JP2018137102A - 非水電解質二次電池及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極の表面に粒子層を有し、セル抵抗の上昇が抑制された非水電解質二次電池、及びその製造方法を提供する。【解決手段】正極活物質を含む正極1と、負極活物質を含む負極3と、リチウムイオンを含む非水電解質と、正極1と負極3との間に設けられたセパレータ2と、正極1および負極3の少なくとも一方の表面上に設けられた粒子層4とを備える非水電解質二次電池であって、粒子層4はリチウムイオンを吸蔵放出しない粒子と、バインダーと、リチウム塩とを含む、非水電解質二次電池10。【選択図】図1
Description
本発明は非水電解質二次電池及びその製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、鉛蓄電池、ニッケル水素電池に比べて、エネルギー密度及び起電力が高いという特徴を有するため、小型、軽量化が要求される携帯電話やノートパソコン等の電源として広く使用されている。これらリチウムイオン二次電池では、電解質としてリチウム塩を有機溶媒に溶解させた非水電解液を使用したものが主流となっている。
リチウムイオン二次電池は、例えば、正極集電体上に正極活物質層が設けられた正極と、負極集電体上に負極活物質層が設けられた負極とを、セパレータを介して積層した積層体を外装体内に収容し、非水電解液を充填して密封することで製造される。
リチウムイオン二次電池は、例えば、正極集電体上に正極活物質層が設けられた正極と、負極集電体上に負極活物質層が設けられた負極とを、セパレータを介して積層した積層体を外装体内に収容し、非水電解液を充填して密封することで製造される。
リチウムイオン二次電池の電極の表面に多孔質絶縁層が設けられた構成も知られている。例えば特許文献1の実施例には、無機粒子と、分散剤として無機粒子100質量部に対して1質量部のポリカルボン酸塩と、無機粒子と分散剤の合計100質量部に対してバインダーであるスチレンブタジエンゴムを3質量部含む水系スラリーを正極の表面上に塗布し、溶媒である水を乾燥、除去して、厚さ2μmの粒子層が正極の表面に備えられた非水電解質二次電池が記載されている。
正極表面に設けられた粒子層は、正極での反応によって生じた非水電解質の分解物や、正極活物質から溶出する元素(リチウム以外の元素)をトラップするフィルタとして機能し、負極表面やセパレータにこれらが析出するのを防止する目的で形成されている。
正極表面に設けられた粒子層は、正極での反応によって生じた非水電解質の分解物や、正極活物質から溶出する元素(リチウム以外の元素)をトラップするフィルタとして機能し、負極表面やセパレータにこれらが析出するのを防止する目的で形成されている。
本発明者が検討したところ、従来の粒子層を電極の表面に設けると、セル抵抗が上昇してしまう問題を見出した。
本発明は、電極の表面に粒子層を有し、セル抵抗の上昇が抑制された非水電解質二次電池、及びその製造方法を提供する。
本発明は、電極の表面に粒子層を有し、セル抵抗の上昇が抑制された非水電解質二次電池、及びその製造方法を提供する。
本発明は以下の態様を有する。
[1] 正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、リチウムイオンを含む非水電解質と、前記正極と前記負極との間に設けられたセパレータと、前記正極および前記負極の少なくとも一方の表面上に設けられた粒子層とを備える非水電解質二次電池であって、前記粒子層は、リチウムイオンを吸蔵放出しない粒子と、バインダーと、リチウム塩とを含む、非水電解質二次電池。
[2] 前記リチウム塩の炭酸プロピレン100gに対する溶解度(25℃)が1g以下である、[1]に記載の非水電解質二次電池。
[3] 前記リチウム塩はオキソ酸リチウム塩を含む、[1]または[2]に記載の非水電解質二次電池。
[4] 前記リチウム塩は、それが水中に溶解されてなる水溶液のpHが8を超えるリチウム塩である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
[5] 前記粒子層における前記バインダーの含有量は、前記粒子100質量部に対して1.5〜20質量部である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
[6] 前記粒子層における前記リチウム塩の含有量は、前記粒子100質量部に対して1〜20質量部である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
[7] 前記粒子が無機粒子を含む、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
[8] 前記無機粒子が、マグネシア粒子、チタニア粒子及びアルミナ粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[7]に記載の非水電解質二次電池。
[9] 前記無機粒子の平均粒子径が1μm以下である、[7]または[8]に記載の非水電解質二次電池。
[10] 前記粒子層の厚みが2μm〜15μmである、[1]〜[9]のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
[11] 前記正極が、正極集電体と、前記正極活物質を含む正極活物質層とを有し、前記正極活物質層が前記正極集電体の表面上の一部に設けられており、前記粒子層が、前記正極活物質層上と、前記正極集電体の表面上とに存在する、[1]〜[10]のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
[12] 前記負極が、負極集電体と、前記負極活物質を含む負極活物質層とを有し、前記負極活物質層が前記負極集電体の表面上の一部に設けられており、前記粒子層が、前記負極活物質層上と、前記負極集電体の表面上とに存在する、[1]〜[11]のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
[13] リチウムイオンを吸蔵放出しない粒子と、バインダーと、リチウム塩とを含むスラリーを正極および負極の少なくとも一方の活物質層の上に塗布して、前記活物質層の上に粒子層を形成する工程を有する、非水電解質二次電池の製造方法。
[14] 前記スラリーは水分を含み、前記スラリーの水分含有量は、前記スラリーの液体成分の総質量に対して50質量%以上であり、前記リチウム塩の水100gに対する溶解度が1g以上である、[13]に記載の非水電解質二次電池の製造方法。
[15] 前記スラリーのpHが8を超える、[13]または[14]に記載の非水電解質二次電池の製造方法。
[1] 正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、リチウムイオンを含む非水電解質と、前記正極と前記負極との間に設けられたセパレータと、前記正極および前記負極の少なくとも一方の表面上に設けられた粒子層とを備える非水電解質二次電池であって、前記粒子層は、リチウムイオンを吸蔵放出しない粒子と、バインダーと、リチウム塩とを含む、非水電解質二次電池。
[2] 前記リチウム塩の炭酸プロピレン100gに対する溶解度(25℃)が1g以下である、[1]に記載の非水電解質二次電池。
[3] 前記リチウム塩はオキソ酸リチウム塩を含む、[1]または[2]に記載の非水電解質二次電池。
[4] 前記リチウム塩は、それが水中に溶解されてなる水溶液のpHが8を超えるリチウム塩である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
[5] 前記粒子層における前記バインダーの含有量は、前記粒子100質量部に対して1.5〜20質量部である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
[6] 前記粒子層における前記リチウム塩の含有量は、前記粒子100質量部に対して1〜20質量部である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
[7] 前記粒子が無機粒子を含む、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
[8] 前記無機粒子が、マグネシア粒子、チタニア粒子及びアルミナ粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[7]に記載の非水電解質二次電池。
[9] 前記無機粒子の平均粒子径が1μm以下である、[7]または[8]に記載の非水電解質二次電池。
[10] 前記粒子層の厚みが2μm〜15μmである、[1]〜[9]のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
[11] 前記正極が、正極集電体と、前記正極活物質を含む正極活物質層とを有し、前記正極活物質層が前記正極集電体の表面上の一部に設けられており、前記粒子層が、前記正極活物質層上と、前記正極集電体の表面上とに存在する、[1]〜[10]のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
[12] 前記負極が、負極集電体と、前記負極活物質を含む負極活物質層とを有し、前記負極活物質層が前記負極集電体の表面上の一部に設けられており、前記粒子層が、前記負極活物質層上と、前記負極集電体の表面上とに存在する、[1]〜[11]のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
[13] リチウムイオンを吸蔵放出しない粒子と、バインダーと、リチウム塩とを含むスラリーを正極および負極の少なくとも一方の活物質層の上に塗布して、前記活物質層の上に粒子層を形成する工程を有する、非水電解質二次電池の製造方法。
[14] 前記スラリーは水分を含み、前記スラリーの水分含有量は、前記スラリーの液体成分の総質量に対して50質量%以上であり、前記リチウム塩の水100gに対する溶解度が1g以上である、[13]に記載の非水電解質二次電池の製造方法。
[15] 前記スラリーのpHが8を超える、[13]または[14]に記載の非水電解質二次電池の製造方法。
本発明の非水電解質二次電池は、電極の表面に粒子層が設けられたことによるセル抵抗の上昇が抑制されているので、電池容量に優れる。
本発明の非水電解質二次電池の製造方法によれば、電極の表面に設ける粒子層内にリチウム塩を均一に分散させることができる。この結果、セル抵抗の上昇が抑制され、電池容量に優れた二次電池が得られる。
本発明の非水電解質二次電池の製造方法によれば、電極の表面に設ける粒子層内にリチウム塩を均一に分散させることができる。この結果、セル抵抗の上昇が抑制され、電池容量に優れた二次電池が得られる。
[非水電解質二次電池]
本発明の第一態様の非水電解質二次電池は、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、リチウムイオンを含む非水電解質と、前記正極と前記負極との間に設けられたセパレータと、前記正極および前記負極の少なくとも一方の表面上に設けられた粒子層とを備える非水電解質二次電池であって、前記粒子層は、リチウムイオンを吸蔵放出しない粒子と、バインダーと、リチウム塩とを含む。
以下、図面を参照してさらに詳述する。
本発明の第一態様の非水電解質二次電池は、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、リチウムイオンを含む非水電解質と、前記正極と前記負極との間に設けられたセパレータと、前記正極および前記負極の少なくとも一方の表面上に設けられた粒子層とを備える非水電解質二次電池であって、前記粒子層は、リチウムイオンを吸蔵放出しない粒子と、バインダーと、リチウム塩とを含む。
以下、図面を参照してさらに詳述する。
図1は、本発明の非水電解質二次電池(以下、単に二次電池ということもある。)の一実施形態を模式的に示す断面図である。図中符号1は正極、2はセパレータ、3は負極、4は粒子層、5は外装体、10は二次電池である。
正極1は、板状の正極集電体11と、その両面上に設けられた正極活物質層12と有する。正極活物質層12は正極集電体11の表面の一部に設けられており、正極集電体11の表面の縁部には、正極活物質層12が存在しない正極集電体露出部13が設けられている。この露出した縁部の任意の箇所には図示しない引出配線(タブ)が設けられている。粒子層4は正極活物質層12を覆うように設けられており、粒子層4の一部は正極集電体露出部13の表面上に延びて存在している。
負極3は、板状の負極集電体31と、その両面上に設けられた負極活物質層32とを有する。負極活物質層32は負極集電体31の表面の一部に設けられており、負極集電体31の表面の縁部には、負極活物質層32が存在しない負極集電体露出部33が設けられている。この露出した縁部の任意の箇所には図示しない引出配線(タブ)が設けられている。
本実施形態の二次電池10は、1枚の正極1と2枚の負極3と2枚のセパレータ2を、負極/セパレータ/正極/セパレータ/負極の順に積層してなる積層体が、外装体5内に収容され、非水電解質(図示せず)が充填されて密封されている。本実施形態において、正極1、負極3およびセパレータ2はそれぞれ平面視矩形状である。
正極1は、板状の正極集電体11と、その両面上に設けられた正極活物質層12と有する。正極活物質層12は正極集電体11の表面の一部に設けられており、正極集電体11の表面の縁部には、正極活物質層12が存在しない正極集電体露出部13が設けられている。この露出した縁部の任意の箇所には図示しない引出配線(タブ)が設けられている。粒子層4は正極活物質層12を覆うように設けられており、粒子層4の一部は正極集電体露出部13の表面上に延びて存在している。
負極3は、板状の負極集電体31と、その両面上に設けられた負極活物質層32とを有する。負極活物質層32は負極集電体31の表面の一部に設けられており、負極集電体31の表面の縁部には、負極活物質層32が存在しない負極集電体露出部33が設けられている。この露出した縁部の任意の箇所には図示しない引出配線(タブ)が設けられている。
本実施形態の二次電池10は、1枚の正極1と2枚の負極3と2枚のセパレータ2を、負極/セパレータ/正極/セパレータ/負極の順に積層してなる積層体が、外装体5内に収容され、非水電解質(図示せず)が充填されて密封されている。本実施形態において、正極1、負極3およびセパレータ2はそれぞれ平面視矩形状である。
<粒子層>
粒子層はリチウムイオンを吸蔵放出しない粒子と、バインダーと、リチウム塩を含む。 二次電池10における粒子層4は電解液に接触しており、電解液が粒子層4に浸潤することによってバインダーと粒子の間に多少の間隙が形成されている。この間隙を通してリチウムイオン等が粒子層4を透過するので、粒子層4はイオン伝導性を有する。
粒子層はリチウムイオンを吸蔵放出しない粒子と、バインダーと、リチウム塩を含む。 二次電池10における粒子層4は電解液に接触しており、電解液が粒子層4に浸潤することによってバインダーと粒子の間に多少の間隙が形成されている。この間隙を通してリチウムイオン等が粒子層4を透過するので、粒子層4はイオン伝導性を有する。
粒子層を構成する前記粒子は、例えば走査型電子顕微鏡で観察した際に、粒子の粒子界面を識別可能な程度に粒子形状を保持している。
粒子層を構成する前記粒子は、無機粒子を含むことが好ましい。前記粒子として、無機粒子以外の粒子、例えば有機粒子を併せて含んでいてもよい。
前記粒子が無機粒子を含むと、粒子層の機械的強度を高めたり、セル抵抗(1組の正極と負極からなる単位セルの抵抗)を低減したりすることができる。
前記粒子が無機粒子を含むと、粒子層の機械的強度を高めたり、セル抵抗(1組の正極と負極からなる単位セルの抵抗)を低減したりすることができる。
無機粒子は、リチウムイオンを吸蔵放出しない無機材料からなる粒子であればよい。粒子層中の無機粒子は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
無機粒子は、例えば無機酸化物粒子が好ましい。具体的には、マグネシア(酸化マグネシウム)粒子、チタニア(酸化チタン)粒子およびアルミナ(酸化アルミニウム)粒子からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
無機粒子の平均粒子径は、電池の内部抵抗の上昇を抑制する観点から、1.2μm未満が好ましく、1.0μm以下がより好ましく、0.8μm以下がさらに好ましく、0.6μm以下が特に好ましい。
無機粒子の平均粒子径の下限値は特に限定されないが、分散媒に対する分散性から、0.1μm以上が好ましく、0.3μm以上がより好ましい。
無機粒子は、例えば無機酸化物粒子が好ましい。具体的には、マグネシア(酸化マグネシウム)粒子、チタニア(酸化チタン)粒子およびアルミナ(酸化アルミニウム)粒子からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
無機粒子の平均粒子径は、電池の内部抵抗の上昇を抑制する観点から、1.2μm未満が好ましく、1.0μm以下がより好ましく、0.8μm以下がさらに好ましく、0.6μm以下が特に好ましい。
無機粒子の平均粒子径の下限値は特に限定されないが、分散媒に対する分散性から、0.1μm以上が好ましく、0.3μm以上がより好ましい。
有機粒子は、リチウムイオンを吸蔵放出しない有機材料からなる粒子であればよい。粒子層中の有機粒子は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
有機粒子を構成する有機材料の例として、例えば、ポリα−オレフィン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリメタクリル酸メチル、ポリシリコーン(ポリメチルシルセスキオキサン等)、ポリスチレン、ポリジビニルベンゼン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリイミド、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、アラミド、ポリアセタール、熱可塑性ポリイミド等が挙げられる。
有機粒子の平均粒子径の上限は、粒子層の好適な厚みを考慮して、2μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましい。有機粒子の平均粒子径の下限は、分散媒に対する分散性の点から0.01 μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好ましい。
有機粒子を構成する有機材料の例として、例えば、ポリα−オレフィン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリメタクリル酸メチル、ポリシリコーン(ポリメチルシルセスキオキサン等)、ポリスチレン、ポリジビニルベンゼン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリイミド、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合物、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、アラミド、ポリアセタール、熱可塑性ポリイミド等が挙げられる。
有機粒子の平均粒子径の上限は、粒子層の好適な厚みを考慮して、2μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましい。有機粒子の平均粒子径の下限は、分散媒に対する分散性の点から0.01 μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好ましい。
無機粒子及び有機粒子の「平均粒子径」は、個数基準の数平均粒子径である。無機粒子及び有機粒子の平均粒子径は、測定対象の粒子をランダムに50個選択し、これらを電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、各粒子の長径(最も長い差し渡しの長さ)を測定し、それらの平均値を算出して求められる。また、レーザー回折式粒度分布測定器によって簡易的に求めてもよい。
粒子層に含まれる全ての粒子の100質量部に対する無機粒子の含有量は、50〜100質量部が好ましく、60〜100質量部がより好ましく、70〜100質量部がさらに好ましく、80〜100質量部が特に好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、セパレータに対する接着強度がより高まる。上記範囲の上限値以下であると、電池の内部抵抗の上昇をより低減できる。
上記範囲の下限値以上であると、セパレータに対する接着強度がより高まる。上記範囲の上限値以下であると、電池の内部抵抗の上昇をより低減できる。
粒子層中の粒子の合計の含有量は、粒子層の総質量(100質量%)に対して、70〜 98質量%が好ましく、85〜95質量%がより好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、イオン伝導性が高まり、セル抵抗の上昇が低減される。上記範囲の上限値以下であると、剥離強度がより高まる。
上記範囲の下限値以上であると、イオン伝導性が高まり、セル抵抗の上昇が低減される。上記範囲の上限値以下であると、剥離強度がより高まる。
[バインダー]
バインダーは、粒子層において、粒子同士を結着させるポリマーである。
粒子層を構成するバインダーとしては、非水系二次電池の電極のバインダーとして使用されるものが適用でき、例えば、ポリアクリル酸(PAA)、ポリアクリル酸リチウム(PAALi)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体(PVDF−HFP)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)等が例示できる。
バインダーの分子量は、粒子の分散性、結着性等を考慮して適宜設定される。
バインダーは、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよく、二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すればよい。
バインダーは、粒子層において、粒子同士を結着させるポリマーである。
粒子層を構成するバインダーとしては、非水系二次電池の電極のバインダーとして使用されるものが適用でき、例えば、ポリアクリル酸(PAA)、ポリアクリル酸リチウム(PAALi)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体(PVDF−HFP)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)等が例示できる。
バインダーの分子量は、粒子の分散性、結着性等を考慮して適宜設定される。
バインダーは、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよく、二種以上を併用する場合には、その組み合わせ及び比率は目的に応じて適宜選択すればよい。
バインダーとしては、水に分散可能な水系バインダーが好ましい。具体的な水系バインダーとしては、例えば、CMC、PAA、PAALi、PVA、PEG等が挙げられる。
水系バインダーを用いると、非水系の電解液に対する耐溶解性が向上し、粒子層の電解液浸漬時の剥離強度がより高まる。
水系バインダーを用いると、非水系の電解液に対する耐溶解性が向上し、粒子層の電解液浸漬時の剥離強度がより高まる。
粒子層中の粒子100質量部に対して、バインダーの含有量は、1.5〜20質量部が好ましく、4〜20質量部がさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、粒子同士の結着力、剥離強度がより高まる。上記範囲の上限値以下であると、セル抵抗を低減しつつ、剥離強度が高まる。
上記範囲の下限値以上であると、粒子同士の結着力、剥離強度がより高まる。上記範囲の上限値以下であると、セル抵抗を低減しつつ、剥離強度が高まる。
粒子層の厚みは、ある程度の厚さまでは厚くなるにしたがって剥離強度が増大する。一方、粒子層がある程度の厚さ以上になると、剥離強度が低下し、セル抵抗が増加する傾向がある。
粒子層の厚みは1.0μm〜20μmが好ましく、2.0μm〜15μmがより好ましく、3.0μm〜10μmがさらに好ましく、4.0μm〜8.0μmが特に好ましい。
ここで、本発明における粒子層の厚みは、粒子層の断面の任意の10箇所の厚みをSEMで観察して、その平均を算出した値として求められる値である。
粒子層の厚みは1.0μm〜20μmが好ましく、2.0μm〜15μmがより好ましく、3.0μm〜10μmがさらに好ましく、4.0μm〜8.0μmが特に好ましい。
ここで、本発明における粒子層の厚みは、粒子層の断面の任意の10箇所の厚みをSEMで観察して、その平均を算出した値として求められる値である。
粒子層の厚みTと無機粒子の平均粒子径Dの関係として、(平均粒子径D)/(粒子層の厚みT)で表される比(D/T)が、例えば、0.02〜0.50が好ましく、0.04〜0.40がより好ましく、0.06〜0.30がさらに好ましい。
上記比(D/T)が上記範囲内であると、粒子層の剥離強度がより向上する。
上記比(D/T)が上記範囲内であると、粒子層の剥離強度がより向上する。
[リチウム塩]
粒子層に含まれるリチウム塩は、リチウムイオンとカウンターアニオンとからなる化合物であり、粒子層における均一な分布を示す観点から、その分子量は1000以下が好ましく、500以下がより好ましい。
粒子層に含まれるリチウム塩は、リチウムイオンとカウンターアニオンとからなる化合物であり、粒子層における均一な分布を示す観点から、その分子量は1000以下が好ましく、500以下がより好ましい。
本実施形態の二次電池において粒子層は電解質を含む非水溶媒(電解液)に接触する。このため、粒子層からリチウム塩が溶出することを抑制する観点から、粒子層に含まれるリチウム塩は非水溶媒に溶解し難いものであることが好ましく、例えば、炭酸プロピレン(PC:プロピレンカーボネート)100gに対する溶解度(25℃)が1.0g以下であるものがより好ましい。
ここで、炭酸プロピレンは典型的なカーボネート系非水溶媒であり、炭酸プロピレンに対するリチウム塩の溶解度は、他のカーボネート系非水溶媒に対するリチウム塩の溶解度と同程度であると考えられる。他のカーボネート系非水溶媒として、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)及びECとDECの混合溶媒等が挙げられる。
粒子層に含まれるリチウム塩はオキソ酸イオンのリチウム塩であることが好ましい。オキソ酸のリチウム塩が含まれると、セル抵抗を低下させつつ、さらに剥離強度の低下を抑制することができる。
ここでオキソ酸とは、ヒドロキシル基(−OH基)及びオキソ基(=O基)の両方が結合した原子を有し、且つ、そのヒドロキシル基が酸性プロトンを放出し得る化合物をいう。
オキソ酸のリチウム塩の具体例を以下に示す。
炭酸Li;PC溶解度<0.01g/100g ,W溶解度=約1.3g/100g(20℃)
リン酸Li;PC溶解度<0.01g/100g,W溶解度=約0.038g/100g(20℃)
硫酸Li;PC溶解度<0.01g/100g,W溶解度=約34.8g/100g(20℃)
四ホウ酸Li;PC溶解度>10g/100g,W溶解度=約28.1g/100g(20℃)
上記のPC溶解度は、25℃のPC100gに対する溶解度(単位:g/100g)である。上記のW溶解度は、20℃の水100gに対する溶解度(単位:g/100g)である。
ここでオキソ酸とは、ヒドロキシル基(−OH基)及びオキソ基(=O基)の両方が結合した原子を有し、且つ、そのヒドロキシル基が酸性プロトンを放出し得る化合物をいう。
オキソ酸のリチウム塩の具体例を以下に示す。
炭酸Li;PC溶解度<0.01g/100g ,W溶解度=約1.3g/100g(20℃)
リン酸Li;PC溶解度<0.01g/100g,W溶解度=約0.038g/100g(20℃)
硫酸Li;PC溶解度<0.01g/100g,W溶解度=約34.8g/100g(20℃)
四ホウ酸Li;PC溶解度>10g/100g,W溶解度=約28.1g/100g(20℃)
上記のPC溶解度は、25℃のPC100gに対する溶解度(単位:g/100g)である。上記のW溶解度は、20℃の水100gに対する溶解度(単位:g/100g)である。
粒子層に含まれるリチウム塩は、それが水中に溶解されてなる水溶液のpHが8を超えるリチウム塩であることが好ましい。前記水溶液中の前記リチウム塩の濃度は、例えば、0.001〜1M程度とすることができる。前記水溶液のpHは、18〜25℃で測定したときの値である。
リチウム塩が上記の性質を有すると、セル抵抗を低下させつつ、さらに剥離強度の低下を抑制することができる。
リチウム塩が上記の性質を有すると、セル抵抗を低下させつつ、さらに剥離強度の低下を抑制することができる。
粒子層中の粒子100質量部に対して、リチウム塩の含有量は、1〜40質量部が好ましく、1〜30質量部がより好ましく、1〜20質量部がさらに好ましく、1〜15質量部が特に好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、セル抵抗をより一層低減することができる。上記範囲の上限値以下であると、セル抵抗を低減しつつ、剥離強度が高まる。
上記範囲の下限値以上であると、セル抵抗をより一層低減することができる。上記範囲の上限値以下であると、セル抵抗を低減しつつ、剥離強度が高まる。
粒子層中のリチウム塩の含有量は、粒子層の総質量(100質量%)に対して、2〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、イオン伝導性が高まり、セル抵抗をより低下させることができる。上記範囲の上限値以下であると、剥離強度がより高まる。
上記範囲の下限値以上であると、イオン伝導性が高まり、セル抵抗をより低下させることができる。上記範囲の上限値以下であると、剥離強度がより高まる。
粒子層は、粒子およびバインダーの他に、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を含有してもよい。
粒子層における、その他の成分の合計の含有量は、粒子層の総質量(100質量%)に対して0〜5質量%が好ましく、0〜3質量%がより好ましい。
粒子層における、その他の成分の合計の含有量は、粒子層の総質量(100質量%)に対して0〜5質量%が好ましく、0〜3質量%がより好ましい。
[粒子層の形成方法]
粒子層は、粒子と、バインダーと、リチウム塩と、必要に応じてさらに、希釈溶媒と、任意のその他の成分とを含む塗布液(スラリー)を、正極および負極の少なくとも一方の表面上に塗布した後、乾燥させて希釈溶媒等を除去する方法で形成できる。
塗布方法は特に限定されず、例えば、ドクターブレード法、種々のコーター法、印刷法等が適用される。
希釈溶媒は、粒子及びバインダーを分散できるものであればよい。希釈溶媒の使用量は塗布作業性等に応じて適宜調整できる。
粒子層は、粒子と、バインダーと、リチウム塩と、必要に応じてさらに、希釈溶媒と、任意のその他の成分とを含む塗布液(スラリー)を、正極および負極の少なくとも一方の表面上に塗布した後、乾燥させて希釈溶媒等を除去する方法で形成できる。
塗布方法は特に限定されず、例えば、ドクターブレード法、種々のコーター法、印刷法等が適用される。
希釈溶媒は、粒子及びバインダーを分散できるものであればよい。希釈溶媒の使用量は塗布作業性等に応じて適宜調整できる。
前記希釈溶媒は、粒子層を構成する前記リチウム塩を少なくとも一部溶解できるものが好ましい。さらに、前記スラリーを塗布する電極の活物質層を溶解し難い観点から、希釈溶媒の総質量に対して水分を40〜100質量%含む水系溶媒であることがより好ましい。したがって、前記スラリーの水分含有量は、前記スラリーの液体成分(希釈溶媒)の総質量に対して70〜100質量%であることが好ましく、90〜100質量%以上であることがより好ましい。前記液体成分に含まれる水分以外の成分としては、水と混和可能な有機溶媒が挙げられる。
前記スラリーを調製する際に、前記水系溶媒と水に対する溶解度が充分なリチウム塩を併用することにより、スラリーを塗布して形成される粒子層における前記リチウム塩の分布を均一にし、セル抵抗をより一層低減することができる。
したがって、前記水系溶媒に溶解させる前記リチウム塩は、水100gに対する溶解度が1g以上であるものが好ましい。
したがって、前記水系溶媒に溶解させる前記リチウム塩は、水100gに対する溶解度が1g以上であるものが好ましい。
前記スラリーを塗布した電極の活物質層から、その活物質層の成分が塗布したスラリー(乾燥前の粒子層)に移行することを防ぐ観点から、前記スラリーのpHが8を超えることが好ましい。活物質層に含まれる成分は酸性溶液に溶解し易いので、pHが8を超えるアルカリ性のスラリーを塗布することにより活物質層からの成分の移行を防ぐことができる。
[非水電解質二次電池の製造方法]
本発明にかかる非水電解質二次電池は、上述の[粒子層の形成方法]を行う工程を有する。非水電解質二次電池を構成する部材を組み立てる工程は、前記粒子層が形成された正極及び前記粒子層が形成された負極のうち少なくとも一方を使用する以外は、公知の組み立て工程を適用できる。
本発明にかかる非水電解質二次電池は、上述の[粒子層の形成方法]を行う工程を有する。非水電解質二次電池を構成する部材を組み立てる工程は、前記粒子層が形成された正極及び前記粒子層が形成された負極のうち少なくとも一方を使用する以外は、公知の組み立て工程を適用できる。
<正極>
正極集電体および正極活物質層は特に限定されず、公知の材料を用いることができる。
正極集電体は、導電性金属箔が用いられ、例えばアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはこれらの合金などが用いられる。
正極活物質層は、例えば、正極活物質、導電助剤、および結着材を溶媒に分散させてなる正極用スラリーを正極集電体の表面上に塗布することで形成される。
正極活物質は、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、オリビン型リン酸鉄リチウム等の遷移金属酸化物が例示でき、これら材質からなる群から選択される1種以上が好ましい。
導電助剤としては、例えばアセチレンブラック、カーボンナノファイバー等が挙げられる。
結着材としては、例えばポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂が挙げられる。
正極集電体および正極活物質層は特に限定されず、公知の材料を用いることができる。
正極集電体は、導電性金属箔が用いられ、例えばアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはこれらの合金などが用いられる。
正極活物質層は、例えば、正極活物質、導電助剤、および結着材を溶媒に分散させてなる正極用スラリーを正極集電体の表面上に塗布することで形成される。
正極活物質は、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、オリビン型リン酸鉄リチウム等の遷移金属酸化物が例示でき、これら材質からなる群から選択される1種以上が好ましい。
導電助剤としては、例えばアセチレンブラック、カーボンナノファイバー等が挙げられる。
結着材としては、例えばポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂が挙げられる。
<負極>
負極集電体および負極活物質層は特に限定されず、公知の材料を用いることができる。
負極集電体は、導電性金属箔が用いられ、例えば銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはこれらの合金が用いられる。
負極活物質層は、例えば、負極活物質、結着材、および必要に応じて加えられた導電助剤を溶媒に分散させてなる負極用スラリーを負極集電体の表面上に塗布することで形成される。
負極活物質は、金属リチウム、リチウム合金、リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る炭素系材料(炭素粉末、黒鉛粉末等)、金属酸化物等が例示でき、これら材質からなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ等を用いることができる。
結着材としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロースナトリウム等が挙げられる。
負極集電体および負極活物質層は特に限定されず、公知の材料を用いることができる。
負極集電体は、導電性金属箔が用いられ、例えば銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはこれらの合金が用いられる。
負極活物質層は、例えば、負極活物質、結着材、および必要に応じて加えられた導電助剤を溶媒に分散させてなる負極用スラリーを負極集電体の表面上に塗布することで形成される。
負極活物質は、金属リチウム、リチウム合金、リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る炭素系材料(炭素粉末、黒鉛粉末等)、金属酸化物等が例示でき、これら材質からなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ等を用いることができる。
結着材としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロースナトリウム等が挙げられる。
<セパレータ>
セパレータの材質としては、特に限定されないが、例えば、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、もしくはセルロース系の材料からなる微多孔性の高分子膜または不織布;ガラスファイバーからなる織布または不織布等が挙げられる。
セパレータの材質としては、特に限定されないが、例えば、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、もしくはセルロース系の材料からなる微多孔性の高分子膜または不織布;ガラスファイバーからなる織布または不織布等が挙げられる。
セパレータの厚さは特に制限されず、充分な機械的強度を得る観点から、例えば、5μm〜50μmとすることができる。
セパレータの縦×横のサイズは、電極集電体のサイズ以上であることが好ましく、電極集電体のサイズよりも一回り大きい、例えば、0.1cm〜5cm程度大きいことがより好ましい。
セパレータの縦×横のサイズは、電極集電体のサイズ以上であることが好ましく、電極集電体のサイズよりも一回り大きい、例えば、0.1cm〜5cm程度大きいことがより好ましい。
<非水電解質>
非水電解質二次電池において公知の非水電解質を用いることができる。
電解質と非水溶媒の混合物である非水電解液でもよく、電解質とポリマーの混合物であるポリマー固体電解質でもよい。ポリマー固体電解質には可塑剤として非水溶媒を含有するものも含まれる。
電解質としては、公知のリチウムイオン二次電池に使用されるものが適用可能であり、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ素リチウム(LiBF4)、リチウムビスフルオロスルホニルイミド(LiFSI)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(SO2CF3)2、LiTFSI)等の公知のリチウム塩が挙げられる。電解質は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
非水電解質二次電池において公知の非水電解質を用いることができる。
電解質と非水溶媒の混合物である非水電解液でもよく、電解質とポリマーの混合物であるポリマー固体電解質でもよい。ポリマー固体電解質には可塑剤として非水溶媒を含有するものも含まれる。
電解質としては、公知のリチウムイオン二次電池に使用されるものが適用可能であり、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ素リチウム(LiBF4)、リチウムビスフルオロスルホニルイミド(LiFSI)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(LiN(SO2CF3)2、LiTFSI)等の公知のリチウム塩が挙げられる。電解質は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
電解液を構成する電解質としてのリチウム塩は、通常、非水溶媒に対する溶解性が高いものであることが好ましい。一方、粒子層を構成するリチウム塩は電解液に接触するが、この電解液に対して溶解し難いものであることが好ましい。したがって、通常、電解液を構成する電解質としてのリチウム塩と、粒子層を構成するリチウム塩とは互いに異なる。
非水溶媒としては、例えば、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ラクトン類、ニトリル類、アミド類、スルホン類等が使用できる。非水溶媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合溶媒でもよい。
具体例としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメトキシエタン、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、およびγ−ブチロラクトン等が挙げられる。
具体例としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメトキシエタン、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、およびγ−ブチロラクトン等が挙げられる。
<作用・効果>
本実施形態の二次電池は、正極の表面上に粒子層が設けられているため、正極での反応によって生じた非水電解質の分解物や、正極活物質から溶出する元素(リチウム以外の元素)が粒子層でトラップされ、負極表面やセパレータにこれらが析出するのが防止される。
また、粒子層にリチウム塩が含まれているので、セル抵抗が低減されており、優れた電池容量を示す。
本実施形態の二次電池は、正極の表面上に粒子層が設けられているため、正極での反応によって生じた非水電解質の分解物や、正極活物質から溶出する元素(リチウム以外の元素)が粒子層でトラップされ、負極表面やセパレータにこれらが析出するのが防止される。
また、粒子層にリチウム塩が含まれているので、セル抵抗が低減されており、優れた電池容量を示す。
本実施形態の二次電池は、正極集電体の、正極活物質層が設けられている面上において、粒子層が正極活物質層上だけでなく、正極集電体の表面上にも存在する。すなわち、図1に示すように、粒子層4の一部は正極集電体露出部13の表面上に存在している。したがって、仮に、セパレータの熱収縮や位置ずれ等によって、対向する負極活物質層32と正極集電体露出部13との間にセパレータが存在しない状態が生じたときに、負極活物質層32と正極集電体露出部13とが接触して短絡が生じるのを、これらの間に存在する粒子層4によって防止することができる。
正極集電体露出部13の表面のうち粒子層4が存在する領域が大きいほど、前記短絡を防止する効果がより高い。例えば、正極活物質層12の端縁から粒子層4の端縁までの距離(図中xで示す。)は2mm以上が好ましく、4mm以上がより好ましい。
正極集電体露出部13の表面のうち粒子層4が存在する領域が大きいほど、前記短絡を防止する効果がより高い。例えば、正極活物質層12の端縁から粒子層4の端縁までの距離(図中xで示す。)は2mm以上が好ましく、4mm以上がより好ましい。
<変形例>
本実施形態においては正極1の表面上に粒子層4を設けたが、同様の粒子層を、負極3の表面上に設けてもよく、または正極1の表面上と負極3の表面上の両方に設けてもよく、同様の効果が得られる。
本実施形態の二次電池10は、1枚の正極1と2枚の負極3と2枚のセパレータ2を図1に示すように積層したが、負極/セパレータ/正極で構成されるユニットを有していればよく、該ユニットの数は任意に変更できる。
本実施形態の二次電池10では、正極活物質層12および粒子層4を、正極集電体11の両面に設けたが、正極集電体11の片面のみに設けてもよい。負極の表面上に粒子層を設ける場合は、負極活物質層および粒子層を、負極集電体の両面に設けてもよく、負極集電体の片面のみに設けてもよい。
一般に、正極では導電性が律速になり、負極ではイオン伝導性が律速になる場合が多い。このため、二次電池の電気化学反応を円滑に進め、内部抵抗の上昇を抑制する観点から、粒子層は負極表面よりも正極表面に設けることが好ましい。
二次電池の形状は、本実施形態の形状に限定されず、円筒型、角型、コイン型、シート型等、種々のものに調節できる。
本実施形態においては正極1の表面上に粒子層4を設けたが、同様の粒子層を、負極3の表面上に設けてもよく、または正極1の表面上と負極3の表面上の両方に設けてもよく、同様の効果が得られる。
本実施形態の二次電池10は、1枚の正極1と2枚の負極3と2枚のセパレータ2を図1に示すように積層したが、負極/セパレータ/正極で構成されるユニットを有していればよく、該ユニットの数は任意に変更できる。
本実施形態の二次電池10では、正極活物質層12および粒子層4を、正極集電体11の両面に設けたが、正極集電体11の片面のみに設けてもよい。負極の表面上に粒子層を設ける場合は、負極活物質層および粒子層を、負極集電体の両面に設けてもよく、負極集電体の片面のみに設けてもよい。
一般に、正極では導電性が律速になり、負極ではイオン伝導性が律速になる場合が多い。このため、二次電池の電気化学反応を円滑に進め、内部抵抗の上昇を抑制する観点から、粒子層は負極表面よりも正極表面に設けることが好ましい。
二次電池の形状は、本実施形態の形状に限定されず、円筒型、角型、コイン型、シート型等、種々のものに調節できる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[製造例1]
正極活物質を含む固形成分100質量部と、導電助剤としてアセチレンブラックを5質量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデンを5質量部と、溶媒としてNMPとを混合し、固形分45%に調整したスラリーを得た。このスラリーをアルミニウム箔に塗布し、予備乾燥後、120℃で真空乾燥した。 電極を4kNで加圧プレスし、更に電極寸法の40mm角に打ち抜き、正極を作成した。
負極活物質を含む固形成分100質量部と、結着材としてスチレンブタジエンゴム1.5質量部と、増粘材としてカルボキシメチルセルロースNaを1.5質量部と、溶媒として水とを混合し、固形分50%に調整したスラリーを得た。このスラリーを銅箔に塗布し、100℃で真空乾燥した。
電極を2kNで加圧プレスし、更に電極寸法の42mm角に打ち抜き、負極を作成した。
正極活物質を含む固形成分100質量部と、導電助剤としてアセチレンブラックを5質量部と、結着材としてポリフッ化ビニリデンを5質量部と、溶媒としてNMPとを混合し、固形分45%に調整したスラリーを得た。このスラリーをアルミニウム箔に塗布し、予備乾燥後、120℃で真空乾燥した。 電極を4kNで加圧プレスし、更に電極寸法の40mm角に打ち抜き、正極を作成した。
負極活物質を含む固形成分100質量部と、結着材としてスチレンブタジエンゴム1.5質量部と、増粘材としてカルボキシメチルセルロースNaを1.5質量部と、溶媒として水とを混合し、固形分50%に調整したスラリーを得た。このスラリーを銅箔に塗布し、100℃で真空乾燥した。
電極を2kNで加圧プレスし、更に電極寸法の42mm角に打ち抜き、負極を作成した。
製造例1において、次の材料を用いた。
正極活物質として、オリビン酸鉄リチウムを用い、以下の質量比で混合した。
正極活物質:結着材(PVdF):導電助剤=90:5:5
負極活物質として、黒鉛を用い、以下の質量比で混合した。
負極活物質:結着材(CMC):結着材(SBR)=98:1:1
電解液:エチレンカーボネート(EC):ジエチルカーボネート(DEC)を3:7の体積比で混合した溶媒に、電解質としてLiPF6を1モル/リットルとなるように溶解して、非水電解液を調製した。
正極活物質として、オリビン酸鉄リチウムを用い、以下の質量比で混合した。
正極活物質:結着材(PVdF):導電助剤=90:5:5
負極活物質として、黒鉛を用い、以下の質量比で混合した。
負極活物質:結着材(CMC):結着材(SBR)=98:1:1
電解液:エチレンカーボネート(EC):ジエチルカーボネート(DEC)を3:7の体積比で混合した溶媒に、電解質としてLiPF6を1モル/リットルとなるように溶解して、非水電解液を調製した。
[実施例1]
(粒子層の形成)
リチウム塩(Li塩)として炭酸リチウム(Li2CO3)の粉末を用いた。
無機粒子としてアルミナ粒子(日本軽金属社製、製品名:AHP200、平均粒子径0.4μm)を用いた。
バインダーとして、水:CMC:SBRの質量比が83:12:5となるように混合された水系バインダー(固形分17質量%)を用いた。
(粒子層の形成)
リチウム塩(Li塩)として炭酸リチウム(Li2CO3)の粉末を用いた。
無機粒子としてアルミナ粒子(日本軽金属社製、製品名:AHP200、平均粒子径0.4μm)を用いた。
バインダーとして、水:CMC:SBRの質量比が83:12:5となるように混合された水系バインダー(固形分17質量%)を用いた。
表1に示す配合で、リチウム塩、無機粒子、及びバインダーを均一に混合して塗布液を調製した。
得られた塗布液を、製造例1で得た正極の両面上に塗布し、乾燥して、正極の両面上に粒子層を形成した。乾燥後の各粒子層の厚みはそれぞれ5μmであった。
図1に示すように、粒子層4は、正極の正極活物質層12上、およびこれに隣接する正極集電体露出部13上に連続して形成した。正極活物質層12の端縁から粒子層4の端縁までの距離(x)は5mmであった。
粒子層における水系バインダーの固形分は、全粒子100質量部に対して5質量部であった。
粒子層における全粒子100質量部に対して、リチウム塩は8質量部であった。
粒子層の総質量に対する無機粒子の含有量は、88.5質量%であった。
得られた塗布液を、製造例1で得た正極の両面上に塗布し、乾燥して、正極の両面上に粒子層を形成した。乾燥後の各粒子層の厚みはそれぞれ5μmであった。
図1に示すように、粒子層4は、正極の正極活物質層12上、およびこれに隣接する正極集電体露出部13上に連続して形成した。正極活物質層12の端縁から粒子層4の端縁までの距離(x)は5mmであった。
粒子層における水系バインダーの固形分は、全粒子100質量部に対して5質量部であった。
粒子層における全粒子100質量部に対して、リチウム塩は8質量部であった。
粒子層の総質量に対する無機粒子の含有量は、88.5質量%であった。
(電池の製造)
セパレータとして、ポリエチレン製多孔質フィルム(融点128℃)を用いた。
製造例2で得た負極2枚と、上記で粒子層を形成した正極1枚、セパレータ2枚を、図1に示すように、負極/セパレータ/正極/セパレータ/負極の順に積層した。正極集電体露出部および負極集電体露出部のそれぞれに、端子用タブを電気的に接続し、端子用タブが外部に突出するように、アルミラミネートフィルムで積層体を挟み、三辺をラミネート加工によって封止した。封止せずに残した一辺から、製造例1で得た電解液を注入し、真空封止することによって二次電池(ラミネートセル)を製造した。
セパレータとして、ポリエチレン製多孔質フィルム(融点128℃)を用いた。
製造例2で得た負極2枚と、上記で粒子層を形成した正極1枚、セパレータ2枚を、図1に示すように、負極/セパレータ/正極/セパレータ/負極の順に積層した。正極集電体露出部および負極集電体露出部のそれぞれに、端子用タブを電気的に接続し、端子用タブが外部に突出するように、アルミラミネートフィルムで積層体を挟み、三辺をラミネート加工によって封止した。封止せずに残した一辺から、製造例1で得た電解液を注入し、真空封止することによって二次電池(ラミネートセル)を製造した。
<評価>
以下の方法により、上記で製造した二次電池の性能を評価した。その結果を表1,2に示す。なお、表1,2に示した結果は同一であり、便宜上重複して記載した。
(1)内部抵抗(セル抵抗)
上記で製造した二次電池の内部抵抗を評価するために、室温(25℃)下で、バッテリハイテスタBT3562(製品名、日置電機社製)を用いて前記ラミネートセルの抵抗(セル抵抗)を測定した(測定単位:mΩ)。
(2)剥離強度
上記のようにして粒子層を形成した正極から、正極活物質層上に粒子層が設けられている部分を幅1cmの帯状に切り出し、粒子層に強粘着テープをローラーで貼り付けオートグラフを用いて180°方向の剥離試験を行なった。試験は、室温(25℃)下で行い、剥離試験速度は10mm/分として、粒子層の正極活物質層に対する、剥離強度を測定した(測定単位:N/cm)。
以下の方法により、上記で製造した二次電池の性能を評価した。その結果を表1,2に示す。なお、表1,2に示した結果は同一であり、便宜上重複して記載した。
(1)内部抵抗(セル抵抗)
上記で製造した二次電池の内部抵抗を評価するために、室温(25℃)下で、バッテリハイテスタBT3562(製品名、日置電機社製)を用いて前記ラミネートセルの抵抗(セル抵抗)を測定した(測定単位:mΩ)。
(2)剥離強度
上記のようにして粒子層を形成した正極から、正極活物質層上に粒子層が設けられている部分を幅1cmの帯状に切り出し、粒子層に強粘着テープをローラーで貼り付けオートグラフを用いて180°方向の剥離試験を行なった。試験は、室温(25℃)下で行い、剥離試験速度は10mm/分として、粒子層の正極活物質層に対する、剥離強度を測定した(測定単位:N/cm)。
[比較例1]
実施例1において、粒子層にリチウム塩を含有させなかった。それ以外は実施例1と同様にして二次電池の製造、および評価を行った。
実施例1において、粒子層にリチウム塩を含有させなかった。それ以外は実施例1と同様にして二次電池の製造、および評価を行った。
[実施例2]
実施例1において、リチウム塩をLiPF6に変更した。それ以外は実施例1と同様にして二次電池の製造、および評価を行った。
[実施例3]
実施例1において、リチウム塩をLi3PO4に変更した。それ以外は実施例1と同様にして二次電池の製造、および評価を行った。
実施例1において、リチウム塩をLiPF6に変更した。それ以外は実施例1と同様にして二次電池の製造、および評価を行った。
[実施例3]
実施例1において、リチウム塩をLi3PO4に変更した。それ以外は実施例1と同様にして二次電池の製造、および評価を行った。
[実施例4〜7]
実施例1において、リチウム塩の添加量を変更した。それ以外は実施例1と同様にして二次電池の製造、および評価を行った。
実施例1において、リチウム塩の添加量を変更した。それ以外は実施例1と同様にして二次電池の製造、および評価を行った。
[実施例8〜10]
実施例1において、無機粒子の平均粒子径、種類を変更した。それ以外は実施例1と同様にして二次電池の製造、および評価を行った。
実施例8の無機粒子:アルミナ粒子(平均粒子径1.2μm)。
実施例9の無機粒子:チタニア粒子(平均粒子径0.4μm)。
実施例10の無機粒子:マグネシア粒子(平均粒子径0.7μm)。
実施例1において、無機粒子の平均粒子径、種類を変更した。それ以外は実施例1と同様にして二次電池の製造、および評価を行った。
実施例8の無機粒子:アルミナ粒子(平均粒子径1.2μm)。
実施例9の無機粒子:チタニア粒子(平均粒子径0.4μm)。
実施例10の無機粒子:マグネシア粒子(平均粒子径0.7μm)。
[実施例11〜14]
粒子層を形成する際に、実施例1と同じ塗布液を用い、塗布量を変更して粒子層の膜厚を表1に示すとおりに変更した。
[実施例15〜18]
粒子層を形成する際に、実施例1におけるバインダーとして、水:CMC:SBRの質量比を表2に示すとおりに変更した。すなわち、実施例15では水:CMC:SBR=96:2:2とし、実施例16では水:CMC:SBR=90:5:5とし、実施例17では水:CMC:SBR=76:12:12とし、実施例18では水:CMC:SBR=64:12:24とした。
粒子層を形成する際に、実施例1と同じ塗布液を用い、塗布量を変更して粒子層の膜厚を表1に示すとおりに変更した。
[実施例15〜18]
粒子層を形成する際に、実施例1におけるバインダーとして、水:CMC:SBRの質量比を表2に示すとおりに変更した。すなわち、実施例15では水:CMC:SBR=96:2:2とし、実施例16では水:CMC:SBR=90:5:5とし、実施例17では水:CMC:SBR=76:12:12とし、実施例18では水:CMC:SBR=64:12:24とした。
表1〜2の結果に示されるように、実施例1〜18の二次電池は、製造時の塗布液にリチウム塩を含まず、その結果形成された粒子層にリチウム塩を含まない比較例1に比べて、セル抵抗が大幅に低下した。
実施例1〜3の結果から、プロピレンカーボネート(PC)100gに対する溶解度が1g以下であるリチウム塩を用いると、セル抵抗を低下させつつ、さらに剥離強度を向上させられることが分かる。
実施例1〜3の結果から、粒子層に含まれるリチウム塩がオキソ酸イオンのリチウム塩であると、セル抵抗を低下させつつ、さらに剥離強度を向上させられることが分かる。
実施例1〜3の結果から、粒子層に含まれるリチウム塩を水に溶解させた場合のpHがアルカリ側であるリチウム塩を用いると、セル抵抗を低下させつつ、さらに剥離強度を向上させられることが分かる。
実施例15〜18の結果から、無機粒子の100質量部に対して、水系バインダーが5〜20質量部であると、セル抵抗を低下させつつ、さらに剥離強度の低下を抑制できることが分かる。
実施例1,4〜7の結果から、無機粒子の100質量部に対して、リチウム塩が1〜20質量部であると、セル抵抗がより一層低下する傾向が分かる。
実施例1,8の結果から、無機粒子の平均粒子径が1.2μm未満であると、セル抵抗がより一層低下する傾向が分かる。
実施例11〜14の結果から、粒子層の膜厚が1.5μm超10μm未満であると、セル抵抗を低下させつつ、さらに剥離強度の低下を抑制できることが分かる。
1 正極
2 セパレータ
3 負極
4 粒子層
5 外装体
10 二次電池
11 正極集電体
12 正極活物質層
13 正極集電体露出部
31 負極集電体
32 負極活物質層
33 負極集電体露出部
2 セパレータ
3 負極
4 粒子層
5 外装体
10 二次電池
11 正極集電体
12 正極活物質層
13 正極集電体露出部
31 負極集電体
32 負極活物質層
33 負極集電体露出部
Claims (15)
- 正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、リチウムイオンを含む非水電解質と、前記正極と前記負極との間に設けられたセパレータと、前記正極および前記負極の少なくとも一方の表面上に設けられた粒子層とを備える非水電解質二次電池であって、
前記粒子層は、リチウムイオンを吸蔵放出しない粒子と、バインダーと、リチウム塩とを含む、非水電解質二次電池。 - 前記リチウム塩の炭酸プロピレン100gに対する溶解度(25℃)が1g以下である、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
- 前記リチウム塩はオキソ酸リチウム塩を含む、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
- 前記リチウム塩は、それが水中に溶解されてなる水溶液のpHが8を超えるリチウム塩である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記粒子層における前記バインダーの含有量は、前記粒子100質量部に対して1.5〜20質量部である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記粒子層における前記リチウム塩の含有量は、前記粒子100質量部に対して1〜20質量部である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記粒子が無機粒子を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記無機粒子が、マグネシア粒子、チタニア粒子及びアルミナ粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項7に記載の非水電解質二次電池。
- 前記無機粒子の平均粒子径が1μm以下である、請求項7または8に記載の非水電解質二次電池。
- 前記粒子層の厚みが2μm〜15μmである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。
- 前記正極が、正極集電体と、前記正極活物質を含む正極活物質層とを有し、
前記正極活物質層が前記正極集電体の表面上の一部に設けられており、前記粒子層が、前記正極活物質層上と、前記正極集電体の表面上とに存在する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。 - 前記負極が、負極集電体と、前記負極活物質を含む負極活物質層とを有し、
前記負極活物質層が前記負極集電体の表面上の一部に設けられており、前記粒子層が、前記負極活物質層上と、前記負極集電体の表面上とに存在する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の非水電解質二次電池。 - リチウムイオンを吸蔵放出しない粒子と、バインダーと、リチウム塩とを含むスラリーを正極および負極の少なくとも一方の活物質層の上に塗布して、前記活物質層の上に粒子層を形成する工程を有する、非水電解質二次電池の製造方法。
- 前記スラリーは水分を含み、前記スラリーの水分含有量は、前記スラリーの液体成分の総質量に対して50質量%以上であり、前記リチウム塩の水100gに対する溶解度が1g以上である、請求項13に記載の非水電解質二次電池の製造方法。
- 前記スラリーのpHが8を超える、請求項13または14に記載の非水電解質二次電池の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017030218A JP2018137102A (ja) | 2017-02-21 | 2017-02-21 | 非水電解質二次電池及びその製造方法 |
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JP2017030218A JP2018137102A (ja) | 2017-02-21 | 2017-02-21 | 非水電解質二次電池及びその製造方法 |
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JP2017030218A Pending JP2018137102A (ja) | 2017-02-21 | 2017-02-21 | 非水電解質二次電池及びその製造方法 |
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JP (1) | JP2018137102A (ja) |
-
2017
- 2017-02-21 JP JP2017030218A patent/JP2018137102A/ja active Pending
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