以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
《情報処理システム1の構成》
まず、図1を参照して、本実施形態の構成を説明する。図1は、本実施形態の情報処理システム1の概略構成図である。
本実施形態の情報処理システム1は、入力される情報に基づき広告としてのPOPデータを作成するシステムであって、POPデータの作成を繰り返すことでユーザの好みを学習し、ユーザの好みに応じたPOPデータを作成できるシステムである。
図1に示すように、情報処理システム1は、サーバ(情報処理装置)4と、ユーザ端末であるスマートフォンやタブレット端末等の携帯端末2a、2bと、PC(personal computer)3a、3bと、印刷装置11と、を備えて構成され、各装置が通信ネットワークNを介して通信接続される。以下、携帯端末2a、2bやPC3a、3bを総称してユーザ端末と記すことがある。なお、携帯端末2a、2b及びPC3a、3bがサーバ4と通信接続するものとしたが、これに限られるものではなく、サーバ4によるサービスの提供を受けるユーザの数に応じて複数のユーザ端末が存在し、それらがサーバ4と通信接続する。また、サーバ4は、ユーザ端末としてPOS(Point Of Sales)端末等と通信接続するものとしても良い。
サーバ4は、販売促進を目的とする広告としてPOPデータを作成し、作成されたPOPデータを管理する。また、サーバ4は、ユーザ端末からの要求に応じて、POPデータを作成するための情報を入力する入力画面5、作成されたPOP候補データ(広告候補)のプレビュー画面6等をユーザ端末に配信する。
携帯端末2a、2b等のユーザ端末は、サーバ4から送信される各種表示情報を受信して表示し、またユーザの操作入力を受け付けてその操作情報をサーバ4へ送信する。
印刷装置11は、電子写真式、インクジェット式等の家庭用又は業務用プリンタであって、入力される印刷指示に応じて、POPデータ等を用紙上にプリントして、広告としてのPOP等を作成する。
通信ネットワークNは、インターネットにより構成されているものとするが、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等を含めても良く、電話回線、専用線、移動体通信網、通信衛星網、CATV(Cable Television)回線等を含めても良い。
また、情報処理システム1は、各種ユーザ端末で利用される他のアプリケーションプログラムを実行可能なように構成されていても良い。当該アプリケーションプログラムとしては、例えば、店舗等の日別・月別の売上集計や分析を行う売上管理業務や、固定資産税や個人事業税等の納税処理を行う会計管理業務や、従業員の給与計算の処理を行う給与管理業務や、店舗等の人員シフトの管理と従業員の勤怠管理の処理を行う就業管理業務や、関連事業者や従業員への通達文書の作成・管理を行う文書管理業務等を行うものが挙げられ、これらが実行可能とされていることで、情報処理システム1が経営支援システムとして機能するものとしても良い。
《サーバ4の構成》
次いで、サーバ4の内部構成を説明する。図2に、サーバ4の内部構成を示す。また、図3〜図5にそれぞれ、レイアウトデータテーブル451、アイキャッチデータテーブル452、学習値データテーブル453の一例を示す。
図2に示すように、サーバ4は、CPU(Central Processing Unit)41と、操作入力部42と、RAM(Random Access Memory)43と、サーバ表示部44と、記憶部45と、通信部46と、計時部47と、を備えて構成され、各部がバス48を介して接続されている。
CPU41は、記憶部45に記憶されているシステムプログラムを読み出し、RAM43のワークエリアに展開し、当該システムプログラムに従って各部を制御する。また、CPU41は、記憶部45に記憶されている処理プログラムを読み出してワークエリアに展開し、後述するPOPデータ作成処理、第1取得処理、第2取得処理、学習処理等のサーバ4側の処理を始めとする各種処理を実行し、作成手段及び学習手段として機能する。
操作入力部42は、カーソルキー、文字、数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードを含む構成とし、ユーザによる各キーの押下入力を受け付けてその操作情報をCPU41に出力する。また、操作入力部42は、マウス等のポインティングデバイスを含み、位置入力を受け付けて操作情報としてCPU41に出力することとしても良い。
RAM43は、揮発性のメモリーである。また、RAM43は、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納するワークエリアを有する。
サーバ表示部44は、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等で構成され、CPU41からの表示制御信号に従って画面表示を行う。
記憶部45は、磁気記録媒体を有するHDD(Hard Disk Drive)等により構成される。記憶部45には、CPU41で実行されるシステムプログラムや処理プログラム、Webサーバプログラム等のアプリケーションプログラム、これらのプログラムの実行に必要なデータ等が記憶されている。処理プログラムには、後述するPOPデータ作成処理、第1取得処理、第2取得処理、学習処理等のサーバ4側の処理を始めとする各種処理を実行するためのプログラムが含まれる。
これらのプログラムは、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶部45に格納されている。CPU41は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
また、記憶部45は、POPデータ作成処理等に用いられる各種データをあらかじめ記憶する。すなわち、記憶部45は、例えば、POPデータのレイアウト、POPデータに含まれるアイキャッチ、書体、フォント色、背景、枠・テクスチャ、イラスト等のPOPデータ構成要素(広告構成要素)を記憶する。また、記憶部45は、ユーザが経営又は所属する店舗又は会社の業種・業態等を含むユーザ情報等を記憶する。
また、記憶部45には、後述する第1取得処理、第2取得処理及び学習処理で使用されるレイアウトデータテーブル451(図3参照)、アイキャッチデータテーブル452(図4参照)、学習値データテーブル453(図5参照)が記憶されている。また、記憶部45には、レイアウト及びアイキャッチ以外のPOPデータ構成要素、すなわち、書体、フォント色、背景、枠・テクスチャ、イラストについても、同様のデータテーブル(図示略)が記憶されている。
レイアウトデータテーブル451は、レイアウト種L1〜L20と、各レイアウト種に応じて項目ごとに設定される指標値とが対応付けて記憶されたテーブルである。当該項目としては、例えば、「縦/横」、「写真サイズ」、「写真数」、「アイキャッチサイズ」、「イラスト数」等が挙げられるが、これらに限られるものではない。なお、「縦/横」の項目においては、そのレイアウト種が縦である場合には「0」、そのレイアウト種が横である場合には「1」の指標値が設定されている。また、「写真サイズ」及び「アイキャッチサイズ」の項目においては、指標値が「1」に近いほど、作成されるPOPデータ全体に対して画像データ及びアイキャッチのサイズが大きいことを示している。
アイキャッチデータテーブル452は、アイキャッチ種i1〜i20と、各アイキャッチ種に応じて項目ごとに設定される指標値とが対応付けて記憶されたテーブルである。当該項目としては、例えば、「縦/横」、「和食向け」、「洋食向け」、「カフェ向け」、「中華向け」等が挙げられるが、これらに限られるものではない。なお、「縦/横」の項目においては、そのアイキャッチ種が縦である場合には「0」、そのアイキャッチ種が横である場合には「1」の指標値が設定されている。また、「和食向け」、「洋食向け」、「カフェ向け」及び「中華向け」の項目においては、それらの項目に対して適している場合には「1」、それらの項目に対して適していない場合には「0」の指標値が設定されている。
学習値データテーブル453は、サーバ4によるサービスの提供を受けるユーザと、ユーザごとに算出され更新されるPOPデータ構成要素に対するユーザの嗜好を示す学習値とが対応付けて記憶されたテーブルである。また、当該学習値は、POPデータ構成要素ごとにあらかじめ設定される項目ごとに算出、更新される。当該項目としては、例えば、レイアウトの項目として「縦/横」、「写真サイズ」、「アイキャッチサイズ」等、アイキャッチの項目として「和食向け」、「洋食向け」、「カフェ向け」、「中華向け」等、書体の項目として「書体A」、「書体B」、「書体C」等が挙げられるが、これらに限られるものではない。このような学習値データテーブル453は、POPデータ作成処理が実行される度に更新される。なお、「縦/横」の項目においては、学習値が「1」に近いほど、ユーザが横のレイアウトを好むことを示している。また、「写真サイズ」及び「アイキャッチサイズ」の項目においては、学習値が「1」に近いほど、ユーザが、作成されるPOPデータ全体に対してサイズの大きい画像データ及びアイキャッチを好むことを示している。
また、記憶部45には、あらかじめ単語ごとに設定された特性値が記憶されている。また、当該特性値は、項目ごとに設定されており、後述する第2取得処理において形態素特性値合計を取得する際に用いられる。項目としては、上記した学習値データテーブル453に含まれる項目の一部と重複し、例えば、「縦/横」、「和食向け」、「洋食向け」、「カフェ向け」、「中華向け」等が挙げられる。なお、「縦/横」の項目においては、その単語が縦配置に適している場合には「0」、その単語が横配置に適している場合には「1」の特性値が設定されている。また、「和食向け」、「洋食向け」、「カフェ向け」及び「中華向け」の項目においては、その単語がそれらの項目に対して適している場合には「1」、それらの項目に対して適していない場合には「0」の特性値が設定されている。また、各単語のうち、名詞、副詞、動詞及び形容詞以外の品詞、並びに記号については、特性値がいずれも「0」に設定されている。例えば、名詞「ゆず」の単語に対しては、「縦/横」の特性値が「1」、「和食向け」の特性値が「1」、「洋食向け」の特性値が「0」、「カフェ向け」の特性値が「1」、「中華向け」の特性値が「0」に設定されている。また、例えば、助詞「の」の単語に対しては、いずれの項目も特性値が「0」に設定されている。
また、記憶部45には、POPデータ作成処理等においてユーザにより入力される各種データが記憶される。すなわち、記憶部45には、例えば、入力画面5で入力される画像データ、過去に作成されたPOPデータの作成履歴等が記憶される。
通信部46は、モデム、TA(Terminal Adapter)、ルータ、ネットワークカード等により構成される。通信部46は、通信ネットワークN上のユーザ端末等の外部機器と通信接続してデータ送受信を行う。
計時部47は、計時回路を内蔵し、現在の時刻及び日付を計時して現在の時刻情報として出力する。
《携帯端末2aの構成》
次いで、携帯端末2aを例にとってユーザ端末の内部構成を説明する。図6に、携帯端末2aの内部構成を示す。
図6に示すように、携帯端末2aは、CPU21と、操作入力部22と、RAM23と、端末表示部24と、記憶部25と、通信部26と、計時部27と、を備えて構成され、各部がバス28を介して接続されている。
なお、携帯端末2b及びPC3a、3bも略同様に構成されている。
CPU21、操作入力部22、RAM23、端末表示部24、記憶部25、通信部26、計時部27は、それぞれ、サーバ4のCPU41、操作入力部42、RAM43、サーバ表示部44、記憶部45、通信部46、計時部47の構成と略同様であり、異なる部分を主として説明する。
CPU21は、記憶部25に記憶されているシステムプログラムを読み出し、RAM23のワークエリアに展開し、当該システムプログラムに従って各部を制御する。また、CPU21は、記憶部25に記憶されている処理プログラムを読み出してワークエリアに展開し、後述するPOPデータ作成処理、第1取得処理、第2取得処理、学習処理等の携帯端末2a側の処理を始めとする各種処理を実行する。
操作入力部22は、押しボタンスイッチや、端末表示部24上に設けられるタッチセンサ等を有して構成され、ユーザの入力操作を受け付けて、操作内容を電気信号に変換してCPU21に出力する。
端末表示部24は、LCD、CRT等で構成され、CPU21からの表示制御信号に従って画面表示を行う。また、端末表示部24の表示画面上には上記タッチセンサが設けられており、タッチパネル方式の操作表示手段として機能する。
記憶部25は、磁気記録媒体を有するHDD等により構成される。記憶部25には、CPU21で実行されるシステムプログラムや処理プログラム、Webブラウザ等のアプリケーションプログラム、これらのプログラムの実行に必要なデータ等が記憶されている。当該処理プログラムには、後述するPOPデータ作成処理、第1取得処理、第2取得処理、学習処理等の携帯端末2a側の処理を始めとする各種処理を実行するためのプログラムが含まれる。
通信部26は、通信ネットワークN上のサーバ4等の外部機器と通信を行う。
《サーバ4の動作》
(POPデータ作成処理)
本実施形態のサーバ4により行われるPOPデータ作成処理について、図7〜図11等を参照して説明する。図7は、POPデータ作成処理の一例を示すフローチャートである。図8は、端末表示部24に表示される情報入力前の入力画面5を示す図である。図9は、端末表示部24に表示される情報入力後の入力画面5を示す図である。図10は、端末表示部24に表示されるプレビュー画面6の一例を示す図である。図11は、作成される25種のPOP候補データの例を示す図である。
サーバ4は、ユーザ端末を介してユーザにより入力されたテキストや画像データに基づき、対象の商品又は役務を紹介するPOPデータを作成するPOPデータ作成処理を行うよう構成されている。
具体的には、図7に示すように、サーバ4のCPU41は、ユーザ端末よりPOPデータ作成用のプログラムの実行が要求されたときに、図8に示す入力画面5を端末表示部24に表示させる(ステップS101)。入力画面5は、POPデータの作成に必要な情報を入力する画面である。当該必要な情報としては、作成するPOPデータにて紹介する対象の商品の名称(商品名)、対象の商品の価格、対象の商品のキャッチコピー及び対象の商品の画像データである。したがって、入力画面5には、それらの各情報を入力するための入力欄として、商品名入力欄51、価格入力欄52、キャッチコピー入力欄53及び画像データ入力欄54が設けられている。例えば、図9に示すように、商品名入力欄51には「ゆず塩ラーメン」、価格入力欄52には「700」、キャッチコピー入力欄53には「ゆずの風味が香るさっぱりしたラーメンです。」、画像データ入力欄54にはラーメンの画像データが入力される。
また、入力画面5には、各入力欄51〜54の他に、紹介する商品をPOPデータに追加する際にユーザにより選択される商品追加ボタン55、情報入力後POPデータを作成する際にユーザにより選択される作成ボタン56、入力画面5の表示を終了する際にユーザにより選択されるキャンセルボタン57、キャッチコピー入力の参考となる情報(例えば、キャッチコピーのサンプルやトレンドワード等)を表示する際にユーザにより選択される参考ボタン58等が設けられている。
入力画面5において、ユーザにより商品追加ボタン55が選択されると、入力画面5に商品名入力欄51、価格入力欄52、キャッチコピー入力欄53及び画像データ入力欄54が各一つずつ追加される。ユーザにより、追加された各入力欄51〜54に情報が入力されることで、CPU41は、二種の商品の紹介が含まれたPOPデータを作成することができる。よって、商品追加ボタン55が複数回選択され、各入力欄51〜54に情報が入力されることで、CPU41は、複数種の商品の紹介が含まれたPOPデータを作成することができる。
なお、入力画面5の各入力欄51〜54には、一つの商品について少なくとも対象商品の商品名及び画像データの少なくとも一方が入力されていれば良いが、入力される情報が多いほど作成されるPOPデータの精度が向上するため、各入力欄51〜54の全てに情報が入力されることが好ましい。
次に、図7に示すように、CPU41は、入力が完了したか否かを判定する(ステップS102)。具体的には、例えば、CPU41は、ユーザにより少なくとも商品名入力欄51に商品名が入力されるか、又は画像データ入力欄54に画像データが入力された上で、作成ボタン56が選択された場合に、入力が完了したと判定する。
入力が完了していないと判定されると(ステップS102;NO)、CPU41は、再びステップS102の処理を行う。入力が完了したと判定されると(ステップS102;YES)、CPU41は、画像データ入力欄54に入力された情報に基づき、POPデータの作成に用いるレイアウトを5種選択し、取得する第1取得処理を行う(ステップS103)。なお、第1取得処理の詳細については後述する。
次に、CPU41は、商品名入力欄51及びキャッチコピー入力欄53に入力された情報に基づき、POPデータの作成に用いる、レイアウト以外のPOPデータ構成要素(アイキャッチ、書体、フォント色、背景、枠・テクスチャ、イラスト)を5種ずつ選択し、取得する第2取得処理を行う(ステップS104)。なお、第2取得処理の詳細については後述する。
次に、CPU41は、取得されたPOPデータ構成要素に基づき25種のPOP候補データを作成する(ステップS105)。すなわち、CPU41は、ステップS104で取得された5種ずつのアイキャッチ、書体、フォント色、背景、枠・テクスチャ、イラストを組み合わせて5種のデザインを作成する。そして、CPU41は、ステップS103で取得された5種のレイアウトと、作成した5種のデザインと、各入力欄51〜54に入力された情報とを組み合わせて25種のPOP候補データを作成する。なお、作成される25種のPOP候補データには、各入力欄51〜54に入力された情報が共通して含まれる。
次に、CPU41は、作成された25種のPOP候補データを端末表示部24に表示させる(ステップS106)。具体的には、CPU41は、図10に示すように、作成された複数種のPOP候補データのうちの一つが表示されたプレビュー画面6を端末表示部24に表示させる。
また、プレビュー画面6において、CPU41は、ユーザによりスワイプ操作が行われることで、ステップS105で作成された25種のPOP候補データのうち他のものを順次表示させる。
例えば、25種のPOP候補データとして、図11に示すPOP候補データa1〜a5、b1〜b5、c1〜c5、d1〜d5、e1〜e5が生成された場合について説明する。図11において横方向に配列されるPOP候補データ同士はレイアウトが共通しており、縦方向に配列されるPOP候補データ同士はデザインが共通している。ユーザにより横方向又は縦方向のスワイプ操作が入力されることにより、端末表示部24に表示されているPOP候補データに対して、図11に示す配列において横方向又は縦方向に隣接して配置されるPOP候補データが順次表示される。また、図11に示す各POP候補データの配列において、横方向及び縦方向のいずれについてもPOP候補データがループ表示されるように構成されている。例えば、POP候補データa1が端末表示部24に表示されている状態において、左方向のスワイプ操作が入力されるとPOP候補データa5が端末表示部24に表示され、上方向のスワイプ操作が入力されるとPOP候補データe1が端末表示部24に表示される。また、図11において左上に配置されるものほど後述する評価値の高いPOPデータ構成要素を含むPOP候補データが配置される。したがって、ステップS106の処理においてまず始めに端末表示部24にされるPOP候補データはPOP候補データa1であることが好ましい。これにより、ユーザは、自分の好みに近いPOP候補データをより短時間で見つけ出すことができる。
次に、図7に示すように、CPU41は、ユーザにより所望のPOP候補データを選択する選択操作が入力されたか否かを判定する(ステップS107)。具体的には、例えば、CPU41は、25種のPOP候補データのうちユーザ所望のPOP候補データが端末表示部24に表示された状態で、ユーザにより選択ボタン61が選択された場合に、当該POP候補データを選択する選択操作が入力されたと判定する。
選択操作が入力されないと判定されると(ステップS107;NO)、CPU41は、ユーザによりプレビュー画面6の表示を終了するキャンセル操作が入力されたか否かを判定する(ステップS108)。具体的には、例えば、CPU41は、ユーザによりキャンセルボタン62が選択された場合に、キャンセル操作が入力されたと判定する。
キャンセル操作が入力されたと判定されると(ステップS108;YES)、CPU41は、プレビュー画面6の表示を終了し、再びステップS101の処理を行う。キャンセル操作が入力されないと判定されると(ステップS108;NO)、CPU41は、再び上記ステップS107の処理を行う。
また、選択操作が入力されたと判定されると(ステップS107;YES)、CPU41は、当該選択操作に基づき、ステップS105で作成された複数種のPOP候補データの中から一つPOP候補データを選択する(ステップS109)。また、このときCPU41は、ステップS106の処理で25種のPOP候補データが端末表示部24に表示されてからステップS109の処理でユーザ所望のPOP候補データが選択されるまでの時間を計時部47によりカウントする。また、CPU41は、25種のPOP候補データが端末表示部24に表示されてからユーザ所望のPOP候補データが選択されるまでの間に、各POP候補データが端末表示部24に表示される表示時間(提示時間)をそれぞれ計時部47によりカウントする。
次に、CPU41は、25種のPOP候補データが端末表示部24に表示されてからユーザ所望のPOP候補データが選択されるまでの時間に基づき、POPデータ構成要素に対するユーザの嗜好を示す学習値を算出する学習処理を行う(ステップS110)。なお、学習処理の詳細については後述する。
以上のようにして、POPデータ作成処理を行う。
上記POPデータ作成処理終了後、CPU41は、作成されたPOP候補データを完成版として記憶部45に記憶させても良いし、ユーザにより所定の操作がなされた場合には、当該POPデータの編集画面(図示略)を端末表示部24に表示させるものとしても良い。これにより、当該POPデータに含まれる各POPデータ構成要素を更にユーザの所望に応じて変更し、変更後の、よりユーザの好みに近いPOPデータを完成版として記憶部45に記憶させることができる。また、CPU41は、当該完成版のPOPデータについてユーザ端末から印刷の実行が要求された場合には、通信部46を介して当該POPデータを印刷装置11に出力し、印刷装置11に印刷させるものとしても良い。
なお、上記ステップS105の処理では、5種のレイアウト及び5種のデザインから25種のPOP候補データを作成するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、POP候補データの作成に用いるレイアウトとデザインの数はいずれであっても良いし、その組み合わせ方もいずれであっても良い。また、例えば、作成されるPOP候補データの数も24種以下であっても良いし、26種以上であっても良い。
(第1取得処理)
次に、本実施形態のサーバ4により行われる第1取得処理について、図12等を参照して説明する。図12は、第1取得処理の一例を示すフローチャートである。
図12に示すように、まず、CPU41は、入力画面5の画像データ入力欄54にユーザにより入力された画像データの数nを取得する(ステップS201)。例えば、入力画面5において画像データ入力欄54に画像データが入力されていない場合には、画像データ数n=0となり、画像データ入力欄54に画像データが入力された場合には、画像データ数n=1となる。また、例えば、商品追加ボタン55が1回選択された上で二つの画像データ入力欄54に画像データがそれぞれ入力された場合には、画像データ数n=2となる。
次に、CPU41は、図3に示すレイアウトデータテーブル451を参照して、レイアウト種L1〜L20のうち、「写真数」がステップS201で取得された画像データ数n以上のレイアウトを抽出する(ステップS202)。例えば、ステップS201で取得された画像データ数n=1である場合には、レイアウト種L1、L2、L3等を抽出する。
次に、図12に示すように、CPU41は、抽出されたレイアウトの数が5以上であるか否かを判定する(ステップS203)。抽出されたレイアウトの数が5以上でないと判定されると(ステップS203;NO)、CPU41は、「写真数」が画像データ数n未満のレイアウトも抽出し(ステップS204)、次のステップS205の処理を行う。したがって、ステップS202で抽出されたレイアウトが5未満である場合には、レイアウト種L1〜L20の全てを抽出することとなる。
一方、抽出されたレイアウトの数が5以上であると判定されると(ステップS203;YES)、CPU41は、抽出されたレイアウトのそれぞれに対して評価値を算出する(ステップS205)。具体的には、例えば、CPU41は、抽出されたレイアウトに応じて項目ごとに設定される指標値(図3参照)、及びユーザごとに対応付けられた学習値(図5参照)に基づき、下記式(1)に従って評価値を算出する。
式(1):評価値=抽出されたレイアウトの「縦/横」の指標値×ユーザのレイアウトにおける「縦/横」の学習値+抽出されたレイアウトの「写真サイズ」の指標値×ユーザの「写真サイズ」の学習値+抽出されたレイアウトの「アイキャッチサイズ」の指標値×ユーザの「アイキャッチサイズ」の学習値
なお、レイアウトに含まれる「写真数」や「イラスト数」等の項目は、図5に示すように、学習値データテーブル453に記憶されていないため、式(1)に含まれていない。
例えば、ステップS202又はS204で抽出されたレイアウトがレイアウト種L1であり、かつユーザのユーザコードが「000001」である場合、レイアウト種L1の評価値は次のとおりである。
レイアウト種L1の評価値=1×0.3+1.0×0.4+0.7×0.5=1.05
また、例えば、ステップS202又はS204で抽出されたレイアウトがレイアウト種L2であり、かつユーザのユーザコードが「000001」である場合、レイアウト種L2の評価値は次のとおりである。
レイアウト種L2の評価値=1×0.3+0.4×0.4+0.6×0.5=0.76
次に、図12に示すように、CPU41は、評価値に基づきレイアウトを記憶部45から取得する(ステップS206)。具体的には、例えば、CPU41は、ステップS202又はS204で抽出されたレイアウト種を、ステップS205でそれぞれ算出された評価値が高い順に順位付けする。そして、CPU41は、当該順位が最高位のレイアウト種2つと、順位が中間位のレイアウト種2つと、順位が最下位のレイアウト種1つと、を記憶部45から取得する。例えば、レイアウト種20個全て抽出された場合には、評価値の順位が1位、2位、10位、11位、20位のレイアウト種を取得する。
以上のようにして、第1取得処理を行う。
なお、上記ステップS205の処理では、「縦/横」、「写真サイズ」及び「アイキャッチサイズ」の項目のみに基づき評価値を算出するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、レイアウトごとに対応付けられた指標値の項目と、ユーザごとに対応付けられた学習値の項目との間で共通するものであれば、いずれの組み合わせであっても良い。
また、上記ステップS206の処理では、最高位のレイアウト種2つと、中間位のレイアウト種2つと、最下位のレイアウト種1つとを取得するものとしたが、これに限られるものではなく、順位の高いレイアウト種が含まれていればいずれの順位のレイアウト種をいずれの数量で取得するものとしても良い。
(第2取得処理)
次に、本実施形態のサーバ4により行われる第2得処理について、図13、図14等を参照して説明する。図13は、第2取得処理の一例を示すフローチャートである。図14は、ユーザにより商品名入力欄51及びキャッチコピー入力欄53に入力された情報に基づき得られる形態素特性値合計の一例を示す図である。
まず、図13に示すように、CPU41は、商品名入力欄51に入力された商品名、及びキャッチコピー入力欄53に入力されたキャッチコピーを形態素解析し、それらのテキストに含まれる形態素を抽出する(ステップS301)。例えば、図9に示すように、商品名入力欄51に「ゆず塩ラーメン」が入力された場合には、CPU41はこれを形態素解析して、「ゆず」、「塩」及び「ラーメン」の形態素を抽出する。また、図9に示すように、キャッチコピー入力欄53に「ゆずの風味が香るさっぱりしたラーメンです。」が入力された場合には、CPU41はこれを形態素解析して、「ゆず」、「の」、「風味」、「が」、「香る」、「さっぱり」、「し」、「た」、「ラーメン」、「です」及び「。」の形態素を抽出する。
なお、商品名入力欄51及びキャッチコピー入力欄53に商品名及びキャッチコピーがいずれも入力されておらず、画像データ入力欄54に対象商品の画像データが入力されている場合には、CPU41は、入力された画像データに対して画像解析を行い、CPU41は、当該画像データが示す商品の名称(単語)を特定するものとしても良い。例えば、図9に示すように、画像データ入力欄54に「ラーメン」の画像データが入力された場合には、CPU41はこれを画像解析して、その画像データが示す商品の名称である「ラーメン」の単語を特定するものとしても良い。
次に、図13に示すように、CPU41は、形態素解析により抽出された形態素から形態素特性値合計を取得する(ステップS302)。具体的には、例えば、CPU41は、商品名入力欄51に入力された「ゆず塩ラーメン」の商品名から抽出された「ゆず」、「塩」及び「ラーメン」、並びにキャッチコピー入力欄53に入力された「ゆずの風味が香るさっぱりしたラーメンです。」のキャッチコピーから抽出された「ゆず」、「の」、「風味」、「が」、「香る」、「さっぱり」、「し」、「た」、「ラーメン」、「です」及び「。」の各形態素について、図14に示すように、あらかじめ単語ごとに設定された特性値を記憶部45から取得する。上記したように、記憶部45には、単語に対応付けてあらかじめ項目ごとに設定された特性値が記憶されている。
CPU41は、各単語に設定された特性値を項目ごとに合計し、項目ごとの形態素特性値合計を得る。「縦/横」の項目については、特性値の合計値を名詞、副詞、動詞及び形容詞の総数で除して、形態素特性値合計を算出する。例えば、「縦/横」の項目の特性値の合計値は「6」であり、名詞、副詞、動詞及び形容詞の総数は「9」であるため、「縦/横」の項目の形態素特性値合計は6÷9=0.667となる。
次に、図13に示すように、CPU41は、アイキャッチ、書体、フォント色、背景、枠・テクスチャ及びイラストのPOPデータ構成要素のうち、未取得のPOPデータ構成要素一つを選択する(ステップS303)。以下、各POPデータ構成要素のうちアイキャッチが選択された場合について説明する。
次に、CPU41は、ステップS302で取得された形態素特性値合計(図14参照)、アイキャッチについて項目ごとに設定される指標値(図4参照)、及びユーザごとに対応付けられた学習値(図5参照)に基づき、下記式(2)に従って評価値を算出する(ステップS304)。ここでは、記憶部45に記憶される全てのアイキャッチ種についてそれぞれ評価値を算出する。
式(2):評価値=アイキャッチの「縦/横」の指標値×「縦/横」の形態素特性値合計+アイキャッチの「和食向け」の指標値×「和食向け」の形態素特性値合計×ユーザの「和食向け」の学習値+アイキャッチの「洋食向け」の指標値×「洋食向け」の形態素特性値合計×ユーザの「洋食向け」の学習値+アイキャッチの「カフェ向け」の指標値×「カフェ向け」の形態素特性値合計×ユーザの「カフェ向け」の学習値+アイキャッチの「中華向け」の指標値×「中華向け」の形態素特性値合計×ユーザの「中華向け」の学習値
例えば、ユーザのユーザコードが「000001」である場合、アイキャッチ種i1の評価値は次のとおりである。
アイキャッチ種i1の評価値=0×0.667+1×6×0.2+1×2×0.9+1×5×0.7+0×2×0.5=6.5
また、例えば、ユーザのユーザコードが「000001」である場合、アイキャッチ種i2の評価値は次のとおりである。
アイキャッチ種i2の評価値=0×0.667+1×6×0.2+0×2×0.9+1×5×0.7+1×2×0.5=5.7
次に、図13に示すように、CPU41は、評価値に基づきアイキャッチを記憶部45から取得する(ステップS305)。具体的には、例えば、CPU41は、アイキャッチ種をステップS304で算出された評価値が高い順に順位付けする。そして、CPU41は、当該順位が最高位のアイキャッチ種2つと、順位が中間位のアイキャッチ種2つと、順位が最下位のアイキャッチ種1つと、を記憶部45から取得する。記憶部45には20種のアイキャッチ種が記憶されているため、評価値の順位が1位、2位、10位、11位、20位のアイキャッチ種を取得する。
次に、CPU41は、アイキャッチ、書体、フォント色、背景、枠・テクスチャ及びイラストのPOPデータ構成要素のうち、未取得のPOPデータ構成要素があるか否かを判定する(ステップS306)。未取得のPOPデータ構成要素があると判定されると(ステップS306;YES)、CPU41は、再びステップS303の処理を行う。一方、未取得のPOPデータ構成要素がないと判定されると(ステップS306;NO)、CPU41は、第2取得処理を終了する。
以上のようにして、第2取得処理を行う。
なお、上記ステップS302では、商品名入力欄51及びキャッチコピー入力欄53に入力された情報に基づいて形態素特性値合計を算出するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、CPU41は、更に記憶部45にユーザ情報として記憶されるユーザの業種・業態や、計時部47により特定される現在の季節・イベント等に基づいて形態素特性値合計を算出するものとしても良い。この場合には、記憶部45には業種・業態や季節・イベントに対応付けてあらかじめ項目ごとに特性値が記憶され、例えば「中華料理店」の業種・業態については「中華向け」の項目の特性値が「1」に設定され、形態素特性値合計の算出に当たり、当該「1」の特性値が加算されるものとしても良い。また、例えば「クリスマス」の季節・イベントについては「洋食向け」の項目の特性値が「1」に設定され、形態素特性値合計の算出に当たり、当該「1」の特性値が加算されるものとしても良い。
また、上記ステップS304の処理では、「縦/横」、「和食向け」、「洋食向け」、「カフェ向け」及び「中華向け」の項目のみに基づき評価値を算出するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、形態素特性値合計の項目と、アイキャッチごとに対応付けられた指標値の項目と、ユーザごとに対応付けられた学習値の項目との間で共通するものであれば、いずれの組み合わせであっても良い。
また、上記ステップS305の処理では、最高位のPOPデータ構成要素2つと、中間位のPOPデータ構成要素2つと、最下位のPOPデータ構成要素1つとを取得するものとしたが、これに限られるものではなく、順位の高いPOPデータ構成要素が含まれていればいずれの順位のPOPデータ構成要素をいずれの数量で取得するものとしても良い。
(学習処理)
次に、本実施形態のサーバ4により行われる学習処理について、図15及び図16を参照して説明する。図15は、学習処理の一例を示すフローチャートである。図16は、3種のPOP候補データにそれぞれ含まれるPOPデータ構成要素を示す図である。
まず、図15に示すように、CPU41は、計時部47によりカウントされた、POPデータ作成処理においてステップS106の処理で25種のPOP候補データが端末表示部24に表示されてからステップS109の処理でユーザ所望のPOP候補データが選択されるまでの時間を取得する(ステップS401)。
次に、CPU41は、ステップS401で取得された時間が10秒未満であるか否かを判定する(ステップS402)。
10秒未満であると判定されると(ステップS402;YES)、CPU41は、後述するステップS410の処理で学習値を算出する際に用いられる係数を「3」に設定する(ステップS403)。これにより、POP候補データが10秒未満という短い時間で選択された場合には、そのPOP候補データが「3」回分選択されたことに相当する重み付けを行う。
10秒未満でない、すなわちステップS401で取得された時間が10秒以上であると判定されると(ステップS402;NO)、CPU41は、ステップS401で取得された時間が20秒未満であるか否かを判定する(ステップS404)。
20秒未満であると判定されると(ステップS404;YES)、CPU41は、後述するステップS410の処理で学習値を算出する際に用いられる係数を「2」に設定する(ステップS405)。これにより、POP候補データが10秒以上20秒未満で選択された場合には、そのPOP候補データが「2」回分選択されたことに相当する重み付けを行う。
20秒未満でない、すなわちステップS401で取得された時間が20秒以上であると判定されると(ステップS404;NO)、CPU41は、後述するステップS410の処理で学習値を算出する際に用いられる係数を「1」に設定する(ステップS406)。これにより、POP候補データが20秒以上という長い時間をかけて選択された場合には、そのPOP候補データが「1」回分選択されたことに相当する重み付けを行う。
ステップS405又はS406の処理の後、CPU41は、25種のPOP候補データのうち端末表示部24に表示される表示時間が所定値以上のPOP候補データがあるか否かを判定する(ステップS407)。
表示時間が所定値以上のPOP候補データがないと判定されると(ステップS407;NO)、CPU41は、後述するステップS408、S409の処理を省略し、ステップS410の処理を行う。
表示時間が所定値以上のPOP候補データがあると判定されると(ステップS407;YES)、CPU41は、それらの中に、ステップS109の処理にて選択されたユーザ所望のPOP候補データと共通するPOPデータ構成要素があるか否かを判定する(ステップS408)。具体的には、図11に示す25種のPOP候補データのうち、ステップS109の処理にて選択されたものがPOP候補データa2であり、表示時間が所定値以上のものがPOP候補データc3、e5の2種である場合、POP候補データa2、c3、e5はそれぞれ例えば図16に示すPOPデータ構成要素を含む。この場合、POP候補データa2、c3、e5はいずれも「書体」として「書体C」を含み、「背景」として「背景5」を含む。したがって、POP候補データc3、e5には、ユーザ所望のPOP候補データa2と共通するPOPデータ構成要素があると判定される。
共通するPOPデータ構成要素がないと判定されると(ステップS408;NO)、CPU41は、後述するステップS409の処理を省略し、ステップS410の処理を行う。
共通するPOPデータ構成要素があると判定されると(ステップS408;YES)、CPU41は、あると判定された共通するPOPデータ構成要素に対して、後述するステップS410の処理で学習値を算出する際に用いられる係数を「3」に設定する(ステップS409)。
ステップS403又はS409の処理の後、CPU41は、POPデータ作成処理のステップS109の処理における選択結果に基づき学習値を算出する(ステップS410)。具体的には、CPU41は、前回のPOPデータ作成時に算出されたユーザごとに対応付けられる項目ごとの学習値(図5参照)と、今回を含めた過去にPOPデータを作成した回数(POP作成回数)と、ステップS109における選択結果と、ステップS403、S405、S406、S409で設定された係数とに基づき下記式(3)に従って学習値を算出する。下記式(3)による学習値の算出は、図5に示す学習値データテーブル453に含まれる各項目についてそれぞれ実行される。
式(3):学習値=(前回までのユーザの学習値×POP作成回数+選択されたPOP候補データに含まれるPOPデータ構成要素の指標値×係数)/(POP作成回数+係数)
例えば、POP作成回数が20回、ステップS109の処理にて選択されたPOP候補データに含まれるアイキャッチがアイキャッチ種i1、ユーザのユーザコードが「000001」、係数が「3」である場合、アイキャッチにおける「和食向け」及び「中華向け」の学習値は次のとおりである。
「和食向け」の学習値=(0.2×20+1×3)/(20+3)=0.304
「中華向け」の学習値=(0.5×20+0×3)/(20+3)=0.435
次に、図15に示すように、CPU41は、学習値データテーブル453に記憶される学習値を、ステップS410で算出された学習値に更新する(ステップS411)。
以上のようにして、学習処理を行う。
なお、上記ステップS402では10秒、上記ステップS404では20秒を基準として判定するものとしたが、これに限られるものではなく、当該基準はいずれの値に設定されているものとしても良い。また、当該基準は、ユーザの入力により変更されるものとしても良い。
また、上記ステップS403、S405、S406では、係数をそれぞれ「3」、「2」、「1」に設定するものとしたが、これに限られるものではなく、係数はいずれの値に設定されていても良い。また、上記ステップS403、S405、S406で設定される係数の値は、ユーザの入力により変更されるものとしても良い。
また、上記ステップS407、S408では、表示時間が所定値以上のPOP候補データがある場合に、それらの中に、選択されたユーザ所望のPOP候補データと共通するPOPデータ構成要素が含まれるか否かを判定するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、端末表示部24に表示される25種のPOP候補データのうち、表示時間が最も長いものから順に所定数のPOP候補データを特定し、それらの中に、選択されたユーザ所望のPOP候補データと共通するPOPデータ構成要素が含まれるか否かを判定するものとしても良い。
また、上記ステップS405、S406の処理にて係数が「2」又は「1」に設定された場合に上記ステップS407〜S409の処理を行うものとしたが、これに限られるものではない。例えば、上記ステップS403の処理にて係数が「3」に設定された場合にも上記ステップS407〜S409の処理を行うものとしても良い。
また、上記ステップS407〜S409の処理を行わないものとしても良い。
また、上記ステップS409では、共通するPOPデータ構成要素に対して係数を「3」に設定するものとしたが、これに限られるものではなく、係数はいずれの値に設定されていても良い。また、上記ステップS409で設定される係数の値は、ユーザの入力により変更されるものとしても良い。
《本実施形態の技術的効果》
本実施形態によれば、サーバ4が、POPデータ構成要素を組み合わせて複数のPOP候補データを作成し、作成される複数のPOP候補データからの、ユーザによる選択結果に基づき、POPデータ構成要素ごとにユーザの嗜好を示す学習値を導出するCPU41を備え、CPU41が、導出された学習値に基づき、POPデータ構成要素を組み合わせるので、繰り返しPOPデータの作成を行うことにより、よりユーザの好みに近いPOPデータを短時間で作成することができる。
また、CPU41が、ユーザにより選択されたPOP候補データに含まれるPOPデータ構成要素について、あらかじめPOPデータ構成要素に応じて項目ごとに設定される指標値に基づき前記学習値を導出するので、より精度の高い学習値を導出することができる。これにより、より確実にユーザの好みに近いPOPデータを作成することができる。
また、CPU41が、ユーザによりPOP候補データが選択される度に学習値を導出し、更新するので、よりユーザの好みに近いPOPデータを作成することができる。
《その他》
なお、上記実施形態における記述は、本発明に係る好適な情報処理装置の一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記した実施形態では、サーバ4は、各種データを記憶部45に記憶し、各種表示画面を端末表示部24に表示させるものとしたが、これに限られるものではない。例えば、サーバ4が、各種データを記憶部45に記憶し、各種表示画面をサーバ表示部44に表示させるように構成されていても良い。また、携帯端末2aが、各種データを記憶部25に記憶し、各種表示画面を端末表示部24に表示するように構成されていても良く、この場合には携帯端末2a自体が情報処理装置として機能する。
また、上記した実施形態では、作成された複数種のPOP候補データをプレビュー画面6において一つずつ順番に表示されるものとしたが、これに限られるものではなく、例えば、作成された複数種のPOPデータが複数ずつ順番に表示されるものとしても良いし、一覧表示されるものとしても良い。
また、上記した実施形態では、入力画面5に商品に関する情報を入力し、当該商品を紹介するPOPデータを作成するものとしたが、これに限られるものではなく、例えば、入力画面5に役務に関する情報を入力し、当該役務を紹介するPOPデータを作成するものとしても良い。
また、上記した実施形態では、POPデータ構成要素の項目ごとに学習値が導出されるものとしたが、これに限られるものではない。すなわち、POPデータ構成要素ごとに学習値が導出されるものとしても良い。例えば、レイアウト種L1、L2、・・・、L20、アイキャッチ種i1、i2、・・・、i20に対してそれぞれ学習値が導出され、書体、フォント色、背景、枠・テクスチャ及びイラストの各POPデータ構成要素に対しても同様に学習値が導出されるものとしても良い。
また、上記した実施形態では、POP候補データが選択されるまでの時間に基づき学習値を導出するものとしたが、これに限られるものではなく、ユーザによるPOP候補データの選択結果に基づき学習値を導出するものであれば、いずれの条件で学習値を導出しても良い。例えば、POP候補データが選択されるまでの時間に関わらず、上記式(3)における係数を所定値に設定し、学習値を導出するものとしても良い。
また、上記した実施形態では、上記式(3)に従って学習値を導出するものとしたが、これに限られるものではなく、ユーザによるPOP候補データの選択結果に基づき学習値を導出するものであれば、いずれの条件で学習値を導出しても良い。例えば、ユーザにより選択されたPOP候補データに含まれるPOPデータ構成要素に対してポイントを付与し、過去に付与されたポイントの合計値を学習値として導出しても良い。
また、上記した実施形態では、CPU41が、ユーザにより入力される対象の商品の名称等に基づきPOPデータ構成要素を取得し、取得されるPOPデータ構成要素をユーザにより入力される対象の商品の名称等と組み合わせて複数のPOP候補データを作成するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、CPU41が、ユーザにより選択されたPOPデータ構成要素を取得し、取得されるPOPデータ構成要素をユーザにより入力される対象の商品の名称等と組み合わせて複数のPOP候補データを作成するものとしても良い。
また、上記した実施形態では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリー等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も適用される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
広告構成要素を組み合わせて複数の広告候補を作成する作成手段と、
前記作成手段により作成される前記複数の広告候補からのユーザによる選択結果に基づき、前記広告構成要素ごとにユーザの嗜好を示す学習値を導出する学習手段と、を備え、
前記作成手段は、前記学習手段により導出された前記学習値に基づき、前記広告構成要素を組み合わせることを特徴とする情報処理装置。
<請求項2>
前記学習手段は、ユーザにより選択された広告候補に含まれる前記広告構成要素について、あらかじめ前記広告構成要素に応じて項目ごとに設定される指標値に基づき前記学習値を導出することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
<請求項3>
前記学習手段は、ユーザにより広告候補が選択される度に前記学習値を導出し、更新することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
<請求項4>
コンピュータを、
広告構成要素を組み合わせて複数の広告候補を作成する作成手段、
前記作成手段により作成される前記複数の広告候補からのユーザによる選択結果に基づき、前記広告構成要素ごとにユーザの嗜好を示す学習値を導出する学習手段、
として機能させるためのプログラムであって、
前記作成手段は、前記学習手段により導出された前記学習値に基づき、前記広告構成要素を組み合わせることを特徴とするプログラム。