JP2018151611A - 打楽器および打楽器ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】打楽器の奏法のバリエーションを増加させることができる打楽器および打楽器ユニットを提供すること。【解決手段】打面エッジ30a1が、フープ8の上端よりも上方に位置するので、打面30aよりも外周側にフープ8を配設した場合であっても、打面エッジ30a1への打撃に対してフープ8が干渉することを抑制できる。即ち、打面エッジ30a1への単独の打撃、又は、打面30aおよび打面エッジ30a1への同時打撃による演奏が打面エッジ30a1の全周にわたって可能となると共に、打面エッジ30a1とフープ8とを同時に打撃する演奏も可能となる。よって、打楽器1の奏法のバリエーションを増加させることができる。【選択図】図1
Description
本発明は、打楽器および打楽器ユニットに関し、特に、打楽器の奏法のバリエーションを増加させることができる打楽器および打楽器ユニットに関する。
打楽器(例えば、アコースティックドラムや電子ドラム)に被打撃部材を装着し、楽音生成のバリエーションを増加させる技術が知られている。例えば、特許文献1には、被打撃部を備えるアタッチメント(被打撃部材)がテンションボルトによってリムと共締めされる打楽器が開示される。この打楽器によれば、ヘッドやリムへの打撃によって生成される楽音に加え、アタッチメントの被打撃部への打撃によっても楽音が生成されるので、打楽器の楽音生成のバリエーションを増加させることができる。
しかしながら、上述した従来の技術では、被打撃部材(アタッチメント)への打撃を容易にするために、リムの上端よりも上方に被打撃部材が配設される。よって、被打撃部材が配設される領域では、リムへの打撃が困難になるので、打楽器の奏法に制約が生じるという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、打楽器の奏法のバリエーションを増加させることができる打楽器および打楽器ユニットを提供することを目的としている。
この目的を達成するために本発明の打楽器は、胴部と、その胴部に固定されると共に上面が打面として構成されるヘッドと、前記打面の外縁よりも外周側に配設される被打撃部材と、を備えるものであり、前記打面の外縁側における被打撃部として構成される打面エッジの上端が、前記被打撃部材の上端と同じ高さか、若しくは、前記被打撃部材の上端よりも上方に位置する。
請求項1記載の打楽器および請求項7記載の打楽器ユニットによれば、打面の外縁側における被打撃部として構成される打面エッジの上端が、被打撃部材の上端と同じ高さか、若しくは、被打撃部材の上端よりも上方に位置するので、打面の外周側に被打撃部材を配設した場合であっても、打面エッジへの打撃に対して被打撃部材が干渉することを抑制できる。即ち、打面エッジへの単独の打撃、又は、打面および打面エッジへの同時打撃による演奏が打面エッジの全周にわたって可能となると共に、打面エッジと被打撃部材とを同時に打撃する演奏も可能となる。よって、打楽器の奏法のバリエーションを増加させることができるという効果がある。
請求項2記載の打楽器によれば、請求項1記載の打楽器の奏する効果に加え、ヘッドへの打撃を検出するための第1センサと、打面エッジへの打撃を検出するための第2センサと、被打撃部材への打撃を検出するための第3センサと、を備えるので、それらの各センサによって、ヘッド、打面エッジ及び被打撃部材へのそれぞれに対する打撃を検出することができる。よって、例えば、ヘッド、打面エッジ、及び、被打撃部材がそれぞれ単独で打撃された場合と、同時に打撃された場合とで異なる楽音を生成することにより、楽音生成のバリエーションを増加させることができるという効果がある。
請求項3記載の打楽器によれば、請求項1又は2に記載の打楽器の奏する効果に加え、被打撃部材は、打面の外周側の全域にわたって延設されるので、打面の外周側の全域にわたって被打撃部材への打撃が可能となる。よって、様々な方向(角度)から被打撃部材への打撃が可能となるので、打楽器の奏法のバリエーションをより増加させることができるという効果がある。
請求項4記載の打楽器によれば、請求項1から3のいずれかに記載の打楽器の奏する効果に加え、次の効果を奏する。胴部および被打撃部材を連結する連結部材を備えるので、被打撃部材への打撃による振動の一部が連結部材および胴部を介して打面側に伝達される。また、打面または打面エッジへの打撃による振動の一部は、胴部および連結部材を介して被打撃部材側へ伝達される。
この場合、被打撃部材と連結部材とが部分的に接続されるので、連結部材を介した被打撃部材から胴部側(胴部から被打撃部材側)への振動伝達経路を減少させることができる。よって、例えば、被打撃部材への打撃によって打面が振動して発音することや、打面または打面エッジへの打撃によって被打撃部材が振動して発音することを抑制できるという効果がある。
請求項5記載の打楽器によれば、請求項1から4のいずれかに記載の打楽器の奏する効果に加え、ヘッドを胴部に固定するためのリムを備え、リムの上端が、打面と同じ高さか、若しくは、打面よりも下方に位置するので、例えば、スティック(バチ)によって打面を打撃する際に、打面の中央側と打面エッジとを同時に打撃する(打面に沿ってスティックを当てる)ことができる。よって、打楽器によって太鼓を模擬した奏法が可能となるという効果がある。
請求項6記載の打楽器によれば、請求項5記載の打楽器の奏する効果に加え、次の効果を奏する。胴部および被打撃部材を連結する連結部材と、胴部の外周側の面に複数配設されると共にリムがボルトによって固定される固定部とを備え、連結部材は、複数の固定部のうちの少なくとも3以上の固定部において、ボルトによってリムと共締めされる。よって、胴部にリムを固定する機能と、胴部に被打撃部材を固定するための機能とを固定部に兼用させることができると共に、被打撃部材を胴部に安定して固定することができるという効果がある。
請求項7記載の打楽器ユニットによれば、胴部における打面とは反対側の背面どうしを対向させる姿勢で一対の打楽器が連結されるので、打楽器の対向方向外側の両面に一対のヘッドが配置される。よって、軸方向両側に打面を有する打楽器(例えば、両面の和太鼓)を打楽器ユニットによって模擬することができるという効果がある。
請求項8記載の打楽器ユニットによれば、請求項7記載の打楽器ユニットの奏する効果に加え、一対の打楽器は、胴部および被打撃部材を連結する連結部材を備え、胴部の上面視において、胴部、被打撃部材および連結部材によって取り囲まれる空間が形成されるので、例えば、一対の打楽器の被打撃部材どうしに紐を掛け渡して装飾を施すことができる。よって、打楽器ユニットの意匠性を向上させることができるという効果がある。
請求項9記載の打楽器ユニットによれば、請求項7又は8に記載の打楽器ユニットの奏する効果に加え、次の効果を奏する。一対の打楽器は、打面への打撃を検出するための第1センサと、打面エッジへの打撃を検出するための第2センサと、被打撃部材への打撃を検出するための第3センサと、をそれぞれ備える。よって、打楽器ユニットによって太鼓を模擬する電子打楽器を構成することができるという効果がある。更に、一対の打楽器のそれぞれにおいて、打面、打面エッジ、及び、被打撃部材がそれぞれ単独で打撃された場合と、同時に打撃された場合とで異なる楽音を生成することにより、楽音生成のバリエーションをより増加させることができるという効果がある。
以下、本考案の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、第1実施の形態の打楽器1について説明する。
図1は、本発明の第1実施の形態における打楽器1の斜視図である。図2は、図1のII−II線における打楽器1の断面図である。なお、図2では、図面を簡素化するために、打楽器1の一部が省略して図示される。また、以下の説明において、胴部2(打楽器1)の軸O周りの方向を周方向、軸Oと直角な方向を径方向と定義し、胴部2(打楽器1)の軸O方向一側を上側、軸O方向他側を下側と定義する。
図1及び図2に示すように、打楽器1は、ドラムや太鼓(例えば、桶胴太鼓や締太鼓等の和太鼓)を模擬した電子打楽器である。演奏者がバチ(スティック)(図示せず)を用いて打面30a、打面エッジ30a1及びフープ8を打撃した場合に、その打撃による振動が後述する第1センサS1(図2参照)、第2センサS2及び第3センサS3によって検出される。かかる検出結果が音源(図示せず)に出力され、その検出結果に基づいた楽音信号が音源により生成される。その楽音信号がアンプやスピーカ(共に図示せず)に出力されることにより、楽音信号に基づく電子楽音がスピーカから放音される。
打楽器1は、胴部2と、その胴部2の開口を覆うヘッド3と、そのヘッド3の外縁を胴部2に固定するためのリム4と、そのリム4がボルトB1によって固定される固定部5と、胴部2の内周側に配設されるフレーム6と、そのフレーム6に配設される第1センサS1及び第2センサS2と、胴部2の外周面に取り付けられる連結部材7と、その連結部材7に固定されるフープ8と、そのフープ8及び連結部材7の間に介設される第3センサS3と、を備える。
胴部2は、その上下の両端(図2の上下方向における両端)が開口する円筒状に金属材料(又は、木材や樹脂材料)から形成され、上側(図2の上側)の開口がヘッド3によって覆われる。
ヘッド3は、打面エッジ30a1を有する膜部材30と、その膜部材30の外縁が接着される円環状の枠部31とを備える。膜部材30は、合成繊維を編み上げたメッシュ状素材や合成樹脂から円板状に形成され、その上面が打面30aとして形成される。打面エッジ30a1は、打面30aの外縁側のエッジ部分を構成する部位である。枠部31は、金属材料(又は、樹脂材料)から形成され、この枠部31の上面とリム4の下面とが当接される。
リム4は、ヘッド3(膜部材30)に張力を付与するための円環状の部材であり、その内径が胴部2の外径よりも大きく、且つ、枠部31の外径よりも小さい寸法に設定される。リム4には、その上下に貫通する貫通孔40が形成され、貫通孔40は、固定部5の被締結部50と対応する位置に複数(本実施の形態では、8個)形成される。
固定部5は、ヘッド3及びリム4を胴部2に固定するための部位であり、胴部2の外周面の周方向に沿って等間隔に複数(本実施の形態では、8個)形成される。固定部5の上面には、下方に向けて凹設される被締結部50が形成され、この被締結部50の内周面にめねじ(図示せず)が形成される。リム4の貫通孔40に上方から挿入されるボルトB1が被締結部50に螺合されることにより、ヘッド3及びリム4が胴部2に固定される。
この場合、リム4及びボルトB1の上端(図2の上側の端部)が、打面エッジ30a1よりも下方(図2の下側)に位置するので、例えば、バチによって打面30aを打撃する際に、打面30aの中央側と打面エッジ30a1とを同時に打撃することができる。即ち、打面30aに沿ってバチを当てるように演奏することにより、太鼓の演奏を模擬した奏法を行うことができる。
フレーム6は、胴部2の内周側で第1センサS1及び第2センサS2や制御装置(図示せず)等の各種部材を支持するための椀状の部材であり、合成樹脂から形成される。フレーム6は、ヘッド3と所定距離を隔てて対向配置される底部60と、その底部60の外縁から立設される側壁部61と、底部60からヘッド3側へ立設される複数の中央突起部62とを備える。
側壁部61の上端部分は、径方向外側へ向けて張り出すと共に、下方に向けて湾曲して形成され、かかる湾曲部分が胴部2の上端に係合されることで胴部2の開口にフレーム6が支持される。即ち、フレーム6は、その外縁側が胴部2とヘッド3とによって挟持される。
中央突起部62は、胴部2の周方向に沿って複数(本実施の形態では、3個)形成され、それら複数の中央突起部62の上端にプレートPがボルトB2によって固定される。プレートPの上面および下面には、それぞれ第1センサS1及び第2センサS2が両面テープ9によって接着される。
第1センサS1は、打面30aへの打撃を検出するための圧電素子であり、胴部2の径方向略中央部分に配設される。第1センサS1と膜部材30との間には、クッション部材Cが介設され、このクッション部材Cは、スポンジやゴム、熱可塑性エラストマ等の弾性材料から形成される円錐台形状の緩衝材である。第2センサS2は、打面エッジ30a1への打撃を検出するための圧電素子である。
連結部材7は、フープ8を胴部2に連結するための部材であり、径方向で対向する姿勢で胴部2の外周面に一対配設される。連結部材7は、胴部2の外周面に固定されると共に胴部2の径方向外側に向けて突設される一対の突設部70と、それら一対の突設部70の突設先端どうしを接続する接続部71と、その接続部71の上下の両面から立設されると共に上下方向に軸を向ける円筒状に形成される立設部72a,72bと、を備え、金属材料(又は、木材や樹脂材料)から形成される。
一対の突設部70は、胴部2の外周面における軸O方向略中央部分から径方向外側に向けて上昇傾斜する平板状にそれぞれ形成されると共に、その板厚方向を周方向に向ける姿勢でそれぞれ配設される。接続部71は、平板状に形成されると共にその板厚方向を軸O方向に向ける姿勢で配設される。一対の立設部72a,72bは、周方向に沿って所定間隔を隔ててそれぞれ配設されると共に内周面にめねじ(図示せず)がそれぞれ形成され、それら一対の立設部72a,72bの上端にフープ8が支持される。
フープ8は、周方向に沿った円環状に金属材料(又は、木材や樹脂材料)から形成され、軸Oを含む平面で切断した断面形状が円筒状(中空)に形成される。フープ8には、立設部72a,72bに対応した位置に複数(本実施の形態では、4個)の貫通孔(図示せず)が形成され、この貫通孔は、上下に貫通する貫通孔として形成される。
フープ8の貫通孔に上方からボルトB3が挿入され、そのボルトB3が立設部72a,72bのめねじに螺合されることにより、フープ8が立設部72a,72bに固定される。よって、立設部72a,72bの立設高さの分、フープ8と接続部71との間には空間が形成され、かかる空間(立設部72a及び立設部72bの対向間)に第3センサS3が配設される。第3センサS3は、フープ8への打撃を検出するための圧電素子であり、一対の連結部材7のうちの一方の連結部材7とフープ8との間に配設され、フープ8の下端に両面テープ(図示せず)によって接着される(連結部材7と第3センサS3とが非接触とされる)。
これにより、フープ8がバチによって打撃されると、その打撃による振動が第3センサS3によって検出される。よって、打面30aおよび打面エッジ30a1への打撃に加え、フープ8への打撃によっても楽音を生成することができる。従って、例えば、フープ8が打撃された際に太鼓のフチが打撃された場合の打撃音を生成することにより、太鼓を模擬した演奏が可能となる。即ち、円環状のフープ8によって太鼓のフチを模擬すると共に、フープ8への打撃によって太鼓の演奏を模擬することができる。
ここで、フープ8への打撃による振動は、連結部材7、胴部2及びフレーム6を介して第1センサS1及び第2センサS2側に伝達されるので、フープ8への打撃による振動が第1センサS1及び第2センサS2に誤検出される恐れがある。また、打面30aや打面エッジ30a1への打撃による振動も同様に、第3センサS3によって誤検出される恐れがある。
これに対して、本実施の形態の打楽器1によれば、第3センサS3が連結部材7(接続部71)とフープ8との対向間に配設されるので、第3センサS3をフープ8に近接する位置に(接触させて)配設することができる。よって、フープ8への打撃による振動が連結部材7、胴部2及びフレーム6を介して第1センサS1及び第2センサS2に伝達される前に、かかる打撃による振動が第3センサS3によって検出されやすくなる。更に、フープ8への打撃によって第1センサS1及び第2センサS2で検出される振動よりも、第3センサS3で検出される振動の方が大きくなる。これにより、フープ8への打撃による振動が第1センサS1及び第2センサS2によって誤検出されることを抑制し、かかる振動を第3センサS3によって確実に検出させることができる。よって、フープ8への打撃に対する楽音の生成を精度良く行うことができる。
更に、第3センサS3が連結部材7(接続部71)とフープ8との対向間に配設されることで、第3センサS3が直接打撃されることや、第3センサS3に演奏者が直接触れることを抑制できる。よって、第3センサS3の耐久性を向上させることができる。
また、第3センサS3がフープ8のみに接着される(連結部材7と第3センサS3とが非接触とされる)ことにより、打面30aおよび打面エッジ30a1への打撃に対する振動が連結部材7を介して第3センサS3に検出されることを抑制できる。よって、打面30aおよび打面エッジ30a1への打撃に対する楽音の生成を精度良く行うことができる。
また、周方向においてフープ8と連結部材7とが4箇所の立設部72a,72b(2個の連結部材7)に支持される(フープ8と連結部材7とが部分的に接続される)ので、フープ8への打撃による振動を4箇所の立設部72a,72b(一対の連結部材7)のみを介して胴部2に伝達させることができる。よって、例えば、フープ8がその全周にわたって胴部2と接続される場合に比べ、フープ8と胴部2との間に形成される振動伝達経路を減少させることができる。
この場合、第1センサS1及び第2センサS2が支持されるフレーム6は、胴部2の上端に接続されるのに対し、連結部材7(突設部70)は、胴部2の外周面における軸O方向略中央部分(即ち、胴部2の上端よりも下方)に固定される。即ち、フレーム6と連結部材7とを胴部2に接続する場合に、それらフレーム6と連結部材7とを軸O方向で離間させることにより、連結部材7及び胴部2を介したフープ8からフレーム6への振動伝達経路(距離)を長くすることができる。
このように、フープ8と胴部2との間に形成される振動伝達経路を減少させることや、フープ8からフレーム6への振動伝達経路(距離)を長くすることにより、フープ8への打撃による振動がフレーム6側に伝達して第1センサS1及び第2センサS2によって誤検出されることや、打面30a又は打面エッジ30a1への打撃による振動がフープ8側に伝達して第3センサS3によって誤検出されることを抑制できる。よって、打面30a、打面エッジ30a1及びフープ8への打撃に対する楽音の生成を精度良く行うことができる。
また、打面エッジ30a1がフープ8(リム4)の上端(図2の上側の端部)よりも上方(図2の上側)に位置して配設されるので、例えば、バチによって打面エッジ30a1が打撃される際に、そのバチにフープ8が干渉することを抑制できる。
よって、打面エッジ30a1への単独の打撃、又は、打面30a及び打面エッジ30a1への同時打撃による演奏が胴部2の周方向全周にわたって可能となると共に、打面エッジ30a1とフープ8とを同時に打撃する演奏も可能となる。また、フープ8が胴部2の周方向全周(打面30aの外周側の全域)にわたって延設されるので、打面エッジ30a1とフープ8との同時打撃を胴部2の全周にわたって行うことができる。よって、様々な方向(角度)から打面30a、打面エッジ30a1及びフープ8を打撃することができるので、打楽器1の奏法(打撃される各部材への打撃方法)のバリエーションを増加させることができる。
更に、それら打面30a、打面エッジ30a1及びフープ8への打撃は、第1センサS1、第2センサS2及び第3センサS3によってそれぞれ検出されるので、楽音の生成のバリエーションを増加させることができる。即ち、打面30a、打面エッジ30a1及びフープ8がそれぞれ単独で打撃された場合と、打面30aの中央側と打面エッジ30a1とが同時に打撃された場合と、打面エッジ30a1とフープ8とが同時に打撃された場合とでそれぞれ異なる楽音を生成する(音源によって楽音信号を生成する)ことにより、多種多様な演奏を行うことができる。
また、フープ8は、その下端側から連結部材7によって支持されるので、フープ8の上端側を周方向の全域にわたって(ボルトB3を除く部位を)露出させることができる。よって、胴部2の上側からフープ8の全域を直接打撃することができる。また、フープ8が一対の連結部材7によって支持されるので、例えば、フープ8が複数(例えば、3個以上)の連結部材7によって支持される場合に比べ、フープ8が露出される領域を増加させることができる。これにより、連結部材7がフープ8への打撃の障害となることを抑制でき、フープ8を様々な角度(例えば、軸O方向や径方向)から打撃することができる。よって、打楽器1の奏法のバリエーションが増加する。
このように、打楽器1の奏法のバリエーションが増加することにより、フープ8は、胴部2の上方からの打撃だけではなく、様々な角度から打撃されることが想定される。この場合に、例えば、フープの断面形状が多角形(例えば、四角形)であると、フープのエッジ(角)が打撃された場合と、面が打撃された場合とでフープとバチとの接触面積に相違が生じるので、演奏時の打撃感にばらつきが生じる恐れがある。
これに対して、本実施の形態の打楽器1によれば、フープ8が円環状に形成されると共に、その断面が円形(円筒状)に形成されることにより、バチによるフープ8への打撃の角度に変化が生じても、バチとフープ8との接触面積にばらつきが生じることを抑制できる。即ち、バチとフープ8とを常に点で接触させやすくすることができるので、演奏時の打撃感を均一化することができる。
ここで、打楽器1の奏法のバリエーションを増加させるために、フープ8を胴部2の周方向に沿って断続的に複数形成することも可能である。しかしながら、フープ8を複数形成すると、フープ8への打撃を1個の第3センサS3で検出することが困難となり、それら断続するフープ8ごとに第3センサS3を設けると、打楽器の製品コストが嵩む。
また、円環状の一部が分断されるフープ8の場合には、かかる分断箇所で振動伝達経路が遮断される。よって、打撃位置から第3センサS3への振動伝達経路がフープ8の周方向における一方の方向(又は他方の方向)のみになるので、フープ8への打撃による振動が第3センサS3で検出され難くなる。
これに対して、本実施の形態の打楽器1によれば、フープ8が胴部2の周方向全周にわたって(円環状に)延設されるので、フープ8の周方向全周にわたって振動伝達経路が形成される。よって、1個の第3センサS3でフープ8の振動を検出することができるので、打楽器1の製品コストを低減できる。更に、フープ8が胴部2の周方向全周にわたって形成されることにより、フープ8が打撃されると、その打撃位置L(図1参照)から第3センサS3への振動伝達経路は、フープ8の周方向における両方向(矢印L1,L2の方向)に形成される。よって、フープ8への打撃による振動が第3センサS3で検出されやすくなるので、フープ8への打撃に対する楽音の生成を精度良く行うことができる。
次いで、図3及び図4を参照して、第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、フープ8が連結部材7を介して胴部2の外周面に連結される場合を説明したが、第2実施の形態では、フープ208を保持する連結部材207がボルトB1によってリム4と共締めされる場合について説明する。なお、上述した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図3は、第2実施の形態における打楽器201の斜視図である。図4は、図3のIV−IV線における打楽器201の断面図である。なお、図3では、図面を簡素化するために、打楽器201の一部が省略して図示される。
図3及び図4に示すように、打楽器201の連結部材207は、打面エッジ30a1の上面を被覆するカバーとして形成されるカバー部273と、そのカバー部273の外縁に接続されると共にボルトB1によってリム4と共締めされる平板状の被固定部274と、その被固定部274に形成される貫通孔275と、被固定部274の径方向(図4の左右方向)外側に接続されると共にフープ208を保持するための円筒状の保持部276と、を備え、硬質な弾性材料(例えば、硬質ゴムや硬質エラストマ)から形成される。
カバー部273は、打面エッジ30a1と、フレーム6の外縁側と、リム4の内周側(ボルトB1の頭部よりも内周側)の部位とを上方から被覆する円環状に形成される。このカバー部273によって打面エッジ30a1が被覆されるので、打面エッジ30a1が打撃されても、膜部材30、フレーム6の外縁側および胴部2の上端が損傷することを抑制できる。
また、打面エッジ30a1を被覆するためのカバー部273を連結部材207の一部として構成する(即ち、打面エッジ30a1を被覆するための被覆部材と、連結部材207とを一体に形成する)ことにより、部品点数が低減すると共に、カバー部273(被覆部材)の取り付けの作業性が向上する。
被固定部274は、一対の平板状の第1被固定部274a及び第2被固定部274bが上下に重ね合わされ(図4(b)参照)、第1被固定部274a及び第2被固定部274bのうちの一方(本実施の形態では、図4(b)の下側)の第2被固定部274bのみがカバー部273の外縁に接続される。なお、他方(図4(b)の上側)の第1被固定部274aのみをカバー部273の外縁に接続させる構成でも良い。
被固定部274は、周方向等間隔に複数(本実施の形態では、8個)形成され、それら複数の被固定部274のうちの1の被固定部274(第2被固定部274b)の下面に第3センサS3が接着される。貫通孔275は、第1被固定部274a及び第2被固定部274bの上下に貫通する貫通孔であり、リム4の貫通孔40に対応した位置に形成される。
保持部276は、周方向に軸を向ける円筒状に形成され、その円筒の一部が分断される態様で(断面視においてC字状に)形成される。かかる保持部276の分断部分に第1被固定部274a及び第2被固定部274bの径方向外側の端部がそれぞれ接続される。よって、被固定部274がボルトB1によって固定されていない状態では、第1被固定部274a及び第2被固定部274bの対向間からフープ8を保持部276に挿入することができる。
保持部276の内径は、フープ208の外径(軸Oを含む平面で切断した断面における外径)と略同一に設定され、この保持部276の内周に保持されるフープ208は、中実に形成される(中空ではない点)以外は第1実施の形態のフープ8と同一の構成とされる。
被固定部274に形成される貫通孔275と、リム4の貫通孔40とにボルトB1が挿入され、そのボルトB1が固定部5の被締結部50のめねじに螺合されることで、固定部5において連結部材207がボルトB1によってリム4と共締めされる。これにより、胴部2にリム4を固定する機能と、胴部2にフープ208を固定するための機能とを固定部5に兼用させることができる。
また、複数(8個)の被固定部274がボルトB1によってリム4と共締めされるので、連結部材207を介してフープ208を胴部2に安定して固定することができる。更に、周方向においてフープ208が8箇所で保持部276によって保持される(フープ8と連結部材207とが部分的に接続される)ので、フープ8への打撃による振動を8箇所の保持部276(被固定部274)のみを介してリム4(胴部2側)に伝達させることができる。よって、例えば、フープ208が全周にわたって胴部2に接続される場合に比べ、フープ208から胴部2への振動伝達経路を減少させ、フープ208への打撃による振動がフレーム6に伝達することを抑制できる。
ここで、連結部材207がリム4に接続されることにより、フープ208への打撃による振動がリム4を介してフレーム6に伝達する恐れがある。これに対して、本実施の形態では、連結部材207がボルトB1によってリム4と共締めされるので、連結部材207に伝達される振動の一部がボルトB1を介して固定部5側に伝達される。よって、連結部材207がリム4のみに接続される場合に比べ、フープ208への打撃による振動がフレーム6側に伝達することを抑制できる。
また、連結部材207が弾性材料から形成されるので、フープ208から連結部材207に伝達される振動を連結部材207によって減衰させることができる。よって、フープ208への打撃による振動がフレーム6側に伝達することを抑制できる。
このように、フープ208からの振動がフレーム6側に伝達されることを抑制することで、かかる振動が第1センサS1及び第2センサS2によって誤検出されることを抑制できる。また、打面30a及び打面エッジ30a1からの振動がフープ208側に伝達することも抑制できるので、かかる振動が第3センサS3によって誤検出されることを抑制できる。よって、打面30a、打面エッジ30a1及びフープ208への打撃に対する楽音の生成を精度良く行うことができる。
また、連結部材207が弾性材料から形成されると共に、フープ208が金属材料から形成されることにより、連結部材207の剛性よりもフープ208の剛性が高く形成される。これにより、フープ208への打撃による振動は、フープ208から連結部材207に伝達されるよりも、フープ208の周方向に沿って(フープ208自体に)伝達されやすくなる。
更に、フープ208が金属材料から中実に形成されることにより、フープ208への打撃による振動がフープ208の周方向に沿ってより伝達されやすくなる。
このように、フープ208の周方向に沿って振動を伝達させやすく構成することにより、第3センサS3が配設される連結部材207から離れた位置(例えば、径方向で対向する位置)が打撃された場合であっても、かかる打撃による振動をフープ208によって第3センサS3が配設される位置まで伝達させやすくすることができる。よって、フープ208への打撃に対する楽音生成を精度良く行うことができる。
また、被固定部274が弾性材料から形成されると共に、その板厚方向を軸O方向に向ける平板状に形成されるので、フープ208が上方から打撃された場合に、被固定部274が湾曲しやすくなる。これにより、フープ208自体に伝達される振動だけではなく、フープ208が全体として揺動する振動を第3センサS3に検出させることができる。よって、フープ208への打撃に対する楽音生成を精度良く行うことができる。
次いで、図5及び図6を参照して、第3実施の形態について説明する。第1実施の形態では、打楽器1が単独で使用される場合について説明したが、第3実施の形態では、一対の打楽器301a,301bが連結棒101によって連結され、打面を軸O方向両面に有する打楽器ユニット100として構成される場合について説明する。なお、上述した第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図5は、第3実施の形態における打楽器ユニット100の分解斜視図である。図6(a)は、打楽器ユニット100の斜視図であり、図6(b)は、連結棒101をスタンドにした状態を示す打楽器ユニット100の斜視図である。
図5及び図6に示すように、打楽器ユニット100は、ヘッド3が形成される側とは反対側の胴部2の背面どうしを対向させる姿勢で一対の打楽器301a,301bが連結される。一対の打楽器301a,301bは、連結棒101を挟持するための複数(本実施の形態では、3個)の挟持部材310をそれぞれ備えると共に、それぞれ同一の構成の打楽器として構成される。
挟持部材310は、連結棒101の外径に対応した形状の溝を有する挿通部311と、その挿通部311の溝に挿通される連結棒101を拘束するための拘束部312と、その拘束部312を操作するための操作部313とを備え、胴部2における連結部材7よりも下側(一対の打楽器301a,301bの対向方向内側)に配設される。
挿通部311及び拘束部312は、それぞれ胴部2の内周面に配設され、挿通部311に形成される溝は、軸O方向に沿って延設される。操作部313は、胴部2の外周面に配設されると共に拘束部312を操作するためのハンドルとして構成される。即ち、挟持部材310は、ハンドルとして構成される操作部313を一側(又は他側)に回転させることで、拘束部312によって連結棒101が拘束される(又はその拘束状態が解除される)ものであり、公知の構成が採用可能であるのでその詳細な説明を省略する。
連結棒101は、円筒状の棒として軸O方向に沿った直線状に形成されると共に一対の打楽器301a,301bのそれぞれの挿通部311に挿通される。挿通部311に連結棒101が挿通された状態で操作部313を操作することで連結棒101が挿通部311及び拘束部312によって挟持される。これにより、一対の打楽器301a,301bが3本の連結棒101を介して連結され、それら一対の打楽器301a,301bの対向方向外側の両面に一対のヘッド3(打面30a)が配置される。よって、軸方向両側に打面を有する打楽器(例えば、両面の和太鼓)を打楽器ユニット100によって模擬することができる(図6(a)参照)。
この場合、一対の打楽器301a,301bのそれぞれに第1センサS1、第2センサS2(図2参照)及び第3センサS3が配設されるので、打面30a、打面エッジ30a1及びフープ8がそれぞれ単独で打撃された場合と、打面30aの中央側と打面エッジ30a1とが同時に打撃された場合と、打面エッジ30a1とフープ8とが同時に打撃された場合とにおいて、打楽器301a及び打楽器301bでそれぞれ異なる楽音を生成することにより、1の打楽器301aのみで演奏を行う場合に比べ、より多種多様な演奏を行うことができる。
また、リム4の上端が打面エッジ30a1よりも下方(一対の打楽器301a及び打楽器301bの対向方向内側)に位置するので(図2参照)、バチによって打面30aを打撃する際に、打面30aの中央側と打面エッジ30a1とを同時に打撃することができる。即ち、打面30aに沿ってバチを当てるように演奏することにより、打楽器ユニット100によって太鼓を模擬した演奏を行うことができる。
また、軸O方向視において、リム4とフープ8との間には、リム4及びフープ8によって取り囲まれる空間Rが形成されるので、例えば、一対の打楽器301a,301bのフープ8どうしに紐を掛け渡して装飾を施すことができる。よって、より太鼓に近い外観(例えば、桶胴太鼓や締太鼓を模擬した外観)とすることができるので、打楽器ユニット100の意匠性を向上させることができる。
また、そのフープ8どうしに掛け渡される紐、連結棒101、又は、フープ8に紐やストラップを接続することにより、打楽器ユニット100を担いで演奏することができるので、より太鼓を模擬した演奏が可能となる。よって、打楽器301a,301bのフープ8に、太鼓を模擬させる(太鼓を模擬した演奏を可能とする)ための機能と、打楽器ユニット100の意匠性を向上させる機能とを兼用させることができる。
ここで、一対の打楽器301a,301bが連結されることにより、一対の打楽器301a,301bのうちの一方の打楽器301aへの打撃による振動が他方の打楽器301bに伝達する恐れがある。この場合、打楽器301a及び打楽器301bの胴部2どうしを直接接続すると、打楽器301aから打楽器301bに振動が伝達されやすくなるので、打楽器301aに対する打撃を打楽器301bの第1センサS1、第2センサS2又は第3センサS3が誤検出する恐れがある。
これに対して、本実施の形態の打楽器ユニット100によれば、打楽器301a,301bどうしが棒状の連結棒101によって連結されるので、打楽器301aへの打撃による振動を3本の連結棒101のみを介して伝達させることができる。即ち、打楽器301a,301bの胴部2どうしを直接接続する場合に比べ、打楽器301aから打楽器301bへの振動伝達経路を減少させることができる。よって、一方の打楽器301a(打楽器301b)から他方の打楽器301b(301a)への振動の伝達を抑制できる。
また、連結棒101が棒状に形成されることにより、胴部2よりも連結棒101の剛性が低く形成されるので、連結棒101を伝達する振動を、連結棒101自体によって減衰させやすくすることができる。よって、打楽器301a,301bの胴部2どうしを直接接続する場合に比べ、打楽器301aから打楽器301bに振動が伝達され難くなる。更に、連結棒101が円筒状(中空)に形成されることで、かかる振動の減衰の効果が高まるので、一方の打楽器301a(打楽器301b)から他方の打楽器301b(301a)への振動の伝達を抑制できる。
このように、打撃による打楽器301a(打楽器301b)から打楽器301b(打楽器301a)側への振動の伝達を抑制することで、打楽器301a(打楽器301b)への打撃による振動が打楽器301b(打楽器301a)の第1センサS1、第2センサS2又は第3センサS3に検出されることを抑制できる。よって、一対の打楽器301a,301bへの打撃に対する楽音の生成を精度良く行うことができる。
また、連結棒101が挟持部材310に着脱自在に構成されるので、一方の打楽器301b(打楽器301a)を打楽器ユニット100から取り外すことにより、連結棒101をスタンドとして利用して打楽器301a(打楽器301b)を演奏することもできる(図6(b)参照)。よって、一対の打楽器301a,301bを連結するための機能と、打楽器301a,301bのスタンドとしての機能とを連結棒101に兼用させることができる。
更に、一対の打楽器301a,301bから連結棒101を取り外すことにより、打楽器ユニット100をコンパクトにして収納を容易にすることや、持ち運びを容易にすることができる。また、連結棒101を異なる長さのものに取り換えることにより、軸O方向において打楽器ユニット100を様々なサイズに変更することができる。
次いで、図7から図9を参照して、第4実施の形態について説明する。第1実施の形態では、フープ8が連結部材7を介して胴部2の外周面に連結される場合を説明したが、第4実施の形態のフープ208は、連結部材407及び被連結板413を介してリム4に連結される。なお、上述した各実施の形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図7は、第4実施の形態における打楽器ユニット400の斜視図である。図8(a)は、図7のVIIIa−VIIIa線における打楽器401aの部分拡大断面図であり、図8(b)は、被連結板413の上面図である。なお、図7では、紐102の掛け渡し形態が模式的に図示されると共に、弾性シート414の外形線の図示が省略される(図9(b)及び図9(c)参照)。また、図8では、連結部材407が断面視せずに図示される。
図7に示すように、打楽器ユニット400は、ヘッド3が形成される側とは反対側の胴部2の背面どうしを対向させる姿勢で一対の打楽器401a,401bが連結され、これら一対の打楽器401a,401bのフープ208どうしに紐102が掛け渡される。
なお、図7に示す紐102の掛け渡しの形態は、一例であり、他の形態を採用しても良い。他の形態としては、例えば、桶胴太鼓や締太鼓等の和太鼓で採用される公知の形態が例示される。上述した打楽器ユニット100においても同様である。
打楽器401a,401bは、それぞれ同一の構成の打楽器として構成される。よって、以下の説明では、打楽器401aについて説明し、打楽器401bの説明を省略する。
図7及び図8に示すように、第4実施の形態では、被連結板413がボルトB1によりリム4と共締めされ、その被連結板413とフープ208とが連結部材407により連結される。これにより、フープ208が胴部2と同心となる位置に保持される。また、これに伴い、後述する被覆部材4273も胴部2と同心となる位置においてヘッド3の上面に保持される。
なお、フープ208の外周は、弾性材料(ゴム材料や熱可塑性エラストマ)から形成される弾性シート414により被覆される。かかる弾性シート414の構成については、後述する。
被連結板413は、リム4の上面(図8(a)上側の面)にボルトB1により共締めされる基部413aと、その基部413aの一側(図8(a)右側)からフープ208側へ向けて延設される延設部413bとを備え、金属材料からなる板状体を屈曲して形成される。
基部413aの厚み寸法は、ボルトB1の上端(図8の上側の端部)が、打面エッジ30a1よりも下方(打面30aと反対側、即ち、一対の打楽器401a,401bの対向方向内側)に後退して位置する寸法に設定される。延設部413bは、基部413aから離間するに従って下方(打面30aと反対側、即ち、一対の打楽器401a,401bの対向方向内側)へ向けて傾斜して形成される。
基部413aには、ボルトB1を挿通するための上面視円形の貫通孔413a1が、延設部413bには、連結部材407のバンド部407aを挿通するための上面視長穴形状の連結孔413b1が、それぞれ貫通形成される。なお、連結孔413b1は、連結部材407のロック部407bが通過不能な大きさに形成される。
連結部材407は、長尺帯状のバンド部407aとそのバンド部407aが抜き取り不能に挿通されるロック部407bとが柔軟性を有する樹脂材料から一体に形成された公知の結束バンドとして構成される。即ち、バンド部407aには、その長手方向に沿って複数の係合部が連続して(即ち、断面鋸刃状に)形成され、ロック部407bには、バンド部407aが挿通される挿通孔の内面に被係合部が形成される。被係合部は、バンド部407aが挿通孔に挿通された場合に、挿通方向への移動に対しては係合部と係合せず、バンド部407aの移動を許容する一方、挿通方向と反対方向(抜き取り方向)への移動に対しては係合部と係合して、バンド部407aの移動を規制する。
よって、連結部材407のバンド部407aをフープ208に架け渡し、バンド部407aの長手方向一端(ロック部407bと反対側の端部)を、後述する被覆部材4273の連結孔4273b2と被連結板413の連結孔413b1とに順に挿通した後、ロック部407bの挿通孔に挿通し、フープ208と被連結板413(連結孔413b1)との間でバンド部407aを展張する。
その結果、バンド部407aがロック部407bから抜き取り不能となり、フープ208と被連結板413とが連結部材407により連結される。このように、簡易な作業により連結できるので、打楽器401aの組み立て作業性を向上できる。
また、フープ208が弾性材料から形成される連結部材407により保持されるので、上述した第2実施の形態の場合と同様に、フープ208から連結部材407に伝達される振動を連結部材407によって減衰させることができる。よって、フープ208への打撃による振動がフレーム6側に伝達することを抑制できる。
この場合、被連結板413の延設部413bが傾斜され、連結孔413b1が打面30aと反対側に後退して位置されるので、その分、フープ208及び連結部材407の上面(図8の上側の面)を、打面エッジ30a1よりも下方(打面30aと反対側、即ち、一対の打楽器401a,401bの対向方向内側)に位置させることができる。よって、打面30aの中央側と打面エッジ30a1とを同時に打撃することができる。
フープ208には、他方の打楽器401bのフープ208との間で、紐102が周方向の複数か所(本実施の形態では10か所)で架け渡されており、かかる紐102の張力が、フープ208を打面30aと反対側(一対の打楽器401a,401bの対向方向内側)へ向けて付勢する力として作用される。これにより、フープ208aの位置を安定させることができる。
本実施の形態では、ロック部407bが被連結板413の下面側(一対の打楽器401a,401bの対向方向内側)に位置し、且つ、ロック部407bの挿通孔が被連結板413の連結孔413b1に対向する姿勢で、連結部材407が配設される。
これにより、バンド部407aの長手方向一端側およびロック部407bが打撃の邪魔になることを抑制できる。また、バンド部407aの長手方向一端側およびロック部407bを後述する被覆部材4273の張出部4273bにより被覆して外部から視認し難くできるので、外観の向上を図ることができる。更に、ロック部407bを被連結板413の下面に密着させ、バンド部407aの取り回し方向を案内できるので、バンド部407aの過度な屈曲による損傷や、被連結板413の連結孔413b1の内縁との接触部分でのバンド部407aの摩耗や破断を抑制できる。
被覆部材4273は、打面エッジ30a1の上面を被覆するカバーとして形成されるカバー部4273aと、そのカバー部4273aの外縁から径方向外方へ張り出され被連結板413に連結部材407によって連結される張出部4273bとを備え、これらが硬質な弾性材料(例えば、硬質ゴムや硬質エラストマ)から一体に形成される。
カバー部4273aは、打面エッジ30a1とフレーム6の外縁側とを上方から被覆する上面視円環状に形成される。このカバー部4273aによって打面エッジ30a1が被覆されるので、打面エッジ30a1が打撃されても、膜部材30、フレーム6の外縁側および胴部2の上端が損傷することを抑制できる。
張出部4273bは、周方向等間隔となる複数箇所(本実施の形態では8箇所)に形成され、上面視においてリム4の貫通孔40と重なる位置に配設可能とされる。各張出部4273bのそれぞれには、上面視円形の開口4273b1と、上面視長穴形状の連結孔4273b2とが厚み方向に貫通形成される。
開口4273b1は、ボルトB1に対応する位置に開口され、内径がボルトB1の頭部よりも大きな寸法に設定される。よって、被覆部材4273を取り外さなくても、開口4273b1を介して挿通した工具をボルトB1の頭部に係合させて、ボルトB1の締結力(ヘッド3の張力)を調整できる。
連結孔4273b2は、被連結板413の連結孔413b1に対応する位置に、その連結孔413b1と同一の大きさの開口として形成される。連結孔4273b2には、連結部材407のバンド部407aが挿通され、これにより、被覆部材4273が被連結板413に連結される。その結果、打面エッジ30a1の上面を被覆する位置にカバー部4273aが保持される。
このように、フープ208と被連結板413とを連結する連結部材407を利用して、被覆部材4273を保持できるので、かかる被覆部材4273を保持するための手段を別途設けることを不要とできる。即ち、フープ208を被連結板413(胴部2)に固定する機能と、被覆部材4273を所定位置に保持する機能とを連結部材407に兼用させることができる。よって、その分、製品コストを削減できる。
なお、張出部4273bをボルトB1によってリム4と共締めすることで、被覆部材4273を保持する構造も考えられるが、この場合には、樹脂材料からなる被覆部材4273が潰れて、ボルトB1の軸力を確保できない虞がある。これに対し、本実施の形態によれば、金属材料からなる被連結板413のみをリム4と共締めすれば良いので、ボルトB1の軸力を確保できる。
また、連結部材407のバンド部407aと被連結板413との間に張出部4273bが介在されるので、バンド部407aの過度な屈曲による損傷や、被連結板413の連結孔413b1の内縁との接触部分でのバンド部407aの摩耗や破断を抑制できる。
図9(a)は、図7のIXa−IXa線における打楽器401aの部分拡大断面図であり、図9(b)は、図9(a)の矢印IXb方向視における打楽器401aの側面図であり、図9(c)は、図9(b)の矢印IXc方向視における打楽器401aの上面図である。
図9に示すように、フープ208には、取付金具420がボルトB4により共締めされており、この取付金具420に第3センサS3が両面テープにより接着される。なお、第3センサS3の配設個数は、1個とされる。また、ボルトB4は、金属材料から形成される。
取付金具420は、フープ208とボルトB4により共締めされる基部420aと、その基部420aの一側(図9(a)下側)から胴部2へ向けて延設される延設部420bとを備え、金属材料からなる板状体を屈曲して形成される。
基部420aは、正面視横長の矩形状に形成され、その長手方向(図9(c)左右方向)の2か所にボルトB4を挿通するための貫通孔(図示せず)が貫通形成される。延設部420bは、第3センサS3が接着される部位であり、基部420aと反対側の外縁が第3センサS3と同心の円弧状に湾曲して形成される。
フープ208には、胴部2と対向する側(図9(a)右側)の面の2か所にねじ穴(内周面にめねじが刻設された穴、図示せず)が形成され、これら各ねじ穴にボルトB4が締結されることで、取付金具420がフープ208と共締めされる。
なお、取付金具420は、延設部420b(第3センサS3の接着面)が胴部2の軸O(図7参照)と直交する(打面30aと平行となる)姿勢で配設される。また、フープ208と取付金具420(基部420a)との間には、弾性シート414が挟み込まれる。
このように、フープ208にねじ穴が形成され、そのねじ穴に締結されたボルトB4により取付金具420がフープ208と共締めされるので、フープ208と取付金具420との間に弾性シート414が挟み込まれている場合でも、フープ208から第3センサS3までの振動伝達経路を金属材料(フープ208、ボルトB4及び取付金具420)で形成できる。これにより、フープ208の打撃による振動のうちの高周波成分を検出しやすくできる。
フープ208の外周には、上述したように、弾性シート414が被覆される。これにより、弾性シート414が緩衝材となることで、フープ208が打撃された際のフープ208自体から生じる打音を低減させることができる。また、弾性シート414によりフープ208自体の振動を減衰させやすくできるので、フープ208が連続的に打撃された際の1打撃ずつの振動を第3センサS3により検出させやすくできる。その結果、フープ208への打撃に対する楽音の生成を精度良く行うことができる。
なお、フープ208には、上述したように、周方向の複数か所に連結部材407が連結されると共に紐102が架け渡されるところ、これら連結部材407や紐102が連結または掛け渡されることも、フープ208自体の振動を減衰させる効果に寄与する。
ここで、弾性シート414は、長尺帯状に形成され、フープ208の外周に螺旋状に巻き付けられることで、フープ208の外周を被覆する。即ち、弾性シート414を弾性的に伸張させながらフープ208の外周に巻き付けることができるので、弾性シート414をフープ208の外周に密着させることができる。また、巻き付けられた弾性シート414は、自身の弾性回復力によりフープ208との密着状態を維持できる。よって、弾性シート414による緩衝材としての機能(打音の低減や振動の減衰)を確実に発揮させることができる。
弾性シート414の始端および終端は、フープ208と取付金具420(基部420a)との間に挟み込まれる。これにより、弾性シート414の始端および終端を視認し難くして、外観の向上を図ることができるだけでなく、接着材や両面テープの接着力に頼ることなく、弾性シート414の始端および終端を確実に固定できる。
なお、本実施の形態では、弾性シート414の始端および終端に貫通孔が貫通形成され、その貫通孔にボルトB4が挿通された状態で、フープ208と取付金具420(基部420a)との間に挟み込まれる。これにより、弾性シート414の始端および終端がフープ208と取付金具420(基部420a)との間から抜け出ることをより確実に抑制できる。
以上、上記実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施の形態では、リム4の上端が打面エッジ30a1よりも下方に位置する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、リム4の上端が打面エッジ30a1よりも上方に位置する構成(打楽器1がアコースティックドラムを模擬する構成)でも良い。この場合には、フープ8,208の上端を、リム4の上端と同じ高さか、若しくは、リム4の上端よりも下方に位置させれば良い。
即ち、上記各実施の形態では、打面30aの外縁部分が請求項1の「打面エッジ」として構成される場合を説明したが、リム4の上端が打面エッジ30a1よりも上方に位置する構成の場合には、かかるリム4が請求項1の「打面エッジ」に相当する。よって、リム4が「打面エッジ」に相当する場合には、フープ8,208の上端が、リム4の上端と同じ高さか、若しくは、リム4の上端よりも下方に位置する構成とすることにより、「打面エッジ(リム4)」への打撃に対してフープ8,208が干渉することを抑制できる。
上記各実施の形態では、打楽器の一例として円筒状の胴部2にヘッド3がリム4によって展張される構成を例示したが、必ずしもこれに限られるものではない。少なくとも打面を有するヘッドを備える打楽器であれば、上記各実施の形態の技術思想を適用することができる。よって、例えば、上面視における胴部(ヘッドの打面)の形状が多角形状のものや、直線および曲線を組み合わせたものから構成されても良いし、その胴部に弾性材料(例えば、ゴム材料)から成るヘッドが固定される(ヘッドがリムに展張されない)構成でも良い。
上記各実施の形態では、フープ8,208が金属材料から構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、フープ8,208を硬質の弾性材料(例えば、硬質ゴムや硬質エラストマ)から構成しても良い。また、上記第1から第3実施の形態において、フープ8,208の外周に弾性材料から形成される緩衝材(例えば、ゴム材料)を被覆する構成としても良い。これにより、フープ8,208への打撃によってフープ8,208自体から生じる打音を低減させることができる。緩衝材としては、第4実施の形態における弾性シート414が例示される。
また、緩衝材をフープ8,208の外周に被覆する場合、第4実施の形態における取付金具420を採用することが好ましい。但し、第3センサS3をフープ8,208へ直接接着しても良い。この場合には、例えば、フープ8,208の一部を露出させ(緩衝材を一部非形成とし)、その露出部分に第3センサS3を接着する構成や、フープ8,208の外周面と緩衝材との間に第3センサS3を配設する構成とすれば良い。これによっても、フープ8,208への打撃によって生じる打音を低減させつつ、フープ8,208への打撃による振動を第3センサS3によって精度良く検出することができる。
上記各実施の形態では、フープ8,208への打撃による振動(第3センサS3による検出結果)に基づいて楽音が生成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、フープ8,208が打撃されたことを第3センサS3が検出することでソングの再生および停止を行うコントローラとして使用しても良い。また、第3センサS3を省略してフープ8,208が打撃されることで打音が発生する打楽器(アコースティックの打楽器)として使用してもよい。
この場合においても、フープ8,208が周方向に沿った円環状に形成されると共に、その断面が円形に形成されることが好ましい。これにより、例えば、バチによるフープ8,208への打撃の角度に変化が生じても、バチとフープ8,208との接触面積にばらつきが生じることを抑制できる。よって、フープ8,208への打撃感を均一化できると共に、打撃によってフープ8,208自体から生じる打音を均一化することができる(例えば、フープ8,208の断面が四角形であると、バチがフープ8,208の角に当接した場合と、面に当接した場合とで打音に変化が生じる)。
上記各実施の形態では、第3センサS3の配設個数が1個である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第3センサS3の配設個数を複数(2個以上)としても良い。これにより、フープ8,208への打撃位置によらず、その打撃による振動の検出感度を均一化できる。この場合、複数の第3センサS3は、フープ8,208の周方向等間隔に分散して配置されることが好ましい。
上記第1実施の形態および第3実施の形態では、フープ8の貫通孔に上方からボルトB3が挿入され、そのボルトB3が立設部72a,72bのめねじに螺合されることにより、フープ8が立設部72a,72bに固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、フープ8の下端から上方に向けて凹設されるめねじを形成し、立設部72a,72bの下方から挿通されるボルトB3をフープ8のめねじに螺合させる構成でも良い。これにより、フープ8の上端側を全周にわたって露出させることができる(フープ8への打撃時にボルトB3が干渉することを抑制できる)。
上記第1実施の形態および第3実施の形態では、第3センサS3が連結部材7(接続部71)とフープ8との間に配設され、フープ8の下端のみに両面テープによって接着される(連結部材7と第3センサS3とが非接触とされる)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3センサS3を連結部材7(接続部71)の下面に接着する構成、第3センサS3を連結部材7(例えば、接続部71の上面)のみに接着する構成、又は、第3センサS3を連結部材7(接続部71)及びフープ8の双方に接着する構成でも良い。
この場合には、第3センサS3を連結部材7(接続部71)及びフープ8の双方に接着することが好ましい。これにより、フープ8が打撃された場合に、フープ8から直接伝達される振動と、フープ8から連結部材7に伝達される振動との双方を第3センサS3によって検出させることができるので、フープ8への打撃による振動を第3センサS3によってより確実に検出させることができる。
上記第1実施の形態および第3実施の形態では、一対の立設部72a,72bが金属材料から形成され(連結部材7の一部として構成され)、立設部72a,72bにフープ8が直接固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一対の立設部72a,72bのうちの接続部71の上面側に形成される立設部72a,72bを、連結部材7とは別体に構成し、弾性部材(ゴム状弾性体)から形成しても良い。
また、立設部72a,72bとフープ8との間に弾性部材(ゴム状弾性体)を介設させる構成でも良く、連結部材7(突設部70)と胴部2との間に弾性部材(ゴム状弾性体)を介設させる構成でも良い。
このように、フープ8から胴部2への振動伝達経路を分断する態様で弾性部材を配設することにより、フープ8(打面30a又は打面エッジ30a1)への打撃による振動が胴部2(フープ8)側に伝達されることを抑制できる。よって、フープ8(打面30a又は打面エッジ30a1)への打撃による振動が第1センサS1及び第2センサS2(第3センサS3)に誤検出されることを抑制できる。
上記第2実施の形態では、カバー部273を連結部材207の一部として構成する(即ち、打面エッジ30a1を被覆するための被覆部材と、連結部材207とを一体に形成する)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、打面エッジ30a1を被覆するための被覆部材(カバー部273)を連結部材207と別体に構成しても良い。この場合には、リム4の貫通孔40に対応する位置に形成される貫通孔を被覆部材に設け、被覆部材をリム4(連結部材207)と共締めすれば良い。
また、被覆部材(カバー部273)を連結部材207と別体に構成し、被覆部材および連結部材207をそれぞれ異なる材料(例えば、硬質の弾性材料や金属材料)から形成しても良い。この場合、例えば、被覆部材を硬質の弾性材料から形成し、連結部材207を金属材料から形成する場合には、弾性部材(ゴム状弾性体)を介してフープ208を保持部276に保持させる(保持部276の内周面またはフープ208の外周面に弾性部材を被覆させる)構成でも良い。
上記第2実施の形態では、連結部材207(被固定部274の第2被固定部274b)の下面に第3センサS3が接着される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3センサS3をフープ208の下面に直接接着する構成でも良い。この場合にも、連結部材207よりもフープ208の剛性を高く設定することが好ましい。これにより、フープ208への打撃による振動がフープ208自体に伝達されやすくなると共に、そのフープ208に伝達される振動が第3センサS3によって検出されやすくなる。よって、フープ208への打撃に対する楽音生成を精度良く行うことができる。
上記第2実施の形態では、第1被固定部274a及び第2被固定部274bが別体に形成され、それら第1被固定部274a及び第2被固定部274bに断面C字状の保持部276が接続される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1被固定部274a及び第2被固定部274bを一体(1枚の板状体)に形成し、その径方向外側の端部に円筒状の保持部276(断面C字状に分断されないもの)を接続する構成でも良い。
この場合には、周方向における保持部276の寸法の分だけフープ208の一部を切り欠き、各連結部材207の保持部276にフープ208を挿通させれば良い。また、連結部材207を射出形成する金型にフープ208を配置し、それら連結部材207及びフープ208を一体に成形することにより、保持部276にフープ208を保持させても良い。
上記第3実施の形態および第4実施の形態では、同一の構成の打楽器301a,401a及び打楽器301b,401bが連結されることで打楽器ユニット100,400が構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、異なる構成を有する打楽器どうし(例えば、第1実施の形態の打楽器1及び第2実施の形態の打楽器201、或いは、第1実施の形態の打楽器1及び第4実施の形態の打楽器401a)を連結して打楽器ユニット100,400を構成しても良い。
また、同一の構成の打楽器を連結する場合に、一方の打楽器を他方の打楽器と異なる口径としても良い。
上記第3実施の形態および第4実施の形態では、連結棒101が打楽器301a,301b,401a,401bの挟持部材310に直接接続される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、連結棒101と挟持部材310(挿通部311及び拘束部312)との間に緩衝材を設ける構成でも良い。即ち、弾性材料から形成される緩衝材を一対の打楽器301a,301b,401a,401bと連結棒101との間(連結位置)に介設することにより、一対の打楽器301a,301b,401a,401bへの打撃による振動を緩衝材によって減衰させることができる。よって、一方の打楽器301a,401a(301b,401b)への打撃による振動が他方の打楽器301b,401b(301a,401a)の第1センサS1、第2センサS2又は第3センサS3によって検出されることを抑制できる。
上記第3実施の形態および第4実施の形態では、連結棒101が棒状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、連結棒101の外周の周方向に沿って形成される位置決め部(例えば、拘束部312が係合可能な凹溝)を設ける構成でも良い。
この場合には、複数(例えば、3個)の連結棒101の両端に、挟持部材310の拘束部312に対応した形状の位置決め部を一対に設け、それら一対の位置決め部のうち、連結棒101の一端側(他端側)に形成される位置決め部から連結棒101の他端(一端)までの長さを、複数の連結棒101においてそれぞれ同一に設定することが好ましい。これにより、打楽器ユニット100の一方の打楽器301a(打楽器301b)を取り外して連結棒101をスタンドとして利用する際に、連結棒101の長さの調整を不要とすることができる。
また、連結棒101に伸縮機能を持たせる(例えば、テレスコピック構造を有する棒状に形成する)構成でも良い。これにより、軸O方向における打楽器ユニット100のサイズを可変にできる。
上記第3実施の形態および第4実施の形態では、連結棒101が円筒状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、連結棒101を円柱、角柱または角筒状に形成しても良く、断面くの字状やコの字状の板金で形成しても良い。
上記第3実施の形態および第4実施の形態では、連結棒101が直線状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、連結棒101の一部が屈曲(湾曲)するものや、一部が軸O方向に対して傾斜する構成でも良い。また、一部が屈曲する(軸O方向に対して傾斜する)複数の連結棒101どうしが捻じれる(絡み合う)態様で配設される構成でも良い。これにより、打楽器ユニット100の意匠性が向上する。
上記第3実施の形態および第4実施の形態では、挿通部311に形成される溝が軸O方向に沿って延設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、挿通部311に形成される溝を軸O方向から傾斜する姿勢で形成し、かかる溝に直線状の連結棒101を挿入することにより、軸O方向に対して傾斜する連結棒101によって一対の打楽器301a,301bどうしを連結する構成でも良い。これにより、打楽器ユニット100の意匠性を向上させることができる。
上記第3実施の形態では、フープ8が連結部材7を介して胴部2に連結される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、フープ8が連結棒101に連結される構成でも良い。
上記第4実施の形態において、第3センサS3の配設個数を2個としても良い。この場合、第1の第3センサS3を接着する取付金具420は、上記第4実施の形態の場合と同様に、延設部420b(第3センサS3の接着面)が胴部2の軸Oに直交する姿勢とし、第2の第3センサS3を接着する取付金具420は、延設部420b(第3センサS3の接着面)が胴部2の軸Oと平行となる姿勢とすることが好ましい。これら第1の第3センサS3及び第2の第3センサS3の検出結果を合成して出力することで、フープ208への打撃角度によらず、打撃による振動の検出感度を均一化できるからである。
上記第4実施の形態では、第3センサS3が打面30a側となる向きで取付金具420をフープ208に配設したが、必ずしもこれに限られるものではなく、逆向き(第3センサS3が一対の打楽器401a,401bの対向方向内側となる向き)で取付金具420をフープ208に配設しても良い。或いは、第4実施の形態において、第3センサS3を延設部420bの反対側(図9(a)下側)の面に接着しても良い。いずれにおいても、第3センサS3が誤って直接打撃されることを抑制できる。
上記第4実施の形態では、連結部材407の配設個数がボルトB1(固定部5)の配設個数と同数とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、連結部材407の配設個数をボルトB1(固定部5)の配設個数よりも少ない数としても良い。即ち、複数のボルトB1のうちの一部のボルトB1のみにより被連結板413をリム4と共締めする構成としても良い。
上記第4実施の形態では、打楽器401a,401bが連結棒101により連結されて打楽器ユニット400として構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、打楽器401a,401bを連結棒101により連結せず、それぞれを単体で打楽器として構成しても良い。
上記第4実施の形態では、連結部材407が連結される部位(被連結板413)をリム4と別体に形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、連結部材407が連結される部位をリム4と一体に形成しても良い。即ち、リム4のフープ208側の外面からフープ208へ向けて張り出す部位をリム4と一体に形成し、かかる部位に連結孔413b1を貫通形成しても良い。これにより、部品点数および組み立て工数を削減して、部品コスト及び製造コストを削減できる。
上記第4実施の形態では、被連結板413が屈曲して形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、被連結板413を屈曲させずに平板状に(即ち、基部413aと延設部413bとが平行となる形状に)形成しても良い。この場合には、一対の打楽器401a,401bのフープ208どうしに架け渡した紐102の張力により、フープ208及び連結部材407の上面(一対の打楽器401a,401bの対向方向外側の面)を、打面エッジ30a1よりも下方(一対の打楽器401a,401bの対向方向内側)に位置させることが好ましい。なお、フープ208及び連結部材407の上面の位置は、連結部材407の周長(即ち、ロック部407bによるバンド部407aの係合位置)を変更することにより調整できる。
上記第4実施の形態では、連結部材407のロック部407bが被連結板413の下面側(一対の打楽器401a,401bの対向方向内側)に位置する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、無端状の連結部材407上における任意の位置を選択できる。例えば、被連結板413と被覆部材4273(張出部4273b)との間にロック部407bを位置させても良い。
上記第4実施の形態では、被連結板413の連結孔413b1が閉じた孔として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、切り欠きにより一部が開放された孔として連結孔413b1を形成しても良い。これにより、無端状の連結部材407を切り欠きから連結孔413b1に挿入できる。
1,201,301a,301b,401a,401b 打楽器
2 胴部
3 ヘッド
30a 打面
30a1 打面エッジ
4 リム
5 固定部
6 フレーム
7,207,407 連結部材
8,208 フープ(被打撃部材)
100,400 打楽器ユニット
101 連結棒
B1 ボルト
R 空間
S1 第1センサ
S2 第2センサ
S3 第3センサ
2 胴部
3 ヘッド
30a 打面
30a1 打面エッジ
4 リム
5 固定部
6 フレーム
7,207,407 連結部材
8,208 フープ(被打撃部材)
100,400 打楽器ユニット
101 連結棒
B1 ボルト
R 空間
S1 第1センサ
S2 第2センサ
S3 第3センサ
Claims (9)
- 胴部と、その胴部に固定されると共に上面が打面として構成されるヘッドと、前記打面の外縁よりも外周側に配設される被打撃部材と、を備える打楽器において、
前記打面の外縁側における被打撃部として構成される打面エッジの上端が、前記被打撃部材の上端と同じ高さか、若しくは、前記被打撃部材の上端よりも上方に位置することを特徴とする打楽器。 - 前記打面への打撃を検出するための第1センサと、前記打面エッジへの打撃を検出するための第2センサと、前記被打撃部材への打撃を検出するための第3センサと、を備えることを特徴とする請求項1記載の打楽器。
- 前記被打撃部材は、前記打面の外周側の全域にわたって延設されることを特徴とする請求項1又は2に記載の打楽器。
- 前記胴部および前記被打撃部材を連結する連結部材を備え、
前記被打撃部材と前記連結部材とが部分的に接続されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の打楽器。 - 前記ヘッドを前記胴部に固定するためのリムを備え、
前記リムの上端が、前記打面と同じ高さか、若しくは、前記打面よりも下方に位置することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の打楽器。 - 前記胴部および前記被打撃部材を連結する連結部材と、前記胴部の外周側の面に複数配設されると共に前記リムがボルトによって固定される固定部とを備え、
前記連結部材は、前記複数の固定部のうちの少なくとも3以上の前記固定部において、前記ボルトによって前記リムと共締めされることを特徴とする請求項5記載の打楽器。 - 請求項1から6のいずれかに記載の打楽器が一対に配設される打楽器ユニットであって、
前記胴部における前記打面とは反対側の背面どうしを対向させる姿勢で前記一対の打楽器が連結されることを特徴とする打楽器ユニット。 - 前記一対の打楽器は、前記胴部および前記被打撃部材を連結する連結部材を備え、
前記胴部の上面視において、前記胴部、前記被打撃部材および前記連結部材によって取り囲まれる空間が形成されることを特徴とする請求項7記載の打楽器ユニット。 - 前記一対の打楽器は、前記打面への打撃を検出するための第1センサと、前記打面エッジへの打撃を検出するための第2センサと、前記被打撃部材への打撃を検出するための第3センサと、をそれぞれ備えることを特徴とする請求項7又は8に記載の打楽器ユニット。
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