JP2018136124A - 耐候性鋼の腐食環境判定システム、耐候性鋼の腐食劣化予測システムおよびそれを用いたビジネス商品 - Google Patents

耐候性鋼の腐食環境判定システム、耐候性鋼の腐食劣化予測システムおよびそれを用いたビジネス商品 Download PDF

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【課題】保証対象とする耐候性鋼が暴露されている腐食環境を判定することができ、それに基づいて将来の腐食劣化を予測することを可能にする、耐候性鋼の腐食環境判定システム、耐候性鋼の腐食劣化予測システムおよびそれを用いたビジネス商品を提供する。【解決手段】耐候性鋼データベースに収納された耐候性鋼のうちで、保証対象とする耐候性鋼の腐食画像に類似した腐食画像を有する耐候性鋼を複数抽出し、それら複数の耐候性鋼の外観評点に基づいて、保証対象とする耐候性鋼の外観評点を判定するとともに、それら複数の耐候性鋼の腐食環境(期間平均飛来塩分量、好ましくはさらに乾湿繰返し回数)に基づいて、保証対象とする耐候性鋼の腐食環境(期間平均飛来塩分量、好ましくはさらに乾湿繰返し回数)を判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、耐候性鋼の腐食環境判定システム、耐候性鋼の腐食劣化予測システムおよびそれを用いたビジネス商品に関するものである。
耐候性鋼の腐食劣化度の評価については、これまでに種々の研究がなされており、さび外観評点、さび厚測定、セロファンテープ試験、イオン透過抵抗法等さまざまな手法が提案されている。
このうち、さび外観評点以外の手法では、対象とする部位に直接接触して試験あるいは測定を行う必要があり、試験や測定そのものの作業時間を含め、そのための足場を設置するというような煩雑な作業が不可欠となる。その結果、利便性や経済性の観点から、さび外観評点(以下、単に「外観評点」と言う)に頼らざるを得ないことになる。
その外観評点による分類を表1に示す。外観評点5〜3までは健全であり、外観評点2で経過観察が必要になり、外観評点1で何らかのメンテナンスが必要となることが分かる。
ただし、外観評点による方法は、現状、点検者が目視で評価していることから、点検者による評価のばらつきを排除するために、熟練の点検者が行うのが一般的であるが、時代と共に、熟練の点検者が少なくなってきている。また、耐候性鋼が普及していない国や地域においては、目視で評価できる点検者は稀である。
これに対して、特許文献1には、調査対象物の表面画像を画像処理して腐食状態(外観評点)を識別する方法が記載されている。すなわち、対象物の表面を撮像した画像について画像処理を行うことにより、対象物の表面状態を精度よく識別し、経験、知識、あるいは特殊な装置を要することなく対象物の表面状態を検査するために、対象物の表面を撮像して得られた評点が付与されている画像について水平方向および鉛直方向にウェーブレット変換を行い、最大解像度をkとして全解像度の周波数エネルギー和に対する解像度mにおける画像全体のエネルギーEmの比Enmと全解像度の周波数エネルギー和に対する解像度mにおける斜め方向の周波数エネルギーの比Elmとの解像度mごとの値を成分とする2k次元の特徴ベクトルEを複数の画像の各々に対して求め、求められた特徴ベクトルEをサポートベクトルマシンにより評点にしたがって分類して時別モデルを構築し、構築された識別モデルを用いて評点が未知の画像の評点をその特徴ベクトルEにより識別する。
ちなみに、図4は特許文献1における識別モデルの構築とそれを用いた識別の過程を示すフロー図であり、図5は特許文献1における識別モデル構築の有効性を検証する過程を示す図である。
特開2008−76167号公報
しかしながら、上記特許文献1のように、調査対象物(耐候性鋼)の表面画像を画像処理して腐食状態(外観評点)を識別する方法は、次のような問題がある。
(ア)調査対象物の表面状態のみを識別の対象としているため、腐食に至った背景を分析することができない。現在の腐食に至るまでは、腐食環境に応じた様々なパターンの履歴があるからである。
(イ)調査対象物の表面状態を現在の1時点のみで識別するため、将来の腐食までを予測することはできない。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、調査対象(保証対象)とする耐候性鋼が暴露されている腐食環境を判定することができ、それに基づいて将来の腐食劣化を予測することを可能にする、耐候性鋼の腐食環境判定システム、耐候性鋼の腐食劣化予測システムおよびそれを用いたビジネス商品を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有している。
[1]保証対象とする耐候性鋼が暴露された腐食環境を判定するための耐候性鋼の腐食環境判定システムであって、
これまでに腐食画像が得られている耐候性鋼ごとに、腐食画像と、外観評点と、付随条件(材質、暴露期間)と、腐食環境(期間平均飛来塩分量)とを収納した耐候性鋼データベースを記憶する耐候性鋼データベース記憶手段と、
保証対象とする耐候性鋼について、腐食画像と、付随条件(材質、暴露期間)とを記録する保証対象耐候性鋼データ記録手段と、
耐候性鋼データベースに収納された耐候性鋼のうちで、保証対象とする耐候性鋼の腐食画像に類似した腐食画像を有する耐候性鋼を複数抽出し、それら複数の耐候性鋼の外観評点に基づいて、保証対象とする耐候性鋼の外観評点を判定するとともに、それら複数の耐候性鋼の腐食環境(期間平均飛来塩分量)に基づいて、保証対象とする耐候性鋼の腐食環境(期間平均飛来塩分量)を判定する保証対象耐候性鋼外観評点・腐食環境判定手段と
を備えていることを特徴とする耐候性鋼の腐食環境判定システム。
[2]耐候性鋼データベースは、腐食環境として、さらに、乾湿繰返し回数を収納しており、保証対象耐候性鋼外観評点・腐食環境判定手段は、保証対象とする耐候性鋼の腐食環境として、さらに、乾湿繰返し回数を判定することを特徴とする前記[1]に記載の耐候性鋼の腐食環境判定システム。
[3]耐候性鋼データベースは、腐食環境として、さらに、期間平均温度、期間平均湿度を収納しており、保証対象耐候性鋼外観評点・腐食環境判定手段は、保証対象とする耐候性鋼の腐食環境として、さらに、期間平均温度、期間平均湿度を判定することを特徴とする前記[1]または[2]に記載の耐候性鋼の腐食環境判定システム。
[4]腐食画像の識別因子として、さび粒径、表面の凹凸度、色味、および、それぞれのばらつきのうち、1種類または複数種類の識別因子を用いることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の耐候性鋼の腐食環境判定システム。
[5]腐食画像について、同時に撮影した色見本により色調補正することを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載の耐候性鋼の腐食環境判定システム。
[6]腐食画像に対応する板厚減少量または/およびさび層の断面解析結果を加えることを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれかに記載の耐候性鋼の腐食環境判定システム。
[7]前記[1]〜[6]のいずれかに記載の耐候性鋼の腐食環境判定システムを用いて、保証対象とする耐候性鋼の今後の腐食劣化を予測する耐候性鋼の腐食劣化予測システムであって、
耐候性鋼データベース記憶手段と、保証対象耐候性鋼データ記録手段と、保証対象耐候性鋼外観評点・腐食環境判定手段に加えて、
保証対象耐候性鋼データ記録手段に記録された保証対象とする耐候性鋼の付随条件と、保証対象耐候性鋼外観評点・腐食環境判定手段が判定した保証対象とする耐候性鋼の外観評点および腐食環境とに基づいて、保証対象とする耐候性鋼の今後の腐食劣化を予測する保証対象耐候性鋼腐食劣化予測手段を備えていることを特徴とする耐候性鋼の腐食劣化予測システム。
[8]前記[1]〜[6]のいずれかに記載の耐候性鋼の腐食環境判定システムまたは前記[7]に記載の耐候性鋼の腐食劣化予測システムを用いた保証サービスまたは/および維持管理サービスを付加して、耐候性鋼を販売するあるいは耐候性鋼を用いた構造物を保全することを特徴とするビジネス商品。
本発明によれば、保証対象の耐候性鋼が暴露されている腐食環境を判定することができ、それに基づいて将来の腐食劣化を予測することを可能にする、耐候性鋼の腐食環境判定システム、耐候性鋼の腐食劣化予測システムおよびそれを用いたビジネス商品を提供することができる。
本発明の一実施形態を示す構成図である。 耐候性鋼を主部材として建設された構造物の構造安全性能と経年との関係を示す図である。 保証対象とする耐候性鋼の美観予測の概念図である。 従来技術(特許文献1)における識別モデルの構築とそれを用いた識別の過程を示すフロー図である。 従来技術(特許文献1)における識別モデル構築の有効性を検証する過程を示す図である。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す構成図である。この実施形態は、人工知能を用いた耐候性鋼の腐食環境判定・腐食劣化予測システムおよびそれを用いたビジネス商品よりなっている。
(A)耐候性鋼の腐食環境判定・腐食劣化予測システム
耐候性鋼の腐食環境判定・耐候性鋼の腐食劣化予測システムは、以下のような、耐候性鋼データベース記憶手段と、保証対象耐候性鋼データ記録手段と、保証対象耐候性鋼外観評点・腐食環境判定手段と、保証対象耐候性鋼腐食劣化予測手段とを備えている。
(a)耐候性鋼データベース記憶手段
これまでに腐食画像が得られている耐候性鋼ごとに、腐食画像と、外観評点と、付随条件(材質、暴露期間)と、腐食環境(期間平均飛来塩分量、好ましくはさらに乾湿繰返し回数)とを関連付けて収納した耐候性鋼データベースを内部記憶として記憶している。
ここで、腐食環境としては、最も重要なのが期間平均飛来塩分量であり、その次に重要なのが乾湿繰返し回数である。少なくとも期間平均飛来塩分量が収納されていればよいが、さらに乾湿繰返し回数が収納されていれているのが好ましい。
(b)保証対象耐候性鋼データ記録手段
保証対象とする耐候性鋼について、腐食画像と、付随条件(材質、暴露期間)とを入力データとして記録している。
(c)保証対象耐候性鋼外観評点・腐食環境判定手段
耐候性鋼データベースに収納された耐候性鋼のうちで、保証対象とする耐候性鋼の腐食画像に類似した腐食画像を有する耐候性鋼を複数抽出し、それら複数の耐候性鋼の外観評点に基づいて、保証対象とする耐候性鋼の外観評点を判定するとともに、それら複数の耐候性鋼の腐食環境(期間平均飛来塩分量、好ましくはさらに乾湿繰返し回数)に基づいて、保証対象とする耐候性鋼の腐食環境(期間平均飛来塩分量、好ましくはさらに乾湿繰返し回数)を判定する。
なお、ここでは、腐食画像の識別因子として、さび粒径、表面の凹凸度、色味、および、それぞれのばらつきのうち、1種類または複数種類の識別因子を用いている。
このうち、さび粒径については、腐食画像の一片の寸法を設定しておけば、その一片の寸法を基準にした相対的な腐食平面上のさび粒径として、二値化(白黒化)した腐食画像の各さび粒径(楕円粒の長軸と短軸の平均値)の平均値を求めればよい。
また、表面の凸凹度については、デジタルカメラで撮影した2枚以上の画像データを基に、被写体の3次元位置の計測を画像から解析処理すれば良い。計測結果が3次元データとして出力されるため、対象物の凹凸を算出することが可能である。例えば、カメラを左右に2台並べて、三角測量の原理で計測を行う「ステレオ法」を応用すればよい。位置・姿勢が既知の2台のカメラ(または1台のカメラを移動)で計測対象を撮影し、解析対象点が各画像に写る画像座標およびカメラの位置・姿勢からその点の三次元座標を算出する。あるいは、光源から投光した光がターゲットに当たって戻る時間を各画素ごとにリアルタイムで測定することにより、距離画像イメージを取得する。これにより、被写体を撮影と同時に立体面で計測すれば、深さ方向の距離を算出することができ、それらの最大値を凹凸度とすることができる。したがって、表面の凸凹度を腐食画像の識別因子として加える場合には、撮影情報が含まれていることが望ましい。
また、色味については、腐食画像のRGBヒストグラムを算出し、ヒストグラム形状を比較すればよい。
また、ばらつきについて、以上の3つの識別因子(さび粒径、表面の凹凸度、色味)に関して腐食画像内における頻度分布を求めればよい。
そして、耐候性鋼データベースに収納された耐候性鋼から、保証対象とする耐候性鋼の腐食画像に類似した腐食画像を有する耐候性鋼を複数抽出する際には、それらの識別因子(さび粒径、表面の凹凸度、色味、さび粒径のばらつき、表面の凹凸度のばらつき、色味のばらつき)のうちの1種類または複数種類ごとに、類似度が最も高いものから順に1個または複数個抽出する。その際、処理効率や統計学的観点から、抽出する個数の合計が6〜30個程度になるようにするのが好ましい。
なお、腐食画像の類似度を評価する際に、腐食画像の識別に活用できるパターン識別手法として、例えば、SVM(サポートベクターマシン)、kNN法(k−Nearest Neighbors法)、MLP(多層ニューラルネットワーク)、およびRBFネットワーク(Radial Basis Functionネットワーク)が知られており、このうち、SVMが現在最も優秀なパターン識別手法の一つであり、画像認識においても高い判別性能を有している。SVMは2種類分類機であり、事前に与えられた学習データを学習し、以下の識別関数を求める。
F(xi)=sgn(w・x+b)
ここに、xi(i=1,・・・,n)は、学習データであり、xi∈Rdとそのクラスyi(i=1,・・・,n)∈{−1,1}、w∈Rd、およびb∈Rdが定義されている。また、式中の・は内積、sgn( )は符号関数であり、w・x+b=0が識別面となる。SVMでは、識別面から各クラスの端までの距離を最大にするように識別面を決め、誤判定が最も生じにくくなるようにする。
そして、抽出した複数の耐候性鋼の外観評点に基づいて、保証対象とする耐候性鋼の外観評点を判定する際には、例えば、抽出した複数の耐候性鋼の外観評点のうち最も数が多いものを、保証対象とする耐候性鋼の外観評点と判定する。
また、抽出した複数の耐候性鋼の腐食環境(期間平均飛来塩分量、好ましくはさらに乾湿繰返し回数)に基づいて、保証対象とする耐候性鋼の腐食環境(期間平均飛来塩分量、好ましくはさらに乾湿繰返し回数)を判定する際には、例えば、類似度の高い順に重みを付けた重み付き平均値を、保証対象とする耐候性鋼の腐食環境(期間平均飛来塩分量、好ましくはさらに乾湿繰返し回数)と判定する。その際、重み付けの指標としては、例えば、さび粒径の度数分布、表面の凹凸度の度数分布、RGBヒストグラム、および、それぞれのばらつきの度数分布の類似性を用いるとよい。
(d)保証対象耐候性鋼腐食劣化予測手段
保証対象耐候性鋼データ記録手段に記録された保証対象とする耐候性鋼の付随条件(材質、暴露期間)と、保証対象耐候性鋼外観評点・腐食環境判定手段が判定した保証対象とする耐候性鋼の外観評点および腐食環境(期間平均飛来塩分量、好ましくはさらに乾湿繰返し回数)とに基づいて、保証対象とする耐候性鋼の今後の腐食劣化を予測する。
例えば、材質、暴露期間、期間平均飛来塩分量(好ましくはさらに乾湿繰返し回数)、現在の外観評点、今後の経過時間を変数にして、今後の外観評点を算定する外観評点計算式を、耐候性鋼データベースに収納されている情報等を利用して作成しておき、その外観評点計算式を用いて、保証対象とする耐候性鋼の今後の外観評点(未来外観評点)を予測する。
また、外観評点に対応した腐食画像を準備しておき、保証対象とする耐候性鋼の未来外観評点に対応する今後の腐食画像(未来腐食画像)を提示する。
(B)ビジネス商品
このビジネス商品(ビジネス方法)は、上記(A)耐候性鋼の腐食環境判定・腐食劣化予測システムを用いた保証サービス(例えば、n年耐久保証)または/および維持管理サービス(例えば、延命化マネージメント)を付加して、耐候性鋼を販売したり、耐候性鋼を用いた構造物(例えば、橋梁、鉄塔、高層ビル、高速道路)を保全したりするものである。
ここで、図2は、耐候性鋼を主部材として建設された構造物の構造安全性能と経年との関係であり、構造安全性能が耐候性鋼の経年腐食劣化により、減少していくことを表すとともに、構造物の寿命予測を行い、適切な時期に延命対策(例えば、洗浄、防湿、塗装補修)を施せば、寿命が増大することを示している。
このようにして、この実施形態においては、以下のような効果を得ることができる。
(1)耐候性鋼の腐食劣化度を一義的に診断することができる。
(2)耐候性鋼の腐食環境を推定することができる。
(3)耐候性鋼の将来の腐食状態を予測することができる。
(4)無塗装の耐候性鋼を用いた構造物の維持管理が計画的に行える。
(5)無塗装の耐候性鋼を用いた構造物の維持管理が容易となる。
(6)維持管理コストミニマムの安全安心な構造物を提供することできる。
(7)補修・補強のタイミングを最適化することが可能となる。
(8)より構造物の長寿命化を実現することができ、経済性も向上する。
(9)保証対象とする構造物が遠隔地にある場合でも、近接写真を入手すれば、診断・予測することができる。
なお、上記の実施形態において、耐候性鋼データベースに、腐食環境として、期間平均飛来塩分量(好ましくはさらに乾湿繰返し回数)に加えて、期間平均温度、期間平均湿度を収納しておき、保証対象耐候性鋼外観評点・腐食環境判定手段は、保証対象とする耐候性鋼の腐食環境として、期間平均飛来塩分量(好ましくはさらに乾湿繰返し回数)に加えて、期間平均温度、期間平均湿度を判定するようにしてもよい。
ここで、期間平均飛来塩分量、期間平均温度、期間平均湿度について、期間平均は、環境には四季があるため、一般的に年平均であることが望ましく、季節変動がない地域を対象とする場合は、例えば月平均等の代表的な期間、あるいはある季節の環境が腐食に支配的であることが分かっている場合は、その季節の期間の平均としてもよい。
また、乾湿繰返し回数、期間平均温度、期間平均湿度については、そのものでもよいし、それらを算出できるデータ(例えば、温度履歴、湿度履歴)であってもよい。
また、腐食画像については、同時に撮影した色見本により色調補正するようにしてもよい。さらに、腐食画像には、その地域における飛来塩分情報の取得や表面の凹凸度の分析のために、GPS位置情報や撮影条件等の撮影情報が含まれていることが望ましい。
また、付随条件である材質については、腐食要因を精緻化するために、材質規格(成分組成、機械的特性等)に加えて、顕微鏡組織等の情報が付加されていることが望ましい。
なお、腐食画像の画素数については、予め記憶する腐食画像の数に依存する。すなわち、画素数が多いと識別精度が高くなる反面、予め記憶しておく腐食画像の数が多い必要がある。一方、画素数が少ないと予め記憶しておくべき腐食画像の数が少なくて済む反面、識別精度が低くなる。したがって、予め記憶する腐食画像としては、同じ腐食画像に対し、同じ面積で画素数の異なるものとし、記憶数の蓄積に応じて、識別に使う腐食画像の画素数を変化させればよい。具体的には、保証対象とする腐食画像を予め記憶している腐食画像の数に応じて最も精度よく識別できる画素数に変換して照合・識別する。
そして、図3は、上記の本発明の一実施形態における腐食劣化予測をさらに発展させた概念図であり、保証対象とする耐候性鋼の腐食画像を、予め記録された腐食画像および関連付けされた科学的知見と照合することにより、保証対象とする耐候性鋼の科学的知見を生み出し、生み出した科学的知見と現在の腐食画像とから、未来の腐食状況を予測(美観予測)する概念を表している。ここで、科学的知見とは、例えば、腐食画像に対応する板厚減少量やさび層の断面解析結果である。

Claims (8)

  1. 保証対象とする耐候性鋼が暴露された腐食環境を判定するための耐候性鋼の腐食環境判定システムであって、
    これまでに腐食画像が得られている耐候性鋼ごとに、腐食画像と、外観評点と、付随条件(材質、暴露期間)と、腐食環境(期間平均飛来塩分量)とを収納した耐候性鋼データベースを記憶する耐候性鋼データベース記憶手段と、
    保証対象とする耐候性鋼について、腐食画像と、付随条件(材質、暴露期間)とを記録する保証対象耐候性鋼データ記録手段と、
    耐候性鋼データベースに収納された耐候性鋼のうちで、保証対象とする耐候性鋼の腐食画像に類似した腐食画像を有する耐候性鋼を複数抽出し、それら複数の耐候性鋼の外観評点に基づいて、保証対象とする耐候性鋼の外観評点を判定するとともに、それら複数の耐候性鋼の腐食環境(期間平均飛来塩分量)に基づいて、保証対象とする耐候性鋼の腐食環境(期間平均飛来塩分量)を判定する保証対象耐候性鋼外観評点・腐食環境判定手段と
    を備えていることを特徴とする耐候性鋼の腐食環境判定システム。
  2. 耐候性鋼データベースは、腐食環境として、さらに、乾湿繰返し回数を収納しており、保証対象耐候性鋼外観評点・腐食環境判定手段は、保証対象とする耐候性鋼の腐食環境として、さらに、乾湿繰返し回数を判定することを特徴とする請求項1に記載の耐候性鋼の腐食環境判定システム。
  3. 耐候性鋼データベースは、腐食環境として、さらに、期間平均温度、期間平均湿度を収納しており、保証対象耐候性鋼外観評点・腐食環境判定手段は、保証対象とする耐候性鋼の腐食環境として、さらに、期間平均温度、期間平均湿度を判定することを特徴とする請求項1または2に記載の耐候性鋼の腐食環境判定システム。
  4. 腐食画像の識別因子として、さび粒径、表面の凹凸度、色味、および、それぞれのばらつきのうち、1種類または複数種類の識別因子を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐候性鋼の腐食環境判定システム。
  5. 腐食画像について、同時に撮影した色見本により色調補正することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の耐候性鋼の腐食環境判定システム。
  6. 腐食画像に対応する板厚減少量または/およびさび層の断面解析結果を加えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の耐候性鋼の腐食環境判定システム。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の耐候性鋼の腐食環境判定システムを用いて、保証対象とする耐候性鋼の今後の腐食劣化を予測する耐候性鋼の腐食劣化予測システムであって、
    耐候性鋼データベース記憶手段と、保証対象耐候性鋼データ記録手段と、保証対象耐候性鋼外観評点・腐食環境判定手段に加えて、
    保証対象耐候性鋼データ記録手段に記録された保証対象とする耐候性鋼の付随条件と、保証対象耐候性鋼外観評点・腐食環境判定手段が判定した保証対象とする耐候性鋼の外観評点および腐食環境とに基づいて、保証対象とする耐候性鋼の今後の腐食劣化を予測する保証対象耐候性鋼腐食劣化予測手段を備えていることを特徴とする耐候性鋼の腐食劣化予測システム。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の耐候性鋼の腐食環境判定システムまたは請求項7に記載の耐候性鋼の腐食劣化予測システムを用いた保証サービスまたは/および維持管理サービスを付加して、耐候性鋼を販売するあるいは耐候性鋼を用いた構造物を保全することを特徴とするビジネス商品。
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