JP2018145483A - 冷却処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】凹凸形状を有する成形面12aと、成形面12aと一対をなす平坦な背面12bとを備え且つ重量が150kg以上の金型12を冷却処理する方法であって、加熱された金型12を冷却する際、背面12bに対する冷却を、成形面12aに対する冷却よりも強として、成形面12aの熱伝達係数に対する背面12bの熱伝達係数の比である熱伝達係数比が、800℃において、1.1以上となる冷却条件で冷却を行なう。
【選択図】 図1
Description
ここで、焼入れ性に優れる工具鋼等は、焼入れ冷却時に急冷しなくても必要な焼入れ硬さが得られるため、大きな被処理物については工具鋼等の焼入れ性に優れた素材を用いることが、低歪み化に有効であった。しかしながら、近年、更なる低歪み化が要求されるようになり、工具鋼等を用いて焼入れ冷却速度を遅くする従来の熱処理方法では、十分な低歪み化が達成できなくなってきた。
加熱された該被処理物を冷却する際、前記背面に対する冷却を、前記成形面に対する冷却よりも強として、
前記成形面の熱伝達係数に対する前記背面の熱伝達係数の比である熱伝達係数比が、800℃において、1.1以上となる冷却条件で冷却を行ない、冷却処理による歪みを抑制するようになしたことを特徴とする。
本発明者らが様々な金型形状及び冷却条件について評価した結果、成形面と背面の熱伝達係数の比(背面の熱伝達係数/成形面の熱伝達係数)が1.1以上となる冷却条件で、低歪みの効果が得られることを見出した。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
尚、局所冷却を行うと被処理物の背面内で熱伝達係数が変化する。本発明において熱伝達係数比を求める際は、局所冷却中の被処理物の背面内で最も冷却が遅い箇所の熱伝達係数を背面の熱伝達係数とする。
またこの冷却処理設備10では、図1(A)中左側に圧縮エアを生成・貯留するための一連の装置であるコンプレッサ26、ドライヤ27、エアタンク28を有している。更にこの冷却処理設備10では、設備の動作制御を行う制御部30を有している。
尚、金型12に用いられる鋼種は特に限定されるものではなく、焼入れ性に優れた特殊鋼を適宜採用することが可能である。また金型のサイズについても特に限定されるものではないが、焼入れの冷却過程で冷却ムラが生じ易い重量150kg以上のものにおいて、本発明は特に有効である。
尚、焼入れ温度にまで加熱された直後の金型12は非常に高温となる。本例では金型12からの放射熱の影響がロボット20全体に及ぶのを防止するため、金型12の正面からずれた位置にロボット20が設置されている。
本例ではセンサ46、熱遮蔽体42及びこれらを移動可能に保持している可動アーム36により非接触式の歪測定装置11が構成されている。
このように本例では、圧縮エアが熱遮蔽体42の内部を流通する構成とすることで、センサ46が高温(具体的には50℃以上)になるのを防止している。尚、歪み測定の際にセンサ46と金型12との間に位置して遮熱を行う第1の壁面48に水冷機構部を設けることで、センサ46が高温になるのを防止することも可能である。
このノズル22は、図示を省略する流量調節バルブを介してエアタンク28と連結されており、制御部30の制御に基づいてノズル22の吐出口22aからは、金型を局所冷却のための冷却用ガスとして、圧縮エアが吐出される。
図1で示すように先ず、金型12は図示を省略した加熱室にて焼入れ温度にまで加熱された後にクレーン等によってセット治具14上に載置される。
そして金型12は大気中で放冷される。これとともに赤外線カメラ24が金型12表面の温度分布を検知する。そしてその温度分布の検知結果に基づいて金型12表面の最遅冷却部位が特定される。制御部30は最遅冷却部位の位置情報(X,Y座標)をロボット20に出力する。
詳しくは、最遅冷却部位の検知温度が図5に示した予定表面温度を上回っている場合には局部冷却用の圧縮エアの量を増加させ、検知温度が予定表面温度を下回っている場合には局部冷却用の圧縮エアの量を減少させる。このようにすることで冷却処理の対象となった背面12bにおける最遅冷却部位を、予定していた冷却速度若しくはこれに近似する冷却速度で冷却することができる。
尚、最遅冷却部位の検知温度が600℃を下回った以降についても予め設定された予定表面温度の推移と一致するように引き続き冷却処理を行うことも可能である。また場合によっては最遅冷却部位の検知温度が600℃以下の所定温度となった時点で、油冷に切り替えて引き続き冷却処理を行うことも可能である。
詳しくは、比較例1,2については、成形面70aに対し衝風冷却を実施し、成形面70aに対する冷却を強とした。実施例1〜5及び比較例4〜13については、背面70bに対し衝風冷却を実施し、背面70bに対する冷却を強とした。これらの実施例及び比較例では、衝風冷却の風量を変化させることで熱伝達係数比の値を変化させている。尚、比較例3については、放冷のみで冷却を行っている。
各冷却処理条件に対応する熱伝達係数は、以下のようにして求めることができる。先ず金型70と同じ鋼種で作製した200mm×200mm×100mmの試験片を作製し、試験片の一方の表面の中央から2mmの深さと、試験片の重心位置の深さにそれぞれ熱電対を埋設し、試験片の表面温度と金型内部温度(重心位置での温度)を測定可能としておく。また試験片の、温度測定される表面から20mm離れた雰囲気温度も熱電対にて測定可能としておく。
表1に示す最遅冷却部位の冷却速度(℃/分)は、熱電対により測定された金型内部(重心近傍位置)での1000℃から500℃までの平均冷却速度である。
平面度(mm)は、図7に示すように、測定したい平面(ここでは背面70b)に位置する2つの基準点kを結んだ直線mから、その直線mの直上に位置する背面70bの測定点pが直線mの垂直方向にどれだけずれているかを表すもので、背面70bの中で様々な2つの基準点kを設定したとき、最も大きな平面度となったものを、背面70bにおける平面度とした。ここでは平面度0.5mm以下を目標とする。
金型70の最遅冷却部位(ここでは重心近傍位置)から、10×10×10mmの大きさの試験片を採取し、その1面を鏡面研磨した後、ピクリン酸や硝酸等を用いてエッチングを行なう。パーライト変態した箇所はエッチングにより黒く変色するため、黒く変色した領域の面積率(%)を求める。ここで、金型に要求される硬さが得られるようにパーライト面積率5%以下を目標とする。
この評価において、背面の平面度が優れているのは、熱伝達係数比が1.1〜5の範囲内である。成形面70aと背面70bとを同じ強さで冷却した場合(即ち、熱伝達係数比が1の場合)、その平面度は0.68mmであるのに対し、背面側の冷却能を高めて、熱伝達係数比を1.1〜5の範囲内とすることで、平面度を目標値である0.5mm以下とすることができる。
この冷却処理設備10では、赤外線カメラ24により得られた金型12の背面12bの温度分布に基づいて特定された最遅冷却部位に対して冷却用ガスを吐出させるため、背面12bでの温度分布のばらつきが抑えられるとともに、背面12bの冷却速度が速められて、所定の熱伝達係数比を得ることができる。
12,70,80 金型(被処理物)
12a,70a,80a 成形面
12b,70b,80b 背面
22 ノズル(冷却手段)
22a 吐出口
24 赤外線カメラ(温度検知手段)
36 可動アーム(移動手段)
Claims (5)
- 凹凸形状を有する成形面と、該成形面と一対をなす平坦な背面とを備え且つ重量が150kg以上の被処理物を冷却処理する方法であって、
加熱された該被処理物を冷却する際、前記背面に対する冷却を、前記成形面に対する冷却よりも強として、
前記成形面の熱伝達係数に対する前記背面の熱伝達係数の比である熱伝達係数比が、800℃において、1.1以上となる冷却条件で冷却を行ない、冷却処理による歪みを抑制するようになしたことを特徴とする冷却処理方法。 - 前記被処理物の重量が400kg以上であって、前記熱伝達係数比が1.1以上、1.3以下であることを特徴とする請求項1に記載の冷却処理方法。
- 前記被処理物の中心部における最遅冷却部位にて、1000℃から500℃までの平均冷却速度が15℃/分よりも遅いことを特徴とする請求項1,2の何れかに記載の冷却処理方法。
- 前記被処理物を放冷により冷却するとともに、該被処理物の背面に対して衝風冷却を行うことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の冷却処理方法。
- 該被処理物の表面の温度分布を検知する温度検知手段と、
吐出口から冷却用ガスを吐出させて該被処理物の表面を冷却する冷却手段と、
該冷却手段を位置移動可能に保持する移動手段と、を備えた冷却処理設備を用いて、
前記被処理物の背面側における最遅冷却部位の近傍に前記冷却手段を移動させて、該最遅冷却部位の局所冷却を行うことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の冷却処理方法。
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JP2019203185A (ja) * | 2018-05-25 | 2019-11-28 | 光洋サーモシステム株式会社 | 熱処理装置および金属部品の製造方法 |
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