JP2018142793A - アンテナ給電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】広帯域化に対応したアンテナの指向性を向上させる。
【解決手段】アンテナ給電装置は、入力された高周波入力信号を複数の高周波出力信号に分け、前記複数の高周波出力信号を出力する分配回路(1a)と、複数の前記高周波出力信号の設計値に対する位相偏差が周波数毎に略一定となるように、少なくとも1つの前記高周波出力信号の位相を補正する位相補正回路(PC1、PC2)とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明はアンテナ給電装置に関する。
[バトラーマトリクス回路を用いたアンテナ給電装置]
移動通信システムの基地局アンテナとして使用されるアンテナには、限られた範囲にのみビームを照射するなどの高度な指向性成形が求められる。このようなアンテナとして、バトラーマトリクスを用いたマルチビームアンテナが挙げられる。バトラーマトリクスの例が非特許文献1に記載されている。
非特許文献1の回路構成によれば、ハイブリッド回路を用いて、マルチビームが発生するような位相差のある複数の高周波信号が生成される。生成された複数の高周波信号は、各アンテナ素子に供給される。各入力信号に対してビーム方向が一定の間隔を有するよう一部に同軸ケーブルなどの移相器が設けられ、絶対位相が調整される。
図27(a)は、3入力4出力のバトラーマトリクス回路1により構成されたアンテナ給電装置の接続系統図である。このバトラーマトリクス回路1は、入力端I1〜I3から入力された高周波信号を複数の高周波信号に分け、該複数の高周波信号を出力端O1〜O4から出力する分配回路である。
バトラーマトリクス回路1は、2入力2出力のハイブリッド回路H1〜H3と、2分配器D1と、−90度移相器PS1及びPS2とを備えている。両移相器は、位相調整用同軸ケーブル又はストリップライン等で構成されている。このバトラーマトリクス回路により、入力端I1〜I3から入力された信号に対し、位相差のある4つの高周波信号を出力端O1〜O4から得ることができる。
入力端I1から信号が入力された場合、その入力信号は、ハイブリッド回路H1のポート1に入力される。この入力信号は、ハイブリッド回路H1により分配され、同ハイブリッド回路のポート3及びポート4に同振幅で出力されるとともに、ポート3の出力信号に対してポート4の出力信号は90度の位相遅れを持つ。同図(b)にポート3の出力信号を示し、同図(c)にポート4の出力信号を示す。図中のf1、f2及びf3はそれぞれ、使用周波数帯域の下限周波数、中心周波数及び上限周波数である。
ハイブリッド回路H1のポート3の出力信号は、ハイブリッド回路H2のポート1に入力される。この入力信号は、ハイブリッド回路H2により分配され、同ハイブリッド回路のポート3及びポート4に同振幅で出力されるとともに、ポート3の出力信号に対してポート4の出力信号は90度の位相遅れを持つ。同図(d)にポート3の出力信号を示し、同図(e)にポート4の出力信号を示す。ポート3の出力信号は、出力端O1に送られる。
ハイブリッド回路H1のポート4の出力信号は、ハイブリッド回路H3のポート1に入力される。この入力信号は、ハイブリッド回路H3により分配され、同ハイブリッド回路のポート3及びポート4に同振幅で出力されるとともに、ポート3の出力信号に対してポート4の出力信号は90度の位相遅れを持つ。同図(f)にポート3の出力信号を示し、同図(g)にポート4の出力信号を示す。ポート3の出力信号は、出力端O2に送られる。
ハイブリッド回路H2のポート4から出力された信号は、−90度移相器PS1に入力される。この移相器の出力信号を同図(h)に示す。この出力信号は出力端O3に送られる。
また、ハイブリッド回路H3のポート4から出力された信号は、−90度移相器PS2に入力される。この移相器の出力信号を同図(i)に示す。この出力信号は出力端O4に送られる。
ここで位相について着目すると、ハイブリッド回路H1〜H3の各出力信号は使用帯域内で周波数特性を持たない(同図(b)〜(g))。つまり、使用帯域内で位相が一定である。これに対し、−90度移相器PS1及びPS2の各出力信号は位相に周波数特性を有する(同図(h)及び(i))。つまり、使用帯域内で位相が一定ではない。
出力端O1及びO2の各出力信号の位相は、使用帯域内で一定であり、かつ設計値との差がない(同図(d)及び(f))。ここで、出力端O1及びO2の位相設計値はそれぞれ、0度及び−90度である。しかし、出力端O3及びO4においては、中心周波数f2における位相と下限周波数f1における位相との差異が90*(1−f1/f2)度となる。また、中心周波数f2における位相と上限周波数f3における位相の差異は、90*(1−f3/f2)度となる。なお、出力端O3及びO4の位相設計値はそれぞれ、−180度及び−270度である。
図27を元にして1.71GHz〜2.69GHzという使用周波数帯域に適用し得るように構成した具体的なバトラーマトリクス回路1を図28に示す。図27と同じ要素については、同じ符号を付している。比誘電率3.3を有する厚さ1.6mmの誘電体基板11の上面に、ハイブリッド回路H1〜H3と、2分配器D1と、−90度移相器PS1及びPS2とが金属箔によってプリント形成されている。誘電体基板11の下面全域には、金属箔からなる接地導体(不図示)がプリント形成されている。
ハイブリッド回路H1は、3段のブランチライン型カプラで形成され、各部の寸法は1.71〜2.69GHzにおいてインピーダンス50Ωで整合が取れるように最適化されている。ハイブリッド回路H2及びH3についても同様である。
−90度移相器PS1及びPS2は、1/4波長遅延回路で形成されている。2分配器D1は、2段の1/4波長インピーダンス変換回路により形成され、1.71〜2.69GHzにおいてインピーダンス50Ωで整合が取れるように最適化されている。
上記の回路において、各要素の接続は、インピーダンス50Ωのマイクロストリップ線路によりなされている。さらに、中心周波数2.2GHzにおいて、入力端I1から信号を入力した場合は出力端O1〜O4で順に−90度間隔の位相差を持ち、入力端I2から信号を入力した場合は出力端O1〜O4で順に+90度間隔の位相差を持ち、入力端I3から信号を入力した場合は全出力端で位相差が0度となるように線路長が調整されている。
図29〜図31に、それぞれ、図28に示したバトラーマトリクス回路1の入力端I1〜I3から信号を入力した場合における、出力端O1で正規化した出力位相特性の実測値を示す。入力端I1〜I3のいずれから信号を入力した場合でも、出力端O3及びO4において周波数特性の偏差(周波数に応じた位相の差)が生じている。
[結合型回路を用いたアンテナ給電装置]
次に、垂直面内指向性のビームチルト操作を目的とした結合型回路により構成されたアンテナ給電装置について述べる。この結合型回路も、入力された高周波信号を複数の高周波信号に分け、該複数の高周波信号を出力する分配回路の一種である。
結合型回路は、容量結合された入出力回路部及び回転回路部を備え、入出力回路部に対する回転回路部の回転位置に応じて位相の異なる複数の高周波信号を生成する。生成された複数の高周波信号は、各アンテナ素子に供給される。所望のビームチルトを得るために結合型回路と各アンテナ素子の間に同軸ケーブル又はストリップライン等が設けられ、絶対位相が調整される。結合型回路の例が特許文献1に記載されている。この結合型回路においても、容量結合部において位相が周波数特性を有するため、各出力端子の出力位相もそれぞれ異なる周波数特性を有する。
図32及び図33に、1入力5出力の結合型回路2を示す。結合型回路2は、入出力回路部3と、該入出力回路部に対して回転可能な回転回路部4とを備えている。入出力回路部3は、誘電体基板31を備えている。同誘電体基板の下面全域には、接地導体32が設けられている。
誘電体基板31の上面には、一端に入力端子33aを有し、他端に円形結合部33bを有する入力側マイクロストリップ線路33が金属箔によりプリント形成されている。入力端子33aと円形結合部33bとの間には屈曲部33cが形成されている。
同じく誘電体基板31の上面には、第1の出力端子(出力1)34aと、第5の出力端子(出力5)34bと、両出力端子間に介在し、円形結合部33bの中心を曲率中心とする円弧状結合部34cとを有する出力側マイクロストリップ線路34が形成されている。
同じく誘電体基板31の上面には、第2の出力端子(出力2)35aと、第4の出力端子(出力4)35bと、両出力端子間に介在し、円形結合部33bの中心を曲率中心とする円弧状結合部35cとを有する出力側マイクロストリップ線路35が形成されている。円弧状結合部35cの径は、円弧状結合部34cの径よりも小さい。
同じく誘電体基板31の上面には、入力側マイクロストリップ線路33の屈曲部33cから分かれ出ており、かつ第3の出力端子(出力3)36aを終端部に有する出力側マイクロストリップ線路36が形成されている。
回転回路部4は、細長状の誘電体基板41を有している。誘電体基板41の下面には、同誘電体基板の長手方向に延びる回転結合導体42が形成されている。回転結合導体42は、一端に円形結合部42aを有し、他端に第1の線路状結合部42bを有している。円形結合部42aと第1の線路状結合部42bとの間には、第2の線路状結合部42cが設けられている。
誘電体基板31上の入力側マイクロストリップ線路33の円形結合部33bの中心を支軸51が貫通している。誘電体基板41は、回転結合導体42の円形結合部42aの中心に上記支軸51を貫通させることによって誘電体基板31に回転可能に支持される。このとき、円形結合部42aが入力側マイクロストリップ線路33の円形結合部33b上に重ね合わされるとともに、線路状結合部42bが出力側マイクロストリップ線路34の円弧状結合部34c上に重ね合わされ、線路状結合部42cが出力側マイクロストリップ線路35の円弧状結合部35c上に重ね合わされる。したがって、誘電体基板41を上記支軸51を中心として回転させれば、回転結合導体42の線路状結合部42b及び42cがそれぞれ円弧状結合部34c及び35c上を移動することになる。
各部の寸法は1.71〜2.69GHzにおいて各出力で所望の電力比が得られ、かつインピーダンス50Ωで整合が取れるように最適化されている。
入力側マイクロストリップ線路33の円形結合部33bと、回転結合導体42の円形結合部42aとが容量結合される。また、回転結合導体42の線路状結合部42bと、出力側マイクロストリップ線路34の円弧状結合部34cとが容量結合されるとともに、回転結合導体42の線路状結合部42cと、出力側マイクロストリップ線路35の円弧状結合部35cとが容量結合される。
このような結合型回路2において、入力側マイクロストリップ線路33の入力端子33aに入力された高周波信号は、円形結合部33bに向かう信号と、第3の出力端子36aに向かう信号とに分配される。
円形結合部33bに供給された信号は、回転結合導体42を介して、出力側マイクロストリップ線路34の円弧状結合部34cと、出力側マイクロストリップ線路35の円弧状結合部35cとに分配される。
出力側マイクロストリップ線路34は、円弧状結合部34cにおける線路状結合部42bとの結合部位を基準として2つに分かれることになる。したがって、円弧状結合部34cに入力された高周波信号は、上記結合部位から第1の出力端子34aに向かう信号と第5の出力端子34bに向かう信号とに分配される。
出力側マイクロストリップ線路35は、円弧状結合部35cにおける線路状結合部42cとの結合部位を基準として2つに分かれることになる。したがって、円弧状結合部35cに入力された高周波信号は、上記結合部位から第2の出力端子35aに向かう信号と第4の出力端子35bに向かう信号とに分配される。
第1の出力端子34aから出力される信号の位相と第5の出力端子34bから出力される信号の位相との位相差は、出力側マイクロストリップ線路34において線路状結合部42bとの結合位置から出力端子34a、34bに至る各線路の長さの差に対応する。そして、この線路の長さの差は、回転結合導体42の回転位置に応じて変化することになる。
第2の出力端子35aから出力される信号の位相と第4の出力端子35bから出力される信号の位相との位相差は、出力側マイクロストリップ線路35において線路状結合部42cとの結合位置から出力端子35a、35bに至る各線路の長さの差に対応する。そして、この線路の長さの差は、回転結合導体42の回転位置に応じて変化することになる。
図34に、結合型回路2の出力毎に、位相の設計値に対する実測値の偏差を示す。同図より、各出力で異なる周波数特性を持ち、周波数帯域の上限、下限で大きく差が出ていることがわかる。
特許4550135号公報
社団法人電子情報通信学会編、「アンテナ工学ハンドブック」、第1版、株式会社オーム社、1980年10月30日、p.216−217
バトラーマトリクス回路から出力される複数の高周波出力信号の各位相に着目すると、同一周波数であっても、位相の実測値と設計値との差が高周波出力信号によってまちまちである。このようなバトラーマトリクス回路を用いてアンテナ給電を行うと、広帯域化に対応したアンテナの指向性が劣化する可能性がある。前記高周波出力信号の設計値に対する位相偏差のばらつきが、使用周波数帯域が広くなるにつれて大きくなるためである。以上の点は、結合型回路についても同様である。
本発明は、このような状況に鑑み、広帯域化に対応したアンテナの指向性を向上させることを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係るアンテナ給電装置は、入力された高周波入力信号を複数の高周波出力信号に分け、前記複数の高周波出力信号を出力する分配回路と、複数の前記高周波出力信号の設計値に対する位相偏差が周波数毎に略一定となるように、少なくとも1つの前記高周波出力信号の位相を補正する位相補正回路とを備えている。
本発明によれば、広帯域化に対応したアンテナの指向性を向上させることができる。
一実施形態におけるアンテナ給電装置の接続系統図である。 一実施形態におけるアンテナ給電装置の平面図である。 位相補正回路の説明図である。 位相補正回路の位相偏差を示す説明図である。 位相補正回路のリターンロス特性を示す説明図である。 アンテナ給電装置の出力位相図である。 アンテナ給電装置の出力位相図である。 アンテナ給電装置の出力位相図である。 アンテナ給電装置のリターンロス特性を示す説明図である。 アンテナ給電装置のリターンロス特性を示す説明図である。 アンテナ給電装置のリターンロス特性を示す説明図である。 アンテナの指向性のシミュレーション結果を示す説明図である。 アンテナの指向性のシミュレーション結果を示す説明図である。 アンテナの指向性のシミュレーション結果を示す説明図である。 アンテナの指向性のシミュレーション結果を示す説明図である。 アンテナの指向性のシミュレーション結果を示す説明図である。 アンテナの指向性のシミュレーション結果を示す説明図である。 アンテナの指向性のシミュレーション結果を示す説明図である。 アンテナの指向性のシミュレーション結果を示す説明図である。 アンテナの指向性のシミュレーション結果を示す説明図である。 別の実施形態におけるアンテナ給電装置の説明図である。 位相の設計値に対する実測値の偏差を出力毎に示す説明図である。 アンテナの指向性のシミュレーション結果を示す説明図である。 アンテナの指向性のシミュレーション結果を示す説明図である。 アンテナの指向性のシミュレーション結果を示す説明図である。 別のアンテナ給電装置の接続系統図である。 (a)は従来のバトラーマトリクス回路の接続系統図である。(b)〜(i)は各部における信号の周波数と位相の関係を示す説明図である。 バトラーマトリクス回路の平面図である。 バトラーマトリクス回路の出力位相を示す説明図である。 バトラーマトリクス回路の出力位相を示す説明図である。 バトラーマトリクス回路の出力位相を示す説明図である。 従来の結合型回路の分解斜視図である。 (a)は結合型回路の入出力回路部の平面図である。(b)は結合型回路の回転回路部の底面図である。 位相の設計値に対する実測値の偏差を出力毎に示す説明図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態によって限定されるものではない。
[バトラーマトリクス回路を備えたアンテナ給電装置]
図1は、一実施形態における、バトラーマトリクス回路1aを備えたアンテナ給電装置の接続系統図である。図27と同じ要素については、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。本アンテナ給電装置は更に、ハイブリッド回路H2のポート3と出力端O1との間に配置された位相補正回路PC1と、ハイブリッド回路H3のポート3と出力端O2との間に配置された位相補正回路PC2とを備えている。両位相補正回路PC1及びPC2は、バトラーマトリクス回路1a内の移相器を経ずにバトラーマトリクス回路1aから出力される高周波出力信号の位相を補正するものであり、バンドパスフィルタで構成される。
図2に、図1を元にして1.71〜2.69GHzに適用し得るように構成された具体的なアンテナ給電装置を示す。比誘電率3.3を有する厚さ1.6mmの誘電体基板11の上面に、ハイブリッド回路H1〜H3と、2分配器D1と、−90度移相器PS1a及びPS2aと、位相補正回路PC1及びPC2とが金属箔によってプリント形成されている。誘電体基板11の下面全域には、金属箔からなる接地導体(不図示)がプリント形成されている。
図3に示すように、位相補正回路PC1は、線路長1/4波長、線路幅3.2mmのマイクロストリップ線路の両端に1/2波長のオープンスタブOS1及びOS2を配置した構成となっている。オープンスタブOS1においては、1.71〜2.69GHzにおいてインピーダンス50Ωで整合が取れるように最適化がされている。さらに、オープンスタブOS1の先端部OS1aから長さ5.8mm離れた部位を符号OS1bとすると、先端部OS1aから部位OS1bまでの線路幅が1.7mmであり、それ以降の線路幅は0.5mmである。オープンスタブOS2もオープンスタブOS1と同様の構造である。
位相補正回路PC2も、位相補正回路PC1と同様の構造である。
図4に、同線路長のマイクロストリップ線路に対する位相補正回路PC1及びPC2の位相偏差を示す。これによると、上限周波数(符号K13)と下限周波数(符号K11)とにおいて約42度の位相偏差を持つ。また、図5に、位相補正回路PC1及びPC2のリターンロス特性を示す。この図から、1.71GHz(符号K21)〜2.69GHz(符号K23)において良好なリターンロス特性が得られている。
また、−90度移相器については、周波数帯域が狭い場合は構造が簡易な1/4波長遅延回路にて構成するのが一般的である。しかし、広帯域を目的とする本実施形態では、各移相器の基準回路に線路長が1/4波長の位相補正回路PC1及びPC2が配置されている。そのため、−90度移相器PS1a及びPS2aはそれぞれ、−90度移相器PS1及びPS2に比べて線路長が1/4波長だけ長くなるように、全体として1/2波長の50Ωマイクロストリップ線路で形成されている。
また、2分配器D1は、2段の1/4波長インピーダンス変換回路により形成され、1.71〜2.69GHzにおいてインピーダンス50Ωで整合が取れるように最適化されている。
上記の回路において、各要素間の接続は、インピーダンス50Ωのマイクロストリップ線路によりなされている。さらに、使用周波数範囲の中心周波数において入力端I1から入力した信号は出力端O1〜O4において順に−90度間隔の位相差を持ち、入力端I2から入力した信号は出力端O1〜O4において順に+90度間隔の位相差を持ち、入力端I3から入力した信号は全出力端で位相差が0度となるように線路長が調整されている。
図6〜図8に、それぞれ、図2に示したバトラーマトリクス回路1aの入力端I1〜I3から信号を入力した場合における、出力端O1で正規化した出力位相特性の実測値を示す。入力端I1〜I3のいずれから信号を入力したとしても、出力端O3及びO4での位相の偏差が、バトラーマトリクス回路1と比べて大幅に改善していることがわかる。
位相補正回路PC1及びPC2により、周波数毎に見たときに、出力端O1及びO2の位相設計値に対する位相偏差が、出力端O3及びO4の位相設計値に対する位相偏差と同程度になる。つまり、複数の高周波出力信号の位相設計値に対する位相偏差が略一定となる。図29〜図31において、出力3及び4のグラフと略平行になるように出力1及び2のグラフを位相補正回路PC1及びPC2により意図的に傾かせた後、出力1(出力端O1)で正規化することにより、図6〜図8に示すようなグラフとなる。
図9〜図11に、それぞれ、入力端I1〜I3から信号を入力した場合のリターンロス特性の実測値を示す。これらの図から明らかなように、本実施形態のアンテナ給電装置によれば、比帯域44%の広帯域においても良好なリターンロス特性を実現することが可能である。
図12〜図20に、本実施形態のアンテナ給電装置を用いたアンテナの指向性シミュレーション結果と、位相補正回路のない図28のアンテナ給電装置を用いたアンテナの指向性シミュレーション結果と、指向性の設計値とを示す。図12〜図14は、入力端I1から信号を入力した場合において、それぞれ、1.71GHz(下限周波数)、2.2GHz(中心周波数)及び2.69GHz(上限周波数)における指向性シミュレーション結果である。図15〜図17は、入力端I2から信号を入力した場合において、それぞれ、1.71GHz、2.2GHz及び2.69GHzにおける指向性シミュレーション結果である。図18〜図20は、入力端I3から信号を入力した場合において、それぞれ、1.71GHz、2.2GHz及び2.69GHzにおける指向性シミュレーション結果である。
図13、図16及び図19に示しているように、中心周波数においては位相補正回路が無くても、設計値に近い指向性が得られている。その一方で、下限周波数(図12、図15、図18)と上限周波数(図14、図17、図20)においては位相補正回路が無い場合は設計値と大きな差異を持つのに対して、位相補正回路が有る場合は設計値に近い指向性が得られている。このことから、使用帯域が広くなる程、本実施形態は有益であるといえる。
移動体通信システムに割り当てられている周波数帯域は複数あるが、近年では複数の周波数帯域をアンテナで共用する構成が一般的である。例えば1.7GHz帯と2GHz帯と2.5GHz帯とを共用する場合、周波数範囲は1.71GHz〜2.69GHz(比帯域44%)となる。つまり、移動体通信システムにおける基地局アンテナは、より広帯域な特性が必要とされる。このような広帯域に対応したアンテナにとって本実施形態は有益である。
本実施形態は、アンテナ給電装置の複数の高周波出力信号の設計値に対する位相偏差を略一定にすることにより、アンテナの指向性を向上させることができるという見地に基づいてなされたものである。そして、アンテナ給電装置の複数の高周波出力信号の設計値に対する位相偏差が周波数毎に略一定となるように、バトラーマトリクス回路内の移相器を経ずに該バトラーマトリクス回路から出力される信号の位相が位相補正回路により補正される。
本実施形態によれば、アンテナ給電装置において複数の高周波出力信号の設計値に対する位相偏差が周波数毎に略一定となる。そのため、比帯域が最大44%といったような広帯域に対応したアンテナの指向性を向上させることができる。
[結合型回路を備えたアンテナ給電装置]
次に、結合型回路を備えたアンテナ給電装置について説明する。このアンテナ給電装置についても同様に、複数の高周波出力信号の設計値に対する位相偏差を周波数毎に略一定とすることができる。図21に本アンテナ給電装置の実施形態を示す。図32及び図33と同じ要素については、同じ符号を付している。
本アンテナ給電装置は、結合型回路2に加えて、第1の出力端子(出力1)34aに対してインピーダンス50Ωの同軸ケーブル61により接続された位相補正回路71を備えている。本アンテナ給電装置は、第3の出力端子(出力3)36aに対してインピーダンス50Ωの同軸ケーブル63により接続された位相補正回路73と、第5の出力端子(出力5)34bに対してインピーダンス50Ωの同軸ケーブル65により接続された位相補正回路75をも有している。位相補正回路71、73、75の各構成は、図3に示した位相補正回路と同様である。
また、本アンテナ給電装置においては、第2の出力端子(出力2)35a及び第4の出力端子(出力4)35bには、上記の位相補正回路71、73、75及び同軸ケーブル61、63、65の絶対位相に調整した同軸ケーブル62及び64がそれぞれ接続される。
図22に、本アンテナ給電装置における出力毎の位相の設計値に対する実測値の偏差を示す。位相補正回路が設けられた出力1、出力3、出力5の周波数特性が、出力2、出力4の周波数特性に近づいていることがわかる。つまり、全ての高周波出力信号の設計値に対する位相偏差が周波数毎に略一定となっている。
図23〜図25に、本実施形態のアンテナ給電装置を用いたアンテナにおける指向性シミュレーション結果と、位相補正回路がない図32及び図33のアンテナ給電装置を用いたアンテナにおける指向性シミュレーション結果と、指向性の設計値とを示す。図23は1.71GHz(下限周波数)の場合を示し、図24は2.2GHz(中心周波数)の場合を示し、図25は2.69GHz(上限周波数)の場合を示す。
図24に示しているように、中心周波数(2.2GHz)では位相補正回路の有無にかかわらず設計値との差異を持たない。その一方で、下限周波数(図23)と上限周波数(図25)では、位相補正回路が無い場合は設計値との差異が比較的大きい一方で、位相補正回路が有る場合は設計値に近い指向性が得られている。
1入力5出力の結合型回路2のみならず、1入力n出力の結合型回路に位相補正回路を接続することができる。ただし、nは2以上の整数である。図26は、1入力n出力の結合型回路81の各出力経路に、位相周波数特性を補正する位相補正回路91〜9nを追加した接続系統図である。これらの位相補正回路は、図3に示した位相補正回路と同様の構成である。
必ずしも結合型回路の全ての出力信号の位相を補正する必要はない。アンテナ給電装置の複数の出力信号の設計値に対する位相偏差が周波数毎に略一定となるように、結合型回路の少なくとも1つの出力信号の位相を位相補正回路により補正すればよい。
[その他]
位相補正回路が設けられる分配回路は、上記で説明したバトラーマトリクス回路及び結合型回路に限定されるわけではない。例えば、図2に示した2分配器D1を単独で分配回路として用いることもできる。あるいは、1つの入力信号をn個に分けて出力するn分配器を分配回路として用いることもできる。ただし、nは2以上の整数である。
分配回路及び位相補正回路は、誘電体基板上の金属箔又は金属片により構成することができる。バトラーマトリクス回路を備えたアンテナ給電装置において、該バトラーマトリクス回路の誘電体基板に、位相補正回路を一体に設けてもよい。あるいは、バトラーマトリクス回路の誘電体基板とは別の誘電体基板に位相補正回路を設けて、バトラーマトリクス回路と位相補正回路を接続してもよい。
結合型回路を備えたアンテナ給電装置においても同様に、該結合型回路の入出力回路部の誘電体基板に、位相補正回路を一体に設けてもよい。あるいは、結合型回路の入出力回路部の誘電体基板及び回転回路部の誘電体基板のいずれとも異なる誘電体基板に位相補正回路を設けて、入出力回路部と位相補正回路を接続してもよい。
位相補正回路は、バンドパスフィルタに限られない。アンテナ給電装置において複数の出力信号の設計値に対する位相偏差が周波数毎に略一定となるような、任意の構成の位相補正回路を用いることができる。
本発明の特定の実施形態について説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されず、本発明の技術的思想に基づく種々の変更は本発明の概念に含まれる。
1 バトラーマトリクス回路
I1〜I3 入力端
O1〜O4 出力端
H1〜H3 ハイブリッド回路
D1 2分配器
PS1、PS2 移相器
11 誘電体基板

1a バトラーマトリクス回路

PC1 位相補正回路
PC2 位相補正回路

2 結合型回路

3 入出力回路部
31 誘電体基板
32 接地導体
33 入力側マイクロストリップ線路
33a 第1の入力端子
33b 円形結合部
33c 屈曲部
34 出力側マイクロストリップ線路
34a 第1の出力端子
34b 第5の出力端子
34c 円弧状結合部
35 出力側マイクロストリップ線路
35a 第2の出力端子
35b 第4の出力端子
35c 円弧状結合部
36 出力側マイクロストリップ線路
36a 第3の出力端子

4 回転回路部
41 誘電体基板
42 回転結合導体
42a 円形結合部
42b 線路状結合部
42c 線路状結合部

51 支軸

61〜65 同軸ケーブル
71、73、75 位相補正回路

Claims (10)

  1. 入力された高周波入力信号を複数の高周波出力信号に分け、前記複数の高周波出力信号を出力する分配回路と、
    複数の前記高周波出力信号の設計値に対する位相偏差が周波数毎に略一定となるように、少なくとも1つの前記高周波出力信号の位相を補正する位相補正回路と
    を備えたアンテナ給電装置。
  2. 前記分配回路がバトラーマトリクス回路であり、
    前記バトラーマトリクス回路から出力された前記複数の高周波出力信号のうち、前記バトラーマトリクス回路内の移相器を経ずに出力された高周波出力信号の位相を、前記位相補正回路が補正する、請求項1に記載のアンテナ給電装置。
  3. 前記バトラーマトリクス回路及び前記位相補正回路が誘電体基板上の金属箔又は金属片により形成されている、請求項2に記載のアンテナ給電装置。
  4. 前記バトラーマトリクス回路及び前記位相補正回路が単一の誘電体基板上に形成されている、請求項3に記載のアンテナ給電装置。
  5. 前記バトラーマトリクス回路及び前記位相補正回路が別々の誘電体基板上にそれぞれ形成されている、請求項3に記載のアンテナ給電装置。
  6. 前記分配回路が、容量結合された入出力回路部及び回転回路部を備え、前記入出力回路部に対する前記回転回路部の回転位置に応じた前記複数の高周波出力信号を出力する結合型回路である、請求項1に記載のアンテナ給電装置。
  7. 前記結合型回路及び前記位相補正回路が誘電体基板上の金属箔又は金属片により形成されている、請求項6に記載のアンテナ給電装置。
  8. 前記入出力回路部及び前記位相補正回路が単一の誘電体基板上に形成されている、請求項7に記載のアンテナ給電装置。
  9. 前記入出力回路部及び前記位相補正回路が別々の誘電体基板上にそれぞれ形成されている、請求項7に記載のアンテナ給電装置。
  10. 前記位相補正回路がバンドパスフィルタとして構成されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載のアンテナ給電装置。
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