JP2018148840A - 自動潅水式立体的植栽システム - Google Patents
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Abstract
【課題】街路や広場等の景観の向上及び火災時等の防災対策に寄与する、自動潅水式立体的植栽システムを提供する。【解決手段】架台と、架台上部に設置された有底筒状の貯水タンクと、貯水タンクの周囲を覆うように設けられた支持フレームと、支持フレームに取り付けられた植栽パネル4と、植栽パネル4に取り付けられた複数の植栽ポット5と、貯水タンクから延出した導水管と、植栽ポット5の上方付近の位置を通過する部位に設けられたノズルと、バッテリと接続されたコントローラとを備えた自動潅水式立体的植栽システム。【選択図】図1
Description
本発明は、街路や広場等の景観の向上及び火災時等の防災対策に寄与する、自動潅水式立体的植栽システムに関する。
従来より、市街地等の景観を向上させるために、街路等に花壇が設置されている。こうした花壇を街路等の何か所にも設置した場合には、これら花壇に植栽した植物に対する潅水に多大な労力を要していた。
そこで、こうした花壇に植栽された植物に対して自動的に潅水を行うべく、様々な潅水装置が開発されている。特に、電源や水源を確保することが困難な場所に設置する花壇を考慮して、太陽電池、貯水タンク及びポンプを利用した自動潅水装置も開発されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
特許文献1は、毛細管式給水器を具えた貯水容器を具備した複数のコンテナーと、そのコンテナーを立体的に配置、支持する架台と、架台の下部に設けられる水槽と、水槽内に設けられる水中ポンプと太陽電池と、太陽電池の出力電力を蓄電し、予め定められたプログラムに従って水中ポンプを作動させる電源回路と、水中ポンプの揚水を、最高位置にあるコンテナー内の貯水容器に導く給水管と、高位置のコンテナー内の貯水容器の溢流水を順次低位置のコンテナー内の貯水容器に導く導水管と、最低位置のコンテナー内の貯水容器からの溢流水を水槽内に還流させる排水管と、から成る自動潅水装置を備えた立体花壇を開示している。
また、特許文献2は、パネル状の枠体と、該枠体の上部に設け太陽光を受光する太陽電池セルと、該太陽電池セルで発電した電力を蓄電するバッテリと、前記枠体の前面に配置した鉢植植物と、前記枠体の下部に設けた貯水タンクと、前記枠体の上部に設け、前記貯水タンクに雨水を導く雨受と、前記貯水タンクに貯水した水を前記鉢植植物に潅水する揚水ポンプとを備えた潅水機構付き移動垣根であって、前記バッテリに畜電した電力を用いて、前記貯水タンクの水を前記揚水ポンプにより前記鉢植植物に潅水することを特徴とする潅水機構付き移動垣根を開示している。
特許文献1及び特許文献2に開示される技術は、太陽電池、貯水タンク及びポンプを利用して、確かに電源や水源の確保が困難な場所においても自動潅水を行うことができるものであるが、いずれも所謂“壁面緑化”的で平面的であり、美観の面白さや美麗さに欠けるものであった。また、周辺の火災時等の災害対策といった公益的な考慮はなされていない。
本発明は、街路や広場等の美観の向上及び火災時等の防災対策に寄与する、自動潅水式立体的植栽システムを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、架台(1)と、前記架台(1)上部に設置された有底筒状の貯水タンク(2)と、前記貯水タンク(2)の周囲を覆うように設けられた支持フレーム(3)と、前記支持フレーム(3)に取り付けられた植栽パネル(4)と、前記植栽パネル(4)に取り付けられた複数の植栽ポット(5)と、前記貯水タンク(2)内に設置された水中ポンプ(6)と、前記貯水タンク(2)内から延出して前記各植栽ポット(5)の上方付近の位置を通過するように設けられた導水管(7)と、前記導水管(7)の前記各植栽ポット(5)の上方付近の位置を通過する部位に設けられたノズル(8)と、ソーラーパネル(9)と、前記水中ポンプ(6)及び前記ソーラーパネル(9)に接続されたバッテリ(10)と、前記水中ポンプ(6)及び前記バッテリ(10)と接続されたコントローラ(11)とを備えた自動潅水式立体的植栽システムであって、前記貯水タンク(2)上部には円盤状の蓋(12)が設けられており、前記蓋(12)は、その中心部に前記導水管(7)を挿通するための挿通口(13)を備え、前記支持フレーム(3)は、前記貯水タンク(2)の周囲を回動可能に設けられていることを特徴とする。
本発明の第2の態様は、前記ソーラーパネル(9)は、前記貯水タンク(2)の上方に設置されていることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、前記支持フレーム(3)は、前記貯水タンク(2)の上方に延出する上部支持部材(14)を備え、前記上部支持部材(14)にも植栽パネル(4’)が取り付けられていることを特徴とする。
本発明の第4の態様は、前記支持フレーム(3)は、その上部及び下部にそれぞれ上部外側環状フレーム(16)及び下部環状フレーム(17)を備え、前記上部支持部材(14)は、平面視において環状に設けられており、前記上部外側環状フレーム(16)及び下部環状フレーム(17)の直径は、前記上部支持部材(14)の直径よりも大きく設けられていることを特徴とする。
本発明の第5の態様は、前記バッテリ(10)及び前記コントローラ(11)は、前記架台(1)の内部に設置されていること特徴とする。
本発明の第6の態様は、前記蓋(12)は、所定の直径を軸に前記蓋(12)の半円盤状の一方が開閉可能に設けられるとともに、前記蓋(12)の下面に、折り畳み式のバケツが取り付けられていることを特徴とする。
本発明の第7の態様は、前記コントローラ(11)は、4つのタイマーに基づいて制御を行うものであることを特徴とする。
本発明の第8の態様は、前記植栽ポット(5)に植栽された植物の培地中の湿度を検出するための湿度センサーを備え、前記コントローラ(11)は、前記湿度センサーで検出した培地中の湿度に基づいて制御を行うことを特徴とする。
本発明の第1の態様によれば、筒状の貯水タンクの周囲を覆うように複数の植栽ポットを設けたことから、貯水タンクを隠しつつ、環状且つ立体的に植栽することができ、これを街路や広場に設置した場合には景観の向上を図ることができる。また、水中ポンプ、ソーラーパネル及びバッテリを備えたことから、自動潅水が可能となり、水やりの手間を省くことができる。さらに、貯水タンクの上部には容易に開閉可能な蓋を設けたことから、近隣で火災等が発生した場合には、貯水タンク内の水を初期消火用として用いることも可能である。さらに、支持フレームを貯水タンクの周囲を回動可能に設けたことから、支持フレームに取り付けられた植栽パネル及び植栽パネルに取り付けられた植栽ポットも貯水タンクの周囲を回動可能となり、方角による日当たりの良し悪しに影響されることなく、植栽ポットに植えられた植物を均等に生育させることが可能となる。
本発明の第2の態様によれば、ソーラーパネルを貯水タンクの上方に設置したことから、ソーラーパネルを設置する余計なスペースを利用することなく、且つ太陽光を良好に受光することができる。
本発明の第3の態様によれば、支持フレームに上部支持部材を設け、及び上部支持部材にも植栽パネルを取り付けたことから、貯水タンク上方にも植栽ポットを取り付けることが可能となり、貯水タンク上方付近に存在する貯水タンクの蓋、導水管等を覆い隠すことで、より美観の向上を図ることができる。
本発明の第4の態様によれば、支持フレームは、その上部及び下部にそれぞれ上部外側環状フレーム及び下部環状フレームを備え、上部外側環状フレーム及び下部環状フレームの直径を、上部支持部材の直径よりも大きく設けたことから、貯水タンクの外周面が部位によって曲率が異なる場合でも干渉することなく、支持フレーム及びこれに取り付けられた植栽パネルを貯水タンクの周囲を回動することが可能となる。
本発明の第5の態様によれば、バッテリ及びコントローラを架台の内部に設置したことから、バッテリ及びコントローラを隠すことができ、美観の向上やこれらの盗難の防止に寄与する。
本発明の第6の態様によれば、貯水タンクの蓋の半分を開閉可能としたので貯水タンクを容易に開けることができ、近隣で生じた火災の初期消火に役立てることができる。さらに、蓋の下面には折り畳み式のバケツを取り付けたので、より一層消火作業を容易にすることができる。
本発明の第7の態様によれば、コントローラを4つの異なるタイマーで制御することとしたので、春夏秋冬といった四季に合わせた制御が可能となり、植栽ポットに植えられた植物の適切な管理が可能となる。
本発明の第8の態様によれば、植栽ポット内の培地の湿度に基づいてコントローラの制御を行うこととしたので、植栽ポットに植栽された植物のきめ細やかな管理が可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態について説明する。
本発明の架台1は、その上部に貯水タンク2等が設置されることから、一定の強度を備えるものであるが、材質や形状等は特に限定されるものではない。架台1の形状については、図1では角柱状のものを示しているが、貯水タンク2が筒状であることから、これに合わせて円柱状とすることが美観上望ましい。また、円柱状の形状は、角柱状の場合のように角部分が存在しないため、安全面でも望ましい形状である。
架台1は、好ましくは、中空であり、内部にバッテリ10及びコントローラ11を収容することが望ましい。架台1内部にバッテリ10及びコントローラ11を設置しておけば、バッテリ10及びコントローラ11を隠すことができ美観を向上させることができ、またこれらの器具の盗難を防止することもできる。さらに、架台1の内部には、糸鋸、取水継手、ホース等を収容しておくことがさらに望ましい。災害時には、本発明の自動潅水式立体的植栽システムを雨樋の近辺に設置し、糸鋸で雨樋の一部を切除し、当該切除部分に取水継手を取り付けるとともに、ホースの一端を取水継手に取り付け、ホースの他端を貯水タンク2内に導入することにより、本発明の自動潅水式立体的植栽システムを雨水を有効活用するためのタンクとして利用することもできる。
貯水タンク2は、架台1の上部に設置される。貯水タンク2は、有底筒状である。円柱状でもよいが、好ましくは、図2に示すように上部及び下部の直径がそれぞれ次第に減少(テーパー状)した形状であることが望ましい。貯水タンク2の材質は特に限定されるものではないが、例えば、高分子量高密度ポリエチレンを主要な材質として用いることが望ましい。また、貯水タンク2の大きさも特に限定されるものではないが、例えば、最大容量200lであれば、上述した災害時の雨水活用の際にも有利に用いることができて望ましい。
貯水タンク2の上部には円盤状の蓋12が設けられている。蓋12の中心部には後述する導水管7を挿通するための挿通口13を備えている。また、蓋12の任意の位置に給水口を設けることもできる。給水口は、例えば、貯水タンク2内に水を供給する際に利用される。
蓋12は、所定の直径上の線を軸にして、蓋12の略半分、即ち、半円盤状の一方を開閉可能に設けることが望ましい。これにより、近隣での火災時等、蓋12の開放を迅速に行う必要がある際にも容易に行うことができる。さらに、蓋12の下面には折り畳み式のバケツを設けておくことが望ましい。これにより、火災時の初期消火をさらに容易に行うことが可能となる。なお、ここで、「所定の直径上の線を軸にして、蓋の略半分、即ち、半円盤状の一方を開閉可能」とは、後述する回動環状部材20が蓋12の上面に載置される態様においては、蓋12のうち、蓋12の中心を中心とする回動環状部材20の直径よりも小さな直径の円の部分の半分が開閉可能であるという意味をも含む。また、さらには、後述するソーラーパネル取付フレーム23の優弧状の線状フレームが蓋12の上面に載置される態様においては、蓋12のうち、蓋12の中心を中心とする当該優弧状の線状フレームの仮想的直径よりも小さな直径の円の部分の半分が開閉可能であるという意味をも含む。
蓋12の上面外周に沿って、上方に立ち上がるリム部15を設けることが望ましい。後述するように、リム部15は、支持フレーム3を回動させる際に案内をする機能を有することができる。
図3は支持フレーム3の一例の平面図、図4は支持フレーム3の一例の正面図をそれぞれ示している。支持フレーム3は、貯水タンク2の周囲を覆うように、支持フレーム3の上部及び下部にはそれぞれ環状フレームが設けられており、上部外側環状フレーム16及び下部環状フレーム17の間には複数本の縦方向線状フレーム18が設けられている。支持フレーム3は、例えば、貯水タンク2に被せるように貯水タンク2に載置される。また、支持フレーム3は、貯水タンク2の周囲を回動可能に設けられている。支持フレーム3を貯水タンク2の周囲を回動可能に設けたことから、支持フレーム3に取り付けられた植栽パネル4及び植栽パネル4に取り付けられた植栽ポット5も貯水タンク2の周囲を回動可能となり、方角による日当たりの良し悪しに影響されることなく、植栽ポット5に植えられた植物を均等に生育させることが可能となる。図3及び図4に示すように、支持フレーム3は線状の枠体であり、上部には上部外側環状フレーム16、及び上部外側環状フレーム16よりも直径の小さい上部内側環状フレーム16’が、上部外側環状フレーム16及び上部内側環状フレーム16’の中心を中心として水平方向に放射状に延在する8本の短い線状の部材で接続されており、平面視において略2重の環状で、縦方向線状フレーム18は、貯水タンク2の高さと略等しいかそれよりも小さい長さを有している。また、図4に示すように、好ましくは、縦方向線状フレーム18には複数個のブレ止め部材19を設けることが望ましい。これにより、支持フレーム3に取り付けられた植栽パネル4のブレを容易に防止することができる。
図3及び図4は、本発明の好ましい態様の支持フレーム3を示しており、支持フレーム3を貯水タンク2に取り付けた際に、貯水タンク2の上方に延出するように設けられた上部支持部材14を備えている。支持フレーム3と上部支持部材14は、一体的に設けてもよいし、別々に設けて適宜の帯状部材等で一体化させてもよい。上部支持部材14にも支持フレーム3と同様、植栽パネル4’が取り付けられ、上部支持部材14に取り付けられた植栽パネル4’にも複数の植栽ポット5’が取り付けられる。平面視において、支持フレーム3の上部外側環状フレーム16及び下部環状フレーム17の直径は、上部支持部材14の直径よりも大きく設けられている。支持フレーム3の上部外側環状フレーム16及び下部環状フレーム17の直径が適度な大きさを有することによって、例えば、貯水タンク2の上部及び下部の直径が次第に減少する形状のように、貯水タンク2の外周の曲率が部位によって異なる場合でも、支持フレーム3を貯水タンク2の周囲を円滑に回動させることができる。また、上部支持部材14の直径が比較的に小さく設けられていることによって、上部支持部材14に植栽パネル4’及び植栽ポット5’を取り付けて当該部分に植物を植栽した場合には、本発明の自動潅水式立体的植栽システム上部の蓋12、上部環状フレーム16等の部材を隠すことが可能になるため花壇の美観を向上させることができる。
また、支持フレーム3には、好ましくは、回動環状部材20が設けられている。回動環状部材20は、上部内側環状フレーム16’から下方に延出する複数本の線状部材21によって、上部内側環状フレーム16’の下方に位置するように支持されている。回動環状部材20は、平面視において環状であり、直径は上部支持部材14の直径よりも小さく、上部内側環状フレーム16’の直径と等しく設けられている。回動環状部材20は、蓋12の上面に載置される。回動環状部材20の直径は、リム部15の直径よりも僅かに小さく設けられている。これによって、回動環状部材20がリム部15の内周に沿って摺動可能となり、支持フレーム3及び支持フレーム3に取り付けられた植栽パネル4並びに植栽ポット5が貯水タンク2の周囲を回動可能となる。また、好ましい態様において、支持フレーム3に上部支持部材14が取り付けられている場合には、上部支持部材14、上部支持部材14に取り付けられた植栽パネル4’及び当該植栽パネル4’に取り付けられた植栽ポット5’も貯水タンク2の周囲を回動可能となる。
植栽パネル4は、図1に示すように縦方向及び横方向に複数の植栽ポット5が取り付けられるような構造を有している。植栽パネル4は特に限定されるものではなく市販のものを利用することも可能である。植栽パネル4は、支持フレーム3に取り付けられ、好ましくは上部支持部材14にも取り付けられる。植栽パネル4の支持フレーム3及び上部支持部材14への取付は、例えば、図5に示すように、樹脂製等の帯状部材22等で行うことができる。植栽パネル4を予め貯水タンク2の周囲を覆うような環状形状として成形しておけば、植栽パネル4を支持フレーム3に単に吊り下げて取り付けることも可能である。
複数の植栽ポット5が植栽パネル4に取り付けられる。図1では、本発明の自動潅水式立体的植栽システムの構造を示すべく、植栽ポット5は植栽パネル4に部分的にしか取り付けていないが、好ましくは、植栽パネル4に取り付け可能な最大の数の植栽ポット5を取り付け、貯水タンク2が見えないようにすることが美観上望ましい。植栽ポット5には直接培地を入れ植栽を行ってもよいし、鉢に植栽された植物を当該鉢ごと植栽ポット5内に載置することもできる。
貯水タンク2の内部には水中ポンプ6が設置されている。水中ポンプ6は揚水ポンプであり、後述するバッテリ10及びコントローラ11と接続して作動し、貯水タンク2内の水を後述する導水管7及びノズル8を通して自動的に潅水を行う。
導水管7は、貯水タンク2内から延出して各植栽ポット5の上方付近の位置を通過するように設けられている。具体的には、例えば、導水管7は、貯水タンク2の中心部を上方に垂直に延出して、挿通口13を通過すると、90度(逆L字状に)曲がって蓋12の上方を外周に向かって水平に延伸し、植栽パネル4の外周の各植栽ポット5の上方付近の位置を通過するように設けられている。図6は、導水管7の拡大図である。導水管7は、植栽パネル4の外周を略1周すると、下方向に90度曲がり、1段下の植栽ポット5の上方付近を通過するべく、さらに90度曲がって水平方向に植栽パネル4の外周を略1周するというように、導水管7は、各植栽ポット5の上方付近を通過するように設けられている。
導水管7の各植栽ポット5の上方付近を通過する部位には、植栽ポット5に潅水するべくノズル8が設けられている。ノズル8は、水中ポンプ6が作動して導水管7内に水が供給されると、ノズル8の吐出口から水を滴下する。
ソーラーパネル9は、太陽光を受光して発電する。ソーラーパネル9は任意の物を使用することができ、市販品も使用することができる。ソーラーパネル9は、好ましくは、貯水タンク2の上方に、例えば、ソーラーパネル取付フレーム23を用いて取り付けることが望ましい。ソーラーパネル9を、貯水タンク2上部に設置することにより、ソーラーパネル9を設置するためのスペースを別途確保する必要がなくなる。また、貯水タンク2上部は比較的高い位置にあることから太陽光の受光を遮られる可能性が低く、良好な受光及び発電という観点からも望ましい。
図7は、ソーラーパネル取付フレーム23を示している。図7のうち7Aは、ソーラーパネル取付フレーム23及びソーラーパネル取付金具の平面図を、7Bは、同じく正面図をそれぞれ示している。7C、7D、7E及び7Fは、ソーラーパネル取付金具を示している。ソーラーパネル取付フレーム23の下部は、優弧状の線状フレームで構成され、当該優弧から立ち上がるコの字状の線状フレームが2本、所定の間隔を隔てて平行に設けられ、当該2本のコの字状の線状フレームの間で且つコの字状の線状フレームが優弧状の線状フレームに対して平行である位置に板状フレームが設けられている。当該板状フレームにソーラーパネル取付金具が取り付けられ、さらにソーラーパネル9が取り付けられる。
ソーラーパネル取付フレーム23は、蓋12の上面に載置される。そのため、支持フレーム3等を回動させた場合でもソーラーパネル取付フレーム23は回動しない。その結果、ソーラーパネル9も回動しないため、支持フレーム3等を回動させてもソーラーパネル9を常に受光に最適な方角に向けておくことが可能となる。図7C乃至Eは、ソーラーパネル9の裏面側に取り付けられるソーラーパネル取付金具である。また、図7F等に示すソーラーパネル取付金具により、ソーラーパネル9の取付角度を調整することも可能である。
前記優弧状の線状フレームの仮想的な直径(当該優弧の両端を伸長させて円にした場合の直径)は、回動環状部材20の直径よりも僅かに小さく設けられている。優弧状の線状フレームを円ではなく弧の形状にしたことによって、例えば、導水管7を、貯水タンク2の中心部を上方に垂直に延出して、挿通口13を通過すると、90度(逆L字状に)曲がって蓋12の上方を外周に向かって水平に延伸し、植栽パネル4の外周の各植栽ポット5の上方付近の位置を通過するように設けた場合における導水管7の蓋12の上方を外周に向かって水平に延伸する部位と、優弧状の線状フレームが干渉し合うことなく、ソーラーパネル取付フレーム23を上方から蓋12上面に載置することができる。このように、ソーラーパネル取付フレーム23を構成した場合、ソーラーパネル取付フレーム23を蓋12から取り外すことも容易に行えるため、貯水タンク2内の水を初期消火に利用する場合等も迅速に消化活動を開始することができる。
水中ポンプ6及びソーラーパネル9は、バッテリ10と接続している。バッテリ10は、さらに後述するコントローラ11とも接続している。バッテリ10は、ソーラーパネル9で発電した電力を蓄電し、当該電力を用いて水中ポンプ6及びコントローラ11を作動する。バッテリ10は、好ましくは架台1の内部に設置される。
水中ポンプ6及びバッテリ10は、コントローラ11に接続している。コントローラ11は、バッテリ10の電力を利用して水中ポンプ6の作動を制御する。コントローラ11は、好ましくは、架台1の内部に設置される。
図8は、第一の実施形態に係るコントローラ11の正面図であり、図9は、第一の実施形態に係るコントローラ等の回路図である。第一実施形態では、コントローラ11は1つのタイマー、具体的には例えば、春季に適するように調整され、1週間単位に設定されたタイマーに基づいて水中ポンプ6の作動を制御する。図8に示すように、コントローラ11は、スイッチ操作で上述したタイマーに基づいて自動潅水、手動潅水及び停止を切り替えることができる。
図10は、第二の実施形態に係るコントローラ11’の正面図であり、図11は、第二の実施形態に係るコントローラ等の回路図である。第二実施形態では、コントローラ11’は4つのタイマー、具体的には例えば、春季に適するように調整された1週間単位の設定のタイマー、同じく夏季用、秋季用及び冬季用のタイマーに基づいて水中ポンプ6の作動を制御する。図10に示すように、コントローラ11’は、スイッチ操作で上述したタイマーに基づいて自動春季潅水、自動夏季潅水、自動秋季潅水、自動冬季潅水、手動潅水及び停止を切り替えることができる。第二実施形態によれば、四季の日昇、降雨量等の変動に合わせた緻密な自動潅水が可能となり、植栽された植物の良好な生育を可能にする。
本発明の自動潅水式立体的植栽システムには、図示していない湿度センサーを設けることも可能であり、望ましい。湿度センサーによって、直接又は間接的に植栽ポット5に入れられた培地中の湿度を検出し、当該検出した湿度に基づいてコントローラ11の制御を行うことが望ましい。これにより、より一層きめ細やかな自動潅水の管理を行うことが可能となり、植栽された植物の生育を良好なものとすることができる。
1 架台
2 貯水タンク
3 支持フレーム
4 植栽パネル
5 植栽ポット
6 水中ポンプ
7 導水管
8 ノズル
9 ソーラーパネル
10 バッテリ
11 コントローラ
12 蓋
13 挿通口
14 上部支持部材
15 リム部
16 上部外側環状フレーム
16’上部内側環状フレーム
17 下部環状フレーム
18 縦方向線状フレーム
19 ブレ止め部材
20 回動環状部材
21 線状部材
22 帯状部材
23 ソーラーパネル取付フレーム
2 貯水タンク
3 支持フレーム
4 植栽パネル
5 植栽ポット
6 水中ポンプ
7 導水管
8 ノズル
9 ソーラーパネル
10 バッテリ
11 コントローラ
12 蓋
13 挿通口
14 上部支持部材
15 リム部
16 上部外側環状フレーム
16’上部内側環状フレーム
17 下部環状フレーム
18 縦方向線状フレーム
19 ブレ止め部材
20 回動環状部材
21 線状部材
22 帯状部材
23 ソーラーパネル取付フレーム
Claims (8)
- 架台(1)と、前記架台(1)上部に設置された有底筒状の貯水タンク(2)と、前記貯水タンク(2)の周囲を覆うように設けられた支持フレーム(3)と、前記支持フレーム(3)に取り付けられた植栽パネル(4)と、前記植栽パネル(4)に取り付けられた複数の植栽ポット(5)と、前記貯水タンク(2)内に設置された水中ポンプ(6)と、前記貯水タンク(2)内から延出して前記各植栽ポット(5)の上方付近の位置を通過するように設けられた導水管(7)と、前記導水管(7)の前記各植栽ポット(5)の上方付近の位置を通過する部位に設けられたノズル(8)と、ソーラーパネル(9)と、前記水中ポンプ(6)及び前記ソーラーパネル(9)に接続されたバッテリ(10)と、前記水中ポンプ(6)及び前記バッテリ(10)と接続されたコントローラ(11)とを備えた自動潅水式立体的植栽システムであって、
前記貯水タンク(2)上部には円盤状の蓋(12)が設けられており、
前記蓋(12)は、その中心部に前記導水管(7)を挿通するための挿通口(13)を備え、
前記支持フレーム(3)は、前記貯水タンク(2)の周囲を回動可能に設けられていることを特徴とする自動潅水式立体的植栽システム。 - 前記ソーラーパネル(9)は、前記貯水タンク(2)の上方に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の自動潅水式立体的植栽システム。
- 前記支持フレーム(3)は、前記貯水タンク(2)の上方に延出する上部支持部材(14)を備え、
前記上部支持部材(14)にも植栽パネル(4’)が取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動潅水式立体的植栽システム。 - 前記支持フレーム(3)は、その上部及び下部にそれぞれ上部外側環状フレーム(16)及び下部環状フレーム(17)を備え、
前記上部支持部材(14)は、平面視において環状に設けられており、前記上部外側環状フレーム(16)及び下部環状フレーム(17)の直径は、前記上部支持部材(14)の直径よりも大きく設けられていることを特徴とする請求項3に記載の自動潅水式立体的植栽システム。 - 前記バッテリ(10)及び前記コントローラ(11)は、前記架台(1)の内部に設置されていること特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の自動潅水式立体的植栽システム。
- 前記蓋(12)は、所定の直径を軸に前記蓋(12)の半円盤状の一方が開閉可能に設けられるとともに、
前記蓋(12)の下面に、折り畳み式のバケツが取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の自動潅水式立体的植栽システム。 - 前記コントローラ(11)は、4つのタイマーに基づいて制御を行うものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の自動潅水式立体的植栽システム。
- 前記植栽ポット(5)に植栽された植物の培地中の湿度を検出するための湿度センサーを備え、前記コントローラ(11)は、前記湿度センサーで検出した培地中の湿度に基づいて制御を行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の自動潅水式立体的植栽システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017047142A JP2018148840A (ja) | 2017-03-13 | 2017-03-13 | 自動潅水式立体的植栽システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2017047142A JP2018148840A (ja) | 2017-03-13 | 2017-03-13 | 自動潅水式立体的植栽システム |
Publications (1)
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JP2018148840A true JP2018148840A (ja) | 2018-09-27 |
Family
ID=63679344
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2018148840A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109526455A (zh) * | 2018-12-06 | 2019-03-29 | 吴晓卫 | 一种草莓立体种植装置及栽培方法 |
CN110393104A (zh) * | 2019-09-03 | 2019-11-01 | 苏州大学 | 一种可旋转采光的多层立体绿化装置 |
CN117898198A (zh) * | 2024-03-20 | 2024-04-19 | 四川旅游学院 | 一种园林景观植物墙灌溉装置 |
CN117898198B (zh) * | 2024-03-20 | 2024-06-04 | 四川旅游学院 | 一种园林景观植物墙灌溉装置 |
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2017
- 2017-03-13 JP JP2017047142A patent/JP2018148840A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109526455A (zh) * | 2018-12-06 | 2019-03-29 | 吴晓卫 | 一种草莓立体种植装置及栽培方法 |
CN109526455B (zh) * | 2018-12-06 | 2021-03-19 | 吴晓卫 | 一种草莓立体种植装置及栽培方法 |
CN110393104A (zh) * | 2019-09-03 | 2019-11-01 | 苏州大学 | 一种可旋转采光的多层立体绿化装置 |
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