JP2018149692A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】残留振動の特性を示す信号数が増加することを抑制する。
【解決手段】駆動信号により駆動されて液体を吐出する吐出部が設けられたヘッドユニットと、駆動信号に駆動された吐出部に生じる残留振動を検出し、当該検出の結果を示す検出電位信号を出力する検出部と、検出電位信号を第1基準電位で2値化した第1信号を生成する第1コンパレーターと、検出電位信号を第1基準電位とは異なる第2基準電位で2値化した第2信号を生成する第2コンパレーターと、第1信号の信号レベル及び第2信号の信号レベルに応じた信号レベルを有する第3信号を生成する信号生成部と、第3信号に基づいて吐出部における液体の吐出状態を検査する検査部と、を備えることを特徴とする液体吐出装置。
【選択図】図9

Description

本発明は、液体吐出装置に関する。
インクジェットプリンター等の液体吐出装置は、ヘッドユニットに設けられた吐出部を駆動してインク等の液体を吐出させ、記録媒体に画像を形成する印刷処理を実行する。液体吐出装置において、吐出部のキャビティ内の液体の増粘や、吐出部への異物の付着等により、吐出部から液体を正常に吐出できなくなる吐出異常が生じる場合がある。吐出異常の有無を検知するために、例えば特許文献1には、吐出部を駆動させる際に当該吐出部に生じる残留振動の検出結果に基づいて、吐出部における液体の吐出状態を検査する技術が記載されている。具体的には、特許文献1では、残留振動の検出結果を2値化することで、残留振動の特性を示す信号を生成し、当該信号に基づいて吐出状態を検査する。
特開2011−240560号公報
ところで、吐出異常の有無を検知するために、残留振動の特性を示す信号を複数生成し、当該複数の信号を用いて吐出部における液体の吐出状態の検査する場合がある。この場合、信号を伝送するための信号線数が増加する等の問題が生じることがあった。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、残留振動の特性を示す信号数が増加することを抑制する技術の提供を、解決課題の一つとする。
以上の課題を解決するために、本発明に係る液体吐出装置は、駆動信号により駆動されて液体を吐出する吐出部が設けられたヘッドユニットと、駆動信号に駆動された吐出部に生じる残留振動を検出し、当該検出の結果を示す検出電位信号を出力する検出部と、検出電位信号を第1基準電位で2値化した第1信号を生成する第1コンパレーターと、検出電位信号を第1基準電位とは異なる第2基準電位で2値化した第2信号を生成する第2コンパレーターと、第1信号の信号レベル及び第2信号の信号レベルに応じた信号レベルを有する第3信号を生成する信号生成部と、第3信号に基づいて吐出部における液体の吐出状態を検査する検査部とを備える、ことを特徴とする。
本発明では、吐出部に生じる残留振動の検出結果を示す検出電位信号を第1基準電位で2値化した第1信号の信号レベルと、検出電位信号を第2基準電位で2値化した第2信号の信号レベルとに応じた信号レベルを有する第3信号に基づいて、吐出部における液体の吐出状態が検査される。そのため、第1信号及び第2信号に基づいて吐出部の吐出状態が検査される場合と比較して、残留振動の特性を示す信号数が増加することを抑制することが可能となる。
上述した液体吐出装置において、第3信号は、第1信号の信号レベルと第2信号の信号レベルとが異なるか否かに応じて定められた信号レベルを有する2値化信号でもよい。この態様によれば、第1信号及び第2信号に基づいて吐出部の吐出状態が検査される場合と比較して、残留振動の特性を示す信号数が増加することを抑制することが可能となる。
上述した液体吐出装置において、第1基準電位と検出電位信号が示す波形の振幅の中心における電位とが略一致するように第1基準電位が定められてもよい。この態様によれば、検出電位信号が示す波形の振幅の中心電位とは関係なく第1基準電位が定められる場合と比較して、当該波形の周期の算出が容易となる。
上述した液体吐出装置の信号生成部は、ヘッドユニットに設けられてもよい。また、この液体吐出装置は、基板と、ヘッドユニット及び基板を電気的に接続するケーブルと、をさらに備えてよく、検査部は基板に設けられてもよい。この態様によれば、第3信号がケーブルを介して検査部に供給され、吐出状態の検査が行われる。そのため、第1信号及び第2信号がケーブルを介して検査部に供給され吐出状態の検査が行われる場合と比較して、ケーブルを構成する信号線の数が低減される。
上述した液体吐出装置の信号生成部は、第1信号の信号レベルと第2信号の信号レベルとが異なる場合に第3信号を第1電位に設定し、第1信号の信号レベルと第2信号の信号レベルとが同じである場合に第3信号を第2電位に設定し、検査部は、第3信号が第2電位を示す第1期間の時間長と、第3信号が第2電位を示し、第1期間とは異なる第2期間の時間長と、に基づいて、検出電位信号が示す波形の特性を示す特性情報を生成する情報生成部と、特性情報に基づいて吐出状態を判定する判定部と、を備えてもよい。
この態様によれば、第1期間の時間長及び第2期間の時間長に基づいて特性情報が生成されるため、簡易な処理で特性情報が生成され得る。
上述した液体吐出装置において、特性情報は、検出電位信号が示す波形の周期に関する周期情報を含み、第1期間の時間長は第2期間の時間長よりも短く、情報生成部は、第2期間の時間長に基づいて周期情報を生成してもよい。
または、もしくはこれに加えて、特性情報は、検出電位信号が示す波形の振幅に関する振幅情報を含み、第1期間の時間長は第2期間の時間長よりも短く、情報生成部は、第1期間の時間長に基づいて前記振幅情報を生成してもよい。
この態様によれば、第1期間よりも短い時間長を有する第2期間の時間長に基づいて周期情報が生成されるため、簡易な処理で周期情報が生成され得る。同様に、第1期間の時間長に基づいて振幅情報が生成されるため、簡易な処理で振幅情報が生成され得る。
本発明に係るインクジェットプリンター1の構成を示すブロック図である。 インクジェットプリンター1の概略的な内部構造を示す斜視図である。 吐出部Dの構造を説明するための説明図である。 ヘッドモジュールHMにおけるノズルNの配置例を示す平面図である。 ヘッドユニットHUの構成を示すブロック図である。 印刷処理及び吐出状態検査処理を説明するためのタイミングチャートである。 接続状態指定回路11の構成を示すブロック図である。 デコーダーDCのデコード内容を示す説明図である。 検査信号生成回路40の回路構成を示す図である。 検査信号生成回路40の動作を説明するためのタイミングチャートである。 検査ユニットJUの処理を説明するためのフローチャートである。 判定情報Sttを説明するための説明図である。 検査ユニットJUの処理の変形を説明するためのフローチャートである。 検査ユニットJUの処理の変形を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
<<A.実施形態>>
本実施形態では、インク(「液体」の一例)を吐出して記録用紙Pに画像を形成するインクジェットプリンターを例示して、液体吐出装置を説明する。
<<1.インクジェットプリンターの概要>>
図1及び図2を参照しつつ、本実施形態に係るインクジェットプリンター1の構成について説明する。ここで、図1は、本実施形態に係るインクジェットプリンター1の構成の一例を示す機能ブロック図である。また、図2は、インクジェットプリンター1の概略的な内部構造の一例を示す斜視図である。
インクジェットプリンター1には、パーソナルコンピューターやデジタルカメラ等のホストコンピューター(図示省略)から、インクジェットプリンター1が形成すべき画像を示す印刷データImgと、インクジェットプリンター1が形成すべき画像の印刷部数を示す情報と、が供給される。インクジェットプリンター1は、ホストコンピューターから供給される印刷データImgの示す画像を記録用紙Pに形成する印刷処理を実行する。
図1に例示するように、インクジェットプリンター1は、インクを吐出する吐出部Dが設けられたヘッドユニットHUを具備するヘッドモジュールHMと、吐出部Dにおけるインクの吐出状態を検査する検査ユニットJU(「検査部」の一例)を具備する検査モジュールJMと、ヘッドモジュールHMに対する記録用紙Pの相対位置を変化させるための搬送機構7と、吐出部Dを駆動するための駆動信号Comを生成する駆動回路8と、インクジェットプリンター1の各部の動作を制御する制御部6と、各種情報を記憶する記憶部5と、を備える。このうち、制御部6、記憶部5、及び、検査ユニットJUは、ヘッドユニットHUを制御する制御モジュール60である。本実施形態において、制御モジュール60はヘッドモジュールHMの外部に備えられた回路基板上(「基板」の一例)に設けられる。
なお、本実施形態では、一例として、図1に示すように、ヘッドモジュールHMが4個のヘッドユニットHUを備え、検査モジュールJMが4個の検査ユニットJUを備える場合を想定する。そして、本実施形態では、ヘッドユニットHU及び検査ユニットJUが、1対1に対応して設けられる場合を想定する。以下では、4個のヘッドユニットHUのうち一のヘッドユニットHUと、4個の検査ユニットJUのうち一のヘッドユニットHUに対応して設けられた一の検査ユニットJUと、について説明するが、当該説明は他のヘッドユニットHU及び他の検査ユニットJUについても同様に該当する。
記憶部5は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性のメモリーと、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、または、PROM(Programmable ROM)等の不揮発性メモリーと、を含んで構成され、ホストコンピューターから供給される印刷データImg、及び、インクジェットプリンター1の制御プログラム等の各種情報を記憶する。
制御部6は、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成される。なお、制御部6は、CPUの代わりに、FPGA(field-programmable gate array)等のプログラマブルロジックデバイスを備えるものでよい。
制御部6は、CPUが、記憶部5に記憶されている制御プログラムに従って動作することで、印刷信号SI、駆動回路8を制御するための波形指定信号dCom、及び、搬送機構7を制御するための信号等の、インクジェットプリンター1の各部の動作を制御するための信号を生成する。
ここで、波形指定信号dComとは、駆動信号Comの波形を規定するデジタルの信号である。また、駆動信号Comとは、吐出部Dを駆動するためのアナログの信号である。駆動回路8は、DA変換回路を含み、波形指定信号dComが規定する波形を有する駆動信号Comを生成する。なお、本実施形態では、駆動信号Comが、駆動信号Com-Aと駆動信号Com-Bとを含む場合を想定する。
また、印刷信号SIとは、吐出部Dの動作の種類を指定するためのデジタルの信号である。具体的には、印刷信号SIは、吐出部Dに対して駆動信号Comを供給するか否かを指定することで、吐出部Dの動作の種類を指定する。ここで、吐出部Dの動作の種類の指定とは、例えば、吐出部Dを駆動するか否かを指定したり、吐出部Dを駆動した際に当該吐出部Dからインクが吐出されるか否かを指定したり、また、吐出部Dを駆動した際に当該吐出部Dから吐出されるインク量を指定したりすることである。
図1に例示するように、各ヘッドユニットHUには、M個の吐出部Dを具備する記録ヘッドHDが設けられる(Mは、1≦Mを満たす自然数)。なお、以下では、各記録ヘッドHDに設けられたM個の吐出部Dのうち、m番目(m段)の吐出部Dを、吐出部D[m]と称する場合がある(変数mは、1≦m≦Mを満たす自然数)。また、インクジェットプリンター1の構成要素や信号等が、吐出部D[m]の段数mに対応する場合は、当該構成要素や信号等を表わすための符号に、段数mに対応することを示す添え字[m]を付すことがある。
図1に例示するように、各ヘッドユニットHUには、供給回路10と、検出回路20(「検出部」の一例)と、検査信号生成回路40(「信号生成部」の一例)と、が設けられる。
供給回路10は、印刷信号SIに基づいて、駆動信号Comを各吐出部Dに供給するか否かを切り替える。なお、以下では、駆動信号Comのうち、吐出部Dに供給される駆動信号Comを、供給駆動信号Vinと称する。また、以下では、吐出部D[m]に供給される駆動信号Comを、供給駆動信号Vin[m]と称する。また、供給回路10は、印刷信号SIに基づいて、吐出部D[m]に設けられる圧電素子PZ[m]の上部電極Zu[m]の電位を示す検出電位信号Vout[m]を、検出回路20に供給するか否かを切り替える。なお、圧電素子PZ[m]及び上部電極Zu[m]については、図3において後述する。
検出回路20は、駆動信号Comにより駆動された吐出部D[m]から検出した検出電位信号Vout[m]に基づいて、吐出部D[m]が駆動された後に当該吐出部D[m]において残留している振動(以下、「残留振動」と称する)の検出結果を示す残留振動信号NV(「検出電位信号」の一例)を生成する。なお、詳細は後述するが、残留振動信号NVは検出電位信号Voutの波形を整形した信号である。よって、残留振動信号NVが示す波形の特性は、残留振動の特性を示すものとみなすことができる。
検査信号生成回路40は、残留振動信号NVに基づいて、残留振動の特性に応じた波形を有する検査信号AGを生成する。検査信号生成回路40の動作の詳細については後述される。
また、上述のとおり、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、図1に例示するように、検査信号AGに基づいて吐出部D[m]におけるインクの吐出状態を検査する検査ユニットJUを備える。以下では、検査ユニットJUによる検査を、「吐出状態検査」と称する場合がある。また、検査ユニットJUが検査対象とする吐出部Dを、検査対象吐出部D-Hと称する場合がある。
検査ユニットJUは、情報生成回路92(「情報生成部」の一例)と判定回路94(「判定部」の一例)とを備える。
情報生成回路92は、検査信号AGに基づいて、残留振動信号NVが示す波形の特性を示す波形情報Info(「特性情報」の一例)を生成する。すなわち、波形情報Infoは、残留振動の特性を示す。なお、残留振動信号NVが示す波形の特性とは、振幅や周期等の、残留振動信号NVの波形の形状に関する情報である。
情報生成回路92が生成する波形情報Infoには、残留振動信号NVの波形の周期に関する情報である周期情報Info-Fと、残留振動信号NVの波形の振幅に関する情報である振幅情報Info-Aとが含まれる。周期情報Info-Fは、残留振動の周期である時間長NTcを示す。振幅情報Info-Aは、残留振動の振幅に応じて定められる時間長LTcを示す。周期情報Info-F及び振幅情報Info-Aの詳細については後述する。
判定回路94は、波形情報Infoに基づいて、吐出部Dにおけるインクの吐出状態を判定し、当該判定の結果を示す判定情報Sttを生成する。以下では、判定回路94による判定を、「吐出状態判定」と称する場合がある。すなわち、検査ユニットJUによる吐出状態検査は、波形情報Infoの生成と、吐出状態判定と、を包含する概念である。
また、検査ユニットJUが実行する吐出状態検査と、検査ユニットJUが吐出状態検査を実行するための準備処理とを含む、インクジェットプリンター1において実行される一連の処理を、吐出状態検査処理と称する。
本実施形態では、インクジェットプリンター1が、シリアルプリンターである場合を想定する。具体的には、インクジェットプリンター1は、副走査方向に記録用紙Pを搬送し主走査方向にヘッドモジュールHMを移動させつつ、吐出部Dからインクを吐出することで、印刷処理を実行する。本実施形態では、図2に示すように、+Y方向及び−Y方向(以下、+Y方向及び−Y方向を「Y軸方向」と総称する)が主走査方向であり、+X方向(以下、+X方向及びその反対の−X方向を「X軸方向」と総称する)が副走査方向であることとする。
図2に例示するように、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、筐体200と、筐体200内をY軸方向に往復動可能でありヘッドモジュールHMを搭載するキャリッジ100と、を備える。
搬送機構7は、印刷処理が実行される場合に、キャリッジ100をY軸方向に往復動させるとともに、記録用紙Pを+X方向に搬送することで、記録用紙PのヘッドモジュールHMに対する相対位置を変化させ、記録用紙Pの全体に対してインクが着弾することを可能とする。
具体的には、搬送機構7は、キャリッジ100をY軸方向に往復動するための駆動源となる搬送モーター(図示省略)と、搬送モーターを駆動するためのモータードライバー(図示省略)と、記録用紙Pを搬送するための駆動源となる給紙モーター(図示省略)と、給紙モーターを駆動するためのモータードライバー(図示省略)と、を具備する。また、搬送機構7は、図2に示すように、Y軸方向に延在するキャリッジガイド軸76と、搬送モーターにより回転駆動されるプーリー711と回転自在なプーリー712との間に掛け渡されY軸方向に延在するタイミングベルト710と、を具備する。キャリッジ100は、キャリッジガイド軸76によりY軸方向に往復自在に支持されるとともに、固定具101を介してタイミングベルト710の所定箇所に固定されている。このため、搬送機構7は、搬送モーターによりプーリー711を回転駆動させることで、キャリッジ100に搭載されたヘッドモジュールHMを、キャリッジガイド軸76に沿ってY軸方向に移動させることができる。
キャリッジ100(厳密には、キャリッジ100に搭載されたヘッドユニットHU)と、キャリッジ100の外部に設けられる制御モジュール60(厳密には、制御モジュール60が設けられた回路基板)とはフレキシブルフラットケーブルCB(「ケーブル」の一例)によって電気的に接続されている。波形指定信号dComを含む各種の信号及びデータは、フレキシブルフラットケーブルCBを介してヘッドユニットHUに供給される。
また、図2に示すように、搬送機構7は、キャリッジ100の下側すなわち−Z方向(以下、−Z方向及びその反対の+Z方向を「Z軸方向」と総称する)に設けられたプラテン75と、給紙モーターの駆動に応じて回転し記録用紙Pを1枚ずつプラテン75上に供給するための給紙ローラ(図示省略)と、給紙モーターの駆動に応じて回転しプラテン75上の記録用紙Pを排紙口へと搬送する排紙ローラ730と、を備える。このため、搬送機構7は、プラテン75上において記録用紙Pを−X方向(上流側)から+X方向(下流側)へと搬送することができる。
本実施形態では、図2に例示するように、インクジェットプリンター1のキャリッジ100に、4個のインクカートリッジ31が格納されている。より具体的には、本実施形態では、シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラックの、4色(CMYK)のインクと1対1に対応する4個のインクカートリッジ31が、キャリッジ100に格納されている場合を想定する。なお、図2は一例に過ぎず、インクカートリッジ31は、キャリッジ100の外部に設けられるものであってもよい。
また、本実施形態では、4個のヘッドユニットHUと、4個のインクカートリッジ31とが、1対1に対応して設けられる。そして、各吐出部Dは、当該吐出部Dが設けられたヘッドユニットHUに対応するインクカートリッジ31からインクの供給を受ける。これにより、各吐出部Dは、供給されたインクを内部に充填し、充填したインクをノズルNから吐出することができる。つまり、ヘッドモジュールHMが具備する合計4M個の吐出部Dは、全体としてCMYKの4色のインクを吐出することができる。
ここで、印刷処理が実行される場合の制御部6の動作の概要を説明する。
印刷処理が実行される場合、制御部6は、まず、ホストコンピューターから供給される印刷データImgを、記憶部5に記憶させる。次に、制御部6は、印刷処理において、記憶部5に記憶されている印刷データImg等の各種データに基づいて、印刷信号SI及び波形指定信号dCom等の各ヘッドユニットHUの動作を制御するための信号と、搬送機構7を制御するための信号と、を生成する。そして、制御部6は、印刷信号SI等の各種信号や、記憶部5に記憶されている各種データに基づいて、ヘッドモジュールHMに対する記録用紙Pの相対位置を変化させるように搬送機構7を制御しつつ、吐出部Dが駆動されるように供給回路10を制御する。
これにより、制御部6は、吐出部Dからのインクの吐出の有無、インクの吐出量、及び、インクの吐出タイミング等を調整し、印刷データImgに対応する画像を記録用紙Pに形成する印刷処理が実行されるように、インクジェットプリンター1の各部を制御する。
また、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、各吐出部Dからのインクの吐出状態が正常であるか否か、すなわち、各吐出部Dにおいて吐出異常が生じていないか否か、を判定する吐出状態検査処理を実行する。
ここで、吐出異常とは、駆動信号Comにより吐出部Dを駆動して吐出部Dからインクを吐出させようとしても、駆動信号Comが規定する態様によりインクを吐出できない状態である。ここで、駆動信号Comが規定するインクの吐出態様とは、吐出部Dが駆動信号Comの波形により規定される量のインクを吐出し、吐出部Dが駆動信号Comの波形により規定される吐出速度でインクを吐出することである。すなわち、駆動信号Comが規定するインクの吐出態様によりインクを吐出できない状態とは、吐出部Dからインクを吐出できない状態の他に、駆動信号Comにより規定されるインクの吐出量よりも少ない量のインクが吐出部Dから吐出される状態、駆動信号Comにより規定されるインクの吐出量よりも多くの量のインクが吐出部Dから吐出される状態、または、駆動信号Comにより規定されるインクの吐出速度と異なる速度でインクが吐出されるために記録用紙P上の所望の着弾位置にインクを着弾させることができない状態、等を含む。
吐出状態検査処理において、インクジェットプリンター1は、第1に、制御部6により、各ヘッドユニットHUに設けられたM個の吐出部Dの中から検査対象吐出部D-Hを選択し、第2に、制御部6による制御の下で、検査対象吐出部D-Hを駆動させることで、検査対象吐出部D-Hに残留振動を生じさせ、第3に、検出回路20により、検査対象吐出部D-Hから検出された検出電位信号Voutに基づいて残留振動信号NVを生成し、第4に、検査信号生成回路40により、残留振動信号NVに基づいて検査信号AGを生成し、第5に、情報生成回路92により、検査信号AGに基づいて波形情報Infoを生成し、第6に、判定回路94により、波形情報Infoに基づいて検査対象吐出部D-Hを対象とする吐出状態判定を行い、当該判定の結果を示す判定情報Sttを生成し、第7に、制御部6により、判定情報Sttを記憶部5に記憶させる、という一連の処理を実行する。このうち、第1〜第4の処理が準備処理に該当する。
<<2.記録ヘッド及び吐出部の概要>>
図3及び図4を参照しつつ、記録ヘッドHDと、記録ヘッドHDに設けられる吐出部Dと、について説明する。
図3は、吐出部Dを含むように記録ヘッドHDを切断した、記録ヘッドHDの概略的な一部断面図である。
図3に示すように、吐出部Dは、圧電素子PZと、内部にインクが充填されたキャビティ320と、キャビティ320に連通するノズルNと、振動板310と、を備える。吐出部Dは、圧電素子PZに供給駆動信号Vinが供給されて当該圧電素子PZが供給駆動信号Vinにより駆動されることにより、キャビティ320内のインクをノズルNから吐出させる。キャビティ320は、キャビティプレート340と、ノズルNが形成されたノズルプレート330と、振動板310と、により区画される空間である。キャビティ320は、インク供給口360を介してリザーバ350と連通している。リザーバ350は、インク取入口370を介して、当該吐出部Dに対応するインクカートリッジ31と連通している。
本実施形態では、圧電素子PZとして、図3に示すようなユニモルフ(モノモルフ)型を採用する。なお、圧電素子PZは、ユニモルフ型に限らず、バイモルフ型や積層型等を採用してもよい。
圧電素子PZは、上部電極Zuと、下部電極Zdと、上部電極Zu及び下部電極Zdの間に設けられた圧電体Zmと、を有する。下部電極Zdは、電位VBSに設定された給電線LHd(図5参照)と電気的に接続される。そして、上部電極Zuに供給駆動信号Vinが供給されて、上部電極Zu及び下部電極Zdの間に電圧が印加されると、当該印加された電圧に応じて圧電素子PZが+Z方向または−Z方向に変位し、その結果、圧電素子PZが振動する。
キャビティプレート340の上面開口部には、振動板310が設置される。振動板310には、下部電極Zdが接合されている。このため、圧電素子PZが供給駆動信号Vinにより駆動されて振動すると、振動板310も振動する。そして、振動板310の振動によりキャビティ320の容積(キャビティ320内の圧力)が変化し、キャビティ320内に充填されたインクがノズルNより吐出される。
より具体的には、吐出部DのノズルNからインクを吐出させる場合、制御部6は、まず、吐出部Dの圧電素子PZが+Z方向に変位するように、当該圧電素子PZに供給する供給駆動信号Vinの電位を変化させる。これにより、圧電素子PZと振動板310とが+Z方向に撓み、吐出部Dのキャビティ320の容積が拡大する。次に、制御部6は、吐出部Dの圧電素子PZが−Z方向に変位するように、当該圧電素子PZに供給する供給駆動信号Vinの電位を変化させる。これにより、圧電素子PZと振動板310とが−Z方向に撓み、吐出部Dのキャビティ320の容積が収縮する。この結果、キャビティ320に充填されているインクの一部を、ノズルNからインク滴として吐出させることができる。なお、振動板310を含む吐出部Dには、圧電素子PZ及び振動板310が供給駆動信号Vinにより駆動されてZ軸方向に変位した後に残留振動が生じる。
インクの吐出によりキャビティ320内のインクが減少した場合、リザーバ350からインクが供給される。また、リザーバ350へは、インク取入口370を介して、インクカートリッジ31からインクが供給される。
図4は、+Z方向または−Z方向からインクジェットプリンター1を平面視した場合の、ヘッドモジュールHMが具備する4個の記録ヘッドHDと、当該4個の記録ヘッドHDに設けられた合計4M個のノズルNの配置の一例を説明するための説明図である。
図4に示すように、ヘッドモジュールHMに設けられた各記録ヘッドHDには、ノズル列Lnが設けられる。ここで、ノズル列Lnとは、所定方向に列状に延在するように設けられた複数のノズルNである。本実施形態では、各ノズル列Lnが、M個のノズルNをX軸方向に列状に延在するように配置して構成される場合を想定する。
以下では、図4に示すように、ヘッドモジュールHMに設けられる4列のノズル列Lnを、ノズル列Ln-BK、Ln-CY、Ln-MG、Ln-YLと称する。ここで、ノズル列Ln-BKは、ブラックのインクを吐出する吐出部DのノズルNを配列したノズル列Lnであり、ノズル列Ln-CYは、シアンのインクを吐出する吐出部DのノズルNを配列したノズル列Lnであり、ノズル列Ln-MGは、マゼンタのインクを吐出する吐出部DのノズルNを配列したノズル列Lnであり、ノズル列Ln-YLは、イエローのインクを吐出する吐出部DのノズルNを配列したノズル列Lnである。
但し、図4に示すノズル列Lnは一例であり、各ノズル列Lnに属するM個のノズルNは、ノズル列Lnの延在する方向と交差する方向に所定の幅を有して配置されていてもよい。つまり、各ノズル列Lnにおいて、+X側から偶数番目のノズルNと奇数番目のノズルNのY軸方向の位置が相違するように、当該ノズル列Lnに属するM個のノズルNが配置されてもよい。また、各ノズル列LnはX軸方向とは異なる方向に延在してもよい。また、本実施形態では、各記録ヘッドHDに設けられるノズル列Lnの列数が「1」である場合を例示しているが、各記録ヘッドHDには、2列以上のノズル列Lnが設けられてもよい。
<<3.ヘッドユニットの構成>>
以下、図5を参照しつつ、各ヘッドユニットHUの構成について説明する。
図5は、ヘッドユニットHUの構成の一例を示すブロック図である。上述のように、ヘッドユニットHUは、記録ヘッドHDと、供給回路10と、検出回路20と、検査信号生成回路40と、を備える。また、ヘッドユニットHUは、駆動回路8から駆動信号Com-Aが供給される内部配線LHaと、駆動回路8から駆動信号Com-Bが供給される内部配線LHbと、吐出部Dから検出される検出電位信号Voutを検出回路20に供給するための内部配線LHsと、を備える。
図5に示すように、供給回路10は、M個のスイッチSWa(SWa[1]〜SWa[M])と、M個のスイッチSWb(SWb[1]〜SWb[M])と、M個のスイッチSWs(SWs[1]〜SWs[M])と、各スイッチの接続状態を指定する接続状態指定回路11と、を備える。なお、各スイッチとしては、例えば、トランスミッションゲートを採用することができる。
接続状態指定回路11は、制御部6から供給される印刷信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び、期間指定信号Tsigの少なくとも一部の信号に基づいて、スイッチSWa[1]〜SWa[M]のオンオフを指定する接続状態指定信号SLa[1]〜SLa[M]と、スイッチSWb[1]〜SWb[M]のオンオフを指定する接続状態指定信号SLb[1]〜SLb[M]と、スイッチSWs[1]〜SWs[M]のオンオフを指定する接続状態指定信号SLs[1]〜SLs[M]と、を生成する。
スイッチSWa[m]は、接続状態指定信号SLa[m]に応じて、内部配線LHaと、吐出部D[m]に設けられた圧電素子PZ[m]の上部電極Zu[m]と、の導通及び非導通を切り替える。例えば、スイッチSWa[m]は、接続状態指定信号SLa[m]がハイレベルの場合にオンし、ローレベルの場合にオフする。
スイッチSWb[m]は、接続状態指定信号SLb[m]に応じて、内部配線LHbと、吐出部D[m]に設けられた圧電素子PZ[m]の上部電極Zu[m]との、導通及び非導通を切り替える。例えば、スイッチSWb[m]は、接続状態指定信号SLb[m]がハイレベルの場合にオンし、ローレベルの場合にオフする。
上述のとおり、駆動信号Com-A及びCom-Bのうち、スイッチSWa[m]またはSWb[m]を介して、吐出部D[m]の圧電素子PZ[m]に実際に供給される信号が供給駆動信号Vin[m]である。
スイッチSWs[m]は、接続状態指定信号SLs[m]に応じて、内部配線LHsと、吐出部D[m]に設けられた圧電素子PZ[m]の上部電極Zu[m]と、の導通及び非導通を切り替える。例えば、スイッチSWs[m]は、接続状態指定信号SLs[m]がハイレベルの場合にオンし、ローレベルの場合にオフする。
検出回路20には、検査対象吐出部D-Hとして駆動された吐出部D[m]の圧電素子PZ[m]から出力される検出電位信号Vout[m]が、内部配線LHsを介して供給される。そして、検出回路20は、当該検出電位信号Vout[m]に基づいて残留振動信号NVを生成する。
検査信号生成回路40には、検出回路20から残留振動信号NVが供給される。そして、検査信号生成回路40は、残留振動信号NVに基づいて検査信号AGを生成する。
<<4.ヘッドユニットの動作>>
以下、図6〜図10を参照しつつ、各ヘッドユニットHUの動作について説明する。
本実施形態において、インクジェットプリンター1の動作期間は、1または複数の単位期間Tuを含む。本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、各単位期間Tuにおいて、印刷処理における各吐出部Dの駆動と、吐出状態検査処理における検査対象吐出部D-Hの駆動及び残留振動の検出と、の一方を実行する場合を想定する。但し、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、各単位期間Tuにおいて、印刷処理における各吐出部Dの駆動と、吐出状態検査処理における検査対象吐出部D-Hの駆動及び残留振動の検出と、の両方を実行可能であってもよい。
なお、一般的に、インクジェットプリンター1は、連続的または間欠的な複数の単位期間Tuに亘り印刷処理を繰り返し実行して各吐出部Dから1または複数回ずつインクを吐出させることで、印刷データImgの示す画像を形成する。また、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、連続的または間欠的に設けられたM個の単位期間Tuにおいて、M回の吐出状態検査処理を実行することで、M個の吐出部D[1]〜D[M]の各々を検査対象吐出部D-Hとした吐出状態検査処理を実行する。
図6は、インクジェットプリンター1の単位期間Tuにおける動作を説明するためのタイミングチャートである。
図6に示すように、制御部6は、パルスPlsLを有するラッチ信号LATと、パルスPlsCを有するチェンジ信号CHと、を出力する。これにより、制御部6は、パルスPlsLの立ち上がりから次のパルスPlsLの立ち上がりまでの期間として、単位期間Tuを規定する。また、制御部6は、パルスPlsCにより、単位期間Tuを2つの制御期間Tu1及びTu2に区分する。
印刷信号SIは、各単位期間Tuにおける吐出部D[1]〜D[M]の駆動の態様を指定する個別指定信号Sd[1]〜Sd[M]を含む。そして、制御部6は、単位期間Tuにおいて印刷処理及び吐出状態検査処理の少なくとも一方が実行される場合、図6に示すように、当該単位期間Tuの開始に先立って、個別指定信号Sd[1]〜Sd[M]を含む印刷信号SIを、クロック信号CLに同期させて接続状態指定回路11に供給する。この場合、接続状態指定回路11は、当該単位期間Tuにおいて、個別指定信号Sd[m]に基づいて、接続状態指定信号SLa[m]、SLb[m]、及び、SLs[m]を生成する。
なお、本実施形態に係る個別指定信号Sd[m]は、各単位期間Tuにおいて、吐出部D[m]に対して、大ドットに相当する量(大程度の量)のインクの吐出(「大ドットの形成」と称する場合がある)、中ドットに相当する量(中程度の量)のインクの吐出(「中ドットの形成」と称する場合がある)、小ドットに相当する量(小程度の量)のインクの吐出(「小ドットの形成」と称する場合がある)、インクの非吐出、及び、吐出状態検査処理における検査対象としての駆動(「検査対象吐出部D-Hとしての駆動」と称する場合がある)、の5つの駆動態様のうち、何れか一つの駆動態様を指定する信号である。なお、本実施形態では、一例として、個別指定信号Sd[m]が、3ビットのデジタル信号である場合を想定する(図8参照)。
図6に示すように、駆動信号生成回路2は、制御期間Tu1に設けられた波形PA1と、制御期間Tu2に設けられた波形PA2と、を有する駆動信号Com-Aを出力する。本実施形態では、波形PA1の最高電位VHa1と最低電位VLa1との電位差が、波形PA2の最高電位VHa2と最低電位VLa2との電位差よりも大きくなるように、波形PA1及び波形PA2を定める。具体的には、波形PA1を有する駆動信号Com-Aにより吐出部D[m]を駆動する場合、吐出部D[m]から中程度の量のインクが吐出されるように、波形PA1の波形を定める。また、波形PA2を有する駆動信号Com-Aにより吐出部D[m]を駆動する場合、吐出部D[m]から小程度の量のインクが吐出されるように、波形PA2の波形を定める。なお、波形PA1及び波形PA2は、開始時及び終了時の電位が基準電位V0に設定されている。
そして、個別指定信号Sd[m]が吐出部D[m]に対して、大ドットの形成を指定する場合、接続状態指定回路11は、接続状態指定信号SLa[m]を、制御期間Tu1及びTu2においてハイレベルに設定し、接続状態指定信号SLb[m]及びSLs[m]を、単位期間Tuにおいてローレベルに設定する。この場合、吐出部D[m]は、制御期間Tu1において波形PA1の駆動信号Com-Aにより駆動されて中程度の量のインクを吐出し、また、制御期間Tu2において波形PA2の駆動信号Com-Aにより駆動されて小程度の量のインクを吐出する。これにより、吐出部D[m]は、単位期間Tuにおいて、合計で大程度の量のインクを吐出し、記録用紙Pには大ドットが形成される。
また、個別指定信号Sd[m]が吐出部D[m]に対して、中ドットの形成を指定する場合、接続状態指定回路11は、接続状態指定信号SLa[m]を、制御期間Tu1においてハイレベルに、制御期間Tu2においてローレベルに、それぞれ設定し、接続状態指定信号SLb[m]及びSLs[m]を、単位期間Tuにおいてローレベルに設定する。この場合、吐出部D[m]は、単位期間Tuにおいて中程度の量のインクを吐出し、記録用紙Pには中ドットが形成される。
また、個別指定信号Sd[m]が吐出部D[m]に対して、小ドットの形成を指定する場合、接続状態指定回路11は、接続状態指定信号SLa[m]を、制御期間Tu1においてローレベルに、制御期間Tu2においてハイレベルに、それぞれ設定し、接続状態指定信号SLb[m]及びSLs[m]を、単位期間Tuにおいてローレベルに設定する。この場合、吐出部D[m]は、単位期間Tuにおいて小程度の量のインクを吐出し、記録用紙Pには小ドットが形成される。
また、個別指定信号Sd[m]が吐出部D[m]に対して、インクの非吐出を指定する場合、接続状態指定回路11は、接続状態指定信号SLa[m]とSLb[m]とSLs[m]とを、単位期間Tuにおいてローレベルに設定する。この場合、吐出部D[m]は、単位期間Tuにおいて、インクを吐出せず、記録用紙Pにドットを形成しない。
図6に示すように、駆動信号生成回路2は、単位期間Tuに設けられた波形PSを有する駆動信号Com-Bを出力する。本実施形態では、波形PSの最高電位VHSと最低電位VLSとの電位差が、波形PA2の最高電位VHa2と最低電位VLa2との電位差よりも小さくなるように、波形PSを定める。具体的には、波形PSを有する駆動信号Com-Bを吐出部D[m]に供給する場合、吐出部D[m]からインクが吐出されない程度に吐出部D[m]が駆動されるように、波形PSの波形を定める。なお、波形PSは、開始時及び終了時の電位が基準電位V0に設定されている。
また、制御部6は、パルスPlsT1及びパルスPlsT2を有する期間指定信号Tsigを出力する。これにより、制御部6は、単位期間Tuを、パルスPlsLの開始からパルスPlsT1の開始までの制御期間TSS1と、パルスPlsT1の開始からパルスPlsT2の開始までの制御期間TSS2と、パルスPlsT2の開始から次のパルスPlsLの開始までの制御期間TSS3と、に区分する。
そして、個別指定信号Sd[m]が吐出部D[m]を、検査対象吐出部D-Hとして指定する場合、接続状態指定回路11は、接続状態指定信号SLa[m]を、単位期間Tuにおいてローレベルに設定し、接続状態指定信号SLb[m]を、制御期間TSS1及びTSS3においてハイレベルに、制御期間TSS2においてローレベルに、それぞれ設定し、接続状態指定信号SLs[m]を、制御期間TSS1及びTSS3においてローレベルに、制御期間TSS2においてハイレベルに、それぞれ設定する。
この場合、検査対象吐出部D-Hは、制御期間TSS1において波形PSの駆動信号Com-Bにより駆動される。具体的には、検査対象吐出部D-Hが有する圧電素子PZは、制御期間TSS1において波形PSの駆動信号Com-Bにより変位させられる。その結果、検査対象吐出部D-Hにおいて振動が生じ、この振動は、制御期間TSS2においても残留する。そして、制御期間TSS2において、検査対象吐出部D-Hの圧電素子PZが有する上部電極Zuは、検査対象吐出部D-Hにおいて生じている残留振動に応じて電位を変化させる。換言すれば、制御期間TSS2において、検査対象吐出部D-Hの圧電素子PZが有する上部電極Zuは、検査対象吐出部D-Hにおいて生じている残留振動に起因する圧電素子PZの起電力に応じた電位を示す。そして、当該上部電極Zuの電位は、制御期間TSS2において、検出電位信号Voutとして検出することができる。
図7は、本実施形態に係る接続状態指定回路11の構成をの一例を示す図である。図7に示すように、接続状態指定回路11は、接続状態指定信号SLa[1]〜SLa[M]、SLb[1]〜SLb[M]、及び、SLs[1]〜SLs[M]を生成する。
具体的には、接続状態指定回路11は、吐出部D[1]〜D[M]と1対1に対応するように設けられた、転送回路SR[1]〜SR[M]と、ラッチ回路LT[1]〜LT[M]と、デコーダーDC[1]〜DC[M]と、を有する。このうち、転送回路SR[m]には、個別指定信号Sd[m]が供給される。なお、この図では、個別指定信号Sd[1]〜Sd[M]がシリアルで供給され、例えば、m段に対応する個別指定信号Sd[m]が、転送回路SR[1]から転送回路SR[m]へと、クロック信号CLに同期して順番に転送される場合を例示している。また、ラッチ回路LT[m]は、ラッチ信号LATのパルスPlsLがハイレベルに立ち上がるタイミングにおいて、転送回路SR[m]に供給された個別指定信号Sd[m]をラッチする。また、デコーダーDC[m]は、個別指定信号Sd[m]、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び、期間指定信号Tsigに基づいて、接続状態指定信号SLa[m]、SLb[m]、及び、SLs[m]を生成する。
図8は、デコーダーDC[m]における接続状態指定信号SLa[m]、SLb[m]、及び、SLs[m]の生成を説明するための説明図である。デコーダーDC[m]は、図8に従って、個別指定信号Sd[m]をデコードし、接続状態指定信号SLa[m]、SLb[m]、及び、SLs[m]を生成する。
図8に示すように、本実施形態に係る個別指定信号Sd[m]は、大ドットの形成を指定する値(1,1,0)、中ドットの形成を指定する値(1,0,0)、小ドットの形成を指定する値(0,1,0)、インクの非吐出を指定する値(0,0,0)、または、検査対象吐出部D-Hとしての駆動を指定する値(1,1,1)の何れかの値を示す。そして、デコーダーDC[m]は、個別指定信号Sd[m]が(1,1,0)を示す場合、制御期間Tu1及びTu2において接続状態指定信号SLa[m]をハイレベルとし、個別指定信号Sd[m]が(1,0,0)を示す場合、制御期間Tu1において接続状態指定信号SLa[m]をハイレベルとし、個別指定信号Sd[m]が(0,1,0)を示す場合、制御期間Tu2において接続状態指定信号SLa[m]をハイレベルとし、個別指定信号Sd[m]が(1,1,1)を示す場合、制御期間TSS1及びTSS3において接続状態指定信号SLb[m]をハイレベルとするとともに、制御期間TSS2において接続状態指定信号SLs[m]をハイレベルとし、以上に該当しない場合において各信号をローレベルとする。
検出回路20は、上述のとおり、検出電位信号Voutに基づいて残留振動信号NVを生成する。残留振動信号NVとは、検出電位信号Voutの振幅を増幅し、また、検出電位信号Voutからノイズ成分を除去する等することで、検出電位信号Voutを検査信号生成回路40における処理に適した波形に整形した信号である。
検出回路20は、例えば、検出電位信号Voutを増幅させるための負帰還型のアンプと、検出電位信号Voutの高域周波数成分を減衰させるためのローパスフィルターと、インピーダンスを変換してローインピーダンスの残留振動信号NVを出力するボルテージフォロアと、を含む構成等であってもよい。
検査信号生成回路40は、上述のように、残留振動信号NVに基づいて検査信号AGを生成する。図9は、検査信号生成回路40の回路構成の一例を示す図である。この図に示すように、検査信号生成回路40は、残留振動信号NVと基準電位VRefと比較することで残留振動信号NVを2値化するコンパレーター410及び412と、コンパレーター410及び412による比較結果に基づいて検査信号AGを生成するXOR信号生成回路42と、を具備する。
コンパレーター410は、残留振動信号NVの電位と、基準電位VRef1(「第1基準電位」の一例)とを比較し、当該比較結果を示す比較信号CP1を生成する。比較信号CP1は、残留振動信号NVを基準電位VRef1で2値化した信号であり、ハイレベルまたはローレベルのいずれかの信号レベルを有する。より具体的には、コンパレーター410は、残留振動信号NVの電位が基準電位VRef1未満となる場合に信号レベルがハイレベルに設定され、残留振動信号NVの電位が基準電位VRef1以上となる場合に信号レベルがローレベルに設定された比較信号CP1を生成する。
コンパレーター412は、残留振動信号NVの電位と、基準電位VRef1とは異なる電位である基準電位VRef2(「第2基準電位」の一例)とを比較し、当該比較結果を示す比較信号CP2を生成する。比較信号CP2は、残留振動信号NVを基準電位VRef2で2値化した信号であり、ハイレベルまたはローレベルのいずれかの信号レベルを有する。より具体的には、コンパレーター412は、残留振動信号NVの電位が基準電位VRef2未満となる場合に信号レベルがハイレベルに設定され、残留振動信号NVの電位が基準電位VRef2以上となる場合に信号レベルがローレベルに設定された比較信号CP2を生成する。
なお、以下では、基準電位VRef1及び基準電位VRef2を「基準電位VRef」と総称する場合がある。また、比較信号CP1及び比較信号CP2を「比較信号CP」と総称する場合がある。
以上の説明から分かるように、比較信号CP1および比較信号CP2は、それぞれの基準電位VRefと残留振動信号NVの電位との比較により抽出された残留振動の特性を示す信号であるといえる。
なお、以上では、コンパレーターが、残留振動信号NVの電位が基準電位VRef未満となる場合に比較信号CPをハイレベルに設定し、残留振動信号NVの電位が基準電位VRef以上となる場合に比較信号CPをローレベルに設定する例を説明したが、残留振動信号NVの電位が基準電位VRef以上となる場合に比較信号CPをハイレベルに設定し、残留振動信号NVの電位が基準電位VRef未満となる場合に比較信号CPをローレベルに設定してもよい。
図10は、残留振動信号NVと、比較信号CP1及びCP2と、検査信号AGと、を説明するためのタイミングチャートである。この図に示すように、本実施形態において、基準電位VRef1は、残留振動信号NVが示す波形の振幅の中心における電位と略一致するよう設定される。ここで、略一致とは、完全に一致する場合の他に、誤差を考慮すれば同一とみなせる場合を含む概念である。例えば、インクジェットプリンター1が、基準電位VRef1及び残留振動信号NVの振幅中心が同一となるように設計されている場合であれば、駆動信号Comへのノイズ混入やインクジェットプリンター1の製造誤差に起因して基準電位VRef1及び残留振動信号NVの振幅中心が異なる電位となる場合であっても、両者を等しいとみなし、「略一致」と表現する。
XOR信号生成回路42は、比較部41から出力された比較信号CP1の信号レベル及び比較信号CP2の信号レベルに応じた信号レベルを有する検査信号AGを生成する。ここで、検査信号AGの信号レベルは、ハイレベルまたはローレベルのいずれかに設定される。すなわち、検査信号AGは2値化された信号である。
本実施形態において、XOR信号生成回路42は、比較信号CP1の信号レベルと比較信号CP2の信号レベルとが異なる場合に検査信号AGをハイレベル(「第1電位」の一例)に設定し、比較信号CP1の信号レベルと比較信号CP2の信号レベルとが同じである場合に検査信号AGをローレベル(「第2電位」の一例)に設定する。より具体的には、XOR信号生成回路42は、比較信号CP1がハイレベルかつ比較信号CP2がローレベルである場合に検査信号AGをハイレベルに設定し、比較信号CP1がローレベルかつ比較信号CP2がハイレベルである場合に検査信号AGをハイレベルに設定し、比較信号CP1及び比較信号CP2がハイレベルである場合に検査信号AGをローレベルに設定し、比較信号CP1及び比較信号CP2がローレベルである場合に検査信号AGをローレベルに設定する。換言すると、XOR信号生成回路42は、比較信号CP1の信号レベルと比較信号CP2の信号レベルとが異なるか否かに応じた信号レベル、すなわち比較信号CPの信号レベルの排他的論理和をとった結果に応じた信号レベルを有する検査信号AGを生成する。
以上の説明から分かるように、検査信号AGは、比較信号CP1及び比較信号CP2が示す残留振動の特性を、併せて示す信号であるといえる。
なお、信号レベルがハイレベルである場合の信号の電位は、比較信号CP1、比較信号CP2、及び検査信号AGのそれぞれについて異なっていてもよいし、一部について異なっていてもよいし、全て同じでもよい。同様に、信号レベルがローレベルである場合の信号の電位は、比較信号CP1、比較信号CP2、及び検査信号AGのそれぞれについて異なっていてもよいし、一部について異なっていてもよいし、全て同じでもよい。
<<5.検査ユニット>>
次に、吐出部Dに生じる残留振動について説明した上で、検査ユニットJUの動作について説明する。
一般的に、吐出部Dに生じる残留振動は、ノズルNの形状、キャビティ320に充填されたインクの重量、及び、キャビティ320に充填されたインクの粘度、等により決定される固有振動周期を有する。
例えば、一般的に、吐出部Dのキャビティ320に気泡が混入しているために吐出異常が生じている場合には、吐出状態が正常な場合と比較して、当該吐出部Dに生じる残留振動の周期が短くなる。また、一般的に、吐出部DのノズルN付近に紙粉等の異物が付着しているために吐出異常が生じている場合には、吐出状態が正常な場合と比較して、当該吐出部Dに生じる残留振動の周期が長くなり、かつ、当該吐出部Dに生じる残留振動の振幅が小さくなる。また、一般的に、吐出部Dのキャビティ320内のインクが増粘しているために吐出異常が生じている場合には、吐出状態が正常な場合と比較して、当該吐出部Dに生じる残留振動の周期が長くなり、かつ、当該吐出部Dに生じる残留振動の振幅が小さくなる。
このように、吐出部Dにおけるインクの吐出状態に応じて、当該吐出部Dに生じる残留振動の周期及び振幅等の残留振動の特性が変動する。このため、吐出部Dに生じる残留振動の周期及び振幅等の残留振動の特性に基づいて、当該吐出部Dにおけるインクの吐出状態を検査することができる。
検出電位信号Voutの波形を整形した信号である残留振動信号NVは、検査対象吐出部D-Hにおいて生じている残留振動に応じた波形を示す。具体的には、残留振動信号NVは、検査対象吐出部D-Hにおいて生じている残留振動の周期に応じた周期を示し、検査対象吐出部D-Hにおいて生じている残留振動の振幅に応じた振幅を示す。このため、残留振動信号NVが示す波形の特性を示す検査信号AGに基づいて、検査対象吐出部D-Hにおけるインクの吐出状態を検査することが可能となる。
上述のように、検査ユニットJUは、情報生成回路92および判定回路94を備える。以下、図10から図12を参照しつつ、検査ユニットJUによる吐出状態検査について説明する。
図10において、検査信号生成回路40への残留振動信号NVの供給が開始される時刻t-stの後、k回目(kは正の整数)に検査信号AGがローレベルからハイレベルに立ち上がる時刻をt-ukと称する。また、時刻t-stの後、j回目(jは正の整数)に検査信号がAGハイレベルからローレベルに立ち下がる時刻をt-djと称する。
図10には、一例として、時刻t-stの後に開始される4つの期間WL1、WL2、WH1、及びWH2が図示されている。このうち、期間WL1及び期間WL2は、検査信号AGがローレベルを示す期間である。より厳密には、期間WL1及び期間WL2は、検査信号AGがローレベルに立ち下がってから、最初にハイレベルに立ち上がるまでの期間である。期間WH1及び期間WH2は、検査信号AGがハイレベルに立ち上がってから、一旦ローレベルとなり、再びハイレベルになった後に、ローレベルに立ち下がるまでの期間である。
本実施形態においては、期間WL1の時間長TL1及び期間WL2の時間長TL2に基づいて波形情報Infoが生成され、当該波形情報Infoに基づいて吐出状態が検査される。
図11は、本実施形態に係る吐出状態検査を説明するためのフローチャートである。上述のとおり、検査信号AGは、検査対象吐出部D-Hにおいて生じている残留振動の特性を示す。情報生成回路92は、検査信号AGから、検査信号AGがローレベルとなる期間WL1(「第1期間」の一例)、及び、検査信号がAGローレベルとなる期間であって、期間WL1とは異なる期間WL2(「第2期間」の一例)を特定し(S100)、期間WL1の時間長TL1及び期間WH2の時間長TL2を算出する(S110)。本実施形態では、一例として、図10に示すように、期間WL1を、時刻t-d2から時刻t-u3までの期間とする。また、期間WL2を、時刻t-d3から時刻t-u4までの期間とする。
次に、情報生成回路92は、算出した時間長TL1が時間長TL2未満であるか否かを判断する(S120)。当該判断の結果が肯定の場合(S120:YES)、情報生成回路92は、時間長TL2に基づき周期情報Info-Fを生成するとともに、時間長TL1に基づき振幅情報Info-Aを生成する(S130)。より具体的には、情報生成回路92は、周期情報Info-Fが示す時間長NTcに、時間長TL2の2倍の値(時間長)を設定し、振幅情報Info-Aが示す時間長LTcに、時間長TL1を設定する。
ステップS120における判断の結果が否定の場合(S120:NO)、情報生成回路92は、時間長TL1に基づき周期情報Info-Fを生成するとともに、時間長TL2に基づき振幅情報Info-Aを生成する(S140)。この場合、情報生成回路92は、周期情報Info-Fが示す時間長NTcに時間長TL1の2倍の値を設定し、振幅情報Info-Aが示す時間長LTcに時間長TL2を設定する。
判定回路94は、周期情報Info-F及び振幅情報Info-Aに基づいて、検査対象吐出部D-Hにおけるインクの吐出状態を判定し、当該判定結果を示す判定情報Sttを生成する(S150)。
図12は、判定回路94における、判定情報Sttの生成を説明するための説明図である。上述のとおり、判定回路94は、ステップS150において、波形情報Info(周期情報Info-F及び振幅情報Info-A)に基づいて、検査対象吐出部D-Hにおけるインクの吐出状態を判定し、当該判定の結果を示す判定情報Sttを生成する。
具体的には、判定回路94は、吐出状態判定において、振幅情報Info-Aが示す時間長LTcと、閾値QTa(閾値QTaは正の整数)とを比較する。また、判定回路94は、吐出状態判定において、周期情報Info-Fが示す時間長NTcと、閾値QTb1及び閾値QTb2の少なくとも一方とを比較する(閾値QTb1及び閾値QTb2は、「QTb1<QTb2」を満たす正の整数)。
判定回路94は、振幅情報Info-Aが示す時間長LTcが「LTc≧QTa」を満たし、かつ、周期情報Info-Fが示す時間長NTcが「QTb1≦NTc≦QTb2」を満たす場合には、判定情報Sttに、検査対象吐出部D-Hの吐出状態が正常であることを示す値「1」を設定する。
また、判定回路94は、振幅情報Info-Aが示す時間長LTcが「LTc≧QTa」を満たし、かつ、周期情報Info-Fが示す時間長NTcが「NTc<QTb1」を満たす場合には、判定情報Sttに、キャビティ320への気泡の混入等に起因して検査対象吐出部D-Hに吐出異常が生じていることを示す値「2」を設定する。
また、判定回路94は、振幅情報Info-Aが示す時間長LTcが「LTc<QTa」を満たす場合、または、周期情報Info-Fが示す時間長NTcが「NTc>QTb2」を満たす場合には、判定情報Sttに、キャビティ320内のインクの増粘またはノズルN付近への異物の付着等に起因して検査対象吐出部D-Hに吐出異常が生じていることを示す値「3」を設定する。
以上のように、判定回路94は、波形情報Infoに基づいて、判定情報Sttを生成する。
そして、制御部6は、判定回路94が生成する判定情報Sttを、当該判定情報Sttに対応する検査対象吐出部D-Hの段数mと対応付けて、記憶部5に記憶させる。これにより、制御部6は、吐出部D[1]〜D[M]に対応する判定情報Stt[1]〜Stt[M]を管理する。
なお、本実施形態では、判定情報Sttが「1」から「3」までの3値の情報である場合を例示しているが、判定情報Sttは、時間長NTcが「QTb1≦NTc≦QTb2」を満たすか否かを示す2値の情報であってもよい。少なくとも、判定情報Sttは、検査対象吐出部D-Hにおけるインクの吐出状態が正常であるか否かを示す情報を含めばよい。
<<6.実施形態の結論>>
以上のように、本実施形態では、残留振動信号NVを基準電位と比較することにより得られた比較信号CP1及び比較信号CP2に基づいて、残留振動の特性を示す検査信号AGが生成される。そして、検査信号AGに基づいて吐出部Dにおけるインクの吐出状態が検査される。そのため、比較信号CP1及び比較信号CP2に基づいて吐出状態の検査がされる場合と比較して、残留振動の特性を示す信号数の増加が抑制され得る。
また、本実施形態では、検査信号AGを生成する検査信号生成回路40がヘッドユニットHUに設けられ、吐出状態検査を行う検査ユニットJUが制御モジュール60に設けられる。そのため、本実施形態によれば、比較信号CP1及び比較信号CP2が検査ユニットJUに供給される場合と比較して、フレキシブルフラットケーブルCBを構成する信号線の本数が低減される。同様に、情報生成回路92に供給される信号数が低減されるため、情報生成回路92に設けられる入力端子の数が低減される。結果として、インクジェットプリンター1の構成の簡素化、ひいてはインクジェットプリンター1の小型化が可能となる。さらに、信号線の数が低減されることにより、複数の信号線間でのクロストークによるノイズ及びその影響が低減され得るとともに、信号線にオープンやショートといった不具合が発生するリスクが低減され得る。
また、本実施形態では、検査信号AGがヘッドユニットHUから制御モジュール60に設けられた検査ユニットJUへ伝送される。すなわち、残留振動の特性を示す信号がヘッドユニットHUにおいて2値化されて(デジタル化されて)検査ユニットJUへ伝送される。そのため、アナログ信号である残留振動信号NVが伝送される場合と比較して、耐ノイズ性が向上する。結果として、検査ユニットJUに供給される信号に対するノイズの影響が低減され、ひいてはより高い精度で吐出状態の検査が行われ得る。
以上の効果は、インクジェットプリンター1が複数のヘッドユニットHUを有し、ヘッドユニットHUごとに検出回路20が設けられる本実施形態では特に顕著である。
なお、本実施形態において、比較信号CP1は「第1信号」に相当し、比較信号CP2は「第2信号」に相当し、検査信号AGは「第3信号」に相当する。
<<B.変形例>>
以上の形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。なお、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
<<変形例1>>
上述した実施形態において、情報生成回路92は、検査信号AGの期間WL1の時間長TL1及び期間WL2の時間長TL2の少なくとも一方に基づいて周期情報Info-Fを生成するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。情報生成回路92は、検査信号AGの期間WH1の時間長TH1及び期間WH2の時間長TH2の少なくとも一方に基づいて、周期情報Info-Fを生成してもよい。以下、図10および図13を参照しつつ、本変形例に係る吐出状態検査について説明する。
図13は、本変形例に係る吐出状態検査を説明するためのフローチャートである。情報生成回路92はステップS100aにおいて、実施形態と同様に、検査信号AGがローレベルとなる期間WL1及び期間WL2を特定する。ただし、本変形例においては、期間WL1及び期間WL2を、時刻t-stの後に開始される期間であって、かつ、検査信号AGが1回目にローレベルからハイレベルに立ち上がる時刻t-u1の後に開始される期間とする。そして、情報生成回路92は期間WL1の時間長TL1及び期間WL2の時間長TL2を算出し(S110)、期間WL1の時間長TL1が期間WL2の時間長TL2未満であるか否かを判断する(S120)。当該判断の結果が肯定の場合(S120:YES)、情報生成回路92は、振幅情報Info-Aが示す時間長LTcに時間長TL1を設定する(S132)。そして、情報生成回路92は、検査信号AGから期間WH1を特定し(S134)、期間WH1の時間長TH1を算出する(S136)。期間WH1は、振幅情報Info-Aの生成に用いられる期間WL1を含む期間であって、期間WL1の開始前の最後の立ち上がりから、期間WL1の終了後の最初の立ち下がりまでの期間である。すなわち、図10に示す例において、期間WH1の開始時刻t-u2は、期間WL1の開始時刻t-d2の前において、検査信号AGが最後にハイレベルに立ち上がる時刻である。また、期間WH1の終了時刻t-d3は、期間WL1の終了時刻t-u3の後において、検査信号AGが最初にローレベルに立ち下がる時刻である。
その後、情報生成回路92は、周期情報Info-Fが示す時間長NTcに、算出した時間長TH1の2倍の値を設定する(S138)。
ステップS120における判断の結果が否定の場合(S120:NO)、情報生成回路92は、振幅情報Info-Aが示す時間長LTcに時間長TL2を設定する(S142)。そして、情報生成回路92は、検査信号AGから期間WH2を特定し(S144)、期間WH2の時間長TH2を算出する(S146)。期間WH2は、振幅情報Info-Aの生成に用いられる期間WL2を含む期間であって、期間WL2の開始前の最後の立ち上がりから、期間WL2の終了後の最初の立ち下がりまでの期間である。すなわち、図10に示す例において、期間WH2の開始時刻t-u3は、期間WL2の開始時刻t-d3の前において、検査信号AGが最後にハイレベルに立ち上がる時刻である。また、期間WH2の終了時刻t-d4は、期間WL2の終了時刻t-u4の後において、検査信号AGが最初にローレベルに立ち下がる時刻である。
その後、情報生成回路92は、周期情報Info-Fが示す時間長NTcに、算出した時間長TH2の2倍の値を設定する(S148)。
そして、情報生成回路92は、ステップS150において、生成した振幅情報Info-A及び周期情報Info-Fに基づいて検査対象吐出部D-Hにおけるインクの吐出状態を判定し、当該判定結果を示す判定情報Sttを生成する。
なお、以上では振幅情報Info-Aが生成された後に周期情報Info-Fが生成される例を説明したが、振幅情報Info-A及び周期情報Info-Fは、並列的に生成されてもよい。具体的には、情報生成回路92は、ステップS132と、ステップS134からS138とを並列的に実行してもよい。同様に、情報生成回路92は、ステップS142と、ステップS144からS148とを並列的に実行してもよい。
<<変形例2>>
上述した実施形態において、情報生成回路92は、検査信号AGの期間WL1の時間長TL1及び期間WL2の時間長TL2の少なくとも一方に基づいて周期情報Info-Fを生成するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。情報生成回路92は、検査信号AGの期間WH1の時間長TH1及び期間WL2の時間長TL2を合計した時間長THL1と、期間WL1の時間長TL1及び期間WH2の時間長TH2を合計した時間長THL2と、の少なくとも一方に基づいて、周期情報Info-Fを生成してもよい。以下、図10および図14を参照しつつ、本変形例に係る吐出状態検査について説明する。
図14は、本変形例に係る吐出状態検査を説明するためのフローチャートである。この図において、ステップS100aからS110は上述の変形例と同様であるので、詳細な説明を割愛する。ステップS120において、情報生成回路92は、期間WL1の時間長TL1が期間WL2の時間長TL2未満であるか否かを判断する(S120)。当該判断の結果が肯定の場合(S120:YES)、情報生成回路92は、振幅情報Info-Aが示す時間長LTcに時間長TL1を設定する(S132)。また、情報生成回路92は、検査信号AGから期間WH1を特定する(S134)。期間WH1の詳細については上述の変形例と同様である。そして、ステップS137において、情報生成回路92は、期間WH1の時間長TH1及び期間WL2の時間長TL2を合計した時間長THL1を算出する。具体的には、情報生成回路92は、期間WH1の時間長TH1を算出した上で、当該時間長TH1及び期間WL2の時間長TL2を加算することにより時間長THL1を算出する。なお、情報生成回路92は、期間WH1の開始時刻t-u2及び期間WL2の終了時刻t-u4に基づいて時間長THL1を算出してもよい。
その後、情報生成回路92は、周期情報Info-Fが示す時間長NTcに、算出した時間長THL1を設定する(S139)。
ステップS120における判断の結果が否定の場合(S120:NO)、情報生成回路92は、振幅情報Info-Aが示す時間長LTcに時間長TL2を設定する(S142)。また、情報生成回路92は、検査信号AGから期間WH2を特定する(S144)。期間WH2の詳細については上述の変形例と同様である。そして、ステップS147において、情報生成回路92は、期間WH2の時間長TH2及び期間WL1の時間長TL1を合計した時間長THL2を算出する。具体的には、情報生成回路92は、期間WH2の時間長TH2を算出した上で、当該時間長TH2及び期間WL1の時間長TL1を加算することにより時間長THL2を算出する。または、情報生成回路は、期間WL1の開始時刻t-d2及び期間WH2の終了時刻t-d4に基づいて時間長THL2を算出してもよい。
その後、情報生成回路92は、周期情報Info-Fが示す時間長NTcに、算出した時間長THL2を設定する(S149)。
そして、情報生成回路92は、ステップS150において、生成した振幅情報Info-A及び周期情報Info-Fに基づいて検査対象吐出部D-Hにおけるインクの吐出状態を判定し、当該判定結果を示す判定情報Sttを生成する。
なお、本変形例においても、振幅情報Info-A及び周期情報Info-Fは、並列的に生成されてもよい。具体的には、情報生成回路92は、ステップS132と、ステップS134からS139とを並列的に実行してもよい。同様に、情報生成回路92は、ステップS142と、ステップS144からS149とを並列的に実行してもよい。
<<変形例3>>
上述した実施形態及び変形例では、検査信号AGが2回目に立ち下がる時刻t-d2以降に、検査信号AGがローレベルとなる期間を特定する。しかし、本発明はこのような態様に限定されるものではない。情報生成回路92は、検査信号AGが1回目に立ち下がる時刻t-d1以降に検査信号AGがローレベルとなる期間を特定してもよいし、3回目以降に立ち下がる時刻t-d3以降に特定してもよい。
<<変形例4>>
上述した実施形態及び変形例において、基準電位VRef2が「VRef1>VRef2」を満たすよう定められる例を説明したが、基準電位VRef2は「VRef1<VRef2」を満たすように定められてもよい。この場合でも、図11、図12、または図13におけるS120において、時間長TL1が時間長TL2未満であるか否かを判断するため、これら図11、図12、または図13を参照して上述した処理フローにより、吐出状態検査が実行され得る。
<<変形例5>>
上述した実施形態及び変形例において、検査信号生成回路40はヘッドユニットHUに設けられるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、検査信号生成回路40は制御モジュール60に設けられてもよい。この場合、残留振動信号NVがフレキシブルフラットケーブルCBを介して制御モジュール60へ供給される。本変形例において、検査信号生成回路40は、制御部6とは別個の回路として設けられてもよいし、検査信号生成回路40のうちの一部または全部が、制御部6のCPU等が制御プログラムに従って動作することにより実現される機能ブロックとして実装されてもよい。
本変形例においても、上述した実施形態と同様に、比較信号CP1及び比較信号CP2が情報生成回路92に供給される場合と比較して、情報生成回路92に供給される信号数が低減される。そのため、情報生成回路92に設けられる入力端子の数が低減される。結果として、インクジェットプリンター1の構成の簡素化、ひいてはインクジェットプリンター1の小型化が可能となる。
<<変形例6>>
上述した実施形態及び変形例において、判定回路94は、周期情報Info-Fの示す時間長NTcと、振幅情報Info-Aの示す時間長LTcと、に基づいて、検査対象吐出部D-Hにおけるインクの吐出状態を判定するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。判定回路94は、周期情報Info-F及び振幅情報Info-Aの少なくとも一方に基づいて、検査対象吐出部D-Hにおけるインクの吐出状態を判定すればよい。すなわち、上述した実施形態及び変形例において、波形情報Infoは、周期情報Info-F及び振幅情報Info-Aを含むが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、波形情報Infoは、周期情報Info-F及び振幅情報Info-Aの少なくとも一方を含むものであればよい。
例えば、判定回路94は、周期情報Info-Fの示す時間長NTcが「QTb1≦NTc≦QTb2」を満たす場合には、検査対象吐出部D-Hの吐出状態が正常であると判定し、時間長NTcが「NTc<QTb1」または「NTc>QTb2」を満たす場合には、検査対象吐出部D-Hの吐出状態が異常であると判定してもよい。
または、判定回路94は、振幅情報Info-Aの示す時間長LTcが「LTc≧QTa」を満たす場合には、検査対象吐出部D-Hの吐出状態が正常であると判定し、時間長LTcが「LTc<QTa」を満たす場合には、検査対象吐出部D-Hの吐出状態が異常であると判定してもよい。
<<変形例7>>
上述した実施形態及び変形例において、インクジェットプリンター1は、4個のヘッドユニットHUと、4個のインクカートリッジ31と、が1対1に対応するように設けられるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、インクジェットプリンター1は、1個以上のヘッドユニットHUと、1個以上のインクカートリッジ31と、を備えていればよい。
また、上述した実施形態及び変形例において、インクジェットプリンター1には、4個のヘッドユニットHUに1対1に対応して4個の検査ユニットJUが設けられるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、インクジェットプリンター1には、複数のヘッドユニットHUに対して1個の検査ユニットJUが設けられてもよく、1個のヘッドユニットHUに対して複数の検査ユニットJUが設けられてもよい。
<<変形例8>>
上述した実施形態及び変形例において、駆動信号Comは、吐出部Dからインクを吐出させるように吐出部Dを駆動するための吐出波形である波形PA1及び波形PA2を含むが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、駆動信号Comは、吐出部Dからインクが吐出しない程度に吐出部Dを駆動するための非吐出波形である微振動波形PBSを含んでいてもよい。
この場合、本変形例に係る駆動回路8は、印刷処理の各単位期間Tuにおいて、波形PA1または波形PA2が供給されない吐出部Dに対して、微振動波形PBSを供給してもよい。
<<変形例9>>
上述した実施形態及び変形例において、情報生成回路92及び判定回路94は、制御部6とは別個の回路として設けられるが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。情報生成回路92のうちの一部または全部は、制御部6のCPU等が制御プログラムに従って動作することにより実現される機能ブロックとして実装されてもよい。または、もしくはこれに加えて、判定回路94のうちの一部または全部は、制御部6のCPU等が制御プログラムに従って動作することにより実現される機能ブロックとして実装されてもよい。
また、上述した実施形態及び変形例において、情報生成回路92及び判定回路94は、ヘッドユニットHUの外部に配置される制御モジュール60に設けられるが、情報生成回路92及び判定回路94の少なくとも一方がヘッドユニットHUに設けられてもよい。または、情報生成回路92のうちの一部または全部、及び、判定回路94のうちの一部または全部がヘッドユニットHUに設けられてもよい。
<<変形例10>>
上述した実施形態及び変形例では、インクジェットプリンター1がシリアルプリンターである場合を想定したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、インクジェットプリンター1は、ヘッドモジュールHMにおいて、複数のノズルNが記録用紙Pの幅よりも広く延在するように設けられた、所謂ラインプリンターであってもよい。
1…インクジェットプリンター、5…記憶部、6…制御部、7…搬送機構、8…駆動回路、10…供給回路、20…検出回路、40…検査信号生成回路、42…XOR信号生成回路、60…制御モジュール、92…情報生成回路、94…判定回路、320…キャビティ、410,412…コンパレーター、D…吐出部、HD…記録ヘッド、HU…ヘッドユニット、HM…ヘッドモジュール、JU…検査ユニット、JM…判定モジュール、N…ノズル、PZ…圧電素子。

Claims (8)

  1. 駆動信号により駆動されて液体を吐出する吐出部が設けられたヘッドユニットと、
    前記駆動信号に駆動された前記吐出部に生じる残留振動を検出し、当該検出の結果を示す検出電位信号を出力する検出部と、
    前記検出電位信号を第1基準電位で2値化した第1信号を生成する第1コンパレーターと、
    前記検出電位信号を前記第1基準電位とは異なる第2基準電位で2値化した第2信号を生成する第2コンパレーターと、
    前記第1信号の信号レベル及び前記第2信号の信号レベルに応じた信号レベルを有する第3信号を生成する信号生成部と、
    前記第3信号に基づいて前記吐出部における液体の吐出状態を検査する検査部と、
    を備える
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記第3信号は、前記第1信号の信号レベルと前記第2信号の信号レベルとが異なるか否かに応じて定められた信号レベルを有する2値化信号である
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記第1基準電位と、前記検出電位信号が示す波形の振幅の中心における電位とが略一致する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記信号生成部は、前記ヘッドユニットに設けられる
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の液体吐出装置。
  5. 基板と、
    前記ヘッドユニット及び前記基板を電気的に接続するケーブルと、
    をさらに備え、
    前記検査部は、前記基板に設けられる
    ことを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置。
  6. 前記信号生成部は、
    前記第1信号の信号レベルと前記第2信号の信号レベルとが異なる場合に前記第3信号を第1電位に設定し、
    前記第1信号の信号レベルと前記第2信号の信号レベルとが同じである場合に前記第3信号を第2電位に設定し、
    前記検査部は、
    前記第3信号が前記第2電位を示す第1期間の時間長と、前記第3信号が前記第2電位を示し、前記第1期間とは異なる第2期間の時間長と、に基づいて、前記検出電位信号が示す波形の特性を示す特性情報を生成する情報生成部と、
    前記特性情報に基づいて前記吐出状態を判定する判定部と、
    を備える、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の液体吐出装置。
  7. 前記特性情報は、前記検出電位信号が示す波形の周期に関する周期情報を含み、
    前記第1期間の時間長は前記第2期間の時間長よりも短く、
    前記情報生成部は、前記第2期間の時間長に基づいて前記周期情報を生成する
    ことを特徴とする請求項6に記載の液体吐出装置。
  8. 前記特性情報は、前記検出電位信号が示す波形の振幅に関する振幅情報を含み、
    前記第1期間の時間長は前記第2期間の時間長よりも短く、
    前記情報生成部は、前記第1期間の時間長に基づいて前記振幅情報を生成する
    ことを特徴とする請求項6または7に記載の液体吐出装置。

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