E/2<vin<−E/4の範囲であるときの動作を示し、負側直列回路2Bが電流経路となる状態を示している。入力信号vinが−E/2<vin<−E/4の範囲にあるときの動作は、電圧範囲Aで示した動作を極性反転させた動作に相当する。p−MOSFET(Q5〜Q7)はオン状態、n−MOSFET(Q1〜Q4)はオフ状態(図10(c)〜(f))となり、p−MOSFET(Q8)は線形領域で動作する。これにより、負荷から負側直列回路2Bを介して直流電源に流れる電流経路が形成され、入力信号vin(図10(a))はp−MOSFET(Q8)によって線形増幅される。
図11,図12は、4直列回路の線形増幅器1Bの別の動作例を示している。図11に示す4直列回路は、図8に示した4直列回路と同様の回路構成において、フライングキャパシタ3(C1,C2,C3)に保持させる電圧を異ならせることによって、図9で示した動作例とは異なる入力信号vinの電圧範囲に対応する線形領域で線形増幅を行わせる。
図9で示した動作例は、入力信号vinを正極側及び負極側においてそれぞれ2つの電圧範囲に分けて線形増幅を行わせる場合であるのに対して、図11,12に示す動作例は、入力信号vinを正極側及び負極側においてそれぞれ3つの電圧範囲に分けて線形増幅を行わせる場合を示している。
この動作例では、フライングキャパシタ3(C1〜C3)に保持させる電圧について、C1の保持電圧を(5E1/3)、C2の保持電圧を電圧(4E1/3),C3の保持電圧を(E1)として、入力信号vinの範囲を3の電圧範囲に分けて線形増幅を行わせる。
図12(a)〜(c)は入力信号vinが正電圧である区間における動作状態を示し、図12(d)は入力信号vin及び線形増幅を行わせる3つの電圧範囲(A〜C)を示している。
以下、入力信号vinが、2E1/3<vin<E1の範囲(以下電圧範囲Aとする)、E1/3<vin<2E1/3の範囲(以下電圧範囲Bとする)、及び0<vin<E1/3の範囲(以下電圧範囲Cとする)の各電圧範囲について示す。
電圧範囲A:
図12(a)に示す動作状態は、入力信号vinが2E1/3<vin<E1の範囲であるときの動作を示し、正側直列回路2Aが電流経路となる状態を示している。入力信号vinが2E1/3<vin<E1の範囲にあるときは、n−MOSFET(Q2〜Q4)はオン状態、p−MOSFET(Q5〜Q8)はオフ状態となり、n−MOSFET(Q1)は線形領域で動作する。これにより、直流電源から正側直列回路2Aを介して負荷に流れる電流経路が形成され、入力信号vinはn−MOSFET(Q1)によって線形増幅される。
電圧範囲B:
図12(b)に示す動作状態は、入力信号vinがE1/3<vin<2E1/3の範囲であるときの動作を示し、正側直列回路2A及び負側直列回路2Bが電流経路となる状態を示している。入力信号vinがE1/3<vin<2E1/3の範囲にあるときは、n−MOSFET(Q3,Q4)はオン状態、p−MOSFET(Q8)はオン状態、n−MOSFET(Q1)はオフ状態、p−MOSFET(Q5〜Q7)はオフ状態となり、n−MOSFET(Q2)は線形領域で動作する。これにより、直流電源から負側直列回路2B及び正側直列回路2Aを介して負荷に流れる電流経路が形成され、入力信号vinはn−MOSFET(Q2)によって線形増幅される。
電圧範囲C:
図12(c)に示す動作例は、入力信号vinが0<vin<E1/3の範囲であるときの動作を示し、正側直列回路2A及び負側直列回路2Bが電流経路となる状態を示している。入力信号vinが0<vin<E1/3の範囲にあるときは、n−MOSFET(Q4)はオン状態、p−MOSFET(Q7,Q8)はオン状態、n−MOSFET(Q1,Q2)はオフ状態、p−MOSFET(Q5,Q6)はオフ状態となり、n−MOSFET(Q3)は線形領域で動作する。これにより、直流電源から負側直列回路2B及び正側直列回路2Aを介して負荷に流れる電流経路が形成され、入力信号vinはn−MOSFET(Q3)によって線形増幅される。
次に、3直列回路の構成例を示す。図13(b)は3直列回路の構成例を示し、図13(a)は図13(b)の3直列回路と比較するために4直列回路の構成例を示している。
図13(b)に示す3直列回路の線形増幅器1Cの構成例は、3個のn−MOSFET(Q1〜Q3)が直列接続された正側直列回路2A、及び3個のp−MOSFET(Q4〜Q6)が直列接続された負側直列回路2Bを備え、n−MOSFET(Q1)のソース端とp−MOSFET(Q6)のソース端との間にフライングキャパシタ3(C1)が接続され、n−MOSFET(Q2)のソース端とp−MOSFET(Q5)のソース端との間にフライングキャパシタ3(C2)が接続され、n−MOSFET(Q1〜Q3)及びp−MOSFET(Q4〜Q6)のゲート端には共通の入力信号vinが入力される。
直流電源の電圧をE1としたとき、フライングキャパシタ3の保持電圧として、例えば、フライングキャパシタ3(C1)の電圧を3E1/4、フライングキャパシタ3(C2)の電圧を2E1/4とすることによって、波高値E1の入力信号vinを、0<vin<E1/2の電圧範囲とE1/2<vin<E1の電圧範囲の2つの電圧範囲において線形増幅させることができる。
なお、図13(a)に示した4直列回路の線形増幅器1Bの構成例において、各直列回路2A,2Bの出力端側に接続されるn−MOSFET(Q4)及びp−MOSFET(Q5)のドレイン・ソース間に印加される電圧は最大でE1/4となる。これに対して、図13(b)に示す3直列回路の線形増幅器1Cの構成例では、各直列回路2A,2Bの出力端側に接続されるn−MOSFET(Q3)及びp−MOSFET(Q4)のドレイン・ソース間に印加される電圧は最大で2E1/4(=E1/2)となるため、3直列回路の線形増幅器1Cの構成例のMOSFETは、4直列回路の線形増幅器1Bの構成例と比較して2倍の耐圧が必要である。
(5直列回路,6直列回路による構成)
次に、一方の極性の直列回路が5つのMOSFETあるいは6つのMOSFETで構成される5直列回路、6直列回路の構成例、及び動作例について図14〜図17を用いて説明する。図14は6直列回路の一構成例を示し、図15,図16は6直列回路の一動作例を示し、図17は5直列回路の構成例を示している。
図14に示す構成例において、線形増幅器1Dは、6個のn−MOSFET(Q1〜Q6)が直列接続された正側直列回路2A、及び6個のp−MOSFET(Q7〜Q12)が直列接続された負側直列回路2Bを備え、n−MOSFET(Q1)のソース端とp−MOSFET(Q12)のソース端との間にフライングキャパシタ3(C1)が接続され、n−MOSFET(Q2)のソース端とp−MOSFET(Q11)のソース端との間にフライングキャパシタ3(C2)が接続され、n−MOSFET(Q3)のソース端とp−MOSFET(Q10)のソース端との間にフライングキャパシタ3(C3)が接続され、n−MOSFET(Q4)のソース端とp−MOSFET(Q9)のソース端との間にフライングキャパシタ3(C4)が接続され、n−MOSFET(Q5)のソース端とp−MOSFET(Q8)のソース端との間にフライングキャパシタ3(C5)が接続され、n−MOSFET(Q1〜Q6)及びp−MOSFET(Q7〜Q12)のゲート端には共通の入力信号vinが入力される。
また、n−MOSFET(Q1)のドレイン端には正側直流電源11Aの正極が接続されて電圧E1が印加され、p−MOSFET(Q12)のドレイン端には負側直流電源11Bの負極が接続されて電圧E2が負方向に印加される。
図15(a)〜(c)は、図14に示す6直列回路の線形増幅器1Dの動作例を示している。この動作例は、入力信号vinを正極側及び負極側でそれぞれ3つの電圧範囲に分け、各電圧範囲に対応する線形領域で線形増幅させる例である。図16はこの動作例での入力信号vin(図16(a))、出力電圧vout(図16(b))、n−MOSFET(Q1〜Q6)のドレイン・ソース間電圧VQ1〜VQ6(図16(c)〜(f))を示している。なお、図15(a)〜(c)は、入力信号Vinが正電圧である範囲を3つの電圧範囲に分けて行う動作例を示し、図16は直流電源の電圧E1,E2の大きさをE/2とし、入力電圧の波高値をE/2とした場合を示している。
以下、図14に示す線形増幅器1Dにおいて、直流電源の電圧を正極側及び負極側をそれぞれE/2とし、フライングキャパシタC1の保持電圧を5E/6、フライングキャパシタC2の保持電圧を4E/6、フライングキャパシタC3の保持電圧を3E/6とし、フライングキャパシタC4の保持電圧を2E/6とし、フライングキャパシタC5の保持電圧をE/6とし、入力信号vinが、E/3<vin<E/2の範囲(以下電圧範囲Aとする)、E/6<vin<E/3の範囲(以下電圧範囲Bとする)、0<vin<E/6の範囲(以下電圧範囲Cとする)の各電圧範囲について示す。
電圧範囲A:
図15(a)に示す動作状態は、入力信号vinがE/3<vin<E/2の範囲であるときの動作を示し、正側直列回路2Aが電流経路となる状態を示している。入力信号vinがE/3<vin<E/2の範囲にあるときは、n−MOSFET(Q2〜Q6)はオン状態(図16(d)〜図16(f))、p−MOSFET(Q7〜Q12)はオフ状態となり、n−MOSFET(Q1)は線形領域で動作する(図16(c))。これにより、直流電源から正側直列回路2Aを介して負荷に流れる電流経路が形成され、入力信号vin(図16(a))はn−MOSFET(Q1)によって線形増幅される(図16(b))。
電圧範囲B:
図15(b)に示す動作状態は、入力信号vinがE/6<vin<E/3の範囲であるときの動作を示し、正側直列回路2A及び負側直列回路2Bが電流経路となる状態を示している。入力信号vinがE/6vin<E/3の範囲にあるときは、n−MOSFET(Q3〜Q6)はオン状態(図16(e),(f))、p−MOSFET(Q12)はオン状態、n−MOSFET(Q1)はオフ状態(図16(c))、p−MOSFET(Q7〜Q12)はオフ状態となり、n−MOSFET(Q2)は線形領域で動作する(図16(d))。これにより、直流電源から負側直列回路2B及び正側直列回路2Aを介して負荷に流れる電流経路が形成され、入力信号vin(図16(a))はn−MOSFET(Q2)によって線形増幅される(図16(b))。
電圧範囲C:
図15(c)に示す動作状態は、入力信号vinが0<vin<E/6の範囲であるときの動作を示し、正側直列回路2A及び負側直列回路2Bが電流経路となる状態を示している。入力信号vinが0<vin<E/6の範囲にあるときは、n−MOSFET(Q4〜Q6)はオン状態(図16(f))、p−MOSFET(Q11,Q12)はオン状態、n−MOSFET(Q1,Q2)はオフ状態(図16(c),(d))、p−MOSFET(Q7〜Q10)はオフ状態となり、n−MOSFET(Q3)は線形領域で動作する(図16(e))。これにより、直流電源から負側直列回路2B及び正側直列回路2Aを介して負荷に流れる電流経路が形成され、入力信号vin(図16(a))はn−MOSFET(Q3)によって線形増幅される(図16(b))。
図15,16に示した6直列回路の動作例では、入力信号vinを一方の極側で3つの電圧範囲に分けて線形増幅を行っているが、電圧範囲の分割数は3に限らず、2、4、及び5の分割数によって線形増幅を行うことができる。
次に、5直列回路の構成例について図17を用いて示す。図17に示す5直列回路の線形増幅器1Eの構成例は、5個のn−MOSFET(Q1〜Q5)が直列接続された正側直列回路2A、及び5個のp−MOSFET(Q6〜Q10)が直列接続された負側直列回路2Bを備え、n−MOSFET(Q1)のソース端とp−MOSFET(Q10)のソース端との間にフライングキャパシタ3(C1)が接続され、n−MOSFET(Q2)のソース端とp−MOSFET(Q9)のソース端との間にフライングキャパシタ3(C2)が接続され、n−MOSFET(Q3)のソース端とp−MOSFET(Q8)のソース端との間にフライングキャパシタ3(C3)が接続され、n−MOSFET(Q4)のソース端とp−MOSFET(Q7)のソース端との間にフライングキャパシタ3(C4)が接続され、n−MOSFET(Q1〜Q5)及びp−MOSFET(Q6〜Q10)のゲート端には共通の入力信号vinが入力される。
直流電源の電圧をE1としたとき、フライングキャパシタ3の保持する電圧として、例えば、フライングキャパシタ3(C1)の電圧を7E1/4、フライングキャパシタ3(C2)の電圧を6E1/4(=3E1/2)、フライングキャパシタ3(C3)の電圧を5E1/4、フライングキャパシタ3(C4)の電圧を4E1/4(=E1)とすることによって、波高値E1の入力信号vinを、0<vin<E1/4の電圧範囲、E1/4<vin<E1/2の電圧範囲、E1/2<vin<3E1/4の電圧範囲、及び3E1/4<vin<E1の電圧範囲の4つの電圧範囲において線形増幅させることができる。
(線形増幅器の他の構成例)
次に、図18を用いて線形増幅器の他の構成例を説明する。線形増幅器1Fは、正極側あるいは負極側の片側にのみをMOSFETの直列回路とし、他方の側はダイオードの直列回路で構成される。図18(a)〜(c)に示す例は、正極側の直列回路をMOSFETで構成し、負極側の直列回路をダイオードで構成する例を示している。図18(d)は交流を出力する電力変換装置の構成例を示している。
図18(a)に示す動作状態において、n−MOSFET(Q2,Q3,Q4)を飽和状態で動作させてオン状態とし、n−MOSFET(Q1)の線形領域で動作させて入力信号vinを線形増幅させる。
図18(b)に示す動作状態において、n−MOSFET(Q1,Q3,Q4)を飽和状態あるいは遮断領域で動作させ、n−MOSFET(Q3,Q4)をオン状態とし、n−MOSFET(Q1)をオフ状態とし、n−MOSFET(Q2)の線形領域で動作させて入力信号vinを線形増幅させる。
図18(c)に示す動作状態において、n−MOSFET(Q1,Q2,Q4)を飽和状態あるいは遮断領域で動作させ、n−MOSFET(Q4)をオン状態とし、n−MOSFET(Q1,Q2)をオフ状態とし、n−MOSFET(Q3)の線形領域で動作させて入力信号vinを線形増幅させる。上記した各動作状態において、負極側のダイオードの直列回路は電流経路の一部を構成する。なお、線形増幅器1Fの構成においてMOSFETとダイオードの関係を反転させた構成とすることで、負極側の入力信号のみを線形増幅する構成とすることができる。
線形増幅器1Fは正極側の入力信号のみを線形増幅する構成であり、出力電圧は正電圧のみとなり、負電圧は出力されない。線形増幅器1Fを用いて正電圧及び負電圧の出力電圧を出力する構成例を図18(d)に示す。
図18(d)に示す電力変換装置10は、線形増幅器1Fにフルブリッジインバータ13を接続して構成される。この電力変換装置10によれば、線形増幅器1Fの出力電圧をフルブリッジインバータ13によって半周期毎に反転させることで、正電圧及び負電圧の出力電圧を出力することができる。
(変換効率)
次に、本発明のフライングキャパシタを用いた線形増幅器(FCLA)と従来提案されているクランプダイオードを用いた線形増幅器(DCLA)との変換効率、及び本発明の線形増幅器における素子直列数と理論変換効率との関係について示す。
出力電圧voutと出力電流ioutを以下の式(1),(2)のような正弦波としたときのn直列の線形増幅器FCLAの理論変換効率ηFCLA、及びn直列の線形増幅器DCLAの理論変換効率ηDCLAは以下の式(3),(4)で表される。なお、“n”は直列数、&“k”は直列回路を構成する複数のMOSFETの序数である。
vout=(E/2)・sinθ …(1)
iout=Imax・sinθ …(2)
…(3)
…(4)
ここで、θkはMOSFETQkのオフ状態と能動状態が切り替わる境の位相であり、θ=sin−1{(n−2k)/n}で表される。また、Eは直流電源電圧値、Imaxは電流の最大値、RonはMOSFETのオン抵抗、RESRはフライングキャパシタの等価直列抵抗、VFはクランプダイオードの順方向電圧である。
上記式は以下の条件で導出している。
(a) 線形増幅器FCLAのフライングキャパシタCkの電圧は(n−k)E/nに保たれ、線形増幅器DCLAの直流電源Ekの各電圧はE/nに保たれている。
(b) 各MOSFETのゲートしきい値は0Vである。
(c) 回路構成の対称性を保つため、直列数nは偶数である。
(d) ゲート回路の損失は十分に小さいものとして無視する。
図19は、式(3),(4)を用いた直列数nに対する理論変換効率の関係を示している。図19のTheory、FCLA,及びDCLAの理論変換効率は理論式に基づく計算値であり、Theory(+印で示す)はRon、RESR,VFに起因する損失を考慮しない理想条件(ideal theory)において、主回路のMOSFETの線形動作でのみ発生する損失を基に算出した値である。
以下の表1は回路パラメータを示している。
ただし、上記した回路パラメータにおいてRonについては素子に100Vが印加された場合に耐圧200V、オン抵抗0.1[Ω]の素子を使用すると仮定し、直列数がnの場合に耐圧が1/nの素子を使用できることからRonは耐圧に正比例させた0.1/n[Ω]としている。表1に示すパラメータ条件では、本発明のフライングキャパシタを用いた線形増幅器FCLAの変換効率はクランプダイオードを用いた線形増幅器DCLAの変換効率を上回っている。
図20は直列数nに対する線形増幅器FCLAと線形増幅器DCLAの理論変換効率の差を示すグラフである。直流電源電圧Eと最大電流Imax以外は表1の回路パラメータを用いている。また、直流電源電圧が200Vの場合は、各MOSFETの耐圧を400Vと仮定して、オン抵抗を0.2/n[Ω]としている。
図20は、最大電流値が小さく、直流電源の電圧値が低いほど線形増幅器DCLAより線形増幅器FCLAの変換効率が高いことを示している。このことは、クランプダイオードの損失は電流に比例するのに対して、フライングキャパシタの損失は電流の2乗に比例することから、電流値が小さい場合には線形増幅器FCLAが変換効率において優位であることを示唆している。
一方、直流電源電圧が大きい場合は各MOSFETのオン抵抗が大きくなるため、クランプダイオードを経由することでオン状態のMOSFETの通過素子数を少なくすることができる線形増幅器DCLAが有利であることが示唆される。したがって、線形増幅器FCLAは小容量の変換において線形増幅器DCLAよりも高い変換効率が得られる。
また、パワーエレクトロニクス機器は、比較的大きな電力を扱うため、変換効率の向上は電力環境に大きく貢献する。
また、比較的小容量(例えば、100kW以下程度)のインバータは、電力ベースで市場の半分以上を占める重要なアプリケーションである需要環境を考慮すると、小容量の変換に好適な本発明の線形増幅器FCLAの利用可能性は非常に高い。
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨に基づいて種々変形することが可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の線形増幅器及び電力変換装置は、例えば、太陽光発電用のパワーコンディショナ、比較的小容量のモータ駆動用インバータなどの電力を変換するパワーエレクトロニクス機器全般に対して適用することができる。
1 線形増幅器
1A〜1F 線形増幅器
2 直列回路
2A 正側直列回路
2B 負側直列回路
3 フライングキャパシタ
4,4A,4B 入力回路
5 絶縁電源
6 ゲート抵抗
7 ツェナーダイオード
8 ゲート駆動回路
9in 入力端
9out 出力端
10 電力変換装置
11 直流電源
11A 正側直流電源
11B 負側直流電源
12 負荷
13 フルブリッジインバータ
101 ダイオードクランプ形線形増幅回路
102 直列回路
103 ダイオードクランプ回路
111 直流電源
112 負荷
C0〜C5,Ck フライングキャパシタ
D2〜D7 ダイオード

Claims (9)

  1. 入力信号を線形増幅して出力端から出力する線形増幅器であり、
    (a)線形増幅器の出力端に対して少なくとも何れか一方の極側において、2個以上のMOSFETを直列接続した直列回路と、
    (b)前記直列回路の各MOSFETのソース端の電位をそれぞれ異なる電位に保持する複数のフライングキャパシタと、
    (c)前記各MOSFETのゲート端に入力信号を入力する入力回路と、
    を備え、
    前記直列回路は、直流電源側の電源入力端と線形増幅器の出力端との間に接続され、
    各MOSFETのソース端に各フライングキャパシタが接続され、
    各MOSFETのゲート端に前記入力回路が接続され、
    各MOSFETは、各フライングキャパシタの電圧が印加されるソース端の電位と入力信号の電圧とにより定まるMOSFETの線形領域において前記入力信号を線形増幅し出力端から出力する、線形増幅器。
  2. 前記各フライングキャパシタの電圧を所定電圧に保持する絶縁電源又は電圧バランス回路を備え、
    前記所定電圧は、直列回路の各MOSFETのソース端に設定される基準電圧を、直列回路において接地電圧から正方向あるいは負方向に向かって電圧を加減する電圧である、請求項1に記載の線形増幅器。
  3. 前記直列回路は、線形増幅器の出力端に対して、正極側に正側直列回路、及び負極側に負側直列回路を備え、
    前記正側直列回路が備えるMOSFETはn−MOSFETであり、
    前記負側直列回路が備えるMOSFETはp−MOSFETであり、
    前記各フライングキャパシタの電圧は、直流電源の電圧以内の設定電圧であり、
    前記各フライングキャパシタは、当該フライングキャパシタが印加するn−MOSFETとp−MOSFETとの間の両ソース端間に接続され、前記MOSFETのソース端間の電圧を前記設定電圧に保持し、
    前記正側直列回路は正電圧を出力し、負側直列回路は負電圧を出力する、請求項1又は2に記載の線形増幅器。
  4. 前記入力回路は、前記複数のMOSFETの各ゲート端を接続する接続回路を備え、全ゲート端に共通のゲート電圧を入力する、請求項1から3の何れか一つに記載の線形増幅器。
  5. 前記入力回路の接続回路は、ゲート端との間に接続される過電流防止のゲート抵抗、及び/又は、ゲート端とソース端との間に接続されるゲート・ソース間の過電圧防止のツェナーダイオードを備える、請求項4に記載の線形増幅器。
  6. 前記入力回路は、前記複数のMOSFETの各ゲート端に個別にゲート駆動回路を接続し、各ゲート端に個別のゲート電圧を入力する請求項1から3の何れか一つに記載の線形増幅器。
  7. 前記直列回路は、線形増幅器の出力端に対して、
    正側直列回路にMOSFET直列回路、負極側にダイオードを直列接続してなるダイオード直列回路を備え、
    又は、
    正側直列回路にダイオードを直列接続してなるダイオード直列回路、負極側にMOSFET直列回路を備え、
    前記正側直列回路が備えるMOSFETはn−MOSFETであり、
    前記負側直列回路が備えるMOSFETはp−MOSFETであり、
    正極側のMOSFET直列回路は正電圧を出力し、負極側のMOSFET直列回路は負電圧を出力する、請求項1又は2に記載の線形増幅器。
  8. 直流電源と、
    請求項1から7の何れか一つに記載の線形増幅器と、
    を備え、
    前記直流電源は、
    前記線形増幅器の正側直列回路の高電圧側と接地電位との間に接続される正側直流電源、及び前記線形増幅器の負側直列回路の低電圧側と接地電位との間に接続される負側直流電源の2つの直流電源、
    又は、
    前記線形増幅器の負側直列回路の低電圧側を接地電位とし、当該接地電位と前記線形増幅器の正側直列回路の高電圧側との間に接続される1つの直流電源
    であり、
    前記線形増幅器の出力端を電力変換装置の出力端として直流電圧を電力変換する、電力変換装置。
  9. 前記線形増幅器の出力端と電力変換装置の出力端との間に接続されたフルブリッジインバータを備え、
    前記フルブリッジインバータは、前記正極側のMOSFET直列回路の出力、又は前記負極側のMOSFET直列回路の出力の何れか一方の出力を反転させて出力する、請求項8に記載の電力変換装置。
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