JP2018141061A - 硬化性組成物、その硬化物の製造方法および硬化物 - Google Patents
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Abstract
【課題】粘度が低く、かつ、接着性に優れた硬化物が得られる硬化性組成物、その硬化物の製造方法および硬化物を提供する。【解決手段】カチオン重合性成分(A)およびカチオン重合開始剤(B)を含有する硬化性組成物において、カチオン重合性成分(A)として、芳香族二官能エポキシ化合物(A1−a)および芳香族三官能エポキシ化合物(A1−b)を必須とし、芳香族エポキシ化合物(A1)の合計が、カチオン重合成分(A)の主成分である。芳香族二官能エポキシ化合物(A1−a):芳香族三官能エポキシ化合物(A1−b)の比が90:10〜60:40であることが好ましい。【選択図】なし
Description
本発明は、硬化性組成物(以下、単に「組成物」とも称す)、その硬化物の製造方法および硬化物に関し、詳しくは、粘度が低く、かつ、接着性に優れた硬化物が得られる硬化性組成物、その硬化物の製造方法および硬化物に関する。
硬化性組成物は接着剤として広く使用されており、接着剤は、自動車、航空機、電気・電子機器を含む広い分野において用いられている。特に、近年では、電気・電子機器における接着技術の適用は、ますます多様で高度化している。また、電気・電子機器において使用される材料も新たに開発され、多種・多様になっており、従来の接着剤では、十分な要求を満足させることができなくなっている。特に従来の接着剤では、液晶表示装置に用いられる偏光板に代表される微細な光学部品を製造する場合に求められる十分な要求を満足させることができなくなっている。
従来開示された接着剤としては、例えば特許文献1では、強い照度の光を照射したり、光照射後に加熱(アフターキュア)をしたりする必要がない光硬化型エポキシ樹脂系接着剤として、芳香族エポキシ樹脂と、脂肪族エポキシ樹脂と、脂環式エポキシ樹脂および/またはオキセタン化合物と、光重合開始剤と、を含む光硬化型エポキシ樹脂系接着剤が提案されている。また、特許文献2には、三員環上のオキシラン化合物と、光重合開始剤と、エチレン性不飽和化合物と、水とを含有する光重合性組成物が提案されている。
しかしながら、特許文献1、2で提案されているような、従来開示された接着剤は、粘度が高いことから接着剤を薄くすることが困難であることや、接着力が不十分であることが大きな問題となっていた。
そこで、本発明の目的は、粘度が低く、かつ、接着性に優れた硬化物が得られる硬化性組成物、その硬化物の製造方法および硬化物を提供することにある。
本発明者等は、上記問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の組成を有する硬化性組成物であれば、上記課題を解消できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の硬化性組成物は、カチオン重合性成分(A)およびカチオン重合開始剤(B)を含有する硬化性組成物において、
前記カチオン重合性成分(A)として、芳香族二官能エポキシ化合物(A1−a)および芳香族三官能エポキシ化合物(A1−b)を必須し、芳香族エポキシ化合物(A1)の合計が前記カチオン重合成分(A)の主成分であることを特徴とするものである。ここで主成分とは、カチオン重合性成分の合計のうち、同種のカチオン重合性成分の合計が最も多いものをいう。
前記カチオン重合性成分(A)として、芳香族二官能エポキシ化合物(A1−a)および芳香族三官能エポキシ化合物(A1−b)を必須し、芳香族エポキシ化合物(A1)の合計が前記カチオン重合成分(A)の主成分であることを特徴とするものである。ここで主成分とは、カチオン重合性成分の合計のうち、同種のカチオン重合性成分の合計が最も多いものをいう。
本発明の組成物においては、前記芳香族二官能エポキシ化合物(A1−a):前記芳香族三官能エポキシ化合物(A1−b)の比が90:10〜60:40であることが好ましい。
また、本発明の硬化物の製造方法は、基体を準備する基体準備工程と、硬化性組成物を基体に塗布する塗布工程と、エネルギー線を照射する照射工程または50〜200℃で加熱する加熱工程と、を含む硬化物の製造方法において、
前記硬化性組成物が、本発明の硬化性組成物であることを特徴とするものである。
前記硬化性組成物が、本発明の硬化性組成物であることを特徴とするものである。
さらに、本発明の硬化物は、本発明の硬化性組成物からなることを特徴とするものである。
本発明によれば、粘度が低く、かつ、接着性に優れた硬化物が得られる硬化性組成物、その硬化物の製造方法および硬化物を提供することができる。本発明の組成物は、その奏する効果から、接着剤として好適に使用することができ、より具体的には、光カチオン硬化型接着剤や熱カチオン硬化型接着剤の用途に好適に使用することができる。
本発明の組成物は、粘度が低いことから接着剤を薄くすることができ、さらに接着性が高いことから、偏光板に代表される微細な光学部品を製造する場合に用いられる接着剤として好適である。上記偏光板に用いられる接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール(以下、PVAと略す場合がある)系偏光子フィルムの両面にトリアセチルセルロース(以下、TACと略す場合がある)系フィルムを貼り合せる際に用いられる接着剤や、片面に保護フィルムもしくは光学補償フィルムとしてポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、非結晶性ポリオレフィン系樹脂やシクロオレフィン系樹脂を、もう片面にTAC系フィルムを貼り合せる際に用いられる接着剤を好適な用途として挙げることができる。
以下、本発明の硬化性組成物、その硬化物の製造方法および硬化物につき、詳細に説明する。本発明の組成物は、カチオン重合性成分(A)およびカチオン重合開始剤(B)を含有する硬化性組成物である。本発明の組成物においては、カチオン重合性成分(A)として、芳香族二官能エポキシ化合物(A1−a)および芳香族三官能エポキシ化合物(A1−b)を必須とし、芳香族エポキシ化合物(A1)の合計が、カチオン重合成分(A)の主成分である。
芳香族エポキシ化合物(A1)は、芳香環を含むエポキシ化合物を指し、芳香族エポキシ化合物の具体例としては、フェノール、クレゾール、ブチルフェノール等、少なくとも1個の芳香族環を有する多価フェノールまたは、そのアルキレンオキサイド付加物のモノ/ポリグリシジルエーテル化物、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、またはこれらにさらにアルキレンオキサイドを付加した化合物のグリシジルエーテル化物やエポキシノボラック樹脂;レゾルシノールやハイドロキノン、カテコール等の2個以上のフェノール性水酸基を有する芳香族化合物のモノ/ポリグリシジルエーテル化物;フェニルジメタノールやフェニルジエタノール、フェニルジブタノール等のアルコール性水酸基を2個以上有する芳香族化合物のグリシジルエーテル化物;フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の2個以上のカルボン酸を有する多塩基酸芳香族化合物のグリシジルエステル、安息香酸のグリシジルエステル、スチレンオキサイドまたはジビニルベンゼンのエポキシ化物等が挙げられる。
上記芳香族二官能エポキシ化合物(A1−a)は、芳香環を含む二官能エポキシ化合物を指し、具体例としては、少なくとも1個の芳香族環を有する多価フェノールまたは、そのアルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル化物;ビスフェノールA、ビスフェノールF、またはこれらにさらにアルキレンオキサイドを付加した化合物のグリシジルエーテル化物やエポキシノボラック樹脂;レゾルシノールやハイドロキノン、カテコール等の2個以上のフェノール性水酸基を有する芳香族化合物のジグリシジルエーテル化物;フェニルジメタノールやフェニルジエタノール、フェニルジブタノール等のアルコール性水酸基を2個以上有する芳香族化合物のジグリシジルエーテル化物;フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の2個以上のカルボン酸を有する多塩基酸芳香族化合物のジグリシジルエステル等が挙げられる。
芳香族三官能エポキシ化合物(A1−b)は、芳香環を含む三官能エポキシ化合物を指し、具体例としては、公知の方法でトリスフェノール化合物とエピクロロヒドリンの縮合によって得られる。トリスフェノール化合物としては特に限定されるものではないが、例えば、1−[α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−[α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,3,5−トリス[α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,1,1−トリス(ヒドロキシフェニル)メタン、1−[α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−3−[α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等が挙げられる。
芳香族エポキシ化合物(A1)としては、市販品のものを用いることができ、例えば、芳香族二官能エポキシ化合物(A1−a)としては、デナコールEX−201、デナコールEX−203、デナコールEX−711、デナコールEX−721;アデカレジンEP−4000、アデカレジンEP−4005、アデカレジンEP−4100、アデカレジンEP−4901((株)ADEKA製);オグソールPG−100、オグソールEG−200、オグソールEG−210、オグソールEG−250(大阪ガスケミカル(株)社製);jER−1001、jER−1002、jER−1004、jER−1007、jER−1009、jER−1010、エピコートYX8800(三菱化学(株)製);HP4032、HP4032D(DIC(株)製)等が挙げられ、芳香族三官能エポキシ化合物としては、アデカレジンEP−5100R((株)ADEKA製);TECHMORE VG−3101L((株)プリンテック社製)等が挙げられ、四官能以上の芳香族多官能エポキシ化合物としては、マープルーフG−0105SA、マープルーフG−0130SP(日油(株)製);エピクロンN−665、エピクロンHP−7200、HP4700(DIC(株)製);EOCN−1020、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S、XD−1000、NC−3000、EPPN−501H、EPPN−501HY、EPPN−502H、NC−7000L(日本化薬(株)製)等が挙げられる。
本発明の組成物においては、芳香族二官能エポキシ化合物(A1−a):芳香族三官能エポキシ化合物(A1−b)の比は90:10〜60:40であることが好ましい。
本発明の組成物に用いるカチオン重合性成分(A)としては、上記芳香族二官能エポキシ化合物(A1−a)および芳香族三官能エポキシ化合物(A1−b)の他、脂環式エポキシ化合物(A2)、脂肪族エポキシ化合物(A3)、エポキシ基およびエチレン性不飽和基を有する化合物(A4)、オキセタン化合物(A5)、ビニルエーテル化合物(A6)等を併用してもよい。
上記脂環式エポキシ化合物(A2)とは、飽和環にスペーサーを介さず直接オキシラン環が結合しているものをさし、脂環式エポキシ化合物(A2)の具体例としては、少なくとも1個の脂環式環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル化物またはシクロヘキセンやシクロペンテン環含有化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキサイドやシクロペンテンオキサイド含有化合物が挙げられる。例えば、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−1−メチルヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、プロパン−2,2−ジイル−ビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシ−2−エポキシエチルシクロヘキサン、α−ピネンオキシド、リモネンジオキシド等が挙げられる。
脂環式エポキシ化合物(A2)としては、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートまたは3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−1−メチルヘキサンカルボキシレートが、接着性向上の観点から好ましい。
上記脂環式エポキシ化合物(A2)としては、市販品のものを用いることができ、例えば、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2000、セロキサイド3000((株)ダイセル製)等が挙げられる。
上記脂肪族エポキシ化合物(A3)とは、後述の芳香族エポキシ化合物(A1)や脂環式エポキシ化合物(A2)に分類されないエポキシ化合物を指し、脂肪族エポキシ化合物の具体例としては、脂肪族アルコールのグリシジルエーテル化物、アルキルカルボン酸のグリシジルエステル等の単官能エポキシ化合物や、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル化物、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル等の多官能エポキシ化合物が挙げられる。代表的な化合物として、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、C12〜13混合アルキルグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエンジメタノールジグリシジルエーテル等の多価アルコールのグリシジルエーテル、またはプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル化物、脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステルが挙げられる。さらに、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルや高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ化大豆油、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。
脂肪族エポキシ化合物(A3)としては、脂肪族アルコールのグリシジルエーテル化物あるいは脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル化物が、粘度、塗工性および反応性が向上するので好ましい。
上記脂肪族エポキシ化合物(A3)としては、市販品のものを用いることができ、例えば、デナコールEX−121、デナコールEX−171、デナコールEX−192、デナコールEX−211、デナコールEX−212、デナコールEX−313、デナコールEX−314、デナコールEX−321、デナコールEX−411、デナコールEX−421、デナコールEX−512、デナコールEX−521、デナコールEX−611、デナコールEX−612、デナコールEX−614、デナコールEX−622、デナコールEX−810、デナコールEX−811、デナコールEX−850、デナコールEX−851、デナコールEX−821、デナコールEX−830、デナコールEX−832、デナコールEX−841、デナコールEX−861、デナコールEX−911、デナコールEX−941、デナコールEX−920、デナコールEX−931(ナガセケムテックス(株)社製);エポライトM−1230、エポライト40E、エポライト100E、エポライト200E、エポライト400E、エポライト70P、エポライト200P、エポライト400P、エポライト1500NP、エポライト1600、エポライト80MF、エポライト100MF(共栄社化学(株)製)、アデカグリシロールED−503、アデカグリシロールED−503G、アデカグリシロールED−506、アデカグリシロールED−523T、アデカレジンEP−4088S((株)ADEKA製)等が挙げられる。
上記エポキシ基およびエチレン性不飽和基を有する化合物(A4)としては、例えば、エポキシアクリレートまたはエポキシメタクリレートを挙げることができ、具体的には、従来公知の芳香族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と、アクリル酸またはメタクリル酸とを反応させて得られるアクリレート等である。これらのエポキシアクリレートまたはエポキシメタクリレートのうち、特に好ましいものは、アルコール類のグリシジルエーテルのアクリレートまたはメタクリレートである。
上記オキセタン化合物(A5)としては、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン等の二官能脂肪族オキセタン化合物、3−エチル−3−[(フェノキシ)メチル]オキセタン、3−エチル−3−(ヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(ヒドロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(クロロメチル)オキセタン等の一官能オキセタン化合物等が挙げられる。これらは1種単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記オキセタン化合物(A5)としては、カチオン硬化性モノマーを主成分とする市販品のものを用いることができ、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(丸善石油化学(株)製);アロンオキセタンOXT−121、OXT−221、EXOH、POX、OXA、OXT−101、OXT−211、OXT−212(東亞合成(株)製)、エタナコールOXBP、OXTP(宇部興産(株)製)等が挙げられる。
上記ビニルエーテル化合物(A6)としては、例えば、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、1,6−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,6−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等が挙げられる。
本発明の組成物に用いられるカチオン重合開始剤(B)は特に限定されるものではなく、周知一般のカチオン重合開始剤を使用することができるが、例えば、光カチオン重合開始剤や熱カチオン重合開始剤を挙げることができる。
光カチオン重合開始剤は、可視光線、紫外線、X線、電子線等の活性エネルギー線の照射によって、カチオン種またはルイス酸を発生し、エポキシ基の重合を開始する。
本発明の組成物に用いることができる光カチオン重合開始剤は特に制限されるものではなく、周知一般の光カチオン重合開始剤を用いることができる。本発明に好適に用いられる光カチオン重合開始剤としては、スルホニウム塩やヨウドニウム塩を挙げることができる。
スルホニウム塩系の例として、例えば、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4,4’−ビス〔ジフェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロアンチモネート、4,4’−ビス〔ジ(β−ヒドロキシエトキシ)フェニルスルホニオ〕ジフェニルスルフィド ビスヘキサフルオロホスフェート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン ヘキサフルオロアンチモネート、7−〔ジ(p−トルイル)スルホニオ〕−2−イソプロピルチオキサントン テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルカルボニル−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロホスフェート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジフェニルスルホニオ−ジフェニルスルフィド ヘキサフルオロアンチモネート、4−(p−tert−ブチルフェニルカルボニル)−4’−ジ(p−トルイル)スルホニオ−ジフェニルスルフィド テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
ヨードニウム塩系の例として、例えば、ジフェニルヨードニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジ(4−ノニルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
これらの光カチオン重合開始剤は、それぞれ単独で使用しても、または二種以上を使用してもよい。これらの光カチオン重合開始剤の市販品には、例えば、ローディア社から市販されている、商品名PI−2074がある。
本発明の組成物に用いることができる熱カチオン重合開始剤は特に制限されるものではなく、周知一般の熱カチオン重合開始剤を用いることができる。本発明に好適に用いられる熱カチオン重合開始剤としては、例えば、ベンジルスルホニウム塩、チオフェニウム塩、チオラニウム塩、ベンジルアンモニウム、ピリジニウム塩、ヒドラジニウム塩、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、アミンイミド等が挙げられる。
これらの開始剤は、市販品を入手することが可能であり、例えば、商品名アデカオプトンCP77(以上、(株)ADEKA製)、CI−2639、CI−2624(以上、日本曹達(株)製)、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L、サンエイドSI−60L(以上、三新化学工業(株)製)等が挙げられる。熱カチオン重合開始剤は、カチオン重合性成分(A)100質量部当たり、0.5〜10質量部の範囲で配合するのが好ましい。
カチオン重合性成分(A)とカチオン重合開始剤(B)の混合比は、カチオン重合性成分(A)100質量部に対し、カチオン重合開始剤(B)0.5〜10質量部となるようにする。
さらに、本発明の組成物においては、必要に応じて光増感剤を併用することができる。光増感剤を使用することで、反応性が向上し、硬化物の機械強度や接着強度を向上させることができる。光増感剤としては、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾおよびジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素等が挙げられる。
光増感剤の例として、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノンのようなベンゾイン誘導体;ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンのようなベンゾフェノン誘導体;2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンのようなチオキサントン誘導体;2−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノンのようなアントラキノン誘導体;N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドンのようなアクリドン誘導体;その他、α,α−ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、フルオレノン、キサントン、ウラニル化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素等が挙げられ、これらに限定されない。また、これらは、単独で使用しても、または二種以上を使用してもよい。光増感剤の市販品には、例えばカヤキュアDETX−S(日本化薬(株)製)等が挙げられる。光増感剤は、カチオン重合性成分(A)100質量部当たり、0.01〜5質量部の範囲で配合するのが好ましい。
本発明の組成物には、さらにエポキシ基を有さないエチレン性不飽和化合物を用いることができ、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等の不飽和脂肪族炭化水素;グリシジル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリ[(メタ)アクリロイルエチル]イソシアヌレート、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー等の不飽和一塩基酸および多価アルコールまたは多価フェノールのエステル;(メタ)アクリルアミド、メチレンビス−(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリルアミド等の不飽和一塩基酸および多価アミンのアミド;スチレン、4−メチルスチレン、4−エチルスチレン、4−メトキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−クロロスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ビニルフェノール、ビニルベンジルメチルエーテル、ビニルベンジルグリシジルエーテル等の不飽和芳香族化合物;マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド類;インデン、1−メチルインデン等のインデン類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン類等が挙げられる。
これらのエポキシ基を有さないエチレン性不飽和化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができ、また2種以上を混合して使用する場合には、それらを予め共重合して共重合体として使用してもよい。
本発明の組成物においては、本発明の効果を損なわない限り、その他の添加剤、例えば酸化防止剤、シランカップリング剤を配合することができる。
酸化防止剤の市販品には、例えばジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、イルガノックス1010、イルガノックス1035FF、イルガノックス565等が挙げられる。酸化防止剤の使用量は、カチオン重合性成分(A)100質量部当たり、0〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。
シランカップリング剤の市販品には、例えばエポキシ系(例KBM403、KBM303)、ビニル系(KBM1003)、アクリル系シランカップリング剤(KBM503)、3−エチル(トリエトキシシリルプロポキシメチル)オキセタン(TESOX(東亞合成(株)製))等が挙げられる。シランカップリング剤の使用量は、カチオン重合性成分(A)100質量部当たり、0〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。
本発明の組成物は、粘度が200mPa・s以下(25℃)、好ましくは120mPa・s以下(25℃)である場合が好ましい。接着剤は、粘度が低い程、塗布が行ない易く、また接着剤層の塗布厚みが薄くでき、例えば偏光板に保護フィルムまたは光学補償フィルムを貼り付けるのに好適に使用することができる。
本発明の組成物は、上述した成分を容器中で撹拌し、均一な液体になるまで撹拌することで得ることができる。また、本発明におけるカチオン重合開始剤(B)として、光カチオン重合開始剤および熱カチオン重合開始剤を混合して使用することもできる。このような組成物も接着剤として好適に使用することができる。
本発明の硬化物の製造方法は、基体を準備する基体準備工程と、硬化性組成物を基体に塗布する塗布工程と、エネルギー線を照射する照射工程または50〜200℃で加熱する加熱工程と、を含む。本発明の硬化物の製造方法においては、塗布工程で用いる硬化性組成物が、本発明の硬化性組成物である。
基体準備工程に用いる基体の材質としては、例えばシリコン;窒化ケイ素、窒化チタン、窒化タンタル、酸化チタン、窒化チタン、酸化ルテニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ランタン等のセラミックス;ソーダガラス、石英ガラス等のガラス;金属ルテニウム等の金属;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース等のセルロースエステル;ポリアミド;ポリカーボネート;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリビニルアルコール;ポリスチレン;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;シクロオレフィン系樹脂;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリエーテルイミド;ポリオキシエチレン、ノルボルネン樹脂等;が挙げられることができるが、少なくとも基体の片側は可視光を透過する樹脂フィルムである。これらのなかでも、PVA、TAC、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、非結晶性ポリオレフィン系樹脂およびクロオレフィン系樹脂を用いた場合は、硬化物と基体との接着力が良好なことから好ましい。非結晶性ポリオレフィン系樹脂は、通常、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマーのような環状ポリオレフィンの重合単位を有するものであり、環状オレフィンと鎖状環状オレフィンとの共重合体であってもよい。
市販されている非結晶性ポリオレフィン系樹脂として、JSR(株)製の商品名アートン、日本ゼオン(株)製のZEONEX、ZEONOR、三井化学(株)製のAPO、アペル等がある。非結晶性ポリオレフィン系樹脂を製膜してフィルムにするには、溶剤キャスト法、溶融押出法等、公知の方法が適宜用いられる。基材への貼り合せに先立って、樹脂フィルムの貼り合せ面に、コロナ処理,プラズマ処理、エキシマ処理、UV処理を行ってもよい。このような処理を行うことによって、接着が一層容易になる。基体の形状としては、板状、球状、繊維状、鱗片状が挙げられ、基体表面は、平面であってもよく、トレンチ構造等の三次元構造となっていてもよい。本発明の硬化物を形成する方法に用いられる基体の形状は板状が好ましく、その表面は平面であることが好ましい。
塗布工程に用いられる塗布方法としては、特に限定されるものではないが、例えばスピンコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段を用いることができる。各塗布方法には、それぞれ最適な粘度範囲があるため、溶剤を用いて粘度調整を行ってもよい。このための溶剤には、偏光子の光学性能を低下させることなく、光カチオン硬化型接着剤を良好に溶解するものが用いられるが、その種類に特別な限定はない。例えば、トルエンに代表される炭化水素類、酢酸エチルに代表されるエステル類等の有機溶剤が使用できる。
照射工程に用いられるエネルギー線は、特に限定されるものではないが、例えば、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、水銀蒸気アーク灯、キセノンアーク灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、タングステンランプ、エキシマーランプ、殺菌灯、発光ダイオード、CRT光源等から得られる2000オングストロームから7000オングストロームの波長を有する電磁波エネルギーや電子線、X線、放射線等の高エネルギー線を利用することができる。好ましくは、波長300〜450nmの光を発光する超高圧水銀ランプ、水銀蒸気アーク灯、カーボンアーク灯、キセノンアーク灯等が挙げられる。
さらに、露光光源にレーザー光を用いることにより、マスクを用いずに、コンピューター等のデジタル情報から直接画像を形成するレーザー直接描画法が、生産性のみならず、解像性や位置精度等の向上も図れることから有用であり、そのレーザー光としては、340〜430nmの波長の光が好適に使用されるが、エキシマーレーザー、窒素レーザー、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、ヘリウムネオンレーザー、クリプトンイオンレーザー、各種半導体レーザーおよびYAGレーザー等の可視から赤外領域の光を発するものも用いられる。これらのレーザーを使用する場合には、可視から赤外の当該領域を吸収する増感色素が加えられる。また、ハーフトーンマスクを使用して用いることもできる。上記エネルギー線を照射する工程の後、室温で一晩または40〜100℃で1〜10分間熱養生して、硬化を確実にすることが好ましい。
加熱工程で用いられる加熱方法としては、周知一般の方法を使用することができ、例えば、ヒーター等を使用することを挙げることができる。加熱条件は使用する触媒に応じて50〜200℃の範囲内で適切に調整すればよい。加熱時間は、1〜60分間実施することが好ましい。上記50〜200℃で加熱する工程の後、室温で一晩または40〜100℃で1〜10分間熱養生して、硬化を確実にするのが好ましい。
以下に、本発明を実施例により示すが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[実施例1〜9および比較例1〜3]
表1、2に示す配合で実施例1〜9および比較例1〜3の組成物を調製した。得られた各組成物につき、粘度および密着性について、下記の手順で評価した。
表1、2に示す配合で実施例1〜9および比較例1〜3の組成物を調製した。得られた各組成物につき、粘度および密着性について、下記の手順で評価した。
<粘度>
各組成物の粘度を、東機産業社製のE型粘度計TVE−25Lを用いて測定することで評価した。結果を表1、2に併記する。
各組成物の粘度を、東機産業社製のE型粘度計TVE−25Lを用いて測定することで評価した。結果を表1、2に併記する。
<密着性>
各組成物を、各々1枚のコロナ放電処理をしたTACフィルムに塗布した後、ラミネーターを用いてコロナ放電処理を施したCOP(シクロオレフィンポリマー)フィルムと貼り合わせ、無電極紫外光ランプを用いて1000mJ/cm2のエネルギーを照射して接着して各試験片を得た。
各組成物を、各々1枚のコロナ放電処理をしたTACフィルムに塗布した後、ラミネーターを用いてコロナ放電処理を施したCOP(シクロオレフィンポリマー)フィルムと貼り合わせ、無電極紫外光ランプを用いて1000mJ/cm2のエネルギーを照射して接着して各試験片を得た。
得られた各試験片の接着力をAIKOH社製FTN−13A/500を用い、90度剥離試験で評価した。接着力が1.0N/cm以上である場合を++、接着力が1.0N/cm未満である場合を−として評価した。結果を表1、2に併記する。
カチオン重合性成分(A)としては下記の化合物A1−a1、A1−a2、A1−b1、A2−1〜A2−2、A3−1、A5−1およびA5−2を用いた。
化合物A1−a1:アデカレジンEP−4100L(ビスフェノールA型二官能エポキシ:(株)ADEKA製)
化合物A1−a2:アデカレジンEP−4901L(ビスフェノールF型二官能エポキシ:(株)ADEKA製)
化合物A1−b1:TECHMORE VG3101(芳香族三官能エポキシ:(株)プリンテック社製)
化合物A2−1:セロキサイド2021P(脂環式エポキシ:(株)ダイセル社製)
化合物A2−2:リモネンジオキシド
化合物A3−1:1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル
化合物A5−1:アロンオキセタンOXT−221
化合物A5−2:アロンオキセタンOXT−101
化合物A1−a1:アデカレジンEP−4100L(ビスフェノールA型二官能エポキシ:(株)ADEKA製)
化合物A1−a2:アデカレジンEP−4901L(ビスフェノールF型二官能エポキシ:(株)ADEKA製)
化合物A1−b1:TECHMORE VG3101(芳香族三官能エポキシ:(株)プリンテック社製)
化合物A2−1:セロキサイド2021P(脂環式エポキシ:(株)ダイセル社製)
化合物A2−2:リモネンジオキシド
化合物A3−1:1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル
化合物A5−1:アロンオキセタンOXT−221
化合物A5−2:アロンオキセタンOXT−101
カチオン重合開始剤(B)としては下記の化合物B−1を用いた。
化合物B−1:下記構造式(I)、(II)で表される化合物の混合物のプロピレンカーボネート50%溶液
化合物B−1:下記構造式(I)、(II)で表される化合物の混合物のプロピレンカーボネート50%溶液
表1、2の結果より、実施例1〜8は比較例1と同様に粘度が120mPa・s未満であることから、液晶表示装置に用いられる偏光板に代表される微細な光学部品を製造する場合に用いられる接着剤として十分に機能する粘度であることがわかった。
また、実施例1〜8は全てで優れた接着力を示すことがわかった。一方で、比較例1、2はいずれも接着力が乏しいことがわかった。
Claims (5)
- カチオン重合性成分(A)およびカチオン重合開始剤(B)を含有する硬化性組成物において、
前記カチオン重合性成分(A)として、芳香族二官能エポキシ化合物(A1−a)および芳香族三官能エポキシ化合物(A1−b)を必須とし、芳香族エポキシ化合物(A1)の合計が、前記カチオン重合成分(A)の主成分であることを特徴とする硬化性組成物。 - 前記芳香族二官能エポキシ化合物(A1−a):前記芳香族三官能エポキシ化合物(A1−b)の比が90:10〜60:40である請求項1記載の硬化性組成物。
- 基体を準備する基体準備工程と、硬化性組成物を基体に塗布する塗布工程と、エネルギー線を照射する照射工程と、を含む硬化物の製造方法において、
前記硬化性組成物が、請求項1または2記載の硬化性組成物であることを特徴とする硬化物の製造方法。 - 基体を準備する基体準備工程と、硬化性組成物を基体に塗布する塗布工程と、50〜200℃で加熱する加熱工程と、を含む硬化物の製造方法において、
前記硬化性組成物が、請求項1または2記載の硬化性組成物であることを特徴とする硬化物の製造方法。 - 請求項1または2記載の硬化性組成物からなることを特徴とする硬化物。
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WO2020066830A1 (ja) * | 2018-09-28 | 2020-04-02 | 住友化学株式会社 | 光学積層体、偏光板複合体、及び画像表示装置 |
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2017
- 2017-02-28 JP JP2017035921A patent/JP2018141061A/ja active Pending
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