JP2018141724A - 計測装置および計測方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】任意の対象エリアの物性値の分布を迅速に取得すること。【解決手段】情報処理装置7は、電磁波を対象エリアに照射した結果得られた反射波の計測値を取得する反射波計測値取得部9と、その計測値と対象エリアを層状誘電体でモデル化することによって計算される理論値とを比較することにより、対象エリア内の物性値の電磁波の照射方向の分布を取得する物性値取得部17と、物性値の分布を出力する画像処理部19と、を備える。このような構成により、任意の対象エリアの物性値の分布を比較的短い計算時間で出力することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、対象エリアの物性値の分布を計測する計測装置および計測方法に関するものである。
従来から、生体等の対象物の内部の情報を取得する方法として、断層映像法(以下、「トモグラフィ」と呼ぶ。)という方法が知られている。例えば、下記特許文献1に記載された散乱トモグラフィ装置では、曲面上に配置された複数の送信アンテナによって物体に電磁波を照射し、それによって生じた散乱波を曲面上に配置された複数の受信アンテナを用いて受信し、得られた散乱波データを基に物体の内部情報に関する画像を再構成する。具体的には、映像化に必要な漸近的な解をはじめに設定し、その解から方程式を構築し、複数の送信アンテナに対応した送信データと複数の受信アンテナに対応した受信データとから、逆問題を解くことにより、画像を再構成する。
国際公開2014/125815号公報
しかしながら、上記の従来の散乱トモグラフィ装置においては、高精度な対象物の内部の物性情報が得られる一方で、膨大なデータの逆問題を解く処理が必要であるために処理に長時間を要する傾向にある。加えて、複数の送信アンテナおよび複数の受信アンテナを対象物の周囲に配置する必要があるために、広いエリアのうちから任意の対象エリアの物性情報を取得することが困難である。
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、任意の対象エリアの物性値の分布を迅速に取得することが可能な計測装置および計測方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一側面に係る計測装置は、電磁波を対象エリアに照射した結果得られた反射波の計測値を取得する計測値取得部と、計測値と、対象エリアを層状誘電体でモデル化することによって計算される理論値とを比較することにより、対象エリア内の物性値の電磁波の照射方向の分布を取得する物性値取得部と、物性値の分布を出力する出力部と、を備える。
本発明の他の側面に係る計測方法は、計測装置が、電磁波を対象エリアに照射した結果得られた反射波の計測値を取得する計測値取得ステップと、計測値と、対象エリアを層状誘電体でモデル化することによって計算される理論値とを比較することにより、対象エリア内の物性値の電磁波の照射方向の分布を取得する物性値取得ステップと、物性値の分布を出力する出力ステップと、を備える。
かかる構成の計測装置あるいは計測方法によれば、対象エリアに電磁波を照射して得られた反射波の計測値と、対象エリアを層状誘電体でモデル化して計算された理論値とを比較することにより、対象エリアの物性値の一次元分布が得られる。これにより、簡易な計算で物性値の一次元分布が得られ、これを電磁波を走査しながら繰り返すことで物性値の二次元分布あるいは三次元分布も得られる。その結果、任意の対象エリアの物性値の分布を比較的短い計算時間で出力することができる。
計測値取得部は、電磁波の照射方向に交わる方向に走査された電磁波に対する計測値を取得し、物性値取得部は、電磁波に対する計測値を用いて物性値の分布を取得することにより、照射方向に交わる方向の物性値の分布を取得する、ことも好適である。
かかる構成を採れば、任意の対象エリアの物性値の二次元分布あるいは三次元分布を出力することができる。
また、計測値取得部は、複数の周波数に掃引された電磁波に対する計測値を取得し、物性値取得部は、複数の周波数の電磁波に対する計測値を用いて対象エリアの複数の層の物性値を取得する、ことも好適である。
この場合、対象エリアが複数の物質の層で構成されている場合でも、その対象エリアの物性値の分布を精度よく得ることができる。
さらに、理論値と、理論値の補正値とを対応付けて記憶する補正値記憶部をさらに備え、物性値取得部は、補正値記憶部に記憶された理論値に対応する補正値を用いて、物性値の分布を取得する、ことも好適である。
こうすれば、対象エリアの物性値の分布を精度よく得ることができる。
またさらに、物性値取得部は、計測値に対して近傍界/遠方界変換を施し、近傍界/遠方界変換が施された計測値を理論値と比較する、ことも好適である。
この場合も、対象エリアの物性値の分布を精度よく得ることができる。
本発明によれば、任意の対象エリアの物性値の分布を迅速に取得することができる。
本発明の好適な一実施形態に係る計測システムの構成概略図である。 図1の情報処理装置7を構成するコンピュータ100のハードウェア構成を示すブロック図である。 図1の理論値算出部13における理論値の計算において想定される反射波測定の測定環境のモデルを示す図である。 図3の測定環境のモデルに適用される伝送線路理論を説明する図である。 図1の補正値記憶部21に格納される補正値のデータ構成を示す図である。 実際の検出対象の対象物SU0と、物性値の分布の計算のために層状誘電体によってモデル化された対象物SU1との対応を示す概念図である。 図1の計測システム1による物性値分布の取得処理の手順を示すフローチャートである。 図1の計測システム1による対象エリアにおける電磁波の走査状態を示す斜視図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の好適な一実施形態に係る計測装置である計測システムの構成概略図である。同図に示される計測システム1は、地中あるいは建造物等における対象エリア内の物体の存在およびその位置を検出するために用いられ、地震、土砂災害、あるいは雪崩等の自然災害時の救助作業時に好適に用いられる。具体的には、計測システム1は、対象エリア内の物性値の分布情報を取得するためのシステムである。計測システム1は、送受信アンテナ3、ネットワークアナライザ5、及び情報処理装置7を含んで構成されている。
送受信アンテナ3は、一方向に伝搬する平面波である電磁波を照射するとともに、その電磁波の反射波を受信する一方向に指向性を有するアンテナである。この送受信アンテナ3としては、例えばホーンアンテナが用いられるが、その種類および形状は特定のものには限定されない。また、送受信アンテナ3の個数も1つには限定されず、複数個備えられてもよい。
ネットワークアナライザ5は、送受信アンテナ3に給電するとともに送受信アンテナ3で受信された反射波を計測する装置である。具体的には、ネットワークアナライザ5は、周波数が数100MHz〜数GHzの範囲で複数の周波数fで掃引しながら電磁波を照射するように送受信アンテナ3を給電可能に動作する。また、ネットワークアナライザ5は、照射している電磁波に対する反射波の強度値および位相の計測値を取得するように動作する。より具体的には、ネットワークアナライザ5は、照射する電磁波の振幅に対する反射波の振幅の強度である強度データ[dB]と、電磁波に対する反射波の位相のずれである位相データ[deg]とを計測値として取得するように動作する。なお、ネットワークアナライザ5は、強度と位相とを表す値として複素数データを計測値として取得するように動作してもよい。ここで、ネットワークアナライザ5は、掃引した複数の周波数fごとに計測値を取得しそれらの計測値を情報処理装置7に出力する。
情報処理装置7は、ネットワークアナライザ5から出力された複数の周波数f毎の計測値を利用して、対象エリア内の物性値の電磁波の照射方向の分布を取得および出力する。この情報処理装置7は、機能的な構成要素として、反射波計測値取得部9、前処理部11、理論値算出部13、補正部15、物性値取得部17、画像処理部(出力部)19、補正値記憶部21、及び物性値記憶部23を含んで構成されている。
図2は、情報処理装置7を構成するコンピュータ100のハードウェア構成を示すブロック図である。同図に示すように、コンピュータ100は、物理的には、CPU101、主記憶装置であるRAM102及びROM103、入力キー、タッチセンサ等の入力デバイスである入力装置104、タッチパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ等の出力装置105、データ送受信デバイスである通信モジュール106、半導体メモリ等の補助記憶装置108、などを含むコンピュータシステム(情報処理プロセッサ)として構成されている。情報処理装置7の後述する処理機能は、図2に示されるCPU101、RAM102等のハードウェア上に1又は複数の所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで入力装置104、出力装置105、及び通信モジュール106を動作させるとともに、RAM102や補助記憶装置108におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。なお、情報処理装置7(計測システム1)は、1つのコンピュータ100によって構成されてもよいし、階層的に接続された複数のコンピュータ100によって構成されてもよい。
ここで、情報処理装置7の具備する構成要素の機能の詳細について説明する。
反射波計測値取得部9は、ネットワークアナライザ5から掃引された複数の周波数の反射波の計測値を取得する。反射波計測値取得部9は、取得した反射波の計測値を前処理部11に引き渡す。
前処理部11は、反射波の計測値に対して前処理を施して物性値取得部17に引き渡す。この前処理としては、近傍界/遠方界変換の処理とが含まれる。後述する理論値算出部13での理論値の計算において伝送路理論を適用する際、対象エリアを対象とした電磁波の測定環境を、対象エリアとある程度の距離を空けて設置されたアンテナで平面波を送受信するような環境として想定している。そのため、対象エリアに近接した送受信アンテナ3を利用して取得された計測値を、伝送路理論を適用した理論値と比較するためには、球面波に関する計測値に対して近傍界/遠方界変換を施して平面波に関する計測値に変換する必要がある。このような近傍界/遠方界変換としては、例えば、レーダ反射断面積をコンパクトレンジで計測する際に使用する反射量値変換の手法が用いられる。
理論値算出部13は、ネットワークアナライザ5によって掃引された複数の周波数fに対応する反射波の計測値に関する理論値(計測値に対応する理論値)を計算する。ここで、理論値算出部13は、理論値を計算する際には、物性値の計測対象の対象エリアの物質の組成を層状誘電体でモデル化し、モデル化された層状誘電体からの反射波に関して伝送線路理論を適用する。この伝送線路理論は、位相が揃った電磁波(平面波)が無限大の平板に入射した際の反射波の反射量を電気回路に対応させて算出することができる理論である。
図3は、理論値算出部13における理論値の計算において想定される反射波測定の測定環境のモデルを示し、図4は、図3の測定環境のモデルに適用される伝送線路理論を説明する図である。図3に示すように、対象エリアA0が、n層(nは自然数)に積層された厚さd〜dの平板の層L〜Lからなる層状誘電体であり、それぞれの層L〜Lの物性値である比誘電率および比透磁率が、(ε,μ)、(ε,μ)、…(ε,μ)であると想定される。そして、この対象エリアA0を対象とした反射波の測定環境は次のように想定される。すなわち、送受信アンテナ3が、照射電磁波EW及び反射波RWの入射方向および反射方向が層状誘電体の積層方向に向いた状態で、対象エリアA0から2D2/λ以上の距離(D:アンテナ開口面サイズ)に配置されたものとして想定される。このような測定環境のモデルは、伝送線路理論によれば、図4に示すような交流回路30に置き換えられる。すなわち、測定環境のモデルは、送受信アンテナ3に対応する交流電源31に、対象エリアA0の層L〜Ln−1に対応する長さd〜dn−1の伝送線路TL〜TLn−1が連結され、対象エリアA0の層Lに対応したインピーダンス33で終端された交流回路30に置き換えられる。そして、図3に示したような測定環境のモデルにおいて層状誘電体に照射電磁波EWが入射した場合の反射波RWの反射量[dB]の理論値は、図4に示すような交流回路における反射信号として計算できる。
具体的には、理論値算出部13は、反射波RWの反射量の理論値Γを下記式(1);
Figure 2018141724


を用いて計算する。なお、以下の説明において、上部に「・」が付された変数は複素数であることを示している。この理論値Γは、想定した層状誘電体の比誘電率ε〜ε、比透磁率μ〜μ、および厚さd〜dと、照射電磁波EWの周波数fに依存して変化し、強度[dB]と位相[deg]とを表す複素数となる。上記式(1)中、Zは真空の波動インピーダンスであり、376.7[Ω]の一定値である。また、上記式(1)中の交流電源31から見たインピーダンスZinは、下記式(2);
Figure 2018141724


で計算される。上記式(2)中、伝送線路TL〜TLの特性インピーダンスZcnは、下記式(3);
Figure 2018141724


によって計算され、変数γcnは、下記式(4);
Figure 2018141724


を用いて計算される。なお、上記式(4)中、変数λは、照射電磁波EWの周波数fに対応する真空中の電磁波の波長である。そして、理論値算出部13は、周波数f、層状誘電体の層数n、比誘電率ε〜ε、比透磁率μ〜μ、および厚さd〜dを様々に変更しながら反射波RWの反射量の理論値Γを計算する。これにより、測定環境のモデルの構成および組成を様々に変更して、それらのモデルに対応する反射波の計測値の理論値を掃引した周波数fに対応して取得することができる。
図1に戻って、補正部15は、理論値算出部13によって計算された複数の周波数毎の計測値(反射量)の理論値を補正し、補正後の複数の周波数f毎の理論値を物性値取得部17に引き渡す。すなわち、補正部15は、理論値Γを、補正値記憶部21に格納された補正値を用いて補正する。図5には、補正値記憶部21に格納される補正値のデータ構成の一例を示す。図5に示す例では、理論値によって表される振幅および位相の反射量理論値に対応付けて、反射量の補正値における振幅および位相の数値が格納されている。例えば、振幅“A1”および位相“Θ1”によって表される反射量Γは、その補正値が振幅“A11”および位相“Θ11”によって表される補正値によって補正されるべきであることが示されている。これらの反射量の理論値Γ毎の補正値は、現実の対象エリアの反射量に近い値を示すように、予め写像法、AI(Artificial Intelligence)、ニューラルネットワーク等の技術を適用して導き出された後に格納されているものである。なお、図5の例では、理論値および補正値として振幅および位相が格納されているが、反射量を表す複素数(実数部と虚数部とを含む)が格納されていてもよい。そこで、補正部15は、理論値Γに対応する補正値を補正値記憶部21から読み出した値によって特定し、理論値Γをその特定した補正値に置き換えるように補正する。このように補正することによって、検出対象の対象物の物性値の分布を、後述する物性値取得部17の処理によって精度よく取得することができる。図6は、実際の検出対象の土壌等の対象物SU0と、物性値の分布の計算のために層状誘電体によってモデル化された対象物SU1との対応を示す概念図である。モデル化された対象物SU1は、送受信アンテナ3を電磁波の照射方向D0に垂直に交わる方向に走査しながら物性値の分布の計算を繰り返すように処理することによって、複数の柱状の対象エリアA0の組み合わせとして捉えることができるようになる。この際、補正部15による理論値の補正処理によって、モデル化される対象物SU1の組成と実物の対象物SU0の組成との間の電磁気的な対応付けがなされ、三次元的な電磁界の計算処理を実行することなく実物の対象物SU0に近い反射量の理論値を取得することができる。その結果、物性値取得部17による検出対象の対象物の物性値の分布の計算精度を向上させることができる。
再び図1に戻って、物性値取得部17は、前処理部11から出力された複数の周波数fの反射波の計測値hと、補正部15から出力された補正後の複数の周波数の反射量の理論値g=Γとを比較することによって、対象エリア内の対象物の複数の層における物性値の分布を取得し、その分布のデータを物性値記憶部23に格納する。具体的には、物性値取得部17は、層状誘電体のモデルの層数nを順次増やしながら、比誘電率ε〜ε、比透磁率μ〜μ、および厚さd〜dが様々に変更されて計算された反射量の理論値gと、反射波の計測値hとの実部および虚部それぞれの残差二乗和Fを計算することにより、理論値gと計測値hとを比較する。そして、物性値取得部17は、残差二乗和Fが最小となるような比誘電率ε〜ε、比透磁率μ〜μ、および厚さd〜dを、対象エリアの物性値の分布を示す物性値データとして特定する。この際、未知数としての比誘電率、比透磁率、および厚さが特定できるように、ネットワークアナライザ5で掃引される周波数fの数が未知数の数よりも多くなるように設定され、掃引された複数の周波数fに対応する理論値gおよび計測値hを用いることにより、未知数が特定可能とされる。なお、物性値取得部17は、対象エリアの層数nの真値の決定を、最小値とされた残差二乗和Fが収束しているかを判断することによって行う。例えば、収束しているかの判断は、所定の閾値と比較することによって行うことができる。
画像処理部19は、物性値記憶部23から物性値データを読み出し、物性値に含まれる厚さおよび物性値のデータを基に画像処理を実行し、対象エリアの対象物の物性値の分布を示す画像を出力装置105(図2)に出力する。ここでは、画像処理部19は、対象物の物性値の分布を示すデータを通信モジュール106(図2)を介して外部装置に送信してもよい。このような出力画像としては、対象エリアにおける土壌等の対象物の所定深さの横断面における誘電率分布像、対象物の縦断面における誘電率分布像、対象物の誘電率分布の3D画像等が挙げられる。
次に、図7を参照して、計測システム1による対象エリアの物性値分布の取得処理の手順を説明するとともに、本実施形態にかかる計測方法について詳述する。図7は、計測システム1による物性値分布の取得処理の手順を示すフローチャートである。
情報処理装置7の計測処理が実行される際には、車両等によって電磁波の照射方向に垂直に交わる方向に送受信アンテナ3が移動(走査)されながら、送受信アンテナ3の電磁波の照射範囲に位置する対象エリア毎に下記の計測処理が実行される。まず、情報処理装置7の反射波計測値取得部9によって、対象エリアを対象に計測された反射波の計測値hの周波数特性が取得される(ステップS01)。そうすると、情報処理装置7の前処理部11によって、反射波の計測値hに対して近傍界/遠方界変換を含む前処理が施される(ステップS02)。次に、情報処理装置7内のパラメータとして、物性値の分布を計算する際に適用される層状誘電体のモデルの層数nが初期値の“1”に設定される(ステップS03)。
その後、情報処理装置7の理論値算出部13により、掃引された複数の周波数毎の反射波の反射量の理論値gが、対象エリアの対象物が層数nの層状誘電体にモデル化されることによって計算される(ステップS04)。計算された理論値gは、情報処理装置7の補正部15によって現実の反射量に近づくように補正される(ステップS05)。さらに、情報処理装置7の物性値取得部17によって、反射波の計測値hの周波数特性と、補正された複数の周波数毎の反射量の理論値gとが比較される(ステップS06)。具体的には、この比較は、周波数毎に計測値hと理論値gとの残差二乗和Fを、下記式(5);
Figure 2018141724


を用いて計算することによって実行される。上記式(5)中、整数Nは周波数の掃引数であり、残差二乗和Fは実部と虚部それぞれに関して計算される。そして、物性値取得部17によって、最小値の残差二乗和Fがサーチされ、サーチされた残差二乗和Fの計算の元となった複数の層ごとの比誘電率ε〜ε、比透磁率μ〜μ、および厚さd〜dが特定される(ステップS07)。次に、物性値取得部17によって、残差二乗和Fが収束したかが判断され(ステップS08)、収束していないと判断された場合には(ステップS08;NO)、層数nが1増加された(ステップS09)後に再度ステップS04〜S07の処理が繰り返されて、層ごとの比誘電率、比透磁率、および厚さの特定が行われる。一方、残差二乗和Fが収束したと判断された場合には(ステップS08;YES)、直前に特定した複数の層ごとの比誘電率ε〜ε、比透磁率μ〜μ、および厚さd〜dが、物性値の分布を示す真値と決定され、情報処理装置7の画像処理部19によって、これらの値を基に画像処理が実行される(ステップS10)。最後に、画像処理部19によって、対象エリアの対象物の物性値の分布を示す画像が出力される(ステップS11)。
上述した計測システム1或いは計測システム1を用いた計測方法によれば、対象エリアに電磁波を照射して得られた反射波の計測値hと、対象エリアを層状誘電体でモデル化して計算された理論値gとを比較することにより、対象エリアの物性値の電波の照射方向に沿った一次元分布が得られる。これにより、簡易な計算で物性値の一次元分布が得られ、これを電磁波を走査しながら繰り返すことで物性値の二次元分布あるいは三次元分布も得られる。その結果、任意の対象エリアの物性値の分布を比較的短い計算時間で出力することができる。
特に、計測システム1においては、送受信アンテナ3を電磁波の照射方向に垂直に交わる方向に走査しながら反射波の計測値hを取得し、走査しながら得られた計測値hを用いて物性値の分布を取得することにより、任意の対象エリアの物性値の分布として、電磁波の照射方向に垂直に交わる方向の分布を含んだ二次元分布あるいは三次元分布を取得することができる。
図8は、図1の計測システム1による対象エリアにおける電磁波の走査状態を示す斜視図であり、(a)は、従来のトモグラフィによって計測される対象物SU0におけるアンテナ903の配置状態を示し、(b)は、計測システム1によって計測される対象物SU0における送受信アンテナ3の走査状態を示している。図8(a)に示すように、従来のトモグラフィにおいては、対象物SU0がボクセル状に分割され、対象物SU0の最表面のボクセルに向かい合うように多数のアンテナ903を配置する必要がある。そして、物性値の分布の推定にはボクセル単位での電磁場の計算処理が必要とされ、得られる分布の分解能がアンテナ903の設置間隔によって影響される。これに対して、計測システム1によれば、送受信アンテナ3が対象物SU0の表面に沿って走査されることにより、対象物SU0が対象物SU0の表面に沿った複数の対象エリアA0に分割され、その対象エリアA0を含む柱状の範囲を対象に物性値分布が計測される。その結果、対象物SU0の物性値の一次元分布が、電磁波の照射方向に沿って柱状に分割されたエリア毎に取得される。この際、一次元の電磁場計算で済むため、従来のトモグラフィに比較して短い計算時間で物性値の分布を計算することができる。また、比較的小数の送受信アンテナ3で済むためシステム構成が簡素化されるとともに、計測の分解能も送受信アンテナ3のビーム幅を変更することによって調整可能とされるので調整が容易となる。
さらに、計測システム1においては、複数の周波数に掃引された電磁波に対する計測値hを用いて物性値の分布を取得することにより、複数の誘電体の層で構成された対象物の対象エリアの物性値の分布を精度よく得ることができる。
また、計測システム1においては、反射波の反射量の理論値Γが実際の対象物の値に近くなるように補正されているので、対象エリアの物性値の分布をさらに精度よく得ることができる。
さらに、計測システム1においては、反射波の計測値hに対して近傍界/遠方界変換が施され、近傍界/遠方界変換が施された計測値hを用いて物性値の分布が取得されている。このような変換により、送受信アンテナ3を対象物の近傍に配置して計測した場合であっても対象エリアの物性値の分布を一層精度よく得ることができる。
なお、上述した計測システム1の計測対象の対象エリアは、地中あるいは建造物等には限定されず、様々な対象物に適用できる。ただし、対象物に近い場所で迅速な物体検知が必要とされる使用形態に適している。例えば、災害時に使用される可搬型の人命救助用レーダ、車両搭載用の障害物検知センサとして応用できる。
1 計測システム
A0 対象エリア
D0 照射方向
EW 照射電磁波
RW 反射波
SU0 対象物
7 情報処理装置
3 送受信アンテナ
9 反射波計測値取得部
17 物性値取得部
19 画像処理部(出力部)
21 補正値記憶部

Claims (6)

  1. 電磁波を対象エリアに照射した結果得られた反射波の計測値を取得する計測値取得部と、
    前記計測値と、前記対象エリアを層状誘電体でモデル化することによって計算される理論値とを比較することにより、前記対象エリア内の物性値の前記電磁波の照射方向の分布を取得する物性値取得部と、
    前記物性値の分布を出力する出力部と、
    を備える計測装置。
  2. 前記計測値取得部は、前記電磁波の照射方向に交わる方向に走査された前記電磁波に対する前記計測値を取得し、
    前記物性値取得部は、前記電磁波に対する前記計測値を用いて前記物性値の分布を取得することにより、前記照射方向に交わる方向の前記物性値の分布を取得する、
    請求項1記載の計測装置。
  3. 前記計測値取得部は、複数の周波数に掃引された前記電磁波に対する前記計測値を取得し、
    前記物性値取得部は、前記複数の周波数の前記電磁波に対する前記計測値を用いて前記対象エリアの複数の層の前記物性値を取得する、
    請求項1又は2記載の計測装置。
  4. 前記理論値と、前記理論値の補正値とを対応付けて記憶する補正値記憶部をさらに備え、
    前記物性値取得部は、前記補正値記憶部に記憶された前記理論値に対応する前記補正値を用いて、前記物性値の分布を取得する、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の計測装置。
  5. 前記物性値取得部は、前記計測値に対して近傍界/遠方界変換を施し、前記近傍界/遠方界変換が施された前記計測値を前記理論値と比較する、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の計測装置。
  6. 計測装置が、
    電磁波を対象エリアに照射した結果得られた反射波の計測値を取得する計測値取得ステップと、
    前記計測値と、前記対象エリアを層状誘電体でモデル化することによって計算される理論値とを比較することにより、前記対象エリア内の物性値の前記電磁波の照射方向の分布を取得する物性値取得ステップと、
    前記物性値の分布を出力する出力ステップと、
    を備える計測方法。
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