JP2018134995A - 装軌式車両 - Google Patents

装軌式車両 Download PDF

Info

Publication number
JP2018134995A
JP2018134995A JP2017031079A JP2017031079A JP2018134995A JP 2018134995 A JP2018134995 A JP 2018134995A JP 2017031079 A JP2017031079 A JP 2017031079A JP 2017031079 A JP2017031079 A JP 2017031079A JP 2018134995 A JP2018134995 A JP 2018134995A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grease
frame
side rod
rod
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017031079A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6640770B2 (ja
Inventor
裕史 大濱
Yuji Ohama
裕史 大濱
関口 良明
Yoshiaki Sekiguchi
良明 関口
菅谷 誠
Makoto Sugaya
誠 菅谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Construction Machinery Co Ltd filed Critical Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority to JP2017031079A priority Critical patent/JP6640770B2/ja
Publication of JP2018134995A publication Critical patent/JP2018134995A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6640770B2 publication Critical patent/JP6640770B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】張力調整シリンダを構成するフレーム側ロッドの摩耗を抑え、履帯張り調整装置の耐久性を高める。【解決手段】 履帯張り調整装置16の張力調整シリンダ18は、チューブ19と、ヨーク側ロッド20と、フレーム側ロッド22と、チューブ19内に形成されたグリース室25と、フレーム側ロッド22に設けられグリース室25に連通した軸方向グリース通路26とを有している。軸方向グリース通路26が設けられたフレーム側ロッド22の一端側には、フレーム側ロッド22の径方向に貫通し途中部位が軸方向グリース通路26に連通する径方向縦グリース通路29,径方向横グリース通路30が設けられ、フレーム側ロッド22の外周面22Aのうち径方向縦グリース通路29,径方向横グリース通路30の両端が開口した部位には、チューブ19の内周面19Dとの間でグリースを保持する環状溝31が設けられる。【選択図】 図4

Description

本発明は、例えば油圧ショベル、油圧クレーン等の履帯を有する装軌式車両に関し、特に、履帯の張りを調整する履帯張り調整装置を備えた装軌式車両に関する。
装軌式車両の代表例としての油圧ショベルは、自走可能なクローラ(履帯)式の下部走行体と、下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、上部旋回体に俯仰動可能に設けられたフロント装置とにより構成されている。
この場合、油圧ショベルの下部走行体は、前,後方向に延びる左,右のサイドフレームを有したトラックフレームと、サイドフレームの一端側にヨークを介して前,後方向に移動可能に設けられた遊動輪と、サイドフレームの他端側に設けられた駆動輪と、前記遊動輪と駆動輪との間に巻回して設けられた履帯と、遊動輪から駆動輪側に離間してサイドフレーム内に設けられた隔壁と、隔壁と遊動輪との間に設けられ履帯の張りを調整する履帯張り調整装置とを備えている。
履帯張り調整装置は、サイドフレームの一端側に前,後方向に移動可能に設けられ遊動輪が取付けられたヨークと、隔壁とヨークとの間に設けられた張力調整シリンダと、張力調整シリンダのばね受部とヨークのばね受部との間に設けられヨークを駆動輪から離れる方向に付勢するばね部材とにより構成されている。
張力調整シリンダは、サイドフレーム内に設けられたチューブと、一端側がヨークに相対移動可能に挿通され他端側がチューブ内に挿嵌されたヨーク側ロッドと、一端側がチューブ内に挿嵌され他端側が隔壁に当接したフレーム側ロッドと、ヨーク側ロッドとフレーム側ロッドとによりチューブ内に形成されたグリース室と、フレーム側ロッドに軸方向に延びて設けられ一端がグリース室に連通し他端がフレーム側ロッドの外部に開口した軸方向グリース通路とにより構成されている。軸方向グリース通路の他端側には給脂弁が取付けられ、この給脂弁を通じてグリース室にグリースが供給されるようになっている。
従って、履帯張り調整装置は、グリース室へのグリースの充填量に応じて履帯の張り具合を調整することができる。例えば履帯の張りを強める場合には、グリース室に充填されるグリースの量を増大させ、フレーム側ロッドをチューブから伸長させる。これにより、フレーム側ロッドが伸長した分だけ遊動輪と駆動輪との間隔が増大し、履帯の張りを強めることができる。一方、履帯の張りを弱める場合には、グリース室へのグリースの充填量を減少させ、フレーム側ロッドをチューブ内に縮小させる。これにより、フレーム側ロッドが縮小した分だけ遊動輪と駆動輪との間隔が減少し、履帯の張りを弱めることができる。
ところで、油圧ショベルが不整地を走行するときに岩石等に乗上げた場合には、遊動輪に対して外力が作用し、この外力はヨークを介して張力調整シリンダに伝わる。この場合、遊動輪に作用する外力は、油圧ショベルの走行時における地面からの突上げ等による上,下方向の外力が多い。一方、張力調整シリンダのヨーク側ロッドは、チューブ内に圧入されて固定されているため、遊動輪への外力は主としてチューブ内に摺動可能に挿嵌されたフレーム側ロッドの一端側に作用する。この結果、フレーム側ロッドの一端側がチューブの内周面に当接する現象(片当り)が発生し、フレーム側ロッドの一端側の外周面がフレッチング摩耗を生じることにより、履帯張り調整装置の耐久性が低下してしまう。
これに対し、フレーム側ロッドに対し、グリース室にグリースを注入するためのグリース通路とは別個に、軸方向に延びる給脂路が設けられた履帯張り調整装置が提案されている。この履帯張り調整装置によれば、給脂路を通じてフレーム側ロッドの外周面とチューブの内周面との間に潤滑用グリースを供給することにより、フレーム側ロッドの外周面が摩耗するのを抑えることができる(特許文献1参照)。
特開2015−155274号公報
しかし、従来技術による履帯張り調整装置は、グリース通路を通じてグリース室にグリースを供給する作業とは別に、給脂路を通じてフレーム側ロッドの外周面とチューブの内周面との間に潤滑用グリースを供給する作業を行う必要があり、この潤滑用グリースの供給作業が煩雑であるという問題がある。また、従来技術による履帯張り調整装置は、フレーム側ロッドに対し、軸方向に延びるグリース通路と給脂路との2本の通路が形成されるため、それぞれの通路に個別に給脂プラグを設けることにより、フレーム側ロッドの構成が複雑化してしまうという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、張力調整シリンダを構成するフレーム側ロッドの摩耗を抑え、履帯張り調整装置の耐久性を高めることができるようにした装軌式車両を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため、本発明は、トラックフレームを構成し前,後方向に延びるサイドフレームと、前記サイドフレームの一端側に設けられた遊動輪と、前記サイドフレームの他端側に設けられた駆動輪と、前記遊動輪と前記駆動輪とに巻回して設けられた履帯と、前記遊動輪から前記駆動輪側に離間して前記サイドフレーム内に設けられた隔壁と、前記隔壁と前記遊動輪との間に設けられ前記履帯の張りを調整する履帯張り調整装置とを備え、前記履帯張り調整装置は、前記サイドフレームの一端側に前,後方向に移動可能に設けられ前記遊動輪が取付けられたヨークと、前記隔壁と前記ヨークとの間に設けられた張力調整シリンダと、前記張力調整シリンダのばね受部と前記ヨークのばね受部との間に設けられ前記ヨークを前記駆動輪から離れる方向に付勢するばね部材とにより構成され、前記張力調整シリンダは、前記サイドフレーム内に設けられたチューブと、一端側が前記ヨークに相対移動可能に挿通され他端側が前記チューブ内に挿嵌されたヨーク側ロッドと、一端側が前記チューブ内に挿嵌され他端側が前記隔壁に当接したフレーム側ロッドと、前記ヨーク側ロッドと前記フレーム側ロッドとにより前記チューブ内に形成されたグリース室と、前記フレーム側ロッドに軸方向に延びて設けられ一端が該グリース室に連通し他端がフレーム側ロッドの外部に開口した軸方向グリース通路とにより構成されてなる装軌式車両に適用される。
そして、本発明の特徴は、前記フレーム側ロッドの一端側に径方向に貫通して設けられ、途中部位が前記軸方向グリース通路に連通すると共に両端がフレーム側ロッドの外周面に開口する径方向グリース通路と、前記フレーム側ロッドの外周面のうち前記径方向グリース通路の両端が開口した部位に全周に亘って設けられ、前記チューブの内周面との間でグリースを保持する環状溝とを含んで構成されていることにある。
この構成によれば、履帯の張りを調整するため、軸方向グリース通路を通じてグリース室にグリースが充填されると、グリースの一部は、軸方向グリース通路に連通した径方向グリース通路を通じてフレーム側ロッドの外周面に形成された環状溝に供給され、この環状溝とチューブの内周面との間に保持される。従って、フレーム側ロッドの外周面とチューブの内周面との摺動面をグリースによって潤滑することができ、フレーム側ロッドの摩耗を抑えることができるので、履帯張り調整装置の耐久性を高めることができる。しかも、グリース室にグリースを充填する作業と同時に、フレーム側ロッドの外周面とチューブの内周面との摺動面にグリースを供給することができるので、その作業性を高めることができる。
本発明の実施の形態による装軌式車両としての油圧ショベルを示す正面図である。 図1中の下部走行体を拡大して示す正面図である。 図2中のサイドフレームの前側部分の内部を示す断面図である。 履帯張り調整装置を図3中の矢示IV−IV方向からみた断面図である。 フレーム側ロッド、軸方向グリース通路、径方向グリース通路等を一部断面にして示す斜視図である。 フレーム側ロッドの一端側に設けられた軸方向グリース通路、径方向縦グリース通路、径方向横グリース通路、環状溝を示す要部拡大図である。 フレーム側ロッドの軸方向グリース通路、径方向縦グリース通路、径方向横グリース通路、環状溝を図6中の矢示VII−VII方向からみた縦断面図である。 フレーム側ロッドの軸方向グリース通路、径方向縦グリース通路、径方向横グリース通路、環状溝を図6中の矢示VIII−VIII方向からみた横断面図である。 図8中の径方向横グリース通路、環状溝、ロッド側テーパ面、溝側テーパ面を拡大して示す拡大断面図である。 フレーム側ロッドの変形例を示す図5と同様な斜視図である。
以下、本発明に係る装軌式車両の実施の形態を、油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
図1において、装軌式車両の代表例である油圧ショベル1は、自走可能なクローラ(履帯)式の下部走行体2と、下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、上部旋回体3の前側に俯仰動可能に設けられたフロント装置4とを含んで構成され、このフロント装置4を用いて土砂の掘削作業等を行う。図2に示すように、下部走行体2は、後述のトラックフレーム5、遊動輪10、駆動輪11、履帯13、履帯張り調整装置16を含んで構成されている。
トラックフレーム5は、下部走行体2のベースを構成している。トラックフレーム5は、上部旋回体3が旋回可能に搭載されたセンタフレーム6と、センタフレーム6を挟んで左,右両側に設けられ、前,後方向に伸長した左,右(右側のみ図示)のサイドフレーム7とにより構成されている。
図3に示すように、サイドフレーム7は、上板7A、下板7B、内側板7C、外側板7Dによって囲まれた角筒体として形成され、前,後方向に延びている。サイドフレーム7の外側板7Dには、前,後方向の前側(以下、前側という)に位置して作業用開口7Eが形成されている。作業用開口7Eは、後述する給脂弁28にグリースガン等の給脂具(図示せず)を接続する作業を行うための開口である。
隔壁8は、遊動輪10から駆動輪11側に離間してサイドフレーム7内に設けられている。隔壁8は厚肉な板体からなり、サイドフレーム7の内側面に溶接等の手段を用いて固定されている。隔壁8は、サイドフレーム7内に履帯張り調整装置16を収容する空間を画成している。また、隔壁8の中央部にはホルダ取付孔8Aが設けられ、このホルダ取付孔8Aには後述するホルダ23が嵌合している。
遊動輪ブラケット9は、サイドフレーム7の前側に設けられている。この遊動輪ブラケット9は、サイドフレーム7の端部に溶接等によって接合されたフランジ板9Aと、フランジ板9Aから前側に突出し左,右方向で対向した内支持板9Bおよび外支持板9Cと、これら各支持板9B,9Cの上部を一体に連結した上連結板9Dとにより構成されている。フランジ板9Aには、前,後方向に貫通する貫通孔9Eが形成され、この貫通孔9Eには、後述のヨーク17が遊挿されている。内支持板9Bと外支持板9Cの内面側には、上,下方向で対向する上ガイド9Fと下ガイド9Gとが、それぞれ前,後方向に延びて設けられている。これら上ガイド9Fと下ガイド9Gとは、ヨーク17を前,後方向に摺動可能に案内するものである。
遊動輪10は、サイドフレーム7の前,後方向の一端側(前端側)に設けられ、遊動輪ブラケット9に回転可能に支持されている。遊動輪10の中心部には、左,右方向に延びる支持軸10Aが設けられ、支持軸10Aの両端は左軸受腕10Bと右軸受腕10Cとに回転可能に支持されている。左軸受腕10Bと右軸受腕10Cは、後述するヨーク17の左腕17Bと右腕17Cの前端にボルトを用いてそれぞれ取付けられている。これにより、遊動輪10はヨーク17と一体となり、遊動輪ブラケット9の上ガイド9Fおよび下ガイド9Gに沿って前,後方向に移動することができる。
駆動輪11は、サイドフレーム7の前,後方向の後端側に、駆動輪ブラケット12を介して回転可能に設けられている。駆動輪11は、スプロケットにより構成され、走行用の油圧モータ(図示せず)によって回転駆動されることにより、後述の履帯13を周回駆動させるものである。
履帯13は、遊動輪10と駆動輪11とに巻回して設けられている。この履帯13は、サイドフレーム7の上側では上ローラ14によってガイドされ、サイドフレーム7の下側では下ローラ15によりガイドされている。履帯13は、駆動輪11によって周回駆動され、不整地等においても油圧ショベル1を安定して走行させるものである。
履帯張り調整装置16は、隔壁8と遊動輪10との間に設けられ、遊動輪10と駆動輪11とに巻回された履帯13の張りを調整するものである。ここで、履帯張り調整装置16は、ヨーク17、張力調整シリンダ18、ばね部材24等を含んで構成されている。
ヨーク17は、サイドフレーム7の一端側に配置された遊動輪ブラケット9に前,後方向に移動可能に設けられている。ヨーク17は、遊動輪ブラケット9の上ガイド9Fおよび下ガイド9Gに沿って遊動輪10を前,後方向に移動可能に支持するものである。ここで、図4に示すように、ヨーク17は、ばね部材24の一端を受ける環状のばね受け部17Aと、ばね受け部17Aから二又状に分岐した左腕17B,右腕17Cとにより形成され、ヨーク17は、全体としてV型に形成されている。ばね受け部17Aの内周側は、後述のヨーク側ロッド20が摺動可能に挿通されるロッド挿通孔17Dとなっている。左腕17Bの前端には、遊動輪10の左軸受腕10Bが取付けられ、右腕17Cの前端には、遊動輪10の右軸受腕10Cが取付けられている。
張力調整シリンダ18は、サイドフレーム7内に位置して隔壁8とヨーク17との間に設けられている。図4に示すように、張力調整シリンダ18は、後述のチューブ19と、ヨーク側ロッド20と、フレーム側ロッド22と、グリース室25と、軸方向グリース通路26と、径方向縦グリース通路29と、径方向横グリース通路30と、環状溝31とを含んで構成されている。そして、張力調整シリンダ18は、グリース室25内に充填されるグリースの量に応じてフレーム側ロッド22をチューブ19に対して伸縮させ、ヨーク17を前,後方向に移動させることにより、遊動輪10と駆動輪11との間に巻回された履帯13の初期張力を調整するものである。
チューブ19は、サイドフレーム7内に前,後方向に延びた状態で設けられている。チューブ19は、全体として段付円筒状に形成されている。チューブ19の内周側は、ロッド摺動孔19Aとなり、チューブ19の外周側には、隔壁8側に位置して鍔状のばね受け部19Bが一体形成されている。さらに、チューブ19のうちヨーク17側の端部には、ロッド摺動孔19Aよりも小径となったロッド取付孔19Cが形成されている。
ヨーク側ロッド20は、チューブ19とヨーク17との間に設けられている。ヨーク側ロッド20の前,後方向の一端側(ヨーク17側)は、ヨーク17のばね受け部17Aに形成されたロッド挿通孔17Dに摺動可能に挿通されている。ヨーク側ロッド20の前,後方向の他端側(チューブ19側)は、チューブ19のロッド取付孔19Cに圧入手段を用いて固定されている。ヨーク側ロッド20の一端側の外周面には、ロッド雄ねじ20Aが設けられ、このロッド雄ねじ20Aにはナット21が螺合されている。これにより、ヨーク17のばね受け部17Aは、ロッド雄ねじ20Aに螺合するナット21によって軸方向に抜止めされている。また、ナット21は、ヨーク側ロッド20の一端側の端面に設けられた緩止め部材21Aによって緩止めされている。このように、ヨーク側ロッド20の一端側は、ヨーク17のロッド挿通孔17Dに相対移動可能に挿通され、ヨーク側ロッド20とヨーク17とは一体化されている。
フレーム側ロッド22は、チューブ19と隔壁8との間に設けられている。図4および図5に示すように、フレーム側ロッド22は前,後方向に延びる円柱体からなり、フレーム側ロッド22の前,後方向の他端側(隔壁8側)には、後述のホルダ23が圧入等の手段を用いて一体的に固定されている。フレーム側ロッド22の前,後方向の一端側(チューブ19側)は、チューブ19のロッド摺動孔19A内に摺動可能に挿嵌され、フレーム側ロッド22の外周面22Aは、チューブ19のロッド摺動孔19Aの内周面19Dに摺接している。また、フレーム側ロッド22には、後述する軸方向グリース通路26、弁取付穴27、径方向縦グリース通路29、径方向横グリース通路30、環状溝31が形成されている。
ホルダ23は、フレーム側ロッド22の他端側に一体的に固定されることにより、フレーム側ロッド22の一部を構成している。このホルダ23は、四角形の板状をなし隔壁8に当接する当接板23Aと、当接板23Aのうち隔壁8に当接する面に突設された中空なテーパ状の取付突起23Bと、当接板23Aのうち隔壁8とは反対側の面に突設された有底円筒状のロッド挿嵌筒23Cとを有している。チューブ19から突出したフレーム側ロッド22の他端側は、ホルダ23のロッド挿嵌筒23Cに圧入状態で挿嵌(固定)され、ホルダ23の取付突起23Bは、隔壁8のホルダ取付孔8Aに嵌合される。これにより、ホルダ23は、取付突起23Bが隔壁8に支持された状態で、サイドフレーム7に対して位置決めされる。
ばね部材24は、張力調整シリンダ18を構成するチューブ19のばね受け部19Bとヨーク17のばね受け部17Aとの間に設けられている。このばね部材24は圧縮ばねからなり、チューブ19のばね受け部19Bとヨーク17のばね受け部17Aとの間に圧縮状態で取付けられている。ばね部材24は、ヨーク17を遊動輪10と共に駆動輪11から離間する方向に押圧している。
即ち、履帯張り調整装置16は、ばね部材24のばね力によって遊動輪10を駆動輪11から離間する方向に常時押圧し、履帯13に適度な張りを与えている。従って、油圧ショベル1の走行時に履帯13が地面の起伏等に応じて変形したときには、ばね部材24が撓み変形することにより遊動輪10と駆動輪11との間の距離が適宜に変化し、履帯13に対して過大な荷重(張力)が作用するのを抑えることができる構成となっている。
グリース室25は、ヨーク側ロッド20とフレーム側ロッド22とによりチューブ19内に形成されている。グリース室25は、ヨーク側ロッド20の他端とフレーム側ロッド22の一端との間に画成されている。このグリース室25には、後述する給脂弁28、軸方向グリース通路26を通じてグリースが充填または排出され、グリース室25内に充填されるグリースの量に応じて、チューブ19に対するフレーム側ロッド22の突出量が調整される。
軸方向グリース通路26は、フレーム側ロッド22に設けられている。図4および図5に示すように、軸方向グリース通路26はフレーム側ロッド22の中心部を軸方向に延び、軸方向グリース通路26の一端26Aは、フレーム側ロッド22の一端側の端面22Bに開口し、グリース室25に連通している。軸方向グリース通路26の他端26Bは、フレーム側ロッド22の中心部からホルダ23のロッド挿嵌筒23Cに向けて径方向に屈曲し、ロッド挿嵌筒23Cの外周面に開口している。ロッド挿嵌筒23Cと該ロッド挿嵌筒23Cに挿嵌されたフレーム側ロッド22の他端側には、軸方向グリース通路26の他端26Bと同軸上に弁取付穴27が形成されている。弁取付穴27の内周面には雌ねじ部27Aが形成され、この雌ねじ部27Aには、給脂弁28の雄ねじ部28Aが螺合している。
給脂弁28は、ホルダ23のロッド挿嵌筒23Cとフレーム側ロッド22とに形成された弁取付穴27に取付けられている。図4に示すように、給脂弁28の外周面には雄ねじ部28Aが形成され、この雄ねじ部28Aを弁取付穴27の雌ねじ部27Aに螺合することにより、弁取付穴27に給脂弁28が取付けられている。給脂弁28はグリースニップル28Bを有し、このグリースニップル28Bにグリースガン等の給脂具(図示せず)を接続することにより、給脂弁28、軸方向グリース通路26を通じてグリース室25内にグリースが充填される。また、給脂弁28は逆止弁構造(図示せず)を有し、この逆止弁構造により、グリース室25内に充填されたグリースを当該グリース室25内に保持している。
次に、フレーム側ロッド22に設けられた径方向縦グリース通路29、径方向横グリース通路30、環状溝31について図5ないし図9を参照しつつ説明する。
径方向グリース通路としての径方向縦グリース通路29および径方向横グリース通路30は、フレーム側ロッド22の一端側に、それぞれ径方向に貫通して設けられている。これら径方向縦グリース通路29および径方向横グリース通路30は、軸方向グリース通路26を通じてグリース室25に供給されるグリースの一部を、フレーム側ロッド22の外周面22Aとチューブ19のロッド摺動孔19Aの内周面19Dとの摺動面に供給する。
ここで、径方向縦グリース通路29は、下部走行体2の履帯13を地面に接地させた状態(図2の状態)で、フレーム側ロッド22を上,下方向(鉛直方向)に貫通するように配置されている。径方向縦グリース通路29の中間部は、軸方向グリース通路26に連通し、径方向縦グリース通路29の長さ方向の一端29Aおよび他端29Bは、それぞれ後述する環状溝31の溝底面31Aに開口している。一方、径方向横グリース通路30は、下部走行体2の履帯13を地面に接地させた状態で、フレーム側ロッド22を左,右方向(水平方向)に貫通するように配置されている。径方向横グリース通路30の中間部は、軸方向グリース通路26に連通し、径方向横グリース通路30の長さ方向の一端30Aおよび他端30Bは、それぞれ環状溝31の溝底面31Aに開口している。
従って、径方向縦グリース通路29と径方向横グリース通路30とは、軸方向グリース通路26を中心として直角(十字状)に交わり、径方向縦グリース通路29の一端29Aおよび他端29Bと、径方向横グリース通路30の一端30Aおよび他端30Bとは、互いに90°の角度間隔をもって環状溝31の溝底面31Aに開口している。これにより、給脂弁28から軸方向グリース通路26を通じてグリース室25内にグリースが充填されたときには、グリースの一部は、径方向縦グリース通路29および径方向横グリース通路30を通じて環状溝31に供給され、この環状溝31からフレーム側ロッド22の外周面22Aとチューブ19(ロッド摺動孔19A)の内周面19Dとの間に供給される。即ち、グリース室25にグリースを充填する作業と同時に、フレーム側ロッド22の外周面22Aとチューブ19の内周面19Dとの摺動面にグリースを供給することができる構成となっている。
ここで、図6に示すように、フレーム側ロッド22の一端側の端面22Bから径方向縦グリース通路29および径方向横グリース通路30の孔中心までの軸方向寸法Lは、フレーム側ロッド22の軸方向の全長に対して10%以下に設定されている。即ち、径方向縦グリース通路29および径方向横グリース通路30は、フレーム側ロッド22の全長に対して一端側の端面22B側に偏った狭い範囲内に形成されている。これにより、フレッチング摩耗が発生し易いフレーム側ロッド22の一端側の外周面22Aに対し、直接的にグリースが供給される構成となっている。
環状溝31は、フレーム側ロッド22の外周面22Aのうち径方向縦グリース通路29の両端(一端29Aおよび他端29B)と径方向横グリース通路30の両端(一端30Aおよび他端30B)とが開口した部位に、全周に亘って設けられている。環状溝31は、フレーム側ロッド22の外周面22Aに対して径方向に窪んだ形状を有し、フレーム側ロッド22が挿嵌されたチューブ19の内周面19Dとの間にグリースを保持するものである。
ここで、環状溝31は、径方向縦グリース通路29および径方向横グリース通路30の直径よりも大きな溝幅Wを有し、環状溝31の溝底面31Aは、フレーム側ロッド22の外周面22Aの一部を構成している。従って、径方向縦グリース通路29の一端29Aおよび他端29Bと、径方向横グリース通路30の一端30Aおよび他端30Bとは、それぞれ環状溝31の溝底面31Aに開口している。そして、環状溝31は、径方向縦グリース通路29および径方向横グリース通路30を通じてフレーム側ロッド22の外周側に供給されたグリースを、チューブ19の内周面19Dとの間で保持する。これにより、フレーム側ロッド22の一端側の外周面22Aとチューブ19の内周面19Dとの間を適度に潤滑することができる構成となっている。
図8および図9に示すように、フレーム側ロッド22の一端側の外周面22Aには、グリース室25に向けて徐々に縮径するロッド側テーパ面22Cが形成されている。また、環状溝31の溝底面31Aのうち溝幅方向の両側とフレーム側ロッド22の外周面22Aとが交わる2つの部位は、フレーム側ロッド22の外周面22Aから溝底面31Aに向けて徐々に縮径する溝側テーパ面31B,31Cとしてそれぞれ形成されている。この場合、フレーム側ロッド22の外周面22Aに対するロッド側テーパ面22Cの傾斜角度θ1と、フレーム側ロッド22の外周面22Aに対する溝側テーパ面31Bの傾斜角度θ2と、フレーム側ロッド22の外周面22Aに対する溝側テーパ面31Cの傾斜角度θ3とは、互いに等しい値に設定されている。
また、フレーム側ロッド22の端面22Bとロッド側テーパ面22Cとが交わる角部22D1と、フレーム側ロッド22の外周面22Aとロッド側テーパ面22Cとが交わる角部22D2と、フレーム側ロッド22の外周面22Aと溝側テーパ面31Bとが交わる角部22D3と、環状溝31の溝底面31Aと溝側テーパ面31Bとが交わる角部22D4と、環状溝31の溝底面31Aと溝側テーパ面31Cとが交わる角部22D5と、フレーム側ロッド22の外周面22Aと溝側テーパ面31Cとが交わる角部22D6とは、互いに等しい半径Rを有する円弧状の面取りが施されている。
これにより、軸方向グリース通路26を通じてグリース室25内に充填されたグリースの一部は、フレーム側ロッド22の一端側に設けられたロッド側テーパ面22Cに沿って、フレーム側ロッド22の外周面22Aとチューブ19の内周面19Dとの間に円滑に導かれる。また、軸方向グリース通路26から径方向縦グリース通路29および径方向横グリース通路30を通じて環状溝31内に供給されたグリースは、環状溝31の溝幅方向の両側に設けられた溝側テーパ面31B,31Cに沿って、フレーム側ロッド22の外周面22Aとチューブ19の内周面19Dとの間に円滑に導かれる。
この場合、ロッド側テーパ面22Cの傾斜角度θ1と、溝側テーパ面31Bの傾斜角度θ2と、溝側テーパ面31Cの傾斜角度θ3とは互いに等しい値に設定され、かつ、前記各角部22D1〜22D6には、互いに等しい半径Rの面取りが施されている。これにより、ロッド側テーパ面22Cに沿ってフレーム側ロッド22の外周面22Aに導かれるグリースと、溝側テーパ面31Bに沿ってフレーム側ロッド22の外周面22Aに導かれるグリースと、溝側テーパ面31Cに沿ってフレーム側ロッド22の外周面22Aに導かれるグリースとを均等化し、フレーム側ロッド22の一端側の外周面22Aとチューブ19の内周面19Dとの間に、全周に亘って過不足なくグリースを供給することができる構成となっている。
また、グリース室25にグリースが充填された状態において、チューブ19内に空気が残留している場合には、例えば油圧ショベル1の走行時に遊動輪10に外力が作用することにより、グリース室25内に充填されたグリースが、ヨーク側ロッド20とフレーム側ロッド22との間で加圧される。これにより、遊動輪10に作用する外力を利用して、グリース室25内のグリースが、軸方向グリース通路26から径方向縦グリース通路29および径方向横グリース通路30を通じて環状溝31に供給され、フレーム側ロッド22の一端側の外周面22Aとチューブ19の内周面19Dとの間を常に潤滑することができる構成となっている。
本実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、以下、その作動について説明する。
油圧ショベル1は、下部走行体2の駆動輪11を回転させることにより、駆動輪11と遊動輪10とに巻回された履帯13を周回駆動させ、作業場所まで走行する。そして、油圧ショベル1は、作業場所において上部旋回体3を旋回させつつフロント装置4を俯仰動させることにより、土砂の掘削作業等を行うことができる。
油圧ショベル1の走行時には、履帯張り調整装置16は、ばね部材24のばね力によって遊動輪10を駆動輪11から離間する方向に常時押圧し、履帯13に適度な張りを与えている。従って、油圧ショベル1の走行時に履帯13が地面の起伏等に応じて変形したときには、ばね部材24が撓み変形することにより遊動輪10と駆動輪11との間の距離が適宜に変化する。この結果、履帯13に対して過大な荷重が作用するのを抑えることができ、油圧ショベル1は、不整地においても安定して走行することができる。
ここで、履帯13の張り具合(張力)は、張力調整シリンダ18のグリース室25に対するグリースの充填量に応じて調整することができる。即ち、グリースの充填量を増大させてフレーム側ロッド22をチューブ19から伸長させることにより、履帯13の張りを強めることができる。一方、グリースの充填量を減少させてフレーム側ロッド22をチューブ19内に縮小させることにより、履帯13の張りを弱めることができる。
グリース室25にグリースを充填する場合には、下部走行体2のサイドフレーム7に設けられた作業用開口7Eを通じて、グリースガン等の給脂具(図示せず)をサイドフレーム7内に挿入し、給脂弁28のグリースニップル28Bに接続する。この状態で給脂具を操作することにより、給脂弁28からフレーム側ロッド22の軸方向グリース通路26等を通じて、グリース室25内にグリースを充填することができる。
このとき、軸方向グリース通路26を通じてグリース室25に充填されるグリースの一部は、径方向縦グリース通路29および径方向横グリース通路30を通じて環状溝31に供給され、この環状溝31からフレーム側ロッド22の外周面22Aとチューブ19の内周面19Dとの摺動面に供給される。これにより、フレーム側ロッド22の一端側の外周面22Aとチューブ19の内周面19Dとの間を適度に潤滑することができる。
従って、油圧ショベル1の走行時に遊動輪10に対して外力が作用することにより、フレーム側ロッド22の一端側の外周面22Aが、チューブ19の内周面19Dに対して片当りしたとしても、このフレーム側ロッド22の外周面22Aがフレッチング摩耗を生じるのを抑えることができる。この結果、履帯張り調整装置16の耐久性、信頼性を高めることができる。
この場合、フレーム側ロッド22の一端側の外周面22Aにはロッド側テーパ面22Cが形成され、環状溝31の溝底面31Aのうち溝幅方向の両側とフレーム側ロッド22の外周面22Aとが交わる2つの部位は、溝側テーパ面31B,31Cとしてそれぞれ形成されている。これにより、軸方向グリース通路26を通じてグリース室25内に充填されたグリースの一部を、ロッド側テーパ面22Cに沿わせてフレーム側ロッド22の外周面22Aとチューブ19の内周面19Dとの間に導くことができる。また、軸方向グリース通路26から径方向縦グリース通路29および径方向横グリース通路30を通じて環状溝31内に供給されたグリースを、溝側テーパ面31B,31Cに沿わせてフレーム側ロッド22の外周面22Aとチューブ19の内周面19Dとの間に導くことができる。
この場合、ロッド側テーパ面22Cの傾斜角度θ1と、溝側テーパ面31Bの傾斜角度θ2と、溝側テーパ面31Cの傾斜角度θ3とは互いに等しい値に設定されている。これにより、ロッド側テーパ面22Cに沿ってフレーム側ロッド22の外周面22Aに導かれるグリースと、溝側テーパ面31Bに沿ってフレーム側ロッド22の外周面22Aに導かれるグリースと、溝側テーパ面31Cに沿ってフレーム側ロッド22の外周面22Aに導かれるグリースとを均等化することができる。この結果、フレーム側ロッド22の一端側の外周面22Aとチューブ19の内周面19Dとの間に、全周に亘って過不足なくグリースを供給することができ、フレーム側ロッド22の一端側の外周面22Aとチューブ19の内周面19Dとの間を効率良く潤滑することができる。
また、径方向縦グリース通路29は、油圧ショベル1の履帯13を地面に接地させた状態で、フレーム側ロッド22を上,下方向に貫通するように配置されているので、径方向縦グリース通路29を通じて、フレーム側ロッド22の上面側および下面側に対してグリースを積極的に供給することができる。従って、油圧ショベル1が不整地を走行するときに、地面からの突上げ等によって遊動輪10に対して上,下方向の外力が繰返し作用することにより、フレーム側ロッド22の上面側および下面側とチューブ19の内周面19Dとに対して局所的な負荷が作用したとしても、フレーム側ロッド22の上面側および下面側に対しグリースを積極的に供給することにより、フレーム側ロッド22の上面側および下面側の摩耗を抑制することができる。
さらに、グリース室25にグリースが充填された状態において、チューブ19内に空気が残留している場合には、例えば油圧ショベル1の走行時に遊動輪10に外力が作用することにより、グリース室25内に充填されたグリースを、ヨーク側ロッド20とフレーム側ロッド22との間で加圧することができる。これにより、遊動輪10に作用する外力を利用して、グリース室25内のグリースを、軸方向グリース通路26から径方向縦グリース通路29および径方向横グリース通路30を通じて環状溝31に供給することができ、フレーム側ロッド22の一端側の外周面22Aとチューブ19の内周面19Dとの間を常に潤滑することができる。
かくして、本実施の形態によれば、軸方向グリース通路26が設けられたフレーム側ロッド22の一端側に、径方向に貫通し途中部位が軸方向グリース通路26に連通する径方向縦グリース通路29と径方向横グリース通路30とを設け、フレーム側ロッド22の外周面22Aのうち径方向縦グリース通路29および径方向横グリース通路30の両端が開口した部位に、チューブ19の内周面19Dとの間でグリースを保持する環状溝31を設ける構成としている。
これにより、履帯13の張りを調整するため、軸方向グリース通路26を通じてグリース室25にグリースが充填されると、グリースの一部は、径方向縦グリース通路29および径方向横グリース通路30を通じて環状溝31に供給され、この環状溝31とチューブ19の内周面19Dとの間に保持される。従って、フレーム側ロッド22の外周面22Aとチューブ19の内周面19Dとの摺動面をグリースによって潤滑することができる。この結果、フレーム側ロッド22の摩耗を抑えることができ、履帯張り調整装置16の耐久性を高めることができる。しかも、グリース室25にグリースを充填する作業と同時に、フレーム側ロッド22の外周面22Aとチューブ19の内周面19Dとの摺動面にグリースを供給することができるので、その作業性を高めることができる。
さらに、径方向縦グリース通路29と径方向横グリース通路30とは、フレーム側ロッド22を径方向に貫通して設けられ、途中部位が軸方向グリース通路26に連通しているので、各グリース通路26,29,30に共通する1個の給脂弁28を用いることができる。このため、例えば従来技術のように、軸方向に延びるグリース通路と給脂路とを別々にフレーム側ロッドに設けることにより、2個の給脂プラグを用いる構成に比較して、フレーム側ロッド22の簡素化を図ることができる。
本実施の形態では、径方向縦グリース通路29は、油圧ショベル1の履帯13を地面に接地させた状態で、フレーム側ロッド22を上,下方向に貫通するように配置されている。これにより、フレーム側ロッド22の上面側および下面側に対し、径方向縦グリース通路29を通じてグリースを積極的に供給することができる。従って、油圧ショベル1が不整地を走行するときに、遊動輪10に対して上,下方向の外力が作用し、フレーム側ロッド22の上面側および下面側とチューブ19の内周面19Dとに対して局所的な負荷が作用したとしても、フレーム側ロッド22の上面側および下面側の摩耗を抑制することができる。
本実施の形態では、フレーム側ロッド22の一端側の外周面22Aには、グリース室25に向けて徐々に縮径するロッド側テーパ面22Cが設けられ、環状溝31の溝底面31Aのうち溝幅方向の両側とフレーム側ロッド22の外周面22Aとが交わる各部位は、フレーム側ロッド22の外周面22Aから環状溝31の溝底面31Aに向けて徐々に縮径する溝側テーパ面31B,31Cとしてそれぞれ形成されている。
これにより、軸方向グリース通路26を通じてグリース室25内に充填されたグリースの一部を、ロッド側テーパ面22Cに沿わせてフレーム側ロッド22の外周面22Aとチューブ19の内周面19Dとの間に導くことができる。また、軸方向グリース通路26から径方向縦グリース通路29および径方向横グリース通路30を通じて環状溝31内に供給されたグリースを、溝側テーパ面31B,31Cに沿わせてフレーム側ロッド22の外周面22Aとチューブ19の内周面19Dとの間に導くことができる。この結果、フレーム側ロッド22の一端側の外周面22Aとチューブ19の内周面19Dとの間を、充分なグリースによって効率良く潤滑することができる。
なお、実施の形態では、フレーム側ロッド22に対し、径方向縦グリース通路29および径方向横グリース通路30からなる2本の径方向グリース通路を設けた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図10に示す変形例のように、フレーム側ロッド22を上,下方向に貫通する1本の径方向縦グリース通路29によって径方向グリース通路を構成してもよい。
また、実施の形態では、フレーム側ロッド22に対し、このフレーム側ロッド22とは別部材として形成されたホルダ23を圧入等によって一体的に固定した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えばホルダが一体形成されたフレーム側ロッドを用いる構成としてもよい。
さらに、実施の形態では、装軌式車両として油圧ショベル1を例示したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば油圧クレーン、ブルドーザ等の履帯を有する装軌式車両に広く適用することができる。
1 油圧ショベル(装軌式車両)
5 トラックフレーム
7 サイドフレーム
8 隔壁
10 遊動輪
11 駆動輪
13 履帯
16 履帯張り調整装置
17 ヨーク
18 張力調整シリンダ
19 チューブ
20 ヨーク側ロッド
22 フレーム側ロッド
22C ロッド側テーパ面
25 グリース室
26 軸方向グリース通路
29 径方向縦グリース通路(径方向グリース通路)
30 径方向横グリース通路(径方向グリース通路)
31 環状溝
31A 溝底面
31B,31C 溝側テーパ面

Claims (3)

  1. トラックフレームを構成し前,後方向に延びるサイドフレームと、前記サイドフレームの一端側に設けられた遊動輪と、前記サイドフレームの他端側に設けられた駆動輪と、前記遊動輪と前記駆動輪とに巻回して設けられた履帯と、前記遊動輪から前記駆動輪側に離間して前記サイドフレーム内に設けられた隔壁と、前記隔壁と前記遊動輪との間に設けられ前記履帯の張りを調整する履帯張り調整装置とを備え、
    前記履帯張り調整装置は、前記サイドフレームの一端側に前,後方向に移動可能に設けられ前記遊動輪が取付けられたヨークと、前記隔壁と前記ヨークとの間に設けられた張力調整シリンダと、前記張力調整シリンダのばね受部と前記ヨークのばね受部との間に設けられ前記ヨークを前記駆動輪から離れる方向に付勢するばね部材とにより構成され、
    前記張力調整シリンダは、前記サイドフレーム内に設けられたチューブと、一端側が前記ヨークに相対移動可能に挿通され他端側が前記チューブ内に挿嵌されたヨーク側ロッドと、一端側が前記チューブ内に挿嵌され他端側が前記隔壁に当接したフレーム側ロッドと、前記ヨーク側ロッドと前記フレーム側ロッドとにより前記チューブ内に形成されたグリース室と、前記フレーム側ロッドに軸方向に延びて設けられ一端が該グリース室に連通し他端がフレーム側ロッドの外部に開口した軸方向グリース通路とにより構成されてなる装軌式車両において、
    前記フレーム側ロッドの一端側に径方向に貫通して設けられ、途中部位が前記軸方向グリース通路に連通すると共に両端がフレーム側ロッドの外周面に開口する径方向グリース通路と、
    前記フレーム側ロッドの外周面のうち前記径方向グリース通路の両端が開口した部位に全周に亘って設けられ、前記チューブの内周面との間でグリースを保持する環状溝とを含んで構成されていることを特徴とする装軌式車両。
  2. 前記径方向グリース通路は、前記履帯を地面に接地させた状態で前記フレーム側ロッドを上,下方向に貫通するように配置されることを特徴とする請求項1に記載の装軌式車両。
  3. 前記フレーム側ロッドの一端側の外周面には、前記グリース室に向けて徐々に縮径するロッド側テーパ面が設けられ、
    前記環状溝の溝底面のうち溝幅方向の両側と前記フレーム側ロッドの外周面とが交わる各部位は、前記フレーム側ロッドの外周面から前記環状溝の溝底面に向けて徐々に縮径する溝側テーパ面としてそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の装軌式車両。
JP2017031079A 2017-02-22 2017-02-22 装軌式車両 Active JP6640770B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017031079A JP6640770B2 (ja) 2017-02-22 2017-02-22 装軌式車両

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017031079A JP6640770B2 (ja) 2017-02-22 2017-02-22 装軌式車両

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018134995A true JP2018134995A (ja) 2018-08-30
JP6640770B2 JP6640770B2 (ja) 2020-02-05

Family

ID=63365233

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017031079A Active JP6640770B2 (ja) 2017-02-22 2017-02-22 装軌式車両

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6640770B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021020594A (ja) * 2019-07-29 2021-02-18 株式会社CuboRex クローラユニットおよびこれを備えた走行車両

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021020594A (ja) * 2019-07-29 2021-02-18 株式会社CuboRex クローラユニットおよびこれを備えた走行車両

Also Published As

Publication number Publication date
JP6640770B2 (ja) 2020-02-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7374257B2 (en) Machine track roller assembly
JP4564088B2 (ja) 履帯の履板連結用リンク、履帯用アッセンブリ及び履帯
KR101265527B1 (ko) 트랙 롤러 장치
CN102282063B (zh) 用于履带型机器的链节和链节组件
CN103974877B (zh) 履带用链节及履带装置
JP6853279B2 (ja) トラックローラアセンブリおよび方法
CN203463483U (zh) 密封球节
US9434425B2 (en) Track joint assemblies
US20150061370A1 (en) Track joint assemblies
US9604681B2 (en) Track joint assemblies
US9505453B2 (en) Track joint assemblies
KR20120083234A (ko) 무한궤도 스트레치 조정 장치
CN107922023A (zh) 用于液压采矿铲履带的润滑芯筒
US9656707B2 (en) High speed metal face seal
JP2018134995A (ja) 装軌式車両
CA2983899A1 (en) Track tensioner
US20120315079A1 (en) Equalizer bar bearing assembly
CN104024095A (zh) 用于装轨式作业车辆的滚轮装置、滚轮壳单元及滚轮壳
US20150061373A1 (en) Joint bushings for track joint assemblies
US20150061369A1 (en) Track joint assemblies and thrust rings for same
WO2014073519A1 (ja) 履帯張り調整装置
JP2020015406A (ja) 履帯張り調整装置
JP2015155274A (ja) 履帯張り調整装置
JP2013147055A (ja) 作業機械用履帯
JP2023067200A (ja) ショベル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190920

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191001

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191210

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6640770

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150