JP2018144171A - ロボット制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】いかなるタイミングで停止した場合でも、原点への復帰できるロボット制御方法を提供する。【解決手段】教示データに基づく実行プログラムにより原点Oから移動しながら動作を行うロボット333であって、当該ロボット333が異常停止した時に、実行プログラムおよび教示データを用いて原点Oから異常停止した停止位置への動作経路Hを算出し、動作経路Hを逆行する逆行経路Eを用いて原点Oへ復帰するロボット制御方法において、ロボット333に作用する負荷情報から、干渉物500への干渉を検知し、各負荷情報に基づいて干渉物500から離脱する離脱位置を算出し、離脱位置から原点Oへの復帰経路を逆行経路Eを用いて算出する。【選択図】図1
Description
この発明は、原点への復帰を可能とするロボット制御方法に関するものである。
近年の生産現場における生産形態は、多品種少量生産から、生産機種および生産量の変化に対応可能である変種変量生産へと移行している。このような生産形態の変遷に応じて、汎用性の高い設備が求められており、そのような設備の構成要素としてロボットが多用されている。ここで言うロボットとは、予め教示された動作を再現することで動作するティーチングプレイバック式のロボットのことを指す。当該ロボットは、教示された動作を繰り返すことで生産活動を行っている。
このようなロボットを含む設備が異常停止し原点復帰を行う場合、ロボットが停止する位置や状態を予め把握することは不可能であるため、作業者によりマニュアル制御(手動)でロボットを操作し、周辺の機器や構造物(すなわちロボットと干渉するもの全てにおいて以下、”干渉物”と称す)と干渉しない安全位置まで動作させてから原点復帰を行うか、想定される停止状況を全て場合分けし、どのような状況にも対応できるように原点復帰動作を教示しておく必要がある。
しかし、手動によるロボットの操作は作業者の熟練を要する上、複雑な形状および配置の干渉物が近接している場合、それら干渉物との干渉を回避したロボットの操作は煩雑を極める。また、設備立ち上げ時の原点復帰動作の作成および教示にも同様のことが言える。これに対し、例えば特許文献1では、ロボットの原点復帰動作の自動化として、ロボットの異常停止時に、予め教示されたロボットの正常動作を逆向することで干渉物と干渉せずに原点復帰を行うロボットの制御方法が示されている。これにより、自動での原点復帰動作が可能になる。
また、例えば特許文献2では、ロボットが干渉物と干渉した際の軌道修正方法として、ロボットと干渉物との位置情報およびロボットに作用する力の情報から運動方程式を解くことにより、ロボットの軌道を修正するロボットの制御方法が記載されており、原点復帰動作時に前記制御を実施し、自動での原点復帰が可能になる。
また、例えば特許文献3では、ロボットの原点復帰動作時の干渉物との干渉回避方法として、ロボットの現在位置から目標位置(原点)への軌道を計算し、予め干渉物の位置が設定された干渉物データと照合することで干渉判定を行い、干渉すると判定された場合には予め設定された分だけ現在位置データを変更し、軌道の再計算、干渉判定を行うという流れを繰り返すことで、干渉物と干渉しない軌道を求め原点復帰を行う。
従来の例えば特許文献1では、ロボットの異常停止時に正常動作を逆行することで自動原点復帰が可能であるとされているが、ロボットが異常停止した際のハンド部の状態(製品や部品の把持状況を含む)は不明であるため、作業者によるロボットの状態の確認なしに正常動作を逆行するだけでは、原点に至るまでに干渉物との干渉が生じた場合、原点復帰動作が停止する恐れがある。また、ロボットが異常停止した際のロボット以外の周辺機器の状態も不明であるため、単純に正常動作を逆行可能とは限らないという問題点があった。
また、例えば特許文献2では、干渉物の位置を計測することで干渉時にロボットの軌道修正が可能であるとされており、例えば特許文献3では、干渉物の位置を予め設定しておくことで干渉物と干渉しないロボットの軌道を計算できるとされているが、ロボットが干渉する位置は実際に干渉するまでは不明であることが一般的であり、干渉物の位置を計測、あるいは事前に設定する必要がある方法では、予期せぬ干渉物との干渉には対応できないという問題点があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、ロボットがいかなるタイミングで停止した場合でも、原点への復帰を可能とするロボット制御方法を提供することを目的とする。
この発明のロボット制御方法は、
教示データに基づく実行プログラムにより原点から移動しながら動作を行うロボットであって、当該ロボットが異常停止した時に、前記実行プログラムおよび前記教示データを用いて原点から前記異常停止した停止位置への動作経路を算出し、前記動作経路を逆行する逆行経路を用いて原点へ復帰するロボット制御方法において、
前記ロボットに作用する負荷情報から、干渉物への干渉を検知し、前記負荷情報に基づいて前記干渉物から離脱する離脱位置を算出し、前記離脱位置から原点への復帰経路を前記逆行経路を用いて算出するものである。
教示データに基づく実行プログラムにより原点から移動しながら動作を行うロボットであって、当該ロボットが異常停止した時に、前記実行プログラムおよび前記教示データを用いて原点から前記異常停止した停止位置への動作経路を算出し、前記動作経路を逆行する逆行経路を用いて原点へ復帰するロボット制御方法において、
前記ロボットに作用する負荷情報から、干渉物への干渉を検知し、前記負荷情報に基づいて前記干渉物から離脱する離脱位置を算出し、前記離脱位置から原点への復帰経路を前記逆行経路を用いて算出するものである。
この発明のロボット制御方法によれば、
いかなるタイミングで停止した場合でも、原点への復帰できる。
いかなるタイミングで停止した場合でも、原点への復帰できる。
実施の形態1.
以下、本願発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明の実施の形態1におけるロボットおよびロボットが用いられる設備の構成を示した図である。図2は図1に示したロボットの動作経路を説明するための図である。図3は図2に示したロボットの動作経路において干渉物に干渉する例を説明するための図である。図4は図1に示したロボットが干渉物に干渉した例を説明するための図である。図5は本発明の実施の形態1のロボット制御方法における復帰経路の計算方法を説明するための図である。
以下、本願発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明の実施の形態1におけるロボットおよびロボットが用いられる設備の構成を示した図である。図2は図1に示したロボットの動作経路を説明するための図である。図3は図2に示したロボットの動作経路において干渉物に干渉する例を説明するための図である。図4は図1に示したロボットが干渉物に干渉した例を説明するための図である。図5は本発明の実施の形態1のロボット制御方法における復帰経路の計算方法を説明するための図である。
図1において、ロボット333は設備111に用いられる。設備111は、製品1に部品2を挿入するものである。設備111は、搬送部100と供給部200とを備える。搬送部100は、設備111に矢印Aの方向から投入された製品1を矢印Bの方向にローラを回転させることにより規定の位置に位置決めし、さらに、所定の処理後に製品1を排出する。供給部200は、設備111に矢印Cの方向から部品2を順次供給する。干渉物500が搬送部100と供給部200との間の位置に存在する例を示す。尚、干渉物500は様々な位置および形状が考えられるため、本実施の形態1においては様々なものを全て干渉物500として説明する。
ロボット333は、ハンド部303と、力覚センサ302と、アーム部300と、制御部400とから構成される。ハンド部303は、作業を行う作業部である。力覚センサ302はハンド部303に作用する負荷情報としての第一負荷情報を検出する。アーム部300は、ハンド部303の位置を移動する移動部である。制御部400は、教示データに基づく実行プログラムによりハンド部303およびアーム部300の原点からの移動動作を制御する。制御部400はアーム部300の移動軸に作用する負荷情報としての第二負荷情報を検出する検出部401を備える。また、制御部400は、ハンド部303の第一負荷情報およびアーム部300の第二負荷情報に基づいた制御を行う。
力覚センサ302は、例えば、アーム部300の制御部400と相反する側(先端)、すなわちハンド部303側に取り付けられた直交3軸および直交3軸まわりのモーメントを検知可能な6軸の力覚センサにてなる。また、アーム部300は、ロボット333の固定面3側から、第一アーム部311、第二アーム部312、第三アーム部313、第四アーム部314、第五アーム部315、第六アーム部316が順番に接続された垂直多関節にて構成される。制御部400の検出部401は各アーム部311〜316に対してそれぞれ作用する各第二負荷情報をそれぞれ検出する。尚、以下の説明においては各アーム部311〜316の各第二負荷情報は、アーム部300の第二負荷情報としてまとめて説明する場合もある。
第一アーム部311は、ロボット333の固定面3に対して垂直、ここではZ軸まわりの回転軸を有する。第二アーム部312は、第一アーム部311の回転軸に対して垂直な回転軸を有する。第三アーム部313は、第二アーム部312の回転軸に対して平行な回転軸を有する。第四アーム部314は、第三アーム部313の回転軸に対して垂直な回転軸を有する。第五アーム部315は、第四アーム部314の回転軸に対して垂直な回転軸を有する。第六アーム部316は、第五アーム部315の回転軸に対して垂直な回転軸を有する。
次に上記のように構成された実施の形態1のロボット333の正常時の動作を、図2を交えて説明する。図2において、X軸、Y軸、Z軸は互いに直交する各軸の方向を示している。また、他の図においてもこれら各軸の示す方向は同一の方向を示す。図2はハンド部303の動作経路Hを示す。動作経路Hには、原点Oと、中継点10と、第一退避点20、第一作業点21、第二退避点30、第二作業点31、32、33、34・・・が存在する。
原点Oは、ロボット333が動作を行う最初の位置である。中継点10は、第一作業点21に到達するための中継位置である。第一作業点21は、供給部200から供給される先頭の部品2の位置である。第一退避点20は、ハンド部303が第一作業点21にある部品2と干渉しない距離だけ、第一作業点21から鉛直上方(Z軸の+側)に離れた位置である。第二作業点31、32・・・は、製品1に部品2を挿入するための挿入位置である。
第二退避点30は、ハンド部303およびハンド部303に把持された部品2が、搬送部100に固定された製品1と干渉しない距離だけ各第二作業点31、32・・・から上方(Z軸の+側)に離れた位置である。ロボット333の制御部400には、原点O→中継点10→第一退避点20→第一作業点21→第一退避点20→第二退避点30→第二作業点31→第二退避点30→第一退避点20→第一作業点21→第一退避点20→第二退避点30→第二作業点32・・・→第二退避点30→中継点10→原点Oとなる矢印方向に移動しながら行う動作経路Hがロボット333が動作するための教示データとしてティーチングされている。そしてロボット333は、製品1毎に、原点Oから各作業点21、31〜34・・・までの上記示した動作を繰り返し移動しながら作業を行う。
そして、設備111に搬送部100にて製品1および供給部200にて部品2が投入されると、ロボット333は予めティーチングされた動作経路Hに基づいて動作を再現する。まず、ハンド部303が原点Oにある状態、すなわち初期状態から制御部400は教示データに基づいて実行プログラムの動作を開始する。そして、原点Oから中継点10を経由して第一退避点20へ移動し、第一作業点21まで下降してハンド部303が部品2を把持する。
次に、ハンド部303が部品2を把持すると、第一退避点20へと上昇した後、製品1上部の第二退避点30へ移動する。次に、製品1の部品挿入位置の1つである第二作業点31へ下降して部品2を製品1へ挿入し、ハンド部303は把持を解除する。次に、再び第二退避点30へ上昇する。そして、製品1に対して必要数の部品2を挿入していない場合には、ロボット333は第一退避点20へと戻り、上記動作を繰り返す。また、製品1に対して必要数の部品2が挿入された場合(この時点における製品1が完成した場合)には、ロボット333は中継点10を経由して原点Oへと戻る。
そして、必要数の部品2が挿入された製品1は搬送部100により設備111外へ排出され、次の製品1が投入される。そして、ロボット333は上記原点Oから一連の動作を繰り返して、製品1の製造が連続して行われる。尚、部品2は供給部200により順次供給される。
次に、実施の形態1のロボット333に異常停止が発生した場合について、図3を交えて説明する。本発明における原点Oへ復帰するためのロボット制御方法は、予めティーチングされた動作経路Hを逆行する逆行経路Eを辿ることで原点Oに復帰させることを参考とする。さらに、原点Oへの復帰動作中にロボット333のハンド部303の第一負荷情報およびアーム部300の第二負荷情報を監視することで原点Oへの復帰動作の中断を防ぎ、原点Oへの復帰動作を完遂するものである。
具体的には、図3の干渉物500は、中継点10と第一退避点20との間にハンド部303が部品2を把持した状態で通過できる間隔で配置されている状況を示す。よってこの状況では、通常ならば作業に支障が生じることはない。ここでは、部品2の第二作業点31で挿入異常が発生した場合の動作を説明する。第二作業点31にて挿入異常が発生したと判断した時点で、制御部400はハンド部303の第一負荷情報およびアーム部300の第二負荷情報を監視しながら正常の動作経路Hを逆行する逆行経路Eが算出される。
逆行経路Eは、第二退避点30まで上昇した後、第一退避点20まで移動し、中継点10へと向かうものである。この際、正常な動作経路Hを完全に逆行する場合であれば、第一退避点20から第一作業点21まで降下した後再び第一退避点20に戻る必要がある。しかし、予め教示された正常な動作経路Hに同一点が複数含まれる場合(同じ点を複数回経由する場合)には、複数回経由される点まで逆行したら、最初に複数回経由される点に移動した動作まで逆行をスキップすることが考えられる。
この逆行経路Eに基づいて逆行が行われ、第一退避点20から中継点10へ向かう。しかし、挿入異常を起こした際に、部品2の形状が大きく変形していたり、ハンド部303による把持姿勢が変化していたり、製品1に部品2が噛み込み部品2と一緒に製品1を持ち上げられたりする可能性がある。その場合、干渉物500の間隔は部品2を把持した状態のハンド部303が通常は通過できる程度であるものの、予め想定しない状態にあるハンド部303や部品2、製品1が干渉物500と衝突し、互いが損傷する可能性がある。
そこで本実施の形態1においては、制御部400がハンド部303の第一負荷情報およびアーム部300の第二負荷情報を監視し、当該第一負荷情報または第二負荷情報のいずれか、あるいはその両方が規定の閾値を超えた場合には、干渉物500にロボット333が干渉したとして検知する。そして、制御部400は逆行経路Eを動作中のロボット333を停止する。制御部400はこの干渉物500の検知を判断するための第一負荷情報および第二負荷情報の閾値と、原点への復帰動作時の動作速度とを、ハンド部303や製品1、部品2、干渉物500に含まれる周辺機器、周辺構造物が塑性変形を起こさない程度に小さく設定しておく。このことで、設備111の破損を回避することができる。
続いて、制御部400は干渉物500を検知し、逆行経路Eを辿る動作を中断したロボット333の、干渉物500からの離脱動作を開始する。離脱動作は力覚センサ302の第一負荷情報およびアーム部300の第二負荷情報に基づき、各負荷を打ち消す方向(負荷から逃げる方向)にロボット333を動作させる。
力覚センサ302の第一負荷情報およびアーム部300の第二負荷情報の両方の情報が得られている場合はハンド部303が干渉しているので、力覚センサ302の第二負荷情報を打ち消すように動作させ干渉状態から離脱すればよい。また、力覚センサ302からの第一負荷情報は検知されず、アーム部300の第二負荷情報のみが検出されている場合、ハンド部303は干渉しておらずアーム部300が干渉しているため、アーム部300の第一負荷情報を打ち消す方向に動作させ干渉状態から離脱すればよい。
この負荷を打ち消して干渉状態から離脱する動作について、図4を用いて具体例を示す。図4は、ロボット333のハンド部303が矢印D(X軸+側)の方向から干渉物500に衝突した様子を示している。力覚センサ302はX軸に+方向の荷重、およびY軸まわりに−方向のモーメントを検知する。第一アーム部311の先端側モータ軸は軸まわりに負荷を検知せず。第二アーム部312の先端側モータ軸はY軸まわりに+方向の負荷を検知する。第三アーム部313の先端側モータ軸はY軸まわりに−方向の負荷を検知する。第四アーム部314の先端側モータ軸は軸まわりに負荷を検知せず。
第五アーム部315の先端側モータ軸はY軸まわりに−方向の負荷を検知する。
第五アーム部315の先端側モータ軸はY軸まわりに−方向の負荷を検知する。
この場合の離脱動作は、ハンド部303をX軸+方向に移動させつつ力覚センサ302を中心にY軸まわり−方向に回転させるように、第五アーム部315の回転軸をY軸まわり−方向に、第三アーム部313の回転軸をY軸まわり−方向に、第二アーム部312の回転軸をY軸まわり+方向に動作させる。離脱量は、離脱後すぐに同様の干渉が生じないように、ハンド部303の大きさを考慮して設定されている。この際、アーム部300やハンド部303の姿勢が大きく変化すると、正常の動作時の姿勢から離れることとなり、原点への復帰動作中の干渉物500への干渉の可能性が増加する恐れがある。よってこのことを解消するために、離脱中あるいは離脱後に、ハンド部303の姿勢を干渉物500と干渉して停止した停止位置における停止姿勢に戻す制御を加えてもよい。
次に、制御部400は干渉物500から離脱したロボット333の原点Oへの復帰経路の計算を開始する。原点Oへの復帰経路の計算は、動作経路Hを逆行する逆行経路Eを利用して行う。図5を用いて説明する。図5において、第一位置40、第二位置50、第三位置60、第四位置41、第五位置51、第六位置42、第七位置52、第一干渉位置70、第二干渉位置71、第一離脱位置80、第二離脱位置81、回避位置82はハンド部303の位置をそれぞれ示す。
動作経路の逆行経路Eは、第一位置40→第二位置50→第三位置60→原点Oとする。第一干渉位置70および第二干渉位置71がハンド部303が干渉物500に干渉した位置を示す。第一離脱位置80は第一干渉位置70からハンド部303が離脱する位置を示す。第二離脱位置81は第二干渉位置71からハンド部303が離脱する位置を示す。第一復帰経路Fは、第一離脱位置80→第四位置41→第五位置51→第三位置60→原点Oとする。第二復帰経路Gは、第二離脱位置81→第六位置42→第七位置52→第三位置60→原点Oとする。
まず、ハンド部303が逆行経路Eの第一位置40から第二位置50に移動する際に、第一干渉位置70でハンド部303の第一負荷情報およびアーム部300の第二負荷情報が規定の閾値を超えたとして干渉物500と干渉したことが検知される。すると、ハンド部303は当該干渉状態を離脱するために算出された第一離脱位置80に離脱する。そして、第一離脱位置80を基準として、ハンド部303が、第一位置40から第二位置50に向かう方向と垂直方向で、かつ、第一離脱位置80から見て第一干渉位置70と逆方向(図面上右方向)に規定量移動する第四位置41を設定する。
この際移動する規定量は、ハンド部303やロボット333の周辺のスペースを加味して予め設定しておく。また、設備111の構成を踏まえ、例えば紙面上の鉛直上方に移動するなど、必ず一定方向に移動するように設定してもよい。次に、第一位置40から第二位置50に移動する方向と平行方向に、干渉物500に向かって、第一位置40から第二位置50への移動量だけ移動する第五位置51が設定される。そして、第三位置60、原点Oへの位置がそれぞれ設定され第一復帰経路Fが算出される。このように第一復帰経路Fを算出する際には、”第一位置40から第二位置50に向かう方向と垂直方向”、または”第一位置40から第二位置50に移動する方向と平行方向”、または”第一位置40から第二位置50への移動量”など、逆行経路Eの情報に基づいてそれぞれ算出される。
そして、ハンド部303を第一復帰経路Fを辿るように第四位置41まで移動する。次に、ハンド部303を第五位置51方向に移動すると、再び第二干渉位置71でハンド部303の第一負荷情報およびアーム部300の第二負荷情報が規定の閾値を超えたとして干渉物500と干渉したことが検知される。すると、上記に示した場合と同様に、ハンド部303は当該干渉状態を離脱するために算出された第二離脱位置81に離脱する。そして、第二離脱位置81を基準として、ハンド部303が、第一位置40から第二位置50に向かう方向と垂直方向で、かつ、第二離脱位置81から見て第二干渉位置71と逆方向(図面上右方向)に規定量移動する第六位置42を設定する。
次に、第一位置40から第二位置50に移動する方向と平行方向に、干渉物500に向かって、第一位置40から第二位置50への移動量だけ移動する第七位置52が設定される。そして、第三位置60、原点Oへの位置がそれぞれ設定され第二復帰経路Gが算出される。このように第二復帰経路Gを算出する際には、”第一位置40から第二位置50に向かう方向と垂直方向”、または”第一位置40から第二位置50に移動する方向と平行方向”、または”第一位置40から第二位置50への移動量”など、逆行経路Eの情報に基づいてそれぞれ算出される。
そして、ハンド部303が第二復帰経路Gを辿るように第六位置42まで移動する。次に、ハンド部303を第七位置52まで移動し、第三位置60、原点Oへと復帰する。第二復帰経路Gにおいては、図5に示すように、ハンド部303が干渉物500に干渉することはない。
このように、ハンド部303が干渉物500に干渉しない復帰経路を算出する。尚、この算出の繰り返しでは、原点Oへの復帰に長い時間を要する可能性や、原点Oへの復帰の動作が終わらない可能性が存在する。その際は、干渉回数の上限を設定して、当該干渉回数以上になると、例えば、干渉物500を回避するための回避位置82を予め設定しておき、その回避位置82からの復帰経路を算出してもよい。
上記のように行われた実施の形態1のロボットの制御方法によれば、ロボットに作用する負荷情報としてのハンド部の第一負荷情報およびアーム部の第二負荷情報から、干渉物への干渉を検知し、負荷情報に基づいて干渉物から離脱する離脱位置を算出し、離脱位置から原点への復帰経路を、逆行経路を用いて算出するため、原点へ復帰する動作において干渉を検知できる。また、当該干渉から離脱して原点への復帰することを、中断することなく、かつ、作業者の指示を必要とせず可能となる。
また、負荷情報に基づいて干渉を検知するため、ロボットが干渉する可能性がある周辺機器や周辺構造物の位置、または干渉する危険性のない安全地帯を予め教示する必要がなく、原点への復帰中の干渉を検知することができる。よって、ロボット、製品および部品、干渉した干渉物への損傷を抑制することが可能となる。
また、離脱位置にてロボットを停止位置における停止姿勢に戻した状態にて、復帰経路を算出することができるため、復帰において姿勢が煩雑となった場合など、通常の復帰における弊害を削減できる。
また、離脱位置から予め設定されている回避位置への経路を算出し、回避位置から原点までの復帰経路を算出することができるため、離脱位置の算出が許容範囲を超えた場合など、通常の復帰における弊害を削減できる。
尚、上記実施の形態1においては、負荷情報としてハンド部の第一負荷情報およびアーム部の第二負荷情報を用いる例を示したが、これに限られることはなく、ロボットが干渉物と干渉する際に負荷を生じる箇所の負荷情報であれば同様に行うことができる。
また、上記実施の形態1においては、垂直多関節ロボットの例にて示したが、これに限られることはなく、水平多関節ロボット、パラレルリンクロボットでも同様に行うことができ、ロボット333の種類に限られるものではない。また、ハンド部303は簡便に示すためにチャックによる単純な把持するハンド部303を例にて示したが、これに限られることはなく、把持方式は問わずチャックでなく吸着でもよく、さらには把持以外の機能を有するハンド部や、加工を目的とするハンド部、例えば、ねじの吸着搬送機能をもつドライバーハンドや、ドリルハンド等でも同様に行うことができ、これらの種類に限られるものではない。
また、干渉物500はロボット333周辺の機器や構造体を模擬するものであり、設備111に対して敢えて障害となるものを設置する必要はない。これらのことは以下の実施の形態においても同様である。
実施の形態2.
上記実施の形態1においては、ハンド部303の状態や把持されている部品2の姿勢など、ロボット333側の状態が変化することにより干渉物500と干渉して異常停止した場合の原点Oへの復帰動作について示したが、本実施の形態2においては、ロボット333の動作後に、周辺機器がロボット333の動作経路Hに侵入する。すなわち動作経路Hを逆行する逆行経路Eに侵入することとなる。このように、位置が変化する干渉物の場合について示す。
上記実施の形態1においては、ハンド部303の状態や把持されている部品2の姿勢など、ロボット333側の状態が変化することにより干渉物500と干渉して異常停止した場合の原点Oへの復帰動作について示したが、本実施の形態2においては、ロボット333の動作後に、周辺機器がロボット333の動作経路Hに侵入する。すなわち動作経路Hを逆行する逆行経路Eに侵入することとなる。このように、位置が変化する干渉物の場合について示す。
図6はこの発明の実施の形態2におけるロボットおよびロボットが用いられる設備の構成を示した図である。図7は図6に示したロボットの動作経路を説明するための図である。図において、上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。製品1は機構11を備える。製品1は当該機構11を矢印の方向に移動させると、部品2を組み付ける箇所が露出する構造を有する。よって、設備111には機構11を動作させるための干渉物となり得る補助装置600が設置される。侵入範囲700は補助装置600の移動により侵入する範囲である。侵入範囲700は動作経路Hの一部に重複する。
次に、上記のように構成された実施の形態2のロボットの制御方法について説明する。上記実施の形態1と同様に、動作を行うものの、本実施の形態2においては、部品2を製品1に投入する際に、補助装置600により、製品1の機構11を矢印の方向に移動させた状態を保持する。この動作により、製品1に部品2が挿入可能となり、上記実施の形態1と同様に行うことができる。
次に、ロボット333が異常停止した際の原点Oの復帰について説明する。第二作業点31にて挿入異常が発生した場合として説明する。第二作業点31にて挿入異常が発生したと判断した時点で、制御部400はアーム部300および力覚センサ302の負荷情報を監視しながら逆行経路を辿る動作を開始する。まず、第二退避点30まで上昇後、動作経路Hを逆行する逆行経路Eを辿って第一退避点20まで移動を開始する。しかし、逆行経路Eは補助装置600の侵入範囲700と干渉しており、逆行経路Eの途中でハンド部303が補助装置600に干渉する。よって、干渉が発生後の原点Oへの復帰動作は上記実施の形態1と同様に行う。
上記のように行われた実施の形態2のロボットの制御方法によれば、干渉物が移動するものであっても、当該干渉物をロボットと干渉しないように予め移動させておかなくても、また、作業者が確認を行わなくても、上記実施の形態1と同様に行うことができ、同様の効果を奏することができる。
尚、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 製品、2 部品、3 固定面、10 中継点、20 第一退避点、
21 第一作業点、30 第二退避点、31 第二作業点、32 第二作業点、
33 第二作業点、34 第二作業点、40 第一位置、41 第四位置、
42 第六位置、50 第二位置、51 第五位置、52 第七位置、60 第三位置、70 第一干渉位置、71 第二干渉位置、80 第一離脱位置、81 第二離脱位置、82 回避位置、100 搬送部、111 設備、200 供給部、300 アーム部、302 力覚センサ、303 ハンド部、311 第一アーム部、
312 第二アーム部、313 第三アーム部、314 第四アーム部、
315 第五アーム部、316 第六アーム部、333 ロボット、400 制御部、
401 検出部、500 干渉物、600 補助装置、700 侵入範囲、A 矢印、
B 矢印、C 矢印、D 矢印、E 逆行経路、F 第一復帰経路、G 第二復帰経路、H 動作経路、O 原点。
21 第一作業点、30 第二退避点、31 第二作業点、32 第二作業点、
33 第二作業点、34 第二作業点、40 第一位置、41 第四位置、
42 第六位置、50 第二位置、51 第五位置、52 第七位置、60 第三位置、70 第一干渉位置、71 第二干渉位置、80 第一離脱位置、81 第二離脱位置、82 回避位置、100 搬送部、111 設備、200 供給部、300 アーム部、302 力覚センサ、303 ハンド部、311 第一アーム部、
312 第二アーム部、313 第三アーム部、314 第四アーム部、
315 第五アーム部、316 第六アーム部、333 ロボット、400 制御部、
401 検出部、500 干渉物、600 補助装置、700 侵入範囲、A 矢印、
B 矢印、C 矢印、D 矢印、E 逆行経路、F 第一復帰経路、G 第二復帰経路、H 動作経路、O 原点。
Claims (4)
- 教示データに基づく実行プログラムにより原点から移動しながら動作を行うロボットであって、当該ロボットが異常停止した時に、前記実行プログラムおよび前記教示データを用いて原点から前記異常停止した停止位置への動作経路を算出し、前記動作経路を逆行する逆行経路を用いて原点へ復帰するロボット制御方法において、
前記ロボットに作用する負荷情報から、干渉物への干渉を検知し、前記負荷情報に基づいて前記干渉物から離脱する離脱位置を算出し、前記離脱位置から原点への復帰経路を前記逆行経路を用いて算出するロボット制御方法。 - 前記復帰経路の算出は、前記離脱位置にて前記ロボットを前記停止位置における停止姿勢に戻した状態にて行う請求項1に記載のロボット制御方法。
- 前記復帰経路の算出は、前記離脱位置からあらかじめ設定されている回避位置への経路を算出し、前記回避位置から原点に復帰するように行う請求項1または請求項2に記載のロボット制御方法。
- 前記ロボットは、作業を行う作業部と、前記作業部に作用する第一負荷情報を検出する力覚センサと、前記作業部の位置を移動させる移動部と、前記移動部の移動軸に作用する第二負荷情報を検出する検出部とを備え、
前記負荷情報は、前記作業部に作用する前記第一負荷情報、および、前記移動部の前記移動軸に作用する前記第二負荷情報に基づく請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のロボット制御方法。
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---|---|---|---|
JP2017041679A JP2018144171A (ja) | 2017-03-06 | 2017-03-06 | ロボット制御方法 |
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JP2017041679A JP2018144171A (ja) | 2017-03-06 | 2017-03-06 | ロボット制御方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2017
- 2017-03-06 JP JP2017041679A patent/JP2018144171A/ja active Pending
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