JP2018138771A - ガスタービン用脱硝制御装置、ガスタービン複合発電設備、ガスタービン用脱硝制御方法およびガスタービン用脱硝制御プログラム - Google Patents

ガスタービン用脱硝制御装置、ガスタービン複合発電設備、ガスタービン用脱硝制御方法およびガスタービン用脱硝制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】拡散パイロットと予混合パイロットの切替時において大きく変化するNOxに対応した還元剤注入量を制御可能なガスタービン用脱硝制御装置、ガスタービン複合発電設備、ガスタービン用脱硝制御方法およびガスタービン用脱硝制御プログラムを提供することを目的とする。【解決手段】拡散パイロットバーナを用いる拡散パイロットと予混合パイロットバーナを用いる予混合パイロットとを切り替えて運転する燃焼器40を備えたガスタービン100の燃焼排ガスの脱硝を行う脱硝装置77に対して脱硝反応を行う還元剤を注入して燃焼排ガス中の窒素酸化物の除去を行うガスタービン用脱硝制御装置50において、拡散パイロットと予混合パイロットとの切替時に燃焼排ガスの脱硝に用いられる還元剤にバイアス量を加えるバイアス量指令制御部52と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ガスタービン用脱硝制御装置、ガスタービン複合発電設備、ガスタービン用脱硝制御方法およびガスタービン用脱硝制御プログラムに関するものである。
近年、大気放出される燃焼排ガスの環境影響を考慮して、燃焼排ガスに含まれる窒素酸化物(以下、NOx)等の低減が求められており、その許容値が環境管理値として規制されている。そのため、ガスタービンの燃焼器にも低NOx化の特性が要求されるようになった。これに対し、従来のガスタービンの燃焼器に使用されてきた拡散燃焼方式は、燃焼安定性が高い反面、燃料と酸素とが量論比になる部分に火炎が形成され、火炎温度が断熱火炎温度に近い高温になるため、NOxの排出濃度が高くなる。そこで、燃焼前に理論空燃比よりも空気の量が過剰な混合ガスを作り、それを燃焼するという希薄予混合燃焼方式が提案された。この方式は火炎温度を抑えた燃焼が可能となるため、低NOx化に対して優れている。しかし、希薄混合ガスは燃料濃度が低いので、火炎を保持することが困難である。
そこで、混合ガスとは別にパイロット燃焼バーナを使用し、メインの予混合燃焼バーナとは別の高温の燃焼ガスを作り、そのガスを主燃焼器の希薄混合ガスに吹き込んで安定的に燃焼を行う燃焼器が用いられている。このパイロット燃焼バーナにおいても、拡散燃焼方式と予混合燃焼方式を併用する方式がある。この場合は、燃焼が不安定な起動時には拡散燃焼を行い、ガスタービンが所定の負荷に達したら予混合燃焼に切り替えることにより、起動時における吹き消えを防止することができるとともに、低NOx化を実現している。例えば、特許文献1には、パイロットバーナの燃焼方式が自動的に拡散燃焼から予混合燃焼に切り替わることが開示されている。
また、ガスタービンから排出される燃焼排ガスに含まれるNOxを低減除去するために、排熱回収ボイラにおいて脱硝装置が設けられている。脱硝装置とは燃焼排ガスにアンモニア等の還元剤を注入し、NOxと還元剤を触媒中で反応させ、無害な窒素と水に還元して除去(いわゆる脱硝)する装置である。ここで、脱硝装置で未反応のNOxはそのまま大気中に排出される。そのため、アンモニアなどの還元剤を使用する場合には、その供給量が少なすぎると未反応のNOxが増えることになり、また多すぎると未反応の還元剤が排熱回収ボイラ出口から排出されることになる。このNOxは様々な要因により燃焼排ガスに含まれる量が変化することから、NOxの量の変化に対応した還元剤の注入量を調節する必要がある。
例えば、特許文献2には、バーナの点消火時にNOxの量が大きく変化することから、アンモニア流量を増減することが開示されている。また、特許文献3には、ガスタービン起動時または停止時においてガスタービンより排出されるNOxの急激な変化を予め予測し、最適なタイミングで還元剤を先行注入することで起動停止時のNOx濃度を規制値以下とし、また触媒層温度がアンモニア注入限界に満たない場合は、アンモニアの注入量をゼロとすることにより未反応のアンモニアの排出を防ぐことが開示されている。
特開平7−332672号公報 実開昭61−87519号公報 特開平5−23538号公報
上述した脱硝装置にて使用する還元剤の注入量は、従来は燃焼排ガス量、脱硝装置入口のNOx濃度、及びタービン入口の燃焼ガス温度に関連する値を用いて算出していた。
しかし、予混合パイロットバーナを使用(予混合パイロット)してNOxが低下できるようになり、ガスタービンの起動時や停止時に拡散パイロットバーナを使用(拡散パイロット)するにあたり、パイロットバーナを拡散パイロットバーナと予混合パイロットバーナとで切り替える場合、NOxの排出量が大きく変化するため還元剤もそれに合わせて変動する必要があり、還元剤の注入量が大きく変化する状況にある。
しかしながら、上記特許文献1に開示された発明では、拡散燃焼から予混合燃焼への切替における還元剤注入量の検討がなされておらず、また特許文献2及び3に開示された発明では、拡散燃焼から予混合燃焼への切替についての検討がなされていないため、切替時における還元剤注入の制御遅れが生じてしまうときはNOx排出量の増加を抑制するため、必要量以上の還元剤の注入を必要として、還元剤の消費量が増加してしまう場合があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、拡散パイロットと予混合パイロットの切替時において大きく変化するNOxに対応した還元剤注入量を制御可能なガスタービン用脱硝制御装置、ガスタービン複合発電設備、ガスタービン用脱硝制御方法およびガスタービン用脱硝制御プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のガスタービン用脱硝制御装置、ガスタービン複合発電設備、ガスタービン用脱硝制御方法およびガスタービン用脱硝制御プログラムは以下の手段を採用する。
本発明の第一態様に係るガスタービン用脱硝制御装置は、拡散パイロットバーナを用いる拡散パイロットと予混合パイロットバーナを用いる予混合パイロットとを切り替えて運転する燃焼器を備えたガスタービンの燃焼排ガスの脱硝を行う脱硝装置に対して、脱硝反応を行う還元剤を注入する還元剤注入部から前記還元剤を注入して前記燃焼排ガス中の窒素酸化物の除去を行うガスタービン用脱硝制御装置において、前記拡散パイロットと前記予混合パイロットとの切替時に前記燃焼排ガスの脱硝に用いられる前記還元剤にバイアス量を加えるバイアス量指令制御部と、を備える。
拡散パイロットバーナを用いる拡散パイロット及び予混合パイロットバーナを用いる予混合パイロットの切替を行うガスタービンにおいて、拡散パイロットバーナ使用時の窒素酸化物(以下、「NOx」とする)排出量と予混合パイロットバーナ使用時のNOx排出量とには大きな差がある。そのため、拡散パイロットと予混合パイロットとの切替時には、ガスタービンの燃焼排ガス中のNOx濃度が大きく変化する。燃焼排ガス中のNOxの除去には、アンモニアなどの還元剤の注入が行われることから、NOx排出量が大きく変化することにより、還元剤注入量の運用で必要量に適した値との注入量との差が非常に大きくなってしまう。また、各パイロットの切替時には、一時的にNOx濃度が上昇する。
そこで、本構成では、拡散パイロットと予混合パイロットとの切替時の一時的なNOxの上昇に対して脱硝に用いられる還元剤流量にバイアス量を加えることとした。
本構成によれば、還元剤注入量の運用で必要量に適した値との注入量との差を小さくし、還元剤消費量の増大を抑えることができ、運用コストを抑えることができる。また、各パイロットの切替に伴うNOx排出量の変化に追随してNOxと反応するように還元剤を注入するように対応することができ、精度の高い脱硝制御が可能となる。
上記第一態様では、前記バイアス量指令制御部は、前記脱硝装置の入口の窒素酸化物濃度を計測するNOx濃度計を備え、計測された脱硝装置入口NOx濃度に基づき決定された前記燃焼排ガスの脱硝に用いられる前記還元剤の流量に対し前記バイアス量を加えるとしてもよい。
上記第一態様では、前記NOx濃度計は、前記脱硝装置入口NOx濃度のレンジ切替機能を具備するとしてもよい。
本構成によれば、NOx濃度計は、拡散パイロットと予混合パイロットとの切替時に脱硝装置入口NOx濃度の大きな変化に応じてレンジ切替をすることから、各パイロットの切替時におけるNOx濃度の大きな変化に対して、高い精度で濃度を計測することができる。
上記第一態様では、さらに、還元剤流量指令制御部を備え、前記還元剤流量指令制御部は、還元剤流量調節弁の開度により前記還元剤の流量を制御するとしてもよい。
上記第一態様では、前記還元剤流量指令制御部は、還元剤流量計により計測された前記還元剤の流量および前記脱硝装置入口NOx濃度に基づき前記還元剤流量調節弁の開度を制御し、前記還元剤流量計はコリオリ流量計であるとしてもよい。
上記第一態様では、前記還元剤流量指令制御部は、前記ガスタービンが前記予混合パイロットにて一定の負荷で運転しており、かつ前記脱硝装置入口NOx濃度が第1閾値を下回る状態が所定の時間以上継続した場合、前記還元剤流量調節弁の開度を全閉にするとしてもよい。
NOx排出量には、環境管理値のように、環境に影響を及ぼさないように定められた規制値が一般的に設けられている。
本構成では、このNOx排出量、いいかえると脱硝装置入口NOx濃度が第1閾値(例えば環境管理値)を下回る状態が所定の時間以上継続した場合で、かつガスタービンが予混合パイロットにて一定の負荷で運転中である場合は、還元剤流量調節弁の開度を全閉にし、還元剤の流量をゼロにすることとした。
よって本構成によれば、NOx濃度が環境管理値を下回り、還元剤を注入する必要がない状態が維持されている場合に、還元剤流量調節弁の開度を全閉にすることで還元剤を消費しないため、還元剤の消費量を低減し、運用コストを抑えることができる。
上記第一態様では、前記還元剤流量指令制御部は、前記還元剤流量調節弁の開度が全閉でかつ前記脱硝装置入口NOx濃度が前記第1閾値よりも大きい第2閾値を上回る場合、前記還元剤流量調節弁の開度を制御するとしてもよい。
本構成によれば、脱硝装置入口NOx濃度が第1閾値を下回り還元剤流量調節弁の開度が全閉とされている時に、第1閾値よりも大きい値である第2閾値を上回ると、還元剤流量調節弁の開度を還元剤流量指令制御部により制御する。すなわち、還元剤流量調節弁を全閉としている状態から通常の脱硝制御へ切り替える場合、脱硝装置入口NOx濃度が第1閾値(例えば環境管理値)ではなく、第1閾値にヒステリシスをもたせた第2閾値を上回った場合に通常の脱硝制御へ切り替えるとする。
還元剤流量調節弁の開度を全閉としている期間において、NOx濃度の微変動で第1閾値を瞬間的に超える場合があることが想定される。この時、第1閾値を上回った時に通常の脱硝制御へ切り替えるとすると、意図しないNOx濃度の微小変動で第1閾値より若干量増減したのみで脱硝制御の切替(復帰)が行われてしまうことがある。
よって、第1閾値よりも大きい値である第2閾値を上回ると通常の制御に戻ることとしたため、NOx濃度の微変動により制御の切替が行われず、正しく通常の脱硝制御に復帰することが可能となる。
上記第一態様では、前記還元剤流量調節弁は、親子弁により構成されるとしてもよい。
本構成によれば、還元剤流量調節弁は、大流量を調整通過用の親弁と小流量を調整通過用の子弁を並列化した親子弁としたため、各パイロットの切替による還元剤の流量が大きい場合と小さい場合の大きな変化にも十分対応可能な構成とできる。
本発明の第二態様に係るガスタービン複合発電設備は、上述のいずれかに記載のガスタービン用脱硝制御装置と、取り込んだ空気を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機から排出された圧縮空気と燃料とを混合して燃焼する燃焼器と、前記燃焼器から供給された燃焼ガスにより回転するタービンと、前記タービンと同軸上に設けられ前記タービンが回転駆動することで発電する発電機と、を備えたガスタービンと、排熱回収ボイラと、を備える。
本発明の第三態様に係るガスタービン用脱硝制御方法は、ガスタービンの燃焼器の拡散パイロットバーナを用いる拡散パイロットと予混合パイロットバーナを用いる予混合パイロットとを切り替えるとともに、前記ガスタービンからの燃焼排ガスの脱硝反応を行う還元剤を注入して前記燃焼排ガス中の窒素酸化物の除去を行うガスタービン用脱硝制御方法において、前記拡散パイロットと前記予混合パイロットとの切替時に前記還元剤にバイアス量を加えるバイアス量制御ステップと、を備える。
本発明の第四態様に係るガスタービン用脱硝制御プログラムは、ガスタービンの燃焼器の拡散パイロットバーナを用いる拡散パイロットと予混合パイロットバーナを用いる予混合パイロットとを切り替えるとともに、前記ガスタービンからの燃焼排ガスの脱硝反応を行う還元剤を注入して前記燃焼排ガス中の窒素酸化物の除去を行うガスタービン用脱硝制御プログラムにおいて、前記拡散パイロットと前記予混合パイロットとの切替時に前記還元剤にバイアス量を加えるバイアス量制御工程と、を備える。
本発明によれば、拡散パイロットと予混合パイロットとの切替時に、還元剤にバイアス量を加えて、切替時に大きく変化するNOx排出量に追随するように還元剤注入量を制御し、還元剤消費量を最適化することができる。
本発明の第1実施形態に係るガスタービン複合発電設備を示した概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係るガスタービンの起動から停止までのガスタービンの負荷、アンモニア流量およびNOx濃度を示したタイムチャートである。 本発明の第1実施形態に係るガスタービン用脱硝制御装置の機能ブロック図である。 本発明の第2実施形態に係るNOx排出量が減少する場合のNOx排出量とアンモニア流量との関係を示したグラフである。 本発明の第2実施形態に係るNOx排出量が増加する場合のNOx排出量とアンモニア流量との関係を示したグラフである。
以下に、本発明に係るガスタービン用脱硝制御装置、ガスタービン複合発電設備、ガスタービン用脱硝制御方法およびガスタービン用脱硝制御プログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態について、図1乃至3を用いて説明する。
図1には、本実施形態に係るガスタービン用脱硝制御装置、ガスタービン複合発電設備、ガスタービン用脱硝制御方法およびガスタービン用脱硝制御プログラムの概略構成が示されている。
図1に示されるように、ガスタービン複合発電設備1は、ガスタービン100、排熱回収ボイラ70及びガスタービン用脱硝制御装置50を主な構成として備えている。
ガスタービン100は、圧縮機20、燃焼器40、タービン10及び発電機30を備えており、圧縮機20とタービン10と発電機30は、一体回転可能に同軸に連結されている。圧縮機20は、取り込んだ空気を圧縮する。燃焼器40は、圧縮機20から排出された圧縮空気と燃料とを混合して燃焼し高温・高圧の燃焼ガスを生成する。タービン10は、燃焼器40から供給された高温・高圧の燃焼ガスが断熱膨張することにより回転する。発電機30は、タービン10と同軸上に設けられており、タービン10が回転駆動することで発電する。
燃焼器40は、その内部に拡散パイロットバーナと予混合パイロットバーナとを備えている。拡散パイロットバーナを使用している状態を拡散パイロット、予混合パイロットバーナを使用している状態を予混合パイロットとする。ガスタービン100が運転している間は、拡散パイロットバーナ及び予混合パイロットバーナのいずれかを使用しており、そのため拡散パイロットと予混合パイロットとの切替が行われる。なお、拡散パイロットと予混合パイロットとの切替はパイロット切替制御部51で制御される。
ここで、タービン10の燃焼排ガス中には、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO)などの一般的にNOxで総称される窒素酸化物(以下、NOxとする。)が含まれている。拡散パイロットの場合は、燃料と酸化剤である圧縮空気が別々に噴出されて混合しながら燃焼していくため、混合過程で燃料濃度にむらが生じる。高濃度領域で燃焼が起こると、その部分が局所的に高温となり、NOxが多量に排出されNOx濃度が高くなる。これに対し予混合パイロットの場合は、燃料と酸化剤である圧縮空気が予め混合されているので燃焼による温度上昇は一様となるため、NOx排出量は少なくNOx濃度が低くなるが燃焼の不安定性から燃料流量など使用範囲の制限がある。
排熱回収ボイラ70は、上部熱交換器71、下部熱交換器72、NOx濃度計73及び脱硝装置77を備えている。タービン10から排出された燃焼排ガスは排熱回収ボイラ70に導かれて排熱が回収される。そして燃焼排ガスは排熱回収ボイラ70で排熱が蒸気などに回収され低温となったガスとなり、排ガスとして大気中に排出される。排熱回収ボイラ70に導かれるタービン10の燃焼排ガス中には前述したようにNOxが含まれている。脱硝装置77は、燃焼排ガスに還元剤注入ノズル(還元剤注入部)74から還元剤を注入する。本実施形態では例としてアンモニアを還元剤として使用する(以降、アンモニアと表す)。アンモニアを注入し触媒75を通過させてNOxとアンモニアを触媒中で反応させ無害な窒素(N)と水(HO)に還元することで、この燃焼排ガスに含まれるNOxを除去する。NOx濃度計73は、脱硝装置77入口の燃焼排ガスに含まれるNOxの濃度(窒素酸化物濃度)である脱硝装置入口NOx濃度を計測する。
本実施形態では、NOx濃度計73は、脱硝装置入口NOx濃度の大きな変化にも対応可能とするため、レンジ切替機能を備えているとする。
脱硝装置77において、アンモニアは、還元剤アキュームレータ61に接続した上述の還元剤注入ノズル74から注入される。還元剤アキュームレータ61と還元剤注入ノズル74とを接続するライン上には、アンモニアの流れに沿って上流から還元剤流量計62及び還元剤流量調節弁80が設けられている。本実施形態では、アンモニア流量の変化に対応するため、一例として還元剤流量調節弁80を親子弁(還元剤流量調節弁80a及び80bを並列化、(還元剤流量調節弁80aの調整通過流量を還元剤流量調節弁80bの調整通過流量より大きい))としている。以下の説明において、各還元剤流量調節弁80を区別する場合は、末尾にaまたはbのいずれかを付し、各還元剤流量調節弁80を区別しない場合は、aまたはbを省略する。
本実施形態では、還元剤流量計62は一例としてコリオリ流量計を用いるものとする。
ガスタービン用脱硝制御装置50は、燃焼器40から取得した情報に基づき、主にガスタービンの制御を行う。燃焼器40から取得する情報とは、本実施形態では例えば、タービン10の入口における燃焼ガス温度を無次元化したパラメータである燃焼負荷指令値(以下、「CLCSO」という。)、すなわちタービン10の入口の燃焼ガス温度に比例した値である。ここで、CLCSOは、例えば発電機出力と、IGV(Inlet Guide Vane:入口案内翼)開度指令値と、吸気温度と、吸気流量とタービンバイパス流量との比であるタービンバイパス比(タービンバイパス流量/吸気流量)と、大気圧と標準大気圧との比である大気圧比(大気圧/標準大気圧)とに基づいて算出される。
またガスタービン用脱硝制御装置50は、バイアス量指令制御部52を備える。バイアス量指令制御部52は、例えばCLCSOに基づき、各パイロットにおけるアンモニアのバイアス量の指令を制御する。
またガスタービン用脱硝制御装置50は、燃焼器40から取得したCLCSO、NOx濃度計73から取得した脱硝装置入口NOx濃度、および還元剤流量計62から取得したアンモニア流量に基づき、主に脱硝反応の制御を行う。ガスタービン用脱硝制御装置50は、還元剤流量指令制御部91を備え、還元剤流量指令制御部91は、ガスタービン用脱硝制御装置50が取得した前述の各情報に基づき、還元剤流量調節弁80の開度の制御によりアンモニア流量の指令を制御する。
ガスタービン用脱硝制御装置50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体等から構成されている。そして、各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で記憶媒体等に記憶されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。
次に、本実施形態に係るガスタービン複合発電設備と、これに適用されるガスタービン用脱硝制御装置50の作用について図2及び3を用いて説明する。
図2には、本発明の第1実施形態に係るガスタービンの起動から停止までのガスタービン負荷、アンモニア流量およびNOx濃度を示したタイムチャートが示されている。
同図において、縦軸は図の上からガスタービン負荷、アンモニア注入量(流量)、NOx濃度の各値を示し、横軸は時間を示す。ガスタービン負荷のタイムチャートにおいて、一点鎖線はガスタービン負荷を示し、破線は拡散パイロット、実線は予混合パイロットのそれぞれの運転状態を示す。
図3には、本発明の第1実施形態に係るガスタービン用脱硝制御装置の作用が機能ブロック図に示されている。
同図におけるPLAは拡散パイロット、PLBは予混合パイロット、Tは切替を示し、還元剤は本実施形態の例ではアンモニアを示す。
図2の時間t0にて、ガスタービン複合発電設備1の起動にあたり、ガスタービン100の燃焼器40が着火される。この時、拡散パイロットでガスタービン100の運転が開始される。前述したように拡散パイロットが使用されている場合はNOxの排出量が多いためにNOx濃度が高くなるため(図2のNOx濃度のタイムチャート参照)、NOx濃度計73が検出する脱硝装置入口NOx濃度がn2まで上昇し、この上昇状況を取得したガスタービン用脱硝制御装置50の還元剤流量指令制御部91により還元剤流量調節弁80に対し、アンモニア流量をNOx濃度に対応して多くするように還元剤流量調節弁80の開度を上げる制御が行われる。これにより、図2のアンモニア流量のタイムチャートに示されるように、時間t0の直後にアンモニア流量が急峻に上昇する。
また、図2の時間t0からt2までの間は、使用する制御回路として、拡散パイロット用回路を用いてNOx濃度の高いレベルに対してソフトウエア上での切替を行う。図2の時間t0からt2までの間は、図3の還元剤流量指令制御部91により制御された還元剤流量設定206によりアンモニア流量が設定され、切替器208において0%が選択されているため加算器210において0が加算、つまり還元剤流量指令制御部91により設定されたアンモニア流量にてアンモニアが還元剤注入ノズル74から注入される。
拡散パイロットによる運転が一定時間行われた後、図2の時間t1にて拡散パイロットバーナと並列してメインバーナによる運転が開始され、ガスタービン負荷のタイムチャートに示されるようにガスタービン100の負荷が上昇する。
図2の時間t2において、ガスタービン100の負荷が例えば50%に到達すると、時間t3までの間に、拡散パイロットから予混合パイロットへの切替制御が行われる。
具体的には、図3に示されるように、パイロット切替制御部51が、ORロジック211においてPLA→PLB切替中202を選択し、還元剤流量調節弁自動201(通常「ON」が選択されている)とANDロジック212にて結合される。
一方、バイアス量指令制御部52は、CLCSOに基づき、切替器207において拡散パイロットの場合のアンモニアのバイアス量であるPLAバイアス量204を選択する。
切替器208において、PLA→PLB切替中202が選択されていることから、PLAバイアス量204が選択される。還元剤流量指令制御部91により制御された還元剤流量設定206にてアンモニア流量が設定され、加算器210においてPLAバイアス量204が加算され、アンモニア流量に拡散パイロットの場合のアンモニアのバイアス量が加算された流量となるように還元剤流量調節弁80の開度が調節される。
これにより、図2の時間t2からt3のNOx濃度のタイムチャートに示されるように、各パイロットの切替時においてNOx濃度は一時的にn3まで上昇するが、これに対応して、アンモニア流量のタイムチャートに示されるようにアンモニア流量はバイアス量が加算されてNOx濃度の一時的急上昇に遅延することなく一時的に多く注入されることとなる。
以上のように、図2の時間t2からt3までの間に用いられた制御回路が、予混合パイロット用回路である。
図2の時間t3において拡散パイロットから予混合パイロットへの切替が終了し、予混合パイロットのみの運転となると、NOx濃度のタイムチャートに示されるようにNOx濃度は急激にn1まで減少し、これに伴いアンモニア流量も減少する。NOx濃度のn1とn2とは、本実施形態では例えば10倍程度の差があり、いわゆる一桁の大差が発生している。また、ガスタービン負荷は100%まで徐々に上昇する。
図2の時間t4においてガスタービン負荷が100%に到達すると、NOx濃度はほぼ一定の低い値を保ち、これに伴いアンモニア流量もほぼ一定の小流量となる。
図2の時間t5においてガスタービン負荷が100%から例えば50%まで徐々に減少すると、NOx濃度はさらに減少し、これに伴いアンモニア流量も減少する。
また、図2の時間t3からt6までの間は、使用する制御回路として、予混合パイロット用回路を用いて、図3の切替器208において0%が選択されているため、加算器210において還元剤流量指令制御部91により設定されたアンモニア流量には0が加算、つまり還元剤流量指令制御部91により設定されたアンモニア流量にてアンモニアが還元剤注入ノズル74から注入される。
また、還元剤流量調節弁80は、通常還元剤流量調節弁80aのみ、または還元剤流量調節弁80a及び80bの両方を用いてアンモニア流量を調節しているが、時間t3からt6までの間のように流量が少ない場合には、還元剤流量調節弁80bのみを用いる。
図2の時間t6において、ガスタービン100の負荷が例えば50%に到達すると、時間t7までの間に、予混合パイロットから拡散パイロットへの切替制御が行われる。
具体的には、図3に示されるように、パイロット切替制御部51が、ORロジック211においてPLB→PLA切替中203を選択し、還元剤流量調節弁自動201(通常「ON」が選択されている)とANDロジック212にて結合される。
一方、バイアス量指令制御部52は、CLCSOに基づき、切替器207において予混合パイロットの場合のアンモニアのバイアス量であるPLBバイアス量205を選択する。
切替器208において、PLB→PLA切替中203が選択されていることから、PLBバイアス量205が選択される。還元剤流量指令制御部91により制御された還元剤流量設定206にてアンモニア流量が設定され、加算器210においてPLBバイアス量205が加算され、アンモニア流量に予混合パイロットの場合のアンモニアのバイアス量が加算された流量となるように、還元剤流量調節弁80の開度が調節される。
これにより、図2の時間t6からt7のNOx濃度のタイムチャートに示されるように、各パイロットの切替時においてNOx濃度は一時的に上昇するが、これに対応して、アンモニア流量のタイムチャートに示されるようにアンモニア流量はバイアス量が加算されて一時的に多く注入されることとなる。 以上のように、図2の時間t6からt7までの間に用いられた制御回路が、予混合パイロット用回路である。
図2の時間t7において予混合パイロットから拡散パイロットへの切替が終了し、拡散パイロットのみの運転となると、NOx濃度のタイムチャートに示されるようにNOx濃度はn2まで減少し、これに伴いアンモニア流量も減少する。また、ガスタービン負荷は0%まで徐々に減少する。
図2の時間t8においてガスタービン負荷が0%に到達すると、NOx濃度も0となり、これに伴いアンモニア流量も0となる。その後、時間t9においてガスタービン複合発電設備1が停止する。
また、図2の時間t7からt8までの間は、使用する制御回路として、拡散パイロット用回路を用いて、図3の還元剤流量指令制御部91により制御された還元剤流量設定206によりアンモニア流量が設定され、切替器208において0%が選択されているため加算器210において0が加算、つまり還元剤流量指令制御部91により設定されたアンモニア流量にてアンモニアが還元剤注入ノズル74から注入される。
以上、説明してきたように、本実施形態に係るガスタービン用脱硝制御装置、ガスタービン複合発電設備、ガスタービン用脱硝制御方法およびガスタービン用脱硝制御プログラムによれば、以下の作用効果を奏する。
拡散パイロットバーナを用いる拡散パイロット及び予混合パイロットバーナを用いる予混合パイロットの切替を行うガスタービン100において、拡散パイロットバーナ使用時のNOx排出量と予混合パイロットバーナ使用時のNOx排出量とには大きな差がある。そのため、拡散パイロットと予混合パイロットとの切替時には、ガスタービン100の燃焼排ガス中のNOx濃度が大きく変化する。燃焼排ガス中のNOxの除去には、アンモニアの注入が行われることから、NOx排出量が大きく変化することにより、アンモニア注入量の制御に遅れが生じると、アンモニア注入量の運用する幅が大きくなってしまい、アンモニアの消費量が必要以上に増加したり、逆にアンモニア不足でNOxが増加するおそれがある。また、各パイロットの切替時には、一時的にNOx濃度が上昇する。
そこで、本構成では、拡散パイロットと予混合パイロットとの切替時に脱硝に用いられるアンモニア流量にバイアス量を加えることとした。
本構成によれば、各パイロットの切替に伴うNOx濃度の変化には、アンモニア流量にバイアス量を加えることで遅延することなく追随するように対応することができ、精度の高い脱硝制御が可能となる。そのため、アンモニア注入量の運用量として必要に適した値と実際の投入量との差が小さくなり、アンモニア消費量を適正化することができる。
また本実施形態によれば、NOx濃度計73は、拡散パイロットと予混合パイロットとの切替時の脱硝装置入口NOx濃度の大きな変化に応じてレンジ切替をすることから、各パイロットの切替時におけるNOx濃度の大きな変化に対して、高い精度で濃度を計測することができる。
また本実施形態によれば、還元剤流量調節弁80は、大流量を調整通過用の親弁と小流量を調整通過用の子弁を並列化した親子弁としたため、各パイロットの切替によるアンモニアの流量が大きい場合と小さい場合の大きな変化にも十分対応可能な構成とできる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態について、図4及び図5を用いて説明する。
上記した第1実施形態では、環境管理値などのNOx濃度の閾値についての検討を行わなかったが、本実施形態では、環境管理値などのNOx濃度の閾値に応じてさらに制御を行うものである。その他の点については第1実施形態と同様であるので、同様の構成については同一符号を付しその説明は省略する。
図2の時間t3からt6までの間が予混合パイロットにて運転を行っている場合は、NOx濃度のタイムチャートに示されるようにNOx濃度は非常に小さい値となる。この値は、環境管理値を下回る場合があり、その場合はアンモニアをあえて注入する必要がない。そこで、さらにアンモニアの消費量を抑えるために、次の<還元剤流量調節弁80全閉制御の条件>に挙げられた3つの条件が全て満たされる場合に、還元剤流量指令制御部91は、還元剤流量調節弁80を全閉とする制御を行う。
<還元剤流量調節弁80全閉制御の条件>
(1)ガスタービン100が予混合パイロットにて運転を行っている。
(2)脱硝装置入口NOx濃度および排熱回収ボイラ70の煙突入口におけるNOx濃度が例えば環境管理値以下の値である第1閾値を下回る状態が所定の時間(例えば10分〜60分の適値)以上継続している。
(3)ガスタービン100の負荷が変化中でない。
図4には、本実施形態に係るNOx排出量が減少する場合のNOx濃度と還元剤としての例であるアンモニア流量との関係がグラフに示されている。図4において、縦軸はアンモニア流量、横軸はNOx濃度である。
還元剤流量調節弁80は、親子弁とすることで流量の増減に対応しているが、少ない流量に対応した還元剤流量調節弁80bを用いた場合であっても微小流量についてはその制御が困難である。そこで、還元剤流量調節弁80の制御可能な最小流量でかつ還元剤流量計62が計測可能な流量をa1とする。また、アンモニア流量がa1の場合のNOx濃度がnsである場合、前述の<還元剤流量調節弁80全閉制御の条件>における第1閾値をns(ppm)(ns≦環境管理値)とする。
また、脱硝装置入口NOx濃度および排熱回収ボイラ70の煙突入口におけるNOx濃度がns以上の場合は、還元剤流量指令制御部91により設定されたアンモニア流量にて制御される。
<還元剤流量調節弁80全閉制御の条件>の(1)から(3)の全てを満たす状態で、脱硝装置入口NOx濃度および排熱回収ボイラ70の煙突入口におけるNOx濃度が第1閾値であるnsを下回る状態が所定の時間(例えば10分〜60分の適値)以上継続すると、還元剤流量指令制御部91は還元剤流量調節弁80を全閉とし、図4に示されるようにアンモニア流量は0とされる。
図5には、本実施形態に係るNOx発生量が増加する場合のNOx濃度とアンモニア流量との関係がグラフに示されている。図5において、縦軸はアンモニア流量、横軸はNOx濃度である。
還元剤流量調節弁80を全閉としている状態から通常の脱硝制御へ切り替える場合の閾値として前述の第1閾値であるnsを用いた場合、脱硝装置入口NOx濃度および排熱回収ボイラ70の煙突入口におけるNOx濃度が微変動により瞬間的にnsを超えることが想定され、本来通常の脱硝制御に戻すべきタイミングとは異なるタイミングでの意図しないNOx濃度の微小変動で第1閾値より若干量増減したのみで脱硝制御の復帰となる可能性がある。
そこで、第1閾値nsよりも大きな値である第2閾値ndを設定し、還元剤流量調節弁80を全閉としている状態から通常の脱硝制御へ切り替える場合の閾値として用いるものとする。第2閾値ndは、NOx濃度の変動幅を考慮しNOx濃度が第1閾値であるnsを瞬間的に超えても通常の脱硝制御に戻らないように設定され、例えばns+1(ppm)が設定されている。
還元剤流量調節弁80を全閉としている状態で、脱硝装置入口NOx濃度および排熱回収ボイラ70の煙突入口におけるNOx濃度が変動し、第1閾値であるns以上となったとしても、アンモニア流量は0、すなわち還元剤流量調節弁80は全閉のままとする。
さらに脱硝装置入口NOx濃度および排熱回収ボイラ70の煙突入口におけるNOx濃度が変動し、第2閾値であるnd以上となった場合に、アンモニア流量を0からa1、すなわち還元剤流量調節弁80は還元剤流量指令制御部91による制御に戻り、通常の脱硝制御が行われる。
以上、説明してきたように、本実施形態に係るガスタービン用脱硝制御装置、ガスタービン複合発電設備、ガスタービン用脱硝制御方法およびガスタービン用脱硝制御プログラムによれば、以下の作用効果を奏する。
NOx排出量には、環境管理値のように、環境に影響を及ぼさないように定められた規制値が一般的に設けられている。
本構成では、このNOx排出量、いいかえると脱硝装置入口NOx濃度が第1閾値(例えば環境管理値)を下回る状態が所定の時間以上継続した場合で、かつガスタービン100の負荷が変化中でなく予混合パイロットバーナ使用時である場合は、還元剤流量調節弁80の開度を全閉にし、アンモニアの流量をゼロにすることとした。
よって本構成によれば、NOx濃度が環境管理値を下回る状態が維持されていて、アンモニアをあえて注入する必要がない場合に、還元剤流量調節弁80の開度を全閉にすることでアンモニアの消費量を低減し、運用コストを抑えることができる。
また本実施形態によれば、脱硝装置入口NOx濃度が第1閾値を下回り、還元剤流量調節弁80の開度が全閉とされている時に、第1閾値よりも大きい値である第2閾値を上回ると、還元剤流量調節弁80の開度を還元剤流量指令制御部91により制御する。すなわち、還元剤流量調節弁80を全閉としている状態から通常の脱硝制御へ切り替える場合、脱硝装置入口NOx濃度が第1閾値(例えば環境管理値)ではなく、第1閾値にヒステリシスをもたせた第2閾値を上回った場合に通常の脱硝制御へ切り替えるとする。
還元剤流量調節弁80の開度を全閉としている期間において、NOx濃度の微変動で第1閾値を瞬間的に超える場合があることが想定される。この時、第1閾値を上回った時に通常の脱硝制御へ切り替えるとすると、意図しないNOx濃度の微小変動で第1閾値より若干量増減したのみで脱硝制御の切替(復帰)が行われてしまうことがある。
よって、第1閾値よりも大きい値である第2閾値を上回ると通常の制御に戻ることとしたため、NOx濃度の微変動により制御の切替が行われず、正しく通常の脱硝制御に復帰することが可能となる。
1 ガスタービン複合発電設備
10 タービン
20 圧縮機
30 発電機
40 燃焼器
50 ガスタービン用脱硝制御装置
51 パイロット切替制御部
52 バイアス量指令制御部
61 還元剤アキュームレータ
62 還元剤流量計
70 排熱回収ボイラ
71 上部熱交換器
72 下部熱交換器
73 NOx濃度計
74 還元剤注入ノズル(還元剤注入部)
75 触媒
77 脱硝装置
80,80a,80b 還元剤流量調節弁
91 還元剤流量指令制御部
100 ガスタービン

Claims (11)

  1. 拡散パイロットバーナを用いる拡散パイロットと予混合パイロットバーナを用いる予混合パイロットとを切り替えて運転する燃焼器を備えたガスタービンの燃焼排ガスの脱硝を行う脱硝装置に対して、脱硝反応を行う還元剤を注入する還元剤注入部から前記還元剤を注入して前記燃焼排ガス中の窒素酸化物の除去を行うガスタービン用脱硝制御装置において、
    前記拡散パイロットと前記予混合パイロットとの切替時に前記燃焼排ガスの脱硝に用いられる前記還元剤にバイアス量を加えるバイアス量指令制御部と、
    を備えたガスタービン用脱硝制御装置。
  2. 前記バイアス量指令制御部は、前記脱硝装置の入口の窒素酸化物濃度を計測するNOx濃度計を備え、計測された脱硝装置入口NOx濃度に基づき決定された前記燃焼排ガスの脱硝に用いられる前記還元剤の流量に対し前記バイアス量を加える請求項1に記載のガスタービン用脱硝制御装置。
  3. 前記NOx濃度計は、前記脱硝装置入口NOx濃度のレンジ切替機能を具備する請求項2に記載のガスタービン用脱硝制御装置。
  4. さらに、還元剤流量指令制御部を備え、
    前記還元剤流量指令制御部は、還元剤流量調節弁の開度により前記還元剤の流量を制御する請求項2または請求項3に記載のガスタービン用脱硝制御装置。
  5. 前記還元剤流量指令制御部は、還元剤流量計により計測された前記還元剤の流量および前記脱硝装置入口NOx濃度に基づき前記還元剤流量調節弁の開度を制御し、前記還元剤流量計はコリオリ流量計である請求項4に記載のガスタービン用脱硝制御装置。
  6. 前記還元剤流量指令制御部は、前記ガスタービンが前記予混合パイロットにて一定の負荷で運転しており、かつ前記脱硝装置入口NOx濃度が第1閾値を下回る状態が所定の時間以上継続した場合、前記還元剤流量調節弁の開度を全閉にする請求項4または請求項5に記載のガスタービン用脱硝制御装置。
  7. 前記還元剤流量指令制御部は、前記還元剤流量調節弁の開度が全閉でかつ前記脱硝装置入口NOx濃度が前記第1閾値よりも大きい第2閾値を上回る場合、前記還元剤流量調節弁の開度を制御する請求項6に記載のガスタービン用脱硝制御装置。
  8. 前記還元剤流量調節弁は、親子弁により構成される請求項4から請求項7のいずれかに記載のガスタービン用脱硝制御装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載のガスタービン用脱硝制御装置と、取り込んだ空気を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機から排出された圧縮空気と燃料とを混合して燃焼する燃焼器と、前記燃焼器から供給された燃焼ガスにより回転するタービンと、前記タービンと同軸上に設けられ前記タービンが回転駆動することで発電する発電機と、を備えたガスタービンと、
    排熱回収ボイラと、
    を備えたガスタービン複合発電設備。
  10. ガスタービンの燃焼器の拡散パイロットバーナを用いる拡散パイロットと予混合パイロットバーナを用いる予混合パイロットとを切り替えるとともに、前記ガスタービンからの燃焼排ガスの脱硝反応を行う還元剤を注入して前記燃焼排ガス中の窒素酸化物の除去を行うガスタービン用脱硝制御方法において、
    前記拡散パイロットと前記予混合パイロットとの切替時に前記還元剤にバイアス量を加えるバイアス量制御ステップと、
    を備えたガスタービン用脱硝制御方法。
  11. ガスタービンの燃焼器の拡散パイロットバーナを用いる拡散パイロットと予混合パイロットバーナを用いる予混合パイロットとを切り替えるとともに、前記ガスタービンからの燃焼排ガスの脱硝反応を行う還元剤を注入して前記燃焼排ガス中の窒素酸化物の除去を行うガスタービン用脱硝制御プログラムにおいて、
    前記拡散パイロットと前記予混合パイロットとの切替時に前記還元剤にバイアス量を加えるバイアス量制御工程と、
    を備えたガスタービン用脱硝制御プログラム。
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