本発明のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルを、図面を参酌しながら説明する。本発明のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルは、液晶層3およびタッチセンサー部5を有する液晶セルC、当該液晶セルCの視認側に配置された第1偏光フィルム11と視認側の反対側に配置された第2偏光フィルム12、前記第1偏光フィルム11と前記液晶セルCとの間に配置された第1粘着剤層21を有する。本発明のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルの前記各構成は、視認側から、第1偏光フィルム11/第1粘着剤層21/液晶セルC/第2偏光フィルム12、のように簡易に示すことができる。上記タッチセンシング機能内蔵液晶パネルでは、各構成の順序を簡易に示しているが、各構成間には適宜に他の構成を有することができる。
本発明のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルの具体例は、例えば、図1乃至図3に示される。
図1は、所謂、インセル型のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルであり、視認側から、第1偏光フィルム11/第1粘着剤層21/第1透明基板41/タッチセンサー部5/液晶層3/駆動電極兼センサー部6/第2透明基板42/第2粘着剤層22/第2偏光フィルム12、の構成を有する。図1のインセル型のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルでは、例えば、液晶セルCは液晶層3を挟む第1、2ガラス基板41、42内(液晶セル内)にタッチセンサー部5および駆動電極兼センサー部6を有する。
また、図2は、所謂、インセル型(セミインセル型)のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルの変形例であり、視認側から、第1偏光フィルム11/第1粘着剤層21/タッチセンサー部5/第1透明基板41/液晶層3/駆動電極兼センサー部6/第2透明基板42/第2粘着剤層22/第2偏光フィルム12、の構成を有する。図2のインセル型のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルでは、例えば、液晶セルCは第1透明基板41の外側でタッチセンサー部5は第1粘着剤層21に直接接しており、液晶層3を挟む第1、2ガラス基板41、42内(液晶セル内)の第2透明基板42の側に駆動電極兼センサー部6を有する。
また、図3は、所謂、オンセル型のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルであり、視認側から、第1偏光フィルム11/第1粘着剤層21/タッチセンサー部5/駆動電極兼センサー部6/第1透明基板41/液晶層3/駆動電極7/第2透明基板42//第2粘着剤層22/第2偏光フィルム12、の構成を有する。図3のオンセル型のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルでは、例えば、液晶セルCは第1透明基板41の外側でタッチセンサー部5および駆動電極兼センサー部6を有し、タッチセンサー部5は第1粘着剤層21に直接接しており、液晶層3を挟む第1、2ガラス基板41、42内(液晶セル内)の第2透明基板42の側には駆動電極7を有する。
タッチセンシング機能内蔵液晶パネルにおいて、前記液晶セルCのタッチセンサー部5と第1粘着剤層21とが、直接接している場合に、第1粘着剤層21(イオン性化合物を含有)の帯電防止機能が低下しやすく、特に加湿湿環境下において低下しやすい。従って、本発明のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルは、前記例示のなかでも、図2に示すインセル型(変形例)または図3に示すオンセル型のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルに好適に適用される。
第1偏光フィルム11、第2偏光フィルム12は、偏光子の片面または両面に透明保護フィルムを有するものが一般に用いられる。第1偏光フィルム11、第2偏光フィルム12は、液晶層3の両側で透過軸(または吸収軸)が直交するように配置される。
偏光子は、特に限定されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素等の二色性物質からなる偏光子が好適である。これらの偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に80μm程度以下である。
また偏光子としては厚みが10μm以下の薄型の偏光子を用いることができる。薄型化の観点から言えば当該厚みは1〜7μmであるのが好ましい。このような薄型の偏光子は、厚みムラが少なく、視認性が優れており、また寸法変化が少ないため耐久性に優れ、さらには偏光フィルムとしての厚みも薄型化が図れる点が好ましい。
透明保護フィルムを構成する材料としては、例えば透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性等に優れる熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、およびこれらの混合物が挙げられる。なお、偏光子の片側には、透明保護フィルムが接着剤層により貼り合わされるが、他の片側には、透明保護フィルムとして、(メタ)アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂を用いることができる。
前記透明保護フィルムの材料としては、当該透明保護フィルムに設けられる第1粘着剤層の表面抵抗値の前記変動比(b/a)を小さく制御することができることからセルロース樹脂、(メタ)アクリル樹脂が好ましい。特に、(メタ)アクリル樹脂は、セルロース樹脂に比べても第1粘着剤層の表面抵抗値の前記変動比(b/a)を小さく制御することができる点で好ましい。なお、(メタ)アクリル樹脂としては、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂を用いることが好ましい。ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂としては、特開2000−230016号公報、特開2001−151814号公報、特開2002−120326号公報、特開2002−254544号公報、特開2005−146084号公報などに記載の、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂があげられる。
前記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート層、反射防止層、スティッキング防止層、拡散層ないしアンチグレア層などの機能層を設けることができる。なお、
前記偏光子と透明保護フィルムの貼り合わせに用いる接着剤は光学的に透明であれば、特に制限されず水系、溶剤系、ホットメルト系、ラジカル硬化型、カチオン硬化型の各種形態のものが用いられるが、水系接着剤またはラジカル硬化型接着剤が好適である。
なお、液晶セルCの視認側に配置される第1偏光フィルム11、前記視認側の反対側に配置される第2偏光フィルム12は、それぞれの配置箇所の適性に応じて、他の光学フィルムを積層して用いることができる。前記他の光学フィルムとしては、例えば反射板や反透過板、位相差フィルム(1/2や1/4等の波長板を含む)、視覚補償フィルム、輝度向上フィルム等の液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学層となるものが挙げられる。これらは1層または2層以上用いることができる。これら他の光学フィルムを用いる場合にも、最も液晶層3側の粘着剤層を、前記第1粘着剤層21とすることが好ましい。
第1粘着剤層21は、モノマー単位として、アルキル(メタ)アクリレート(a1)およびアミド基含有モノマー(a2)を含有する(メタ)アクリル系ポリマー(A)、並びにイオン性化合物(B)含有する粘着剤組成物より形成されている。当該粘着剤組成物は、詳細を後述する。
第2粘着剤層22は、粘着剤から形成される。粘着剤としては、各種の粘着剤を用いることができ、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤などが挙げられる。前記粘着剤の種類に応じて粘着性のベースポリマーが選択される。前記粘着剤のなかでも、光学的透明性に優れ、適宜な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れる点から、アクリル系粘着剤が好ましく使用される。第2粘着剤層22の厚さは、特に制限されず、例えば、1〜100μm程度である。好ましくは、2〜50μm、より好ましくは2〜40μmであり、さらに好ましくは、5〜35μmである。
液晶セルCが有する液晶層3は、タッチセンシング機能内蔵液晶パネルに適用される、電界が存在しない状態でホモジニアス配向した液晶分子を含む液晶層が用いられる。液晶層3としては、例えばIPS方式の液晶層が好適に用いられる。その他、液晶層3としては、例えばTN型やSTN型、π型、VA型等の液晶層を任意なタイプのものを用いることができる。前記液晶層の厚さは、例えば1.5μm〜4μm程度である。
液晶セルCにおいて、第1透明基板41および第2透明基板42は、前記液晶層3を挟んで液晶セルを形成することができる。液晶セルの内または外には、タッチセンシング機能内蔵液晶パネルの形態に応じて、タッチセンサー部5、駆動電極兼センサー部6、駆動電極7等が形成される。また、液晶セル上(第1透明基板41)にはカラーフィルター基板を設けることができる。
前記透明基板を形成する材料は、例えば、ガラス又はポリマーフィルムが挙げられる。前記ポリマーフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリカーボネート等が挙げられる。前記透明基板がガラスにより形成される場合、その厚みは、例えば0.3mm〜1mm程度である。前記透明基板がポリマーフィルムにより形成される場合、その厚みは、例えば10μm〜200μm程度である。上記透明基板は、その表面に易接着層やハードコート層を有することができる。
タッチセンサー部5(静電容量センサー)、駆動電極兼センサー部6、駆動電極7は、透明導電層として形成される。前記透明導電層の構成材料としては特に限定されず、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、鉄、コバルト、錫、マグネシウム、タングステン等の金属およびこれら金属の合金等が挙げられる。また、前記透明導電層の構成材料としては、インジウム、スズ、亜鉛、ガリウム、アンチモン、ジルコニウム、カドミウムの金属酸化物が挙げられ、具体的には酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化カドミウムおよびこれらの混合物等からなる金属酸化物が挙げられる。その他、ヨウ化銅等からなる他の金属化合物などが用いられる。前記金属酸化物には、必要に応じて、さらに上記群に示された金属原子の酸化物を含んでいてもよい。例えば、酸化スズを含有する酸化インジウム(ITO)、アンチモンを含有する酸化スズなどが好ましく用いられ、ITOが特に好ましく用いられる。ITOとしては、酸化インジウム80〜99重量%及び酸化スズ1〜20重量%を含有することが好ましい。
液晶セルCにおいてタッチセンサー層5が形成される箇所に制限はなく、タッチセンシング機能内蔵液晶パネルの形態に応じて、タッチセンサー層5は形成される。例えば、図1乃至図3では、タッチセンサー層5は、第1偏光フィルム11と液晶層3との間に配置される場合が例示されている。タッチセンサー層5は、例えば、第1透明基板41上に透明電極パターンとして形成することができる。駆動電極兼センサー部6、駆動電極7についても、タッチセンシング機能内蔵液晶パネルの形態に応じて常法に従って透明電極パターンを形成することができる。上記透明電極パターンは、通常、透明基板の端部に形成された引き回し線(不図示)に電気的に接続され、上記引き回し線は、コントローラIC(不図示)と接続される。透明電極パターンの形状は、櫛形状の他に、ストライプ形状やひし形形状など、用途に応じて任意の形状を採用することができる。透明電極パターンの高さは、例えば10nm〜100nmであり、幅は0.1mm〜5mmである。
また、タッチセンシング機能内蔵液晶パネルは、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたもの等の液晶表示装置を形成する部材を適宜に用いることができる。
以下は、第1粘着剤層21を形成する、粘着剤組成物について説明する。前記粘着剤組成物は、アルキル(メタ)アクリレート(a1)およびアミド基含有モノマー(a2)を含有する(メタ)アクリル系ポリマー(A)、並びにイオン性化合物(B)含有する。なお、(メタ)アクリレートはアクリレートおよび/またはメタクリレートをいい、本発明の(メタ)とは同様の意味である。
(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、モノマー単位として、アルキル(メタ)アクリレート(a1)を主成分として含有する。(メタ)アクリル系ポリマー(A)の主骨格を構成する、アルキル(メタ)アクリレートとしては、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の炭素数1〜18のものを例示できる。例えば、前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、アミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、イソミリスチル基、ラウリル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、等を例示できる。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。これらアルキル基の平均炭素数は3〜9であるのが好ましい。
アルキル(メタ)アクリレート(a1)の重量比率は、モノマー単位として、(メタ)アクリル系ポリマー(A)を構成する全構成モノマー(100重量%)の重量比率において、70重量%以上であるのが好ましい。アルキル(メタ)アクリレート(a1)の重量比率は、アミド基含有モノマー(a2)および他の共重合モノマーの残部として考えることができる。アルキル(メタ)アクリレート(a1)の重量比率を前記範囲に設定することは、接着性を確保するうえで好ましい。
アミド基含有モノマー(a2)は、その構造中にアミド基を含み、かつ(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の重合性不飽和二重結合を含む化合物である。アミド基含有モノマー(a2)の具体例としては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロール−N−プロパン(メタ)アクリルアミド、アミノメチル(メタ)アクリルアミド、アミノエチル(メタ)アクリルアミド、メルカプトメチル(メタ)アクリルアミド、メルカプトエチル(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド系モノマー;N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−(メタ)アクリロイルピロリジン等のN−アクリロイル複素環モノマー;N−ビニルピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム等のN−ビニル基含有ラクタム系モノマー等が挙げられる。アミド基含有モノマー(a2)は、経時的な(特に加湿環境下での)表面抵抗値の上昇を抑制したり、耐久性を満足させたりするうえで好ましい。特に、アミド基含有モノマー(a2)のなかでも、特に、N−ビニル基含有ラクタム系モノマーは、経時的(特に加湿環境下)にける表面抵抗値の上昇を抑制したり、透明導電層(タッチセンサー層)に対する耐久性を満足させたりするうえで好ましい。なお、前記では例示されていないが、水酸基を有するアミド基含有モノマーは、イオン性化合物(B)との組み合わせにおいて、導電性が向上する傾向があり、また、使用割合が多くなると、偏光フィルム(光学フィルム)との投錨力や透明導電層(タッチセンサー層)とのリワーク性に問題あるため、使用しないのが好ましい。
アミド基含有モノマー(a2)の前記重量比率は、経時的(特に加湿環境下)な表面抵抗値の上昇を抑制する観点から、0.1重量%以上であるのが好ましい。前記重量比率は、0.3重量%以上が好ましく、さらには0.5重量%以上であるのが好ましい。一方、一方、前記重量比率が大きくなりすぎると偏光フィルム等の基材フィルムに対する投錨性が低下する傾向があるため、前記重量比率は、35重量%以下であるのが好ましく、さらには30重量%以下が好ましく、さらには25重量%以下であるのが好ましい。
前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)中には、前記モノマーユニットの他に、接着性や耐熱性の改善を目的に、(メタ)アクリロイル基またはビニル基等の不飽和二重結合を有する重合性の官能基を有する、1種類以上の共重合モノマーを共重合により導入することができる。
前記共重合モノマーとしては、例えば、芳香環含有(メタ)アクリレートを用いることができる。芳香環含有(メタ)アクリレートは、その構造中に芳香環構造を含み、かつ(メタ)アクリロイル基を含む化合物である。芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、またはビフェニル環が挙げられる。
芳香環含有(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、o−フェニルフェノール(メタ)アクリレートフェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性クレゾール(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシベンジル(メタ)アクリレート、クロロベンジル(メタ)アクリレート、クレジル(メタ)アクリレート、ポリスチリル(メタ)アクリレート等のベンゼン環を有するもの;ヒドロキシエチル化β−ナフトールアクリレート、2−ナフトエチル(メタ)アクリレート、2−ナフトキシエチルアクリレート、2−(4−メトキシ−1−ナフトキシ)エチル(メタ)アクリレート等のナフタレン環を有するもの;ビフェニル(メタ)アクリレート等のビフェニル環を有するもの挙げられる。
前記芳香環含有(メタ)アクリレートとしては、粘着特性や耐久性の点から、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートが好ましく、特にフェノキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
芳香環含有(メタ)アクリレートの前記重量比率は、25重量%以下であるのが好ましく、さらには3〜25重量%が好ましく、さらには8〜22重量%が好ましく、さらには12〜18重量%が好ましい。芳香環含有(メタ)アクリレートの重量比率が3重量%以上である場合には、表示ムラを抑制するうえで好ましい。一方、25重量%を超えると表示ムラの却って抑制が十分でなく、耐久性が低下する傾向がある。
また前記共重合モノマーとしては、カルボキシル基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマーが挙げられる。
カルボキシル基含有モノマーは、その構造中にカルボキシル基を含み、かつ(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の重合性不飽和二重結合を含む化合物である。カルボキシル基含有モノマーの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸等が挙げられる。前記カルボキシル基含有モノマーのなかでも、共重合性、価格、および粘着特性の観点からアクリル酸が好ましい。
ヒドロキシル基含有モノマーは、その構造中にヒドロキシル基を含み、かつ(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の重合性不飽和二重結合を含む化合物である。ヒドロキシル基含有モノマーの具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート等の、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートや(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレート等が挙げられる。前記ヒドロキシル基含有モノマーのなかでも、耐久性の点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、特に4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
カルボキシル基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマーは、粘着剤組成物が架橋剤を含有する場合に、架橋剤との反応点になる。カルボキシル基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマーは分子間架橋剤との反応性に富むため、得られる粘着剤層の凝集性や耐熱性の向上のために好ましく用いられる。またカルボキシル基含有モノマーは耐久性とリワーク性を両立させる点で好ましく、ヒドロキシル基含有モノマーはリワーク性の点で好ましい。
カルボキシル基含有モノマーの前記重量比率は、2重量%以下であるのが好ましく、さらには0.01〜2重量%が好ましく、さらには0.05〜1.5重量%が好ましく、さらには0.1〜1重量%が好ましく、最も好ましくは0.1〜0.5重量%である。カルボキシル基含有モノマーの重量比率を0.01重量%以上とすることは耐久性の点で好ましい。一方、2重量%を超える場合にはリワーク性の点から好ましくない。
ヒドロキシル基含有モノマーの前記重量比率は、3重量%以下であるのが好ましく、さらには0.01〜3重量%が好ましく、さらには0.1〜2重量%が好ましく、さらには0.2〜2重量%が好ましい。ヒドロキシル基含有モノマーの重量比率が0.01重量%以上とすることは、粘着剤層を架橋する観点、耐久性や粘着特性の点で好ましい。一方、3重量%を超える場合には、耐久性の点から好ましくない。
上記以外の他の共重合モノマーの具体例としては、;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物基含有モノマー;アクリル酸のカプロラクトン付加物;アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、等のスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等の燐酸基含有モノマー等が挙げられる。
また、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミドやN−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミド等のスクシンイミド系モノマー;N−シクロヘキシルマレイミドやN−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミドやN−フェニルマレイミド等のマレイミド系モノマー;N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミド等のイタコンイミド系モノマー、等も改質目的のモノマー例として挙げられる。
さらに改質モノマーとして、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノアクリレート系モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のグリコール系(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレートや2−メトキシエチルアクリレート等の(メタ)アクリレートモノマー等も使用することができる。さらには、イソプレン、ブタジエン、イソブチレン、ビニルエーテル等が挙げられる。
さらに、上記以外の共重合可能なモノマーとして、ケイ素原子を含有するシラン系モノマー等が挙げられる。シラン系モノマーとしては、例えば、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、4−ビニルブチルトリメトキシシラン、4−ビニルブチルトリエトキシシラン、8−ビニルオクチルトリメトキシシラン、8−ビニルオクチルトリエトキシシラン、10−メタクリロイルオキシデシルトリメトキシシラン、10−アクリロイルオキシデシルトリメトキシシラン、10−メタクリロイルオキシデシルトリエトキシシラン、10−アクリロイルオキシデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
また、共重合モノマーとしては、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル化物等の(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を2個以上有する多官能性モノマーや、ポリエステル、エポキシ、ウレタン等の骨格にモノマー成分と同様の官能基として(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を2個以上付加したポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等を用いることもできる。
(メタ)アクリル系ポリマー(A)における前記他の共重合モノマーの割合は、前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)の全構成モノマー(100重量%)の重量比率において、0〜10%程度、さらには0〜7%程度、さらには0〜5%程度であるのが好ましい。
本発明の(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、通常、重量平均分子量が100万〜250万であることが好ましい。耐久性、特に耐熱性を考慮すれば、重量平均分子量は120万〜200万であるのが好ましい。重量平均分子量が100万以上であると、耐熱性の点で好ましい。また、重量平均分子量が250万よりも大きくなると粘着剤が硬くなりやすい傾向があり、剥がれが発生しやすくなる。また、分子量分布を示す、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)は、1.8以上10以下であるのが好ましく、さらには1.8〜7であり、さらには1.8〜5であるのが好ましい。分子量分布(Mw/Mn)が10を超える場合には耐久性の点で好ましくない。なお、重量平均分子量、分子量分布(Mw/Mn)は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定し、ポリスチレン換算により算出された値から求められる。
このような(メタ)アクリル系ポリマー(A)の製造は、溶液重合、塊状重合、乳化重合、各種ラジカル重合等の公知の製造方法を適宜選択できる。また、得られる(メタ)アクリル系ポリマー(A)は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等いずれでもよい。
なお、溶液重合においては、重合溶媒として、例えば、酢酸エチル、トルエン等が用いられる。具体的な溶液重合例としては、反応は窒素等の不活性ガス気流下で、重合開始剤を加え、通常、50〜70℃程度で、5〜30時間程度の反応条件で行われる。
ラジカル重合に用いられる重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤等は特に限定されず適宜選択して使用することができる。なお、(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量は、重合開始剤、連鎖移動剤の使用量、反応条件により制御可能であり、これらの種類に応じて適宜のその使用量が調整される。
本発明の粘着剤組成物は、イオン性化合物(B)を含有する。イオン性化合物(B)としては、アルカリ金属塩及び/または有機カチオン−アニオン塩を好ましく用いることができる。アルカリ金属塩は、アルカリ金属の有機塩および無機塩を用いることができる。なお、本発明でいう、「有機カチオン−アニオン塩」とは、有機塩であって、そのカチオン部が有機物で構成されているものを示し、アニオン部は有機物であっても良いし、無機物であっても良い。「有機カチオン−アニオン塩」は、イオン性液体、イオン性固体とも言われる。
<アルカリ金属塩>
アルカリ金属塩のカチオン部を構成するアルカリ金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムの各イオンが挙げられる。これらアルカリ金属イオンのなかでもリチウムイオンが好ましい。
アルカリ金属塩のアニオン部は有機物で構成されていてもよく、無機物で構成されていてもよい。有機塩を構成するアニオン部としては、例えば、CH3COO−、CF3COO−、CH3SO3 −、CF3SO3 −、(CF3SO2)3C−、C4F9SO3 −、C3F7COO−、(CF3SO2)(CF3CO)N−、−O3S(CF2)3SO3 −、PF6 −、CO3 2−、や下記一般式(1)乃至(4)、(1):(CnF2n+1SO2)2N− (但し、nは1〜10の整数)、(2):CF2(CmF2mSO2)2N− (但し、mは1〜10の整数)、(3):−O3S(CF2)lSO3 − (但し、lは1〜10の整数)、(4):(CpF2p+1SO2)N−(CqF2q+1SO2)、(但し、p、qは1〜10の整数)、で表わされるもの等が用いられる。特に、フッ素原子を含むアニオン部は、イオン解離性の良いイオン化合物が得られることから好ましく用いられる。無機塩を構成するアニオン部としては、Cl−、Br−、I−、AlCl4 −、Al2Cl7 −、BF4 −、PF6 −、ClO4 −、NO3 −、AsF6 −、SbF6 −、NbF6 −、TaF6 −、(CN)2N−、等が用いられる。アニオン部としては、(CF3SO2)2N−、(C2F5SO2)2N−、等の前記一般式(1)で表わされる、(ペルフルオロアルキルスルホニル)イミドが好ましく、特に(CF3SO2)2N−、で表わされる(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが好ましい。
アルカリ金属の有機塩としては、具体的には、酢酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、LiCF3SO3、Li(CF3SO2)2N、Li(CF3SO2)2N、Li(C2F5SO2)2N、Li(C4F9SO2)2N、Li(CF3SO2)3C、KO3S(CF2)3SO3K、LiO3S(CF2)3SO3K等が挙げられ、これらのうちLiCF3SO3、Li(CF3SO2)2N、Li(C2F5SO2)2N、Li(C4F9SO2)2N、Li(CF3SO2)3C等が好ましく、Li(CF3SO2)2N、Li(C2F5SO2)2N、Li(C4F9SO2)2N等のビス(フルオロスルホニル)イミドリチウム塩であるフッ素含有リチウムイミド塩がより好ましく、特に(ペルフルオロアルキルスルホニル)イミドリチウム塩が好ましい。その他、4,4,5,5−テトラフルオロ−1,3,2−ジチアゾリジン-1,1,3,3−テトラオキシドリチウム塩等が挙げられる。
また、アルカリ金属の無機塩としては、過塩素酸リチウム、ヨウ化リチウムが挙げられる。
<有機カチオン-アニオン塩>
本発明で用いられる有機カチオン−アニオン塩は、カチオン成分とアニオン成分とから構成されており、前記カチオン成分は有機物からなるものである。カチオン成分として、具体的には、ピリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピロリン骨格を有するカチオン、ピロール骨格を有するカチオン、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、ピラゾリニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオン、トリアルキルスルホニウムカチオン、テトラアルキルホスホニウムカチオン等が挙げられる。
アニオン成分としては、例えば、Cl−、Br−、I−、AlCl4 −、Al2Cl7 −、BF4 −、PF6 −、ClO4 −、NO3 −、CH3COO−、CF3COO−、CH3SO3 −、CF3SO3 −、(CF3SO2)3C−、AsF6 −、SbF6 −、NbF6 −、TaF6 −、(CN)2N−、C4F9SO3 −、C3F7COO−、((CF3SO2)(CF3CO)N−、−O3S(CF2)3SO3 −、や下記一般式(1)乃至(4)、(1):(CnF2n+1SO2)2N− (但し、nは1〜10の整数)、(2):CF2(CmF2mSO2)2N− (但し、mは1〜10の整数)、(3):−O3S(CF2)lSO3 − (但し、lは1〜10の整数)、(4):(CpF2p+1SO2)N−(CqF2q+1SO2)、(但し、p、qは1〜10の整数)、で表わされるもの等が用いられる。なかでも特に、フッ素原子を含むアニオン成分は、イオン解離性の良いイオン化合物が得られることから好ましく用いられる。
有機カチオン−アニオン塩は、上記カチオン成分とアニオン成分との組み合わせからなる化合物が適宜選択して用いられる。有機カチオン−アニオン塩の好ましい具体例としては、例えば、メチルトリオクチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、エチルメチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニルイミド)が挙げられる。なかでも、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、エチルメチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニルイミド)がより好ましい。
また、イオン性化合物(B)としては、前記のアルカリ金属塩、有機カチオン−アニオン塩の他に、塩化アンモニウム、塩化アルミニウム、塩化銅、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸アンモニウム等の無機塩が挙げられる。
前記イオン性化合物(B)は所望の抵抗値を得るために、単独でまたは複数を併用することができる。特に、粘着剤層の表面抵抗値を1×1010〜1×1012Ω/□の範囲に制御することを目的とする場合は、前記イオン性化合物(B)としてはアルカリ金属塩が帯電防止性能を高める点で好ましく、アルカリ金属塩を用いることで少ない配合部数でも帯電防止性能の高い粘着剤を得ることができる。一方、粘着剤層の表面抵抗値を1×108〜1×1010Ω/□の範囲に制御することを目的とする場合は、前記イオン性化合物(B)としては有機カチオン−アニオン塩が帯電防止性能を高める点で好ましく、有機カチオン−アニオン塩を用いることでより少ない配合部数でも帯電防止性能の高い粘着剤を得ることができる。
本発明の粘着剤組成物におけるイオン性化合物(B)の割合は、粘着剤層の帯電防止特性とタッチパネルの感度を満足するように適宜に調整することができる。例えば、粘着剤層の表面抵抗値が1.0×108〜1.0×1012Ω/□の範囲になるように、(メタ)アクリル系ポリマー(A)に導入されているアミド基含有モノマー(a2)の重量比率、偏光フィルムの透明保護フィルムの種類等を考慮しながら、タッチセンシング機能内蔵液晶パネルの種類に応じて、イオン性化合物(B)の割合を調整するのが好ましい。例えば、図1に示すインセル型のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルでは、第1粘着剤層は、表面抵抗値が、1×108〜1×1010Ω/□の範囲に制御するのが好ましい。また、図2に示すセミインセル型、または図3に示すオンセル型のタッチセンシング機能内蔵液晶パネルでは、第1粘着剤層は、表面抵抗値が、1×1010〜1×1012Ω/□の範囲に制御するのが好ましい。
また、前記第一粘着剤層は、表面抵抗値の変動比(b/a)≦5、を満足するように制御される。前記aは、前記第1偏光フィルムに前記第一粘着剤層を設けられ、かつ、当該第一粘着剤層にセパレータが設けられた状態の粘着剤層付きの第1偏光フィルムを作製した直後に前記セパレータを剥離した際の第一粘着剤層の表面抵抗値であり、前記bは前記粘着剤層付き第1偏光フィルムを60℃/95%RHの加湿環境下に250時間投入し、さらに40℃で1時間乾燥させた後に、前記セパレータを剥離した際の第一粘着剤層の表面抵抗値である。前記変動比(b/a)が5を超える場合には、加湿環境下における粘着剤層の帯電防止機能を低下させることになる。前記変動比(b/a)は5以下であるの好ましく、さらには3.5以下であることが好ましく、さらには2.5以下であるのが好ましく、さらには2以下であるのが好ましく、1.5以下であることが最も好ましい。
前記イオン性化合物(B)の割合は、例えば、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、0.01重量部以上を用いることが好ましい。前記イオン性化合物(B)が0.01重量部以上を用いることで、帯電防止性能の向上させるうえで好ましい。かかる観点から前記イオン性化合物(B)は、0.1重量部以上が好ましく、さらには0.5重量部以上であるのが好ましい。一方、前記イオン性化合物(B)が多くなると、表面抵抗値が低くなりすぎてベースライン変動(表面抵抗値が低すぎすることにより生じるタッチ時の誤作動)により、タッチパネルの感度が低下するおそれがある。また、前記イオン性化合物(B)が多くなるとイオン性化合物(B)が析出する可能性があり、さらには加湿剥がれが生じやすくなる。かかる観点から前記イオン性化合物(B)は、通常、40重量部以下であるのが好ましく、さらには30重量部以下が好ましく、さらには20重量部以下であるのが好ましく、10重量部以下であることが最も好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、架橋剤(C)を含有することができる。架橋剤(C)としては、有機系架橋剤や多官能性金属キレートを用いることができる。有機系架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、過酸化物系架橋剤、エポキシ系架橋剤、イミン系架橋剤等が挙げられる。多官能性金属キレートは、多価金属が有機化合物と共有結合または配位結合しているものである。多価金属原子としては、Al、Cr、Zr、Co、Cu、Fe、Ni、V、Zn、In、Ca、Mg、Mn、Y、Ce、Sr、Ba、Mo、La、Sn、Ti等が挙げられる。共有結合または配位結合する有機化合物中の原子としては酸素原子等が挙げられ、有機化合物としてはアルキルエステル、アルコール化合物、カルボン酸化合物、エーテル化合物、ケトン化合物等が挙げられる。
架橋剤(C)としては、イソシアネート系架橋剤および/または過酸化物系架橋剤が好ましい。
イソシアネート系架橋剤(C)としては、イソシアネート基を少なくとも2つ有する化合物を用いることができる。たとえば、一般にウレタン化反応に用いられる公知の脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート等が用いられる。
過酸化物としては、加熱または光照射によりラジカル活性種を発生して粘着剤組成物のベースポリマーの架橋を進行させるものであれば適宜使用可能であるが、作業性や安定性を勘案して、1分間半減期温度が80℃〜160℃である過酸化物を使用することが好ましく、90℃〜140℃である過酸化物を使用することがより好ましい。
用いることができる過酸化物としては、たとえば、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:90.6℃)、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:92.1℃)、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:92.4℃)、t−ブチルパーオキシネオデカノエート(1分間半減期温度:103.5℃)、t−ヘキシルパーオキシピバレート(1分間半減期温度:109.1℃)、t−ブチルパーオキシピバレート(1分間半減期温度:110.3℃)、ジラウロイルパーオキシド(1分間半減期温度:116.4℃)、ジ−n−オクタノイルパーオキシド(1分間半減期温度:117.4℃)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(1分間半減期温度:124.3℃)、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキシド(1分間半減期温度:128.2℃)、ジベンゾイルパーオキシド(1分間半減期温度:130.0℃)、t−ブチルパーオキシイソブチレート(1分間半減期温度:136.1℃)、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン(1分間半減期温度:149.2℃)等が挙げられる。なかでも特に架橋反応効率が優れることから、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(1分間半減期温度:92.1℃)、ジラウロイルパーオキシド(1分間半減期温度:116.4℃)、ジベンゾイルパーオキシド(1分間半減期温度:130.0℃)等が好ましく用いられる。
架橋剤(C)の使用量は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、3重量部以下が好ましく、さらには0.01〜3重量部が好ましく、さらには0.02〜2重量部が好ましく、さらには0.03〜1重量部が好ましい。なお、架橋剤(C)が0.01重量部未満では、粘着剤層が架橋不足になり、耐久性や粘着特性を満足できないおそれがあり、一方、3重量部より多いと、粘着剤層が硬くなりすぎて耐久性が低下する傾向が見られる。
本発明の粘着剤組成物には、シランカップリング剤(D)を含有することできる。シランカップリング剤(D)を用いることにより、耐久性を向上させることができる。シランカップリング剤としては、具体的には、たとえば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基含有シランカップリング剤等が挙げられる。前記例示のシランカップリング剤としては、エポキシ基含有シランカップリング剤が好ましい。
また、シランカップリング剤(D)として、分子内に複数のアルコキシシリル基を有するものを用いることもできる。具体的には、たとえば、信越化学社製X−41−1053、X−41−1059A、X−41−1056、X−41−1805、X−41−1818、X−41−1810、X−40−2651などが挙げられる。これらの分子内に複数のアルコキシシリル基を有するシランカップリング剤は、揮発しにくく、アルコキシシリル基を複数有することから耐久性向上に効果的であり好ましい。特に、粘着剤層付光学フィルムの被着体が、ガラスに比べてアルコキシシリル基が反応しにくい透明導電層(例えば、ITO等)の場合にも耐久性が好適である。また、分子内に複数のアルコキシシリル基を有するシランカップリング剤は、分子内にエポキシ基を有するものが好ましく、エポキシ基は分子内に複数有することがさらに好ましい。分子内に複数のアルコキシシリル基を有し、かつエポキシ基を有するシランカップリング剤は被着体が透明導電層(例えば、ITO等)の場合にも耐久性が良好な傾向がある。分子内に複数のアルコキシシリル基を有し、かつエポキシ基を有するシランカップリング剤の具体例としては、信越化学社製X−41−1053、X−41−1059A、X−41−1056が挙げられ、特に、エポキシ基含有量の多い、信越化学社製X−41−1056が好ましい。
前記シランカップリング剤(D)は、単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよいが、全体としての含有量は前記(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対し、5重量部以下が好ましく、さらには0.001〜5重量部が好ましく、さらには0.01〜1重量部が好ましく、さらには0.02〜1重量部がより好ましく、さらには0.05〜0.6重量部が好ましい。耐久性を向上させる量である。
本発明の粘着剤組成物には、反応性シリル基を有するポリエーテル化合物(E)を配合することができる。ポリエーテル化合物(E)はリワーク性を向上させることができる点で好ましい。ポリエーテル化合物(E)は、例えば、特開2010−275522号公報に開示されているものを用いることができる。
本発明の粘着剤組成物におけるポリエーテル化合物(E)の割合は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して、10重量部以下が好ましく、0.001〜10重量部が好ましい。前記ポリエーテル化合物(E)が0.001重量部未満では、リワーク性の向上効果が十分ではない場合がある。前記ポリエーテル化合物(E)は、0.01重量部以上が好ましく、さらには0.1重量部以上であるのが好ましい。一方、前記ポリエーテル化合物(E)は10重量部より多いと、耐久性の点で好ましくない。前記ポリエーテル化合物(E)は、5重量部以下が好ましく、さらには2重量部以下であるのが好ましい。前記ポリエーテル化合物(E)の割合は、前記上限値または下限値を採用して好ましい範囲を設定できる。
さらに本発明の粘着剤組成物には、その他の公知の添加剤を含有していてもよく、たとえば、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのポリエーテル化合物、着色剤、顔料等の粉体、染料、界面活性剤、可塑剤、粘着性付与剤、表面潤滑剤、レベリング剤、軟化剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、無機または有機の充填剤、金属粉、粒子状、箔状物等を使用する用途に応じて適宜添加することができる。また、制御できる範囲内で、還元剤を加えてのレドックス系を採用してもよい。これら添加剤は、(メタ)アクリル系ポリマー(A)100重量部に対して5重量部以下、さらには3重量部以下、さらには1重量部以下の範囲で用いるのが好ましい。
本発明の第1粘着剤層21は、光学フィルム(偏光フィルム)に貼り合わせた粘着剤層付光学フィルムとして用いることができる。粘着剤層付光学フィルムは、光学フィルムの少なくとも片面に、前記粘着剤組成物により粘着剤層を形成することにより得ることができる。
粘着剤層を形成する方法としては、例えば、前記粘着剤組成物を剥離処理したセパレータ等に塗布し、重合溶剤等を乾燥除去して粘着剤層を形成した後に光学フィルム(偏光フィルム)に転写する方法、または光学フィルム(偏光フィルム)に前記粘着剤組成物を塗布し、重合溶剤等を乾燥除去して粘着剤層を光学フィルムに形成する方法等により作製される。なお、粘着剤の塗布にあたっては、適宜に、重合溶剤以外の一種以上の溶剤を新たに加えてもよい。
第1粘着剤層21の厚さは、特に制限されず、例えば、1〜100μm程度である。好ましくは、2〜50μm、より好ましくは2〜40μmであり、さらに好ましくは、5〜35μmである。
以下に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各例中の部および%はいずれも重量基準である。以下に特に規定のない室温放置条件は全て23℃65%RHである。
<(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量の測定>(メタ)アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定した。Mw/Mnについても、同様に測定した。・分析装置:東ソー社製、HLC−8120GPC・カラム:東ソー社製、G7000HXL+GMHXL+GMHXL・カラムサイズ:各7.8mmφ×30cm 計90cm・カラム温度:40℃・流量:0.8mL/min・注入量:100μL・溶離液:テトラヒドロフラン・検出器:示差屈折計(RI)・標準試料:ポリスチレン
<偏光フィルムP1の作成>
厚さ80μmのポリビニルアルコールフィルムを、速度比の異なるロール間において、30℃、0.3%濃度のヨウ素溶液中で1分間染色しながら、3倍まで延伸した。その後、60℃、4%濃度のホウ酸、10%濃度のヨウ化カリウムを含む水溶液中に0.5分間浸漬しながら総合延伸倍率が6倍まで延伸した。次いで、30℃、1.5%濃度のヨウ化カリウムを含む水溶液中に10秒間浸漬することで洗浄した後、50℃で4分間乾燥を行い、厚さ30μmの偏光子を得た。当該偏光子の両面に、透明保護フィルムとして、コロナ処理を施した厚み20μmのラクトン環構造を有する(メタ)アクリル樹脂フィルムをポリビニルアルコール系接着剤により貼り合せて偏光フィルムP1を作成した。
<偏光フィルムP2の作成>
上記偏光フィルムP1の作成において、透明保護フィルムとして、けん化処理した厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムを用いたこと以外は、同様の方法により、偏光フィルムP2を得た。
実施例1
(アクリル系ポリマー(A)の調製)
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート75.8部、フェノキシエチルアクリレート23部、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)0.5部、アクリル酸0.3部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.4部を含有するモノマー混合物を仕込んだ。さらに、前記モノマー混合物(固形分)100部に対して、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を酢酸エチル100部と共に仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を55℃付近に保って8時間重合反応を行って、重量平均分子量(Mw)160万、Mw/Mn=3.7のアクリル系ポリマー(A)の溶液を調製した。
(粘着剤組成物の調製)
製造例1で得られたアクリル系ポリマー(A1)の溶液の固形分100部に対して、イオン性化合物として、三菱マテリアル社製のビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(Li−TFSI)0.1部、イソシアネート架橋剤(三井化学社製のタケネートD160N,トリメチロールプロパンヘキサメチレンジイソシアネート)0.1部、ベンゾイルパーオキサイド(日本油脂社製のナイパーBMT)0.3部およびエポキシ基含有シランカップリング剤(信越化学工業社製:X−41−1056)0.3部を配合して、アクリル系粘着剤組成物の溶液を調製した。
(粘着剤層付偏光フィルムの作製)
次いで、上記アクリル系粘着剤組成物の溶液を、シリコーン系剥離剤で処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(セパレータフィルム:三菱化学ポリエステルフィルム(株)製,MRF38)の片面に、乾燥後の粘着剤層の厚さが20μmになるように塗布し、155℃で1分間乾燥を行い、セパレータフィルムの表面に粘着剤層を形成した。次いで、上記で作成した偏光フィルムP1に、セパレータフィルム上に形成した粘着剤層を転写して、粘着剤層付偏光フィルムを作製した。
実施例2〜14、比較例1〜6
実施例1において、表1に示すように、アクリル系ポリマー(A)の調製に用いたN−ビニル−2−ピロリドン(NVP)のモノマー混合物中の使用量、粘着剤組成物の調製に用いたイオン性化合物の種類(Li−TFSIもしくはMPP−TFSI)またはその配合割合、偏光フィルムの種類を変えたこと以外は、実施例1と同様にして、アクリル系ポリマーの溶液、アクリル系粘着剤組成物の溶液を調製した。また、当該アクリル系粘着剤組成物の溶液を用いて、実施例1と同様にして、粘着剤層付偏光フィルムを作製した。
上記実施例および比較例で得られた、粘着剤層付偏光フィルムについて以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、各評価において、「初期」は粘着剤層付偏光フィルムを作製した直後に、「加湿後」は得られた粘着剤層付偏光フィルムを60℃/95%RHの加湿環境下に250時間投入し、さらに40℃で1時間乾燥させた後に、それぞれに測定した値である。
<表面抵抗値(Ω/□):導電性>
粘着剤層付偏光フィルムからセパレータフィルムを剥がした後、粘着剤層表面の表面抵抗値を測定した。測定は、三菱化学アナリテック社製MCP−HT450を用いて行った。
なお、表1の変動比(b/a)は、「初期」の表面抵抗値(a)と、「加湿後」の表面抵抗値(b)から算出された値(少数点第2位の四捨五入値)である。
また、「誤作動」が生じるおそれが少ない指標として、変動比の小さな値が好ましことを下記基準で評価した。
◎:変動比が2以下。
〇:変動比が2を超え、5未満。
×:変動比が5以上。
<ESD試験>
粘着剤層付偏光フィルムからセパレータフィルムを剥がした後、表1に示すようにオンセル型液晶セルまたはインセル型液晶セルの視認側に貼り合わせて、タッチセンシング機能内蔵液晶パネルを作成した。即ち、実施例1〜3、6〜10、14、比較例1〜6で得られた粘着剤層付偏光フィルムは、図3に示すオンセル型液晶セルのセンサー層(タッチセンサー部)に貼り合わせて、第1粘着剤層および第1偏光フィルムを形成した。実施例4、5、11〜13で得られた粘着剤層付偏光フィルムは、図1に示すインセル型液晶セルの第1透明基板に貼り合わせて、第1粘着剤層および第1偏光フィルムを形成した。前記液晶パネルにおける、偏光フィルム面にESD(静電気放電)ガン(10kV)を発射して、電気により白抜けした部分が消失するまでの時間を測定し、下記の基準で判断した。(評価基準)
◎:3秒以内。
〇:3秒を超え〜10秒以内。
×:10秒を超える。
表1中、Li−TFSIはビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムを、MPP−TFSIは、東洋合成工業株式会社製の1−メチル−1−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、示す。
表1に示すように、実施例と比較例の記載から、アクリル系ポリマーにイオン性化合物を配合することにより、粘着剤層の初期の表面抵抗値を低く設定した場合にも、実施例では、アクリル系ポリマーがモノマー単位としてアミド基含有モノマーを有することによって、粘着剤層の加湿後の表面抵抗値の変動比が5以下であり、表面抵抗値の上昇が抑えられることが分かる。即ち、実施例では、粘着剤層の表面抵抗値の変動比が小さいため、加湿後においても所望の範囲内に表面抵抗値を維持することができ、タッチパネル感度を良好に維持することができ、さらには、ESD試験が良好であり静電気ムラを抑えることができうる。