JP2018132916A - 水処理プラント運用支援システム - Google Patents
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Abstract
【課題】水運用の安定稼働を支援する水処理プラント運用支援システムを提供することを目的としている。【解決手段】水処理プラント運用支援システムは、プラント設備と、コントローラと、制御バスと、運用支援装置と、モニタと、を備え、運用支援装置は、プラント設備の監視を開始すると、現在の曜日分類を決定し、送水設備の水位と送水量に関する現在のデータを、コントローラと制御バスを経由して取得し、この取得した送水設備に関する現在のデータと、曜日分類、天候、および気温が一致する、過去の実績データを、履歴データベースから取得し、この履歴データベースから取得した過去の実績データと、現在のデータとを比較して、現在のデータが許容範囲内に収まっているかどうかを判定し、現在のデータが許容範囲内に収まっていないと判定した場合は、モニタに警告情報を表示することを特徴とするものである。【選択図】図5
Description
この発明は、上水道の分野において、適用される水処理プラント運用支援システムに関わり、特に、水の供給状態を監視する機能を備えている、水処理プラント運用支援システムに関するものである。
需要者に浄水を供給する上水道の分野では、水を需要者に安定して供給するために、水運用を立案することが必要である。そこで、先ず、水運用について説明する。水運用に使用する設備には、水源、導送水系、配水系などが含まれている。水源は、湖、河川、地下水など、元の資源を示す。導送水系は、需要者が需要する水を作り出し、そして、しかる需要者近くの配給設備まで、水を送る送水経路を指している。例えば、導送水系は、取水場→導水管→浄水場→送水管→配水池を経由している。配水系は、需要者に水を実際に供給する経路を指している。例えば、配水系は、配水池→配水管→需要者を経由している。
上記のような水システムにおいて、特に、大都市の水道や、都道府県営水道などでは、いわゆる広域水システムが採用されている。広域水システムでは、構成要素が非常に多数となり、それらはネットワーク状に結合されて構成されている。かかる広域水システムにおいては、需要者への浄水の供給を絶やさないように導送水系を対象とした水の供給計画が最適に立案されている。この供給計画に基づいて、取水量、浄水量(生産量)、送水量(配水池への配分量)、及び、管路系統などを良好な状態に維持することが重要であり、これが、水運用と呼ばれている。
水運用の難しさは、上記の通り、広域水システムが、多変数および多制約である点にある。つまり、設備面では、広域水システムは、多数設備のネットワークであり、しかも、設備能力や貯水容量が設備毎に異なる。また、環境面では、需要量の地域差や、日変動(季節性、曜日性、天気依存性)などが見られる。特に、緊急時の水運用としては、次のような難しさがある。すなわち、水運用は、多変数、多制約、多目的(運用戦略、評価メジャー)であり、かつ、その時の状況や環境に依存する。
さらに、水運用には、管路系統の変更が必要なこともありうる。管路系統の変更には、例えば、通常は使用していない経路の採用などが含まれている。なお、ここで、運用目的および運用戦略は、断水区域最小、断水時間最小、断水開始時刻最遅、系統変更数最小などのことを示すものである。また、状況や環境の不確実性とは、天候、時刻、対応要員、設備状況、責任者、運転員、あるいは施設管理課員を示す概念である。
そこで、多変数性、多制約性、多目的性、および状況依存性を備えた広域水システムにおける運用立案の作成を支援するためのシステム運用立案支援システムが、従前から、提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2を参照のこと)。さらには、かかるシステム運用立案支援システムを利用した水運用立案支援システム及び緊急時水運用立案支援システムも提案されている。
システム運用立案支援システムは、その手段として、事例データベースと、監視制御システムデータベースと、設備データベースと、事例検索部と、運用案生成部と、入力装置を備えている。ここで、事例データベースは、多変数・多制約システムの運用事例を格納している。監視制御システムデータベースは、前記多変数・多制約システムにおける、被監視値、予測値、あるいは、被制御量を含む監視制御データを格納している。設備データベースは、前記多変数・多制約システムを構成する各設備の設備条件を格納している。入
力装置は、運用立案条件を入力するための装置である。さらには、水運用立案支援システムと緊急時水運用立案支援システムは、かかるシステム運用案立案支援システムを水システムに利用している。
力装置は、運用立案条件を入力するための装置である。さらには、水運用立案支援システムと緊急時水運用立案支援システムは、かかるシステム運用案立案支援システムを水システムに利用している。
水処理プラント運用支援システムおよび運用支援装置は、以上のように構成され、水運用の支援をシステム化している。平常運転時には、過去に運用実績があったデータと比較することで、現在運用している水処理プラントのポンプ設備、弁設備、配水池設備に異常がないか監視している。しかし、水処理プラント運用支援システムには、異常があれば警告する仕組みは見られない。
現在の状態が平常に運転しているように見えていても、実際には水の供給に過不足が発生している場合がありうる。水処理プラント運用支援システムにこの警告する仕組みがない場合、数時間後に復旧に時間を要する異常状態に陥る場合も考えられる。つまり、異常の兆候の事前予知、また、異常そのものを検知する仕組みが従来のシステムには備わっていない為、異常状態となった後の復旧に時間を要するなど、安定稼働の点で課題を残す可能性が高い。
次に、本発明の目的を以降で述べる前に、本発明で使用する用語を説明する。配水池設備とは、需要者に実際に供給する水を貯める設備である。ポンプ設備とは、湖、河川などの水源から供給され浄化された浄水池の水を、配水池設備へ送り出す設備である。弁設備とは、開閉角度などの調整により、配水池設備に送る水の量を調整する設備である。水位とは、配水池設備の水位である。
配水池設備の水位から需要者に水を供給する水の量が算出できるので、需要者へ水を供給できるかどうかを判断する為の数値として利用する。送水量とは、ポンプ設備、弁設備が送り出し配水池への配分する水の量である。送水計画とは、需要量を満たすよう、この送水量を調整することである。水運用とは、ポンプ設備の送水量、弁設備の送水量、および配水池設備の水位を調整し、需要者へ水を安定供給する一連の作業のことである。送水設備とは、ポンプ設備、弁設備など、水を送り出し供給する設備を指している。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものである。したがって、この発明に係わる水処理プラント運用支援システムは、水運用の安定稼働を支援することを目的としている。なお、以降、異常につながる予兆現象を異常状態として説明する。また、水処理プラント運用支援システムは、平常運転時には、ポンプ設備、弁設備、配水池などの運用に異常がないかを監視している。
本発明に係わる水処理プラント運用支援システムは、送水設備を含むプラント設備と、プラント設備に含まれる送水設備から水位と送水量に関するデータを取得するコントローラと、コントローラが取得した水位と送水量に関するデータを伝送する制御バスと、送水設備に関する過去の実績データが収められている履歴データベースを有している運用支援装置と、運用支援装置に接続されているモニタと、を備え、運用支援装置は、プラント設備の監視を開始すると、現在の曜日分類を決定し、送水設備の水位と送水量に関する現在
のデータを、コントローラと制御バスを経由して取得し、この取得した送水設備に関する現在のデータと、曜日分類、天候、および気温が一致する、過去の実績データを、履歴データベースから取得し、この履歴データベースから取得した過去の実績データと、現在のデータとを比較して、現在のデータが許容範囲内に収まっているかどうかを判定し、現在のデータが許容範囲内に収まっていないと判定した場合は、モニタに警告情報を表示することを特徴とするものである。
のデータを、コントローラと制御バスを経由して取得し、この取得した送水設備に関する現在のデータと、曜日分類、天候、および気温が一致する、過去の実績データを、履歴データベースから取得し、この履歴データベースから取得した過去の実績データと、現在のデータとを比較して、現在のデータが許容範囲内に収まっているかどうかを判定し、現在のデータが許容範囲内に収まっていないと判定した場合は、モニタに警告情報を表示することを特徴とするものである。
本発明に係わる水処理プラント運用支援システムは、送水設備を含むプラント設備と、プラント設備に含まれる送水設備から水位と送水量に関するデータを取得するコントローラと、コントローラが取得した水位と送水量に関するデータを伝送する制御バスと、送水設備に関する過去の実績データが収められている履歴データベースを有している運用支援装置と、運用支援装置に接続されているモニタと、を備え、運用支援装置は、プラント設備の監視を開始すると、現在の曜日分類を決定し、送水設備の水位と送水量に関する現在のデータを、コントローラと制御バスを経由して取得し、この取得した送水設備に関する現在のデータと、曜日分類、天候、および気温が一致する、過去の実績データを、履歴データベースから取得し、この履歴データベースから取得した過去の実績データと、現在のデータとを比較して、現在のデータが許容範囲内に収まっているかどうかを判定し、現在のデータが許容範囲内に収まっていないと判定した場合は、モニタに警告情報を表示することを特徴とすることにより、操作者は、送水設備の警告状態を認知することが可能になり、水運用の安定稼働を支援することが可能である。
本発明の実施の形態に係る水処理プラント運用支援システムについて、図を参照しながら以下に説明する。なお、各図において、同一または同様の構成部分については同じ符号を付しており、対応する各構成部のサイズや縮尺はそれぞれ独立している。例えば構成の一部を変更した断面図の間で、変更されていない同一構成部分を図示する際に、同一構成部分のサイズや縮尺が異なっている場合もある。また、水処理プラント運用支援システムの構成は、実際にはさらに複数の部材を備えているが、説明を簡単にするため、説明に必要な部分のみを記載し、他の部分については省略している。
実施の形態1.
この発明は、上水道の分野において、水の供給の状態を監視し、異常発生時には、水処理プラント設備の送水計画や同設備への制御を行い、異常状態を安定稼働へと復旧させる機能を備えた、水処理プラント運用支援システムに関する。この水処理プラント運用支援システムは、異常の予兆発生の時にとどまらず、設備の変更や電力量などのコスト削減などの運用計画の変更時にも、その機能を実行することができる。また、安定かつ効果的、効率的に送水設備を運用することができる。
この発明は、上水道の分野において、水の供給の状態を監視し、異常発生時には、水処理プラント設備の送水計画や同設備への制御を行い、異常状態を安定稼働へと復旧させる機能を備えた、水処理プラント運用支援システムに関する。この水処理プラント運用支援システムは、異常の予兆発生の時にとどまらず、設備の変更や電力量などのコスト削減などの運用計画の変更時にも、その機能を実行することができる。また、安定かつ効果的、効率的に送水設備を運用することができる。
異常の判断には過去に運用され安定稼働した実績データを用いている。つまり、水処理プラント運用支援システムは、ポンプ設備の送水量、弁設備の送水量、配水池の水位において、運用当日の天気や気温などの気象条件、曜日、祝日などの時期の条件が近似する過去の実績データと現在を比較する。一定以上の差異があれば、警告を発信することで水運用の異常につながる予兆現象を検出し、操作員へ警告を通知する。
さらに、水処理プラント運用支援システムは、その警告を通知した時の家庭や工場等の需要量に対する最適な送水設備の送水量を現在から24時間分計算し、そのデータの正当性を確認したり、修正したり、プラント設備を制御したりする機能を有している。さらに、平常時の運用支援にとどまらず、警告状態を安定稼働状態に復旧させることができるようになる。以下、実施の形態に係わる水処理プラント運用支援システムの構成を、図を参照しつつ、説明する。
図1は、水設備プラントの運用支援装置のシステム構成を示している。実施の形態に係わる水処理プラント運用支援システム100は、数台のモニタ1、運用支援装置2、制御バス3、コントローラ4、プラント設備5などから構成されている。運用支援装置2は、運用支援装置オンライン6と、運用支援装置オフライン7の、2つのライン(装置)から構成されている。運用支援装置オンライン6と運用支援装置オフライン7は、それぞれが、モニタ1を備えている。プラント設備5には、ポンプ、弁、配水池などが含まれる。
複数台のモニタ1は、運用支援装置2で扱う、系統図、計算結果、アラームなどの表示やデータ設定に使用する。運用支援装置2は、プラント設備5の送水量計算と修正、配水池設備の水位監視、そして系統図の作成と編集、プラント設備のデータ設定、プラント設備5の制御を行う。制御バス3は、運用支援装置2とコントローラ4とを双方向で情報の伝達を実現する。コントローラ4は、ポンプ、弁、配水池などのプラント設備5の状態収集や制御を行う。プラント設備5には、ポンプや弁などの送水設備が含まれる。
図2は、実施の形態1における運用支援装置2の詳細構成を示している。運用支援装置2の運用支援装置オンライン6は、プラント設備5(ポンプ、弁、配水池など)のシンボルとその接続を図示した系統図をモニタ1に表示する。運用支援装置オンライン6は、さらに、ポンプ設備の送水量の監視、弁設備の送水量の監視、配水池設備の水位の監視、水の需要量にマッチしたポンプ設備の送水量の計画策定、プラント設備(ポンプ設備、弁設備、配水池設備など)の制御などを行う。運用支援装置2の運用支援装置オフライン7は、系統図のデータ作成と編集などを行う。
運用支援装置オンライン6は、系統図表示/監視部8、送水量・水位監視部9、送水計画部10、プラントデータ収集/制御部16、系統データベース11、プラントデータベース12、履歴データベース17などから構成されている。系統図表示/監視部8は、前述の系統図を表示する。送水量・水位監視部9は、現在運用しているポンプ設備および弁設備の送水量や、配水池設備の配水量に異常がないかどうかを監視する。送水計画部10は、水の需要に見合うポンプ設備の送水量を計算し、問題ないかどうかを確認する。送水計画部10は、さらに、異常発生時などには、送水量を修正した上で、プラント設備5に、制御バス3およびコントローラ4を経由して、制御指令を出す。
プラントデータ収集/制御部16は、プラント設備の緒元を表示し、又、訂正できる設備緒元表示/修正機能を備えており、プラント設備のデータを収集し、系統図に表示したり、プラント設備を制御したりする。送水計画部10は、水の需要に見合う送水量の計算、送水量の確認、送水量の修正、プラント設備への制御指令を行う機能を有する。系統データベース11は、系統図表示/監視部8および送水計画部10とリンクしている。プラントデータベース12は、送水計画部10およびプラントデータ収集/制御部16とリンクしている。履歴データベース17は、送水量・水位監視部9および送水計画部10とリンクしている。
運用支援装置オフライン7は、系統データベース13、系統図作成部14、プラントデータベース15などから構成されている。系統図作成部14は、系統図を作成する機能、各設備の諸元を入力、編集できる機能、構成要素の移動、コピー、削除等を編集する機能を保持する。系統図は、プラント設備5(ポンプ、弁、配水池など)を示す設備シンボルを、配管設備を示す線で接続した図である。系統データベース13は、系統図作成部14で作成したデータを保持する。プラントデータベース15は、系統図上の設備シンボルとプラント設備5のデータを対応付ける時に使用する。
つまり、平常時に送水量・水位監視部9で、現在運用している設備(ポンプ、弁など)の送水量や配水池設備の配水量に異常がないかどうかを監視している。送水量・水位監視部9が異常と判断した後、送水計画部10は、水の需要に見合う送水量の計算、送水量の確認、送水量の修正、プラント設備への制御指令の発行などを行う機能を使用して、プラント設備5の異常状態を復旧させることができる。また、送水計画部10は、上述の異常の診断がでた時の他、設備の変更や電力量などのコスト削減などの運用計画の変更時にも、諸機能を実行することができる。その結果、水処理プラント運用支援システム100は、安定かつ効果的、効率的に送水設備を運用することができる。
次に、各部の動作について説明する。図3は、系統図作成部14の操作フローである。運用支援装置オフライン7において、系統図の作成が開始すると(ステップA1)、系統図作成部14にある設備シンボル配置機能により、まず設備のシンボルを配置する(ステップA2)。設備シンボル配置機能は、設備アイコンを一覧表示し、選択した設備のシンボルを指定した位置へ配置することができる。例えば、図4に示した系統図のサンプルに表示されているように、浄水池、ポンプ、配水池、流入弁、配水区などの設備シンボルを配置する。
次に、系統図作成部14の接続機能により、マウスのクリックなどで、接続する設備シンボルを2つ指定して、配置した設備シンボルを線で接続する(ステップA3)。系統図作成部14の接続機能は、設備シンボル間の接続情報を作成し、系統図のサンプルのような配管設備を示す矢印つきの線を表示する(図4を参照)。系統図作成部14の設備シンボル配置機能は、配管設備が分岐する場合は、その有無を自動認識して接続情報を作成することができる。
次に、系統図作成部14の設備諸元入力機能により、設備の諸元を入力する(ステップA4)。設備諸元入力機能は、指定された設備シンボルの諸元を入力する画面を表示し、データ入力と登録操作を個々に行うことにより、設備の諸元のデータを保存する。次に、プラント設備のタグ割付機能により、プラント設備のデータに振られたタグデータを、配置した設備シンボルへ割り付けし、系統図上の設備とプラント設備のデータを対応づける(ステップA5)。
プラント設備のタグ割付機能では、プラントデータベース15から現場にあるプラント設備5の一覧を表示し、系統図上に配置した設備シンボルと一覧上の機器の両方を指定することにより、設備の諸元にタグを設定する。上記までは系統図の新規作成に関する機能の説明である。系統図作成部14は、修正機能や削除機能についても合わせて保持している。設備シンボル、接続シンボルの新規作成、修正、削除機能により系統図が作成されると、データ保存機能により、系統データベース13への保存を行う(ステップA6)。
系統図作成部14のデータ保存機能は、操作員が保存操作により、これまで作成した系統図の設備シンボルとプラント設備5の間の整合性チェックを行う。エラーがない場合、系統図作成部14のデータ保存機能は、オンライン側で、系統図の表示、送水量の計算、送水量の修正が可能なデータを作成し、系統データベース13に保存する。エラーがある場合、データ保存機能は、エラーの設備シンボルを色替え表示した上で、エラー内容を表示する。データが保存されれば、終了する(ステップA7)。
なお、運用支援装置オンライン6と運用支援装置オフライン7は、装置を分けて記載しているが、1つの装置内に統合していてもよい。運用支援装置オフライン7の系統図作成部14で作成した系統データベース13は、操作員による設備緒元の確認により確定した後、コピー操作により運用支援装置オンライン6の系統データベース11に反映される。
続いて、運用支援装置オンライン6の動作について説明する。系統図表示/監視部8は、系統図表示機能を有しており、系統データベース11を読み取り、運用支援装置オフライン7で作成した系統図をモニタ1の上に表示する(図4を参照)。表示した系統図では、各プラント設備の稼動状態(正常または異常)を色分けして表示したり、後述の配水池水位監視、評価指標確認、および水位トレンド確認を行う機能で異常と判断したプラント設備を色分け表示したり、水位上下限オーバ時の配水池設備で水位オーバを示す絵に変化させて表示したりする。
また、系統図表示/監視部8は、系統図上の設備シンボルをマウス等の指示デバイスで指定する事により、後述する需要量予測機能で予想した需要量を表示したり、後述する送水量計算機能で計算した24時間分の送水量のトレンドグラフや送水量のテーブルを表示したりする。さらに、プラントデータ収集/制御部16が収集したプラントデータも、トレンドグラフの形で表示を行う。そして、プラント設備5のうち、アラーム情報を発生した設備のシンボルを強調表示で示して表示する。ここで強調表示とは、例えば、配水池設備シンボルで、水位が上限値オーバになっていることを、オーバの部分を赤で表示するなど一目で異常が識別できるようにすることである。
また、系統図表示/監視部8は、プラント設備諸元表示機能を持ち、系統図上のポンプ、弁(流入弁、受水弁)、配水池シンボルなどの設備を指示すると、現在の設定されている設備諸元やプラント設備の現在の状態を表示する。ただし、ポンプは、手動運転のものは除き、受水弁からは連絡弁を除くものとする。各設備の表示項目は次の通りである。配水池設備は、水位上下限値、現在水位などである。ポンプ設備は、ポンプ種別、ポンプ台数、送水量上下限値などである。弁設備は、送水量上下限値などである。
ポンプ設備の送水量の監視、弁設備の送水量の監視、および配水池設備の水位の監視が、送水量・水位監視部9によって定期的に行われている。送水設備の送水量や配水池の水位の運用が、天候、気温、曜日などの条件が同じであれば、同様の運用であることが多い。このため、送水量・水位監視部9は、監視の方法として、履歴データベース17に記録された運用に実績のある過去のデータと現在の状況を照合する。
以下、送水量・水位監視部9の動作を、図5のフローを用いて説明する。送水量・水位監視部9は、運用支援装置2内で、30分に一度など定期的なタイミングで、以降説明することを繰返し実行する(ステップE1)。まず、計算機上の現在のカレンダ情報から現在日が月曜、平日(火曜〜金曜)、土曜、日曜、祝日のうち、どの曜日に該当するか、曜日分類を決定する(ステップE2)。送水設備の送水量や配水池の水位の運用が、天候、気温、曜日などの条件が同じであれば、同様の運用であることが多いので、履歴データベース17に記録された運用に実績のある過去のデータと現在の状況を照合している。
次に、送水量・水位監視部9は、ポンプ設備の送水量、弁設備の送水量、および配水池設備の水位を、プラントデータ収集/制御部16から取得する(ステップE3)。ポンプ設備および弁設備には、運用支援装置2で制御するプロセス量(上下水の送水量や水位等のデータを含む)を測定する図示しない測定機器が備え付けられている。それら測定機器による測定データは、コントローラ4が取得し、制御バス3を経由してプラントデータ収集/制御部16に送信される。
送水量・水位監視部9は、プラントデータ収集/制御部16から、ポンプ設備の送水量の現在値、弁設備の送水量の現在値、および配水池設備の水位の現在値を取得する。さらに、インターネットの気象情報サイトから、現在の天候と現在の気温を取得する(ステップE4)。履歴データベース17からは、現在から過去にさかのぼり、天候、気温、曜日分類が一致するデータを検索し、ポンプ設備の送水量の平均、弁設備の送水量の平均、および配水池の水位の平均をとり、過去の実績データとする(ステップE5)。
送水量・水位監視部9は、以上で得られたデータ、つまり、現在のポンプ設備の送水量、現在の弁設備の送水量、および現在の配水池の水位と、過去の実績データとを比較する(ステップE6)。送水量・水位監視部9は、現在データと過去の実績データとの差が許容範囲を超えた場合、異常と判断する。さらに、送水量・水位監視部9は、異常を発見すると、系統図表示/監視部8を通して、発生した設備を点滅などで強調表示し、警告情報をモニタ1に警告音と共に表示することにより、操作員に異常を通知し、注意を促す(ステップE7)。
異常と判別する為に使用する許容範囲の値は、運用する機場にまちまちであることが多く、図示しない変更画面により変更できるようにしている。なお、上述の曜日分類の決定において、現在日が、ゴールデンウィーク(5月の連休)、盆、正月、配水制限日、暴風日、イベント日といった特殊な日の場合は、図示しない画面から前述の条件(特殊日)を指定できる。上述の過去の実績データの決定に使用する曜日分類を特殊日に設定することで、特殊な条件においても監視ができるようにしている。異常通知が、実行されれば、終了する(ステップE8)。その後、動作主体は、送水量・水位監視部9から、送水計画部10に移行する。
送水計画部10は、上述の送水量・水位監視部9で異常の診断の時に、工場や家庭など需要者の水の需要に見合う量を供給する様、ポンプ設備、弁設備の送水量を計画する。需要量予測機能により供給すべき水の量を予測し、送水量計算機能により、供給量を満足する為に必要なポンプ設備の送水量を計算する。そして、送水量修正機能により送水量の正当性の確認、送水量の修正を行った後、計画した送水量でポンプ設備を運用するよう指令する。また、送水計画部10は、上述の異常の診断がでた時の他、設備の変更や電力量などのコスト削減などの運用計画の変更も行うことができ、安定かつ効果的、効率的に送水設備を運用することができる。
図6は、送水計画部10の役割を示す操作フローである。図を参照しながら、操作フローの各ステップと共に、送水計画部10の動作を説明していく。需要量予測(ステップB1)は、需要者(家庭、工場など)の水の需要量を予測し、予測した需要量に基づき配水池の配水量を計算する機能であり、予測には過去の需要量の実績データである履歴データベース17を使用する。まず、操作員は、需要量予測の条件を画面から入力する(ステップB11)。
当日の天候、翌日の天候、翌々日の天候、最高気温、予測分類の情報(曜日、特殊日など)などを画面から設定する。天候は、当日、翌日、翌々日で予想される天候を設定する。最高気温は、当日と翌日で予想される最高気温を設定する。予測分類には曜日分類または特殊分類を設定する。曜日分類は、月曜、平日(火〜金曜)、土曜、日曜、祝日の曜日を示し、特殊分類は、ゴールデンウィーク(5月の連休)、盆、正月、配水制限日、暴風日、イベント日といった特殊日により予測させる条件を示す。
図7は、需要量予測条件を入力した画面のサンプルである。当日、翌日、翌々日の天候と気温を入力した例を示している。次に、操作員は需要量予測計算を画面から実行する(ステップB12)。需要量予測計算は、予測分類により計算方法が異なる。予測分類が曜日分類の場合は、現在から過去にさかのぼり、天候、気温、および需要量の実績データを履歴データベース17から取得し、予測日と同じ曜日分類の需要量の平均を計算し、それに天候、気温が影響する量を加算することで予測値を算出する。
天候、気温が影響する量は、履歴データベース17から取得した需要量、天候、気温データから、重回帰分析を用いて、天候および気温と、需要量との関係を計算する。過去にさかのぼり実績データを抽出する場合の日数は、パラメータとして変更できる。予測分類が特殊分類の場合は、サンプル数が少ない為、曜日分類のような重回帰分析を用いず、過去の同一特殊日の実績を履歴データベース17から取得した平均値を需要予測値とする。
計算した需要量予測データは、需要量予測データ52に記録される。送水計画部10には、天候の急変等で計算結果が現在の状態と合わなくなるといった時など、需要量予測値の修正が必要な場合に、操作員が需要量予測データをグラフで参照できる機能、手動で需
要量予測値を修正できる機能が備わっている。図8の系統図には、配水区71、配水区72、配水区73に加えて、送水設備76(○○ポンプ)、送水設備77(○△ポンプ)、送水設備78(○△連絡弁)、送水設備79(○△流入弁)が示されている。配水区71、配水区72、および配水区73が、3つの需要者になる。
要量予測値を修正できる機能が備わっている。図8の系統図には、配水区71、配水区72、配水区73に加えて、送水設備76(○○ポンプ)、送水設備77(○△ポンプ)、送水設備78(○△連絡弁)、送水設備79(○△流入弁)が示されている。配水区71、配水区72、および配水区73が、3つの需要者になる。
図9は、需要量予測計算の結果を参照できるデータ画面のサンプルである。同図の需要量予測画面には、3つの「配水区」毎に24時間分の需要量予測の計算結果と、過去の24時間分の実績とが合わせてグラフで表示されている。送水量計算(ステップB2)は、需要量予測(ステップB1)で求めた需要量を満たす水が配水池へ供給されるよう、ポンプ設備および弁設備が送り出す送水量を計算する機能である。
この送水量計算には、浄水場における水運用の方針が考慮される。水運用の方針には、コストを重視するのか(コスト優先)、それとも多少コストがかかっても各時間での送水量のばらつきを抑えたいのか(平滑化優先)、などの選択肢が含まれている。また、ポンプ設備、弁設備、配水池設備の制約事項にあうようカスタマイズし、送水量を計算できる機能が備わっている。操作員は、まず、水運用の方針に関する複数の選択肢のいずれかを選択する(ステップB21)。
図10は、3つの選択肢を選択する画面のサンプルである。操作員は、この画面のいずれかのボタンを選択することにより、前述の水運用の方針を指定する。選択肢1は、水運用の方針を平滑化優先として、時間毎の送水量の変化ができるだけ小さくなるように送水量を計算する。選択肢2は、水運用の方針を平滑化・コスト同等として平滑化優先とコスト優先が同程度になるように送水量を計算する。選択肢3は、水運用の方針をコスト優先として、弁とポンプのコストができるだけ小さくなるように送水量を計算する。
次に、操作員は、コストの指定、すなわち、単位電力あたりの料金を設定する。浄水場の場所によって電力料金が異なる可能性がある為、電力料金は送水系統単位で設定できるようにしている。図11は、コストすなわち単位電力あたりの料金を入力する画面のサンプルである。画面に示されているように、送水系統毎に電力料金設定画面で期間(開始日時、終了日時)と電力料金(円/kWh)を複数指定できるようにしている。
操作員は、プラント設備の制約事項として、配水池設備の水位の上下限値、配水池設備の水滞留時間、送水設備(ポンプ設備および弁設備)の送水量の上下限値、送水量の増減幅を24時間分設定する。図12は、配水池設備における水位の上下限値を設定する画面のサンプルであり、24時間分、上限値と下限値を指定する例を示している。前述の3つの画面で、送水量計算の条件を指定した後、送水量計算実行を画面から起動する(ステップB22)。
系統図には「送水量計算」を開始指示するボタンが備えられ、それを指示することで送水量計算が実行される(図8を参照)。送水量計算は、上述の需要量を満たし、かつ、設定した運用方針、コスト、制約条件を満たす、最適な送水量を算出する。そして送水量計算値53に書き込む。なお、送水計画部10には、送水量計算の計算結果を確認できる送水量表示(ステップB31)の機能が備わっている。
図13は、計算したポンプ設備および弁設備の送水量の推移をすべてグラフ表示した送水量表示機能の画面である。同図では、送水設備76、送水設備77、送水設備78、送水設備79の、4つの送水量を24時間分、過去の6時間分の実績と合わせて表示し、全体を確認できる例を示している(図8の系統図を参照)。具体的な各時刻の送水量の値は、グラフの線を指定することにより、図示しないテーブル形式の画面で表示され、確認できるようになっている。
さらに、送水計画部10では、系統図で設備を指定することにより、設備個々の送水量を確認できるようになっている。例えば、図14の○で示されているように、送水設備76(○○ポンプ)を指定したとする。図15は、ポンプ設備である送水設備76における送水量の遷移を、グラフで表示している。
送水量修正(ステップB3)は、送水量を個別に修正できる機能である(ステップB31〜ステップB35)。この機能は、例えば、当日プール開きがあり、特定の時間、水の需要量が増す為に送水量を調整するような、送水量計算で計算した送水量を個別に修正する必要がある時に使用できる。送水量修正の手順と機能につき、図を用いて説明する。まず、操作員は、送水量表示(ステップB31)の機能により、ポンプ・弁送水量画面に送水量を表示させる。
操作員は、グラフを指示して、送水量の修正画面を表示し、同画面で送水量を修正する。図16は、送水量表示機能で表示した画面を示している。図17は、送水量修正画面を示している。操作員は、図16で修正する送水量のグラフを指示し、図17の送水量修正画面で送水量を修正する。送水量修正画面では、計算結果の値が修正元として表示され、修正したい時刻の送水量を修正できる。
送水量確認は、指標・水位計算実行(ステップB33)を起動することにより行うことができる。送水量確認は、配水池の水位と評価指標を計算させ、その結果を参照することにより、修正後データの影響を確認する機能である。送水量確認は、操作員がこれまでの機能で確定した送水量をコントローラへ送信して送水設備の運転を始める前に、実行される。送水量確認の手段として、送水量修正(ステップB3)は、評価指標による確認と、水位トレンドによる確認の2つの機能を備えている。
評価指標確認(ステップB34)では、ポンプおよび弁の送水量の平滑化を示す指標、ポンプのON/OFFが切り替わる回数を示す指標、コストを示す指標の3つの指標を計算する。3つの指標は、以下のような式から求めることが可能である。送水量は、24時間の最大送水量/24時間の平均送水量から求められる。ポンプのON/OFFが切り替わる回数は、24時間でポンプ運転台数が変化した回数から求められる。コストを示す指標は、24時間あたりの合計コスト(万円)から求められる。
これら3つの指標を、それぞれ画面に表示する。操作員は、以下のような観点でこれらの指標を評価する。平滑化を示す指標では、1に近いほど送水量が平滑化されていると判断できる。ポンプのON/OFFが切り替わる回数では、0に近いほど送水量が平滑化されていると判断できる。コストを示す指標では、値が低いほど効率運転されていると判断できる。
水位トレンド確認(ステップB35)は、系統図内の配水池全てを対象に、修正後の送水量で水位を計算し、グラフを用いて水位の変化を24時間分、過去の6時間の実績と合わせて表示する機能や、各設備の水位の制限値と超えたデータは系統図上で「制限値オーバ」を示すマークを該当の設備に表示する機能を備えている。操作員は、このグラフを確認する事や、系統図上で「制限値オーバ」の有無を確認する事で、修正による影響の有無を判断できる。
グラフ表示には過去の実績データを上述と同じ条件で重ね合わせて表示する機能を備えている。過去の実績と比較することができるので、影響確認の精度が上がる。図18は、配水池水位計算の結果を参照できる画面のサンプルである。同図は、系統図に示す3つの需要者である「配水区」に対して、24時間分水位の変化を、過去の6時間分の実績デー
タと重ね合わせてグラフで表示した例を示している。
タと重ね合わせてグラフで表示した例を示している。
さらに、送水量修正(ステップB3)は、系統図上の各設備を指定することにより、設備毎に修正後の送水量での水位の変化のグラフやテーブルを24時間分、過去の6時間分の実績と合わせて表示する機能を備えている。この機能を用いて、個々の設備毎に確認する事で影響の有無を判断できる。この影響確認により、送水量の修正が必要な場合は送水量修正に戻り、送水量を修正する。同様のことを繰り返すことで、送水量を確定する。送水量は送水量運用値54に記録される。
送水量反映(ステップB4)は、前述までの機能により確定した送水量を運用データとしてコントローラ4に送る。コントローラ4が、その送水量をプラント設備5のポンプ設備、弁設備に送信し、制御することで、同送水量での運転を開始する。送水量反映(ステップB41)は、操作員が系統図から指示することで、送水量修正機能および送水量確認機能で確定した送水量運用値54のデータをプラントデータ収集/制御部16に送信し、プラント設備5に対して制御を指示する。
以降、プラントデータ収集/制御部16が、プラント設備5へ制御指示を出すことにより、プラント設備5は運転を開始する。これまで説明した機能を実行することで、異常状態を復旧させるべく送水計画を作成して、プラント設備へ指示し、運用開始した状態になる。以降、運用支援装置は、配水池水位監視機能により、運用開始後の運転に問題がないか監視する。
配水池水位監視(ステップB5)は、前述の送水量反映後に、配水池設備の水位の正常運転を1時間毎に24時間監視する機能である。操作員は、まず、配水池水位監視実行(ステップB51)の開始指示を画面から指示する。開始後、1時間毎に24時間先までの水位計算を行い、その予測水位が運用水位上下限の範囲外にならないかどうかを監視する。水位が制限値を超える場合、水位オーバとし、警告を出力する。水位予測計算で使用する送水量は、送水量修正で反映した送水量運用値54を用いて計算する。水位は前述の水位トレンド確認の機能と同様に以下に示すグラフやテーブルにより確認でき、異常診断の時、グラフのトレンドを参照することで修正箇所の特定に利用できる。
従って、実施の形態に係わる水処理プラント運用支援システム100は、現在運用している水処理プラントのポンプ設備の送水量、弁設備の送水量および配水池設備の配水量に異常がないか、過去の実績データと比較することで監視し、異常診断時にアラーム表示する。異常と診断した後、工場や家庭などの水の需要量を予測する需要量予測、需要量を満たすようポンプ設備、弁設備の最適な送水量を計算する送水量計算、計算した送水量をカスタマイズし、運用データとする送水量修正、運用する送水量で運転するようプラント設備を制御する送水量反映の機能により、異常状態を安定稼働へ復旧させる。
すなわち、本発明に係わる水処理プラント運用支援システムは、送水設備を含むプラント設備と、プラント設備に含まれる送水設備から水位と送水量に関するデータを取得するコントローラと、コントローラが取得した水位と送水量に関するデータを伝送する制御バスと、送水設備に関する過去の実績データが収められている履歴データベースを有している運用支援装置と、運用支援装置に接続されているモニタとを備え、運用支援装置は、プラント設備の監視を開始すると、現在の曜日分類を決定し、送水設備の水位と送水量に関する現在のデータを、コントローラと制御バスを経由して取得し、この取得した送水設備に関する現在のデータと、曜日分類、天候、および気温が一致する、過去の実績データを、履歴データベースから取得し、この履歴データベースから取得した過去の実績データと、現在のデータとを比較して、現在のデータが許容範囲内に収まっているかどうかを判定し、現在のデータが許容範囲内に収まっていないと判定した場合は、モニタに警告情報を表示することを特徴とするものである。
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、プラント設備を制御する送水量を送水量計算(ステップB2)で計算した送水量を表示し(ステップB31)、送水量修正(ステップB32)を行い、運用する場合について述べた。実施の形態2に係る水処理プラント運用支援システムでは、過去の実績があった送水量データを表示し、それを運転データとして採用することで、最適な運転に切り替えることができる。たとえば、過去に最高のコストパフォーマンスがあった時期と同じ条件でプラント装置を運転する。従って、運用支援装置は、モニタに警告情報を表示した以降の手順を、手動モードと自動モードから選択するモード選択を備えている。
なお、上記実施の形態1では、プラント設備を制御する送水量を送水量計算(ステップB2)で計算した送水量を表示し(ステップB31)、送水量修正(ステップB32)を行い、運用する場合について述べた。実施の形態2に係る水処理プラント運用支援システムでは、過去の実績があった送水量データを表示し、それを運転データとして採用することで、最適な運転に切り替えることができる。たとえば、過去に最高のコストパフォーマンスがあった時期と同じ条件でプラント装置を運転する。従って、運用支援装置は、モニタに警告情報を表示した以降の手順を、手動モードと自動モードから選択するモード選択を備えている。
図19に示すように、送水量修正(ステップB3)に過去実績送水量表示(ステップD1)の機能を追加している。履歴データベース17から過去に実績のある送水量をモニタ1に表示し、送水量運用値データとして用いることができるようにしている。操作員は、過去データの検索キーとして、検索期間(検索開始日および検索終了日)、当日および翌日の天候(晴晴、晴雲、晴雨、晴雪、曇晴、曇雲、曇雨、曇雪、雨晴、雨雲、雨雨、雨雪、雪晴、雪雲、雪雨、雪雪など)、当日および翌日の最高気温(範囲指定あり)、当日および翌日の曜日分類(月曜型、土曜型、平日型、休日型、ゴールデンウィーク、盆、正月、配水制限日、暴風日、イベント日、特殊日)を指定でき、過去の実績データを取り出し、手直しできるようにしている。
実施の形態3.
なお、上記実施の形態1では、ポンプ設備の送水量、弁設備の送水量、および配水池の水位は、送水量・水位監視部9によって、平常運転時に、定期的に監視されている。送水量・水位監視部9が異常と診断した時には、需要量予測(ステップB1)、送水量計算(ステップB2)、送水量修正(ステップB3)、送水量反映(ステップB4)の機能により、工場や家庭が必要な量の水を供給する為の円滑な手順が述べられている。ここで、送水量計算(ステップB2)、送水量修正(ステップB3)、送水量反映(ステップB4)の実行は、手動での操作である。実施の形態3に係る水処理プラント運用支援システムでは、水の供給に特殊な条件であるといった個別の調整が必要な時以外は、自動でこれらの機能を実行することで異常時の対応を早めることができる。
なお、上記実施の形態1では、ポンプ設備の送水量、弁設備の送水量、および配水池の水位は、送水量・水位監視部9によって、平常運転時に、定期的に監視されている。送水量・水位監視部9が異常と診断した時には、需要量予測(ステップB1)、送水量計算(ステップB2)、送水量修正(ステップB3)、送水量反映(ステップB4)の機能により、工場や家庭が必要な量の水を供給する為の円滑な手順が述べられている。ここで、送水量計算(ステップB2)、送水量修正(ステップB3)、送水量反映(ステップB4)の実行は、手動での操作である。実施の形態3に係る水処理プラント運用支援システムでは、水の供給に特殊な条件であるといった個別の調整が必要な時以外は、自動でこれらの機能を実行することで異常時の対応を早めることができる。
図20に示すように、本実施の形態による送水計画部10は、需要量予測(ステップB1)の条件設定を行ったあと、送水計画モード選択(ステップC1)において、以降の操作を自動で選択するか、手動で行うか画面で選択するようにしている。自動(ステップC2)を選択した時、需要量予測計算(ステップC3)、送水量計算(ステップC4)、送水量反映(ステップC5)を自動で実行し、送水量計算(ステップC4)が算出した送水量をポンプ設備、弁設備に適用し、運転するようにした。これにより、送水量・水位監視部9が異常と判断した後の復旧をスムーズに行うことができる。なお、送水計画モード選択(ステップC1)で手動(ステップC6)を選択した時は、実施の形態1で説明した送水量の修正が行え、送水量のカスタマイズができる。
実施の形態4.
なお、上記実施の形態3では、プラント設備を制御する送水量を送水量計算(ステップB2)で計算した送水量を表示し(ステップB31)、送水量修正(ステップB32)を行い、運用する場合について述べた。実施の形態4に係る水処理プラント運用支援システムでは、過去の実績があった送水量データを表示し、それを運転データとして採用することで、最適な運転に切り替えることができる。たとえば、過去に最高のコストパフォーマンスがあった時期と同じ条件でプラント装置を運転する。従って、運用支援装置は、モニ
タに警告情報を表示した以降の手順を、手動モードと自動モードから選択するモード選択を備えている。
なお、上記実施の形態3では、プラント設備を制御する送水量を送水量計算(ステップB2)で計算した送水量を表示し(ステップB31)、送水量修正(ステップB32)を行い、運用する場合について述べた。実施の形態4に係る水処理プラント運用支援システムでは、過去の実績があった送水量データを表示し、それを運転データとして採用することで、最適な運転に切り替えることができる。たとえば、過去に最高のコストパフォーマンスがあった時期と同じ条件でプラント装置を運転する。従って、運用支援装置は、モニ
タに警告情報を表示した以降の手順を、手動モードと自動モードから選択するモード選択を備えている。
図21に示すように、送水量修正(ステップB3)に過去実績送水量表示(ステップD1)の機能を追加している。履歴データベース17から過去に実績のある送水量をモニタ1に表示し、送水量運用値データとして用いることができるようにしている。操作員は、過去データの検索キーとして、検索期間(検索開始日および検索終了日)、当日および翌日の天候(晴晴、晴雲、晴雨、晴雪、曇晴、曇雲、曇雨、曇雪、雨晴、雨雲、雨雨、雨雪、雪晴、雪雲、雪雨、雪雪など)、当日および翌日の最高気温(範囲指定あり)、当日および翌日の曜日分類(月曜型、土曜型、平日型、休日型、ゴールデンウィーク、盆、正月、配水制限日、暴風日、イベント日、特殊日)を指定でき、過去の実績データを取り出し、手直しできるようにしている。
従って、実施の形態に係わる水処理プラント運用支援システム100は、現在運用している水処理プラントで現在のポンプ、弁設備の送水量や配水池設備の水位と、過去の実績データと比較することで水の供給状態に異常がないか監視し、異常診断時にアラーム表示する機能を備えた水処理プラント運用支援システムである。
また、実施の形態に係わる水処理プラント運用支援システム100は、異常と診断した後、異常診断時に需要量予測、送水量計算、送水量修正、送水量反映などの機能により、最適な水の供給ができるよう計画、プラント設備の制御を行い、異常状態を安定稼働へ復旧させることができる水処理プラント運用支援システムである。また、実施の形態に係わる水処理プラント運用支援システム100は、送水量計算、送水量反映による異常状態からの復旧を自動で制御する機能を備えている。
また、実施の形態に係わる水処理プラント運用支援システム100は、プラント設備を復旧させた後、1時間毎に24時間先までの水位予測計算を行い、予測水位が運用水位上下限の範囲外にならないか監視する機能を備えた水処理プラント運用支援システムである。また、実施の形態に係わる水処理プラント運用支援システム100は、平常運転時や異常発生運転時に、ポンプ、弁設備の送水量に、過去に安定稼働した実績がある運用データを、運転データとして採用できる機能を備えている。
以上の説明では、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、種々の処理変更を行うことが可能である。
1 モニタ、2 運用支援装置、3 制御バス、4 コントローラ、5 プラント設備、6 運用支援装置オンライン、7 運用支援装置オフライン、8 系統図表示/監視部、9 送水量・水位監視部、10 送水計画部、11 系統データベース、12 プラントデータベース、13 系統データベース、14 系統図作成部、15 プラントデータベース、16 制御部、17 履歴データベース、52 需要量予測データ、53 送水量計算値、54 送水量運用値、71 配水区、72 配水区、73 配水区、76 送水設備、77 送水設備、78 送水設備、79 送水設備、100 水処理プラント運用支援システム
Claims (9)
- 送水設備を含むプラント設備と、
前記プラント設備に含まれる送水設備から水位と送水量に関するデータを取得するコントローラと、
前記コントローラが取得した水位と送水量に関するデータを伝送する制御バスと、
前記送水設備に関する過去の実績データが収められている履歴データベースを有している運用支援装置と、
前記運用支援装置に接続されているモニタと、を備え、
前記運用支援装置は、
前記プラント設備の監視を開始すると、現在の曜日分類を決定し、
前記送水設備の水位と送水量に関する現在のデータを、前記コントローラと前記制御バスを経由して取得し、
この取得した送水設備に関する現在のデータと、曜日分類、天候、および気温が一致する、過去の実績データを、前記履歴データベースから取得し、
この履歴データベースから取得した過去の実績データと、現在のデータとを比較して、現在のデータが許容範囲内に収まっているかどうかを判定し、
現在のデータが許容範囲内に収まっていないと判定した場合は、前記モニタに警告情報を表示することを特徴とする水処理プラント運用支援システム。 - 前記運用支援装置は、天候と気温を、インターネットの気象情報サイトから取得することを特徴とする請求項1に記載の水処理プラント運用支援システム。
- 前記運用支援装置は、現在のデータが許容範囲内に収まっていないと判定した場合、
設定された需要量予測条件に基づいて、水の需要量を予測する需要量予測と、
前記需要量予測で予測された水の需要量を満足するように送水設備の送水量を計算する送水量計算と、
前記送水量計算で得られた送水量を基に実際の運用データを求める送水量修正と、
前記送水量修正で求められた運用データを満足するように前記送水設備を制御する送水量反映を、実行することを特徴とする請求項1または2に記載の水処理プラント運用支援システム。 - 前記運用支援装置は、前記送水量修正を実行する際に、
過去に安定稼働した実績がある送水設備の運用データを、前記モニタに表示することを特徴とする、請求項3に記載の水処理プラント運用支援システム。 - 前記運用支援装置は、前記送水量修正を実行する際に、
1時間毎に24時間先までの水位予測計算を行い、
この水位予測計算で求められた予測水位が、運用水位の範囲内に収まっているかどうかを監視することを特徴とする請求項3または4に記載の水処理プラント運用支援システム。 - 前記運用支援装置は、
前記モニタに警告情報を表示した以降の手順を、手動モードと自動モードから選択するモード選択を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の水処理プラント運用支援システム。 - 前記運用支援装置は、
前記モード選択で自動モードが選択されると、
設定された需要量予測条件に基づいて、水の需要量を予測する需要量予測計算と、
前記需要量予測計算の結果を満足するように送水設備の送水量を計算する送水量計算と、
前記送水量計算で求められた送水量を満足するように前記送水設備を制御する送水量反映を、順次、実行することを特徴とする請求項6に記載の水処理プラント運用支援システム。 - 前記運用支援装置は、
需要モード選択で手動モードが選択されると、
設定された需要量予測条件に基づいて、水の需要量を予測する需要量予測計算と、
前記需要量予測計算の結果を満足するように送水設備の送水量を計算する送水量計算と、前記送水量計算で得られた送水量を基に実際の運用データを求める送水量修正と、
前記送水量修正で求められた運用データを満足するように前記送水設備を制御する送水量反映を、実行することを特徴とする請求項6に記載の水処理プラント運用支援システム。 - 前記運用支援装置は、前記送水量修正を実行する際に、
過去に安定稼働した実績がある送水設備の運用データを、前記モニタに表示することを特徴とする、請求項8に記載の水処理プラント運用支援システム。
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