JP2018144212A - 歯車加工装置 - Google Patents

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Takaaki Izumi
孝明 泉
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Abstract

【課題】ハウジングと、これに対して回転する工具支持体との間の隙間に異物が侵入するのを確実に防止することができる、歯車加工装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る歯車加工装置は、被加工歯車を加工する環状の工具ユニットと、被加工歯車を回転自在に支持し、前記工具ユニットに相対的に近接離間するワーク支持ユニットと、を備え、前記工具ユニットは、環状のハウジングと、前記ハウジングの内周側に回転自在に配置される環状の工具支持体と、前記工具支持体の内周側に取り付けられ、被加工歯車に噛合する内歯車形状の工具と、エアを注入する注入手段と、を備え、前記ハウジングの内周面と前記工具支持体の外周面との間の少なくとも一部には、環状の内部空間が形成されており、前記ハウジングの内周面と前記工具支持体の外周面との間には、軸方向の両端部において外部に開放される隙間が形成されており、前記内部空間と前記隙間とは連通しており、前記注入手段により、前記内部空間にエアが注入されるように構成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、歯車加工装置に関する。
従来より、歯車に対する仕上げ加工として、例えばホーニング加工が知られている。これらの加工においては、加工対象となる被加工歯車と砥石用歯車とを互いに噛み合わせた状態で、回転させて仕上げ加工を行っている。
例えば、特許文献1には、ホーニング加工を行う歯車加工装置が記載されている。この装置では、加工対象となる歯車は、一対の固定具により軸方向の両端から挟むことで支持されており、この歯車を内歯車状の工具を有する環状の工具に噛み合わせる。そして、この状態で工具と歯車とを連れ周り回転させることにより、歯車の仕上げを行っている。
特開2013−18080号公報
ところで、上記特許文献1に記載の装置では、環状のハウジングと、このハウジングの内周面側に回転自在に支持された工具支持体と、を備えており、工具支持体に環状の内歯車状の工具が取り付けられている。これにより、工具支持体が工具とともに回転するように構成されている。
ところが、工具支持体はハウジングに対して回転するため、ハウジングと工具支持体との軸方向の両端には隙間が形成されている。そして、この隙間には外部から異物が侵入するおそれがあるため、特許文献1に係る装置では、この軸方向の端部において隙間から外部に向けてエアを放出するエアパージ機構が設けられている。
しかしながら、エアパージ機構は、周方向に延びる隙間の一部からエアを放出するようにしているため、エアが放出される近傍では、隙間から外部にエアを放出できるが、そこから離れた位置では、エアを十分に放出できない。そのため、上記装置では、異物の侵入を十分に防ぐことができないという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、ハウジングと、これに対して回転する工具支持体との間の隙間に異物が侵入するのを確実に防止することができる、歯車加工装置を提供することを目的とする。
本発明に係る歯車加工装置は、被加工歯車を加工する環状の工具ユニットと、被加工歯車を回転自在に支持し、前記工具ユニットに相対的に近接離間するワーク支持ユニットと、を備え、前記工具ユニットは、環状のハウジングと、前記ハウジングの内周側に回転自在に配置される環状の工具支持体と、前記工具支持体の内周側に取り付けられ、被加工歯車に噛合する内歯車形状の工具と、エアを注入する注入手段と、を備え、前記ハウジングの内周面と前記工具支持体の外周面との間の少なくとも一部には、環状の内部空間が形成されており、前記ハウジングの内周面と前記工具支持体の外周面との間には、軸方向の両端部において外部に開放される隙間が形成されており、前記内部空間と前記隙間とは連通しており、前記注入手段により、前記内部空間にエアが注入されるように構成されている。
この構成によれば、ハウジングと工具支持体との間の内部空間にエアを供給するように構成されているため、内部空間の圧力を高めることができる。これにより、内部空間と連通するハウジングと工具支持体の隙間からエアを放出することができるため、工具ユニットの外部から隙間に異物が侵入するのを防止することができる。特に、ハウジングの内周面と工具支持体の外周面との間の周方向に亘って形成されている内部空間にエアが注入されるため、周方向に亘って隙間からエアを放出することができる。したがって、異物の侵入を確実に防止することができる。さらに、エアの注入により内部空間に配置される各種の部材を冷却することができる。
なお、内部空間は、ハウジングと工具支持体との間の周方向全体に亘って形成される必要はなく、一部であってもよい。
上記歯車加工装置においては、エアの注入経路は、特には限定されないが、例えば、次のように構成することができる。すなわち、前記ハウジングに、径方向の対向する位置に当該ハウジングを支持するための軸端部材をそれぞれ設け、少なくとも一方の前記軸端部材の内部に、前記内部空間と連通する連通路を形成し、前記注入手段が、前記連通路を介して前記内部空間にエアを注入するように構成することができる。
上記各歯車加工装置においては、前記ハウジングの内周側に取り付けられた環状のステータ、及び前記工具支持体の外周に取り付けられ、前記ステータと対向配置されるロータを有し、前記支持体を前記ハウジングに対して回転させる駆動手段をさらに備えることができ、前記ステータ及びロータは前記内部空間に収容され、前記連通路には、前記ステータに電気を供給する電気ケーブルを配置することができる。これにより、連通路を利用して、電気ケーブルを外部に延ばすことができる。
上記各歯車加工装置においては、前記ハウジングの内周側に取り付けられ、前記工具支持体の回転位置を検出する検出器をさらに備えることができ、前記検出器が前記内部空間に収容され、前記連通路には、前記検出器からの信号を受信する信号ケーブルを配置することができる。これにより、連通路を利用して、信号ケーブルを外部に延ばすことができる。
上記各歯車加工装置においては、前記隙間において、前記ハウジング及び工具支持体の少なくとも一方には、環状の溝を形成することができ、当該溝の少なくとも一部が外部と連通するように構成することができる。
これにより、仮に外部から隙間に異物が混入したとしても、隙間に形成された溝に異物を流すことができる。そして、溝に入った異物を外部に排出することができる。
以上のように、ハウジングと、これに対して回転する工具支持体との間の隙間に異物が侵入するのを確実に防止することができる。
本発明の一実施形態に係る歯車加工装置の斜視図である。 図1の正面図である。 図1の平面図である。 図2のA−A線断面図である。 図4のB−B線断面図である。 図2のC−C線断面図である。 図6のD−D線断面図である。 図3のE−E線断面図である。 は図8のF−F線断面図である。 図8のH−H線断面図である。 図8のG−G線断面図である。 図8におけるハウジングの拡大断面図である。 図12のI−I線断面図である。 図12のJ−J線断面図である。 図12のK−K線断面図である。 図12のL−L線断面図である。
以下、本発明に係る歯車加工装置の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1、図2、及び図3は、それぞれ本実施形態に係る歯車加工装置の斜視図、正面図、及び平面図である。なお、以下の説明では、図1の左右をX軸方向または左右方向、図1の上下をZ軸または上下方向、図2の上下をY軸方向または前後方向と称し、これを基準に説明をしていく。但し、本発明はこれらの方向に限定されるものではない。
図1〜図3に示すように、本実施形態に係る歯車加工装置は、基台1上に配置された工具ユニット2及びワーク支持ユニット3を備えている。工具ユニット2は、環状に形成され工具4が固定された環状のハウジング21を有しており、その軸方向が、概ねX軸方向に向くように配置されて、ワークWである歯車と噛合するようになっている。ワーク支持ユニット3は、ワークWを挟持する主軸台31と心押し台32とで構成されており、これらは、工具ユニット2を挟んで、基台1のX軸方向の両側に配置されている。
まず、ワーク支持ユニット3について説明する。図1〜図3に示すように、ワーク支持ユニット3は、上述した主軸台31と、心押し台32とで構成されており、これらは、X軸方向に互いに近接離間し、ワークWを回転自在に挟持するようになっている。
次に、主軸台31について、図4及び図5も参照しつつ説明する。図4は図3のA−A線断面図、図5は図4のB−B線断面図である。図4及び図5に示すように、主軸台31は、工具ユニットを挟んで基台1上の左側に配置された第1支持フレーム311上に配置されている。この第1支持フレーム311は、側面視三角形状に形成されており、X軸方向の両端部に、それぞれY軸方向に延びる一対のレール312が取り付けられている。すなわち、これらのレール312は、前方に行くにしたがって下降する傾斜面310上に配置されている。これらのレール312の傾斜角度は特には限定されないが、例えば、10〜45度(本実施形態では約30度)とすることができる。そして、第1支持フレーム311上には、両レール312に支持されY軸方向に傾斜して移動可能な第1支持ブロック313が配置されている。この第1支持ブロック313の下面にはナット314が連結されており、このナット314に、レール312と平行に延びるボールネジ315が螺合している。このボールネジ315は、軸周りに回転自在に第1支持フレーム311に支持されており、その上端部には第1支持フレーム311に支持されたモータ316が連結されている。したがって、モータ316によりボールネジ315が回転すると、これによって、第1支持ブロック313が第1支持フレーム311の傾斜面310に沿ってY軸方向に移動する。
第1支持ブロック313の上面には、X軸方向に平行に延びる一対のレール317が配置されており、これらレールに沿って主軸台31がX軸方向に移動可能となっている。主軸台31の下面にはナット318が連結されており、このナット318に、レール317と平行に延びるボールネジ319が螺合している。このボールネジ319は、軸周りに回転自在に第1支持ブロック313に支持されており、その左端部には第1支持ブロック313に支持されたモータ3190が連結されている。したがって、モータ3190によりボールネジ319が回転すると、これによって、主軸台31が、第1支持ブロック313上をX軸方向に移動する。
主軸台31の先端には、X方向に突出しワークWを支持する軸部材3101が回転自在に設けられており、内蔵されているモータ(図示省略)によって回転駆動する。
次に、心押し台32について、図6及び図7も参照しつつ説明する。図6は図3のC−C線断面図、図7は図6のD−D線断面図である。図6及び図7に示すように、心押し台32も主軸台31と同様に構成されている。すなわち、心押し台32は、工具ユニット2を挟んで基台1上の右側に配置された第2支持フレーム321上に配置されている。この第2支持フレーム321は、側面視三角形状に形成されており、X軸方向の両端部に、それぞれY軸方向に延びる一対のレール322が取り付けられている。すなわち、これらのレール322は、前方に行くにしたがって加工する傾斜面320上に配置されている。このレール322の傾斜角度は、主軸台31の傾斜角度と同じである。そして、第2支持フレーム321上には、両レール322に支持されY軸方向に傾斜して移動可能な第2支持ブロック323が配置されている。この第2支持ブロック323の下面にはナット324が連結されており、このナット324に、レール322と平行に延びるボールネジ325が螺合している。このボールネジ325は、軸周りに回転自在に第2支持フレーム321に支持されており、その上端部には第2支持フレーム321に支持されたモータ326が連結されている。したがって、モータ326によりボールネジ325が回転すると、これによって、第2支持ブロック323が第2支持フレーム321の傾斜面320に沿ってY軸方向に移動する。
第2支持ブロック323の上面には、X軸方向に平行に延びる一対のレール327が配置されており、これらレール327に沿って心押し台32がX軸方向に移動可能となっている。心押し台32の下面にはナット328が連結されており、このナット328に、レール327と平行に延びるボールネジ329が螺合している。このボールネジ329は、軸周りに回転自在に第2支持ブロック323に支持されており、その右端部には第2支持ブロック323に支持されたモータ3290が連結されている。したがって、モータ3290によりボールネジ329が回転すると、これによって、心押し台32が、第2支持ブロック323上をX軸方向に移動する。
また、心押し台32の先端には、ワークWを支持する軸部材3201が回転自在に設けられており、主軸台31の軸部材3101との間で、ワークWを挟持するようになっている。主軸台31と心押し台32とは、一体的にX軸方向及びY軸方向に移動するように制御されており、両者がワークWを狭持した状態でX軸方向及びY軸方向に移動し、ワークWを工具ユニット2の工具に対して近接離間するようになっている。
次に、工具ユニット2について、図8及び図9を詳細に説明する。図8は図3のE−E線断面図、図9は図8のF−F線断面図である。工具ユニット2のハウジング21は、環状に形成されており、ワークWに交差角を形成したりクラウニングを施すために、Y軸方向に移動可能で、且つYZ平面内でY軸と傾斜する回転軸S周りに回転可能となっている。そのため、工具ユニット2は、基台1上に配置され、上述したハウジング21を支持する支持体23を備えている。また、ハウジング21は、上述した回転軸Sの両端で、支持体23によって回転可能に支持されている。すなわち、ハウジング21の回転軸Sの両端には、前端側に第1軸端部材41が取り付けられ、後端側に第2軸端部材42が取り付けられている。そして、これら第1及び第2軸端部材41,42が支持体23によって、支持されている。以下、支持体23について詳細に説明する。
図8に示すように、この支持体23は基台1上をY軸方向に移動可能な基部231と、この基部231の前端部に設けられ、ハウジング21の第1軸端部材41を支持する第1支持部232と、基部231の後端部に設けられ、ハウジング21の第2軸端部材42を支持する第2支持部233と、を備えている。基部231は、側面視において、上方に向かって傾斜した前端面2311、この前端面2311に連続し円弧状に形成された中央面2312、及び中央面2312の後端に連続し上方に向かって傾斜した後端面2313を有しており、これらの面が、前方から後方へこの順で並んでいる。前端面2311と後端面2313の傾斜角度は、ワーク支持ユニット3の傾斜面と同じである。この構成において、後端面2313は、前端面2311よりも高い位置にあり、前端面2311には第1支持部232が取り付けられ、後端面2313に第2支持部233が取り付けられる。
そして、ハウジング21の第1軸端部材41が第1支持部232によって回転可能に支持されるとともに、第2軸端部材42が第2支持部233によって回転自在に支持される。これにより、ハウジング21は、上記傾斜角度で延びる回転軸S周りに回転可能となっている。なお、中央面2312の円弧形状は、ハウジング21に外周面に沿うようにしたものである。また、図9に示すように、この中央面2312の下端部には、クーラントの排出溝2315が形成されており、ハウジング21から流れ出たクーラントが排出されるようになっている。
次に、支持体のY軸方向の移動について説明する。図9に示すように、基台1上には、Y軸方向に平行に延びる一対のレール11が配置されており、これらレール11上に支持体23が移動可能に配置されている。そして、支持体23の下面にはナット12が取り付けられており、このナット12にボールネジ13が螺合している。ボールネジ13は、Y軸方向の両端において、基台1に回転自在に支持されており、ボールネジ13の後端にモータ14が連結されている。したがって、モータ14が駆動し、ボールネジ13が回転すると、支持体23は、ハウジング21とともにY軸方向に移動するようになっている。
続いて、ハウジング21の回転軸周りの回転について、図10及び図11も参照しつつ説明する。図10は図8のH−H線断面図、図11は図8のG−G線断面図である。図10に示すように、支持体23の第2支持部233は、直方体状の筐体2331を有しており、この筐体2331内には、仕切り板2332で仕切られた第1収容部2333と第2収容部2334とが設けられている。そして、第1収容部2333には、ハウジング21に取り付けられた第2軸端部材42が、回転可能に収容されている。この第2軸端部材42は、円筒状に形成されており、その外周面には外歯車状の係合部421が取り付けられている。一方、第2軸端部材42の内部空間は、先端側において外部に開放されており、その先端部が筐体2331の仕切り板2332に形成された連通孔2335と対向している。そして、筐体2331の第2収容部2334に配置されたケーブル71、72が、第2軸端部材42を貫通する中央空間420を介して、ハウジング21へと延びている。また、第2収容部2334には、管部材(注入手段)2336により外部からエアが注入されており、このエアは、第2収容部2334から、仕切り板2332を介して第2軸端部材42の中央空間420に供給され、さらにここからハウジング21内へ供給されるようになっている。この点については、後述する。
また、図11に示すように、第1収容部2333には、第2軸端部材42に取り付けられた係合部421と噛み合う、ネジ部材2337が回転可能に取り付けられている。そして、このネジ部材2337の上端部は筐体2331から突出し、この突出部分には、モータ2338が取り付けられている。したがって、このモータ2338の駆動によって、ネジ部材2337が回転し、これにより第2軸端部材42がハウジング21とともに回転軸周りに回転するようになっている。
次に、ハウジングを含む、工具ユニット2における工具の取付構造等について、図12〜図16を参照しつつ説明する。図12は図8におけるハウジングの拡大断面図、図13は図12のI−I線断面図、図14は図12のJ−J線断面図、図15は図12のK−K線断面図、図16は図12のL−L線断面図である。
図12〜図16に示すように、工具ユニット2は、全体として環状のハウジング21と、このハウジング21の内周側に一対のベアリング241,242を介して回転自在に設けられた工具支持体25と、この工具支持体25の内周面に取り付けられた、内歯車状の工具4と、を備えている。また、工具ユニット2には、工具支持体25をハウジング21に対して回転させるためのモータ5が設けられている。さらに、この工具ユニット2には、工具支持体25の回転角度位置を検出するための検出器6が設けられている。以下、各部材について、詳細に説明する。
ハウジング21は、環状のハウジング本体211と、このハウジング本体211における軸方向の左端部に設けられた環状の冷却部材212、この冷却部材212の左端部に設けられた環状の第1端部材213、及びハウジング本体211の軸方向の右端部に設けられた環状の第2端部材214を備えている。
ハウジング本体211は、軸方向の中央付近に位置する中央部位2110と、軸方向の左端部側において径方向外方に膨出する第1部位2111と、軸方向の右端部側に位置する第2部位2112と、を備え、これらが一体的に形成されている。中央部位2110の内径が最も小さく、中央部位2110の内周面には、上述した一対のベアリング241,242が軸方向に所定間隔をおいて取り付けられている。なお、各ベアリング241,242は、外輪、内輪、及びこれらの間の保持される転動体(ボールまたはコロ)を備えた公知のものである。第1部位2111は、径方向外方に膨出しているため、外径及び内径が中央部位2110よりも大きい。具体的には、第1部位2111の内周面は、中央部位2110の外周面よりも径方向外方に位置している。これにより、第1部位2111の内周面と工具支持体25との間には、モータ5等が収容されるモータ収容空間26が形成されている。
一方、第2部位2112の外径は中央部位2110と同じである。つまり、中央部位2110と第2部位2112の外周面は連続している。また、第2部位2112の内径は、中央部位2110よりもやや大きく、これによって、第2部位2112の内周面と工具支持体25との間には、上述した検出器6が配置される検出器収容空間27が形成されている。
図16に示すように、ハウジング21において、上述した第2支持部233と連結される部位においては、径方向外方に突出する円筒状の第2軸端部材42が形成されている。そして、この第2軸端部材42の内部には、上記のように、径方向に延びる中央空間420が形成されている。さらにこの中央空間420と、上述したモータ収容空間26及び検出器収容空間27とそれぞれ連通するように、ハウジング本体211の内部には、軸方向に延びる第1連通路2115、及び第2連通路2116が形成されている。
次に、ハウジング本体211の中央部位2110について説明する。図12及び図13に示すように、中央部位2110の内部には、ベアリング241,242の外周面側を冷却するためのクーラント(冷却媒体)が供給される第1クーラント流路(第1流路)2117が形成されている。この第1クーラント流路2117は、中央部位2110を概ね環状に延びるように形成されているが、図12に示すように、上記第2軸端部材42が配置されている部分を避けるようにC字状に形成されている。すなわち、この第1クーラント流路2117は第2軸端部材42の上側付近を一端部として、環状に延び、第1軸端部材41を通過して第2軸端部材42の下側付近まで延びている。図13に示すように、中央部位2110において、第1クーラント流路2117の一端部と対応する位置には、径方向に延びる供給孔81が形成されており、この供給孔81から第1クーラント流路2117にクーラントが供給される。また、この第1クーラント流路2117は、一対のベアリング241,242の外周面に対応するように、軸方向を長手方向とするように、断面矩形状に形成されている。
中央部位2110の内周面には、上述した一対のベアリング241,242が取り付けられているが、以下では、軸方向の左側のベアリングを第1ベアリング241と称し、右側のベアリングを第2ベアリング242と称することとする。そして、これら一対のベアリング241,242の間にはオイルミストを供給するための環状の供給部材28が取り付けられている。また、図13〜図16に示すように、中央部位2110において軸方向の左側を向く左側面には、第1ベアリング241を供給部材28との間で挟んで固定するための環状の第1固定部材401が取り付けられている。第1固定部材401は、断面において軸方向に左側へ延びており、この第1固定部材401の内周側には、後述するように、第1ベアリング241から排出されたオイルミストが通過する第1排出路47が形成されている。一方、中央部位2110において軸方向の右側を向く右側面には、第2ベアリング242を供給部材28との間で挟んで固定するための環状の第2固定部材402が取り付けられている。第2固定部材402は、断面において径方向内方に延びるように形成されているが、第2固定部材402と第2ベアリング242との間には、後述するように、第2ベアリング242から排出されたオイルミストが通過する第2排出路48が形成されている。
両ベアリング241,242の間に配置された供給部材28の外周面には、溝281が形成されており、この溝281と中央部位2110の内周面との間に潤滑油としてのオイルミストが供給されるオイルミスト流路(第3通路)280が形成される。図12に示すように、このオイルミスト流路280と、第2軸端部材42の内部に径方向に延びるように形成された供給路425と連通しており、この供給路425に外部から供給されたオイルミストが、オイルミスト流路280に流れ込む。
また、図13及び図16に示すように、供給部材28には、周方向に所定間隔をおいて、オイルミスト流路280と連通する複数の支流(供給路)283が形成されている。この支流283は、オイルミスト流路280から軸方向に向かって、各ベアリング241,242まで、それぞれ延びるように形成されている。すなわち、オイルミスト流路280に供給されたオイルミストは、各支流283において各ベアリング241,242に供給されるようになっている。そして、各ベアリング241,242に供給されたオイルミストは、各ベアリング241,242の軸方向の外方、つまり、上述した第1及び第2排出路47,48に流れ出すようになっている。
図15に示すように、ハウジング本体211の鉛直方向の最下端付近においては、中央部位2110に、径方向に延びる排出孔290が形成されている。この排出孔290は、中央部位2110の内周側で軸方向に延びる下端通路291に連通している。また、ハウジング本体211の鉛直方向の下端部において、第1ベアリング241と第1固定部材401との間には隙間が形成されており、第1排出路47を通過したオイルミストが、この隙間を通過して下端通路291に流れ込むようになっている(矢印参照)。同様に、第2ベアリング242と第2固定部材402との間にも隙間が形成されており、第2排出路48を通過したオイルミストが、この隙間を通過して下端通路291に流れ込むようになっている。そして、下端通路291に流れ込んだオイルミストは、排出孔290からハウジング21の外部に排出されるようになっており、このオイルミストは、上述した図9に示すように、支持体23の排出溝2315から排出される。
次に、ハウジング本体211の軸方向(図13〜図15の左右方向)の一方側にある第1部位2111について説明する。第1部位2111の内周面には、上述した環状の冷却部材212が取り付けられており、この冷却部材212の内周面には、環状に形成されたモータ5のステータ51が取り付けられている。すなわち、このステータ51が、上述したモータ収容空間26に収容されている。そして、図16に示すように、このステータ51に電気を供給するための電気ケーブル71が、モータ収容空間26、第1連通路2115、及び中央空間420を通過して、ハウジング21の外部の第2支持部233へ延びている。
冷却部材212の径方向の外周面には、溝2121が形成されており、この溝2121と第1部位2111の内周面によって囲まれる空間が、第2クーラント流路(第2流路)49を構成している。そして、この第2クーラント流路49を流れるクーラントによってステータ51が冷却されるようになっている。この第2クーラント流路49は、冷却部材212内を概ね環状に延びるように形成されているが、軸方向で位相の異なる上記第1クーラント流路2117と同様に、上記第2軸端部材42が配置されている部分を避けるようにC字状に形成されている。すなわち、この第2クーラント流路49は第2軸端部材42の上側付近を一端部として、環状に延び、第1軸端部材41を通過して第2軸端部材42の下側付近を他端部とするように延びている。また、図13に示すように、第1部位2111において、第2クーラント流路49の一端部と対応する位置には、排出孔2119が形成されており、後述するように、この排出孔2119から第2クーラント流路49のクーラントが排出される。
また、図12及び図14に示すように、ハウジング本体211の外周面において、第2軸端部材42の下側付近には、第1クーラント流路2117と第2クーラント流路49を連通させるための連通部250が設けられている。この連通部250の内部には、第1クーラント流路2117から径方向外方に延びる第1流路2501、この第1流路2501及び第2クーラント流路49と連通し、軸方向に延びる第2流路2502とが形成されている。この第1及び第2流路(連通路)2501,2502によって、第1及び第2クーラント流路2117、49が連通する。したがって、上述した供給孔81から供給されたクーラントは、第1クーラント流路2117を流れた後、連通部250の第1及び第2流路2501,2502を介して、第2クーラント流路49に流れ込む。そして、この第2クーラント流路49を流れたクーラントは、排出孔2119から排出されるようになっている。
図13に戻って、第1部位2111の説明を続ける。冷却部材212の軸方向の左端部に取り付けられた第1端部材213は、ステータ51の軸方向の左側の面を覆うように、板状に形成されている。この第1端部材213の径方向内方の端面は、軸方向の左端部側に位置する第1面2131と、この第1面2131と隣接し軸方向の右端部側に位置する第2面2132とを有している。そして、第1面2131の内径は、第2面2132より大きくなっている。すなわち、第1面2131が第2面2132よりも径方向外方に位置している。さらに、第1面2131には環状に延びる2つの溝2133が形成され、第2面にも環状に延びる1つの溝2133が形成されている。
また、図15に示すように、ハウジング21の鉛直方向の最下端付近においては、第1端部材213の各溝2133を外部に排出するための排出路2134が形成されている。すなわち、環状の溝2133を通過した油等は、ハウジング21の最下端付近において、排出路2134から外部に排出されるようになっている。
続いて、ハウジング本体211の第2部位2112について説明する。第2部位2112の軸方向の右側の端面には、上述した第2端部材214が取り付けられている。第2端部材214は、径方向内方に延びるように板状に形成されており、第2部位2112の内周面、第2端部材214、及び第2固定部材402によって囲まれる空間が、上述した検出器収容空間27を構成する。そして、図16に示すように、検出器6を構成するエンコーダ61が、この検出器収容空間27に配置されている。エンコーダ61は、第2固定部材402の軸方向の側面に固定されている。また、このエンコーダ61から信号を出力するための信号ケーブル72が、検出器収容空間27、第2連通路2116、及び中央空間420を通過して、ハウジング21の外部の第2支持部233へ延びている。
また、第2端部材214の径方向内方の端面は、軸方向の右端部側に位置する第1面2141と、この第1面2141と隣接し軸方向の左端部側に位置する第2面2142とを有している。そして、第1面2141の内径は、第2面2142より大きくなっている。すなわち、第1面2141が第2面2142よりも径方向外方に位置している。さらに、第1面2141には環状に延びる2つの溝2143が形成され、第2面2142にも環状に延びる1つの溝2143が形成されている。
また、図15に示すように、ハウジング21の鉛直方向の最下端付近においては、第2端部材214の各溝2143を外部に排出するための排出路2144が形成されている。すなわち、上述した第1端部材213と同様に、環状の溝2143を通過した油等は、ハウジング21の最下端付近において、排出路2144から外部に排出されるようになっている。
次に、工具支持体25について説明する。工具支持体25は、環状の支持本体251と、この支持本体251における軸方向の左端部に設けられた環状の連結部材252、この連結部材252の左端部に設けられた環状の第1端部材253、及び支持本体251の軸方向の右端部に設けられた環状の第2端部材254を備えている。また、第1端部材253及び第2端部材254には、それぞれ第1カバー部材255及び第2カバー部材256が取り付けられている。以下、各部材について詳細に説明する。
支持本体251は、ハウジング本体211の中央部位2110及び第2部位2112に対応するよう位置に設けられており、軸方向に並ぶ中央部位2510、及びその右側の端部部位2511を有している。中央部位2510の外周面には、上述した両ベアリング241,242と供給部材28とが固定されている。一方、中央部位2510の内周面には、工具4が固定されている。以下、工具支持体25への工具4の取り付け構造について説明する。
図13に示すように、中央部位2510の内周面の中心には、径方向に延びる流路55が形成されており、この流路55を覆うように、中央部位2510の内周面には浅い帯状の溝56が形成されている。流路55には、軸方向に左側へと延びる貫通孔57が連通しており、この貫通孔57にプッシュピン58が差し込まれている。また、帯状の溝56を覆うように、中央部位の内周面には環状の弾性部材59が配置され、これを介して、上述した内歯車状の工具4が取り付けられている。また、貫通孔57、流路55及び溝56には油が充填されており、プッシュピン58を押し込むことで、油の圧力が増加する。これにより、弾性部材59が径方向内方に突出するように変形し、工具4の外周面が押圧される。その結果、工具4が工具支持体25に固定される。一方、プッシュピン58を引き抜くと、貫通孔57、流路55及び溝56の油の圧力が低下して、弾性部材59が元の形状に戻り、工具4が取り外し可能となる。また、帯状の溝の軸方向の両端付近には、Oリングが設けられている。なお、このようなプッシュピン58は、図14にも示されるように、工具支持体25の周方向に、所定間隔をおいて配置されている。但し、これ以外の工具の取り付け方法も採用可能である。
次に、支持本体251の端部部位2511について説明する。端部部位2511の外周面は、上述した検出器収容空間27に面しており、この外周面には、検出器6を構成する環状のメモリスケール62が取り付けられている。そして、図16に示すように、このメモリスケール62が、検出器収容空間27において、上述したエンコーダ61と対向している。
また、端部部位2511の右端部には、上述した第2端部材254が取り付けられている。第2端部材254は、端部部位2511から径方向外方に延びるように形成されており、第2端部材254の径方向外方の端面が、上述したハウジング21の第2端部材214の端面と対向し、ラビリンス構造の隙間を形成している。具体的には、工具支持体25の第2端部材254の端面は、ハウジング21の第2端部材214の端面と対向するような形状を有しており、軸方向の右端部側に位置する第1面と2541、この第1面2541と隣接し軸方向の左端部側に位置する第2面2542とを有している。そして、第1面2541の外径は、第2面2542より大きくなっている。すなわち、第1面2541が第2面2542よりも径方向外方に位置している。さらに、第1面2541には環状に延びる2つの溝2543が形成され、第2面2542にも環状に延びる1つの溝2543が形成されている。これらの溝2543は、ハウジング21の第2端部材214の端面に形成された溝2143と対向しており、これらの溝2143,2543を通過した油等は、図15に示すように、ハウジング21の第2端部材214に形成された溝から排出路2144を通過して外部に排出されるようになっている。
そして、第2端部材254の軸方向の右側面には、第2カバー部材256が取り付けられている。この第2カバー部材256は、ハウジング21の第2端部材214と工具支持体25の第2端部材254との隙間を、覆うように形成されている。したがって、例えば、加工中に、油や切粉等が、隙間を通過して検出器収容空間27に入るのを防止している。
続いて、連結部材252について説明する。連結部材252は、支持本体251の軸方向の左端部に連結されており、第1ベアリング241との間に上述した第1排出路47を形成するように右側面に凹部が形成されている。また、この連結部材252の外周面は、上述したモータ収容空間26に面しており、この外周面には、モータ5を構成する環状のロータ52が取り付けられている。そして、図13に示すように、このロータ52が、モータ収容空間26において、上述したステータ51と対向している。
また、この連結部材252の内周面には、軸方向に左側へ延びる第1端部材253が連結されている。第1端部材253の外周面は、モータ収容空間26の一部を構成している。また、この外周面は、ハウジング21の第1端部材213の端面と対向してラビリンス構造の隙間を形成する端面を有している。具体的には、工具支持体25の第1端部材253の端面は、ハウジング21の第1端部材213の端面と対向するような形状を有しており、軸方向の左端部側に位置する第1面2531と、この第1面2531と隣接し軸方向の右側に位置する第2面2532とを有している。そして、第1面2531の外径は、第2面2532より大きくなっている。さらに、第1面2531には環状に延びる2つの溝2533が形成され、第2面2532にも環状に延びる1つの溝2533が形成されている。これらの溝2533は、ハウジング21の第1端部材213の端面に形成された溝2133と対向しており、これらの溝2133,2533を通過した油等は、図15に示すように、ハウジング21の第1端部材213に形成された溝2133から排出路2134を通過して外部に排出されるようになっている。
そして、第1端部材213の軸方向の左側面には、第1カバー部材255が取り付けられている。この第1カバー部材255は、ハウジング21の第1端部材213と工具支持体25の第1端部材253との隙間を、覆うように形成されている。したがって、例えば、加工中に、油や切粉等が、隙間を通過してモータ収容空間26に入るのを防止している。
次に、上記のように構成された歯車加工装置の動作について説明する。まず、図1に示すように、歯車加工装置の近傍に配置された配置台800上のワークWをロボットアーム700によって、歯車加工装置に設置する。すなわち、ワークWに所定の交差角を形成するために、まず、モータ2338を駆動し、回転軸S周りに、工具ユニットを所定の角度に回転させる。次に、ワークWを主軸台31の軸部材3101に取り付けた後、主軸台31及び心押し台32を互いに近接させ、ワークWを挟持する。この状態で、主軸台31の軸部材3101をワークWとともに回転させる。これと並行して、モータ5を駆動し工具ユニット2の工具4をワークWと同期するように、回転させる。続いて、主軸台31及び心押し台32を一体的にY軸方向に移動させ、ワークWを工具4に近接させる。そして、ワークWと工具4とを噛み合わせ、連れ廻りさせることで、ワークWの加工を行う。このとき、検出器6が工具支持体25の回転角度位置を検出することで、工具4とワークWの回転が同期するように、各モータの回転が制御される。また、必要に応じて支持体23とともにハウジング21をY軸方向に移動させ、ワークWにクラウニングを施す。また、このような加工作業と同時に、工具4とワークWとの噛み合わせ部分に切削油を噴射し、加工部位の冷却、潤滑、切り屑除去を行う。こうして、所定時間加工を行った後、各モータの駆動を停止し、加工されたワークWを取り外す。
上記加工中、工具ユニット2は次のように動作する。まず、ベアリング241,242に対しては、オイルミストを供給する。すなわち、図12に示す供給路425から供給された潤滑油は、オイルミストとして両ベアリング241,242の間のオイルミスト流路280から支流283を介して各ベアリング241,242に供給される。これにより、ベアリング241,242の外輪、内輪、及び転動体がオイルミストにより潤滑される。そして、各ベアリング241,242から排出されたオイルミストは、排出路47,48を周方向に流通しつつ、図15に示す下端通路291を経て排出孔290から排出される。
また、上述したように、図12の供給孔81から供給されたクーラントは、第1クーラント流路2117をハウジング21の周方向に流れながら、ハウジング21の中央部位2110を冷却し、これによって両ベアリング241,242を径方向外方から冷却する。そして、このクーラントは、第2軸端部材42の下方において、連通部250に流れ込み、ここから第2クーラント流路49に流れ込む。上述したように、第2クーラント流路49に流れ込んだクーラントは、ハウジング21の周方向に流れながら、冷却部材212を冷却し、これによって、冷却部材212に取り付けられたモータ5のステータ51を冷却する。そして、このクーラントは、第2軸端部材42の上方に形成されている排出孔2119から排出される。なお、クーラントの流れは、これとは反対であってもよく、排出孔2119からクーラントを供給し、ステータを冷却した後、ベアリングを冷却し、その後、供給孔81から排出されるようにしてもよい。このように、ワークWの加工中は、以上のような動作が行われて工具ユニット2の安定的な動作が保証される。
また、ハウジング21を支持する第2支持部233には、上述したように、管部材2336を介して外部からエアが供給されている。図16に示すように、このエアは、ハウジング21に取り付けられた第2軸端部材42の中央空間420から、第1連通路2115及び第2連通路2116を介して、それぞれ、モータ収容空間26及び検出器収容空間27に供給される。これにより、モータ収容空間26及び検出器収容空間27の内圧が上昇し、ハウジング21と工具支持体25との間に形成されたラビリンス構造の隙間からエアが外部に放出される。そのため、このエアが壁となって、ハウジング21内に切削油、切り屑が進入するのが防止される。また、仮に、各カバー部材255,256を超えて隙間に進入した油は、溝2143,2543に流れ込み、ここから排出路2134,2144を経て外部に排出される。
以上のように、本実施形態では、ハウジング21と工具支持体25との間の内部空間、つまりモータ収容空間26及び検出器収容空間27にエアを供給するように構成されているため、これらの空間26,27の圧力を高めることができる。これにより、これらの空間26,27と連通するハウジング21と工具支持体25の隙間からエアを放出することができるため、工具ユニット2の外部から隙間に異物が侵入するのを防止することができる。特に、これらの空間26,27は、ハウジング21の内周面と工具支持体25の外周面との間の周方向に亘って形成されているため、これらの空間にエアが注入されると、周方向に亘って隙間からエアを放出することができる。したがって、異物の侵入を確実に防止することができる。特に、歯車の仕上げ加工の場合には、砥粒が発生するため、その侵入を確実に防止することができる。
また、上記空間26,27にエアを注入することで、冷却効果も期待することができ、ハウジング21内のベアリング241,242、モータ5、検出器6などの各種部材を冷却することができる。
エアを注入する経路として、第2軸端部材42の中央空間420を利用しているが、この中央空間420は、電気ケーブル71や信号ケーブル72を配線する空間としても利用される。したがって、エアの注入経路を別途設ける必要がなく、構造を簡素化することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、以下の変形例は適宜、組合せ可能である。
例えば、上記実施形態では、工具ユニット2を固定し、ワーク支持ユニット3を工具ユニット2に近接させることで、加工を行っているが、これとは反対に、ワーク支持ユニット3を固定し、工具ユニット2を移動させても良い。また、ワーク支持ユニット3においては、主軸台31と心押し台32とでワークWを狭持しているが、主軸台31のみでワークWを支持するような形態であってもよい。
エアの注入経路は、特には限定されず、上記のように、第2軸端部材42以外のハウジング21のいずれの箇所から各空間にエアを注入してもよい。但し、第2軸端部材42は、支持体23に対して移動しないため、この部分にエアの経路を形成しやすいという利点がある。なお、エアの注入のための経路は、上述したケーブル71,72以外の部材を挿通する空間であってもよい。また、エアの注入手段も特には限定されず、例えば、工具ユニット2の外部または内部からエアを注入できればよい。
また、上記実施形態では、本発明の内部空間として、モータ収容空間26及び検出器収容空間27を規定しているが、これに限定されるものではない。すなわち、このような内部空間は、ハウジング21と工具支持体25との間に形成される内部空間であって、軸方向の両端の隙間と連通していればよく、モータ5や検出器6を収容する以外の用途で用いられてもよい。その他の構成についても、特には限定されず、少なくともハウジング21に、ベアリング241,242を介して工具4が取り付けられた工具支持体25が回転可能に支持されていればよい。
2 工具ユニット
21 ハウジング
26 モータ収容空間(内部空間)
27 検出器収容空間(内部空間)
2336 管部材(注入手段)
3 ワーク支持ユニット
4 工具
42 第2軸端部材
420 中央空間(連通路)

Claims (5)

  1. 被加工歯車を加工する環状の工具ユニットと、
    被加工歯車を回転自在に支持し、前記工具ユニットに相対的に近接離間するワーク支持ユニットと、を備え、
    前記工具ユニットは、
    環状のハウジングと、
    前記ハウジングの内周側に回転自在に配置される環状の工具支持体と、
    前記工具支持体の内周側に取り付けられ、被加工歯車に噛合する内歯車形状の工具と、
    エアを注入する注入手段と、
    を備え、
    前記ハウジングの内周面と前記工具支持体の外周面との間には、環状の内部空間が形成されており、
    前記ハウジングの内周面と前記工具支持体の外周面との間には、軸方向の両端部において外部に開放される隙間が形成されており、
    前記内部空間と前記隙間とは連通しており、
    前記注入手段により、前記内部空間にエアが注入されるように構成されている、歯車加工装置。
  2. 前記ハウジングには、径方向の対向する位置に当該ハウジングを支持するための軸端部材がそれぞれ設けられており、
    少なくとも一方の前記軸端部材の内部には、前記内部空間と連通する連通路が形成されており、
    前記注入手段は、前記連通路を介して前記内部空間にエアを注入するように構成されている、請求項1に記載の歯車加工装置。
  3. 前記ハウジングの内周側に取り付けられた環状のステータ、及び前記支持体の外周に取り付けられ、前記ステータと対向配置されるロータを有し、前記支持体を前記ハウジングに対して回転させる駆動手段をさらに備え、
    前記ステータ及びロータが前記内部空間に収容され、
    前記連通路には、前記ステータに電気を供給する電気ケーブルが配置されている、請求項2に記載の歯車加工装置。
  4. 前記ハウジングの内周側に取り付けられ、前記工具支持体の回転位置を検出する検出器をさらに備えており、
    前記検出器が前記内部空間に収容され、
    前記連通路には、前記検出器からの信号を受信する信号ケーブルが配置されている、請求項2に記載の歯車加工装置。
  5. 前記隙間において、前記ハウジング及び工具支持体の少なくとも一方には、環状の溝が形成されており、当該溝の少なくとも一部が外部と連通するように構成されている、請求項1から4のいずれかに記載の歯車加工装置。
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