以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態による電子機器及びその制御方法について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態による電子機器と外部機器との接続を示す図である。図1に示すように、本実施形態による電子機器100は、ケーブル300を介して外部機器200に接続される。電子機器100は、例えばデジタルカメラである。外部機器200は、例えば表示機器である。外部機器200は、電子機器100から出力される画像信号に基づいて画像を表示画面に表示する。なお、電子機器100は、デジタルカメラに限定されるものではなく、外部機器200は、表示機器に限定されるものではない。
電子機器100には、USB Type−C規格に準拠したポート150が備えられている。電子機器100のポート150には、コネクタ101が備えられている。外部機器200には、USB Type−C規格に準拠したポート250が備えられている。外部機器200のポート250には、コネクタ201が備えられている。コネクタ101、201は、いずれもレセプタクルである。ケーブル300の一方の端部には、USB Type−C規格に準拠したコネクタ301aが備えられており、ケーブル300の他方の端部には、USB Type−C規格に準拠したコネクタ301bが備えられている。コネクタ301a、301bは、いずれもプラグである。電子機器100のポート150と外部機器200のポート250とは、ケーブル300を介して接続することが可能である。また、電子機器100のポート150と外部機器200のポート250との間で受給電を行うことも可能である。
電子機器100には、バッテリ挿入部が備えられており、当該バッテリ挿入部には、バッテリ400が挿入される。電子機器100は、バッテリ400から供給される電力を用いて動作し得る。DCカプラを用いて電子機器100に電力を供給することも可能である。DCカプラは、ACアダプタを用いてAC−DC変換を行うことによって生成されるDC電源を電子機器100に供給するための接続機器であり、電子機器100に備えられたバッテリ挿入部に挿入される。この場合には、バッテリ400の消耗に伴う電圧降下は生じない。
電子機器100は、DFPにもUFPにもなり得るとともに、これらの役割を切り替え得るType−CポートであるDRPを備えた機器、即ち、DRP機器である。DFPは、上述したように、デフォルトにおいてホストとして機能するとともに電力を供給する側のポート、即ち、デフォルトにおいてソースとなるType−Cポートである。UFPは、上述したように、デフォルトにおいてデバイスとして機能するとともに電力を受け取る側のポート、即ち、デフォルトにおいてシンクとなるTyep−Cポートである。オルタネートモードに対応する電子機器100は、後述するトグリング(Toggling)を行うことを可能にすべく、DRPを備えることを要する。このため、電子機器100は、DRPを備えている。外部機器200も、DRP機器である。電子機器100のポート150が、電力を供給する側であるソースとなり、外部機器200のポート250が、電力を受け取る側であるシンクとなった場合には、バッテリ400の残電力、即ち、バッテリ残量が徐々に低下する。バッテリ残量が低下すると、電子機器100は正常に動作し得なくなる。従って、バッテリ残量の低下を防止する観点からは、電子機器100から外部機器200に電力供給がなされないことが好ましい。
図2は、USB Type−Cコネクタのピン配置を示す図、即ち、コネクタ101,201のピン配置を示す図である。USB Type−Cコネクタは、逆挿しした場合であっても正常に動作すべく、点対称なピン配置となっている。コネクタ101には、CC端子(CC1、CC2)101b(図3参照)が備えられている。即ち、電子機器100のポート150には、CC端子101b、即ち、所定の端子が備えられている。コネクタ201には、CC端子(CC1、CC2)201b(図5参照)が備えられている。即ち、外部機器200のポート250には、CC端子201bが備えられている。上述したように、DRPを備えた電子機器100は、外部機器200に電力を供給する側の機器であるDFP機器になることもできるし、外部機器200から電力を受け取る側の機器であるUFP機器になることもできる。電子機器100と外部機器200の各々の役割を決定する際には、CC端子101b、201bを用いたネゴシエーションが行われる。CC端子101bとCC端子201bとは、ケーブル300を介して電気的に接続される。CC端子101bの電位Vsは、後述する接続検出部116(図3参照)を介してモニタリングされる。CC端子201bの電位は、後述する接続検出部216(図5参照)を介してモニタリングされる。
コネクタ101には、VBUS端子(電源端子)101a(図3参照)やGND端子(グラウンド端子)が備えられている。コネクタ201には、VBUS端子201a(図5参照)やGND端子が備えられている。一方の機器から他方の機器にVBUS端子101a、201aを介して電源(VBUS)が供給され得る。VBUSの電圧は、例えば5Vである。TX端子(TX1+、TX1−、TX2+、TX2−)は信号送信用の端子であり、RX端子(RX1+、RX1−、RX2+、RX2−)は信号受信用の端子であり、これらは高速データ伝送に対応し得る。SBU端子(SBU1、SBU2)は、サイドバンド信号端子であり、多様な用途に適宜用い得る。D+端子及びD−端子は、USB2.0をサポートするために用いられる。ケーブル300には、図2に示す各々の端子に対応する電線が備えられている。
電子機器100がDFP機器、即ち、デフォルトにおいて電力を供給する側となった場合には、電子機器100はコネクタ101に備えられたVBUS端子101aに所定の電圧、即ち、5Vの電圧(VBUS)を印加する。電子機器100と外部機器200とは、接続が確立した後に、ソースとシンクの役割を交換するパワーロールスワップ(PR SWAP)を実行することが可能である。しかし、電子機器100がDFP機器となった場合、パワーロールスワップが実行されるまでは、電子機器100は外部機器200に対して電力を供給せざるをえない。従って、電子機器100のバッテリ残量の低下を防止するためには、電子機器100と外部機器200との接続が確立する際に、電子機器100がDFP機器とならないようにすることが好ましい。
図3は、電子機器100を示すブロック図である。電子機器100は、コネクタ101と、撮像部102と、画像処理部103と、メモリ104と、表示部105と、通信部110と、電源部120とを備えている。撮像部102は、不図示の撮像素子(イメージセンサ)と、撮像素子によって取得される画像信号を出力する不図示の通信部と、撮像素子や通信部等の動作を制御する不図示の撮像制御部とを含んでいる。撮像素子の撮像面には、レンズを含む不図示の撮像光学系によって形成される光学像が入射される。撮像光学系は、電子機器100から着脱可能であってもよいし着脱不能であってもよい。画像処理部(画像処理回路)103は、撮像部102から出力される画像信号に対して所定の処理を施し、画像データを生成する。画像処理部103は、例えば、プロセッサ等が搭載された基板を備えている。画像処理部103は、生成した画像データを、メモリ104や通信部110に出力する。
メモリ104には、電子機器100の各機能ブロックにおいて用いられるデータが適宜記憶される。メモリ104は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)とフラッシュメモリとによって構成することができるが、これに限定されるものではない。DRAMには、例えば、画像処理等の際に画像データ等が一時的に保持される。フラッシュメモリには、電子機器100に備えられたプロセッサによって実行されるプログラムやパラメータ等が記憶される。
表示部105は、後述する通信部110に備えられた表示制御部118から出力される画像データに基づいて画像を表示する。表示部105としては、例えば小型の液晶パネルが用いられる。表示部105は、電子機器100の本体の外側に表示画面を露出するように設けられる。
通信部110は、外部機器200との間での情報の送受信を行う。また、通信部110は、外部機器200への電力の供給や、外部機器200からの電力の受け取りを制御する。通信部110には、プルアップ抵抗111、プルダウン抵抗112、スイッチ113、プロセッサ等が備えられている。通信部110は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を用いて接続されたことを検出すると、外部機器200の状態に応じて、以下のような選択を行う。即ち、通信部110は、電子機器100のポート150をDFPとするかUFPとするかを決定する。DFPは、上述したように、デフォルトにおいてホストとして機能するとともに電力を供給する側のポート、即ち、デフォルトにおいてソースとなるポートである。UFPは、上述したように、デフォルトにおいてデバイスとして機能するとともに電力を受け取る側のポート、即ち、デフォルトにおいてシンクとなるポートである。通信部110は、電子機器100のポート150をUFPとすることを決定した場合、電子機器100に対して電力を供給することを外部機器200に対して要求する。なお、かかる要求は、電子機器100が電力の受け取りを必要としているか否かを判定する前に行われる。通信部110の動作については、後述することとする。
電源部(電力制御回路)120は、コネクタ101のVBUS端子101aと、バッテリ400とに接続されている。また、電源部120は、電子機器100の内部に備えられたプロセッサ、電子回路、駆動部品等への電力の供給を制御する。また、電源部120は、外部機器200から受け取る電力のバッテリ400への充電を制御する。
通信部110は、プルアップ抵抗111と、プルダウン抵抗112と、スイッチ113と、スイッチ制御部114と、通信制御部115と、接続検出部116と、システム制御部117と、表示制御部118とを備えている。
プルアップ抵抗111の一方の端部は、所定の電圧VCCを出力する定電圧電源に接続されている。プルアップ抵抗111の他方の端部は、スイッチ113に接続されている。プルアップ抵抗111の抵抗値は、USB Type−C規格に規定されており、例えば22kΩである。VCCの電圧値は、USB Type−C規格に規定されており、例えば5Vである。プルダウン抵抗112の一方の端部は、接地電位GNDに接続される。プルダウン抵抗112の他方の端部は、スイッチ113に接続されている。プルダウン抵抗112の抵抗値は、USB Type−C規格に規定されており、例えば5.1kΩである。プルアップ抵抗111は、スイッチ113を介して所定の端子、即ち、CC端子101bに接続可能である。また、プルダウン抵抗112は、スイッチ113を介して所定の端子、即ち、CC端子101bに接続可能である。
スイッチ113は、第1の状態においては、CC端子101bとプルアップ抵抗111とを接続し、第2の状態においては、CC端子101bとプルダウン抵抗112とを接続する。スイッチ113は、スイッチ制御部114によって制御される。
スイッチ制御部(SW制御部)114は、スイッチ113を制御する。具体的には、スイッチ制御部114は、CC端子101bをプルアップ抵抗111に接続するか、CC端子101bをプルダウン抵抗112に接続するかを制御する。スイッチ制御部114は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたことが接続検出部116によって検出されるまで、CC端子101bがプルアップ抵抗111とプルダウン抵抗112とに交互に接続されるように制御を行う。CC端子101bをプルアップ抵抗111とプルダウン抵抗112とに交互に周期的に接続することは、トグリングと称される。
通信制御部(通信制御回路)115は、外部機器200との間で情報を送受信するために、CC端子101bの電圧を制御する。通信制御部115は、USB Type−C Power Delivery(PD)規格に準拠した通信、即ち、PD通信を行う。通信制御部115は、電子機器100と外部機器200との間で接続が確立した後に、送受信の試行を行い、PD通信におけるメッセージ授受が成功したか否かを判定する。PD通信おけるメッセージ授受が成功した場合には、電子機器100と外部機器200の双方がPD規格に対応していると判定され、以後、PD通信を用いた制御が行われる。PD通信におけるメッセージ授受が成功しなかった場合には、電子機器100と外部機器200とのうちのいずれか又は双方がPD規格に対応していないと判定される。電子機器100と外部機器200とのうちの少なくともいずれかがPD規格に対応していない場合には、モニタとの間でDisplayPort(DP)通信をすることが可能なオルタネートモードで動作し得ない。ここでは、電子機器100と外部機器200のいずれもがPD規格に対応しているものとして説明する。
接続検出部(接続検出回路)116は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたか否かを検出する。接続検出部116は、検出結果をシステム制御部117に出力する。接続検出部116は、CC端子101bの電位Vsが以下の式(1)で示す所定の範囲内である場合に、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたと判定する。電圧Vminは、例えば0.2Vであり、電圧Vmaxは、例えば2.04Vである。電圧Vmin、Vmaxは、例えば、USB Type−C規格に規定されている。
Vmin≦Vs<Vmax ・・・(1)
例えば、CC端子101bがスイッチ113を介してプルアップ抵抗111に接続されており、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていない場合には、CC端子101bの電位VsはVCCである。VCCは、式(1)に示す所定の範囲内ではない電位である。この場合、接続検出部116は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていると判定しない。
また、CC端子101bがスイッチ113を介してプルダウン抵抗112に接続されており、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていない場合には、CC端子101bの電位VsはGND(0V)である。GNDは、式(1)に示す所定の範囲内ではない電位である。この場合、接続検出部116は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていると判定しない。
このように、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていない場合には、接続検出部116は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていると判定しない。
CC端子101bとCC端子201bとが電気的に接続されていても、CC端子101bがプルアップ抵抗111に接続され、CC端子201bがプルアップ抵抗211(図5参照)に接続されている場合、CC端子101bの電位VsはVCCである。VCCは、式(1)に示す所定の範囲内ではない電位である。この場合、接続検出部116は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていると判定しない。
また、CC端子101bとCC端子201bとが電気的に接続されている場合であっても、CC端子101bがプルダウン抵抗112に接続され、CC端子201bがプルダウン抵抗212(図5参照)に接続されている場合、以下のようになる。即ち、CC端子101bの電位Vsは接地電位GNDとなる。接地電位GNDは、式(1)に示す所定の範囲内ではない電位である。この場合、接続検出部116は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていると判定しない。
このように、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されている場合であっても、CC端子101b、201bのいずれもがプルアップ抵抗111,211に接続されている場合には、CC端子101bの電位VsはVCCとなる。また、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されている場合であっても、CC端子101b、201bのいずれもがプルダウン抵抗112,212に接続されている場合には、CC端子101bの電位VsはGNDとなる。従って、これらの場合にも、接続検出部116は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていると判定しない。
CC端子101bがプルアップ抵抗111に接続され、CC端子201bがプルダウン抵抗212に接続され、CC端子101bとCC端子201bとが電気的に接続されている場合、CC端子101bの電位Vsは、式(1)に示す所定の範囲内の電位である。この場合、接続検出部116は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていると判定する。
CC端子101bがプルダウン抵抗112に接続され、CC端子201bがプルアップ抵抗211に接続され、CC端子101bとCC端子201bとが電気的に接続されている場合、CC端子101bの電位Vsは、式(1)に示す所定の範囲内の電位である。この場合、接続検出部116は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていると判定する。
電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたことが接続検出部116によって検出されると、スイッチ制御部114はトグリングを終了する。トグリングが終了した時点においてCC端子101bに接続されている抵抗が、CC端子101bに接続される抵抗としてスイッチ制御部114によって選択された抵抗である。
CC端子101bに接続される抵抗としてプルアップ抵抗111がスイッチ制御部114によって選択された場合、電子機器100は、DFP機器として外部機器200に接続される。即ち、この場合、電子機器100のポート150はソースとなり、外部機器200のポート250はシンクとなる。このように、電子機器100は、CC端子101bにプルアップ抵抗111が接続された状態で外部機器200との接続が確立した場合には、外部機器200にポート150を介して給電可能な接続状態となる。
一方、CC端子101bに接続される抵抗としてプルダウン抵抗112がスイッチ制御部114によって選択された場合、電子機器100は、UFP機器として外部機器200に接続される。即ち、この場合、電子機器100のポート150はシンクとなり、外部機器200のポート250はソースとなる。このように、電子機器100は、CC端子101bにプルダウン抵抗112が接続された状態で外部機器200との接続が確立した場合には、外部機器200からポート150を介して受電可能な接続状態となる。
システム制御部117は、スイッチ制御部114と、通信制御部115と、接続検出部116と、表示制御部118とを制御する。システム制御部117としては、例えばCPU(Central Processing Unit)等が用いられる。システム制御部117は、各々の制御部から出力される情報を取得し、各々の制御部の動作を制御する信号を出力する。
システム制御部117は、スイッチ制御部114と相俟って、スイッチ113を周期的に切り替える制御部(制御手段)として機能し得る。システム制御部117は、CC端子101bに接続される抵抗をスイッチ制御部114が周期的に切り替える場合に、以下のように制御を行う。システム制御部117は、CC端子101bがプルダウン抵抗112に接続される期間、即ちプルダウン期間Tdが、CC端子101bがプルアップ抵抗111に接続される期間、即ちプルアップ期間Tpよりも長くなるように、スイッチ制御部114を制御する。このようにすると、電子機器100のCC端子101bがプルダウンされ、且つ、外部機器200のCC端子201bがプルアップされた状態で、電子機器100と外部機器200との接続が確立する可能性が高くなる。従って、本実施形態によれば、電子機器100から外部機器200への電力供給を抑制することが可能となる。ここでは、説明の簡略化のため、電子機器100のCC端子101bのプルアップ期間Tpをトグリングの1周期に相当する期間の25%とし、電子機器100のCC端子101bのプルダウン期間Tdをトグリングの1周期に相当する期間の75%とする。プルアップ期間Tpやプルダウン期間Tdは、これに限定されるものではなく、プルダウン期間Tdがプルアップ期間Tpよりも長くなるように設定すればよい。
システム制御部117は、電子機器100と外部機器200とが接続されたか否かについての接続検出部116による検出結果に基づいて、トグリングを継続するか否かを示す情報をスイッチ制御部114に出力する。電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたと接続検出部116が判定した場合には、システム制御部117は、CC端子101bに接続される抵抗を固定するようにスイッチ制御部114を制御する。
システム制御部117は、電子機器100と外部機器200とが接続された後に、CC端子101bに接続されている抵抗を示す情報をスイッチ制御部114から取得し、取得した情報に基づいて以下のような判定を行う。即ち、システム制御部117は、電子機器100がDFP機器として外部機器200に接続されたか、UFP機器として外部機器200に接続されたかを判定する。システム制御部117は、電子機器100がDFP機器として外部機器200に接続されかUFP機器として外部機器200に接続されたかを示す情報を、電源部120に備えられた電源制御部124に出力する。
表示制御部(表示制御回路)118は、表示部105に画像データを送信する。また、表示制御部118は、コネクタ101を介して接続される外部機器200に画像データを送信する。表示制御部118は、オルタネートモードの際には、コネクタ101のTX端子101cとコネクタ201のRX端子201cとを介して、外部機器200に画像データを送信する。また、表示制御部118は、画像データに基づく画像を表示部105に表示する際には、表示部105に対する制御を行う。
電源部120は、電源接続部121と、電圧変換部(出力部)122と、スイッチ123a、123bと、電源制御部124と、電源判別部125とを備えている。
電源接続部(電源インターフェース)121には、バッテリ400、即ち、電源が接続される。電源接続部121は、バッテリ400からの電力の受け取りや、バッテリ400への電力の供給を行う。なお、上述したように、ACアダプタによって生成されたDC電源が電子機器100に供給される場合もある。この場合には、例えばDCカプラが電源接続部121に接続され、電源接続部121はDCカプラを介して電力を受け取る。
電圧変換部(出力部、出力回路)122は、電源接続部121を介して取得される電力を、電子機器100の各部に供給する。また、電圧変換部122は、スイッチ123bがON状態の場合には、VBUS端子101aを介して、外部機器200に電力を出力する。電圧変換部122は、供給先にそれぞれ応じた電圧の電力を供給する。
スイッチ123a、123bは、VBUS端子101aの接続先を、電圧変換部122と電源接続部121のいずれかに設定する。スイッチ123a、123bは、電源制御部124によって制御される。
電源制御部(電源制御回路)124は、電源部120の各機能ブロックの制御を行う。例えば、電源制御部124は、スイッチ123a、123bの切り替えを行う。電源制御部124は、例えば、CPU等によって構成される。
電源制御部124は、電子機器100がDFP機器として外部機器200に接続されたことを示す信号を通信部110から取得した場合には、所定の期間内にスイッチ123a、123bに対して以下のような制御を行う。即ち、電源制御部124は、VBUS端子101aと電圧変換部122とが接続され、VBUS端子101aと電源接続部121とが接続されなくなるように、スイッチ123a、123bを制御する。所定の期間は、例えば275ms程度とする。電源制御部124は、電子機器100と外部機器200との間のパワーロールスワップが成功し、且つ、電子機器100が外部機器200から電力を受け取ることが必要であると判断したことを示す信号を通信部110から取得した場合には、以下の制御を行う。即ち、電源制御部124は、VBUS端子101aと電源接続部121とが接続され、VBUS端子101aと電圧変換部122とが接続されなくなるように、スイッチ123a、123bを制御する。
電源判別部(電源判別回路)125は、電源接続部121に接続された電源を判別する。電源判別部125は、判別結果を、電源制御部124を介してシステム制御部117に通知する。
図4は、電源判別部125を示す図である。抵抗125aの一端は電源接続部121を介して電源に接続され、抵抗125aの他端は、抵抗125aとは異なる抵抗125bの一端と電源制御部124とに接続されている。抵抗125aの抵抗値は、例えば10kΩとする。抵抗125bの一端は、抵抗125aの他端と電源制御部124とに接続され、抵抗125bの他端は、接地電位GNDに接続される。抵抗125bの抵抗値は、例えば10kΩとする。
電源判別部125においては、電源接続部121から供給される電圧、換言すれば、電源電圧が、抵抗125aと抵抗125bとによって分圧される。抵抗125a、125bによって分圧された電圧Vr、即ち、分圧電圧が、電源制御部124に入力される。電源制御部124は、どのような電源が電源接続部121に接続されているかを、抵抗125a、125bによって分圧された電圧Vrに基づいて判定する。抵抗125a、125bによって分圧された電圧Vrが第2の閾値Th2(図4(b)参照)以上である場合には、電源制御部124は、ACアダプタでAC−DC変換して得られた電源がDCカプラを介して電源接続部121に接続されていると判定する。第2の閾値Th2は、例えば2.1Vとする。
抵抗125a、125bで分圧された電圧Vrが第2の閾値Th2未満であり、且つ、第1の閾値Th1(図4(b)参照)以上である場合、電源制御部124は、電源接続部121に接続された電源はバッテリ400であり、バッテリ残量は多いと判定する。第1の閾値Th1は、例えば1.8Vとする。
抵抗125a、125bによって分圧された電圧Vrが、第1の閾値Th1未満である場合には、電源制御部124は、電源接続部121に接続された電源はバッテリ400であり、且つ、バッテリ残量が少ないと判定する。
図5は、外部機器200を示すブロック図である。外部機器200は、電子機器100と同様に、DRPポートを備えた機器、即ち、DRP機器である。外部機器200には、ACアダプタによってAC−DC変換することにより得られるDC電源が電源接続部221を介して供給される。外部機器200は、コネクタ201と、メモリ204と、表示部205と、通信部210と、電源部220とを備えている。通信部210は、プルアップ抵抗211と、プルダウン抵抗212と、スイッチ213と、スイッチ制御部214と、通信制御部215と、接続検出部216と、システム制御部217と、表示制御部218とを備えている。電源部220は、電源接続部221と、電圧変換部222と、スイッチ223bと、電源制御部224とを備えている。外部機器200の各機能ブロックは、電子機器100における同名の機能ブロックと同様であるため、説明を省略する。
図6は、本実施形態による電子機器100の動作の例を示すタイミングチャートである。図6は、電子機器100と外部機器200との接続が未確立の状態における動作を示している。図6(a)は、電子機器100のCC端子101bの電位Vsと、当該CC端子101bに接続される抵抗とを示している。Rpは、CC端子101bがプルアップ抵抗111に接続されている状態を示しており、Rdは、CC端子101bがプルダウン抵抗112に接続されている状態を示している。
図6(a)に示すように、電子機器100に備えられたスイッチ制御部114は、電子機器100のCC端子101bに接続される抵抗が周期的に切り替わるようにスイッチ113を制御する(トグリング)。システム制御部117は、CC端子101bがプルダウン抵抗112に接続される期間、即ちプルダウン期間Tdが、CC端子101bがプルアップ抵抗111に接続される期間、即ちプルアップ期間Tpよりも長くなるように、スイッチ制御部114を制御する。
タイミングt0からタイミングt1までは、CC端子101bはプルダウン抵抗112に接続される。この際、CC端子101bの電位VsはGNDとなる。
タイミングt1において、CC端子101bに接続される抵抗は、プルダウン抵抗112からプルアップ抵抗111に切り替えられる。これにより、CC端子101bの電位VsはVCCとなる。タイミングt1からタイミングt2までは、CC端子101bにプルアップ抵抗111が接続された状態が維持される。従って、タイミングt1からタイミングt2までは、CC端子101bの電位VsはVCCのまま維持される。
タイミングt2において、CC端子101bに接続される抵抗は、プルアップ抵抗111からプルダウン抵抗112に切り替えられる。これにより、CC端子101bの電位VsはGNDとなる。タイミングt2からタイミングt5までは、CC端子101bにプルダウン抵抗112が接続された状態が維持される。従って、タイミングt2からタイミングt5までは、CC端子101bの電位VsはGNDのまま維持される。
タイミングt5において、CC端子101bに接続される抵抗は、プルダウン抵抗112からプルアップ抵抗111に切り替えられる。これにより、CC端子101bの電位VsはVCCとなる。タイミングt1からタイミングt5までの期間は、スイッチ制御部114がスイッチ113を周期的に制御する際の1周期に相当する。
タイミングt5からタイミングt6までは、CC端子101bにプルアップ抵抗111が接続された状態が維持される。従って、タイミングt5からタイミングt6までは、CC端子101bの電位VsはVCCのまま維持される。
タイミングt6において、CC端子101bに接続される抵抗は、プルアップ抵抗111からプルダウン抵抗112に切り替えられる。これにより、CC端子101bの電位VsはGNDとなる。タイミングt6からタイミングt9までは、CC端子101bにプルダウン抵抗112が接続された状態が維持される。従って、タイミングt6からタイミングt9までは、CC端子101bの電位VsはGNDのまま維持される。
タイミングt9において、CC端子101bに接続される抵抗は、プルダウン抵抗112からプルアップ抵抗111に切り替えられる。これにより、CC端子101bの電圧はVCCとなる。タイミングt5からタイミングt9までの期間も、スイッチ制御部114がスイッチ113を周期的に制御する際の1周期に相当する。
このように、電子機器100においては、CC端子101bがプルダウン抵抗112に接続される期間、即ち、プルダウン期間Tdが、CC端子101bがプルアップ抵抗111に接続される期間、即ち、プルアップ期間Tpよりも長くなるように制御される。
図6(b)は、外部機器200のCC端子201bの電圧と、外部機器200のCC端子201bに接続される抵抗とを示している。Rpは、CC端子201bがプルアップ抵抗211に接続されている状態を示しており、Rdは、CC端子201bがプルダウン抵抗212に接続されている状態を示している。図6(b)に示すように、外部機器200においては、プルダウン期間Tdとプルアップ期間Tpとが、同程度となっている。
図6(c)は、各々の機器のポート150,250がUFPとDFPのいずれに設定されるかを示す図である。例えば、タイミングt0からタイミングt1の間において電子機器100と外部機器200とが接続された場合には、以下のようになる。即ち、電子機器100のCC端子101bはプルダウン抵抗112に接続されており、当該CC端子101bの電位VsはGNDである。一方、外部機器200のCC端子201bはプルアップ抵抗211に接続されており、当該CC端子201bの電位はVCCである。従って、このような状態において、電子機器100と外部機器200とが接続されると、CC端子101b、201bの電位Vsは、VCCとGNDとの電位差をプルダウン抵抗112とプルアップ抵抗211とで分圧した値となる。上述したように、プルアップ抵抗211の抵抗値は例えば22kΩであり、プルダウン抵抗112の抵抗値は例えば5.1kΩである。VCCが例えば5Vである場合、CC端子101b、201bの電位Vsは0.94V程度となる。この場合には、CC端子101b、201bの電位Vsは、上記のような式(1)を満たす。従って、この場合には、接続検出部116は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたと判定する。このような状態で電子機器100と外部機器200との接続が確立されると、以下のようになる。即ち、電子機器100のポート150は、デフォルトにおいて電力を受け取る側であるUFPとされ、外部機器200のポート250は、デフォルトにおいて電力を供給する側であるDFPとされる。
タイミングt1からタイミングt2の間において電子機器100と外部機器200とが接続された場合には、以下のようになる。即ち、電子機器100のCC端子101bはプルアップ抵抗111に接続されており、当該CC端子101bの電位VsはVCCである。また、外部機器200のCC端子201bはプルアップ抵抗211に接続されており、当該CC端子201bの電位はVCCである。従って、このような状態において、電子機器100と外部機器200とが接続されると、CC端子101b、201bの電位はVCCとなる。VCCは、式(1)に示すような所定の範囲内の電位ではない。従って、この場合には、接続検出部116は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていないと判定し、電子機器100と外部機器200との接続は確立されない。
タイミングt2からタイミングt4の間において電子機器100と外部機器200とが接続された場合には、以下のようになる。即ち、電子機器100のCC端子101bはプルダウン抵抗112に接続されており、当該電子機器100のCC端子101bの電位VsはGNDである。また、外部機器200のCC端子201bはプルダウン抵抗212に接続されており、当該CC端子201bの電位はGNDである。従って、このような状態において、電子機器100と外部機器200とが接続されると、CC端子101b、201bの電位VsはGNDとなる。GNDの電位、即ち、0Vは、式(1)に示すような所定の範囲内の電位ではない。従って、この場合には、接続検出部116は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていないと判定し、電子機器100と外部機器200との接続は確立されない。
タイミングt4からタイミングt5の間において電子機器100と外部機器200とが接続された場合には、タイミングt0からタイミングt1の間において電子機器100と外部機器200とが接続された場合と同様となる。電子機器100のポート150は、デフォルトにおいて電力を受け取る側であるUFPとされ、外部機器200のポート250は、デフォルトにおいて電力を供給する側であるDFPとされる。タイミングt5からタイミングt6の間において電子機器100と外部機器200とが接続された場合には、タイミングt1からタイミングt2の間において電子機器100と外部機器200とが接続された場合と同様になる。電子機器100と外部機器200との接続は確立されない。タイミングt6からタイミングt8の間において電子機器100と外部機器200とが接続された場合には、タイミングt2からタイミングt4の間において電子機器100と外部機器200とが接続された場合と同様となる。電子機器100と外部機器200との接続は確立されない。タイミングt8からタイミングt9の間において電子機器100と外部機器200とが接続された場合には、タイミングt4からタイミングt5の間において電子機器100と外部機器200とが接続された場合と同様となる。電子機器100のポート150は、デフォルトにおいて電力を受け取る側であるUFPとされ、外部機器200のポート250は、デフォルトにおいて電力を供給する側であるDFPとされる。
このように、本実施形態では、電子機器100のCC端子101bに接続される抵抗を周期的に切り替える際、プルダウン期間Tdをプルアップ期間Tpよりも長くする。このため、本実施形態によれば、電子機器100のポート150が、デフォルトにおいて電力を受け取る側のポートであるUFPとして、外部機器200のポート250に接続される可能性が高くなる。
図7は、比較例による電子機器と外部機器200の動作の例を示すタイミングチャートである。図7は、比較例による電子機器と外部機器200との接続が未確立の状態における動作を示している。図7(a)は、比較例による電子機器のCC端子の電位と、当該CC端子に接続される抵抗とを示している。Rpは、CC端子がプルアップ抵抗に接続されている状態を示しており、Rdは、CC端子がプルダウン抵抗に接続されている状態を示している。図7(a)に示すように、比較例による電子機器においては、プルダウン期間Tdとプルアップ期間Tpとが、同程度となっている。
図7(b)は、外部機器200のCC端子201bの電位と、当該CC端子201bに接続される抵抗とを示している。図7(b)は、図6(b)と同様であるので説明を省略する。図7(b)に示すように、外部機器200においては、プルダウン期間Tdとプルアップ期間Tpとが、同程度となっている。
図7(c)は、各々の機器のポート150,250がUFPとDFPのいずれに設定されるかを示す図である。
例えば、タイミングt0からタイミングt1の間において比較例による電子機器と外部機器200とが接続された場合には、以下のようになる。即ち、比較例による電子機器のCC端子はプルダウン抵抗に接続しており、当該CC端子の電位はGNDである。また、外部機器200のCC端子201bはプルアップ抵抗211に接続されており、当該CC端子201bの電位はVCCである。このような状態において、比較例による電子機器と外部機器200とが接続されると、CC端子の電位Vsは、VCCとGNDとの電位差をプルダウン抵抗112とプルアップ抵抗211とで分圧した値となる。この場合には、CC端子の電位Vsは、上記のような式(1)を満たす。従って、この場合には、比較例による電子機器の接続検出部は、比較例による電子機器と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたと判定する。このような状態で比較例による電子機器と外部機器200との接続が確立されると、当該電子機器のポートはUFPとされ、外部機器200のポート250はDFPとされる。
タイミングt1からタイミングt2の間において比較例による電子機器と外部機器200とが接続された場合には、以下のようになる。即ち、比較例による電子機器のCC端子はプルアップ抵抗に接続されており、当該CC端子の電位はVCCである。外部機器200のCC端子201bはプルアップ抵抗211に接続されており、外部機器200のCC端子の電位はVCCである。従って、このような状態において、比較例による電子機器と外部機器200とを接続すると、CC端子の電位はVCCとなる。VCCは、式(1)に示すような所定の範囲内の電位ではない。従って、この場合には、比較例による電子機器の接続検出部は、当該電子機器と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていないと判定し、当該電子機器と外部機器200との接続は確立されない。
タイミングt2からタイミングt3の間において比較例による電子機器と外部機器200とが接続された場合には、以下のようになる。即ち、比較例による電子機器のCC端子はプルアップ抵抗に接続されており、当該CC端子の電位はVCCである。また、外部機器200のCC端子201bはプルダウン抵抗212に接続されており、当該CC端子201bの電位はGNDである。このような状態において、比較例による電子機器と外部機器200とを接続すると、CC端子の電位Vsは、上記のような式(1)を満たす。従って、この場合には、比較例による電子機器の接続検出部は、比較例による電子機器と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたと判定する。このような状態で比較例による電子機器と外部機器200との接続が確立されると、当該電子機器のポートはDFPとされ、外部機器200のポート250はUFPとされる。
タイミングt3からタイミングt4の間において比較例による電子機器と外部機器200とが接続された場合には、以下のようになる。即ち、比較例による電子機器のCC端子はプルダウン抵抗に接続しており、当該CC端子の電位はGNDである。また、外部機器200のCC端子201bはプルダウン抵抗212に接続されており、当該CC端子201bの電位はGNDである。従って、このような状態において、比較例による電子機器と外部機器200とを接続すると、CC端子101bの電位Vsは、接地電位GNDとなる。接地電位GNDは、式(1)に示すような所定の範囲内の電位ではない。従って、この場合には、比較例による電子機器の接続検出部は、当該電子機器と外部機器200とがケーブル300を介して接続されていないと判定し、当該電子機器と外部機器200との接続は確立されない。
タイミングt4からタイミングt5の間において比較例による電子機器と外部機器200とが接続された場合には、タイミングt0からタイミングt1の間において比較例による電子機器と外部機器200とが接続された場合と同様となる。比較例による電子機器のポートはUFPとされ、外部機器200のポート250はDFPとされる。タイミングt5からタイミングt6の間において比較例による電子機器と外部機器200とが接続された場合には、タイミングt1からタイミングt2の間において比較例による電子機器と外部機器200とが接続された場合と同様となる。比較例による電子機器と外部機器200との接続は確立されない。タイミングt6からタイミングt7の間において比較例による電子機器と外部機器200とが接続された場合には、タイミングt2からタイミングt3の間において比較例による電子機器と外部機器200とが接続された場合と同様になる。比較例による電子機器のポートはDFPとされ、外部機器200のポート250はUFPとされる。タイミングt7からタイミングt8の間において比較例による電子機器と外部機器200とが接続された場合には、タイミングt3からタイミングt4の間において比較例による電子機器と外部機器200とが接続された場合と同様となる。比較例による電子機器と外部機器200との接続は確立されない。タイミングt8からタイミングt9の間において比較例による電子機器と外部機器200とが接続された場合には、タイミングt4からタイミングt5の間において比較例による電子機器と外部機器200とが接続された場合と同様となる。比較例による電子機器のポートはUFPとされ、外部機器200のポート250はDFPとされる。
上述したように、比較例による電子機器においては、CC端子に接続される抵抗を周期的に切り替える際、プルダウン期間Tdとプルアップ期間Tpとが同等に設定される。このため、比較例による電子機器では、当該電子機器のポートがUFPとなる可能性とDFPとなる可能性とが同等となる。
このように、本実施形態では、電子機器100のCC端子101bに接続される抵抗を周期的に切り替える際、プルダウン期間Tdがプルアップ期間Tpよりも長く設定される。このため、本実施形態によれば、電子機器100のポート150が、デフォルトにおいて電力を受け取る側のポートであるUFPとして、外部機器200のポート250に接続される可能性が高くなる。従って、本実施形態によれば、外部機器200への電力供給を抑制し得る電子機器100を提供することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態による電子機器及びその制御方法について図面を用いて説明する。本実施形態による電子機器100は、当該電子機器100の電源接続部121に接続される電源の種類や電源の状態に基づいて、プルアップ期間Tp及びプルダウン期間Tdを設定するものである。即ち、本実施形態による電子機器100は、プルアップ期間Tpとプルダウン期間Tdとを電源の種類や電源の状態に応じて可変し得る。
システム制御部117は、電源接続部121にDCカプラが接続されているか否かを、電源判別部125を用いて判別する。電源接続部121にDCカプラが接続されているか否かの判別方法としては、第1実施形態において図4を用いて上述した判別方法が用いられる。即ち、抵抗125aと抵抗125bとによって電源電圧を分圧することによって得られる電圧Vrが第2の閾値Th2以上か否かによって、DCカプラが接続されているか否かが判別される。また、システム制御部117は、バッテリ400の残電力、即ち、バッテリ残量が多いか否かを、電源判別部125を用いて判別する。バッテリ残量が多いか否かの判別方法としては、第1実施形態において図4を用いて上述した判別方法が用いられる。即ち、抵抗125aと抵抗125bとによって電源電圧を分圧することによって得られる電圧Vrが、第2の閾値Th2未満であり、且つ、第1の閾値Th1以上である場合には、バッテリ残量が多いと判定される。抵抗125aと抵抗125bとによって電源電圧を分圧することによって得られる電圧Vrが、第1の閾値Th1未満である場合には、バッテリ残量が少ないと判定される。
システム制御部117は、電源接続部121に接続される電源の種類や電源の状態に基づいてプルアップ期間Tp及びプルダウン期間Tdを設定する。電源の種類としては、例えば、バッテリ、ACアダプタによってAC−DC変換を行うことによって生成されるDC電源等が挙げられる。電源の状態としては、電源の電圧等が挙げられる。電源がバッテリの場合、電源の電圧はバッテリ残量に応じて変化する。システム制御部117は、DCカプラを介して電源が供給されている場合には、プルアップ期間Tpをプルダウン期間Tdよりも短く設定する。システム制御部117は、バッテリ400から電源が供給され、且つ、電圧Vrが第1の閾値Th1以上である場合には、プルアップ期間Tpをプルダウン期間Tdよりも長くする。ここでは、説明を簡略化するため、電子機器100のCC端子101bのプルアップ期間Tpをトグリングの1周期に相当する期間の25%とし、電子機器100のCC端子101bのプルダウン期間Tdをトグリングの1周期に相当する期間の75%とする。プルアップ期間Tpやプルダウン期間Tdは、これに限定されるものではなく、適宜設定し得る。
システム制御部117は、バッテリ400から電源が供給され、且つ、電圧Vrが第1の閾値Th1未満である場合には、プルアップ期間Tpをプルダウン期間Tdよりも短く設定する。ここでは、説明を簡略化するため、電子機器100のCC端子101bのプルアップ期間Tpをトグリングの1周期に相当する期間の75%とし、電子機器100のCC端子101bのプルダウン期間Tdをトグリングの1周期に相当する期間の25%とする。プルアップ期間Tpやプルダウン期間Tdは、これに限定されるものではなく、適宜設定し得る。このように、システム制御部117は、電源の電圧が閾値未満である場合には、プルダウン期間Tdをプルアップ期間Tpよりも長くし、電源の電圧が閾値以上である場合には、プルダウン期間Tdをプルアップ期間Tpよりも短くする。
図8は、本実施形態による電子機器100の動作を示すフローチャートである。
ステップS801において、システム制御部117は、電源接続部121にDCカプラが接続されているか否かを、電源判別部125を用いて判別する。電源接続部121にDCカプラが接続されている場合には(ステップS801においてYES)、即ち、抵抗125a、125bによって電源電圧を分圧することによって得られる電圧Vrが第2の閾値Th2以上である場合には、ステップS804に移行する。一方、電源接続部121にDCカプラが接続されていない場合(ステップS801においてNO)、即ち、抵抗125a、125bによって電源電圧を分圧することによって得られる電圧Vrが第2の閾値Th2未満である場合には、ステップS802に移行する。
ステップS802において、システム制御部117は、バッテリ400の残電力、即ち、バッテリ残量が多いか否かを、電源判別部125を用いて判別する。バッテリ残量が多い場合には(ステップS802においてYES)、即ち、抵抗125a、125bによって電源電圧を分圧することによって得られる電圧Vrが第1の閾値Th1以上である場合には、ステップS804に移行する。バッテリ残量が少ない場合には(ステップS802においてNO)、即ち、抵抗125a、125bによって電源電圧を分圧することによって得られる電圧Vrが第1の閾値Th1未満である場合には、ステップS803に移行する。
ステップS803において、システム制御部117は、プルアップ期間Tpがプルダウン期間Tdよりも短くなるように、プルアップ期間Tp及びプルダウン期間Tdを決定する。例えば、電子機器100のCC端子101bのプルアップ期間Tpをトグリングの1周期に相当する期間の25%とし、電子機器100のCC端子101bのプルダウン期間Tdをトグリングの1周期に相当する期間の75%とする。なお、プルアップ期間Tp及びプルダウン期間Tdの設定は、これに限定されるものではなく、適宜設定し得る。
ステップS804において、システム制御部117は、プルアップ期間Tpがプルダウン期間Tdよりも長くなるように、プルアップ期間Tp及びプルダウン期間Tdを決定する。例えば、電子機器100のCC端子101bのプルアップ期間Tpをトグリングの1周期に相当する期間の75%とし、電子機器100のCC端子101bのプルダウン期間Tdをトグリングの1周期に相当する期間の25%とする。なお、プルアップ期間Tp及びプルダウン期間Tdの設定は、これに限定されるものではなく、適宜設定し得る。
ステップS805において、システム制御部117は、ステップS803又はステップS804において決定したプルアップ期間Tpとプルアップ期間Tpとに基づいて、トグリングを行う。
図9(a)〜図9(c)は、本実施形態による電子機器100と外部機器200の動作の例を示すタイミングチャートである。図9(a)〜図9(c)は、バッテリ残量が少ない場合、即ち、ステップS803によってプルアップ期間Tp及びプルダウン期間Tdが設定された場合のタイミングチャートである。図9(a)は、電子機器100の動作を示すタイミングチャートである。図9(a)は、電子機器100のCC端子101bの電位Vsと、当該CC端子101bに接続される抵抗とを示している。図9(a)は、電子機器100と外部機器200との接続が未確立の状態における動作を示している。Rpは、CC端子101bがプルアップ抵抗111に接続されている状態を示しており、Rdは、CC端子101bがプルダウン抵抗112に接続されている状態を示している。
タイミングt0からタイミングt1までの期間においては、電子機器100に備えられたスイッチ制御部114は、電子機器100のCC端子101bがプルアップ抵抗111に接続されるようにスイッチ113を制御する。この際におけるCC端子101bの電位Vsは、VCCである。
タイミングt1において、スイッチ制御部114は、CC端子101bがプルダウン抵抗112に接続されるようにスイッチ113を制御する。タイミングt1からタイミングt4までの期間においては、CC端子101bはプルダウン抵抗112に接続された状態が維持され、CC端子101bの電位VsはGNDの状態が維持される。
タイミングt4において、スイッチ制御部114は、CC端子101bがプルアップ抵抗111に接続されるようにスイッチ113を制御する。タイミングt4からタイミングt5までの期間においては、電子機器100のCC端子101bはプルアップ抵抗111に接続された状態が維持され、電子機器100のCC端子101bの電圧はVCCの状態が維持される。この後も、上記と同様の処理が繰り返される。このように、電子機器100においては、プルアップ期間Tpがプルダウン期間Tdよりも短くなるようにトグリングが行われる。
図9(b)は、外部機器200の動作を示すタイミングチャートである。図9(b)は、外部機器200のCC端子201bの電位と、当該CC端子201bに接続される抵抗とを示している。図9(b)は、電子機器100と外部機器200との接続が未確立の状態における動作を示している。Rpは、CC端子201bがプルアップ抵抗211に接続されている状態を示しており、Rdは、CC端子201bがプルダウン抵抗212に接続されている状態を示している。
タイミングt0からタイミングt1までの期間においては、外部機器200に備えられたスイッチ制御部214は、外部機器200のCC端子201bがプルアップ抵抗211に接続されるようにスイッチ213を制御する。この際におけるCC端子201bの電位は、VCCである。
タイミングt1において、スイッチ制御部214は、CC端子201bがプルダウン抵抗212に接続されるようにスイッチ213を制御する。タイミングt1からタイミングt3までの期間においては、CC端子201bはプルダウン抵抗212に接続された状態が維持され、CC端子201bの電位はGNDの状態が維持される。
タイミングt3において、スイッチ制御部214は、CC端子201bがプルアップ抵抗211に接続されるようにスイッチ213を制御する。タイミングt3からタイミングt5までの期間においては、CC端子201bはプルアップ抵抗211に接続された状態が維持され、外部機器200のCC端子201bの電圧はVCCに維持される。この後も、上記と同様の処理が繰り返される。このように、外部機器200においては、プルダウン期間Tdとプルアップ期間tpとが同等となるようにトグリングが行われる。
図9(c)は、電子機器100と外部機器200とをケーブル300を介して接続した際の動作を示すタイミングチャートである。図9(c)は、電子機器100と外部機器200とがタイミングt0において接続された場合の動作を示している。図9(c)は、CC端子101b、201bの電位と、電子機器100のCC端子101bに接続される抵抗と、外部機器200のCC端子201bに接続される抵抗とを示している。
電子機器100と外部機器200とが接続されると、タイミングt1までは、電子機器100のCC端子101bはプルアップ抵抗111に接続されており、外部機器200のCC端子201bもプルアップ抵抗211に接続されている。このため、CC端子101b、201bの電位は、VCCとなる。
タイミングt1において、電子機器100のCC端子101bはプルダウン抵抗112に接続され、外部機器200のCC端子201bはプルダウン抵抗212に接続される。このため、CC端子101b、201bの電位はGNDとなる。タイミングt1からタイミングt3までの期間においては、CC端子101b、201bの電位はGNDに維持される。
タイミングt3において、外部機器200のCC端子201bに接続される抵抗がプルダウン抵抗212からプルアップ抵抗211に切り替わると、CC端子101b、201bの電位は、式(1)に示すような所定の範囲内の電位となる。電子機器100の接続検出部116は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたと判定する。このような状態で電子機器100と外部機器200との接続が確立されると、電子機器100のポート150は、デフォルトにおいて電力を受け取る側のポートであるUFPとされる。一方、外部機器200のポート250は、デフォルトにおいて電力を供給する側のポートであるDFPとされる。タイミングt6において、VBUS端子201a、101aを介して外部機器200から電子機器100への電力の供給が開始される。
このように、本実施形態では、バッテリ残量が少ない場合には、電子機器100のCC端子101bにおけるプルダウン期間Tdがプルアップ期間Tpよりも長く設定される。このため、本実施形態では、バッテリ残量が少ない場合には、電子機器100のポート150が、デフォルトにおいて電力を受け取る側のポートであるUFPとして、外部機器200のポート250に接続される可能性が高くなる。
図9(d)〜図9(f)は、本実施形態による電子機器100と外部機器200の動作の例を示すタイミングチャートである。図9(d)〜図9(f)は、DCカプラが接続されている場合又はバッテリ残量が多い場合、即ち、ステップS804によってプルアップ期間Tp及びプルダウン期間Tdが設定された場合のタイミングチャートである。図9(d)は、電子機器100の動作を示すタイミングチャートである。図9(d)は、電子機器100のCC端子101bの電位Vsと、当該CC端子101bに接続される抵抗とを示している。図9(d)は、電子機器100と外部機器200との接続が未確立の状態における動作を示している。Rpは、CC端子101bがプルアップ抵抗111に接続されている状態を示しており、Rdは、CC端子101bがプルダウン抵抗112に接続されている状態を示している。
タイミングt0からタイミングt3までの期間においては、電子機器100に備えられたスイッチ制御部114は、電子機器100のCC端子101bがプルアップ抵抗111に接続されるようにスイッチ113を制御する。この際におけるCC端子101bの電位Vsは、VCCである。
タイミングt3において、スイッチ制御部114は、CC端子101bがプルダウン抵抗112に接続されるようにスイッチ113を制御する。タイミングt3からタイミングt4までの期間においては、CC端子101bはプルダウン抵抗112に接続された状態が維持され、CC端子101bの電位VsはGNDの状態が維持される。
タイミングt4において、スイッチ制御部114は、CC端子101bがプルアップ抵抗111に接続されるようにスイッチ113を制御する。この際、電子機器100のCC端子101bの電圧はVCCとなる。この後も、上記と同様の処理が繰り返される。このように、電子機器100においては、プルアップ期間Tpがプルダウン期間Tdよりも長くなるようにトグリングが行われる。
図9(e)は、外部機器200の動作を示すタイミングチャートである。図9(e)は、外部機器200のCC端子201bの電位と、当該CC端子201bに接続される抵抗とを示している。図9(e)は、電子機器100と外部機器200との接続が未確立の状態における動作を示している。Rpは、CC端子201bがプルアップ抵抗211に接続されている状態を示しており、Rdは、CC端子201bがプルダウン抵抗212に接続されている状態を示している。
タイミングt0からタイミングt2までの期間においては、外部機器200に備えられたスイッチ制御部214は、外部機器200のCC端子201bがプルアップ抵抗211に接続されるようにスイッチ213を制御する。この際におけるCC端子201bの電位は、VCCである。
タイミングt2において、スイッチ制御部214は、CC端子201bがプルダウン抵抗212に接続されるようにスイッチ213を制御する。タイミングt2からタイミングt4までの期間においては、CC端子201bはプルダウン抵抗212に接続された状態が維持され、CC端子201bの電位はGNDの状態が維持される。
タイミングt4において、スイッチ制御部214は、CC端子201bがプルアップ抵抗211に接続されるようにスイッチ213を制御する。この後も、上記と同様の処理が繰り返される。このように、外部機器200においては、プルダウン期間Tdとプルアップ期間tpとが同等となるようにトグリングが行われる。
図9(f)は、電子機器100と外部機器200とをケーブル300を介して接続した際の動作を示すタイミングチャートである。図9(f)は、電子機器100と外部機器200とがタイミングt0において接続された場合の動作を示している。図9(f)は、CC端子101b、201bの電位と、電子機器100のCC端子101bに接続される抵抗と、外部機器200のCC端子201bに接続される抵抗とを示している。
電子機器100と外部機器200とが接続されると、タイミングt2までは、電子機器100のCC端子101bはプルアップ抵抗111に接続されており、外部機器200のCC端子201bもプルアップ抵抗211に接続されている。このため、CC端子101b、201bの電位は、VCCとなる。
タイミングt2において、外部機器200のCC端子201bに接続される抵抗がプルアップ抵抗211からプルダウン抵抗212に切り替わると、CC端子101b、201bの電位は、式(1)に示すような所定の範囲内の電位となる。電子機器100の接続検出部116は、電子機器100と外部機器200とがケーブル300を介して接続されたと判定する。このような状態で電子機器100と外部機器200との接続が確立されると、電子機器100のポート150は、デフォルトにおいて電力を供給する側のポートであるDFPとされる。一方、外部機器200のポート250は、デフォルトにおいて電力を受け取る側のポートであるUFPとされる。タイミングt6において、VBUS端子101a、201aを介して電子機器100から外部機器200への電力の供給が開始される。
このように、本実施形態では、DCカプラが接続されている場合やバッテリ残量が多い場合には、電子機器100のCC端子101bにおけるプルダウン期間Tdがプルアップ期間Tpよりも短く設定される。このため、本実施形態によれば、DCカプラが接続されている場合やバッテリ残量が多い場合には、電子機器100のポート150が、デフォルトにおいて電力を供給するポートであるDFPとして、外部機器200のポート250に接続される可能性が高くなる。
図10は、比較例による電子機器と外部機器200の動作の例を示すタイミングチャートである。図10(a)〜図10(c)は、比較例による電子機器と外部機器200の動作の例を示すタイミングチャートである。図10(a)は、比較例による電子機器の動作を示すタイミングチャートである。図10(a)は、比較例による電子機器のCC端子の電位と、当該CC端子に接続される抵抗とを示している。図10(b)は、外部機器200の動作を示すタイミングチャートである。図10(b)は、外部機器200のCC端子201bの電位と、当該CC端子201bに接続される抵抗とを示している。図10(a)及び図10(b)は、比較例による電子機器と外部機器200との接続が未確立の状態における動作を示している。図10(c)は、比較例による電子機器と外部機器200とをケーブル300を介して接続した際の動作を示すタイミングチャートである。図10(c)は、比較例による電子機器と外部機器200とがタイミングt0において接続された場合の動作を示している。図10(c)は、CC端子の電位と、CC端子に接続される抵抗とを示している。図10(d)〜図10(f)は、比較例による電子機器と外部機器200の動作の他の例を示すタイミングチャートである。図10(d)は、比較例による電子機器の動作の他の例を示すタイミングチャートである。図10(d)は、比較例による電子機器のCC端子の電位と、当該CC端子に接続される抵抗とを示している。図10(e)は、外部機器200の動作の他の例を示すタイミングチャートである。図10(e)は、外部機器200のCC端子201bの電位と、当該CC端子201bに接続される抵抗とを示している。図10(d)及び図10(e)は、比較例による電子機器と外部機器200との接続が未確立の状態における動作を示している。図10(f)は、比較例による電子機器と外部機器200とをケーブル300を介して接続した際の動作を示すタイミングチャートである。図10(f)は、比較例による電子機器と外部機器200とがタイミングt0において接続された場合の動作を示している。図10(f)は、CC端子の電位と、CC端子に接続される抵抗とを示している。
図10(a)及び図10(d)に示すように、比較例による電子機器においては、プルアップ期間Tpとプルダウン期間Tdとが同等となっている。また、図10(b)及び図10(e)に示すように、外部機器200においても、プルアップ期間Tpとプルダウン期間Tdとが同等となっている。従って、比較例による電子機器では、当該電子機器のポートがUFPとなる可能性とDFPとなる可能性とが同等となる。
このように、本実施形態では、バッテリ残量が少ない場合には、電子機器100のCC端子101bにおけるプルダウン期間Tdがプルアップ期間Tpよりも長く設定される。このため、本実施形態では、バッテリ残量が少ない場合には、電子機器100のポート150が、デフォルトにおいて電力を受け取る側のポートであるUFPとして、外部機器200のポート250に接続される可能性が高くなる。また、本実施形態では、DCカプラが接続されている場合やバッテリ残量が多い場合には、電子機器100のCC端子101bにおけるプルダウン期間Tdがプルアップ期間Tpよりも短く設定される。このため、DCカプラが接続されている場合やバッテリ残量が多い場合には、電子機器100のポート150が、デフォルトにおいて電力を供給する側のポートであるDFPとして、外部機器200のポート250に接続される可能性が高くなる。従って、本実施形態によっても、外部機器200への電力供給を抑制し得る電子機器100を提供することができる。
[変形実施形態]
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
例えば、上記実施形態において、電源の状態、具体的には、電源の電圧に応じて、プルアップ期間Tpとプルダウン期間Tdとを変化させてもよい。例えば、バッテリ400の電圧が低くなるに伴って、電子機器100のCC端子101bにおけるプルダウン期間Tdの比率が大きくなるように、プルアップ期間Tpとプルダウン期間Tdとを適宜変化させてもよい。
また、第2実施形態では、電源の種類や電源の状態に応じてプルアップ期間Tp及びプルダウン期間Tdを設定する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、電源供給ライン、即ち、VBUS端子101aに接続された配線に抵抗を設け、当該抵抗の両端の電圧を検出することによって、VBUS端子101aを介した電力供給が行われているか否かを判定してもよい。そして、かかる判定の結果に応じて、プルアップ期間Tp及びプルダウン期間Tdを設定するようにしてもよい。例えば電子機器100と外部機器200との間において通信不良等が生じ、電子機器100と外部機器200とのType−C接続が一端切れてしまった場合、かかる判定の結果に基づいてプルアップ期間Tp及びプルダウン期間Tdを設定するようにしてもよい。
また、DCジャックが電子機器100に備えられている場合には、ACアダプタによってAC−DC変換を行うことによって生成されるDC電源がDCジャックを介して供給される場合もある。DCジャックを介して電源が供給される場合には、抵抗125aと抵抗125bとによって分圧された電圧Vrは、DCカプラが接続されている場合と同様となる。この場合には、DCカプラが接続されている場合と同様の動作とすればよい。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。