JP2018133727A - 無線通信システム、無線通信装置、及びビームパターン決定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】より好適な通信特性となるビームパターンの組み合わせを決定すること。【解決手段】送信アンテナ13で形成されるビームパターンの情報を記憶し、送信アンテナ13に含まれる第1のアンテナ素子群tSA1、…、tSA3と、受信アンテナ21に含まれる第2のアンテナ素子群rSA1、…、rSA3とのペアを順次選択する送信装置10と、受信アンテナ21で形成されるビームパターンの情報を記憶し、順次選択されるペアのうち、最初に選択される第1のペアについては受信品質に基づいてビームパターンの組を決定し、第1のペアとは異なる第2のペアについては、第2のペアより前に選択された各ペアについて決定されたビームパターンの組を用いて送受信する場合の等価ベースバンドチャネル状態に基づいて第2のペアについてのビームパターンの組を決定する受信装置20とを含む無線通信システム5が提供される。【選択図】図1
Description
本発明は、無線通信システム、無線通信装置、及びビームパターン決定方法に関する。
近年、ミリ波など、高周波数(数GHzから数百GHz)の電磁波を利用する無線通信技術が注目されている。ミリ波は、例えば、WPAN(Wireless Personal Area Network)やWLAN(Wireless Local Area Network)などでの利用が検討されている。一例として、狭い範囲をカバーする基地局から個々のユーザ端末にビームを向けて通信する無線通信システムでの利用が検討されている。
ビームの性質(ビームパターン)は、複数のアンテナを有するアンテナアレイを利用し、各アンテナを介して入出力される信号の振幅や位相を変化させることにより制御される。このようなアンテナアレイによるビームパターンの制御はビームフォーミング(BF:Beamforming)と呼ばれる。BFを実施する際、送信機と受信機との位置関係が既知でない場合には好適なビームパターンを決定する処理(訓練)が実施される。
上記訓練の方法としては、例えば、送信側及び受信側のアンテナアレイにおけるビームパターンの組み合わせを順次切り替えながら、全ての組み合わせについて受信品質を測定し、その測定結果に基づいてビームパターンを決定する方法(全探索)がある。
全探索を適用すると好適な通信特性となるビームパターンの組み合わせが得られうる。但し、アンテナアレイを複数のサブアレイに分割し、複数のサブアレイを利用して空間多重(Spatial multiplexing)通信するMIMO(Multiple-Input and Multiple-Output)システムに上記の全探索を適用すると処理の複雑度や処理負荷が増大する。この複雑度や処理負荷は、サブアレイの数が多くなるにつれて増大する。
送信側及び受信側に複数のサブアレイを有する無線通信システムで上記訓練を実施する場合、ビームパターンを切り替えながら複数の送信側サブアレイで既知信号を送信し、複数の受信側サブアレイで受信される既知信号に基づいてチャネル推定が実施される。そして、このチャネル推定により推定されるチャネル状態に基づいてビームパターンの組み合わせに応じた通信特性の評価が実施される。
上記の複雑度や処理負荷を低減させる方法として、チャネル推定に利用する既知信号の送信に用いる送信側サブアレイの数を制限する方法(提案方法F)が提案されている。また、この方法では、送信側サブアレイで形成されるビームパターンと、受信側サブアレイで形成されるビームパターンとが同じになるように制御する方法が採用されている。
なお、シングルストリーム(非空間多重通信)の場合における上記訓練の方法として、既知信号の受信SNR(Signal-to-Noise Ratio)が最大となるようにビームパターンを決定する方法が提案されている。また、送信機又は受信機が、無指向性ビームパターン(オムニパターン)及び指向性ビームパターンの一方を選択して上記訓練に利用する方法が提案されている。また、初期探索としてシングルストリームで全探索を実施し、決定されたビームパターンを基準に次以降の探索で対象にするビームパターンの範囲を順次絞り込む方法が提案されている。
Jaspreet Singh and Sudhir Ramakrishna, "On the feasibility of beamforming in millimeter wave communication systems with multiple antenna arrays", Globecom 2014 Wireless Communications Symposium.
上記のように、処理の複雑度や処理負荷の高さから、MIMOシステムにおける上記の訓練に全探索の方法を適用することは現実的でない。一方、上記の提案方法Fを適用することで、上記の全探索を適用する場合に比べて処理の複雑度や処理負荷が低減され、多数のサブアレイを有するMIMOシステムへの実装が現実的になりうる。但し、送信側及び受信側におけるビームパターンの組み合わせ方法を工夫することで、より好適な通信特性となるビームパターンの組み合わせが決定される余地がある。
1つの側面によれば、本発明の目的は、より好適な通信特性となるビームパターンの組み合わせを決定することが可能な無線通信システム、無線通信装置、及びビームパターン決定方法を提供することにある。
一態様によれば、送信アンテナで形成されるビームパターンの情報が格納される第1の記憶部と、送信アンテナに含まれる第1のアンテナ素子群と、受信アンテナに含まれる第2のアンテナ素子群とのペアを順次選択する第1の制御部と、を有する送信装置と;受信アンテナで形成されるビームパターンの情報が格納される第2の記憶部と、順次選択されるペアのうち、最初に選択される第1のペアについては受信品質に基づいてビームパターンの組を決定し、第1のペアとは異なる第2のペアについては、第2のペアより前に選択された各ペアについて決定されたビームパターンの組を用いて送受信する場合の等価ベースバンドチャネル状態に基づいて第2のペアについてのビームパターンの組を決定する第2の制御部と;を有する受信装置と;を含む、無線通信システムが提供される。
より好適な通信特性となるビームパターンの組み合わせを決定することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本明細書及び図面において実質的に同一の機能を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する場合がある。
<1.第1実施形態>
図1を参照しながら、第1実施形態について説明する。第1実施形態は、複数のアンテナ素子を有するアンテナアレイを複数のサブアレイに分け、複数のサブアレイを用いて空間多重通信する無線通信システムに関する。図1は、第1実施形態に係る無線通信システムの一例を示した図である。なお、図1に例示した無線通信システム5は、第1実施形態に係る無線通信システムの一例である。
図1を参照しながら、第1実施形態について説明する。第1実施形態は、複数のアンテナ素子を有するアンテナアレイを複数のサブアレイに分け、複数のサブアレイを用いて空間多重通信する無線通信システムに関する。図1は、第1実施形態に係る無線通信システムの一例を示した図である。なお、図1に例示した無線通信システム5は、第1実施形態に係る無線通信システムの一例である。
図1に示すように、無線通信システム5は、無線通信装置10、20を有する。
なお、以下では、説明の都合上、無線通信装置10が送信装置であり、無線通信装置20が受信装置である場合を例に説明を進める。
なお、以下では、説明の都合上、無線通信装置10が送信装置であり、無線通信装置20が受信装置である場合を例に説明を進める。
無線通信装置10、20は、例えば、基地局、中継局、無線端末(例えば、携帯電話やスマートフォン)などの無線装置、或いは、無線通信機能を搭載したコンピュータや電子機器(例えば、映像機器や印刷機)などである。
無線通信装置10は、記憶部11、制御部12、及び送信アンテナ(Tx Ant)13を有する。
なお、記憶部11は、RAM(Random Access Memory)などの揮発性記憶装置、或いは、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置である。制御部12は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのプロセッサである。制御部12は、例えば、記憶部11又は他のメモリに記憶されたプログラムを実行しうる。
なお、記憶部11は、RAM(Random Access Memory)などの揮発性記憶装置、或いは、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置である。制御部12は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのプロセッサである。制御部12は、例えば、記憶部11又は他のメモリに記憶されたプログラムを実行しうる。
送信アンテナ13は、それぞれが複数のアンテナ素子(Ant element)を有するサブアレイ(Subarray)tSA1、tSA2、tSA3に分割されている。なお、サブアレイtSA1、tSA2、tSA3は、第1のアンテナ素子群の一例である。ここでは、説明の都合上、送信アンテナ13のサブアレイ数が3に設定されているが3以外でもよい。無線通信装置10は、サブアレイtSA1、tSA2、tSA3のそれぞれにより、ビームパターンtBPx(x=1,2,…)のビーム(Tx Beam)を形成することができる。
無線通信装置20は、受信アンテナ(Rx Ant)21、制御部22、及び記憶部23を有する。受信アンテナ21は、それぞれが複数のアンテナ素子を有するサブアレイrSA1、rSA2、rSA3に分割されている。なお、サブアレイrSA1、rSA2、rSA3は、第2のアンテナ素子群の一例である。ここでは、説明の都合上、受信アンテナ21のサブアレイ数が3に設定されているが3以外でもよい。無線通信装置20は、サブアレイrSA1、rSA2、rSA3のそれぞれにより、ビームパターンrBPy(y=1,2,…)のビーム(Rx Beam)を形成することができる。
記憶部11には、送信アンテナ13に含まれる複数の第1のアンテナ素子群で形成されるビームパターンの情報が格納される。図1の例では、送信アンテナ13の識別情報(Tx)に対応付けて、サブアレイtSA1、tSA2、tSA3の情報と、ビームパターンtBPx(x=1,2,…)の情報とが記憶部11に格納されている。
他方、記憶部23には、受信アンテナ21に含まれる複数の第2のアンテナ素子群で形成されるビームパターンの情報が格納される。図1の例では、受信アンテナ21の識別情報(Rx)に対応付けて、サブアレイrSA1、rSA2、rSA3の情報と、ビームパターンrBPy(y=1,2,…)の情報とが格納されている。なお、記憶部11に格納されるビームパターンtBPxの情報と、記憶部23に格納されるビームパターンrBPyの情報とは同じ内容の情報であってもよい。
まず、送信アンテナ13に含まれる第1のアンテナ素子群と受信アンテナ21に含まれる第2のアンテナ素子群とのペアが順次選択される。最初に選択されるペア(第1のペア)について、制御部22は、受信品質に基づいてビームパターンの組を決定する。
図1の例では、最初にサブアレイtSA1、rSA1のペアが第1のペアとして選択されている。この場合、制御部12は、ビームパターンtBPx(x=1,2,…)を切り替えながらサブアレイtSA1から既知信号を送信する。一方、制御部22は、ビームパターンrBPy(y=1,2,…)を切り替えながら、サブアレイrSA1を介して、サブアレイtSA1から送信される既知信号を受信する。
なお、既知信号の送受信タイミング及びビームパターンtBPx、rBPyの切り替えタイミングに関する情報(コードブック)は、無線通信装置10、20間で事前に共有されている。例えば、ビームパターンrBPyの数がaの場合、サブアレイtSA1からビームパターンtBP1で既知信号がa回送信され、a個の既知信号が異なるビームパターンrBP1、…、rBPaで受信されるようにタイミングが設定される。ビームパターンtBP2、…についても同様にタイミングが設定される。
第1のペアとは異なる第2のペアについて、制御部22は、第2のペアより前に選択された各ペアについて決定されたビームパターンの組を用いて送受信する場合の等価ベースバンドチャネル状態に基づいて第2のペアについてのビームパターンの組を決定する。
図1の例では、第1のペアについて、既知信号の受信SNRが最大となるビームパターンの組{tBPx1,rBPy1}が選択されている。つまり、SNR基準で好適なビームパターンの組{tBPx1,rBPy1}が選択されている。なお、受信SNRは、受信品質を示す指標の一例である。
図1の例では、第1のペアに次いで、サブアレイtSA2、rSA2が第2のペアとして選択されている。この場合、第2のペアより前に選択されたペア(第1のペア)について決定されたビームパターンの組は{tBPx1,rBPy1}である。
上記の場合、サブアレイtSA1、rSA1のビームパターンがtBPx1、rBPy1に固定され、サブアレイtSA2、rSA2のビームパターンtBPx、rBPyを切り替えながら既知信号の送受信が実施される。このとき、サブアレイtSA1、tSA2から既知信号が送信され、その既知信号がサブアレイrSA1、rSA2で受信される。制御部22は、受信される既知信号に基づいて等価ベースバンドチャネル推定を実施する。また、制御部22は、推定されるチャネル状態に基づいて、サブアレイtSA2、rSA2におけるビームパターンtBPx、rBPyの組み合わせ毎に通信特性を評価する。
等価ベースバンドチャネル状態に基づく通信特性の評価基準(MIMO基準)としては、例えば、MMSE(Minimum Mean Square Error)基準などを利用できる。ここで用いられるMMSE基準は、チャネル状態を表すチャネル行列Hbと雑音電力の成分γとが与えられる場合に、(HbHHb+γI)-1の対角和が最小になることである。
但し、チャネル行列Hbは、ビームパターンを形成するために送信側及び受信側の移相器で信号に施される移相を表す移相ベクトルの組と、空中線のチャネル状態を表すチャネル行列Hとの積で表現される等価ベースバンドチャネルを表す。上付きのHはHermit共役を表す。Iは単位行列を表す。
図1の例では、第2のペアとして選択されたサブアレイtSA2、rSA2について、MIMO基準に基づいてビームパターンの組{tBPx2,rBPy2}が選択されている。つまり、第2のペアであるサブアレイtSA2、rSA2については、チャネル状態に基づいてビームパターンの組{tBPx2,rBPy2}が選択されている。
同様の方法で、第3のペアとしてサブアレイtSA3、rSA3が選択され、MIMO基準に基づいてビームパターンの組{tBPx3,rBPy3}が選択される。このとき、サブアレイtSA1、rSA1、tSA2、rSA2のビームパターンは、それぞれtBPx1、rBPy1、tBPx2、rBPy2に固定される。
上記のように、サブアレイペアを順次選択し、既に決定されたビームパターンの組を固定しながら、MIMO基準でビームパターンの組を逐次的に決定することで、全探索の方法に比べて処理の複雑度や処理負荷を低減することができる。
また、送信側のサブアレイにより形成されるビームパターンと、受信側のサブアレイにより形成されるビームパターンとを個々に切り替えながら通信特性の高いビームパターンの組が選択されるため、良好な通信特性を有するビームパターンの組が得られる。
例えば、見通しの良くない環境で反射物により反射された電波が受信側へ到達するようなチャネル状況(Sparse channel)では、送信側と受信側とで好適なビームパターンが異なる場合がある。この場合、送信側と受信側とに同じビームパターンを適用して訓練を実施する方法では良好な通信特性を有するビームパターンの組が得られない可能性がある。一方、上述した第1実施形態の方法を適用すれば、送信側と受信側とで個々にビームパターンを切り替えて訓練を実施するため、より良好な通信特性を有するビームパターンの組が得られる場合がある。
以上、第1実施形態について説明した。
<2.第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、複数のアンテナ素子を有するアンテナアレイを複数のサブアレイに分け、複数のサブアレイを用いて空間多重通信する無線通信システムに関する。
<2.第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、複数のアンテナ素子を有するアンテナアレイを複数のサブアレイに分け、複数のサブアレイを用いて空間多重通信する無線通信システムに関する。
[2−1.無線通信システム]
以下、送信装置100及び受信装置200を含む無線通信システム51(図2を参照)を例に第2実施形態に係る無線通信システムについて説明する。図2は、第2実施形態に係る送信装置及び受信装置の一例を示した図である。
以下、送信装置100及び受信装置200を含む無線通信システム51(図2を参照)を例に第2実施形態に係る無線通信システムについて説明する。図2は、第2実施形態に係る送信装置及び受信装置の一例を示した図である。
(送信装置及び受信装置)
図2に示すように、送信装置100は、BB(Baseband)処理部101、RF(Radio Frequency)処理部102a、102b、102c、複数の移相器、及び複数のアンテナ素子を有する。
図2に示すように、送信装置100は、BB(Baseband)処理部101、RF(Radio Frequency)処理部102a、102b、102c、複数の移相器、及び複数のアンテナ素子を有する。
図2の例では、RF処理部102a、102b、102cのそれぞれにL個の移相器が接続されている。また、複数の移相器のそれぞれにアンテナ素子が接続されている。また、複数のアンテナ素子は、3つのサブアレイtSA1、tSA2、tSA3に分割されている。また、サブアレイtSA1、tSA2、tSA3は、それぞれRF処理部102a、102b、102cに対応する。
BB処理部101は、BB領域の信号(BB信号)に対する処理を実行する。例えば、BB処理部101は、入力されるデータストリーム(str1、str2、str3)に対する変調やデジタルプリコーディングなどの処理を実行する。
RF処理部102a、102b、102cは、RF領域の信号(RF信号)に対する処理を実行する。例えば、RF処理部102a、102b、102cは、BB処理部101から出力されるBB信号のDA(Digital to Analog)変換、増幅、BB領域からRF領域への周波数変換などの処理を実行する。なお、RF処理部102a、102b、102cの機能を具備する要素はRF-Chainと呼ばれることがある。
RF処理部102a、102b、102cに接続される複数の移相器は、入力されるRF信号にアナログBFウェイト(移相係数)を乗算してRF信号の位相を切り替える。各移相器の移相係数はBB処理部101により設定される。また、各移相器に設定される移相係数の組み合わせに応じてサブアレイtSA1、tSA2、tSA3により形成されるビームパターンが切り替わる。
以下、サブアレイtSA1、tSA2、tSA3により形成されるビームパターンをtBPx(x=1,2,…,Kt)と表記する場合がある。
他方、受信装置200は、図2に示すように、BB処理部201、RF処理部202a、202b、202c、複数の移相器、及び複数のアンテナ素子を有する。
他方、受信装置200は、図2に示すように、BB処理部201、RF処理部202a、202b、202c、複数の移相器、及び複数のアンテナ素子を有する。
図2の例では、RF処理部202a、202b、202cのそれぞれにL個の移相器が接続されている。複数の移相器のそれぞれにはアンテナ素子が接続されている。また、複数のアンテナ素子は、3つのサブアレイrSA1、rSA2、rSA3に分割されている。また、サブアレイrSA1、rSA2、rSA3は、それぞれRF処理部202a、202b、202cに対応する。
BB処理部201は、BB信号に対する処理を実行する。例えば、BB処理部201は、RF処理部202a、202b、202cから出力されるBB信号に対する復調やデジタルポストコーディングなどの処理を実行する。そして、BB処理部201は、復元されたデータストリーム(str1、str2、str3)に対する処理を実行する。
RF処理部202a、202b、202cは、RF信号に対する処理を実行する。例えば、RF処理部202a、202b、202cは、RF信号に対するRF領域からBB領域への周波数変換、増幅、AD変換などの処理を実行する。なお、RF処理部202a、202b、202cの機能を具備する要素はRF-Chainと呼ばれることがある。
RF処理部202a、202b、202cに接続される複数の移相器は、RF信号にアナログBFウェイト(移相係数)を乗算してRF信号の位相を切り替える。各移相器の移相係数はBB処理部201により設定される。また、各移相器に設定される移相係数の組み合わせに応じてサブアレイrSA1、rSA2、rSA3により形成されるビームパターンが切り替わる。
以下、サブアレイrSA1、rSA2、rSA3により形成されるビームパターンをrBPy(y=1,2,…,Kr)と表記する場合がある。
RF処理部102aに接続される各移相器の移相係数をw1s(s=1、…、L)、RF処理部102bに接続される各移相器の移相係数をw2s、RF処理部102cに接続される各移相器の移相係数をw3sと表記する。w1s、w2s、w3sは複素数である。また、移相係数w1sを要素とする移相ベクトルをw1、移相係数w2sを要素とする移相ベクトルをw2、移相係数w3sを要素とする移相ベクトルをw3と表記する。なお、説明の都合上、送信側の各サブアレイが有するアンテナ素子数と受信側の各サブアレイが有するアンテナ素子数とを同じLとしているが、送信側と受信側とでアンテナ素子数が異なるように変形してもよい。
RF処理部102aに接続される各移相器の移相係数をw1s(s=1、…、L)、RF処理部102bに接続される各移相器の移相係数をw2s、RF処理部102cに接続される各移相器の移相係数をw3sと表記する。w1s、w2s、w3sは複素数である。また、移相係数w1sを要素とする移相ベクトルをw1、移相係数w2sを要素とする移相ベクトルをw2、移相係数w3sを要素とする移相ベクトルをw3と表記する。なお、説明の都合上、送信側の各サブアレイが有するアンテナ素子数と受信側の各サブアレイが有するアンテナ素子数とを同じLとしているが、送信側と受信側とでアンテナ素子数が異なるように変形してもよい。
上記の表記を採用すると、RF処理部102a、102b、102cに接続される複数の移相器による移相処理は、下記の式(2)で与えられる送信BF行列Wにより表現される。また、RF処理部202a、202b、202cに接続される複数の移相器による移相処理は、下記の式(3)で与えられる受信BF行列Cにより表現される。
これらの表現と共に、送信装置100と受信装置200との間の空間チャネルを表すチャネル行列をHと表記すると、送信装置100の送信BF及び受信装置200の受信BFを含む等価ベースバンドチャネルの状態を表すチャネル行列Hbは、下記の式(1)で表現される。なお、上付きのHはHermit共役を表す。送信BF行列Wの情報(Tx Codebook)はBB処理部101のメモリ(非図示)により保持される。受信BF行列Cの情報(Rx Codebook)はBB処理部201のメモリ(非図示)により保持される。
BB処理部101は、送信BF行列Wの移相ベクトルwi(i=1,…,3)を選択することでサブアレイtSA1、tSA2、tSA3が形成するビームパターンtBPxを制御する。BB処理部201は、受信BF行列Cの移相ベクトルcj(j=1,…,3)を選択することでサブアレイrSA1、rSA2、rSA3が形成するビームパターンrBPyを制御する。
また、BB処理部101、201は、サブアレイtSA1、tSA2、tSA3、rSA1、rSA2、rSA3がそれぞれ形成する好適なビームパターンの組み合わせを決定する処理(訓練)を実行する。この訓練について、第2実施形態では、処理の複雑度及び処理負荷を低減しつつ、見通しの良くない環境(Sparse channel)でも良好な通信特性が得られるビームパターンの組み合わせを決定する方法が導入される。この方法については後述する。
(ハードウェア)
ここで、図3及び図4を参照しながら、送信装置100及び受信装置200の機能を実現可能なハードウェアの例について述べる。図3は、第2実施形態に係る送信装置の機能を実現可能なハードウェアの一例を示したブロック図である。図4は、第2実施形態に係る受信装置の機能を実現可能なハードウェアの一例を示したブロック図である。
ここで、図3及び図4を参照しながら、送信装置100及び受信装置200の機能を実現可能なハードウェアの例について述べる。図3は、第2実施形態に係る送信装置の機能を実現可能なハードウェアの一例を示したブロック図である。図4は、第2実施形態に係る受信装置の機能を実現可能なハードウェアの一例を示したブロック図である。
図3に示すように、送信装置100は、CPU111、メモリ112、NIF(Network Interface)回路113、BB回路114、RF回路115、及びRF回路115に接続される複数のアンテナを有する。
上述したBB処理部101の機能は、例えば、CPU111、メモリ112、BB回路114により実現されうる。例えば、送信BF行列Wの情報は、メモリ112に格納される。また、送信BF行列Wの決定に関する処理などはCPU111により実行される。上述したRF処理部102a、102b、102c及び各移相器はRF回路115に対応する。NIF回路113は、例えば、有線LAN(Local Area Network)や基幹回線網に接続するための通信インターフェースである。
図4に示すように、受信装置200は、CPU211、メモリ212、BB回路213、RF回路214、及びRF回路214に接続される複数のアンテナを有する。
上述したBB処理部201の機能は、例えば、CPU211、メモリ212、BB回路213により実現されうる。例えば、受信BF行列Cの情報は、メモリ212に格納される。また、受信BF行列Cの決定に関する処理などはCPU211により実行される。上述したRF処理部202a、202b、202c及び各移相器はRF回路214に対応する。なお、上述した送信装置100及び受信装置200のハードウェアは一例であり、一部の要素を省略する変形や、新たな要素を追加する変形が可能である。
上述したBB処理部201の機能は、例えば、CPU211、メモリ212、BB回路213により実現されうる。例えば、受信BF行列Cの情報は、メモリ212に格納される。また、受信BF行列Cの決定に関する処理などはCPU211により実行される。上述したRF処理部202a、202b、202c及び各移相器はRF回路214に対応する。なお、上述した送信装置100及び受信装置200のハードウェアは一例であり、一部の要素を省略する変形や、新たな要素を追加する変形が可能である。
(ビームパターンの決定)
ここで、図5及び図6を参照しながら、上記の訓練に係るビームパターンの決定方法について説明する。図5は、第2実施形態に係るビームパターンの決定について説明するための第1の図である。図6は、第2実施形態に係るビームパターンの決定について説明するための第2の図である。
ここで、図5及び図6を参照しながら、上記の訓練に係るビームパターンの決定方法について説明する。図5は、第2実施形態に係るビームパターンの決定について説明するための第1の図である。図6は、第2実施形態に係るビームパターンの決定について説明するための第2の図である。
Step.1:
送信装置100のCPU111は、ビームパターンを決定するサブアレイのペアを選択する。図5(A1)の例では、サブアレイtSA1、rSA1のペアが選択されている。送信装置100のCPU111は、サブアレイtSA1のビームパターンtBPx(x=1,…,Kt)を順次選択し、BB回路114及びRF回路115を制御して、選択されたビームパターンtBPxで既知信号を送信する。
送信装置100のCPU111は、ビームパターンを決定するサブアレイのペアを選択する。図5(A1)の例では、サブアレイtSA1、rSA1のペアが選択されている。送信装置100のCPU111は、サブアレイtSA1のビームパターンtBPx(x=1,…,Kt)を順次選択し、BB回路114及びRF回路115を制御して、選択されたビームパターンtBPxで既知信号を送信する。
一方、受信装置200のCPU211は、サブアレイrSA1のビームパターンrBPy(y=1,…,Kr)を順次選択し、BB回路213及びRF回路214を制御して、選択されたビームパターンrBPyで上記の既知信号を受信する。選択されるビームパターンtBPx、rBPyの組み合わせ及び既知信号の送受信タイミングは、例えば、事前に送信装置100及び受信装置200の間で共有されるコードブックに記載され、そのコードブックに基づいて決定される。
例えば、サブアレイtSA1のビームパターンtBPxは、図5(B1)に示すようなタイミングで切り替えられる。但し、図中のTは時間を示し、各ブロックはビームパターンtBPxが維持される期間を示し、各ブロック内の数字はビームパターンtBPxのインデックスxを示す。同様に、サブアレイrSA1のビームパターンrBPyは、図5(B1)に示すようなタイミングで切り替えられる。
図5(B1)の例では、サブアレイtSA1からビームパターンtBP1でKr個の既知信号が送信され、これらKr個の既知信号がサブアレイrSA1により、それぞれビームパターンrBP1、…、rBPKrで受信される。同様に、サブアレイtSA1のビームパターンtBP2、…、tBPKtで、それぞれKr個の既知信号が送信され、サブアレイtSA1によりビームパターンrBP1、…、rBPKrで受信される。
受信装置200のCPU211は、ビームパターンtBPx、rBPyの組み合わせ毎に既知信号の受信SNRを測定し、測定された受信SNRの情報をメモリ212に保存する。そして、CPU211は、受信SNRが最大になるビームパターンtBPx、rBPyの組み合わせを抽出する(SNR基準によるビームパターンの決定)。図5の例では、CPU211により、ビームパターンtBPx1、rBPy1(x1∈[1,Kt]、y1∈[1,Kr])が抽出される。
ビームパターンtBPx1、rBPy1が決まると、サブアレイtSA1側の移相ベクトルw1、及びサブアレイrSA1側の移相ベクトルc1が決定される。そのため、ビームパターンtBPx1、rBPy1で送受信される既知信号に基づいて等価ベースバンドチャネルのチャネル行列Hb(上記の式(1)を参照)の1行1列目の要素Hb(1,1)が得られる。CPU211は、Hb(1,1)の情報をメモリ212に保存する。
また、ビームパターンtBPx1の情報(インデックスx1)が送信装置100へとフィードバックされる。なお、SNR基準によるビームパターンの決定は、受信SNRのフィードバックを受けた送信装置100により実施されてもよい。
Step.2:
サブアレイtSA1、rSA1のビームパターン{tBPx1,rBPy1}が決まると、送信装置100のCPU111は、図5(A2)に示すように、サブアレイtSA1、rSA1、tSA2、rSA2の組み合わせのうち、未選択の送受信サブアレイのペアを順次選択する。図5の例では、{tSA1,rSA2}のペア(B2a)、{tSA2,rSA1}及び{tSA2,rSA2}のペア(B2b)が選択される。また、CPU111は、サブアレイtSA1、rSA1のビームパターンをそれぞれtBPx1、rBPy1に固定する。
サブアレイtSA1、rSA1のビームパターン{tBPx1,rBPy1}が決まると、送信装置100のCPU111は、図5(A2)に示すように、サブアレイtSA1、rSA1、tSA2、rSA2の組み合わせのうち、未選択の送受信サブアレイのペアを順次選択する。図5の例では、{tSA1,rSA2}のペア(B2a)、{tSA2,rSA1}及び{tSA2,rSA2}のペア(B2b)が選択される。また、CPU111は、サブアレイtSA1、rSA1のビームパターンをそれぞれtBPx1、rBPy1に固定する。
{tSA1,rSA2}のペアについて、送信装置100のCPU111は、図5(B2a)に示すタイミングでサブアレイtSA1から既知信号を送信する。一方、受信装置200のCPU211は、サブアレイrSA2のビームパターンrBPy(y=1,…,Kr)を順次選択し、BB回路213及びRF回路214を制御してサブアレイrSA2で上記の既知信号を受信する。この場合、図5(B2a)に示すように、Hb(2,1)を得るために実施される既知信号の送受信回数はKr回である。
{tSA2,rSA1}及び{tSA2,rSA2}のペアについて、送信装置100のCPU111は、図5(B2b)に示すタイミングでサブアレイtSA2から既知信号を送信する。一方、受信装置200のCPU211は、サブアレイrSA2のビームパターンrBPy(y=1,…,Kr)を順次選択し、BB回路213及びRF回路214を制御してサブアレイrSA1、rSA2で上記の既知信号を受信する。この場合、Hb(1,2)、Hb(2,2)を得るために実施される既知信号の送受信回数は、それぞれKt回、Kt×Kr回である。
Step.1の処理で得られるHb(1,1)と、図5の(B2a)及び(B2b)に示した処理で得られるHb(2,1)、Hb(1,2)、Hb(2,2)とを要素とする2×2のチャネル行列(図5(B2c))が得られる。受信装置200のCPU211は、後述するMIMO基準に基づいてサブアレイtSA2、rSA2のビームパターンを決定する。MIMO基準としては、例えば、下記の式(4)に示すMMSE基準がある。
なお、下記の式(4)では、説明の都合上、3×3のチャネル行列Hbに基づいてMMSE基準を満たす送信BFウェイトWs(行列)及び受信BFウェイトCs(行列)を抽出する計算式が示されている。2×2のチャネル行列Hbに適用する場合には、i,jの範囲がi,j∈[1,2]に変更され、Nが2に変更される。
適用可能な他のMIMO基準としては、例えば、下記の式(5)〜式(7)で与えられる最大最小SINR基準や、下記の式(8)及び式(9)で与えられる最大容量基準がある。なお、下記の式(5)に含まれるδは、空間多重信号の分離にMMSEを利用する場合には1、ZF(Zero-Forcing)を利用する場合には0に設定される。
受信装置200のCPU211は、ビームパターンtBPx、rBPyの組み合わせ毎にチャネル推定を実施し、上記のMIMO基準でビームパターンtBPx、rBPyの組み合わせを抽出する(MIMO基準によるビームパターンの決定)。図5の例では、CPU211により、ビームパターンtBPx2、rBPy2(x2∈[1,Kt]、y2∈[1,Kr])が抽出される。また、ビームパターンtBPx2(インデックスx2)が送信装置100へとフィードバックされる。
ビームパターンtBPx2、rBPy2が決まると、CPU211は、ビームパターンtBPx2、rBPy2に対応するHb(1,2)、Hb(2,1)、Hb(2,2)の情報をメモリ212に保存する。なお、MIMO基準によるビームパターンの決定は、チャネル情報(CSI:Channel State Information)のフィードバックを受けた送信装置100により実施されてもよい。
Step.3:
サブアレイtSA1、rSA1、tSA2、rSA2のビームパターン{tBPx1,rBPy1,tBPx2,rBPy2}が決まると、送信装置100のCPU111は、図6(A3)に示すように、サブアレイtSA1、rSA1、tSA2、rSA2、tSA3、rSA3の組み合わせのうち、未選択の送受信サブアレイのペアを順次選択する。
サブアレイtSA1、rSA1、tSA2、rSA2のビームパターン{tBPx1,rBPy1,tBPx2,rBPy2}が決まると、送信装置100のCPU111は、図6(A3)に示すように、サブアレイtSA1、rSA1、tSA2、rSA2、tSA3、rSA3の組み合わせのうち、未選択の送受信サブアレイのペアを順次選択する。
図6の例では、{tSA1,rSA3}のペア(B3a)、{tSA2,rSA3}のペア(B3b)、{tSA3,rSA1}、{tSA3,rSA2}及び{tSA3,rSA3}のペア(B3c)が選択される。また、サブアレイtSA1、rSA1、tSA2、rSA2のビームパターンがそれぞれtBPx1、rBPy1、tBPx2、rBPy2に固定される。
{tSA1,rSA3}のペアについて、送信装置100のCPU111は、図6(B3a)に示すタイミングでサブアレイtSA1から既知信号を送信する。一方、受信装置200のCPU211は、サブアレイrSA3のビームパターンrBPy(y=1,…,Kr)を順次選択し、BB回路213及びRF回路214を制御してサブアレイrSA3で上記の既知信号を受信する。この場合、図6(B3a)に示すように、Hb(3,1)を得るために実施される既知信号の送受信回数はKr回である。なお、図6(B3a)の処理は、図5(B2a)の処理に併行して実行することが可能である。
{tSA2,rSA3}のペアについて、送信装置100のCPU111は、図6(B3b)に示すタイミングでサブアレイtSA2から既知信号を送信する。一方、受信装置200のCPU211は、サブアレイrSA3のビームパターンrBPy(y=1,…,Kr)を順次選択し、BB回路213及びRF回路214を制御してサブアレイrSA3で上記の既知信号を受信する。この場合、図6(B3b)に示すように、Hb(3,2)を得るために実施される既知信号の送受信回数はKr回である。
{tSA3,rSA1}、{tSA3,rSA2}及び{tSA3,rSA3}のペアについて、送信装置100のCPU111は、図6(B3c)に示すタイミングでサブアレイtSA3から既知信号を送信する。一方、受信装置200のCPU211は、サブアレイrSA3のビームパターンrBPy(y=1,…,Kr)を順次選択し、BB回路213及びRF回路214を制御してサブアレイrSA1、rSA2、rSA3で上記の既知信号を受信する。この場合、Hb(1,3)、Hb(2,3)、Hb(3,3)を得るために実施される既知信号の送受信回数は、それぞれKt回、Kt回、Kt×Kr回である。
Step.1の処理で得られるHb(1,1)、及びStep.2の処理で得られるHb(2,1)、Hb(1,2)、Hb(2,2)はメモリ212に保存されている。また、図6の(B3a)、(B3b)及び(B3c)に示した処理でHb(3,1)、Hb(3,2)、Hb(1,3)、Hb(2,3)、Hb(3,3)が得られる。そのため、Hb(1,1)、…、Hb(3,3)を要素とする3×3のチャネル行列(図6(B3d))が得られる。
受信装置200のCPU211は、上記のチャネル行列Hbを利用し、MIMO基準に基づいてサブアレイtSA3、rSA3のビームパターンを決定する(MIMO基準によるビームパターンの決定)。MIMO基準としては、上述したMIMO基準(上記の式(4)を参照)などが適用される。
図6の例では、CPU211により、ビームパターンtBPx3、rBPy3(x3∈[1,Kt]、y3∈[1,Kr])が抽出される。また、ビームパターンtBPx3の情報(インデックスx3)が送信装置100へとフィードバックされる。なお、MIMO基準によるビームパターンの決定は、チャネル情報のフィードバックを受けた送信装置100により実施されてもよい。
上記のように、サブアレイのペアを順次選択し、SNR基準及びMIMO基準を適用して好適なビームパターンの組み合わせを逐次的に抽出することで、全探索を実施する場合に比べて、訓練にかかる処理の複雑度及び処理負荷を低減することが可能になる。また、送信側のビームパターンと受信側のビームパターンとを個々に切り替えることで、送受信に同じビームパターンを利用する制限の下で訓練を実施する場合(比較例)に比べて高性能なビームパターンの組み合わせを抽出することが可能になる。
なお、上述したビームパターンの決定方法は一例であり、ビームパターンを決定する際に用いる情報を送信側へフィードバックし、送信側でビームパターンを決定するように変形することが可能である。また、ビームパターンの切り替え順序を決定する時期や、サブアレイのペアを選択する順番などを変える変形が可能である。このような変形例についても当然に第2実施形態の技術的範囲に属する。
(逆行列の更新)
上述したビームパターンの決定方法においては、チャネル行列の要素Hb(1,1)、…、Hb(3,3)が逐次的に得られ、既知の要素と新たに得られた要素とを組み合わせてMIMO基準の評価が実施される。MIMO基準の評価には、上記の式(4)などに示したように逆行列演算が含まれる。この逆行列演算は、アンテナアレイのビームパターンの組み合わせを更新する度に実施される。そのため、前の組み合わせについて得られている逆行列演算の結果を利用できれば、現在の逆行列演算にかかる負荷を低減することができる。
上述したビームパターンの決定方法においては、チャネル行列の要素Hb(1,1)、…、Hb(3,3)が逐次的に得られ、既知の要素と新たに得られた要素とを組み合わせてMIMO基準の評価が実施される。MIMO基準の評価には、上記の式(4)などに示したように逆行列演算が含まれる。この逆行列演算は、アンテナアレイのビームパターンの組み合わせを更新する度に実施される。そのため、前の組み合わせについて得られている逆行列演算の結果を利用できれば、現在の逆行列演算にかかる負荷を低減することができる。
例えば、Hb(1,1)、…、Hb(2,2)を要素とする行列H2を既知とし、Hb(1,1)、…、Hb(3,3)を要素とする行列H3の逆行列演算を実施する際に、行列H2の逆行列演算の結果が利用できれば、演算負荷を低減することができる。以下、Hb(3,1)、…、Hb(3,3)を利用して行列H2を行列H3に更新し、行列H2の逆行列演算の結果を行列H3の逆行列演算に利用する方法について説明する。
n×n行列Hn、及び下記の式(10)で定義される逆行列Bnは既知であるとする。但し、δ、γは既知であり、Inはn×n単位行列を表す。ここで、新たに追加される要素として、n行1列の行列に相当するベクトル(n×1ベクトル)a、1行n列の行列に相当するベクトル(1×nベクトル)b、スカラーhを導入する。また、下記の式(11)に示すように、行列Hnにa、b、hを追加した行列をHn+1と表記する。つまり、下記の式(11)により、HnからHn+1への更新処理が定義される。
上記のようにHn+1を定義すると、逆行列Bn+1は、下記の式(12)で与えられる。下記の式(12)を展開すると、逆行列Bn+1は、下記の式(13)のように表現される。この更新処理の際に実施される複素数乗算の回数は4n2+3nとなる。例えば、上記の行列H3の逆行列演算を実施する場合、[Hb(1,3),Hb(2,3)]T(上付きのTは転置)をa、[Hb(3,1),Hb(3,2)]をb、Hb(3,3)をhに代入すれば、下記の式(13)により逆行列B3が得られる。
なお、下記の式(14)に示すように、行列Hnにn×1ベクトルhjを追加して行列Hn+1に更新する場合、逆行列Bn+1は、下記の式(15)で与えられる。この更新処理の際に実施される複素数乗算の回数は2n2+2n+(n+1)Nとなる。
ビームパターンを逐次的に決定する際の逆行列演算に上記の更新処理を適用することで、演算量をさらに低減することが可能になる。なお、上記の式(14)及び式(15)に示した演算は、後述する変形例#3、#4などにも利用可能である。
[2−2.送信装置及び受信装置の動作]
ここで、図7〜図9を参照しながら、送信装置100及び受信装置200の動作について説明する。なお、図7〜図9に示した処理フローは一例であり、ビームパターンの切り替えタイミングや既知信号の送受信タイミングなどは変形可能である。例えば、図7〜図9では、図5及び図6の例とは一部異なるタイミングとなる。
ここで、図7〜図9を参照しながら、送信装置100及び受信装置200の動作について説明する。なお、図7〜図9に示した処理フローは一例であり、ビームパターンの切り替えタイミングや既知信号の送受信タイミングなどは変形可能である。例えば、図7〜図9では、図5及び図6の例とは一部異なるタイミングとなる。
図7は、第2実施形態に係る送信装置及び受信装置の動作例を示した第1のフロー図である。図8は、第2実施形態に係る送信装置及び受信装置の動作例を示した第2のフロー図である。図9は、第2実施形態に係る送信装置及び受信装置の動作例を示した第3のフロー図である。
(S101、S102)送信装置100のCPU111は、サブアレイtSA1、…、tSA3の中から未選択のサブアレイtSAnを選択する。また、CPU111は、サブアレイrSA1、…、rSA3の中から未選択のサブアレイrSAnを選択する。なお、この例では{tSA1,rSA1}、{tSA2,rSA2}、{tSA3,rSA3}の順にサブアレイの組み合わせが選択される。
(S103)送信装置100のCPU111は、n=1であるか否かを判定する。n=1である場合、処理はS104へと進む。一方、n=1でない場合、処理はS111へと進む。
(S104、S109)送信装置100のCPU111は、サブアレイtSA1のビームパターンtBPxのインデックスxを1からKtまで順次切り替えながら、S105からS108までの処理を繰り返し実行する。
(S105、S108)受信装置200のCPU211は、サブアレイrSA1のビームパターンrBPyのインデックスyを1からKrまで順次切り替えながら、S106及びS107の処理を繰り返し実行する。
(S106)送信装置100のCPU111は、BB回路114及びRF回路115を制御してサブアレイtSA1からビームパターンtBPxで既知信号を送信する。一方、受信装置200のCPU211は、BB回路213及びRF回路214を制御してサブアレイrSA1によりビームパターンrBPyで既知信号を受信する。また、CPU211は、受信された既知信号のSNRを計算する。
(S107)受信装置200のCPU211は、S106で得られるSNRをメモリ212に保持する。
(S110)、受信装置200のCPU211は、メモリ212に保持しているSNRの中から最大値(SNR最大)を抽出し、抽出されたSNRに対応するビームパターンのペア(BPペア)を特定する。図7の例では、インデックスx1、y1に対応するビームパターンtBPx1、rBPy1がBPペアとして特定される。また、CPU211は、特定されたBPペアについてのHb(1,1)をメモリ212に保持する。また、CPU211は、インデックスx1を送信装置100にフィードバックする。S110の処理が完了すると、処理はS101へと進む。
(S110)、受信装置200のCPU211は、メモリ212に保持しているSNRの中から最大値(SNR最大)を抽出し、抽出されたSNRに対応するビームパターンのペア(BPペア)を特定する。図7の例では、インデックスx1、y1に対応するビームパターンtBPx1、rBPy1がBPペアとして特定される。また、CPU211は、特定されたBPペアについてのHb(1,1)をメモリ212に保持する。また、CPU211は、インデックスx1を送信装置100にフィードバックする。S110の処理が完了すると、処理はS101へと進む。
(S111)送信装置100のCPU111は、n=2であるか否かを判定する。n=2である場合、処理はS112へと進む。一方、n=2でない場合(n=3の場合)、処理はS120へと進む。
(S112、S117)受信装置200のCPU211は、サブアレイrSA2のビームパターンrBPyのインデックスyを1からKrまで順次切り替えながら、S113からS116までの処理を繰り返し実行する。
(S113)送信装置100のCPU111は、BB回路114及びRF回路115を制御してサブアレイtSA1からビームパターンtBPx1で既知信号を送信する。一方、受信装置200のCPU211は、BB回路213及びRF回路214を制御してサブアレイrSA2によりビームパターンrBPyで既知信号を受信する。この既知信号の受信結果に基づいてHb(2,1)が得られる。
(S114、S116)送信装置100のCPU111は、サブアレイtSA2のビームパターンtBPxのインデックスxを1からKtまで順次切り替えながら、S115の処理を繰り返し実行する。
(S115)送信装置100のCPU111は、BB回路114及びRF回路115を制御してサブアレイtSA2からビームパターンtBPxで既知信号を送信する。
一方、受信装置200のCPU211は、y≠1のとき、BB回路213及びRF回路214を制御してサブアレイrSA2によりビームパターンrBPyで既知信号を受信する。この既知信号の受信結果に基づいてHb(2,2)が得られる。また、CPU211は、y=1のとき、BB回路213及びRF回路214を制御してサブアレイrSA1、rSA2によりビームパターンrBPy1、rBPyで既知信号を受信する。この既知信号の受信結果に基づいてHb(1,2)、Hb(2,2)が得られる。
一方、受信装置200のCPU211は、y≠1のとき、BB回路213及びRF回路214を制御してサブアレイrSA2によりビームパターンrBPyで既知信号を受信する。この既知信号の受信結果に基づいてHb(2,2)が得られる。また、CPU211は、y=1のとき、BB回路213及びRF回路214を制御してサブアレイrSA1、rSA2によりビームパターンrBPy1、rBPyで既知信号を受信する。この既知信号の受信結果に基づいてHb(1,2)、Hb(2,2)が得られる。
(S118)受信装置200のCPU211は、Hb(2,1)、…、Hb(2,2)の情報と、メモリ212に保持しているHb(1,1)の情報とを用いてMIMO基準でBPペアを特定する。この例では、サブアレイtSA2、rSA2の組み合わせについてビームパターンtBPx2、rBPy2がBPペアとして特定される。
(S119)受信装置200のCPU211は、インデックスx2を送信装置100にフィードバックする。
(S120、S126)受信装置200のCPU211は、サブアレイrSA3のビームパターンrBPyのインデックスyを1からKrまで順次切り替えながら、S121からS125までの処理を繰り返し実行する。
(S120、S126)受信装置200のCPU211は、サブアレイrSA3のビームパターンrBPyのインデックスyを1からKrまで順次切り替えながら、S121からS125までの処理を繰り返し実行する。
(S121)送信装置100のCPU111は、BB回路114及びRF回路115を制御してサブアレイtSA1からビームパターンtBPx1で既知信号を送信する。一方、受信装置200のCPU211は、BB回路213及びRF回路214を制御してサブアレイrSA3によりビームパターンrBPyで既知信号を受信する。この既知信号の受信結果に基づいてHb(3,1)が得られる。
(S122)送信装置100のCPU111は、BB回路114及びRF回路115を制御してサブアレイtSA2からビームパターンtBPx2で既知信号を送信する。一方、受信装置200のCPU211は、BB回路213及びRF回路214を制御してサブアレイrSA3によりビームパターンrBPyで既知信号を受信する。この既知信号の受信結果に基づいてHb(3,2)が得られる。
(S123、S125)送信装置100のCPU111は、サブアレイtSA3のビームパターンtBPxのインデックスxを1からKtまで順次切り替えながら、S124の処理を繰り返し実行する。
(S124)送信装置100のCPU111は、BB回路114及びRF回路115を制御してサブアレイtSA3からビームパターンtBPxで既知信号を送信する。
一方、受信装置200のCPU211は、y≠1のとき、BB回路213及びRF回路214を制御してサブアレイrSA3によりビームパターンrBPyで既知信号を受信する。この既知信号の受信結果に基づいてHb(3,3)が得られる。
一方、受信装置200のCPU211は、y≠1のとき、BB回路213及びRF回路214を制御してサブアレイrSA3によりビームパターンrBPyで既知信号を受信する。この既知信号の受信結果に基づいてHb(3,3)が得られる。
また、CPU211は、y=1のとき、BB回路213及びRF回路214を制御してサブアレイrSA1、rSA2、rSA3によりビームパターンrBPy1、rBPy2、rBPyで既知信号を受信する。この既知信号の受信結果に基づいてHb(1,3)、Hb(2,3)が得られる。
(S127)受信装置200のCPU211は、Hb(3,1)、…、Hb(3,3)の情報と、メモリ212に保持しているHb(1,1)、Hb(2,1)、…、Hb(2,2)の情報とを用いてMIMO基準でBPペアを特定する。この例では、サブアレイtSA3、rSA3の組み合わせについてビームパターンtBPx3、rBPy3がBPペアとして特定される。
(S128)受信装置200のCPU211は、インデックスx3を送信装置100にフィードバックする。S128の処理が完了すると、図7〜図9に示した一連の処理は終了する。
上記のように、サブアレイのペアを順次選択し、SNR基準及びMIMO基準を適用して好適なビームパターンの組み合わせを逐次的に抽出することで、全探索を実施する場合に比べて、訓練にかかる処理の複雑度及び処理負荷を低減することが可能になる。
また、送信側のビームパターンと受信側のビームパターンとを個々に切り替えることで、送受信に同じビームパターンを利用する制限の下で訓練を実施する場合(比較例)に比べて高性能なビームパターンの組み合わせを抽出することが可能になる。なお、上述した処理フローは一例であり、SNR基準及びMIMO基準でビームパターンを決定する処理を受信装置200で実施するなどの変形が可能である。
[2−3.変形例]
ここで、第2実施形態の変形例について説明する。
(変形例#1)
まず、図10及び図11を参照しながら、受信側のビームパターンに無指向性のオムニパターンを適用して上記の訓練を実施する変形例(変形例#1)について述べる。図10は、第2実施形態の一変形例(変形例#1)に係るビームパターンの決定について説明するための第1の図である。図11は、第2実施形態の一変形例(変形例#1)に係るビームパターンの決定について説明するための第2の図である。
ここで、第2実施形態の変形例について説明する。
(変形例#1)
まず、図10及び図11を参照しながら、受信側のビームパターンに無指向性のオムニパターンを適用して上記の訓練を実施する変形例(変形例#1)について述べる。図10は、第2実施形態の一変形例(変形例#1)に係るビームパターンの決定について説明するための第1の図である。図11は、第2実施形態の一変形例(変形例#1)に係るビームパターンの決定について説明するための第2の図である。
Step.1:
変形例#1では、サブアレイtSA1、rSA1の組み合わせを選択してビームパターンを決定するとき、図10の(A1)に示すように、サブアレイrSA1のビームパターンがオムニパターンOPに固定される。オムニパターンOPは、例えば、サブアレイrSA1に含まれる1つのアンテナ素子(Ant#1)だけで受信するように制御することで実現される。
変形例#1では、サブアレイtSA1、rSA1の組み合わせを選択してビームパターンを決定するとき、図10の(A1)に示すように、サブアレイrSA1のビームパターンがオムニパターンOPに固定される。オムニパターンOPは、例えば、サブアレイrSA1に含まれる1つのアンテナ素子(Ant#1)だけで受信するように制御することで実現される。
この場合、図10の(A1)及び(B1)に示すように、送信装置100は、サブアレイtSA1のビームパターンtBPx(x=1,…,Kt)を切り替えながら既知信号を送信する。一方、受信装置200は、オムニパターンOPを維持した状態でサブアレイrSA1により既知信号を受信する。そして、既知信号の受信SNRが最大になるビームパターンtBPx1が抽出される(SNR基準によるビームパターンの決定)。変形例#1によれば、既知信号をKt回送受信することでHb(1,1)が得られる。
Step.2:
次に、サブアレイtSA2、rSA2の組み合わせが選択され、サブアレイtSA2のビームパターンが決定される。このとき、図10の(A2)に示すように、サブアレイrSA2のビームパターンがオムニパターンOPに固定される。また、サブアレイtSA1、rSA1のビームパターンは、それぞれ、Step.1で抽出されたビームパターンtBPx1、オムニパターンOPに固定される。
次に、サブアレイtSA2、rSA2の組み合わせが選択され、サブアレイtSA2のビームパターンが決定される。このとき、図10の(A2)に示すように、サブアレイrSA2のビームパターンがオムニパターンOPに固定される。また、サブアレイtSA1、rSA1のビームパターンは、それぞれ、Step.1で抽出されたビームパターンtBPx1、オムニパターンOPに固定される。
そして、図10の(B2a)に示すように、サブアレイtSA1からビームパターンtBPx1で既知信号が送信され、サブアレイrSA2によりオムニパターンOPで既知信号が受信される。サブアレイtSA1、rSA2のビームパターンは固定されているため、既知信号を1回送受信するだけでHb(2,1)が得られる。
また、図10の(B2b)に示すように、サブアレイtSA2からビームパターンtBPx(x=1,…,Kt)で既知信号が送信され、サブアレイrSA1、rSA2によりオムニパターンOPで既知信号が受信される。サブアレイrSA1、rSA2のビームパターンはオムニパターンOPに固定されているため、既知信号をKt回送受信するだけでHb(1,2)、Hb(2,2)が得られる。
そして、Step.1で得られるHb(1,1)と、Step.2における上記の処理で得られるH(1,2)、…、Hb(2,2)とを用いて、MIMO基準に基づいてサブアレイtSA2の好適なビームパターンが抽出される。図10の例では、ビームパターンtBPx2が抽出される(B2c)。なお、MIMO基準に基づくビームパターンの抽出方法は、既に説明した方法と同じ方法を適用することができる。例えば、上記の式(4)に基づくMMSE基準などを利用してビームパターンを抽出することができる。
Step.3:
次に、サブアレイtSA3、rSA3の組み合わせが選択され、サブアレイtSA3のビームパターンが決定される。このとき、図11の(A3)に示すように、サブアレイrSA3のビームパターンがオムニパターンOPに固定される。また、サブアレイtSA1、rSA1のビームパターンは、それぞれ、Step.1で抽出されたビームパターンtBPx1、オムニパターンOPに固定される。また、サブアレイtSA2、rSA2のビームパターンは、それぞれ、Step.2で抽出されたビームパターンtBPx2、オムニパターンOPに固定される。
次に、サブアレイtSA3、rSA3の組み合わせが選択され、サブアレイtSA3のビームパターンが決定される。このとき、図11の(A3)に示すように、サブアレイrSA3のビームパターンがオムニパターンOPに固定される。また、サブアレイtSA1、rSA1のビームパターンは、それぞれ、Step.1で抽出されたビームパターンtBPx1、オムニパターンOPに固定される。また、サブアレイtSA2、rSA2のビームパターンは、それぞれ、Step.2で抽出されたビームパターンtBPx2、オムニパターンOPに固定される。
そして、図11の(B3a)に示すように、サブアレイtSA1からビームパターンtBPx1で既知信号が送信され、サブアレイrSA3によりオムニパターンOPで既知信号が受信される。サブアレイtSA1、rSA3のビームパターンは固定されているため、既知信号を1回送受信するだけでHb(3,1)が得られる。なお、Hb(3,1)を得る処理は、Step.2でHb(2,1)を得る処理と併行して実行されてもよい。
また、図11の(B3b)に示すように、サブアレイtSA2からビームパターンtBPx2で既知信号が送信され、サブアレイrSA3によりオムニパターンOPで既知信号が受信される。サブアレイtSA2、rSA3のビームパターンは固定されているため、既知信号を1回送受信するだけでHb(3,2)が得られる。
また、図11の(B3c)に示すように、サブアレイtSA3からビームパターンtBPx(x=1,…,Kt)で既知信号が送信され、サブアレイrSA1、rSA2、rSA3によりオムニパターンOPで既知信号が受信される。サブアレイrSA1、rSA2、rSA3のビームパターンはオムニパターンOPに固定されているため、既知信号をKt回送受信するだけでHb(1,3)、Hb(2,3)、Hb(3,3)が得られる。
そして、Step.1で得られるHb(1,1)、Step.2で得られるH(1,2)、…、Hb(2,2)と、上記の処理で得られるHb(3,1)、…、Hb(3,3)とを用いて、MIMO基準によりサブアレイtSA3のビームパターンが抽出される。図11の例では、ビームパターンtBPx3が抽出される(B3d)。
上記のように受信側のビームパターンをオムニパターンOPに固定することで既知信号の送受信回数が減り、上記の訓練にかかる処理の複雑度や処理負荷がさらに低減される。なお、送信側のビームパターンをオムニパターンOPに固定し、受信側のビームパターンを切り替えて受信側の好適なビームパターン{rBPy1,rBPy2,rBPy3}を抽出する方法に変形することも可能である。
(変形例#2)
次に、図12及び図13を参照しながら、送信側のビームパターンを固定して上記の訓練を実施する変形例(変形例#2)について述べる。図12は、第2実施形態の一変形例(変形例#2)に係るビームパターンの決定について説明するための第1の図である。図13は、第2実施形態の一変形例(変形例#2)に係るビームパターンの決定について説明するための第2の図である。
次に、図12及び図13を参照しながら、送信側のビームパターンを固定して上記の訓練を実施する変形例(変形例#2)について述べる。図12は、第2実施形態の一変形例(変形例#2)に係るビームパターンの決定について説明するための第1の図である。図13は、第2実施形態の一変形例(変形例#2)に係るビームパターンの決定について説明するための第2の図である。
Step.1:
変形例#2では、サブアレイtSA1、rSA1の組み合わせを選択してビームパターンを決定するとき、サブアレイtSA1、tSA2、tSA3のビームパターンが予め設定されているビームパターンに固定される。図12及び図13の例では、サブアレイtSA1、tSA2、tSA3のビームパターンがtBPx1、tBPx2、tBPx3に予め設定されている。事前に設定される送信側のビームパターンとしては、例えば、過去の訓練により抽出されたビームパターンの組み合わせが用いられうる。
変形例#2では、サブアレイtSA1、rSA1の組み合わせを選択してビームパターンを決定するとき、サブアレイtSA1、tSA2、tSA3のビームパターンが予め設定されているビームパターンに固定される。図12及び図13の例では、サブアレイtSA1、tSA2、tSA3のビームパターンがtBPx1、tBPx2、tBPx3に予め設定されている。事前に設定される送信側のビームパターンとしては、例えば、過去の訓練により抽出されたビームパターンの組み合わせが用いられうる。
変形例#2の場合、図12の(A1)及び(B1)に示すように、送信装置100は、事前に設定されているビームパターンtBPx1でサブアレイtSA1から既知信号を送信する。一方、受信装置200は、ビームパターンrBPy(y=1,…,Kr)を切り替えながらサブアレイtSA1により既知信号を受信する。そして、既知信号の受信SNRが最大になるビームパターンrBPy1が抽出される(SNR基準によるビームパターンの決定)。変形例#2によれば、既知信号をKr回送受信することでHb(1,1)が得られる。
Step.2:
次に、サブアレイtSA2、rSA2の組み合わせが選択され、サブアレイrSA2のビームパターンが決定される。このとき、図12の(A2)に示すように、サブアレイtSA1、tSA2のビームパターンは事前に設定されているビームパターンtBPx1、tBPx2に固定される。また、サブアレイrSA1のビームパターンは、Step.1で抽出されたビームパターンrBPy1に固定される。
次に、サブアレイtSA2、rSA2の組み合わせが選択され、サブアレイrSA2のビームパターンが決定される。このとき、図12の(A2)に示すように、サブアレイtSA1、tSA2のビームパターンは事前に設定されているビームパターンtBPx1、tBPx2に固定される。また、サブアレイrSA1のビームパターンは、Step.1で抽出されたビームパターンrBPy1に固定される。
そして、図12の(B2a)に示すように、サブアレイtSA1からビームパターンtBPx1で既知信号が送信され、サブアレイrSA2によりビームパターンrBPy(y=1,…,Kr)を切り替えながら既知信号が受信される。サブアレイtSA1、tSA2、rSA1のビームパターンが固定されているため、既知信号をKr回送受信するだけでHb(2,1)が得られる。
また、図12の(B2b)に示すように、サブアレイtSA2からビームパターンtBPx2で既知信号が送信され、サブアレイrSA1、rSA2により、それぞれビームパターンrBPy1、rBPy(y=1,…,Kr)で既知信号が受信される。サブアレイtSA2、rSA1のビームパターンは固定されているため、既知信号を1回送受信するだけでHb(1,2)が得られる。また、既知信号をKr回送受信するだけでHb(2,2)が得られる。
そして、Step.1で得られるHb(1,1)と、Step.2における上記の処理で得られるH(1,2)、…、Hb(2,2)とを用いて、MIMO基準に基づいてサブアレイrSA2の好適なビームパターンが抽出される。図12の例では、ビームパターンrBPy2が抽出される(B2c)。なお、MIMO基準に基づくビームパターンの抽出方法は、既に説明した方法と同じ方法を適用することができる。例えば、上記の式(4)に基づくMMSE基準などを利用してビームパターンを抽出することができる。
Step.3:
次に、サブアレイtSA3、rSA3の組み合わせが選択され、サブアレイrSA3のビームパターンが決定される。このとき、図13の(A3)に示すように、サブアレイtSA1、tSA2、tSA3、rSA1、rSA2のビームパターンは、それぞれビームパターンtBPx1、tBPx2、tBPx3、rBPy1、rBPy2に固定される。
次に、サブアレイtSA3、rSA3の組み合わせが選択され、サブアレイrSA3のビームパターンが決定される。このとき、図13の(A3)に示すように、サブアレイtSA1、tSA2、tSA3、rSA1、rSA2のビームパターンは、それぞれビームパターンtBPx1、tBPx2、tBPx3、rBPy1、rBPy2に固定される。
そして、図13の(B3a)に示すように、サブアレイtSA1からビームパターンtBPx1で既知信号が送信され、サブアレイrSA3によりビームパターンrBPy(y=1,…,Kr)で既知信号が受信される。サブアレイtSA1のビームパターンは固定されているため、既知信号をKr回送受信するだけでHb(3,1)が得られる。なお、Hb(3,1)を得る処理は、Step.2でHb(2,1)を得る処理と併行して実行されてもよい。
また、図13の(B3b)に示すように、サブアレイtSA2からビームパターンtBPx2で既知信号が送信され、サブアレイrSA3によりビームパターンrBPy(y=1,…,Kr)で既知信号が受信される。サブアレイtSA2のビームパターンは固定されているため、既知信号をKr回送受信するだけでHb(3,2)が得られる。
図13の(B3c)に示すように、サブアレイtSA3からビームパターンtBPx3で既知信号が送信され、サブアレイrSA1、rSA2、rSA3によりビームパターンrBPy1、rBPy2、rBPy(y=1,…,Kr)で既知信号が受信される。サブアレイtSA3、rSA1、rSA2のビームパターンは固定されているため、既知信号を1回送受信するだけでHb(1,3)、Hb(2,3)が得られる。また、既知信号をKr回送受信するだけでHb(3,3)が得られる。
そして、Step.1で得られるHb(1,1)、Step.2で得られるH(1,2)、…、Hb(2,2)と、上記の処理で得られるHb(3,1)、…、Hb(3,3)とを用いて、MIMO基準によりサブアレイrSA3のビームパターンが抽出される。図13の例では、ビームパターンrBPy3が抽出される(B3d)。
上記のように送信側のビームパターンを固定することで既知信号の送受信回数が減り、上記の訓練にかかる処理の複雑度や処理負荷がさらに低減される。なお、受信側のビームパターンを固定し、送信側のビームパターンを切り替えて送信側の好適なビームパターン{tBPx1,tBPx2,tBPx3}を抽出する方法に変形することも可能である。
(変形例#3)
次に、図14を参照しながら、受信側のビームパターンに無指向性のオムニパターンを適用して上記の訓練を実施する変形例(変形例#3)について述べる。図14は、第2実施形態の一変形例(変形例#3)に係るビームパターンの決定について説明するための図である。上述した変形例#1との違いは、図14に示すように、Step.1〜Step.3の全てで、サブアレイrSA1、rSA2、rSA3によりオムニパターンOPで既知信号を受信する点にある。この場合、サブアレイのペアを選択する際の組み合わせ数が減る分、上記の訓練にかかる処理の複雑度や処理負荷がさらに低減される。
次に、図14を参照しながら、受信側のビームパターンに無指向性のオムニパターンを適用して上記の訓練を実施する変形例(変形例#3)について述べる。図14は、第2実施形態の一変形例(変形例#3)に係るビームパターンの決定について説明するための図である。上述した変形例#1との違いは、図14に示すように、Step.1〜Step.3の全てで、サブアレイrSA1、rSA2、rSA3によりオムニパターンOPで既知信号を受信する点にある。この場合、サブアレイのペアを選択する際の組み合わせ数が減る分、上記の訓練にかかる処理の複雑度や処理負荷がさらに低減される。
(変形例#4)
次に、図15を参照しながら、送信側のビームパターンを固定して上記の訓練を実施する変形例(変形例#4)について述べる。図15は、第2実施形態の一変形例(変形例#4)に係るビームパターンの決定について説明するための図である。上述した変形例#2との違いは、図15に示すように、Step.1〜Step.3の全てで、サブアレイtSA1、tSA2、tSA3により固定のビームパターンtBPx1、tBPx2、tBPx3で既知信号を送信する点にある。この場合、サブアレイのペアを選択する際の組み合わせ数が減る分、上記の訓練にかかる処理の複雑度や処理負荷がさらに低減される。
次に、図15を参照しながら、送信側のビームパターンを固定して上記の訓練を実施する変形例(変形例#4)について述べる。図15は、第2実施形態の一変形例(変形例#4)に係るビームパターンの決定について説明するための図である。上述した変形例#2との違いは、図15に示すように、Step.1〜Step.3の全てで、サブアレイtSA1、tSA2、tSA3により固定のビームパターンtBPx1、tBPx2、tBPx3で既知信号を送信する点にある。この場合、サブアレイのペアを選択する際の組み合わせ数が減る分、上記の訓練にかかる処理の複雑度や処理負荷がさらに低減される。
(変形例#5)
次に、図16及び図17を参照しながら、選択対象となるビームパターンの組み合わせを事前に絞り込む方法(変形例#5)について説明する。図16は、第2実施形態の一変形例(変形例#5)に係る送信装置及び受信装置の動作例を示した第1のフロー図である。図17は、第2実施形態の一変形例(変形例#5)に係る送信装置及び受信装置の動作例を示した第2のフロー図である。
次に、図16及び図17を参照しながら、選択対象となるビームパターンの組み合わせを事前に絞り込む方法(変形例#5)について説明する。図16は、第2実施形態の一変形例(変形例#5)に係る送信装置及び受信装置の動作例を示した第1のフロー図である。図17は、第2実施形態の一変形例(変形例#5)に係る送信装置及び受信装置の動作例を示した第2のフロー図である。
(S201、S214)送信装置100のCPU111は、サブアレイの組み合わせ{tSAq,rSAq}を示すインデックスqを変更しながら、S202からS213までの処理を繰り返し実行する。
(S202)受信装置200のCPU211は、サブアレイrSAqをオムニパターンに設定する。
(S203、S205)送信装置100のCPU111は、サブアレイtSAqのビームパターンtBPxのインデックスx(x=1,…,Kt)を変更しながら、S204の処理を繰り返し実行する。
(S203、S205)送信装置100のCPU111は、サブアレイtSAqのビームパターンtBPxのインデックスx(x=1,…,Kt)を変更しながら、S204の処理を繰り返し実行する。
(S204)送信装置100のCPU111は、BB回路114及びRF回路115を制御してサブアレイtSAqからビームパターンtBPxで既知信号を送信する。受信装置200のCPU211は、BB回路213及びRF回路214を制御してサブアレイrSAqにより既知信号を受信する。また、CPU211は、受信される既知信号のSNRを計算し、計算されたSNRの情報をメモリ212に保存する。
(S206)受信装置200のCPU211は、メモリ212に保存されているSNRの情報を参照し、ビームパターンtBPx(x=1,…,Kt)の中から、SNRが大きい順にKt0個(Kt0<Kt)のビームパターンを特定する。
(S207)受信装置200のCPU211は、S206で特定されたKt0個のビームパターンtBPx及びSNR最大のビームパターンtBPx(tBPx0)を送信装置100に通知する。例えば、CPU211は、SNRが大きいKt0個のビームパターンtBPxを示すインデックスxと、SNR最大のビームパターンtBPx0を示すインデックスx0とを送信装置100に通知する。
(S208)送信装置100のCPU111は、サブアレイtSAqのビームパターンtBPxをSNR最大のビームパターンtBPx0に設定する。
(S209、S211)受信装置200のCPU211は、サブアレイrSAqのビームパターンrBPyのインデックスy(y=1,…,Kr)を変更しながら、S210の処理を繰り返し実行する。
(S209、S211)受信装置200のCPU211は、サブアレイrSAqのビームパターンrBPyのインデックスy(y=1,…,Kr)を変更しながら、S210の処理を繰り返し実行する。
(S210)送信装置100のCPU111は、BB回路114及びRF回路115を制御してサブアレイtSAqからビームパターンtBPx0で既知信号を送信する。受信装置200のCPU211は、BB回路213及びRF回路214を制御してサブアレイtSAqによりビームパターンrBPyで既知信号を受信する。また、CPU211は、受信される既知信号のSNRを計算し、計算されたSNRの情報をメモリ212に保存する。
(S212)受信装置200のCPU211は、メモリ212に保存されているSNRの情報を参照し、ビームパターンrBPy(y=1,…,Kr)の中から、SNRが大きい順にKr0個(Kr0<Kr)のビームパターンを特定する。
(S213)受信装置200のCPU211は、S212で特定されたKr0個のビームパターンrBPyを送信装置100に通知する。例えば、CPU211は、SNRが大きいKr0個のビームパターンrBPyを示すインデックスyを送信装置100に通知する。
(S215)送信装置100のCPU111は、特定されたKt0個のビームパターンtBPx、及び特定されたKr0個のビームパターンrBPyを用いて、上述した第2実施形態及び各変形例に係る方法により好適なビームパターンの組み合わせを決定する。S215の処理が完了すると、図16及び図17に示した一連の処理は終了する。
変形例#5によれば、選択対象となるビームパターンの組み合わせ数が減る分、上記の訓練にかかる処理の複雑度や処理負荷がさらに低減される。
[2−4.シミュレーション結果]
上述した第2実施形態の方法を適用すると、ビームパターンの組み合わせを選択する回数(訓練回数:概ね既知信号の送受信回数に相当)は、図18に示すように、全探索による訓練回数に比べて低減される。図18は、訓練回数の削減効果について説明するための図である。なお、条件Aは、Kt=Kr=4、且つN(サブアレイ数)=2の場合である。条件Bは、Kt=Kr=8、且つN=4の場合である。条件Cは、Kt=Kr=16、且つN=2の場合である。図18には上述した変形例#1、#2を適用した場合の結果も掲載しているが、いずれも全探索の場合に比べて訓練回数が低減されている。
[2−4.シミュレーション結果]
上述した第2実施形態の方法を適用すると、ビームパターンの組み合わせを選択する回数(訓練回数:概ね既知信号の送受信回数に相当)は、図18に示すように、全探索による訓練回数に比べて低減される。図18は、訓練回数の削減効果について説明するための図である。なお、条件Aは、Kt=Kr=4、且つN(サブアレイ数)=2の場合である。条件Bは、Kt=Kr=8、且つN=4の場合である。条件Cは、Kt=Kr=16、且つN=2の場合である。図18には上述した変形例#1、#2を適用した場合の結果も掲載しているが、いずれも全探索の場合に比べて訓練回数が低減されている。
また、上述した第2実施形態の方法を適用すると、MIMO基準の計算回数(基準計算回数:逆行列演算の回数に相当)は、図19に示すように、全探索による基準計算回数に比べて低減される。図19は、基準計算回数の削減効果について説明するための図である。図19には上述した変形例#1、#2を適用した場合の結果も掲載しているが、いずれも全探索の場合に比べて基準計算回数が低減されている。これらの結果から、第2実施形態及び各変形例に係る方法の適用により、上述した訓練の複雑度及び処理負荷が低減されることが理解される。
また、送信側及び受信側のサブアレイで同じビームパターンを選択する条件で、サブアレイのペアを順次選択して上記の訓練を実施する方法(比較例)についてシミュレーションを実施し、上述した第2実施形態の方法を適用する場合とBER(Bit Error Rate)特性を比較した。なお、シミュレーションの条件は、図20の(A1)に示すようなアンテナ素子(element)の配置とし、各パラメータを(A2)のように設定するという条件である。(A1)において、Dt、Drはアンテナアレイ間の間隔、dt、drはアンテナ素子間の間隔、Dt=Dr=(λR0/N)1/2、λは波長、dt=dr=λ/2、R0は最適な送受信アンテナ間の距離である。なお、本シミュレーションにおいては、R0は5mである。図20は、BER特性の改善効果について説明するための図である。
図20の(B1)には、LOS(Line Of Sight)チャネル(送信側から受信側が障害物なく見通せる環境下のチャネル)におけるBER特性の比較が示されている。図中の白丸は比較例の結果であり、黒丸は第2実施形態の結果である。また、図20の(B1)には、Sparseチャネル(送信側から受信側が障害物で見通せず、少ない反射波が受信側へ到来する環境下のチャネル)におけるBER特性の比較が示されている。
(B1)及び(B2)の結果から、いずれの環境においても第2実施形態の方法を適用することによりBER特性が改善することが理解される。既に述べたように、第2実施形態及び各変形例の方法では、送信側のビームパターンと受信側のビームパターンとを個々に制御して上記の訓練を実施している。そのため、送信側のアンテナアレイと受信側のアンテナアレイとが正対していない環境や障害物がある環境においても高性能なビームパターンのペアが得られる。結果として図20に示すような特性改善が得られる。
BER特性と同様に、第2実施形態の方法によれば、図21に示すように、スループットの改善効果が得られる。図21は、スループットの改善効果について説明するための図である。なお、シミュレーションの条件は、図21(A)に示す通り(図20と同じ条件)である。(B1)及び(B2)に示すように、第2実施形態の方法を適用することで、LOSチャネル及びSparseチャネルの両方で、比較例に比べてスループットが改善されている。このように、第2実施形態に係る技術を適用することで、訓練の複雑度及び処理負荷の低減に加え、好適な通信特性が得られるビームパターンの組み合わせを決定することが可能になる。
以上、第2実施形態について説明した。
<3.第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。第2実施形態では、一例として、RF Chain毎にサブアレイを設けるサブアレイ配置の無線通信システム51について説明してきた。しかし、上述したビームパターンの決定方法は、各RF Chainが全てのアンテナ素子に接続されるフルアレイ配置の無線通信システム(後述する無線通信システム52)にも適用可能である。以下では、第3実施形態の説明としてフルアレイ配置への応用について述べる。
<3.第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。第2実施形態では、一例として、RF Chain毎にサブアレイを設けるサブアレイ配置の無線通信システム51について説明してきた。しかし、上述したビームパターンの決定方法は、各RF Chainが全てのアンテナ素子に接続されるフルアレイ配置の無線通信システム(後述する無線通信システム52)にも適用可能である。以下では、第3実施形態の説明としてフルアレイ配置への応用について述べる。
図22に示すように、フルアレイ配置の無線通信システム52では、送信装置100のRF処理部102a、…、102cに接続される各移相器がアンプやミキサを介して各アンテナ素子に接続される。図22は、第3実施形態に係る送信装置及び受信装置の一例を示した図である。また、受信装置200のRF処理部202a、…、202cに接続される各移相器がアンプやミキサを介して各アンテナ素子に接続される。
上記のようなフルアレイ配置の場合、ビームパターンの決定は、例えば、図23に示すような方法で実施される。図23は、第3実施形態に係るビームパターンの決定について説明するための図である。なお、図23に示した方法は一例であり、一部の処理を省略すること、或いは、ビームパターンの切り替えタイミングや既知信号の送受信タイミングに関する設定を変更するなどの変形が可能である。このような変形も当然に第3実施形態の技術的範囲に属する。
Step.1:
図23に示すように、まず、送受信側で共有されているコードブックに基づいて送受信ストリームのペア毎にビームパターンを切り替えながら既知信号の送受信を実施し、SNR基準でビームパターンの組み合わせが絞り込まれる。
図23に示すように、まず、送受信側で共有されているコードブックに基づいて送受信ストリームのペア毎にビームパターンを切り替えながら既知信号の送受信を実施し、SNR基準でビームパターンの組み合わせが絞り込まれる。
例えば、(1)SNRが大きい順にNse個(Nseは送受信ストリーム数の2倍程度)のビームパターンの組が選択される。他の方法としては、例えば、(2)送信側及び受信側の一方をオムニパターンに固定し、SNRが大きい順に、送信側及び受信側のそれぞれについてNse個のビームパターンが選択される。
なお、Step.1の処理を省略して全てのビームパターンを対象にStep.2以降の処理が実施されてもよい。
Step.2:
送信装置100は、送受信ストリームstr1を選択する。また、送信装置100は、str1に対応するRF処理部102aに接続される各アンプ及び各移相器を制御してビームパターンtBPx(x=1,…、Nse)を形成し、ビームパターンtBPxで既知信号を受信装置200に送信する。受信装置200は、str1に対応するRF処理部202aに接続される各アンプ及び各移相器を制御してビームパターンrBPy(y=1,…、Nse)を形成し、ビームパターンrBPyで既知信号を受信する。そして、受信装置200は、SNR基準でstr1についてのビームパターンtBPx1、rBPy1を抽出する。
Step.2:
送信装置100は、送受信ストリームstr1を選択する。また、送信装置100は、str1に対応するRF処理部102aに接続される各アンプ及び各移相器を制御してビームパターンtBPx(x=1,…、Nse)を形成し、ビームパターンtBPxで既知信号を受信装置200に送信する。受信装置200は、str1に対応するRF処理部202aに接続される各アンプ及び各移相器を制御してビームパターンrBPy(y=1,…、Nse)を形成し、ビームパターンrBPyで既知信号を受信する。そして、受信装置200は、SNR基準でstr1についてのビームパターンtBPx1、rBPy1を抽出する。
なお、フルアレイ配置の場合、等価ベースバンドチャネルのチャネル行列は、下記の式(16)で与えられる。サブアレイ配置の場合とは異なり、下記の式(17)に示すように、送信BFウェイトW(行列)の中で非対角の要素が通常はゼロにならない。下記の式(18)で与えられる受信BFウェイトC(行列)についても同様である。
なお、wiをTx AWV(Antenna Weight Vector)、cjをRx AWVと表記する場合がある。
Step.3:
送信装置100は、送受信ストリームstr2を選択する。また、送信装置100は、str1に対応する各アンプ及び各移相器の設定(w1の設定)をStep.2で抽出されるビームパターンtBPx1に対応する設定に固定する。一方、受信装置200は、str1に対応する各アンプ及び各移相器の設定(c1の設定)をStep.2で抽出されるビームパターンrBPy1に対応する設定に固定する。
送信装置100は、送受信ストリームstr2を選択する。また、送信装置100は、str1に対応する各アンプ及び各移相器の設定(w1の設定)をStep.2で抽出されるビームパターンtBPx1に対応する設定に固定する。一方、受信装置200は、str1に対応する各アンプ及び各移相器の設定(c1の設定)をStep.2で抽出されるビームパターンrBPy1に対応する設定に固定する。
そして、送信装置100は、str2に対応するRF処理部102aに接続される各アンプ及び各移相器を制御してビームパターンtBPx(x=1,…、Nse)を形成し、str1、str2で既知信号を受信装置200に送信する。受信装置200は、str2に対応するRF処理部202aに接続される各アンプ及び各移相器を制御してビームパターンrBPy(y=1,…、Nse)を形成し、str1、str2についての受信処理を実行する。そして、受信装置200は、MIMO基準でstr2についてのビームパターンtBPx2、rBPy2を抽出する。
Step.4:
送信装置100は、送受信ストリームstr3を選択する。また、送信装置100は、str1に対応する各アンプ及び各移相器の設定(w1の設定)をStep.2で抽出されるビームパターンtBPx1に対応する設定に固定する。また、送信装置100は、str2に対応する各アンプ及び各移相器の設定(w2の設定)をStep.3で抽出されるビームパターンtBPx2に対応する設定に固定する。
送信装置100は、送受信ストリームstr3を選択する。また、送信装置100は、str1に対応する各アンプ及び各移相器の設定(w1の設定)をStep.2で抽出されるビームパターンtBPx1に対応する設定に固定する。また、送信装置100は、str2に対応する各アンプ及び各移相器の設定(w2の設定)をStep.3で抽出されるビームパターンtBPx2に対応する設定に固定する。
一方、受信装置200は、str1に対応する各アンプ及び各移相器の設定(c1の設定)をStep.2で抽出されるビームパターンrBPy1に対応する設定に固定する。また、受信装置200は、str2に対応する各アンプ及び各移相器の設定(c2の設定)をStep.3で抽出されるビームパターンrBPy2に対応する設定に固定する。
そして、送信装置100は、str3に対応するRF処理部102aに接続される各アンプ及び各移相器を制御してビームパターンtBPx(x=1,…、Nse)を形成し、str1、str2、str3で既知信号を受信装置200に送信する。受信装置200は、str3に対応するRF処理部202aに接続される各アンプ及び各移相器を制御してビームパターンrBPy(y=1,…、Nse)を形成し、str1、str2、str3についての受信処理を実行する。そして、受信装置200は、MIMO基準でstr3についてのビームパターンtBPx3、rBPy3を抽出する。
上記のように、第3実施形態では、送受信ストリームの組み合わせ(RF Chainの組み合わせに対応)を逐次的に選択してビームパターンのペアを抽出し、抽出されたペアを固定して次の組み合わせに対する処理が実行される。そのため、上述した第2実施形態の方法と同様に、ビームパターンの組み合わせ数を低減することができ、訓練にかかる処理の複雑度や処理負荷が低減される。また、MIMO基準で、送信側のビームパターンと受信側のビームパターンとが個々に抽出されるため、第3実施形態の方法を適用することが通信特性の向上に寄与する。
(変形例)
図23に示した方法は、図24に示すような方法に変形することができる。図24は、第3実施形態の一変形例に係るビームパターンの決定について説明するための図である。
図23に示した方法は、図24に示すような方法に変形することができる。図24は、第3実施形態の一変形例に係るビームパターンの決定について説明するための図である。
この変形例では、上述した変形例#2と同様に、送信側のビームパターンとして事前に設定されているビームパターンが利用される。Step.1の処理は図23の方法と同じである。
一方、Step.2〜Step.4では、予め設定されているビームパターンtBPx1、tBPx2、tBPx3を利用し、MIMO基準により受信側のビームパターンrBPy1、rBPy2、rBPy3が逐次的に抽出される。
この変形により、ビームパターンの組み合わせ数が低減され、訓練にかかる処理の複雑度や処理負荷がさらに低減される。なお、受信側のビームパターンを固定パターンにし、送信側のビームパターンを抽出する方法に変形することも可能である。
以上、第3実施形態について説明した。
<3.付記>
以上説明した実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
<3.付記>
以上説明した実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)送信アンテナで形成されるビームパターンの情報が格納される第1の記憶部と、
前記送信アンテナに含まれる第1のアンテナ素子群と、受信アンテナに含まれる第2のアンテナ素子群とのペアを順次選択する第1の制御部と、
を有する送信装置と;
前記受信アンテナで形成されるビームパターンの情報が格納される第2の記憶部と、
順次選択される前記ペアのうち、最初に選択される第1のペアについては受信品質に基づいて前記ビームパターンの組を決定し、前記第1のペアとは異なる第2のペアについては、前記第2のペアより前に選択された各ペアについて決定された前記ビームパターンの組を用いて送受信する場合の等価ベースバンドチャネル状態に基づいて前記第2のペアについての前記ビームパターンの組を決定する第2の制御部と;
を有する受信装置と;
を含む、無線通信システム。
前記送信アンテナに含まれる第1のアンテナ素子群と、受信アンテナに含まれる第2のアンテナ素子群とのペアを順次選択する第1の制御部と、
を有する送信装置と;
前記受信アンテナで形成されるビームパターンの情報が格納される第2の記憶部と、
順次選択される前記ペアのうち、最初に選択される第1のペアについては受信品質に基づいて前記ビームパターンの組を決定し、前記第1のペアとは異なる第2のペアについては、前記第2のペアより前に選択された各ペアについて決定された前記ビームパターンの組を用いて送受信する場合の等価ベースバンドチャネル状態に基づいて前記第2のペアについての前記ビームパターンの組を決定する第2の制御部と;
を有する受信装置と;
を含む、無線通信システム。
(付記2)前記第2の制御部は、
前記第2のペアについて前記ビームパターンの組を決定する際に評価する前記等価ベースバンドチャネル状態の情報を前記第2の記憶部に格納し、前記第2のペアより後に選択される第3のペアについての前記ビームパターンの組を決定する処理の中で前記等価ベースバンドチャネル状態を評価する際に、前記第2の記憶部に格納されている前記等価ベースバンドチャネル状態の情報を利用する
付記1に記載の無線通信システム。
前記第2のペアについて前記ビームパターンの組を決定する際に評価する前記等価ベースバンドチャネル状態の情報を前記第2の記憶部に格納し、前記第2のペアより後に選択される第3のペアについての前記ビームパターンの組を決定する処理の中で前記等価ベースバンドチャネル状態を評価する際に、前記第2の記憶部に格納されている前記等価ベースバンドチャネル状態の情報を利用する
付記1に記載の無線通信システム。
(付記3)前記第2のアンテナ素子群により形成されるビームパターンは、前記第2のアンテナ素子群に含まれる1つのアンテナ素子により形成されるオムニパターンに設定される
付記1又は2に記載の無線通信システム。
付記1又は2に記載の無線通信システム。
(付記4)前記送信アンテナに含まれる複数の第1のアンテナ素子群のそれぞれにより形成されるビームパターンは予め設定されている
付記1又は2に記載の無線通信システム。
付記1又は2に記載の無線通信システム。
(付記5)前記第2のアンテナ素子群により形成されるビームパターンは、前記第2のアンテナ素子群に含まれる1つのアンテナ素子により形成されるオムニパターンに設定されており、
前記第1の制御部は、前記送信アンテナに含まれる1つの第1のアンテナ素子群と前記受信アンテナに含まれる全ての第2のアンテナ素子群とのペアを順次選択する
付記1又は2に記載の無線通信システム。
前記第1の制御部は、前記送信アンテナに含まれる1つの第1のアンテナ素子群と前記受信アンテナに含まれる全ての第2のアンテナ素子群とのペアを順次選択する
付記1又は2に記載の無線通信システム。
(付記6)前記複数の第1のアンテナ素子群のそれぞれにより形成されるビームパターンは予め設定されており、
前記第1の制御部は、前記送信アンテナに含まれる全ての第1のアンテナ素子群と前記受信アンテナに含まれる1つの第2のアンテナ素子群とのペアを順次選択する
付記1又は2に記載の無線通信システム。
前記第1の制御部は、前記送信アンテナに含まれる全ての第1のアンテナ素子群と前記受信アンテナに含まれる1つの第2のアンテナ素子群とのペアを順次選択する
付記1又は2に記載の無線通信システム。
(付記7)前記第1の制御部は、前記送信アンテナから1つの第1のアンテナ素子群を順次選択し、
前記第2の制御部は、
選択された当該1つの第1のアンテナ素子群と前記受信アンテナに含まれる各第2のアンテナ素子群との間で受信品質が高い順に第1の所定数のビームパターンを特定し、
前記第1の制御部は、前記受信アンテナから1つの第2のアンテナ素子群を順次選択し、
前記第2の制御部は、
選択された当該1つの第2のアンテナ素子群と前記送信アンテナに含まれる各第1のアンテナ素子群との間で受信品質が高い順に第2の所定数のビームパターンを特定し、特定された前記第1の所定数のビームパターン及び前記第2の所定数のビームパターンの中から前記ビームパターンの組を決定する
付記1又は2に記載の無線通信システム。
前記第2の制御部は、
選択された当該1つの第1のアンテナ素子群と前記受信アンテナに含まれる各第2のアンテナ素子群との間で受信品質が高い順に第1の所定数のビームパターンを特定し、
前記第1の制御部は、前記受信アンテナから1つの第2のアンテナ素子群を順次選択し、
前記第2の制御部は、
選択された当該1つの第2のアンテナ素子群と前記送信アンテナに含まれる各第1のアンテナ素子群との間で受信品質が高い順に第2の所定数のビームパターンを特定し、特定された前記第1の所定数のビームパターン及び前記第2の所定数のビームパターンの中から前記ビームパターンの組を決定する
付記1又は2に記載の無線通信システム。
(付記8)送信アンテナで形成されるビームパターンの情報が格納される記憶部と、
前記送信アンテナに含まれる第1のアンテナ素子群と、受信アンテナに含まれる第2のアンテナ素子群とのペアを順次選択する制御部と、
を有し、
最初に選択される第1のペアについては受信品質に基づいて前記ビームパターンの組が決定され、前記第1のペアとは異なる第2のペアについては、前記第2のペアより前に選択された各ペアについて決定された前記ビームパターンの組を用いて送受信する場合の等価ベースバンドチャネル状態に基づいて前記第2のペアについての前記ビームパターンの組が決定される
無線通信装置。
前記送信アンテナに含まれる第1のアンテナ素子群と、受信アンテナに含まれる第2のアンテナ素子群とのペアを順次選択する制御部と、
を有し、
最初に選択される第1のペアについては受信品質に基づいて前記ビームパターンの組が決定され、前記第1のペアとは異なる第2のペアについては、前記第2のペアより前に選択された各ペアについて決定された前記ビームパターンの組を用いて送受信する場合の等価ベースバンドチャネル状態に基づいて前記第2のペアについての前記ビームパターンの組が決定される
無線通信装置。
(付記9)受信アンテナで形成されるビームパターンの情報が格納される記憶部と、
順次選択される、送信アンテナに含まれる第1のアンテナ素子群と、前記受信アンテナに含まれる第2のアンテナ素子群とのペアについて、最初に選択される第1のペアについては受信品質に基づいて前記ビームパターンの組を決定し、前記第1のペアとは異なる第2のペアについては、前記第2のペアより前に選択された各ペアについて決定された前記ビームパターンの組を用いて送受信する場合の等価ベースバンドチャネル状態に基づいて前記第2のペアについての前記ビームパターンの組を決定する制御部と、
を有する、無線通信装置。
順次選択される、送信アンテナに含まれる第1のアンテナ素子群と、前記受信アンテナに含まれる第2のアンテナ素子群とのペアについて、最初に選択される第1のペアについては受信品質に基づいて前記ビームパターンの組を決定し、前記第1のペアとは異なる第2のペアについては、前記第2のペアより前に選択された各ペアについて決定された前記ビームパターンの組を用いて送受信する場合の等価ベースバンドチャネル状態に基づいて前記第2のペアについての前記ビームパターンの組を決定する制御部と、
を有する、無線通信装置。
(付記10)送信装置が、
送信アンテナで形成されるビームパターンの情報を取得し、前記送信アンテナに含まれる第1のアンテナ素子群と、受信アンテナに含まれる第2のアンテナ素子群とのペアを順次選択し、
受信装置が、
前記受信アンテナで形成されるビームパターンの情報を取得し、順次選択される前記ペアのうち、最初に選択される第1のペアについては受信品質に基づいて前記ビームパターンの組を決定し、前記第1のペアとは異なる第2のペアについては、前記第2のペアより前に選択された各ペアについて決定された前記ビームパターンの組を用いて送受信する場合の等価ベースバンドチャネル状態に基づいて前記第2のペアについての前記ビームパターンの組を決定する
ビームパターン決定方法。
送信アンテナで形成されるビームパターンの情報を取得し、前記送信アンテナに含まれる第1のアンテナ素子群と、受信アンテナに含まれる第2のアンテナ素子群とのペアを順次選択し、
受信装置が、
前記受信アンテナで形成されるビームパターンの情報を取得し、順次選択される前記ペアのうち、最初に選択される第1のペアについては受信品質に基づいて前記ビームパターンの組を決定し、前記第1のペアとは異なる第2のペアについては、前記第2のペアより前に選択された各ペアについて決定された前記ビームパターンの組を用いて送受信する場合の等価ベースバンドチャネル状態に基づいて前記第2のペアについての前記ビームパターンの組を決定する
ビームパターン決定方法。
(付記11)送信される信号を処理する複数の第1の無線部の全てがそれぞれに接続される複数のアンテナ素子を有する送信アンテナで形成されるビームパターンの情報と、受信される前記信号を処理する複数の第2の無線部の全てがそれぞれに接続される複数のアンテナ素子を有する受信アンテナで形成されるビームパターンの情報とを利用し、
前記送信アンテナに接続される第1の無線部と前記受信アンテナに接続される第2の無線部とのペアを順次選択し、最初に選択される第1のペアについては受信品質に基づいて前記ビームパターンの組を決定し、前記第1のペアとは異なる第2のペアについては、前記第2のペアより前に選択された各ペアについて決定された前記ビームパターンの組を用いて送受信する場合の等価ベースバンドチャネル状態に基づいて前記第2のペアについての前記ビームパターンの組を決定する
ビームパターン決定方法。
前記送信アンテナに接続される第1の無線部と前記受信アンテナに接続される第2の無線部とのペアを順次選択し、最初に選択される第1のペアについては受信品質に基づいて前記ビームパターンの組を決定し、前記第1のペアとは異なる第2のペアについては、前記第2のペアより前に選択された各ペアについて決定された前記ビームパターンの組を用いて送受信する場合の等価ベースバンドチャネル状態に基づいて前記第2のペアについての前記ビームパターンの組を決定する
ビームパターン決定方法。
(付記12)前記送信アンテナで形成されるビームパターンは、前記複数の第1の無線部のそれぞれについて予め設定されている
付記11に記載のビームパターン決定方法。
付記11に記載のビームパターン決定方法。
(付記13)送信される信号を処理する複数の第1の無線部の全てがそれぞれに接続される複数のアンテナ素子を有する送信アンテナと、
前記送信アンテナで形成されるビームパターンの情報が格納される第1の記憶部と、を有する第1の無線通信装置と;
受信される前記信号を処理する複数の第2の無線部の全てがそれぞれに接続される複数のアンテナ素子を有する受信アンテナと、
前記受信アンテナで形成されるビームパターンの情報が格納される第2の記憶部と、を有する第2の無線通信装置と;を含み、
前記第1の無線通信装置は、前記送信アンテナに接続される第1の無線部と前記受信アンテナに接続される第2の無線部とのペアを順次選択する第1の制御部をさらに有し、
前記第2の無線通信装置は、最初に選択される第1のペアについては受信品質に基づいて前記ビームパターンの組を決定し、前記第1のペアとは異なる第2のペアについては、前記第2のペアより前に選択された各ペアについて決定された前記ビームパターンの組を用いて送受信する場合の等価ベースバンドチャネル状態に基づいて前記第2のペアについての前記ビームパターンの組を決定する第2の制御部をさらに有する
無線通信システム。
前記送信アンテナで形成されるビームパターンの情報が格納される第1の記憶部と、を有する第1の無線通信装置と;
受信される前記信号を処理する複数の第2の無線部の全てがそれぞれに接続される複数のアンテナ素子を有する受信アンテナと、
前記受信アンテナで形成されるビームパターンの情報が格納される第2の記憶部と、を有する第2の無線通信装置と;を含み、
前記第1の無線通信装置は、前記送信アンテナに接続される第1の無線部と前記受信アンテナに接続される第2の無線部とのペアを順次選択する第1の制御部をさらに有し、
前記第2の無線通信装置は、最初に選択される第1のペアについては受信品質に基づいて前記ビームパターンの組を決定し、前記第1のペアとは異なる第2のペアについては、前記第2のペアより前に選択された各ペアについて決定された前記ビームパターンの組を用いて送受信する場合の等価ベースバンドチャネル状態に基づいて前記第2のペアについての前記ビームパターンの組を決定する第2の制御部をさらに有する
無線通信システム。
5 無線通信システム
10、20 無線通信装置
11、23 記憶部
12、22 制御部
13 送信アンテナ
21 受信アンテナ
tSA1、tSA2、tSA3、rSA1、rSA2、rSA3 サブアレイ
tBP1、tBPx、tBPx1、tBPx2、tBPx3、rBP1、rBPy、rBPy1、rBPy2、rBPy3 ビームパターン
10、20 無線通信装置
11、23 記憶部
12、22 制御部
13 送信アンテナ
21 受信アンテナ
tSA1、tSA2、tSA3、rSA1、rSA2、rSA3 サブアレイ
tBP1、tBPx、tBPx1、tBPx2、tBPx3、rBP1、rBPy、rBPy1、rBPy2、rBPy3 ビームパターン
Claims (10)
- 送信アンテナで形成されるビームパターンの情報が格納される第1の記憶部と、
前記送信アンテナに含まれる第1のアンテナ素子群と、受信アンテナに含まれる第2のアンテナ素子群とのペアを順次選択する第1の制御部と、
を有する送信装置と;
前記受信アンテナで形成されるビームパターンの情報が格納される第2の記憶部と、
順次選択される前記ペアのうち、最初に選択される第1のペアについては受信品質に基づいて前記ビームパターンの組を決定し、前記第1のペアとは異なる第2のペアについては、前記第2のペアより前に選択された各ペアについて決定された前記ビームパターンの組を用いて送受信する場合の等価ベースバンドチャネル状態に基づいて前記第2のペアについての前記ビームパターンの組を決定する第2の制御部と;
を有する受信装置と;
を含む、無線通信システム。 - 前記第2の制御部は、
前記第2のペアについて前記ビームパターンの組を決定する際に評価する前記等価ベースバンドチャネル状態の情報を前記第2の記憶部に格納し、前記第2のペアより後に選択される第3のペアについての前記ビームパターンの組を決定する処理の中で前記等価ベースバンドチャネル状態を評価する際に、前記第2の記憶部に格納されている前記等価ベースバンドチャネル状態の情報を利用する
請求項1に記載の無線通信システム。 - 前記第2のアンテナ素子群により形成されるビームパターンは、前記第2のアンテナ素子群に含まれる1つのアンテナ素子により形成されるオムニパターンに設定される
請求項1又は2に記載の無線通信システム。 - 前記送信アンテナに含まれる複数の第1のアンテナ素子群のそれぞれにより形成されるビームパターンは予め設定されている
請求項1又は2に記載の無線通信システム。 - 前記第2のアンテナ素子群により形成されるビームパターンは、前記第2のアンテナ素子群に含まれる1つのアンテナ素子により形成されるオムニパターンに設定されており、
前記第1の制御部は、前記送信アンテナに含まれる1つの第1のアンテナ素子群と前記受信アンテナに含まれる全ての第2のアンテナ素子群とのペアを順次選択する
請求項1又は2に記載の無線通信システム。 - 前記複数の第1のアンテナ素子群のそれぞれにより形成されるビームパターンは予め設定されており、
前記第1の制御部は、前記送信アンテナに含まれる全ての第1のアンテナ素子群と前記受信アンテナに含まれる1つの第2のアンテナ素子群とのペアを順次選択する
請求項1又は2に記載の無線通信システム。 - 前記第1の制御部は、前記送信アンテナから1つの第1のアンテナ素子群を順次選択し、
前記第2の制御部は、
選択された当該1つの第1のアンテナ素子群と前記受信アンテナに含まれる各第2のアンテナ素子群との間で受信品質が高い順に第1の所定数のビームパターンを特定し、
前記第1の制御部は、前記受信アンテナから1つの第2のアンテナ素子群を順次選択し、
前記第2の制御部は、
選択された当該1つの第2のアンテナ素子群と前記送信アンテナに含まれる各第1のアンテナ素子群との間で受信品質が高い順に第2の所定数のビームパターンを特定し、特定された前記第1の所定数のビームパターン及び前記第2の所定数のビームパターンの中から前記ビームパターンの組を決定する
請求項1又は2に記載の無線通信システム。 - 送信アンテナで形成されるビームパターンの情報が格納される記憶部と、
前記送信アンテナに含まれる第1のアンテナ素子群と、受信アンテナに含まれる第2のアンテナ素子群とのペアを順次選択する制御部と、
を有し、
最初に選択される第1のペアについては受信品質に基づいて前記ビームパターンの組が決定され、前記第1のペアとは異なる第2のペアについては、前記第2のペアより前に選択された各ペアについて決定された前記ビームパターンの組を用いて送受信する場合の等価ベースバンドチャネル状態に基づいて前記第2のペアについての前記ビームパターンの組が決定される
無線通信装置。 - 受信アンテナで形成されるビームパターンの情報が格納される記憶部と、
順次選択される、送信アンテナに含まれる第1のアンテナ素子群と、前記受信アンテナに含まれる第2のアンテナ素子群とのペアについて、最初に選択される第1のペアについては受信品質に基づいて前記ビームパターンの組を決定し、前記第1のペアとは異なる第2のペアについては、前記第2のペアより前に選択された各ペアについて決定された前記ビームパターンの組を用いて送受信する場合の等価ベースバンドチャネル状態に基づいて前記第2のペアについての前記ビームパターンの組を決定する制御部と、
を有する、無線通信装置。 - 送信装置が、
送信アンテナで形成されるビームパターンの情報を取得し、前記送信アンテナに含まれる第1のアンテナ素子群と、受信アンテナに含まれる第2のアンテナ素子群とのペアを順次選択し、
受信装置が、
前記受信アンテナで形成されるビームパターンの情報を取得し、順次選択される前記ペアのうち、最初に選択される第1のペアについては受信品質に基づいて前記ビームパターンの組を決定し、前記第1のペアとは異なる第2のペアについては、前記第2のペアより前に選択された各ペアについて決定された前記ビームパターンの組を用いて送受信する場合の等価ベースバンドチャネル状態に基づいて前記第2のペアについての前記ビームパターンの組を決定する
ビームパターン決定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017026881A JP2018133727A (ja) | 2017-02-16 | 2017-02-16 | 無線通信システム、無線通信装置、及びビームパターン決定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017026881A JP2018133727A (ja) | 2017-02-16 | 2017-02-16 | 無線通信システム、無線通信装置、及びビームパターン決定方法 |
Publications (1)
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---|---|
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JP2017026881A Pending JP2018133727A (ja) | 2017-02-16 | 2017-02-16 | 無線通信システム、無線通信装置、及びビームパターン決定方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020013315A1 (ja) | 2018-07-13 | 2020-01-16 | 国立大学法人京都大学 | γδT細胞の製造方法 |
-
2017
- 2017-02-16 JP JP2017026881A patent/JP2018133727A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020013315A1 (ja) | 2018-07-13 | 2020-01-16 | 国立大学法人京都大学 | γδT細胞の製造方法 |
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