JP2018137225A - 導電性粒子、導電材料及び接続構造体 - Google Patents

導電性粒子、導電材料及び接続構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】電極間を電気的に接続した場合に、絶縁信頼性を効果的に高めることができる導電性粒子を提供する。【解決手段】本発明に係る導電性粒子は、絶縁性粒子付き導電性粒子本体と、無機材料を含む連続膜とを備え、前記絶縁性粒子付き導電性粒子本体は、基材粒子と、前記基材粒子の表面上に配置された導電層と、前記導電層の表面上に配置された絶縁性粒子とを備え、前記連続膜が、前記導電層の表面を覆っている部分と、前記絶縁性粒子の表面を覆っている部分とを有し、前記連続膜の前記導電層の表面を覆っている部分と、前記連続膜の前記絶縁性粒子の表面を覆っている部分とが連なっている。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、電極間の電気的な接続に用いることができる導電性粒子に関する。また、本発明は、上記導電性粒子を用いた導電材料及び接続構造体に関する。
異方性導電ペースト及び異方性導電フィルム等の異方性導電材料が広く知られている。該異方性導電材料では、バインダー樹脂中に導電性粒子が分散されている。また、導電性粒子として、導電層の表面に絶縁処理が施された導電性粒子が用いられることがある。
上記異方性導電材料は、各種の接続構造体を得るために用いられている。上記異方性導電材料を用いる接続としては、例えば、フレキシブルプリント基板とガラス基板との接続(FOG(Film on Glass))、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))、半導体チップとガラス基板との接続(COG(Chip on Glass))、並びにフレキシブルプリント基板とガラスエポキシ基板との接続(FOB(Film on Board))等が挙げられる。
上記導電性粒子の一例として、下記の特許文献1には、導電性粒子と、上記導電性粒子の表面に形成された絶縁性樹脂被覆層とを備える絶縁被覆導電性粒子が開示されている。上記導電性粒子に関しては、平均粒子径が0.5μm〜1000μmであり、アスペクト比が2未満であり、CV値が30%以下である。上記絶縁性樹脂被覆層を構成する絶縁性樹脂の数平均分子量は、500〜200000であってもよい。
下記の特許文献2には、導電性の金属表面を有する導電粒子と、上記金属表面の一部を被覆する絶縁性粒子と、上記絶縁性粒子の表面に付着しておりかつ疎水性基を有するオリゴマーとを備える絶縁被覆導電粒子が開示されている。上記疎水性基を有するオリゴマーは、シリコーンオリゴマーであってもよい。上記絶縁性粒子は、表面に水酸基を有する無機酸化物粒子(シリカ粒子)であってもよい。
特開2000−67647号公報 特開2010−50086号公報
近年、電子デバイスの薄型化及び小型化が進行している。このため、電子部品における導電性粒子により接続される配線において、配線が形成されたライン(L)の幅と、配線が形成されていないスペース(S)の幅とを示すL/Sが小さくなり、狭ピッチ化が進行している。このような微細な配線において、特許文献1,2に記載のような従来の導電性粒子を用いて電極間の導電接続を行うと、絶縁信頼性を十分に確保することが困難であり、絶縁信頼性のさらなる向上が求められている。
本発明の目的は、電極間を電気的に接続した場合に、絶縁信頼性を効果的に高めることができる導電性粒子を提供することである。また、本発明の目的は、上記導電性粒子を用いた導電材料及び接続構造体を提供することである。
本発明の広い局面によれば、絶縁性粒子付き導電性粒子本体と、無機材料を含む連続膜とを備え、前記絶縁性粒子付き導電性粒子本体は、基材粒子と、前記基材粒子の表面上に配置された導電層と、前記導電層の表面上に配置された絶縁性粒子とを備え、前記連続膜が、前記導電層の表面を覆っている部分と、前記絶縁性粒子の表面を覆っている部分とを有し、前記連続膜の前記導電層の表面を覆っている部分と、前記連続膜の前記絶縁性粒子の表面を覆っている部分とが連なっている、導電性粒子が提供される。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電層の表面積全体に占める前記導電層の表面の前記絶縁性粒子により覆われている部分の面積が、95%以下である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記絶縁性粒子付き導電性粒子本体の表面積全体に占める前記絶縁性粒子付き導電性粒子本体の表面の前記連続膜により覆われている部分の面積が、40%以上である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記連続膜が、無機酸化物膜である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記連続膜の厚みが、1nm以上、500nm以下である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記絶縁性粒子の粒子径が、10nm以上、4000nm以下である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電性粒子本体の粒子径の前記絶縁性粒子の粒子径に対する比が、3以上、1000以下である。
本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記連続膜の厚みの前記絶縁性粒子の粒子径に対する比が、0.01以上、1以下である。
本発明の広い局面によれば、上述した導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む、導電材料が提供される。
本発明に係る導電材料のある特定の局面では、導電材料の80℃での粘度が、50Pa・s以上、10000Pa・s以下である。
本発明の広い局面によれば、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、前記第1の接続対象部材と、前記第2の接続対象部材を接続している接続部とを備え、前記接続部の材料が、上述した導電性粒子であるか、又は前記導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料であり、前記第1の電極と前記第2の電極とが、前記導電性粒子における前記導電層により電気的に接続されている、接続構造体が提供される。
本発明に係る導電性粒子は、絶縁性粒子付き導電性粒子本体と、無機材料を含む連続膜とを備える。本発明に係る導電性粒子では、上記絶縁性粒子付き導電性粒子本体は、基材粒子と、上記基材粒子の表面上に配置された導電層と、上記導電層の表面上に配置された絶縁性粒子とを備える。本発明に係る導電性粒子では、上記連続膜が、上記導電層の表面を覆っている部分と、上記絶縁性粒子の表面を覆っている部分とを有する。本発明に係る導電性粒子では、上記連続膜の上記導電層の表面を覆っている部分と、上記連続膜の上記絶縁性粒子の表面を覆っている部分とが連なっている。本発明に係る導電性粒子では、上記の構成が備えられているので、電極間を電気的に接続した場合に、絶縁信頼性を効果的に高めることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図2は、本発明の第2の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図3は、本発明の第3の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図4は、本発明の第4の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図5は、本発明の第5の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図6は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を用いた接続構造体を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
(導電性粒子)
本発明に係る導電性粒子は、絶縁性粒子付き導電性粒子本体と、連続膜とを備える。上記絶縁性粒子付き導電性粒子本体は、基材粒子と、導電層と、絶縁性粒子とを備える。上記導電性粒子本体は、基材粒子と、導電層とを備える。上記導電層は、上記基材粒子の表面上に配置されている。上記絶縁性粒子は、上記導電層の表面上に配置されている。上記連続膜は無機材料を含む。本発明に係る導電性粒子では、上記連続膜が、上記導電層の表面を覆っている部分と、上記絶縁性粒子の表面を覆っている部分とを有する。本発明に係る導電性粒子では、上記連続膜の上記導電層の表面を覆っている部分と、上記連続膜の上記絶縁性粒子の表面を覆っている部分とが連なっている。
本発明では、上記の構成が備えられているので、電極間を電気的に接続した場合に、絶縁信頼性を効果的に高めることができる。
従来の導電層の表面が絶縁性粒子により被覆された導電性粒子では、電極間を電気的に接続する前に、導電層の表面から絶縁性粒子が意図せずに脱離しやすい。例えば、導電材料の製造工程において、導電層の表面が絶縁性粒子により被覆された導電性粒子をバインダー樹脂中に分散させる際に、分散時のせん断力によって、絶縁性粒子が導電層の表面から脱離することがある。結果として、導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続した場合に、複数の導電性粒子間の導電層が接触しやすくなり、絶縁信頼性が低下することがある。上下の電極(接続されるべき電極)間の接続時に、横方向に並んだ電極(接続されてはならない電極)間が、複数の導電性粒子を介して電気的に接続されることがある。
また、導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続し、高い導通信頼性を得るためには、電極と導電性粒子の導電層とを十分に接触させる必要があり、電極間を電気的に接続する際に、導電層の表面から、導電層と電極との間に位置する絶縁性粒子が容易に脱離する必要がある。
電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高め、電極間の導通信頼性をより一層効果的に高めるためには、導電接続前に導電層の表面から絶縁性粒子が脱離することを防止するだけでなく、導電接続時に導電層の表面から絶縁性粒子が脱離することが重要である。例えば、導電層の表面から絶縁性粒子の脱離を防止するだけでは、導電接続後においても導電層と電極との間に絶縁性粒子が存在することになり、導通信頼性を高めることは困難である。
絶縁性粒子の意図しない脱離を抑制し、導通信頼性及び絶縁信頼性を高めるために、本発明では、導電層の表面上に絶縁性粒子が配置される構成と、導電層の表面と絶縁性粒子の表面との双方が無機材料を含む連続膜により被覆される構成とを組み合わせることが極めて重要であることが見出された。導通信頼性を高める観点から、連続膜が無機材料を含むことが重要である。
電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高める観点からは、上記導電層の表面積全体に占める上記導電層の表面の上記絶縁性粒子により被覆されている部分の面積(以下第1の被覆率ともいう)は、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上であり、好ましくは95%以下、より好ましくは80%以下である。上記第1の被覆率は、100%以下であってもよい。
上記導電層の表面積全体に占める上記導電層の表面の上記絶縁性粒子により被覆されている部分の面積である第1の被覆率は、以下のようにして求められる。
導電性粒子又は絶縁性粒子付き導電性粒子本体を一方向から走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、観察画像における導電層の表面の外周縁部分の円内の面積全体に占める、導電層の表面の外周縁部分の円内における絶縁性粒子の合計の面積から算出する。上記第1の被覆率は、20個の導電性粒子を観察し、各導電性粒子又は絶縁性粒子付き導電性粒子の測定結果を平均した平均被覆率として算出する。
上記絶縁性粒子付き導電性粒子本体の表面積全体に占める上記絶縁性粒子付き導電性粒子本体の表面の上記連続膜により覆われている部分の面積(以下、第2の被覆率ともいう)は、好ましくは40%以上、より好ましくは60%以上であり、好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下である。上記第2の被覆率は、100%以下であってもよい。上記第2の被覆率が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高めることができ、電極間の導通信頼性をより一層効果的に高めることができる。上記連続膜は、上記絶縁性粒子付き導電性粒子本体の全体を覆っていなくてもよい。上記連続膜が、上記絶縁性粒子本体の一部を覆っていても、連続膜が存在する部分があることで、連続膜が全く存在しない場合と比べて、本発明の効果に優れる結果が得られる。
上記絶縁性粒子付き導電性粒子本体の表面積全体に占める上記絶縁性粒子付き導電性粒子本体の表面の上記連続膜により覆われている部分の面積である第2の被覆率は、導電性粒子をエネルギー分散型X線分析(EDS)にて分析し、検出された元素ピーク情報をもとに、各元素分布を色分けすることにより得られた2次元画像から算出する。
上記導電性粒子本体の粒子径は、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上であり、好ましくは50μm以下、より好ましくは20μm以下である。導電性粒子本体の粒子径が、上記下限以上及び上記上限以下であると、導電性粒子を用いて電極間を接続した場合に、導電性粒子と電極との接触面積が十分に大きくなり、かつ導電層を形成する際に凝集した導電性粒子本体が形成され難くなる。また、導電性粒子を介して接続された電極間の間隔が大きくなりすぎず、かつ導電層が基材粒子の表面から剥離し難くなる。
上記導電性粒子本体の粒子径は、数平均粒子径を示す。導電性粒子本体の粒子径は、任意の導電性粒子本体50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求めることが好ましい。
上記導電性粒子の粒子径は、好ましくは1μm以上、より好ましくは10μm以上であり、好ましくは1000μm以下、より好ましくは40μm以下である。導電性粒子の粒子径が上記下限以上及び上記上限以下であると、導電性粒子を用いて電極間を接続した場合に、導電性粒子と電極との接触面積が十分に大きくなり、かつ導電層を形成する際に凝集した導電性粒子が形成され難くなる。また、導電性粒子を介して接続された電極間の間隔が大きくなりすぎず、かつ導電層が基材粒子の表面から剥離し難くなる。
上記導電性粒子の粒子径は、数平均粒子径を示す。導電性粒子の粒子径は、任意の導電性粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求めることが好ましい。
上記導電性粒子は、バインダー樹脂中に分散され、導電材料を得るために好適に用いられる。
次に、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
図1に示す導電性粒子1は、基材粒子2と、導電層3と、絶縁性粒子4と、連続膜5とを備える。基材粒子2と、導電層3と、絶縁性粒子4とで、絶縁性粒子付き導電性粒子本体が構成されている。基材粒子2と、導電層3とで、導電性粒子本体が構成されている。導電層3は導電性を有する。
導電層3は、基材粒子2の表面上に配置されている。導電層3は、基材粒子2に接している。導電層3は、基材粒子2の表面を覆っている。
絶縁性粒子4は、導電層3の表面上に配置されている。絶縁性粒子4は、導電層3に接している。絶縁性粒子4は、導電層3の表面に接触しており、導電層3の表面に付着している。
連続膜5は、導電層3及び絶縁性粒子4の表面上に配置されている。連続膜5は、導電層3及び絶縁性粒子4の表面に接触しており、導電層3及び絶縁性粒子4の表面を覆っている。連続膜5は、導電層3の表面を覆っている部分と、絶縁性粒子4の表面を覆っている部分とを有する。連続膜5の導電層3の表面上を覆っている部分と、連続膜5の絶縁性粒子4の表面を覆っている部分とは、連なっている。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
図2に示す導電性粒子1Aは、基材粒子2と、導電層3Aと、絶縁性粒子4と、連続膜5とを備える。基材粒子2と、導電層3Aと、絶縁性粒子4とで、絶縁性粒子付き導電性粒子本体が構成されている。
導電性粒子1と導電性粒子1Aとでは、導電層3と導電層3Aとが異なる。導電層3Aは全体で、基材粒子2側に第1の導電層3AAと、基材粒子2側とは反対側に第2の導電層3ABとを有する。導電性粒子1では、1層構造の導電層3が形成されているのに対して、導電性粒子1Aでは、第1の導電層3AAと第2の導電層3ABとを有する2層構造の導電層3Aが形成されている。第1の導電層3AAと第2の導電層3ABとは、異なる導電層として形成されていてもよく、同一の導電層として形成されていてもよい。
第1の導電層3AAは、基材粒子2の表面上に配置されている。基材粒子2と第2の導電層3ABとの間に、第1の導電層3AAが配置されている。第1の導電層3AAは、基材粒子2に接している。第2の導電層3ABは、第1の導電層3AAに接している。基材粒子2の表面上に第1の導電層3AAが配置されており、第1の導電層3AAの外表面上に第2の導電層3ABが配置されている。
図3は、本発明の第3の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
図3に示す導電性粒子1Bは、基材粒子2と、導電層3と、絶縁性粒子4と、連続膜5Bとを備える。基材粒子2と、導電層3と、絶縁性粒子4とで、絶縁性粒子付き導電性粒子本体が構成されている。
導電性粒子1と導電性粒子1Bとでは、連続膜5と連続膜5Bとが異なる。連続膜5Bは全体で、導電層3及び絶縁性粒子4側に第1の連続膜5BAと、導電層3及び絶縁性粒子4側とは反対側に第2の連続膜5BBとを有する。導電性粒子1では、1層構造の連続膜5が形成されているのに対して、導電性粒子1Bでは、第1の連続膜5BAと第2の連続膜5BBとを有する2層構造の連続膜5Bが形成されている。第1の連続膜5BAと第2の連続膜5BBとは、異なる連続膜として形成されていてもよく、同一の連続膜として形成されていてもよい。
第1の連続膜5BAは、導電層3及び絶縁性粒子4の表面上に配置されている。導電層3及び絶縁性粒子4と、第2の連続膜5BBとの間に、第1の連続膜5BAが配置されている。第1の連続膜5BAは、導電層3及び絶縁性粒子4の外表面に接触している。第2の連続膜5BBは、第1の連続膜5BAの表面上に配置されている。第2の連続膜5BBは、第1の連続膜5BAの外表面に接触している。導電層3及び絶縁性粒子4の表面上に第1の連続膜5BAが配置されており、第1の連続膜5BAの外表面上に第2の連続膜5BBが配置されている。
図4は、本発明の第4の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
図4に示す導電性粒子1Cは、基材粒子2と、導電層3Cと、絶縁性粒子4と、連続膜5Cと、芯物質6Cとを備える。基材粒子2と、導電層3Cと、絶縁性粒子4と、芯物質6Cとで、絶縁性粒子付き導電性粒子本体が構成されている。
芯物質6Cは、基材粒子2の表面上に配置されている。導電層3Cは、基材粒子2と、芯物質6Cとを覆うように、基材粒子2の表面上に配置されている。芯物質6Cは、導電層3Cの外表面を隆起させている。導電層3Cの外表面が芯物質6Cによって隆起されていることで、導電層3Cの外表面に複数の突起が形成されている。突起の内側に、芯物質6Cが配置されている。絶縁性粒子付き導電性粒子本体は外表面に複数の突起を有する。
突起形状に由来して、導電性粒子1Cにおける連続膜5Cの形状は、導電性粒子1における連続膜5の形状と異なる。
導電性粒子1Cのように、導電層及び絶縁性粒子付き導電性粒子本体の外表面にはそれぞれ、突起が形成されていてもよい。
図5は、本発明の第5の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
図5に示す導電性粒子1Dは、基材粒子2と、導電層3Dと、絶縁性粒子4と、連続膜5Dとを備える。基材粒子2と、導電層3Dと、絶縁性粒子4とで、絶縁性粒子付き導電性粒子本体が構成されている。
導電性粒子1Dは、導電性粒子1Cと異なり、芯物質を備えていない。導電性粒子1Dは芯物質を備えていないが、導電層3Dの外表面に複数の突起が形成されている。絶縁性粒子付き導電性粒子本体は外表面に複数の突起を有する。
導電層3Dは、第1の部分と、該第1の部分よりも厚みが厚い第2の部分とを有する。複数の突起を除く部分が、導電層3Dの上記第1の部分である。複数の突起は、導電層3Dの厚みが厚い上記第2の部分である。
突起形状に由来して、導電性粒子1Dにおける連続膜5Dの形状は、導電性粒子1における連続膜5の形状と異なる。
導電性粒子1Dのように、突起を形成するために、芯物質を用いなくてもよい。
以下、導電性粒子の他の詳細を説明する。なお、以下の説明において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」と「メタクリル」との一方又は双方を意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」と「メタクリレート」との一方又は双方を意味する。
基材粒子:
上記基材粒子としては、樹脂粒子、金属粒子を除く無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子及び金属粒子等が挙げられる。上記基材粒子は、金属粒子を除く基材粒子であることが好ましく、樹脂粒子、金属粒子を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子であることがより好ましい。上記基材粒子は、コアシェル粒子であってもよい。
上記基材粒子は、樹脂粒子又は有機無機ハイブリッド粒子であることがさらに好ましく、樹脂粒子であってもよく、有機無機ハイブリッド粒子であってもよい。これらの好ましい基材粒子の使用により、電極間の電気的な接続により一層適した導電性粒子が得られる。
上記導電性粒子を用いて電極間を接続する際には、上記導電性粒子を電極間に配置した後、圧着することにより上記導電性粒子を圧縮させる。基材粒子が樹脂粒子又は有機無機ハイブリッド粒子であると、上記圧着の際に上記導電性粒子が変形しやすく、導電性粒子と電極との接触面積が大きくなる。このため、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。
上記樹脂粒子の材料として、種々の樹脂が好適に用いられる。上記樹脂粒子の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂;ポリアルキレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、及び、エチレン性不飽和基を有する種々の重合性単量体を1種もしくは2種以上重合させて得られる重合体等が挙げられる。
導電材料に適した任意の圧縮時の物性を有する樹脂粒子を設計及び合成することができ、かつ基材粒子の硬度を好適な範囲に容易に制御できるので、上記樹脂粒子の材料は、エチレン性不飽和基を複数有する重合性単量体を1種又は2種以上重合させた重合体であることが好ましい。
上記樹脂粒子を、エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を重合させて得る場合には、上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体としては、非架橋性の単量体と架橋性の単量体とが挙げられる。
上記非架橋性の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の酸素原子含有(メタ)アクリレート化合物;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル含有単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の酸ビニルエステル化合物;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン等の不飽和炭化水素;トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、塩化ビニル、フッ化ビニル、クロルスチレン等のハロゲン含有単量体等が挙げられる。
上記架橋性の単量体としては、例えば、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート化合物;トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、ジアリルエーテル、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、ビニルトリメトキシシラン等のシラン含有単量体等が挙げられる。
上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を、公知の方法により重合させることで、上記樹脂粒子を得ることができる。この方法としては、例えば、ラジカル重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法、並びに非架橋の種粒子を用いてラジカル重合開始剤とともに単量体を膨潤させて重合する方法等が挙げられる。
上記基材粒子が金属粒子を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子である場合に、上記基材粒子の材料である無機物としては、シリカ、アルミナ、チタン酸バリウム、ジルコニア及びカーボンブラック等が挙げられる。上記無機物は金属ではないことが好ましい。上記シリカにより形成された粒子としては特に限定されないが、例えば、加水分解性のアルコキシシリル基を2つ以上持つケイ素化合物を加水分解して架橋重合体粒子を形成した後に、必要に応じて焼成を行うことにより得られる粒子が挙げられる。上記有機無機ハイブリッド粒子としては、例えば、架橋したアルコキシシリルポリマーとアクリル樹脂とにより形成された有機無機ハイブリッド粒子等が挙げられる。
上記有機無機ハイブリッド粒子は、コアと、該コアの表面上に配置されたシェルとを有するコアシェル型の有機無機ハイブリッド粒子であることが好ましい。上記コアが有機コアであることが好ましい。上記シェルが無機シェルであることが好ましい。電極間の接続抵抗を効果的に低くする観点からは、上記基材粒子は、有機コアと上記有機コアの表面上に配置された無機シェルとを有する有機無機ハイブリッド粒子であることが好ましい。
上記有機コアの材料としては、上述した樹脂粒子の材料等が挙げられる。
上記無機シェルの材料としては、上述した基材粒子の材料として挙げた無機物が挙げられる。上記無機シェルの材料は、シリカであることが好ましい。上記無機シェルは、上記コアの表面上で、金属アルコキシドをゾルゲル法によりシェル状物とした後、該シェル状物を焼成させることにより形成されていることが好ましい。上記金属アルコキシドはシランアルコキシドであることが好ましい。上記無機シェルはシランアルコキシドにより形成されていることが好ましい。
上記基材粒子が金属粒子である場合に、該金属粒子の材料である金属としては、銀、銅、ニッケル、ケイ素、金及びチタン等が挙げられる。但し、上記基材粒子は金属粒子ではないことが好ましい。
上記基材粒子の粒子径は、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上であり、好ましくは1000μm以下、より好ましくは100μm以下、さらに好ましくは40μm以下である。上記基材粒子の粒子径が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の間隔が小さくなり、かつ導電層の厚みを厚くしても、小さい導電性粒子が得られる。
上記基材粒子の粒子径は、基材粒子が真球状である場合には、直径を示し、基材粒子が真球状ではない場合には、最大径を示す。
上記基材粒子の粒子径は、数平均粒子径を示す。上記基材粒子の粒子径は粒度分布測定装置等を用いて求められる。基材粒子の粒子径は、任意の基材粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求めることが好ましい。導電性粒子において、上記基材粒子の粒子径を測定する場合には、例えば、以下のようにして測定できる。
導電性粒子の含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電性粒子検査用埋め込み樹脂を作製する。検査用埋め込み樹脂中に分散した導電性粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、導電性粒子の断面を切り出す。そして、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、画像倍率を25000倍に設定し、50個の導電性粒子を無作為に選択し、各導電性粒子の基材粒子を観察する。各導電性粒子における基材粒子の粒子径を計測し、それらを算術平均して基材粒子の粒子径とする。
導電層:
上記導電層の材料である金属は特に限定されない。上記金属としては、例えば、金、銀、パラジウム、銅、白金、亜鉛、鉄、錫、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、タリウム、ゲルマニウム、カドミウム、ケイ素及びこれらの合金等が挙げられる。また、上記金属としては、錫ドープ酸化インジウム(ITO)及びはんだ等が挙げられる。電極間の接続抵抗がより一層低くなるので、錫を含む合金、ニッケル、パラジウム、銅又は金が好ましく、ニッケル又はパラジウムが好ましい。
また、導通信頼性を効果的に高めることができるので、上記導電層及び上記導電層の外表面部分はニッケルを含むことが好ましい。ニッケルを含む導電層100重量%中のニッケルの含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは50重量%以上、より一層好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、特に好ましくは90重量%以上である。上記ニッケルを含む導電層100重量%中のニッケルの含有量は、97重量%以上であってもよく、97.5重量%以上であってもよく、98重量%以上であってもよい。
なお、導電層の表面には、酸化により水酸基が存在することが多い。一般的に、ニッケルにより形成された導電層の表面には、酸化により水酸基が存在する。このような水酸基を有する導電層の表面(導電性粒子の表面)に、化学結合を介して、絶縁性粒子を配置できる。
上記導電層は、1つの層により形成されていてもよい。導電層は、複数の層により形成されていてもよい。すなわち、上記導電層は、2層以上の積層構造を有していてもよい。上記導電層が複数の層により形成されている場合には、最外層は、金層、ニッケル層、パラジウム層、銅層又は錫と銀とを含む合金層であることが好ましく、金層であることがより好ましい。最外層がこれらの好ましい導電層である場合には、電極間の接続抵抗がより一層低くなる。また、最外層が金層である場合には、耐腐食性がより一層高くなる。
上記基材粒子の表面に上記導電層を形成する方法は特に限定されない。上記導電層を形成する方法としては、例えば、無電解めっきによる方法、電気めっきによる方法、物理的蒸着による方法、並びに金属粉末もしくは金属粉末とバインダーとを含むペーストを基材粒子の表面にコーティングする方法等が挙げられる。導電層の形成が簡便であるので、無電解めっきによる方法が好ましい。上記物理的蒸着による方法としては、真空蒸着、イオンプレーティング及びイオンスパッタリング等の方法が挙げられる。
上記導電層の厚みは、好ましくは0.005μm以上、より好ましくは0.01μm以上であり、好ましくは10μm以下、より好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.3μm以下である。上記導電層の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、充分な導電性が得られ、かつ導電性粒子が硬くなりすぎずに、電極間の接続の際に導電性粒子が充分に変形する。
上記導電層が複数の層により形成されている場合に、最外層の導電層の厚みは、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.01μm以上であり、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。上記最外層の導電層の厚みが上記下限以上及び上記上限以下であると、最外層の導電層による被覆が均一になり、耐腐食性が充分に高くなり、かつ電極間の接続抵抗が充分に低くなる。
上記導電層の厚みは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、導電性粒子の断面を観察することにより測定できる。
芯物質:
上記導電性粒子は、上記導電層の外表面に複数の突起を有していてもよい。上記導電性粒子が、上記導電層の外表面に複数の突起を有していることで、電極間の導通信頼性をより一層高めることができる。
上記突起を形成する方法としては、基材粒子の表面に芯物質を付着させた後、無電解めっきにより導電層を形成する方法、並びに基材粒子の表面に無電解めっきにより導電層を形成した後、芯物質を付着させ、さらに無電解めっきにより導電層を形成する方法等が挙げられる。上記突起を形成する他の方法としては、基材粒子の表面上に、第1の導電層を形成した後、該第1の導電層上に芯物質を配置し、次に第2の導電層を形成する方法、並びに基材粒子の表面上に導電層(第1の導電層又は第2の導電層等)を形成する途中段階で、芯物質を添加する方法等が挙げられる。また、突起を形成するために、上記芯物質を用いずに、基材粒子に無電解めっきにより導電層を形成した後、導電層の表面上に突起状にめっきを析出させ、さらに無電解めっきにより導電層を形成する方法等を用いてもよい。
上記基材粒子の外表面上に芯物質を配置する方法としては、例えば、基材粒子の分散液中に、芯物質を添加し、基材粒子の表面に芯物質を、ファンデルワールス力等により集積させ、付着させる方法、並びに基材粒子を入れた容器に、芯物質を添加し、容器の回転等による機械的な作用により基材粒子の表面に芯物質を付着させる方法等が挙げられる。付着させる芯物質の量を制御しやすいため、分散液中の基材粒子の表面に芯物質を集積させ、付着させる方法が好ましい。
上記芯物質の材料は特に限定されない。上記芯物質の材料のモース硬度は高いことが好ましい。
上記芯物質の材料の具体例としては、チタン酸バリウム(モース硬度4.5)、ニッケル(モース硬度5)、シリカ(二酸化珪素、モース硬度6〜7)、酸化チタン(モース硬度7)、ジルコニア(モース硬度8〜9)、アルミナ(モース硬度9)、炭化タングステン(モース硬度9)及びダイヤモンド(モース硬度10)等が挙げられる。上記無機粒子は、ニッケル、シリカ、酸化チタン、ジルコニア、アルミナ、炭化タングステン又はダイヤモンドであることが好ましく、シリカ、酸化チタン、ジルコニア、アルミナ、炭化タングステン又はダイヤモンドであることがより好ましい。上記無機粒子は、酸化チタン、ジルコニア、アルミナ、炭化タングステン又はダイヤモンドであることがさらに好ましく、ジルコニア、アルミナ、炭化タングステン又はダイヤモンドであることが特に好ましい。上記芯物質の材料のモース硬度は好ましくは4以上、より好ましくは5以上、より一層好ましくは6以上、さらに好ましくは7以上、特に好ましくは7.5以上である。
上記芯物質の形状は特に限定されない。芯物質の形状は塊状であることが好ましい。芯物質としては、例えば、粒子状の塊、複数の微小粒子が凝集した凝集塊、及び不定形の塊等が挙げられる。
上記芯物質の粒子径は、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.05μm以上であり、好ましくは0.9μm以下、より好ましくは0.2μm以下である。上記芯物質の粒子径が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗が効果的に低くなる。
上記芯物質の粒子径は、数平均粒子径を示す。芯物質の粒子径は、任意の芯物質50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求めることが好ましい。
絶縁性粒子:
本発明に係る導電性粒子は、上記導電層の表面上に配置された絶縁性粒子を備える。この場合には、導電性粒子を電極間の接続に用いると、隣接する電極間の短絡を防止できる。具体的には、複数の導電性粒子が接触したときに、複数の電極間に絶縁性粒子が存在するので、上下の電極間ではなく横方向に隣り合う電極間の短絡を防止できる。なお、電極間の接続の際に、2つの電極で導電性粒子を加圧することにより、導電性粒子の導電層と電極との間の絶縁性粒子を容易に排除できる。さらに、導電層の外表面に複数の突起を有する導電性粒子である場合には、導電性粒子の導電層と電極との間の絶縁性粒子をより一層容易に排除できる。
上記絶縁性粒子の材料としては、上述した樹脂粒子の材料、及び上述した基材粒子の材料として挙げた無機物等が挙げられる。上記絶縁性粒子の材料は、上述した樹脂粒子の材料であることが好ましい。上記絶縁性粒子は、上述した樹脂粒子又は上述した有機無機ハイブリッド粒子であることが好ましく、樹脂粒子であってもよく、有機無機ハイブリッド粒子であってもよい。
上記絶縁性粒子の他の材料としては、ポリオレフィン化合物、(メタ)アクリレート重合体、(メタ)アクリレート共重合体、ブロックポリマー、熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂の架橋物、熱硬化性樹脂及び水溶性樹脂等が挙げられる。上記絶縁部の材料は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ポリオレフィン化合物としては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。上記(メタ)アクリレート重合体としては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリドデシル(メタ)アクリレート及びポリステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記ブロックポリマーとしては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、SB型スチレン−ブタジエンブロック共重合体、及びSBS型スチレン−ブタジエンブロック共重合体、並びにこれらの水素添加物等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂としては、ビニル重合体及びビニル共重合体等が挙げられる。上記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びメラミン樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂の架橋物としては、ポリエチレングリコールメタクリレート、アルコキシ化トリメチロールプロパンメタクリレートやアルコキシ化ペンタエリスリトールメタクリレート等の導入が挙げられる。上記水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド及びメチルセルロース等が挙げられる。また、重合度の調整に、連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤としては、チオールや四塩化炭素等が挙げられる。
上記導電層の表面上に絶縁性粒子を配置する方法としては、化学的方法、及び物理的もしくは機械的方法等が挙げられる。上記化学的方法としては、例えば、界面重合法、粒子存在下での懸濁重合法及び乳化重合法等が挙げられる。上記物理的もしくは機械的方法としては、スプレードライ、ハイブリダイゼーション、静電付着法、噴霧法、ディッピング及び真空蒸着による方法等が挙げられる。絶縁性粒子が脱離し難いことから、上記導電層の表面に、化学結合を介して上記絶縁性粒子を配置する方法が好ましい。
上記絶縁性粒子の表面には、水酸基等の極性基が存在することが好ましい。上記極性基が存在することで、上記連続膜が、上記絶縁性粒子の表面をより一層均一に被覆することができる。
上記導電層の外表面、及び絶縁性粒子の表面はそれぞれ、反応性官能基を有する化合物によって被覆されていてもよい。導電層の外表面と絶縁性粒子の表面とは、直接化学結合していなくてもよく、反応性官能基を有する化合物によって間接的に化学結合していてもよい。導電層の外表面にカルボキシル基を導入した後、該カルボキシル基がポリエチレンイミン等の高分子電解質を介して絶縁性粒子の表面の官能基と化学結合していても構わない。
上記絶縁性粒子の粒子径は、導電性粒子の粒子径及び導電性粒子の用途等によって適宜選択できる。上記絶縁性粒子の粒子径は、好ましくは10nm以上、より好ましくは100nm以上、さらに好ましくは300nm以上、特に好ましくは500nm以上であり、好ましくは4000nm以下、より好ましくは2000nm以下、さらに好ましくは1500nm以下、特に好ましくは1000nm以下である。絶縁性粒子の粒子径が上記下限以上であると、導電性粒子がバインダー樹脂中に分散されたときに、複数の導電性粒子における導電層同士が接触し難くなる。絶縁性粒子の粒子径が上記上限以下であると、電極間の接続の際に、電極と導電性粒子との間の絶縁性粒子を排除するために、圧力を高くしすぎる必要がなくなり、高温に加熱する必要もなくなる。
上記絶縁性粒子の粒子径は、数平均粒子径を示す。上記絶縁性粒子の粒子径は粒度分布測定装置等を用いて求められる。絶縁性粒子の粒子径は、任意の絶縁性粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求めることが好ましい。導電性粒子において、絶縁性粒子の粒子径を測定する場合には、例えば、以下のようにして測定できる。
導電性粒子を含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電性粒子検査用埋め込み樹脂を作製する。その検査用埋め込み樹脂中の分散した導電性粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、導電性粒子の断面を切り出す。そして、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、画像倍率5万倍に設定し、50個の導電性粒子を無作為に選択し、各導電性粒子の絶縁性粒子を観察する。各導電性粒子における絶縁性粒子の粒子径を計測し、それらを算術平均して絶縁性粒子の粒子径とする。
上記導電性粒子本体の粒子径の上記絶縁性粒子の粒子径に対する比(導電性粒子本体の粒子径/絶縁性粒子の粒子径)は、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、より一層好ましくは8以上、さらに好ましくは10以上、特に好ましくは12以上である。上記導電性粒子本体の粒子径の上記絶縁性粒子の粒子径に対する比(導電性粒子本体の粒子径/絶縁性粒子の粒子径)は、好ましくは1000以下、より好ましくは100以下、より一層好ましくは75以下、さらに好ましくは50以下、特に好ましくは30以下である。上記比(導電性粒子本体の粒子径/絶縁性粒子の粒子径)が、上記下限以上及び上記上限以下であると、上記第1の被覆率をより一層効果的に高めることができ、電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高めることができる。
連続膜:
本発明に係る導電性粒子は、無機材料を含む連続膜を備える。本発明に係る導電性粒子では、上記導電層の表面と上記絶縁性粒子の表面とが上記連続膜により被覆されており、上記導電層の表面を被覆している上記連続膜と上記絶縁性粒子を被覆している上記連続膜とが連なっている。この場合には、導電性粒子をバインダー樹脂中に分散させる等の導電接続前に導電性粒子の表面から絶縁性粒子が意図せずに脱離することをより一層効果的に防止できる。結果として、隣接する電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高めることができる。
電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高める観点、及び電極間の導通信頼性をより一層効果的に高める観点からは、上記連続膜は、無機酸化物膜であることが好ましい。上記連続膜は無機材料により形成されていることが好ましい。この場合には、導電性粒子を用いて電極間を電気的に接続する際に、導電性粒子の表面から絶縁性粒子がより一層容易に脱離できる。結果として、電極間の導通信頼性をより一層効果的に高めることができる。
上記無機材料及び上記無機酸化物膜の材料としては、ケイ素、チタニウム、ジルコニウム、及びアルミニウム等の酸化物、並びに、これらの酸化物の複合物等が挙げられる。
電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高める観点、及び電極間の導通信頼性をより一層効果的に高める観点からは、上記連続膜の厚みは、好ましくは1nm以上、より好ましくは10nm以上であり、好ましくは500nm以下、より好ましくは100nm以下である。上記連続膜が2層以上の多層構造である場合には、上記連続膜の厚みは、全ての層の合計の厚みであることが好ましい。
上記連続膜の厚みは、任意の導電性粒子50個を電子顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求めることが好ましい。導電性粒子において、連続膜の厚みを測定する場合には、例えば、以下のように測定できる。
導電性粒子を含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電性粒子検査用埋め込み樹脂を作製する。その検査用埋め込み樹脂中の分散した導電性粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、導電性粒子の断面を切り出す。そして、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)を用いて、画像倍率5万倍に設定し、50個の導電性粒子を無作為に選択し、各導電性粒子の連続膜を観察する。各導電性粒子における連続膜の厚みを計測し、それらを算術平均して連続膜の厚みとする。
電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高める観点、及び電極間の導通信頼性をより一層効果的に高める観点からは、上記連続膜の厚みの上記絶縁性粒子の粒子径に対する比は、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上であり、好ましくは1以下、より好ましくは0.1以下である。
上記導電層の表面及び上記絶縁性粒子の表面を上記連続膜で被覆する方法としては、アルコキシドの加水分解反応を用いて、上記導電層の表面及び上記絶縁性粒子の表面に絶縁性組成物(金属アルコキシドを含む組成物)をコーティングする方法等が挙げられる。
(導電材料)
本発明に係る導電材料は、上述した導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む。上記導電性粒子は、バインダー樹脂中に分散されて用いられることが好ましく、バインダー樹脂中に分散されて導電材料として用いられることが好ましい。上記導電材料は、異方性導電材料であることが好ましい。上記導電材料は、電極間の電気的な接続に用いられることが好ましい。上記導電材料は回路接続用導電材料であることが好ましい。上記導電材料では、上述した導電性粒子が用いられているので、導電性粒子をバインダー樹脂中に分散させる等の導電接続前に導電性粒子の表面から絶縁性粒子が意図せずに脱離することを防止でき、電極間の絶縁信頼性をより一層高めることができる。
上記バインダー樹脂は特に限定されない。上記バインダー樹脂として、公知の絶縁性の樹脂が用いられる。上記バインダー樹脂は、熱可塑性成分(熱可塑性化合物)又は硬化性成分を含むことが好ましく、硬化性成分を含むことがより好ましい。上記硬化性成分としては、光硬化性成分及び熱硬化性成分が挙げられる。上記光硬化性成分は、光硬化性化合物及び光重合開始剤を含むことが好ましい。上記熱硬化性成分は、熱硬化性化合物及び熱硬化剤を含むことが好ましい。
上記バインダー樹脂としては、例えば、ビニル樹脂、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、熱可塑性ブロック共重合体及びエラストマー等が挙げられる。上記バインダー樹脂は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビニル樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂及びスチレン樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びポリアミド樹脂等が挙げられる。上記硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。なお、上記硬化性樹脂は、常温硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂又は湿気硬化型樹脂であってもよい。上記硬化性樹脂は、硬化剤と併用されてもよい。上記熱可塑性ブロック共重合体としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、及びスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。上記エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、及びアクリロニトリル−スチレンブロック共重合ゴム等が挙げられる。
上記導電材料は、上記導電性粒子及び上記バインダー樹脂の他に、例えば、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、重合触媒、硬化触媒、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤及び難燃剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
上記導電材料の80℃での粘度は、好ましくは50Pa・s以上、より好ましくは100Pa・s以上、さらに好ましくは200Pa・s以上であり、好ましくは10000Pa・s以下、より好ましくは5000Pa・s以下、さらに好ましくは1000Pa・s以下である。上記導電材料の80℃での粘度が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高めることができ、電極間の導通信頼性をより一層効果的に高めることができる。
上記粘度は、例えば、E型粘度計(東機産業社製「TVE22L」)等を用いて、80℃及び2rpmの条件で測定可能である。
本発明に係る導電材料は、導電ペースト及び導電フィルム等として使用され得る。本発明に係る導電材料が、導電フィルムである場合には、導電性粒子を含む導電フィルムに、導電性粒子を含まないフィルムが積層されていてもよい。上記導電ペーストは、異方性導電ペーストであることが好ましい。上記導電フィルムは、異方性導電フィルムであることが好ましい。
上記導電材料100重量%中、上記バインダー樹脂の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上であり、好ましくは99.99重量%以下、より好ましくは99.9重量%以下である。上記バインダー樹脂の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間に導電性粒子が効率的に配置され、導電材料により接続された接続対象部材の接続信頼性がより一層高くなる。
上記導電材料100重量%中、上記導電性粒子の含有量は、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上であり、好ましくは80重量%以下、より好ましくは60重量%以下、さらに好ましくは40重量%以下、特に好ましくは20重量%以下、最も好ましくは10重量%以下である。上記導電性粒子の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の導通信頼性がより一層高くなる。
(接続構造体)
上記導電性粒子を用いて、又は上記導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料を用いて、接続対象部材を接続することにより、接続構造体を得ることができる。
上記接続構造体は、第1の接続対象部材と、第2の接続対象部材と、第1の接続対象部材及び第2の接続対象部材を接続している接続部とを備え、上記接続部の材料が、上述した導電性粒子であるか、又は上述した導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料であることが好ましい。上記接続部が、上述した導電性粒子により形成されているか、又は上述した導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料により形成されていることが好ましい。導電性粒子が用いられた場合には、接続部自体が導電性粒子である。
上記第1の接続対象部材は、第1の電極を表面に有することが好ましい。上記第2の接続対象部材は、第2の電極を表面に有することが好ましい。上記第1の電極と上記第2の電極とが、上記導電性粒子により電気的に接続されていることが好ましい。
上記接続構造体は、上記第1の接続対象部材と上記第2の接続対象部材との間に、上記導電性粒子を配置するか、又は上記導電材料を配置する工程と、熱圧着することにより、導電接続する工程とを経て、得ることができる。上記熱圧着時に、上記絶縁性粒子が脱離することが好ましい。
図6は、図1に示す導電性粒子を用いた接続構造体を模式的に示す断面図である。
図6に示す接続構造体41は、第1の接続対象部材42と、第2の接続対象部材43と、第1の接続対象部材42及び第2の接続対象部材43を接続している接続部44とを備える。接続部44は、導電性粒子1を含む導電材料により形成されている。上記導電材料が熱硬化性を有し、接続部44が導電材料を熱硬化させることにより形成されていることが好ましい。なお、図6では、導電性粒子1は、図示の便宜上、略図的に示されている。導電性粒子1に代えて、導電性粒子1A、1B、1C、1D等を用いてもよい。
第1の接続対象部材42は表面(上面)に、複数の第1の電極42aを有する。第2の接続対象部材43は表面(下面)に、複数の第2の電極43aを有する。第1の電極42aと第2の電極43aとが、1つ又は複数の導電性粒子1により電気的に接続されている。従って、第1の接続対象部材42及び第2の接続対象部材43が導電性粒子1における導電層3により電気的に接続されている。
上記接続構造体の製造方法は特に限定されない。接続構造体の製造方法の一例としては、第1の接続対象部材と第2の接続対象部材との間に上記導電材料を配置し、積層体を得た後、該積層体を加熱及び加圧する方法等が挙げられる。上記熱圧着の圧力は好ましくは40MPa以上、より好ましくは60MPa以上であり、好ましくは90MPa以下、より好ましくは70MPa以下である。上記熱圧着の加熱の温度は、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上であり、好ましくは140℃以下、より好ましくは120℃以下である。上記熱圧着の圧力及び温度が上記下限以上及び上記上限以下であると、導電接続時に導電性粒子の表面から絶縁性粒子が容易に脱離でき、電極間の導通信頼性をより一層高めることができる。
上記接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びにプリント基板、フレキシブルプリント基板、ガラスエポキシ基板及びガラス基板等の回路基板等の電子部品等が挙げられる。上記接続対象部材は電子部品であることが好ましい。上記導電性粒子は、電子部品における電極の電気的な接続に用いられることが好ましい。
上記接続対象部材に設けられている電極としては、金電極、ニッケル電極、錫電極、アルミニウム電極、銀電極、SUS電極、銅電極、モリブデン電極及びタングステン電極等の金属電極が挙げられる。上記接続対象部材がフレキシブルプリント基板である場合には、上記電極は金電極、ニッケル電極、錫電極又は銅電極であることが好ましい。上記接続対象部材がガラス基板である場合には、上記電極はアルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極又はタングステン電極であることが好ましい。なお、上記電極がアルミニウム電極である場合には、アルミニウムのみで形成された電極であってもよく、金属酸化物層の表面にアルミニウム層が積層された電極であってもよい。上記金属酸化物層の材料としては、3価の金属元素がドープされた酸化インジウム及び3価の金属元素がドープされた酸化亜鉛等が挙げられる。上記3価の金属元素としては、Sn、Al及びGa等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)導電性粒子本体の作製
粒子径が20μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(基材粒子A、積水化学工業社製「ミクロパールSP−220」)を用意した。パラジウム触媒液を5重量%含むアルカリ溶液100重量部に、基材粒子A10重量部を、超音波分散器を用いて分散させた後、溶液をろ過することにより、基材粒子Aを取り出した。次いで、基材粒子Aをジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、基材粒子Aの表面を活性化させた。表面が活性化された基材粒子Aを十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、分散液を得た。次に、ニッケル粒子スラリー(平均粒子径100nm)1gを3分間かけて上記分散液に添加し、芯物質が付着された基材粒子を含む懸濁液を得た。
また、硫酸ニッケル0.35mol/L、ジメチルアミンボラン1.38mol/L及びクエン酸ナトリウム0.5mol/Lを含むニッケルめっき液(pH8.5)を用意した。
得られた懸濁液を60℃にて攪拌しながら、上記ニッケルめっき液を懸濁液に徐々に滴下し、無電解ニッケルめっきを行った。その後、懸濁液をろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥することにより、基材粒子Aの表面にニッケル−ボロン導電層(厚み0.15μm)を配置して、表面が導電層である導電性粒子本体を得た。
(2)絶縁性粒子の作製
4つ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管及び温度プローブを取り付けた5000mLセパラブルフラスコに、下記のモノマー組成物を入れた後、250rpmで攪拌し、窒素雰囲気下60℃で5時間重合を行った。上記モノマー組成物は、蒸留水4000mL、エタノール900mL、メタクリル酸メチル3.3mol、メタクリル酸トリデシル4.1mol、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールメタクリレート0.5mmol、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3mmolを含む。反応終了後、凍結乾燥して、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールメタクリレートに由来するP−OH基を表面に有する絶縁性粒子(粒子径540nm)を得た。
(3)絶縁性粒子付き導電性粒子本体の作製
上記で得られた絶縁性粒子を超音波照射下で蒸留水に分散させ、絶縁性粒子の10重量%水分散液を得た。得られた導電性粒子本体10gを蒸留水500mLに分散させ、絶縁性粒子の10重量%水分散液1gを添加し、室温で8時間攪拌した。3μmのメッシュフィルターで濾過した後、さらにメタノールで洗浄、乾燥し、絶縁性粒子付き導電性粒子本体を得た。
(4)導電性粒子の作製
得られた絶縁性粒子付き導電性粒子本体10gを4つ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、温度プローブを取り付けた2000mLセパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール1000mL、及び蒸留水50mLを入れた。さらにチタンアルコキシドを0.5mol/Lとなるように入れた後、250rpmで攪拌し、窒素雰囲気下で25℃で1時間重合を行うことで、導電性粒子を得た。得られた導電性粒子について、上記した方法で、上記第1の被覆率、上記第2の被覆率及び連続膜の厚みを求めた。
(5)導電材料(異方性導電ペースト)の作製
得られた導電性粒子7重量部と、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂25重量部と、フルオレン型エポキシ樹脂4重量部と、フェノールノボラック型エポキシ樹脂30重量部と、SI−60L(三新化学工業社製)とを配合して、3分間脱泡及び攪拌することで、導電材料(異方性導電ペースト)を得た。
(6)接続構造体の作製
L/Sが100μm/100μmであるCu電極パターン(第1の電極)が上面に形成されたガラス−エポキシ基板を用意した。また、L/Sが100μm/100μmであるAu電極パターン(第2の電極)が下面に形成されたポリイミド基板を用意した。
上記ガラス−エポキシ基板上に、得られた異方性導電ペーストを厚さ30μmとなるように塗工し、異方性導電ペースト層を形成した。次に、異方性導電ペースト層上に上記ポリイミド基板を、電極同士が対向するように積層した。その後、異方性導電ペースト層の温度が120℃となるようにヘッドの温度を調整しながら、ポリイミド基板の上面に加圧加熱ヘッドを載せ、60MPaの圧力をかけて異方性導電ペースト層を120℃で硬化させ、接続構造体を得た。
(実施例2)
導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを5nmに変更したこと、及び、第2の被覆率を40%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例3)
導電性粒子を作製する際に、第2の被覆率を40%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例4)
導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを100nmに変更したこと、及び、第2の被覆率を100%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例5)
導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを500nmに変更したこと、及び、第2の被覆率を100%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例6)
絶縁性粒子付き導電性粒子本体を作製する際に、第1の被覆率を30%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例7)
絶縁性粒子付き導電性粒子本体を作製する際に、第1の被覆率を80%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例8)
絶縁性粒子付き導電性粒子本体を作製する際に、第1の被覆率を95%に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例9)
導電性粒子を作製する際に、連続膜の材料をシランアルコキシドに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例10)
導電性粒子を作製する際に、連続膜の材料をジルコニウムアルコキシドに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例11)
導電性粒子を作製する際に、連続膜の材料をスズアルコキシドに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例12)
導電性粒子を作製する際に、連続膜の材料をアルミニウムアルコキシドに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例13)
導電性粒子を作製する際に、連続膜の材料をインジウムアルコキシドに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例14)
導電性粒子を作製する際に、連続膜の材料をチタンアルコキシド−シランアルコキシドに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例15)
絶縁性粒子を作製する際に、絶縁性粒子の粒子径を30nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例16)
絶縁性粒子を作製する際に、絶縁性粒子の粒子径を120nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例17)
絶縁性粒子を作製する際に、絶縁性粒子の粒子径を360nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例18)
絶縁性粒子を作製する際に、絶縁性粒子の粒子径を800nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例19)
絶縁性粒子を作製する際に、絶縁性粒子の粒子径を1000nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例20)
絶縁性粒子を作製する際に、絶縁性粒子の粒子径を4000nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例21)
粒子径が2.5μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(基材粒子B、積水化学工業社製「ミクロパールSP−2025」)を用意した。
導電性粒子本体を作製する際に、基材粒子Aの代わりに基材粒子Bを用いたこと、絶縁性粒子を作製する際に、絶縁性粒子の粒子径を180nmに変更したこと、並びに、接続構造体を作製する際に、ガラス−エポキシ基板のL/Sを10μm/20μmとしたこと、及びポリイミド基板のL/Sを10μm/20μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例22)
粒子径が50μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(基材粒子C、積水化学工業社製「ミクロパールSP−250」)を用意した。
導電性粒子本体を作製する際に、基材粒子Aの代わりに基材粒子Cを用いたこと、並びに、接続構造体を作製する際に、ガラス−エポキシ基板のL/Sを200μm/200μmとしたこと、及びポリイミド基板のL/Sを200μm/200μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例23)
導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを10nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例24)
導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを5nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例25)
絶縁性粒子付き導電性粒子本体を作製する際に、第1の被覆率を30%に変更したこと、及び、導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを10nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例26)
絶縁性粒子付き導電性粒子本体を作製する際に、第1の被覆率を80%に変更したこと、及び、導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを10nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例27)
絶縁性粒子付き導電性粒子本体を作製する際に、第1の被覆率を95%に変更したこと、及び、導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを10nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例28)
導電性粒子を作製する際に、連続膜の材料をシランアルコキシドに変更したこと、及び、導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを10nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例29)
導電性粒子を作製する際に、連続膜の材料をジルコニウムアルコキシドに変更したこと、及び、導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを10nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例30)
導電性粒子を作製する際に、連続膜の材料をスズアルコキシドに変更したこと、及び、導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを10nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例31)
導電性粒子を作製する際に、連続膜の材料をアルミニウムアルコキシドに変更したこと、及び、導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを10nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例32)
導電性粒子を作製する際に、連続膜の材料をインジウムアルコキシドに変更したこと、及び、導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを10nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例33)
導電性粒子を作製する際に、連続膜の材料をチタンアルコキシド−シランアルコキシドに変更したこと、及び、導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを10nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例34)
絶縁性粒子を作製する際に、絶縁性粒子の粒子径を30nmに変更したこと、及び、導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを10nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例35)
絶縁性粒子を作製する際に、絶縁性粒子の粒子径を120nmに変更したこと、及び、導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを10nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例36)
絶縁性粒子を作製する際に、絶縁性粒子の粒子径を360nmに変更したこと、及び、導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを10nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例37)
絶縁性粒子を作製する際に、絶縁性粒子の粒子径を800nmに変更したこと、及び、導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを10nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例38)
絶縁性粒子を作製する際に、絶縁性粒子の粒子径を1000nmに変更したこと、及び、導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを10nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例39)
絶縁性粒子を作製する際に、絶縁性粒子の粒子径を4000nmに変更したこと、及び、導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを10nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例40)
粒子径が2.5μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(基材粒子B、積水化学工業社製「ミクロパールSP−2025」)を用意した。
導電性粒子本体を作製する際に、基材粒子Aの代わりに基材粒子Bを用いたこと、絶縁性粒子を作製する際に、絶縁性粒子の粒子径を180nmに変更したこと、導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを10nmに変更したこと、並びに、接続構造体を作製する際に、ガラス−エポキシ基板のL/Sを10μm/20μmとしたこと、及びポリイミド基板のL/Sを10μm/20μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例41)
粒子径が10μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(基材粒子D、積水化学工業社製「ミクロパールSP−210」)を用意した。
導電性粒子本体を作製する際に、基材粒子Aの代わりに基材粒子Dを用いたこと、絶縁性粒子を作製する際に、絶縁性粒子の粒子径を800nmに変更したこと、導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを10nmに変更したこと、並びに、接続構造体を作製する際に、ガラス−エポキシ基板のL/Sを50μm/50μmとしたこと、及びポリイミド基板のL/Sを50μm/50μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例42)
粒子径が15μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(基材粒子E、積水化学工業社製「ミクロパールSP−215」)を用意した。
導電性粒子本体を作製する際に、基材粒子Aの代わりに基材粒子Eを用いたこと、絶縁性粒子を作製する際に、絶縁性粒子の粒子径を800nmに変更したこと、導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを10nmに変更したこと、並びに、接続構造体を作製する際に、ガラス−エポキシ基板のL/Sを75μm/75μmとしたこと、及びポリイミド基板のL/Sを75μm/75μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例43)
粒子径が50μmであるジビニルベンゼン共重合体樹脂粒子(基材粒子C、積水化学工業社製「ミクロパールSP−250」)を用意した。
導電性粒子本体を作製する際に、基材粒子Aの代わりに基材粒子Cを用いたこと、導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを10nmに変更したこと、並びに、接続構造体を作製する際に、ガラス−エポキシ基板のL/Sを200μm/200μmとしたこと、及びポリイミド基板のL/Sを200μm/200μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例44)
導電性粒子本体を作製する際に、芯物質の平均粒子径を300nmに変更したこと、及び、導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを10nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例45)
導電性粒子本体を作製する際に、芯物質の平均粒子径を500nmに変更したこと、及び、導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを10nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例46)
導電性粒子本体を作製する際に、芯物質の材料をアルミナ(Al)に変更したこと、及び、導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを10nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例47)
導電性粒子本体を作製する際に、芯物質の材料をアルミナ(Al)に変更したこと、導電性粒子本体を作製する際に、芯物質の平均粒子径を300nmに変更したこと、及び、導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを10nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(実施例48)
導電性粒子本体を作製する際に、芯物質の材料をアルミナ(Al)に変更したこと、導電性粒子本体を作製する際に、芯物質の平均粒子径を500nmに変更したこと、及び、導電性粒子を作製する際に、連続膜の厚みを10nmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(比較例1)
絶縁性粒子付き導電性粒子本体の表面を連続膜により被覆せずに、導電性粒子とした。この導電性粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、導電材料及び接続構造体を得た。
(比較例2)
導電性粒子本体の表面上に絶縁性粒子を配置しなかったこと、並びに、導電性粒子本体の表面を連続膜により被覆しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料及び接続構造体を得た。
(比較例3)
得られた絶縁性粒子付き導電性粒子本体50重量部を、オレイルリン酸1重量%溶液300重量部に入れて、50℃で1時間攪拌した。さらに、メチルメタクリレート(MMA、重合性化合物)0.5重量部、及び2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン](和光純薬工業社製「VA−057」、ラジカル重合開始剤)0.1重量部を添加し、60℃で5時間攪拌することで、連続膜が樹脂により形成された導電性粒子を得た。
得られた導電性粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、導電材料及び接続構造体を得た。
(比較例4)
得られた絶縁性粒子付き導電性粒子本体50重量部、シリカ粒子(日本アエロジル社製「アエロジル50」)7.5重量部、及び平均粒径5mmのジルコニア球100重量部を、容積1Lのボールミル容器に入れて、回転速度500rpmで5時間攪拌した後、ジルコニア球を分離して、導電性粒子を得た。
得られた導電性粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、導電材料及び接続構造体を得た。比較例4では、導電層の表面上に配置されたシリカ粒子と、絶縁性粒子の表面上に配置されたシリカ粒子とは、連なっていなかった。また、導電層及び絶縁性粒子の表面上に配置されたシリカ粒子の厚みは、10nmであった。
(評価)
(1)導電接続前の絶縁性粒子の脱離防止性
導電接続前の絶縁性粒子の脱離防止性を以下のようにして評価した。導電接続前の絶縁性粒子の脱離防止性を下記の基準で判定した。
導電接続前の絶縁性粒子の脱離防止性の評価方法:
導電材料(異方性導電ペースト)の作製前後における導電性粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、導電材料(異方性導電ペースト)の作製前後における、導電層の表面積全体に占める導電層の表面の絶縁性粒子により被覆されている部分の面積である被覆率を算出した。導電材料(異方性導電ペースト)の作製後の導電性粒子については、作製後の導電材料(異方性導電ペースト)をMEKに溶解させ、分取することにより用意した。上記被覆率は、20個の導電性粒子を観察し、各導電性粒子の測定結果を平均した平均被覆率として算出した。
脱離した絶縁性粒子の割合を下記の式により算出した。
脱離した絶縁性粒子の割合(%)=[(1−B)/A]×100
A:導電材料(異方性導電ペースト)の作製前の導電層の表面積全体に占める導電層の表面の絶縁性粒子により被覆されている部分の面積である被覆率
B:導電材料(異方性導電ペースト)の作製後の導電層の表面積全体に占める導電層の表面の絶縁性粒子により被覆されている部分の面積である被覆率
[導電接続前の絶縁性粒子の脱離防止性の判定基準]
○○○:脱離した絶縁性粒子の割合が10%未満
○○:脱離した絶縁性粒子の割合が10%以上、20%未満
○:脱離した絶縁性粒子の割合が20%以上、30%未満
△:脱離した絶縁性粒子の割合が30%以上、40%未満
×:脱離した絶縁性粒子の割合が40%以上
(2)導電接続時の絶縁性粒子の脱離性
導電接続時の絶縁性粒子の脱離性以下のようにして評価した。導電接続時の絶縁性粒子の脱離性を下記の基準で判定した。
導電接続時の絶縁性粒子の脱離性の評価方法:
得られた接続構造体の断面を透過型電子顕微鏡(FE−SEM)で観察し、電極と導電性粒子との間に挟みこまれている絶縁性粒子の個数を算出した。上記絶縁性粒子の個数は、20個の導電性粒子を観察し、平均値を算出することにより求めた。
[導電接続時の絶縁性粒子の脱離性の判定基準]
○:電極と導電性粒子との間に挟みこまれている絶縁性粒子の個数が3個未満
△:電極と導電性粒子との間に挟みこまれている絶縁性粒子の個数が3個以上、7個未満
×:電極と導電性粒子との間に挟みこまれている絶縁性粒子の個数が7個以上
(3)導通信頼性(上下の電極間)
得られた20個の接続構造体の上下の電極間の接続抵抗をそれぞれ、4端子法により測定した。なお、電圧=電流×抵抗の関係から、一定の電流を流した時の電圧を測定することにより接続抵抗を求めることができる。導通信頼性を下記の基準で判定した。
[導通信頼性の判定基準]
○○○:接続抵抗が1.5Ω以下
○○:接続抵抗が1.5Ωを超え、2.0Ω以下
○:接続抵抗が2.0Ωを超え、5.0Ω以下
△:接続抵抗が5.0Ωを超え、10Ω以下
×:接続抵抗が10Ωを超える
(4)絶縁信頼性(横方向に隣り合う電極間)
上記(3)導通信頼性の評価で得られた20個の接続構造体において、隣接する電極間のリークの有無を、テスターで抵抗値を測定することにより評価した。絶縁信頼性を下記の基準で評価した。
[絶縁信頼性の判定基準]
○○○:抵抗値が10Ω以上の接続構造体の個数が、20個
○○:抵抗値が10Ω以上の接続構造体の個数が、18個以上、20個未満
○:抵抗値が10Ω以上の接続構造体の個数が、15個以上、18個未満
△:抵抗値が10Ω以上の接続構造体の個数が、10個以上、15個未満
×:抵抗値が10Ω以上の接続構造体の個数が、5個以上、10個未満
××:抵抗値が10Ω以上の接続構造体の個数が、5個未満
詳細及び結果を下記の表1〜4に示す。
Figure 2018137225
Figure 2018137225
Figure 2018137225
Figure 2018137225
1,1A,1B,1C,1D…導電性粒子
2…基材粒子
3,3A,3C,3D…導電層
3AA…第1の導電層
3AB…第2の導電層
4…絶縁性粒子
5,5B,5C,5D…連続膜
5BA…第1の連続膜
5BB…第2の連続膜
6C…芯物質
41…接続構造体
42…第1の接続対象部材
42a…第1の電極
43…第2の接続対象部材
43a…第2の電極
44…接続部

Claims (11)

  1. 絶縁性粒子付き導電性粒子本体と、
    無機材料を含む連続膜とを備え、
    前記絶縁性粒子付き導電性粒子本体は、基材粒子と、前記基材粒子の表面上に配置された導電層と、前記導電層の表面上に配置された絶縁性粒子とを備え、
    前記連続膜が、前記導電層の表面を覆っている部分と、前記絶縁性粒子の表面を覆っている部分とを有し、
    前記連続膜の前記導電層の表面を覆っている部分と、前記連続膜の前記絶縁性粒子の表面を覆っている部分とが連なっている、導電性粒子。
  2. 前記導電層の表面積全体に占める前記導電層の表面の前記絶縁性粒子により覆われている部分の面積が、95%以下である、請求項1に記載の導電性粒子。
  3. 前記絶縁性粒子付き導電性粒子本体の表面積全体に占める前記絶縁性粒子付き導電性粒子本体の表面の前記連続膜により覆われている部分の面積が、40%以上である、請求項1又は2に記載の導電性粒子。
  4. 前記連続膜が、無機酸化物膜である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  5. 前記連続膜の厚みが、1nm以上、500nm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  6. 前記絶縁性粒子の粒子径が、10nm以上、4000nm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  7. 前記導電性粒子本体の粒子径の前記絶縁性粒子の粒子径に対する比が、3以上、1000以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  8. 前記連続膜の厚みの前記絶縁性粒子の粒子径に対する比が、0.01以上、1以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む、導電材料。
  10. 導電材料の80℃での粘度が、50Pa・s以上、10000Pa・s以下である、請求項9に記載の導電材料。
  11. 第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、
    第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、
    前記第1の接続対象部材と、前記第2の接続対象部材を接続している接続部とを備え、
    前記接続部の材料が、請求項1〜8のいずれか1項に記載の導電性粒子であるか、又は前記導電性粒子とバインダー樹脂とを含む導電材料であり、
    前記第1の電極と前記第2の電極とが、前記導電性粒子における前記導電層により電気的に接続されている、接続構造体。
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